(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166837
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】パンツ型吸収性物品のパッケージ、及びパンツ型吸収性物品のパッケージ群
(51)【国際特許分類】
A61F 13/15 20060101AFI20241122BHJP
A61F 13/49 20060101ALI20241122BHJP
A61F 13/51 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
A61F13/15 210
A61F13/49 311Z
A61F13/49 312Z
A61F13/49 315A
A61F13/51
A61F13/49 319
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083216
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多田 幹彦
(72)【発明者】
【氏名】島津 健
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA16
3B200BB11
3B200BB17
3B200BB20
3B200CA03
3B200CA06
3B200DA25
3B200DF08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】パンツ型吸収性物品の股下部厚みが薄いことを使用者等に実感させやすくする。
【解決手段】パンツ型吸収性物品1Aは股下部と一対の胴回部20、30を有し一対の胴回部の各左右方向両側部が接合部SSにて接合され左右折り部で折返され且つ一対の胴回部を上下折部で折返された折畳状態で収容されており折畳状態において一対の胴回部は上下折部で左右方向の一方側が折返された一方側折り返し部Ha、上下折部で左右方向の他方側が折返された他方側折返部Hb及び上下折部で折返されていない非折返部を有しパッケージから中央のパンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後に左右折部の折返しを展開した状態において股下部の左右方向における中央の平均厚みが上下方向における接合部の中央を通る左右方向に沿った直線上の一方側折返し部と非折返し部厚みとの和平均値より小さく股下部左右方向における中央平均厚みが8mm以下である。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接する3つ以上のパンツ型吸収性物品と、
前記パンツ型吸収性物品を収容する収容部材と、
を備えたパンツ型吸収性物品のパッケージであって、
前記3つ以上のパンツ型吸収性物品のうち中央のパンツ型吸収性物品は、
上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、
パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを備えた吸収性コアを有する股下部と、一対の胴回り部を有し、
前記一対の胴回り部のそれぞれの前記左右方向の両側部が、一対の接合部にて接合されており、
前記左右方向に沿った左右折り部で折り返され、且つ、前記一対の胴回り部を前記上下方向に沿った上下折り部で折り返された折り畳み状態で収容されており、
前記折り畳み状態において、前記一対の胴回り部は、前記上下折り部で前記左右方向の一方側が折り返された一方側折り返し部、前記上下折り部で前記左右方向の他方側が折り返された他方側折り返し部、及び前記上下折り部で折り返されていない非折り返し部と、を有し、
前記パンツ型吸収性物品のパッケージから前記中央のパンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後に前記左右折り部の折り返しを展開した状態において、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが、前記上下方向における前記接合部の中央を通る前記左右方向に沿った直線上の、前記一方側折り返し部の厚みと前記非折り返し部の厚みとの和の平均値より小さく、
前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが、8mm以下である
ことを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ。
【請求項2】
請求項1に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージであって、
前記一対の胴回り部の少なくとも一方の胴回り部は、
一対のシート部が接着剤で接着されており、
前記一方の胴回り部の上端から前記上下方向における所定長さだけ、前記接着剤が設けられていない非接着領域を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ。
【請求項3】
請求項2に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージであって、
前記折り畳み状態のパンツ型吸収性物品を、前記上下折り部で折り返された一方側折り返し部及び他方側折り返し部を、それぞれ、展開した状態において、
前記前後方向に見て、前記上下折り部が、前記非接着領域と重なる部分を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージであって、
前記一対の胴回り部の少なくとも一方の胴回り部は、
前記接合部の前記上下方向の中央より上側の上部領域と、前記接合部の前記上下方向の中央より下側の下部領域を有し、
前記上部領域を前記左右方向に所定長さだけ伸長させるための、前記上下方向の単位長さ当たりの力が、前記下部領域を前記左右方向に所定長さだけ伸長させるための、前記上下方向の単位長さ当たりの力より大きいことを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージであって、
前記一対の胴回り部の少なくとも一方の胴回り部は、
一対のシート部と、前記一対のシート部間に固定された複数の糸ゴムを備え、
前記複数の糸ゴムは、前記左右方向に伸縮し、
前記接合部の前記上下方向の中央より上側の上部領域と、前記接合部の前記上下方向の中央より下側の下部領域を有し、
前記上部領域において前記上下方向に隣接する前記糸ゴム同士の間隔が、前記下部領域において前記上下方向に隣接する前記糸ゴム同士の間隔より短いことを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージであって、
前記折り畳み状態は、前記左右折り部で前記前後方向における一方に折り返され、且つ、前記一対の胴回り部は前記上下折り部で前記前後方向における他方に折り返された状態であることを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージであって、
前記折り畳み状態において、前記一方側折り返し部と前記他方側折り返し部は、前記左右方向において離間していることを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージであって、
前記折り畳み状態において、前記左右方向において、前記一方側折り返し部と前記他方側折り返し部は、重なる部分を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージであって、
前記一対の胴回り部は、一方の胴回り部と他方の胴回り部で構成され、それぞれ、前記左右方向に伸縮可能な伸縮部材を備え、
前記一方の胴回り部の前記伸縮部材の色と、前記他方の胴回り部の前記伸縮部材の色が異なることを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ。
【請求項10】
請求項1又は2に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージであって、
前記パンツ型吸収性物品のパッケージから前記中央のパンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後に前記左右折り部の折り返しを展開した状態において、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが、前記上下方向における前記接合部の中央を通る前記左右方向に沿った直線上の前記非折り返し部の厚みの平均値より小さいことを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ。
【請求項11】
請求項1又は2に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージであって、
前記パンツ型吸収性物品のパッケージから前記中央のパンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後の前記折り畳み状態において、
前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記胴回り部の上端までの前記上下方向の長さが、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記股下部の下端までの前記上下方向の長さより長いことを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ。
【請求項12】
請求項1又は2に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージであって、
前記股下部は、前記吸収性コアを備えた吸収性本体を有し、
前記パンツ型吸収性物品のパッケージから前記中央のパンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後の前記折り畳み状態において、
前記前後方向の一方側から見たときに、前記吸収性本体と前記一対の胴回り部と重なる部分の前記股下部の平均厚みと、前記吸収性本体が前記一対の胴回り部と重ならない部分の前記股下部の平均厚みとの差の絶対値が、前記上下方向における前記接合部の中央を通る前記左右方向に沿った直線上の前記非折り返し部の厚みより大きいことを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ。
【請求項13】
第1のパンツ型吸収性物品と、
互いに隣接する3つ以上の前記第1のパンツ型吸収性物品を収容し、所定のブランド名が表示された第1の収容部材と、
を有する第1のパンツ型吸収性物品のパッケージと、
第2のパンツ型吸収性物品と、
互いに隣接する3つ以上の前記第2のパンツ型吸収性物品を収容し、前記所定のブランド名が表示された第2の収容部材と、
を有する第2のパンツ型吸収性物品のパッケージと、
を有するパンツ型吸収性物品のパッケージ群であって、
前記3つ以上の第1のパンツ型吸収性物品のうち中央の第1パンツ型吸収性物品、及び、前記3つ以上の第2のパンツ型吸収性物品のうち中央の第2パンツ型吸収性物品は、それぞれ、
上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、
パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを備えた吸収性コアを有する股下部と、一対の胴回り部を有し、
前記一対の胴回り部のそれぞれの前記左右方向の両側部が、一対の接合部にて接合されており、
前記左右方向に沿った左右折り部で折り返され、且つ、前記一対の胴回り部を前記上下方向に沿った上下折り部で折り返された折り畳み状態で収容されており、
前記折り畳み状態において、前記一対の胴回り部は、前記上下折り部で前記左右方向の一方側が折り返された一方側折り返し部、前記上下折り部で前記左右方向の他方側が折り返された他方側折り返し部、及び前記上下折り部で折り返されていない非折り返し部と、を有し、
前記第1のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第1パンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後に前記左右折り部の折り返しを展開した状態において、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが、前記上下方向における前記接合部の中央を通る前記左右方向に沿った直線上の、前記一方側折り返し部の厚みと前記非折り返し部の厚みとの和の平均値より小さく、且つ、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが8mm以下であり、
前記第2のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第2パンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後に前記左右折り部の折り返しを展開した状態において、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが8mmより大きい
ことを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ群。
【請求項14】
請求項13に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージ群であって、
前記第2のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第2パンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後に前記左右折り部の折り返しを展開した状態において、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが、前記上下方向における前記接合部の中央を通る前記左右方向に沿った直線上の、前記一方側折り返し部の厚みと前記非折り返し部の厚みとの和の平均値より大きいことを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ群。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージ群であって、
前記第1のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第1パンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後の前記折り畳み状態における、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記胴回り部の上端までの前記上下方向の長さと、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記股下部の下端までの前記上下方向の長さとの差が、
前記第2のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第2パンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後の前記折り畳み状態における、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記胴回り部の上端までの前記上下方向の長さと、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記股下部の下端までの前記上下方向の長さとの差と、
異なることを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ群。
【請求項16】
請求項15に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージ群であって、
前記第1のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第1パンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後の前記折り畳み状態における、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記胴回り部の上端までの前記上下方向の長さが、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記股下部の下端までの前記上下方向の長さより長く、
前記第2のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第2パンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後の前記折り畳み状態において、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記胴回り部の上端までの前記上下方向の長さより、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記股下部の下端までの前記上下方向の長さの方が長いことを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ群。
【請求項17】
請求項13又は14に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージ群であって、
前記第1のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第1パンツ型吸収性物品を取り出し、前記上下折り部で折り返された前記一対の胴回り部を上側とした状態で100秒間載置した後に、前記一方側折り返し部と前記他方側折り返し部とを展開し、前記接合部と前記股下部とがなす角度が100度になるまで前記左右折り部を展開して、前記第1パンツ型吸収性物品に加える力を開放すると、前記接合部と前記股下部とがなす角度が100度より大きくなり、
前記第2のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第2パンツ型吸収性物品を取り出し、前記上下折り部で折り返された前記一対の胴回り部を上側とした状態で100秒間載置した後に、前記一方側折り返し部と前記他方側折り返し部とを展開し、前記接合部と前記股下部とがなす角度が100度になるまで前記左右折り部を展開して、前記第2パンツ型吸収性物品に加える力を開放すると、前記接合部と前記股下部とがなす角度が100度より小さくなることを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ群。
【請求項18】
請求項13又は14に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージ群であって、
前記第1の収容部材には、1回の排泄用の商品であることを示す表記が設けられており、
前記第2の収容部材には、前記表記が設けられていないことを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ群。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンツ型吸収性物品のパッケージ、及びパンツ型吸収性物品のパッケージ群に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、パンツ型のおむつは、複数の不織布等のシート及び吸収体によって構成され、おむつを包装体に内包した包装品の状態で販売及び流通されることが一般的である。おむつを構成する部材のうち、吸収体を備えた股下部が最も厚みが厚い部分となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
包装品の物流費の削減や陳列及び保管スペースの縮小、おむつの着用時における不快感の軽減等の課題から、おむつを薄型とすることが好ましく、特に、吸収体を備えた股下部の厚みを薄くすることが望まれている。しかし、股下部の厚みが薄いことをおむつの着用者やおむつを着用させようとする者に認識されない恐れがある。
【0005】
本発明は、上記のような問題を鑑みてなされたものであって、パンツ型吸収性物品の股下部の厚みが薄いことを使用者等に実感させやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、互いに隣接する3つ以上のパンツ型吸収性物品と、前記パンツ型吸収性物品を収容する収容部材と、を備えたパンツ型吸収性物品のパッケージであって、前記3つ以上のパンツ型吸収性物品のうち中央のパンツ型吸収性物品は、上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを備えた吸収性コアを有する股下部と、一対の胴回り部を有し、前記一対の胴回り部のそれぞれの前記左右方向の両側部が、一対の接合部にて接合されており、前記左右方向に沿った左右折り部で折り返され、且つ、前記一対の胴回り部を前記上下方向に沿った上下折り部で折り返された折り畳み状態で収容されており、前記折り畳み状態において、前記一対の胴回り部は、前記上下折り部で前記左右方向の一方側が折り返された一方側折り返し部、前記上下折り部で前記左右方向の他方側が折り返された他方側折り返し部、及び前記上下折り部で折り返されていない非折り返し部と、を有し、前記パンツ型吸収性物品のパッケージから前記中央のパンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後に前記左右折り部の折り返しを展開した状態において、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが、前記上下方向における前記接合部の中央を通る前記左右方向に沿った直線上の、前記一方側折り返し部の厚みと前記非折り返し部の厚みとの和の平均値より小さく、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが、8mm以下であることを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージである。
また、第1のパンツ型吸収性物品と、互いに隣接する3つ以上の前記第1のパンツ型吸収性物品を収容し、所定のブランド名が表示された第1の収容部材と、を有する第1のパンツ型吸収性物品のパッケージと、第2のパンツ型吸収性物品と、互いに隣接する3つ以上の前記第2のパンツ型吸収性物品を収容し、前記所定のブランド名が表示された第2の収容部材と、を有する第2のパンツ型吸収性物品のパッケージと、を有するパンツ型吸収性物品のパッケージ群であって、前記3つ以上の第1のパンツ型吸収性物品のうち中央の第1パンツ型吸収性物品、及び、前記3つ以上の第2のパンツ型吸収性物品のうち中央の第2パンツ型吸収性物品は、それぞれ、上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを備えた吸収性コアを有する股下部と、一対の胴回り部を有し、前記一対の胴回り部のそれぞれの前記左右方向の両側部が、一対の接合部にて接合されており、前記左右方向に沿った左右折り部で折り返され、且つ、前記一対の胴回り部を前記上下方向に沿った上下折り部で折り返された折り畳み状態で収容されており、前記折り畳み状態において、前記一対の胴回り部は、前記上下折り部で前記左右方向の一方側が折り返された一方側折り返し部、前記上下折り部で前記左右方向の他方側が折り返された他方側折り返し部、及び前記上下折り部で折り返されていない非折り返し部と、を有し、前記第1のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第1パンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後に前記左右折り部の折り返しを展開した状態において、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが、前記上下方向における前記接合部の中央を通る前記左右方向に沿った直線上の、前記一方側折り返し部の厚みと前記非折り返し部の厚みとの和の平均値より小さく、且つ、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが8mm以下であり、前記第2のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第2パンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後に前記左右折り部の折り返しを展開した状態において、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが8mmより大きいことを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ群である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、パンツ型吸収性物品の股下部の厚みが薄いことを使用者等に実感させやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】展開かつ伸長した状態のおむつ1を着用者の肌側から見た概略平面図である。
【
図5】パッケージ100内の3つのおむつ1A、1B、1Cを説明する図である。
【
図6】おむつ1の折り畳み方法について説明する図である。
【
図7】折り畳み状態のおむつ1Aの胴回り部20、30側から見た図である。
【
図8】パッケージ100からおむつ1Aを取り出して30秒経過後のおむつ1の
図7中の中心線scにおける断面を示す。
【
図9】おむつ1Aの接着領域及び非接着領域を説明する図である。
【
図12】展開かつ伸長した状態の第2のおむつ5を着用者の肌側から見た概略平面図である。
【
図14】折り畳み状態の第2おむつ5Aの胴回り部20、30側から見た図である。
【
図15】パッケージ500から第2おむつ5Aを取り出して30秒経過後の第2のおむつ5の
図14中の中心線scにおける断面を示す。
【
図16】第1おむつ1Aのサイド接合部SSと股下部35とがなす角度が100度になるまで左右折り部FL2を展開させた場合の挙動を説明する模式図である。
【
図17】第2おむつ5Aのサイド接合部SSと股下部35とがなす角度が100度になるまで左右折り部FL2を展開させた場合の挙動を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
(態様1)
互いに隣接する3つ以上のパンツ型吸収性物品と、前記パンツ型吸収性物品を収容する収容部材と、を備えたパンツ型吸収性物品のパッケージであって、前記3つ以上のパンツ型吸収性物品のうち中央のパンツ型吸収性物品は、上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを備えた吸収性コアを有する股下部と、一対の胴回り部を有し、前記一対の胴回り部のそれぞれの前記左右方向の両側部が、一対の接合部にて接合されており、前記左右方向に沿った左右折り部で折り返され、且つ、前記一対の胴回り部を前記上下方向に沿った上下折り部で折り返された折り畳み状態で収容されており、前記折り畳み状態において、前記一対の胴回り部は、前記上下折り部で前記左右方向の一方側が折り返された一方側折り返し部、前記上下折り部で前記左右方向の他方側が折り返された他方側折り返し部、及び前記上下折り部で折り返されていない非折り返し部と、を有し、前記パンツ型吸収性物品のパッケージから前記中央のパンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後に前記左右折り部の折り返しを展開した状態において、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが、前記上下方向における前記接合部の中央を通る前記左右方向に沿った直線上の、前記一方側折り返し部の厚みと前記非折り返し部の厚みとの和の平均値より小さく、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが、8mm以下であることを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージである。
【0010】
態様1によれば、パンツ型吸収性物品のパッケージから取り出したパンツ型吸収性物品について、股下部の左右方向における中央の平均厚みが、8mm以下であること、且つ、上下方向における接合部の中央を通る左右方向に沿った直線上の一方側折り返し部の厚みと非折り返し部の厚みとの和の平均値より小さいことで、股下部の左右方向における中央の平均厚みが、8mmより大きい場合、上下方向における接合部の中央を通る左右方向に沿った直線上の一方側折り返し部の厚みと非折り返し部の厚みとの和の平均値より大きい場合よりも、パンツ型吸収性物品の使用者等に、パンツ型吸収性物品のパッケージから取り出した際に、パンツ型吸収性物品の股下部の厚みが薄いことを実感させやすくなる。
【0011】
(態様2)
前記一対の胴回り部の少なくとも一方の胴回り部は、一対のシート部が接着剤で接着されており、前記一方の胴回り部の上端から前記上下方向における所定長さだけ、前記接着剤が設けられていない非接着領域を有する態様1に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージである。
【0012】
態様2のパンツ型吸収性物品のパッケージによれば、胴回り部における非接着領域は、接着剤が設けられた領域よりも柔らかく厚くなりやすい部分であるため、一方側折り返し部の厚みと非折り返し部の厚みの和と、股下部の厚みとの差を大きくさせやすくなり、使用者等に股下部の厚みが薄いという実感を与えやすくなる。
【0013】
(態様3)
前記折り畳み状態のパンツ型吸収性物品を、前記上下折り部で折り返された一方側折り返し部及び他方側折り返し部を、それぞれ、展開した状態において、前記前後方向に見て、前記上下折り部が、前記非接着領域と重なる部分を有する態様2に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージである。
【0014】
態様3のパンツ型吸収性物品のパッケージによれば、一方側折り返し部の厚みと非折り返し部の厚みの和と、股下部の厚みとの差を大きくさせやすくなり、使用者等に股下部の厚みが薄いという実感を与えやすくなる。
【0015】
(態様4)
前記一対の胴回り部の少なくとも一方の胴回り部は、前記接合部の前記上下方向の中央より上側の上部領域と、前記接合部の前記上下方向の中央より下側の下部領域を有し、前記上部領域を前記左右方向に所定長さだけ伸長させるための、前記上下方向の単位長さ当たりの力が、前記下部領域を前記左右方向に所定長さだけ伸長させるための、前記上下方向の単位長さ当たりの力より大きい態様1から3のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品のパッケージである。
【0016】
態様4のパンツ型吸収性物品のパッケージによれば、上部領域の方が下部領域よりも縮みやすくなることで、胴回り部の上端部が厚くなりやすくなることで、一方側折り返し部の厚みと非折り返し部の厚みの和と、股下部の厚みとの差を大きくさせやすくなり、使用者等に股下部の厚みが薄いという実感を与えやすくなる。
【0017】
(態様5)
前記一対の胴回り部の少なくとも一方の胴回り部は、一対のシート部と、前記一対のシート部間に固定された複数の糸ゴムを備え、前記複数の糸ゴムは、前記左右方向に伸縮し、前記接合部の前記上下方向の中央より上側の上部領域と、前記接合部の前記上下方向の中央より下側の下部領域を有し、前記上部領域において前記上下方向に隣接する前記糸ゴム同士の間隔が、前記下部領域において前記上下方向に隣接する前記糸ゴム同士の間隔より短い態様1から4のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品のパッケージである。
【0018】
態様5のパンツ型吸収性物品のパッケージによれば、上部領域の方が下部領域よりも縮みやすくなることで、胴回り部の上端部が厚くなりやすくなることで、一方側折り返し部の厚みと非折り返し部の厚みの和と、股下部の厚みとの差を大きくさせやすくなり、使用者等に股下部の厚みが薄いという実感を与えやすくなる。
【0019】
(態様6)
前記折り畳み状態は、前記左右折り部で前記前後方向における一方に折り返され、且つ、前記一対の胴回り部は前記上下折り部で前記前後方向における他方に折り返された状態である態様1から5のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品のパッケージである。
【0020】
態様6のパンツ型吸収性物品のパッケージによれば、折り畳み状態の上下方向における左右折り部とは反対側から見た場合に、吸収性物品と胴回り部との境を認識しやすくなるため、一方側折り返し部の厚みと非折り返し部の厚みの和と、股下部の厚みとの差を大きくさせやすくなり、使用者等に股下部の厚みが薄いという実感を与えやすくなる。
【0021】
(態様7)
前記折り畳み状態において、前記一方側折り返し部と前記他方側折り返し部は、前記左右方向において離間している態様1から6のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品のパッケージである。
【0022】
態様7のパンツ型吸収性物品のパッケージによれば、折り畳み状態において、一方側折り返し部と他方側折り返し部が左右方向において離間している場合でも、パンツ型吸収性物品のパッケージから取り出した際に、パンツ型吸収性物品の股下部の厚みが薄いことを使用者等に実感させやすくなる。
【0023】
(態様8)
前記折り畳み状態において、前記左右方向において、前記一方側折り返し部と前記他方側折り返し部は、重なる部分を有する態様1から6のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品のパッケージである。
【0024】
態様8のパンツ型吸収性物品のパッケージによれば、折り畳み状態において、左右方向において、一方側折り返し部と他方側折り返し部は、重なる部分を有する場合でも、パンツ型吸収性物品のパッケージから取り出した際に、パンツ型吸収性物品の股下部の厚みが薄いことを使用者等に実感させやすくなる。
【0025】
(態様9)
前記一対の胴回り部は、一方の胴回り部と他方の胴回り部で構成され、それぞれ、前記左右方向に伸縮可能な伸縮部材を備え、前記一方の胴回り部の前記伸縮部材の色と、前記他方の胴回り部の前記伸縮部材の色が異なる態様1から3のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品のパッケージである。
【0026】
態様9のパンツ型吸収性物品のパッケージによれば、使用者等に、パンツ型吸収性物品の前後方向を認識させやすくなる。
【0027】
(態様10)
前記パンツ型吸収性物品のパッケージから前記中央のパンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後に前記左右折り部の折り返しを展開した状態において、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが、前記上下方向における前記接合部の中央を通る前記左右方向に沿った直線上の前記非折り返し部の厚みの平均値より小さい態様1から9のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品のパッケージである。
【0028】
態様10のパンツ型吸収性物品のパッケージによれば、パンツ型吸収性物品のパッケージから取り出したパンツ型吸収性物品について、股下部の左右方向における中央の平均厚みが、上下方向における接合部の中央を通る左右方向に沿った直線上の非折り返し部の厚みの平均値より大きい場合よりも、パンツ型吸収性物品の使用者等に、パンツ型吸収性物品の股下部の厚みが薄いことを実感させやすくなる。
【0029】
(態様11)
前記パンツ型吸収性物品のパッケージから前記中央のパンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後の前記折り畳み状態において、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記胴回り部の上端までの前記上下方向の長さが、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記股下部の下端までの前記上下方向の長さより長い態様1から10のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品のパッケージである。
【0030】
態様11のパンツ型吸収性物品のパッケージによれば、パンツ型吸収性物品のパッケージから取り出した際に、パンツ型吸収性物品の股下部の厚みが薄いことを使用者等に実感させやすくなる。
【0031】
(態様12)
前記股下部は、前記吸収性コアを備えた吸収性本体を有し、前記パンツ型吸収性物品のパッケージから前記中央のパンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後の前記折り畳み状態において、前記前後方向の一方側から見たときに、前記吸収性本体と前記一対の胴回り部と重なる部分の前記股下部の平均厚みと、前記吸収性本体が前記一対の胴回り部と重ならない部分の前記股下部の平均厚みとの差の絶対値が、前記上下方向における前記接合部の中央を通る前記左右方向に沿った直線上の前記非折り返し部の厚みより大きい態様1から11のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品のパッケージである。
【0032】
態様12のパンツ型吸収性物品のパッケージによれば、パンツ型吸収性物品のパッケージから取り出した際に、パンツ型吸収性物品の股下部の厚みが薄いことを使用者等に実感させやすくなる。
【0033】
(態様13)
第1のパンツ型吸収性物品と、互いに隣接する3つ以上の前記第1のパンツ型吸収性物品を収容し、所定のブランド名が表示された第1の収容部材と、を有する第1のパンツ型吸収性物品のパッケージと、第2のパンツ型吸収性物品と、互いに隣接する3つ以上の前記第2のパンツ型吸収性物品を収容し、前記所定のブランド名が表示された第2の収容部材と、を有する第2のパンツ型吸収性物品のパッケージと、を有するパンツ型吸収性物品のパッケージ群であって、前記3つ以上の第1のパンツ型吸収性物品のうち中央の第1パンツ型吸収性物品、及び、前記3つ以上の第2のパンツ型吸収性物品のうち中央の第2パンツ型吸収性物品は、それぞれ、上下方向、左右方向、及び前後方向を備え、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを備えた吸収性コアを有する股下部と、一対の胴回り部を有し、前記一対の胴回り部のそれぞれの前記左右方向の両側部が、一対の接合部にて接合されており、前記左右方向に沿った左右折り部で折り返され、且つ、前記一対の胴回り部を前記上下方向に沿った上下折り部で折り返された折り畳み状態で収容されており、前記折り畳み状態において、前記一対の胴回り部は、前記上下折り部で前記左右方向の一方側が折り返された一方側折り返し部、前記上下折り部で前記左右方向の他方側が折り返された他方側折り返し部、及び前記上下折り部で折り返されていない非折り返し部と、を有し、前記第1のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第1パンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後に前記左右折り部の折り返しを展開した状態において、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが、前記上下方向における前記接合部の中央を通る前記左右方向に沿った直線上の、前記一方側折り返し部の厚みと前記非折り返し部の厚みとの和の平均値より小さく、且つ、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが8mm以下であり、前記第2のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第2パンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後に前記左右折り部の折り返しを展開した状態において、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが8mmより大きいことを特徴とするパンツ型吸収性物品のパッケージ群である。
【0034】
態様13のパンツ型吸収性物品のパッケージ群によれば、同一のブランド名を有するパンツ型吸収性物品のパッケージ群を比較した場合に、使用者等に、第1パンツ型吸収性物品の股下部の厚みが、第2パンツ型吸収性物品の股下部の厚みよりも薄いことを認識させやすくなる。また、第1パンツ型吸収性物品及び第2パンツ型吸収性物品をそれぞれ第1の収容部材、第2の収容部材から取り出した状態でも、使用者等は、股下部の薄さによって、第1パンツ型吸収性物品と第2パンツ型吸収性物品とを区別しやすくなる。
【0035】
(態様14)
前記第2のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第2パンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後に前記左右折り部の折り返しを展開した状態において、前記股下部の前記左右方向における中央の平均厚みが、前記上下方向における前記接合部の中央を通る前記左右方向に沿った直線上の、前記一方側折り返し部の厚みと前記非折り返し部の厚みとの和の平均値より大きい態様13に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージ群である。
【0036】
態様14のパンツ型吸収性物品のパッケージ群によれば、同一のブランド名を有するパンツ型吸収性物品のパッケージ群を比較した場合に、使用者等に、第1パンツ型吸収性物品の股下部の厚みが、第2パンツ型吸収性物品の股下部の厚みよりも薄いことを認識させやすくなる。また、第1パンツ型吸収性物品及び第2パンツ型吸収性物品をそれぞれ第1の収容部材、第2の収容部材から取り出した状態でも、使用者等は、股下部の薄さによって、第1パンツ型吸収性物品と第2パンツ型吸収性物品とを区別しやすくなる。
【0037】
(態様15)
前記第1のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第1パンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後の前記折り畳み状態における、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記胴回り部の上端までの前記上下方向の長さと、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記股下部の下端までの前記上下方向の長さとの差が、前記第2のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第2パンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後の前記折り畳み状態における、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記胴回り部の上端までの前記上下方向の長さと、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記股下部の下端までの前記上下方向の長さとの差と、異なる態様13又は14に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージ群である。
【0038】
態様15のパンツ型吸収性物品のパッケージ群によれば、同一のブランド名を有するパンツ型吸収性物品のパッケージ群を比較した場合に、使用者等に、第1パンツ型吸収性物品の股下部の厚みが、第2パンツ型吸収性物品の股下部の厚みよりも薄いことを認識させやすくなる。また、第1パンツ型吸収性物品及び第2パンツ型吸収性物品をそれぞれ第1の収容部材、第2の収容部材から取り出した状態でも、使用者等は、股下部の薄さによって、第1パンツ型吸収性物品と第2パンツ型吸収性物品とを区別しやすくなる。
【0039】
(態様16)
前記第1のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第1パンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後の前記折り畳み状態における、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記胴回り部の上端までの前記上下方向の長さが、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記股下部の下端までの前記上下方向の長さより長く、前記第2のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第2パンツ型吸収性物品を取り出して30秒経過後の前記折り畳み状態において、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記胴回り部の上端までの前記上下方向の長さより、前記左右折り部の前記上下方向の外端から前記股下部の下端までの前記上下方向の長さの方が長い態様15に記載のパンツ型吸収性物品のパッケージ群である。
【0040】
態様16のパンツ型吸収性物品のパッケージ群によれば、同一のブランド名を有するパンツ型吸収性物品のパッケージ群を比較した場合に、使用者等に、第1パンツ型吸収性物品の股下部の厚みが、第2パンツ型吸収性物品の股下部の厚みよりも薄いことを認識させやすくなる。また、第1パンツ型吸収性物品及び第2パンツ型吸収性物品をそれぞれ第1の収容部材、第2の収容部材から取り出した状態でも、使用者等は、股下部の薄さによって、第1パンツ型吸収性物品と第2パンツ型吸収性物品とを区別しやすくなる。
【0041】
(態様17)
前記第1のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第1パンツ型吸収性物品を取り出し、前記上下折り部で折り返された前記一対の胴回り部を上側とした状態で100秒間載置した後に、前記一方側折り返し部と前記他方側折り返し部とを展開し、前記接合部と前記股下部とがなす角度が100度になるまで前記左右折り部を展開して、前記第1パンツ型吸収性物品に加える力を開放すると、前記接合部と前記股下部とがなす角度が100度より大きくなり、前記第2のパンツ型吸収性物品のパッケージから前記第2パンツ型吸収性物品を取り出し、前記上下折り部で折り返された前記一対の胴回り部を上側とした状態で100秒間載置した後に、前記一方側折り返し部と前記他方側折り返し部とを展開し、前記接合部と前記股下部とがなす角度が100度になるまで前記左右折り部を展開して、前記第2パンツ型吸収性物品に加える力を開放すると、前記接合部と前記股下部とがなす角度が100度より小さくなる態様13から16のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品のパッケージ群である。
【0042】
態様17のパンツ型吸収性物品のパッケージ群によれば、同一のブランド名を有するパンツ型吸収性物品のパッケージ群を比較した場合に、使用者等に、第1パンツ型吸収性物品の股下部の厚みが、第2パンツ型吸収性物品の股下部の厚みよりも薄いことを認識させやすくなる。また、第1パンツ型吸収性物品及び第2パンツ型吸収性物品をそれぞれ第1の収容部材、第2の収容部材から取り出した状態でも、使用者等は、股下部の薄さによって、第1パンツ型吸収性物品と第2パンツ型吸収性物品とを区別しやすくなる。
【0043】
(態様18)
前記第1の収容部材には、1回の排泄用の商品であることを示す表記が設けられており、
前記第2の収容部材には、前記表記が設けられていない態様13から17のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品のパッケージ群である。
【0044】
態様18のパンツ型吸収性物品のパッケージ群によれば、同一のブランド名を有するパンツ型吸収性物品のパッケージ群を比較した場合に、第1のパンツ型吸収性物品が1回の排泄用の商品であることを使用者等に認識させやすくなる。
【0045】
===実施形態===
<<パンツ型吸収性物品のパッケージ100>>
以下、本実施形態にかかるパンツ型吸収性物品のパッケージの一例として、パンツ型使い捨ておむつのパッケージ100(以下、「パッケージ100」ともいう。)を例に挙げて説明する。
【0046】
図1は、パッケージ100の斜視図である。パッケージ100は、3つ以上のパンツ型吸収性物品であるパンツ型の使い捨ておむつ1(以下、単に「おむつ1」ともいう。)と、複数(3つ以上)のおむつ1を収容する収容部材101とを有する。おむつ1は、収容部材101に収容された状態(以下、「収容状態」ともいう。)で流通され、衛生面が確保されている。以下、おむつ1の着用者、おむつ1を着用させる者、又はパッケージ100を扱う者を「使用者等」という。
【0047】
<<パンツ型使い捨ておむつ1の基本構成>>
図2は、おむつ1の概略斜視図である。
図3は、展開かつ伸長した状態のおむつ1を着用者の肌側から見た概略平面図である。
図4は、
図3中のA-Aにおける概略断面図である。本実施形態では、収容部材101に収容されるパンツ型吸収性物品として、大人用のパンツ型の使い捨ておむつ1を例示するが、これに限定されない。例えば、パンツ型吸収性物品としては、子供用のパンツ型の使い捨ておむつや、ショーツ型の生理用ナプキン等でもよい。
【0048】
おむつ1は、1回の排泄用の商品、又は吸収性パット等を併用して使用するのに適した商品である。なお、おむつ1は、1回の排泄用の商品、又は吸収パッド等を併用して使用するものに限られず、複数回(2~3回等)の排泄用の商品であってもよく、吸収パッド等と併用せずに単体として用いる吸収性物品であってもよい。
【0049】
おむつ1の展開状態とは、パンツ型状態のおむつ1の両側部に設けられている一対の接合部SSをそれぞれ分離し、おむつ1を開いて平面的に展開した状態である。おむつ1の伸張状態とは、おむつ1の皺が視認できなくなる程度まで、おむつ1が備える弾性部材を伸張させた状態を示す。具体的には、おむつ1を構成する各部材の寸法が、その部材単体の寸法(すなわち弾性部材の伸縮性が発現しない状態での寸法)と一致又はそれに近い寸法になるまで伸張させた状態を示す。
【0050】
図2に示すように、おむつ1は、パンツ型の状態において、上下方向、左右方向、及び、前後方向を有し、おむつ1には胴周り開口BH及び一対の脚周り開口LHが形成されている。また、
図3、
図4に示すように、おむつ1は、展開状態において、長手方向、左右方向、及び、厚さ方向を有する。パンツ型状態における上下方向が、展開状態における長手方向に対応している。厚さ方向において、着用状態に着用者の肌に接触する側を肌側と称し、その逆側を非肌側と称す。また、前後方向、及び、長手方向において、着用者の腹側となる側を前側や腹側と称し、着用者の背側となる側を後側や背側と称す。また、上下方向、及び、長手方向において、胴回り開口BH側を上側と称し、その逆側を下側と称す。
【0051】
おむつ1は、吸収性本体10と、外装体18とを有する。外装体18は、一対の胴回り部20,30と、着用者の股下に位置する股下部35とを有する。外装体18は、吸収性本体10の非肌側面に、接着剤等で接合されている。一対の胴回り部20、30のうち前側に位置するものを腹側胴回り部20とも呼び、後側に位置するものを背側胴回り部30とも呼ぶ。
図3の展開状態のおむつ1の腹側胴回り部20と背側胴回り部30が対向するように二つ折りをして、腹側胴回り部20と背側胴回り部30の左右方向の両側部を接合して一対のサイド接合部SSを形成することにより、おむつ1は
図2に示すパンツ型となる。サイド接合部SSの接合方法は、熱溶着や超音波溶着や接着剤による接合方法等を例示できる。
【0052】
吸収性本体10は、
図4に示すように、吸収性コア11と、吸収性コア11よりも肌側に配された液透過性のトップシート12と、吸収性コア11よりも非肌側に配された液不透過性のバックシート13と、外装シート14を有する。
【0053】
吸収性コア11は、パルプ繊維や高吸収性ポリマー(SAP)等の液体吸収性素材を所定形状に成形したもの排泄液を吸収して保持するものである。なお、吸収性コア11は、ティッシュペーパーや不織布等の液透過性シート(不図示)で覆われていてもよい。
【0054】
おむつ1の吸収性コア11は、従来のパンツ型使い捨ておむつ(例えば、後述のパンツ型使い捨ておむつ5)の吸収性コアよりも厚みが薄い。おむつ1の吸収性コア11のパルプ繊維の坪量は、従来のパンツ型使い捨ておむつのパルプ繊維の坪量の約半分であり、おむつ1の吸収性コア11の高吸収性ポリマー(SAP)の坪量は、従来のパンツ型使い捨ておむつの高吸収性ポリマー(SAP)の坪量の約1/3である。
【0055】
吸収性コア11のパルプ繊維の坪量が、150g/m2以下であることが好ましく、高吸収性ポリマー(SAP)の坪量が、100g/m2以下であることが好ましい。また、吸収性コア11のパルプ繊維の坪量が、高吸収性ポリマー(SAP)の坪量よりも大きいことが好ましく、さらに、パルプ繊維の坪量が、高吸収性ポリマー(SAP)の2倍よりも大きいことが好ましい。これにより、吸収性コア11の厚みが過度に厚くなることを軽減させ、1回の排泄による排泄物を吸収する吸収量を備えつつ、高吸収性ポリマー(SAP)により剛性が高くなったり、肌触りが悪化することを軽減させ、パルプ繊維による肌触りを維持することができる。
【0056】
図3に示すように、吸収性本体10の左右方向の両側部には、吸収性本体10の長手方向に沿って伸縮する脚回り弾性部材15(例えば糸ゴム)が設けられていてもよい。さらに、脚回り弾性部材15よりも左右方向の内側に、例えば、長手方向に伸縮する弾性部材を設けることにより、肌側に起立可能な防漏壁部が設けられていてもよい。
【0057】
図3及び
図4に示すように、外装体18は、外装トップシート21と、腹側外装バックシート22と、背側外装バックシート32とを有する。
【0058】
外装トップシート21は、腹側胴回り部20から股下部35を経て背側胴回り部30まで配置される(
図4)。腹側胴回り部20及び背側胴回り部30における外装トップシート21の幅(左右方向の長さ)は、股下部35における外装トップシート21幅(左右方向の長さ)よりも大きい(
図3)。外装トップシート21は、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布(スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド不織布)、防水フィルムなどによって形成できる。
【0059】
図3及び
図4に示すように、腹側外装バックシート22は、外装トップシート21よりも非肌側に設けられており、腹側外装バックシート22と外装トップシート21とによって腹側胴回り部20を構成している。長手方向における腹側外装バックシート22の外側端(上端)は、肌側に折り返されて折り返し部分22rを形成する。折り返し部分22rは、長手方向における外装トップシート21の一端(外側端)を包み込んでいる。なお、長手方向における腹側外装バックシート22の外側端(上端)は、折り返さない構成であってもよい。
【0060】
同様に、
図3及び
図4に示すように、背側外装バックシート32は、外装トップシート21よりも非肌側に設けられており、背側外装バックシート32と外装トップシート21とによって背側胴回り部30を構成している。長手方向における背側外装バックシート32の外側端(上端)は、肌側に折り返されて折り返し部分32rを形成する。折り返し部分32rは、長手方向における外装トップシート21の他端(外側端)を包み込んでいる。なお、長手方向における背側外装バックシート32の外側端(上端)は、折り返さない構成であってもよい。
【0061】
腹側外装バックシート22及び背側外装バックシート32は、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布(スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド不織布)などによって形成できる。
【0062】
腹側胴回り部20及び背側胴回り部30は、それぞれ、左右方向に伸縮可能な胴回り弾性部材23,33(例えば、糸ゴム)を有する。複数の胴回り弾性部材23,33は、外装トップシート21と腹側外装バックシート22との間、及び、外装トップシート21と背側外装バックシート32との間において、上下方向に間隔を空けて配置されている(図
3及び
図4)。また、背側胴回り部30において、後脚回り弾性部材34が、外装トップシート21と背側外装バックシート32との間に設けられている。胴回り弾性部材23,33、及び後脚回り弾性部材34は、例として、複数の糸ゴムや、伸縮性を有する帯状の弾性シート等の伸縮部材であってもよい。胴回り弾性部材23,33、及び後脚回り弾性部材34は、伸長された状態で、ホットメルト接着剤等の接着剤によって接合固定されている。なお、胴回り弾性部材23を接合固定する接着剤によって、外装トップシート21と腹側外装バックシート22とが接合固定され、胴回り弾性部材33を接合固定する接着剤によって外装トップシート21と背側外装バックシート32とが接合固定されている。
【0063】
以上、おむつ1の基本構成を説明したが、上記のおむつ1の構成は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、本実施形態のおむつ1では、腹側胴回り部20と背側胴回り部30とそれらを繋ぐ股下部35の3つの部位を有する外装体18を備える構成であったが、これに限らず、例えば、腹側胴回り部20と背側胴回り部30とが別部材で構成され、股下部において吸収性本体10の非肌側面が露出している構成を有するおむつ(所謂、3ピースタイプのおむつ)であってもよいし、腹側胴回り部20から背側胴回り部30に亘り連続する1部材で構成される外装部材を有するおむつ(所謂、2ピースタイプのおむつ)であってもよい。
【0064】
<<包装状態のおむつ1>>
複数のおむつ1が収容されたパッケージ100は、
図5に示すように、折り畳み状態の複数のおむつ1が、厚さ方向に互いに隣接した状態で収容されている。収容部材101には、10枚以上のおむつ1が互いに隣接した状態で収容されていることが好ましく、15枚以上のおむつ1が互いに隣接した状態で収容されていることがより好ましい。
図5は、パッケージ100内の3つのおむつ1A、1B、1Cを説明する図である。例えば、
図5に示す厚さ方向に互いに隣接するおむつ1A、1B、1Cでは、中央のおむつ1Aと、中央のおむつ1Aの両側(厚さ方向の両側)に、両側のおむつ1B、1Cが配置されている。なお、パッケージ100内における互いに隣接する3つのおむつ1は、任意の3つのおむつ1とすることができる。おむつ1A、1B、1Cは、それぞれ同じ構成で形成されているが、収容状態におけるパッケージ100内の位置に応じて、多少の厚みの変化が生じ得る。
【0065】
折り畳み状態のおむつ1は、上下方向に沿った一対の上下折り部FL1、及び左右方向に沿った左右折り部FL2でそれぞれ折ることで形成される。おむつ1のように、左右折り部FL2で前後方向における一方におむつ1を折り返し、一対の胴回り部20、30を上下折り部FL1で前後方向における他方に折り返すことが好ましい。
【0066】
図6は、おむつ1の折り畳み方法について説明する図である。
図6Aは、おむつ1を背側から見た平面図である。まず、
図6Aに示すように、一対の上下折り部FL1、FL1で、前後方向における背側に向かって、おむつ1の両側端部を折り返して、
図6Bに示す状態とする。一対の上下折り部FL1、FL1は、それぞれ上下方向に沿っており、吸収性コア11より外側に設けられている。なお、上下折り部FL1、FL1で、少なくとも一対の胴回り部20、30の両側端部が折り畳まれ、一対の胴回り部20、30の両側端部に加えて、股下部35の両側端部が折り畳まれてもよい。続いて、
図6Bに示すように、左右方向に沿った左右折り部FL2で、前後方向における腹側に向かっておむつ1を折り畳むことで、
図7に示す折り畳み状態1(1A)となる。
図7は、折り畳み状態のおむつ1Aを胴回り部20、30側から見た図である。なお、左右折り部FL2で、一対の胴回り部20、30が折り返されてもよく、股下部35(吸収性本体10)が折り返されてもよい。
【0067】
<<中央のおむつ1Aについて>>
以下、中央のおむつ1A(以下、「おむつ1A」ともいう。)について、説明する。折り畳み状態の中央のおむつ1Aの一対の胴回り部20、30は、
図7に示すように、上下折り部FL1で左右方向の一方側が折り返された一方側折り返し部Haと、上下折り部FL1で左右方向の他方側が折り返された他方側折り返し部Hbを有し、上下折り部FL1、FL1で折り返されていない非折り返し部Nを有する。
【0068】
図8は、パッケージ100からおむつ1Aを取り出して30秒経過後のおむつ1の
図7中の中心線scにおける断面を示す。
図8中の中心線scは、サイド接合部SSの上下方向における中央であり、「上下方向におけるサイド接合部SSの中央を通る左右方向に沿った直線」である。便宜上、
図8において、一方側折り返し部Ha及び他方側折り返し部Hbは、左斜め下がりの斜線で示し、非折り返し部Nは、右斜め下がりの斜線で示す。
【0069】
おむつ1Aについて、パッケージ100からおむつ1Aを取り出して、30秒経過後に、左右折り部FL2を展開した状態において、股下部35の左右方向における中央C-Cの平均厚みT35が、上下方向におけるサイド接合部SSの中央scを通る左右方向に沿った直線上の、一方側折り返し部Haの厚みThaと非折り返し部Nの厚みTnとの和(T20)の平均値より小さい(T35<Tha+Tn)。また、股下部35の左右方向における中央C-Cにおける平均厚みT35が8mm以下である。なお、実際には、パッケージ100から取り出したおむつ1Aを30秒経過後に、左右折り部FL2で展開した状態の各厚みを測定するが、便宜上、
図8では、左右折り部FL2で展開していない状態で説明する。股下部35の左右方向における中央C-Cは、おむつ1Aの左右方向の中央(中心)C-Cである。
【0070】
各厚みは、周知の方法で測定できる。例えば、ピーコック精密測定機器(尾崎製作所のダイヤルシックネスゲージ 大型タイプJ-Bのバネ有り)、又はそれと同等のものを使用して測定する。
本実施形態では、上記機器を用いて測定した。具体的には、直径50mmの円板の測定子を用いて、約2Nの測定圧力で加圧して測定した。各位置における厚みにおいて、それぞれ3回ずつ厚みを測定し、その平均値を求めて、「平均厚み」とする。後述の厚みの測定においても、同様に測定することができる。
【0071】
本実施形態のおむつ1Aの股下部35の左右方向における中央C-Cの平均厚みT35は、7.1mmであり、一方側折り返し部Haの厚みThaと非折り返し部Nの厚みTnとの和(T20)の平均値は、14.7mmである。
【0072】
なお、一方側折り返し部Haと非折り返し部Nとを重ねた状態(例えば、
図8)で測定して、一方側折り返し部Haの厚みと非折り返し部Nの厚みとの和(合計値)を1回の測定で得てもよく、一方側折り返し部Haの厚みと非折り返し部Nの厚みをそれぞれ測定して、一方側折り返し部Haの厚みの測定値と非折り返し部Nの厚みの測定値とを足し合わせてもよい。
【0073】
パッケージ100からおむつ1Aを取り出す場合には、使用者等は、おむつ1Aの厚さ方向に圧力を加えるように、おむつ1Aを取り出すことが一般的である。そのため、パッケージ100から取り出したおむつ1Aについて、股下部35の左右方向における中央C-Cの平均厚みT35が、8mm以下であり、且つ上下方向におけるサイド接合部SSの中央scを通る左右方向に沿った直線上の一方側折り返し部Haの厚みThaと非折り返し部Nの厚みTnとの和T20の平均値より小さいことで、股下部35の左右方向における中央C-Cの平均厚みT35が8mmより大きい場合よりも、又は、股下部35の左右方向における中央C-Cの平均厚みT35が中央scの直線上の一方側折り返し部Haの厚みThaと非折り返し部Nの厚みTnの和の平均値T20より大きい場合よりも、パッケージ100からおむつ1Aを掴んで取り出した際に、おむつ1Aの使用者等に、おむつ1Aの股下部35の厚みが薄いことを実感させやすくなる。特に、おむつ1は、折り畳み状態で収容されているため、パッケージ100からおむつ1Aを取り出して、一方の手(例えば、右手)で胴回り部20、30の上下方向におけるサイド接合部SSの中央scを通る左右方向に沿った直線上又はその近傍を掴み、他方の手(例えば、左手)で股下部35の左右方向における中央又はその近傍を掴んで、左右折り部FL2で展開するときに、一方の手で掴んだ厚みによる感触と他方の手で掴んだ厚みによる感触とが異なることを実感することができるため、使用者等は、股下部35の厚みが薄いということを実感しやすくなる。
【0074】
また、一般的な使い捨ておむつは、吸収性コア(吸収性本体)を備える股下部の厚みが厚いために、収容部材に収容可能な使い捨ておむつの数が少なくなってしまう。これに対し、おむつ1Aは、股下部35の左右方向における中央C-Cの平均厚みT35が8mm以下であることで、股下部35の左右方向における中央C-Cの平均厚みT35が8mmより大きい場合よりも、おむつ1A全体の厚みを薄くすることができるため、包装状態では、おむつ1を厚さ方向に圧縮しやすくなり、収容部材101内に収容するおむつ1A(おむつ1)の数を増やすことができる。上述のとおり、パッケージ100には、収容部材101内に、厚さ方向に10枚以上のおむつ1が互いに隣接した状態で収容されていることが好ましく、厚さ方向に15枚以上のおむつ1が互いに隣接した状態で収容されていることがより好ましい。このように、収容部材101内により多くのおむつ1を収容したパッケージ100とすることで、パッケージ100内のおむつ1の数を減らすことなく、物流費を軽減したり、陳列スペースや保管スペースを削減したりすることができる。さらに、おむつ1Aの股下部35の左右方向における中央C-Cの平均厚みT35を8mm以下とすることで、股下部35の左右方向における中央C-Cの平均厚みT35が8mmより大きい場合よりも、おむつ1A全体の厚みを薄くすることができるため、収容部材101内のおむつ1A(おむつ1)を過度に圧縮する必要性が低くなるため、おむつ1を過度に圧縮した場合よりも、パッケージ100からおむつ1Aを容易に取り出しやすくなる。
【0075】
なお、おむつ1Aについて、股下部35の左右方向における中央C-Cの平均厚みT35が、8mm以下であり、且つ上下方向におけるサイド接合部SSの中央scを通る左右方向に沿った直線上の一方側折り返し部Haの厚みThaと非折り返し部Nの厚みTnとの和T20の平均値より小さくする方法としては、種々の方法を採用することができる。例えば、吸収性コア11の形状や、吸収性コア11を構成するパルプ繊維の坪量や高吸収性ポリマー(SAP)の坪量によって、吸収性コア11の厚みを調整したり、一対の胴回り部20、30を構成するシート部材21、22、32等の繊維の種類や目付、接着剤等により一対の胴回り部20、30の厚みを調整したりすることもできる。さらに、パッケージ100に収容する際の折り返し方法を変更したり、パッケージ100に収容された収容状態において、所定の圧力で圧縮したりすることによって、股下部35及び一対の胴回り部20、30の厚みを調整してもよい。
【0076】
さらに、おむつ1Aについて、パッケージ100からおむつ1Aを取り出して、30秒経過後に、左右折り部FL2を展開した状態において、股下部35の左右方向における中央C-Cの平均厚みT35が、上下方向におけるサイド接合部SSの中央scを通る左右方向に沿った直線上の非折り返し部Nの厚みTnの平均値より小さいことが好ましい(T35<Tn)。これによって、パッケージ100から取り出したおむつ1Aについて、股下部35の左右方向における中央C-Cの平均厚みT35が、中央scの直線上の非折り返し部Nの厚みTnの平均値より大きい場合よりも、パッケージ100からおむつ1Aを掴んで取り出した際に、おむつ1Aの使用者等に、おむつ1Aの股下部35の厚みが薄いことを実感させやすくなる。
【0077】
また、腹側胴回り部20は、一対のシート部(外装トップシート21と腹側外装バックシート22)とが接着剤で接着されている。腹側胴回り部20の上端から上下方向における所定長さだけ、接着剤が設けられていない非接着領域を有することが好ましい。具体的には、おむつ1Aは、
図9に示すように、腹側胴回り部20の上端部に折り返し部分22rを有する。
図9は、おむつ1Aの接着領域及び非接着領域を説明する図である。
図9は、展開且つ伸長状態のおむつ1Aの非接着領域n22、n32及び接着領域a22、a32を示し、胴回り弾性部材23、33等の部材は省略して示している。
図9において、接着領域a22、a32を右斜め下がりの斜線で示す。折り返し部分22rは、非肌側から肌側に向かって折り返された外装トップシート21を腹側外装バックシート22の肌側面に接着剤で接着した接着領域a22を有している。この折り返し部分22rにおいて、腹側胴回り部20の上端から上下方向における所定長さだけ、接着剤が設けられていない非接着領域n22が設けられている。
【0078】
一般的に、一対のシート部との間に接着剤が設けられていない部分(非接着領域)は、接着剤が設けられた部分(接着領域)よりも厚くなりやすく、柔らかくなりやすい。つまり、腹側胴回り部20における非接着領域n22が設けられた部分は、接着領域a22が設けられた部分よりも厚く、且つ柔らかくすることができる。これにより、一方側折り返し部Haの厚みThaと非折り返し部Nの厚みTnの和T20と、股下部35の厚みT35との差を広げやすくなる(大きくさせやすくなる)。また、
図1に示すように、おむつ1Aの腹側胴回り部20の上端部がパッケージ100の上方に位置するように収容されている場合には、使用者等が最初に触れる部分が腹側胴回り部20の上端部となり、使用者等は、腹側胴回り部20の上端部の柔らかさと厚みを実感しやすくなる。これらのことから、使用者等におむつ1Aの股下部35の厚みが薄いという実感を与えやすくなる。
【0079】
同様に、背側胴回り部30が、一対のシート部(外装トップシート21と背側外装バックシート32)とが接着剤で接着されている。背側胴回り部30の上端から上下方向における所定長さだけ、接着剤が設けられていない非接着領域を有することが好ましい。具体的には、おむつ1Aは、
図9に示すように、背側胴回り部30の上端部に折り返し部分32rを有する。折り返し部分32rは、非肌側から肌側に向かって折り返された外装トップシート21を背側外装バックシート32の肌側面に接着剤で接着した接着領域a32を有している。この折り返し部分32rにおいて、背側胴回り部30の上端から上下方向における所定長さだけ、接着剤が設けられていない非接着領域n32が設けられている。
【0080】
背側胴回り部30における非接着領域n32が設けられた部分は、接着領域a32が設けられた部分よりも厚く、且つ柔らかくすることができる。これにより、一方側折り返し部Haの厚みThaと非折り返し部Nの厚みTnの和T20と、股下部35の厚みT35との差を広げやすくなる(大きくさせやすくなる)。また、
図1に示すように、おむつ1Aの背側胴回り部30の上端部がパッケージ100の上方に位置するように収容されている場合には、使用者等が最初に触れる部分が背側胴回り部30の上端部となり、使用者等は、背側胴回り部30の上端部の柔らかさと厚みを実感しやすくなる。これらのことから、使用者等におむつ1Aの股下部35の厚みが薄いという実感を与えやすくなる。
【0081】
おむつ1Aでは、腹側胴回り部20に非接着領域n22と背側胴回り部30に非接着領域n32を設けたが、これに限られない。腹側胴回り部20又は背側胴回り部30のいずれか一方に非接着領域を有するものであってもよい。但し、腹側胴回り部20と背側胴回り部30の両方に非接着領域n22、n32を備えることで、使用者等におむつ1Aの股下部35の厚みが薄いという実感をより与えやすくなる。
【0082】
また、折り畳み状態(
図7等)のおむつ1Aを、上下折り部FL1、FL1で折り返された一方側折り返し部Ha及び他方側折り返し部Hbを、それぞれ、展開した状態において、前後方向に見て、上下折り部FL1が非接着領域n22、n32と重なる部分を有することが好ましい。
【0083】
図9において、展開且つ伸長状態における上下折り部FL1、FL1を示している。上下折り部FL1、FL1は、胴回り弾性部材23、33等の収縮により、折り畳み状態における位置とは異なるものの、展開且つ伸長状態でも、折り畳み状態でも、非接着領域n22、n32と上下折り部FL1、FL1との相対的な位置関係に違いはないため、
図9を用いて説明する。
【0084】
図9に示すように、おむつ1Aは、前後方向(厚さ方向)に見て、上下折り部FL1は、腹側胴回り部20の非接着領域n22と重なる部分を有している。また、前後方向(厚さ方向)に見て、上下折り部FL1は、背側胴回り部30の非接着領域m32と重なる部分を有している。これにより、一方側折り返し部Haの厚みThaと非折り返し部Nの厚みTnの和T20と、股下部35の厚みT35との差を広げやすくなる。また、
図1に示すように、おむつ1Aの胴回り部20、30の上端部がパッケージ100の上方に位置するように収容されている場合には、使用者等が最初に触れる部分が胴回り部20、30の上端部となり、使用者等は、胴回り部20、30の上端部の柔らかさと厚みを実感しやすくなる。これらのことから、使用者等におむつ1Aの股下部35の厚みが薄いという実感を与えやすくなる。
【0085】
また、
図9に示すように、おむつ1の吸収性本体10は、外装トップシート21に、接着領域a10でホットメルト接着剤等の接着剤で接着されている。一方、一対の胴回り部20、30はそれぞれ外装トップシート21と外装バックシート22、32とが、主に、胴回り弾性部材23、33に付着した接着剤によって接合されている。このとき、吸収性本体10と外装トップシート21とを接合する接着領域aの合計面積の方が、一対の胴回り部20、30はそれぞれ外装トップシート21と外装バックシート22、32とを接合する接着領域の合計面積の方が広いことが好ましい。これにより、一方側折り返し部Haの厚みThaと非折り返し部Nの厚みTnの和T20と、股下部35の厚みT35との差を広げやすくなり、おむつ1Aの股下部35の厚みが薄いという実感を使用者等に与えやすくなる。
【0086】
一対の胴回り部20、30の少なくとも一方の胴回り部は、サイド接合部SSの上下方向の中央scより上側の上部領域saと、サイド接合部SSの上下方向の中央scより下側の下部領域sbを有し、上部領域saを左右方向に所定長さだけ伸長させるための、上下方向の単位当たりの力が、下部領域sbを左右方向に所定長さだけ伸長させるための、上下方向の単位長さ当たりの力より大きいことが好ましい。左右方向に所定長さだけ伸長させるための、上下方向の単位当たりの力が大きいほど、縮みやすくなる。そのため、上部領域saの方が下部領域sbより縮みやすくなることで、胴回り部20、30の上端部saの厚みが厚くなりやすくなる。これによって、一方側折り返し部Haの厚みThaと非折り返し部Nの厚みTnの和T20と、股下部35の厚みT35との差を広げやすくなり、股下部35の厚みが薄いという実感を使用者等に与えやすくなる。また、
図1に示すように、おむつ1Aの胴回り部20、30の上端部がパッケージ100の上方に位置するように収容されている場合には、使用者等が最初に触れる部分が胴回り部20、30の上端部となり、使用者等は、胴回り部20、30の上端部の柔らかさと厚みを実感しやすくなる。
【0087】
一対の胴回り部20、30において、上部領域saを左右方向に単位長さ伸長させるための、上下方向の単位当たりの力と、下部領域sbを左右方向に単位長さ伸長させるための、上下方向の単位当たりの力の比較は、周知の方法で行うとよい。例えば、腹側胴回り部20(背側胴回り部30)から上部領域sa及び下部領域sbの全て又は一部をそれぞれサンプルとして切り出す。そして、各サンプルの上下方向の長さの平均値を算出する。また、引張試験機のチャックにサンプルの両端部を挟ませる。チャック間を単位長さ離してサンプルを伸長させた状態で得られる荷重を測定する。そして、各サンプルの荷重を、各サンプルの上下方向の長さの平均値で除した値を比較する。
【0088】
一対の胴回り部20、30の少なくとも一方の胴回り部は、一対のシート部(外装トップシート21と腹側外装バックシート22、外装トップシート21と背側外装バックシート32)同士の間に固定された、左右方向に伸縮する複数の糸ゴム23、33を備えることが好ましく、この糸ゴム23、33について、上部領域saにおいて上下方向に隣接する糸ゴム23、33同士の間隔Paが、下部領域sbにおいて上下方向に隣接する糸ゴム23、33同士の間隔Pbより短いことが好ましい。なお、上部領域sa又は下部領域sbにおける、上下方向に隣接する糸ゴム23、33同士の間隔が均等でない場合には、上下方向に隣接する糸ゴム23、33同士の間隔が最も短い長さで比較する。
【0089】
上下方向に隣接する糸ゴム23、33同士の間隔が短いほど、縮みやすくなる。そのため、上部領域saの方が下部領域sbより縮みやすくなることで、胴回り部20、30の上端部saの厚みが厚くなりやすくなる。これによって、一方側折り返し部Haの厚みThaと非折り返し部Nの厚みTnの和T20と、股下部35の厚みT35との差を広げやすくなり、股下部35の厚みが薄いという実感を使用者等に与えやすくなる。また、
図1に示すように、おむつ1Aの胴回り部20、30の上端部がパッケージ100の上方に位置するように収容されている場合には、使用者等が最初に触れる部分が胴回り部20、30の上端部となり、使用者等は、胴回り部20、30の上端部の柔らかさと厚みを実感しやすくなる。
【0090】
おむつ1Aは、折り畳み状態において、一方側折り返し部Haと他方側折り返し部Hbとが左右方向において離間していることが好ましい。つまり、
図7に示すように、折り畳み状態のおむつ1Aを厚さ方向に見たときに、左右方向において、一方側折り返し部Haと他方側折り返し部Hbとの間に非折り返し部Nが設けられている状態であってもよい。折り畳み状態において、一方側折り返し部Haと他方側折り返し部Hbとが左右方向において離間しているおむつ1Aであっても、股下部35の厚みが薄いという実感を使用者等に与えやすくなる。
【0091】
折り畳み状態で、一方側折り返し部Haと他方側折り返し部Hbとが左右方向において離間する場合において、一方側折り返し部Haの左右方向の長さHaが、左右方向における一方側折り返し部Haの他方側の側端と他方側折り返し部Hbの一方側の側端までの距離N1より長いことが好ましい(Ha>N1)。
【0092】
なお、おむつ1Aは、折り畳み状態において、左右方向において、一方側折り返し部Haと他方側折り返し部Hbが、重なる部分を有していてもよい(不図示)。折り畳み状態において、一方側折り返し部Haと他方側折り返し部Hbが左右方向において重なる部分を有する場合であっても、股下部35の厚みが薄いという実感を使用者等に与えやすくなる。
【0093】
また、一対の胴回り部20、30は、それぞれ左右方向に伸縮可能な胴回り弾性部材(伸縮部材)23、33を備えた腹側胴回り部20と背側胴回り部30であり、腹側胴回り部20の胴回り弾性部材23の色と、背側胴回り部30の胴回り弾性部材33の色が異なることが好ましい。おむつ1Aは、腹側胴回り部20の胴回り弾性部材23が白色の糸ゴムであり、背側胴回り部30の胴回り弾性部材33が青色の糸ゴムである。これによって、使用者等に、おむつ1の前後方向を認識させやすくなる。
【0094】
図7に示すように、パッケージ100からおむつ1Aを取り出して、30秒経過後の折り畳み状態のおむつ1Aにおいて、左右折り部FL2の上下方向の外端ecから胴回り部20、30の上端eaまでの上下方向の長さLeaが、左右折り部FL2の上下方向の外端ecから股下部35の下端ebまでの上下方向の長さLebより長いことが好ましい(Lea>Leb)。つまり、おむつ1Aは、折り畳み状態において、一対の胴回り部20、30の上端eaが、股下部35の下端ebを超えた位置で、且つ左右折り部FL2から遠い位置に設けられるように左右折り部FL2で折り返されている。これによって、外端ecから上端eaまでの上下方向の長さLeaを、外端ecから下端ebまでの上下方向の長さLebより短くした場合よりも、股下部35の厚みによって、股下部35が盛り上がったように見えにくくなり、股下部35の厚みが薄いという実感を使用者等に与えやすくなる。
【0095】
上述のとおり、おむつ1Aは、股下部35に吸収性コア11を備えた吸収性本体10を有する。パッケージ100からおむつ1Aを取り出して、30秒経過後の折り畳み状態のおむつ1Aについて、前後方向(厚さ方向)の一方側から見たときに、吸収性本体10と一対の胴回り部20、30と重なる部分の股下部35の平均厚みT35と、吸収性本体10が一対の胴回り部20、30と重ならない部分の股下部35の平均厚みとの差の絶対値が、上下方向におけるサイド接合部SSの中央scを通る左右方向に沿った直線上の非折り返し部Nの厚みTnより大きいことが好ましい。おむつ1は、
図7及び
図8に示すように、折り畳み状態では、前後方向(厚さ方向)において、吸収性本体10の全域に亘って、一対の胴回り部20、30と重なる。そのため、吸収性本体10が一対の胴回り部20、30と重ならない部分の股下部35の平均厚みは、0(零)となり、吸収性本体10と一対の胴回り部20、30と重なる部分の股下部35の平均厚みT35の絶対値が、上下方向におけるサイド接合部SSの中央scを通る左右方向に沿った直線上の非折り返し部Nの厚みTnより大きい(T35-0>Tn)。これにより、パッケージ100からおむつ1Aを取り出して、30秒経過後の折り畳み状態のおむつ1Aについて、前後方向の一方側から見たときに、吸収性本体10と一対の胴回り部20、30と重なる部分の股下部35の平均厚みT35と、吸収性本体10が一対の胴回り部20、30と重ならない部分の股下部35の平均厚みとの差の絶対値を、上下方向におけるサイド接合部SSの中央scを通る左右方向に沿った直線上の非折り返し部Nの厚みTnより小さくした場合よりも、股下部35の厚みが薄いという実感を使用者等に与えやすくなる。
【0096】
<<パッケージ群900>>
パンツ型吸収性物品のパッケージ群900は、複数のパンツ型吸収性物品のパッケージ100、500を有する。
図10は、パッケージ群900を説明する図である。
図10Aは、第1のパンツ型吸収性物品のパッケージ(以下、「第1のパッケージ」ともいう)100の斜視図であり、
図10Bは、第2のパンツ型吸収性物品のパッケージ(以下、「第2のパッケージ」ともいう。)の斜視図である。
【0097】
図10Aに示す第1のパッケージ100は、複数の第1のパンツ型使い捨ておむつ1(以下、「第1のおむつ1」ともいう。)と、第1の収容部材101を有する。第1の収容部材101は、互いに隣接する3つ以上の第1のおむつ1を収容し、所定のブランド名103が表示されている。なお、第1のパッケージ100、第1のおむつ1、第1の収容部材101は、上述のパッケージ100おむつ1、収容部材101とほぼ同じ構成であるため、その詳細な説明は省略する。
【0098】
図10Bに示す第2のパッケージ500は、複数の第2のパンツ型使い捨ておむつ5(以下、「第2のおむつ5」ともいう。)と、第2の収容部材501を有する。第2の収容部材501は、互いに隣接する3つ以上の第2のおむつ5を収容し、所定のブランド名503が表示されている。
【0099】
「ブランド名」とは、種々の吸収性物品を生産又は販売する者が、特定の吸収性物品群を、他の吸収性物品群と識別するために用いる名称である。本実施形態のパッケージ群900では、
図10に示すように、各パッケージ100、500(収容部材101、501)がそれぞれおむつ1、5のブランド名「ABC pants」103、503が設けられている。これにより、おむつ1、5を製造又は販売する者が、特定のパッケージ群900であることを識別している。また、第1のパッケージ100の第1のおむつ1と第2のパッケージ500の第2のおむつ5は、関連商品である。
【0100】
第2のおむつ5は、第1のおむつ1と同様に、大人用のパンツ型使い捨ておむつである。但し、第1のおむつ1(第1のパッケージ100)は、1回の排泄用の商品であり、第2のおむつ5(第2のパッケージ500)は、複数回の排泄による排泄物の吸収を可能とする商品である。第1のパッケージ100(第1の収容部材101)と第2のパッケージ500(第2の収容部材501)には、同じブランド名103、503が表記されているものの、第1の収容部材101(第1のパッケージ100)には、
図10Aに示すように、1回の排泄用の商品であることを示す表記105が設けられており、第2の収容部材501(第2のパッケージ500)には、
図10Bに示すように、1回の排泄用の商品であることを示す表記は設けられていない。第2の収容部材501(第2のパッケージ500)には、複数回の排泄用の商品であることを示す表記505が設けられている。これによって、同一のブランド名(103、503)を有するパッケージ群900を比較した場合に、第1のパッケージ100が1回の排泄用の商品であることを使用者等に認識させやすくなる。一方、第2のパッケージ500が、複数回の排泄用の商品であることを使用者に認識させやすくなる。
【0101】
なお、本実施形態の第1のパッケージ100の第1のおむつ1は、1回の排泄用の商品とし、第2のパッケージ500の第2のおむつ5は、複数回の排泄用の商品としたが、これに限られない。第1のパッケージ100の第1のおむつ1と第2のパッケージ500の第2のおむつ5が、それぞれ、複数回の排泄に適した商品であってもよい。但し第1のおむつ1と第2のおむつ5が、それぞれ複数回の排泄に適した商品である場合には、第1のおむつ1が対象とする排泄回数が、第2のおむつ5が対象とする排泄回数よりも少ないことが好ましい。
【0102】
図11は、第2のおむつ5の概略斜視図である。
図12は、展開かつ伸長した状態の第2のおむつ5を着用者の肌側から見た概略平面図である。
図13は、
図12中のA-Aにおける概略断面図である。
【0103】
第2のパッケージ500及び第2のおむつ5は、第1のパッケージ及び第1のおむつ1の構成と共通する部分は、符号等を同じとし、その基本構成の詳細な説明は省略する。第2のおむつ5は、
図11~
図13に示すように、基本的な構成は第1のおむつ1と同様であるが、第2のおむつ5と第1のおむつ1とは、吸収性コア11の構成が異なる。
【0104】
第2のおむつ5の吸収性コア11は、第1のおむつ1の吸収性コア11よりも厚みが厚い(
図4及び
図13参照)。第2のおむつ5の吸収性コア11のパルプ繊維の坪量は、第1のおむつ1のパルプ繊維の坪量の約2倍であり、第2のおむつ5の吸収性コア11の高吸収性ポリマー(SAP)の坪量は、第1のおむつ1の吸収性コア11の高吸収性ポリマー(SAP)の坪量の約3倍である。これにより、第2のおむつ5は、複数回にわたって排泄物が排泄された場合でも排泄物の吸収が可能となる。
【0105】
第1のパッケージ100と同様に、第2のパッケージ500についても、複数の第2のおむつ5が、折り畳み状態で収容されている。折り畳み状態の第2のおむつ5は、厚さ方向に互いに隣接する第2のおむつ5A、5B、5Cでは、中央の第2おむつ5Aと、中央の第2のおむつ5Aの両側(厚さ方向の両側)に、両側の第2おむつ5B、5Cが配置されている。なお、パッケージ500内における互いに隣接する3つの第2のおむつ5は、任意の3つの第2のおむつ5とすることができる。第2のおむつ5A、5B、5Cは、それぞれ同じ構成で形成されているが、収容状態におけるパッケージ500内の位置に応じて、多少の厚みの変化が生じ得る。
【0106】
折り畳み状態の第2のおむつ5は、第1のおむつ1と同様に、上下方向に沿った一対の上下折り部FL1、及び左右方向に沿った左右折り部FL2でそれぞれ折ることで形成される。第1のおむつ1と同様に、左右折り部FL2で前後方向における一方(背側)に第2のおむつ5を折り返し、一対の胴回り部20、30を上下折り部FL1で前後方向における他方(腹側)に折り返すことが好ましい。
【0107】
<<中央の第1のおむつ1Aと中央の第2のおむつ5Aについて>>
以下、中央の第1のおむつ1A(以下、「第1おむつ1A」ともいう。)及び中央の第2のおむつ5A(以下、「第2おむつ5A」ともいう。)について、説明する。折り畳み状態の第2おむつ5Aの一対の胴回り部20、30は、
図14に示すように、上下折り部FL1で左右方向の一方側が折り返された一方側折り返し部Haと、上下折り部FL1で左右方向の他方側が折り返された他方側折り返し部Hbを有し、上下折り部FL1、FL1で折り返されていない非折り返し部Nを有する。
図14は、折り畳み状態の第2おむつ5Aの胴回り部20、30側から見た図である。
【0108】
図15は、パッケージ500から第2おむつ5Aを取り出して30秒経過後の第2のおむつ5の
図14中の中心線scにおける断面を示す。
図14中の中心線scは、サイド接合部SSの上下方向における中央であり、「上下方向におけるサイド接合部SSの中央を通る左右方向に沿った直線」である。便宜上、
図15において、一方側折り返し部Ha及び他方側折り返し部Hbは、左斜め下がりの斜線で示し、非折り返し部Nは、右斜め下がりの斜線で示す。
【0109】
このパッケージ群900について、
図1~
図8に示すように、第1のパッケージ100から第1おむつ1Aを取り出して、30秒経過後に、左右折り部FL2を展開した状態において、股下部35の左右方向における中央C-Cの平均厚みT35が、上下方向におけるサイド接合部SSの中央scを通る左右方向に沿った直線上の、一方側折り返し部Haの厚みThaと非折り返し部Nの厚みTnとの和(T20)の平均値より小さい(T35<Tha+Tn)。また、股下部35の左右方向における中央C-Cにおける平均厚みT35が8mm以下である。
一方、第2のパッケージ500から第2のおむつ5Aを取り出して、30秒経過後に、左右折り部FL2を展開した状態において、股下部35の左右方向における中央C-Cにおける平均厚みT35が8mmより大きい。なお、実際には、第2のパッケージ500から取り出した第2おむつ5Aを30秒経過後に、左右折り部FL2で展開した状態の各厚みを測定するが、便宜上、
図15では、左右折り部FL2で展開していない状態で説明する。股下部35の左右方向における中央C-Cは、第2おむつ5Aの左右方向の中央(中心)C-Cである。
【0110】
上述のように、第1おむつ1Aの股下部35の左右方向における中央C-Cの平均厚みT35は7.1mmであり、一方側折り返し部Haの厚みThaと非折り返し部Nの厚みTnとの和(T20)の平均値は、14.7mmである。また、第2おむつ5Aの股下部35の左右方向における中央C-Cにおける平均厚みT35は12.7mmである。
【0111】
同一のブランド名103、503を備えたパッケージ群900の第1のパッケージ100と第2のパッケージ500を比較した場合に、第1のパッケージ100の第1のおむつ1の方が、第2のパッケージの第2のおむつ5よりも股下部35の厚みが薄いことを使用者等に認識させやすくなる。また、第1おむつ1Aと第2おむつ5Aを、それぞれ、第1の収容部材101、第2の収容部材501から取り出した状態であっても、股下部35の薄さによって、第1おむつ1Aであるか第2おむつ5Aであるかを、使用者等が区別しやすくなる。特に、第1おむつ1A及び第2おむつ5Aは、それぞれ、折り畳み状態で収容されているため、パッケージ100、500からおむつ1A、5Aを取り出して、それぞれ、一方の手(例えば、右手)で胴回り部20、30の上下方向におけるサイド接合部SSの中央scを通る左右方向に沿った直線上又はその近傍を掴み、他方の手(例えば、左手)で股下部35の左右方向における中央又はその近傍を掴んで、左右折り部FL2で展開するときに、一方の手で掴んだ厚みによる感触と他方の手で掴んだ厚みによる感触が、第1おむつ1Aと第2おむつ5Aとで異なることを実感することができるため、使用者等は、第1おむつ1Aの股下部35が第2おむつ5Aの股下部35よりも薄いことを実感することができ、関連商品であり、外観的に類似している2つのおむつ1A、5Aを区別しやすくなる。
【0112】
また、第2のパッケージ500から第2のおむつ5Aを取り出して、30秒経過後に、左右折り部FL2を展開した状態において、股下部35の左右方向における中央C-Cの平均厚みT35が、上下方向におけるサイド接合部SSの中央scを通る左右方向に沿った直線上の、一方側折り返し部Haの厚みThaと非折り返し部Nの厚みTnとの和(T20)の平均値より大きいことが好ましい(T35>Tha+Tn)。これにより、同一のブランド名103、503を備えたパッケージ群900の第1のパッケージ100と第2のパッケージ500を比較した場合に、第1のパッケージ100の第1のおむつ1の方が、第2のパッケージの第2のおむつ5よりも股下部35の厚みが薄いことを使用者等により認識させやすくなる。また、第1おむつ1Aと第2おむつ5Aを、それぞれ、第1の収容部材101、第2の収容部材501から取り出した状態であっても、股下部35の薄さによって、第1おむつ1Aであるか第2おむつ5Aであるかを、使用者等が区別しやすくなる。
【0113】
また、第1のパッケージ100から第1おむつ1Aを取り出して、30秒経過後の折り畳み状態の第1おむつ1Aにおいて、
図7に示すように、左右折り部FL2の上下方向の外端ecから胴回り部20、30の上端eaまでの上下方向の長さLeaと、左右折り部FL2の上下方向の外端ecから股下部35の下端ebまでの上下方向の長さLebとの差が(Lea-Leb)、第2のパッケージ500から第2おむつ5Aを取り出して、30秒経過後の折り畳み状態の第2おむつ5Aにおいて、
図14に示すように、左右折り部FL2の上下方向の外端ecから胴回り部20、30の上端eaまでの上下方向の長さLeaと、左右折り部FL2の上下方向の外端ecから股下部35の下端ebまでの上下方向の長さLebとの差(Lea-Leb)が異なることが好ましい。
【0114】
さらに、第1のパッケージ100から第1おむつ1Aを取り出して、30秒経過後の折り畳み状態の第1おむつ1Aにおいて、
図7に示すように、左右折り部FL2の上下方向の外端ecから胴回り部20、30の上端eaまでの上下方向の長さLeaが、左右折り部FL2の上下方向の外端ecから股下部35の下端ebまでの上下方向の長さLebより長く(Lea>Leb)、第2のパッケージ500から第2おむつ5Aを取り出して、30秒経過後の折り畳み状態の第2おむつ5Aにおいて、
図14に示すように、左右折り部FL2の上下方向の外端ecから胴回り部20、30の上端eaまでの上下方向の長さLeaより、左右折り部FL2の上下方向の外端ecから股下部35の下端ebまでの上下方向の長さLebの方が長い(Lea<Leb)ことがより好ましい。
【0115】
このような第1おむつ1A、第2おむつ5Aであることで、同一のブランド名103、503を備えたパッケージ群900の第1のパッケージ100と第2のパッケージ500を比較した場合に、第1のパッケージ100の第1のおむつ1の方が、第2のパッケージの第2のおむつ5よりも股下部35の厚みが薄いことを使用者等により認識させやすくなる。また、第1おむつ1Aと第2おむつ5Aを、それぞれ、第1の収容部材101、第2の収容部材501から取り出した状態であっても、股下部35の薄さによって、第1おむつ1Aであるか第2おむつ5Aであるかを、使用者等が区別しやすくなる。
【0116】
図16及び
図17は、第1おむつ1A、第2おむつ5Aについて、それぞれサイド接合部SSと股下部35とがなす角度が100度になるまで左右折り部FL2を展開させた場合の挙動を説明する模式図である。
【0117】
第1のパッケージ100から第1おむつ1Aを取り出し、第1おむつ1Aを、上下折り部FL1で折り返された一対の胴回り部20、30を上側とした状態で100秒載置した後に、一方側折り返し部Haと他方側折り返し部Hbとを展開し、
図16Aに示すように、サイド接合部SSと股下部35とがなす角度が100度になるまで左右折り部FL2を展開させる。このとき、サイド接合部SSと股下部35とがなす角度が100度になるまで左右折り部FL2を展開させるには、人の手による力を加えることで一対の胴回り部20、30を展開させてもよく、所定の機械や装置を用いてもよい。第1おむつ1Aは、全体的に柔らかいため、外部から力を加えることで、サイド接合部SSと股下部35とがなす角度が100度となる状態を維持することができる。
【0118】
サイド接合部SSと股下部35とがなす角度が100度となった第1おむつ1Aについて、第1おむつ1Aに加える力を開放すると、
図16Bに示すように、サイド接合部SSと股下部35とがなす角度が100度より大きくなる。つまり、一対の胴回り部20、30は、股下部35とは反対側に倒れる。
【0119】
一方、第2のパッケージ500から第2おむつ5Aを取り出し、第2おむつ5Aを、上下折り部FL1で折り返された一対の胴回り部20、30を上側とした状態で100秒載置した後に、一方側折り返し部Haと他方側折り返し部Hbとを展開し、
図17Aに示すように、サイド接合部SSと股下部35とがなす角度が100度になるまで左右折り部FL2を展開させる。このとき、サイド接合部SSと股下部35とがなす角度が100度になるまで左右折り部FL2を展開させるには、人の手による力を加えることで一対の胴回り部20、30を展開させてもよく、所定の機械や装置を用いてもよい。第2おむつ5Aは、全体的に柔らかいため、外部から力を加えることで、サイド接合部SSと股下部35とがなす角度が100度となる状態を維持することができる。
【0120】
サイド接合部SSと股下部35とがなす角度が100度となった第2おむつ5Aについて、第2おむつ5Aに加える力を開放すると、
図17Bに示すように、サイド接合部SSと股下部35とがなす角度が100度より小さくなる。つまり、一対の胴回り部20、30は、股下部35側に倒れる。
【0121】
このような第1おむつ1A及び第2おむつ5Aを備えたパッケージ群900によれば、同一のブランド名103、503を備えたパッケージ群900の第1のパッケージ100と第2のパッケージ500を比較した場合に、第1のパッケージ100の第1のおむつ1の方が、第2のパッケージの第2のおむつ5よりも股下部35の厚みが薄いことを使用者等により認識させやすくなる。また、第1おむつ1Aと第2おむつ5Aを、それぞれ、第1の収容部材101、第2の収容部材501から取り出した状態であっても、股下部35の薄さによって、第1おむつ1Aであるか第2おむつ5Aであるかを、使用者等が区別しやすくなる。
【0122】
以上、本特許の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本特許の理解を容易にするためのものであり、本特許を限定して解釈するためのものではない。また、本特許は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本特許にはその等価物が含まれるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0123】
1 おむつ(パンツ型吸収性物品、第1のパンツ型吸収性物品)、
1A 中央のおむつ(中央のパンツ型吸収性物品、中央の第1パンツ型吸収性物品)、
1B、1C 両側のおむつ(パンツ型吸収性物品、第1のパンツ型吸収性物品)
5 おむつ(パンツ型吸収性物品、第2のパンツ型吸収性物品)、
5A 中央のおむつ(中央のパンツ型吸収性物品、中央の第2パンツ型吸収性物品)、
5B、5C 両側のおむつ(パンツ型吸収性物品、第2パンツ型吸収性物品)、
10 吸収性本体、
11 吸収性コア、
12 トップシート、
13 バックシート、
14 外装シート、
15 脚周り弾性部材、
18 外装体、
20 腹側胴回り部(胴回り部)、
21 外装トップシート、
22 腹側外装バックシート、
22r 折り返し部分、
23 胴周り弾性部材(糸ゴム、伸縮部材)、
30 背側胴回り部(胴回り部)、
32 背側外装バックシート、
32r 折り返し部分、
33 胴周り弾性部材(糸ゴム、伸縮部材)、
34 後脚回り弾性部材(伸縮部材)、
35 股下部、
100 パッケージ(パンツ型吸収性物品のパッケージ、第1のパケージ、第1のパンツ型吸収性物品のパッケージ)、
101 収容部材、
500 パッケージ(第2のパケージ、第2のパンツ型吸収性物品のパッケージ)、
501 収容部材、
900 パッケージ群(パンツ型吸収性物品のパッケージ群)、
SS サイド接合部(接合部)