IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

特開2024-167188半導体処理システム用の分配構成要素
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167188
(43)【公開日】2024-12-03
(54)【発明の名称】半導体処理システム用の分配構成要素
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20241126BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
H01L21/31 C
C23C16/455
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024119192
(22)【出願日】2024-07-25
(62)【分割の表示】P 2023504265の分割
【原出願日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】16/934,227
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】スブラマニ, アナンタ ケー.
(72)【発明者】
【氏名】クオ, ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ファゼリ, セイエド アブドルレザ
(72)【発明者】
【氏名】パサック, ニティン
(72)【発明者】
【氏名】ラマムルティ, バドリ エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ベラ, カロル
(72)【発明者】
【氏名】リー, シアオプー
(72)【発明者】
【氏名】クラウス, フィリップ エー.
(72)【発明者】
【氏名】スリニバサン, スワミナタン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】材料を均一に分配するとともに材料の流体分離を維持することは多くのシステムにおける課題である。
【解決手段】移送領域を画定するチャンバ本体を含む基板処理システム300であって、第1の表面に沿ってチャンバ本体の上に固定された第1のリッドプレート305を含む。第1のリッドプレートは、第1のリッドプレートを通る複数の開孔306を画定する。システムはまた、第1のリッドプレートを通って画定された複数の開孔の数に等しい複数のリッドスタック310及び複数の絶縁体320を含み、複数の絶縁体のうちのある絶縁体は、複数のリッドスタックの各リッドスタックと第1のリッドプレートを通って画定された複数の開孔のうちの対応する開孔との間に配置される。システムはさらに、複数の誘電体プレート322を含み、複数の誘電体プレートのうちのある誘電体プレートは、複数の絶縁体のうちの各絶縁体の上に固定される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移送領域を画定するチャンバ本体と、
第1のリッドプレートの第1の表面に沿って前記チャンバ本体の上に固定された第1のリッドプレートであって、前記第1のリッドプレートを通る複数の開孔を画定する第1のリッドプレートと、
前記第1のリッドプレートを通って画定された前記複数の開孔の数に等しい複数のリッドスタックであって、前記移送領域から垂直方向にオフセットされた複数の処理領域を少なくとも部分的に画定する複数のリッドスタックと、
複数の絶縁体であって、前記複数の絶縁体のうちのある絶縁体が、前記複数のリッドスタックの各リッドスタックと前記第1のリッドプレートを通って画定された前記複数の開孔のうちの対応する開孔との間に配置されている、複数の絶縁体と、
複数の誘電体プレートであって、前記複数の誘電体プレートのうちのある誘電体プレートが、前記複数の絶縁体のうちの各絶縁体上に固定されている、複数の誘電体プレートと
を備える基板処理システム。
【請求項2】
前記複数の絶縁体のうちの各絶縁体が陥凹棚を画定し、前記陥凹棚に、前記複数の誘電体プレートのうちの関連する誘電体プレートが固定されている、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記複数の誘電体プレートのうちの各誘電体プレートと前記複数のリッドスタックのうちのそれぞれの関連するリッドスタックとの間に約5mm以下の間隙が維持されている、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記移送領域が、中心軸のまわりで回転可能な移送装置であって、前記移送領域内の複数の基板支持体の間で、基板と係合し前記基板を移送するように構成された移送装置を備える、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記第2のリッドプレートを通る複数の開孔を画定する第2のリッドプレートをさらに備え、前記第2のリッドプレートが前記複数のリッドスタック上に固定されており、前記第2のリッドプレートを通る前記複数の開孔のうちの各開孔が、前記複数のリッドスタックのうちのあるリッドスタックにアクセスする、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記複数のリッドスタックのうちの各リッドスタックが面板を含み、前記第2のリッドプレートが、第1の位置において前記複数のリッドスタックのうちの各リッドスタックの前記面板にアクセスする第1の開孔を画定し、前記第2のリッドプレートが、第2の位置において前記複数のリッドスタックのうちの各リッドスタックの前記面板にアクセスする第2の開孔を画定する、請求項5に記載の基板処理システム。
【請求項7】
前記複数のリッドスタックのうちの各リッドスタックの前記面板が、第1のプレートの第1の表面にチャネルのセットを画定する第1のプレートを備え、前記チャネルのセットが、前記第1の開孔の直近の第1の位置から前記第2のリッドプレートを通って延在して前記面板にアクセスし、前記チャネルのセットが第2の位置まで延在し、前記第2の位置において第1の開孔が前記面板を通って延在する、請求項6に記載の基板処理システム。
【請求項8】
前記第1のプレートが、前記第2のリッドプレートを通って前記面板にアクセスする前記第2の開孔の直近の第3の位置において前記面板を通る第2の開孔を画定する、請求項7に記載の基板処理システム。
【請求項9】
前記第2のリッドプレートを通って第1の流体源と流体連結された前記第1の開孔に固定された第1のマニフォールドと、
前記第2のリッドプレートを通って第2の流体源と流体連結された前記第2の開孔に固定された第2のマニフォールドと
をさらに備える、請求項8に記載の基板処理システム。
【請求項10】
前記第2のリッドプレートが、第3の位置において前記複数のリッドスタックのうちの各リッドスタックの前記面板にアクセスする第3の開孔を画定し、前記基板処理システムが、
複数のRFフィードスルーをさらに備え、あるRFフィードスルーが、前記第2のリッドプレートの前記第3の開孔の各々を通って延在し、関連するリッドスタックの前記面板と接触する、請求項8に記載の基板処理システム。
【請求項11】
前記第2のリッドプレートと前記複数のリッドスタックのうちの各リッドスタックの前記面板との間に配置された絶縁体をさらに備える、請求項10に記載の基板処理システム。
【請求項12】
第1のプレートの第1の表面にチャネルの第1のセットを画定している第1のプレートであって、前記チャネルの第1のセットが第1の位置から複数の第2の位置まで延在し、前記複数の第2の位置のうちのそれぞれの第2の位置において、前記第1のプレートを通って延在する第1の開孔が画定されている、第1のプレートと、
前記第1のプレートと結合された第2のプレートであって、前記第2のプレートを通って延在する複数の第1の開孔を画定し、前記第1のプレートよりも多くの開孔を画定する第2のプレートと、
前記第2のプレートと結合された第3のプレートであって、前記第3のプレートの第1の表面から前記第2のプレートの方へ延在する複数の管状延長部分を備え、前記第2のプレートの第1の開孔と同数の管状延長部分を含み、前記第3のプレートのそれぞれの管状延長部分が、前記第2のプレートを通る対応する第1の開孔に沿って軸方向に整列されている、第3のプレートと、
前記第3のプレートと結合された第4のプレートであって、前記第4のプレートを通って延在する複数の第1の開孔を画定し、前記第2のプレートよりも多くの開孔を画定する第4のプレートと
を備える、基板処理チャンバ面板。
【請求項13】
前記第1のプレートが、前記第1のプレートの前記第1の表面の反対側の前記第1のプレートの第2の表面にチャネルの第2のセットを画定し、前記チャネルの第2のセットの各チャネルが、前記第1のプレートの前記複数の第2の位置のうちのそれぞれの第2の位置において第1の開孔から前記第1のプレートを通って延在する、請求項12に記載の基板処理チャンバ面板。
【請求項14】
前記チャネルの第2のセットの各チャネルが、前記第1のプレートの前記複数の第2の位置のうちのそれぞれの第2の位置において、前記第1の開孔から前記第1のプレートを通って、前記第1のプレートの前記第2の表面に沿って少なくとも2つの方向に延在する、請求項13に記載の基板処理チャンバ面板。
【請求項15】
前記第1のプレートの前記複数の第2の位置のうちのそれぞれの第2の位置において、前記第1のプレートを通って延在する複数の第1の開孔が画定される、請求項12に記載の基板処理チャンバ面板。
【請求項16】
前記第1のプレートが、第3の位置において前記第1のプレートを通って延在する第2の開孔を画定し、前記第2のプレートが、前記第2のプレートを通って延在する第2の開孔を画定し、前記第2のプレートの前記第2の開孔が、前記第1のプレートの前記第2の開孔と軸方向に整列する、請求項12に記載の基板処理チャンバ面板。
【請求項17】
前記第2のプレートと前記第3のプレートとを結合することにより、前記第3のプレートの前記管状延長部分のまわりに画定された空間が形成され、前記第2のプレートを通って延在する前記第2の開孔と前記第1のプレートを通って延在する前記第2の開孔とを通る第3のチャネルが形成され、前記空間が前記第3のチャネルを通って流体的にアクセスされる、請求項16に記載の基板処理チャンバ面板。
【請求項18】
前記第3のプレートが、前記第3のプレートを通って延在する複数の第2の開孔を画定し、前記第4のプレートが、前記第4のプレートを通って延在する複数の第2の開孔を画定し、前記第3のプレートを通って延在する前記複数の第2の開孔と前記第4のプレートを通って延在する前記複数の第2の開孔とを通る複数の第4のチャネルが形成され、前記空間が前記複数の第4のチャネルを通って流体的にアクセスされる、請求項17に記載の基板処理チャンバ面板。
【請求項19】
前記第1のプレートの前記第1の開孔と、前記第2のプレートの前記第1の開孔と、前記第3のプレートの前記管状延長部分と、前記第4のプレートの前記第1の開孔とが、前記基板処理チャンバ面板を通る第1の流路を形成し、前記第1の流路が、前記基板処理チャンバ面板を通り前記第3のチャネルと前記複数の第4のチャネルと前記空間とを通って延在する第2の流路から流体分離される、請求項18に記載の基板処理チャンバ面板。
【請求項20】
処理領域を画定する処理チャンバと、
前記処理チャンバの内部に配置された面板と、
を備える基板処理システムであって、
前記面板が、
第1のプレートの第1の表面にチャネルの第1のセットを画定している第1のプレートであって、前記チャネルの第1のセットが第1の位置から複数の第2の位置まで延在し、前記複数の第2の位置のうちのそれぞれの第2の位置において、前記第1のプレートを通って延在する第1の開孔が画定されている、第1のプレートと、
前記第1のプレートと結合された第2のプレートであって、前記第2のプレートを通って延在する複数の第1の開孔を画定し、前記第1のプレートよりも多くの開孔を画定する第2のプレートと、
前記第2のプレートと結合された第3のプレートであって、前記第3のプレートの第1の表面から前記第2のプレートに向かって延在する複数の管状延長部分を備え、前記第2のプレートの第1の開孔と同数の管状延長部分を含み、前記第3のプレートのそれぞれの管状延長部分が、前記第2のプレートを通る対応する第1の開孔に沿って軸方向に整列されている、第3のプレートと、
前記第3のプレートと結合された第4のプレートであって、前記第4のプレートを通って延在する複数の第1の開孔を画定し、前記第2のプレートよりも多くの開孔を画定する第4のプレートとを備える、
基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、全体が参照によって組み込まれている、2020年7月21日出願の「DISTRIBUTION COMPONENTS FOR SEMICONDUCTOR PROCESSING SYSTEMS」という名称の米国特許出願第16/934,227号の優先権を主張するものである。
【0002】
本技術は、半導体処理装置に関する。より詳細には、本技術は、流体を分配するための半導体チャンバ部品に関するものである。
【背景技術】
【0003】
半導体処理システムは、大抵の場合、複数のプロセスチャンバを一緒に統合するためにクラスタツールを利用する。この構成により、制御された処理環境から基板を取り出すことなく、いくつかの連続した処理動作を実行することが容易になり得、または、様々なチャンバにおいて、複数の基板に対して類似のプロセスを同時に実行することが可能になり得る。これらのチャンバは、たとえばガス抜きチャンバ、前処理チャンバ、移送チャンバ、化学気相堆積チャンバ、物理的気相堆積チャンバ、エッチングチャンバ、計測学チャンバ、および他のチャンバを含み得る。クラスタツールにおけるチャンバの組合せ、ならびにこれらのチャンバの動作における動作条件およびパラメータは、特定のプロセス方策およびプロセスの流れを使用して特定構造物を製造するように選択される。
【0004】
処理システムは、処理領域に前駆体または流体を分配するために1つまたは複数の構成要素を使用し得、これによって分配の均一性を改善し得る。いくつかのシステムは、種々の処理動作ならびに洗浄作業のために複数の前駆体または流体を分配し得る。材料を均一に分配するとともに材料の流体分離を維持することは多くのシステムにおける課題であり得、複雑で割高な構成要素を組み込む必要性があり得る。
【0005】
したがって、高品質の半導体デバイスを生産するために使用され得る改善されたシステムおよび構成要素が必要である。本技術によってこれらおよび他の必要性が対処される。
【発明の概要】
【0006】
例示的な基板処理システムは、移送領域を画定するチャンバ本体を含み得る。このシステムは、第1のリッドプレートの第1の表面に沿ってチャンバ本体の上に固定された第1のリッドプレートを含み得る。第1のリッドプレートは第1のリッドプレートを通る複数の開孔を画定し得る。このシステムは、第1のリッドプレートを通って画定された複数の開孔と等しい数の複数のリッドスタックを含み得る。複数のリッドスタックは、移送領域から垂直方向にオフセットされた複数の処理領域を少なくとも部分的に画定し得る。このシステムは複数の絶縁体を含み得る。複数の絶縁体のうちのある絶縁体が、複数のリッドスタックの各リッドスタックと第1のリッドプレートを通って画定された複数の開孔のうちの対応する開孔との間に配置され得る。このシステムは複数の誘電体プレートを含み得る。複数の誘電体プレートのうちのある誘電体プレートが、複数の絶縁体のうちの各絶縁体の上に固定され得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、複数の絶縁体のうちの各絶縁体が陥凹棚を画定し得、これに、複数の誘電体プレートのうちの関連する誘電体プレートが固定される。複数の誘電体プレートのうちの各誘電体プレートと複数のリッドスタックのうちのそれぞれの関連するリッドスタックとの間に約5mm以下の間隙が維持され得る。移送領域は、中心軸のまわりで回転可能な移送装置であって、移送領域の範囲内の複数の基板支持体の間で、基板と係合し基板を移送するように構成された移送装置を含み得る。このシステムは第2のリッドプレートを含み得、第2のリッドプレートを通って複数の開孔が画定されている。第2のリッドプレートは複数のリッドスタック上に固定され得る。第2のリッドプレートを通る複数の開孔のうちの各開孔が、複数のリッドスタックのうちのあるリッドスタックにアクセスし得る。複数のリッドスタックのうちの各リッドスタックが面板を含み得る。第2のリッドプレートは、第1の位置において複数のリッドスタックのうちの各リッドスタックの面板にアクセスする第1の開孔を画定し得る。第2のリッドプレートは、第2の位置において複数のリッドスタックのうちの各リッドスタックの面板にアクセスする第2の開孔を画定し得る。
【0008】
複数のリッドスタックのうちの各リッドスタックの面板が第1のプレート含み得、第1のプレートの第1の表面にはチャネルのセットが画定されている。チャネルのセットは、第1の開孔の直近の第1の位置から第2のリッドプレートを通って延在して面板にアクセスし得る。チャネルのセットは第2の位置まで延在し得、ここにおいて第1の開孔が面板を通って延在する。第1のプレートは、第2のリッドプレートを通って面板にアクセスする第2の開孔の直近の第3の位置において面板を通る第2の開孔を画定し得る。このシステムには、第2のリッドプレートを通って第1の流体源と流体連結された第1の開孔に固定された第1のマニフォールドが含まれ得る。このシステムには、第2のリッドプレートを通って第2の流体源と流体連結された第2の開孔に固定された第2のマニフォールドが含まれ得る。第2のリッドプレートは第3の開孔を画定し得、これが、第3の位置において、複数のリッドスタックのうちの各リッドスタックの面板にアクセスする。基板処理システムは、複数のRFフィードスルーも含み得る。RFフィードスルーは、第2のリッドプレートの第3の開孔の各々を通って延在し、関連するリッドスタックの面板と接触し得る。このシステムは、第2のリッドプレートと複数のリッドスタックのうちの各リッドスタックの面板との間に配置された絶縁体も含み得る。
【0009】
本技術のいくつかの実施形態は、基板処理チャンバ面板を包含し得る。面板は第1のプレートを含み得、第1のプレートの第1の表面にはチャネルの第1のセットが画定されている。チャネルの第1のセットは、第1の位置から複数の第2の位置まで延在し得る。複数の第2の位置のうちのそれぞれの第2の位置において、第1のプレートを通って延在する第1の開孔が画定され得る。面板は、第1のプレートと結合された第2のプレートを含み得る。第2のプレートは、第2のプレートを通って延在する複数の第1の開孔を画定し得る。第2のプレートは、第1のプレートよりも多くの開孔を画定し得る。面板は、第2のプレートと結合された第3のプレートを含み得る。第3のプレートは、第3のプレートの第1の表面から第2のプレートの方へ延在する複数の管状延長部分を含み得る。第3のプレートは、第2のプレートの第1の開孔と同数の管状延長部分を含み得る。第3のプレートのそれぞれの管状延長部分は、第2のプレートを通る対応する第1の開孔に沿って軸方向に整列され得る。面板は、第3のプレートと結合された第4のプレートを含み得る。第4のプレートは、第4のプレートを通って延在する複数の第1の開孔を画定し得る。第4のプレートは、第2のプレートよりも多くの開孔を画定し得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1のプレートの第1の表面の反対側の第1のプレートの第2の表面にチャネルの第2のセットが画定され得る。チャネルの第2のセットの各チャネルが、第1のプレートの複数の第2の位置のうちのそれぞれの第2の位置において第1の開孔から第1のプレートを通って延在し得る。チャネルの第2のセットの各チャネルが、第1のプレートの複数の第2の位置のうちのそれぞれの第2の位置において第1の開孔から第1のプレートを通り、第1のプレートの第2の表面に沿って少なくとも2つの方向に延在し得る。第1のプレートの複数の第2の位置のうちのそれぞれの第2の位置において、第1のプレートを通って延在する複数の第1の開孔が画定され得る。第1のプレートは、第3の位置において第1のプレートを通って延在する第2の開孔を画定し得る。第2のプレートは、第2のプレートを通って延在する第2の開孔を画定し得る。第2のプレートの第2の開孔は、第1のプレートの第2の開孔と軸方向に整列し得る。第2のプレートと第3のプレートとを結合することにより、空間が形成されて第3のプレートの管状延長部分のまわりに画定され得る。第2のプレートを通って延在する第2の開孔と第1のプレートを通って延在する第2の開孔とを通る第3のチャネルが形成され得る。空間は、第3のチャネルを通って流体的にアクセスされ得る。
【0011】
第3のプレートは、第3のプレートを通って延在する複数の第2の開孔を画定し得る。第4のプレートは、第4のプレートを通って延在する複数の第2の開孔を画定し得る。第3のプレートを通って延在する複数の第2の開孔と第4のプレートを通って延在する複数の第2の開孔とを通る複数の第4のチャネルが形成され得る。空間は、複数の第4のチャネルを通って流体的にアクセスされ得る。第1のプレートの第1の開孔と、第2のプレートの第1の開孔と、第3のプレートの管状延長部分と、第4のプレートの第1の開孔とが、基板処理チャンバ面板を通る第1の流路を形成し得、第1の流路が、基板処理チャンバ面板を通り第3のチャネルと複数の第4のチャネルと前記空間とを通って延在する第2の流路から流体分離され得る。
【0012】
本技術のいくつかの実施形態は基板処理システムを包含し得る。このシステムは、処理領域を画定する処理チャンバを含み得る。このシステムは、処理チャンバの内部に配置された面板を含み得る。面板は第1のプレートを含み得、第1のプレートの第1の表面にはチャネルの第1のセットが画定されている。チャネルの第1のセットは、第1の位置から複数の第2の位置まで延在し得る。複数の第2の位置のうちのそれぞれの第2の位置において、第1のプレートを通って延在する第1の開孔が画定され得る。面板は、第1のプレートと結合された第2のプレートを含み得る。第2のプレートは、第2のプレートを通って延在する複数の第1の開孔を画定し得る。第2のプレートは、第1のプレートよりも多くの開孔を画定し得る。面板は、第2のプレートと結合された第3のプレートを含み得る。第3のプレートは、第3のプレートの第1の表面から第2のプレートの方へ延在する複数の管状延長部分を含み得る。第3のプレートは、第2のプレートの第1の開孔と同数の管状延長部分を含み得る。第3のプレートのそれぞれの管状延長部分は、第2のプレートを通る対応する第1の開孔に沿って軸方向に整列され得る。面板は、第3のプレートと結合された第4のプレートを含み得る。第4のプレートは、第4のプレートを通って延在する複数の第1の開孔を画定し得る。第4のプレートは、第2のプレートよりも多くの開孔を画定し得る。
【0013】
そのような技術は、慣例的なシステムや技法に対して多くの利益をもたらし得る。たとえば、浮動誘電体プレートは、上に重なる面板に対するイオンの衝撃および堆積を制御し得る。加えて、面板は、処理領域に複数の前駆体を均一に分配するための機構をもたらし得る。それらの利点および特徴の多くは、これらおよび他の実施形態と一緒に、以下の説明および添付図に関連してより詳細に説明される。
【0014】
明細書および図の残りの部分を参照することにより、開示された技術の性質および利点がさらに理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】本技術のいくつかの実施形態による例示的な処理ツールの概略頂面図である。
図1B】本技術のいくつかの実施形態による例示的な処理システムの部分的概略断面図である。
図2】本技術のいくつかの実施形態による例示的な基板処理システムの移送区画の概略等角図である。
図3】本技術のいくつかの実施形態による例示的な基板処理システムの例示的なシステムの機構の部分的概略断面図である。
図4】本技術のいくつかの実施形態による例示的な基板処理システムの例示的なシステムの機構の部分的概略断面図である。
図5】本技術のいくつかの実施形態による例示的な基板処理システムのリッドスタック構成要素の概略頂面図である。
図6A】本技術のいくつかの実施形態による面板のプレートの概略頂面図である。
図6B】本技術のいくつかの実施形態による面板のプレートの概略底面図である。
図7A】本技術のいくつかの実施形態による面板のプレートの概略底面図である。
図7B】本技術のいくつかの実施形態による面板のプレートの概略底面図である。
図8A】本技術のいくつかの実施形態による面板のプレートの概略頂面図である。
図8B】本技術のいくつかの実施形態による面板のプレートの概略断面図である。
図9A】本技術のいくつかの実施形態による面板のプレートの概略頂面図である。
図9B】本技術のいくつかの実施形態による面板のプレートの概略断面図である。
図10】本技術のいくつかの実施形態による例示的な基板処理システムの例示的なシステムの機構の部分的概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
いくつかの図は概略図として含まれている。図は例示を目的としており、縮尺または比率が特に明示されなければ、縮尺または比率について考慮すべきではないことを理解されたい。加えて、図は、理解を支援するための概略図として提供され、実際的な表現と比較して、すべての態様または情報を含むわけではなく、例示のために誇張された物品を含むこともある。
【0017】
添付図において、類似の構成要素および/または特徴は同一の参照ラベルを有し得る。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、類似の構成要素の間を識別する、参照ラベルに続く英字によって識別され得る。本明細書において第1の参照ラベルのみが使用されている場合には、その記述は、英字に関係なく、同一の第1の参照ラベルを有する類似の構成要素のあらゆるものに当てはまる。
【0018】
基板処理は、ウエハまたは半導体基板上の、材料の追加、除去、または変更のための非常に時間がかかる動作を含み得る。基板の移動が効率的であれば、待時間を短縮して基板スループットを改善し得る。クラスタツールの内部で処理される基板の数を改善するために、メインフレームに追加のチャンバが組み込まれ得る。ツールを延長することによって搬送ロボットおよび処理チャンバを絶えず追加することができるが、クラスタツールの設置面積が比例するので、空間効率が悪くなってしまう。したがって、本技術は、規定された設置面積の範囲内で処理チャンバの数を増加させるクラスタツールを含み得る。搬送ロボットのまわりの限りある設置面積を適応させるために、本技術は、処理チャンバの数を、ロボットから横方向に外側へ増加させ得る。いくつかの慣例的なクラスタツールは、ロボットのまわりのチャンバの数を半径方向に最大化するために、中央に配置された搬送ロボットの区画のまわりに1つまたは2つの処理チャンバを含み得る。本技術は、追加のチャンバを、チャンバの別の行またはグループとして横方向に外側へ組み込むことにより、この概念を進展させ得るものである。たとえば、本技術は、1つまたは複数のロボットアクセス位置の各々においてアクセス可能な、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれ以上の処理チャンバを含むクラスタツールとともに適用され得る。
【0019】
処理位置が追加されたとき、それぞれの位置における移送能力を追加しなければ、中央のロボットからこれらの位置へのアクセスが、もはや不可能になってしまう。いくつかの慣例的な技術は、移行中の基板が固定されるウエハキャリアを含み得る。しかしながら、ウエハキャリアは、基板上の熱の非均一性や粒子汚染の一因となり得る。本技術は、処理チャンバ領域と垂直方向に整列した移送区画と、追加のウエハ位置にアクセスするために中央のロボットと協力して動作するカルーセルまたは移送装置とを組み込むことによってこれらの問題を克服する。そこで、基板支持体は、処理用の基板を供給するために移送領域と処理領域との間を垂直方向に移動し得る。
【0020】
それぞれの個別の処理位置が、処理する前駆体の個別の処理領域への供給を改善して、より均一なものにするために、別個のリッドスタックを含み得る。リッドスタックを通る1つまたは複数の流体または前駆体の供給を改善するために、本技術のいくつかの実施形態はマルチプレートの面板を含み得、これによって、前駆体を、面板を通して処理領域へ均一に分配するための流路が画定され得る。面板は、大抵の場合、処理領域を上から画定する構成要素であり得るので、プラズマ核種または堆積材料に晒されることがある。これによって摩耗が増加し得、構成要素の洗浄の要求が増加し得る。本技術のいくつかの実施形態では、システムにおいて基板と面板との間に追加の誘電体プレートが組み込まれ得、面板を保護し得る。
【0021】
開示の残りの部分は、本構造および方法が利用され得る4つの位置の移送領域などの特定構造を慣例的に識別するが、論じられる面板または構成要素は、任意数の他のシステムまたはチャンバ、ならびに複数の構成要素が接合または結合され得る任意の他の装置にも同様に利用され得ることが容易に理解されよう。したがって、本技術は、使用に関して何らかの特定のチャンバのみに限定されると見なされるべきでない。なおまた、例示的なツールシステムが、本技術のための基礎をもたらすと説明されるが、本技術は、説明される動作およびシステムのいくつかまたはすべてから利益を得られる任意数の半導体処理チャンバおよびツールに組み込まれ得ることを理解されたい。
【0022】
図1Aは、本技術のいくつかの実施形態による、堆積、エッチング、焼成、および硬化のチャンバの、基板処理ツールまたは処理システム100の一実施形態の平面図を示す。図において、正面開孔の統合ポッドのセット102によって供給される様々なサイズの基板が、ロボットアーム104aおよび104bによってファクトリインターフェース103の中に受け入れられ、ロードロックまたは低圧の保持領域106に入れられてから、それぞれが複数の処理領域108を有するチャンバシステムすなわちクワッド区画109a~109cに配置された、流体連結された移送領域を有する基板処理システムである基板処理領域108のうち1つに供給される。クワッドシステムが示されているが、本技術によって、スタンドアロンのチャンバ、一対のチャンバ、および他の複数のチャンバシステムを組み込んだプラットホームが同様に包含されることを理解されたい。クワッド区画または処理システムの各々が接続され得る移送チャンバに収納された第2のロボットアーム110が、基板ウエハを保持領域106とクワッド区画109との間で移送するように使用され得る。それぞれの基板処理領域108は、周期的層堆積、原子層堆積、化学気相堆積、物理的気相堆積、ならびにエッチング、予洗浄、アニーリング、プラズマ処理、ガス抜き、配向、および他の基板処理を含んでいる任意数の堆積プロセスを含む複数の基板処理動作を実行するように準備され得る。
【0023】
それぞれのクワッド区画109が、第2のロボットアーム110と基板をやり取りし得る移送領域を含み得る。チャンバシステムの移送領域は、第2のロボットアーム110を有する移送チャンバと整列し得る。いくつかの実施形態では、移送領域は、ロボットに対して横方向にアクセス可能でよい。次の動作で、移送区画の構成要素が、基板を、上に重なる処理領域108へと垂直方向に移動し得る。同様に、移送領域は、それぞれの移送領域の範囲内の位置の間で基板を回転させるようにも動作可能であり得る。基板処理領域108は、基板またはウエハ上の原料膜の堆積、アニーリング、硬化および/またはエッチングのための任意数のシステム構成要素を含み得る。構成の1つでは、クワッド区画109aおよび109bの中の処理領域などの処理領域の2つのセットが、基板上に材料を堆積するように使用され得、クワッド区画109cにおける処理チャンバまたは処理領域など、処理チャンバの第3のセットが、堆積された膜を硬化させる、アニーリングする、または処理するように使用され得る。別の構成では、示されたすべての12のチャンバなど、チャンバの3つのセットのすべてが、基板上にフィルムを堆積および/または硬化の両方をさせるように構成され得る。
【0024】
図に示されるように、第2のロボットアーム110は、複数の基板の同時の供給および/または取出しのための2つのアームを含み得る。たとえば、それぞれのクワッド区画109が、第2のロボットアームと横方向に整列し得る移送領域の、ハウジングの表面に沿った2つのアクセス107含み得る。アクセスは、移送チャンバ112に隣接する表面に沿って画定され得る。示されたものなどのいくつかの実施形態では、第1のアクセスは、クワッド区画の複数の基板支持体のうちの第1の基板支持体と整列し得る。加えて、第2のアクセスは、クワッド区画の複数の基板支持体のうち第2の基板支持体と整列し得る。いくつかの実施形態では、第1の基板支持体が第2の基板支持体に隣接し得、2つの基板支持体が基板支持体の第1の行を画定し得る。図示の構成に示されるように、基板支持体の第2の行は、基板支持体の第1の行の後に、移送チャンバ112から横方向に外側に配置され得る。第2のロボットアーム110の2つのアームは、クワッド区画またはチャンバシステムに同時に入って、移送領域の範囲内の基板支持体と1つまたは2つの基板をやり取りすることができるように、間隔をおいて配置され得る。
【0025】
種々の実施形態に示される製造システムから、別個の追加チャンバに、説明された移送領域のうち任意の1つまたは複数が組み込まれ得る。処理システム100によって、原料膜に関する堆積、エッチング、アニーリング、および硬化のチャンバの、追加構成が企図されることが理解されよう。加えて、基板移動などの特定動作のうち任意のものを実行するための移送システムを組み込み得る任意数の他の処理システムが、本技術とともに利用され得る。いくつかの実施形態では、言及された保持および移送の領域などの様々な区画の真空環境を維持したまま複数の処理チャンバ領域へのアクセスを提供し得る処理システムは、離散したプロセスの間で特定の真空環境を維持したまま複数のチャンバにおける動作の実行を可能にし得るものである。
【0026】
図1Bは、本技術のいくつかの実施形態によるチャンバシステムなどを通る、例示的な処理ツールの一実施形態の概略立断面図を示す。図1Bは、任意のクワッド区画109の任意の2つの隣接した処理領域108を通る断面図を示し得る。この立面図は、移送領域120を伴う1つまたは複数の処理領域108の構成または流体結合を示し得る。たとえば、移送領域ハウジング125によって、連続した移送領域120が画定され得る。ハウジングは、複数の基板支持体130が配設され得る開いた内部空間を画定し得る。たとえば、図1Aに示されるように、例示的な処理システムは、移送領域のまわりのハウジングの内部に分配された4つ以上の基板支持体130を含み得る。基板支持体は示されるようなペデスタルでよいが、複数の他の構成が使用され得る。いくつかの実施形態では、ペデスタルは、移送領域120と、移送領域の上に重なる処理領域との間で垂直方向に移送可能であり得る。基板支持体は、チャンバシステムの内部の第1の位置と第2の位置との間の経路に沿った基板支持体の中心軸に沿って垂直方向に移送可能であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、それぞれの基板支持体130は、1つまたは複数のチャンバ部品によって画定された、上に重なる処理領域108と、軸方向に整列し得る。
【0027】
開いた移送領域により、カルーセルなどの移送装置135が、基板と係合して、様々な基板支持体の間で回転などの動きをすることができる。移送装置135は中心軸のまわりで回転可能であり得る。これによって、基板は、処理システムの内部の任意の処理領域108の範囲内で処理されるように配置され得る。移送装置135は、基板支持体のまわりの動きのために、上もしくは下から基板と係合するかまたは基板の外側のエッジと係合し得る1つまたは複数のエンドエフェクタを含み得る。移送装置は、以前に説明されたロボット110などの移送チャンバロボットから基板を受け取り得る。次いで、移送装置は基板を回転させて基板支持体を交替し、追加の基板の供給を促進し得る。
【0028】
一旦配置して処理を待つときには、移送装置は、エンドエフェクタまたはアームを基板支持体の間に配置してよく、こうすると、基板支持体は、移送装置135を過ぎて上昇して、移送領域から垂直方向にオフセットされ得る処理領域108に基板を供給することができる。たとえば、示されたように、基板支持体130aが処理領域108aに基板を供給し得、その間に基板支持体130bが処理領域108bに基板を供給し得る。このようなことが、他の2つの基板支持体および処理領域で起こり得、追加の処理領域を含む実施形態では追加の基板支持体および処理領域でも起こり得る。この構成では、基板支持体は、動作において基板を処理するために係合したときには、処理領域108を、下から、第2の位置などに少なくとも部分的に画定し得、処理領域は関連する基板支持体と軸方向に整列され得る。処理領域は、面板140によって上から画定されてよく、他のリッドスタック構成要素によって画定されてもよい。いくつかの実施形態では、それぞれの処理領域が個々のリッドスタック構成要素を有し得るが、いくつかの実施形態では構成要素が複数の処理領域108を収容し得る。いくつかの実施形態では、この構成を基に、それぞれの処理領域108が移送領域と流体連結され得るが、チャンバシステムまたはクワッド区画の内部の上の処理領域とは互いに流体分離される。
【0029】
いくつかの実施形態では、面板140が、処理領域108の内部のローカルプラズマを生成するためにシステムの電極として動作し得る。示されるように、それぞれの処理領域が、別個の面板を利用するかまたは組み込んでよい。たとえば、面板140aは処理領域108aを上から画定するように含まれてよく、面板140bは処理領域108bを上から画定するように含まれてよい。いくつかの実施形態では、基板支持体は、面板と基板支持体との間に容量結合プラズマを生成するための相電極として動作し得る。ポンピングライナ145は、空間の形状寸法に依拠して、処理領域108を半径方向または横方向に少なくとも部分的に画定し得る。また、それぞれの処理領域用に別個のポンピングライナが利用され得る。たとえば、ポンピングライナ145aは、処理領域108aを半径方向に少なくとも部分的に画定してよく、ポンピングライナ145bは処理領域108bを半径方向に少なくとも部分的に画定してよい。実施形態では、リッド155と面板140との間にブロッカプレート150が配置されてよく、また、それぞれの処理領域の内部の流体分配を促進するように別個のブロッカプレートが含まれ得る。たとえば、処理領域108aに向かう分配のためにブロッカプレート150aが含まれ得、処理領域108bに向かう分配のためにブロッカプレート150bが含まれ得る。
【0030】
リッド155は、それぞれの処理領域用の別個の構成要素でよく、あるいは1つまたは複数の一般的な態様を含み得る。いくつかの実施形態では、リッド155は、システムの2つの別個のリッドプレートのうちの1つでよい。たとえば、第1のリッドプレート158は移送領域ハウジング125の上に固定され得る。移送領域ハウジングは開いた空間を画定し得、第1のリッドプレート158は、上に重なる空間を特定の処理領域へと分離する、第1のリッドプレート158を貫通する複数の開孔を含み得る。示されたものなどのいくつかの実施形態では、リッド155は第2のリッドプレートでよく、個々の処理領域への流体供給のための複数の開孔160を画定する単一の構成要素でよい。たとえば、リッド155は、処理領域108aへの流体供給のための第1の開孔160aを画定し得、処理領域108bへの流体供給のための第2の開孔160bを画定し得る。それぞれの区画の内部に追加の処理領域が含まれているときには、これに対して追加の開孔が画定されてよい。いくつかの実施形態では、それぞれのクワッド区画109または4つよりも多いまたは少ない基板を収容し得る複数の処理領域区画が、処理チャンバにプラズマ放出物を供給するための1つまたは複数の遠隔プラズマユニット165を含み得る。いくつかの実施形態では、それぞれのチャンバ処理領域に個々のプラズマユニットが組み込まれてよく、いくつかの実施形態では、使用され得る遠隔プラズマユニットはより少ない。たとえば、示されるように、特定のクワッド区画について、2つ、3つ、4つなどの複数のチャンバまで、またはそれ以上のすべてのチャンバまで、単一の遠隔プラズマユニット165が使用され得る。本技術の実施形態における処理または清掃のためのプラズマ放出物の供給のために、配管が、遠隔プラズマユニット165から各開孔160まで延在し得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、パージチャネル170は、それぞれの基板支持体130の直近または近くの移送領域ハウジングを通って延在し得る。たとえば、複数のパージチャネルが移送領域ハウジングを通って延在し得、流体連結されたパージガスを移送領域に供給するための流体アクセスをもたらす。パージチャネルの数は、処理システムの内部の基板支持体の数と同じであっても異なっていてもよい。たとえば、パージチャネル170は、それぞれの基板支持体の下の移送領域ハウジングを通って延在し得る。2つの基板支持体130が示されており、基板支持体130aの直近のハウジングを通って第1のパージチャネル170aが延在し得、基板支持体130bの直近のハウジングを通って第2のパージチャネル170bが延在し得る。任意の追加の基板支持体が、移送領域にパージガスを供給するために、移送領域ハウジングを通って延在する垂直なパージチャネルを同様に有し得ることを理解されたい。
【0032】
パージガスは、1つまたは複数のパージチャネル通って供給されるとき、処理システムからのすべての排気路をもたらすポンピングライナ145を通って同様に排出される。結果的に、いくつかの実施形態では、処理前駆体とパージガスとの両方がポンピングライナを通って排気され得る。パージガスは、上方へ、関連するポンピングライナに流れ得、たとえばパージチャネル170bを通って流れたパージガスは、ポンピングライナ145bから、処理システムから排出され得る。
【0033】
前述のように、処理システム100、より具体的には処理システム100または他の処理システムに組み込まれたクワッド区画またはチャンバシステムは、示された処理チャンバ領域の下に配置された移送区画を含み得る。図2は、本技術のいくつかの実施形態による例示的なチャンバシステム200の移送区画の概略等角図を示す。図2は、上記で説明された移送領域120の追加の態様または態様の変形形態を示し得、説明された構成要素または特徴のうち任意のものを含み得る。示されたシステムは、複数の構成要素が含まれ得る移送領域を画定する移送領域ハウジング205を含み得る。移送領域は、さらに、図1Aのクワッド区画109に示された処理チャンバ領域108など、移送領域と流体連結された処理チャンバまたは処理領域によって、上から、少なくとも部分的に画定され得る。移送領域ハウジングの側壁が画定し得る1つまたは複数のアクセス位置207を通って、基板が、上記で論じられたような第2のロボットアーム110などによって出し入れされ得る。アクセス位置207は、いくつかの実施形態では、移送領域ハウジング205の中に気密環境をもたらすためのドアもしくは他の封止機構を含むスリットバルブまたは他の密閉可能なアクセス位置でよい。2つのアクセス位置207が示されているが、いくつかの実施形態では、アクセス位置207は1つだけでよく、移送領域ハウジングの複数の側にアクセス位置が含まれてもよいことを理解されたい。示された移送区画は、任意数の形状寸法または形状を特徴とする、200mm、300mm、450mm、またはより大きいまたは小さい基板を含めて任意の基板サイズを収容するように寸法設定され得ることも理解されたい。
【0034】
移送領域ハウジング205の内部で、移送領域空間のまわりに複数の基板支持体210が配置され得る。示された基板支持体は4つであるが、本技術の実施形態によって任意数の基板支持体が同様に包含されることを理解されたい。たとえば、本技術の実施形態によれば、移送領域には、約3つ、4つ、5つ、6つ、8つ、またはそれ以上の基板支持体210が収容され得る。第2のロボットアーム110は、アクセス207を通して、基板を、基板支持体210aまたは210bの一方または両方に供給し得る。同様に、第2のロボットアーム110が、これらの位置から基板を取り出し得る。リフトピン212が、基板支持体210から突出し得、ロボットが基板の下にアクセスすることを可能にし得る。リフトピンは、基板支持体上に固定されてよく、または基板支持体が下へ窪む位置にあってもよく、あるいは、いくつかの実施形態では、さらに、基板支持体を通って高くなってよく、低くなってもよい。基板支持体210は垂直方向に移送可能であり得、いくつかの実施形態では、移送領域ハウジング205の上に配置された処理チャンバ領域108など、基板処理システムの処理チャンバ領域まで延在し得る。
【0035】
移送領域ハウジング205はアライメントシステムに対するアクセス215をもたらし得、アライメントシステムが含み得るアライナは、示されるように、移送領域ハウジングの開孔を通って延在し得、また、レーザ、カメラ、または隣接した開孔から突出するかもしくは送信する他の監視装置とともに動作し得、移送されている基板が適切に整列しているかどうかを判定し得る。移送領域ハウジング205は、基板を、複数のやり方で位置決めしたり、様々な基板支持体との間で移動したりするように動作し得る移送装置220を含み得る。一例では、移送装置220は、基板支持体210aおよび210b上の基板を基板支持体210cおよび210dに移動することにより、移送チャンバに追加の基板が供給されることを可能にし得る。追加の移送動作は、上に重なる処理領域におけるさらなる処理のために、基板支持体の間で基板を回転させることを含み得る。
【0036】
移送装置220は、移送チャンバの中に延在する1つまたは複数のシャフトを含み得る中央ハブ225を含み得る。シャフトにはエンドエフェクタ235が結合され得る。エンドエフェクタ235は、中央ハブから外へ向かって半径方向または横方向に延在する複数のアーム237を含み得る。エンドエフェクタは、アームを延在させる中心体とともに示されているが、様々な実施形態では、それぞれがシャフトまたは中央ハブと結合された別個のアームをさらに含み得る。本技術の実施形態には任意数のアームが含まれ得る。いくつかの実施形態では、アーム237の数は、チャンバに含まれる基板支持体210の数に類似または等しくてよい。よって、移送装置220は、示されるように、4つの基板支持体に対して、エンドエフェクタから延在する4つのアームを含み得る。アームは、直線のプロファイルまたはアーチ形のプロファイルなどの任意数の形状およびプロファイルを特徴とし、基板を支持するためのフック、リング、フォーク、または他の設計を含む任意数の遠位のプロファイルを含み、かつ/または整列または係合のためなど、基板に対するアクセスをもたらす。
【0037】
エンドエフェクタ235、またはエンドエフェクタの構成要素もしくは一部は、移送中または移動中に基板に接触するように使用され得る。これらの構成要素ならびにエンドエフェクタは、導電材料および/または絶縁材料を含む複数の材料で作製され得、またはこれらの材料を含み得る。いくつかの実施形態では、材料は、上に重なる処理チャンバから移送チャンバに入り得る前駆体または他の化学薬品とのコンタクトに耐えるためにコーティングまたはめっきが施され得る。
【0038】
加えて、材料は、温度などの他の環境特性に耐えるように用意されるかまたは選択され得る。いくつかの実施形態では、基板支持体は、支持体上に配設された基板を加熱するように動作し得る。基板支持体は、表面または基板の温度を、約100℃以上、約200℃以上、約300℃以上、約400℃以上、約500の℃以上、約600℃以上、約700℃以上、約800℃以上に上昇させるように構成され得る。動作中にはこれらのうち任意の温度が維持され得、したがって、移送装置220の構成要素はこれらの明示された温度または包含される温度うちいずれかに晒され得る。結果的に、いくつかの実施形態では、いずれの材料もこれらの温度様式に適応するように選択され得、比較的低い熱膨脹係数を特徴とするセラミックスおよび金属などの材料または他の有利な特徴を有する材料を含み得る。
【0039】
構成要素の結合も、高温環境および/または腐食環境の動作に対して適合され得る。たとえば、エンドエフェクタおよび端部がそれぞれセラミックであれば、結合は、圧入嵌合、スナップ嵌合、または他の嵌合を含み得、これらは、温度に対する膨張や収縮によってセラミックスの亀裂をもたらしかねない、ボルトなどの追加の材料を含まなくてよい。いくつかの実施形態では、端部はエンドエフェクタと連続してよく、エンドエフェクタと一体に形成されてもよい。動作中に動作または耐性を助長し得る任意数の他の材料が利用されてよく、本技術によって同様に包含される。
【0040】
図3は、本技術のいくつかの実施形態による例示的な基板処理システムの例示的な処理システム300の機構の部分的概略断面図である。図3は、上記で説明された処理システムおよび構成要素の態様を示し得、このシステムの追加の態様を示し得る。図3には、リッドスタック構成要素を通る流体流れの解説を容易にするために取り外しまたは変更される複数の構成要素を有するシステムの追加のバージョンが示され得る。処理システム300は、どこか他のところで説明されたかまたは示された処理システムのあらゆる部分のあらゆる態様を含み得、どこか他のところで説明されたシステムのうちあらゆるものに組み込まれたリッドスタックの態様を示し得ることを理解されたい。たとえば、処理システム300は、前述のように、チャンバの移送領域の上に重なるシステムの一部を示し得、移送領域を画定するチャンバ本体の上に配置された構成要素を示し得る。前述の構成要素のうち任意のものが、処理システム300の構成要素を含むシステムに関して以前に説明された移送領域および任意の構成要素を含むなどして、引き続き組み込まれ得ることを理解されたい。
【0041】
前述のように、マルチチャンバシステムは、それぞれの処理領域に対して個々のリッドスタックを含み得る。処理システム300は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上の処理チャンバ区画を含むマルチチャンバシステムの一部であり得る1つのリッドスタックの概観を示し得る。しかしながら、説明されたリッドスタック構成要素は、スタンドアロンのチャンバにも組み込まれ得ることを理解されたい。上記で説明されたように、1つまたは複数のリッドプレートは、それぞれの処理領域用の個々のリッドスタックを含有し得る。たとえば、示されるように、処理システム300に含まれ得る第1のリッドプレート305は、上記で説明されたリッドプレート158の任意の態様でよく、または任意の態様を含み得る。たとえば、第1のリッドプレート305は、移送領域ハウジング上に固定され得る単一のリッドプレートでよく、または前述のチャンバ本体でもよい。第1のリッドプレート305は、リッドプレートの第1の表面に沿ってハウジング上に固定されてよい。リッドプレート305は、前述のように、基板の、リッドプレートを通る、画定された処理領域への垂直な並進を可能にする複数の開孔306を画定し得る。
【0042】
前述のように、複数のリッドスタック(stack:積重体)310が第1のリッドプレート305上に固定され得る。いくつかの実施形態では、以前に示されたように、第1のリッドプレート305は、第1のリッドプレート305の第1の表面の反対側の第2の表面から延在する陥凹棚を画定し得る。陥凹棚は、複数の開孔の各開孔306のまわりに延在し得る。個々のリッドスタック310は、別個の陥凹棚上に固定されてよく、または、示されるように、非陥凹開孔上に固定されてもよい。複数のリッドスタック310は、第1のリッドプレートを通って画定された複数の開孔の数に等しい複数のリッドスタックを含み得る。リッドスタックは、上記で説明されたように、移送領域から垂直方向にオフセットされた複数の処理領域を少なくとも部分的に画定し得る。1つの開孔306および1つのリッドスタック310が示され、以下でさらに論じられるが、処理システム300は、本技術によって包含される実施形態のシステムに組み込まれる、以前に論じられた構成要素または類似の構成要素を有する任意数のリッドスタックを含み得ることを理解されたい。以下の説明は、任意数のリッドスタックまたはシステム構成要素に適応し得るものである。
【0043】
リッドスタックは、実施形態における任意数の構成要素を含み得、上記で説明された構成要素のうち任意のものを含み得る。加えて、本技術のいくつかの実施形態では、複数のプレートを含む面板315が組み込まれ得、いくつかの実施形態では、リッドスタックのいくつかの構成要素を除去し得る。たとえば、本技術のいくつかの実施形態では、ガスボックスおよびブロッカプレートが除去され得る。面板315は、絶縁体320上に固定され得て、他のチャンバまたはハウジング構成要素から電気的に絶縁され得る。加えて、以下でさらに説明されるように、絶縁体320上に誘電体プレート322が固定され得て面板を保護し得る。追加のスペーサ325が含まれ得るが、いくつかの実施形態では、以前に論じられたように、この位置にはポンピングライナも含まれ得る。基板は、面板315とともに処理領域を少なくとも部分的に画定するペデスタル330上に固定されてよい。
【0044】
第2のリッドプレート335が、リッドスタック310にわたって延在し得る。本技術の実施形態は、すべてのリッドスタックにわたって延在する単一の第2のリッドプレート、または対応するリッドスタックの上にそれぞれ重なる個々の第2のリッドプレートを含み得る。第2のリッドプレート335は、処理システムの各リッドスタックにわたって完全に延在し得、第2のリッドプレート335を通って画定された複数の開孔を通る個々の処理領域へのアクセスをもたらし得る。各開孔が、個々のリッドスタックへの流体アクセスをもたらし得る。第2のリッドプレートを通って画定された開孔は、1つまたは複数の前駆体を供給する開孔、ならびにRFフィードスルー340に対するアクセスをもたらす開孔337を含み得る。RFフィードスルーは、処理領域の内部の1つまたは複数の材料からのプラズマ形成を可能にするシステムの内部のプラズマ発生電極としての面板315の動作を助長し得る。面板がプラズマ発生電極として動作し得るので、面板315と第2のリッドプレート335との間に、任意数の絶縁材料または誘電材料で作製された絶縁体345が配置されてよい。いくつかの実施形態にはリッドスタックハウジング350が含まれ得て、リッドスタックのまわりの流体供給のための熱交換器として動作し得、そうでなければリッドスタックのまわりに延在し得る。
【0045】
面板315は、以下でさらに説明されるように、互いに結合された複数のプレートを含み得る。結合することにより、面板を通る1つまたは複数の流路が生じ得る。示されるように、本技術のいくつかの実施形態による面板は、2つ以上のプレートの間に内部空間355を画定し得る。この空間は、以下でより詳細に説明されるように、1つまたは複数の前駆体または流体の内部分配領域をもたらすように利用され得る。
【0046】
図4は、本技術のいくつかの実施形態による例示的な基板処理システムの例示的な処理システム400の機構の部分的概略断面図である。図4は、図3と同一の構成要素を有し得、以前に説明された任意のシステムの任意の構成要素または態様の、任意の特徴、構成要素、または特徴を含み得る。単一の処理領域およびリッドスタック構成要素が論じられるが、上記で論じられたように、同一の構成要素または以前に言及された構成要素が任意数の処理領域とともに含まれ得ることを理解されたい。図4は、本技術のいくつかの実施形態に組み込まれ得る誘電体プレート322をより詳細に示し得る。以前に説明されたいずれかの構成における構成要素のうち1つまたは複数も含まれ得る。たとえば、ペデスタル330または基板支持体は、面板315とともに、処理領域を少なくとも部分的に画定し得、以下でより詳細に説明されるように、面板315を通って任意数の開孔または流れチャネルが画定され得る。面板315は、前述のように、ポンピングライナ405などの1つまたは複数の他の構成要素上に固定され得る絶縁体320上に固定されてよい。
【0047】
絶縁体320は、絶縁体のまわりに延在する陥凹棚410を画定し得、これの上に誘電体プレート322が固定され得る。したがって、誘電体プレート322は面板315から絶縁され得、本技術のいくつかの実施形態では2つの構成要素が互いに接触しないことも可能である。誘電体プレート322は、プレートを通って延在する、約100以上、約1,000以上、約5,000以上、または約10,000以上などの複数の開孔415を画定し得る。面板315は、面板からの出口として延在する画定された複数の開孔も有し得、これらの開孔の数は、誘電体プレート322を通る開孔の数以下でよい。2つの構成要素の開孔の数が等しいとき、これらの開孔は、誘電体プレート322を通る流体の流れに対する影響を制限するために構成要素の間で軸方向に整列されてよいが、本技術のいくつかの実施形態では、2つの構成要素の開孔の間に任意の量のオフセットがもたらされることもある。
【0048】
誘電体プレートは、面板や他の構成要素から分離されることにより、熱浮動になり得て、基板支持体による加熱が可能になり得る。これによって、誘電体プレートがより均一に加熱され得、構成要素からの熱損失や供給されている前駆体に対するあらゆる影響が制御され得る。加えて、いくつかの実施形態では、誘電体プレート322と面板315との間に間隙420が維持され得る。間隙は、誘電体プレートと面板との間のプラズマ生成を防止するために維持され得る。いくつかの実施形態では、間隙距離は、約10mm以下でよく、約8mm以下、約5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、約2mmでもよい。いくつかの実施形態では、システムに誘電体プレートを組み込むことにより、面板の劣化が制限されるかまたは防止され得る。
【0049】
図5は、本技術のいくつかの実施形態による例示的な基板処理システムのリッドスタック構成要素の概略頂面図を示し、複数のリッドスタックのうち1つのリッドスタック上に固定され得る第2のリッドプレート500または第2のリッドプレート500の一部を示し得る。第2のリッドプレート500は、前駆体供給ならびにRFフィードスルーのためのアクセスをもたらす、プレートを通る1つまたは複数の開孔を画定し得る。たとえば、第2のリッドプレート500が画定し得る第1の開孔505は、中央に配置され得て、前述のように、フィードスルー510が第2のリッドプレートを通って延在して面板または他のリッドスタック構成要素に接触することを可能にし得る。別記されるような面板などのリッドスタックに流体アクセスをもたらすように、追加の開孔が画定され得る。たとえば、第1の開孔515が第2のリッドプレート上の第1の位置に配設されてよく、第2の開孔520がリッドプレート上の第2の位置に配設されてよい。2つの開孔は、半導体処理のための1つまたは複数の処理ガス、流体、または前駆体のための流体アクセスをもたらし得る。
【0050】
以下でさらに説明されるように、いくつかの実施形態では、これらの開孔から延在する流路は、本技術のいくつかの実施形態において流体分離して維持され得る。第2のリッドプレート500を通る開孔の内部に出力マニフォールドが配設され得る。第1の出力マニフォールド525は、第2のリッドプレートを通る第1の開孔515の中に少なくとも部分的に配置され得て、示されるように第2のリッドプレート上に少なくとも部分的に固定され得る。加えて、第2の出力マニフォールド530も、第2のリッドプレートを通る第2の開孔520の中に少なくとも部分的に配置され得て、第2のリッドプレート上に少なくとも部分的に固定され得る。出力マニフォールドは、1つまたは複数の前駆体供給源と流体連結されてよく、前述のように、遠隔プラズマ源からの流体アクセスをもたらし得る。いくつかの実施形態では、2つの出力マニフォールドは互いに別々の流体供給源と流体連結され得る。個々の遠隔プラズマ源が、別々のリッドスタックに関連付けられたそれぞれの出力マニフォールドと結合されてよく、あるいは、前述のように1つまたは複数の遠隔プラズマ源が複数の出力マニフォールドと結合されてもよい。
【0051】
以前に説明されたように、本技術のいくつかの実施形態は、多重分配構成要素の機能を実行し得る面板を含み得る。たとえば、いくつかの実施形態では、本技術による面板は、面板を通る1つまたは複数の流路を画定するように互いに結合された複数のプレートを含み得る。本技術による面板は、前述のようにシステムに組み込まれ得、単一の処理領域が使用され得る、本技術のいくつかの実施形態によるスタンドアロンシステムにも含まれ得る。面板は、エッチング作業、堆積作業、または洗浄作業、ならびに以下で説明される拡張された分配が使用され得る任意の他の作業に利用され得る。
【0052】
図6Aは、本技術のいくつかの実施形態による面板のプレート600の概略頂面図を示すものであり、面板の第1のプレートを示し得る。示されるように、第1のプレートは、プレート600の表面にわたって延在する複数のチャネル605を画定し得る。示されるように、チャネル605は、上記で説明された開孔515など、第2のリッドプレートを通る開孔に対応するかまたは直近にあり得る第1の位置610から延在し得る。チャネル605は、示されるように、位置610から、示された4つの第2の位置などの1つまたは複数の第2の位置615まで延在し得る。チャネルは、前述のように、RFフィードスルーがプレートと電気的に結合し得る位置620のまわりに延在し得る。それぞれの第2の位置において、プレート600を通って延在する第1の開孔617などの開孔が形成され得、下にあるプレートへのアクセスを与えてよく、面板を通る流路をさらに画定し得る。
【0053】
示されるように、いくつかの実施形態では、複数の開孔が、それぞれの第2の位置において画定され、プレートを通って延在し得る。プレート600は、上記で説明された開孔520など、第2のリッドプレートを通る開孔に対応するかまたは直近にあり得る第2の開孔625も画定し得る。示されるように、開孔625はチャネルを含なくてよく、開孔から第2のリッドプレートを通って面板を通る垂直方向の経路を延長し得る。開孔625は、プレート600の表面に沿って形成されたチャネルと別離して維持され得、第1の位置、チャネル、およびプレート上の第2の位置から分離され得る。
【0054】
図6Bは、本技術のいくつかの実施形態による面板のプレートの概略底面図を示すものであり、プレート600の底面を示し得る。示されるように、プレートの、第1のチャネルが形成されている表面の反対側の底面に、チャネル630の第2のセットが画定され得る。示されるように、第1のチャネルも第2のチャネルもプレートを通って延在することなく、表面から陥凹して流路をもたらし得、このことは、以前に論じられた図3にも見られる。第2のチャネル630は、それぞれが、プレートを通って延在する第1の開孔617から延在し得、それによって、分配される流体の横方向または半径方向の広がりを可能にする。示されるように、それぞれの第2のチャネル630が、第2のチャネルの間の中央にあり得る第1の開孔617から少なくとも2つの方向に延在し得る。図は、第1の開孔から4つの方向に延在するそれぞれの第2のチャネルを示しているが、本技術の実施形態では任意数のチャネルが延在し得ることを理解されたい。
【0055】
図7Aは、本技術のいくつかの実施形態による面板のプレート700の概略頂面図を示す。プレート700は、プレートを通る複数の開孔を画定し得、第1のプレートよりも多くの開孔を画定し得る。示されるように、プレート700は、プレート700を通って延在し得る複数の第1の開孔715を画定し得る。それぞれの第1の開孔715は、上に重なる第1のプレートの底面側に形成されたそれぞれの第2のチャネル630の終端領域の直近に配置され得る。このようにして、第1のプレートを通る4つの第1の開孔を通って供給される流体は、第1のプレートの第2のチャネルを通って広がり、次いで、第2のプレートの8つの開孔を通って流れることにより、面板を通る流体分配が継続する。プレート700は第2の開孔725も画定し得、第2の開孔725は、面板においてプレートが結合されたとき第2の開孔625と軸方向に整列し得て、第1の開孔の延在するパターンから流体分離され得る面板を通る流体チャネルを継続し得る。
【0056】
図7Bは、本技術のいくつかの実施形態による面板のプレート700の概略底面図を示す。プレート700は、前述のようにパターンを延在させる第1のプレート600と同様に陥凹チャネルを形成し得る。プレート700は、面板のエッジ領域においてパターンが調節され得る様子も示す。パターンは、第1の開孔からプレートを通って延在する同数のチャネルを継続し得るが、エッジ領域において、面板の形状寸法を収容するためにチャネルの数が任意数だけ減らされ得る。このことは、第2の開孔の、第1の開孔を通る流量パターンからの分離を維持するためにも生じ得る。たとえば、示されるように、第1のプレート600からの単一の第1の開孔から次のプレートの4つの第1の開孔715まで延在するチャネルの1つのセットにおいて、開孔715a、開孔715b、および開孔715cの各々が、それぞれ、それぞれの開孔から延在する4つのチャネルを継続し得、このことが流体分配を増加させ得る。しかしながら、開孔715dがプレートを通って延在する場合には、パターンを維持すると、チャネルがプレートのエッジを通りすぎてしまう。したがって、開孔715dは、示された1つ、もしくは2つ、3つなどのより少ないチャネル、または対応する開孔よりも少ない任意数のチャネルまで延在し得る。加えて、いくつかの実施形態では、開孔715dは、プレートを通って延在する開孔のより小さい直径もしくはより少ない数、またはいくつかの組合せを特徴とし得、これによって、プレートを通る流れのコンダクタンスの均一性を維持し得る。いくつかの実施形態では、延在させ得るチャネルがより少ない何らかの開孔については、直径を短縮することによって流れの均一性が維持され得る。
【0057】
本技術のいくつかの実施形態では、プレートは、面板を生成するために、任意数のプレートにわたって拡張され得る。加えて、いくつかの実施形態では、各プレートを通る第2の開孔を通ってなど、面板を通って追加の流路が収容され得る。図8Aは、本技術のいくつかの実施形態による面板のプレート800の概略頂面図を示す。本技術のいくつかの実施形態によれば、プレート800は、任意数の他のプレートと結合され得て面板を生成する。たとえば、プレート800がプレート700と結合されてよく、または、上の面板315に示されるように、流量パターンに続くプレートの間に追加のプレートが含まれてもよい。したがって、プレート800は、パターンを収容するための任意数の開孔を含み得る。第2のリッドプレートとプレート800との間に、それぞれが前述のように第2の開孔を含み得る任意数の追加プレートが含まれ得、第2の開孔は、プレートを通る垂直チャネルをもたらし得、これは第1の開孔を通る再帰フロー経路から分離され得る。
【0058】
プレート800は、プレート800と、上に重なるプレートとの間に空間を生成し得、面板を通る第2の開孔を通って供給された流体の分配が可能になり得る。プレート800は、2つの流路の間の流体分離を維持したまま、上に重なるプレートとの間に空間を生成するために、プレートの表面から上のプレートまで延在する複数の管状延長部分805を含み得る。管状延長部分805はプレート800を通って延在する第1の開孔810を画定し得、これは、上に重なるプレートの第1の開孔を収容するように寸法設定され得る。したがって、プレート800が上に重なるプレートと接合されるとき、管状延長部分は、プレート800を通る流路の流体分離を維持するために第1の開孔を分離し得る。しがって、上に重なるプレートは、そのプレートの上に重なる表面上のチャネルを含まないことがあるが、そうではなく単に、プレート800の上に重なるプレートの上に重なるプレートからの開孔を維持すればよく、この開孔はプレート800によって維持され得る。
【0059】
たとえば、プレート800の上に直接重なるプレートは、図7Aに示されるプレート700として第1の表面と第2の表面との両方を有し得、プレートのどちらの表面にもチャネルは画定されていない。結果的に、このプレートは、再帰パターンを増加させることなく、プレート800を通るパターンを維持すればよい。こうすると、第1の開孔を分離し得、プレート800の管状延長部分のまわりに空間を生成し得る。次いで、第2の開孔を通って垂直方向に供給された前駆体は、画定された空間の内部で面板にわたって分配され得る。次いで、プレート800に複数の第2の開孔815を設けることにより、分散した流体が面板の残りの層を通って分配され得る。いくつかの実施形態では、リムが、プレートの外端のまわりに管状延長部分の高さまで延在し得て、面板の内部の空間を維持する。
【0060】
図8Bは、本技術のいくつかの実施形態による面板のプレート800を上に重なるプレートとともに概略断面図で示すものであり、以前に説明された分配を示す。示されるように、プレート800は、プレートの表面から延在してプレート820と交差する複数の管状延長部分805を画定し得る。それぞれの管状延長部分805が、プレート800を通って延在する開孔810を画定し得る。各開孔810が、プレート820を通る第1の開孔825と軸方向に整列し得て、流路を通って分配される流体の流体分離を維持する。加えて、プレート820によって画定され得る第2の開孔830が、第2のリッドプレートとプレート800との間のそれぞれのプレートを通って軸方向に整列した第2の開孔を通って垂直方向に延在する別個の流路を継続し得る。第2の開孔によって形成されたチャネルを通って分配された流体は、次いで、プレート800によって形成された空間にアクセスし得、複数の第2の開孔815を通って、処理領域の中へ、完全に分配された材料として流れ得る。
【0061】
図9Aは、本技術のいくつかの実施形態による面板のプレート900の概略頂面図を示す。いくつかの実施形態では、プレート900は面板における最後のプレートでよく、処理領域に1つまたは複数の材料を分配し得る。プレート900は、プレート900の表面に画定されたチャネルを含まず、上のチャネルから分配された流体を受け取り得、開孔の最終的な再帰的増加のために開孔を画定し得る。第1の開孔910はグループで示され、上に重なるプレートが接合され得、それぞれの第1の開孔910まで延在するチャネルからの出口をもたらし得る。前述のように、上に重なるプレートに形成されたチャネルの数に依拠して任意数の開孔が含まれ得ることを理解されたい。プレート900によって画定され得る第2の開孔915の数は、それぞれの上に重なるプレートからプレート800までの第2の開孔に類似の数でよく、上記で説明された面板315に関して示されたものなど、任意数のプレートが介在し得る。したがって、それぞれの第2の開孔915は、プレート800よって形成された内容積から延在する垂直な流路の一部であり得、面板からの出口をもたらし得る。したがって、いくつかの実施形態では、すべてのプレートを通る第1の開孔と、プレート800の管状延長部分を通って延在する第1の開孔と、各プレートのそれぞれの下側の面に形成されたすべての第2のチャネルとが、面板を通る第1の流路を生成し得る。加えて、各プレートとプレート800によって形成された空間とを通る第2の開孔が、面板を通る第2の流路を生成し得、第2の流路は、面板のプレートが互いに結合または接合されたとき、第1の流路から流体分離され得る。
【0062】
図9Bは、本技術のいくつかの実施形態による面板のプレート900の概略断面図を示すものであり、プレートの包含されたプロファイルを示し得る。たとえば、いくつかの実施形態では、プレート900は実質的に平坦な頂面および底面を含み得る。加えて、示されるようないくつかの実施形態では、頂面は、上に重なるプレートと接合するために実質的に平坦でよいが、底面では、それぞれの第1の開孔910のまわりに複数の凹部が形成され得る。開孔915はプレートを通って完全に延在し得るが、それぞれの第1の開孔910のまわりに端ぐりまたは皿頭のプロファイルが形成され得て、以前に論じられたような誘電体プレートを通過する前など、供給された材料を少し貯留することができ、異なる開孔パターンを有し得る。凹部を設けることにより、より均一な供給が誘電体プレートを通る処理領域へと進行し得る。
【0063】
図10は、本技術のいくつかの実施形態による例示的な基板処理システムの例示的なシステム1000の機構の概略断面図を示す。システム1000は、上記で説明されたシステム300に類似または同一のものでよいが、図3に示された再帰的分配の代わりに、第2の開孔を通す前駆体の分配のための断面図を示し得る。図に示されるように、第2のリッドプレートを通って供給された前駆体は、最初に、面板を通る垂直チャネル1005を生成する複数の単一の第2の開孔を通って広がる。管状延長部分を含む内部プレート、またはプレートを分離する他の延長部分が、面板の内部の中間の位置において空間1010を形成し得る。次いで、垂直チャネル1005を通って供給された材料は、空間1010の内部で横方向または半径方向に分布し得る。プレートを通って複数の第2の開孔が形成され得、それぞれの後続のプレートと軸方向に整列した第2の開孔と流体連結し得て複数の垂直チャネル1015を生成し得、空間から処理領域へと材料を分配する。本技術のいくつかの実施形態による構成要素を組み込むことにより、流体分配が改善される一方で、流路の間の流体分離が維持されるばかりでなく、リッドスタックの内部の構成要素も保護される。
【0064】
以前の記述では、説明の目的で、本技術の様々な実施形態の理解を提供するために多くの詳細が明らかにされている。しかしながら、当業者には、特定の実施形態が、これらの詳細のうちいくつかはなしで、または追加の詳細を伴って、実施され得ることが明らかであろう。
【0065】
いくつかの実施形態を開示してきたが、当業者には、実施形態の趣旨から逸脱することなく、様々な修正形態、代替構成、および等価物が使用され得ることが理解されよう。加えて、本技術をいたずらに不明瞭にすることのないように、複数の周知のプロセスおよび要素は説明されていない。したがって、上記の説明は、本技術の範囲を制限するものと解釈されるべきでない。加えて、方法またはプロセスが連続したものとして、またはステップで実行されると記述されていても、動作は同時に実行されてよく、または列挙されたものと異なる順序で実行されてもよいことを理解されたい。
【0066】
値の範囲が与えられた場合には、間に入る各値は、文脈が明らかに違った風に指示しなければ、その範囲の上限と下限との間の、下限の最小単位の部分まで明確に開示されるものと理解される。あらゆる明示された値または明示された範囲内の述べられていない値と、あらゆる他の明示された値または上記の明示された範囲内の値との間の、より狭いあらゆる範囲が包含される。それらのより小さい範囲の上限と下限とは、明示された範囲内で特別に除外されるあらゆる限度を条件として、その範囲に別個に含まれ得/除外され得、より小さい範囲が、上限および下限の一方を含む場合、どちらも含まない場合、または両方を含む場合も、本技術の範囲内に包含され得る。明示された範囲が、限度の一方または両方を含む場合には、境界の一方または両方を除外する範囲も含まれる。
【0067】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」といった単数形は、文脈によって明瞭に違った風に指示されなければ、複数形の参照を含む。したがって、たとえば「プレート」に対する参照は複数のそのようなプレートを含み、「開孔」に対する参照は1つまたは複数の開孔および当業者に既知の等価物に対する参照を含む、などである。
【0068】
「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、「含有する(contain(s))、「含有する(containing)」、「含む(include)」、および「含む(including)」といった用語は、本明細書や以下の特許請求の範囲で使用されたときには、明示された特徴、整数、構成要素、または動作の存在を指定するように意図されているが、1つまたは複数の他の特徴、整数、構成要素、動作、働き、またはグループの存在もしくは追加は排除しない。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
【外国語明細書】