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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167391
(43)【公開日】2024-12-03
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/60 20100101AFI20241126BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20241126BHJP
【FI】
H01L33/60
H01L33/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024152216
(22)【出願日】2024-09-04
(62)【分割の表示】P 2022068956の分割
【原出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100138863
【弁理士】
【氏名又は名称】言上 惠一
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】山ノ井 拓也
(57)【要約】
【課題】高い光取り出し効率を有する発光装置の提供。
【解決手段】底部と、前記底部上に位置する壁部と、により規定される凹部を有する基体と、前記凹部内に配置される発光素子と、前記基体の凹部内における前記底部の上面及び前記壁部の内側面に連続して配置される光反射性部材と、を含み、断面視において、前記壁部の前記内側面は、前記底部の上面から連続する第1面と、前記第1面よりも上方に位置する第2面と、前記第1面の上端と前記第2面の下端とを接続する第3面と、を有し、前記第2面と前記発光素子との間の最短距離は、前記第1面と前記発光素子との間の最短距離よりも大きく、前記第3面は、前記発光素子の上面よりも下方に位置し、前記光反射性部材の上端は、前記壁部の上面よりも下方に位置する、発光装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と、前記底部上に位置する壁部と、により規定される凹部を有する基体と、
前記凹部内に配置される発光素子と、
前記基体の凹部内における前記底部の上面及び前記壁部の内側面に連続して配置される光反射性部材と、
を含み、
断面視において、
前記壁部の前記内側面は、前記底部の上面から連続する第1面と、前記第1面よりも上方に位置する第2面と、前記第1面の上端と前記第2面の下端とを接続する第3面と、を有し、
前記第2面と前記発光素子との間の最短距離は、前記第1面と前記発光素子との間の最短距離よりも大きく、
前記第3面は、前記発光素子の上面と同じ高さ、または、前記発光素子の上面よりも下方に位置し、
前記光反射性部材の上端は、前記壁部の上面よりも下方に位置する、
発光装置。
【請求項2】
前記第1面の上端と前記底部の上面との間の距離は、前記第2面の上端と前記第3面との間の距離よりも大きい、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記光反射性部材は、前記底部の上面、前記第1面、前記第3面、及び前記第2面上に、前記第2面の上端に接しないように配置される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記壁部の前記内側面は、さらに、前記第2面よりも上方に位置する第4面と、前記第2面の上端と前記第4面の下端とを接続する第5面と、を有し、前記第4面と前記発光素子との間の最短距離は、前記第2面と前記発光素子との間の最短距離よりも大きい、請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第3面は、前記発光素子の上面よりも下方に位置し、
前記第5面は、前記発光素子の上面と同じ高さ、または、前記発光素子の上面よりも下方に位置する、請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第2面の上端と前記第3面との間の距離は、前記第4面の上端と前記第5面との間の距離よりも大きい、請求項4に記載の発光装置。
【請求項7】
前記底部の上面に垂直で、前記底部の上面の中心を通る任意の断面における、前記第3面の幅は、前記第5面の幅よりも大きい、請求項4に記載の発光装置。
【請求項8】
前記光反射性部材は、前記底部の上面、前記第1面、前記第3面、前記第2面、前記第5面、及び第4面上に、前記第4面の上端に接しないように配置される、請求項4に記載の発光装置。
【請求項9】
上面視において、前記第3面の外形は、略矩形状であり、
断面視において、前記第3面のうち、各辺の中央部における前記第3面と前記底部の上面との間の距離は、前記第3面のうち、各辺の端部における前記第3面と前記底部の上面との間の距離よりも小さい、請求項1に記載の発光装置。
【請求項10】
前記光反射性部材は、前記第3面に配置され、
前記第3面の各辺の中央部における前記第3面上の前記光反射性部材の厚さは、前記第3面の各辺の端部における前記第3面上の前記光反射性部材の厚さよりも厚い、請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
上面視において、前記第5面の外形は、略矩形状であり、
断面視において、前記第5面のうち、各辺の中央部における前記第5面と前記底部の上面との間の距離は、前記第5面のうち、各辺の端部における前記第5面と前記底部の上面との間の距離よりも小さい、請求項8に記載の発光装置。
【請求項12】
前記光反射性部材は、前記第5面に配置され、
前記第5面の各辺の中央部における前記第5面上の前記光反射性部材の厚さは、前記第5面の各辺の端部における前記第3面上の前記光反射性部材の厚さよりも厚い、請求項11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記光反射性部材の表面と前記発光素子との間の距離は、前記壁部の下方から前記壁部の上方に向かって大きくなる、請求項1~12のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項14】
前記発光素子は、基板と、前記基板の下方に位置する半導体構造体と、を有し、
断面視において、前記光反射性部材は、前記壁部の内側面の上端と、前記壁部の内側面の上端と対向する前記発光素子の側面の下端とを結ぶ直線よりも下方に位置する、請求項1~12のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項15】
上面視において、前記光反射性部材は、前記発光素子と離隔している、請求項1~12のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項16】
さらに、前記基体上に配置される透光性部材を含み、前記透光性部材と前記光反射性部材とが離隔している、請求項1~12のいずれか1項に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光装置として、凹部を有する基体の内部に、LED等の発光素子と、かかる発光素子の光を反射する光反射性部材と、を有する発光装置が知られている。例えば、特許文献1には、凹部が形成された成形体と、凹部内にマウントされた半導体発光素子と、成形体の凹部の底面及び側面を覆うように設けられた高反射率の樹脂層と、を有する半導体発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-060344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、高い光取り出し効率を有する発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の発光装置は、底部と、前記底部上に位置する壁部と、により規定される凹部を有する基体と、前記凹部内に配置される発光素子と、前記基体の凹部内における前記底部の上面及び前記壁部の内側面に連続して配置される光反射性部材と、を含み、断面視において、前記壁部の前記内側面は、前記底部の上面から連続する第1面と、前記第1面よりも上方に位置する第2面と、前記第1面の上端と前記第2面の下端とを接続する第3面と、を有し、前記第2面と前記発光素子との間の最短距離は、前記第1面と前記発光素子との間の最短距離よりも大きく、前記第3面は、前記発光素子の上面と同じ高さ、または、前記発光素子の上面よりも下方に位置し、前記光反射性部材の上端は、前記壁部の上面よりも下方に位置する。
【発明の効果】
【0006】
本開示は、高い光取り出し効率を有する発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1に係る発光装置100の概略端面図である。
図2図1に示す実施形態1に係る発光装置100の概略上面図である。
図3図1に示す実施形態1に係る発光装置100の基体の母材13の概略断面図である。
図4図1に示す実施形態1に係る発光装置100の基体10の概略上面図である。
図5】実施形態2に係る発光装置101の概略端面図である。
図6図5に示す実施形態2に係る発光装置101の概略上面図である。
図7】実施形態2に係る発光装置101のVII-VII線における概略断面図である。
図8】実施形態2に係る発光装置101のVIII-VIII線における概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る発明を実施するための実施形態を説明する。なお、以下に説明する発光装置は、本開示に係る発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本開示に係る発明を以下のものに限定しない。各図面中、同一の機能を有する部材には、同一符号を付している場合がある。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態に分けて示す場合があるが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。後述の実施形態では、前述と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態ごとには逐次言及しないものとする。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。また、断面図として切断面のみを示す端面図を用いる場合もある。
【0009】
<実施形態1>
本開示に係る実施形態1の発光装置100を、図1及び図2を用いて説明する。図1は、発光装置100の概略端面図である。図2は、発光装置100の概略上面図である。なお、図2では、透光性部材を省略している。図1に示す概略端面図は、発光装置100を、図2に示すI-I線に沿って切断した状態を示す。図2において、I-I線は、基体10の対向する2つの側面10x,10yの中心を通る。なお、本開示の発光装置において、基体の底部側を下、透光性部材の上面側を上とする。即ち、図1において図面上側を上、下側を下とする。
【0010】
図1及び図2に示すように、本開示に係る実施形態1の発光装置100は、底部11と、底部11上に位置する壁部12と、により規定される凹部14を有する基体10と、凹部14内に配置される発光素子20と、基体10の凹部14内における底部11の上面15及び壁部12の内側面16に連続して配置される光反射性部材30と、を含む。断面視において、壁部12の内側面16は、底部11の上面15から連続する第1面41と、第1面41よりも上方に位置する第2面42と、第1面41の上端と第2面42の下端とを接続する第3面43と、を有する。第2面42と発光素子20との間の最短距離d2は、第1面41と発光素子20との間の最短距離d1よりも大きく、第3面43は、発光素子20の上面24と同じ高さ、または、発光素子20の上面24よりも下方に位置し、光反射性部材30の上端30aは、壁部12の上面12aよりも下方に位置する。
【0011】
本開示に係る実施形態1の発光装置100は、基体10の上面12a上に、接合部材51を介して配置される透光性部材50を含む。
【0012】
特許文献1に記載の発光装置は、成形体の凹部に配置される樹脂層の上端が、成形体の上面と概ね同じ高さに位置している。また、特許文献1に記載の発光装置は、成形体の凹部の側面に段差を有しており、発光素子の上面が、凹部の側面の段差より低い位置にある。そのため、特許文献1に記載の発光装置は、発光素子から出射された光のうち、上記段差及び段差よりも上側に配置された樹脂層に当たる光が多くなる。その結果、発光装置から出射された光のうち、樹脂層に反射されずに発光装置の外部に直接放出される光の割合が比較的低くなる。一方、本開示の発光装置は、光反射性部材30の上端30aが壁部12の上面12aよりも下方に位置し、かつ、壁部の第3面43が、発光素子20の上面24と同じ高さ、または、発光素子20の上面24よりも下方に位置することから、発光素子20から出射される光のうち、光反射性部材30に反射されることなく、発光装置の外部に直接放出される光の割合が高くなる。これにより、発光装置の光取り出し効率を向上させることができる。
【0013】
(基体)
基体10は、底部11と、底部11上に位置する壁部12と、を有する。底部11と壁部12によって凹部14を規定している。また、基体10は、凹部14における底部11の上面15上に配置された配線層17、及び底部11の下面18上に配置された外部電極19を含み得る。
【0014】
図2に示すように、上面視において、基体10の壁部12の外縁の形状は、略矩形である。該矩形の各角部は、円弧状に取り除かれた形状である。角部は、直角、丸みを有する形状であってもよい。また、上面視において、第3面43の内縁の形状、及び第3面43の外縁の形状は、略矩形である。該矩形の各角部は、丸みを有する形状である。第3面43の内縁及び外縁の形状は、角部が直角であってもよい。
【0015】
なお、本開示の発光装置において、基体の壁部の外縁の形状は、上記の略矩形に限定されるものではなく、例えば円形等の既知のいずれの形状であってもよい。また、第3面の内縁の形状、及び外縁の形状も、上記の略矩形に限定されるものではなく、例えば基体の壁部の外縁の形状に沿った形状であってもよい。
【0016】
断面視において、壁部12の内側面16は、底部11の上面15から連続する第1面41と、第1面41よりも上方に位置する第2面42と、第1面41の上端と第2面42の下端とを接続する第3面43と、を有する。第2面42と発光素子20との間の最短距離d2は、第1面41と発光素子20との間の最短距離d1よりも大きい。第1面41、第2面42、及び第3面43が、上記のように接続されることにより、壁部12の内側面16に段差が形成される。壁部12の内側面16に段差を配置することにより、発光装置の製造時における光反射性部材の這い上がり、特に壁部12の上面12aへの這い上がりを抑制することができる。
【0017】
第1面41は、底部11の上面15に対して、略垂直に配置され得る。同様に、第2面42は、底部11の上面15に対して、略垂直に配置され得る。本明細書において、略垂直とは、厳密に90°である場合に限定されず、90°±3°程度の範囲の角度も含み得る。
【0018】
第1面41の上端、及び第2面42の下端は、底部11の上面15に対して、実質的に同じ高さに位置する。即ち、第1面41の上端と第2面42の下端とを接続する第3面43は、底部11の上面15と略平行に配置され得る。本明細書において、略平行とは、厳密に平行である場合に限定されず、平行からのずれが±3°程度の範囲である場合も含み得る。
【0019】
実施形態1の発光装置100において、第2面42の上端は、壁部の上面12aの内周縁と一致する。
【0020】
断面視において、第2面42と発光素子20との間の最短距離d2は、第1面41と発光素子20との間の最短距離d1よりも大きい。換言すれば、断面視において、第2面42は、第1面41よりも、基体10の外側に位置する。典型的には、最短距離d2と最短距離d1との差(即ち、最短距離d2-最短距離d1)は、第3面43の幅と同じである。
【0021】
第1面41と発光素子20との間の最短距離d1は、特に限定されない。第1面41と発光素子20との間の最短距離d1は、例えば、0.2mm以上、好ましくは0.3mm以上であり得る。最短距離d1を、かかる範囲とすることにより、第1面41と発光素子20との間の空間が広くなり、光反射性部材30の配置の自由度が向上する。これにより、光反射性部材30と発光素子20の側面との間の空間が広くなり、発光素子20の側面から出射される光が光反射性部材30によって反射されて再び発光素子20内に入射することなく、発光装置100の外部に取り出されやすくなることから、発光装置100の光取り出し効率をより高めることができる。また、最短距離d1は、例えば、2.0mm以下、好ましくは1.0mm以下であり得る。最短距離d1を、かかる範囲とすることにより、発光装置100の小型化が容易になる。一の態様において、最短距離d1は、0.2mm以上2.0mm以下、好ましくは0.3mm以上1.0mm以下、例えば0.6mm以上0.8mm以下であり得る。
【0022】
第1面41と発光素子20との間の最短距離d1に対する、基体の壁部の上面12aと底部11の上面15との間の距離h0の比(h0/d1)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.2以上であり得る。最短距離d1に対する距離h0の比を、上記の範囲とすることにより、壁部の内側面と発光素子の距離が近くなり、発光装置の小型化が容易になる。また、最短距離d1に対する距離h0の比(h0/d1)は、好ましくは10.0以下、より好ましくは6.0以下、さらに好ましくは3.0以下であり得る。最短距離d1に対する距離h0の比を、かかる範囲とすることにより、発光素子20の側面から出射される光が第1面41に配置される光反射性部材30に反射されることなく、発光装置100の外部に直接取り出されやすくなることから、発光装置100の光取り出し効率をより高めることができる。一の態様において、最短距離d1に対する距離h0の比(h0/d1)は、0.5以上10.0以下、好ましくは1.0以上6.0以下、より好ましくは1.2以上3.0以下であり得る。
【0023】
断面視における第3面43の幅w1は、特に限定されない。断面視における第3面43の幅w1は、例えば、0.01mm以上、好ましくは0.02mm以上であり得る。第3面43の幅w1を、上記の範囲とすることにより、製造時における壁部12の上面12aへの光反射性部材30の這い上がりを、より抑制することができる。また、第3面43の幅w1は、例えば、0.5mm以下、好ましくは0.1mm以下であり得る。第3面43の幅w1を、上記の範囲とすることにより、発光装置100における凹部内の空間が占める割合をより大きくすることができるため、光反射性部材30の配置の自由度が向上する。これにより、光反射性部材30と発光素子20の側面との間の空間を広く確保することができるため、発光素子20の側面から出射される光が光反射性部材30によって反射されて再び発光素子20内に入射することなく、発光装置100の外部に取り出しやすくすることができる。一の態様において、第3面43の幅w1は、0.01mm以上0.5mm以下、好ましくは0.02mm以上0.1mm以下であり得る。
【0024】
第2面42と発光素子20との間の最短距離d2は、上記最短距離d1に上記幅w1を加えたものであり得る。
【0025】
断面視において、壁部12の第3面43は、発光素子20の上面24と同じ高さ、または、発光素子20の上面24よりも下方に位置する。換言すれば、第1面41の上端と底部11の上面15との間の距離h1は、発光素子20の上面24と底部11の上面15との間の距離h10と同じ、または、発光素子20の上面24と底部11の上面15との間の距離h10よりも小さい。好ましくは、壁部12の第3面43は、発光素子20の上面24よりも下方に位置する。壁部12の第3面43を、発光素子20の上面24と同じ高さ、または、発光素子20の上面24よりも下方に配置することにより、発光素子20から出射されて壁部12の上方に向かう光が、光反射性部材30に反射されることなく、発光装置100から直接放出されやすくなる。即ち、発光素子20の発光層の側面と壁部12の上面12aの内縁との間に、直線的な光路が広く確保される。従って、発光素子20から出射される光のうち、光反射性部材30に反射されることなく、発光装置100の上方に直接放出される光の割合が高くなり、発光装置100の光取り出し効率を高めることができる。
【0026】
断面視における、発光素子20の上面24と底部11の上面15との間の距離h10と、第1面41の上端と底部11の上面15との間の距離h1との差は、特に限定されない。発光素子20の上面24と底部11の上面15との間の距離h10と、第1面41の上端と底部11の上面15との間の距離h1との差は、例えば、0.01mm以上、好ましくは0.02mm以上であり得る。距離h10と距離h1との差を、かかる範囲とすることにより、発光装置100の光取り出し効率をより高くすることができる。また、距離h10と距離h1との差は、例えば、1.0mm以下、好ましくは0.5mm以下であり得る。一の態様において、距離h10と距離h1との差は、0.01mm以上1.0mm以下、好ましくは0.02mm以上0.5mm以下であり得る。
【0027】
断面視において、第1面41の上端と底部11の上面15との間の距離h1は、第2面42の上端と第3面43との間の距離h2より、大きくてもよい。距離h1を距離h2より大きくすることにより、壁部の内側面16におけるh1の割合が大きくなり、第3面43の位置が高くなる。第3面43は、発光装置100の製造時における壁部12の上面12aへの光反射性部材30の這い上がりを抑制することから、光反射性部材30は、典型的には、第3面43の内縁付近まで形成される。従って、本開示の発光装置100のように第3面43を有する場合は、第3面43が高い位置にあるほど、光反射性部材30をより高い位置まで配置することが容易になる。
【0028】
断面視における、第2面42の上端と第3面43との間の距離h2に対する第1面41の上端と底部11の上面15との間の距離h1の比(h1/h2)は、好ましくは1.01以上、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは3.0以上であり得る。距離h2に対する距離h1の比を、かかる範囲とすることにより、光反射性部材30をより高い位置まで形成することが容易になる。また、距離h2に対する距離h1の比(h1/h2)は、好ましくは16.0以下、より好ましくは8.0以下、さらに好ましくは4.0以下であり得る。距離h2に対する距離h1の比を、かかる範囲とすることにより、第3面43と壁部の上面12aとの距離が大きくなり、光反射性部材30の、壁部の上面12aへの這い上がりをより抑制することができる。一の態様において、距離h2に対する距離h1の比(h1/h2)は、1.01以上16.0以下、好ましくは1.5以上8.0以下、より好ましくは3.0以上4.0以下であり得る。
【0029】
基体10の母材13は、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、木材、パルプ等の絶縁材料、半導体、金属(例えば、銅、銀、金、アルミニウム等)等の導電材料の単一材料及びこれらの複合材料によって形成することができる。母材13の材料は、好ましくは金属、セラミックス等であり、より好ましくは無機材料であるセラミックスであり得る。上記セラミックスとしては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、ムライト等が挙げられる。上記セラミックスは、好ましくは放熱性の高い窒化アルミ二ウムであり得る。母材13の底部11と壁部12とは、同一材料で構成されていてもよく、あるいは、それぞれ異なる部材で構成されていてもよい。
【0030】
図3に示すように、母材13は、積層構造を有していてもよい。例えば、母材13は、第1層10aと、第2層10bと、第3層10cとが積層されたものであってもよい。かかる態様において、第1層10aは、底部11を構成し、第2層10b及び第3層10cは、壁部12を構成し得る。第2層10bの一部は、第1面41及び第3面43を構成する。第3層10cの一部は、第2面42及び壁部の上面12aを構成する。各層は、さらに、複数の層から構成される積層構造を有していてもよい。
【0031】
基体10は、配線層17と外部電極19とを含む。図4に示すように、配線層17は、底部11の上面15に配置され、後述する発光素子20の電極23と電気的に接続される。尚、図4における一点鎖線は、発光素子20を配置したときの発光素子20の外縁を示す。配線層17は、底部11の上面15において、その厚みによる段差によって、光反射性部材30を堰き止める機能を有し得る。例えば、図4に示す例においては、配線層17は、発光素子20の外縁と壁部の第1面41との間に位置する外縁17bを備えており、底部11の上面15において、配線層17は、その外縁17bの段差により、光反射性部材30が第1面41側から発光素子20側に流れることを抑制することができる。外部電極19は、底部11の下面18に配置される。底部11は、貫通孔を有しており、配線層17と外部電極19とは、貫通孔内に配置される内部配線により電気的に接続される。発光装置100は、外部電極19によって外部と電気的に接続される。
【0032】
(発光素子)
発光素子20は、凹部14内において、基体10の底部11上に配置される。発光素子20は、好ましくは基体10の底部11の中心に配置される。なお、本開示の発光装置において、複数個の発光素子が基体10の底部11上に配置されていてもよい。
【0033】
図2に示す発光素子20の上面視における形状は矩形である。なお、本開示の発光装置において、発光素子20の上面視における形状は、いずれの形状であってもよい。発光素子20の上面視における形状は、例えば、三角形、六角形等の多角形等であってもよい。
【0034】
上面視において、発光素子20の外縁の形状である矩形のうち、対向する2辺は、基体10の外縁の形状である矩形のうち、対向する2辺と平行である。また、発光素子20の外縁のうち、別の対向する2辺は、基体10の外縁のうち、別の対向する2辺と平行である。なお、発光素子20及び基体10の外縁の形状を矩形とし、上面視において、発光素子20の外縁のうち対向する2辺が基体10の外縁の2辺と平行な状態から、発光素子20の外縁を基体10の底部11の中心を通る中心軸に対して45度回転させた配置としてもよい。
【0035】
発光素子20は基板21と半導体層22を含む。基板21は、半導体層22を構成する半導体の結晶を成長可能な結晶成長用基板であり得る。基板21は、例えば、サファイア基板、又は窒化ガリウム基板である。半導体層22は、例えば、n型半導体層と、p型半導体層と、n型半導体層及びp型半導体層の間に配置される発光層と、を含む。
【0036】
図1に示すように、実施形態1の発光装置100において、半導体層22の下面に2つの電極23が配置され、それぞれ、配線層17と電気的に接続される。半導体層22の下面に配置された2つ電極23は、いわゆるp電極とn電極である。p電極は、p型半導体層と電気的に接続されている。n電極は、n型半導体層と電気的に接続されている。
【0037】
半導体層22は、ダブルヘテロ接合であってもよい。発光層は、単一量子井戸(SQW)等の構造を有していてもよいし、多重量子井戸(MQW)のように複数の井戸層をもつ構造を有していてもよい。半導体層22は、可視光または紫外光を発光可能に構成されている。このような発光層を含む半導体層22は、例えばInxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含むことができる。半導体層22が出射する光のピーク波長は、例えば、250nm以上630nm以下の範囲である。
【0038】
(光反射性部材)
光反射性部材30は、発光素子20から出射された光を反射させる。光反射性部材30で反射された光が発光装置100から取り出される方向は、基体10の上方である。
【0039】
光反射性部材30は、基体10の壁部12の内側面16に沿って、基体10の底部11の上面15上と、壁部の内側面16上に連続して配置されている。
【0040】
図1に示すように、実施形態1の発光装置100において、光反射性部材30は、底部11の上面15の一部、第1面41の全面、第3面43の全面、及び第2面42の一部上に連続して配置され、かつ、第2面42の上端に接しないように配置される。
【0041】
なお、本開示の発光装置において、光反射性部材30の配置は、図1に示す例に限定されない。例えば、光反射性部材30は、底部11の上面15の一部、第1面41の全面、及び第3面43の一部上に連続して配置され、かつ、第2面42上に配置されていなくてもよい。また、光反射性部材30は、底部11の上面15の一部、及び第1面41上に連続して配置され、かつ、第2面42及び第3面43上には配置されていなくてもよい。
【0042】
底部11の上面15のうち光反射性部材30が配置される領域は、底部11の上面15と第1面41との接続部から、底部11の上面15の中心方向へ、0.1mm以上1.8mm以下、好ましくは0.3mm以上1.0mm以下の領域であり得る。
【0043】
第2面42の上端と光反射性部材30の上端30aとの間の距離は、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上、さらに好ましくは0.15mm以上であり得る。第2面42の上端と光反射性部材30の上端30aとの間の距離をかかる範囲とすることにより、発光素子20から壁部12の上方に向かう光のうち、光反射性部材30に反射されることなく、発光装置の外部に直接放出される光が増加するため、発光装置の光取り出し効率が向上する。第2面42の上端と光反射性部材30の上端30aとの間の距離は、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.4mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下であり得る。第2面42の上端と光反射性部材の上端30aとの間の距離をかかる範囲とすることにより、壁部の内側面16のより広範囲を光反射性部材30により覆うことができ、発光装置の光取り出し効率が向上する。
【0044】
図2に示すように、上面視において、光反射性部材30は、発光素子20の周囲を囲むように連続して配置され得る。光反射性部材30を発光素子20の周囲を囲むように配置することにより、発光素子20から出射された光のより多くを、反射することができ、発光装置の光取り出し効率が向上する。
【0045】
上面視において、光反射性部材30は、好ましくは、発光素子20と離隔して配置され得る。上面視において、光反射性部材30と発光素子20との間の最短距離は、好ましくは0.1mm以上1.5mm以下、好ましくは0.2mm以上1.0mm以下であり得る。
【0046】
光反射性部材30の表面と発光素子20との間の最短距離は、基体10の壁部12の下方から壁部12の上方に向かって大きくなり得る。
【0047】
断面視において、光反射性部材30の表面は、基体10の外縁側に向かって窪んだ凹曲面を有し得る。光反射性部材30の表面を凹曲面とすることにより、発光素子20から出射された光を、より効率的に上方に反射することができる。
【0048】
本開示の発光装置において、光反射性部材の表面は、凹曲面を有するものに限定されない。例えば、断面視において、光反射性部材30の表面は、発光素子20に向かって膨らむ凸曲面を有し得るものであってもよい。また、断面視において、光反射性部材30の表面は、直線状であってもよい。表面が直線状である光反射性部材30は、その表面と発光素子20との間の距離が、壁部12の下方から壁部12の上方に向かって一定の割合で大きくなる。
【0049】
断面視において、光反射性部材30は、壁部12の内側面16と対向する発光素子20の半導体層22の側面の下端P1と、壁部12の内側面16の上端P2とを結ぶ直線よりも下方に位置する。光反射性部材30を、P1とP2とを結ぶ直線よりも下方に配置することにより、発光素子20から出射される光のうち、発光装置の外部に直接放出される光の割合が高くなり、発光装置の光取り出し効率が高くなる。
【0050】
光反射性部材30は、基体10の母材13よりも発光素子20から出射される光に対する反射率が高いものであれば、特に限定されない。
【0051】
光反射性部材30は、例えば、樹脂中に光拡散材を含有させた部材であってもよく、複数の無機材料が含有された部材であってもよい。
【0052】
上記樹脂中に光拡散材を含有させた部材において、樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、又はアクリル樹脂等が用いられる。また、光拡散材としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、又は酸化亜鉛等が用いられる。
【0053】
上記複数の無機材料が混ざり合った部材は、光反射材と、光反射材を支持する支持部材と、を含む。
【0054】
光反射材は、例えば、窒化ホウ素又は酸化アルミニウムであり得る。光反射材としての窒化ホウ素又は酸化アルミニウムは、紫外光から可視光までの光を反射させることができる。
【0055】
光反射材は、一次粒子であってもよく、又は、2個以上の一次粒子が凝集した二次粒子であってもよい。また、光反射材は、一次粒子と二次粒子とを含んでいてもよい。
【0056】
光反射材の粒子は、好ましくは、板状の粒子であり得る。
【0057】
光反射材の平均粒径は、好ましくは、0.6μm以上43μm以下であり得る。光反射材が窒化ホウ素である場合、光反射材の平均粒径は、例えば、6μm以上43μm以下である。光反射材が酸化アルミニウムである場合、光反射材の平均粒径は、例えば、0.6μm以上10μm以下である。
【0058】
光反射材の平均粒径は、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の走査電子顕微鏡「TM3030Plus」を用いて算出される。
まず、カーボン製の両面テープの一方の面を該顕微鏡の試料台に貼りつけ、その後、両面テープの他方の面に光反射材を配置する。顕微鏡の画素数を123万画素に設定し、倍率を1000倍から2000倍に設定し、100個の光反射材の粒子の画像を取得する。その後、画像解析ソフトウェアにより各粒子の粒径を測定する。本明細書において、光反射材の粒径は、光反射材の一の主面から見たときの直径のうち最大の直径である。次に、測定した粒子のメジアン径を算出し、該算出値を光反射材の平均粒径とする。また、光反射材の粒径は、SEMにより光反射性部材の断面を抽出し、画像解析ソフトウェアにより測定して算出してもよい。
【0059】
支持部材は、好ましくは、シリカ及びアルカリ金属を含み得る。
【0060】
光反射性部材30に含まれるシリカと光反射材との含有比率は、質量比で、例えば、1:4~1:1である。すなわち、光反射性部材30に含まれる光反射材の質量は、光反射性部材30に含まれるシリカの質量の、例えば、1~4倍である。シリカと光反射材との含有比率を、1:4~1:1とすることにより、製造時の硬化性を維持しつつ、収縮を低減させることができる。
【0061】
光反射性部材30に含まれるアルカリ金属は、例えば、カリウム及びナトリウムの一方または両方であり得る。
【0062】
光反射性部材30は、好ましくは、さらに散乱材を含み得る。光反射性部材30が散乱材を含むことにより、光反射性部材30の光反射率が向上する。
【0063】
光反射性部材30に含まれる散乱材は、例えば、酸化ジルコニウム又は酸化チタンを含む散乱材であり得る。光反射性部材30中の散乱材は、支持部材のシリカ中に分散して存在する。
【0064】
発光素子20が紫外光を出射する場合は、散乱材は、好ましくは、紫外波長領域の光吸収の少ない酸化ジルコニウムを含み得る。散乱材に含まれる酸化ジルコニウムは、酸化ジルコニウム単体であってもよく、酸化ジルコニウムの表面にシリカ、酸化アルミニウム、亜鉛、有機等のうちいずれか1又は2以上で構成される被覆膜が被覆されたものであってもよい。また、散乱材に含まれる酸化ジルコニウムは、カルシウムやマグネシウム、イットリウム、アルミニウム等が添加された安定化酸化ジルコニウムや、部分安定化酸化ジルコニウムであってもよい。
【0065】
散乱材に含まれる酸化チタンは、酸化チタン単体であってもよく、酸化チタンの表面に、シリカ、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、亜鉛、有機等のうちいずれか1又は2以上で構成される被覆膜が被覆されたものであってもよい。
【0066】
散乱材の平均粒径は、光反射材の平均粒径より小さいことが望ましい。散乱材の平均粒径を、光反射材の平均粒径より小さくすることにより、光反射材同士の隙間に散乱材が配置されやすくなるため、発光素子20から出射された光が光反射材同士の隙間を介して光反射性部材30を透光することを抑制できる。散乱材の平均粒径は、レーザ回析法で測定される。
【0067】
(透光性部材)
実施形態1の発光装置100は、基体10上に配置される透光性部材50を含む。透光性部材50は、接合部材51により基体10上に接続される。透光性部材50は、光反射性部材30と離隔して配置される。なお、透光性部材50は、本開示の発光装置において必須の要素ではなく、有していなくてもよい。
【0068】
透光性部材50は、発光素子20から出射される光を透過する部材であり、好ましくは発光素子20から出射される光の60%以上、より好ましくは70%以上を透過する部材であり得る。
【0069】
透光性部材50は、透光性の樹脂材料、無機材料等を含む透光性部材である。上記樹脂材料としては、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、及び、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。上記無機材料としては、ガラス、サファイア等が挙げられる。
【0070】
透光性部材50は、蛍光体を含んでいてもよい。
【0071】
上記蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(POCl:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、SrAl1425:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、CaMgSi16Cl:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)、αサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、KSi0.99Al0.015.99:Mn)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I))、又は、量子ドット蛍光体(例えば、CdSe、InP、AgInS又はAgInSe)等を用いることができる。透光性部材50に添加する蛍光体としては、1種類の蛍光体を用いてもよく、複数種類の蛍光体を用いてもよい。
【0072】
接合部材51としては、例えば、はんだ(例えば、Au-Sn、Au-In)、低融点ガラス、樹脂(例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂)のような接着剤などを用いることができる。
【0073】
(封止部材)
発光装置は、基体10の凹部14内に、発光素子20を封止する封止部材が配置されていてもよい。封止部材の母材として例えば、シリコーン樹脂等を用いることができる。封止部材は、蛍光体が含有されていてもよい。凹部14内に配置される封止部材は、光反射性部材30、配線層17等、基体10の底部11上に配置される部材を封止し得る。
【0074】
<実施形態2>
本開示に係る実施形態2の発光装置101を、図5及び図6を用いて説明する。図5は、発光装置101の概略端面図である。図6は、発光装置101の概略上面図である。図5に示す概略端面図は、発光装置101を、図6に示すV-V線に沿って高さ方向に切断した状態を示す。図6において、V-V線は、基体10の対向する2つの側面10x,10yの中心を通る。
【0075】
図5及び図6に示すように、本開示に係る実施形態2の発光装置101は、第2面42よりも上方に位置する第4面44と、第2面42の上端と第4面44の下端とを接続する第5面45と、を有し、第4面44と発光素子20との間の最短距離d5は、第2面42と発光素子20との間の最短距離d4よりも大きい点で、上記実施形態1にかかる発光装置100と主に異なる。
【0076】
図5に示すように、発光装置101の基体10の壁部12の内側面16は、断面視において、底部11の上面15から連続する第1面41と、第1面41よりも上方に位置する第2面42と、第1面41の上端と第2面42の下端とを接続する第3面43と、第2面42よりも上方に位置する第4面44と、第2面42の上端と第4面44の下端とを接続する第5面45と、を有する。第2面42と発光素子20との間の最短距離d4は、第1面41と発光素子20との間の最短距離d3よりも大きい。第4面44と発光素子20との間の最短距離d5は、第4面44と発光素子20との間の最短距離d4よりも大きい。第1面41、第2面42、第3面43、第4面44、及び第5面45は、上記のように接続されることにより、壁部の内側面16に2つの段差を形成する。壁部の内側面16に2つの段差を配置することにより、壁部の内側面16に段差が配置されていない場合よりも少ない量の光反射性部材30により壁部の内側面16を覆うことができる。また、実施形態1に係る発光装置100と同様に、発光装置の製造時における光反射性部材30の這い上がり、特に壁部の上面12aへの這い上がりを抑制することができる。
【0077】
第1面41は、底部11の上面15に対して、略垂直に配置され得る。同様に、第2面42、及び第4面44も、底部11の上面15に対して、略垂直に配置され得る。
【0078】
第1面41の上端と、第2面42の下端とは、底部11の上面15に対して、実質的に同じ高さに位置する。即ち、第1面41の上端と第2面42の下端とを接続する第3面43は、底部11の上面15と略平行に配置され得る。第2面42の上端と、第4面44の下端とは、底部11の上面15に対して、実質的に同じ高さに位置する。即ち、第2面42の上端と第4面44の下端とを接続する第5面45は、底部11の上面15と略平行に配置され得る。
【0079】
実施形態2の発光装置101において、第4面44の上端は、壁部の上面12aの内周縁と一致する。
【0080】
断面視において、第2面42と発光素子20との間の最短距離d4は、第1面41と発光素子20との間の最短距離d3よりも大きい。換言すれば、断面視において、第2面42は、第1面41よりも、基体10の外側に位置する。典型的には、最短距離d4と最短距離d3との差(即ち、最短距離d4-最短距離d3)は、第3面43の幅w2と同じである。
【0081】
断面視において、第4面44と発光素子20との間の最短距離d5は、第2面42と発光素子20との間の最短距離d4よりも大きい。換言すれば、断面視において、第4面44は、第2面42よりも、基体10の外側に位置する。典型的には、最短距離d5と最短距離d4との差(即ち、最短距離d5-最短距離d4)は、第5面45の幅w3と同じである。
【0082】
第1面41と発光素子20との間の最短距離d3は、特に限定されないが、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.3mm以上であり得る。最短距離d3を、かかる範囲とすることにより、第1面41と発光素子20との間の空間が広くなり、光反射性部材30の配置の自由度が向上する。これにより、光反射性部材30と発光素子20の側面との間の空間が広くなり、発光素子20の側面から出射される光が光反射性部材30によって反射されて再び発光素子20内に入射することなく、発光装置101の外部に取り出しやすくなることから、発光装置101の光取り出し効率をより高めることができる。また、最短距離d3は、特に限定されないが、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.0mm以下であり得る。最短距離d3を、かかる範囲とすることにより、発光装置101の小型化が容易になる。一の態様において、距離d3は、0.2mm以上2.0mm以下、好ましくは0.3mm以上1.0mm以下、例えば0.6mm以上0.8mm以下であり得る。
【0083】
第1面41と発光素子20との間の最短距離d3に対する、基体の壁部の上面12aと底部11の上面15との間の距離h0の比(h0/d3)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.2以上であり得る。最短距離d1に対する距離h0の比を、上記の範囲とすることにより、壁部11の内側面16と発光素子20の距離が近くなり、発光装置101の小型化が容易になる。また、最短距離d3に対する距離h0の比(h0/d3)は、好ましくは10.0以下、より好ましくは6.0以下、さらに好ましくは3.0以下であり得る。最短距離d3に対する距離h0の比を、10.0以下とすることにより、発光素子20の側面から出射される光が第1面41に配置される光反射性部材30に反射されることなく、発光装置101の外部に取り出しやすくなることから、発光装置101の光取り出し効率をより高めることができる。一の態様において、最短距離d1に対する距離h0の比(h0/d3)は、0.5以上10.0以下、好ましくは1.0以上6.0以下、より好ましくは1.2以上3.0以下であり得る。
【0084】
断面視における第3面43の幅w2は、特に限定されないが、好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.05mm以上であり得る。第3面43の幅w2を、上記の範囲とすることにより、製造時における光反射性部材の這い上がりを、より抑制することができる。また、第3面43の幅w2は、特に限定されないが、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.0mm以下であり得る。第3面43の幅w2を、上記の範囲とすることにより、発光装置101における凹部内の空間が占める割合をより大きくすることができるため、光反射性部材30の配置の自由度が向上する。これにより、光反射性部材30と発光素子20の側面との間の空間を広く確保することができるため、発光素子20の側面から出射される光が光反射性部材30によって反射されて再び発光素子20内に入射することなく、発光装置101の外部に取り出しやすくすることができる。一の態様において、第3面43の幅w2は、0.01mm以上2.0mm以下、好ましくは0.05mm以上1.0mm以下であり得る。
【0085】
断面視における第5面45の幅w3は、特に限定されないが、好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.02mm以上であり得る。第5面45の幅w3を、上記の範囲とすることにより、製造時における光反射性部材の這い上がりを、より抑制することができる。また、第5面45の幅w3は、特に限定されないが、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.0mm以下であり得る。第5面45の幅w3を、上記の範囲とすることにより、発光装置101における凹部内の空間が占める割合をより大きくすることができるため、光反射性部材30の配置の自由度が向上する。これにより、光反射性部材30と発光素子20の側面との間の空間を広く確保することができるため、発光素子20の側面から出射される光が光反射性部材30によって反射されて再び発光素子20内に入射することなく、発光装置101の外部に取り出しやすくすることができる。一の態様において、第5面45の幅w3は、0.01mm以上2.0mm以下、好ましくは0.02mm以上1.0mm以下であり得る。
【0086】
断面視において、第3面43の幅w2は、第5面45の幅w3よりも大きくてもよい。例えば、底部11の上面15に垂直で、底部11の上面15の中心を通る任意の断面における、第3面43の幅w2は、第5面45の幅w3よりも大きい。第3面43の幅w2を第5面45の幅w3よりも大きくすることにより、壁部12の内側面16に段差が配置されていない場合よりも少ない量の光反射性部材30により第1面41を覆うことができる。その結果、製造時に用いる光反射性部材30の量を少なくしつつ、光反射性部材30の表面の傾斜を調整することが容易になる。
【0087】
第5面45の幅w3に対する第3面43の幅w2の比(w2/w3)は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上であり得る。また、第5面45の幅w3に対する第3面43の幅w2の比(w2/w3)は、好ましくは10.0以下、より好ましくは8.0以下、さらに好ましくは6.0以下であり得る。一の態様において、第5面45の幅w3に対する第3面43の幅w2の比(w2/w3)は、0.1以上10.0以下、好ましくは0.2以上8.0以下、より好ましくは0.3以上6.0以下であり得る。
【0088】
第2面42と発光素子20との間の最短距離d4は、上記最短距離d3に上記第3面43の幅w2を加えたものであり得る。第4面44と発光素子20との間の最短距離d5は、上記最短距離d4に上記第5面45の幅w3を加えたものであり得る。
【0089】
断面視において、壁部12の第5面45は、発光素子20の上面24と同じ高さ、又は、発光素子20の上面24よりも下方に位置する。換言すれば、第2面42の上端と底部11の上面15との間の距離h6は、発光素子20の上面24と底部11の上面15との間の距離h10と同じ、または、発光素子20の上面24と底部11の上面15との間の距離h10よりも小さい。好ましくは、壁部12の第5面45は、発光素子20の上面24よりも下方に位置する。壁部12の第5面45を、発光素子20の上面24と同じ高さ、または、発光素子20の上面24よりも下方に配置することにより、発光素子20から出射されて壁部12の上方に向かう光が、光反射性部材30に反射されることなく、発光装置101から直接放出されやすくなる。即ち、発光素子20の発光層の側面と壁部12の上面12aの内縁との間に、直線的な光路が広く確保される。従って、発光素子20から出射される光のうち、光反射性部材30に反射されることなく、発光装置101の上方に直接放出される光の割合が高くなり、発光装置101の光取り出し効率を高めることができる。
【0090】
断面視における、発光素子20の上面24と底部11の上面15との間の距離h10と、第2面42の上端と底部11の上面15との間の距離h6との差は、特に限定されない。発光素子20の上面24と底部11の上面15との間の距離h10と、第2面42の上端と底部11の上面15との間の距離h6との差は、例えば、0.01mm以上、好ましくは0.02mm以上であり得る。距離h10と距離h6との差を、上記の範囲とすることにより、発光装置101の光取り出し効率をより高くすることができる。また、距離h10と距離h6との差は、特に限定されないが、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.5mm以下であり得る。一の態様において、距離h10と距離h6との差は、0.01mm以上1.0mm以下、好ましくは0.02mm以上0.5mm以下であり得る。
【0091】
断面視において、第1面41の上端と底部11の上面15との間の距離h3は、第2面42の上端と第3面43との間の距離h4より、大きくてもよい。距離h3を距離h4より大きくすることにより、壁部の内側面16におけるh3の割合が大きくなり、第3面43の位置が高くなることから、光反射性部材30の這い上がりをより高い位置で抑制することができる。これにより、光反射性部材30をより高い位置まで配置することができる。
【0092】
断面視における、第2面42の上端と第3面43との間の距離h4に対する第1面41の上端と底部11の上面15との間の距離h3の比(h3/h4)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.9以上であり得る。距離h4に対する距離h3の比を大きくすることにより、光反射性部材をより高い位置まで形成することが容易になる。また、距離h4に対する距離h3の比(h3/h4)は、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下、さらに好ましくは1.1以下であり得る。距離h4に対する距離h3の比を小さくすることにより、第3面43と壁部の上面12aとの距離が大きくなり、光反射性部材の、壁部の上面12aへの這い上がりをより抑制することができる。一の態様において、距離h4に対する距離h3の比(h3/h4)は、0.5以上1.5以下、好ましくは0.7以上1.3以下、より好ましくは0.9以上1.1以下であり得る。
【0093】
断面視において、第2面42の上端と第3面43との間の距離h4は、第4面44の上端と第5面45との間の距離h5より、大きくてもよい。距離h4を距離h5より大きくすることにより、第5面45の位置が高くなる。第5面45は、発光装置の製造時における壁部12の上面12aへの光反射性部材30の這い上がりを抑制することから、光反射性部材30は、典型的には、第5面45の内縁付近まで形成される。従って、第5面45を有する場合は、第5面45が高い位置にあるほど、光反射性部材30をより高い位置まで形成することが容易になる。
【0094】
断面視における、第4面44の上端と第5面45との間の距離h5に対する第2面42の上端と第3面43との間の距離h4の比(h4/h5)は、好ましくは1.01以上、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.5以上であり得る。距離h5に対する距離h4の比を上記の範囲とすることにより、光反射性部材より高い位置まで形成することが容易になる。また、距離h5に対する距離h4の比(h4/h5)は、好ましくは5.0以下、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.0以下であり得る。距離h5に対する距離h4の比を上記の範囲とすることにより、第5面45と壁部の上面12aとの距離が大きくなり、光反射性部材30の、壁部の上面12aへの這い上がりをより抑制することができる。一の態様において、距離h5に対する距離h4の比(h4/h5)は、1.01以上5.0以下、好ましくは1.2以上3.0以下、より好ましくは1.5以上2.0以下であり得る。
【0095】
実施形態1に係る発光装置100における基体の母材13と同様に、実施形態2に係る発光装置101における基体の母材13は、積層構造を有していてもよい。例えば、母材13は、第1層と、第2層と、第3層と、第4層とが積層されたものであってもよい。かかる態様において、第1層は、底部11を構成し、第2層、第3層及び第4層は、壁部12を構成し得る。第2層の一部は、第1面41及び第3面43を構成する。第3層の一部は、第2面42及び第5面45を構成する。第4層の一部は、第4面44及び壁部の上面12aを構成する。各層は、さらに、複数の層から構成される積層構造を有していてもよい。
【0096】
図5に示すように、実施形態2の発光装置101において、光反射性部材30は、底部11の上面15の一部、第1面41の全面、第3面43の全面、第2面42の全面、第5面45の全面、及び第4面44の一部上に連続して配置され、かつ、第4面44の上端に接しないように配置される。
【0097】
なお、本開示の発光装置において、光反射性部材30の配置は、図5に示す例に限定されない。例えば、光反射性部材30は、底部11の上面15の一部、第1面41の全面、及び第3面43の全面、第2面42の全面、及び第5面45の一部上に連続して配置され、第4面44上には配置されていなくてもよい。また、光反射性部材30は、底部の上面15の一部、第1面41の全面、第3面43の全面、及び第2面42上に連続して配置され、第5面45及び第4面44上には配置されていなくてもよい。
【0098】
第4面44の上端と光反射性部材30の上端30aとの間の距離は、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上、さらに好ましくは0.15mm以上であり得る。かかる距離を上記の範囲とすることにより、発光素子20から壁部12の上方に向かう光のうち、光反射性部材30に反射されることなく、発光装置101の外部に直接放出される光が増加するため、発光装置101の光取り出し効率が向上する。また、第4面44の上端と光反射性部材30の上端30aとの間の距離は、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.4mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下であり得る。かかる距離を上記の範囲とすることにより、壁部の内側面16のより広範囲を光反射性部材30により覆うことができ、発光装置の光取り出し効率が向上する。
【0099】
以下、本開示の実施形態1及び実施形態2の発光装置の変形例について説明する。
【0100】
<変形例1>
図7は、図6に示すVII-VII線に沿って切断した発光装置の断面図を示す。図6に示すように、変形例1の発光装置は、上面視において、第3面43の外形が、略矩形状である。また、図7に示すように、変形例1の発光装置は、断面視において、第3面43のうち、各辺の中央部における第3面43と底部の上面15との間の距離h11が、第3面43のうち、各辺の端部における第3面43と底部の上面15との間の距離h12,h13よりも小さい。
【0101】
図8は、図6に示すVIII-VIII線に沿って切断した発光装置の断面図を示す。図6に示すように、変形例1の発光装置は、上面視において、第5面45の外形が、略矩形状であり、図8に示すように、断面視において、第5面45のうち、各辺の中央部における第5面45と底部の上面15との間の距離h21が、第5面45のうち、各辺の端部における第5面45と底部の上面15との間の距離h22,h23よりも小さい。
【0102】
なお、実施形態2の変形例1としては、第3面の高さ及び第5面の高さの両方が上記を満たしていてもよく、あるいは、いずれか一方のみが上記を満たしていてもよい。
【0103】
<変形例2>
変形例2の発光装置は、上面視において、第3面43の外形が、略矩形状である。変形例2の発光装置において、光反射性部材30は、第3面43上に配置され、第3面43の各辺の中央部における第3面43上の光反射性部材30の厚さが、第3面43の各辺の端部における第3面43上の光反射性部材30の厚さよりも厚い。
【0104】
変形例2の発光装置は、上面視において、第5面45の外形が、略矩形状である。変形例2の発光装置において、光反射性部材30は、第5面45に配置され、第5面45の各辺の中央部における第5面45上の光反射性部材30の厚さが、第5面45の各辺の端部における第3面43上の光反射性部材30の厚さよりも厚い。
【0105】
なお、実施形態2の変形例2としては、第3面43上の光反射性部材30の厚さ、及び第5面45上の光反射性部材30の厚さの両方が上記を満たしていてもよく、あるいは、いずれか一方のみが上記を満たしていてもよい。
【0106】
変形例1と変形例2とは、組み合わせることが好ましい。例えば、断面視において、第3面43のうち、各辺の中央部における第3面43と底部の上面15との間の距離h11が、第3面43のうち、各辺の端部における第3面43と底部の上面15との間の距離h12,h13よりも小さい。また、光反射性部材30が、第3面43上に配置され、第3面43の各辺の中央部における第3面43上の光反射性部材30の厚さが、第3面43の各辺の端部における第3面43上の光反射性部材30の厚さよりも厚い。また、上面視において、第5面45の外形が、略矩形状であり、断面視において、第5面45のうち、各辺の中央部における第5面45と底部の上面15との間の距離h21が、第5面45のうち、各辺の端部における第5面45と底部の上面15との間の距離h22,h23よりも小さい。また、光反射性部材30は、第5面45に配置され、第5面45の各辺の中央部における第5面45上の光反射性部材30の厚さは、第5面45の各辺の端部における第5面45上の光反射性部材30の厚さよりも厚い。
【0107】
本明細書は、下記の実施形態を含む。
1.
底部と、前記底部上に位置する壁部と、により規定される凹部を有する基体と、
前記凹部内に配置される発光素子と、
前記基体の凹部内における前記底部の上面及び前記壁部の内側面に連続して配置される光反射性部材と、
を含み、
断面視において、
前記壁部の前記内側面は、前記底部の上面から連続する第1面と、前記第1面よりも上方に位置する第2面と、前記第1面の上端と前記第2面の下端とを接続する第3面と、を有し、
前記第2面と前記発光素子との間の最短距離は、前記第1面と前記発光素子との間の最短距離よりも大きく、
前記第3面は、前記発光素子の上面と同じ高さ、または、前記発光素子の上面よりも下方に位置し、
前記光反射性部材の上端は、前記壁部の上面よりも下方に位置する、
発光装置。
2.
前記第1面の上端と前記底部の上面との間の距離は、前記第2面の上端と前記第3面との間の距離よりも大きい、上記1に記載の発光装置。
3.
前記光反射性部材は、前記底部の上面、前記第1面、前記第3面、及び前記第2面上に、前記第2面の上端に接しないように配置される、上記1又は2に記載の発光装置。
4.
前記壁部の前記内側面は、さらに、前記第2面よりも上方に位置する第4面と、前記第2面の上端と前記第4面の下端とを接続する第5面と、を有し、前記第4面と前記発光素子との間の最短距離は、前記第2面と前記発光素子との間の最短距離よりも大きい、上記1~3のいずれか1つに記載の発光装置。
5.
前記第3面は、前記発光素子の上面よりも下方に位置し、
前記第5面は、前記発光素子の上面と同じ高さ、または、前記発光素子の上面よりも下方に位置する、上記4に記載の発光装置。
6.
前記第2面の上端と前記第3面との間の距離は、前記第4面の上端と前記第5面との間の距離よりも大きい、上記4又は5に記載の発光装置。
7.
前記底部の上面に垂直で、前記底部の上面の中心を通る任意の断面における、前記第3面の幅は、前記第5面の幅よりも大きい、上記4~6のいずれか1つに記載の発光装置。
8.
前記光反射性部材は、前記底部の上面、前記第1面、前記第3面、前記第2面、前記第5面、及び第4面上に、前記第4面の上端に接しないように配置される、上記4~7のいずれか1つに記載の発光装置。
9.
上面視において、前記第3面の外形は、略矩形状であり、
断面視において、前記第3面のうち、各辺の中央部における前記第3面と前記底部の上面との間の距離は、前記第3面のうち、各辺の端部における前記第3面と前記底部の上面との間の距離よりも小さい、上記1~8のいずれか1つに記載の発光装置。
10.
前記光反射性部材は、前記第3面に配置され、
前記第3面の各辺の中央部における前記第3面上の前記光反射性部材の厚さは、前記第3面の各辺の端部における前記第3面上の前記光反射性部材の厚さよりも厚い、上記9に記載の発光装置。
11.
上面視において、前記第5面の外形は、略矩形状であり、
断面視において、前記第5面のうち、各辺の中央部における前記第5面と前記底部の上面との間の距離は、前記第5面のうち、各辺の端部における前記第5面と前記底部の上面との間の距離よりも小さい、上記8に記載の発光装置。
12.
前記光反射性部材は、前記第5面に配置され、
前記第5面の各辺の中央部における前記第5面上の前記光反射性部材の厚さは、前記第5面の各辺の端部における前記第3面上の前記光反射性部材の厚さよりも厚い、上記11に記載の発光装置。
13.
前記光反射性部材の表面と前記発光素子との間の距離は、前記壁部の下方から前記壁部の上方に向かって大きくなる、上記1~12のいずれか1つに記載の発光装置。
14.
前記発光素子は、基板と、前記基板の下方に位置する半導体構造体と、を有し、
断面視において、前記光反射性部材は、前記壁部の内側面の上端と、前記壁部の内側面の上端と対向する前記発光素子の側面の下端とを結ぶ直線よりも下方に位置する、上記1~13のいずれか1つに記載の発光装置。
15.
上面視において、前記光反射性部材は、前記発光素子と離隔している、上記1~14のいずれか1つに記載の発光装置。
16.
さらに、前記基体上に配置される透光性部材を含み、前記透光性部材と前記光反射性部材とが離隔している、上記1~15のいずれか1つに記載の発光装置。

【符号の説明】
【0108】
100,101…発光装置、
10…基体、10x,10y…基体の側面、11…底部、12…壁部、12a…壁部の上面、13…母材、14…凹部、15…底部の上面、16…壁部の内側面、17…配線層、18…底部の下面、19…外部電極、
20…発光素子、21…基板、22…半導体層、23…電極、24…発光素子の上面、
30…光反射性部材、30a…光反射性部材の上端、
41…第1面、42…第2面、43…第3面、44…第4面、45…第5面、
50…透光性部材、51…接合部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8