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特開2024-167450基板処理装置、半導体装置の製造方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167450
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】基板処理装置、半導体装置の製造方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/268 20060101AFI20241127BHJP
【FI】
H01L21/268 Z
H01L21/268 G
H01L21/268 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155954
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】100145872
【弁理士】
【氏名又は名称】福岡 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100091362
【弁理士】
【氏名又は名称】阿仁屋 節雄
(72)【発明者】
【氏名】鍋田 和弥
(72)【発明者】
【氏名】森川 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】柳沢 愛彦
(57)【要約】
【課題】マイクロ波加熱を行う場合において、基板上の温度分布の均一性悪化を防ぐ。
【解決手段】基板を処理する処理室と、処理室内にガスを供給するガス供給部と、処理室内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給部と、処理室でのガスの流れにより回転してマイクロ波を撹拌するマイクロ波撹拌部と、を有する技術が提供される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理室と、
前記処理室内にガスを供給するガス供給部と、
前記処理室内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給部と、
前記処理室でのガスの流れにより回転して前記マイクロ波を撹拌するマイクロ波撹拌部と、
を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記処理室から前記ガスを排気するガス排気部を有し、
前記マイクロ波撹拌部は、前記ガス排気部に設けられる
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記マイクロ波撹拌部は、排気される前記ガスの流れにより回転するよう構成される
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
基板を処理する処理室内にガスを供給する工程と、
前記処理室内にマイクロ波を供給する工程と、
前記処理室でのガスの流れにより回転するマイクロ波撹拌部によって前記マイクロ波を撹拌する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項5】
基板を処理する処理室内にガスを供給する手順と、
前記処理室内にマイクロ波を供給する手順と、
前記処理室でのガスの流れにより回転するマイクロ波撹拌部によって前記マイクロ波を撹拌する手順と、
をコンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置、半導体装置の製造方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置(半導体デバイス)の製造プロセスの一工程として、例えばアニール処理に代表される改質処理がある。近年の半導体デバイスにおいては、素子の微細化、高集積化の傾向が著しく、これに伴い、高いアスペクト比を有する高密度のパターンが形成された基板への改質処理が求められている。このような基板への改質処理として、マイクロ波を用いた熱処理であるマイクロ波加熱が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-070045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、マイクロ波加熱を行う場合において、基板上の温度分布の均一性悪化を防ぐことができ、これにより基板処理の生産性悪化を抑制可能にする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内にガスを供給するガス供給部と、
前記処理室内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給部と、
前記処理室でのガスの流れにより回転して前記マイクロ波を撹拌するマイクロ波撹拌部と、
を有する技術が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、マイクロ波加熱を行う場合において、基板上の温度分布の均一性悪化を防ぐことができ、これにより基板処理の生産性悪化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態に係る基板処理装置を側方から見た概略断面図である。
図2】本開示の一実施形態に係る基板処理装置を上方から見た概略平面図である。
図3】本開示の一実施形態に係る基板処理装置の処理室を側方から見た拡大断面図である。
図4】本開示の一実施形態に係る基板処理装置の処理室を、基板処理装置の搬送室側、かつ、やや上方側から見た斜視図である。
図5】本開示の一実施形態に係る基板処理装置の処理室を搬送室側から見た拡大断面図(図4のA-A断面図)である。
図6】本開示の一実施形態に係る基板処理装置のマイクロ波撹拌部を側方から見た概略断面図である。
図7】本開示の一実施形態に係る基板処理装置の制御部を含む制御システムを示すブロック構成図である。
図8】本開示の第一実施形態に係る基板処理工程の概要を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0009】
以下の説明で例に挙げる基板処理装置は、半導体装置の製造工程で用いられるもので、処理対象となる基板に対して所定のプロセス処理を行うように構成されたものである。
処理対象となる基板は、例えば、半導体装置(半導体デバイス)が作り込まれる半導体基板としてのシリコンウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)である。なお、本明細書において「ウエハ」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのもの」を意味する場合や、「ウエハとその表面に形成された所定の層や膜等との積層体(集合体)」を意味する場合(すなわち、表面に形成された所定の層や膜等を含めてウエハと称する場合)がある。また、本明細書において「ウエハの表面」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのものの表面(露出面)」を意味する場合や、「ウエハ上に形成された所定の層や膜等の表面、すなわち、積層体としてのウエハの最表面」を意味する場合がある。本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も、「ウエハ」という言葉を用いた場合と同義である。
ウエハに対して行う所定のプロセス処理(以下、単に「処理」ということもある。)としては、例えば、アニール処理(改質処理)、酸化処理、拡散処理、エッチング処理、プリクリーニング処理、チャンバクリーニング処理、成膜処理等がある。本実施形態では、特にアニール処理に代表される改質処理を行う場合を例に挙げる。さらに詳しくは、本実施形態では、アニール処理によってウエハに対する加熱を行うことで、当該ウエハの表面に成膜された薄膜中の組成や結晶構造を変化させる処理や、成膜された薄膜内の結晶欠陥等を修復する処理等を行う場合を例に挙げる。
【0010】
(1)基板処理装置の構成
まず、本実施形態に係る基板処理装置の構成について、主に図1図7を用いて説明する。なお、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面上の各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。
【0011】
図1は、本実施形態に係る基板処理装置を側方から見た概略断面図である。図2は、図1に示す基板処理装置を上方から見た概略平面図である。図3は、図1に示す基板処理装置の処理室を側方から見た拡大断面図である。図4は、図3に示す処理室を、基板処理装置の搬送室側、かつ、やや上方側から見た斜視図である。図5は、図3に示す処理室を搬送室側から見た拡大断面図(図4のA-A断面図)である。図6は、図1に示す基板処理装置のマイクロ波撹拌部を側方から見た概略断面図である。図7は、図1に示す基板処理装置の制御部を含む制御システムを示すブロック構成図である。
【0012】
(基板処理装置の全体構成)
本実施形態に係る基板処理装置1では、処理対象となるウエハ2を搬送する搬送容器(キャリア)として、ポッド(FOUP:Front Opening Unified Pod)3が使用される。
【0013】
また、基板処理装置1は、図1及び図2に示すように、ウエハ2を搬送する搬送室(搬送エリア)4と、ウエハ2を処理する処理室5と、を有している。
なお、本実施形態では、処理室5は搬送室4に対して水平方向へ隣接して設置されているが、処理室5は、搬送室4に対して垂直方向、具体的には搬送室4の上方側又は下方側に隣接して設置されてもよい。
【0014】
(搬送室)
搬送室4は、例えばアルミニウム(Al)、ステンレス(SUS)等の金属材料又は石英等により形成される搬送筐体(筐体)41の内部に設けられている。
【0015】
搬送室4には、搬送筐体41の前側(図1中、右側)に、ロードポートユニット(LP)6が配設されている。ロードポートユニット6は、ポッド3の蓋を開閉するポッド開閉機構として使用され、搬送筐体41の前方に形成された基板搬入搬出口42を通じて、ポッド3から搬送室4へウエハ2を搬送し、また搬送室4からポッド3へウエハ2を搬出するようになっている。
ロードポートユニット6は、筐体61と、ステージ62と、オープナ63とを備えている。ステージ62は、ポッド3を載置し、搬送室4において搬送筐体41の前方に形成された基板搬入搬出口42にポッド3を近接させる構成とされている。オープナ63は、ポッド3に設けられている図示省略の蓋を開閉させる構成とされている。
なお、ロードポートユニット6は、パージガスを用いてポッド3の内部をパージ可能な機能を備えてもよい。パージガスとしては、窒素(N)ガス等の不活性ガスを使用することができる。また、搬送筐体41はパージガス流通機構としてのパージガス循環構造を備えている。パージガス循環構造は、窒素ガス等のパージガスを搬送室4の内部に流通させるパージガス流通機構として構成されている。
【0016】
また、搬送室4には、搬送筐体41の後側(図1中、左側)に、処理室51,52を開閉するゲートバルブ43が配置されている。
そして、搬送室4内には、ウエハ2を移載する基板移載機構(基板移載ロボット)としての移載機7が設置されている。移載機7は、ウエハ2を載置する載置部としてのツィーザ(アーム)71,72と、ツィーザ71,72のそれぞれを水平方向に回転又は直動可能な移載装置73と、移載装置73を昇降させる移載装置エレベータ74とを含んで構成されている。移載機7は、ツィーザ71,72、移載装置73、移載装置エレベータ74が連続動作することにより、処理室5の内部に配設された基板保持具としてのボート8(図1及び図3参照)やポッド3にウエハ2を装填(チャージング)することができる。また、移載機7は、ボート8やポッド3からウエハ2を脱装(ディスチャージング)することができる。
【0017】
さらに、搬送室4にはウエハ冷却テーブル9Aが配設され、このウエハ冷却テーブル9A上にはウエハ2を冷却する基板冷却用載置具としてのウエハ冷却用載置具(冷却用ボート)9Bが配設されている。ウエハ冷却用載置具9Bは、搬送室4の上方の空間であって、クリーンユニット11よりも下方の空間に配置されている。ウエハ冷却用載置具9Bは、ボート8と同様の構造を有し、上方から下方へ向かって複数のウエハ保持溝を備えている。ウエハ冷却用載置具9Bでは、複数枚のウエハ2が水平状態において多段に積載される構成とされている。
図1に示すように、ウエハ冷却用載置具9B及びウエハ冷却テーブル9Aは、搬送室4の内部において、基板搬入搬出口42及びゲートバルブ43の設置位置よりも上方に配設され、かつ、クリーンユニット11よりも下方に配設されている。すなわち、ウエハ冷却用載置具9B及びウエハ冷却テーブル9Aは、移載機7を用いてポッド3から処理室5へウエハ2を搬送する搬送経路外に配置されている。このため、ウエハ処理又はウエハ搬送におけるスループットが低下することなく、ウエハ処理後においてウエハ2を冷却することができる。
ここで、本実施形態の説明において、ウエハ冷却用載置具9Bとウエハ冷却テーブル9Aとを合わせて冷却エリア(冷却領域)として説明する場合がある。
なお、冷却テーブル9A及びウエハ冷却用載置具9Bを搬送室4外に、例えば、処理室51と処理室52の間に冷却室を設け、この冷却室に冷却テーブル9A及びウエハ冷却用載置具9Bを配置する構成としても良い。
【0018】
(処理室)
処理室5は、基板処理装置1の処理炉として機能するもので、二つの処理室51,52によって構成されており、ポッド3とは対向する搬送筐体41の側壁に設けられている。処理室51,52は、それぞれ処理容器としてのケース53,54の内部に配設されている。
なお、処理室51,52については、特に区別して説明する必要がない場合、単に「処理室5」として説明する場合がある。また、ケース53,54に周囲を囲まれた処理室5が配設された空間は、「処理空間」として説明する場合がある。
【0019】
ここで、処理室5の説明において、一方の処理室51の構成は他方の処理室52の構成と同一であるので、以下、処理室51について説明し、処理室52の説明は省略する。
【0020】
処理室51は、図3に示すように、キャビティ(処理容器)としての中空直方体形状のケース53を備えている。ケース53は、マイクロ波を反射する例えばアルミニウム(Al)等の金属材料により形成されている。また、ケース53の天井部(上部)には、キャップフランジ(閉塞板)55が設けられている。キャップフランジ55は、ケース53と同様に金属材料等により形成されている。キャップフランジ55は図示省略の封止部材(シール部材)を介在させてケース53に取付けられ、処理室5の内部の気密性が確保されている。この処理室5の内部では、ウエハ2の処理が行われる。封止部材としては、例えばOリングが使用されている。
ここで、処理室51では、ケース53の内部にマイクロ波を透過させる石英製の反応管が設置されてもよい。この場合、反応管の内部が実効的な処理室51として使用される。また、ケース53は、キャップフランジ55を設けずに、天井が閉塞されていてもよい。
【0021】
処理室51の底部には、搬入搬出部57が設けられている。搬入搬出部57の搬送室4側の側壁には、ゲートバルブ43を介して、搬送室4へ連通される搬入出開口57Hが配設されている。
搬入搬出部57の内部には、処理室51の内部を上下方向へ移動可能な載置台56が設けられている。載置台56の上面には、ボート8が載置されている。ボート8としては、例えば石英ボードが使用されている。ボート8には、上下方向に離間し、かつ、対向して配置されたサセプタ81,82が配置されている。搬入搬出部57へゲートバルブ43及び搬入出口57Hを通して搬入されたウエハ2は、サセプタ81とサセプタ82との間に挟まれてボート8に保持される構成とされている。
【0022】
サセプタ81,82は、例えばシリコン半導体ウエハ(Siウエハ)、炭化シリコンウエハ(SiCウエハ)等のマイクロ波を吸収して自身が加熱される誘電体等の誘電物質により形成されたウエハ2を間接的に加熱する機能を有する。このため、サセプタ81,82は、エネルギ変換部材、輻射板又は均熱板と呼ばれている。特に、保持枚数は限定されるものではないが、例えば、ボート8は上下方向に所定間隔において重ね合わされた3枚のウエハ2を保持可能な構成とされている。サセプタ81,82を備えると、サセプタ81,82から生じる輻射熱によって、効率良く、均一にウエハ2を加熱することができる。なお、ボート8では、サセプタ81の上部、サセプタ82の下部にそれぞれ断熱板としての石英プレートが配設されてもよい。
【0023】
ボート8が載置される載置台56は、その下面中心部分において、回転軸としてのシャフト58の上端部に連結され、かつ、支持されている。シャフト58の他端部は、ケース53の底部、つまり搬入搬出部57の底部を貫通し、ケース53の下方側に配設された駆動機構59に連結されている。ここで、駆動機構59には電気モータ及び昇降装置が使用されている。電気モータの回転軸にはシャフト58の他端部が連結されている。駆動機構59にシャフト58が連結されているので、駆動機構59によりシャフト58を回転させて載置台56を回転させ、ボート8に保持されるウエハ2を回転させることができる。
ここで、搬入搬出部57の底部から駆動機構59へ至るシャフト58の外周囲は、上下方向へ伸縮可能なベローズ57Bに覆われている。ベローズ57Bは処理室5の内部及び搬送エリアの内部の気密を保持する構成とされている。
【0024】
駆動機構59は、搬入搬出部57の底部と処理室5の底部との間において、上下方向へ載置台56を昇降可能な構成とされている。つまり、搬入搬出部57の内部においてウエハ2が保持される位置(搬入搬出位置)から、処理室5の内部においてウエハ2が保持される位置(ウエハ処理位置)まで、駆動機構59はボート8を上昇させる。逆に、処理室5の内部においてウエハ2が保持される位置から、搬入搬出部57の内部においてウエハ2が保持される位置まで、駆動機構59はボート8を下降させる。
【0025】
また、処理室5において、搬入搬出部57の搬送室4側の側面には、ゲートバルブ43に隣接した搬入出口57Hが設けられている。ウエハ2は、搬送室4から搬入出口57Hを通して処理室5へ搬入され、又処理室5から搬入出口57Hを通して搬送室4へ搬出される。ゲートバルブ43又は搬入出口57Hの周辺には基板処理において使用されるマイクロ波の1/4波長の長さを有する図示省略のチョーク構造が設けられている。チョーク構造はマイクロ波の漏洩対策として構成されている。
【0026】
搬送室4とは反対側のケース53の側面には、加熱装置としての電磁波供給部90が設置されている。電磁波供給部90はここではマイクロ波発生器91,92により構成されている。マイクロ波発生器91,92から供給されるマイクロ波は、処理室5の内部に導入されてウエハ2を加熱し、ウエハ2に各種処理を施す。
【0027】
処理室5の天井部を密閉するキャップフランジ55には、温度測定部16が配設されている。温度測定部16としては、例えば、非接触式の温度センサが使用されている。温度測定部16は、例えば、処理室5の内部温度を測定して、後述するガス供給部20から導入される冷却ガスの流量調整の基になる温度情報を生成する。また、温度測定部16は、ウエハ2の温度を測定して、電磁波供給部90の出力等を調整するための温度情報を生成する。これにより、ウエハ2の加熱温度が調整される。温度測定部16としての温度センサには、例えば放射温度計(IR:Infrared Radiation)を実用的に使用することができる。放射温度計では、ウエハ2の表面温度が測定される。ボート8にサセプタ81が設けられている場合には、放射温度計はサセプタ81の表面温度を測定する。
【0028】
なお、本実施形態の説明において、ウエハ2の温度(ウエハ温度)とは、温度変換データによって変換されたウエハ温度、すなわち推測されたウエハ温度という意味で使用される。また、ウエハ2の温度とは、温度測定部16を用いて、直接、ウエハ2の温度を測定して取得した温度という意味で使用される場合がある。さらに、双方の意味で使用される場合がある。温度変換データは、サセプタ81、ウエハ2のそれぞれに対する温度変化の推移を取得し、この推移から導き出されたサセプタ81の温度とウエハ2の温度との相関関係を示すデータであり、後述する制御部100の記憶装置103又は制御部100の外部に設置された外部記憶装置105に予め記憶されるものである。このような温度変換データが予め作成されると、サセプタ81の温度のみを測定すれば、ウエハ2の温度を推定することができる。
【0029】
温度測定部16は、前述の放射温度計に限定されるものではない。例えば、温度の測定手段として、熱電対を利用した温度計による温度の測定、この温度計に非接触式温度計を併用した温度の測定であってもよい。但し、熱電対を利用した温度計が使用される場合、ウエハ2の近傍に熱電対が配置されて温度測定が行われるので、電磁波供給部90から発生されたマイクロ波によって熱電対自体が加熱され、温度を正確に測定することが難しくなる。このため、温度測定部16として、非接触式温度計を実用的に使用することができる。
また、温度測定部16の配設場所は、キャップフランジ55に限定されるものではない。例えば、温度測定部16は、載置台56に配設してもよい。また、温度測定部16は、キャップフランジ55や載置台56に直接配設するだけでなく、キャップフランジ55や載置台56に設けられた図示省略の測定窓からの放射光を鏡等を用いて反射させ、この反射光を間接的に測定して、温度を測定する構成としてもよい。さらに、温度測定部16は、処理室5に1つ配設することに限定されず、処理室5に複数配設してもよい。
【0030】
(ガス供給部)
本実施形態に係る基板処理装置1において、処理室5の下部には、当該処理室5にガスを供給するガス供給部20が配設されている。
【0031】
ガス供給部20は、搬入搬出部57の搬入出口57Hとは異なる側壁に配置された供給口21Aに一端が接続された供給管21を備えている。供給口21Aは、排気管11の排気口11Aよりも下方側に配置されている。供給管21の他端は、バルブ22、マスフローコントローラ(MFC:Mass Flow Controller)23のそれぞれが順次直列に介在されて、図示省略のガス供給源に接続されている。バルブ22は、例えば開閉弁である。MFC23は、流量制御器である。ガス供給源は、不活性ガス、原料ガス、反応ガス等の各種基板処理に必要とされる処理ガスを、処理室5の内部に供給するためのものである。ここでは、不活性ガスとして、具体的には窒素(N)ガスが、ガス供給源から処理室5の内部へ供給される構成となっている。
【0032】
また、ガス供給部20は、図4及び図5に示すように、ケース53の上下方向中間部に配置された供給口24Aに一端が接続された供給管24を備えている。供給口24Aは、排気管11の排気口11Aよりも下方側であって、供給管21の供給口21Aよりも上方側に配置されている。供給管24の他端は、バルブ22と同等の図示省略のバルブ、MFC25のそれぞれが順次直列に介在されて、図示省略のガス供給源に接続されている。このガス供給源は、供給管21が接続されたガス供給源と同一のガス供給源である。このように、供給管24及びMFC25を含んで構成されるガス供給部20の一部は中間ガス供給部として構成されている。
なお、供給口24Aは、ケース53の側壁のここでは矩形状領域内に複数形成された貫通孔の集合体により構成されている。つまり、供給口24Aはメッシュ形状に形成されている。供給口24Aから処理室5の内部へ供給される、例えばNガスは処理室5の内部に均一に広がりを持たせられるので、ボート8に保持されたウエハ2の面内において又は複数のウエハ2において均一な処理を施すことができる。
【0033】
基板処理に際して、処理室5の内部へ複数種類のガスを供給する場合には、図3に示す処理室5とバルブ22との間の供給管21に、他の種類のガスを導入する供給管が接続される。この供給管には、下流側から上流側へ向かって、バルブ、MFCのそれぞれが順次直列に介在されて他の種類のガス供給源が接続される。また、複数種類のガスを供給するガス供給源から処理室5へそれぞれ直接接続される並列的に配管された供給管を備え、各供給管にバルブ及びMFCが配設されてもよい。
【0034】
本実施形態では、供給管21、バルブ22及びMFC23を含んで、ガス供給部20が構成されている。また、ガス供給部20は、図示省略のガス供給源を含んで構成されてもよい。さらに、ガス供給部20は、図5に示す中間ガス供給部としての供給管24、図示省略のバルブ、MFC25(及びガス供給源)を含んで構成されてもよい。
なお、ガス供給部20により供給される不活性ガスとしては、Nガスの他に、アルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、キセノン(Xe)ガス等の希ガスを使用することができる。
【0035】
(ガス排気部)
本実施形態に係る基板処理装置1において、図1及び特に図3に示すように、処理室5の上部には、当該処理室5の内部の雰囲気を排気する排気部10が配設されている。排気部10は、処理室5からガスを排気するガス排気部として機能する。
【0036】
このような排気を行うために、排気部10では、図3には簡略的に示しているが、処理室5の天井部に排気口11Aが設けられており、その排気口11Aに排気管11の一端が接続されている。
さらに詳しくは、本実施形態では、図4及び図5に示すように、処理室5の天井部の四隅に相当する4箇所に、合計4つの排気口11A~11Dが配置されている。図4を用いて説明すると、搬送室4から処理室5を見て、天井部の右側手前の隅に排気口11Aが配置され、右側奥の隅に排気口11Bが配置されている。また、天井部の左側手前の隅に排気口11Cが配置され、左側奥の隅に排気口11Dが配置されている。排気口11A~11Dが特に天井部の四隅に配置されることにより、少ない個数であるにもかかわらず、処理室5の内部の上部空間の「熱こもり」を小さくして、排気効率を向上させることができる。なお、排気口は少なくとも1箇所に配置されていればよいが、2以上の複数箇所に排気口が配置されることにより、排気効率を向上させることができる。
【0037】
排気口11A~11Dは、それぞれが、各排気口11A~11Dの領域内に複数形成された貫通孔(排気孔)の集合体により構成されている。つまり、各排気口11A~11Dは、それぞれが複数の排気孔を有している。そして、複数の排気孔を通じて、処理室5の内部の雰囲気(ガス)を排気するように構成されている。
【0038】
各排気口11A~11Dには、それぞれに排気管11の一端が接続されている。そして、排気管11の他端は集合されて、1本の排気管11とされている。この1本の排気管11は、図3に概念的に示されるように、バルブ12、圧力調整器13のそれぞれを順次直列に介在させて、真空ポンプ14に接続されている。バルブ12は、開閉弁として使用されている。圧力調整器13としては、例えば、処理室5の内部の圧力に応じて弁開度を制御する圧力制御コントローラ(APC:Adaptive Pressure Control)バルブが使用されている。なお、圧力調整器13は、処理室5の内部の圧力情報に基づいて排気量を調整することができれば、圧力制御コントローラバルブに限定されるものではなく、通常の開閉バルブと圧力調整弁とを併用する構成とされてもよい。圧力情報は、処理室5の天板部に配設された圧力センサ15から取得される。
【0039】
本実施形態では、排気口11A~11D、排気管11、バルブ12、圧力調整器13を含んで、排気部10が構成されている。また、排気部10は、真空ポンプ14を含んで構成されてもよい。ここで、図3に概念的に示す排気部10は処理室5の上方に配設されているが、実際には、図4に示すように、排気部10の排気管11は、処理室5の上部において集合され、ケース53の外側壁に沿って下方向へ向かって配管されている。この排気管11の配管途中にバルブ12、圧力調整器13が配設され、そして排気管11は真空ポンプ14に接続されるレイアウトとされている。
なお、本実施の形態の説明において、単に「排気系」又は単に「排気ライン」として、排気部10を説明する場合がある。
【0040】
(マイクロ波供給部)
本実施形態に係る基板処理装置1は、処理室5の内部にマイクロ波を供給するマイクロ波供給部として、電磁波供給部90を有している。
【0041】
具体的には、図3及び図5に示すように、搬送室4側とは反対側の処理室5のケース53の側壁には、処理室5の内部と外部とを貫通する電磁波導入ポート90Bが配設されている。図5に示すように、電磁波導入ポート90Bは、ここでは、上下方向に2個、左右方向に2個の合計4個配設されている。電磁波導入ポート90Bは、搬送室4から処理室5側へ見て、左右方向を長手方向とする矩形状に形成されている。なお、電磁波導入ポート90Bの個数並びに形状は特に限定されるものではない。
電磁波導入ポート90Bには導波管90Aの一端部が連結され、導波管90Aの他端部には電磁波供給部90が連結されている。ここで、電磁波供給部90にはマイクロ波発生器91,92が使用されている。処理室5の上側に配設された電磁波導入ポート90Bには導波管90Aを通してマイクロ波発生器91が連結されている。マイクロ波発生器91を用いて発生したマイクロ波は、導波管90A及び電磁波導入ポート90Bを通して、処理室5の内部へ供給される。処理室5の下側に配設された電磁波導入ポート90Bには導波管90Aを通してマイクロ波発生器92が連結されている。マイクロ波発生器92を用いて発生したマイクロ波は、導波管90A及び電磁波導入ポート90Bを通して、処理室5の内部へ供給される。
【0042】
マイクロ波発生器91,92としては、マグネトロン、クライストロン等を使用することができる。マイクロ波発生器91,92により発生されるマイクロ波は、13.56MHz以上、24.125GHz以下の周波数範囲に制御されている。好適には、マイクロ波は、2.45GHz、又は5.8GHz以下の周波数に制御されている。
なお、マイクロ波発生器91,92は、同一周波数のマイクロ波を発生させているが、異なる周波数のマイクロ波を発生させる構成としてもよい。また、電磁波供給部90は、1つの処理室5に1個のマイクロ波発生器を備えてもよいし、2個、3個又は5個以上のマイクロ波発生器を備えて構成されてもよい。また、処理室5の対向する側壁にマイクロ波発生器91,92のそれぞれを配設してもよい。
【0043】
マイクロ波発生器91,92は、詳細を後述する制御部(コントローラ)100に接続されており、その制御部100によって動作が制御されるようになっている。さらに詳しくは、マイクロ波発生器91,92は、制御部100から送信される同一の制御信号によって制御される。なお、マイクロ波発生器91,92は、制御部100からそれぞれに個別の制御信号を送信して個々に制御する構成とされてもよい。
【0044】
(マイクロ波撹拌部)
本実施形態に係る基板処理装置1は、上述した電磁波供給部90に加えて、処理室5の内部において電磁波供給部90によって供給されたマイクロ波を撹拌するマイクロ波撹拌部95を有している。
【0045】
マイクロ波撹拌部95は、処理室5でのガスの流れにより回転することで、マイクロ波を撹拌するように構成されており、複数の排気口11A~11Dの少なくとも一つに対応して配設されている。つまり、マイクロ波撹拌部95は、複数の排気口11A~11Dのうちのいずれか一つだけに対応して配設されていてもよいし、これらのうちの複数に選択的に配設されていてもよいし、各排気口11A~11Dの全てに対応して個別に配設されていてもよい。なお、マイクロ波撹拌部95は、処理室5でのガスの流れにより回転する場所に設けられていればよく、例えば、供給口24Aと排気口11Aとの間の側面に設けられ、供給口24Aから供給されるガスにより回転するように構成してもよい。本実施形態においては、排気口11Aに対応して一つのマイクロ波撹拌部95が設けられている場合を例に挙げて、以下の説明を行う。
【0046】
マイクロ波を撹拌するために、マイクロ波撹拌部95は、図6に示すように、スターラファン(羽部)95Aを有している。スターラファン95Aは、例えば、金属材料やセラミック材料等の誘電損失が小さい高誘電材料によってプロペラ状に形成されている。金属材料で形成する場合には、例えば、アルミニウムで形成することで、研磨することにより表面の凹凸が少なくなるもので、マイクロ波の反射効率が高くなり、マイクロ波を撹拌させやすくなる。そして、プロペラ状に形成されることで、ガスの流れを受けて回転し得るように構成されている。さらには、回転することによって、マイクロ波を撹拌して、処理室5内にマイクロ波の定在波が発生することを防止し得るように構成されている。
【0047】
スターラファン95Aは、回転軸95Bによって回転可能に支持されている。回転軸95Bは、排気口11Aが有する複数の排気孔110Aのうちの一つを貫通しているとともに、その貫通先(すなわち、排気口11Aを有するキャップフランジ55におけるスターラファン95Aの反対側)において、ベアリングやその支持部材等で構成される支持機構部95Cに支持されている。つまり、スターラファン95Aを支持する回転軸95Bは、排気口11Aにおける複数の排気孔110Aのうちの一つに装着されている。
【0048】
回転軸95Bには、検出センサ95Eで検出可能なフラグ95Dが取り付けられていてもよい。検出センサ95Eがフラグ95Dを検出することで、スターラファン95Aおよび回転軸95Bの回転有無を検出することができるようになる。例えば、マイクロ波を処理室5内に供給中に、前記検出センサ95Eがプラグ95Dにより、スターラファン95Aおよび回転軸95Bが回転していないことを検出した場合、後述する制御部100は、ガス供給部20のMFC23を制御して、不活性ガスの供給流量を増加させてスターラファン95Aおよび回転軸95Bを回転させるように構成することも可能となる。
【0049】
このような構成のマイクロ波撹拌部95によれば、処理室5でのガスの流れを利用して回転し、これによりマイクロ波を撹拌するようになっているので、マイクロ波撹拌のための駆動源(例えば、電動モータ)を別途用意する必要がない。また、多孔構造の排気口11Aにおける排気孔110Aを利用して装着されるので、排気口11Aに大きな構造変更を加える必要がなく、排気管11を含む処理室5内の気密性が損なわれてしまうこともない。さらには、排気口11Aに対応して設けられているので、パーティクル等の処理室5内への拡散のおそれを抑制することができる。
【0050】
(制御部)
本実施形態に係る基板処理装置1は、図1及び図3に示すように、装置全体の動作制御を行うための制御部(コントローラ)100を有している。
【0051】
制御部100は、図7に示すように、中央演算処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)101、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)102、記憶装置103及び入出力(I/O)ポート104を含んで構成されている。すなわち、制御部100は、コンピュータとして構成されている。ここで、本実施形態の説明において、中央演算処理ユニット101はCPU101、ランダムアクセスメモリ102はRAM102、入出力ポート104はI/Oポート104と記載する。
【0052】
CPU101は、内部バス110を通してRAM102、記憶装置103、I/Oポート104のそれぞれに接続されるとともに、相互に情報の送受信を行うことができる。制御部100には内部バス110を通して入出力装置106が接続されている。入出力装置106としては、タッチパネル、キーボード、マウス等を使用することができる。記憶装置103には、例えばフラッシュメモリ、ハードディスク(HDD:Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を使用することができる。
【0053】
記憶装置103には、基板処理装置1の基板処理動作を制御する制御プログラム、プロセスレシピ等が読み出すことが可能なように格納されている。プロセスレシピは、アニール(改質)処理の手順、条件等が記載され、基板処理における各手順を制御部100に実行させて所定の結果を得るために組み合わされたものであり、プログラム(ソフトウエア)として機能する。本実施形態の説明において、制御プログラム、プロセスレシピ等は、総称して、単に「プログラム」と記載する。また、プロセスレシピは、単に「レシピ」と記載する場合もある。ここで、「プログラム」とは、レシピ単体のみ、制御プログラム単体のみ、又は双方を含む意味において使用されている。RAM102は、CPU101により読み出されたプログラム、データ等を一時的に保存するメモリ領域(ワークエリア)として使用されている。
【0054】
I/Oポート104は、MFC23、バルブ22、圧力センサ15、圧力調整器13、電磁波供給部90、温度測定部16、真空ポンプ14、ゲートバルブ43、駆動機構59、圧力制御機構430、等のそれぞれに接続されている。これらの接続には外部バス111が使用されている。
【0055】
このような構成の制御部100において、CPU101は、記憶装置103から制御プログラムを読み出して実行するとともに、入出力装置106から入力される操作コマンド等に応じて記憶装置103からレシピを読み出すことが可能なように構成されている。そして、CPU101は、読み出されたレシピの内容に沿って、MFC23を用いた各種ガスの流量調整動作、バルブ22の開閉動作、圧力センサ15に基づく圧力調整器13を用いた圧力調整動作、真空ポンプ14の起動及び停止のそれぞれを実行する。また、CPU101は、駆動機構59による載置台56(又はボート8)の回転動作、回転速度調節動作、又は昇降動作等を実行することが可能なように構成されている。
さらに、CPU101は、温度測定部16に基づく電磁波供給部90の出力調整動作を実行することが可能なように構成されている。より具体的には、温度測定部16を用いてウエハ2の温度(処理室5の内部温度)が測定されると、測定された内部温度が温度情報として送信され、その温度情報に基づいて、CPU101は、マイクロ波発生器91,92の出力を調節して、ウエハ2の加熱温度(ウエハ2の処理温度)を調節することが可能なように構成されている。マイクロ波発生器91,92の出力の調節方法としては、入力電圧レベルを調節する方法、入力電圧期間(電源のON時間とOFF時間との比率)を調節する方法のいずれかを使用することができる。また、CPU101は、検出センサ95Eに基づくMFC23のガスの供給流量を調整することが可能なように構成されている。
【0056】
なお、制御部100は、外部記憶装置105に格納されたプログラムがインストロールされた状態で用いられる。外部記憶装置105には、例えばハードディスク等の磁気ディスク、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optic disk)、コンパクトディスク(CD:Compact Disk)等の光ディスクが使用されている。また、外部記憶装置105としては、ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)メモリ等の半導体メモリを使用することができる。
ここで、記憶装置103、外部記憶装置105は、プログラム、データ等を読み取り可能な又は読み書き可能な記録媒体であり、総称して単に「記録媒体」と記載する場合がある。本実施形態の説明において、記録媒体とは、記憶装置103単体のみ、外部記憶装置105単体のみ、又は双方を含む意味において使用されている。なお、プログラムは、記憶装置103や外部記憶装置105を用いることなく、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて、制御部100へ提供されてもよい。
【0057】
(2)基板処理工程
次に、半導体装置(デバイス)の製造プロセスの一工程として、上述した構成の基板処理装置1を用いて、ウエハ2に対する処理を行う基板処理工程について説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置1を構成する各部の動作はコントローラ100により制御される。
【0058】
ここでは、基板処理工程として、ウエハ(基板)2上に形成されたアモルファスシリコン膜の改質(結晶化)を行う場合を例に挙げる。なお、本実施形態では、基板処理装置1が複数の処理室51,52を備えており、処理室51,52のそれぞれで同一のレシピに基づいて同一の処理が実行されるので、一方の処理室51を用いた処理について説明し、他方の処理室52を用いた説明は省略する。
【0059】
図8は、本実施形態に係る基板処理工程の概要を示すフロー図である。
【0060】
(基板取出し工程:ステップS1)
図8に示すように、基板処理工程に際しては、まず、基板取出し工程(S1)として、基板処理装置1の搬送室4において、移載機7がロードポートユニット6によって開口されたポッド3から処理対象となるウエハ2を所定枚数取り出し、ツィーザ71,72のいずれか一方又は双方にウエハ2を載置する。
【0061】
(基板搬入工程:ステップS2)
次いで、基板搬入工程(S2)として、ツィーザ71、72のいずれか一方又は双方に載置されたウエハ2が、ゲートバルブ43の開閉動作によって所定の処理室5の内部に搬入される(ボートローディングされる)。ここでは、処理室5の搬入搬出部57にボート8が降下されており、このボート8にウエハ2が保持される。ボート8に保持されたウエハ2は、駆動機構59により載置台56を上昇させることでボート8を処理室5内に搬入される。
【0062】
(炉内圧力、温度調整工程:ステップS3)
その後、炉内圧力、温度調整工程(S3)として、処理室5の内部(炉内)が所定の圧力に調節される。例えば、圧力は10Pa~102000Paに調節される。具体的には、処理室5の内部が真空ポンプ14により排気されつつ、圧力センサ15により検出された圧力情報に基づいて圧力調整器13の弁開度がフィードバック制御され、処理室5の内部が所定の圧力に調節される。
また、同時に、予備加熱として電磁波供給部90が制御され、マイクロ波発生器91,92からマイクロ波を発信させて所定の温度まで処理室5の内部が加熱される。所定の基板処理温度まで昇温させる場合、ウエハ2の変形や破損を防止するため、電磁波供給部90は後工程である改質工程における出力よりも小さい出力において昇温させることが好ましい。
なお、大気圧下で基板処理を行う場合、処理室5の内部の圧力調整は行わず、処理室5の内部の温度調整のみを行った後、次の不活性ガス供給工程(S4)へ移行する制御としてもよい。
【0063】
(不活性ガス供給工程:ステップS4)
温度調整工程(S3)において処理室5の内部の圧力と温度とが所定の値に調節されると、次に、不活性ガス供給工程(S4)として、駆動機構59がシャフト58を回転させて載置台56上のボート8に保持されたウエハ2を回転させるとともに、ガス供給部20から処理室5の内部への冷却ガスとしての不活性ガスの供給が開始される。不活性ガスには例えばNガスが使用される。図示省略のガス供給源から、マスフローコントローラ23、バルブ22を介在させ、供給管21の供給口21Aを通して、処理室5の下部の搬入搬出部57内にNガスが供給される。
一方、これに伴い、排気部10の動作が開始され、処理室5の内部の雰囲気が排気される。詳しくは、排気部10において、真空ポンプ14の動作が開始され、バルブ12、圧力調整器13を介在させ、排気口11A~11Dから排気管11を通して真空ポンプ14により雰囲気が排気される。処理室5の内部の圧力は、10Pa以上102000Pa以下に調節され、好ましくは101300Pa以上102000Pa以下に調節される。なお、後述する改質工程での電磁波供給部90からマイクロ波の供給が開始されたときに、この不活性ガス供給工程(S4)を開始するようにしても良い。
【0064】
(改質工程:ステップS5)
不活性ガス供給工程(S4)により処理室5の内部が所定の圧力に維持されると、次に、改質工程(S5)を開始する。改質工程(S5)を開始すると、電磁波供給部90から処理室5の内部にマイクロ波が供給される。マイクロ波の供給によって、ウエハ2が100℃以上1000℃以下の温度、好適には400℃以上900℃以下の温度に加熱される。さらに、500℃以上700℃以下の温度にウエハ2を加熱することが好ましい。
このような温度範囲において基板処理を実施することにより、ウエハ2が効率良くマイクロ波を吸収するので、改質処理の速度を向上させることができる。換言すると、ウエハ2が100℃よりも低い温度、又は1000℃よりも高い温度により処理されると、ウエハ2の表面が変質してしまい、マイクロ波が吸収され難くなってしまうので、ウエハ2が効率良く加熱し難くなる。
【0065】
ここで、処理室5の内部へのマイクロ波の供給が開始されると、このタイミングに一致させ、処理室5の内部に中間ガス供給部から冷却ガスとしての窒素ガスが供給される。つまり、ガス供給源からMFC25、図示省略のバルブを介在させ、供給管24の供給口24Aを通して、処理室5内に窒素ガスが供給される。
マイクロ波の供給が開始されると、処理室5の内部温度が急激に上昇する。処理室5の内部へのガス供給部20からの冷却ガスの供給に加えて、中間ガス供給部から冷却ガスが処理室5の内部に供給されることにより、処理室5の上部の熱こもりを効果的に抑制又は防止することができる。
【0066】
また、マイクロ波による加熱方式では、処理室5に定在波が発生し、ウエハ2上に局所的に加熱されてしまう加熱集中領域(ホットスポット)とそれ以外の加熱されない領域(非加熱領域)が生じてしまうおそれがある。つまり、マイクロ波加熱を行う場合には、ウエハ2上の温度分布の均一性が悪化してしまうおそれがある。このような温度分布の均一性悪化は、ウエハ2への改質処理が良好に行えなかったり、ウエハ2の変形を招いたりする可能性があり、基板処理の生産性悪化に繋がり得るため、その発生を防ぐべきである。
【0067】
この点、本実施形態においては、処理室5内にマイクロ波撹拌部95が設けられている。そして、排気口11Aから排気されるガスの流れによりスターラファン95Aが回転し、これにより電磁波供給部90によって供給されたマイクロ波を撹拌する。したがって、マイクロ波の撹拌によって処理室5内にマイクロ波の定在波が発生することを防止できる。
【0068】
つまり、本実施形態においては、電磁波供給部90によって供給されたマイクロ波を、マイクロ波撹拌部95がスターラファン95Aの回転によって撹拌することで、処理室5内にマイクロ波の定在波が発生することを防止する。そのため、ウエハ2に対してマイクロ波加熱を行う場合であっても、ウエハ2上の温度分布の均一性悪化を防止又は抑制することができ、その結果としてウエハ2に対する基板処理の面内均一性を向上させることができる。
【0069】
しかも、本実施形態においては、処理室5でのガスの流れ、具体的には排気口11Aから排気されるガスの流れにより、スターラファン95Aを回転させてマイクロ波を撹拌する。つまり、改質工程(S5)では処理室5内に常時ガスの流れが生じているので、これを利用してスターラファン95Aを回転させることで、マイクロ波の撹拌を確実に行うことができ、その上マイクロ波撹拌のための駆動源(例えば、電動モータ)を別途用意する必要もない。また、特に排気口11Aから排気されるガスの流れを利用することで、パーティクル等の処理室5内への拡散のおそれを抑制することもできる。
【0070】
(温度測定:ステップS6)
上述した改質工程(S5)を行っている間は、温度測定部16を用いて処理室5の内部温度が測定される。ここでは、温度測定部16に非接触式の温度センサが使用され、温度測定部16により測定された温度情報に基づいて、処理温度が制御される。
具体的には、温度測定部16により測定された温度情報に基づいて、電磁波供給部90の電源のON/OFFを制御し、処理室5の内部温度が調節される。また、記憶装置103には処理室5の内部温度の上限閾値及び下限閾値が予め記憶されており、温度測定部16から得られる温度情報に基づいて、処理室5内にガス供給部20から供給される冷却ガスの流量が調整される。
【0071】
以上のような温度制御を行いつつ、改質工程(S5)を実行することにより、ウエハ2が加熱され、ウエハ2の表面上に形成されているアモルファスシリコン膜がポリシリコン膜へと改質(結晶化)される。すなわち、ウエハ2には、均一に結晶化されたポリシリコン膜を形成することができる。
【0072】
(改質工程終了判断:ステップS11)
その後、改質工程(S5)が終了したか否かが、制御部100により判定される(S11)。具体的には、予め設定された処理時間が経過したか否かが判定され、所定時間が経過していない場合、すなわち、改質工程(S5)が終了していない場合には、引き続き改質工程(S5)が継続される。
一方、所定時間が経過すると、ボート8の回転、冷却ガスの供給、マイクロ波の供給及び処理室5の内部の排気が停止され、改質工程(S5)を終了する。
【0073】
(不活性ガス供給工程:ステップS12)
改質工程(S5)が終了したと判断した後は、次いで、処理室5の圧力調整器13もしくは搬送室4の圧力制御機構430の少なくともいずれか一方を調整することにより、処理室5の内部圧力が搬送室4の内部圧力よりも低く調節される。そして、ゲートバルブ43が開放される。これにより、搬送室4の内部を循環するパージガスが処理室5の下部から上部へ向かって排気され、処理室5の上部の熱こもりを効果的に抑制することができる。
【0074】
(基板搬出工程:ステップS13)
そして、ゲートバルブ43の開放により、処理室5と搬送室4とが空間的に連通されると、移載機7のツィーザ71,72が、ボート8に保持されている改質工程後のウエハ2を搬送室4へ搬出する。
【0075】
(基板冷却工程:ステップS14)
ツィーザ71,72によって搬出されたウエハ2は、移載装置73、移載装置エレベータ74の連続動作により、冷却エリアまで移動され、ツィーザ71によって、ウエハ冷却用載置具9Bに載置される。
ここで、冷却エリアがクリーンユニット11の近傍、すなわち、クリーンユニット11のパージガス送出口の少なくとも一部に対向する位置に配置されることにより、ウエハ2の冷却効率を向上させることができる。さらに、ウエハ2の冷却にはパーティクルの少ないパージガスが使用されるので、ウエハ2の表面又は表面上に形成された薄膜の膜質を向上させることができる。
【0076】
(基板収容工程:ステップS15)
そして、冷却エリアでの冷却後のウエハ2が、移載機7によってロードポートユニット6のポッド3内に収容される。
【0077】
以上の動作が繰り返されることにより、ウエハ2に改質処理が施され、本実施形態に係る基板処理工程が終了する。
【0078】
(3)本実施形態にかかる効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
【0079】
(a)本実施形態においては、電磁波供給部90によって供給されたマイクロ波を、マイクロ波撹拌部95の回転によって撹拌するようになっている。したがって、処理室5内にマイクロ波の定在波が発生することを防止でき、ウエハ2に対してマイクロ波加熱を行う場合であっても、ウエハ2上の温度分布の均一性悪化を防止又は抑制して、ウエハ2に対する基板処理の面内均一性を向上させることができる。これにより、ウエハ2への基板処理が良好に行うことができ、ウエハ2の変形を招く可能性も排除でき、その結果として基板処理の生産性悪化を抑制することが可能となる。
つまり、本実施形態によれば、ウエハ2に対してマイクロ波加熱を行う場合において、ウエハ2上の温度分布の均一性悪化を防ぐことができ、これによりウエハ2に対する基板処理の生産性悪化を抑制することができる。
【0080】
しかも、本実施形態においては、処理室5でのガスの流れにより、マイクロ波撹拌部95が回転してマイクロ波を撹拌する。つまり、マイクロ波撹拌部95は、処理室5内のガスの流れを利用して回転し、これによりマイクロ波を撹拌する。したがって、本実施形態によれば、マイクロ波の撹拌を確実に行うことができ、マイクロ波撹拌のための駆動源(例えば、電動モータ)を別途用意する必要もない。
【0081】
(b)本実施形態において、マイクロ波撹拌部95は、排気部10で排気されるガスの流れにより回転する。したがって、本実施形態によれば、排気側におけるガスの流れを利用することで、パーティクル等の処理室5内への拡散のおそれを抑制することができ、ウエハ2に対する基板処理の生産性悪化を抑制する上で非常に好ましいものとなる。
【0082】
(c)本実施形態においては、排気部10の排気口11Aが複数の排気孔110Aを有しており、そのうちの一つの排気孔110Aにマイクロ波撹拌部95の回転軸95Bが装着されている。したがって、本実施形態によれば、多孔構造の排気口11Aにおける排気孔110Aを利用してマイクロ波撹拌部95が装着されるので、排気口11Aをはじめとする排気部10の構成に大きな構造変更を加える必要がなくマイクロ波の撹拌を行うことができ、そのために排気管11を含む処理室5内の気密性が損なわれてしまうこともなく、ウエハ2に対する基板処理の生産性悪化を抑制する上で非常に好ましいものとなる。
【0083】
(4)変形例等
以上に、本開示の一実施形態を具体的に説明したが、本開示が上述の実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【0084】
また、例えば、上述した実施形態では、基板処理工程として、ウエハ2に形成されたアモルファスシリコン膜をポリシリコン膜に改質する処理を例に挙げて説明したが、本開示はこの例に限定されない。
具体的には、本開示は、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、水素(H)のうち、少なくとも1以上を含むガスを供給し、基板表面に形成された膜を改質してもよい。例えば、ウエハに、高誘電体膜としてのハフニウム酸化膜(HfxOy膜)が形成されている場合、酸素を含むガスを供給しながらマイクロ波を供給して加熱することにより、フニウム酸化膜中の欠損した酸素を補充し、高誘電体膜の特性を向上させることができる。なお、ここでは、ハフニウム酸化膜について示したが、本開示は、アルミニウム(Al)、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、イットリウム(Y)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、鉛(Pb)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の少なくともいずれかを含む金属元素を含む酸化膜、すなわち金属系酸化膜を改質する場合に適用可能である。
つまり、上述した基板処理工程は、ウエハ上に形成された、TiOCN膜、TiOC膜、TiON膜、TiO膜、ZrOCN膜、ZrOC膜、ZrON膜、ZrO膜、HfOCN膜、HfOC膜、HfON膜、HfO膜、TaOCN膜、TaOC膜、TaON膜、TaO膜、NbOCN膜、NbOC膜、NbON膜、NbO膜、AlOCN膜、AlOC膜、AlON膜、AlO膜、MoOCN膜、MoOC膜、MoON膜、MoO膜、WOCN膜、WOC膜、WON膜又はWO膜を改質する場合にも、適用することができる。
また、高誘電体膜に限らず、不純物がドーピングされたシリコンを主成分とする膜を加熱させる場合にも、本開示を適用することができる。シリコンを主成分とする膜としては、シリコン窒化膜(SiN膜)、シリコン酸化膜(SiO膜)シリコン酸炭化膜(SiOC膜)、シリコン酸炭窒化膜(SiOCN膜)、シリコン酸窒化膜(SiON膜)等のSi系酸化膜がある。不純物としては、例えば、硼素(B)、炭素(C)、窒素(N)、アルミニウム(Al)、リン(P)、ガリウム(Ga)、砒素(As)等の少なくとも1つ以上が含まれる。
また、メタクリル酸メチル樹脂(PMMA:Polymethylmethacrylate、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、ポリビニルフェニール樹脂等の少なくともいずれかをベースとするレジスト膜に本開示を適用することができる。
【0085】
また、例えば、上述した実施形態では、基板処理工程で行う処理として改質処理を例に挙げたが、本開示がこれに限定されることはない。すなわち、本開示は、マイクロ波加熱を行う基板処理であれば、酸化処理、拡散処理、エッチング処理、プリクリーニング処理、チャンバクリーニング処理、成膜処理等の他の基板処理にも適用できる。
【0086】
また、例えば、上述した実施形態では、半導体装置(デバイス)の製造プロセスに適用した場合を例に挙げたが、本開示がこれに限定されることはない。すなわち、本開示は、液晶パネルの製造プロセスにおけるパターニング処理、太陽電池の製造プロセスにおけるパターニング処理、パワーデバイスの製造プロセスにおけるパターニング処理等、基板を処理する技術にも適用可能である。
【0087】
(5)本開示の好ましい態様
以下に、本開示の好ましい態様について付記する。
【0088】
[付記1]
本開示の一態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内にガスを供給するガス供給部と、
前記処理室内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給部と、
前記処理室でのガスの流れにより回転して前記マイクロ波を撹拌するマイクロ波撹拌部と、
を有する基板処理装置が提供される。
【0089】
[付記2]
好ましくは、
前記処理室から前記ガスを排気するガス排気部を有し、
前記マイクロ波撹拌部は、前記ガス排気部に設けられる
付記1に記載の基板処理装置が提供される。
【0090】
[付記3]
好ましくは、
前記マイクロ波撹拌部は、排気される前記ガスの流れにより回転するよう構成される
付記2に記載の基板処理装置が提供される。
【0091】
[付記4]
好ましくは
前記マイクロ波撹拌部は、マイクロ波を撹拌する羽部と、前記羽部を回転させる回転軸と、を有する
付記2又は3に記載の基板処理装置が提供される。
【0092】
[付記5]
好ましくは、
前記ガス排気部は、複数の排気孔を有して構成されており、
前記マイクロ波撹拌部は、前記複数の排気孔のうちの一つの排気孔に前記回転軸が装着されるように構成されている
付記4に記載の基板処理装置が提供される。
【0093】
[付記6]
好ましくは、
前記排気部は、前記処理室の上部に設けられる
付記2~5のいずれか1つに記載の基板処理装置が提供される。
【0094】
[付記7]
好ましくは
前記ガスは、前記基板を冷却するガスである
付記1~6のいずれか1つに記載の基板処理装置。
【0095】
[付記8]
好ましくは
前記羽部は、金属材料又はセラミック材料で構成される
付記4に記載の基板処理装置が提供される。
【0096】
[付記9]
本開示の他の一態様によれば、
基板を処理する処理室内にガスを供給する工程と、
前記処理室からガスを排気する工程と、
前記処理室内にマイクロ波を供給する工程と、
前記処理室でのガスの流れにより回転するマイクロ波撹拌部によって前記マイクロ波を撹拌する工程と、
を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0097】
[付記10]
本開示のさらに他の一態様によれば、
基板を処理する処理室内にガスを供給する手順と、
前記処理室からガスを排気する手順と、
前記処理室内にマイクロ波を供給する手順と、
前記処理室でのガスの流れにより回転するマイクロ波撹拌部によって前記マイクロ波を撹拌する手順と、
をコンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラムが提供される。
【符号の説明】
【0098】
1…基板処理装置、2…ウエハ、5…処理室、10…排気部、11A~11B…排気口、20…ガス供給部、90…電磁波供給部、91,92…マイクロ波発生器、95…マイクロ波撹拌部、95A…スターラファン(羽部)、95B…回転軸、100…制御部、110A…排気孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8