(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167886
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】フォトレジスト上層膜用組成物およびこれを利用したパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/11 20060101AFI20241127BHJP
C08F 220/10 20060101ALI20241127BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
G03F7/11 501
C08F220/10
G03F7/20 521
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024072178
(22)【出願日】2024-04-26
(31)【優先権主張番号】10-2023-0065730
(32)【優先日】2023-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】朴 賢
(72)【発明者】
【氏名】南 宮 爛
(72)【発明者】
【氏名】河 京 珍
(72)【発明者】
【氏名】宋 大 錫
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲みん▼ 秀
【テーマコード(参考)】
2H197
2H225
4J100
【Fターム(参考)】
2H197CA10
2H197HA03
2H197JA22
2H225AM12N
2H225AM22N
2H225AM23N
2H225AM38N
2H225AM58N
2H225AM94N
2H225AM95N
2H225AM99N
2H225CA12
2H225CB18
4J100AB07R
4J100AL08P
4J100AL08Q
4J100AM19Q
4J100AQ08Q
4J100BA02P
4J100BA03P
4J100BA15R
4J100BA28Q
4J100BB05R
4J100BB18P
(57)【要約】
【課題】パターンの劣化を抑制して、パターンのばらつきを低減させることができるフォトレジスト上層膜用組成物を提供する。
【解決手段】化学式M-1で表される第1繰り返し単位、化学式M-2で表される第2繰り返し単位、ならびに化学式M-3A、化学式M-3B、化学式M-3Cおよび化学式M-3Dで表される繰り返し単位のうちの少なくとも一つを含む第3繰り返し単位を含む共重合体;ならびに溶媒を含むフォトレジスト上層膜用組成物と、上記フォトレジスト上層膜用組成物を利用するパターン形成方法に関する。
上記化学式に関する詳細内容は、明細書に記載したとおりである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式M-1で表される第1繰り返し単位、
下記化学式M-2で表される第2繰り返し単位、ならびに
下記化学式M-3A、下記化学式M-3B、下記化学式M-3Cおよび下記化学式M-3Dで表される繰り返し単位のうちの少なくとも一つを含む第3繰り返し単位を含む共重合体;ならびに
溶媒を含むフォトレジスト上層膜用組成物:
【化1】
上記化学式M-1および化学式M-2中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基であり、
L
1およびL
2は、それぞれ独立して、単結合、または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基であり、
X
1は、単結合、O、S、S(O)、S(O)
2、C(O)、(CO)O、O(CO)、O(CO)O、NR
a(ここで、R
aは、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~10のアルキル基である)、またはこれらの組み合わせであり、
R
7は、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
R
8は、それぞれ独立して、水素原子、またはC(=O)R
bであり、
この際、R
bは、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基であり、
R
7、L
1およびL
2のうちの少なくとも一つは、フッ素原子およびヒドロキシ基を含み、
R
9は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
m1は、1~4の整数のうちの一つであり、
【化2】
上記化学式M-3A~化学式M-3D中、
R
3~R
6は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基であり、
R
10およびR
11は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリール基、NR
cR
d(ここで、R
cおよびR
dは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~10のアルキル基である)またはこれらの組み合わせであり、
R
12~R
21は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリール基、NR
cR
d(ここで、R
cおよびR
dは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~10のアルキル基である)またはこれらの組み合わせであり、
L
3~L
9は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~12のアリーレン基またはこれらの組み合わせであり、
X
2およびX
5は、それぞれ独立して、単結合、OまたはSであり、
X
3およびX
4は、それぞれ独立して、単結合、(CO)O、O(CO)またはO(CO)Oであり、
X
6は、単結合、OまたはCH
2であり、
n1は、0または1の整数であり、
n2は、1~3の整数のうちの一つであり、
*は、連結地点である。
【請求項2】
前記第1繰り返し単位は、下記化学式1で表されるものである、請求項1に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【化3】
(上記化学式1中、
R
1は、水素原子または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基であり、
R
e、R
f、R
g、R
hおよびR
7は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
m2およびm3は、それぞれ独立して、1~10の整数のうちの一つであり、
X
1は、単結合、O、S、S(O)、S(O)
2、C(O)、(CO)O、O(CO)、O(CO)O、NR
a(ここで、R
aは、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~10のアルキル基である)、またはこれらの組み合わせであり、
R
e、R
f、R
g、R
hおよびR
7のうちの少なくとも一つは、フッ素原子およびヒドロキシ基を含む。)
【請求項3】
上記化学式1のRg、RhおよびR7のうちの少なくとも一つは、1個以上のフッ素原子および1個以上のヒドロキシ基を含む、請求項2に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【請求項4】
上記化学式1のRgおよびRhのうちの少なくとも一つは、フッ素原子または少なくとも一つのフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり、
R7は、ヒドロキシ基または少なくとも一つのヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキル基である、請求項2に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【請求項5】
上記化学式1のRgおよびRhのうちの少なくとも一つは、ヒドロキシ基または少なくとも一つのヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり、
R7は、フッ素原子または少なくとも一つのフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキル基である、請求項2に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【請求項6】
上記化学式1のRgは、ヒドロキシ基または少なくとも一つのヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり、
Rhは、フッ素原子または少なくとも一つのフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり、
R7は、ヒドロキシ基、フッ素原子または1個以上のフッ素原子および1個以上のヒドロキシ基のうちの少なくとも一つで置換された炭素原子数1~10のアルキル基である、請求項2に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【請求項7】
上記化学式1のRgおよびRhのうちの少なくとも一つは、フッ素原子または少なくとも一つのフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり、
R7は、ヒドロキシ基であるか、または1個以上のヒドロキシ基および1個以上の炭素原子数1~5のフルオロアルキル基のうちの少なくとも一つで置換された炭素原子数1~5のアルキル基である、請求項2に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【請求項8】
前記第1繰り返し単位は、下記グループIより選択される少なくとも一つである、請求項1に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【化4】
(上記グループI中、
R
1は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、*は連結地点である。)
【請求項9】
前記第2繰り返し単位は、下記化学式2-1~化学式2-4のうちのいずれか一つで表されるものである、請求項1に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【化5】
(上記化学式2-1~化学式2-4中、
R
2は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、
R
8、R
8a、およびR
8bは、それぞれ独立して、水素原子、またはC(=O)R
bであり、
この際、R
bは、置換もしくは非置換の炭素原子数1~5のアルキル基であり、
m1は、1~4の整数のうちの一つであり、
R
9は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
*は、連結地点である。)
【請求項10】
前記R9のうちの少なくとも一つは、ハロゲン原子である、請求項1に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【請求項11】
前記R9のうちの少なくとも一つは、ヨード基である、請求項1に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【請求項12】
前記第2繰り返し単位は、下記グループIIより選択される少なくとも一つである、請求項1に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【化6】
(上記グループII中、
R
2は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、*は連結地点である。)
【請求項13】
前記L3~L9は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~5のアルキレン基、または置換もしくは非置換のフェニレン基であり、
R10、R11、R20、およびR21は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のn-プロピル基、置換もしくは非置換のiso-プロピル基、置換もしくは非置換のn-ブチル基、置換もしくは非置換のtert-ブチル基、置換もしくは非置換のn-ペンチル基、置換もしくは非置換のneo-ペンチル基、置換もしくは非置換のフェニル基、NRcRd(ここで、RcおよびRdは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~10のアルキル基である)またはこれらの組み合わせであり、
R12~R19は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基である、請求項1に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【請求項14】
前記第3繰り返し単位は、下記グループIIIより選択される少なくとも一つである、請求項1に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【化7】
(上記グループIII中、
R
3~R
6は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、*は連結地点である。)
【請求項15】
前記共重合体は、前記共重合体中の繰り返し単位の総モル数に対して、前記第1繰り返し単位を30~95モル%含み、前記第2繰り返し単位を1~20モル%含み、前記第3繰り返し単位を4~50モル%含むものである、請求項1に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【請求項16】
前記共重合体の重量平均分子量は、1,000g/mol~50,000g/molである、請求項1に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【請求項17】
前記共重合体は、前記フォトレジスト上層膜用組成物の総質量を基準として0.1質量%~10質量%含まれる、請求項1に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【請求項18】
pHが3~12である、請求項1に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【請求項19】
前記溶媒は、下記化学式4で表されるエーテル系溶媒である、請求項1に記載のフォトレジスト上層膜用組成物。
【化8】
(上記化学式4中、
R
22は、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基であり、
R
23は、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基である。)
【請求項20】
基板上にフォトレジスト組成物を塗布して加熱してフォトレジスト膜を形成する段階、
前記フォトレジスト膜上に請求項1~19のいずれか一項に記載のフォトレジスト上層膜用組成物を塗布して加熱して上層膜を形成する段階、ならびに
前記上層膜および前記フォトレジスト膜を露光および現像してフォトレジストパターンを形成する段階
を含むパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトレジスト上層膜用組成物、およびこれを利用したパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体産業は、数百ナノメートルサイズのパターンから数~数十ナノメートルサイズのパターンを有する超微細技術へ発展している。このような超微細技術を実現するためには効果的なフォトリソグラフィ工程が必須である。
【0003】
典型的なフォトリソグラフィ工程は、半導体基板上に材料層を形成し、その上にフォトレジスト層をコーティングし、露光および現像してフォトレジストパターンを形成した後、上記フォトレジストパターンをマスクとして材料層をエッチングする工程を含む。
【0004】
フォトリソグラフィ工程の技術が発展することに伴い、パターン集積度が高くなりつつあり、この過程で発生する多様な問題点を解決するための素材および技術が要求されている。
【0005】
特に極端紫外線(EUV)をフォトレジストに照射する場合、光子当たり大きいエネルギーによりランダムに光が多く照射されたり少なく照射される領域が発生するようになるフォトショットノイズ(photo shot noise)またはフォトレジストの上部-下部間のEUV吸収の差によりパターンのラフネス(roughness;例えば、LER(Line Edge Roughness)およびLWR(Line Width Roughness))、またはIPUなどのパターンのばらつきによる劣化が発生することが知られており、これを改善するための技術の開発が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、パターンの劣化を抑制して、パターンのばらつきを低減させることができるフォトレジスト上層膜用組成物を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、上記フォトレジスト上層膜用組成物を利用したパターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態は、下記化学式M-1で表される第1繰り返し単位、下記化学式M-2で表される第2繰り返し単位、ならびに下記化学式M-3A、下記化学式M-3B、下記化学式M-3Cおよび下記化学式M-3Dで表される繰り返し単位のうちの少なくとも一つを含む第3繰り返し単位を含む共重合体;ならびに溶媒を含むフォトレジスト上層膜用組成物を提供する。
【0009】
【0010】
上記化学式M-1および化学式M-2中、
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基であり、
L1およびL2は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、またはこれらの組み合わせであり、
X1は、単結合、O、S、S(O)、S(O)2、C(O)、(CO)O、O(CO)、O(CO)O、NRa(ここで、Raは、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~10のアルキル基である)、またはこれらの組み合わせであり、
R7は、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
R8は、それぞれ独立して、水素原子、またはC(=O)Rbであり、
この際、Rbは、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基であり、
R7、L1およびL2のうちの少なくとも一つは、フッ素原子およびヒドロキシ基を含み、
R9は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
m1は、1~4の整数のうちの一つであり、
【0011】
【0012】
上記化学式M-3A~化学式M-3D中、
R3~R6は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基であり、
R10およびR11は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリール基、NRcRd(ここで、RcおよびRdは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~10のアルキル基である)またはこれらの組み合わせであり、
R12~R21は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリール基、NRcRd(ここで、RcおよびRdは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~10のアルキル基である)またはこれらの組み合わせであり、
L3~L9は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~12のアリーレン基またはこれらの組み合わせであり、
X2およびX5は、それぞれ独立して、単結合、OまたはSであり、
X3およびX4は、それぞれ独立して、単結合、(CO)O、O(CO)またはO(CO)Oであり、
X6は、単結合、OまたはCH2であり、
n1は、0または1の整数であり、
n2は、1~3の整数のうちの一つであり、
*は、連結地点である。
【0013】
上記第1繰り返し単位は、下記化学式1で表され得る。
【0014】
【0015】
上記化学式1中、
R1は、水素原子または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基であり、
Re、Rf、Rg、RhおよびR7は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
m2およびm3は、それぞれ独立して、1~10の整数のうちの一つであり、
X1は、単結合、O、S、S(O)、S(O)2、C(O)、(CO)O、O(CO)、O(CO)O、NRa(ここで、Raは、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~10のアルキル基である)、またはこれらの組み合わせであり、
Re、Rf、Rg、RhおよびR7のうちの少なくとも一つは、フッ素原子およびヒドロキシ基を含む。
【0016】
一例として、上記化学式1のRg、RhおよびR7のうちの少なくとも一つは、フッ素原子およびヒドロキシ基を含む。
【0017】
具体的な一例として、上記化学式1のRgおよびRhのうちの少なくとも一つは、フッ素原子または少なくとも一つのフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり、R7は、ヒドロキシ基または少なくとも一つのヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり得る。
【0018】
具体的な一例として、上記化学式1のRgおよびRhのうちの少なくとも一つは、ヒドロキシ基または少なくとも一つのヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり、R7は、フッ素原子または少なくとも一つのフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり得る。
【0019】
具体的な一例として、上記化学式1のRgは、ヒドロキシ基または少なくとも一つのヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり、Rhは、フッ素原子または少なくとも一つのフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり、R7は、ヒドロキシ基もしくはフッ素原子であるか、または1個以上のフッ素原子および1個以上のヒドロキシ基のうちの少なくとも一つで置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり得る。
【0020】
具体的な一例として、上記化学式1のRgおよびRhのうちの少なくとも一つは、フッ素原子であるか、または少なくとも一つのフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり、R7は、ヒドロキシ基であるか、または1個以上のヒドロキシ基および1個以上の炭素原子数1~5のフルオロアルキル基のうちの少なくとも一つで置換された炭素原子数1~5のアルキル基であり得る。
【0021】
上記第1繰り返し単位は、下記グループIより選択され得る。
【0022】
【0023】
上記グループI中、R1は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、*は連結地点である。
【0024】
上記第2繰り返し単位は、下記化学式2-1~化学式2-4のうちのいずれか一つで表され得る。
【0025】
【0026】
上記化学式2-1~化学式2-4中、
R2は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、
R8、R8a、およびR8bは、それぞれ独立して、水素原子、またはC(=O)Rbであり、
この際、Rbは、置換もしくは非置換の炭素原子数1~5のアルキル基であり、
m1は、1~4の整数のうちの一つであり、
R9は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
*は、連結地点である。
【0027】
上記R9のうちの少なくとも一つは、ハロゲン原子であり得る。
【0028】
上記R9のうちの少なくとも一つは、ヨード基であり得る。
【0029】
上記第2繰り返し単位は、下記グループIIより選択され得る。
【0030】
【0031】
上記グループII中、R2は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、*は連結地点である。
【0032】
上記L3~L9は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~5のアルキレン基、または置換もしくは非置換のフェニレン基であり、
R10、R11、R20、およびR21は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のn-プロピル基、置換もしくは非置換のiso-プロピル基、置換もしくは非置換のn-ブチル基、置換もしくは非置換のtert-ブチル基、置換もしくは非置換のn-ペンチル基、置換もしくは非置換のneo-ペンチル基、置換もしくは非置換のフェニル基、NRcRd(ここで、RcおよびRdは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~10のアルキル基である)またはこれらの組み合わせであり、
R12~R19は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基であり得る。
【0033】
上記第3繰り返し単位は、下記グループIIIより選択され得る。
【0034】
【0035】
上記グループIII中、
R3~R6は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、*は連結地点である。
【0036】
上記共重合体は、共重合体中の繰り返し単位の総モル数に対して、上記第1繰り返し単位を30~95モル%含み、上記第2繰り返し単位を1~20モル%含み、上記第3繰り返し単位を4~50モル%含むことができる。
【0037】
上記共重合体の重量平均分子量は、1,000g/mol~50,000g/molであり得る。
【0038】
上記共重合体は、上記フォトレジスト上層膜用組成物の総質量を基準として0.1質量%~10質量%含まれ得る。
【0039】
一実施形態では、上記フォトレジスト上層膜用組成物のpHは、3~12であり得る。
【0040】
最も具体的な一実施形態では、上記共重合体は、下記グループIVに列記された構造の中から選択され得る。
【0041】
【0042】
上記グループIVで、x:y:zは66:10:24または68:10:22または69:10:21であり得る。上記溶媒は、下記化学式4で表されるエーテル系溶媒であり得る。
【0043】
【0044】
上記化学式4中、
R22は、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基であり、
R23は、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基である。
【0045】
上記エーテル系溶媒は、ジイソプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジアミルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジ-sec-ブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ビス(2-エチルヘキシル)エーテル、ジデシルエーテル、ジウンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジテトラデシルエーテル、ヘキサデシルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ブチルプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、tert-ブチルエチルエーテル、tert-ブチルプロピルエーテル、ジ-tert-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、シクロヘキシルエチルエーテル、シクロペンチルプロピルエーテル、シクロペンチル-2-プロピルエーテル、シクロヘキシルプロピルエーテル、シクロヘキシル-2-プロピルエーテル、シクロペンチルブチルエーテル、シクロペンチル-tert-ブチルエーテル、シクロヘキシルブチルエーテル、シクロヘキシル-tert-ブチルエーテル、およびこれらの組み合わせから選択され得る。また、上記エーテル系溶媒以外に、ケトン系溶媒、例えば、2-オクタノン、4-ヘプタノンなども使用されうるが、これらに限定されず、また、単独で用いても、上記エーテル系溶媒と併用してもよい。
【0046】
本発明の他の実施形態は、基板上にフォトレジスト組成物を塗布して加熱してフォトレジスト膜を形成する段階、上記フォトレジスト膜上に上述したフォトレジスト上層膜用組成物を塗布して加熱して上層膜を形成する段階、ならびに上記上層膜および上記フォトレジスト膜を露光および現像してフォトレジストパターンを形成する段階を含むパターン形成方法を提供する。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、パターンの劣化を抑制して、パターンのばらつきを低減させることができるフォトレジスト上層膜用組成物が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】本発明の一実施形態によるフォトレジスト上層膜用組成物を利用したパターン形成方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が、容易に実施することができるように詳しく説明する。しかし、本発明は、多様な異なる形態に具現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0050】
図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、明細書全体にわたって類似の部分については同一の図面符号を付した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には中間にまた他の部分がないことを意味する。
【0051】
本明細書で別途の定義がない限り、「置換された」とは、化合物中の水素原子がハロゲン原子(F、Br、Cl、またはI)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバミル基、チオール基、エステル基、カルボキシル基やその塩、スルホン酸基やその塩、リン酸基やその塩、ビニル基、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数2~20のアルケニル基、炭素原子数2~20のアルキニル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、炭素原子数6~30のアリル基、炭素原子数1~30のアルコキシ基、炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、炭素原子数3~20のヘテロアリールアルキル基、炭素原子数3~30のシクロアルキル基、炭素原子数3~15のシクロアルケニル基、炭素原子数6~15のシクロアルキニル基、炭素原子数3~30のヘテロシクロアルキル基、およびこれらの組み合わせから選択された置換基で置換されたことを意味する。
【0052】
また、本明細書において、別途の定義がない限り、「ヘテロ」とは、N、O、SおよびPから選択されたヘテロ原子を、それぞれ独立して1~10個含有したものを意味する。
【0053】
本明細書において、特に言及しない限り、重量平均分子量は、粉体試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶かした後、Agilent Technologies社の1200seriesゲル透過クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC;カラムはShodex社のLF-804、標準時料はShodex社のポリスチレンを使用)を利用して測定した。
【0054】
また、本明細書において、別途の定義がない限り、「*」は、化合物の繰り返し単位または化合物の部分と他の原子または原子団との連結地点を示す。
【0055】
以下、本発明の一実施形態によるフォトレジスト上層膜用組成物について説明する。
【0056】
本発明は、EUV(波長13.5nm)などの高エネルギー線を利用したフォトリソグラフィの微細パターン形成工程中、フォトレジストの感度を改善させると同時にフォトレジスト上層部の酸の濃度を選択的に減少させてC/H(contact hole)パターンのIPU、L/S(line and space)パターンのLER/LWR、ピラーパターンのIPUを改善させることができるフォトレジスト上層膜用組成物、およびこのような上層膜を利用したフォトレジストパターン形成方法に関する。
【0057】
具体的に、一実施形態によるフォトレジスト上層膜用組成物は、下記化学式M-1で表される第1繰り返し単位、下記化学式M-2で表される第2繰り返し単位、ならびに下記化学式M-3A、下記化学式M-3B、下記化学式M-3Cおよび下記化学式M-3Dで表される繰り返し単位のうちの少なくとも一つを含む第3繰り返し単位を含む共重合体;ならびに溶媒を含む。換言すれば、上記共重合体は、第1繰り返し単位、第2繰り返し単位、および第3繰り返し単位を含む主鎖を有する。
【0058】
【0059】
上記化学式M-1および化学式M-2中、
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基であり、
L1およびL2は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、またはこれらの組み合わせであり、
X1は、単結合、O、S、S(O)、S(O)2、C(O)、(CO)O、O(CO)、O(CO)O、NRa(ここで、Raは水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~10のアルキル基である)、またはこれらの組み合わせであり、
R7は、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
R8は、それぞれ独立して、水素原子、またはC(=O)Rbであり、
この際、Rbは、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基であり、
R7、L1およびL2のうちの少なくとも一つは、フッ素原子およびヒドロキシ基を含み、
R9は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
m1は、1~4の整数のうちの一つであり、
【0060】
【0061】
上記化学式M-3A~化学式M-3D中、
R3~R6は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基であり、
R10およびR11は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリール基、NRcRd(ここで、RcおよびRdは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~10のアルキル基である)またはこれらの組み合わせであり、
R12~R21は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリール基、NRcRd(ここで、RcおよびRdは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~10のアルキル基である)またはこれらの組み合わせであり、
L3~L9は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~12のアリーレン基またはこれらの組み合わせであり、
X2およびX5は、それぞれ独立して、単結合、-O-または-S-であり、
X3およびX4は、それぞれ独立して、単結合、-(CO)O-、-O(CO)-または-O(CO)O-であり、
X6は、単結合、OまたはCH2であり、
n1は、0または1の整数であり、
n2は、1~3の整数のうちの一つであり、
*は、連結地点である。
【0062】
上記一実施形態によるフォトレジスト上層膜用組成物は、フォトレジスト層の上部に塗布されてフォトレジストの感度を増加させるだけでなく、L/SパターンのLER/LWRおよびC/HパターンのIPU、ならびにピラーパターンのIPUを大幅改善させることができる。
【0063】
上記組成物中の共重合体に含まれる上記第1繰り返し単位は、フォトレジストとの反応性が殆どなく、溶媒によく溶解し得る特性により、フォトレジストへの影響を最小化しながらフォトレジストを保護することができ、上記第2繰り返し単位は、EUV吸収を高めることによって感度を向上させることができ、上記第3繰り返し単位は、塩基性官能基を含むことによってフォトレジスト層上部で露光により過剰量で生成された酸と反応して酸の濃度を低減させてフォトレジスト上層部の丸いプロファイルを角ばるように改善してパターンのIPUまたはLWRを改善することができる。
【0064】
一方、フォトレジスト上層膜用組成物の現像後にも組成物が残留する場合には、L/Sパターンでのスカム欠陥(scum defect)あるいはC/Hパターンでの未開放欠陥(not-open defect)を誘発して製品収率を低下する問題を発生させることがある。
【0065】
しかし、一実施形態によるフォトレジスト上層膜用組成物は、現像工程で除去されて、多様なパターンでの欠陥の問題を防止することができる。
【0066】
上記化学式M-2中、m1が2以上である場合、それぞれのO-R8は互いに同一でも異なっていてもよい。
【0067】
上記化学式M-2中、5-m1が2以上である場合、それぞれのR9は互いに同一でも異なっていてもよい。
【0068】
上記化学式M-3Bで、X6は単結合であるか、n1が0であってX6が存在しない場合、N含有五員環を形成することを意味する。
【0069】
R7、L1およびL2のうちの少なくとも一つは、フッ素原子およびヒドロキシ基を含むという意味は、
R7が少なくとも一つのフッ素原子および少なくとも一つのヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であるか、または
L1およびL2のうちの少なくとも一つが、1個以上のフッ素原子および1個以上のヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキレン基であるか、または
L1およびL2のうちの少なくとも一つが、1個以上のフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキレン基であり、残りのうちの少なくとも一つが1個以上のヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキレン基であるか、または
R7がフッ素原子であり、L1およびL2のうちの少なくとも一つが1個以上のヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキレン基であるか、または
R7がヒドロキシ基であり、L1およびL2のうちの少なくとも一つが1個以上のフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキレン基であるか、または
R7が1個以上のフッ素原子および1個以上のヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であるか、または
R7が1個以上のヒドロキシ基および1個以上の炭素原子数1~10のフルオロアルキル基で置換された炭素原子数1~10のアルキル基である場合を含むことができる。
【0070】
一例として、上記第1繰り返し単位は、下記化学式1で表され得る。
【0071】
【0072】
上記化学式1中、
R1は、水素原子または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基であり、
Re、Rf、Rg、RhおよびR7は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
m2およびm3は、それぞれ独立して、1~10の整数のうちの一つであり、
X1は、単結合、O、S、S(O)、S(O)2、C(O)、(CO)O、O(CO)、O(CO)O、NRa(ここで、Raは、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~10のアルキル基である)、またはこれらの組み合わせであり、
Re、Rf、Rg、RhおよびR7のうちの少なくとも一つは、フッ素原子およびヒドロキシ基を含む。
【0073】
上記化学式1中、m2が2以上である場合、それぞれのReは互いに同一でも異なっていてもよい。
【0074】
上記化学式1中、m2が2以上である場合、それぞれのRfは互いに同一でも異なっていてもよい。
【0075】
上記化学式1中、m3が2以上である場合、それぞれのRgは互いに同一でも異なっていてもよい。
【0076】
上記化学式1中、m3が2以上である場合、それぞれのRhは互いに同一でも異なっていてもよい。
【0077】
Re、Rf、Rg、RhおよびR7のうちの少なくとも一つがフッ素原子およびヒドロキシ基を含むという意味は、
Re、Rf、Rg、RhおよびR7のうちの少なくとも一つが、それぞれ独立して、フッ素原子およびヒドロキシ基であるか、または
Re、Rf、Rg、RhおよびR7のうちの少なくとも一つが、それぞれ独立して、1個以上のフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキル基および1個以上のヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキル基を含むか、または
Re、Rf、Rg、RhおよびR7のうちの少なくとも一つが、それぞれ独立して、1個以上のヒドロキシ基および1個以上のフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキル基を含むか、または
Re、Rf、Rg、RhおよびR7のうちの少なくとも一つが、それぞれ独立して、1個以上のヒドロキシ基および1個以上の炭素原子数1~10のフルオロアルキル基で置換された炭素原子数1~10のアルキル基を含むか、または
Re、Rf、Rg、RhおよびR7のうちの少なくとも一つがフッ素原子であり、残りの基のうちの少なくとも一つがヒドロキシ基であるか、または
Re、Rf、Rg、RhおよびR7のうちの少なくとも一つがフッ素原子であり、残りの基のうちの少なくとも一つが1個以上のヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキル基を含むか、または
Re、Rf、Rg、RhおよびR7のうちの少なくとも一つがヒドロキシ基であり、残りの基のうちの少なくとも一つが1個以上のフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキル基を含むか、または
Re、Rf、Rg、RhおよびR7のうちの少なくとも一つが1個以上のフッ素原子で置換された炭素原子数1~20のアルキル基であり、残りの基のうちの少なくとも一つが1個以上のヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~20のアルキル基である場合を含むことができる。
【0078】
例えば、上記R1は、水素原子またはメチル基であり、
上記X1は、単結合、OまたはNRa(ここで、Raは、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~10のアルキル基である)であり、
上記R7は、フッ素原子、ヒドロキシ基、少なくとも一つのフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキル基または少なくとも一つのヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり得る。
【0079】
一例として、上記化学式1のRg、RhおよびR7のうちの少なくとも一つは、フッ素原子およびヒドロキシ基を含むことができる。
【0080】
具体的な一例として、上記化学式1のRgおよびRhのうちの少なくとも一つは、フッ素原子または少なくとも一つのフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり、R7は、ヒドロキシ基または少なくとも一つのヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり得る。
【0081】
具体的な一例として、上記化学式1のRgおよびRhのうちの少なくとも一つは、ヒドロキシ基または少なくとも一つのヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり、R7は、フッ素原子または少なくとも一つのフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり得る。
【0082】
具体的な一例として、上記化学式1のRgは、ヒドロキシ基または少なくとも一つのヒドロキシ基で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり、Rhは、フッ素原子または少なくとも一つのフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり、R7は、ヒドロキシ基、フッ素原子またはフッ素原子およびヒドロキシ基のうちの少なくとも一つで置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり得る。
【0083】
具体的な一例として、上記化学式1のRgおよびRhのうちの少なくとも一つは、フッ素原子または少なくとも一つのフッ素原子で置換された炭素原子数1~10のアルキル基であり、R7は、ヒドロキシ基であるか、またはヒドロキシ基および置換された炭素原子数1~5のフルオロアルキル基のうちの少なくとも一つで置換された炭素原子数1~5のアルキル基であり得る。
【0084】
例えば上記第1繰り返し単位は、下記グループIより選択され得る。
【0085】
【0086】
上記グループI中、
R1は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、*は連結地点である。
【0087】
一例として、上記第2繰り返し単位は、下記化学式2-1~化学式2-4のうちのいずれか一つで表され得る。
【0088】
【0089】
上記化学式2-1~化学式2-4中、
R2は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、
R8、R8a、およびR8bは、それぞれ独立して、水素原子、またはC(=O)Rbであり、
この際、Rbは、置換もしくは非置換の炭素原子数1~5のアルキル基であり、
m1は、1~4の整数のうちの一つであり、
R9は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
*は、連結地点である。
【0090】
上記化学式2-1~化学式2-4中、それぞれのR9は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0091】
一例として、上記R9のうちの少なくとも一つは、ハロゲン原子であり得る。
【0092】
具体的な一例として、上記R9のうちの少なくとも一つは、ヨード基(ヨウ素原子)であり得る。
【0093】
第2繰り返し単位中にヨード基を含む場合、感度をより向上させることができる。
【0094】
例えば上記第2繰り返し単位は、下記グループIIより選択され得る。
【0095】
【0096】
上記グループII中、
R2は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、*は連結地点である。
【0097】
一例として、上記L3~L9は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~5のアルキレン基、または置換もしくは非置換のフェニレン基であり、
R10、R11、R20、およびR21は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のn-プロピル基、置換もしくは非置換のiso-プロピル基、置換もしくは非置換のn-ブチル基、置換もしくは非置換のtert-ブチル基、置換もしくは非置換のn-ペンチル基、置換もしくは非置換のneo-ペンチル基、置換もしくは非置換のフェニル基、NRcRd(ここで、RcおよびRdは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~10のアルキル基である)またはこれらの組み合わせであり、
R12~R19は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基であり得る。
【0098】
上記第3繰り返し単位は、下記グループIIIより選択され得る。
【0099】
【0100】
上記グループIII中、
R3~R6は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、*は連結地点である。
【0101】
上記共重合体は、共重合体中の繰り返し単位の総モル数に対して、上記第1繰り返し単位を30~95モル%含み、上記第2繰り返し単位を1~20モル%含み、上記第3繰り返し単位を4~50モル%含むことができる。
【0102】
例えば上記共重合体は、共重合体中の繰り返し単位の総モル数に対して、上記第1繰り返し単位を55~90モル%含み、上記第2繰り返し単位を5~15モル%含み、上記第3繰り返し単位を5~30モル%含むことができ、最も具体的には上記第1繰り返し単位を60~85モル%含み、上記第2繰り返し単位を5~15モル%含み、上記第3繰り返し単位を5~25モル%含むことができる。
【0103】
共重合体に含まれる各繰り返し単位のモル比が上記範囲内である場合、有機溶媒に対する溶解度に優れてパターンに均一にコーティングされ得る。
【0104】
上記共重合体は、1,000g/mol~50,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することができる。例えば、2,000g/mol~30,000g/mol、例えば3,000g/mol~20,000g/mol、例えば4,000g/mol~10,000g/molの重量平均分子量を有することができるが、これらに制限されない。上記共重合体の重量平均分子量が上記範囲である場合、上記共重合体を含むフォトレジスト上層膜用組成物の炭素含有量および溶媒に対する溶解度を調節して最適化することができる。
【0105】
上記共重合体の製造方法は、特に制限されず、従来公知の製造方法を適宜参照して合成することができる。より具体的には、実施例に記載の製造方法を参照しながら、当業者であれば容易に合成することができる。
【0106】
上記共重合体は、上記フォトレジスト上層膜用組成物の総質量を基準として0.1質量%~10質量%含まれ得る。上記範囲で含まれることによってフォトレジスト上層膜の除去が容易になり得る。
【0107】
上記フォトレジスト上層膜用組成物のpHは、3~12であり得る。
【0108】
最も具体的な一実施形態では、上記共重合体は、下記グループIVに列記された構造の中から選択され得る。
【0109】
【0110】
上記グループIVで、x:y:zは66:10:24または68:10:22または69:10:21であり得る。上記溶媒は、下記化学式4で表されるエーテル系溶媒であり得る。
【0111】
上記溶媒は、下記化学式4で表されるエーテル系溶媒であり得る。
【0112】
【0113】
上記化学式4中、
R22は、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基であり、
R23は、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基である。
【0114】
例えば、上記エーテル系溶媒は、ジイソプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジアミルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジ-sec-ブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ビス(2-エチルヘキシル)エーテル、ジデシルエーテル、ジウンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジテトラデシルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ブチルプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、tert-ブチルエチルエーテル、tert-ブチルプロピルエーテル、ジ-tert-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、シクロヘキシルエチルエーテル、シクロペンチルプロピルエーテル、シクロペンチル-2-プロピルエーテル、シクロヘキシルプロピルエーテル、シクロヘキシル-2-プロピルエーテル、シクロペンチルブチルエーテル、シクロペンチル-tert-ブチルエーテル、シクロヘキシルブチルエーテル、シクロヘキシル-tert-ブチルエーテル、2-オクタノン、4-ヘプタノンおよびこれらの組み合わせから選択され得る。
【0115】
上記エーテル系溶媒は、上述した組成物に対する十分な溶解性または分散性を有することができる。
【0116】
一方、上記フォトレジスト上層膜用組成物は、エポキシ系樹脂、ノボラック系樹脂、グリコルリル系樹脂およびメラミン系樹脂のうちの一つ以上の他の重合体をさらに含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0117】
上記フォトレジスト上層膜用組成物は、追加的に界面活性剤、熱酸発生剤、可塑剤、またはこれらの組み合わせを含む添加剤をさらに含むことができる。
【0118】
上記界面活性剤は、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、第4級アンモニウム塩などを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0119】
上記熱酸発生剤は、例えばp-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸などの酸性化合物または/およびベンゾイントシレート、2-ニトロベンジルトシレート、その他に有機スルホン酸アルキルエステルなどを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0120】
上記これら添加剤の使用量は、所望の物性により容易に調節することができ、省略することもできる。
【0121】
一方、他の一実施形態によれば、上述したフォトレジスト上層膜用組成物を使用してパターンを形成する方法が提供され得る。一例として、製造されたパターンは、フォトレジストパターンであり得る。
【0122】
一実施形態によるパターン形成方法は、基板上にフォトレジスト組成物を塗布して加熱してフォトレジスト膜を形成する段階、上記フォトレジスト膜上に上述したフォトレジスト上層膜用組成物を塗布して加熱してフォトレジスト上層膜を形成する段階、上記上層膜および上記フォトレジスト膜を露光および現像してフォトレジストパターンを形成する段階を含む。
【0123】
以下、上述したフォトレジスト上層膜用組成物を使用してパターンを形成する方法について
図1を参照して説明する。
図1は本発明によるフォトレジスト上層膜用組成物を利用したパターン形成方法を説明するための模式図である。
【0124】
図1を参照すれば、まずエッチング対象物を備える。上記エッチング対象物の例としては、半導体基板上に形成される薄膜であり得る。以下、上記エッチング対象物が薄膜である場合に限り説明する。上記薄膜上に残留する汚染物などを除去するために上記薄膜の表面を洗浄する。上記薄膜は、例えばシリコン窒化膜、ポリシリコン膜またはシリコン酸化膜であり得る。
【0125】
上記薄膜上にフォトレジスト組成物を塗布して加熱してフォトレジスト膜101を形成する(
図1の1)。次に、フォトレジスト膜上に上述したフォトレジスト上層膜用組成物を塗布して加熱してフォトレジスト上層膜30を形成する(
図1の2)。
【0126】
上記加熱は、80℃~500℃の温度で行うことができる。
【0127】
次に、フォトレジスト上層膜およびフォトレジスト膜を高エネルギー照射線で露光する。
【0128】
一例として、上記露光工程で使用することができる高エネルギー照射線は、EUV(Extreme Ultra Violet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光などが挙げられる。
【0129】
次に、露光後熱処理段階(PEB)を行う。上記露光後熱処理段階は、80℃~200℃の温度で行うことができる。上記露光後熱処理段階を行うことによって、上記フォトレジスト膜中の露光された領域、つまり、パターン化されたマスクにより遮蔽されない領域は現像液に溶解される特性に変化されることによって、フォトレジスト膜の非露光領域と互いに異なる溶解度を有するようになる。
【0130】
現像液を利用して上記露光された領域に該当するフォトレジスト膜とフォトレジスト上層膜を溶解して除去することによってフォトレジストパターン102bが形成され得る(
図1の3)。
【0131】
具体的に、上記現像液は、アルカリ現像液であるか、または有機溶媒を含有する現像液(以下、有機系現像液)であり得る。
【0132】
アルカリ現像液としては、通常、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドに代表される第4級アンモニウム塩が利用されるが、その他にも無機アルカリ、第1級~第3級アミン、アルコールアミン、および環状アミンなどのアルカリ水溶液も使用可能である。
【0133】
また、上記アルカリ現像液は、アルコール類、および/または界面活性剤を適当量含有していてもよい。アルカリ現像液のアルカリ濃度は、例えば0.1~20質量%であり得、アルカリ現像液のpHは、例えば10~15であり得る。
【0134】
有機系現像液は、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、および炭化水素系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒を含有する現像液であり得る。
【0135】
ケトン系溶媒としては、例えば2-オクタノン、2-ノナノン、アセトン、2-ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4-ヘプタノン、2-ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカルビノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、およびプロピレンカーボネートなどが挙げられる。
【0136】
エステル系溶媒としては、例えば酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル-3-エトキシプロピオネート、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、ギ酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、酪酸ブチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸イソブチル、およびプロピオン酸ブチルなどが挙げられる。
【0137】
アルコール系溶媒、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、および炭化水素系溶媒としては、公知の溶媒を使用することができる。
【0138】
上記の溶媒は、複数混合してもよく、上記以外の溶媒または水と混合してもよい。現像液全体としての含水率は、50質量%未満が好ましく、20質量%未満がより好ましく、10質量%未満がさらに好ましく、実質的に水分を含まないことが特に好ましい。
【0139】
有機系現像液に対する有機溶媒の含有量は、現像液の全体量に対して、50~100質量%が好ましく、80~100質量%がより好ましく、90~100質量%がさらに好ましく、95~100質量%が特に好ましい。
【0140】
有機系現像液は、必要に応じて公知の界面活性剤を適当量含有していてもよい。
【0141】
界面活性剤の含有量は、現像液の全体量に対して、通常0.001~5質量%であり、0.005~2質量%が好ましく、0.01~0.5質量%がより好ましい。
【0142】
次に、上記フォトレジストパターンをエッチングマスクとして適用して露出した薄膜をエッチングする。その結果、上記薄膜は、薄膜パターンで形成される。
【0143】
上記薄膜のエッチングは、例えばエッチングガスを使用した乾式エッチングで行うことができ、エッチングガスは、例えばCHF3、CF4、Cl2、BCl3およびこれらの混合ガスを使用することができる。
【0144】
先に行われた露光工程において、EUV光源を使用して行われた露光工程により形成されたフォトレジストパターンを利用して形成された薄膜パターンは、上記フォトレジストパターンに対応する幅を有することができる。一例として、上記フォトレジストパターンと同一に5nm~100nmの幅を有することができる。例えば、EUV光源を使用して行われた露光工程により形成された薄膜パターンは、上記フォトレジストパターンと同様に5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、5nm~50nm、5nm~40nm、5nm~30nm、5nm~20nmの幅を有することができ、より具体的に20nm以下の幅で形成され得る。
【実施例0145】
以下、上述した共重合体の合成およびこれを含むフォトレジスト上層膜用組成物の製造に関する実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。しかし、下記の実施例により本発明が技術的に限定されるものではない。
【0146】
[合成例]
(合成例1:化合物1aの合成)
窒素雰囲気下でヘキサフルオロ-2,3-ビス(トリフルオロメチル)-2,3-ブタンジオール20g(59.86mmol、ペルフルオロピナコール)、2-(ヒドロキシエチル)メタクリレート7.79g(59.86mmol)およびトリフェニルホスフィン(Ph3P)18.84g(71.84mmol)をジエチルエーテル110mlに混合して攪拌した。30分間攪拌後に混合物の温度を0℃に冷却して、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)14.52g(71.84mmol)とジエチルエーテル35mlとの混合物を2時間にわたって徐々に滴下した。その後、常温(23℃)で24時間攪拌した後、混合物を濃縮した。濃縮された混合物をジクロロメタンに溶かしてシリカゲルを利用したカラムクロマトグラフィーを行い、合成された物質を分離した。減圧留去して下記化学式1aで表される2-[3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-1,1,2-トリス(トリフルオロメチル)プロポキシ]エチル 2-メチル-2-プロピオネートを合成した。
【0147】
*1H-NMR(Acetone-d6):δ1.90(3H,t),4.36(4H,m),5.63(1H,t),6.09(1H,t),8.34(1H,s)
*19F-NMR(Acetone-d6):δ-70.12(6F,m),-65.38(6F,m)
【0148】
【0149】
(合成例2:共重合体(R1)の製造)
250mLの二口丸底フラスコに窒素雰囲気下で上記化学式1aで表される化合物(22.5g、50mmol)、下記化学式1bで表される化合物(DIVPA、Songwon社;2.4g、6mmol)、下記化学式1cで表される化合物(N,N-ジエチルメタクリルアミド;Sigma-Aldrich社;2.3g、16mmol)とジイソアミルエーテル(DIAE)115gを投入した後、内部温度が115℃になるように加熱した。内部温度が115℃に到達した後、26.5gの25質量% V-601/DIAE溶液(V-601 6.6g、29mmol)を徐々に添加し、6時間後、反応液を常温に冷却させて、反応混合物を固形分濃度50%に濃縮した。濃縮された溶液に270gのヘプタンを添加した後、生成された共重合体を濾過した。濾過した共重合体を34gのDIAEに完全に溶解させた後、270gのヘプタンを添加し、沈澱させる過程を2回経た後、完全に乾燥させて、最終的に下記に示す共重合体R1(Mw=7,000)を製造した。
【0150】
【0151】
(合成例3:共重合体(R2)の製造)
化学式1cで表される化合物の代わりに下記化学式2cで表される化合物(tert-ブチルアミノエチル メタクリレート、Sigma-Aldrich社;2.9g、16mmol)を使用したことを除き、上記合成例2と同様の方法で共重合体R2(Mw=7,000)を製造した。
【0152】
【0153】
(合成例4:共重合体R3の製造)
化学式1cで表される化合物の代わりに下記化学式3cで表される化合物(1-ビニル-2-ピロリジノン、Sigma-Aldrich社;1.8g、16mmol)を使用したことを除き、上記合成例2と同様の方法で共重合体R3(Mw=7,000)を製造した。
【0154】
【0155】
(比較合成例1:共重合体R4の製造)
化学式1cで表される化合物の代わりに下記化学式4cで表される化合物(2-エチルヘキシル メタクリレート、大井化金社;3.2g、16mmol)を使用したことを除き、上記合成例2と同様の方法で共重合体R4(Mw=6,000)を製造した。
【0156】
【0157】
[フォトレジスト上層膜用組成物の製造]
(実施例1)
合成例2から製造された共重合体R1を0.5質量%の濃度となるようにDIAE 100gに溶解させた後、室温(23℃)で24時間攪拌し、0.45μmのポアサイズのテフロン(登録商標)フィルターを通じて濾過することによって、実施例1によるフォトレジスト上層膜用組成物を製造した。
【0158】
(実施例2、実施例3、および比較例1)
共重合体R1の代わりに合成例3、合成例4、および比較合成例1による共重合体にそれぞれ変更したことを除き、上記実施例1と同様の方法でフォトレジスト上層膜用組成物をそれぞれ製造した。
【0159】
[評価1:溶解度の評価]
合成例2~合成例4、および比較合成例1の共重合体1gを、50gのDIAEに添加し(濃度2質量%)、24時間攪拌後、肉眼で沈澱の生成の有無を観察してその結果を下記表1に示した:
(沈澱無し-溶解度○、沈澱有り-溶解度×)。
【0160】
[評価2:現像性の評価]
シリコン基板上に実施例1~実施例3および比較例1で製造したフォトレジスト上層膜用組成物をスピンオンコーティング方法で塗布した後、ホットプレートの上で110℃、1分間熱処理して、厚さ5nmのフォトレジスト上層膜を形成した。その後、2.38質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液でリンスし、ホットプレートの上で110℃、1分間熱処理後、上層膜の厚さの変化を測定してその結果を下記表1に示した。
【0161】
【0162】
[評価3:感度およびLWRの評価]
8インチのシリコン基板上に、フォトレジスト下層膜(厚さ50Å)およびE-Beam用フォトレジスト薄膜(厚さ700Å)を形成した後、実施例および比較例で製造したフォトレジスト上層膜用組成物をスピンオンコーティング方法で塗布し、ホットプレートの上で110℃、1分間熱処理して厚さ5nmのフォトレジスト上層膜を形成した。
【0163】
上記フォトレジスト上層膜が形成されたウェーハに対して電子ビーム描画装置(JEOL社のJBX-9300FS)を利用して、Focus-Energy Matrix(FEM)形式でラインアンドスペースパターンを形成した。50nmのクリティカルディメンジョン(Critical Dimesion、CD)を形成することができる最適感度を補間(interpolation)方式で確認してその結果得られた値を下記表1に示し、最適感度を確認した後、該当するエネルギーショットで日立社のCD-SEM設備を利用してラインワイズラフネス(Line Width Roughness、LWR)ばらつきを測定するが、ばらつき値の信頼性を高めるためにショット(shot)内で500pointの同一パターンを測定して最終平均値を下記表1に示した。
【0164】
【0165】
表1を参照すれば、本発明の実施例によるフォトレジスト上層膜用組成物を適用する場合、溶解度、現像性および感度に優れるだけでなく、パターンの劣化が抑制されて、LWRの改善効果に優れることを確認できる。
【0166】
一方、比較例によるフォトレジスト上層膜用組成物の場合には、現像性および感度が相対的に低下し、LWRの改善効果が現れなかった。
【0167】
以上より、本発明の特定の実施例が説明され、図示されたが、本発明は記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想および範囲を逸脱せずに、多様に修正および変形できることは、当該技術の分野における通常の知識を有する者に自明なことである。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の技術的な思想や観点から個別的に理解されてならず、変形された実施例は本発明の特許請求の範囲に属するといえる。