(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168004
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
G03G15/08 226
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084377
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 理
(72)【発明者】
【氏名】石倉 裕司
(72)【発明者】
【氏名】井上 優美
(72)【発明者】
【氏名】大平 達也
(72)【発明者】
【氏名】林 俊樹
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AB02
2H077AB15
2H077AB18
2H077AC02
2H077AD02
2H077AD06
2H077AD14
2H077AD18
(57)【要約】
【課題】現像ローラと丸棒状の現像剤規制部材との隙間(ドクターギャップDG)を安定化する。
【解決手段】丸棒ドクタ26cの端部26c2、26c1が挿入される第1穴部28a、29aと、現像ローラ26aの端部に設けられた軸部26a10、26a20が挿入される第2穴部28b、29bと、が設けられて、端部26c2、26c1と軸部26a10、26a20とをそれぞれ保持する保持部材28、29が設けられている。そして、第1穴部28a、29aと第2穴部28b、29bとのうち少なくとも一方の穴部の内周面に、内側に向かって突出する突起部28a1、29a1が形成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に形成された潜像を現像する現像装置であって、
現像剤を担持する現像ローラと、
前記現像ローラに対向して、前記現像ローラの表面に担持される現像剤の量を規制する丸棒状の現像剤規制部材と、
前記現像剤規制部材の端部が挿入される第1穴部と、前記現像ローラの端部に設けられた軸部が挿入される第2穴部と、が設けられて、前記端部と前記軸部とをそれぞれ保持する保持部材と、
を備え、
前記第1穴部と前記第2穴部とのうち少なくとも一方の穴部の内周面に、内側に向かって突出する突起部が形成されたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記保持部材は、当該現像装置の軸方向両端部にそれぞれ着脱可能に設置されたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像ローラは、回転可能なスリーブと、前記スリーブの内部に非回転で設置された磁界発生部材と、を具備し、
2つの前記保持部材のうち、
軸方向一端側の前記保持部材は、前記第1穴部に前記現像剤規制部材の一端側端部が挿入されて、前記第2穴部に前記スリーブの軸部が軸受を介して挿入され、
軸方向他端側の前記保持部材は、前記第1穴部に前記現像剤規制部材の他端側端部が挿入されて、前記第2穴部に前記磁界発生部材の軸部が挿入されたことを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記突起部は、前記第1穴部における前記端部の位置、又は、前記第2穴部における前記軸部の位置、を定めるものであって、剛性を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項5】
前記突起部は、軸方向に直交する断面でみたときに、前記第1穴部の穴中心と前記第2穴部の穴中心とを結ぶ仮想線上に形成された1つの突起部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項6】
前記突起部は、軸方向に直交する断面でみたときに、前記第1穴部の穴中心と前記第2穴部の穴中心とを結ぶ仮想線を略等距離で跨ぐように形成された2つの突起部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項7】
前記2つの突起部が形成された穴部において、軸方向に直交する断面でみたときに、前記2つの突起部のうち一方の突起部と前記穴部の穴中心とを結ぶ第1仮想線と、前記2つの突起部のうち他方の突起部と前記穴中心とを結ぶ第2仮想線と、がなす角度が、20°以上であって150°以下であることを特徴とする請求項6に記載の現像装置。
【請求項8】
前記突起部が形成された穴部において、前記突起部は前記穴部の穴中心よりも相手側の穴部から離れる側に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項9】
前記突起部が形成された穴部において、前記突起部は前記穴部の穴中心よりも相手側の穴部に近づく側に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項10】
画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1又は請求項2に記載の現像装置と前記像担持体とを一体的に備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項1又は請求項2に記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、感光体ドラム等の像担持体の表面に形成される潜像を現像する現像装置と、それを備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置に設置される現像装置において、現像ローラに担持される現像剤の量を規制する丸棒状の現像剤規制部材(丸棒ドクタ)を設置したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一方、特許文献1には、現像スリーブ(現像ローラ)に担持される現像剤量の変動を抑制することを目的として、現像剤スリーブの軸部と丸棒状の層厚規制部材とを保持する支持部材(保持部材)を設置する技術が開示されている。そして、特許文献1では、支持部材において、層厚規制部材を支持する支持孔(穴部)の内周面に、弾性材料からなる押戻部材を貼着している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、現像ローラと丸棒状の現像剤規制部材との隙間(ドクターギャップ)が安定せずに、現像ローラ上に担持される現像剤の量にバラツキが生じてしまっていた。そして、そのような場合には、像担持体上に、濃度偏差の大きな画像が形成されてしまっていた。
そして、このような不具合は、特許文献1に開示された支持部材を用いたとしても、支持孔と層厚規制部材とにガタが生じるため、解決することができなかった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、現像ローラと丸棒状の現像剤規制部材との隙間が安定しやすい、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明における現像装置は、像担持体に形成された潜像を現像する現像装置であって、現像剤を担持する現像ローラと、前記現像ローラに対向して、前記現像ローラの表面に担持される現像剤の量を規制する丸棒状の現像剤規制部材と、前記現像剤規制部材の端部が挿入される第1穴部と、前記現像ローラの端部に設けられた軸部が挿入される第2穴部と、が設けられて、前記端部と前記軸部とをそれぞれ保持する保持部材と、を備え、前記第1穴部と前記第2穴部とのうち少なくとも一方の穴部の内周面に、内側に向かって突出する突起部が形成されたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、現像ローラと丸棒状の現像剤規制部材との隙間が安定しやすい、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【
図3】現像装置と感光体ドラムとを長手方向(軸方向)に示す図である。
【
図4】保持部材と現像ローラと丸棒ドクタとの位置関係を示す図である。
【
図6】比較例としての、保持部材と現像ローラと丸棒ドクタとの位置関係を示す図である。
【
図7】変形例1としての、保持部材と現像ローラと丸棒ドクタとの位置関係を示す図である。
【
図8】変形例2としての、保持部材と現像ローラと丸棒ドクタとの位置関係を示す図である。
【
図9】変形例3としての、保持部材と現像ローラと丸棒ドクタとの位置関係を示す図である。
【
図10】変形例4としての、現像装置(作像部)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、
図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
本実施の形態における画像形成装置1は、複数のプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKが中間転写ベルト40に対向するように並設されたタンデム型のカラー画像形成装置である。また、複数のプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21に対向するように現像装置26(
図2参照)が設置されている。
【0011】
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機の装置本体、2は原稿を原稿読込部3に搬送する原稿搬送部、3は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、4は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部(露光部)、を示す。
また、20Y、20M、20C、20BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ、40は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、を示す。
また、61は用紙等のシートPが収納される給紙装置、65は中間転写ベルト40上に形成されたトナー像をシートPに転写する2次転写ローラ、66はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、70は複数のプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKに対応した各現像装置26に各色のトナーを補給するためのトナー容器、を示す。
【0012】
ここで、
図2をも参照して、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKは、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム21、帯電装置22、クリーニング装置23、が一体化されたものである。そして、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKは、寿命に達したときに画像形成装置本体1に対して交換される。
また、各現像装置26は、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21にそれぞれ対向するように設置されている。そして、現像装置26は、寿命に達したときに画像形成装置本体1に対して交換される。なお、画像形成装置本体1に対する現像装置26の着脱操作と、画像形成装置本体1に対するプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの着脱操作と、はそれぞれ別々に独立しておこなうことができる。
各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにおける感光体ドラム21(像担持体)上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。
【0013】
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿は、原稿搬送部2の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部3のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部3で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部4に送信される。そして、書込み部4からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応するプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21(
図2参照)の表面に向けて照射される。
【0014】
一方、4つの感光体ドラム21は、それぞれ、
図1、
図2の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム21の表面は、帯電装置22(帯電ローラ)との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム21上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム21の表面は、それぞれの書込み部4によるレーザ光の照射位置に達して、その位置で画像情報に基づいた静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0015】
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ20Yの感光体ドラム21の表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム21の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電装置22にて帯電された後の感光体ドラム21上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、シアン成分のレーザ光は、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ20Cの感光体ドラム21の表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ20Mの感光体ドラム21の表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目のプロセスカートリッジ20BKの感光体ドラム21の表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
【0016】
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム21の表面は、それぞれ、現像装置26との対向位置に達する。そして、各現像装置26から感光体ドラム21上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム21上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム21の表面は、それぞれ、中間転写ベルト40との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト40の内周面に当接するように1次転写ローラ24が設置されている。そして、1次転写ローラ24の位置で、中間転写ベルト40上に、感光体ドラム21上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
【0017】
そして、1次転写工程後の感光体ドラム21の表面は、それぞれ、クリーニング装置23との対向位置に達する。そして、クリーニング装置23で、感光体ドラム21上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム21の表面は、除電装置の位置で残留電位が除電されて、感光体ドラム21における一連の作像プロセスが終了する。
【0018】
他方、感光体ドラム21上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト40の表面は、図中の矢印方向に走行して、2次転写ローラ65の位置に達する。そして、2次転写ローラ65の位置で、シートP上に中間転写ベルト40上のフルカラーの画像が2次転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト40の表面は、中間転写ベルトクリーニング装置の位置に達する。そして、中間転写ベルト40上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング装置に回収されて、中間転写ベルト40上の一連の転写プロセスが完了する。
【0019】
ここで、2次転写ローラ65の位置に搬送されるシートPは、給紙装置61からレジストローラ64等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、シートPを収納する給紙装置61から、給紙ローラ62により給送されたシートPが、搬送路を通過した後に、レジストローラ64の位置に導かれる。レジストローラ64の位置に達したシートPは、中間転写ベルト40上のトナー像とタイミングを合わせて、2次転写ローラ65の位置に向けて搬送される。
【0020】
その後、フルカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20の位置に導かれる。そして、定着装置20において、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像がシートP上に定着される。
そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラ69によって装置本体1外に出力画像として排出された後に、排紙トレイ5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0021】
次に、
図2及び
図3にて、画像形成装置の作像部について詳述する。
なお、画像形成装置本体1に設置される4つの作像部は、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、プロセスカートリッジや現像装置などの構成部材における符号のアルファベット(Y、M、C、BK)を除して図示する。
【0022】
図2に示すように、プロセスカートリッジ20は、主として、像担持体としての感光体ドラム21と、帯電装置22と、クリーニング装置23と、が現像ケースに一体的に収納されている。
感光体ドラム21は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。
帯電装置22は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなる帯電ローラである。そして、この帯電装置22(帯電ローラ)に電源部から所定の電圧が印加されて、これにより対向する感光体ドラム21の表面を一様に帯電する。
クリーニング装置23には、感光体ドラム21に当接するクリーニングブレード25a及びクリーニングローラ25bが設置されている。クリーニングブレード25aは、ウレタンゴム等のゴム材料からなり、感光体ドラム21表面に所定角度かつ所定圧力で当接している。クリーニングローラ25bは、芯金上にブラシ毛が周設されたブラシローラである。
【0023】
図2、
図3に示すように、現像装置26は、主として、現像剤担持体としての現像ローラ26a、現像ローラ26aに対向する第1搬送スクリュ26b1(第1搬送部材)、仕切部材26eを介して第1搬送スクリュ26b1に対向する第2搬送スクリュ26b2(第2搬送部材)、現像ローラ26aに対向して現像ローラ26aの表面に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材としての丸棒ドクタ26c、等で構成される。
【0024】
現像装置26内には、キャリアとトナーとからなる現像剤(2成分現像剤)が収容されている。
現像ローラ26aは、感光体ドラム21に対して微小な現像ギャップPG(隙間)をあけて対向して現像領域を形成するように構成されている。現像ローラ26aは、
図3に示すように、内部に非回転で固設されてローラ外周面上に複数の極(磁界)を形成する磁界形成部材としてのマグネット26a1と、マグネット26a1の周囲を回転するスリーブ26a2(現像スリーブ)と、で構成される。
現像剤規制部材としての丸棒ドクタ26cは、金属材料などで形成された丸棒状の部材である。丸棒ドクタ26cは、現像ローラ26aの下方で、現像ローラ26aに対して微小なドクターギャップDG(隙間)をあけて対向して、現像ローラ26aの表面に担持される現像剤量を適正化するものである。
【0025】
搬送スクリュ26b1、26b2は、現像装置26の内部に収容された現像剤を長手方向に搬送して循環経路(
図3にて破線矢印で示す循環経路である。)を形成する。すなわち、第1搬送スクリュ26b1による第1搬送経路B1と、第2搬送スクリュ26b2による第2搬送経路B2と、による現像剤の循環経路が形成されている。
第1搬送経路B1と第2搬送経路B2とは仕切部材26e(壁部)によって隔絶されていて、2つの搬送経路B1、B2の長手方向両端部は互いに連通口26f、26gを介して連通している。具体的に、
図3を参照して、第1搬送経路B1の搬送方向上流側の端部と、第2搬送経路B2の搬送方向下流側の端部と、が第1連通口26fを介して連通している。また、第1搬送経路B1の搬送方向下流側の端部と、第2搬送経路B2の搬送方向上流側の端部と、が第2連通口26gを介して連通している。すなわち、仕切部材26eは、長手方向両端部を除く位置に配設されている。
第1搬送スクリュ26b1(第1搬送経路B1)は現像ローラ26aに対向するように配設され、第2搬送スクリュ26b2(第2搬送経路B2)は仕切部材26eを介して第1搬送スクリュ26b1(第1搬送経路B1)に対向するように配設されている。第1搬送スクリュ26b1は、現像剤を長手方向(
図3の左右方向であって、軸方向である。)に搬送しながら、現像ローラ26aに向けて現像剤を供給するとともに、現像ローラ26aから離脱した現像工程後の現像剤を回収する。第2搬送スクリュ26b2は、第1搬送経路B1から搬送された現像工程後の現像剤と、補給口26dから補給されたフレッシュなトナーと、を長手方向に搬送しながら撹拌・混合する。
本実施の形態において、2つの搬送スクリュ26b1、26b2は、水平方向に並設されている。2つの搬送スクリュ26b1、26b2は、いずれも、軸部にスクリュ部が巻装されたものである。
【0026】
先に述べた作像プロセスを、現像工程を中心にしてさらに詳しく説明する。
現像ローラ26a(現像剤担持体)は、
図2中の矢印方向に回転している。現像装置26内の現像剤は、
図3に示すように、間に仕切部材26eを介在するように配設された第1搬送スクリュ26b1及び第2搬送スクリュ26b2の矢印方向の回転によって、トナー容器70からトナー補給経路を経て補給口26dから補給されたトナーとともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(
図3中の破線矢印方向の循環である。)。
そして、摩擦帯電してキャリアに吸着したトナーは、現像ローラ26a上に形成された剤汲上げ極によって、キャリアとともに現像ローラ26a上に汲み上げられる。現像ローラ26a上に担持された現像剤は、
図2中の矢印方向に搬送されて、丸棒ドクタ26cとの対向位置に達する。そして、現像ローラ26a上の現像剤は、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム21との対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム21上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ26a上に残った現像剤はスリーブの回転にともない第1搬送経路B1の上方に達して、この位置で現像ローラ26aから離脱される。ここで、現像領域における電界は、現像用の電源によって現像ローラ26aに印加される所定の電圧(現像バイアス)と、帯電工程と露光工程とによって感光体ドラム21の表面に形成される表面電位(潜像電位)と、によって形成されるものである。
【0027】
なお、トナー容器70内のトナーは、現像装置26内のトナーの消費にともない、補給口26dから現像装置26内に適宜に補給されるものである。現像装置26内のトナーの消費は、現像装置26内の現像剤のトナー濃度(現像剤中のトナーの割合である。)を磁気的に検知するトナー濃度センサによって検知される。
また、補給口26dは、第2搬送スクリュ26b2の長手方向(
図3の左右方向であって、軸方向である。)の一端であって、第2搬送スクリュ26b2(第2搬送経路B2)の上方に設けられている。
【0028】
なお、本実施の形態において用いられる現像剤としては、公知のものを用いることができる。
例えば、トナー(現像剤中のトナー、トナー容器70中のトナーである。)として、重合トナーであって、体積平均粒径が5.8μm程度の小径トナーを用いることができる。
また、現像剤中のキャリアとして、重量平均粒径が20~60μmになるように形成された小径キャリアを用いることができる。
【0029】
以下、本実施の形態において特徴的な、現像装置26の構成・動作について詳しく説明する。
先に
図2、
図3等を用いて説明したように、感光体ドラム21(像担持体)に形成された潜像を現像する現像装置には、現像剤を担持する現像ローラ26aや、現像剤規制部材としての丸棒ドクタ26cが設置されている。
【0030】
現像ローラ26aは、
図3等を参照して、回転可能なスリーブ26a2と、スリーブ26a2の内部に非回転で設置された磁界発生部材としてのマグネット26a1と、が設けられている。
スリーブ26a2は、略円筒状の部材であって、軸方向(
図3、
図5の左右方向であって、
図2、
図4の紙面垂直方向である。)の一端側端部(
図3、
図5の右側端部である。)には軸部としての回転軸部26a20が形成され、軸方向の他端側端部(
図3、
図5の左側端部である。)にはマグネット26a1の非回転軸部26a10(軸部)を支持する軸受部が形成されている。なお、
図5に示すように、スリーブ26a2の回転軸部26a20には駆動ギア26xが設置されていて、この駆動ギア26xに不図示のギア列を介して駆動モータからの駆動が伝達されて、現像ローラ26a(スリーブ26a2)が所定の回転方向に回転駆動されることになる。
マグネット26a1は、略円柱状の部材であって、軸方向の他端側端部(
図3、
図5の左側の端部である。)として非回転軸部26a10が形成され、軸方向の一端側端部(
図3、
図5の右側端部である。)の軸部はスリーブ26a2内の軸受部に支持されている。なお、図示は省略するが、マグネット26a1の非回転軸部26a10は、Dカット部が形成されていて、現像ケース26k(又は、後述する第1保持部材28)に形成されたD穴に嵌合して、現像ケース26kに非回転で保持されている。
【0031】
丸棒ドクタ26cは、現像ローラ26aの下方の位置で現像ローラ26aに対向して、現像ローラ26aの表面に担持される現像剤の量を規制する丸棒状の現像剤規制部材として機能するものである。丸棒ドクタ26cとしては、非磁性のステンレス鋼などの金属材料からなる円柱状又は円筒状の部材などを用いることができる。
丸棒ドクタ26cは、後述する保持部材28、29を介して現像ケース26kに非回転で保持されている。
現像剤規制部材として丸棒状のもの(丸棒ドクタ26c)を用いることで、板状(ブレード状)のものを用いる場合に比べて、現像剤に対する負荷を軽減することができるとともに、現像剤規制部材の機械的強度を向上させることができ、さらにはドクターギャップDGの精度を高めることができる。
【0032】
ここで、
図3、
図5等を参照して、本実施の形態における現像装置26には、現像ローラ26aと丸棒ドクタ26cとの隙間(ドクターギャップDG)を定めて、現像ローラ26aと丸棒ドクタ26cとを保持するための2つの保持部材(第1保持部材28と第2保持部材29とである。)が設置されている。
保持部材28、29は、硬質樹脂材料又は金属材料で形成された略板状の部材であって、第1穴部28a、29aと第2穴部28b、29bとが形成されている。そして、保持部材28、29は、丸棒ドクタ26c(現像剤規制部材)の端部(他端側端部28c2、又は、一端側端部26c1である。)と、現像ローラ26aの軸部(非回転軸部26a10、又は、回転軸部26a20である。)と、をそれぞれ保持する。
第1穴部28a、29aは、棒ドクタ26c(現像剤規制部材)の端部(他端側端部28c2、又は、一端側端部26c1である。)が挿入される貫通穴である。第2穴部28b、29bは、現像ローラ26aの軸部(非回転軸部26a10、又は、回転軸部26a20である。)が挿入される貫通穴である。
【0033】
詳しくは、第1保持部材28は、現像装置26(現像ケース26k)の軸方向他端側(
図3の左側端部である。)に着脱可能(交換可能)に設置されている。そして、第1保持部材28は、第1穴部28aに丸棒ドクタ26cの他端側端部28c2が挿入されて、第2穴部28bに現像ローラ26a(マグネット26a1)の軸部(非回転軸部26a10)が挿入されている。なお、第1保持部材28の第2穴部28bは、先に説明したように、非回転軸部26a10のDカット部に嵌合するD穴部とすることもできる。
これに対して、第2保持部材29は、現像装置26(現像ケース26k)の軸方向一端側(
図3、
図5の右側端部である。)に着脱可能(交換可能)に設置されている。そして、第2保持部材29は、第1穴部29aに丸棒ドクタ26cの一端側端部28c1が挿入されて、第2穴部29bに現像ローラ26a(スリーブ26a2)の軸部(回転軸部26a20)が軸受26mを介して挿入されている。
そして、第1、第2保持部材28、29において、第1穴部28a、29aと第2穴部28b、29bとの間隔W、W´は、狙いの寸法に精度良く形成されているため、現像ローラ26aと丸棒ドクタ26cとのドクターギャップDGも狙いの値に維持されやすくなる。
【0034】
このように、本実施の形態では、保持部材28、29が、現像装置26(現像ケース26k)の軸方向両端部にそれぞれ着脱可能(交換可能)に設置されている。
詳しくは、
図5等を参照して、保持部材28、29は、現像ケース26kに内設された現像ローラ26aや丸棒ドクタ26cなどの構成部材を取り外すことなく、ネジ90の取り外しなどによって、現像ケース26kから取り外し、別の保持部材28、29に交換することができる。
このように構成することで、画像形成装置1に設置されている既設の現像装置26のドクターギャップDGを変更したい場合(画像濃度を調整したい場合)に、現像装置26自体を他の現像装置に交換することなく、既設の現像装置26の保持部材28、29の交換のみで容易にドクターギャップDGを変更することができる。
【0035】
そして、
図4、
図5等を参照して、本実施の形態において、保持部材28、29は、第1穴部28a、29aと第2穴部28b、29bとのうち少なくとも一方の穴部(本実施の形態では、第1穴部28a、29aである。)の内周面に、内側(円中心の側である。)に向かって突出する突起部28a1、29a1が形成されている。
詳しくは、第1保持部材28の第1穴部28aには、第1穴部28aにおける丸棒ドクタ26cの他端側端部26c2(端部)の位置を定める1つの突起部28a1が形成されている。また、第2保持部材29の第1穴部29aには、第1穴部29aにおける丸棒ドクタ26cの一端側端部26c1(端部)の位置を定める1つの突起部29a1が形成されている。
これらの突起部28a1、29a1は、いずれも、保持部材28、29に一体的に形成されていて、弾性を有するものではなく、硬質樹脂材料又は金属材料などからなり剛性(軸部や端部が圧入されて潰れが生じても、軸部や端部を穴部内で固定保持できる程度の剛性である。)を有するものである。本実施の形態において、突起部28a1、29a1は、略半球状に形成されていて、丸棒ドクタ26cの端部に略点接触している。
また、第1穴部28a、29a(突起部28a1、29a1が形成された穴部である。)において、突起部28a1、29a1は、第1穴部28a、29aの穴中心よりも相手側の穴部(第2穴部28b、29b)から離れる側に形成されている。すなわち、突起部28a1、29a1は、丸棒ドクタ26cの端部26c2、26c1を介して現像ローラ26aの軸部26a10、26a20(第2穴部28b、29b)に対向するように配置されている。
【0036】
このように、本実施の形態における現像装置26は、ドクターギャップDGを定めるための保持部材28、29の第1穴部28a、29aに突起部28a1、29a1を形成しているため、現像ローラ26aと丸棒ドクタ26cとの隙間(ドクターギャップDG)が安定しやすくなる。
詳しくは、
図6に比較例として示す保持部材128のように、突起部28a1が形成されていないものは、第1穴部28aと丸棒ドクタ26cの端部26c2とのガタや、第2穴部28bと現像ローラ26aの軸部26a10とのガタによって、現像ローラ26aに対する丸棒ドクタ26cの相対的な位置が定まらずに、ドクターギャップDG´を狙いの値に精度よく設定することができない。また、現像装置26の稼働中(現像工程中)にドクターギャップDG´のバラツキが生じてしまう。そのため、現像ローラ26a上に担持される現像剤量にバラツキが生じてしまい、感光体ドラム21上に濃度偏差の大きな画像が形成されてしまう。
これに対して、本実施の形態では、第2穴部28bと現像ローラ26aの軸部26a10とにガタがあるとしても、突起部28a1によって第1穴部28aと丸棒ドクタ26cの端部26c2とにガタが生じにくくなるため、上述したような不具合が生じにくくなる。すなわち、ドクターギャップDGが狙いの値に精度良く設定されやすくなって、丸棒ドクタ26cの位置で、現像ローラ26a上に担持された現像剤(現像領域で現像工程に供する現像剤である。)の量が適正化されて、良好な現像工程がおこなわれることになる。
【0037】
ここで、
図4を参照して、本実施の形態において、第1穴部28a、29aに形成された1つの突起部28a1、29a1は、軸方向に直交する断面でみたときに、第1穴部28a、29aの穴中心と第2穴部28b、29bの穴中心とを結ぶ仮想線S1上に形成されている。
このように構成することで、第1穴部28a、29aにおいて、第2穴部28b、29bに最も近い位置(第2穴部28b、29bとの距離W、W´が精度よく寸法管理された位置である。)で、丸棒ドクタ26cの端部26c2、26c1が接触することになる。そのため、ドクターギャップDGをさらに安定化させやすくなる。
【0038】
<変形例1>
図7に示すように、変形例1における保持部材28、29は、2つの突起部28a1、29a1が形成されている。
詳しく、2つの突起部28a1、29a1は、軸方向に直交する断面でみたときに、第1穴部28a、29aの穴中心と第2穴部28b、29bの穴中心とを結ぶ仮想線S1を略等距離で跨ぐように形成されている。換言すると、2つの突起部28a1、29a1は、仮想線S1に対して線対称の関係にある。
具体的に、第1保持部材28の第1穴部28aには2つの突起部28a1が形成されていて、第2保持部材29の第1穴部29aには2つの突起部29a1が形成されている。
このように構成することで、第1穴部28a、29aにおいて、2つの突起部28a1、29a1によって、丸棒ドクタ26c(端部26c2、26c1)がバランス良く位置決めされることになる。
ここで、
図7を参照して、変形例1では、第1穴部28a、29a(2つの突起部28a1、29a1が形成された穴部である。)において、軸方向に直交する断面でみたときに、2つの突起部28a1、29a1のうち一方の突起部と穴部28a、29aの穴中心とを結ぶ第1仮想線S2と、2つの突起部28a1、29a1のうち他方の突起部と穴部28a、29aの穴中心とを結ぶ第2仮想線S3と、がなす角度θが、20°以上であって150°以下に設定されている(20°≦θ≦150°)。好ましくは、上述した角度θを、30°以上であって90°以下に設定されている(30°≦θ≦90°)に設定している。
上述した角度θが20°未満であると、2つの突起部28a1、29a1を設けても、丸棒ドクタ26c(端部26c2、26c1)がバランス良く位置決めされる効果が小さくなる。また、角度θが150°を超えると、2つの突起部28a1、29a1を設けても、丸棒ドクタ26cを押し付ける力が小さくなるとともに、2つの突起部28a1、29a1のうちの1つが破損してしまったときに丸棒ドクタ26c(端部26c2、26c1)がバランス良く位置決めされる効果が小さくなる。
【0039】
<変形例2>
図8に示すように、変形例2における保持部材28(29)は、第1穴部28a(29a)と第2穴部28b(29b)とに、それぞれ、1つの突起部28a1、28b1(29a1、29b1)が設けられている。
具体的に、
図8(A)に示すように、第1保持部材28において、第1穴部28aに1つの突起部28a1を形成して丸棒ドクタ26cの他端側端部26c2の位置を定めて、第2穴部28bにも1つの突起部28b1を形成して現像ローラ26aの非回転軸部26a10の位置を定めている。
また、
図8(B)に示すように、第2保持部材29において、第1穴部29aに1つの突起部29a1を形成して丸棒ドクタ26cの一端側端部26c1の位置を定めて、第2穴部29bにも1つの突起部29b1を形成して現像ローラ26aの回転軸部26a20の位置を定めている。
なお、第2保持部材29の第2穴部29bに形成された突起部29b1は、回転する回転軸部26a20に接触するのではなくて、回転軸部26a20を回転可能に支持する軸受26m(玉軸受である。)の外周部(外輪)に接触しているため、摺動抵抗による摩耗が生じることはない。
このように、、第1穴部28a(29a)と第2穴部28b(29b)とに、それぞれ、突起部28a1、28b1(29a1、29b1)を設けることで、現像ローラ26aと丸棒ドクタ26cとのドクターギャップDGがさらに安定しやすくなる。
なお、変形例2では、第1穴部28a(29a)と第2穴部28b(29b)とに、それぞれ、1つの突起部28a1、28b1(29a1、29b1)を設けたが、変形例1のように、2つの突起部28a1、28b1(29a1、29b1)を設けることもできる。
【0040】
<変形例3>
図9に示すように、変形例3における保持部材28は、第1、第2穴部28a、28bに、それぞれ、1つ又は2つの突起部28a1、28b1が設けられている。
具体的に、
図9(A)の第1保持部材28は、第1、第2穴部28a、28bにそれぞれ1つの突起部28a1、28b1が設けられている。これに対して、
図9(B)の保持部材28は、第1、第2穴部28a、28bにそれぞれ2つの突起部28a1、28b1が設けられている。また、図示は省略するが、第2保持部材29にも、第1、第2穴部29a、29bに、それぞれ、1つ又は2つの突起部29a1、29b1が設けられている。
そして、
図9(A)のものも、
図9(B)のものも、いずれも、突起部28a1、28b1は穴部の穴中心よりも相手側の穴部に近づく側に形成されている。すなわち、第1穴部28aにおいて、丸棒ドクタ26cの端部26c2が突起部28a1を介して現像ローラ26aの軸部26a10(第2穴部28b)に対向するように配置されている。また、第2穴部28bにおいて、現像ローラ26aの軸部26a10が突起部28b1を介して丸棒ドクタ26cの端部26c2(第1穴部28a)に対向するように配置されている。
このように構成した場合にも、第1穴部28aにおける丸棒ドクタ26cの端部26c2のガタが軽減されて、さらに第2穴部28bにおける現像ローラ26aの非回転軸部26a10のガタが軽減されるため、現像ローラ26aと丸棒ドクタ26cとのドクターギャップDGがさらに安定しやすくなる。ただし、本変形例3のように、突起部28a1、28b1を内側に設置してしまうと、突起部28a1、28b1の突起長さの精度がドクターギャップDGの精度に影響してしまうため、
図4等のもののように突起部28a1を外側に設置することが好ましい。
【0041】
<変形例4>
図10に示すように、変形例4における現像装置26は、主に、丸棒ドクタ26cが現像ローラ26aの上方に設置されている点と、現像領域において現像ローラ26aが感光体ドラム21の回転方向に対してカウンタ方向に回転する点と、第2搬送スクリュ26b2(第2搬送経路B2)が第1搬送スクリュ26b1(第1搬送経路B1)の斜め下方に設置されている点と、が
図2に示す現像装置26と相違する。
変形例4では、現像領域において感光体ドラム21と現像ローラ26aとが、同方向ではなく、逆方向(カウンタ方向)に移動することになるため、現像領域における線速差が小さくても、感光体ドラム21上の潜像を良好に現像することが可能になる。
そして、変形例4においても、丸棒ドクタ26cの端部26c2、26c1が挿入される第1穴部28a、29aと、現像ローラ26aの端部に設けられた軸部26a10、26a20が挿入される第2穴部28b、29bと、が設けられて、端部26c2、26c1と軸部26a10、26a20とをそれぞれ保持する保持部材28、29が設けられている。そして、第1穴部28a、29aと第2穴部28b、29bとのうち少なくとも一方の穴部の内周面に、内側に向かって突出する突起部28a1、29a1が形成されている。
これにより、現像ローラ26aと丸棒状の丸棒ドクタ26c(現像剤規制部材)との隙間(ドクターギャップDG)が安定しやすくなる。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態における現像装置26は、感光体ドラム21(像担持体)に形成された潜像を現像する現像装置であって、現像剤を担持する現像ローラ26aが設置されている。また、現像ローラ26aに対向して、現像ローラ26aの表面に担持される現像剤の量を規制する丸棒状の丸棒ドクタ26c(現像剤規制部材)が設けられている。また、丸棒ドクタ26cの端部26c2、26c1が挿入される第1穴部28a、29aと、現像ローラ26aの端部に設けられた軸部26a10、26a20が挿入される第2穴部28b、29bと、が設けられて、端部26c2、26c1と軸部26a10、26a20とをそれぞれ保持する保持部材28、29が設けられている。そして、第1穴部28a、29aと第2穴部28b、29bとのうち少なくとも一方の穴部の内周面に、内側に向かって突出する突起部28a1、29a1が形成されている。
これにより、現像ローラ26aと丸棒状の丸棒ドクタ26c(現像剤規制部材)との隙間(ドクターギャップDG)が安定しやすくなる。
【0043】
なお、本実施の形態では、現像装置26をプロセスカートリッジ20の構成部材とせずに、画像形成装置本体1に対して単独で着脱できるユニットとした。これに対して、現像装置26をプロセスカートリッジ20の構成部材の1つとして、画像形成装置本体1に対してプロセスカートリッジとして一体的に着脱されるように構成することもできる。
そして、このような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち少なくとも1つと、像担持体と、が一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたユニットと定義する。
【0044】
また、本実施の形態では、2つの搬送スクリュ26b1、26b2(搬送部材)が水平方向に並設されていて、丸棒ドクタ26cが現像ローラ26aの下方に配置された現像装置26に対して、本発明を適用した。しかし、本発明が適用される現像装置の構成はこれに限定されることなく、例えば、2つの搬送部材が上下方向又は斜め方向に並設された現像装置や、3つ以上の搬送部材が並設された現像装置や、丸棒ドクタが現像ローラの上方に配置された現像装置や、現像領域において感光体ドラムに対して現像ローラが同方向に移動する現像装置に対しても、本発明を適用することができる。
そして、そのような場合にも、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0045】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態の中で示唆した以外にも、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
20、20Y、20M、20C、20BK プロセスカートリッジ、
21 感光体ドラム(像担持体)、
26 現像装置、
26a 現像ローラ(現像剤担持体)、
26a1 マグネット(磁界発生部材)、
26a2 スリーブ、
26a10 非回転軸部(軸部)、
26a20 回転軸部(軸部)、
26c 丸棒ドクタ(現像剤規制部材)、
26c1 一端側端部(端部)、 26c2 他端側端部(端部)、
26k 現像ケース(筐体)、
26m 軸受、
28 第1保持部材(保持部材)、
28a 第1穴部、
28a1 突起部、
28b 第2穴部、
28b1 突起部、
29 第2保持部材(保持部材)、
29a 第1穴部、
29a1 突起部、
29b 第2穴部、
29b1 突起部、
S1 仮想線、
S2 第1仮想線、 S3 第2仮想線。
【0047】
なお、本発明における態様は、例えば、以下の通り付記1~11の組み合わせとすることもできる。
(付記1)
像担持体に形成された潜像を現像する現像装置であって、
現像剤を担持する現像ローラと、
前記現像ローラに対向して、前記現像ローラの表面に担持される現像剤の量を規制する丸棒状の現像剤規制部材と、
前記現像剤規制部材の端部が挿入される第1穴部と、前記現像ローラの端部に設けられた軸部が挿入される第2穴部と、が設けられて、前記端部と前記軸部とをそれぞれ保持する保持部材と、
を備え、
前記第1穴部と前記第2穴部とのうち少なくとも一方の穴部の内周面に、内側に向かって突出する突起部が形成されたことを特徴とする現像装置。
(付記2)
前記保持部材は、当該現像装置の軸方向両端部にそれぞれ着脱可能に設置されたことを特徴とする付記1に記載の現像装置。
(付記3)
前記現像ローラは、回転可能なスリーブと、前記スリーブの内部に非回転で設置された磁界発生部材と、を具備し、
2つの前記保持部材のうち、
軸方向一端側の前記保持部材は、前記第1穴部に前記現像剤規制部材の一端側端部が挿入されて、前記第2穴部に前記スリーブの軸部が軸受を介して挿入され、
軸方向他端側の前記保持部材は、前記第1穴部に前記現像剤規制部材の他端側端部が挿入されて、前記第2穴部に前記磁界発生部材の軸部が挿入されたことを特徴とする付記2に記載の現像装置。
(付記4)
前記突起部は、前記第1穴部における前記端部の位置、又は、前記第2穴部における前記軸部の位置、を定めるものであって、剛性を有することを特徴とする付記1~付記3のいずれかに記載の現像装置。
(付記5)
前記突起部は、軸方向に直交する断面でみたときに、前記第1穴部の穴中心と前記第2穴部の穴中心とを結ぶ仮想線上に形成された1つの突起部であることを特徴とする付記1~付記4のいずれかに記載の現像装置。
(付記6)
前記突起部は、軸方向に直交する断面でみたときに、前記第1穴部の穴中心と前記第2穴部の穴中心とを結ぶ仮想線を略等距離で跨ぐように形成された2つの突起部であることを特徴とする付記1~付記4のいずれかに記載の現像装置。
(付記7)
前記2つの突起部が形成された穴部において、軸方向に直交する断面でみたときに、前記2つの突起部のうち一方の突起部と前記穴部の穴中心とを結ぶ第1仮想線と、前記2つの突起部のうち他方の突起部と前記穴中心とを結ぶ第2仮想線と、がなす角度が、20°以上であって150°以下であることを特徴とする付記6に記載の現像装置。
(付記8)
前記突起部が形成された穴部において、前記突起部は前記穴部の穴中心よりも相手側の穴部から離れる側に形成されたことを特徴とする付記1~付記7のいずれかに記載の現像装置。
(付記9)
前記突起部が形成された穴部において、前記突起部は前記穴部の穴中心よりも相手側の穴部に近づく側に形成されたことを特徴とする付記1~付記7のいずれかに記載の現像装置。
(付記10)
画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
付記1~付記9のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを一体的に備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
(付記11)
付記1~付記9のいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】