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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168031
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】基板処理システム及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20241128BHJP
   B25J 19/06 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01L21/68 B
B25J19/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084415
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】村田 啓史
(72)【発明者】
【氏名】八尾 憲治
(72)【発明者】
【氏名】榎本 正志
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS24
3C707BT14
3C707CS04
3C707DS01
3C707HT02
3C707JS02
3C707MS14
3C707MS15
3C707MS24
3C707NS13
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA12
5F131AA32
5F131BA12
5F131BA13
5F131BA14
5F131BB02
5F131BB03
5F131CA70
5F131DA33
5F131DA34
5F131DB22
5F131DB54
5F131DB62
5F131DB72
5F131DB92
5F131KA12
5F131KA52
5F131KB12
5F131KB45
(57)【要約】
【課題】フォークを往復運動させるベルトの劣化を検出する基板処理システム及び基板処理方法が提供する。
【解決手段】
基板処理システムは、基板を支持するフォークと、アクチュエータと、アクチュエータの動きを変位方向の動きに変換してフォークに伝達するベルトと、を有する搬送装置と、フォークが基板を支持した状態において、フォークに対する基板の相対位置を検出する相対位置検出部と、フォークが基板の支持を繰り返すのに応じた相対位置の推移に基づいて、ベルトの劣化を検出する劣化検出部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するフォークと、
アクチュエータと、
前記アクチュエータの動きを変位方向の動きに変換して前記フォークに伝達するベルトと、
を有する搬送装置と、
前記フォークが前記基板を支持した状態において、前記フォークに対する前記基板の相対位置を検出する相対位置検出部と、
前記フォークが前記基板の支持を繰り返すのに応じた前記相対位置の推移に基づいて、前記ベルトの劣化を検出する劣化検出部と、を備える基板処理システム。
【請求項2】
所定期間における前記相対位置の変化量を算出する算出部を更に備え、
前記劣化検出部は、算出された前記変化量に基づいて劣化を検出する、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記算出部は、前記相対位置の変化速度が所定の速度閾値を超えた時点からの前記所定期間における前記変化量を算出する、請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記算出部は、
第1期間における前記相対位置の第1変化量を算出する第1算出部と、
前記第1期間よりも短い第2期間における前記相対位置の第2変化量を算出する第2算出部と、を有し、
劣化検出部は、前記第1算出部により算出された前記第1変化量と、前記第2算出部により繰り返し算出された複数の前記第2変化量とに基づいて劣化を検出する、請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記劣化検出部は、
前記第1算出部により算出された前記第1変化量が第1閾値を超えた場合に前記ベルトの劣化を検出し、
前記第2算出部により連続して算出された2以上の前記第2変化量のそれぞれが、前記第1閾値よりも小さい第2閾値を超えた場合に、前記ベルトの劣化を検出する、請求項4に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記劣化検出部は、前記第2算出部による算出の繰り返しに応じて、前記第2算出部による前記第2変化量の算出結果が増加している場合に、前記ベルトの劣化を検出する、請求項4に記載の基板処理システム。
【請求項7】
前記第2算出部により算出された複数の前記第2変化量に基づいて、前記第1期間における前記推移を補正する補正部を更に備え、
前記第1算出部は、補正後の前記推移に基づいて、前記第1期間における前記第1変化量を算出する、請求項4に記載の基板処理システム。
【請求項8】
前記補正部は、前記第2算出部により算出された複数の前記第2変化量に基づいて、前記相対位置の増減の繰り返しを検出し、前記増減の繰り返しを抑制するフィルタ処理によって前記推移を補正する、請求項7に記載の基板処理システム。
【請求項9】
前記補正部は、前記第2算出部により算出された複数の前記第2変化量に基づいて、前記搬送装置のメンテナンスに起因する前記相対位置のドリフト変動を検出し、前記ドリフト変動を除外するように前記推移を補正する、請求項7又は8に記載の基板処理システム。
【請求項10】
前記補正部は、前記第2算出部により算出された複数の前記第2変化量の少なくともいずれかが所定のドリフト閾値を超えた場合に、前記ドリフト変動を検出する、請求項9に記載の基板処理システム。
【請求項11】
前記搬送装置のメンテナンスの履歴を記録するメンテナンス記録部を更に備え、
前記補正部は、
前記第2変化量が前記ドリフト閾値を超えた期間における前記メンテナンスの履歴が前記メンテナンス記録部にあるか否かに更に基づいて前記ドリフト変動を検出する、請求項10に記載の基板処理システム。
【請求項12】
前記補正部は、前記第2変化量が前記ドリフト閾値を超えた期間の前後の前記相対位置の推移の類似度に更に基づいて前記ドリフト変動を検出する、請求項10に記載の基板処理システム。
【請求項13】
前記フォークが前記基板の支持を繰り返すのに応じて、前記フォークによる前記基板の受け取り先の識別情報と、前記相対位置の検出結果とを対応付けてデータベースに蓄積するデータ蓄積部と、
前記受け取り先が共通である前記相対位置の検出結果の推移をデータベースから抽出する抽出部と、
を更に備え、
前記劣化検出部は、前記抽出部により抽出された推移に基づいて、前記ベルトの劣化を検出する、請求項1又は2に記載の基板処理システム。
【請求項14】
前記搬送装置を含む複数の搬送装置のそれぞれにおいて、前記フォークが前記基板の支持を繰り返すのに応じて、前記フォークにより前記基板を支持した搬送装置の識別情報と、前記相対位置の検出結果とを対応付けてデータベースに蓄積するデータ蓄積部と、
共通の搬送装置の前記フォークにおける前記相対位置の検出結果の推移をデータベースから抽出する抽出部と、
を更に備え、
前記劣化検出部は、前記抽出部により抽出された推移に基づいて、前記ベルトの劣化を検出する、請求項1又は2に記載の基板処理システム。
【請求項15】
前記フォークは、支持対象の前記基板に接した時点における前記相対位置を維持するように前記基板を吸着する吸着部を含む、請求項1又は2に記載の基板処理システム。
【請求項16】
前記搬送装置を含む基板処理装置と、
前記基板処理装置と通信可能なサーバと、
を備え、
前記劣化検出部は前記サーバに設けられている、請求項1又は2に記載の基板処理システム。
【請求項17】
前記基板に対し処理を行う処理ユニットと、
前記フォークが支持した前記基板を前記搬送装置が前記処理ユニットに搬入する際における前記相対位置の検出結果と、前記フォークが支持した前記基板を前記搬送装置が前記処理ユニットから搬出する際における前記相対位置の検出結果と、の差分に基づいて、前記処理ユニットの異常を検出するユニット異常検出部と、
を更に備える、請求項1又は2に記載の基板処理システム。
【請求項18】
前記処理ユニットを含む複数の処理ユニットを備え、
前記ユニット異常検出部は、前記複数の処理ユニットに共通する前記差分に基づいて、前記基板処理システムの設置の異常を更に検出する、請求項17に記載の基板処理システム。
【請求項19】
前記搬送装置を含む複数の搬送装置と、
前記複数の搬送装置のそれぞれに対する前記劣化検出部による劣化の検出結果を、前記複数の搬送装置がそれぞれ配置される複数のエリアの位置関係に合わせてレイアウトしたマップをモニタに表示させるマップ表示部と、
を更に備える、請求項1又は2に記載の基板処理システム。
【請求項20】
基板処理システムにおいて、搬送装置がベルトにより変位させるフォークが基板を支持する度に、前記フォークに対する前記基板の相対位置を検出することと、
前記相対位置の検出結果の推移に基づいて、前記ベルトの劣化を検出することと、を含む基板処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理システム及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板を保持する保持アーム(フォーク)を往復運動させる駆動部が開示されている。この駆動部は、プーリと、ベルトと、モータとを有している。この駆動部は、モータによるトルクをプーリに伝える。プーリにかけ渡されたベルトが移動することにより、保持アームが往復運動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-174833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、フォークを往復運動させるベルトの劣化を検出する基板処理システム及び基板処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による基板処理システムは、基板を支持するフォークと、アクチュエータと、前記アクチュエータの動きを変位方向の動きに変換して前記フォークに伝達するベルトと、を有する搬送装置と、前記フォークが前記基板を支持した状態において、前記フォークに対する前記基板の相対位置を検出する相対位置検出部と、前記フォークが前記基板の支持を繰り返すのに応じた前記相対位置の推移に基づいて、前記ベルトの劣化を検出する劣化検出部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、フォークを往復運動させるベルトの劣化を検出する基板処理システム及び基板処理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、基板処理システムの一例を示す模式的な斜視図である。
図2図2は、塗布現像装置の一例を示す模式図である。
図3図3は、搬送ユニットの一例を模式的に示す側面図である。
図4図4は、搬送ユニットの一例を模式的に示す平面図である。
図5図5は、フォークの一例を模式的に示す平面図である。
図6図6は、基板処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、データベースに蓄積されるデータの一例である。
図8図8は、相対位置の推移を蓄積する方法を示すフローチャートである。
図9図9は、ベルトの劣化を検出する方法を示すフローチャートである。
図10図10は、相対位置の推移パターンの一例を示すグラフである。
図11図11は、相対位置の推移パターンの別の一例を示すグラフである。
図12図12は、相対位置の推移パターンの別の一例を示すグラフである。
図13図13は、相対位置の推移パターンの別の一例を示すグラフである。
図14図14は、相対位置の推移パターンの別の一例を示すグラフである。
図15図15は、表示部によって表示されるマップの一例である。
図16図16は、処理ユニットの異常を検出する方法を示すフローチャートである。
図17図17は、相対位置の搬入時と搬出時との差分の算出結果の一例を示すグラフである。
図18図18は、変形例に係る基板処理システムの動作の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】
[基板処理システム]
図1に示される基板処理装置10は、ワークWに対し、感光性被膜の形成、当該感光性被膜の露光、及び当該感光性被膜の現像を施すシステムである。処理対象のワークWは、例えば基板、あるいは所定の処理が施されることで膜又は回路等が形成された状態の基板である。ワークWに含まれる基板は、一例として、シリコンを含むウェハである。ワークW(基板)は、円形に形成されていてもよい。処理対象のワークWは、ガラス基板、マスク基板、FPD(Flat Panel Display)などであってもよく、これらの基板等に所定の処理が施されて得られる中間体であってもよい。感光性被膜は、例えばレジスト膜である。
【0010】
基板処理装置10は、塗布・現像装置2と、露光装置3とを備える。露光装置3は、ワークW(基板)に形成されたレジスト膜(感光性被膜)を露光する装置である。具体的には、露光装置3は、液浸露光等の方法によりレジスト膜の露光対象部分にエネルギー線を照射する。塗布・現像装置2は、露光装置3による露光処理前に、ワークWの表面にレジスト(薬液)を塗布してレジスト膜を形成する処理を行い、露光処理後にレジスト膜の現像処理を行う。
【0011】
以下、基板処理装置10の一例として、塗布・現像装置2の構成を説明する。図1及び図2に示されるように、塗布・現像装置2は、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インタフェースブロック6と、制御装置100とを備える。
【0012】
キャリアブロック4は、塗布・現像装置2内へのワークWの導入及び塗布・現像装置2内からのワークWの導出を行う。例えばキャリアブロック4は、ワークW用の複数のキャリアCを支持可能であり、受け渡しアームを含む搬送装置A1を内蔵している。キャリアCは、例えば円形の複数枚のワークWを収容する。搬送装置A1は、キャリアCからワークWを取り出して処理ブロック5に渡し、処理ブロック5からワークWを受け取ってキャリアC内に戻す。処理ブロック5は、処理モジュール11,12,13,14を有する。
【0013】
処理モジュール11は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール11は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりワークWの表面上に下層膜を形成する。液処理ユニットU1は、下層膜形成用の処理液をワークW上に塗布する。熱処理ユニットU2は、下層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0014】
処理モジュール12は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール12は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2により下層膜上にレジスト膜を形成する。液処理ユニットU1は、レジスト膜形成用の処理液(レジスト)を下層膜上に塗布する。熱処理ユニットU2は、レジスト膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0015】
処理モジュール13は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール13は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりレジスト膜上に上層膜を形成する。液処理ユニットU1は、上層膜形成用の処理液をレジスト膜の上に塗布する。熱処理ユニットU2は、上層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0016】
処理モジュール14は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール14は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2により、露光処理が施されたレジスト膜の現像処理及び現像処理に伴う熱処理を行う。液処理ユニットU1は、露光済みのワークWの表面上に現像液を塗布した後、これをリンス液により洗い流すことで、レジスト膜の現像処理を行う。熱処理ユニットU2は、現像処理に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、現像処理前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)、現像処理後の加熱処理(PB:Post Bake)等が挙げられる。
【0017】
処理ブロック5内におけるキャリアブロック4側には棚ユニットU10が設けられている。棚ユニットU10は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10の近傍には昇降アームを含む搬送装置A7が設けられている。搬送装置A7は、棚ユニットU10のセル同士の間でワークWを昇降させる。
【0018】
処理ブロック5内におけるインタフェースブロック6側には棚ユニットU11が設けられている。棚ユニットU11は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10,U11は、ワークWに次の処理を行うために当該ワークWを待機させるので(バッファとして機能するので)、これら棚ユニットU10,U11もワークWに対して処理を施す処理ユニットに該当する。
【0019】
インタフェースブロック6は、露光装置3との間でワークWの受け渡しを行う。例えばインタフェースブロック6は、受け渡しアームを含む搬送装置A8を内蔵しており、露光装置3に接続される。搬送装置A8は、棚ユニットU11に配置されたワークWを露光装置3に渡す。搬送装置A8は、露光装置3からワークWを受け取って棚ユニットU11に戻す。
【0020】
制御装置100は、塗布・現像装置2を制御する。制御装置100は、少なくとも、搬送装置A3,A7,A8に含まれるフォークにワークWを保持させた状態で、当該フォークを変位させて、各処理ユニットに対するワークWの搬入出を行うように搬送装置A3,A7,A8を制御する。
【0021】
次に、図3及び図4を参照して、搬送装置A3の一例について詳細に説明する。搬送装置A3(搬送ユニット)は、各処理モジュール11~14内において、ワークWを保持した状態で当該ワークWを搬送する。搬送装置A3は、各処理モジュール11~14に含まれる複数の処理ユニットの間でワークWを搬送する。各処理モジュール11~14では、複数の液処理ユニットU1及び複数の熱処理ユニットU2が、水平な一方向に沿って並んで配置されている。以下では、説明の便宜上、複数の液処理ユニットU1が並ぶ方向を「方向DR1」とし、方向DR1に垂直な方向を「方向DR2」とし、方向DR1及び方向DR2に垂直な方向を「方向DR3」として説明する。例えば方向DR2は水平であり、方向DR3は鉛直である。搬送装置A3は、少なくとも方向DR2に沿ってワークWを移動させるように構成されている。
【0022】
搬送装置A3は、フォーク20を有する。フォーク20は、ワークWを保持するように構成されている。フォーク20は、ワークWの一方の主面Waが上方を向くように保持する。主面Waは、液処理ユニットU1においてレジストの塗布膜が形成される面である。フォーク20は、ワークWの周縁を囲み、ワークWの主面Waとは反対側の主面Wb(裏面)の周縁部を支持するように形成されていてもよい。搬送装置A3は、ワークWを保持したフォーク20を変位させることで液処理ユニットU1に対するワークWの搬入出を行う。つまり、搬送装置A3は、フォーク20を変位させることで一の液処理ユニットU1にワークWを搬入し、フォーク20を変位させることで当該液処理ユニットU1からワークWを搬出する。搬送装置A3は、複数の液処理ユニットU1に対するワークWの搬入出を行ってもよい。
【0023】
搬送装置A3は、例えば、第1駆動ユニット30を更に有する。第1駆動ユニット30は、フォーク20を少なくとも方向DR2に沿って移動させるように構成されている。第1駆動ユニット30は、例えば、図3に示されるように、駆動部32と、駆動部31と、基台48と、天板49とを有する。
【0024】
駆動部32は、基台48上において、モータ等の動力源によって、水平な一方向に沿ってフォーク20を往復移動させるように構成されたアクチュエータである。駆動部32は、少なくとも方向DR2(変位方向)に沿ってフォーク20を移動させる(往復移動させる)。駆動部32がフォーク20を方向DR2に変位させることにより、フォークに保持されているワークWが方向DR2に沿って移動する。
【0025】
駆動部32は、例えば、図3に示されるように、筐体34と、スライド部材36と、プーリ38a,38bと、ベルト42と、モータ44とを含む。筐体34は、駆動部32に含まれる各要素を収容する。筐体34の上壁には、開口34aが設けられている。スライド部材36は、筐体34に対して移動可能に設けられている。スライド部材36は、例えば、鉛直方向に沿って延びるように形成されている。スライド部材36の下端部は、筐体34内においてベルト42に接続されている。スライド部材36の上端部は、開口34aを通して筐体34外に突出しており、スライド部材36の上端部にはフォーク20の基端部が接続されている。プーリ38a,38bはそれぞれ、方向DR2における筐体34内の各端部に配置されている。プーリ38a,38bはそれぞれ、方向DR1に沿う回転軸まわりに回転可能に筐体34内に設けられている。
【0026】
ベルト42は、プーリ38a,38bに架け渡されている。ベルト42は、例えばタイミングベルトである。モータ44は、回転トルクを発生させる動力源である。モータ44は、例えばサーボモータである。モータ44によるトルク(駆動力)がプーリ38aに伝達されると、プーリ38a,38bに架け渡されたベルト42が、方向D2に沿って移動する。これにより、スライド部材36も方向DR2に移動する(フォーク20が方向DR2に変位する)。
【0027】
天板49は、フォーク20が支持するワークWの主面Waに対向するように、フォーク20の上方において水平に広がり、支柱SP等によって基台48又は筐体34等に固定されている。
【0028】
図4に示されるように、駆動部31は、モータ等の動力源によって水平な一方向に沿って基台48を往復移動させるように構成されたアクチュエータである。駆動部31は、少なくとも方向DR1(変位方向)に沿って基台48を駆動部32及びフォーク20と共に移動させる(往復移動させる)。駆動部31がフォーク20を方向DR1に変位させることにより、フォーク20に保持されているワークWが方向DR1に沿って移動する。
【0029】
以上のように構成された第1駆動ユニット30は、ベルト72を介してモータ71の動力を基台48に伝え、方向DR1における一方に向かってフォーク20を前進・後退させる。また、第1駆動ユニット30は、ベルト42を介してモータ44の動力をスライド部材36に伝え、方向DR2における一方に向かってフォーク20を前進・後退させる。第1駆動ユニット30が、方向DR2においてフォーク20を最も後退させた状態において、フォーク20が支持するワークWは天板49の下に位置する。
【0030】
図5に示されるように、フォーク20は、前進方向に延びた一対のフォークティン20A,20Bを有する。一対のフォークティン20A,20Bは、互いに同じ高さにて、DR1に沿って並んでいる。一対のフォークティン20A,20Bは、上方から見て、互いに同心の円弧状に湾曲していてもよい。以下、上方から見たフォークティン20A,20Bの湾曲の中心を、「フォーク20の中心」という。フォーク20には、複数の保持爪21A~21Dが形成されている。保持爪21A,21Bは、フォークティン20A,20Bの内縁から、フォーク20の中心に向かって突出している。保持爪21C,21Dは、フォークティン20A,20Bの内縁から、フォーク20の中心に向かって突出する。複数の保持爪21A~21Dは、ワークWの周縁部を支持する。図5の例では、フォーク20に四つの保持爪21A~21Dが設けられているが、保持爪21A~21Dの数は四つに限られない。
【0031】
図5に示されるように、複数の保持爪21A~21Dのそれぞれには、複数の吸着部22A~22Dが設けられている。複数の吸着部22A~22Dは、複数の保持爪21A~21DがワークWの周縁部を支持した状態にて、ワークWの周縁部を真空吸着することによって、ワークWを複数の保持爪21A~21D上に保持するものである。保持爪21A~21DのそれぞれがワークWの周縁部を支持する状態では、ワークWの中心がフォーク20の中心の近傍に配置される。フォーク20はテーパ面等によるワークWのアラインメント部を有しないので、フォーク20の中心に対するワークWの中心のずれは、少なくとも吸着部22A~22Dによる真空吸着が行われている間は維持されることとなる。
【0032】
搬送装置A3は、複数の光源51A~51Dと、複数のセンサ52A~52Dとを更に有する。複数の光源51A~51D及び複数のセンサ52A~52Dは、フォーク20がワークWを保持した状態で後退しているときに、フォーク20が保持しているワークWの周縁部の位置を、それぞれ異なる位置で検出する。複数の光源51A~51Dは、フォーク20よりも下に位置し、例えば基台48に固定されている。複数のセンサ52A~52Dは、フォーク20よりも上に位置し、例えば天板49に固定されている。複数の光源51A~51Dは、方向D2においてフォーク20が最も後退した状態にて、フォーク20の中心を囲むように並んでいる。複数のセンサ52A~52Dは、方向DR3において、複数の光源51A~51Dにそれぞれ対向する。複数の光源51A~51Dは、例えば発光ダイオードであり、複数のセンサ52A~52Dに向かって光をそれぞれ照射する。複数のセンサ52A~52Dは、例えばリニアイメージセンサであり、複数の光源51A~51Dからの光をそれぞれ受光する。複数の光源51A~51Dからの光の一部は、フォーク20が支持するワークWの周縁部によって妨げられる。複数のセンサ52A~52Dのそれぞれにおける受光範囲は、フォーク20に対するワークWの相対位置によって変わる。このため、複数のセンサ52A~52Dのそれぞれにおける受光範囲に基づいて、フォーク20に対するワークWの相対位置を検出することができる。図5の例では、四つの光源51A~51Dと、四つのセンサ52A~52Dとが設けられているが、光源及びセンサの組み合わせ数は四組に限られない。
【0033】
続いて、図6を参照して実施形態に係る基板処理システム1の一例について説明する。基板処理システム1は、前述した基板処理装置10と、サーバ50とを備える。基板処理装置10は、表示部61を更に有してもよい。サーバ50は、相対位置検出部51と、データ蓄積部52と、データベース53と、抽出部54と、ユニット異常検出部55と、第2算出部56と、補正部57と、メンテナンス記録部58と、第1算出部59と、劣化検出部60とを有する。
【0034】
相対位置検出部51は、複数のセンサ52A~52Dのそれぞれの受光範囲に基づいて、フォーク20に対するワークWの相対位置を検出する。相対位置とは、例えば、フォーク20の中心を原点とする座標系において、フォーク20により支持されたワークWの中心の位置座標により表されてもよい。例えば、相対位置検出部51は、複数の光源51A~51Dからの光を受光した画素と受光していない画素との境界の位置に基づいて、上記座標系における周縁部の位置座標を算出してもよい。そして、相対位置検出部51は、ワークWの周縁部の位置座標に基づいて、上記座標系におけるワークWの中心座標を算出してもよい。このように算出されたワークWの中心座標が相対位置となる。相対位置検出部51は、相対位置の検出結果をデータ蓄積部52に出力する。
【0035】
データ蓄積部52は、相対位置検出部51から入力された相対位置の検出結果と、搬送装置A3がワークWを受け取った時刻と、ワークWの受け取り先の識別情報と、ワークWを支持した搬送装置A3の識別情報と、を対応付けたレコードをデータベース53に蓄積する。データ蓄積部52は、フォーク20がワークWの支持を繰り返すのに応じて、言い換えれば、処理ユニットからワークWを受け取るのに応じて、レコードをデータベース53に蓄積してもよい。ワークWの受け取り先とは、例えば、液処理ユニットU1、熱処理ユニットU2、棚ユニットU10,U11のいずれか一つである。受け取り先は、処理ユニットと言い換えることができる。受け取り先の識別情報とは、例えば、受け取り先毎に割り振られたIDである。搬送装置A3の識別情報とは、例えば、基板処理装置10内に複数設けられた搬送装置A3のそれぞれに割り振られたIDである。データベース53には、相対位置の検出結果が受け取り先の識別情報及び搬送装置の識別情報に対応づいた状態において、時系列で蓄積されてもよい。言い換えれば、相対位置の検出結果の推移が蓄積されてもよい。図7は、データ蓄積部52がデータベース53に蓄積するデータの一例である。図7の例では、レコードRC1~RC4が列方向に沿って時系列で並んでいる。
【0036】
抽出部54は、受け取り先の識別情報及び搬送装置A3の識別情報が共通である相対位置の検出結果の推移を第1抽出データとしてデータベース53から抽出する。例えば、抽出部54は、データベース53に時系列で蓄積されたレコードの中から、受け取り先の識別情報及び搬送装置A3の識別情報が共通であるレコードを第1抽出データとして抽出する。抽出部54は、フォーク20がワークWの支持を繰り返す度に、第1抽出データをデータベース53から抽出してもよい。レコードは時系列で並んでいることから、第1抽出データから検出結果の推移を把握することができる。図7の例では、レコードRC2及びレコードRC4は、受け取り先がユニットFFで共通であり、搬送装置A3が装置BBで共通である。よって、抽出部54は、レコードRC2及びレコードRC4を第1抽出データとして抽出する。図7の例では、第1抽出データが二つのレコードによって構成されているが、第1抽出データは三つ以上のレコードによって構成されてもよい。抽出部54は、第1抽出データを、第1算出部59,第2算出部56、及び補正部57に出力する。
【0037】
抽出部54は、搬送装置A3がワークWを処理ユニットに搬入する際における相対位置の検出結果と、搬送装置A3がワークWを処理ユニットから搬出する際における相対位置の検出結果とを、第2抽出データとしてデータベース53から抽出してもよい。搬入する際における相対位置とは、フォーク20が支持したワークWを共通の搬送装置A3が共通の処理ユニットに搬入する際における相対位置であってもよい。搬出する際における相対位置とは、フォーク20が支持したワークWを共通の搬送装置A3が共通の処理ユニットから搬出する際における相対位置であってもよい。抽出部54は、例えば、フォーク20がワークWの支持を繰り返す度に、ワークWを支持した搬送装置A3のレコードの抽出と共に、ワークWを支持した搬送装置A3による直前のレコードを探索し、抽出したレコード及び直前のレコードを第2抽出データとして抽出してもよい。図7の例では、例えば、搬送装置A3がワークWをユニットDDから搬出した後に、ユニットEEに搬入するものとした場合に、共通の処理ユニットをユニットEEとする。この場合、レコードRC1における相対位置は、装置AAがユニットEEにワークWを搬入する際における相対位置の検出結果となり、レコードRC3における相対位置は、装置AAがユニットEEからワークWを搬出する際における相対位置の検出結果となる。よって、抽出部54は、レコードRC1及びレコードRC3を第2抽出データとして抽出する。図7の例では、第2抽出データが二つのレコードによって構成されているが、第2抽出データは三つ以上のレコードによって構成されてもよい。抽出部54は、第2抽出データをユニット異常検出部55に出力する。
【0038】
ユニット異常検出部55は、抽出部54から入力された第2抽出データに基づいて、搬入する際における相対位置の検出結果と、搬出する際における相対位置の検出結果との差分を算出する。図7の例では、ユニット異常検出部55は、レコードRC1の相対位置とレコードRC3の相対位置との差分を算出する。ユニット異常検出部55は、算出した差分に基づいて、処理ユニットの異常を検出する。ユニット異常検出部55は、複数の処理ユニットに共通する差分に基づいて、基板処理システムの設置の異常を更に検出してもよい。ユニット異常検出部55は、例えば、共通の処理ユニットをユニットEEとした場合の差分と共通の処理ユニットをユニットFFとした場合の差分との間において共通する差分を算出する。そして、ユニット異常検出部55は、共通する差分が共通閾値を超えた場合に基板処理システム1の設置の異常を検出する。ユニット異常検出部55は、個別の処理ユニットの異常を検出してもよい。ユニット異常検出部55は、処理ユニット毎に算出した差分が、差分閾値を超えた場合に、その処理ユニットの異常を検出してもよい。
【0039】
第1算出部59(算出部)及び第2算出部56(算出部)は、所定期間における相対位置の変化量を算出する。所定期間が開始するタイミングは、相対位置の変化速度が所定の速度閾値を超えた時点であってもよい。第1算出部59は、抽出部54から入力された相対位置の推移に基づいて、第1期間における相対位置の第1変化量を算出してもよい。第2算出部56は、抽出部54から入力された相対位置の推移(第1抽出データ)に基づいて、第2期間における相対位置の第2変化量を算出してもよい。第2期間は、第1期間よりも短い。第2期間は、第1期間の間に複数回繰り返される。第1変化量が1回算出されるのに対して、第2変化量は複数回繰り返し算出される。第1算出部59は、算出した第1変化量を劣化検出部60に出力する。第2算出部56は、算出した第2変化量を劣化検出部60に出力すると共に、補正部57及び表示部61に出力する。
【0040】
補正部57は、第2算出部56から入力された複数の第2変化量に基づいて、特異的な変動が検出された場合は、第1期間における推移を補正する。特異的な変動とは例えば、搬送装置A3のメンテナンスに起因する相対位置のドリフト変動である。補正部57は、複数の第2変化量の少なくともいずれかが所定のドリフト閾値を超えた場合に、ドリフト変動を検出する。補正部57は、ドリフト変動を検出するうえで、さらに、第2変化量がドリフト閾値を超えた期間におけるメンテナンスの履歴あるか否か確認してもよい。メンテナンスの履歴は、例えば、メンテナンス記録部58に記憶されている。確認した結果、メンテナンスの履歴がある場合は、補正部57は、抽出部54から入力した相対位置の推移を補正してもよい。補正部57は、ドリフト変動を検出するうえで、さらに、第2変化量がドリフト閾値を超えた期間の前後の相対位置の推移の類似度に更に基づいてドリフト変動を検出してもよい。相対位置の推移の類似度に基づいた検出とは、例えば、ドリフト変動が発生した期間の前後の推移のデータが予め補正部57に記録されており、補正部57が当該データと照合することで、類似度があるかどうか検出する。補正部57は、ドリフト変動を検出した場合、ドリフト変動を除外するように推移を補正してもよい。例えば、補正部57は、複数の第2期間のうち、ドリフト変動が発生した期間以降においては、抽出部54から抽出した相対位置の推移に対して、統計処理することで、補正後の推移パターンを生成してもよい。
【0041】
特異的な変動の別の一例として、複数の第2期間に亘って発生する相対位置の増減の繰り返しがある。補正部57は、第2算出部56により算出された複数の第2変化量に基づいて、相対位置の増減の繰り返しを検出してもよい。補正部57は、増減の繰り返しを抑制するフィルタ処理によって推移を補正してもよい。例えば、補正部57は、抽出部54から抽出した相対位置の推移に対して、統計処理することで、相対位置の増減が平滑化された補正後の推移パターンを生成する。
【0042】
第1算出部59は、補正部57が特異的な変動に基づいて相対位置の推移を補正した場合、補正後の推移パターンに基づいて、第1期間における第1変化量を算出する。
【0043】
劣化検出部60は、フォーク20がワークWの支持を繰り返すのに応じた相対位置の推移に基づいて、ベルト42の劣化を検出する。劣化検出部60は、第1算出部59(算出部)及び第2算出部56(算出部)によって算出された変化量に基づいて劣化を検出する。第1算出部59(算出部)及び第2算出部56(算出部)が、抽出部54から相対位置の推移を取得することから、劣化検出部60は、抽出部54により抽出された推移に基づいて、ベルト42の劣化を検出すると言い換えることもできる。
【0044】
劣化検出部60は、第1算出部59により算出された第1変化量と、第2算出部56により繰り返し算出された複数の第2変化量とに基づいて劣化を検出してもよい。例えば劣化検出部60は、第2算出部56により連続して算出された2以上の第2変化量のそれぞれが、第2閾値を超えた場合に、ベルト42の劣化を検出する。劣化検出部60は、第2算出部56による算出の繰り返しに応じて、第2算出部56による第2変化量の算出結果が増加している場合に、ベルト42の劣化を検出してもよい。劣化検出部60は、連続して算出された2以上の第2変化量のそれぞれが第2閾値を超え、更に第2変化量の算出結果が増加している場合に、ベルト42の劣化を検出してもよい。劣化検出部60は、第1算出部59により算出された第1変化量が第1閾値を超えた場合にベルト42の劣化を検出してもよい。第1閾値は、第2閾値よりも大きい。以上のことから、劣化検出部60は、第1期間における第1変化量と、第1期間よりも短い第2期間にて繰り返し検出された複数の第2変化量との組み合わせに基づくことで、ベルト42の劣化を検出する。劣化検出部60は、劣化を検出した結果を表示部61に出力する。
【0045】
表示部61は、劣化検出部60から入力された劣化を検出した結果に基づいて、ユーザに搬送装置A3のベルト42の状態を通知してもよい。例えば、表示部61は、複数の搬送装置A3のそれぞれに対する劣化検出部60による劣化の検出結果を、複数の搬送装置A3がそれぞれ配置される複数のエリアの位置関係に合わせてレイアウトしたマップをモニタに表示させる。
【0046】
[基板処理方法]
続いて、本実施形態における基板処理方法について説明する。まず制御装置100は、キャリアC内のワークWを棚ユニットU10に搬送するように搬送装置A1を制御し、このワークWを処理モジュール11用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
【0047】
次に、制御装置100は、ワークWの主面Wa上に下層膜を形成するように処理モジュール11を制御する。例えば、制御装置100は、液処理ユニットU1にワークWを搬送するように処理モジュール11の搬送装置A3を制御する。そして、制御装置100は、ワークWの主面Wa上に下層膜形成用の処理液の塗布膜が形成されるように液処理ユニットU1を制御する。制御装置100は、塗布膜が形成されたワークWを熱処理ユニットU2に搬送するように処理モジュール11の搬送装置A3を制御する。そして、制御装置100は、ワークWの主面Wa上に下層膜が形成されるように熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、下層膜が形成された後のワークWを棚ユニットU10に戻すように処理モジュール11の搬送装置A3を制御し、このワークWを処理モジュール12用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
【0048】
次に、制御装置100は、下層膜が形成された後のワークWの主面Wa上にレジスト膜を形成するように処理モジュール12を制御する。例えば、制御装置100は、棚ユニットU10のワークWを処理モジュール12内のいずれかの液処理ユニットU1に搬送するように処理モジュール12の搬送装置A3を制御する。そして、制御装置100は、ワークWの主面Wa上にレジストの塗布膜が形成されるように液処理ユニットU1を制御する。制御装置100は、レジストの塗布膜が形成されたワークWを熱処理ユニットU2に搬送するように処理モジュール12の搬送装置A3を制御する。そして、制御装置100は、ワークWの主面Wa上にレジスト膜が形成されるように熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、レジスト膜が形成された後のワークWを棚ユニットU10に戻すように処理モジュール12の搬送装置A3を制御し、このワークWを処理モジュール13用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
【0049】
次に、制御装置100は、レジスト膜が形成された後のワークWの主面Wa上に上層膜を形成するように処理モジュール13を制御する。例えば、制御装置100は、液処理ユニットU1にワークWを搬送するように処理モジュール13の搬送装置A3を制御する。そして、制御装置100は、ワークWの主面Wa上に上層膜形成用の処理液の塗布膜が形成されるように液処理ユニットU1を制御する。制御装置100は、塗布膜が形成されたワークWを熱処理ユニットU2に搬送するように処理モジュール13の搬送装置A3を制御する。そして、制御装置100は、ワークWの主面Wa上に上層膜が形成されるように熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、上層膜が形成された後のワークWを棚ユニットU11に搬送するように処理モジュール13の搬送装置A3を制御する。
【0050】
次に制御装置100は、棚ユニットU11のワークWを露光装置3に送り出すように搬送装置A8を制御する。その後制御装置100は、露光処理が施されたワークWを露光装置3から受け入れて、棚ユニットU11における処理モジュール14用のセルに配置するように搬送装置A8を制御する。
【0051】
次に制御装置100は、露光処理が施された後のワークWに現像処理を施すように処理モジュール14を制御する。例えば、制御装置100は、熱処理ユニットU2にワークWを搬送するように処理モジュール14の搬送装置A3を制御した後に、このワークWのレジスト膜に現像前の熱処理を施すように熱処理ユニットU2を制御する。そして、制御装置100は、現像前の加熱処理が施されたワークWを液処理ユニットU1に搬送するように処理モジュール14の搬送装置A3を制御した後に、このワークWのレジスト膜に現像処理を施すように液処理ユニットU1を制御する。
【0052】
その後、制御装置100は、現像処理が施されたワークWを熱処理ユニットU2に搬送するように処理モジュール14の搬送装置A3を制御した後に、このワークWのレジスト膜に現像後の熱処理を施すように熱処理ユニットU2を制御する。
【0053】
次に、制御装置100は、現像に伴う熱処理を含む現像処理が施された後のワークWをキャリアC内に戻すように搬送装置A7及び搬送装置A1を制御する。以上で1つのワークWについての塗布現像処理が完了する。
【0054】
基板処理方法は、相対位置の推移を蓄積する方法MT1及びベルト42の劣化を検出する方法MT2を含む。図8は、相対位置の推移を蓄積する方法MT1を示すフローチャートである。図9は、ベルト42の劣化を検出する方法MT2を示すフローチャートである。基板処理方法において、方法MT1及び方法MT2は並行して繰り返し行われる。
【0055】
図8に示される方法MT1において、データ蓄積部52は、搬送装置A3が処理ユニットからワークWを受け取ったかどうか判断する(ステップS11)。搬送装置A3が処理ユニットからワークWを受け取っていない場合(ステップS11:NO)、ステップS11が繰り返される。搬送装置A3が処理ユニットからワークWを受け取った場合(ステップS11:YES)、データ蓄積部52は、受け取り先の処理ユニットの識別IDを取得する(ステップS12)。続いて、データ蓄積部52は、ワークWを受け取った搬送装置A3の識別IDを取得する(ステップS13)。また、この際に、データ蓄積部52は、搬送装置A3がワークWを受け取った時刻を取得する。続いて、相対位置検出部51は、複数のセンサ52A~52Dから入力されたワークWの周縁部の位置に基づいて、フォーク20に対するワークWの相対位置を検出する(ステップS14)。
【0056】
続いて、データ蓄積部52は、図7に示されるように、相対位置検出部51が算出した相対位置と、受け取り先の処理ユニットの識別IDと、搬送装置A3の識別IDと、時刻とを一つのレコードとしてデータベース53に蓄積する(ステップS15)。図7の例では、レコードRC1~RC4が列方向に沿って時系列で並んでいる。データ蓄積部52がレコードをデータベース53に蓄積した後、方法MT1では、再びステップS11が開始される。
【0057】
図9に示される方法MT2において、まず、第2算出部56は、抽出部54から入力された相対位置の推移に基づいて、第2期間における相対位置の変化速度を算出する(ステップS21)。ステップS21には、抽出部54が、フォーク20がワークWの支持を繰り返す度に、第1抽出データをデータベース53から抽出する動作が含まれる。これにより、第2算出部56に入力される第1抽出データが、繰り返し更新される。変化速度とは、例えば、相対位置の変化量を時刻の差分で除算した値である。図7の例では、レコードRC2及びレコードRC4は、受け取り先がユニットFFで共通であり、搬送装置A3が装置BBで共通である。よって、受け取り先の識別情報及び搬送装置A3の識別情報が共通であるレコードとして、ステップS21において抽出される。そして、ステップS21で抽出された複数のレコードのうちいずれか2のレコード(例えばレコードRC4,RC2)に基づいて、変化速度を算出する。例えば第2算出部56は、レコードRC4の相対位置とレコードRC2の相対位置との差分(相対位置の変化量)をRC4の時刻とRC2の時刻との差分で除算することで変化速度を算出する。
【0058】
変化速度の算出後、第2算出部56は、変化速度が速度閾値を超えたかどうか判定する(ステップS22)。変化速度が速度閾値を超えたかどうかが、第2算出部56が第2変化量を算出するかどうかのトリガとなる。変化速度が閾値を超えていない場合(ステップS22:NO)、方法MT2は、ステップS21から再び開始される。変化速度が速度閾値を超えた場合(ステップS22:YES)、第2算出部56は、基板処理システムを動作させている期間が第2期間T2を経過したかどうか判定する(ステップS23)。第2期間T2を経過していない場合(ステップS23:NO)、第2算出部56は、第2変化量を算出せずに、ステップS23が繰り返される。第2期間を経過した場合(ステップS23:YES)、第2算出部56は、相対位置の変化速度が所定の速度閾値を超えた時点から第2期間が経過するまでの間における第2変化量を算出する(ステップS24)。ステップS24には、抽出部54が、フォーク20がワークWの支持を繰り返す度に、第1抽出データをデータベース53から抽出し、第2算出部56に出力する動作が含まれる。
【0059】
劣化検出部60は、第2算出部56により算出された複数の第2変化量のうち、2以上の連続した第2変化量のそれぞれが、連続して第2閾値Th2を超えたかどうか判定する(ステップS25)。2以上の第2変化量のそれぞれが、連続して第2閾値を超えた場合(ステップS25:YES)、劣化検出部60は、第2算出部56による算出の繰り返しに応じて、第2算出部56による第2変化量の算出結果が増加しているかどうか判定する(ステップS26)。第2変化量の算出結果が増加している場合(ステップS26:YES)、劣化検出部60は、ベルト42の劣化を検出する(ステップS27)。
【0060】
図10は、相対位置の推移を例示するグラフである。横軸は期間を表し、縦軸は相対位置を表している。T21~T28は、複数回繰り返される第2期間を表す。D21~D28は、第2期間T21~T28に対応する第2変化量を表す。図10では、D21~D23のみを図示している。図10に示される第1推移パターンPT1では、二回目の第2期間T22における第2変化量D22が第2閾値Th2を超えている。さらに三回目の第2期間T23における第2変化量D23が第2閾値Th2を超えている。つまり、二以上の第2変化量のそれぞれが、連続して第2閾値Th2を超えている。図10に示される第1推移パターンPT1では、三回目の第2期間T23における第2変化量D23が二回目の第2期間T22における第2変化量D22よりも増加している。従って、図10においては、3回目の第2期間T23において、ステップS25及びステップS26の両方がYES判定となり、ステップS27においてベルト42の劣化が検出される。
【0061】
図9に戻り、二以上の第2変化量D21~D28のそれぞれが、連続して第2閾値Th2を超えない場合(ステップS25:NO)、或いは、第2変化量D21~D28の算出結果が増加していない場合(ステップS26:NO)、補正部57は、第2算出部56により算出された複数の第2変化量D21~D28に基づいて、相対位置の増減の繰り返しが発生したかどうか検出する(ステップS28)。相対位置の増減の繰り返しが発生した場合(ステップS28:YES)、補正部57は、増減の繰り返しを抑制するフィルタ処理によって相対位置の推移を補正する(ステップS29)。ステップS29には、抽出部54が、フォーク20がワークWの支持を繰り返す度に、第1抽出データをデータベース53から抽出し、補正部57に出力する動作が含まれる。
【0062】
図11は、相対位置の別の推移を例示するグラフである。図11に示される第2推移パターンPT2では、1回目の第2期間T21~4回目の第2期間T24にかけて相対位置の増減の繰り返しが発生している。これにより、補正部57は、フィルタ処理によって第2推移パターンPT2を補正し、補正後の第2推移パターンPT21を生成する。補正方法としては、例えば、第2推移パターンPT2における相対位置に対して統計処理を行う。統計処理とは、例えば、第2推移パターンPT2における相対位置に対して、移動平均値を算出する。従って、図11においては、1回目の第2期間T21~4回目の第2期間T24において、ステップS28がYES判定となり、ステップS29において、補正部57がフィルタ処理によって相対位置の推移を補正する。
【0063】
図9に戻り、相対位置の増減の繰り返しが発生しない場合(ステップS28:NO)、補正部57は、第2算出部56により算出された複数の第2変化量D21~D28の少なくともいずれかが所定のドリフト閾値を超えたかどうか判定する(ステップS30)。複数の第2変化量D21~D28の少なくともいずれかが所定のドリフト閾値を超えた場合(ステップS30:YES)、ドリフト変動を検出する。具体的には、補正部57は、第2変化量D21~D28がドリフト閾値を超えた期間におけるメンテナンスの履歴がメンテナンス記録部58にあるか否か判定する(ステップS31)。メンテナンスの履歴がメンテナンス記録部58にある場合(ステップS31:YES)、補正部57は、第2変化量D21~D28がドリフト閾値を超えた期間の前後の相対位置の推移に対して類似度があるかどうか検出する(ステップS32)。相対位置の推移の類似度が検出された場合(ステップS32:YES)、補正部57は、ドリフト変動を除外するように相対位置の推移を補正する(ステップS33)。ステップS33には、抽出部54が、フォーク20がワークWの支持を繰り返す度に、第1抽出データをデータベース53から抽出し、補正部57に出力する動作が含まれる。
【0064】
図12は、相対位置の別の推移を例示するグラフである。図12に示される第3推移パターンPT3では、三回目の第2期間T23における第2変化量D23がドリフト閾値Thdを超えて上昇している。第3推移パターンPT3では、補正部57は、三回目の第2期間T23におけるメンテナンスの履歴がメンテナンス記録部58にあると判定する。つまり、ステップS31がYES判定となる。その後、補正部57は、第2期間T23の前後の相対位置の推移に対して類似度が検出されたと判定する。つまり、ステップS32がYES判定となる。そして、補正部57は、ドリフト変動を除外するように第3推移パターンPT3を補正し、補正後の第3推移パターンPT31を生成する。例えば、補正部57は、ドリフト閾値Thdを超えた三回目の第2期間T23における第2変化量D23を除外する。補正部57は、三回目の第2期間T23以降においては、第3推移パターンPT3における相対位置に対して、移動平均値を算出することで、補正後の第3推移パターンPT31を生成する。
【0065】
図13は、相対位置の別の推移を例示するグラフである。図13に示される第4推移パターンPT4では、四回目の第2期間T24における第2変化量D24がドリフト閾値Thdを超えて下降している。ドリフト変動では、相対位置が上昇する場合もあれば、下降する場合もあり得る。第4推移パターンPT4では、補正部57は、四回目の第2期間T24におけるメンテナンスの履歴がメンテナンス記録部58にあると判定する。つまり、ステップS31がYES判定となる。その後、補正部57は、第2期間T24の前後の相対位置の推移に対して類似度が検出されたと判定する。つまり、ステップS32がYES判定となる。そして、補正部57は、ドリフト変動を除外するように第4推移パターンPT4を補正し、補正後の第4推移パターンPT41を生成する。例えば、補正部57は、ドリフト閾値Thdを超えた四回目の第2期間T24における第2変化量D24を除外する。補正部57は、四回目の第2期間T24以降においては、第4推移パターンPT4における相対位置に対して、移動平均値を算出することで、補正後の第4推移パターンPT41を生成する。
【0066】
図9に戻り、複数の第2変化量D21~D28の少なくともいずれかが所定のドリフト閾値を超えない場合(ステップS30:NO)、又は、メンテナンスの履歴がメンテナンス記録部58にない場合(ステップS31:NO)、又は、相対位置の推移の類似度が検出されない場合(ステップS32:NO)、第1算出部59は、基板処理システム1を動作させている期間が第1期間を経過したかどうか判定する(ステップS34)。第1期間を経過した場合(ステップS34:YES)、第1算出部59は、相対位置の変化速度が所定の速度閾値を超えた時点から第1期間が経過するまでの間における第1変化量を算出する(ステップS35)。ステップS35には、抽出部54が、フォーク20がワークWの支持を繰り返す度に、第1抽出データをデータベース53から抽出し、第1算出部59に出力する動作が含まれる。第1変化量の算出後、劣化検出部60は、第1算出部59により算出された第1変化量が第1閾値を超えたかどうか判定する(ステップS36)。第1変化量が第1閾値を超えた場合(ステップS36:YES)、劣化検出部60は、ベルト42の劣化を検出する(ステップS27)。第1期間を経過していない場合(ステップS34:NO)、又は、第1変化量が第1閾値を超えた場合(ステップS36:NO)、方法MT2では、再びステップS23が開始される。
【0067】
図14は、相対位置の別の推移を例示するグラフである。T1は、第1期間を表す。D1は、第1期間T1に対応する第1変化量を表す。図14に示される第5推移パターンPT5では、基板処理システムを動作させている期間が第1期間T1を経過している。図14の例では、6回目の第2期間T26の終了のタイミングが、第1期間T1の終了のタイミングに一致している。且つ、第1変化量D1が第1閾値Th1を超えている。従って、図14においては、ステップS34及びステップS36がYES判定となることから、ステップS27において、ベルト42の劣化と判定される。
【0068】
図9に戻り、相対位置の増減の繰り返しが発生した場合(ステップS28:YES)では、補正された相対位置の推移に基づいて、第1算出部59は、基板処理システム1を動作させている期間が第1期間T1を経過したかどうか判定する(ステップS34)。図11に示される補正後の第2推移パターンPT21では、基板処理システムを動作させている期間が第1期間T1を経過している。図11の例では、6回目の第2期間T26の終了のタイミングが、第1期間T1の終了のタイミングに一致している。且つ、第1変化量D1が第1閾値Th1を超えている。従って、補正後の第2推移パターンPT21は、ステップS34及びステップS36がYES判定となることから、ステップS27において、ベルト42の劣化と判定される。
【0069】
図9に戻り、相対位置の推移の類似度が検出された場合(ステップS32:YES)では、補正された相対位置の推移に基づいて、第1算出部59は、基板処理システム1を動作させている期間が第1期間T1を経過したかどうか判定する(ステップS34)。図12に示される補正後の第3推移パターンPT31では、基板処理システムを動作させている期間が第1期間T1を経過している。図12の例では、4回目の第2期間T24の終了のタイミングが、第1期間T1の終了のタイミングに一致している。且つ、第1変化量D1が第1閾値Th1を超えている。従って、補正後の第3推移パターンPT31は、ステップS34及びステップS36がYES判定となることから、ステップS27において、ベルト42の劣化と判定される。同様に、図13に示される補正後の第4推移パターンPT41では、基板処理システムを動作させている期間が第1期間T1を経過している。図13の例では、7回目の第2期間T27の終了のタイミングが、第1期間T1の終了のタイミングに一致している。且つ、第1変化量D1が第1閾値Th1を超えている。従って、補正後の第4推移パターンPT41は、ステップS34及びステップS36がYES判定となることから、ステップS27において、ベルト42の劣化と判定される。
【0070】
図9に戻り、劣化検出部60は、ベルト42の劣化を検出した後、検出結果を表示部61に出力する。表示部61は、劣化を検出した結果に基づいてマップを更新する(ステップS37)。表示部61は、図15に示されるように、複数の搬送装置A3のそれぞれに対する劣化の検出結果を、複数の搬送装置A3がそれぞれ配置される複数のエリアの位置関係に合わせてレイアウトしたマップMPをモニタに表示させる。複数のエリアとは、例えば、処理ユニット或いは処理モジュールである。図15の例では、処理モジュール(受け取り先)として図示している。表示部61は、例えば、ベルト42の劣化と判定された回数、或いは、劣化と判定されてから経過した時間に応じて、STAGEI~STAGEIVにレベル分けして表示してもよい。表示部61は、STAGEが上がるにつれて、ユーザへの警告レベルが上昇していることを表してもよい。
【0071】
基板処理方法は、方法MT3を更に含んでもよい。ユニット異常検出部55が、処理ユニットの異常を検出する方法MT3について説明する。図16に示されるように、まず、ユニット異常検出部55は、処理ユニットの異常検出のタイミングかどうか判定する(ステップS41)。ここで異常検出のタイミングとは、例えば、ワークWが共通の処理ユニットに搬入される際の相対位置の検出結果と、ワークWが共通の処理ユニットから搬出される際の相対位置の検出結果と、の差分をユニット異常検出部55が算出できるタイミングである。つまり、抽出部54から第2抽出データが入力されたタイミングである。処理ユニットの異常検出のタイミングでない場合(ステップS41:NO)、方法MT3では、ステップS41が繰り返される。処理ユニットの異常検出のタイミングである場合(ステップS41:YES)、ユニット異常検出部55は、処理ユニット別に相対位置の抽出を行い(ステップS42)、相対位置の搬入時と搬出時の差分の算出を行う(ステップS43)。図17に例示したように、ユニット異常検出部55は、例えば、ユニットDD、ユニットEE、及びユニットFFのそれぞれにおいて、差分の算出を行う。図17の横軸は時刻を表し、縦軸は差分の大きさを表す。図17では、ユニットDD、ユニットEE、及びユニットFFのそれぞれの差分が時系列で表示されている。
【0072】
続いて、ユニット異常検出部55は、共通成分CEを算出する(ステップS44)。共通成分CEとは、各処理ユニットに共通する差分である。共通成分CEは、例えば、ユニット異常検出部55が算出した複数の差分のうちの最小値である。図17の例では、例えば、ユニットDDの一つ目の差分のデータが共通成分CEとなる。ユニット異常検出部55は、算出した共通成分CEが共通閾値ThCEを超えたか否か判定する(ステップS45)。共通成分CEが共通閾値ThCEを超えた場合(ステップS45:YES)、ユニット異常検出部55は、基板処理システム1の設置の異常を検出する(ステップS46)。基板処理システム1の設置の異常とは、処理ユニット単体の異常ではなく、基板処理システム1全体の異常であることを示す。例えば、基板処理装置10が適切に設置されていないことに起因する異常である。図17の例では、算出した共通成分CEが共通閾値ThCEを超えているため、ユニット異常検出部55は、基板処理システム1の設置の異常を検出する。
【0073】
共通成分CEが共通閾値ThCEを超えない場合(ステップS45:NO)、ユニット異常検出部55は、算出した差分が差分閾値Thdfを超えたか否か判定する(ステップS47)。差分が差分閾値Thdfを超えない場合(ステップS47:NO)、方法MT3は、再びステップS41から開始される。差分が差分閾値Thdfを超えた場合(ステップS47:YES)、ユニット異常検出部55は、処理ユニットの異常を検出する(ステップS48)。図17の例では、例えば、ユニットDDの三つ目の差分のデータが差分閾値Thdfを超えている。図17の例では、差分閾値Thdfが共通閾値ThCEよりも大きいが、差分閾値Thdfは、共通閾値ThCEと同じ値でもよいし、共通閾値ThCEよりも小さくてもよい。
【0074】
[実施形態の効果]
以上説明した基板処理システム1及び方法MT2では、フォーク20を変位方向(方向D2)に変位させるベルト42には、経年により伸びなどの劣化が生じ得る。基板処理システム1によれば、フォーク20に対するワークWの相対位置の検出結果を利用して、ベルト42の劣化を検出することができる。従って、簡素な装置構成にてベルト42の劣化を検出することができる。
【0075】
基板処理システム1は、所定期間(第1期間T1、第2期間T21~T28)における相対位置の変化量(第1変化量D1、第2変化量D21~D28)を算出する算出部(第1算出部59、第2算出部56)を更に備え、劣化検出部60は、算出された変化量に基づいて劣化を検出する。このような構成とすることで、所定期間を経て累積した変化量に基づくことで、劣化を高い信頼性で検出することができる。
【0076】
算出部(第1算出部59、第2算出部56)は、相対位置の変化速度が所定の速度閾値を超えた時点からの所定期間(第1期間T1、第2期間T21~T28)における変化量(第1変化量D1、第2変化量D21~D28)を算出する。このような構成により、相対位置の変化速度が速度閾値を超えた時点で直ちに所定期間を開始させることで、変化量に基づく劣化の検出の遅れを抑制することができる。
【0077】
算出部は、第1期間T1における相対位置の第1変化量D1を算出する第1算出部59と、第1期間T1よりも短い第2期間T21~T28における相対位置の第2変化量D21~D28を算出する第2算出部56と、を有し、劣化検出部60は、第1算出部59により算出された第1変化量D1と、第2算出部56により繰り返し算出された複数の第2変化量D21~D28とに基づいて劣化を検出する。このような構成により、第1期間T1を経て累積した相対位置の変化を表す第1変化量D1に基づくことで、劣化を高い信頼性で検出することが可能となるが、第1期間T1の経過前に生じ得る急速な劣化の検出が遅れる可能性がある。一方で、第1期間T1を単に短くすると、ベルト42の伸びとは別要因による変動等によってベルト42の劣化を誤検出する可能性が高くなる。これに対し、第1期間T1における第1変化量D1と、第1期間T1よりも短い第2期間T21~T28にて繰り返し検出された複数の第2変化量D21~D28との組み合わせに基づくことで、劣化検出の信頼性と、遅れ抑制との両立を図ることができる。
【0078】
劣化検出部60は、第1算出部59により算出された第1変化量D1が第1閾値Th1を超えた場合にベルト42の劣化を検出し、第2算出部56により連続して算出された2以上の第2変化量D21~D28のそれぞれが、第1閾値Th1よりも小さい第2閾値Th2を超えた場合に、ベルト42の劣化を検出する。このような構成により、連続して検出した2以上の第2変化量D21~D28が第2閾値Th2を超えることを条件とすることで、誤検出を抑制しつつ、第2期間T21~T28における第2変化量D21~D28を第1期間T1における第1変化量D1と併用し、第1期間T1の経過を待つことによる遅れを抑制することができる。
【0079】
劣化検出部60は、第2算出部56による算出の繰り返しに応じて、第2算出部56による第2変化量D21~D28の算出結果が増加している場合に、ベルト42の劣化を検出する。第2算出部56による第2変化量D21~D28の算出結果の増加を条件とすることで、誤検出を抑制しつつ、第2期間T21~T28における変化量を第1期間T1における変化量と併用し、第1期間T1の経過を待つことによる遅れを抑制することができる。
【0080】
基板処理システム1は、第2算出部56により算出された複数の第2変化量D21~D28に基づいて、第1期間T1における推移を補正する補正部57を更に備え、第1算出部59は、補正後の推移に基づいて、第1期間T1における第1変化量D1を算出する。このような構成により、第2算出部56により算出された複数の第2変化量D21~D28を、第1算出部59により第1変化量D1を算出するための推移の補正に用いることで、劣化検出の信頼性を向上させることができる。
【0081】
補正部57は、第2算出部56により算出された複数の第2変化量D21~D28に基づいて、相対位置の増減の繰り返しを検出し、増減の繰り返しを抑制するフィルタ処理によって推移を補正する。このような構成により、増減の繰り返しを抑制することで、相対位置の推移の傾向を抽出し、第1期間T1における第1変化量D1に基づく劣化検出の信頼性を向上させることができる。
【0082】
補正部57は、第2算出部56により算出された複数の第2変化量D21~D28に基づいて、搬送装置A3のメンテナンスに起因する相対位置のドリフト変動を検出し、ドリフト変動を除外するように推移を補正する。このような構成により、劣化とは明らかに別要因によるドリフト変動を推移から除外することで、第1期間T1における第1変化量D1に基づく劣化検出の信頼性を向上させることができる。
【0083】
補正部57は、第2算出部56により算出された複数の第2変化量D21~D28の少なくともいずれかが所定のドリフト閾値Thdを超えた場合に、ドリフト変動を検出する。このような構成により、ドリフト閾値Thdとの比較によって、ドリフト変動を容易に検出することができる。
【0084】
基板処理システム1は、搬送装置A3のメンテナンスの履歴を記録するメンテナンス記録部58を更に備え、補正部57は、第2変化量D21~D28がドリフト閾値Thdを超えた期間におけるメンテナンスの履歴がメンテナンス記録部58にあるか否かに更に基づいてドリフト変動を検出する。このような構成により、ドリフト変動をより高い信頼性で検出することができる。
【0085】
補正部57は、第2変化量D21~D28がドリフト閾値Thdを超えた期間の前後の相対位置の推移の類似度に更に基づいてドリフト変動を検出する。このような構成により、メンテナンスによってもベルト42自体の性質は変わらないので、ドリフト変動の前後においては、推移が類似する傾向がある。このため、第2変化量D21~D28がドリフト閾値Thdを超えた第2期間の前後の推移の類似度に更に基づくことで、ドリフト変動をより高い信頼性で検出することができる。
【0086】
基板処理システム1は、フォーク20がワークWの支持を繰り返すのに応じて、フォーク20によるワークWの受け取り先(処理ユニット)の識別情報と、相対位置の検出結果とを対応付けてデータベース53に蓄積するデータ蓄積部52と、受け取り先が共通である相対位置の検出結果の推移をデータベース53から抽出する抽出部54と、を更に備え、劣化検出部60は、抽出部54により抽出された推移に基づいて、ベルト42の劣化を検出する。このような構成により、受け取り先が共通である相対位置の検出結果の推移に基づくことで、受け取り先の違いによる相対位置の検出結果のばらつきを除外し、より高い信頼性で劣化を検出することができる。
【0087】
基板処理システム1は、搬送装置A3を含む複数の搬送装置A3のそれぞれにおいて、フォーク20がワークWの支持を繰り返すのに応じて、フォーク20によりワークWを支持した搬送装置A3の識別情報と、相対位置の検出結果とを対応付けてデータベース53に蓄積するデータ蓄積部52と、共通の搬送装置A3のフォーク20における相対位置の検出結果の推移をデータベース53から抽出する抽出部54と、を更に備え、劣化検出部60は、抽出部54により抽出された推移に基づいて、ベルト42の劣化を検出する。このような構成により、共通の搬送装置A3のフォーク20における相対位置の検出結果の推移に基づくことで、搬送装置A3の個体差による相対位置の検出結果のばらつきを除外し、より高い信頼性で劣化を検出することができる。
【0088】
フォーク20は、支持対象のワークWに接した時点における相対位置を維持するようにワークWを吸着する吸着部22A~22Dを含む。このような構成により、搬送装置A3の劣化による影響を含んだ相対位置が維持されることとなるので、相対位置の推移に基づく搬送装置A3の劣化検出の信頼性が向上する。
【0089】
基板処理システム1は、搬送装置A3を含む基板処理装置10と、基板処理装置10と通信可能なサーバ50と、を備え、劣化検出部60はサーバ50に設けられている。このような構成により、基板処理装置10の外部のハードウェアリソースを搬送装置A3の劣化検出に活用することができる。
【0090】
基板処理システム1は、ワークWに対し処理を行う処理ユニットと、フォーク20が支持したワークWを搬送装置A3が処理ユニットに搬入する際における相対位置の検出結果と、フォーク20が支持したワークWを搬送装置A3が処理ユニットから搬出する際における相対位置の検出結果と、の差分に基づいて、処理ユニットの異常を検出するユニット異常検出部55と、を更に備える。このような構成により、相対位置の検出結果を、搬送装置A3の劣化の検出に加えて、処理ユニットの異常の検出に利用することができる。
【0091】
基板処理システム1は、複数の処理ユニット(液処理ユニットU1、熱処理ユニットU2)を備え、ユニット異常検出部55は、複数の処理ユニットに共通する差分(共通成分CE)に基づいて、基板処理システム1の設置の異常を更に検出する。このような構成により、相対位置の検出結果を、基板処理システム1の設置の異常の検出に更に利用することができる。
【0092】
基板処理システム1は、搬送装置A3を含む複数の搬送装置A3と、複数の搬送装置A3のそれぞれに対する劣化検出部60による劣化の検出結果を、複数の搬送装置A3がそれぞれ配置される複数のエリアの位置関係に合わせてレイアウトしたマップMPをモニタに表示させる表示部61と、を更に備える。このような構成により、複数の搬送装置A3における劣化の分布をユーザに迅速に把握させることができる。
【0093】
[変形例]
以上、本開示に係る実施形態について詳細に説明したが、本開示の要旨の範囲内で種々の変形を上記の実施形態に加えてもよい。
【0094】
上述した基板処理システム1は、ベルト42の劣化を検出することに加え、ベルト72の劣化を検出することに適用されてもよい。フォーク20を変位方向(方向D1)に変位させるベルト72には、経年により伸びなどの劣化が生じ得る。基板処理システム1によれば、フォーク20に対するワークWの相対位置の検出結果を利用して、ベルト72の劣化を検出することができる。
【0095】
図18を参照して変形例に係る基板処理システム1Aの動作の一例について説明する。サーバ50は、モータ制御部62を更に有してもよい。モータ制御部62は、第2算出部56によるベルト42の劣化レベルの評価結果を受けて、搬送装置A3のモータ44の回転数を調整してもよい。例えば、モータ制御部62は、劣化レベルの大きさに応じてモータ44の回転数を下げることによって、ベルト42の移動量を減少させてもよい。図18の例では、モータ制御部62は、サーバ50に含まれているが、基板処理装置10に含まれてもよい。
【0096】
図18に示されるように、サーバ50は、劣化検出部60によるベルト42の劣化の検出結果を基板処理システム1のサービス窓口担当S1に送信してもよい。サービス窓口担当S1は、基板処理システム1の修理担当S2に修理を依頼してもよい。サービス窓口担当S1は、顧客C1に異常状況の確認及び修理の指示をしてもよい。サーバ50は、劣化検出部60によるベルト42の劣化の検出結果を受けて、ベルト42の交換要請をベルト42の保管倉庫W1に送信してもよい。保管倉庫W1は、交換要請に従い、顧客C1に新規のベルト42を配達する。
【0097】
本開示の要旨は、以下の[1]~[22]のとおりである。
[1]基板を支持するフォークと、アクチュエータと、前記アクチュエータの動きを変位方向の動きに変換して前記フォークに伝達するベルトと、を有する搬送装置と、前記フォークが前記基板を支持した状態において、前記フォークに対する前記基板の相対位置を検出する相対位置検出部と、前記フォークが前記基板の支持を繰り返すのに応じた前記相対位置の推移に基づいて、前記ベルトの劣化を検出する劣化検出部と、を備える基板処理システム。
[2]所定期間における前記相対位置の変化量を算出する算出部を更に備え、前記劣化検出部は、算出された前記変化量に基づいて劣化を検出する、[1]に記載の基板処理システム。
[3]前記算出部は、前記相対位置の変化速度が所定の速度閾値を超えた時点からの前記所定期間における前記変化量を算出する、[2]に記載の基板処理システム。
[4]前記算出部は、第1期間における前記相対位置の第1変化量を算出する第1算出部と、前記第1期間よりも短い第2期間における前記相対位置の第2変化量を算出する第2算出部と、を有し、劣化検出部は、前記第1算出部により算出された前記第1変化量と、前記第2算出部により繰り返し算出された複数の前記第2変化量とに基づいて劣化を検出する、[2]に記載の基板処理システム。
[5]前記劣化検出部は、前記第1算出部により算出された前記第1変化量が第1閾値を超えた場合に前記ベルトの劣化を検出し、前記第2算出部により連続して算出された2以上の前記第2変化量のそれぞれが、前記第1閾値よりも小さい第2閾値を超えた場合に、前記ベルトの劣化を検出する、[4]に記載の基板処理システム。
[6]前記劣化検出部は、前記第2算出部による算出の繰り返しに応じて、前記第2算出部による前記第2変化量の算出結果が増加している場合に、前記ベルトの劣化を検出する、[4]に記載の基板処理システム。
[7]前記第2算出部により算出された前記複数の第2変化量に基づいて、前記第1期間における前記推移を補正する補正部を更に備え、前記第1算出部は、補正後の前記推移に基づいて、前記第1期間における前記第1変化量を算出する、[4]に記載の基板処理システム。
[8]前記補正部は、前記第2算出部により算出された前記複数の第2変化量に基づいて、前記相対位置の増減の繰り返しを検出し、前記増減の繰り返しを抑制するフィルタ処理によって前記推移を補正する、[7]に記載の基板処理システム。
[9]前記補正部は、前記第2算出部により算出された前記複数の第2変化量に基づいて、前記搬送装置のメンテナンスに起因する前記相対位置のドリフト変動を検出し、前記ドリフト変動を除外するように前記推移を補正する、[7]又は[8]に記載の基板処理システム。
[10]前記補正部は、前記第2算出部により算出された前記複数の第2変化量の少なくともいずれかが所定のドリフト閾値を超えた場合に、前記ドリフト変動を検出する、[9]に記載の基板処理システム。
[11]前記搬送装置のメンテナンスの履歴を記録するメンテナンス記録部を更に備え、前記補正部は、前記第2変化量が前記ドリフト閾値を超えた期間における前記メンテナンスの履歴が前記メンテナンス記録部にあるか否かに更に基づいて前記ドリフト変動を検出する、[10]に記載の基板処理システム。
[12]前記補正部は、前記第2変化量が前記ドリフト閾値を超えた期間の前後の前記相対位置の推移の類似度に更に基づいて前記ドリフト変動を検出する、[10]に記載の基板処理システム。
[13]前記フォークが前記基板の支持を繰り返すのに応じて、前記フォークによる前記基板の受け取り先の識別情報と、前記相対位置の検出結果とを対応付けてデータベースに蓄積するデータ蓄積部と、前記受け取り先が共通である前記相対位置の検出結果の推移をデータベースから抽出する抽出部と、を更に備え、前記劣化検出部は、前記抽出部により抽出された推移に基づいて、前記ベルトの劣化を検出する、[1]~[12]のいずれか一つに記載の基板処理システム。
[14]前記搬送装置を含む複数の搬送装置のそれぞれにおいて、前記フォークが前記基板の支持を繰り返すのに応じて、前記フォークにより前記基板を支持した搬送装置の識別情報と、前記相対位置の検出結果とを対応付けてデータベースに蓄積するデータ蓄積部と、共通の搬送装置の前記フォークにおける前記相対位置の検出結果の推移をデータベースから抽出する抽出部と、を更に備え、前記劣化検出部は、前記抽出部により抽出された推移に基づいて、前記ベルトの劣化を検出する、[1]~[13]のいずれか一つに記載の基板処理システム。
[15]前記フォークは、支持対象の前記基板に接した時点における前記相対位置を維持するように前記基板を吸着する吸着部を含む、[1]~[14]のいずれか一つに記載の基板処理システム。
[16]前記搬送装置を含む基板処理装置と、前記基板処理装置と通信可能なサーバと、を備え、前記劣化検出部は前記サーバに設けられている、[1]~[15]のいずれか一つに記載の基板処理システム。
[17]前記基板に対し処理を行う処理ユニットと、前記フォークが支持した前記基板を前記搬送装置が前記処理ユニットに搬入する際における前記相対位置の検出結果と、前記フォークが支持した前記基板を前記搬送装置が前記処理ユニットから搬出する際における前記相対位置の検出結果と、の差分に基づいて、前記処理ユニットの異常を検出するユニット異常検出部と、を更に備える、[1]~[16]のいずれか一つに記載の基板処理システム。
[18]前記処理ユニットを含む複数の処理ユニットを備え、前記ユニット異常検出部は、前記複数の処理ユニットに共通する前記差分に基づいて、前記基板処理システムの設置の異常を更に検出する、[17]に記載の基板処理システム。
[19]前記搬送装置を含む複数の搬送装置と、前記複数の搬送装置のそれぞれに対する前記劣化検出部による劣化の検出結果を、前記複数の搬送装置がそれぞれ配置される複数のエリアの位置関係に合わせてレイアウトしたマップをモニタに表示させるマップ表示部と、を更に備える、[1]~[17]のいずれか一つに記載の基板処理システム。
[20]基板処理システムにおいて、搬送装置がベルトにより変位させるフォークが基板を支持する度に、前記フォークに対する前記基板の相対位置を検出することと、前記相対位置の検出結果の推移に基づいて、前記ベルトの劣化を検出することと、を含む基板処理方法。
[21]基板処理システムにおいて、搬送装置がベルトにより変位させるフォークが基板を支持する度に、前記フォークに対する前記基板の相対位置を検出することと、前記相対位置の検出結果の推移に基づいて、前記ベルトの劣化を検出することと、をコンピュータに実行させる、基板処理プログラム。
[22]基板処理システムにおいて、搬送装置がベルトにより変位させるフォークが基板を支持する度に、前記フォークに対する前記基板の相対位置を検出することと、前記相対位置の検出結果の推移に基づいて、前記ベルトの劣化を検出することと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶した、記憶媒体。
【符号の説明】
【0098】
1,1A…基板処理システム、10…基板処理装置、20…フォーク、22A~22D…吸着部、42,62…ベルト、50…サーバ、51…相対位置検出部、52…データ蓄積部、53…データベース、54…抽出部、55…ユニット異常検出部、56…第2算出部(算出部)、57…補正部、58…メンテナンス記録部、59…第1算出部(算出部)、59…算出部、60…劣化検出部、A3…搬送装置、D1…第1変化量、DR1…第1方向(変位方向)、DR2…第2方向(変位方向)、D21~D28…第2変化量、MP…マップ、T1…第1期間、T21~T28…第2期間、Th1…第1閾値、Th2…第2閾値、Thd…ドリフト閾値、W…ワーク(基板)。

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