(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168126
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板移載方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20241128BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084558
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】本間 学
【テーマコード(参考)】
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
5F045BB08
5F045DP19
5F045DP28
5F045DQ05
5F045EM08
5F045EM10
5F045EN04
5F131AA02
5F131BA01
5F131CA31
5F131DB03
5F131EC02
5F131EC05
5F131EC12
5F131EC13
(57)【要約】
【課題】狭ピッチで基板を保持できる技術を提供する。
【解決手段】本開示の一態様による基板処理装置は、基板を水平姿勢で上下方向に多段に配列して保持するボートと、前記ボートに保持された前記基板の外周に沿って設けられる板状部材と、上下方向における前記ボートと前記板状部材との相対位置を変更する駆動部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を水平姿勢で上下方向に多段に配列して保持するボートと、
前記ボートに保持された前記基板の外周に沿って設けられる板状部材と、
上下方向における前記ボートと前記板状部材との相対位置を変更する駆動部と、
を有する、基板処理装置。
【請求項2】
前記駆動部は、前記板状部材に対して前記ボートを相対的に移動させる、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記駆動部は、前記ボートに対して前記板状部材を相対的に移動させる、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記ボートに対して前記板状部材を水平方向で位置決めする位置決め部を有する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
移載機によって基板処理装置から基板を搬出する基板移載方法であって、
前記移載機は、前記基板を保持するピックを有し、
前記基板処理装置は、
基板を水平姿勢で上下方向に多段に配列して保持するボートと、
前記ボートに保持された前記基板の外周に沿って設けられる板状部材と、
を有し、
前記ボートに保持された前記基板の下方に前記ピックを移動させることと、
上下方向における前記ボートと前記板状部材との相対位置を変更することで、前記ボートに保持された前記基板を前記ピックに受け渡すことと、
を有する、
基板移載方法。
【請求項6】
前記ピックに受け渡すことは、前記板状部材に対して前記ボートを相対的に下降させることを含む、
請求項5に記載の基板移載方法。
【請求項7】
前記ピックに受け渡すことは、前記ボートに対して前記板状部材及び前記ピックを相対的に上昇させることを含む、
請求項5に記載の基板移載方法。
【請求項8】
移載機によって基板処理装置に基板を搬入する基板移載方法であって、
前記移載機は、前記基板を保持するピックを有し、
前記基板処理装置は、
基板を水平姿勢で上下方向に多段に配列して保持するボートと、
前記ボートに保持された前記基板の外周に沿って設けられる板状部材と、
を有し、
前記基板を保持した前記ピックを前記ボート内に移動させることと、
上下方向における前記ボートと前記板状部材との相対位置を変更することで、前記ピックに保持された前記基板を前記ボートに受け渡すことと、
を有する、
基板移載方法。
【請求項9】
前記ボートに受け渡すことは、前記板状部材に対して前記ボートを相対的に上昇させることを含む、
請求項8に記載の基板移載方法。
【請求項10】
前記ボートに受け渡すことは、前記ボートに対して前記板状部材及び前記ピックを相対的に下降させることを含む、
請求項8に記載の基板移載方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置及び基板移載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の基板を保持した基板保持具を処理容器内に収容した状態で処理容器内に処理ガスを供給し、複数の基板に処理を施す縦型の基板処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。基板保持具としては、上下に対向配置された天板と底板との間に複数の支柱が設けられ、複数の支柱に平らな支持面を備えたリング部材が設けられ、リング部材の支持面で基板を支持する、いわゆるリングボートが用いられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、狭ピッチで基板を保持できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による基板処理装置は、基板を水平姿勢で上下方向に多段に配列して保持するボートと、前記ボートに保持された前記基板の外周に沿って設けられる板状部材と、上下方向における前記ボートと前記板状部材との相対位置を変更する駆動部と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、狭ピッチで基板を保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る基板処理装置を示す断面図である。
【
図3】第1実施形態に係る基板移載方法を示す断面図(1)である。
【
図4】第1実施形態に係る基板移載方法を示す断面図(2)である。
【
図5】第1実施形態に係る基板移載方法を示す断面図(3)である。
【
図6】第1実施形態に係る基板移載方法を示す断面図(4)である。
【
図7】第1実施形態に係る基板移載方法を示す断面図(5)である。
【
図8】第2実施形態に係る基板処理装置を示す断面図である。
【
図9】第2実施形態に係る基板移載方法を示す断面図(1)である。
【
図10】第2実施形態に係る基板移載方法を示す断面図(2)である。
【
図11】第2実施形態に係る基板移載方法を示す断面図(3)である。
【
図12】第2実施形態に係る基板移載方法を示す断面図(4)である。
【
図13】第2実施形態に係る基板移載方法を示す断面図(5)である。
【
図14】第3実施形態に係る基板処理装置を示す断面図である。
【
図15】第3実施形態に係る基板移載方法を示す断面図(1)である。
【
図16】第3実施形態に係る基板移載方法を示す断面図(2)である。
【
図17】第3実施形態に係る基板移載方法を示す断面図(3)である。
【
図18】第3実施形態に係る基板移載方法を示す断面図(4)である。
【
図19】第3実施形態に係る基板移載方法を示す断面図(5)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照しながら、本開示の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一又は対応する部材又は部品については、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】
〔第1実施形態〕
(基板処理装置)
図1及び
図2を参照し、第1実施形態に係る基板処理装置1Aについて説明する。
図1は、第1実施形態に係る基板処理装置1Aを示す断面図である。
図2は、
図1のII-II線矢視断面図である。
【0010】
基板処理装置1Aは、反応管10と、蓋体20と、蓋体駆動部30と、ボート40と、ボート支持部50と、リング60と、リング載置台70と、ボート駆動部80と、制御部90とを備える。
【0011】
反応管10は、下端が開放された有天井の円筒形状を有する。反応管10は、例えば石英により形成される。反応管10には、ガス供給部(図示せず)が接続される。ガス供給部は、反応管10の内部に各種のガスを供給する。ガス供給部は、ガスソース、ガス供給配管、バルブ、マスフローコントローラ等を含んでよい。反応管10には、ガス排出部(図示せず)が接続される。ガス排出部は、反応管10の内部のガスを排出する。ガス排出部は、ガス排出配管、圧力制御バルブ、真空ポンプ等を含んでよい。
【0012】
蓋体20は、反応管10の下端の開口を塞ぐ。これにより、反応管10の内部が密閉される。蓋体20は、例えばステンレス鋼等の金属により形成される。
【0013】
蓋体駆動部30は、蓋体20を上昇位置(
図1に示す位置)と下降位置(
図3に示す位置)との間で昇降させる。上昇位置は、蓋体20が反応管10の下端の開口を塞ぐ位置である。下降位置は、蓋体20が反応管10の下端の開口を開放する位置である。蓋体駆動部30は、例えばボールねじとサーボモータとを含む直動機構である。
【0014】
ボート40は、反応管10の内部に対して挿脱される。ボート40は、基板Wを水平姿勢で上下方向に多段に配列して保持する。基板Wは、例えば半導体ウエハである。ボート40は、複数(例えば25枚~200枚)の基板Wを保持可能に構成される。ボート40は、例えば石英により形成される。ボート40は、底板41と、天板42と、支柱43と、保持爪44と、脚部45とを有する。
【0015】
底板41は、基板Wの外径より大きい外径の円板状を有する。
【0016】
天板42は、底板41の上方に、底板41から離隔して設けられる。天板42は、底板41と対向する。天板42は、底板41と同様に、基板Wの外径より大きい外径の円板状を有する。
【0017】
支柱43は、上下方向に延びる棒状を有する。支柱43は、底板41の周方向に沿って複数(例えば3個)設けられる。各支柱43は、底板41と天板42とを連結する。
【0018】
保持爪44は、各支柱43の上下方向に沿って複数設けられる。複数の保持爪44が設けられる上下方向の位置は、複数の支柱43間で同じである。基板Wは、各支柱43の同じ高さに設けられた保持爪44によって水平姿勢で保持される。
【0019】
脚部45は、底板41の下面中心から下方に延びる。脚部45は、回転軸51の上端に接続される。
【0020】
ボート支持部50は、回転軸51と、軸受52と、ベローズ53とを有する。回転軸51は、脚部45の下端に接続される。回転軸51は、蓋体20を貫通して蓋体20の下方まで延びる。軸受52は、回転軸51の下部に取り付けられる。軸受52は、回転軸51を鉛直軸回りに回転自在に支持する。ベローズ53は、回転軸51の外周を囲むように、蓋体20と軸受52との間に設けられる。これにより、反応管10の気密が保たれる。
【0021】
リング60は、例えば石英により形成される。リング60は、支柱61と、底板62と、中間板63と、リング本体64とを有する。
【0022】
支柱61は、上下方向に延びる棒状を有する。支柱61は、基板Wの周囲に、基板Wの周方向に沿って複数(例えば6個)設けられる。
【0023】
底板62は、支柱61の下端に接続される。底板62は、中心に開口を有する円板状を有する。底板62の開口には、脚部45が挿通される。底板62は、リング載置台70上に載置可能に構成される。底板62の下面には、例えば凹部62aが設けられる。
【0024】
中間板63は、底板62より上方の支柱61に接続される。中間板63は、底板41上に載置可能に構成される。中間板63は、底板41の外径より小さい内径の円環板状を有する。中間板63の内周縁部は、底板41の外周縁部の上に載置可能に構成される。
【0025】
リング本体64は、中間板63より上方の支柱61に接続される。リング本体64は、上下方向に沿って複数設けられる。複数のリング本体64のピッチZ2は、複数の保持爪44のピッチZ1と同じである。各リング本体64は、ボート40に保持された基板Wの外周に沿って設けられる板状部材である。各リング本体64は、反応管10の周方向において3分割された円弧状の分割リング64a、64b、64cを含む。各分割リング64a、64b、64cは、例えば2個の支柱61によって支持される。分割リング64aは、平面視において、移載機(図示せず)のピックP(
図5)がボート40に保持された基板Wを取り出す際のピックPの移動経路と重なる位置を含んで設けられる。各分割リング64b、64cは、ピックPの挿入方向から見て奥側であって、反応管10の周方向において隣り合う2個の支柱43の間に設けられる。各分割リング64b、64cは、平面視において、移載機のピックPの移動経路と重ならない位置に設けられる。各分割リング64b、64cを支持する支柱61は、例えば下部が底板41に着脱可能に設けられる(図示せず)。各分割リング64b、64cを支持する支柱61は、上部が天板42に着脱可能に設けられてもよい(図示せず)。各分割リング64b、64cを支持する支柱61は、下部が底板41に着脱可能に設けられ、かつ上部が天板42に着脱可能に設けられてもよい(図示せず)。このように、各分割リング64b、64cは、平面視において、移載機のピックPの移動経路と重ならない位置に設けられるので、ボート40に対して相対的に昇降可能でなくてもよく、ボート40の一部に着脱可能に設けられてよい。ただし、各分割リング64b、64cは、ボート40に対して相対的に昇降可能であってもよい。なお、
図2の例では、各分割リング64b、64cが支柱61に支持される場合を示すが、各分割リング64b、64cは支柱61に支持されずに、支柱43に溶接等により固定される構造であっても良い。この場合、リング60は、分割リング64b、64cを支持する支柱61を有していなくてよい。
【0026】
リング載置台70は、例えば石英により形成される。リング載置台70は、円筒部71と、フランジ部72とを有する。円筒部71は、蓋体20上に固定される。円筒部71は、回転軸51の周囲を覆う。フランジ部72は、円筒部71の上部において、円筒部71の半径方向外側に張り出すように設けられる。フランジ部72には、底板62が載置される。これにより、リング60がリング載置台70に保持される。フランジ部72の上面には、例えば底板62の凹部62aと嵌合する凸部72aが設けられる。フランジ部72上に底板62が載置される際、凹部62aに凸部72aが嵌合することで、リング載置台70に対してリング60が水平方向で位置決めされる。フランジ部72の上面に凹部が設けられ、底板62の下面に該凹部と嵌合する凸部が設けられてもよい。
【0027】
ボート駆動部80は、ボート40を昇降させることにより、上下方向におけるボート40とリング60との相対位置を変更する。ボート駆動部80は、軸受52を昇降させる。これにより、ボート40及び回転軸51が軸受52と一体として昇降する。ボート駆動部80は、例えばボールねじとサーボモータと含む直動機構である。
【0028】
制御部90は、基板処理装置1Aの各部の動作を制御する。制御部90は、例えばコンピュータである。基板処理装置1Aの各部の動作を行うコンピュータのプログラムは、記憶媒体に記憶される。記憶媒体は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、フラッシュメモリ、DVD等であってよい。
【0029】
(基板移載方法)
図3から
図7を参照し、第1実施形態に係る基板移載方法の一例について説明する。以下では、ボート40に保持された基板Wを搬出する方法を説明する。搬出する方法と逆の手順によって、ボート40へ基板Wを搬入できる。
【0030】
図3から
図7は、第1実施形態に係る基板移載方法を示す断面図である。以下に示される基板移載方法は、制御部90が基板処理装置1Aの各部の動作を制御することにより実行される。以下に示される基板移載方法は、例えば反応管10の内部でボート40に保持された複数の基板Wに対して処理が行われた後に実行される。
【0031】
まず、
図3に示されるように、蓋体駆動部30が蓋体20を下降させることにより、反応管10の内部からボート40及びリング60を搬出(アンロード)する。このとき、中間板63が底板41上に載置された状態であり、各リング本体64の上面の高さが対応する各基板Wの上面の高さと略同じである。
【0032】
次に、
図4に示されるように、ボート駆動部80がボート40を下降させることにより、底板62をフランジ部72に載置させる。このとき、凹部62aに凸部72aが嵌合することで、リング載置台70に対してリング60が水平方向で位置決めされる。ボート駆動部80は、底板62がフランジ部72に載置された後にボート40をさらに下降させて、中間板63の下面を底板41の上面から僅か(例えば0.5mm~1.0mm)に離隔させてもよい。この場合、リング60がフランジ部72のみによって支持されるので、リング60が底板41とフランジ部72の2箇所で支持される場合に比べて、リング60の支持の安定性が高まる。
【0033】
次に、
図5に示されるように、図示しない移載機が、ピックPを水平移動させることにより、上下方向に隣り合う基板W間にピックPを挿入する。このとき、各リング本体64の上面の高さが対応する各基板Wの上面の高さと略同じであるため、各リング本体64がピックPを挿入する際の妨げとならない。
【0034】
次に、
図6に示されるように、ボート駆動部80がボート40をピッチZ1だけ下降させる。これにより、ボート40に保持された基板WがピックPに受け渡される。
【0035】
次に、
図7に示されるように、移載機が、基板Wを保持したピックPを水平移動させることにより、ピックPをボート40の内部から搬出する。このとき、各リング本体64の上面の高さが対応する各基板Wの上面の高さと略同じであるため、各リング本体64がピックPを搬出する際の妨げとならない。
【0036】
以上により、4枚の基板Wがボート40から搬出される。
図4から
図7に示される動作を繰り返すことにより、ボート40に保持された別の基板Wを搬出できる。ボート40から一度に搬出される基板Wの枚数は4枚に限定されるものではない。
【0037】
以上に説明した第1実施形態によれば、上下方向におけるボート40とリング60との相対位置が変更可能である。この場合、ボート40に保持された基板WをピックPにより搬出する際、上下方向に隣り合う基板W間にピックPを挿入した後、ピックP及びリング60に対してボート40を相対的に下降させることで、ボート40からピックPに基板Wを受け渡す。そのため、リング60がない場合と同様のピッチでボート40に基板Wを保持させることができる。すなわち、狭ピッチで基板Wを保持できる。
【0038】
〔第2実施形態〕
(基板処理装置)
図8を参照し、第2実施形態に係る基板処理装置1Bについて説明する。
図8は、第2実施形態に係る基板処理装置1Bを示す断面図である。
【0039】
基板処理装置1Bは、リング載置台70を備えておらず、底板62が蓋体20上に載置される構成において、基板処理装置1Aと異なる。基板処理装置1Bのその他の構成は、基板処理装置1Aの構成と同じであってよい。以下、基板処理装置1Aと異なる構成を中心に説明する。
【0040】
底板62は、蓋体20上に載置可能に構成される。底板62の下面に凹部(図示せず)が設けられ、蓋体20の上面に凹部と嵌合する凸部(図示せず)が設けられてもよい。この場合、蓋体20上に底板62が載置させる際、凹部に凸部が嵌合することで、蓋体20に対してリング60が水平方向で位置決めされる。
【0041】
(基板移載方法)
図9から
図13を参照し、第2実施形態に係る基板移載方法の一例について説明する。以下では、ボート40に保持された基板Wを搬出する方法を説明する。搬出する方法と逆の手順によって、ボート40へ基板Wを搬入できる。
【0042】
図9から
図13は、第2実施形態に係る基板移載方法を示す断面図である。以下に示される基板移載方法は、制御部90が基板処理装置1Bの各部の動作を制御することにより実行される。以下に示される基板移載方法は、例えば反応管10の内部でボート40に保持された複数の基板Wに対して処理が行われた後に実行される。
【0043】
まず、
図9に示されるように、蓋体駆動部30が蓋体20を下降させることにより、反応管10の内部からボート40及びリング60を搬出する。このとき、中間板63が底板41上に載置された状態であり、各リング本体64の上面の高さが対応する各基板Wの上面の高さと略同じである。
【0044】
次に、
図10に示されるように、ボート駆動部80がボート40を下降させることにより、底板62を蓋体20に載置させる。ボート駆動部80は、底板62が蓋体20に載置された後にボート40をさらに下降させて、中間板63の下面を底板41の上面から僅か(例えば0.5mm~1.0mm)に離隔させてもよい。この場合、リング60が蓋体20のみによって支持されるので、リング60が底板41と蓋体20の2箇所で支持される場合に比べて、リング60の支持の安定性が高まる。
【0045】
次に、
図11に示されるように、図示しない移載機が、ピックPを水平移動させることにより、上下方向に隣り合う基板W間にピックPを挿入する。このとき、各リング本体64の上面の高さが対応する各基板Wの上面の高さと略同じであるため、各リング本体64がピックPを挿入する際の妨げとならない。
【0046】
次に、
図12に示されるように、ボート駆動部80がボート40をピッチZ1だけ下降させる。これにより、ボート40に保持された基板WがピックPに受け渡される。
【0047】
次に、
図13に示されるように、移載機が、基板Wを保持したピックPを水平移動させることにより、ピックPをボート40の内部から搬出する。このとき、各リング本体64の上面の高さが対応する各基板Wの上面の高さと略同じであるため、各リング本体64がピックPを搬出する際の妨げとならない。
【0048】
以上により、4枚の基板Wがボート40から搬出される。
図10から
図13に示される動作を繰り返すことにより、ボート40に保持された別の基板Wを搬出できる。ボート40から一度に搬出される基板Wの枚数は4枚に限定されるものではない。
【0049】
以上に説明した第2実施形態によれば、上下方向におけるボート40とリング60との相対位置が変更可能である。この場合、ボート40に保持された基板WをピックPにより搬出する際、上下方向に隣り合う基板W間にピックPを挿入した後、ピックP及びリング60に対してボート40を相対的に下降させることで、ボート40からピックPに基板Wを受け渡す。そのため、リング60がない場合と同様のピッチでボート40に基板Wを保持させることができる。すなわち、狭ピッチで基板Wを保持できる。
【0050】
〔第3実施形態〕
(基板処理装置)
図14を参照し、第3実施形態に係る基板処理装置1Cについて説明する。
図14は、第3実施形態に係る基板処理装置1Cを示す断面図である。
【0051】
基板処理装置1Cは、蓋体20に対してリング60が昇降自在である構成において、基板処理装置1Aと異なる。基板処理装置1Cのその他の構成は、基板処理装置1Aの構成と同じであってよい。以下、基板処理装置1Aと異なる構成を中心に説明する。
【0052】
基板処理装置1Cは、反応管10と、蓋体20と、蓋体駆動部30と、ボート40と、リング支持部150と、リング60と、ボート載置台170と、リング駆動部180と、制御部90とを備える。
【0053】
リング支持部150は、回転軸151と、軸受152と、ベローズ153とを有する。回転軸151は、底板62の下端に接続される。回転軸151は、蓋体20を貫通して蓋体20の下方まで延びる。軸受152は、回転軸151の下部に取り付けられる。軸受152は、回転軸151を鉛直軸回りに回転自在に支持する。ベローズ153は、回転軸151の外周を囲むように、蓋体20と軸受152との間に設けられる。これにより、反応管10の気密が保たれる。
【0054】
ボート載置台170は、例えば石英により形成される。ボート載置台170は、円筒部171と、フランジ部172とを有する。円筒部171は、蓋体20上に固定される。円筒部171は、回転軸151の周囲を覆う。フランジ部172は、円筒部171の上部において、円筒部171の半径方向外側に張り出すように設けられる。フランジ部172には、円筒形状の脚部45が載置される。これにより、ボート40がボート載置台170に保持される。フランジ部172の上面には、例えば円筒形状の脚部45の内側に挿通される円筒形状の凸部172aが設けられる。フランジ部172上に脚部45が載置される際、脚部45の内側に凸部172aが挿通されることで、ボート載置台170に対してボート40が水平方向で位置決めされる。
【0055】
リング駆動部180は、リング60を昇降させることにより、上下方向におけるボート40とリング60との相対位置を変更する。リング駆動部180は、軸受152を昇降させる。これにより、リング60及び回転軸151が軸受152と一体として昇降する。リング駆動部180は、例えばボールねじとサーボモータと含む直動機構である。
【0056】
(基板移載方法)
図15から
図19を参照し、第3実施形態に係る基板移載方法の一例について説明する。以下では、ボート40に保持された基板Wを搬出する方法を説明する。搬出する方法と逆の手順によって、ボート40へ基板Wを搬入できる。
【0057】
図15から
図19は、第3実施形態に係る基板移載方法を示す断面図である。以下に示される基板移載方法は、制御部90が基板処理装置1Cの各部の動作を制御することにより実行される。以下に示される基板移載方法は、例えば反応管10の内部でボート40に保持された複数の基板Wに対して処理が行われた後に実行される。
【0058】
まず、
図15に示されるように、蓋体駆動部30が蓋体20を下降させることにより、反応管10の内部からボート40及びリング60を搬出する。このとき、底板41が中間板63上に載置された状態であり、各リング本体64の上面の高さが対応する各基板Wの上面の高さと略同じである。
【0059】
次に、
図16に示されるように、リング駆動部180がリング60を下降させることにより、脚部45をフランジ部172に載置させる。
【0060】
次に、
図17に示されるように、図示しない移載機が、ピックPを水平移動させることにより、上下方向に隣り合う基板W間にピックPを挿入する。このとき、各リング本体64の上面の高さが対応する各基板Wの上面の高さと略同じであるため、各リング本体64がピックPを挿入する際の妨げとならない。
【0061】
次に、
図18に示されるように、移載機がピックPをピッチZ1だけ上昇させると共にリング駆動部180がリング60をピッチZ1だけ上昇させる。これにより、ボート40に保持された基板WがピックPに受け渡される。
【0062】
次に、
図19に示されるように、移載機が、基板Wを保持したピックPを水平移動させることにより、ピックPをボート40の内部から搬出する。このとき、各リング本体64の上面の高さが対応する各基板Wの上面の高さと略同じであるため、各リング本体64がピックPを搬出する際の妨げとならない。
【0063】
以上により、4枚の基板Wがボート40から搬出される。
図16から
図19に示される動作を繰り返すことにより、ボート40に保持された別の基板Wを搬出できる。ボート40から一度に搬出される基板Wの枚数は4枚に限定されるものではない。
【0064】
以上に説明した第3実施形態によれば、上下方向におけるボート40とリング60との相対位置が変更可能である。この場合、ボート40に保持された基板WをピックPにより搬出する際、上下方向に隣り合う基板W間にピックPを挿入した後、ピックP及びリング60に対してボート40を相対的に下降させることで、ボート40からピックPに基板Wを受け渡す。そのため、リング60がない場合と同様のピッチでボート40に基板Wを保持させることができる。すなわち、狭ピッチで基板Wを保持できる。
【0065】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1A、1B、1C 基板処理装置
40 ボート
60 リング
80 ボート駆動部
180 リング駆動部
W 基板