(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168188
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084648
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(74)【代理人】
【識別番号】100131598
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 和宗
(72)【発明者】
【氏名】網倉 紀彦
(72)【発明者】
【氏名】松本 直樹
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA16
5F004BA09
5F004BB08
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB22
5F004BB28
(57)【要約】
【課題】バッフル構造を含む基板処理装置において、チャンバ内の汚染を低減することができる技術を提供する。
【解決手段】基板処理装置は、基板支持部とチャンバの側壁との間に配置される第1の環状バッフルプレートと、第1の環状バッフルプレートと縦方向に重複するように配置され、第1の磁石構造体を含む第2の環状バッフルプレートと、チャンバの外に配置される第1の駆動ユニットであって、第2の磁石構造体を横方向に回転させることで、第1の磁石構造体を横方向に回転させ、第1の磁石構造体の横方向の回転により、第1の環状バッフルプレートに対して第2の環状バッフルプレートを横方向に回転させるように構成される第1のアクチュエータと、を含む、第1の駆動ユニットと、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁を有するチャンバと、
前記チャンバ内に配置される基板支持部と、
前記基板支持部と前記チャンバの前記側壁との間に配置され、上面及び下面を有する第1の環状バッフルプレートであって、前記第1の環状バッフルプレートは、前記上面から前記下面まで貫通する複数の第1の開口を有する、前記第1の環状バッフルプレートと、
前記第1の環状バッフルプレートと縦方向に重複するように配置され、上面、下面及び第1の外側エッジ面を有する第2の環状バッフルプレートであって、前記第2の環状バッフルプレートは、前記上面から前記下面まで貫通する複数の第2の開口を有し、前記第2の環状バッフルプレートは、前記第1の外側エッジ面に配置される第1の磁石構造体を含む、前記第2の環状バッフルプレートと、
前記チャンバの外に配置される第1の駆動ユニットであって、前記第1の駆動ユニットは、
前記チャンバの前記側壁を介して前記第1の磁石構造体に対向するように配置される第2の磁石構造体と、
前記第2の磁石構造体を横方向に回転させることで、前記第1の磁石構造体を横方向に回転させ、前記第1の磁石構造体の横方向の回転により、前記第1の環状バッフルプレートに対して前記第2の環状バッフルプレートを横方向に回転させるように構成される第1のアクチュエータと、を含む、前記第1の駆動ユニットと、
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記第1の磁石構造体は、1又は複数の第1のS極磁石及び1又は複数の第1のN極磁石を含み、
前記1又は複数の第1のS極磁石及び前記1又は複数の第1のN極磁石は、前記第2の環状バッフルプレートの前記第1の外側エッジ面の第1の領域において横方向に沿って交互に配列され、
前記第2の磁石構造体は、第1の非接触ギアと、1又は複数の第2のS極磁石と、1又は複数の第2のN極磁石と、を含み、
前記第1の非接触ギアは、第2の外側エッジ面を有し、前記第2の外側エッジ面は、前記チャンバの前記側壁を介して前記第2の環状バッフルプレートの前記第1の外側エッジ面に対向し、
前記1又は複数の第2のS極磁石及び前記1又は複数の第2のN極磁石は、前記第2の外側エッジ面の第2の領域において横方向に沿って交互に配列される、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1のS極磁石及び前記第1のN極磁石は、前記第2の開口の横寸法の50%以下の横寸法を有する、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第1のS極磁石及び前記第1のN極磁石は、前記第2の開口の横寸法の25%以下の横寸法を有する、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1の領域は、前記第2の開口の横寸法と略同じ横寸法を有し、
前記1又は複数の第1のS極磁石及び前記1又は複数の第1のN極磁石は、複数の第1のS極磁石及び複数の第1のN極磁石を含み、
前記1又は複数の第2のS極磁石及び前記1又は複数の第2のN極磁石は、複数の第2のS極磁石及び複数の第2のN極磁石を含む、
請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第2の領域は、前記第1の領域の横寸法と同じかそれよりも大きい横寸法を有する、
請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第1の環状バッフルプレートは、前記チャンバに対し固定され、
前記第2の環状バッフルプレートは、前記第1の環状バッフルプレートの下方に配置される、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記チャンバの外に配置される第2の駆動ユニットを、さらに備え、
前記第2の環状バッフルプレートは、第3の磁石構造体を含み、
前記第2の駆動ユニットは、
前記チャンバの前記側壁を介して前記第3の磁石構造体に対向するように配置される第4の磁石構造体と、
前記第4の磁石構造体を縦方向に回転又は移動させることにより、前記第3の磁石構造体を縦方向に移動させ、前記第3の磁石構造体の移動により前記第1の環状バッフルプレートに対して前記第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成される第2のアクチュエータと、を含む、
請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第3の磁石構造体は、1又は複数の第3のS極磁石及び1又は複数の第3のN極磁石を含み、
前記1又は複数の第3のS極磁石及び前記1又は複数の第3のN極磁石は、前記第2の環状バッフルプレートの前記第1の外側エッジ面の第3の領域において縦方向に沿って交互に配列され、
前記第4の磁石構造体は、第2の非接触ギアと、1又は複数の第4のS極磁石と、1又は複数の第4のN極磁石と、を含み、
前記第2の非接触ギアは、第3の外側エッジ面を有し、前記第3の外側エッジ面は、前記チャンバの前記側壁を介して前記第2の環状バッフルプレートの前記第1の外側エッジ面に対向し、
前記1又は複数の第4のS極磁石及び前記1又は複数の第4のN極磁石は、前記第3の外側エッジ面の第4の領域において縦方向に沿って交互に配列される、
請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記チャンバ内に配置され、前記第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成される昇降ユニットと、
前記チャンバ外に配置される第2の駆動ユニットと、をさらに備え、
前記昇降ユニットは、第3の磁石構造体を含み、
前記第2の駆動ユニットは、
前記チャンバの前記側壁を介して前記第3の磁石構造体に対向するように配置される第4の磁石構造体と、
前記第4の磁石構造体を横方向に回転させることにより、前記第3の磁石構造体を横方向に回転させ、前記第3の磁石構造体の回転により前記第1の環状バッフルプレートに対して前記第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成される第2のアクチュエータと、を含む、
請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記第3の磁石構造体は、第2の非接触ギアと、1又は複数の第3のS極磁石と、1又は複数の第3のN極磁石と、を含み、
前記第2の非接触ギアは、第3の外側エッジ面を有し、
前記1又は複数の第3のS極磁石及び前記1又は複数の第3のN極磁石は、前記第2の非接触ギアの前記第3の外側エッジ面の第3の領域において横方向に沿って交互に配列され、
前記第4の磁石構造体は、第3の非接触ギアと、1又は複数の第4のS極磁石と、1又は複数の第4のN極磁石と、を含み、
前記第3の非接触ギアは、第4の外側エッジ面を有し、前記第4の外側エッジ面は、前記チャンバの前記側壁を介して前記第3の外側エッジ面に対向し、
前記1又は複数の第4のS極磁石及び前記1又は複数の第4のN極磁石は、前記第4の外側エッジ面の第4の領域において横方向に沿って交互に配列される、
請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
側壁を有するチャンバと、
前記チャンバ内に配置される基板支持部と、
前記基板支持部と前記チャンバの前記側壁との間に配置され、上面及び下面を有する第1の環状バッフルプレートであって、前記第1の環状バッフルプレートは、前記上面から前記下面まで貫通する複数の第1の開口を有する、前記第1の環状バッフルプレートと、
前記第1の環状バッフルプレートと縦方向に重複するように配置され、上面、下面及び第1の外側エッジ面を有する第2の環状バッフルプレートであって、前記第2の環状バッフルプレートは、前記上面から前記下面まで貫通する複数の第2の開口を有し、前記第2の環状バッフルプレートは、第1の磁石構造体を含む、前記第2の環状バッフルプレートと、
前記チャンバの外に配置される駆動ユニットであって、前記駆動ユニットは、
前記チャンバの前記側壁を介して前記第1の磁石構造体に対向するように配置される第2の磁石構造体と、
前記第2の磁石構造体を縦方向に回転又は移動させることにより、前記第1の磁石構造体を縦方向に移動させ、前記第1の磁石構造体の移動により前記第1の環状バッフルプレートに対して前記第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成されるアクチュエータと、を含む、前記駆動ユニットと、
を備える、基板処理装置。
【請求項13】
前記第1の磁石構造体は、1又は複数の第1のS極磁石及び1又は複数の第1のN極磁石を含み、
前記1又は複数の第1のS極磁石及び前記1又は複数の第1のN極磁石は、前記第2の環状バッフルプレートの前記第1の外側エッジ面の第1の領域において縦方向に沿って交互に配列され、
前記第2の磁石構造体は、非接触ギアと、1又は複数の第2のS極磁石と、1又は複数の第2のN極磁石と、を含み、
前記非接触ギアは、第2の外側エッジ面を有し、前記第2の外側エッジ面は、前記チャンバの前記側壁を介して前記第2の環状バッフルプレートの前記第1の外側エッジ面に対向し、
前記1又は複数の第2のS極磁石及び前記1又は複数の第2のN極磁石は、前記第2の外側エッジ面の第2の領域において縦方向に沿って交互に配列される、
請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記1又は複数の第1のS極磁石及び前記1又は複数の第1のN極磁石は、複数の第1のS極磁石及び複数の第1のN極磁石を含み、
前記1又は複数の第2のS極磁石及び前記1又は複数の第2のN極磁石は、複数の第2のS極磁石及び複数の第2のN極磁石を含む、
請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
側壁を有するチャンバと、
前記チャンバ内に配置される基板支持部と、
前記基板支持部と前記チャンバの前記側壁との間に配置され、上面及び下面を有する第1の環状バッフルプレートであって、前記第1の環状バッフルプレートは、前記上面から前記下面まで貫通する複数の第1の開口を有する、前記第1の環状バッフルプレートと、
前記第1の環状バッフルプレートと縦方向に重複するように配置され、上面及び下面を有する第2の環状バッフルプレートであって、前記第2の環状バッフルプレートは、前記上面から前記下面まで貫通する複数の第2の開口を有する、前記第2の環状バッフルプレートと、
前記チャンバ内に配置され、前記第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成される昇降ユニットであって、前記昇降ユニットは、第1の磁石構造体を含む、前記昇降ユニットと、
前記チャンバ外に配置される駆動ユニットであって、前記駆動ユニットは、
前記チャンバの前記側壁を介して前記第1の磁石構造体に対向するように配置される第2の磁石構造体と、
前記第2の磁石構造体を横方向に回転させることにより、前記第1の磁石構造体を横方向に回転させ、前記第1の磁石構造体の回転により前記第1の環状バッフルプレートに対して前記第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成されるアクチュエータと、を含む、前記駆動ユニットと、
を備える、基板処理装置。
【請求項16】
前記第1の磁石構造体は、第1の非接触ギアと、1又は複数の第1のS極磁石と、1又は複数の第1のN極磁石と、を含み、
前記第1の非接触ギアは、第1の外側エッジ面を有し、
前記1又は複数の第1のS極磁石及び前記1又は複数の第1のN極磁石は、前記第1の非接触ギアの前記第1の外側エッジ面の第1の領域において横方向に沿って交互に配列され、
前記第2の磁石構造体は、第2の非接触ギアと、1又は複数の第2のS極磁石と、1又は複数の第2のN極磁石と、を含み、
前記第2の非接触ギアは、第2の外側エッジ面を有し、前記第2の外側エッジ面は、前記チャンバの前記側壁を介して前記第1の外側エッジ面に対向し、
前記1又は複数の第2のS極磁石及び前記1又は複数の第2のN極磁石は、前記第2の外側エッジ面の第2の領域において横方向に沿って交互に配列される、
請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記1又は複数の第1のS極磁石及び前記1又は複数の第1のN極磁石は、複数の第1のS極磁石及び複数の第1のN極磁石を含み、
前記1又は複数の第2のS極磁石及び前記1又は複数の第2のN極磁石は、複数の第2のS極磁石及び複数の第2のN極磁石を含む、
請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
側壁を有するチャンバと、
前記チャンバ内に配置される基板支持部と、
前記基板支持部と前記チャンバの前記側壁との間に配置されるバッフル構造体であって、前記バッフル構造体は、周方向に沿って配列される複数のバッフルセグメントを含み、前記複数のバッフルセグメントの各バッフルセグメントは、上面及び下面を有する本体部と、第1の磁石構造体と、前記本体部と第1の磁石構造体との間において径方向に沿って延在する回転軸と、を含む、前記バッフル構造体と、
前記複数のバッフルセグメントにそれぞれ対応し、前記チャンバの外に配置される複数の駆動ユニットであって、前記複数の駆動ユニットの各駆動ユニットは、前記チャンバの前記側壁を介して前記第1の磁石構造体に対向するように配置される第2の磁石構造体と、前記第2の磁石構造体を回転させることで、前記第1の磁石構造体を回転させ、前記第1の磁石構造体の回転により前記バッフル構造体の前記本体部を前記回転軸を中心に回転させるように構成されるアクチュエータと、を含む、前記駆動ユニットと、
を備える、基板処理装置。
【請求項19】
前記第1の磁石構造体は、第1の非接触ギアと、1又は複数の第1のS極磁石と、1又は複数の第1のN極磁石と、を含み、
前記第1の非接触ギアは、前記チャンバの前記側壁に対向する第1の面を有し、
前記1又は複数の第1のS極磁石及び前記1又は複数の第1のN極磁石は、前記第1の非接触ギアの前記第1の面において周方向に沿って交互に配列され、
前記第2の磁石構造体は、第2の非接触ギアと、1又は複数の第2のS極磁石と、1又は複数の第2のN極磁石と、を含み、
前記第2の非接触ギアは、第2の面を有し、前記第2の面は、前記チャンバの前記側壁を介して前記第1の非接触ギアの前記第1の面に対向し、
前記1又は複数の第2のS極磁石及び1又は複数の第2のN極磁石は、前記第2の非接触ギアの前記第2の面において周方向に沿って交互に配列される、請求項18に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記1又は複数の第1のS極磁石及び前記1又は複数の第1のN極磁石は、複数の第1のS極磁石及び複数の第1のN極磁石を含み、
前記1又は複数の第2のS極磁石及び前記1又は複数の第2のN極磁石は、複数の第2のS極磁石及び複数の第2のN極磁石を含む、
請求項19に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的実施形態は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置において、排気リングをチャンバ内のギアにより駆動する技術として、特許文献1に記載された技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開2018/0202045号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、バッフル構造を含む基板処理装置において、チャンバ内の汚染を低減することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一つの例示的実施形態における基板処理装置は、側壁を有するチャンバと、チャンバ内に配置される基板支持部と、基板支持部とチャンバの側壁との間に配置され、上面及び下面を有する第1の環状バッフルプレートであって、第1の環状バッフルプレートは、上面から下面まで貫通する複数の第1の開口を有する、第1の環状バッフルプレートと、第1の環状バッフルプレートと縦方向に重複するように配置され、上面、下面及び第1の外側エッジ面を有する第2の環状バッフルプレートであって、第2の環状バッフルプレートは、上面から下面まで貫通する複数の第2の開口を有し、第2の環状バッフルプレートは、第1の外側エッジ面に配置される第1の磁石構造体を含む、第2の環状バッフルプレートと、チャンバの外に配置される第1の駆動ユニットであって、第1の駆動ユニットは、チャンバの側壁を介して第1の磁石構造体に対向するように配置される第2の磁石構造体と、第2の磁石構造体を横方向に回転させることで、第1の磁石構造体を横方向に回転させ、第1の磁石構造体の横方向の回転により、第1の環状バッフルプレートに対して第2の環状バッフルプレートを横方向に回転させるように構成される第1のアクチュエータと、を含む、第1の駆動ユニットと、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一つの例示的実施形態によれば、バッフル構造を含む基板処理装置において、チャンバ内の汚染を低減することができる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】プラズマ処理システムの構成例を説明するための図である。
【
図2】第1の実施の形態におけるプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
【
図3】第1の環状バッフルプレート及び第2の環状バッフルプレートの構成の一例を説明するための図である。
【
図4】第1の環状バッフルプレート、第2の環状バッフルプレート及び第1の駆動ユニットの構成の一例を説明するための図である。
【
図5】第1の磁石構造体における第1のS極磁石と第1のN極磁石の配置例と、第2の磁石構造体における第2のS極磁石と第2のN極磁石の配置例を説明するための図である。
【
図6A】プラズマ処理空間の内部圧力を相対的に低くする場合における第1の開口と第2の開口の位置調整の一例を示す図である。
【
図6B】プラズマ処理空間の内部圧力を相対的に高くする場合における第1の開口と第2の開口の位置調整の一例を示す図である。
【
図6C】プラズマ処理空間の内部圧力を中程度にする場合における第1の開口と第2の開口の位置調整の一例を示す図である。
【
図7】第2の実施の形態におけるプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
【
図8】第1の環状バッフルプレート、第2の環状バッフルプレート及び第2の駆動ユニットの構成の一例を説明するための図である。
【
図9A】プラズマ処理空間の内部圧力を相対的に低くする場合における第1の開口と第2の開口の距離調整の一例を示す図である。
【
図9B】プラズマ処理空間の内部圧力を相対的に高くする場合における第1の開口と第2の開口の距離調整の一例を示す図である。
【
図10】第1の環状バッフルプレート、第2の環状バッフルプレート及び第2の駆動ユニットの他の構成例を説明するための図である。
【
図11】第2の駆動ユニットがチャンバの側壁に沿った複数個所に配置される例を説明するための図である。
【
図12】プラズマ処理装置が、第2の環状バッフルプレートの移動をガイドするガイドシャフトを有する場合の例を説明するための図である。
【
図13】第2の環状バッフルプレートの貫通孔とガイドシャフトに設けられた磁石の配置例を示す図である。
【
図14】第2の実施の形態において、プラズマ処理装置が、第1の環状バッフルプレート、第2の環状バッフルプレート、昇降ユニット及び第2の駆動ユニットを有する場合の例を説明するための図である。
【
図15】第3の実施の形態におけるプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
【
図16】バッフル構造体と駆動ユニットの構成例を説明するための図である。
【
図17】バッフル構造体と駆動ユニットの構成例を説明するための図である。
【
図18】第1の磁石構造体の第1のS極磁石及び第1のN極磁石の配置例を示す図である。
【
図19】第2の磁石構造体の第2のS極磁石及び第2のN極磁石の配置例を示す図である。
【
図20】バッフル構造体における本体部を90°回転させ、本体部間に開口を形成する様子を示す図である。
【
図21A】プラズマ処理空間の内部圧力を相対的に低くする場合における本体部の回転角度調整の一例を示す図である。
【
図21B】プラズマ処理空間の内部圧力を相対的に高くする場合における本体部の回転角度調整の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の各実施形態について説明する。
【0009】
一つの例示的実施形態において、側壁を有するチャンバと、チャンバ内に配置される基板支持部と、基板支持部とチャンバの側壁との間に配置され、上面及び下面を有する第1の環状バッフルプレートであって、第1の環状バッフルプレートは、上面から下面まで貫通する複数の第1の開口を有する、第1の環状バッフルプレートと、第1の環状バッフルプレートと縦方向に重複するように配置され、上面、下面及び第1の外側エッジ面を有する第2の環状バッフルプレートであって、第2の環状バッフルプレートは、上面から下面まで貫通する複数の第2の開口を有し、第2の環状バッフルプレートは、第1の外側エッジ面に配置される第1の磁石構造体を含む、第2の環状バッフルプレートと、チャンバの外に配置される第1の駆動ユニットであって、第1の駆動ユニットは、チャンバの側壁を介して第1の磁石構造体に対向するように配置される第2の磁石構造体と、第2の磁石構造体を横方向に回転させることで、第1の磁石構造体を横方向に回転させ、第1の磁石構造体の横方向の回転により、第1の環状バッフルプレートに対して第2の環状バッフルプレートを横方向に回転させるように構成される第1のアクチュエータと、を含む、第1の駆動ユニットと、を備える、基板処理装置が提供される。
【0010】
一つの例示的実施形態において、第1の磁石構造体は、1又は複数の第1のS極磁石及び1又は複数の第1のN極磁石を含み、1又は複数の第1のS極磁石及び1又は複数の第1のN極磁石は、第2の環状バッフルプレートの第1の外側エッジ面の第1の領域において横方向に沿って交互に配列され、第2の磁石構造体は、第1の非接触ギアと、1又は複数の第2のS極磁石と、1又は複数の第2のN極磁石と、を含み、第1の非接触ギアは、第2の外側エッジ面を有し、第2の外側エッジ面は、チャンバの側壁を介して第2の環状バッフルプレートの第1の外側エッジ面に対向し、1又は複数の第2のS極磁石及び1又は複数の第2のN極磁石は、第2の外側エッジ面の第2の領域において横方向に沿って交互に配列される。
【0011】
一つの例示的実施形態において、第1のS極磁石及び第1のN極磁石は、第2の開口の横寸法の50%以下の横寸法を有する。
【0012】
一つの例示的実施形態において、第1のS極磁石及び第1のN極磁石は、第2の開口の横寸法の25%以下の横寸法を有する。
【0013】
一つの例示的実施形態において、第1の領域は、第2の開口の横寸法と略同じ横寸法を有し、1又は複数の第1のS極磁石及び1又は複数の第1のN極磁石は、複数の第1のS極磁石及び複数の第1のN極磁石を含み、1又は複数の第2のS極磁石及び1又は複数の第2のN極磁石は、複数の第2のS極磁石及び複数の第2のN極磁石を含む。
【0014】
一つの例示的実施形態において、第2の領域は、第1の領域の横寸法と同じかそれよりも大きい横寸法を有する。
【0015】
一つの例示的実施形態において、第1の環状バッフルプレートは、チャンバに対し固定され、第2の環状バッフルプレートは、第1の環状バッフルプレートの下方に配置される。
【0016】
一つの例示的実施形態において、チャンバの外に配置される第2の駆動ユニットを、さらに備え、第2の環状バッフルプレートは、第3の磁石構造体を含み、第2の駆動ユニットは、チャンバの側壁を介して第3の磁石構造体に対向するように配置される第4の磁石構造体と、第4の磁石構造体を縦方向に回転又は移動させることにより、第3の磁石構造体を縦方向に移動させ、第3の磁石構造体の移動により第1の環状バッフルプレートに対して第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成される第2のアクチュエータと、を含む。
【0017】
一つの例示的実施形態において、第3の磁石構造体は、1又は複数の第3のS極磁石及び1又は複数の第3のN極磁石を含み、1又は複数の第3のS極磁石及び1又は複数の第3のN極磁石は、第2の環状バッフルプレートの第1の外側エッジ面の第3の領域において縦方向に沿って交互に配列され、第4の磁石構造体は、第2の非接触ギアと、1又は複数の第4のS極磁石と、1又は複数の第4のN極磁石と、を含み、第2の非接触ギアは、第3の外側エッジ面を有し、第3の外側エッジ面は、チャンバの側壁を介して第2の環状バッフルプレートの第1の外側エッジ面に対向し、1又は複数の第4のS極磁石及び1又は複数の第4のN極磁石は、第3の外側エッジ面の第4の領域において縦方向に沿って交互に配列される。
【0018】
一つの例示的実施形態において、チャンバ内に配置され、第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成される昇降ユニットと、チャンバ外に配置される第2の駆動ユニットと、をさらに備え、昇降ユニットは、第3の磁石構造体を含み、第2の駆動ユニットは、チャンバの側壁を介して第3の磁石構造体に対向するように配置される第4の磁石構造体と、第4の磁石構造体を横方向に回転させることにより、第3の磁石構造体を横方向に回転させ、第3の磁石構造体の回転により第1の環状バッフルプレートに対して第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成される第2のアクチュエータと、を含む。
【0019】
一つの例示的実施形態において、第3の磁石構造体は、第2の非接触ギアと、1又は複数の第3のS極磁石と、1又は複数の第3のN極磁石と、を含み、第2の非接触ギアは、第3の外側エッジ面を有し、1又は複数の第3のS極磁石及び1又は複数の第3のN極磁石は、第2の非接触ギアの第3の外側エッジ面の第3の領域において横方向に沿って交互に配列され、第4の磁石構造体は、第3の非接触ギアと、1又は複数の第4のS極磁石と、1又は複数の第4のN極磁石と、を含み、第3の非接触ギアは、第4の外側エッジ面を有し、第4の外側エッジ面は、チャンバの側壁を介して第3の外側エッジ面に対向し、1又は複数の第4のS極磁石及び1又は複数の第4のN極磁石は、第4の外側エッジ面の第4の領域において横方向に沿って交互に配列される。
【0020】
一つの例示的実施形態において、側壁を有するチャンバと、チャンバ内に配置される基板支持部と、基板支持部とチャンバの側壁との間に配置され、上面及び下面を有する第1の環状バッフルプレートであって、第1の環状バッフルプレートは、上面から下面まで貫通する複数の第1の開口を有する、第1の環状バッフルプレートと、第1の環状バッフルプレートと縦方向に重複するように配置され、上面、下面及び第1の外側エッジ面を有する第2の環状バッフルプレートであって、第2の環状バッフルプレートは、上面から下面まで貫通する複数の第2の開口を有し、第2の環状バッフルプレートは、第1の磁石構造体を含む、第2の環状バッフルプレートと、チャンバの外に配置される駆動ユニットであって、駆動ユニットは、チャンバの側壁を介して第1の磁石構造体に対向するように配置される第2の磁石構造体と、第2の磁石構造体を縦方向に回転又は移動させることにより、第1の磁石構造体を縦方向に移動させ、第1の磁石構造体の移動により第1の環状バッフルプレートに対して第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成されるアクチュエータと、を含む、駆動ユニットと、を備える、基板処理装置が提供される。
【0021】
一つの例示的実施形態において、第1の磁石構造体は、1又は複数の第1のS極磁石及び1又は複数の第1のN極磁石を含み、1又は複数の第1のS極磁石及び1又は複数の第1のN極磁石は、第2の環状バッフルプレートの第1の外側エッジ面の第1の領域において縦方向に沿って交互に配列され、第2の磁石構造体は、非接触ギアと、1又は複数の第2のS極磁石と、1又は複数の第2のN極磁石と、を含み、非接触ギアは、第2の外側エッジ面を有し、第2の外側エッジ面は、チャンバの側壁を介して第2の環状バッフルプレートの第1の外側エッジ面に対向し、1又は複数の第2のS極磁石及び1又は複数の第2のN極磁石は、第2の外側エッジ面の第2の領域において縦方向に沿って交互に配列される。
【0022】
一つの例示的実施形態において、1又は複数の第1のS極磁石及び1又は複数の第1のN極磁石は、複数の第1のS極磁石及び複数の第1のN極磁石を含み、1又は複数の第2のS極磁石及び1又は複数の第2のN極磁石は、複数の第2のS極磁石及び複数の第2のN極磁石を含む。
【0023】
一つの例示的実施形態において、側壁を有するチャンバと、チャンバ内に配置される基板支持部と、基板支持部とチャンバの側壁との間に配置され、上面及び下面を有する第1の環状バッフルプレートであって、第1の環状バッフルプレートは、上面から下面まで貫通する複数の第1の開口を有する、第1の環状バッフルプレートと、第1の環状バッフルプレートと縦方向に重複するように配置され、上面及び下面を有する第2の環状バッフルプレートであって、第2の環状バッフルプレートは、上面から下面まで貫通する複数の第2の開口を有する、第2の環状バッフルプレートと、チャンバ内に配置され、第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成される昇降ユニットであって、昇降ユニットは、第1の磁石構造体を含む、昇降ユニットと、チャンバ外に配置される駆動ユニットであって、駆動ユニットは、チャンバの側壁を介して第1の磁石構造体に対向するように配置される第2の磁石構造体と、第2の磁石構造体を横方向に回転させることにより、第1の磁石構造体を横方向に回転させ、第1の磁石構造体の回転により第1の環状バッフルプレートに対して第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成されるアクチュエータと、を含む、駆動ユニットと、を備える、基板処理装置が提供される。
【0024】
一つの例示的実施形態において、第1の磁石構造体は、第1の非接触ギアと、1又は複数の第1のS極磁石と、1又は複数の第1のN極磁石と、を含み、第1の非接触ギアは、第1の外側エッジ面を有し、1又は複数の第1のS極磁石及び1又は複数の第1のN極磁石は、第1の非接触ギアの第1の外側エッジ面の第1の領域において横方向に沿って交互に配列され、第2の磁石構造体は、第2の非接触ギアと、1又は複数の第2のS極磁石と、1又は複数の第2のN極磁石と、を含み、第2の非接触ギアは、第2の外側エッジ面を有し、第2の外側エッジ面は、チャンバの側壁を介して第1の外側エッジ面に対向し、1又は複数の第2のS極磁石及び1又は複数の第2のN極磁石は、第2の外側エッジ面の第2の領域において横方向に沿って交互に配列される。
【0025】
一つの例示的実施形態において、1又は複数の第1のS極磁石及び1又は複数の第1のN極磁石は、複数の第1のS極磁石及び複数の第1のN極磁石を含み、1又は複数の第2のS極磁石及び1又は複数の第2のN極磁石は、複数の第2のS極磁石及び複数の第2のN極磁石を含む。
【0026】
一つの例示的実施形態において、側壁を有するチャンバと、チャンバ内に配置される基板支持部と、基板支持部とチャンバの側壁との間に配置されるバッフル構造体であって、バッフル構造体は、周方向に沿って配列される複数のバッフルセグメントを含み、複数のバッフルセグメントの各バッフルセグメントは、上面及び下面を有する本体部と、第1の磁石構造体と、本体部と第1の磁石構造体との間において径方向に沿って延在する回転軸と、を含む、バッフル構造体と、複数のバッフルセグメントにそれぞれ対応し、チャンバの外に配置される複数の駆動ユニットであって、複数の駆動ユニットの各駆動ユニットは、チャンバの側壁を介して第1の磁石構造体に対向するように配置される第2の磁石構造体と、第2の磁石構造体を回転させることで、第1の磁石構造体を回転させ、第1の磁石構造体の回転によりバッフル構造体の本体部を回転軸を中心に回転させるように構成されるアクチュエータと、を含む、駆動ユニットと、を備える、基板処理装置が提供される。
【0027】
一つの例示的実施形態において、第1の磁石構造体は、第1の非接触ギアと、1又は複数の第1のS極磁石と、1又は複数の第1のN極磁石と、を含み、第1の非接触ギアは、チャンバの側壁に対向する第1の面を有し、1又は複数の第1のS極磁石及び1又は複数の第1のN極磁石は、第1の非接触ギアの第1の面において周方向に沿って交互に配列され、第2の磁石構造体は、第2の非接触ギアと、1又は複数の第2のS極磁石と、1又は複数の第2のN極磁石と、を含み、第2の非接触ギアは、第2の面を有し、第2の面は、チャンバの側壁を介して第1の非接触ギアの第1の面に対向し、1又は複数の第2のS極磁石及び1又は複数の第2のN極磁石は、第2の非接触ギアの第2の面において周方向に沿って交互に配列される。
【0028】
一つの例示的実施形態において、1又は複数の第1のS極磁石及び1又は複数の第1のN極磁石は、複数の第1のS極磁石及び複数の第1のN極磁石を含み、1又は複数の第2のS極磁石及び1又は複数の第2のN極磁石は、複数の第2のS極磁石及び複数の第2のN極磁石を含む。
【0029】
以下、図面を参照して、本開示の各実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一または同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づいて上下左右等の位置関係を説明する。図面の寸法比率は実際の比率を示すものではなく、また、実際の比率は図示の比率に限られるものではない。
【0030】
(第1の実施の形態)
<プラズマ処理システムの一例>
図1は、プラズマ処理システムの構成例を説明するための図である。一実施形態において、プラズマ処理システムは、プラズマ処理装置1及び制御部2を含む。プラズマ処理システムは、基板処理システムの一例であり、プラズマ処理装置1は、基板処理装置の一例である。プラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、基板支持部11及びプラズマ生成部12を含む。プラズマ処理チャンバ10は、プラズマ処理空間を有する。また、プラズマ処理チャンバ10は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間に供給するための少なくとも1つのガス供給口と、プラズマ処理空間からガスを排出するための少なくとも1つのガス排出口とを有する。ガス供給口は、後述するガス供給部20に接続され、ガス排出口は、後述する排気システム40に接続される。基板支持部11は、プラズマ処理空間内に配置され、基板を支持するための基板支持面を有する。
【0031】
プラズマ生成部12は、プラズマ処理空間内に供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマを生成するように構成される。プラズマ処理空間において形成されるプラズマは、容量結合プラズマ(CCP;Capacitively Coupled Plasma)、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)、ECRプラズマ(Electron-Cyclotron-resonance plasma)、ヘリコン波励起プラズマ(HWP:Helicon Wave Plasma)、又は、表面波プラズマ(SWP:Surface Wave Plasma)等であってもよい。また、AC(Alternating Current)プラズマ生成部及びDC(Direct Current)プラズマ生成部を含む、種々のタイプのプラズマ生成部が用いられてもよい。一実施形態において、ACプラズマ生成部で用いられるAC信号(AC電力)は、100kHz~10GHzの範囲内の周波数を有する。従って、AC信号は、RF(Radio Frequency)信号及びマイクロ波信号を含む。一実施形態において、RF信号は、 100kHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。
【0032】
制御部2は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部2は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御部2の一部又は全てがプラズマ処理装置1に含まれてもよい。制御部2は、処理部2a1、記憶部2a2及び通信インターフェース2a3を含んでもよい。制御部2は、例えばコンピュータ2aにより実現される。処理部2a1は、記憶部2a2からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することにより種々の制御動作を行うように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部2a2に格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部2a2に格納され、処理部2a1によって記憶部2a2から読み出されて実行される。媒体は、コンピュータ2aに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、通信インターフェース2a3に接続されている通信回線であってもよい。処理部2a1は、CPU(Central Processing Unit)であってもよい。記憶部2a2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース2a3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1との間で通信してもよい。
【0033】
以下に、プラズマ処理装置1の一例としての容量結合型のプラズマ処理装置の構成例について説明する。
図2は、容量結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
【0034】
容量結合型のプラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10(単に「チャンバ」ともいう。)、ガス供給部20、電源30及び排気システム40を含む。また、プラズマ処理装置1は、基板支持部11及びガス導入部を含む。ガス導入部は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理チャンバ10内に導入するように構成される。ガス導入部は、シャワーヘッド13を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置される。シャワーヘッド13は、基板支持部11の上方に配置される。一実施形態において、シャワーヘッド13は、プラズマ処理チャンバ10の天部(ceiling)の少なくとも一部を構成する。プラズマ処理チャンバ10は、シャワーヘッド13、プラズマ処理チャンバ10の側壁10a及び基板支持部11により規定されたプラズマ処理空間10sを有する。プラズマ処理チャンバ10は接地される。シャワーヘッド13及び基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10の筐体とは電気的に絶縁される。
【0035】
基板支持部11は、本体部111及びリングアセンブリ112を含む。本体部111は、基板Wを支持するための中央領域111aと、リングアセンブリ112を支持するための環状領域111bとを有する。ウェハは基板Wの一例である。本体部111の環状領域111bは、平面視で本体部111の中央領域111aを囲んでいる。基板Wは、本体部111の中央領域111a上に配置され、リングアセンブリ112は、本体部111の中央領域111a上の基板Wを囲むように本体部111の環状領域111b上に配置される。従って、中央領域111aは、基板Wを支持するための基板支持面とも呼ばれ、環状領域111bは、リングアセンブリ112を支持するためのリング支持面とも呼ばれる。
【0036】
一実施形態において、本体部111は、基台1110及び静電チャック1111を含む。基台1110は、導電性部材を含む。基台1110の導電性部材は下部電極として機能し得る。静電チャック1111は、基台1110の上に配置される。静電チャック1111は、セラミック部材1111aとセラミック部材1111a内に配置される静電電極1111bとを含む。セラミック部材1111aは、中央領域111aを有する。一実施形態において、セラミック部材1111aは、環状領域111bも有する。なお、環状静電チャックや環状絶縁部材のような、静電チャック1111を囲む他の部材が環状領域111bを有してもよい。この場合、リングアセンブリ112は、環状静電チャック又は環状絶縁部材の上に配置されてもよく、静電チャック1111と環状絶縁部材の両方の上に配置されてもよい。また、後述するRF電源31及び/又はDC電源32に結合される少なくとも1つのRF/DC電極がセラミック部材1111a内に配置されてもよい。この場合、少なくとも1つのRF/DC電極が下部電極として機能する。後述するバイアスRF信号及び/又はDC信号が少なくとも1つのRF/DC電極に供給される場合、RF/DC電極はバイアス電極とも呼ばれる。なお、基台1110の導電性部材と少なくとも1つのRF/DC電極とが複数の下部電極として機能してもよい。また、静電電極1111bが下部電極として機能してもよい。従って、基板支持部11は、少なくとも1つの下部電極を含む。
【0037】
リングアセンブリ112は、1又は複数の環状部材を含む。一実施形態において、1又は複数の環状部材は、1又は複数のエッジリングと少なくとも1つのカバーリングとを含む。エッジリングは、導電性材料又は絶縁材料で形成され、カバーリングは、絶縁材料で形成される。
【0038】
また、基板支持部11は、静電チャック1111、リングアセンブリ112及び基板のうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路1110a、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路1110aには、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。一実施形態において、流路1110aが基台1110内に形成され、1又は複数のヒータが静電チャック1111のセラミック部材1111a内に配置される。また、基板支持部11は、基板Wの裏面と中央領域111aとの間の間隙に伝熱ガスを供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。
【0039】
シャワーヘッド13は、ガス供給部20からの少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10s内に導入するように構成される。シャワーヘッド13は、少なくとも1つのガス供給口13a、少なくとも1つのガス拡散室13b、及び複数のガス導入口13cを有する。ガス供給口13aに供給された処理ガスは、ガス拡散室13bを通過して複数のガス導入口13cからプラズマ処理空間10s内に導入される。また、シャワーヘッド13は、少なくとも1つの上部電極を含む。なお、ガス導入部は、シャワーヘッド13に加えて、側壁10aに形成された1又は複数の開口部に取り付けられる1又は複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
【0040】
ガス供給部20は、少なくとも1つのガスソース21及び少なくとも1つの流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してシャワーヘッド13に供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスの流量を変調又はパルス化する少なくとも1つの流量変調デバイスを含んでもよい。
【0041】
電源30は、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してプラズマ処理チャンバ10に結合されるRF電源31を含む。RF電源31は、少なくとも1つのRF信号(RF電力)を少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給するように構成される。これにより、プラズマ処理空間10sに供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマが形成される。従って、RF電源31は、プラズマ生成部12の少なくとも一部として機能し得る。また、バイアスRF信号を少なくとも1つの下部電極に供給することにより、基板Wにバイアス電位が発生し、形成されたプラズマ中のイオン成分を基板Wに引き込むことができる。
【0042】
一実施形態において、RF電源31は、第1のRF生成部31a及び第2のRF生成部31bを含む。第1のRF生成部31aは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に結合され、プラズマ生成用のソースRF信号(ソースRF電力)を生成するように構成される。一実施形態において、ソースRF信号は、10MHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第1のRF生成部31aは、異なる周波数を有する複数のソースRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のソースRF信号は、少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給される。
【0043】
第2のRF生成部31bは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極に結合され、バイアスRF信号(バイアスRF電力)を生成するように構成される。バイアスRF信号の周波数は、ソースRF信号の周波数と同じであっても異なっていてもよい。一実施形態において、バイアスRF信号は、ソースRF信号の周波数よりも低い周波数を有する。一実施形態において、バイアスRF信号は、100kHz~60MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第2のRF生成部31bは、異なる周波数を有する複数のバイアスRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のバイアスRF信号は、少なくとも1つの下部電極に供給される。また、種々の実施形態において、ソースRF信号及びバイアスRF信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。
【0044】
また、電源30は、プラズマ処理チャンバ10に結合されるDC電源32を含んでもよい。DC電源32は、第1のDC生成部32a及び第2のDC生成部32bを含む。一実施形態において、第1のDC生成部32aは、少なくとも1つの下部電極に接続され、第1のDC信号を生成するように構成される。生成された第1のDC信号は、少なくとも1つの下部電極に印加される。一実施形態において、第2のDC生成部32bは、少なくとも1つの上部電極に接続され、第2のDC信号を生成するように構成される。生成された第2のDC信号は、少なくとも1つの上部電極に印加される。
【0045】
種々の実施形態において、第1及び第2のDC信号がパルス化されてもよい。この場合、電圧パルスのシーケンスが少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に印加される。電圧パルスは、矩形、台形、三角形又はこれらの組み合わせのパルス波形を有してもよい。一実施形態において、DC信号から電圧パルスのシーケンスを生成するための波形生成部が第1のDC生成部32aと少なくとも1つの下部電極との間に接続される。従って、第1のDC生成部32a及び波形生成部は、電圧パルス生成部を構成する。第2のDC生成部32b及び波形生成部が電圧パルス生成部を構成する場合、電圧パルス生成部は、少なくとも1つの上部電極に接続される。電圧パルスは、正の極性を有してもよく、負の極性を有してもよい。また、電圧パルスのシーケンスは、1周期内に1又は複数の正極性電圧パルスと1又は複数の負極性電圧パルスとを含んでもよい。なお、第1及び第2のDC生成部32a,32bは、RF電源31に加えて設けられてもよく、第1のDC生成部32aが第2のRF生成部31bに代えて設けられてもよい。
【0046】
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部に設けられたガス排出口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力調整弁及び真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0047】
プラズマ処理装置1は、第1の環状バッフルプレート200と、第2の環状バッフルプレート201と、第1の駆動ユニット202を含んでよい。
【0048】
第1の環状バッフルプレート200及び第2の環状バッフルプレート201は、基板支持部11とチャンバ10の側壁10aとの間に配置されてよい。第2の環状バッフルプレート201は、第1の環状バッフルプレート200と縦方向Zに重複し、第1の環状バッフルプレート200の下に配置されてよい。
【0049】
図3は、第1の環状バッフルプレート200及び第2の環状バッフルプレート201の構成の一例を説明する図である。なお、
図3では、説明のため、第1の環状バッフルプレート200と第2の環状バッフルプレート201を離して示している。
図3に示すように、第1の環状バッフルプレート200は、上面210及び下面211を含んでよい。第1の環状バッフルプレート200には、上面210から下面211まで貫通する複数の第1の開口212が形成されてよい。複数の第1の開口212は、第1の環状バッフルプレート200の全周にわたり横方向(周方向)Yに並べて配置されてよい。複数の第1の開口212は、周方向Yに等間隔に配置されてよい。各第1の開口212は、平面視で、径方向Xに長い略長方形のスリット形状を有してよい。第1の環状バッフルプレート200は、基板支持部11又はチャンバ10に対し固定されてよい。
【0050】
第2の環状バッフルプレート201は、上面220と、下面221と、第1の外側エッジ面222と、第1の磁石構造体223とを含んでよい。第2の環状バッフルプレート201には、上面220から下面221まで貫通する複数の第2の開口224が形成されてよい。複数の第2の開口224は、第2の環状バッフルプレート201の全周にわたり周方向Yに並べて配置されてよい。複数の第2の開口224は、周方向Yに等間隔に配置されてよい。各第2の開口224は、平面視で、径方向Xに長い略長方形のスリット形状を有してよい。各第2の開口224は、第1の開口212と同じ数、同じ形及び同じ大きさを有していてよい。第2の環状バッフルプレート201は、基板支持部11又はチャンバ10に対し周方向Yに回転自在に取り付けられてよい。
【0051】
図3及び
図4に示すように、第2の環状バッフルプレート201は、チャンバ10の側壁10aに近接配置された環状外周部230を含んでよい。環状外周部230は、円筒形状を有してよい。環状外周部230は、上面220及び下面221の最外周から下方に向けて延設されてよい。第1の外側エッジ面222は、環状外周部230の外周面であってよい。第1の外側エッジ面222(環状外周部230の外側面)は、内側に凹む環状凹部231を有してよい。第1の外側エッジ面222は、チャンバ10の側壁10aの内面に近接してよい。
【0052】
第1の磁石構造体223は、1又は複数の第1のS極磁石240と、1又は複数の第1のN極磁石241を含んでよい。第1のS極磁石240と第1のN極磁石241は、第1の外側エッジ面222の環状凹部231に配置されてよい。
図5に示すように、第1のS極磁石240及び第1のN極磁石241は、第1の外側エッジ面222の第1の領域R1において横方向(周方向)Yに沿って交互に配列されてよい。
【0053】
第1の領域R1は、第2の開口224の横寸法D1と略同じ横寸法L1を有してよい。第1のS極磁石240及び第1のN極磁石241は、第2の開口224の横寸法D1の50%以下の横寸法M1を有してよい。この場合、第1のS極磁石240及び第1のN極磁石241は、第1の領域R1に、少なくとも2つ以上(第1のS極磁石240が一つ以上、第1のN極磁石241が一つ以上)配置されてよい。第1のS極磁石240及び第1のN極磁石241は、第2の開口224の横寸法D1の25%以下の横寸法M1を有してよい。この場合、第1のS極磁石240及び第1のN極磁石241は、第1の領域R1に、少なくとも4つ以上(第1のS極磁石240が2つ以上、第1のN極磁石241が2つ以上)配置されてよい。
【0054】
図2及び
図4に示すように、第1の駆動ユニット202は、チャンバ10の外に配置されてよい。第1の駆動ユニット202は、チャンバ10の側壁10aの近傍に配置されてよい。第1の駆動ユニット202は、第2の磁石構造体250と、第1のアクチュエータ251を含んでよい。
【0055】
図4に示すように、第1のアクチュエータ251は、第2の磁石構造体250を横方向に回転させることができてよい。第1のアクチュエータ251は、モータ260と、モータ260によって回転するシャフト261を備えてよい。シャフト261は、縦方向Zに延設し、縦方向Zに向いた回転軸を備えてよい。
【0056】
第2の磁石構造体250は、シャフト261に固定されてよい。第2の磁石構造体250は、第1の非接触ギア270と、1又は複数の第2のS極磁石271と、1又は複数の第2のN極磁石272とを含んでよい。
【0057】
第1の非接触ギア270は、第2の外側エッジ面280を有してよい。第1の非接触ギア270は、中心軸が縦方向Zに向いた円柱形状を有してよい。第2の外側エッジ面280は、チャンバ10の側壁10aを介して第1の磁石構造体223に対向してよい。第2の外側エッジ面280は、チャンバ10の側壁10aの外面に近接してよい。
【0058】
図5に示すように、第2のS極磁石271及び第2のN極磁石272は、第2の外側エッジ面280の第2の領域R2に横方向に沿って交互に配列されてよい。
【0059】
第2の領域R2は、第2の開口224の横寸法D1と略同じ横寸法L2を有してよい。第2のS極磁石271及び第2のN極磁石272は、第1のS極磁石240及び第1のN極磁石241と同様の横寸法M2を有してよい。第2のS極磁石271及び第2のN極磁石272は、第2の開口224の横寸法D1の50%以下の横寸法M2を有してよい。この場合、第2のS極磁石271及び第2のN極磁石272は、第2の領域R2に、少なくとも2つ以上(第2のS極磁石271が一つ以上、第2のN極磁石272が一つ以上)配置されてよい。第2のS極磁石271及び第2のN極磁石272は、第2の開口224の横寸法D1の25%以下の横寸法M2を有してよい。この場合、第2のS極磁石271及び第2のN極磁石272は、第2の領域R2に、少なくとも4つ以上(第2のS極磁石271が2つ以上、第2のN極磁石272が2つ以上)配置されてよい。第2の領域R2は、第1の領域R1の横寸法L1と同じかそれよりも大きい横寸法L2を有してよい。第2のS極磁石271は、第1のN極磁石241に対向し、第2のN極磁石272は、第1のS極磁石240に対向してよい。第2のS極磁石271及び第2のN極磁石272は、第1のS極磁石240と第1のN極磁石241と同じ数であってよいし、異なる数であってよい。
【0060】
第1のアクチュエータ251は、第2の磁石構造体250を横方向に回転させることで、第1の磁石構造体223を横方向Yに回転させ、当該第1の磁石構造体223の横方向の回転により、第1の環状バッフルプレート200に対して第2の環状バッフルプレート201を横方向Yに回転させることができてよい。
【0061】
<プラズマ処理方法の一例>
プラズマ処理方法は、プラズマを用いて基板W上の膜をエッチングするエッチング処理を含む。一実施形態において、プラズマ処理方法は、プラズマ処理装置1において制御部2により実行される。
【0062】
先ず、基板Wが、搬送アームによりチャンバ10内に搬入され、リフターにより基板支持部11に載置され、
図2に示すように基板支持部11上に吸着保持される。
【0063】
次に、処理ガスが、ガス供給部20によりシャワーヘッド13に供給され、シャワーヘッド13からプラズマ処理空間10sに供給される。このとき供給される処理ガスは、基板Wのエッチング処理のために必要な活性種を生成するガスを含む。
【0064】
1又は複数のRF信号がRF電源31から上部電極及び/又は下部電極に供給される。プラズマ処理空間10s内の雰囲気はガス排出口10eから排気され、プラズマ処理空間10sの内部は減圧されてもよい。これにより、プラズマ処理空間10sの基板支持部11上に、処理ガスからプラズマが生成され、基板Wがエッチング処理される。
【0065】
プラズマは、第1の環状バッフルプレート200及び第2の環状バッフルプレート201より上のプラズマ処理空間10sで生成される。プラズマ処理空間10sの雰囲気は、第1の環状バッフルプレート200の第1の開口212及び第2の環状バッフルプレート201の第2の開口224を通じて下降し、ガス排出口10eからチャンバ10の外に排気される。
【0066】
プラズマ処理空間10sの内部の圧力は、第1の環状バッフルプレート200の第1の開口212と、第2の環状バッフルプレート201の第2の開口224との周方向Yの相対的な位置を変更することで調整される。
図6Aに示すように、プラズマ処理空間10sの内部圧力を相対的に低く調整する場合には、第1の開口212と第2の開口224の周方向Yの位置を合わせてよい。このとき、平面視で、第1の開口212の開口率が100%となってよい。
図6Bに示すように、プラズマ処理空間10sの内部圧力を相対的に高く調整する場合には、第1の開口212と第2の開口224の周方向Yの位置をずらしてよい。このとき、平面視で、第1の開口212の開口率が0%となってよい。
図6Cに示すように、プラズマ処理空間10sの内部圧力を相対的に中程度に調整する場合には、第1の開口212と第2の開口224の周方向Yの位置を一部ずらしてよい。このとき、平面視で、第1の開口212の開口率が50%となってよい。
【0067】
このとき、
図4に示す第1のアクチュエータ251により、第2の磁石構造体250が横方向に回転する。そして、第2の磁石構造体250の磁力により、チャンバ10の内部の第1の磁石構造体223が横方向Yに回転する。これにより第2の環状バッフルプレート201が横方向Yに回転し、第1の開口212と第2の開口224の周方向Yの位置が調整される。
【0068】
本例示的実施形態によれば、プラズマ処理装置1が、第1の環状バッフルプレート200と、第1の磁石構造体223を有する第2の環状バッフルプレート201と、チャンバ10の外に配置される第1の駆動ユニット202とを備える。そして、第1の駆動ユニット202が、第2の磁石構造体250を横方向に回転させることで、第1の磁石構造体223を横方向Yに回転させ、当該第1の磁石構造体223の横方向Yの回転により、第1の環状バッフルプレート200に対して第2の環状バッフルプレート201を横方向Yに回転させるように構成される第1のアクチュエータ251を備える。これにより、第2の環状バッフルプレート201を駆動するためにチャンバ10内にギアを配置したり、チャンバ10内でギア用のグリースを用いる必要がないので、バッフル構造を含むプラズマ処理装置において、チャンバ10内の汚染を低減することができる。
【0069】
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態におけるプラズマ処理装置1の構成例を説明するための図である。
図8は、第1の環状バッフルプレート、第2の環状バッフルプレート及び第2の駆動ユニットの構成の一例を説明するための図である。
図7及び
図8に示すように、プラズマ処理装置1は、第1の環状バッフルプレート200と、第2の環状バッフルプレート201と、第2の駆動ユニット600を含んでよい。
【0070】
第1の環状バッフルプレート200は、第1の実施の形態と同様であってよい。すなわち、第1の環状バッフルプレート200は、上面210及び下面211、複数の第1の開口212を含んでよい。
【0071】
第2の環状バッフルプレート201は、第1の実施の形態と同様に、上面220と、下面221と、第1の外側エッジ面222と、複数の第2の開口224を含んでよい。第2の環状バッフルプレート201は、第3の磁石構造体610を含んでよい。第2の開口224と第1の開口212は、周方向Yの位置が互いにずれてよい。第2の環状バッフルプレート201は、基板支持部11又はチャンバ10に対し縦方向Zに移動自在に取り付けられてよい。
【0072】
図8に示すように、第3の磁石構造体610は、1又は複数の第3のS極磁石620と、1又は複数の第3のN極磁石621を含んでよい。第3のS極磁石620と第3のN極磁石621は、第1の外側エッジ面222の第3の領域において縦方向Zに沿って交互に配列されてよい。
【0073】
第2の駆動ユニット600は、チャンバ10の外に配置されてよい。第2の駆動ユニット600は、チャンバ10の側壁10aの近傍に配置されてよい。第2の駆動ユニット600は、第4の磁石構造体630と、第2のアクチュエータ631を含んでよい。
【0074】
第2のアクチュエータ631は、第4の磁石構造体630を縦方向Zに移動させることができてよい。第2のアクチュエータ631は、モータ650と、ボールねじ651を備えてよい。ボールねじ651のねじ軸は、縦方向に延設してよい。
【0075】
第4の磁石構造体630は、第2の非接触ギア660と、1又は複数の第4のS極磁石661と、1又は複数の第4のN極磁石662とを含んでよい。
【0076】
第2の非接触ギア660は、第3の外側エッジ面680を有してよい。第2の非接触ギア660は、中心軸が縦方向Zに向いた円柱形状を有してよい。第2の非接触ギア660は、ボールねじ651の移動するナット部分であってよい。第3の外側エッジ面680は、チャンバ10の側壁10aを介して第3の磁石構造体610に対向してよい。第3の外側エッジ面680は、チャンバ10の側壁10aの外面に近接してよい。
【0077】
第4のS極磁石661及び第4のN極磁石662は、第3の外側エッジ面680の第3の領域R3に縦方向Zに沿って交互に配列されてよい。第4のS極磁石661は、第3のN極磁石621に対向し、第4のN極磁石662は、第3のS極磁石620に対向してよい。第4のS極磁石661及び第4のN極磁石662は、第3のS極磁石620と第3のN極磁石621と同じ数であってよいし、異なる数であってよい。
【0078】
第2のアクチュエータ631は、第4の磁石構造体630を縦方向Zに移動させることにより、第3の磁石構造体610を縦方向Zに移動させ、当該第3の磁石構造体610の移動により第1の環状バッフルプレート200に対して第2の環状バッフルプレート201を縦方向Zに移動させることができてよい。
【0079】
その他のプラズマ処理装置1の構成は、第1の実施の形態と同様であってもよい。
【0080】
プラズマ処理時のプラズマ処理空間10sの内部の圧力は、第1の環状バッフルプレート200の第1の開口212と、第2の環状バッフルプレート201の第2の開口224との縦方向Zの距離を変更することで調整される。
図9Aに示すように、プラズマ処理空間10sの内部圧力を相対的に低く調整する場合には、第1の開口212と第2の開口224の縦方向Zの距離を離してよい。
図9Bに示すように、プラズマ処理空間10sの内部圧力を相対的に高く調整する場合には、第1の開口212と第2の開口224の縦方向Zの距離を近づけてよい。
【0081】
このとき、
図7又は
図8に示す第2のアクチュエータ631により、第4の磁石構造体630が縦方向Zに移動する。そして、第4の磁石構造体630の磁力により、チャンバ10の内部の第3の磁石構造体610が縦方向Zに移動する。これにより第2の環状バッフルプレート201が縦方向Zに移動し、第1の開口212と第2の開口224の縦方向Zの距離が調整される。
【0082】
本例示的実施形態によれば、プラズマ処理装置1が、第1の環状バッフルプレート200と、第3の磁石構造体610を有する第2の環状バッフルプレート201と、チャンバ10の外に配置される第2の駆動ユニット600とを備える。そして、第2の駆動ユニット600が、第4の磁石構造体630を縦方向Zに移動させることにより、第3の磁石構造体610を縦方向Zに移動させ、当該第3の磁石構造体610の移動により第1の環状バッフルプレート200に対して第2の環状バッフルプレート201を縦方向に移動させる第2のアクチュエータ631を備える。これにより、第2の環状バッフルプレート201を駆動するためにチャンバ10内にギアを配置したり、チャンバ10内でギア用のグリースを用いる必要がないので、バッフル構造を含むプラズマ処理装置において、チャンバ10内の汚染を低減することができる。
【0083】
上記第2の実施の形態において、
図10に示すように、第3の磁石構造体610は、縦方向Zに延在するプレート700を有してよい。プレート700は、第2の環状バッフルプレート201の外側端部から下方に向かって延在してよい。プレート700は、チャンバ10の側壁10aに沿って側壁10aの近傍に配置されてよい。
【0084】
第3のS極磁石620と第3のN極磁石621は、プレート700の第1の外側エッジ面701に縦方向Zに沿って交互に配列されてよい。
【0085】
第4の磁石構造体630の第2の非接触ギア660は、中心軸がチャンバ10の側壁10aに沿った周方向Yに向いた円柱形状を有してよい。第4のS極磁石661及び第4のN極磁石662は、第2の非接触ギア660の第3の外側エッジ面680に周方向(縦方向)に沿って交互に配列されてよい。
【0086】
第2のアクチュエータ631は、第4の磁石構造体630を縦方向Zに回転させることにより、第3の磁石構造体610を縦方向Zに移動させ、当該第3の磁石構造体610の移動により第1の環状バッフルプレート200に対して第2の環状バッフルプレート201を縦方向Zに移動させることができてよい。
【0087】
以上の第2の実施の形態において、
図11に示すように、第2の駆動ユニット600は、チャンバ10の側壁10aに沿った複数個所に配置されてよい。第2の駆動ユニット600は、3つ以上配置されてよい。第2の駆動ユニット600は、チャンバ10の側壁10aの周方向Yに沿って等間隔に配置されてよい。この場合、第2の環状バッフルプレート201が傾いたり位置ずれすることが抑制される。また、複数の第2の駆動ユニット600により、第2の環状バッフルプレート201を適切に支持することができる。
【0088】
以上の第2の実施の形態において、
図12に示すように、プラズマ処理装置1は、第2の環状バッフルプレート201の縦方向Zの移動をガイドするガイドシャフト710を有してよい。第2の環状バッフルプレート201には、縦方向Zに貫通する貫通孔711が形成されてよい。ガイドシャフト710は、貫通孔711を縦方向Zに通過してよい。ガイドシャフト710は、上端が第1の環状バッフルプレート200に固定され、下端がチャンバ10の底壁に固定されてよい。
【0089】
図13に示すように、貫通孔711の内面とガイドシャフト710の外面には、互いに近づかないように磁石が配置されてよい。貫通孔711の内面とガイドシャフト710の外面には、それぞれ、S極磁石712とN極磁石713が周方向に交互に配列されてよい。
【0090】
この場合、第2の環状バッフルプレート201がガイドシャフト710に沿って縦方向Zに移動するので、第2の環状バッフルプレート201の位置がずれることが抑制される。これによって、第3の磁石構造体610及び第4の磁石構造体630による第2の環状バッフルプレート201の移動が適切に行われる。
【0091】
図14に示すように、第2の実施の形態におけるプラズマ処理装置1は、第1の環状バッフルプレート200と、第2の環状バッフルプレート201と、昇降ユニット800と、第2の駆動ユニット801を含んでよい。
【0092】
昇降ユニット800は、チャンバ10内に配置されてよい。昇降ユニット800は、第2の環状バッフルプレート201を縦方向Zに移動させることができてよい。昇降ユニット800は、第3の磁石構造体810を含んでよい。昇降ユニット800は、ねじ付きのシャフト811を含んでよい。シャフト811は、第2の環状バッフルプレート201に固定されてよい。シャフト811は、第2の環状バッフルプレート201から下方に延設されてよい。第3の磁石構造体810は、シャフト811に取り付けられてよい。第3の磁石構造体810は、第2の非接触ギア820と、1又は複数の第3のS極磁石821と、1又は複数の第3のN極磁石822を含んでよい。第2の非接触ギア820は、第3の外側エッジ面830を有してよい。第2の非接触ギア820は、中心軸が縦方向Zに向いた円柱形状を有してよい。第3の外側エッジ面830は、チャンバ10の側壁10aの内面に近接してよい。
【0093】
1又は複数の第3のS極磁石821及び1又は複数の第3のN極磁石822は、第2の非接触ギア820の第3の外側エッジ面830の第3の領域において横方向に沿って交互に配列されてよい。第3の領域は、環状の第3の外側エッジ面830の全周であってよい。
【0094】
第2の駆動ユニット801は、チャンバ10の外に配置されてよい。第2の駆動ユニット801は、チャンバ10の側壁10aの近傍に配置されてよい。第2の駆動ユニット801は、第4の磁石構造体840と、第2のアクチュエータ841を含んでよい。
【0095】
第2のアクチュエータ841は、第4の磁石構造体840を横方向に回転させることができてよい。第2のアクチュエータ841は、モータ850と、モータ850によって回転するシャフト851を備えてよい。シャフト851は、縦方向に延設し、縦方向に向いた回転軸を備えてよい。
【0096】
第4の磁石構造体840は、シャフト851に固定されてよい。第4の磁石構造体840は、第3の非接触ギア860と、1又は複数の第4のS極磁石861と、1又は複数の第4のN極磁石862とを含んでよい。
【0097】
第3の非接触ギア860は、第4の外側エッジ面863を有してよい。第3の非接触ギア860は、中心軸が縦方向Zに向いた円柱形状を有してよい。第4の外側エッジ面863は、チャンバ10の側壁10aを介して第3の磁石構造体810に対向してよい。第4の外側エッジ面863は、チャンバ10の側壁10aの外面に近接してよい。
【0098】
第4のS極磁石861と第4のN極磁石862は、第4の外側エッジ面863の第4の領域に横方向に沿って交互に配列されてよい。第4の領域は、環状の第4の外側エッジ面863の全周であってよい。第4のS極磁石861及び第4のN極磁石862は、第3のS極磁石821と第3のN極磁石822と同じ数であってよいし、異なる数であってよい。
【0099】
第2のアクチュエータ841は、第4の磁石構造体840を横方向に回転させることで、チャンバ10の内部の第3の磁石構造体810を横方向に回転させ、当該第3の磁石構造体810の横方向の回転により、シャフト851を介して第1の環状バッフルプレート200に対して第2の環状バッフルプレート201を縦方向Zに移動させることができてよい。
【0100】
プラズマ処理装置1は、以上の第2の実施の形態で記載した第2の環状バッフルプレート201を縦方向Zに移動させる機構と、第1の実施の形態で記載した第2の環状バッフルプレート201を横方向Yに回転させる機構とを両方備えてよい。
【0101】
(第3の実施の形態)
図15は、第3の実施の形態におけるプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
図16は、バッフル構造体と駆動ユニットの構成例を説明するための図である。
図16は、チャンバを水平面で切断したときの図である。
図17は、バッフル構造体と駆動ユニットの構成例を説明するための図である。
図17は、チャンバを鉛直面で切断したときの図である。
【0102】
図15、
図16及び
図17に示すように、プラズマ処理装置1は、バッフル構造体900と、複数の駆動ユニット901を備えてよい。
【0103】
バッフル構造体900は、基板支持部11とチャンバ10の側壁10aとの間に配置されてよい。
【0104】
図16に示すように、バッフル構造体900は、周方向Yに沿って配列される複数のバッフルセグメント910を含んでよい。複数のバッフルセグメント910の各バッフルセグメント910は、本体部920と、第1の磁石構造体921と、本体部920と第1の磁石構造体921との間において径方向Xに沿って延在する回転軸922とを含んでよい。
【0105】
本体部920は、上面930と下面931を有してよい。本体部920は、環状のプレートを分割した扇形状を有してよい。本体部920は、同じ中心を有し径の異なる2つの円弧辺と、当該2つの円弧辺の両端同士を接続し径方向に延設される2つの辺とで囲まれる形状を有してよい。本体部920には、上面930から下面931まで貫通する1又は複数の開口932が形成されてよい。複数の開口932は、本体部920の周方向Yに並べて配置されてよい。複数の開口932は、周方向Yに等間隔に配置されてよい。各開口932は、平面視で、径方向Xに長い略長方形のスリット形状を有してよい。
【0106】
回転軸922は、本体部920の周方向Yの中心から径方向Xの外側に向けて延在してよい。回転軸922は、水平方向に向けて延在してよい。回転軸922は、本体部920と第1の磁石構造体921の間を接続してよい。
【0107】
図17に示すように、第1の磁石構造体921は、第1の非接触ギア950と、1又は複数の第1のS極磁石951と、1又は複数の第1のN極磁石952とを含んでよい。
【0108】
第1の非接触ギア950は、第1の面960を有してよい。第1の非接触ギア950は、板面が径方向Xに向いた円板形状を有してよい。第1の非接触ギア950の第1の面960は、チャンバ10の側壁10aの内面に近接してよい。
【0109】
図18に示すように、第1のS極磁石951及び第1のN極磁石952は、第1の面960において周方向Yに沿って交互に配列されてよい。第1のS極磁石951及び第1のN極磁石952は、第1の面960の全周にわたり配置されてよい。
【0110】
図16に示すように駆動ユニット901は、複数のバッフルセグメント910にそれぞれ対応し、チャンバ10の外に配置されてよい。
【0111】
図16及び
図17に示すように、駆動ユニット901は、第2の磁石構造体970と、アクチュエータ971を含んでよい。
【0112】
アクチュエータ971は、第2の磁石構造体970を回転させることができてよい。アクチュエータ971は、モータ980と、モータ980によって回転する回転軸981を備えてよい。回転軸981は、回転軸922の延長線上にあり、径方向Xの水平方向に延在してよい。
【0113】
図17に示すように、第2の磁石構造体970は、回転軸981の先端に固定されてよい。第2の磁石構造体970は、第2の非接触ギア990と、1又は複数の第2のS極磁石991と、1又は複数の第2のN極磁石992とを含んでよい。
【0114】
第2の非接触ギア990は、第2の面995を有してよい。第2の非接触ギア990は、板面が径方向Xに向いた円板形状を有してよい。第2の面995は、チャンバ10の側壁10aを介して第1の磁石構造体921に対向してよい。第2の面995は、チャンバ10の側壁10aの外面に近接してよい。
【0115】
図19に示すように、第2のS極磁石991と第2のN極磁石992は、第2の面995において周方向に沿って交互に配列されてよい。第2のS極磁石991と第2のN極磁石992は、第2の面995の全周にわたり配置されてよい。
【0116】
図17に示すように、第2のS極磁石991は、第1のN極磁石952に対向し、第2のN極磁石992は、第1のS極磁石951に対向してよい。第2のS極磁石991と第2のN極磁石992は、第1のS極磁石951と第1のN極磁石952と同じ数であってよいし、異なる数であってよい。
【0117】
アクチュエータ971は、第2の磁石構造体970を回転させることで、第1の磁石構造体921を回転させ、当該第1の磁石構造体921の回転によりバッフル構造体900の本体部920を回転軸922を中心に回転させることができてよい。
図20に示すように、アクチュエータ971は、本体部920の板面を90°回転させ、隣り合う2つの本体部920の間に開口を形成することができてよい。
【0118】
その他のプラズマ処理装置1の構成は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様であってもよい。
【0119】
プラズマ処理時のプラズマ処理空間10sの内部の圧力は、バッフル構造体900の本体部920の回転角度(開度)を変更することで調整される。
図21Aに示すように、プラズマ処理空間10sの内部圧力を相対的に低く調整する場合には、本体部920の回転角度を鉛直に近づけ、隣り合う本体部920の隙間を大きくしてよい。
図21Bに示すように、プラズマ処理空間10sの内部圧力を相対的に高く調整する場合には、本体部920の回転角度を水平に近づけ、隣り合う本体部920の隙間を小さくしてよい。
【0120】
このとき、
図16及び
図20に示すアクチュエータ971により、第2の磁石構造体970が回転軸981を中心に縦方向Zに回転する。そして、第2の磁石構造体970の磁力により、チャンバ10の内部の第1の磁石構造体921が回転軸922を中心に縦方向Zに回転する。これによりバッフル構造体900の本体部920が縦方向Zに回転し、本体部920の角度が調整される。
【0121】
本例示的実施形態によれば、プラズマ処理装置1が、複数のバッフルセグメント910を含むバッフル構造体900と、チャンバ10の外に配置される駆動ユニット901を備える。そして、駆動ユニット901は、第2の磁石構造体970を回転させることで、第1の磁石構造体921を回転させ、当該第1の磁石構造体921の回転によりバッフル構造体900の本体部920を回転軸922を中心に回転させるように構成されるアクチュエータ971を備える。これにより、バッフル構造体900を駆動するためにチャンバ10内にギアを配置したり、チャンバ10内でギア用のグリースを用いる必要がないので、バッフル構造を含むプラズマ処理装置において、チャンバ10内の汚染を低減することができる。
【0122】
第3の実施の形態において、回転軸922がチャンバ10の側壁10aの外側まで延在し、第1の磁石構造体921がチャンバ10の側壁10aの外側に配置されてよい。この場合、駆動ユニット901は、ギアなどの機械的な機構を用いて、チャンバ10の側壁10aの外側において、回転軸922を直接駆動してよい。
【0123】
参考例として、駆動ユニット901は、チャンバ10の側壁10aの内側に配置されてよい。すなわち、プラズマ処理装置1は、バッフル構造体の各バッフルセグメントの本体部を回転軸を中心に回転させる駆動ユニットを備え、かかる駆動ユニットは、チャンバ10の側壁10aの内側に配置されてよい。
【0124】
上記第1~第3の実施形態は、容量結合型のプラズマ処理装置であったが、これに限定されるものではなく、他のプラズマ装置に適用してよい。例えば、容量結合型のプラズマ処理装置に代えて、誘導結合型のプラズマ処理装置が用いられてもよい。上記実施形態は、プラズマ処理装置以外の基板処理装置に適用してよい。
【0125】
本開示の実施形態は、以下の態様をさらに含む。
【0126】
(付記1)
側壁を有するチャンバと、
前記チャンバ内に配置される基板支持部と、
前記基板支持部と前記チャンバの前記側壁との間に配置され、上面及び下面を有する第1の環状バッフルプレートであって、前記第1の環状バッフルプレートは、前記上面から前記下面まで貫通する複数の第1の開口を有する、前記第1の環状バッフルプレートと、
前記第1の環状バッフルプレートと縦方向に重複するように配置され、上面、下面及び第1の外側エッジ面を有する第2の環状バッフルプレートであって、前記第2の環状バッフルプレートは、前記上面から前記下面まで貫通する複数の第2の開口を有し、前記第2の環状バッフルプレートは、前記第1の外側エッジ面に配置される第1の磁石構造体を含む、前記第2の環状バッフルプレートと、
前記チャンバの外に配置される第1の駆動ユニットであって、前記第1の駆動ユニットは、
前記チャンバの前記側壁を介して前記第1の磁石構造体に対向するように配置される第2の磁石構造体と、
前記第2の磁石構造体を横方向に回転させることで、前記第1の磁石構造体を横方向に回転させ、前記第1の磁石構造体の横方向の回転により、前記第1の環状バッフルプレートに対して前記第2の環状バッフルプレートを横方向に回転させるように構成される第1のアクチュエータと、を含む、前記第1の駆動ユニットと、
を備える、基板処理装置。
【0127】
(付記2)
前記第1の磁石構造体は、1又は複数の第1のS極磁石及び1又は複数の第1のN極磁石を含み、
前記1又は複数の第1のS極磁石及び前記1又は複数の第1のN極磁石は、前記第2の環状バッフルプレートの前記第1の外側エッジ面の第1の領域において横方向に沿って交互に配列され、
前記第2の磁石構造体は、第1の非接触ギアと、1又は複数の第2のS極磁石と、1又は複数の第2のN極磁石と、を含み、
前記第1の非接触ギアは、第2の外側エッジ面を有し、前記第2の外側エッジ面は、前記チャンバの前記側壁を介して前記第2の環状バッフルプレートの前記第1の外側エッジ面に対向し、
前記1又は複数の第2のS極磁石及び前記1又は複数の第2のN極磁石は、前記第2の外側エッジ面の第2の領域において横方向に沿って交互に配列される、
付記1に記載の基板処理装置。
【0128】
(付記3)
前記第1のS極磁石及び前記第1のN極磁石は、前記第2の開口の横寸法の50%以下の横寸法を有する、
付記2に記載の基板処理装置。
【0129】
(付記4)
前記第1のS極磁石及び前記第1のN極磁石は、前記第2の開口の横寸法の25%以下の横寸法を有する、
付記2に記載の基板処理装置。
【0130】
(付記5)
前記第1の領域は、前記第2の開口の横寸法と略同じ横寸法を有し、
前記1又は複数の第1のS極磁石及び前記1又は複数の第1のN極磁石は、複数の第1のS極磁石及び複数の第1のN極磁石を含み、
前記1又は複数の第2のS極磁石及び前記1又は複数の第2のN極磁石は、複数の第2のS極磁石及び複数の第2のN極磁石を含む、
付記4に記載の基板処理装置。
【0131】
(付記6)
前記第2の領域は、前記第1の領域の横寸法と同じかそれよりも大きい横寸法を有する、
付記2から5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【0132】
(付記7)
前記第1の環状バッフルプレートは、前記チャンバに対し固定され、
前記第2の環状バッフルプレートは、前記第1の環状バッフルプレートの下方に配置される、
付記1から6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【0133】
(付記8)
前記チャンバの外に配置される第2の駆動ユニットを、さらに備え、
前記第2の環状バッフルプレートは、第3の磁石構造体を含み、
前記第2の駆動ユニットは、
前記チャンバの前記側壁を介して前記第3の磁石構造体に対向するように配置される第4の磁石構造体と、
前記第4の磁石構造体を縦方向に回転又は移動させることにより、前記第3の磁石構造体を縦方向に移動させ、前記第3の磁石構造体の移動により前記第1の環状バッフルプレートに対して前記第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成される第2のアクチュエータと、を含む、
付記1から7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【0134】
(付記9)
前記第3の磁石構造体は、1又は複数の第3のS極磁石及び1又は複数の第3のN極磁石を含み、
前記1又は複数の第3のS極磁石及び前記1又は複数の第3のN極磁石は、前記第2の環状バッフルプレートの前記第1の外側エッジ面の第3の領域において縦方向に沿って交互に配列され、
前記第4の磁石構造体は、第2の非接触ギアと、1又は複数の第4のS極磁石と、1又は複数の第4のN極磁石と、を含み、
前記第2の非接触ギアは、第3の外側エッジ面を有し、前記第3の外側エッジ面は、前記チャンバの前記側壁を介して前記第2の環状バッフルプレートの前記第1の外側エッジ面に対向し、
前記1又は複数の第4のS極磁石及び前記1又は複数の第4のN極磁石は、前記第3の外側エッジ面の第4の領域において縦方向に沿って交互に配列される、
付記8に記載の基板処理装置。
【0135】
(付記10)
前記チャンバ内に配置され、前記第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成される昇降ユニットと、
前記チャンバ外に配置される第2の駆動ユニットと、をさらに備え、
前記昇降ユニットは、第3の磁石構造体を含み、
前記第2の駆動ユニットは、
前記チャンバの前記側壁を介して前記第3の磁石構造体に対向するように配置される第4の磁石構造体と、
前記第4の磁石構造体を横方向に回転させることにより、前記第3の磁石構造体を横方向に回転させ、前記第3の磁石構造体の回転により前記第1の環状バッフルプレートに対して前記第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成される第2のアクチュエータと、を含む、
付記1から7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【0136】
(付記11)
前記第3の磁石構造体は、第2の非接触ギアと、1又は複数の第3のS極磁石と、1又は複数の第3のN極磁石と、を含み、
前記第2の非接触ギアは、第3の外側エッジ面を有し、
前記1又は複数の第3のS極磁石及び前記1又は複数の第3のN極磁石は、前記第2の非接触ギアの前記第3の外側エッジ面の第3の領域において横方向に沿って交互に配列され、
前記第4の磁石構造体は、第3の非接触ギアと、1又は複数の第4のS極磁石と、1又は複数の第4のN極磁石と、を含み、
前記第3の非接触ギアは、第4の外側エッジ面を有し、前記第4の外側エッジ面は、前記チャンバの前記側壁を介して前記第3の外側エッジ面に対向し、
前記1又は複数の第4のS極磁石及び前記1又は複数の第4のN極磁石は、前記第4の外側エッジ面の第4の領域において横方向に沿って交互に配列される、
付記10に記載の基板処理装置。
【0137】
(付記12)
側壁を有するチャンバと、
前記チャンバ内に配置される基板支持部と、
前記基板支持部と前記チャンバの前記側壁との間に配置され、上面及び下面を有する第1の環状バッフルプレートであって、前記第1の環状バッフルプレートは、前記上面から前記下面まで貫通する複数の第1の開口を有する、前記第1の環状バッフルプレートと、
前記第1の環状バッフルプレートと縦方向に重複するように配置され、上面、下面及び第1の外側エッジ面を有する第2の環状バッフルプレートであって、前記第2の環状バッフルプレートは、前記上面から前記下面まで貫通する複数の第2の開口を有し、前記第2の環状バッフルプレートは、第1の磁石構造体を含む、前記第2の環状バッフルプレートと、
前記チャンバの外に配置される駆動ユニットであって、前記駆動ユニットは、
前記チャンバの前記側壁を介して前記第1の磁石構造体に対向するように配置される第2の磁石構造体と、
前記第2の磁石構造体を縦方向に回転又は移動させることにより、前記第1の磁石構造体を縦方向に移動させ、前記第1の磁石構造体の移動により前記第1の環状バッフルプレートに対して前記第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成されるアクチュエータと、を含む、前記駆動ユニットと、
を備える、基板処理装置。
【0138】
(付記13)
前記第1の磁石構造体は、1又は複数の第1のS極磁石及び1又は複数の第1のN極磁石を含み、
前記1又は複数の第1のS極磁石及び前記1又は複数の第1のN極磁石は、前記第2の環状バッフルプレートの前記第1の外側エッジ面の第1の領域において縦方向に沿って交互に配列され、
前記第2の磁石構造体は、非接触ギアと、1又は複数の第2のS極磁石と、1又は複数の第2のN極磁石と、を含み、
前記非接触ギアは、第2の外側エッジ面を有し、前記第2の外側エッジ面は、前記チャンバの前記側壁を介して前記第2の環状バッフルプレートの前記第1の外側エッジ面に対向し、
前記1又は複数の第2のS極磁石及び前記1又は複数の第2のN極磁石は、前記第2の外側エッジ面の第2の領域において縦方向に沿って交互に配列される、
付記12に記載の基板処理装置。
【0139】
(付記14)
前記1又は複数の第1のS極磁石及び前記1又は複数の第1のN極磁石は、複数の第1のS極磁石及び複数の第1のN極磁石を含み、
前記1又は複数の第2のS極磁石及び前記1又は複数の第2のN極磁石は、複数の第2のS極磁石及び複数の第2のN極磁石を含む、
付記13に記載の基板処理装置。
【0140】
(付記15)
側壁を有するチャンバと、
前記チャンバ内に配置される基板支持部と、
前記基板支持部と前記チャンバの前記側壁との間に配置され、上面及び下面を有する第1の環状バッフルプレートであって、前記第1の環状バッフルプレートは、前記上面から前記下面まで貫通する複数の第1の開口を有する、前記第1の環状バッフルプレートと、
前記第1の環状バッフルプレートと縦方向に重複するように配置され、上面及び下面を有する第2の環状バッフルプレートであって、前記第2の環状バッフルプレートは、前記上面から前記下面まで貫通する複数の第2の開口を有する、前記第2の環状バッフルプレートと、
前記チャンバ内に配置され、前記第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成される昇降ユニットであって、前記昇降ユニットは、第1の磁石構造体を含む、前記昇降ユニットと、
前記チャンバ外に配置される駆動ユニットであって、前記駆動ユニットは、
前記チャンバの前記側壁を介して前記第1の磁石構造体に対向するように配置される第2の磁石構造体と、
前記第2の磁石構造体を横方向に回転させることにより、前記第1の磁石構造体を横方向に回転させ、前記第1の磁石構造体の回転により前記第1の環状バッフルプレートに対して前記第2の環状バッフルプレートを縦方向に移動させるように構成されるアクチュエータと、を含む、前記駆動ユニットと、
を備える、基板処理装置。
【0141】
(付記16)
前記第1の磁石構造体は、第1の非接触ギアと、1又は複数の第1のS極磁石と、1又は複数の第1のN極磁石と、を含み、
前記第1の非接触ギアは、第1の外側エッジ面を有し、
前記1又は複数の第1のS極磁石及び前記1又は複数の第1のN極磁石は、前記第1の非接触ギアの前記第1の外側エッジ面の第1の領域において横方向に沿って交互に配列され、
前記第2の磁石構造体は、第2の非接触ギアと、1又は複数の第2のS極磁石と、1又は複数の第2のN極磁石と、を含み、
前記第2の非接触ギアは、第2の外側エッジ面を有し、前記第2の外側エッジ面は、前記チャンバの前記側壁を介して前記第1の外側エッジ面に対向し、
前記1又は複数の第2のS極磁石及び前記1又は複数の第2のN極磁石は、前記第2の外側エッジ面の第2の領域において横方向に沿って交互に配列される、
付記15に記載の基板処理装置。
【0142】
(付記17)
前記1又は複数の第1のS極磁石及び前記1又は複数の第1のN極磁石は、複数の第1のS極磁石及び複数の第1のN極磁石を含み、
前記1又は複数の第2のS極磁石及び前記1又は複数の第2のN極磁石は、複数の第2のS極磁石及び複数の第2のN極磁石を含む、
付記16に記載の基板処理装置。
【0143】
(付記18)
側壁を有するチャンバと、
前記チャンバ内に配置される基板支持部と、
前記基板支持部と前記チャンバの前記側壁との間に配置されるバッフル構造体であって、前記バッフル構造体は、周方向に沿って配列される複数のバッフルセグメントを含み、前記複数のバッフルセグメントの各バッフルセグメントは、上面及び下面を有する本体部と、第1の磁石構造体と、前記本体部と第1の磁石構造体との間において径方向に沿って延在する回転軸と、を含む、前記バッフル構造体と、
前記複数のバッフルセグメントにそれぞれ対応し、前記チャンバの外に配置される複数の駆動ユニットであって、前記複数の駆動ユニットの各駆動ユニットは、前記チャンバの前記側壁を介して前記第1の磁石構造体に対向するように配置される第2の磁石構造体と、前記第2の磁石構造体を回転させることで、前記第1の磁石構造体を回転させ、前記第1の磁石構造体の回転により前記バッフル構造体の前記本体部を前記回転軸を中心に回転させるように構成されるアクチュエータと、を含む、前記駆動ユニットと、
を備える、基板処理装置。
【0144】
(付記19)
前記第1の磁石構造体は、第1の非接触ギアと、1又は複数の第1のS極磁石と、1又は複数の第1のN極磁石と、を含み、
前記第1の非接触ギアは、前記チャンバの前記側壁に対向する第1の面を有し、
前記1又は複数の第1のS極磁石及び前記1又は複数の第1のN極磁石は、前記第1の非接触ギアの前記第1の面において周方向に沿って交互に配列され、
前記第2の磁石構造体は、第2の非接触ギアと、1又は複数の第2のS極磁石と、1又は複数の第2のN極磁石と、を含み、
前記第2の非接触ギアは、第2の面を有し、前記第2の面は、前記チャンバの前記側壁を介して前記第1の非接触ギアの前記第1の面に対向し、
前記1又は複数の第2のS極磁石及び1又は複数の第2のN極磁石は、前記第2の非接触ギアの前記第2の面において周方向に沿って交互に配列される、付記18に記載の基板処理装置。
【0145】
(付記20)
前記1又は複数の第1のS極磁石及び前記1又は複数の第1のN極磁石は、複数の第1のS極磁石及び複数の第1のN極磁石を含み、
前記1又は複数の第2のS極磁石及び前記1又は複数の第2のN極磁石は、複数の第2のS極磁石及び複数の第2のN極磁石を含む、
付記19に記載の基板処理装置。
【0146】
以上の各実施形態は、説明の目的で記載されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。以上の各実施形態は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく種々の変形をなし得る。例えば、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態に追加することができる。また、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態の対応する構成要素と置換することができる。
【符号の説明】
【0147】
1……プラズマ処理装置、10……チャンバ、11……基板支持部、200……第1の環状バッフルプレート、201……第2の環状バッフルプレート、202……第1の駆動ユニット、223……第1の磁石構造体、250……第2の磁石構造体、251……第1のアクチュエータ、W…基板