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特開2024-168196粉体回収容器、画像形成装置および粉体搬送装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168196
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】粉体回収容器、画像形成装置および粉体搬送装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/10 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
G03G21/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084659
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】田村 朋則
【テーマコード(参考)】
2H134
【Fターム(参考)】
2H134GA01
2H134GA06
2H134GB02
2H134GB05
2H134GB06
2H134HD01
2H134JA02
2H134JA14
2H134JB02
2H134KA25
2H134KB11
2H134KF03
2H134KH15
2H134KH16
(57)【要約】
【課題】揺動部材が搬送部材の回転に巻き込まれることを防止する。
【解決手段】
粉体を受ける粉体回収口と、軸部に螺旋状に羽根部が巻装されて、所定方向に回転して粉体を搬送する搬送部材と、搬送部材に当接し、揺動可能な揺動部材と、を有し、揺動部材は、搬送部材の軸方向に対して間隔をあけて並設された複数の張出部と、張出部の一部を羽根部に向けて曲げることによって形成され、少なくとも搬送部材が所定方向とは反対方向に回転するときに、先端部が羽根部に当接する曲げ部とを有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を受ける粉体回収口と、
軸部に螺旋状に羽根部が巻装されて、所定方向に回転して前記粉体を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材に当接し、揺動可能な揺動部材と、を有し、
前記揺動部材は、前記搬送部材の軸方向に対して間隔をあけて並設された複数の張出部と、
前記張出部の一部を前記羽根部に向けて曲げることによって形成され、少なくとも前記搬送部材が前記所定方向とは反対方向に回転するときに、先端部が前記羽根部に当接する曲げ部を有することを特徴とする粉体回収容器。
【請求項2】
前記曲げ部の先端部は、前記羽根部の外形部に当接することを特徴とする請求項1の粉体回収容器。
【請求項3】
前記曲げ部の長さをdとし、前記羽根部の外径と前記軸部の径との差の1/2をeとしたとき、dとeとが略同じであることを特徴とする請求項2に記載の粉体回収容器。
【請求項4】
前記張出部は、前記搬送部材が前記所定方向に回転して前記粉体を搬送する方向である搬送方向の上流側から下流側にかけて傾斜する傾斜部を有することを特徴とする請求項1に記載の粉体回収容器。
【請求項5】
前記曲げ部は、前記傾斜部の自由端側の先端に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の粉体回収容器。
【請求項6】
前記傾斜部が傾斜したときの搬送方向の幅をfとし、前記搬送部材の前記羽根部のピッチをgとしたとき、f/g=1/2~1であることを特徴とする請求項4に記載の粉体回収容器。
【請求項7】
前記張出部は、前記軸部の下方と当接する軸部当接部を有することを特徴とする請求項1に記載の粉体回収容器。
【請求項8】
前記揺動部材は、略櫛歯状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の粉体回収容器。
【請求項9】
前記粉体回収口が有する開口部は、前記張出部の上部で且つ前記搬送部材の上部でない位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の粉体回収容器。
【請求項10】
前記揺動部材は、前記揺動部材を前記粉体回収容器の所定の位置に固定するための固定部を有し、
前記所定の位置は、前記搬送部材の回転軌跡の最下部よりも上方にあることを特徴とする請求項1に記載の粉体回収容器。
【請求項11】
前記粉体は、廃トナーであることを特徴とする請求項1に記載の粉体回収容器。
【請求項12】
請求項1に記載の粉体回収容器を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
軸部に螺旋状に羽根部が巻装されて、所定方向に回転して前記粉体を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材に当接し、揺動可能な揺動部材と、を有し、
前記揺動部材は、前記搬送部材の軸方向に対して間隔をあけて並設された複数の張出部と、
前記張出部の一部を前記羽根部に向けて曲げることによって形成され、少なくとも前記搬送部材が前記所定方向とは反対方向に回転するときに、先端部が前記羽根部に当接する曲げ部を有することを特徴とする粉体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体回収容器、画像形成装置および粉体搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、複写機、プリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置では、クリーニング装置などに、トナーや廃トナー等の粉体を搬送する粉体搬送装置を設置する技術が知られている。また、感光体ドラムや中間転写ベルトなどの像担持体の表面に残留(付着)した未転写トナーは、クリーニング装置によって回収される。クリーニング装置内に回収された未転写トナーは、クリーニング装置に内設された搬送スクリュ(粉体搬送装置)によって、クリーニング装置の外部に搬送される。そして、外部に排出された未転写トナーは、廃トナー回収容器まで搬送されて、廃トナー回収容器内に廃トナーとして回収される。また、搬送スクリュの羽根部に当てることで揺動し、廃トナーの堆積を防止する揺動部材も知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、軸部に螺旋状にスクリュ部が巻装されて、所定方向に回転してトナーを搬送する搬送スクリュと、略櫛歯状に形成されて、搬送スクリュの回転にともない搬送スクリュの軸部とスクリュ部との間で搖動可能な搖動部材と、を備え、搖動部材は、搬送スクリュの軸方向に対して間隔をあけて並設された複数の張出部と、複数の張出部の自由端側から軸部に対して離れる方向にそれぞれ所定角度で屈曲した複数の先端部と、を具備し、先端部は、その軸方向の幅が、少なくともスクリュ部に接触する部分から自由端側に向けて漸増するように形成されたトナー搬送装置が開示されている。
【0004】
ここで、廃トナー回収容器は、廃トナーを搬送するための搬送スクリュといった搬送部材と、これの羽根部に当てることで揺動する揺動部材とが設けられている構成が挙げられる。これらによって、廃トナーの堆積の防止を図っている。一方で、揺動部材は、廃トナー回収容器のレイアウトや搬送部材の回転方向によっては、揺動部材が搬送部材の回転に巻き込まれて、廃トナーを堆積させてしまうことにつながるおそれがあり、このような状態の発生を防止する構成にする必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、揺動部材が搬送部材の回転に巻き込まれることを防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、粉体を受ける粉体回収口と、軸部に螺旋状に羽根部が巻装されて、所定方向に回転して前記粉体を搬送する搬送部材と、前記搬送部材に当接し、揺動可能な揺動部材と、を有し、前記揺動部材は、前記搬送部材の軸方向に対して間隔をあけて並設された複数の張出部と、前記張出部の一部を前記羽根部に向けて曲げることによって形成され、少なくとも前記搬送部材が前記所定方向とは反対方向に回転するときに、先端部が前記羽根部に当接する曲げ部とを有することを特徴するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、揺動部材が搬送部材の回転に巻き込まれることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る実施形態における画像形成装置を示す図。
図2】作像部を示す構成図。
図3】廃トナー搬送装置を示す図。
図4】廃トナー回収容器を説明するための図。
図5】揺動部材について説明するための図。
図6】揺動部材の機能を説明するための図。
図7】揺動部材の配置を説明するための図。
図8】揺動部材の構成の詳細を説明するための図。
図9】揺動部材と揺動部材との接触を説明するための図。
図10】本発明に係る揺動部材の動作を示す図。
図11】比較例に係る揺動部材について搬送部材の逆回転時の動作を説明するための図。
図12】比較例に係る揺動部材の別の課題を説明するための図。
図13】本発明に係る揺動部材について搬送部材の逆回転時の動作を説明するための図。
図14】本発明に係る揺動部材が座屈する状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る実施形態を、図面を用いて、以下に説明をする。
【0010】
また、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0011】
<画像形成装置について>
まず、図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。ここで、図1において、図1の横方向をx軸、紙面に対して垂直に向かう方向をy軸、そして、図1の縦方向をz軸とする。なお、これ以降の図もこの座標の定義は、特に断りがない限り同様であるとする。
【0012】
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機、3は原稿を原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、6は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部(露光部)、を示す。また、7は用紙等のシートPが収納される給紙装置、10Y、10M、10C、10BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部としてのプロセスカートリッジ、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト(像担持体)、18は中間転写ベルト17上に形成されたトナー像をシートPに転写する2次転写ローラ、を示す。また、20はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、28は各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの現像装置に各色のトナーを補給するためのトナー容器、30は廃トナー(粉体の一例)が回収される廃トナー回収容器(粉体回収容器の一例、回収ボトルともよぶこともある)を示す。
【0013】
ここで、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BK(作像部)は、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム11、帯電装置12、現像装置13、クリーニング装置15が一体化されたものである(図2参照)。そして、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKは、寿命に達したときに、新品のものに交換される。各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKにおける感光体ドラム11(像担持体)上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。なお、本明細書では、イエローをY、マゼンタをM、シアンをC、そしてブラックをBKと表現することもある。
【0014】
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
【0015】
まず、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部6に送信される。そして、書込み部6からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応するプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11上に向けて照射される。
【0016】
一方、4つの感光体ドラム11は、それぞれ、図1図2の時計方向に回転している。そして、図2を参照して、まず、感光体ドラム11の表面は、帯電装置12(帯電ローラ)との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11の表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。書込み部6において、光源から画像信号に対応したレーザ光Lが各色に対応して射出される。レーザ光Lは、ポリゴンミラーに入射して反射した後に、複数のレンズを透過する。複数のレンズを透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
【0017】
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ10Yの感光体ドラム11の表面に照射される。こうして、帯電ローラ12aにて帯電された後の感光体ドラム11上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。同様に、シアン成分のレーザ光は、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ10Cの感光体ドラム11の表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ10Mの感光体ドラム11の表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目のプロセスカートリッジ10BKの感光体ドラム11の表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
【0018】
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11の表面は、それぞれ、現像装置13(図2参照)との対向位置に達する。そして、各現像装置13から感光体ドラム11上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11上の潜像が現像される(現像工程である。)。その後、現像工程後の感光体ドラム11の表面は、それぞれ、像担持体としての中間転写ベルト17(中間転写体)との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写ローラ14が設置されている。そして、1次転写ローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
【0019】
そして、1次転写工程後の感光体ドラム11の表面は、それぞれ、クリーニング装置15(図2参照)との対向位置に達する。そして、クリーニング装置15で、感光体ドラム11上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。その後、感光体ドラム11の表面は、除電装置の位置を通過して、感光体ドラム11における一連の作像プロセスが終了する。
【0020】
他方、感光体ドラム11上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト17の表面は、図1中の矢印方向に走行して、2次転写ローラ18の位置に達する。そして、2次転写ローラ18の位置で、シートP上に中間転写ベルト17上のフルカラーの画像が2次転写される(2次転写工程である。)。その後、中間転写ベルト17の表面は、中間転写ベルトクリーニング装置9(クリーニング装置)の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング装置9に回収されて、中間転写ベルト17上の一連の転写プロセスが完了する。
【0021】
ここで、2次転写ローラ18の位置のシートPは、給紙装置7から搬送ガイド、レジストローラ19等を経由して搬送されるものである。詳しくは、シートPを収納する給紙装置7から、給紙ローラ8により給送されたシートPが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ19に導かれる。レジストローラ19に達したシートPは、中間転写ベルト17上のトナー像とタイミングを合わせて、2次転写ローラ18の位置に向けて搬送される。
【0022】
その後、フルカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ローラと加圧ローラとの当接によって形成されるニップ部にて、カラー画像がシートP上に定着される。そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラ29によって画像形成装置1本体(本明細書では、単に本体ともよぶ)外に出力画像として排出された後に、排紙部5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0023】
次に、図2にて、画像形成装置の作像部について詳述する。図2は、黒色用のプロセスカートリッジ10BKを示す構成図である。その他の3つのプロセスカートリッジ10Y、10M、10Cは、それぞれ、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる点を除き、黒色用のプロセスカートリッジ10BKとほぼ同じに構成されているため、その図示と説明とを省略する。
【0024】
図2に示すように、プロセスカートリッジ10BKには、像担持体としての感光体ドラム11と、感光体ドラム11を帯電する帯電装置12と、感光体ドラム11上に形成される静電潜像を現像する現像装置13と、感光体ドラム11上の未転写トナーを回収するクリーニング装置15と、がケースに一体的に収納されている。
【0025】
ここで、感光体ドラム11は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである帯電装置12は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなる帯電ローラである。そして、この帯電装置12(帯電ローラ)に電源部から所定の電圧が印加されて、これにより対向する感光体ドラム11の表面を一様に帯電する。
【0026】
現像装置13は、主として、感光体ドラム11に対向する現像ローラ13aと、現像ローラ13aに対向する第1搬送スクリュ13b1と、仕切部材を介して第1搬送スクリュ13b1に対向する第2搬送スクリュ13b2と、現像ローラ13aに対向するドクターブレード13cと、で構成される。現像ローラ13aは、内部に固設されてローラ周面に磁極を形成するマグネットと、マグネットの周囲を回転するスリーブと、で構成される。マグネットによって現像ローラ13a(スリーブ)上に複数の磁極が形成されて、現像ローラ13a上に現像剤が担持されることになる。現像装置13内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。
【0027】
クリーニング装置15には、感光体ドラム11に当接するクリーニングブレード15a、クリーニング装置15内に回収された未転写トナーを廃トナーとして廃トナー搬送装置40(図3参照)に向けて搬送する搬送スクリュ15b(搬送管16)、等が設置されている。クリーニングブレード15aは、ウレタンゴム等のゴム材料からなり、感光体ドラム11表面に所定角度かつ所定圧力で当接している。これにより、感光体ドラム11上に付着する未転写トナー等の付着物が機械的に掻き取られてクリーニング装置15内に回収されることになる。そして、クリーニング装置15内に回収された未転写トナーは、搬送管16(搬送スクリュ15bが内設されている。)を介して、トナー搬送装置としての廃トナー搬送装置40(図3参照)に搬送されて、さらに廃トナー搬送装置40によって廃トナー回収容器30まで搬送されて、廃トナーとして廃トナー回収容器30の内部に回収される。同様に、図1を参照して、クリーニング装置としての中間転写ベルトクリーニング装置9にも、中間転写ベルト17に当接するクリーニングブレード、中間転写ベルトクリーニング装置9内に回収された未転写トナーを廃トナーとして廃トナー搬送装置40(図3参照)に向けて搬送する搬送スクリュ(搬送管16)、等が設置されている。そして、中間転写ベルトクリーニング装置9内に回収された未転写トナーは、搬送管16(搬送スクリュが内設されている。)を介して、トナー搬送装置としての廃トナー搬送装置40(図3参照)に搬送されて、さらに廃トナー搬送装置40によって廃トナー回収容器30まで搬送されて、廃トナーとして廃トナー回収容器30の内部に回収される。なお、感光体ドラム11や中間転写ベルト17上に付着する付着物としては、未転写トナーの他に、シートP(用紙)から生じる紙粉、帯電装置12による放電時に感光体ドラム11上に生じる放電生成物、トナーに添加されている添加剤等があるが、本願ではこれらを総称して「未転写トナー」と呼ぶことにする。
【0028】
図2にて、先に述べた作像プロセスをさらに詳しく説明する。現像ローラ13aは、図2中の矢印方向(反時計方向)に回転している。現像装置13内の現像剤は、間に仕切部材を介在するように配設された第1搬送スクリュ13b1及び第2搬送スクリュ13b2の回転によって、図示しないトナー補給部によってトナー容器28から補給されたトナーとともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(図2の紙面垂直方向(y軸方向)である。)。
【0029】
そして、摩擦帯電してキャリアに吸着したトナーは、キャリアとともに現像ローラ13a上に担持される。現像ローラ13a上に担持された現像剤は、その後にドクターブレード13cの位置に達する。そして、現像ローラ13a上の現像剤は、ドクターブレード13cの位置で適量に調整された後に、感光体ドラム11との対向位置(現像領域である。)に達する。その後、現像領域において、現像剤中のトナーが、感光体ドラム11表面に形成された静電潜像に付着する。詳しくは、レーザ光Lが照射された画像部の潜像電位(露光電位)と、現像ローラ13aに印加された現像バイアスとの、電位差(現像ポテンシャル)によって形成される電界によって、トナーが潜像に付着する(トナー像が形成される)。その後、現像工程にて感光体ドラム11に付着したトナーは、そのほとんどが中間転写ベルト17上に転写される。そして、感光体ドラム11上に残存した未転写トナーが、クリーニングブレード15aによってクリーニング装置15内に回収される。
【0030】
<廃トナー搬送装置について>
以下、本実施の形態における画像形成装置1において、特徴部となるトナー搬送装置としての廃トナー搬送装置40について詳述する。
【0031】
図3は、廃トナー搬送装置を示す図である。なお、図1に示す図を正面側とした場合、図3は背面側(図1のy軸のマイナス方向側)から見た図である。これを用いて廃トナー搬送装置について説明する。
【0032】
図3に示すように、トナー搬送装置としての廃トナー搬送装置40は、複数のクリーニング装置15や中間転写ベルトクリーニング装置9で回収されて搬送管16を介して流入口Aから流入されたトナー(現像剤)としての廃トナーを、流出口Bから廃トナー回収容器30に向けて流出するものである。具体的に、廃トナー搬送装置40において、廃トナー(トナー)は、図3の黒矢印方向に搬送されることになる。
【0033】
廃トナー回収容器30は、画像形成装置1本体に対して着脱可能(交換可能)に設置されていて、画像形成装置1本体に廃トナー回収容器30が装着されると廃トナー搬送装置40(傾斜搬送経路42)に連通可能に接続されることになる。そして、廃トナー搬送装置40によって搬送された廃トナーが廃トナー回収容器30の内部に回収されることになる。
【0034】
ここで、図3に示すように、廃トナー搬送装置40(トナー搬送装置)には、廃トナーの黒矢印で示す搬送方向に沿って、水平搬送経路41、落下搬送経路43、傾斜搬送経路42が設けられている。また、水平搬送経路41の搬送方向上流側の天上部には流入口Aが設けられ、傾斜搬送経路42の搬送方向下流側の底部には流出口Bが設けられている。
【0035】
このように、流入口Aと流出口Bとを直接的に結ぶような搬送経路を設けずに、互いに異なる方向に延在する複数の搬送経路を組み合わせてなる廃トナー搬送装置40としているのは、画像形成装置1本体においてレイアウト上の制約があるためである。具体的に、本実施の形態では、図1に示すように、画像形成装置1の内部において廃トナー回収容器30の上方に位置する書込み部6を避けるように、水平搬送経路41、落下搬送経路43、傾斜搬送経路42が設けられている。
【0036】
落下搬送経路43は、廃トナー(トナー)が自重落下する搬送経路であって、本実施の形態では略垂直方向に延在するように形成されている。また、本実施の形態における落下搬送経路43は、その水平方向の断面が長方形になるように形成されている。
【0037】
ここで、この落下搬送経路43には、搬送経路内におけるトナーの堆積を防止するための部材を設けてもよい。
【0038】
なお、この部材は、落下搬送経路43は、廃トナーを自重で落下させるものであれば良く、例えば、可撓性のシートのようなものが挙げられる。なお、落下搬送経路43を略垂直方向に延在するように形成することや、垂直方向に対して傾斜した傾斜面にトナーを滑落させて自重落下させるようなものであっても良い。
【0039】
傾斜搬送経路42は、落下搬送経路43の下端に連通して、斜め下方(図3の右上から左下に向かう方向である。)に延在している。すなわち、傾斜搬送経路42は、落下搬送経路43に対して所定の傾斜角度で交差するように配置されている。本実施の形態において、傾斜搬送経路42は、略円筒状に形成されている。
【0040】
そして、傾斜搬送経路42には、所定方向に回転して廃トナー(トナー)を斜め下方に搬送するコイル状の搬送部材(第1搬送部材)としての傾斜搬送コイル52が内設されている。図3を参照して、搬送部材としての傾斜搬送コイル52は、金属材料からなり、所定方向に螺旋状に巻回されたコイル部の上流側端部(図3の右上端部である。)が軸部に溶接などによって接合されたものであって、その軸部にカサ歯車62が設置されている。このカサ歯車62は、後述する水平搬送コイル51のカサ歯車61に噛合していて、図示しないモータによる水平搬送コイル51の回転駆動にともない傾斜搬送コイル52について、回転中心βを中心に図3の矢印方向に回転させることになる。
【0041】
一方、水平搬送経路41は、落下搬送経路43の上端に連通して、水平方向(図3の左方から右方に向かう方向(図3におけるx軸のプラス側からマイナス側へ向かう方向)である。)に延在している。すなわち、水平搬送経路41は、落下搬送経路43に対して水平方向に交差するように配置されている。本実施形態において、水平搬送経路41は、略円筒状に形成されている。
【0042】
そして、水平搬送経路41には、所定方向に回転して廃トナー(トナー)を水平方向に搬送するコイル状の第2搬送部材としての水平搬送コイル51が内設されている。図3を参照して、第2搬送部材としての水平搬送コイル51は、金属材料からなり、所定方向に螺旋状に巻回されたコイル部の上流側端部(図3の右端部である。)が軸部に溶接等によって接合されたものであって、その軸部にカサ歯車61が設置されている。そして、水平搬送コイル51は、図示しないモータによる駆動によって、回転中心αを中心に、図3の矢印方向に回転することになる。
【0043】
<廃トナー回収容器について>
図4にて、本実施の形態における廃トナー回収容器30について詳述する。なお、図1に示す図を正面側とした場合、図4は右側(図1のx軸のプラス方向側)から見た図である。また、図4は、本体(画像形成装置1本体)に装填された廃トナー回収容器の長手方向の断面図である。廃トナー回収容器30は内部に搬送部材103(搬送部材の一例)を有している。搬送部材103は、搬送スクリュとよばれるものであり、回転軸となる軸部103a(軸部の一例)を有し、これに螺旋状に羽根部103b(羽根部の一例)が巻装されて、所定方向に回転して廃トナーといった粉体を搬送する。また、搬送部材103は、軸受け等の保持部材121で保持され、回転することで廃トナーを図中左側(図4におけるy軸のプラス方向側)に搬送する。搬送部材103の少なくとも一方は廃トナー回収容器30の外に飛び出しており、その先にジョイント122が組み付いている。
【0044】
廃トナー回収容器30は、図中左側から右側(図4におけるy軸のプラス方向側からマイナス方向側)に挿入されセットされるが、その際に、本体側ジョイント123とジョイント122がかみ合うことで本体側の駆動を搬送部材103に伝達することができる。また、本体から排出したトナー(廃トナー)は、廃トナー排出口101(粉体回収口の一例)から落下してくるが、廃トナー排出口101の下側(図4のz軸のプラス方向側)に設けた廃トナー回収容器30の揺動部材114(揺動部材の一例)が搬送部材103の回転と共に揺動し、廃トナーの堆積やこれに伴う架橋を防いでいる。なお、揺動部材の構成や架橋についての詳細は、後述することとする。
【0045】
そして、廃トナー回収容器30には廃トナーが満杯になったことを検知するための満杯検知センサ200が、搬送部材103が正回転するときの搬送方向下流側(図4のy軸のプラス方向側)に設けられている。この満杯検知センサ200は、例えば、フィラーといった部材を廃トナー回収容器30の側面に設けている。そして、当該部材が容器内に蓄積された廃トナーによって外側(図4のx軸のマイナス方向側)に押され、その動きを検知することで満杯の判断を行うように構成している。
【0046】
<本発明に係る揺動部材について>
図5は、揺動部材について説明するための図である。そして、そして、図5(a)は、図4において領域Sの部分に焦点を絞った図であり、図5(b)は、図5(a)のT1-T2線におけるy軸のプラス方向側からみた廃トナー回収容器の断面図を示している。これらの図を用いて揺動部材の構成の概略を説明する。なお、揺動部材の詳細な説明は、後述する。
【0047】
まず、図5(a)に示すように、廃トナー排出口101の下側(図5(a)におけるz軸のプラス方向側)の領域には、搬送部材103の下側から上側(図5(a)におけるz軸のマイナス方向側からプラス方向側)に押し当てるように揺動部材114が設けられてある。また、揺動部材114は、搬送部材103の羽根部103bに沿うように揺動する構成となっている。
【0048】
また、図5(b)に示すように、揺動部材114は、廃トナー回収容器30のハウジングの内部に揺動部材114を固定する固定部114e(固定部の一例)と、それに連結して固定部114eから枝分かれしているように延在する張出部114a(張出部の一例)とを有する。揺動部材114は、固定部114eが容器の内壁面に両面テープや接着剤等で取り付けられて、片持ち支持されている。また、張出部114aは、自由端側に位置し且つ張出部114aの先端部を内側に曲げることによって形成される曲げ部114d(曲げ部の一例)を有している。曲げ部114dは、羽根部103bに向けて曲げられており、羽根部103bの外形部と当接する。この曲げ部114dを設けることで、仮に、搬送部材103を誤って本来回転させるべき方向(正回転)とは逆の方向に回転(逆回転)させてしまった場合、揺動部材114の曲げ部114dの先端部が中腹部よりも必ず先に搬送部材103に当たるようになる。これにより、中腹部は、搬送部材103の羽根部103bに巻き込まれるのを防止されるようになる。なお、ここでいう本来回転させるべき方向(正回転)とは、搬送部材が廃トナーを目的とする方向(本実施形態においては図4におけるy軸方向のプラス方向側)に搬送させるための回転方向をいうものとする。
【0049】
ここで、曲げ部114dの折れ曲がる部分(後述する傾斜部114cに接続する部分)から先端部までの長さ(曲げ量)をdとし、「羽根部外径(羽根部103bの外径)-軸径(軸部103aの外径)」の1/2をeとしたとき、d≒e(つまり、dとeとを略同じ)となるようにしている。この理由としては、dがeに比べて大きすぎてしまう(長すぎてしまう)と、曲げ部114dが軸部103aに先に当たるようになり、揺動部材114が揺動しなくなる。一方で、dがeに比べて小さすぎてしまう(短すぎてしまう)と、揺動部材114が搬送部材103の回転に巻き込まれてしまう。そこで、これらを防止する観点から、上記したようにd≒eとしている。なお、本実施形態においては、d=6.8mm、e=7.0mmとしている。
【0050】
そして、揺動部材114は、揺動部材114の固定部114eが廃トナー回収容器30における取り付け部Pに取り付けられることで固定される。このとき、取り付け部Pは、搬送部材103(羽根部103b)の回転軌跡103cの下端部Qよりも高い位置になるようにしている。また、揺動部材114の張出部114aは、搬送部材103の軸部103aの下部Rで接触あるいは下部Rの下方を通るように配置されている。
【0051】
<揺動部材の機能について>
図6は、揺動部材の機能を説明するための図である。また、図6は、図5(b)と同様に図5(a)のT1-T2線におけるy軸のプラス方向側からみた廃トナー回収容器の断面図を示している。また、図6(a)は、廃トナー回収容器に揺動部材を設けない場合を示し、図6(b)は、廃トナー回収容器に揺動部材を設けた場合を示している。
【0052】
まず、図6(a)について説明する。ここで、廃トナー回収容器30には廃トナーを受け入れる廃トナー排出口101が設けられているが、廃トナー301を搬送するために、廃トナー排出口101の開口部101a(開口部の一例)の直下に搬送部材(搬送スクリュ)103があることが望ましいとされている。一方で、本発明に係る搬送部材103は、廃トナー排出口101の開口部101aが他の装置とのレイアウトの関係上、それの下側(z軸のプラス方向側)に位置せず、それよりもずれた場所に位置する。そのため、このようなレイアウトを採用すると、搬送部材103によって廃トナー301を適切に搬送できないため、図6(a)に示すように廃トナー301が開口部101a付近に堆積してしまい、やがては開口部101aを塞いでしまう。
【0053】
そこで、図6(b)に示すように、本発明に係る廃トナー回収容器30は、揺動部材114を設けて、これにより開口部101aから落下してくる廃トナー301を搬送部材103側に移動させるようにしている。また、後ほど詳細を説明するが、揺動部材114は、略櫛歯形状の構成を採用しているため、この揺動部材114の下にも廃トナー301が徐々に蓄積されるようになる。そして、貯められた廃トナー(蓄積された廃トナー)302を揺動部材114が揺動することによって、搬送部材103側にも移動をさせるようにしている。また、揺動部材114は、搬送部材103の回転によって軸部103aと羽根部103bとの接触を繰り返して揺動するようになる。このような構成によって、上述の貯められた廃トナー302を切り崩して搬送部材103側へ移動させ、加えて揺動部材114に積もった廃トナーが架橋しないように振るい落すようにしている。
【0054】
なお、ここでいう「架橋」とは、例えば、廃トナーが開口部から搬送部材までにかけて橋渡すように積ることや、あるいは揺動部材上に廃トナーが積もり開口部から搬送部材までを廃トナーで橋渡すようになる状態といったことを意味する。
【0055】
また、揺動部材114の長さについては、揺動部材114の曲げ部114dが搬送部材103の羽根部103bの先端部に当たるだけの長さにする必要がある。そのため、揺動部材114が短すぎると羽根部103bに当たらず効果が発揮できない。逆に揺動部材114が長すぎると貯まっている廃トナー302の中に埋もれてしまう。そこで、例えば、揺動部材114の長さを取り付け部Pから羽根部103bの先端部までの長さぐらいにすることが望ましい。
【0056】
<揺動部材の配置について>
図7は、揺動部材の配置を説明するための図である。そして、図7(a)は、廃トナー回収容器において揺動部材を搬送部材よりも上部に配置したときに生じる課題を説明するための図である。また、図7(b)は、廃トナー回収容器における揺動部材と搬送部材との位置関係で生じる課題を説明するための図である。
【0057】
まずは、図7(a)について説明する。図7(a)では、揺動部材114を搬送部材103の軸部103aの上部の接触部103dで接触させるように配置させている構成を示している。このようにすることで、揺動部材114は、接触部103dと固定部114eとを橋渡すように配置されていると言うこともできる。このとき、揺動部材114の曲げ部114dは、羽根部103b側に向いておらず、また、その先端部は羽根部103bには当接しないようになる。
【0058】
このような構成においては、揺動部材114の上部(図7(a)のz軸のマイナス方向側)に廃トナー排出口101の開口部101aが位置するようになる。そして、本実施形態において、搬送部材103は、図7(a)に示すように反時計回り方向が正回転方向になり、この方向で廃トナーを搬送するようになっている。その場合、次のような課題が生じる。
【0059】
ここで、廃トナー排出口101を介して廃トナーが廃トナー回収容器30に搬送されてくるが、搬送された廃トナーは、上記したように橋渡すように配置された揺動部材114の上に廃トナーが落下するようになる。このとき、揺動部材114は、回転する搬送部材103に接触し、このことで図7(a)の破線の矢印で示すように開口部101aに向かって回転するようになる。すると、揺動部材114は、この上に搬送された廃トナーを廃トナー回収容器30の搬送部材103が配置されている側と反対側(図7(a)の左側、x軸のマイナス方向側)に運ぶようになる。その結果として、廃トナーは開口部101a付近に溜められるようになってしまう。
【0060】
また、上記したように橋渡すように配置すると揺動部材114上に廃トナーが堆積する(溜まる)ようになり、その結果として、前述した架橋につながってしまう。
【0061】
そこで、上記した課題を防止する観点から、本発明に係る揺動部材114は、図5(b)に示すように搬送部材103の軸部103aの下部Rで接触あるいは下部Rの下方を通るように配置している。
【0062】
次に、図7(b)について説明する。図7(b)においては、廃トナー回収容器30における揺動部材114の固定部114eを取り付ける取り付け部Pが搬送部材103(羽根部103b)の回転軌跡103cの下端部Qよりも低い位置になるようなときを示している。なお、揺動部材114の曲げ部114dは、羽根部103b側に向いており、また、その先端部は羽根部103bに当接しているものとする。
【0063】
この場合、廃トナー排出口101を介して廃トナーが廃トナー回収容器30に搬送されてくるが、搬送された廃トナーは、揺動部材114の上に廃トナーが落下するようになる。このとき、揺動部材114は、回転する搬送部材103に接触し、揺動部材114は動くようになる。この動きによって、揺動部材114は、図7(b)の一点鎖線の矢印で示すように、搬送された廃トナーを廃トナー回収容器30の搬送部材103が配置されている側と反対側(図7(b)の左側、x軸のマイナス方向側)に運ぶようになる。その結果として、廃トナーは開口部101a付近に溜められるようになってしまう。
【0064】
そこで、このような課題を防止する観点から、本発明に係る揺動部材114は、図5(b)に示すように廃トナー回収容器30における取り付け部Pが搬送部材103(羽根部103b)の回転軌跡103cの下端部Qよりも高い位置になるように配置している。
【0065】
<揺動部材の構成の詳細について>
図8は、揺動部材の構成の詳細を説明するための図である。そして、図8(a)は、揺動部材の全体構成を示した図であり、図8(b)は、図8(a)において視点Gの方向(図8(a)のX1軸のプラス方向)から見たときの構成を示したものである。これらの図を用いて本発明に係る揺動部材の詳細を説明する。なお、揺動部材の構成について絞って説明しているため、説明の便宜上、図8で示す座標の定義は、これまでの座標の定義と異なるものとする。
【0066】
まず、揺動部材114は、図8(a)に示すように略櫛歯形状である。そのため、廃トナー回収容器内で廃トナーが搬送部材等に堆積することを防止できる。また、廃トナー回収容器30のハウジングの内部に揺動部材114を固定する固定部114eと、それに連結して固定部114eから枝分かれしているように延びる張出部114aとを、揺動部材114は有している。張出部114aは、搬送部材103の軸方向に対して間隔をあけて並設されて複数形成されている。また、この張出部114aは、自由端になっており、スクリュである搬送部材103と接触するようになる。
【0067】
また、揺動部材114は、図8(b)に示すように、PET(ポリエチレンテレフタレート)等からなる可撓性を有するシート状のものである。そして、厚さ0.05~0.2mm程度のものであって、搬送部材103の回転に伴って軸部103aと羽根部103bとの間で揺動可能に構成されている。
【0068】
ここで、図8(a)に示すように、張出部114aは、固定部114eと接続する接続部114bと、接続部114bに接続し、接続部114bに対して所定の角度をもって傾斜する傾斜部114cと、傾斜部114cに接続して、張出部114aの自由端側に位置し且つ張出部114aの先端部を曲げることによって形成される曲げ部114dとから構成される。なお、図8(b)においては、固定部114eは一点鎖線で囲った部位、接続部114bは破線で囲った部位、傾斜部114cは二点鎖線で囲った部位、曲げ部114dは傾斜部114cから角度θをなして曲げられた部位となる。また、張出部114aの全長の約1/3~2/3の長さに相当する部位が中腹部114fとしている。そして、中腹部114fは、その一部が搬送部材103の軸部103aの下部Rと当接する軸部当接部を有する。
【0069】
ここで、曲げ部114dは、仮に、ユーザが誤って搬送部材103を逆回転させてしまった場合でも、揺動部材114が回転する羽根部103bに巻き込まれないようにしている。なお、搬送部材103が逆回転したときに曲げ部114dが果たす機能についての詳細は、後述する。そして、図8(b)に示すように、曲げ部114dと傾斜部114cとがなす角度θは、上記機能を果たすようにするため40~60°程度にしている。
【0070】
また、傾斜部114c(傾斜部の一例)だが、接続部114bに対して図8(a)におけるX1軸のマイナス方向(左方向)に所定の角度をもって傾斜している。なお、傾斜部114cは、接続部114bに対して図8(a)におけるZ1軸のマイナス方向(紙面に向かう方向)には傾斜していない。本発明に係る揺動部材114は、曲げ部114dに加えて揺動部材114cに傾斜部114cを設けることで、揺動部材114が搬送部材103の回転動作に揺動部材114が巻き込まれることを防止する効果を増大させることができる。
【0071】
図9は、揺動部材と搬送部材との接触を説明するための図である。この図は、図5(a)において、視点γの方向(図5(a)におけるz軸のマイナス側からプラス側へ向かう方向)から揺動部材を見た状態を示している。図9を用いて、揺動部材114が搬送部材103に接触したときの曲げ部や傾斜部の機能等を説明する。なお、この図9以降における座標の定義は、図8以外の図で示した座標の定義と同じであるとする。また、図9においては、揺動部材114については初期位置を示しており、搬送部材103との位置関係等を説明するため一点鎖線で示すものとする。
【0072】
ここで搬送部材103について、図9においてy軸のプラス方向が正回転するときに廃トナーを搬送する搬送方向になり、y軸のマイナス方向が逆回転するときに廃トナーを搬送する搬送方向になる。そして、搬送部材103を逆回転させたものとする。ここで、揺動部材114の傾斜部114cは、搬送部材103の正回転のときの搬送方向に向かうように傾斜していることがわかる。このようにすることで、搬送部材103の羽根部103b等に揺動部材114が接触したときに生じる座屈を抑えることができる。
【0073】
また、上記した構成によれば、揺動部材114に設けられた曲げ部114dが搬送部材103に接触することで、揺動部材114の中腹部114fが搬送部材103に接触する前に退避する(搬送部材103から遠ざかる)ようになる。
【0074】
このことによって、仮に、搬送部材103を逆回転させた場合でも、搬送部材103に揺動部材114が巻き込まれるのを防止することが可能となる。
【0075】
ここで、揺動部材114が傾斜した時の搬送方向の幅をfとし、搬送部材103の羽根部103bのピッチをgとしたとき、fとgとの関係だが、f/g=1/2~1とすることが望ましい。ピッチが大きくなり過ぎると揺動部材114が軸部103aに当たる前に羽根部103bに当たり揺動しなくなるので望ましくない。また、ピッチが小さすぎると傾斜の角度がつかなくて揺動部材114が搬送部材103の回転に巻き込まれてしまい、巻き込み防止効果が十分発揮できない。
【0076】
そこで、これらの理由を踏まえ、fとgとの関係を上記したようにf/g=1/2~1としている。なお、本実施形態では、fは6mm、gは10mm程度としている。
【0077】
<揺動部材の動作について>
図10は、本発明に係る揺動部材の動作を示す図である。この図を用いて、搬送部材103を回転(正回転)させた場合の揺動部材114の動きを説明する。なお、ここでいう正回転とは、上記したとおりである。また、搬送部材103の正回転の回転方向についてだが、図10で示すように、反時計回りの方向に回転することとなる。そして、符号については、回転動作以外は構成が同じであるため、図10においては10(a)のみ示して、その他は省略するものとする。
【0078】
まず、図10(a)に示すように、本発明に係る廃トナー回収容器30は、廃トナー排出口101の開口部101aが他の部材との関係によって搬送部材(搬送スクリュ)103の上側(図10(a)におけるz軸のマイナス方向側)ではない箇所に配置されている。このような配置関係のため、本発明に係る廃トナー回収容器30は、揺動部材114により開口部101aから落下してくる廃トナーを搬送部材103側(図10(a)におけるx軸のプラス方向側)に移動させるような構成にしている。
【0079】
また、前述したように本発明に係る揺動部材114が略櫛歯形状のため、揺動部材114の下側(図10(a)におけるz軸のプラス方向側)にも廃トナーが徐々に堆積していくようになる。そして、堆積した廃トナーを揺動部材の揺動によって搬送部材103側にも移動させるようになる。また、揺動部材114は、搬送部材103の回転によって軸部103aと羽根部103bとで接触を繰り返すように揺動するようになる。これによって、堆積した廃トナーを切り崩して搬送部材103側へ移動させ、且つ揺動部材114上に堆積した廃トナーが架橋しないように振るい落す。
【0080】
ここで、搬送部材103の回転動作について述べる。まず、図10(a)は、搬送部材103が回転(正回転)を始めるときの揺動部材114の初期位置を示している。揺動部材114は搬送部材103と接触を開始するが、このとき、揺動部材114の中腹部114fが、搬送部材103が有する羽根部103bと接触するようになる。そして、搬送部材103が回転していき、図10(b)に示すように揺動部材114は変形し、搬送部材103に追従するようになる。
【0081】
さらに、搬送部材103が回転し、そして、図10(c)に示す状態になると、揺動部材114が有する張出部114aの曲げ部114dが羽根部103bと接触するようになる。そして、搬送部材103が回転を続けると、その後は図10(a)の状態に戻ることになる。このときも、搬送部材103によって廃トナーが廃トナー回収容器のさらに奥側(図10(c)の右側、図10(a)におけるx軸のプラス方向側)へ搬送されるが、併せて揺動部材114も搬送部材103に接触し、上記機能を果たしている。
【0082】
<搬送部材を逆回転させた場合について>
本発明に係る揺動部材は、上記したように曲げ部や傾斜部を有する。これらがどのような機能を発揮するのかについて、比較例に係る構成との対比を踏まえて以下説明する。
【0083】
<比較例に係る揺動部材の動作について>
図11は、比較例に係る揺動部材について搬送部材の逆回転時の動作を説明するための図である。ここで、比較例に係る揺動部材1114は、本発明に係る揺動部材114とは異なり張出部の自由端側に位置する先端部に曲げ部が形成されていない構成であるとする。この図11を用いて、比較例に係る揺動部材を用いた場合の搬送部材の逆回転時に生じる課題を説明することとする。また、符号については、回転動作以外は構成が同じであるため、図11においては11(a)のみ示して、その他は省略するものとする。
【0084】
まず、ユーザが廃トナー回収容器30の中だけを交換して、再度容器を利用する場合があるが、この場合に容器を画像形成装置1本体から取り出すことになる。そして、取り出した容器の中に溜められた廃トナーを破棄するため中から出す際に、ユーザが搬送部材103に連結しているギアを手で回転させ、そのとき、ユーザが誤って搬送部材103を逆回転させることがある。
【0085】
この搬送部材103の逆回転は、図11で示すように、時計回りの方向に回転することとなる。そして、図11(a)は、搬送部材103が逆回転を始めるときの揺動部材の初期位置を示している。このとき、搬送部材103に揺動部材1114が押し当てられるようになる。そして、搬送部材103が回転していき、図11(b)に示す状態になると、揺動部材1114が有する張出部の中腹部が搬送部材103の羽根部103bに当たるようになる。
【0086】
さらに、搬送部材103が回転し、図11(c)に示す状態になると、揺動部材1114が屈曲し、中腹部が羽根部103bの内側に巻き込まれた状態となる。そして、搬送部材103が回転を続け、揺動部材1114が図11(d)で示すような状態になると、屈曲していた揺動部材1114が弾性力によって搬送部材103の上側(図ではz軸のマイナス方向側)で飛び越えるように伸びてしまう。このようになると、揺動部材1114は、所定の位置には戻らなくなってしまう。
【0087】
ここで、廃トナー排出口101の開口部101aは、搬送部材103の上に設けられておらず、揺動部材1114の上に位置しており、位置がずれている。そのため、揺動部材1114を搬送部材103に当てるために開口部101a側から搬送部材103側に伸ばすように配置している。その一方で、このような構成を採用していることから、揺動部材1114が図11(d)に示す状態になると、揺動部材1114が廃トナー回収容器30の開口部101a側(図11のz軸のマイナス方向側)と搬送部材103が位置する側(図11のz軸のプラス方向側)とを橋渡すようになってしまう。そして、その揺動部材1114が橋渡しをした状態では、揺動部材1114上に廃トナー301が堆積するようになり、廃トナーの架橋という現象の発生につながってしまう。
【0088】
図12は、比較例に係る揺動部材の別の課題を説明するための図である。この図は、比較例に係る揺動部材について、図5(a)における視点γの方向(図5(a)におけるz軸のマイナス側からプラス側へ向かう方向)から見た状態を示している。ここで、比較例に係る揺動部材2114は、本発明に係る揺動部材114とは異なり張出部に傾斜部も曲げ部も形成されていない構成であるとする。この図12を用いて、比較例に係る揺動部材を用いた場合の搬送部材の逆回転時に生じる課題を説明することとする。なお、この図は、搬送部材103と揺動部材2114との接触を示している。また、揺動部材2114は、一点鎖線で初期位置を示し、破線で搬送部材103を初期位置から1/3ピッチ程度逆回転させたときの状態を示すものとする。また、y軸のマイナス方向が搬送部材103の逆回転させたときの廃トナーの搬送方向となる。そして、搬送部材103は、初期位置から回転させた状態を示している。
【0089】
上記した場合においては、図12に示すように、搬送部材103が回転することで揺動部材2114の先端部が押された際には、揺動部材2114の中腹部が搬送部材103の逆回転における搬送方向に巻き込まれて座屈するようになる。なお、座屈した揺動部材は、揺動部材2114hのようになる。この座屈の発生は、揺動部材2114には傾斜部を設けていないことが原因として挙げられる。さらに、この座屈の発生は、図11(d)で示したような揺動部材が搬送部材の上側で飛び越えるように伸びてしまうことにもつながる可能性がある。
【0090】
<本発明に係る揺動部材の動作について>
そこで、本発明に係る揺動部材は上記したように曲げ部や傾斜部を設けることで、上記課題に対して対策をした。図13は、本発明に係る揺動部材について搬送部材の逆回転時の動作を説明するための図である。この図を用いて、搬送部材103を逆回転させた場合の揺動部材114の動きを説明する。なお、搬送部材103の逆回転は、図13で示すように、時計回りの方向に回転することとなる。また、符号については、回転動作以外は構成が同じであるため、図13においては13(a)のみ示して、その他は省略するものとする。
【0091】
まず、図13(a)は、搬送部材103が逆回転を始めるときの揺動部材の初期位置を示している。そして、揺動部材114が有する張出部114aの先端部には曲げ部114dが設けられており、その曲げ部114dは羽根部103bに向かって曲げられ且つ羽根部103bに接触している。そして、搬送部材103が回転していき、図13(b)に示す状態では、先端部114dが搬送部材103の羽根部103bの先端部に接触している。一方で、このとき、搬送部材103は、中腹部114fとは接触していない。
【0092】
さらに、搬送部材103が回転し、揺動部材114が屈曲する。そして、図13(c)に示す状態になると、羽根部103bが中腹部114fと接触するようになる。そして、搬送部材103が回転を続けると、屈曲していた揺動部材114の張出部114aは、図13(d)に示すように搬送部材103が位置する側に弾性力で伸びるようになる。このとき、張出部114aは、搬送部材103の軸部103aの下側(z軸のプラス方向側)を通るように伸びる。そして、搬送部材103が逆回転を続けると、再び図13(a)に示すような状態になり、図13(b)~13(d)で示した動作を繰り返す。
【0093】
上記したように本発明に係る揺動部材114は張出部114aの先端部に曲げ部114dを設けている。そして、搬送部材103が逆回転した際、その曲げ部114dが搬送部材103の羽根部103b(羽根部103bの先端部)に接触することで、揺動部材の張出部114aが軸部103aと離れる方向(図13においてx軸のマイナス方向)に屈曲するようになる。その後、羽根部103bの先端部は、中腹部114fに接触するようになる。すなわち、揺動部材114の曲げ部114dが搬送部材103の有する羽根部103bに先に接触することで、中腹部114fが搬送部材103から退避するため、張出部114aが羽根部103bの側面に当たらないようになる。本発明では、このようにすることで、仮に、ユーザが誤って搬送部材を逆回転させてしまった場合でも、揺動部材が回転する羽根部に巻き込まれず、搬送部材を飛び越えて伸びてしまうことがない。
【0094】
図14は、本発明に係る揺動部材が座屈する状態を示す図である。この図は、図5(a)において、視点γの方向(図5(a)におけるz軸のマイナス側からプラス側へ向かう方向)から揺動部材を見た状態を示している。また、この図は、搬送部材103と揺動部材114との接触を示している。そして、揺動部材114は、一点鎖線で初期位置を示し、破線で搬送部材103を初期位置から1/3ピッチ程度逆回転させたときの状態を示すものとする。また、y軸のマイナス方向が搬送部材103の逆回転させたときの廃トナーの搬送方向となる。そして、搬送部材103は、初期位置から回転させた状態を示している。
【0095】
ここで、搬送部材103を逆回転させたものとする。そして、上記した場合においては、図14に示すように、搬送部材103が回転することで揺動部材114の先端部が押された際には、揺動部材114の中腹部114fが搬送部材103の逆回転における搬送方向に巻き込まれて座屈するようになる。なお、座屈した揺動部材は、揺動部材114hのようになる。
【0096】
一方で、本発明に係る揺動部材114は、搬送部材103の正回転のときの搬送方向に向かうように傾斜する傾斜部114cを有している。そのため、この傾斜部411cは、搬送部材103の羽根部103b等に揺動部材114が接触したときに生じる座屈を抑えるようになる。
【0097】
前述したように、本発明に係る揺動部材は、張出部の先端部に曲げ部を設けることによって、仮に、ユーザが誤って搬送部材を逆回転させてしまった場合でも、揺動部材が回転する羽根部に巻き込まれないようにしている。それに加えて、本発明は、揺動部材に傾斜部を設けることにより、搬送部材の羽根部等に揺動部材が接触したときに生じる座屈を抑えることができるため、上記巻き込みの防止をより確実にすることが可能となる。
【0098】
上記のように本実施形態は、粉体301を受ける粉体回収口101と、軸部103aに螺旋状に羽根部103bが巻装されて、所定方向に回転して粉体301を搬送する搬送部材103と、搬送部材103に当接し、揺動可能な揺動部材114と、を有し、揺動部材114は、搬送部材の軸方向に対して間隔をあけて並設された複数の張出部114aと、張出部114aの一部を羽根部103bに向けて曲げることによって形成され、少なくとも搬送部材103が所定方向とは反対方向に回転するときに、先端部が羽根部103bに当接する曲げ部114dとを有する。
【0099】
これによって、揺動部材114が搬送部材103の回転に巻き込まれることを防止することができる。
【0100】
上記のように本実施形態は、曲げ部114dの先端部は、羽根部103bの外形部に当接する。
【0101】
これによって、仮に、ユーザが誤って搬送部材103を逆回転させてしまった場合でも、揺動部材114が回転する羽根部103bに巻き込まれないようにする。
【0102】
上記のように本実施形態は、曲げ部114dの長さをdとし、羽根部103bの外径と軸部103aの径との差の1/2をeとしたとき、dとeとが略同じである。
【0103】
これによって、揺動部材114が揺動しなくなることや、揺動部材114が搬送部材103の回転に巻き込まれてしまうことを防止できる。
【0104】
上記のように本実施形態は、張出部114aは、搬送部材103が所定方向に回転して粉体301を搬送する方向である搬送部材103の搬送方向の上流側から下流側にかけて傾斜する傾斜部114cを有する。
【0105】
これによって、搬送部材103の羽根部103b等に揺動部材114が接触したときに生じる座屈を抑えることができる。
【0106】
上記のように本実施形態は、曲げ部114dは、傾斜部114cの自由端側の先端に形成されている。
【0107】
これによって、仮に、ユーザが誤って搬送部材103を逆回転させてしまった場合でも、揺動部材114が回転する羽根部103bに巻き込まれないようにする。
【0108】
上記のように本実施形態は、傾斜部114cが傾斜したときの搬送方向の幅をfとし、搬送部材103の羽根部103bのピッチをgとしたとき、f/g=1/2~1である。
【0109】
これによって、揺動部材114が揺動しなくなることを防止でき、また、揺動部材114の巻き込み防止効果が十分発揮できる。
【0110】
上記のように本実施形態は、張出部114aは、軸部103aの下方と当接する軸部当接部を有する。
【0111】
これによって、廃トナー301は開口部101a付近に溜められることや、揺動部材114上に廃トナー301が堆積する(溜まる)ようになることを防止できる。
【0112】
上記のように本実施形態は、揺動部材114は、略櫛歯状に形成されている。
【0113】
これによって、廃トナー回収容器30内で廃トナー301が搬送部材103等に堆積することを防止できる。
【0114】
上記のように本実施形態は、粉体回収口101が有する開口部101aは、張出部114aの上部で且つ搬送部材103の上部でない位置に配置される。
【0115】
これによって、貯められた廃トナー302を切り崩して搬送部材103側へ移動させ、加えて揺動部材114に積もった廃トナー301が架橋しないように振るい落すことができる。
【0116】
上記のように本実施形態は、揺動部材114は、揺動部材114を粉体回収容器30の所定の位置に固定するための固定部114eを有し、所定の位置は、搬送部材103の回転軌跡103cの最下部よりも上方にある。
【0117】
これによって、廃トナー301は開口部101a付近に溜められることや、揺動部材114上に廃トナー301が堆積する(溜まる)ようになることを防止できる。
【0118】
<本発明の粉体搬送装置への適用>
また、上記実施例では、本発明を粉体回収容器である廃トナー回収容器に適用した場合を説明したが、これに限られない。本発明は、例えば、トナーや廃トナーを搬送する装置である粉体搬送装置に適用させることも可能である。
【0119】
以上説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
【0120】
[第1態様]
第1態様は、粉体を受ける粉体回収口(例えば、廃トナー排出口101)と、軸部(例えば、軸部103a)に螺旋状に羽根部(例えば、羽根部103b)が巻装されて、所定方向に回転して前記粉体を搬送する搬送部材(例えば、搬送部材103)と、前記搬送部材に当接し、揺動可能な揺動部材(例えば、揺動部材114)と、を有し、前記揺動部材は、前記搬送部材の軸方向に対して間隔をあけて並設された複数の張出部(例えば、張出部103a)と、前記張出部の一部を前記羽根部に向けて曲げることによって形成され、少なくとも前記搬送部材が前記所定方向とは反対方向に回転するときに、先端部が前記羽根部に当接する曲げ部(例えば、曲げ部114d)とを有することを特徴としている。
【0121】
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記曲げ部の先端部は、前記羽根部の外形部に当接することを特徴としている。
【0122】
[第3態様]
第3態様は、第2態様において、前記曲げ部の長さをdとし、前記羽根部の外径と前記軸部の径との差の1/2をeとしたとき、dとeとが略同じであることを特徴としている。
【0123】
[第4態様]
第4態様は、第1態様乃至第3態様の何れかにおいて、前記搬送部材が前記所定方向に回転して前記粉体を搬送する方向である搬送方向の上流側から下流側にかけて傾斜する傾斜部(例えば、傾斜部114c)を有することを特徴としている。
【0124】
[第5態様]
第5態様は、第4態様において、前記曲げ部は、前記傾斜部の自由端側の先端に形成されていることを特徴としている。
【0125】
[第6態様]
第6態様は、第4態様または第5態様において、前記傾斜部が傾斜したときの搬送方向の幅をfとし、前記搬送部材の前記羽根部のピッチをgとしたとき、f/g=1/2~1であることを特徴としている。
【0126】
[第7態様]
第7態様は、第1態様乃至第6態様の何れかにおいて、前記張出部は、前記軸部の下方と当接する軸部当接部(例えば、軸部当接部)を有することを特徴としている。
【0127】
[第8態様]
第8態様は、第1態様乃至第7態様の何れかにおいて、前記揺動部材は、略櫛歯状に形成されていることを特徴としている。
【0128】
[第9態様]
第9態様は、第1態様乃至第8態様の何れかにおいて、前記粉体回収口が有する開口部(例えば、開口部101a)は、前記張出部の上部で且つ前記搬送部材の上部でない位置に配置されることを特徴としている。
【0129】
[第10態様]
第10態様は、第1態様乃至第9態様の何れかにおいて、前記揺動部材は、前記揺動部材を前記粉体回収容器の所定の位置に固定するための固定部(例えば、固定部114e)を有し、前記所定の位置は、前記搬送部材の回転軌跡の最下部よりも上方にあることを特徴としている。
【0130】
[第11態様]
第11態様は、第1態様乃至第10態様の何れかにおいて、前記粉体は、廃トナー(例えば、廃トナー301)であることを特徴としている。
【0131】
[第12態様]
第12態様は、第1態様乃至第11態様の何れかに記載の粉体回収容器を備えた画像形成装置(例えば、画像形成装置1)である。
【0132】
[第13態様]
第13態様は、軸部に螺旋状に羽根部が巻装されて、所定方向に回転して前記粉体を搬送する搬送部材と、前記搬送部材に当接し、揺動可能な揺動部材と、を有し、前記揺動部材は、前記搬送部材の軸方向に対して間隔をあけて並設された複数の張出部と、前記張出部の一部を前記羽根部に向けて曲げることによって形成され、少なくとも前記搬送部材が前記所定方向とは反対方向に回転するときに、先端部が前記羽根部に当接する曲げ部とを有することを特徴としている。
【符号の説明】
【0133】
1 画像形成装置
3 原稿搬送部
4 原稿読込部
6 書込み部(露光部)
7 給紙装置
9 中間転写ベルトクリーニング装置
10 プロセスカートリッジ
11 感光体ドラム
12 帯電装置
13 現像装置
14 1次転写ローラ
15 クリーニング装置
16 搬送管
17 中間転写ベルト
18 2次転写ローラ
19 レジストローラ
20 定着装置
28 トナー容器
30 廃トナー回収容器
40 廃トナー搬送装置
101 廃トナー排出口
101a 開口部
103 搬送部材(搬送スクリュ)
103a 軸部(回転軸)
103b 羽根部
103c 回転軌跡
103d 接触部
114、1114、2114 揺動部材
114a 張出部
114b 接続部
114c 傾斜部
114d 曲げ部
114e 固定部
114f 中腹部
114h、2114h 座屈した揺動部材
121 保持部材
122 ジョイント
200 満杯検知センサ
301 廃トナー
302 貯められた廃トナー(蓄積された廃トナー)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0134】
【特許文献1】特開2021-117435号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14