(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168325
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置及び無線伝送システム
(51)【国際特許分類】
H04J 3/00 20060101AFI20241128BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20241128BHJP
H04J 1/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H04J3/00 M
H04L27/26 100
H04J1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084887
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】梅内 哲也
(72)【発明者】
【氏名】中川 孝之
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 智拓
(72)【発明者】
【氏名】永田 裕靖
【テーマコード(参考)】
5K028
【Fターム(参考)】
5K028AA12
5K028EE02
5K028EE03
5K028KK11
(57)【要約】
【課題】 Nullパケット又は無効階層のTSパケットに含まれる付加情報の消失を適切に抑制しつつ、第1放送信号の遅延時間を低減することを可能とする送信装置、受信装置及び無線伝送システムを提供する。
【解決手段】 送信装置は、第1放送信号を第1圧縮放送信号に圧縮する圧縮部と、前記第1圧縮放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信部と、を備え、前記圧縮部は、前記第1放送信号を構成する対象パケットに含まれる付加情報部分を削除せずに、前記対象パケットに含まれる情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つを削除することによって、前記対象パケットを圧縮パケットに圧縮する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1放送信号を第1圧縮放送信号に圧縮する圧縮部と、
前記第1圧縮放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信部と、を備え、
前記圧縮部は、前記第1放送信号を構成する対象パケットに含まれる付加情報部分を削除せずに、前記対象パケットに含まれる情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つを削除することによって、前記対象パケットを圧縮パケットに圧縮する、送信装置。
【請求項2】
前記圧縮部は、前記対象パケットの種別を示す同期情報として、前記圧縮パケットを特定する特定同期情報を付加する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
第1圧縮放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを受信する受信部と、
前記第1圧縮放送信号を第1放送信号に伸張する伸張部と、を備え、
前記第1圧縮放送信号は、付加情報部分が削除されずに、情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つが削除された圧縮パケットを含み、
前記伸張部は、前記情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つとしてダミー情報を追加することによって、前記圧縮パケットを対象パケットに伸張する、受信装置。
【請求項4】
前記伸張部は、前記圧縮パケットを特定する特定同期情報を前記対象パケットの種別を示す同期情報に置き換える、請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
送信装置及び受信装置を備える無線伝送システムであって、
前記送信装置は、第1放送信号を第1圧縮放送信号に圧縮する圧縮部と、前記第1圧縮放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信部と、を備え、
前記受信装置は、前記多重伝送フレームを受信する受信部と、前記第1圧縮放送信号を前記第1放送信号に伸張する伸張部と、を備え、
前記圧縮部は、前記第1放送信号を構成する対象パケットに含まれる付加情報部分を削除せずに、前記対象パケットに含まれる情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つを削除することによって、前記対象パケットを圧縮パケットに圧縮し、
前記伸張部は、前記情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つとしてダミー情報を追加することによって、前記圧縮パケットを前記対象パケットに伸張する、無線伝送システム。
【請求項6】
前記圧縮部は、前記対象パケットの種別を示す同期情報として、前記圧縮パケットを特定する特定同期情報を付加し、
前記伸張部は、前記特定同期情報を前記対象パケットの種別を示す同期情報に置き換える、請求項5に記載の無線伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、受信装置及び無線伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
第1装置(例えば、放送局の演奏所又は送信所)から第2装置(例えば、送信所)に対して、主信号及びSC(Service Channel)信号が多重された伝送フレームに関する伝送方式が規定されている。主信号は、地上デジタルテレビジョン放送及びV-Low地上マルチメディア放送に関する第1放送信号(例えば、放送TS(Transport Stream)など)を含む。
【0003】
例えば、放送TSを構成するパケットは、情報部分(188バイト)、付加情報部分(8バイト)、パリティ部分(8バイト)を含む。付加情報部分に格納される付加情報は、パケットの情報やAC情報(Auxiliary Channel)が記述されたISDB-T情報が格納される。
【0004】
各パケットは、情報部分に格納される内容に応じて以下のように分類される。具体的には、A/B/C階層の情報が格納されるA/B/C階層パケット、TMCC(Transmission and Multiplexing. Configuration Control)やネットワーク同期情報が格納されるIIP(ISDB-T Information Packet)、AC情報が格納されるACパケット、独自情報が格納される独自情報パケット、何も情報が格納されないNullパケットなどが想定される。なお、A/B/C階層パケットは、有効階層のTSパケットと称してもよく、A/B/C階層パケット以外のパケット(すなわち、ACパケット、独自情報パケット、Nullパケット)は、無効階層のTSパケットと称してもよい。
【0005】
このような伝送方式において、第1装置と第2装置との間のリンクは、STL(Studio to Transmitter Link)又はTTL(Transmitter to Transmitter Link)と称される(例えば、非特許文献1)。
【0006】
STL/TTLにおいて放送TSを伝送する際には、TSパケットに含まれるパリティ部分は一旦削除される。さらに、Nullパケットを削除することによって、第1放送信号を第1圧縮放送信号に圧縮する技術(以下、既存圧縮技術)が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「地上デジタル放送用デジタルSTL/TTL伝送方式」 標準規格 ARIB STD-B22 2.1版
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、既存圧縮技術では、付加情報を含むNullパケットが削除対象である場合であっても、Nullパケットが削除されてしまうため、Nullパケットに含まれる付加情報が消失してしまう。
【0010】
なお、既存圧縮技術では、付加情報を含む無効階層のTSパケット(Nullパケット以外)が削除対象である場合に、削除対象のTSパケット(付加情報を含む無効階層のTSパケット)を削除対象のTSパケット以降の後続Nullパケットと書き換える処理によって、無効階層のTSパケットに多重される付加情報の消失が抑制される。しかしながら、上述した既存圧縮技術では、削除対象の無効階層のTSパケットと書き換えられた後続Nullパケットの到来を待つ必要又は後続Nullパケットの位置を特定するための新たな情報が必要となることが想定される。
【0011】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するものであり、Nullパケット又は無効階層のTSパケットに含まれる付加情報の消失を適切に抑制しつつ、第1放送信号の遅延時間を低減することを可能とする送信装置、受信装置及び無線伝送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
開示の一態様は、第1放送信号を第1圧縮放送信号に圧縮する圧縮部と、前記第1圧縮放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信部と、を備え、前記圧縮部は、前記第1放送信号を構成する対象パケットに含まれる付加情報部分を削除せずに、前記対象パケットに含まれる情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つを削除することによって、前記対象パケットを圧縮パケットに圧縮する、送信装置である。
【0013】
開示の一態様は、第1圧縮放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを受信する受信部と、前記第1圧縮放送信号を第1放送信号に伸張する伸張部と、を備え、前記第1圧縮放送信号は、付加情報部分が削除されずに、情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つが削除された圧縮パケットを含み、前記伸張部は、前記情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つとしてダミー情報を追加することによって、前記圧縮パケットを対象パケットに伸張する、受信装置である。
【0014】
開示の一態様は、送信装置及び受信装置を備える無線伝送システムであって、前記送信装置は、第1放送信号を第1圧縮放送信号に圧縮する圧縮部と、前記第1圧縮放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信部と、を備え、前記受信装置は、前記多重伝送フレームを受信する受信部と、前記第1圧縮放送信号を前記第1放送信号に伸張する伸張部と、を備え、前記圧縮部は、前記第1放送信号を構成する対象パケットに含まれる付加情報部分を削除せずに、前記対象パケットに含まれる情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つを削除することによって、前記対象パケットを圧縮パケットに圧縮し、前記伸張部は、前記情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つとしてダミー情報を追加することによって、前記圧縮パケットを前記対象パケットに伸張する、無線伝送システムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、Nullパケット又は無効階層のTSパケットに含まれる付加情報の消失を適切に抑制しつつ、第1放送信号の遅延時間を低減することを可能とする送信装置、受信装置及び無線伝送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、実施形態に係るデジタル無線伝送システム10を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る送信装置100を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る受信装置200を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る処理部170を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る圧縮部172を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る圧縮処理を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る処理部270を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る伸張部271を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る伸張処理を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る無線伝送方法を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る無線伝送方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0018】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0019】
[開示の概要]
開示の概要に係る送信装置は、第1放送信号を第1圧縮放送信号に圧縮する圧縮部と、前記第1圧縮放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信部と、を備え、前記圧縮部は、前記第1放送信号を構成する対象パケットに含まれる付加情報部分を削除せずに、前記対象パケットに含まれる情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つを削除することによって、前記対象パケットを圧縮パケットに圧縮する。
【0020】
開示の概要に係る受信装置は、第1圧縮放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを受信する受信部と、前記第1圧縮放送信号を第1放送信号に伸張する伸張部と、を備え、前記第1圧縮放送信号は、付加情報部分が削除されずに、情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つが削除された圧縮パケットを含み、前記伸張部は、前記情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つとしてダミー情報を追加することによって、前記圧縮パケットを対象パケットに伸張する。
【0021】
開示の概要に係る無線伝送システムは、上述した送信装置及び受信装置を備える。
【0022】
開示の概要では、送信装置は、対象パケットに含まれる付加情報部分を削除せずに、対象パケットに含まれる情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つを削除することによって、対象パケットを圧縮パケットに圧縮する。受信装置は、情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つとしてダミー情報を追加することによって、圧縮パケットを対象パケットに伸張する。このような構成によれば、対象パケットの圧縮及び伸張において、対象パケットに含まれる付加情報の消失を適切に抑制することができる。
【0023】
例えば、対象パケットがNullパケットである場合であっても、Nullパケットそのものが削除される訳ではないため、Nullパケットに含まれる付加情報の消失が抑制される。
【0024】
例えば、対象パケットが無効階層のTSパケットである場合であっても、対象パケットを対象パケット以降の後続Nullパケットと書き換える必要がないため、後続Nullパケットの到来を待つ必要がなく、後続Nullパケットの位置を特定するための新たな情報も不要である。後続Nullパケットの到来を待つ必要がないため、既存圧縮技術(特開2013-243644号公報)と比べて、遅延時間の増大を抑制することもできる。
【0025】
[実施形態]
(デジタル無線伝送システム)
以下において、実施形態に係るデジタル無線伝送システムについて説明する。
図1は、実施形態に係るデジタル無線伝送システム10を示す図である。
図1に示すように、デジタル無線伝送システム10は、送信装置100及び受信装置200を備える。
【0026】
実施形態において、互いに異なるレートを有する2以上の放送信号が送信装置100から送信されるケースにおいて、送信装置100から受信装置200に対して、2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを伝送するシステムに関する。送信装置100は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)フレームの形態で2以上の放送信号を多重して送信してもよい。
【0027】
送信装置100の設置場所は、放送局の演奏所であってもよく、送信所であってもよい。受信装置200の設置場所は、送信所であってもよい。送信装置100と受信装置200との間のリンクは、STL(Studio to Transmitter Link)と称されてもよく、TTL(Transmitter to Transmitter Link)と称されてもよい。以下において、送信装置100と受信装置200との間のリンクについてSTL/TTLと称してもよい。
【0028】
実施形態では、2以上の放送信号が第1放送信号及び第2放送信号を含むケースについて説明する。第2放送信号に関する第2方式のレートは、第1放送信号に関する第1方式のレートよりも大きくてもよい。放送信号は、プログラム伝送信号と称されてもよい。
【0029】
第1放送信号は、地上デジタルテレビジョン放送及びV-Low地上マルチメディア放送に関する放送信号、例えば、TS(Transport Stream)を含む。
【0030】
例えば、放送TSを構成するパケットは、情報部分(188バイト)、付加情報部分(8バイト)、パリティ部分(8バイト)を含む。付加情報部分に格納される付加情報は、パケットの情報やAC情報(Auxiliary Channel)が記述されたISDB-T情報が格納される。
【0031】
各パケットは、情報部分に格納される内容に応じて以下のように分類される。具体的には、A/B/C階層の情報が格納されるA/B/C階層パケット、TMCC(Transmission and Multiplexing. Configuration Control)やネットワーク同期情報が格納されるIIP(ISDB-T Information Packet)、AC情報が格納されるACパケット、独自情報が格納される独自情報パケット、何も情報が格納されないNullパケットなどが想定される。なお、A/B/C階層パケットは、有効階層のTSパケットと称してもよく、A/B/C階層パケット以外のパケット(すなわち、ACパケット、独自情報パケット、Nullパケット)は、無効階層のTSパケットと称してもよい。
【0032】
第2放送信号は、地上放送高度化方式に関する第2放送信号を含んでもよい。地上放送高度化方式は、第2方式の一例であってもよい。第2放送信号は、SC(Service Channel)信号を含んでもよい。
【0033】
特に限定されるものではないが、第1放送信号は、TSパケットの形式で表され、TSパケットのレートは、31Mbpsであってもよい。第2放送信号は、IPパケットの形式で表され、IPパケットのレートは、50Mbpsであってもよい。IPパケットは、プログラム伝送信号パケットと読み替えられてもよい。
【0034】
(送信装置)
以下において、実施形態に係る送信装置について説明する。
図2は、実施形態に係る送信装置100を示すブロック図である。
【0035】
図2に示すように、送信装置100は、ブロック構成部101と、エネルギー拡散部102と、外符号処理部103と、外インタリーバ105と、内符号処理部107と、内インタリーバ109と、マッピング部110と、フレーム構成部111と、変調部113と、送信部115と、を有する。
【0036】
ブロック構成部101は、誤り訂正ブロックを構成する。誤り訂正ブロックは、FEC(Forward Error Correction)が適用されたブロックであり、FECブロックと称されてもよい。FECブロックは、固定長を有していてもよい。
【0037】
エネルギー拡散部102は、所定次元の生成多項式を用いて生成されたPN系列を用いて、ブロック構成部101から出力されるビット系列(すなわち、ブロックヘッダ、主信号(TSパケット/IPパケット)及びFECブロックのBCH符号パリティの前にスタッフビットがある場合はスタッフビット)をランダム化する。ここで、生成多項式に入力される初期値は、FECブロック毎に与えられる。言い換えると、PN系列は、FECブロック毎にリセットされてもよい。
【0038】
外符号処理部103は、外符号によって誤り訂正符号化を実行する。外符号としては、BCH符号が用いられてもよい。以下においては、外符号がBCH符号であるケースを例示する。エネルギー拡散部102と外符号処理部103の処理順は逆であってもよい。その場合、エネルギー拡散がランダム化するビット系列にはブロックヘッダ、主信号(TSパケット/IPパケット)、スタッフビット及びBCH符号パリティが含まれる。
【0039】
外インタリーバ105は、外符号処理部103から出力されるビット系列またはバイト系列のインタリーブを実行する。インタリーブは、ビットまたはバイトの並び順を入れ替える処理である。外インタリーバ105は省略してもよい。
【0040】
内符号処理部107は、内符号によって誤り訂正符号化を実行する。内符号としては、LDPC(Low-Density Parity-check Code)が用いられてもよい。以下においては、内符号がLDPCであるケースを例示する。
【0041】
内インタリーバ109は、内符号処理部107から出力される系列のインタリーブを実行する。インタリーブは、ビットの並び順を入れ替えるビットインタリーブを含んでもよい。また、変調次数単位で周波数軸方向に並び順を入れ替える周波数インタリーブを含んでもよく、変調次数単位で時間軸方向に並び順を入れ替える時間インタリーブを含んでもよい。
【0042】
マッピング部110は、内インタリーバ109から出力される系列に対して、変調次数単位でマッピングを行う。変調方式として、64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)が用いられてもよい。変調方式としては、64QAM以外の変調方式(例えば、最大で4096QAM)が用いられてもよい。
【0043】
フレーム構成部111は、2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを構成する。実施形態では、多重伝送フレームは、第1放送信号のFECブロック及び第2放送信号のFECブロックを含んでもよい。また、多重伝送フレームは、第1放送信号及び第2放送信号がバイト単位で多重されたFECブロックを含んでもよい。多重伝送フレームは、OFDMフレームであってもよい。OFDMフレームの場合、マッピング部110でマッピングされたデータと、パイロット、TMCC、AC(Auxiliary Channel)、NullのキャリアをあわせてOFDMシンボルを構成する。さらに、予め定められたOFDMフレームあたりのシンボル数でOFDMフレームを構成する。
【0044】
変調部113は、多重伝送フレームを直交変調する。OFDMフレームの場合には、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)、GI(Guard Interval)付加の処理を行ってから直交変調を行う。
【0045】
送信部115は、変調部113によって変調された多重伝送フレームを受信装置200に送信する。送信部115は、IF(Intermediate Frequency)信号をRF(Radio Frequency)信号に変換し、定格の送信電力に増幅する機能を有してもよい。
【0046】
実施形態では、送信部115は、第1放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信部を構成する。後述するように、第1放送信号は、第1圧縮放送信号に圧縮されるため、多重伝送フレームは、第1圧縮放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームと読み替えてもよい。
【0047】
(受信装置)
以下において、実施形態に係る受信装置について説明する。
図3は、実施形態に係る受信装置200を示すブロック図である。
【0048】
図3に示すように、受信装置200は、受信部201と、復調部203と、フレーム処理部205と、デマッピング部(尤度計算部)206と、内デインタリーバ207と、内符号処理部209と、外デインタリーバ211と、外符号処理部213と、エネルギー逆拡散部214と、ブロック処理部215と、を有する。
【0049】
受信部201は、多重伝送フレームを送信装置100から受信する。受信部201は、RF信号をIF信号に変更する機能を有していてもよい。受信部201は、多重伝送フレームとしてOFDMフレームを受信してもよい。
【0050】
実施形態では、受信部201は、第1放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを受信する受信部を構成する。後述するように、第1放送信号は、第1圧縮放送信号に圧縮されるため、多重伝送フレームは、第1圧縮放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームと読み替えてもよい。
【0051】
復調部203は、多重伝送フレームを直交復調する。OFDMフレームの場合、直交復調後にGI除去、FFT(Fast Fourier Transform)の処理を行う。
【0052】
フレーム処理部205は、多重伝送フレームの先頭を検出して、多重伝送フレームの同期を行う。OFDMフレームの場合、差動で復調できるTMCCキャリアの情報などからOFDMフレームの先頭を検出し、OFDMシンボルを抽出する。
【0053】
デマッピング部(尤度計算部)206は、伝搬路の等化を行った後、データに対して変調方式に応じたデマッピングを行う。軟判定を行う場合は尤度を計算する。
【0054】
内デインタリーバ207は、内インタリーバ109とは逆の手順で、デインタリーブを実行する。デインタリーブは、ビットデインタリーブを含んでもよく、周波数デインタリーブ、時間デインタリーブを含んでもよい。
【0055】
内符号処理部209は、LDPC符号パリティに基づいてFECブロックの誤り訂正を実行する。内符号処理部209は、FECブロックからLDPC符号パリティを除去する。
【0056】
外デインタリーバ211は、外インタリーバ105とは逆の手順で、デインタリーブを実行する。
【0057】
外符号処理部213は、BCH符号パリティに基づいてFECブロックの誤り訂正を実行する。外符号処理部213は、FECブロックからBCH符号パリティ及びFECブロックのBCH符号パリティの後にスタッフビットがある場合はスタッフビットを除去する。
【0058】
エネルギー逆拡散部214は、エネルギー拡散部102とは逆の手順でエネルギー逆拡散を実行する。エネルギー逆拡散の対象は、外符号処理部213から出力されるビット系列(すなわち、ブロックヘッダ、主信号(TSパケット/IPパケット)及びFECブロックのBCH符号パリティの前にスタッフビットがある場合はスタッフビット)である。ここで、生成多項式に入力される初期値は、FECブロック毎に与えられる。言い換えると、PN系列は、FECブロック毎にリセットされてもよい。
【0059】
ブロック処理部215は、FECブロックからブロックヘッダ及び主信号(TSパケット/IPパケット)を分離する。具体的には、ブロック処理部215は、第1放送信号のFECブロックからTSパケットを抽出し、第2放送信号のFECブロックからIPパケットを抽出する。或いは、ブロック処理部215は、第1放送信号及び第2放送信号がバイト単位で多重されたFECブロックからTSパケット及びIPパケットを抽出する。
【0060】
(圧縮処理)
以下において、実施形態に係る圧縮処理について説明する。
図4~
図6は、実施形態に係る圧縮処理を説明するための図である。
【0061】
図4に示すように、処理部170は、第1インタフェース171と、圧縮部172と、第2インタフェース173と、を有する。特に限定されるものではないが、処理部170は、
図2に示すブロック構成部101に設けられてもよく、ブロック構成部101の前段に設けられてもよい。
【0062】
第1インタフェース171は、第1放送信号(TSパケット)を取得するインタフェースである。第1インタフェース171は、入力されるTSパケットを蓄積するバッファであると考えてもよい。
【0063】
圧縮部172は、第1放送信号を第1圧縮放送信号に圧縮する。言い換えると、圧縮部172は、対象パケット(以下、対象TSパケット)を圧縮パケット(以下、圧縮TSパケット)に圧縮する。
図5に示すように、圧縮部172は、識別部172Aと、抽出部172Bと、付加部172Cと、を有する。
【0064】
識別部172Aは、第1放送信号を構成するTSパケットの種別を識別する。例えば、TSパケットの種別は、TSパケットに含まれる階層情報によって識別される。階層情報は、TSパケットの付加情報部分に含まれてもよい。付加情報部分は、多重位置と称されてもよい。例えば、A階層TSパケットの階層情報は”0001”であってもよく、B階層TSパケットの階層情報は”0010”であってもよく、Nullパケットの階層情報は”0000”であってもよい。識別部172Aは、少なくとも対象TSパケットとして付加情報を含むNullパケットを識別する。
【0065】
なお、TSパケットのヘッダは、同期情報を含んでもよい。同期情報は、47Hで表されてもよい。
【0066】
抽出部172Bは、識別部172Aによって識別されたNullパケットから付加情報を抽出する。付加情報を含むNullパケットは、対象TSパケットの一例である。
【0067】
付加部172Cは、抽出部172Bによって抽出された付加情報に新たな同期情報(以下、特定同期情報)を付加する。特定同期情報は、TSパケットの種別を示す同期情報と同様に、1バイトによって構成される同期情報であってもよい。特定同期情報は、圧縮TSパケットを特定する同期情報であると考えてもよい。特定同期情報は、xxHと称されてもよい。xxは、47を除く任意の2桁の16進数(00~FF)を表してもよい。
【0068】
すなわち、
図6に示すように、圧縮部172は、第1放送信号を構成するTSパケットから、階層情報として”0000”を含む対象TSパケット(付加情報を含むNullパケット)を特定し、対象TSパケットから付加情報を抽出し、抽出された付加情報に特定同期情報(xxH)を付加する。言い換えると、圧縮部172は、付加情報部分を削除せずに、情報部分及びパリティ部分を削除することによって、対象TSパケットを圧縮TSパケットに圧縮する。圧縮部172は、階層情報として”0010”又は”0001”を含む有効階層のTSパケットのパリティ部分を削除した上で有効階層のTSパケットを出力する。
【0069】
実施形態では、圧縮部172は、第1放送信号を第1圧縮放送信号に圧縮する圧縮部を構成する。詳細には、圧縮部172は、第1放送信号を構成する対象TSパケットに含まれる付加情報部分を削除せずに、対象TSパケットに含まれる情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つを削除することによって、対象TSパケットを圧縮TSパケットに圧縮する。
【0070】
第2インタフェース173は、第2放送信号(IPパケット)を取得するインタフェースである。第2インタフェース173は、入力されるIPパケットを蓄積するバッファであると考えてもよい。
【0071】
(伸張処理)
以下において、実施形態に係る伸張処理について説明する。
図7~
図9は、実施形態に係る伸張処理を説明するための図である。
【0072】
図7に示すように、処理部270は、伸張部271と、第1インタフェース272と、第2インタフェース273と、を有する。特に限定されるものではないが、処理部270は、
図3に示すブロック処理部215に設けられてもよく、ブロック処理部215の後段に設けられてもよい。
【0073】
伸張部271は、第1圧縮放送信号を第1放送信号に伸張する。言い換えると、伸張部271は、圧縮TSパケットを対象TSパケットに伸張する。
図8に示すように、伸張部271は、識別部271Aと、置換部271Bと、追加部271Cと、を有する。
【0074】
識別部271Aは、第1圧縮放送信号を構成するTSパケットの種別を識別する。例えば、TSパケットの種別は、TSパケットのヘッダによって識別される。TSパケットのヘッダは、1バイトによって構成される同期情報であってもよい。識別部272Aは、少なくとも圧縮TSパケットとして情報部分及びパリティ部分が削除されたNullパケットを識別する。
【0075】
置換部271Bは、識別部271Aによって識別された圧縮TSパケットの特定同期情報をTSパケットの種別を示す同期情報に置き換える。例えば、置換部271Bは、特定同期情報(xxH)を同期情報(47H)に置き換える。
【0076】
追加部271Cは、情報部分及びパリティ部分としてダミー情報を追加することによって、圧縮TSパケットを対象TSパケットに伸張する。特に限定されるものではないが、ダミー情報は、前のTSPパケットに含まれる情報部分及びパリティ部分のコピーであってもよく、予め定められた情報であってもよい。
【0077】
すなわち、
図9に示すように、伸張部271は、第1圧縮放送信号を構成するTSパケットから、同期情報(xxH)を有する圧縮TSパケット(情報部分及びパリティ部分が削除されたNullパケット)を特定し、圧縮TSパケットの特定同期情報(xxH)を同期情報(47H)に置き換え、圧縮TSパケットにダミー情報を追加する。言い換えると、伸張部271は、情報部分及びパリティ部分としてダミー情報を追加することによって圧縮TSパケットを対象TSパケットに伸張する。伸張部271は、階層情報として”0010”又は”0001”を含む有効階層のTSパケットにパリティ部分を追加した上で有効階層のTSパケットを出力する。伸張部271は、無効階層のTSパケットにパリティ部分を追加した上で無効階層のTSパケットを出力する。
【0078】
実施形態では、伸張部271は、第1圧縮放送信号を第1放送信号に伸張する伸張部を構成する。詳細には、伸張部271は、情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つとしてダミー情報を追加することによって、圧縮TSパケットを対象TSパケットに伸張する。
【0079】
第1インタフェース272は、第1放送信号(TSパケット)を出力するインタフェースである。第1インタフェース272は、入力されるTSパケットを蓄積するバッファであると考えてもよい。
【0080】
第2インタフェース273は、第2放送信号(IPパケット)を出力するインタフェースである。第2インタフェース273は、入力されるIPパケットを蓄積するバッファであると考えてもよい。
【0081】
(無線伝送方法)
以下において、実施形態に係る無線伝送方法について説明する。
【0082】
第1に、上述した圧縮処理について、
図10を参照しながら説明する。
図10に示すフローは、入力されるTSパケット毎に繰り返される処理である。
【0083】
図10に示すように、ステップS10において、送信装置100は、TSパケットに含まれる階層情報が”0000”であるか否かを判定する。送信装置100は、階層情報が”0000”である場合には、ステップS11の処理を実行し、階層情報が”0000”でない場合には、一連の処理を終了する。
【0084】
ステップS11において、送信装置100は、対象TSパケット(付加情報を含むNullパケット)から付加情報を抽出する。
【0085】
ステップS12において、送信装置100は、ステップS11で抽出された付加情報に特定同期情報(xxH)を付加する。
【0086】
第2に、上述した伸張処理について、
図11を参照しながら説明する。
図11に示すフローは、入力されるTSパケット毎に繰り返される処理である。
【0087】
図11に示すように、ステップS20において、受信装置200は、TSパケットの同期情報が”xxH”であるか否かを判定する。受信装置200は、同期情報が”xxH”である場合には、ステップS21の処理を実行し、同期情報が”xxH”でない場合には、一連の処理を終了する。
【0088】
ステップS21において、受信装置200は、圧縮TSパケット(情報部分及びパリティ部分が削除されたNullパケット)の特定同期情報(xxH)を同期情報(47H)に置き換える。
【0089】
ステップS22において、受信装置200は、ステップS21で同期情報が置き換えられた圧縮TSパケットに、情報部分及びパリティ部分としてダミー情報を追加する。
【0090】
(作用及び効果)
実施形態では、送信装置100は、対象TSパケットに含まれる付加情報部分を削除せずに、対象TSパケットに含まれる情報部分及びパリティ部分を削除することによって、対象TSパケットを圧縮TSパケットに圧縮する。受信装置200は、情報部分及びパリティ部分としてダミー情報を追加することによって、圧縮TSパケットを対象TSパケットに伸張する。このような構成によれば、対象TSパケットの圧縮及び伸張において、対象TSパケットに含まれる付加情報の消失を適切に抑制することができる。
【0091】
例えば、対象TSパケットがNullパケットである場合であっても、Nullパケットそのものが削除される訳ではないため、Nullパケットに含まれる付加情報の消失が抑制される。
【0092】
例えば、対象TSパケットが無効階層のTSパケットである場合であっても、対象TSパケットを対象TSパケット以降の後続Nullパケットと書き換える必要がないため、後続Nullパケットの到来を待つ必要がなく、後続Nullパケットの位置を特定するための新たな情報も不要である。後続Nullパケットの到来を待つ必要がないため、既存圧縮技術(特開2013-243644号公報)と比べて、遅延時間の増大を抑制することもできる。
【0093】
実施形態では、送信装置100は、圧縮TSパケットの同期情報(47H)として特定同期情報(xxH)を付加する。このような構成によれば、受信装置200において、圧縮TSパケットを容易に特定することができる。
【0094】
実施形態では、受信装置200は、圧縮TSパケットの特定同期情報(xxH)を同期情報(47H)に置き換える。このような構成によれば、受信装置200において、圧縮TSパケットを適切に伸張することができる。
【0095】
実施形態では、STL/TTLに関連する送信装置100と受信装置200との間においてTSパケットのサイズが変更されるが、受信装置200で圧縮TSパケットが伸張(復元)されるため、最終的に放送信号を受信する受信局に対する影響がないことに留意すべきである。
【0096】
[その他の実施形態]
本発明は上述した開示によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0097】
上述した開示において、対象TSパケットは、付加情報を含むNullパケットであるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。対象TSパケットは、圧縮対象のTSパケットであればよく、付加情報を含む無効階層のTSパケットであってもよい。
【0098】
上述した開示において、対象TSパケットの圧縮において、対象TSパケットから削除される情報は、情報部分及びパリティ部分の双方であるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。対象TSパケットから削除される情報は、情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つであってもよい。
【0099】
上述した開示において、圧縮TSパケットの伸張において、圧縮TSパケットに追加される情報は、情報部分及びパリティ部分の双方であるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。圧縮TSパケットに追加される情報は、情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つであってもよい。
【0100】
上述した開示において、圧縮TSパケットの同期情報として特定同期情報(xxH)が付加されるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。例えば、情報部分及びパリティ部分が削除された圧縮TSパケットの位置が受信装置200において既知である場合には、圧縮TSパケットの同期情報として対象TSパケットの種別を示す同期情報(47H)が用いられてもよい。
【0101】
上述した開示において、同期情報は、ヘッダと読み替えられてもよい。
【0102】
上述した開示では特に触れていないが、TSパケットは、固定長のサイズを有してもよい。付加情報は、固定長のサイズを有してもよく、可変長のサイズを有してもよい。
【0103】
上述した開示では特に触れていないが、送信装置100は、2以上の放送信号のそれぞれを所定単位で区切るとともに、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に応じて、2以上の放送信号を多重してもよい。受信装置200は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に応じて、所定単位で区切られた2以上の放送信号を分離してもよい。所定単位は、1以上のバイトによって構成される単位であってもよく、1以上のパケットによって構成される単位であってもよく、1以上のFECブロックによって構成される単位であってもよい。
【0104】
上述した開示では、2つの放送信号が多重伝送フレームに多重されるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。上述した開示は、3つ以上の放送信号が多重伝送フレームに多重されるケースに適用されてもよい。
【0105】
上述した開示では特に触れていないが、送信装置100及び受信装置200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0106】
或いは、送信装置100及び受信装置200が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
【0107】
(付記)
上述した開示は、以下に示すように表現されてもよい。
【0108】
第1の特徴は、第1放送信号を第1圧縮放送信号に圧縮する圧縮部と、前記第1圧縮放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信部と、を備え、前記圧縮部は、前記第1放送信号を構成する対象パケットに含まれる付加情報部分を削除せずに、前記対象パケットに含まれる情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つを削除することによって、前記対象パケットを圧縮パケットに圧縮する、送信装置である。
【0109】
第2の特徴は、第1の特徴において、前記圧縮部は、前記対象パケットの種別を示す同期情報として、前記圧縮パケットを特定する特定同期情報を付加する、送信装置である。
【0110】
第3の特徴は、第1圧縮放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを受信する受信部と、前記第1圧縮放送信号を第1放送信号に伸張する伸張部と、を備え、前記第1圧縮放送信号は、付加情報部分が削除されずに、情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つが削除された圧縮パケットを含み、前記伸張部は、前記情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つとしてダミー情報を追加することによって、前記圧縮パケットを対象パケットに伸張する、受信装置である。
【0111】
第4の特徴は、第3の特徴において、前記伸張部は、前記圧縮パケットを特定する特定同期情報を前記対象パケットの種別を示す同期情報に置き換える、受信装置である。
【0112】
第5の特徴は、送信装置及び受信装置を備える無線伝送システムであって、前記送信装置は、第1放送信号を第1圧縮放送信号に圧縮する圧縮部と、前記第1圧縮放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信部と、を備え、前記受信装置は、前記多重伝送フレームを受信する受信部と、前記第1圧縮放送信号を前記第1放送信号に伸張する伸張部と、を備え、前記圧縮部は、前記第1放送信号を構成する対象パケットに含まれる付加情報部分を削除せずに、前記対象パケットに含まれる情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つを削除することによって、前記対象パケットを圧縮パケットに圧縮し、前記伸張部は、前記情報部分及びパリティ部分の少なくともいずれか1つとしてダミー情報を追加することによって、前記圧縮パケットを前記対象パケットに伸張する、無線伝送システムである。
【0113】
第6の特徴は、第5の特徴において、前記圧縮部は、前記対象パケットの種別を示す同期情報として、前記圧縮パケットを特定する特定同期情報を付加し、前記伸張部は、前記特定同期情報を前記対象パケットの種別を示す同期情報に置き換える、無線伝送システムである。
【符号の説明】
【0114】
10…デジタル無線伝送システム、100…送信装置、101…ブロック構成部、102…エネルギー拡散部、103…外符号処理部、105…外インタリーバ、107…内符号処理部、109…内インタリーバ、110…マッピング部、111…フレーム構成部、113…変調部、115…送信部、170…処理部、171…第1インタフェース、172…圧縮部、172A…識別部、172B…抽出部、172C…付加部、173…第2インタフェース、200…受信装置、201…受信部、203…復調部、205…フレーム処理部、206…デマッピング部(尤度計算部)、207…内デインタリーバ、209…内符号処理部、211…外デインタリーバ、213…外符号処理部、214…エネルギー逆拡散部、215…ブロック処理部、270…処理部、271…伸張部、271A…識別部、271B…置換部、271C…追加部、272…第1インタフェース、273…第2インタフェース