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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168957
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】粘性液体用のノズル装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20241128BHJP
   F16K 3/26 20060101ALI20241128BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20241128BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B05C5/00 101
F16K3/26 C
B05C11/10
B05C11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086050
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000231637
【氏名又は名称】株式会社ニップン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】氏家 崇久
(72)【発明者】
【氏名】石田 沙弥香
(72)【発明者】
【氏名】本田 敦
【テーマコード(参考)】
3H053
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
3H053AA03
3H053BA03
3H053BC03
3H053DA12
4F041AB01
4F041BA04
4F041BA12
4F041BA17
4F041BA36
4F042AB00
4F042BA03
4F042BA08
4F042BA12
4F042CB08
4F042CB19
(57)【要約】
【課題】 「液だれ」の発生を効果的に抑制することができる粘性液体用のノズル装置を提供すること。
【解決手段】 本発明は、略鉛直方向に延びる管状のノズル管と、前記ノズル管の側壁に設けられた粘性液体注入口と、前記ノズル管内に上下方向に移動可能に設けられ、上方位置において前記粘性液体注入口を開放する一方、下方位置において前記粘性液体注入口を閉鎖するように構成された移動体と、を備え、前記移動体の外周壁部の外面が、前記ノズル管の内面に対して摺動移動することによって、前記粘性液体注入口を開閉するようになっており、前記移動体は、前記外周壁部を除いた内側領域において、下端側に開放する深さ5mm以上の中空部を有していることを特徴とするノズル装置である。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略鉛直方向に延びる管状のノズル管と、
前記ノズル管の側壁に設けられた粘性液体注入口と、
前記ノズル管内に上下方向に移動可能に設けられ、上方位置において前記粘性液体注入口を開放する一方、下方位置において前記粘性液体注入口を閉鎖するように構成された移動体と、
を備え、
前記移動体の外周壁部の外面が、前記ノズル管の内面に対して摺動移動することによって、前記粘性液体注入口を開閉するようになっており、
前記移動体は、前記外周壁部を除いた内側領域において、下端側に開放する深さ5mm以上の中空部を有している
ことを特徴とするノズル装置。
【請求項2】
前記移動体の前記外周壁部の前記外面は、円筒面である
ことを特徴とする請求項1に記載のノズル装置。
【請求項3】
前記中空部は、前記外面と同軸の、円柱形状、切頭円錐形状、または、円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状、に形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のノズル装置。
【請求項4】
前記中空部の最大深さは、前記中空部の下端側開放面における最大直径に対して、50%以上である
ことを特徴とする請求項3に記載のノズル装置。
【請求項5】
前記中空部の下端側開放面の面積は、前記移動体の底面全体の面積に対して、75%以上を占める
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項6】
略鉛直方向に延びる管状のノズル管と、
前記ノズル管の側壁に設けられた粘性液体注入口と、
前記ノズル管内に上下方向に移動可能に設けられ、上方位置において前記粘性液体注入口を開放する一方、下方位置において前記粘性液体注入口を閉鎖するように構成された移動体と、
を備え、
前記移動体の外周壁部の外面が、前記ノズル管の内面に対して摺動移動することによって、前記粘性液体注入口を開閉するようになっており、
前記移動体は、前記外周壁部を除いた内側領域において、下端側に開放する深さ5mm以上の中空部を有しており、
前記中空部から前記外周壁部の前記外面まで、貫通孔が設けられている
ことを特徴とするノズル装置。
【請求項7】
前記移動体の前記外周壁部の前記外面は、円筒面である
ことを特徴とする請求項6に記載のノズル装置。
【請求項8】
前記中空部は、前記外面と同軸の、円柱形状、切頭円錐形状、または、円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状、に形成されている
ことを特徴とする請求項7に記載のノズル装置。
【請求項9】
前記中空部の最大深さは、前記中空部の下端側開放面における最大直径に対して、50%以上である
ことを特徴とする請求項8に記載のノズル装置。
【請求項10】
前記中空部の下端側開放面の面積は、前記移動体の底面全体の面積に対して、75%以上を占める
ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項11】
前記貫通孔は、略水平方向に延在しており、
前記貫通孔の上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の前記中空部の容積をV1(mm3)とし、当該水平面より下方の前記中空部の容積をV2(mm3)とし、前記貫通孔の断面積をA(mm2)とした時、(V1-V2)/A≦60(mm)である
ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項12】
前記貫通孔は、略同一の水平面内に延在する2個以上の貫通孔である
ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項13】
前記貫通孔は、周方向に略均等に配置された6個または10個の貫通孔である
ことを特徴とする請求項12に記載のノズル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な食材等にソース等の粘性液体を掛けるためのノズル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
弁当や惣菜の工場では、容器内に様々な食材が盛り付けられ、ソース等の様々な粘性液体が掛けられる。
【0003】
従来の粘性液体用のノズル装置50は、図23及び図24に示すように、略鉛直方向に延びる管状のノズル管51と、ノズル管51の側壁に設けられた粘性液体注入口51aと、粘性液体注入口51aに接続された粘性液体注入管52と、ノズル管51内に上下方向に移動可能に設けられた移動体53と、を備えている。
【0004】
移動体53は、上方位置(図23参照)において粘性液体注入口51aを開放する一方、下方位置(図24参照)において粘性液体注入口51aを閉鎖するように、駆動シリンダ54によって上下方向に駆動されるようになっている。
【0005】
そして、移動体53の側面(外面)が、ノズル管51の内面に対して摺動移動することによって、粘性液体注入口51aを開閉するようになっている。
【0006】
従来のノズル装置50の移動体53の下方部分は、樹脂製であって、中実の円柱形状に形成されている。
【0007】
粘性液体注入管52には、図23及び図24においては不図示の粘性液体供給装置が接続されている(図3の粘性液体供給装置16を参照)。
【0008】
図23及び図24に示すノズル装置50は、移動体53の側面が粘性液体注入口51aを開閉するが、このようなタイプの他に、特許文献1に開示されているように、ノズル管の下端開口の内側周囲に設けられた弁座のような内側テーパ面上において、弁のようなヘッドが下向きに移動して着座/離脱することで、粘性液体の停止/供給を制御するタイプもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7-205932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本件発明者は、図23及び図24に示すノズル装置50において、時々「液だれ」が発生してしまうことを問題点として認識した(例えばデミグラスソース(粘度約7.0Pa・s)の場合、3/10回程度の頻度で「液だれ」が発生する)。
【0011】
本件発明者は、鋭意の検討及び実験を積み重ねる中で、移動体の下方部分を、中実形状ではなく、中空の筒形状とすることで、「液だれ」の発生頻度を劇的に低減させられることを知見した。
【0012】
本発明は、以上の知見に基づいて創案されたものである。本発明の目的は、「液だれ」の発生を効果的に抑制することができる粘性液体用のノズル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1態様は、略鉛直方向に延びる管状のノズル管と、前記ノズル管の側壁に設けられた粘性液体注入口と、前記ノズル管内に上下方向に移動可能に設けられ、上方位置において前記粘性液体注入口を開放する一方、下方位置において前記粘性液体注入口を閉鎖するように構成された移動体と、を備え、前記移動体の外周壁部の外面が、前記ノズル管の内面に対して摺動移動することによって、前記粘性液体注入口を開閉するようになっており、前記移動体は、前記外周壁部を除いた内側領域において、下端側に開放する深さ5mm以上の中空部を有していることを特徴とするノズル装置である。
【0014】
本発明の第1態様によれば、移動体が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体の中空部に存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、本件発明者による推測ではあるが(厳密な検証は未だ行っていないが)、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管から離脱する、ことによって、移動体が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。なお、中空部について、深さ5mm以上という限定を付したのは、従来の中実形状の移動体においてもデザイン上の観点から下端側に僅かな窪み(深さ2mm程度)が設けられているため(図23及び図24参照)、それとの差別化を図るためである。
【0015】
最も一般的な形状として、前記移動体の前記外周壁部の前記外面は、円筒面である。この場合、前記中空部は、前記外面と同軸の円柱形状であることが好ましく、あるいは、前記中空部は、前記外面と同軸の切頭円錐形であることが好ましく、あるいは、前記外面と同軸の前記中空部は、円柱形と切頭円錐とを上下に接続した形状であることが好ましい。このような場合、粘性液体は、移動体の中空部に存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出されることになるため、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0016】
本件発明者の各種の検証実験によれば、前記中空部の最大深さは、前記中空部の下端側開放面における最大直径に対して、50%以上であることが好ましい。このような条件が満たされる場合、不所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0017】
更に本件発明者の各種の検証実験によれば、前記中空部の下端側開放面の面積は、前記移動体の底面全体の面積に対して、75%以上を占めることが好ましい。このような条件が満たされる場合、不所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0018】
次に、本発明の第2態様は、略鉛直方向に延びる管状のノズル管と、前記ノズル管の側壁に設けられた粘性液体注入口と、前記ノズル管内に上下方向に移動可能に設けられ、上方位置において前記粘性液体注入口を開放する一方、下方位置において前記粘性液体注入口を閉鎖するように構成された移動体と、を備え、前記移動体の外周壁部の外面が、前記ノズル管の内面に対して摺動移動することによって、前記粘性液体注入口を開閉するようになっており、前記移動体は、前記外周壁部を除いた内側領域において、下端側に開放する深さ5mm以上の中空部を有しており、前記中空部から前記外周壁部の前記外面まで、貫通孔が設けられていることを特徴とするノズル装置である。
【0019】
本発明の第2態様によっても、移動体が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体の中空部に存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、本件発明者による推測ではあるが(厳密な検証は未だ行っていないが)、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管から離脱する、ことによって、移動体が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。なお、中空部について、深さ5mm以上という限定を付したのは、従来の中実形状の移動体においてもデザイン上の観点から下端側に僅かな窪み(深さ2mm程度)が設けられているため(図23及び図24参照)、それとの差別化を図るためである。
【0020】
そして、本発明の第2態様によれば、貫通孔が設けられていることにより、本件発明者による推測ではあるが(厳密な検証は未だ行っていないが)、中空部内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0021】
本件発明者による実際の検証結果によれば、0.5~5Pa・s程度の粘性液体(デミグラスソース、ホワイトソース、カレーソース、カルボナーラソース等)の場合には、第1態様の発明によってほぼ完全に「液だれ」を抑制することができる。一方で、50~150Pa・s程度の粘性液体(蒸しパン生地、ホットケーキ生地、お好み焼き生地等)の場合には、第1態様の発明による「液だれ」抑制効果は不十分な場合があるところ、第2態様の発明によれば「液だれ」抑制効果がより良好である。
【0022】
第2態様においても、一般的には、前記移動体の前記外周壁部の前記外面は、円筒面である。この場合、前記中空部は、前記外面と同軸の円柱形状であることが好ましく、あるいは、前記中空部は、前記外面と同軸の切頭円錐形であることが好ましく、あるいは、前記外面と同軸の前記中空部は、円柱形と切頭円錐とを上下に接続した形状であることが好ましい。このような場合、粘性液体は、移動体の中空部に存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出されることになるため、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0023】
第2態様においても、本件発明者の各種の検証実験によれば、前記中空部の最大深さは、前記中空部の下端側開放面における最大直径に対して、50%以上であることが好ましい。このような条件が満たされる場合、不所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0024】
第2態様においても、本件発明者の各種の検証実験によれば、前記中空部の下端側開放面の面積は、前記移動体の底面全体の面積に対して、75%以上を占めることが好ましい。このような条件が満たされる場合、不所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0025】
また、第2態様において、本件発明者の各種の検証実験によれば、前記貫通孔が略水平方向に延在している場合、前記貫通孔の上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の前記中空部の容積をV1(mm3)とし、当該水平面より下方の前記中空部の容積をV2(mm3)とした時、V1とV2とが近いかまたはV2>V1である方が、すなわち、(V1-V2)が小さいかまたは負である方が、中空部内の気体(空気)の移動性が高く、好ましい。また、前記貫通孔の断面積A(mm2)(貫通孔が複数ある場合には断面積の合計)が大きい方が、中空部内の気体(空気)の移動性が高く、好ましい。本件発明者は、これらの2つの要因を融合した(V1-V2)/A(mm)なるパラメータについて、以下に詳述する各実施例において、60(mm)以下が好ましく、36(mm)以下がより好ましく、30(mm)以下が更に好ましく、20(mm)以下がなお好ましい、ことを知見している。
【0026】
あるいは、第2態様において、前記貫通孔は、略同一の水平面内に延在する2個以上の貫通孔であることが好ましい。例えば、前記貫通孔は、周方向に略均等に配置された6個または10個の貫通孔であることが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の第1態様によれば、移動体が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体の中空部に存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、本件発明者による推測ではあるが(厳密な検証は未だ行っていないが)、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管から離脱する、ことによって、移動体が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。なお、中空部について、深さ5mm以上という限定を付したのは、従来の中実形状の移動体においてもデザイン上の観点から下端側に僅かな窪み(深さ2mm程度)が設けられているため、それとの差別化を図るためである。
【0028】
本発明の第2態様によっても、移動体が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体の中空部に存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、本件発明者による推測ではあるが(厳密な検証は未だ行っていないが)、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管から離脱する、ことによって、移動体が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。なお、中空部について、深さ5mm以上という限定を付したのは、従来の中実形状の移動体においてもデザイン上の観点から下端側に僅かな窪み(深さ2mm程度)が設けられているため、それとの差別化を図るためである。そして、本発明の第2態様によれば、貫通孔が設けられていることにより、本件発明者による推測ではあるが(厳密な検証は未だ行っていないが)、中空部内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態に係るノズル装置の概略縦断面図であって、移動体が上方位置にあって粘性液体注入口が開放された状態を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るノズル装置の概略縦断面図であって、移動体が下方位置にあって粘性液体注入口が閉鎖された状態を示す図である。
図3図1及び図2に示すノズル装置を搭載した粘性液体分配装置の概略斜視図である。
図4】移動体の下方先端部材の第1実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図5】移動体の下方先端部材の第2実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図6】移動体の下方先端部材の第3実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図7】移動体の下方先端部材の第4実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図8】移動体の下方先端部材の第5実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図9】移動体の下方先端部材の第6実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図10】移動体の下方先端部材の第7実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図11】移動体の下方先端部材の第8実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図12】移動体の下方先端部材の第9実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図13】移動体の下方先端部材の第10実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図14】移動体の下方先端部材の第11実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図15】移動体の下方先端部材の第12実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図16】移動体の下方先端部材の第13実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図17】移動体の下方先端部材の第14実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図18】移動体の下方先端部材の第15実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図19】移動体の下方先端部材の第16実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図20】移動体の下方先端部材の第17実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図21】移動体の下方先端部材の第18実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図22】移動体の下方先端部材の第19実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
図23】従来のノズル装置の概略縦断面図であって、移動体が上方位置にあって粘性液体注入口が開放された状態を示す図である。
図24】従来のノズル装置の概略縦断面図であって、移動体が下方位置にあって粘性液体注入口が閉鎖された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
【0031】
(基本構成)
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係るノズル装置10の概略縦断面図である。図1は、移動体13が上方位置にあって粘性液体注入口11aが開放された状態を示す図であり、図2は、移動体13が下方位置にあって粘性液体注入口11aが閉鎖された状態を示す図である。また、図3は、図1及び図2に示すノズル装置10を搭載した粘性液体分配装置の概略斜視図である。
【0032】
本実施形態の粘性液体用のノズル装置10は、図1乃至図3に示すように、略鉛直方向に延びる管状のノズル管11と、ノズル管11の側壁に設けられた粘性液体注入口11aと、粘性液体注入口11aに接続された粘性液体注入管12と、ノズル管11内に上下方向に移動可能に設けられた移動体13と、を備えている。
【0033】
移動体13は、上方位置(図1参照)において粘性液体注入口11aを開放する一方、下方位置(図2参照)において粘性液体注入口11aを閉鎖するように、駆動シリンダ14によって上下方向に駆動されるようになっている。
【0034】
そして、移動体13の側面(外面)が、ノズル管11の内面に対して摺動移動することによって、粘性液体注入口11aを開閉するようになっている。
【0035】
本実施形態のノズル装置10の移動体13の下方部分は、樹脂製であって、中空の円筒形状に形成されている。
【0036】
粘性液体注入管12には、図3に示すように、中間接続管15を介して、粘性液体供給装置16が接続されている。
【0037】
本実施形態では、ノズル管11の内径は、直径18.01mmであり(移動体13はこれに対して摺動可能であるように外径18mmである)、粘性液体注入口11aは、ノズル管内側に直径17.5mmの円形開口を有しノズル管外側に直径23mmの円形開口を有する略切頭円錐形状であり、粘性液体注入管12は、粘性液体注入口11aのノズル管外側の円形開口から略水平方向に延びている。
【0038】
また、駆動シリンダ14による移動体13の移動ストロークは、50mmであり、移動体13の上方位置において、移動体13の下方先端部材(図4乃至図22参照)の下端が、粘性液体注入口11aのノズル管内側の円形開口の上端位置に略一致する(正確には僅かに上方に位置する)ようになっている。一方、移動体13の下方位置においては、移動体の下方先端部材の一部(5mm~8mm程度、後述する貫通孔が設けられた実施例では、当該貫通孔の少なくとも一部が露出することが必要である)が、ノズル管11の開口から露出するようになっている。
【0039】
移動体13の下方先端部材には、雌ネジ部が設けられていて(図4乃至図22参照)、移動体13のシャフト本体部に螺着されている。
【0040】
移動ストロークに関して、上方位置から下方位置への移動に要する所要時間は、0.1秒であり、そのうち、加速段階の所要時間が0.02秒、等速段階の移動時間が0.08秒、減速段階の所要時間が0秒(減速段階はなし)であって、等速移動時の速度は、563mm/sである。本実施形態では、下方位置から上方位置への移動についても、同様の速度パターンが採用されている。
【0041】
(移動体の下方先端部材の構成:第1実施例(第1態様の一例))
図4は、移動体13の下方先端部材の第1実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図4に示すように、移動体13の下方先端部材113は、外周壁部113wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ16mm(≧5mm)の中空部113hを有している。
【0042】
図4に示すように、本実施例の下方先端部材113の外周壁部113wの外面113sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0043】
一方、本実施例の中空部113hは、外面113sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状に形成されている。円柱形部分は、直径14mm、深さ6mmであり、切頭円錐形部分は、円柱形部分側直径(小径)14mm、下端側直径(大径)16mm、深さ10mmである。
【0044】
以上のような寸法関係により、中空部113hの最大深さ16mmは、中空部113hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、100%(≧50%)となっている。
【0045】
また、以上のような寸法関係により、中空部113hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材113の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0046】
(作用効果)
以上のような第1実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部113hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0047】
また、第1実施例によれば、中空部113hが、外面113sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状となっているため、粘性液体は中空部113hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0048】
また、第1実施例によれば、中空部113hの最大深さが、中空部113hの下端側開放面における最大直径に対して、100%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0049】
更に、第1実施例によれば、中空部113hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材113の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0050】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0051】
但し、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の液体供給実験においては、「液だれ」は40回も生じてしまった。(従来のノズル装置50を用いた比較実験では、50回全てにおいて「液だれ」が生じてしまったので、少しは改善されている。)
【0052】
第1実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表1]
【0053】
(移動体の下方先端部材の構成:第2実施例(第1態様の一例))
図5は、移動体13の下方先端部材の第2実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図5に示すように、移動体13の下方先端部材213は、外周壁部213wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ5mm(≧5mm)の中空部213hを有している。
【0054】
図5に示すように、本実施例の下方先端部材213の外周壁部213wの外面213sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0055】
一方、本実施例の中空部213hは、外面213sと同軸の円柱形に形成されており、直径16mm、深さ5mmである。
【0056】
以上のような寸法関係により、中空部213hの最大深さ5mmは、中空部213hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、31%となっている(≧50%という条件は満たしていない)。
【0057】
また、以上のような寸法関係により、中空部213hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材213の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0058】
(作用効果)
以上のような第2実施例によっても、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部213hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0059】
また、第2実施例によっても、中空部213hが、外面213sと同軸の円柱形となっているため、粘性液体は中空部213hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0060】
更に、第2実施例によっても、中空部213hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材213の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0061】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0062】
但し、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の液体供給実験においては、「液だれ」は48回も生じてしまった。(従来のノズル装置50を用いた比較実験では、50回全てにおいて「液だれ」が生じてしまったので、少しは改善されている。)
【0063】
第2実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表2]
【0064】
(移動体の下方先端部材の構成:第3実施例(第2態様の一例))
図6は、移動体13の下方先端部材の第3実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図6に示すように、移動体13の下方先端部材313は、外周壁部313wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ19mm(≧5mm)の中空部313hを有している。
【0065】
図6に示すように、本実施例の下方先端部材313の外周壁部313wの外面313sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0066】
一方、本実施例の中空部313hは、外面313sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状に形成されている。円柱形部分は、直径14mm、深さ6mmであり、切頭円錐形部分は、円柱形部分側直径(小径)14mm、下端側直径(大径)16mm、深さ13mmである。
【0067】
以上のような寸法関係により、中空部313hの最大深さ19mmは、中空部313hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、119%(≧50%)となっている。
【0068】
また、以上のような寸法関係により、中空部313hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材313の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0069】
また、本実施例では、中空部313hから外周壁部313wの外面313sまで、略水平方向に延在する1個の貫通孔313pが設けられている。本実施例の貫通孔313pは、断面が直径2mmの円形の孔であり、当該孔の中心軸が中空部313hの下端側開放面から6mmの高さに位置合わせされている。
【0070】
一方、本実施例では、貫通孔313pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部313hの容積をV1(mm3)とすると、V1=1909であり、当該水平面より下方の中空部313hの容積をV2(mm3)とすると、V2=1315であり、貫通孔313pの断面積をA(mm2)とした時、A=3.14であって、(V1-V2)/A=189(mm)であった。
【0071】
(作用効果)
以上のような第3実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部313hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0072】
更に、第3実施例によれば、貫通孔313pが設けられていることにより、中空部313h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0073】
また、第3実施例によれば、中空部313hが、外面313sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状となっているため、粘性液体は中空部313hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0074】
また、第3実施例によれば、中空部313hの最大深さが、中空部313hの下端側開放面における最大直径に対して、119%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0075】
更に、第3実施例によれば、中空部313hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材313の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0076】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0077】
また、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の液体供給実験においては、「液だれ」は35回だけ生じた。
【0078】
第3実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表3]
【0079】
(移動体の下方先端部材の構成:第4実施例)
図7は、移動体13の下方先端部材の第4実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図7に示すように、移動体13の下方先端部材413は、外周壁部413wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ16mm(≧5mm)の中空部413hを有している。
【0080】
図7に示すように、本実施例の下方先端部材413の外周壁部413wの外面413sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0081】
一方、本実施例の中空部413hは、外面413sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状に形成されている。円柱形部分は、直径12mm、深さ6mmであり、切頭円錐形部分は、円柱形部分側直径(小径)12mm、下端側直径(大径)16mm、深さ10mmである。
【0082】
以上のような寸法関係により、中空部413hの最大深さ16mmは、中空部413hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、100%(≧50%)となっている。
【0083】
また、以上のような寸法関係により、中空部413hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材413の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0084】
また、本実施例では、中空部413hから外周壁部413wの外面413sまで、略水平方向に延在する1個の貫通孔413pが設けられている。本実施例の貫通孔413pは、断面が直径2mmの円形の孔であり、当該孔の中心軸が中空部413hの下端側開放面から3mmの高さに位置合わせされている。
【0085】
一方、本実施例では、貫通孔413pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部413hの容積をV1(mm3)とすると、V1=1502であり、当該水平面より下方の中空部413hの容積をV2(mm3)とすると、V2=727であり、貫通孔413pの断面積をA(mm2)とした時、A=3.14であって、(V1-V2)/A=247(mm)であった。
【0086】
(作用効果)
以上のような第4実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部413hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0087】
更に、第4実施例によれば、貫通孔413pが設けられていることにより、中空部413h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0088】
また、第4実施例によれば、中空部413hが、外面413sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状となっているため、粘性液体は中空部413hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0089】
また、第4実施例によれば、中空部413hの最大深さが、中空部413hの下端側開放面における最大直径に対して、100%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0090】
更に、第3実施例によれば、中空部413hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材413の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0091】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0092】
一方、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の液体供給実験においては、「液だれ」は49回生じた(第2態様の発明としては、良好な結果は得られなかった)。
【0093】
第4実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表4]
【0094】
(移動体の下方先端部材の構成:第5実施例(第2態様の一例))
図8は、移動体13の下方先端部材の第5実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図8に示すように、移動体13の下方先端部材513は、外周壁部513wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ16mm(≧5mm)の中空部513hを有している。
【0095】
図8に示すように、本実施例の下方先端部材513の外周壁部513wの外面513sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0096】
一方、本実施例の中空部513hは、外面513sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状に形成されている。円柱形部分は、直径10mm、深さ6mmであり、切頭円錐形部分は、円柱形部分側直径(小径)10mm、下端側直径(大径)16mm、深さ10mmである。
【0097】
以上のような寸法関係により、中空部513hの最大深さ16mmは、中空部513hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、100%(≧50%)となっている。
【0098】
また、以上のような寸法関係により、中空部513hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材513の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0099】
また、本実施例では、中空部513hから外周壁部513wの外面513sまで、略水平方向に延在する1個の貫通孔513pが設けられている。本実施例の貫通孔513pは、断面が直径2mmの円形の孔であり、当該孔の中心軸が中空部513hの下端側開放面から3mmの高さに位置合わせされている。
【0100】
一方、本実施例では、貫通孔513pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部513hの容積をV1(mm3)とすると、V1=1132であり、当該水平面より下方の中空部513hの容積をV2(mm3)とすると、V2=690であり、貫通孔513pの断面積をA(mm2)とした時、A=3.14であって、(V1-V2)/A=141(mm)であった。
【0101】
(作用効果)
以上のような第5実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部513hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0102】
更に、第5実施例によれば、貫通孔513pが設けられていることにより、中空部513h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0103】
また、第5実施例によれば、中空部513hが、外面513sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状となっているため、粘性液体は中空部513hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0104】
また、第5実施例によれば、中空部513hの最大深さが、中空部513hの下端側開放面における最大直径に対して、100%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0105】
更に、第3実施例によれば、中空部513hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材513の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0106】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0107】
また、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の液体供給実験においては、「液だれ」は37回だけ生じた。
【0108】
第5実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表5]
【0109】
(移動体の下方先端部材の構成:第6実施例(第2態様の一例))
図9は、移動体13の下方先端部材の第6実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図9に示すように、移動体13の下方先端部材613は、外周壁部613wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ12mm(≧5mm)の中空部613hを有している。
【0110】
図9に示すように、本実施例の下方先端部材613の外周壁部613wの外面613sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0111】
一方、本実施例の中空部613hは、外面613sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状に形成されている。円柱形部分は、直径14mm、深さ2mmであり、切頭円錐形部分は、円柱形部分側直径(小径)14mm、下端側直径(大径)16mm、深さ10mmである。
【0112】
以上のような寸法関係により、中空部613hの最大深さ12mmは、中空部613hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、75%(≧50%)となっている。
【0113】
また、以上のような寸法関係により、中空部613hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材613の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0114】
また、本実施例では、中空部613hから外周壁部613wの外面613sまで、略水平方向に延在する1個の貫通孔613pが設けられている。本実施例の貫通孔613pは、断面が直径2mmの円形の孔であり、当該孔の中心軸が中空部613hの下端側開放面から3mmの高さに位置合わせされている。
【0115】
一方、本実施例では、貫通孔613pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部613hの容積をV1(mm3)とすると、V1=1313であり、当該水平面より下方の中空部613hの容積をV2(mm3)とすると、V2=765であり、貫通孔613pの断面積をA(mm2)とした時、A=3.14であって、(V1-V2)/A=175(mm)であった。
【0116】
(作用効果)
以上のような第6実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部613hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0117】
更に、第6実施例によれば、貫通孔613pが設けられていることにより、中空部613h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0118】
また、第6実施例によれば、中空部613hが、外面613sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状となっているため、粘性液体は中空部613hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0119】
また、第6実施例によれば、中空部613hの最大深さが、中空部613hの下端側開放面における最大直径に対して、75%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0120】
更に、第6実施例によれば、中空部613hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材613の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0121】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0122】
また、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の液体供給実験においては、「液だれ」は22回だけ生じた。
【0123】
第6実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表6]
【0124】
(移動体の下方先端部材の構成:第7実施例(第2態様の一例))
図10は、移動体13の下方先端部材の第7実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図10に示すように、移動体13の下方先端部材713は、外周壁部713wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ16mm(≧5mm)の中空部713hを有している。
【0125】
図10に示すように、本実施例の下方先端部材713の外周壁部713wの外面713sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0126】
一方、本実施例の中空部713hは、外面713sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状に形成されている。円柱形部分は、直径14mm、深さ6mmであり、切頭円錐形部分は、円柱形部分側直径(小径)14mm、下端側直径(大径)16mm、深さ10mmである。
【0127】
以上のような寸法関係により、中空部713hの最大深さ16mmは、中空部713hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、100%(≧50%)となっている。
【0128】
また、以上のような寸法関係により、中空部713hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材713の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0129】
また、本実施例では、中空部713hから外周壁部713wの外面713sまで、略水平方向に延在する1個の貫通孔713pが設けられている。本実施例の貫通孔713pは、断面が直径2mmの円形の孔であり、当該孔の中心軸が中空部713hの下端側開放面から2mmの高さに位置合わせされている。
【0130】
一方、本実施例では、貫通孔713pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部713hの容積をV1(mm3)とすると、V1=2113であり、当該水平面より下方の中空部713hの容積をV2(mm3)とすると、V2=581であり、貫通孔713pの断面積をA(mm2)とした時、A=3.14であって、(V1-V2)/A=488(mm)であった。
【0131】
(作用効果)
以上のような第7実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部713hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0132】
更に、第7実施例によれば、貫通孔713pが設けられていることにより、中空部713h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0133】
また、第7実施例によれば、中空部713hが、外面713sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状となっているため、粘性液体は中空部713hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0134】
また、第7実施例によれば、中空部713hの最大深さが、中空部713hの下端側開放面における最大直径に対して、100%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0135】
更に、第7実施例によれば、中空部713hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材713の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0136】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0137】
また、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の液体供給実験においては、「液だれ」は29回だけ生じた。
【0138】
第7実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表7]
【0139】
(移動体の下方先端部材の構成:第8実施例(第2態様の一例))
図11は、移動体13の下方先端部材の第8実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図11に示すように、移動体13の下方先端部材813は、外周壁部813wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ16mm(≧5mm)の中空部813hを有している。
【0140】
図11に示すように、本実施例の下方先端部材813の外周壁部813wの外面813sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0141】
一方、本実施例の中空部813hは、外面813sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状に形成されている。円柱形部分は、直径14mm、深さ6mmであり、切頭円錐形部分は、円柱形部分側直径(小径)14mm、下端側直径(大径)16mm、深さ10mmである。
【0142】
以上のような寸法関係により、中空部813hの最大深さ16mmは、中空部813hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、100%(≧50%)となっている。
【0143】
また、以上のような寸法関係により、中空部813hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材813の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0144】
また、本実施例では、中空部813hから外周壁部813wの外面813sまで、略水平方向に延在する1個の貫通孔813pが設けられている。本実施例の貫通孔813pは、断面が直径2mmの円形の孔であり、当該孔の中心軸が中空部813hの下端側開放面から1.5mmの高さに位置合わせされている。
【0145】
一方、本実施例では、貫通孔813pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部813hの容積をV1(mm3)とすると、V1=2206であり、当該水平面より下方の中空部813hの容積をV2(mm3)とすると、V2=487であり、貫通孔813pの断面積をA(mm2)とした時、A=3.14であって、(V1-V2)/A=548(mm)であった。
【0146】
(作用効果)
以上のような第8実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部813hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0147】
更に、第8実施例によれば、貫通孔813pが設けられていることにより、中空部813h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0148】
また、第8実施例によれば、中空部813hが、外面813sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状となっているため、粘性液体は中空部813hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0149】
また、第8実施例によれば、中空部813hの最大深さが、中空部813hの下端側開放面における最大直径に対して、100%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0150】
更に、第8実施例によれば、中空部813hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材813の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0151】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0152】
また、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の液体供給実験においては、「液だれ」は38回だけ生じた。
【0153】
第8実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表8]
【0154】
(移動体の下方先端部材の構成:第9実施例(第2態様の一例))
図12は、移動体13の下方先端部材の第9実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図12に示すように、移動体13の下方先端部材913は、外周壁部913wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ8mm(≧5mm)の中空部913hを有している。
【0155】
図12に示すように、本実施例の下方先端部材913の外周壁部913wの外面913sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0156】
一方、本実施例の中空部913hは、外面913sと同軸の切頭円錐形に形成されており、上端側直径(小径)14mm、下端側直径(大径)16mm、深さ8mmである。
【0157】
以上のような寸法関係により、中空部913hの最大深さ8mmは、中空部913hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、50%(≧50%)となっている。
【0158】
また、以上のような寸法関係により、中空部913hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材913の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0159】
また、本実施例では、中空部913hから外周壁部913wの外面913sまで、略水平方向に延在する1個の貫通孔913pが設けられている。本実施例の貫通孔913pは、断面が直径2mmの円形の孔であり、当該孔の中心軸が中空部313hの下端側開放面から3mmの高さに位置合わせされている。
【0160】
一方、本実施例では、貫通孔913pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部913hの容積をV1(mm3)とすると、V1=661であり、当該水平面より下方の中空部913hの容積をV2(mm3)とすると、V2=755であり、貫通孔913pの断面積をA(mm2)とした時、A=3.14であって、(V1-V2)/A=-30(mm)であり、(V1-V2)/A≦60(mm)を満たしていた。
【0161】
(作用効果)
以上のような第9実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部913hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0162】
更に、第9実施例によれば、貫通孔913pが設けられていることにより、中空部913h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0163】
また、第9実施例によれば、中空部913hが、外面913sと同軸の切頭円錐形状となっているため、粘性液体は中空部913hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0164】
また、第9実施例によれば、中空部913hの最大深さが、中空部913hの下端側開放面における最大直径に対して、50%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0165】
更に、第9実施例によれば、中空部913hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材913の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0166】
更に、第9実施例によれば、(V1-V2)/A(mm)の値が小さく設定されている(具体的には当該値が60(mm)以下に設定されている)ことにより、中空部913h内の気体(空気)の圧力変化がより一層生じやすく、結果として粘性液体の液膜がより一層形成されにくくなっているため、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0167】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0168】
そして、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験においても、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0169】
第9実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表9]
【0170】
(移動体の下方先端部材の構成:第10実施例(第2態様の一例))
図13は、移動体13の下方先端部材の第10実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図13に示すように、移動体13の下方先端部材1013は、外周壁部1013wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ20mm(≧5mm)の中空部1013hを有している。
【0171】
図13に示すように、本実施例の下方先端部材1013の外周壁部1013wの外面1013sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0172】
一方、本実施例の中空部1013hは、外面1013sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状に形成されている。円柱形部分は、直径14mm、深さ7mmであり、切頭円錐形部分は、円柱形部分側直径(小径)14mm、下端側直径(大径)16mm、深さ13mmである。
【0173】
以上のような寸法関係により、中空部1013hの最大深さ20mmは、中空部1013hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、125%(≧50%)となっている。
【0174】
また、以上のような寸法関係により、中空部1013hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材1013の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0175】
また、本実施例では、中空部1013hから外周壁部1013wの外面1013sまで、略水平方向に延在する1個の貫通孔1013pが設けられている。本実施例の貫通孔1013pは、断面が直径4mmの円形の孔であり、当該孔の中心軸が中空部1013hの下端側開放面から6mmの高さに位置合わせされている。
【0176】
一方、本実施例では、貫通孔1013pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部1013hの容積をV1(mm3)とすると、V1=1890であり、当該水平面より下方の中空部913hの容積をV2(mm3)とすると、V2=1488であり、貫通孔1013pの断面積をA(mm2)とした時、A=12.57であって、(V1-V2)/A=32(mm)であり、(V1-V2)/A≦60(mm)を満たしていた。
【0177】
(作用効果)
以上のような第10実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部1013hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0178】
更に、第10実施例によれば、貫通孔1013pが設けられていることにより、中空部1013h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0179】
また、第10実施例によれば、中空部1013hが、外面1013sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状となっているため、粘性液体は中空部1013hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0180】
また、第10実施例によれば、中空部1013hの最大深さが、中空部1013hの下端側開放面における最大直径に対して、125%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0181】
更に、第10実施例によれば、中空部1013hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材1013の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0182】
更に、第10実施例によれば、(V1-V2)/A(mm)の値が小さく設定されている(具体的には当該値が60(mm)以下に設定されている)ことにより、中空部1013h内の気体(空気)の圧力変化がより一層生じやすく、結果として粘性液体の液膜がより一層形成されにくくなっているため、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0183】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0184】
そして、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験においても、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0185】
第10実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表10]
【0186】
(移動体の下方先端部材の構成:第11実施例(第2態様の一例))
図14は、移動体13の下方先端部材の第11実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図14に示すように、移動体13の下方先端部材1113は、外周壁部1113wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ22mm(≧5mm)の中空部1113hを有している。
【0187】
図14に示すように、本実施例の下方先端部材1113の外周壁部1113wの外面1113sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0188】
一方、本実施例の中空部1113hは、外面1113sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状に形成されている。円柱形部分は、直径14mm、深さ6mmであり、切頭円錐形部分は、円柱形部分側直径(小径)14mm、下端側直径(大径)16mm、深さ16mmである。
【0189】
以上のような寸法関係により、中空部1113hの最大深さ22mmは、中空部1113hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、138%(≧50%)となっている。
【0190】
また、以上のような寸法関係により、中空部1113hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材1113の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0191】
また、本実施例では、中空部1113hから外周壁部1113wの外面1113sまで、略水平方向に延在する1個の貫通孔1113pが設けられている。本実施例の貫通孔1113pは、断面が直径4mmの円形の孔であり、当該孔の中心軸が中空部1113hの下端側開放面から8mmの高さに位置合わせされている。
【0192】
一方、本実施例では、貫通孔1113pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部1113hの容積をV1(mm3)とすると、V1=1898であり、当該水平面より下方の中空部1113hの容積をV2(mm3)とすると、V2=1858であり、貫通孔1113pの断面積をA(mm2)とした時、A=12.57であって、(V1-V2)/A=3(mm)であり、(V1-V2)/A≦60(mm)を満たしていた。
【0193】
(作用効果)
以上のような第11実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部1113hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0194】
更に、第11実施例によれば、貫通孔1113pが設けられていることにより、中空部1113h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0195】
また、第11実施例によれば、中空部1113hが、外面1113sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状となっているため、粘性液体は中空部1113hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0196】
また、第11実施例によれば、中空部1113hの最大深さが、中空部1113hの下端側開放面における最大直径に対して、138%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0197】
更に、第11実施例によれば、中空部1113hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材1113の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0198】
更に、第11実施例によれば、(V1-V2)/A(mm)の値が小さく設定されている(具体的には当該値が60(mm)以下に設定されている)ことにより、中空部1113h内の気体(空気)の圧力変化がより一層生じやすく、結果として粘性液体の液膜がより一層形成されにくくなっているため、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0199】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0200】
そして、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験においても、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0201】
第11実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表11]
【0202】
(移動体の下方先端部材の構成:第12実施例(第2態様の一例))
図15は、移動体13の下方先端部材の第12実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図15に示すように、移動体13の下方先端部材1213は、外周壁部1213wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ19mm(≧5mm)の中空部1213hを有している。
【0203】
図15に示すように、本実施例の下方先端部材1213の外周壁部1213wの外面1213sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0204】
一方、本実施例の中空部1213hは、外面1213sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状に形成されている。円柱形部分は、直径14mm、深さ6mmであり、切頭円錐形部分は、円柱形部分側直径(小径)14mm、下端側直径(大径)16mm、深さ13mmである。
【0205】
以上のような寸法関係により、中空部1213hの最大深さ19mmは、中空部1213hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、119%(≧50%)となっている。
【0206】
また、以上のような寸法関係により、中空部1213hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材1213の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0207】
また、本実施例では、中空部1213hから外周壁部1213wの外面1213sまで、略同一の水平面内に延在する6個の貫通孔1213pが、周方向に略均等に設けられている。本実施例の貫通孔1213pの各々は、断面が直径2mmの円形の孔であり、当該孔の中心軸が中空部1213hの下端側開放面から6mmの高さに位置合わせされている。
【0208】
一方、本実施例では、貫通孔1213pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部1213hの容積をV1(mm3)とすると、V1=1909であり、当該水平面より下方の中空部1213hの容積をV2(mm3)とすると、V2=1315であり、貫通孔1213pの(合計の)断面積をA(mm2)とした時、A=18.85であって、(V1-V2)/A=32であり、(V1-V2)/A≦60(mm)を満たしていた。
【0209】
(作用効果)
以上のような第12実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部1213hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0210】
更に、第12実施例によれば、6個の貫通孔1213pが周方向に略均等に設けられていることにより、中空部1213h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0211】
また、第12実施例によれば、中空部1213hが、外面1213sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状となっているため、粘性液体は中空部1213hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0212】
また、第12実施例によれば、中空部1213hの最大深さが、中空部1213hの下端側開放面における最大直径に対して、119%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0213】
更に、第12実施例によれば、中空部1213hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材1213の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0214】
更に、第12実施例によれば、(V1-V2)/A(mm)の値が小さく設定されている(具体的には当該値が60(mm)以下に設定されている)ことにより、中空部1213h内の気体(空気)の圧力変化がより一層生じやすく、結果として粘性液体の液膜がより一層形成されにくくなっているため、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0215】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0216】
そして、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験においても、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0217】
第12実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表12]
【0218】
(移動体の下方先端部材の構成:第13実施例(第2態様の一例))
図16は、移動体13の下方先端部材の第13実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図16に示すように、移動体13の下方先端部材1313は、外周壁部1313wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ16mm(≧5mm)の中空部1313hを有している。
【0219】
図16に示すように、本実施例の下方先端部材1313の外周壁部1313wの外面1313sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0220】
一方、本実施例の中空部1313hは、外面1313sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状に形成されている。円柱形部分は、直径14mm、深さ6mmであり、切頭円錐形部分は、円柱形部分側直径(小径)14mm、下端側直径(大径)16mm、深さ10mmである。
【0221】
以上のような寸法関係により、中空部1313hの最大深さ16mmは、中空部1313hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、100%(≧50%)となっている。
【0222】
また、以上のような寸法関係により、中空部1313hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材1313の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0223】
また、本実施例では、中空部1313hから外周壁部1313wの外面1313sまで、略同一の水平面内に延在する6個の貫通孔1313pが、周方向に略均等に設けられている。本実施例の貫通孔1313pの各々は、断面が直径2mmの円形の孔であり、当該孔の中心軸が中空部1313hの下端側開放面から3mmの高さに位置合わせされている。
【0224】
一方、本実施例では、貫通孔1313pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部1313hの容積をV1(mm3)とすると、V1=1929であり、当該水平面より下方の中空部1213hの容積をV2(mm3)とすると、V2=765であり、貫通孔1313pの(合計の)断面積をA(mm2)とした時、A=18.85であって、(V1-V2)/A=62(mm)であった((V1-V2)/A≦60(mm)を満たしていなかった)。
【0225】
(作用効果)
以上のような第13実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部1313hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0226】
更に、第13実施例によれば、6個の貫通孔1313pが周方向に略均等に設けられていることにより、中空部1313h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0227】
また、第13実施例によれば、中空部1313hが、外面1313sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状となっているため、粘性液体は中空部1313hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0228】
また、第13実施例によれば、中空部1313hの最大深さが、中空部1313hの下端側開放面における最大直径に対して、100%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0229】
更に、第13実施例によれば、中空部1313hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材1313の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0230】
一方、第13実施例によれば、(V1-V2)/A(mm)の値がやや大きい(具体的には当該値が60(mm)を上回っている)ことにより、中空部1313h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすいという効果がやや不十分で、結果として粘性液体の液膜が形成されにくいという効果がやや不十分である。
【0231】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0232】
一方、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は19回だけ生じた。
【0233】
第13実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表13]
【0234】
(移動体の下方先端部材の構成:第14実施例(第2態様の一例))
図17は、移動体13の下方先端部材の第14実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図17に示すように、移動体13の下方先端部材1413は、外周壁部1413wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ16mm(≧5mm)の中空部1413hを有している。
【0235】
図17に示すように、本実施例の下方先端部材1413の外周壁部1413wの外面1413sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0236】
一方、本実施例の中空部1413hは、外面1413sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状に形成されている。円柱形部分は、直径12mm、深さ6mmであり、切頭円錐形部分は、円柱形部分側直径(小径)12mm、下端側直径(大径)16mm、深さ10mmである。
【0237】
以上のような寸法関係により、中空部1413hの最大深さ16mmは、中空部1413hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、100%(≧50%)となっている。
【0238】
また、以上のような寸法関係により、中空部1413hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材1413の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0239】
また、本実施例では、中空部1413hから外周壁部1413wの外面1413sまで、略同一の水平面内に延在する6個の貫通孔1413pが、周方向に略均等に設けられている。本実施例の貫通孔1413pの各々は、断面が直径2mmの円形の孔であり、当該孔の中心軸が中空部1413hの下端側開放面から3mmの高さに位置合わせされている。
【0240】
一方、本実施例では、貫通孔1413pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部1413hの容積をV1(mm3)とすると、V1=1502であり、当該水平面より下方の中空部1413hの容積をV2(mm3)とすると、V2=727であり、貫通孔1413pの(合計の)断面積をA(mm2)とした時、A=18.85であって、(V1-V2)/A=41(mm)であった((V1-V2)/A≦60(mm)を満たしていた)。
【0241】
(作用効果)
以上のような第14実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部1413hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0242】
更に、第14実施例によれば、6個の貫通孔1413pが周方向に略均等に設けられていることにより、中空部1413h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0243】
また、第14実施例によれば、中空部1413hが、外面1413sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状となっているため、粘性液体は中空部1413hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0244】
また、第14実施例によれば、中空部1413hの最大深さが、中空部1413hの下端側開放面における最大直径に対して、100%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0245】
更に、第14実施例によれば、中空部1413hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材1413の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0246】
更に、第14実施例によれば、(V1-V2)/A(mm)の値が小さく設定されている(具体的には当該値が60(mm)以下に設定されている)ことにより、中空部1413h内の気体(空気)の圧力変化がより一層生じやすく、結果として粘性液体の液膜がより一層形成されにくくなっているため、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0247】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0248】
そして、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は12回だけ生じた。
【0249】
第14実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表14]
【0250】
(移動体の下方先端部材の構成:第15実施例(第2態様の一例))
図18は、移動体13の下方先端部材の第15実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図18に示すように、移動体13の下方先端部材1513は、外周壁部1513wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ16mm(≧5mm)の中空部1513hを有している。
【0251】
図18に示すように、本実施例の下方先端部材1513の外周壁部1513wの外面1513sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0252】
一方、本実施例の中空部1513hは、外面1513sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状に形成されている。円柱形部分は、直径10mm、深さ6mmであり、切頭円錐形部分は、円柱形部分側直径(小径)10mm、下端側直径(大径)16mm、深さ10mmである。
【0253】
以上のような寸法関係により、中空部1513hの最大深さ16mmは、中空部1513hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、100%(≧50%)となっている。
【0254】
また、以上のような寸法関係により、中空部1513hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材1513の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0255】
また、本実施例では、中空部1513hから外周壁部1513wの外面1513sまで、略同一の水平面内に延在する6個の貫通孔1513pが、周方向に略均等に設けられている。本実施例の貫通孔1513pの各々は、断面が直径2mmの円形の孔であり、当該孔の中心軸が中空部1513hの下端側開放面から3mmの高さに位置合わせされている。
【0256】
一方、本実施例では、貫通孔1513pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部1513hの容積をV1(mm3)とすると、V1=1132であり、当該水平面より下方の中空部1513hの容積をV2(mm3)とすると、V2=690であり、貫通孔1513pの(合計の)断面積をA(mm2)とした時、A=18.85であって、(V1-V2)/A=23(mm)であった((V1-V2)/A≦60(mm)を満たしていた)。
【0257】
(作用効果)
以上のような第15実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部1513hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0258】
更に、第15実施例によれば、6個の貫通孔1513pが周方向に略均等に設けられていることにより、中空部1513h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0259】
また、第15実施例によれば、中空部1513hが、外面1513sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状となっているため、粘性液体は中空部1513hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0260】
また、第15実施例によれば、中空部1513hの最大深さが、中空部1513hの下端側開放面における最大直径に対して、100%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0261】
更に、第15実施例によれば、中空部1513hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材1513の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0262】
更に、第15実施例によれば、(V1-V2)/A(mm)の値が小さく設定されている(具体的には当該値が60(mm)以下に設定されている)ことにより、中空部1513h内の気体(空気)の圧力変化がより一層生じやすく、結果として粘性液体の液膜がより一層形成されにくくなっているため、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0263】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0264】
そして、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回だけ生じた。
【0265】
第15実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表15]
【0266】
(移動体の下方先端部材の構成:第16実施例(第2態様の一例))
図19は、移動体13の下方先端部材の第16実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図19に示すように、移動体13の下方先端部材1613は、外周壁部1613wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ8mm(≧5mm)の中空部1613hを有している。
【0267】
図19に示すように、本実施例の下方先端部材1613の外周壁部1613wの外面1613sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0268】
一方、本実施例の中空部1613hは、外面1613sと同軸の切頭円錐形に形成されており、上端側直径(小径)14mm、下端側直径(大径)16mm、深さ8mmである。
【0269】
以上のような寸法関係により、中空部1613hの最大深さ8mmは、中空部1613hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、50%(≧50%)となっている。
【0270】
また、以上のような寸法関係により、中空部1613hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材1613の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0271】
また、本実施例では、中空部1613hから外周壁部1613wの外面1613sまで、略同一の水平面内に延在する6個の貫通孔1613pが、周方向に略均等に設けられている。本実施例の貫通孔1613pの各々は、断面が直径2mmの円形の孔であり、当該孔の中心軸が中空部1613hの下端側開放面から3mmの高さに位置合わせされている。
【0272】
一方、本実施例では、貫通孔1613pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部1613hの容積をV1(mm3)とすると、V1=661であり、当該水平面より下方の中空部1613hの容積をV2(mm3)とすると、V2=755であり、貫通孔1613pの(合計の)断面積をA(mm2)とした時、A=18.85であって、(V1-V2)/A=-5(mm)であった((V1-V2)/A≦60(mm)を満たしていた)。
【0273】
(作用効果)
以上のような第16実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部1613hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0274】
更に、第16実施例によれば、6個の貫通孔1613pが周方向に略均等に設けられていることにより、中空部1613h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0275】
また、第16実施例によれば、中空部1613hが、外面1613sと同軸の切頭円錐形状となっているため、粘性液体は中空部1613hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0276】
また、第16実施例によれば、中空部1613hの最大深さが、中空部1613hの下端側開放面における最大直径に対して、50%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0277】
更に、第16実施例によれば、中空部1613hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材1613の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0278】
更に、第16実施例によれば、(V1-V2)/A(mm)の値が小さく設定されている(具体的には当該値が60(mm)以下に設定されている)ことにより、中空部1613h内の気体(空気)の圧力変化がより一層生じやすく、結果として粘性液体の液膜がより一層形成されにくくなっているため、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0279】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0280】
そして、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は7回だけ生じた。
【0281】
第16実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表16]
【0282】
(移動体の下方先端部材の構成:第17実施例(第2態様の一例))
図20は、移動体13の下方先端部材の第17実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図20に示すように、移動体13の下方先端部材1713は、外周壁部1713wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ17mm(≧5mm)の中空部1713hを有している。
【0283】
図20に示すように、本実施例の下方先端部材1713の外周壁部1713wの外面1713sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0284】
一方、本実施例の中空部1713hは、外面1713sと同軸の円柱形に形成されており、直径16mm、深さ17mmである。
【0285】
以上のような寸法関係により、中空部1713hの最大深さ17mmは、中空部1713hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、106%(≧50%)となっている。
【0286】
また、以上のような寸法関係により、中空部1713hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材1713の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0287】
また、本実施例では、中空部1713hから外周壁部1713wの外面1713sまで、略同一の水平面内に延在する6個の貫通孔1713pが、周方向に略均等に設けられている。本実施例の貫通孔1713pの各々は、断面が直径4mmの円形の孔であり、当該孔の中心軸が中空部1713hの下端側開放面から3mmの高さに位置合わせされている。
【0288】
一方、本実施例では、貫通孔1713pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部1713hの容積をV1(mm3)とすると、V1=2413であり、当該水平面より下方の中空部1713hの容積をV2(mm3)とすると、V2=1005であり、貫通孔1713pの断面積(の合計)をA(mm2)とした時、A=75.4であって、(V1-V2)/A=18.7(mm)であり、(V1-V2)/A≦60(mm)を満たしていた。
【0289】
(作用効果)
以上のような第17実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部1713hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0290】
更に、第17実施例によれば、6個の貫通孔1713pが周方向に略均等に設けられていることにより、中空部1713h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0291】
また、第17実施例によれば、中空部1713hが、外面1713sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状となっているため、粘性液体は中空部1713hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0292】
また、第17実施例によれば、中空部1713hの最大深さが、中空部1713hの下端側開放面における最大直径に対して、106%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0293】
更に、第17実施例によれば、中空部1713hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材1713の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0294】
更に、第17実施例によれば、(V1-V2)/A(mm)の値が小さく設定されている(具体的には当該値が60(mm)以下に設定されている)ことにより、中空部1713h内の気体(空気)の圧力変化がより一層生じやすく、結果として粘性液体の液膜がより一層形成されにくくなっているため、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0295】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0296】
そして、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験においても、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0297】
第17実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表17]
【0298】
(移動体の下方先端部材の構成:第18実施例(第2態様の一例))
図21は、移動体13の下方先端部材の第18実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図21に示すように、移動体13の下方先端部材1813は、外周壁部1813wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ22mm(≧5mm)の中空部1813hを有している。
【0299】
図21に示すように、本実施例の下方先端部材1813の外周壁部1813wの外面1813sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0300】
一方、本実施例の中空部1813hは、外面1813sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状に形成されている。円柱形部分は、直径14mm、深さ6mmであり、切頭円錐形部分は、円柱形部分側直径(小径)14mm、下端側直径(大径)16mm、深さ16mmである。
【0301】
以上のような寸法関係により、中空部1813hの最大深さ22mmは、中空部1813hの下端側開放面における最大直径16mmに対して、138%(≧50%)となっている。
【0302】
また、以上のような寸法関係により、中空部1813hの下端側開放面の面積(8×8×3.14=201mm2)は、移動体13の下方先端部材1813の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、79%(≧75%)となっている。
【0303】
また、本実施例では、中空部1813hから外周壁部1813wの外面1813sまで、略同一の水平面内に延在する6個の貫通孔1813pが、周方向に略均等に設けられている。本実施例の貫通孔1813pは、断面が直径4mmの円形の孔であり、当該孔の中心軸が中空部1813hの下端側開放面から8mmの高さに位置合わせされている。
【0304】
一方、本実施例では、貫通孔1813pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部1813hの容積をV1(mm3)とすると、V1=1898であり、当該水平面より下方の中空部1813hの容積をV2(mm3)とすると、V2=1858であり、貫通孔1113pの断面積(の合計)をA(mm2)とした時、A=75.4であって、(V1-V2)/A=0.5(mm)であり、(V1-V2)/A≦60(mm)を満たしていた。
【0305】
(作用効果)
以上のような第18実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部1813hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0306】
更に、第18実施例によれば、6個の貫通孔1813pが周方向に略均等に設けられていることにより、中空部1813h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0307】
また、第18実施例によれば、中空部1813hが、外面1813sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状となっているため、粘性液体は中空部1813hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0308】
また、第18実施例によれば、中空部1813hの最大深さが、中空部1813hの下端側開放面における最大直径に対して、138%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0309】
更に、第18実施例によれば、中空部1813hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材1813の底面全体の面積に対して、79%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0310】
更に、第18実施例によれば、(V1-V2)/A(mm)の値が小さく設定されている(具体的には当該値が60(mm)以下に設定されている)ことにより、中空部1813h内の気体(空気)の圧力変化がより一層生じやすく、結果として粘性液体の液膜がより一層形成されにくくなっているため、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0311】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0312】
そして、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験においても、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0313】
第18実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表18]
【0314】
(移動体の下方先端部材の構成:第19実施例(第2態様の一例))
図22は、移動体13の下方先端部材の第19実施例を示す図であって、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。図22に示すように、移動体13の下方先端部材1913は、外周壁部1913wを除いた内側領域において、下端側に開放する深さ16mm(≧5mm)の中空部1913hを有している。
【0315】
図22に示すように、本実施例の下方先端部材1913の外周壁部1913wの外面1913sは、円筒面であり、直径は18mmである。
【0316】
一方、本実施例の中空部1913hは、外面1913sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状に形成されている。円柱形部分は、直径14mm、深さ5mmであり、切頭円錐形部分は、円柱形部分側直径(小径)14mm、下端側直径(大径)17mm、深さ11mmである。
【0317】
以上のような寸法関係により、中空部1913hの最大深さ16mmは、中空部1913hの下端側開放面における最大直径17mmに対して、94%(≧50%)となっている。
【0318】
また、以上のような寸法関係により、中空部1913hの下端側開放面の面積(8.5×8.5×3.14=227mm2)は、移動体13の下方先端部材1913の底面(底面側投影面)全体の面積(9×9×3.14=254mm2)に対して、89%(≧75%)となっている。
【0319】
また、本実施例では、中空部1913hから外周壁部1913wの外面1913sまで、略同一の水平面内に延在する10個の貫通孔1913pが、周方向に略均等に設けられている。本実施例の貫通孔1913pは、直径2mmの円形を1mmだけ直線移動させた軌跡がなす長円形(図22に示すように鉛直縦向き)を断面とする孔であり、当該孔の中心軸が中空部1913hの下端側開放面から3.5mmの高さに位置合わせされている。
【0320】
一方、本実施例では、貫通孔1913pの上端が位置する水平面を基準にして、当該水平面より上方の中空部1913hの容積をV1(mm3)とすると、V1=1805であり、当該水平面より下方の中空部1913hの容積をV2(mm3)とすると、V2=1046であり、貫通孔1913pの断面積をA(mm2)とした時、A=51.4であって、(V1-V2)/A=15(mm)であり、(V1-V2)/A≦60(mm)を満たしていた。
【0321】
(作用効果)
以上のような第19実施例によれば、移動体13が下方位置へと移動する際に、粘性液体がノズル管11の下方へと送り出されるが、この時、粘性液体は移動体13の中空部1913hに存在していた気体(空気)を介して送り出されることになる。このため、当該気体(空気)が弾性体のように機能する、及び/または、当該気体(空気)の一部も粘性液体と一体的にノズル管11から離脱する、ことによって、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に、更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、効果的に抑制される。
【0322】
更に、第19実施例によれば、10個の貫通孔1913pが周方向に略均等に設けられていることにより、中空部1913h内の気体(空気)の圧力変化が生じやすく、結果として粘性液体の液膜が形成されにくく、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0323】
また、第19実施例によれば、中空部1913hが、外面1913sと同軸の円柱形と切頭円錐形とを上下に接続した形状となっているため、粘性液体は中空部1913hに存在していた気体(空気)を介してバランス良く送り出され、粘性液体の送り出しにおいて偏りが発生することが抑制され、不所望の「液だれ」が発生することが更に効果的に抑制される。
【0324】
また、第19実施例によれば、中空部1913hの最大深さが、中空部1913hの下端側開放面における最大直径に対して、94%(≧50%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0325】
更に、第19実施例によれば、中空部1913hの下端側開放面の面積が、移動体13の下方先端部材1913の底面全体の面積に対して、89%(≧75%)となっていることによっても、所望の「液だれ」が発生することが効果的に抑制される。
【0326】
更に、第19実施例によれば、(V1-V2)/A(mm)の値が小さく設定されている(具体的には当該値が60(mm)以下に設定されている)ことにより、中空部1913h内の気体(空気)の圧力変化がより一層生じやすく、結果として粘性液体の液膜がより一層形成されにくくなっているため、移動体13が下方位置に到達する時までの粘性液体の供給(投与、分配)後に更なる不所望の「液だれ」が発生してしまうことが、より一層効果的に抑制される。
【0327】
実際、4Pa・s程度のデミグラスソースを用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験において、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0328】
そして、100Pa・s程度の蒸しパン生地を用いた50回(50ストローク)の粘性液体供給実験においても、「液だれ」は1回も生じなかった。
【0329】
第19実施例の構成及び作用効果を表に纏めると、以下の通りである。
[表19]
【符号の説明】
【0330】
10 ノズル装置
11 ノズル管
11a 粘性液体注入口
12 粘性液体注入管
13 移動体
14 駆動シリンダ
15 中間接続管
16 粘性液体供給装置
50 ノズル装置
51 ノズル管
51a 粘性液体注入口
52 粘性液体注入管
53 移動体
54 駆動シリンダ
113 下方先端部材
113h 中空部
113s 外面
113w 外周壁部
213 下方先端部材
213h 中空部
213s 外面
213w 外周壁部
313 下方先端部材
313h 中空部
313p 貫通孔
313s 外面
313w 外周壁部
413 下方先端部材
413h 中空部
413p 貫通孔
413s 外面
413w 外周壁部
513 下方先端部材
513h 中空部
513p 貫通孔
513s 外面
513w 外周壁部
613 下方先端部材
613h 中空部
613p 貫通孔
613s 外面
613w 外周壁部
713 下方先端部材
713h 中空部
713p 貫通孔
713s 外面
713w 外周壁部
813 下方先端部材
813h 中空部
813p 貫通孔
813s 外面
813w 外周壁部
913 下方先端部材
913h 中空部
913p 貫通孔
913s 外面
913w 外周壁部
1013 下方先端部材
1013h 中空部
1013p 貫通孔
1013s 外面
1013w 外周壁部
1113 下方先端部材
1113h 中空部
1113p 貫通孔
1113s 外面
1113w 外周壁部
1213 下方先端部材
1213h 中空部
1213p 貫通孔
1213s 外面
1213w 外周壁部
1313 下方先端部材
1313h 中空部
1313p 貫通孔
1313s 外面
1313w 外周壁部
1413 下方先端部材
1413h 中空部
1413p 貫通孔
1413s 外面
1413w 外周壁部
1513 下方先端部材
1513h 中空部
1513p 貫通孔
1513s 外面
1513w 外周壁部
1613 下方先端部材
1613h 中空部
1613p 貫通孔
1613s 外面
1613w 外周壁部
1713 下方先端部材
1713h 中空部
1713p 貫通孔
1713s 外面
1713w 外周壁部
1813 下方先端部材
1813h 中空部
1813p 貫通孔
1813s 外面
1813w 外周壁部
1913 下方先端部材
1913h 中空部
1913p 貫通孔
1913s 外面
1913w 外周壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24