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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169154
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】シート搬送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/14 20060101AFI20241128BHJP
   B41J 11/04 20060101ALI20241128BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B65H5/14 B
B41J11/04
B41J2/01 305
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086383
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】宮川 寛亮
【テーマコード(参考)】
2C056
2C058
3F101
【Fターム(参考)】
2C056HA29
2C058AB16
2C058AC07
2C058AC11
2C058AC12
2C058AF31
2C058DA10
2C058DA16
2C058DA38
2C058DB14
2C058DB19
3F101CB08
3F101CC08
3F101CE01
3F101CE29
3F101LA01
3F101LA06
3F101LA07
3F101LB01
3F101LB07
3F101LB10
3F101LB11
(57)【要約】
【課題】シートの幅方向端部にしわが発生するのを抑制することができるシート搬送装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】シート搬送装置は、周面にシートたる用紙Pを担持しながら回転することで用紙Pを搬送する用紙担持ドラム210などの搬送ドラムを備えている。また、シート搬送装置は、用紙担持ドラム210の周面に設けられた複数の吸引孔から用紙Pを吸引して、用紙担持ドラム210の周面にシートを密着させる密着手段であり吸引手段である吸引装置を備えている。そして、用紙担持ドラム210は、周面の両端の外径が中央よりも大きい所謂鼓形状をしている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面にシートを担持しながら回転することで前記シートを搬送する搬送ドラムと、
前記搬送ドラムの前記周面に前記シートを密着させる密着手段と、を備えたシート搬送装置において、
前記搬送ドラムの前記周面の両端の外径が、中央よりも大きいことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート搬送装置において、
前記搬送ドラムの前記周面の前記シートのシート幅方向の端部に対向する箇所の外径が、前記シートの前記シート幅方向の中央に対向する箇所の外径よりも大きいことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項3】
請求項1に記載のシート搬送装置において、
前記密着手段は、前記搬送ドラムの前記周面に設けられた複数の吸引孔から前記シートを吸引する吸引手段であることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項4】
請求項3に記載のシート搬送装置において、
前記搬送ドラムは、円筒形状のドラム本体と、前記ドラム本体に取り付けられ、複数の前記吸引孔を有する前記周面を構成する可撓性部材とを有し、
前記可撓性部材は、シート幅方向の中央が、凹み可能に前記搬送ドラムに取り付けられていることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項5】
請求項4に記載のシート搬送装置において、
前記可撓性部材の前記シート幅方向の両端が、スペーサを介して前記ドラム本体に取り付けられていることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項6】
請求項4に記載のシート搬送装置において、
前記可撓性部材を、前記ドラム本体に対して着脱可能に構成し、
前記可撓性部材から、複数の吸引孔を有する前記周面を構成し、前記周面が前記シート幅方向で平坦な前記吸引手段の吸引力では撓まない剛性を有する剛性部材に交換可能としたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項7】
請求項3に記載のシート搬送装置において、
前記搬送ドラムの前記シートが担持されるシート担持領域を、前記搬送ドラムの周方向で複数の吸引領域に分割し、
シート搬送方向の下流側の吸引領域から順次前記シートを吸引することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項8】
請求項1に記載のシート搬送装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、周面にシートを担持しながら回転することでシートを搬送する搬送ドラムと、搬送ドラムの周面にシートを密着させる密着手段と、を備えたシート搬送装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記シート搬送装置を備えた画像形成装置が記載されている。特許文献1に記載の画像形成装置は、給紙部から給紙されたシートを上記シート搬送装置の搬送ドラムの周面にシートを担持して、シートを液体吐出ヘッドが対向する印刷領域に搬送し、この印刷領域で、シートに画像を形成する。画像が形成されたシートは、シート搬送装置によって乾燥装置へ搬送され乾燥装置によりシートに形成された画像が乾燥される。また、特許文献1には、乾燥装置により乾燥されたシートを、反転させて再び印刷領域へ搬送してシートの両面に画像が印刷可能なように構成してもよい旨が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、搬送ドラムの周面にシートを密着させた際に、シートの幅方向端部にしわが発生するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、周面にシートを担持しながら回転することで前記シートを搬送する搬送ドラムと、前記搬送ドラムの周面に前記シートを密着させる密着手段と、を備えたシート搬送装置において、前記搬送ドラムの周面の両端の外径が、中央よりも大きいことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、シートの幅方向端部にしわが発生するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図。
図2】シート搬送装置の全体構成を示す概略図。
図3】用紙担持ドラムの要部を示す分解斜視図。
図4】用紙担持ドラムのシート担持領域における複数の吸引領域について説明する説明図。
図5】(a)は、乾燥装置通過前のシートの状態をしており、(b)は、乾燥装置通過後のシートの状態を示す図。
図6】本実施形態の用紙担持ドラムの概略構成図。
図7】スペーサを用紙担持ドラムに貼り付ける例を示す図。
図8】(a)は、剛性吸着板を示す概略斜視図であり、(b)は、可撓性吸着板を示す概略斜視図である。
図9】吸着板をドラム本体に着脱可能に固定する固定構造を示す概略図。
図10】(a)は、剛性吸着板がドラム本体に取り付けられた様子を示す図であり(b)は、可撓性吸着板がドラム本体に取り付けられた様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものである。以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0009】
[全体説明]
図1は、本実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、主に、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されている。インクジェット記録装置1においては、給紙部100から給紙されるシートとしての記録材である用紙Pに対し、画像形成部200で画像形成用の液体であるインクにより画像を形成する。そして、用紙上に付着したインクを乾燥部300において乾燥させた後、用紙を排紙部400から排紙する。
【0010】
[給紙部]
給紙部100は、主に、複数の用紙Pが積載される給紙トレイ110と、給紙トレイ110から用紙を1枚ずつ分離して送り出す給送装置120と、用紙を画像形成部200へ送り込むレジストローラ対130とから構成されている。給送装置120には、ローラやコロを用いた装置や、エア吸引を利用した装置など、あらゆる給送装置を用いることが可能である。給送装置120により給紙トレイ110から送り出された用紙は、その先端がレジストローラ対130に到達した後、レジストローラ対130が所定のタイミングで駆動することにより、画像形成部200へ給紙される。なお、本実施形態において、給紙部100は、画像形成部200へ用紙Pを送り出すものであれば、その構成に制限はない。
【0011】
[画像形成部]
画像形成部200は、主に、給紙された用紙Pを受け取る受け取り胴201と、受け取り胴201によって搬送された用紙Pを外周面に担持して搬送する搬送ドラムとしての用紙担持ドラム210を有するシート搬送装置10とを備えている。また、用紙担持ドラム210の外周面に担持された用紙Pを用紙担持ドラム210の外周面に押し付ける押し付けローラ213と、用紙担持ドラム210に担持された用紙Pに向けてインクを吐出するインク吐出部220を備えている。さらに、用紙担持ドラム210によって搬送された用紙Pを乾燥部300へ受け渡す受け渡し胴202を備えている。シート搬送装置10は、用紙Pを吸引して用紙担持ドラム210の外周面に密着させる密着手段であり吸引手段である吸引装置211を備えている。
【0012】
給紙部100から画像形成部200へ搬送されてきた用紙Pは、受け取り胴201の表面に設けられた用紙グリッパによって先端が把持され、受け取り胴201の表面移動に伴って搬送される。受け取り胴201により搬送された用紙は、用紙担持ドラム210との対向位置で用紙担持ドラム210へ受け渡される。
【0013】
用紙担持ドラム210の表面にも用紙グリッパが設けられており、用紙の先端が用紙グリッパによって把持される。また、用紙担持ドラム210の表面には、複数の吸引孔が分散して形成されており、各吸引孔には吸引装置211によって用紙担持ドラム210の内側へ向かう吸い込み気流が発生する。受け取り胴201から用紙担持ドラム210へ受け渡された用紙Pは、用紙グリッパによって先端が把持される。そして、押し付けローラ213により用紙Pが用紙担持ドラム210の外周面に押し付けられた後、吸引装置211の吸い込み気流によって用紙担持ドラム210の表面に用紙Pを吸着して、用紙担持ドラム210の表面移動に伴って用紙Pが搬送される。
【0014】
本実施形態のインク吐出部220は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクを吐出して画像を形成するものであり、インクごとに個別の液体吐出ヘッド220C,220M,220Y,220Kを備えている。液体吐出ヘッド220C,220M,220Y,220Kは、液体を吐出するものであれば、その構成に制限はなく、あらゆる構成のものを採用することができる。必要に応じて、白色、金色、銀色などの特殊なインクを吐出する液体吐出ヘッドを設けたり、表面コート液などの画像を構成しない液体を吐出する液体吐出ヘッドを設けたりしてもよい。
【0015】
インク吐出部220の液体吐出ヘッド220C,220M,220Y,220Kは、画像情報に応じた駆動信号によりそれぞれ吐出動作が制御される。用紙担持ドラム210に担持された用紙Pがインク吐出部220との対向領域を通過する際に、液体吐出ヘッド220C,220M,220Y,220Kから各色インクが吐出され、当該画像情報に応じた画像が形成される。なお、本実施形態において、画像形成部200は、用紙P上に液体を付着させて画像を形成するであれば、その構成に制限はない。
【0016】
[乾燥部]
乾燥部300は、主に、画像形成部200で用紙P上に付着したインクを乾燥させるための乾燥機構301と、画像形成部200から搬送されてくる用紙Pを搬送する搬送機構302とから構成されている。画像形成部200から搬送されてきた用紙Pは、搬送機構302に受け取られた後、乾燥機構301を通過するように搬送され、排紙部400へ受け渡される。乾燥機構301を通過する際、用紙P上のインクには乾燥処理が施され、これによりインク中の水分等の液分が蒸発し、用紙P上にインクが固着するとともに、用紙Pのカールが抑制される。
【0017】
[排紙部]
排紙部400は、主に、複数の用紙Pが積載される排紙トレイ410から構成されている。乾燥部300から搬送されてくる用紙Pは、排紙トレイ410上に順次積み重ねられて保持される。なお、本実施形態において、排紙部400は、用紙Pを排紙するものであれば、その構成に制限はない。
【0018】
[その他の機能部]
本実施形態のインクジェット記録装置1は、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されているが、他の機能部を適宜追加してもよい。例えば、給紙部100と画像形成部200との間に画像形成の前処理を行う前処理部を追加したり、乾燥部300と排紙部400との間に画像形成の後処理を行う後処理部を追加したりすることができる。
【0019】
前処理部としては、例えば、インクと反応して滲みを抑制するための処理液を用紙Pに塗布する処理液塗布処理を行うものなどが挙げられるが、前処理の内容については特に制限はない。また、後処理部としては、例えば、画像が形成された複数枚の用紙を綴じる処理などが挙げられるが、後処理の内容についても特に制限はない。
【0020】
また、本実施形態のインクジェット記録装置1は、反転搬送機構500を備えている。用紙の両面に画像を記録するときは、乾燥機構301を通過した用紙を反転搬送機構500へ搬送する。反転搬送機構500に搬送された用紙は、スイッチバックして、レジストローラ対130へ再送される。そして、用紙の搬送方向先端が、レジストローラ対130に到達した後、レジストローラ対が所定のタイミングで駆動することにより、インク吐出部220へ再送され、用紙のもう一方の面に画像が形成される。
【0021】
なお、本実施形態では、印刷装置を、インクジェット記録装置の例で説明しているが、「印刷装置」は、シート材の被乾燥面に向けて液体を吐出する液体吐出ヘッドを備え、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではなく、例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するものも含まれる。シート材は、材質を限定されるものではなく、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど、液体が一時的でも付着可能なものであればよく、例えば、フィルム製品、衣料用等の布製品、壁紙や床材等の建材、皮革製品などに使用されるものであってもよい。また、「印刷装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液等の用途で用いることができる。
また、「印刷装置」は、液体吐出ヘッドとシート材とが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0022】
また、「液体吐出ヘッド」とは、吐出孔(ノズル)から液体を吐出・噴射する機能部品である。液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどの吐出エネルギー発生手段を使用することができるが、使用する吐出エネルギー発生手段が限定されるものではない。
【0023】
図2は、シート搬送装置10の全体構成を示す概略図であり、図3は、用紙担持ドラム210の要部を示す分解斜視図である。
シート搬送装置10は、吸引装置211と、用紙担持ドラム210と、吸引装置211と用紙担持ドラム210との間に配置された吸引領域切替装置としてのロータリバルブ12とを備えている。吸引装置211とロータリバルブ12とはホース(チューブ)11で通じている。また、ロータリバルブ12は、用紙担持ドラム210のチャンバ22bとホース(チューブ)13で通じている。
【0024】
用紙担持ドラム210は、図2図3に示すように、ドラム本体22と、吸着板21とを有している。ドラム本体22は、図3に示すように、用紙Pを担持するための用紙担持領域23a,23b,23cを周方向に3つ有している。各用紙担持領域23a~23cには、用紙担持ドラム210の回転軸方向(用紙の幅方向でもある)に延びる複数の吸引溝22aが形成され、各吸引溝22aにホース13が接続されている。各用紙担持領域23a~23cに、吸引孔21aを有する吸着板21が取り付けられることで、各用紙担持領域23a~23cに各吸引孔21aが通じるチャンバ22bが形成される。
【0025】
図4に示すように、各用紙担持領域23a~23cは、周方向において、用紙Pを吸引する4つの吸引領域24A,24B,24C,24Dを有しており、各吸引領域には、少なくとも一つの吸引溝22aが配置されている。ロータリバルブ12によって、吸い込み気流を発生させる吸引溝22aを切り替えることで、吸引領域24A~24Dの間で吸引領域が切り替えられる。
【0026】
本実施形態では、次のようにして、シート搬送方向下流側から順次、用紙の吸引を行う吸引領域を拡張して受け取り胴201から給紙部100で給紙された用紙Pを用紙担持ドラム210の外周面に密着させている。具体的には、第一吸引領域24Aが押し付けローラ213により用紙Pを用紙担持ドラム210の外周面に押し付ける位置に位置したら、第一吸引領域24Aに吸い込み気流を発生させ、用紙担持領域23に担持された用紙の第一吸引領域24Aに位置する部分を用紙担持ドラム210の表面に吸着する。次に、第一吸引領域24Aが押し付けローラ213により用紙Pを用紙担持ドラム210の外周面に押し付ける位置に位置したら、第二吸引領域24Bに吸い込み気流を発生させる。これにより、用紙の第一吸引領域24Aに位置する部分と、第二吸引領域24Bに位置する部分が用紙担持ドラム210の表面に吸着する。次に、第三吸引領域24Cが押し付けローラ213により用紙Pを用紙担持ドラム210の外周面に押し付ける位置に位置したら、第三吸引領域24Cに吸い込み気流を発生させる。これにより、用紙の第一吸引領域24Aから第三吸引領域24Cに位置する部分が用紙担持ドラム210の表面に吸着する。そして、第四吸引領域24Dが押し付けローラ213により用紙Pを用紙担持ドラム210の外周面に押し付ける位置に位置したら、第四吸引領域24Dに吸い込み気流を発生させ、用紙全体が用紙担持ドラム210の外周面に吸着する。
なお、用紙の搬送方向長さによって、吸引を行う吸引領域を変更する。例えば、用紙の搬送方向長さが短く、第三吸引領域24Cに用紙の後端が位置する場合は、第四吸引領域24Dについては、気流の吸い込みが行われないようにする。
【0027】
一方、用紙担持ドラム210から受け渡し胴202への受け渡しについては、シート搬送方向下流側から順次吸引領域を縮小していく。すなわち、用紙担持ドラム210から受け渡し胴202への用紙を受け渡す領域に第一吸引領域24Aが到達したら、第一吸引領域24Aの吸引を停止し、次に、受け渡す領域に第二吸引領域24Bが到達したら、第二吸引領域24Bの吸引を停止するように、受け渡す領域に吸引領域が到達したら、その吸引領域の吸引を停止していくのである。これにより、用紙の後端側は、用紙担持ドラム210の外周にしっかりと密着させた状態で、用紙の先端側を、スムーズに受け渡し胴202へ受け渡すことができる。
【0028】
図5(a)に示すように、用紙グリッパのくわえ代や後処理(綴じ処理、裁断処理、穿孔処理等)のために、用紙の先端、後端および幅方向両端に余白を設けるのが一般的である。乾燥部300により用紙が乾燥されると、用紙の印字領域が、余白領域よりも多く収縮する。その結果、用紙の幅方向端部のシート搬送方向長さが中央より長くなり用紙に歪みが発生し、図5(b)に示すように、用紙の幅方向端部に波打ち(以下、端部波打ちという)が発生する場合がある。特に、薄紙の場合に、上記端部波打ちが発生しやすい。本実施形態では、図1に示すように、両面印刷を行うときは、乾燥部300の乾燥機構301により乾燥された用紙を再送するので、図5(b)に示すような端部波打ちが生じた用紙が再送される場合がある。このような端部波打ちが生じた用紙を、外径が用紙幅方向で一定の用紙担持ドラム210の外周面に密着させると、シート幅方向端部にシワが発生するおそれがあった。
【0029】
そこで、本実施形態では、用紙担持ドラム210の外周面の両端の外径を、中央よりも大きくなるように構成した。これにより、用紙担持ドラム210の用紙幅方向両端の周方向長さが、中央の周方向長さよりも長くなる。これにより、幅方向端部の搬送方向長さが中央より長く幅方向両端に端部波打ちが発生した用紙を、3次元的に用紙担持ドラム210の外周面にフィットさせることができ、用紙の幅方向端部が搬送方向に伸ばされた状態で用紙担持ドラム210の外周面に密着させることができる。これにより、用紙の端部にシワが発生するのを抑制することができる。以下、本実施形態の特徴部を、図面を用いて説明する。
【0030】
図6は、本実施形態の用紙担持ドラムの概略構成図である。
本実施形態においては、吸着板21を、吸引装置211の吸引力で変形するような可撓性部材で構成し、吸着板21の用紙幅方向(用紙担持ドラムの回転軸方向でもある)の両端と、ドラム本体22の用紙担持領域との間にスペーサ28a,28bが設けられている。スペーサ28a,28bは、吸着板21の用紙幅方向(用紙担持ドラムの回転軸方向でもある)の両端に両面テープなどを用いて貼り付けている。スペーサ28a,28bの厚さは、0.2mm程度である。
【0031】
吸着板21を可撓性部材で構成することで、用紙Pを用紙担持ドラム210の外周面である吸着板21の表面に吸い込み気流により密着させる際に、吸い込み気流によって吸着板21の用紙幅方向中央が凹むように撓む。これにより、用紙担持ドラム210の外周面の少なくとも用紙対向幅領域の両端の外径Roが、中央の外径Riよりも長くなる。よって、幅方向端部の搬送方向長さが中央より長く幅方向両端に端部波打ちが発生した用紙を、3次元的に用紙担持ドラム210の外周面にフィットさせることができる。これにより、用紙の幅方向端部の波打ちを搬送方向に伸ばして用紙担持ドラム210の外周面に密着させることができる。よって、用紙の端部にシワが発生するのを抑制することができる。
なお、上記用紙対向幅領域は、本装置が搬送可能な用紙の最大幅サイズである。
【0032】
特に、本実施形態では、図4に示したように各用紙担持領域23a~23cを周方向において4つの吸引領域24A,24B,24C,24Dに分割し、用紙の先端側から徐々に吸着板21に吸着させていく。これにより、端部の波打ちが発生している用紙の先端側から徐々に端部の波打ちを真っ直ぐに伸ばすことができ、良好に用紙の端部しわの発生を抑制することができる。
【0033】
また、本実施形態では、スペーサ28a,28bを設けることで、可撓性部材からなる吸着板21が幅方向において凹状に撓んだとき、吸着板21がチャンバ22bの底面に接触して吸引溝22aをふさがないようにできる。これにより、用紙を良好に吸着板21に密着させることができる。
【0034】
なお、少なくとも、用紙担持ドラム210の外周面の用紙の幅方向端部に対向する箇所の外径が、用紙の幅方向中央に対向する箇所の外径よりも大きければ、幅方向端部の搬送方向長さが中央より長く幅方向両端に波打ちが発生した用紙の端部にシワが生じることなく、用紙を用紙担持ドラム210の外周面に密着させることができる。そのため、図6に示すように、本実施形態では、本装置が搬送可能な用紙最大幅よりも長いドラム本体22の幅方向端部より、内側にスペーサ28a,28bを配置し、用紙担持ドラム210の外周面の用紙の幅方向端部に対向する箇所の外径が、用紙の幅方向中央に対向する箇所の外径よりも大きくなるように構成している。
【0035】
なお、本実施形態では、吸着板21を可撓性部材で構成し、吸引装置211の吸引力で幅方向において凹状に撓ませているが、吸着板21を吸引装置211の吸引力では撓まないある程度の剛性を持った剛性部材で構成し用紙密着面が初期状態で幅方向において中央が凹んだ凹面となっているものでもよい。かかる構成においては、スペーサ28aはなくてもよい。
【0036】
また、本実施形態では、スペーサ28a,28bは、吸着板21の用紙幅方向(用紙担持ドラムの回転軸方向でもある)の両端に両面テープなどを用いて貼り付けているが、図7に示すように、ドラム本体22の用紙担持領域に貼り付けてもよい。
【0037】
なお、片面印刷時は、給紙部100から幅方向両端と中央との搬送方向長さがほぼ同一で、端部波打ちが発生していない用紙が、用紙担持ドラム210の中央が凹んだ凹面状の外周面に密着することなる。しかし、薄紙などの端部波打ちが発生するような用紙は局所的に伸長可能である。従って、片面印刷時の端部波打ちが発生しない用紙は、局所的に伸長して端部と中央との周長差を吸収し、凹面状の外周面に3次元的にフィットさせることができる。また、上述したように、用紙の先端側から徐々に吸着板21に用紙を吸着させていくことで、端部波打ちが発生しない用紙を、シワなどを生じさせることなく凹面状の外周面に密着させることができる。
【0038】
なお、用紙担持ドラム210の外周面を幅方向において中央が凹んだ凹面とすることで、用紙と液体吐出ヘッドのノズル間の距離が幅方向で異なり、印字の直線性の乱れや、サテライト飛散による汚れが懸念される。しかし、シワという品質不良と比較すると印字の直線性の乱れや、サテライト飛散による汚れは、許容できるレベルである。
【0039】
厚紙などのコシの強いシート材の場合は、上記用紙歪みが生じ難く、端部波打ちが生じ難い。また、厚紙などのコシの強いシート材は、吸着板21の用紙密着面が初期状態で幅方向において中央が凹んだ凹面に倣って変形せずに、用紙担持ドラムの外周面に密着しないおそれがある。
【0040】
そのため、吸着板21をドラム本体22に対して着脱可能とする。そして、図8(b)に示す幅方向端部にスペーサ28a,28bが貼り付けられ可撓性部材からなる可撓性吸着板21Aと、図8(a)に示すスペーサが貼り付けられておらず吸引装置211の吸引力では撓まない剛性を有する剛性吸着板21Bとの間で交換可能な構成としてもよい。
【0041】
図9は、ドラム本体22の吸着板21を着脱可能に固定する固定構造を示す概略図である。
吸着板21の用紙搬送方向両端には、内側に折り曲げて構成された被取り付け部21bを有している。ドラム本体22の各用紙担持領域23a~23cの周方向一端には、吸着板21の用紙搬送方向先端側の被取り付け部21bを挟持固定する吸着板先端固定部25が設けられている。また、各用紙担持領域23a~23cの周方向他端には、吸着板21の用紙搬送方向後端側の被取り付け部21bを挟持固定する吸着板後端固定部26が設けられている。
【0042】
吸着板先端固定部25は、吸着板21の先端側の被取り付け部21bが押し当てられる先端押し当て部材25aと、吸着板21の先端側の被取り付け部21bを、先端押し当て部材25aに押し付ける先端押し付け部材25cとを有している。先端押し付け部材25cは、バネ25bの一端に保持されている。吸着板21の先端側の被取り付け部21bは、バネ25bの付勢力により先端押し付け部材25cによって先端押し当て部材25aに押し当てられている。これにより、吸着板21の先端側の被取り付け部21bは、先端押し付け部材25cと先端押し当て部材25aとに挟持固定される。
【0043】
吸着板後端固定部26は、吸着板21の後端側の被取り付け部21bが押し当てられる後端押し当て部材26aと、吸着板21の後端側の被取り付け部21bを、後端押し当て部材26aに押し付ける後端押し付け部材26dとを有している。後端押し付け部材26dは、バネ26cの一端に保持されている。後端押し当て部材26aは、回動自在に支持され、バネ26bにより後端押し付け部材26dへ付勢されている。吸着板21の後端側の被取り付け部21bは、バネ26bおよび26cの付勢力により後端押し付け部材26dと後端押し当て部材26aとに挟持固定される。
【0044】
このように、吸着板21の搬送方向先端と後端が、固定部25,26により挟持固定されることで、吸着板21がドラム本体22に取り付けられる。吸着板21を取り外すときは、後端押し当て部材26aを図中時計回りに回動して、吸着板21の後端側の被取り付け部21bの挟持固定を解除し、吸着板21の後端側の被取り付け部21bを、吸着板後端固定部26から取り外す。そして、吸着板21の先端側の被取り付け部21bを、吸着板先端固定部25から引き抜く。これにより、吸着板21がドラム本体22から取り外される。
【0045】
吸着板21をドラム本体22に取り付けるときは、吸着板21の先端側の被取り付け部21bを、先端押し当て部材25aと先端押し付け部材25cとの間に差し込む。そして、後端押し当て部材26aを図中時計回りに回動させて吸着板21の後端側の被取り付け部21bを、後端押し当て部材26aと後端押し付け部材26dとの間に入れ込んだ後、後端押し当て部材26aを離す。これにより、後端押し当て部材26aが、バネ26bの付勢力で図中反時計回りに回動し、吸着板21の後端側の被取り付け部21bが後端押し当て部材26aと後端押し付け部材26dとに挟持固定される。
【0046】
図10(a)は、図8(a)に示した剛性吸着板21がドラム本体22に取り付けられた様子を示しており、図10(b)は、可撓性吸着板21Aがドラム本体22に取り付けられた様子を示している。
【0047】
可撓性吸着板21Aは、薄紙など乾燥部300を通過後に端部波打ちが生じる用紙を両面印刷するときにドラム本体22に取り付けられ、剛性吸着板21Bは、それ以外のときにドラム本体22に取り付けられる。
【0048】
剛性吸着板21Bの幅方向両端には、スペーサ28a,28bが貼り付けられていないないため、剛性吸着板21Bとチャンバ22b底面との距離が、図10(b)に示すように幅方向の両端にスペーサ28a,28bが貼り付けられた可撓性吸着板21Aに比べて近くなっている。剛性吸着板21Bは、吸引装置211の吸引力では撓わない剛性を有している。従って、吸引装置211により厚紙Pt等の用紙を用紙担持ドラムの外周面に密着させるときに、剛性吸着板21Bが、チャンバ22bの底面に近づくことがなく、スペーサが無くても、良好に吸引溝22aから空気を吸い込むことができる。
【0049】
また、剛性吸着板21Bは、吸引装置211の吸引力では撓むことがなく、図10(a)に示す状態が維持され、幅方向で平坦な状態な維持される。これによりコシの強い厚紙Ptは、幅方向で凹状に変形することなく用紙担持ドラムの外周面に密着させることができる。
また、剛性吸着板21Bは、幅方向で平坦であるため、用紙と液体吐出ヘッドのノズル間の距離が幅方向でほぼ一定となり、印字の直線性の乱れや、サテライト飛散による汚れが抑制され、高品質な画像を得ることができる。
【0050】
薄紙など、乾燥部300を通過後に端部波打ちが生じる用紙を両面印刷するときは、ドラム本体22に取り付けられている剛性吸着板21Bを取り外して、可撓性吸着板21Aを、ドラム本体22に取り付ける。可撓性吸着板21Aは、吸引装置211の吸引力で図10(b)に示す状態から撓んで図6に示す状態となる。よって、スペーサ28a,28bを設けて、チャンバ22bの底面から可撓性吸着板21Aまでの距離を離すことで、可撓性吸着板21Aがチャンバ22bの底面に接触して吸引溝22aを塞いでしまうのを防止できる。このように、可撓性吸着板21Aをドラム本体22に取り付けることで、吸引装置211の吸引力で幅方向で凹状となり、端部波打ちが発生した用紙を、端部シワの発生を抑えて用紙担持ドラムの外周面に密着させることができる。
【0051】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0052】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
周面に用紙などのシートを担持しながら回転することでシートを搬送する用紙担持ドラム210などの搬送ドラムと、搬送ドラムの周面にシートを密着させる吸引装置211などの密着手段と、を備えたシート搬送装置10において、搬送ドラムの周面の両端の外径が、中央よりも大きい。
シートの幅方向両端には、画像が形成されない余白を設けるのが一般的であるが、乾燥装置を経ると、シートの画像が形成されたシート幅方向の中央の画像領域が、シート幅方向端部の余白領域よりも多く収縮する。その結果、シートの幅方向端部のシート搬送方向長さが中央より長くなり歪み発生し、シートの幅方向両端に波打ち(端部波打ちという)が生じる場合がある。特に、シートが厚みの薄い薄紙の場合に、上記歪みによる端部波打ちが発生しやすい。
搬送ドラムの外径が、搬送ドラムの回転軸方向(シートの幅方向でもある)で一定ある場合、両面印刷するために、再度、シート搬送装置へ搬送して端部波打ちが発生したシートを搬送ドラムの周面に密着させたときに、シートの幅方向端部にシワが発生するおそれがあった。
態様1では、搬送ドラムの周面の両端の外径を中央よりも大きくすることで、両端部の周長が中央よりも長くなる。シートの幅方向中央と両端が、搬送ドラムの周方向で同一位置に密着するが、搬送ドラムの幅方向両端部の周長が中央よりも長いため、用紙の幅方向端部は、搬送方向に引っ張られる形で密着することになる。よって、幅方向端部のシート搬送方向長さが中央より長くシート幅方向両端に波打ちが発生したシートは、シート幅方向端部がシート搬送方向に伸ばされて波打ちが解消された状態で搬送ドラムの周面に密着し、搬送ドラムの周面に3次元的にフィットする。これにより、シートの端部にシワが発生するのを抑制することができる。
【0053】
(態様2)
態様1において、用紙担持ドラム210などの搬送ドラムの周面のシートのシート幅方向の端部に対向する箇所の外径が、シートのシート幅方向の中央に対向する箇所の外径よりも大きい。
これによれば、実施形態で説明したように、シート幅方向の端部のシート搬送方向長さが中央より長くシート幅方向の両端に波打ちが発生したシートを、搬送ドラムの周面に3次元的にフィットさせることができ、シートの端部にシワが発生するのを抑制することができる。
【0054】
(態様3)
態様1または2において、密着手段は、用紙担持ドラム210などの搬送ドラムの周面に設けられた複数の吸引孔21aからシートを吸引する吸引装置211などの吸引手段である。
これによれば、実施形態で説明したように、用紙担持ドラムの周面にシートを密着させることができる。
【0055】
(態様4)
態様3において、用紙担持ドラム210などの搬送ドラムは、円筒形状のドラム本体と22、ドラム本体22に取り付けられ、複数の吸引孔21aを有する周面を構成する吸着板21などの可撓性部材とを有し、可撓性部材は、シート幅方向の中央が、凹み可能に搬送ドラムに取り付けられている。
これによれば、実施形態で説明したように、吸引装置211などの吸引手段の吸引力により吸着板21などの可撓性部材のシート幅方向の中央を凹ませて、搬送ドラムの周面のシートのシート幅方向の端部の外径を、シートのシート幅方向中央に対向する箇所の外径よりも大きくすることができる。
【0056】
(態様5)
態様4において、吸着板21などの可撓性部材のシート幅方向の両端が、スペーサ28a,28bを介してドラム本体22に取り付けられている。
これによれば、実施形態で説明したように、吸引装置211などの吸引手段の吸引力により吸着板21などの可撓性部材のシート幅方向の中央を凹ませたときに、可撓性部材が、チャンバ22bの底面に設けられた吸引溝22aを塞いでしまうのを防止できる。
【0057】
(態様6)
態様4または5において、可撓性吸着板21Aなどの可撓性部材は、ドラム本体22に着脱可能に構成し、可撓性部材から、複数の吸引孔を有する周面を構成し、周面がシート幅方向で平坦な吸引手段の吸引力では撓まない剛性を有する剛性吸着板21Bなどの剛性部材に交換可能とした。
これによれば、厚紙などのコシが強く、シート幅方向で凹状の周面に密着し難いシートのときは、可撓性吸着板21Aなどの可撓性部材をドラム本体22から取り外して、周面が幅方向で平坦な剛性吸着板21Bなどの剛性部材に取り換えることができる。剛性部材を用いることで、吸引手段などの吸引装置の吸引力で撓むことがなく、周面がシート幅方向で凹状に凹むことがなく、コシの強いシートを良好に密着させることができる。
【0058】
(態様7)
態様3乃至6いずれかにおいて、用紙担持ドラム210などの搬送ドラムのシートが担持されるシート担持領域を、搬送ドラムの周方向で複数の吸引領域24A~24Dに分割し、シート搬送方向下流側の吸引領域から順次シートを吸引する。
これによれば、実施形態で説明したように、端部の波打ちが発生しているシートの端部の波打ちを先端側から徐々に真っ直ぐに伸ばしながら搬送ドラムの外周に密着させていくことができ、良好に用紙の端部しわの発生を抑制することができる。
【0059】
(態様8)
画像形成装置は、態様1乃至7いずれかのシート搬送装置を備える。
これによれば、両面印刷時にシートの端部にしわが発生するのを抑制できる。
【符号の説明】
【0060】
1 :インクジェット記録装置
10 :シート搬送装置
12 :ロータリバルブ
13 :ホース
21 :吸着板
21a :吸引孔
21b 被取り付け部
21A :可撓性吸着板
21B :剛性吸着板
22 :ドラム本体
22a :吸引溝
22b :チャンバ
23 :用紙担持領域
24 :吸引領域
25 :吸着板先端固定部
26 :吸着板後端固定部
28a :スペーサ
28b :スペーサ
100 :給紙部
110 :給紙トレイ
200 :画像形成部
201 :受け取り胴
202 :受け渡し胴
210 :用紙担持ドラム
211 :吸引装置
213 :押し付けローラ
300 :乾燥部
301 :乾燥機構
302 :搬送機構
400 :排紙部
410 :排紙トレイ
500 :反転搬送機構
P :用紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【特許文献1】特開2020-19637号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10