IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 国立大学法人大阪大学の特許一覧

特開2024-169168超音波検査装置および超音波検査方法
<>
  • 特開-超音波検査装置および超音波検査方法 図1
  • 特開-超音波検査装置および超音波検査方法 図2
  • 特開-超音波検査装置および超音波検査方法 図3
  • 特開-超音波検査装置および超音波検査方法 図4
  • 特開-超音波検査装置および超音波検査方法 図5
  • 特開-超音波検査装置および超音波検査方法 図6
  • 特開-超音波検査装置および超音波検査方法 図7
  • 特開-超音波検査装置および超音波検査方法 図8
  • 特開-超音波検査装置および超音波検査方法 図9
  • 特開-超音波検査装置および超音波検査方法 図10
  • 特開-超音波検査装置および超音波検査方法 図11
  • 特開-超音波検査装置および超音波検査方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169168
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】超音波検査装置および超音波検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/24 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
G01N29/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086411
(22)【出願日】2023-05-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・研究集会名 第43回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム 開催場所 同志社大学 今出川校地 室町キャンパス 寒梅館 クローバーホールおよび会議室A 開催日 令和4年11月9日 ・ウェブサイトのアドレス https://www.use-jp.org/USE2022/ 掲載日 令和4年11月7日 ・研究集会名 第30回超音波による非破壊評価シンポジウム 開催場所 東京都立産業技術研究センター 青海本部 東京イノベーションハブ 開催日 令和5年1月24日 ・刊行物名 「第30回超音波による非破壊評価シンポジウム 講演論文集」 発行日 令和5年1月24日 ・刊行物名 「Japanese Journal of Applied Physics 62,SJ1005(2023)」 発行日 令和5年2月6日
(71)【出願人】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】林 高弘
(72)【発明者】
【氏名】福地 高明
(72)【発明者】
【氏名】森 直樹
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA05
2G047BA03
2G047BC07
2G047CA01
2G047EA10
2G047GB02
2G047GB24
2G047GF18
2G047GH06
(57)【要約】
【課題】超音波検査の精度を向上できる超音波検査を提供する。
【解決手段】超音波検査装置(100)は、配列した複数の超音波振動子(12)と、前記複数の超音波振動子に対応して配置され、互いに離間して配列した、超音波を案内する複数の薄板(2)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列した複数の超音波振動子と、
前記複数の超音波振動子に対応して配置され、互いに離間して配列した、超音波を案内する複数のガイドバッファと、を備える超音波検査装置。
【請求項2】
PAUT、PWI、またはFMC/TFMにより検査対象物の深さbまでの領域の欠陥を検査する超音波検査装置であって、
前記複数の超音波振動子が出力する送信波の時間幅をΔtとし、前記複数のガイドバッファにおける前記送信波の伝搬速度の最大値および最小値をそれぞれcmaxおよびcminとするとき、前記複数のガイドバッファの前記複数の超音波振動子から延びる方向に沿った長さLは、以下の式(1)で特定されるLより大きい、請求項1に記載の超音波検査装置。
b=c(2L/cmin-L/cmax-Δt/2) (1)
【請求項3】
PAUT、PWI、またはFMC/TFMにより検査対象物の深さaより深い領域の欠陥を検査する超音波検査装置であって、
前記複数の超音波振動子が出力する送信波の時間幅をΔtとし、前記複数のガイドバッファにおける前記送信波の伝搬速度の最大値および最小値をそれぞれcmaxおよびcminとするとき、前記複数のガイドバッファの前記複数の超音波振動子から延びる方向に沿った長さLは、以下の式(2)で特定されるLより小さい、請求項1または2に記載の超音波検査装置。
a=c(L/cmin-L/cmax+Δt/2) (2)
【請求項4】
FMC/TFMにより検査対象物の欠陥を検査する超音波検査装置であって、
送信波を出力する超音波振動子が受信する超音波の波形をTFMの処理に含めない、請求項1に記載の超音波検査装置。
【請求項5】
前記複数の超音波振動子は、2次元に配列しており、
前記複数のガイドバッファは、前記複数の超音波振動子に対応して2次元に配列している、請求項1に記載の超音波検査装置。
【請求項6】
前記複数のガイドバッファは、前記複数の超音波振動子より幅広であり、前記複数の超音波振動子に対応しない箇所で互いに接続されている、請求項1に記載の超音波検査装置。
【請求項7】
超音波検査装置による超音波検査方法であって、
前記超音波検査装置は、
配列した複数の超音波振動子と、
前記複数の超音波振動子に対応して配置され、互いに離間して配列した、超音波を案内する複数のガイドバッファと、を備え、
前記複数のガイドバッファのそれぞれを介して検査対象物に送信波を送信する送信ステップと、
前記検査対象物からの反射波を前記複数のガイドバッファのそれぞれを介して受信する受信ステップと、を含む超音波検査方法。
【請求項8】
前記複数の超音波振動子が出力する送信波の時間幅をΔtとし、前記複数のガイドバッファにおける前記送信波の伝搬速度の最大値および最小値をそれぞれcmaxおよびcminとするとき、前記複数のガイドバッファの前記複数の超音波振動子から延びる方向に沿った長さLが、以下の式(1)で特定されるLより大きい超音波検査装置を用いて、PAUT、PWI、またはFMC/TFMにより前記検査対象物の深さbまでの領域の欠陥を検査する、請求項7に記載の超音波検査方法。
b=c(2L/cmin-L/cmax-Δt/2) (1)
【請求項9】
前記複数の超音波振動子が出力する送信波の時間幅をΔtとし、前記複数のガイドバッファにおける前記送信波の伝搬速度の最大値および最小値をそれぞれcmaxおよびcminとするとき、前記複数のガイドバッファの前記複数の超音波振動子から延びる方向に沿った長さLが、以下の式(2)で特定されるLより小さい超音波検査装置を用いて、PAUT、PWI、またはFMC/TFMにより前記検査対象物の深さaより深い領域の欠陥を検査する、請求項7または8に記載の超音波検査方法。
a=c(L/cmin-L/cmax+Δt/2) (2)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波検査装置および超音波検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
振動を伝搬する波である超音波を用いて、検査対象物の内部を非破壊で検査する超音波検査方法が広く知られている。超音波検査方法は、配管検査、溶接部検査、および減肉測定など様々な場面で用いられている。
【0003】
超音波検査を行う場面として、超音波振動子の耐熱温度よりも高温の物体を検査する場面が考えられる。例えば、数百度以上の高温で連続的に稼働している火力・原子力発電所または製鉄所の大型プラントを、安全性の確保および生産効率の向上のため、運転を止めることなく検査する場面が考えられる。この場合、高温の検査対象物から超音波振動子への熱の伝達を低減することが課題となる。非特許文献1および非特許文献2では、バッファロッドを超音波振動子と高温物体との間に介在させることにより、高温の検査対象物から超音波振動子への熱の伝達を低減している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Dikky Burhan, Ikuo Ihara, Yoshihisa Seda,“In Situ Observations of Solidification and Melting of Aluminum Alloy Using Ultrasonic Waveguide Sensor” MATERIALS TRANSACTIONS, 2005年 46巻 9号 p.2107-2113
【非特許文献2】Tomonori Ihara, Nobuyoshi Tsuzuki, Hiroshige Kikura,“Development of the ultrasonic buffer rod for the molten glass measurement” Progress in Nuclear Energy, Volume 82 July 2015, Pages 176-183
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の超音波振動子を配列したフェイズドアレイ探触子を用いたフェイズドアレイ超音波探傷試験(Phased Array Ultrasonic test:PAUT)が知られている。PAUTでは、フェイズドアレイ探触子に時間的に制御された電気信号を送信し、超音波を検査対象物内の所定の位置(焦点位置)に集束させ、そのエコー波形を受信する。そして、超音波の焦点位置を移動させることにより、検査対象物の内部を超音波により走査する。これにより、高分解能の超音波検査が可能である。
【0006】
ここで、高温の物体に対してPAUTを行う場合、高温の検査対象物から超音波振動子への熱の伝達を低減するために、上記バッファロッドをフェイズドアレイ探触子と検査対象物との間に介在させる構成が考えられる。しかしながら、上記バッファロッドをフェイズドアレイ探触子と検査対象物との間に介在させると、超音波の焦点位置が近距離音場限界を超え、超音波を集束できない可能性がある。すなわち、上述の構成では、検査対象物の内部を精度よく検査できないといった問題がある。
【0007】
本発明の一態様は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、超音波検査の精度を向上できる超音波検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の態様1に係る超音波検査装置は、配列した複数の超音波振動子と、前記複数の超音波振動子に対応して配置され、互いに離間して配列した、超音波を案内する複数のガイドバッファと、を備える。
【0009】
本発明の態様2に係る超音波検査装置は、上記態様1において、PAUT、PWI、またはFMC/TFMにより検査対象物の深さbまでの領域の欠陥を検査する超音波検査装置であって、前記複数の超音波振動子が出力する送信波の時間幅をΔtとし、前記複数のガイドバッファにおける前記送信波の伝搬速度の最大値および最小値をそれぞれcmaxおよびcminとするとき、前記複数のガイドバッファの前記複数の超音波振動子から延びる方向に沿った長さLは、以下の式(1)で特定されるLより大きくてもよい。
b=c(2L/cmin-L/cmax-Δt/2) (1)
【0010】
本発明の態様3に係る超音波検査装置は、上記態様1または2において、PAUT、PWI、またはFMC/TFMにより検査対象物の深さaより深い領域の欠陥を検査する超音波検査装置であって、前記複数の超音波振動子が出力する送信波の時間幅をΔtとし、前記複数のガイドバッファにおける前記送信波の伝搬速度の最大値および最小値をそれぞれcmaxおよびcminとするとき、前記複数のガイドバッファの前記複数の超音波振動子から延びる方向に沿った長さLは、以下の式(2)で特定されるLより小さくてもよい。
a=c(L/cmin-L/cmax+Δt/2) (2)
【0011】
本発明の態様4に係る超音波検査装置は、上記態様1において、FMC/TFMにより検査対象物の欠陥を検査する超音波検査装置であって、送信波を出力する超音波振動子が受信する超音波の波形をTFMの処理に含めない。
【0012】
本発明の態様5に係る超音波検査装置では、上記態様1から4において、前記複数の超音波振動子は、2次元に配列しており、前記複数のガイドバッファは、前記複数の超音波振動子に対応して2次元に配列していてもよい。
【0013】
本発明の態様6に係る超音波検査装置では、上記態様1から5において、前記複数のガイドバッファは、前記複数の超音波振動子より幅広であり、前記複数の超音波振動子に対応しない箇所で互いに接続されていてもよい。
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明の態様7に係る超音波検査方法は、超音波検査装置による超音波検査方法であって、前記超音波検査装置は、配列した複数の超音波振動子と、前記複数の超音波振動子に対応して配置され、互いに離間して配列した、超音波を案内する複数のガイドバッファと、を備え、前記複数のガイドバッファのそれぞれを介して前記検査対象物に送信波を送信する送信ステップと、前記検査対象物からの反射波を前記複数のガイドバッファのそれぞれを介して受信する受信ステップと、を含む。
【0015】
本発明の態様8に係る超音波検査方法では、上記態様7において、前記複数の超音波振動子が出力する送信波の時間幅をΔtとし、前記複数のガイドバッファにおける前記送信波の伝搬速度の最大値および最小値をそれぞれcmaxおよびcminとするとき、前記複数のガイドバッファの前記複数の超音波振動子から延びる方向に沿った長さLが、以下の式(1)で特定されるLより大きい超音波検査装置を用いて、PAUT、PWI、またはFMC/TFMにより前記検査対象物の深さbまでの領域の欠陥を検査してもよい。
b=c(2L/cmin-L/cmax-Δt/2) (1)
【0016】
本発明の態様9に係る超音波検査方法では、上記態様7または8において、前記複数の超音波振動子が出力する送信波の時間幅をΔtとし、前記複数のガイドバッファにおける前記送信波の伝搬速度の最大値および最小値をそれぞれcmaxおよびcminとするとき、前記複数のガイドバッファの前記複数の超音波振動子から延びる方向に沿った長さLが、以下の式(2)で特定されるLより小さい超音波検査装置を用いて、PAUT、PWI、またはFMC/TFMにより前記検査対象物の深さaより深い領域の欠陥を検査してもよい。
a=c(L/cmin-L/cmax+Δt/2) (2)
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によれば、超音波検査の精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態に係る超音波検査装置を示す斜視図である。
図2】検査対象物を検査している上記超音波検査装置を示す図である。
図3図2の枠Aで囲まれた部分の拡大図である。
図4】ラム波の分散曲線を示す図である。
図5】上記超音波検査装置の薄板を伝搬するラム波の分散の様子を示す図である。
図6】上記超音波検査装置の薄板と検査対象物の欠陥との位置関係を示す図である。
図7】PAUTでの界面からの反射波と欠陥からの反射波との時間関係を示す図である。
図8】PAUTでの上記超音波検査装置による検査可能範囲を示す図である。
図9】PWIでの検査対象物中を伝搬する超音波を示す図である。
図10】PWIでの界面からの反射波と欠陥からの反射波との時間関係を示す図である。
図11】PWIでの上記超音波検査装置による検査可能範囲を示す図である。
図12】他の実施形態に係る超音波検査装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔実施形態1〕
(超音波検査装置の概略構成)
図1は、実施形態1に係る超音波検査装置100を示す斜視図である。図2は、検査対象物OBを検査している超音波検査装置100を示す図である。図3は、図2の枠Aで囲まれた部分の拡大図である。図1図3に示すように、超音波検査装置100は、フェイズドアレイ探触子1と、複数の薄板2(複数のガイドバッファ)と、配線3と、信号処理装置(不図示)とを備える。超音波検査装置100は、検査対象物OBに対してフェイズドアレイ超音波探傷試験(Phased Array Ultrasonic test:PAUT)を行う装置である。
【0020】
フェイズドアレイ探触子1は、筐体11と、複数の超音波振動子12とを備える。フェイズドアレイ探触子1は、検査対象物OBの所定の位置(焦点位置)に超音波を集束させ、その反射波を受信する。フェイズドアレイ探触子1は、検査対象物OBの表面に沿って移動することにより、検査対象物OBの内部を走査する。フェイズドアレイ探触子1は、例えば、検査対象物OBの亀裂CRおよび溶接部WLにおける欠陥などの有無を検査する。
【0021】
複数の超音波振動子12は、筐体11の一側面において配列されている。具体的には、複数の超音波振動子12は、所定の方向(図1のY方向)に沿って、等間隔をあけて配列されている。複数の超音波振動子12はそれぞれ、同一構成を有し、筐体11の一側面において短冊状に形成されている。複数の超音波振動子12はそれぞれ、配線3を介して信号処理装置に電気的に接続される。
【0022】
複数の超音波振動子12は、信号処理装置からの電気信号に基づき超音波を検査対象物OBに出力する超音波出力子である。また、複数の超音波振動子12は、検査対象物OBに出力された超音波(送信波)が検査対象物OB内の欠陥などで反射された反射波を受信する超音波受信器としても機能する。複数の超音波振動子12は、例えば圧電素子である。
【0023】
複数の薄板2は、複数の超音波振動子12に対応して配置され、互いに離間して配列される。すなわち、複数の薄板2は、複数の超音波振動子12と同様に、所定の方向(図1図3のY方向)に沿って、等間隔をあけて配列される。複数の薄板2は、筐体11の一側面に対して鉛直方向(図1図3のZ方向)に延伸する直方形状の部材である。複数の薄板2はそれぞれ、一端面2aにおいて対応する超音波振動子12に接続される。また、複数の薄板2は、超音波検査の際に、他端面2bにおいて検査対象物OBの表面に当接する。すなわち、複数の薄板2は、超音波検査の際に、フェイズドアレイ探触子1と検査対象物OBとの間に介在される。
【0024】
複数の薄板2は、検査対象物OBからフェイズドアレイ探触子1への熱の伝達を低減する緩衝材である。複数の薄板2は、空冷または水冷により冷却される。複数の薄板2は、少なくとも一端面2a付近において超音波振動子の耐熱温度(60℃程度)より低くなるように冷却されるとよい。例えば、複数の薄板2の隙間に冷却風(図2の符号B参照)または冷却水を導いて、複数の薄板2を冷却してもよい。
【0025】
また、複数の薄板2はそれぞれ、対応する超音波振動子12と検査対象物OBとの間を伝送する超音波を案内する。仮に複数の超音波振動子12と検査対象物OBとの間に一塊のバッファロッドを設けた場合、超音波の焦点位置が近距離音場限界を超え、超音波を検査対象物OBの所定の位置に集束できない(バッファロッド内で拡散する)可能性がある。一方、本実施形態では、複数の超音波振動子12と検査対象物OBとの間にそれぞれ薄板2を設けており、複数の薄板2の一端面2aにそれぞれ与えた超音波は同じ速度で複数の薄板2の他端面2bまで伝搬される。そのため、近距離音場限界に起因する超音波の拡散の可能性を排除でき、超音波を検査対象物OBの所定の位置に集束させることができる。それゆえ、超音波検査の精度を向上できる。
【0026】
複数の薄板2は、例えばステンレス等の金属から作られる。放熱性の観点から、複数の薄板2は、アルミニウムから作られることが好ましい。
【0027】
複数の薄板2は、複数の超音波振動子12より幅広であり、複数の超音波振動子12に対応しない箇所で互いに接続されていてもよい。詳細には、複数の薄板2はそれぞれ、Z方向から見たときに、超音波振動子12に覆われる(超音波振動子12に対応する)対応部2cと、超音波振動子12に覆われない(超音波振動子12に対応しない)幅広部2dとを有する。幅広部2dは、複数の超音波振動子12の長手方向(図1図3のX方向)に沿った両端側に位置する。そして、複数の薄板2の隣接する幅広部2dの隙間に、隣接する幅広部2d同士を接続する接続材4が設けられている。接続材4により、複数の薄板2同士を強固に固定できる。また、接続材4は、超音波が主に伝送される対応部2cではなく幅広部2dに設けることにより、複数の薄板2同士の超音波のクロストークを抑制できる。なお、複数の薄板2は、複数の超音波振動子12の幅と略同じ幅を有していてもよい。また、複数の薄板2と複数の超音波振動子12との間に、複数の薄板2が嵌り込むスリット付きの固定具が設けられてもよい。当該固定具により、複数の薄板2をフェイズドアレイ探触子1に強固に固定できる。
【0028】
接続材4は、超音波のクロストークを抑制できるものであればよい。例えば、接続材4は、紙または樹脂等が基盤の両面テープであればよい。または、接続材4は、コルクシートであってもよい。接続材4は、金属であってもよい。
【0029】
信号処理装置は、フェイズドアレイ探触子1に時間的に制御された電気信号を送信し、フェイズドアレイ探触子1から受信した電気信号に基づき検査対象物OBの内部の画像を生成するための装置である。信号処理装置により、複数の薄板2のそれぞれを介して検査対象物OBに送信波を送信する(送信ステップ)。また、信号処理装置により、検査対象物OBからの反射波を複数の薄板2のそれぞれを介して受信する(受信ステップ)。
【0030】
以上の構成によれば、複数の薄板2をそれぞれ、対応する超音波振動子12と検査対象物OBとの間に介在させることができる。それゆえ、超音波検査装置100は、高温の物体に対してPAUTを行う場合であっても、検査対象物OBからフェイズドアレイ探触子1への熱の伝達を低減しつつ、超音波を検査対象物OBの所定の位置に集束させることができる。したがって、高温の物体に対してPAUTを行う場合であっても、検査対象物OBの内部を精度よく検査できる。
【0031】
なお、本実施形態では、超音波検査装置100が行う超音波検査の一例として、上述のPAUTを説明した。しかしながら、超音波検査装置100が行う超音波検査法としてはこれに限定されない。例えば、超音波検査装置100は、平面波イメージング(PWI)、またはFMC/TFM(Full Matrix Capture and Total Focusing Method)等により超音波検査を行ってもよい。PWIでは、各超音波振動子12から同時に超音波を射出することで、検査対象物OB中に平面波を伝搬させる。この平面入射波に対する欠陥からの反射波を各超音波振動子12で個別に受信して、遅延アルゴリズムにより画像化を行う。FMCは、1つの超音波振動子12から射出した超音波に対する欠陥からの反射波を全ての(N個の)超音波振動子12で受信するという処理を全ての超音波振動子12に対して繰り返し、N×N個の波形を収録する手法である。TFMは、当該N×N個の波形を使って、疑似的な超音波の集束および画像化を行う信号処理方法である。
【0032】
(超音波検査装置による検査可能範囲)
超音波検査装置100による検査可能領域(Region Of Interest:ROI)について、図4図8を参照して以下に説明する。
【0033】
図4は、ラム波の分散曲線を示す図である。ラム波とは、長尺の固体材料内を長手方向に伝搬するガイド波の中で、特に薄板(当該ガイド波の波長以下の厚みを有する固体材料)を伝搬する超音波のことである。分散曲線とは、ガイド波の伝搬速度(群速度c)の周波数依存性を示すグラフである。ラム波は、この分散曲線に従って伝搬する。なお、図4は、薄板がステンレスから作られている場合のラム波の群速度分散曲線を示す。薄板が金属製である限り、ラム波の分散曲線は同様の挙動を示す。
【0034】
図4の符号4001は、各モードのラム波の分散曲線を示すグラフである。図4の符号4002は、低fd領域におけるS0モードのラム波の振動を示す模式図である。図4の符号4003は、A0モードのラム波の振動を示す模式図である。図4の符号4001のグラフにおいて、縦軸はラム波の群速度c[mm/μs]を、横軸はラム波の周波数fと超音波振動子の膜厚d(Y方向の寸法)との積fd[MHz・mm]を表す。
【0035】
低fd領域において、S0モードは、縦振動であり、その振動分布は断面中心軸に対し対称なモードとなっている。A0モードは、伝搬方向に対し、垂直な方向の振動が支配的であり、その振動分布は断面中心軸に対し反対称なモードとなっている。それぞれSモード、Aモードには次数の大きなモード(A1、S1、A2、S2など)があるが、当該次数の大きなモードは、A1カットオフ周波数を超えた高いfd領域に存在し、多くのモードと重畳して存在する。そのため、波動伝搬が複雑になり、利用されることはあまり多くない。
【0036】
以下、薄板2の一端面2aに縦波の超音波を入射した場合を考える。このとき、薄板2内には図4の符号4002のようなS0モードのラム波が伝搬する。なお、A0モードは、薄板2の一端面2aに入射した振動と異なる方向に振動するモードなので、ほとんど励振されない。
【0037】
図5は、薄板2を伝搬するラム波の分散の様子を示す図である。図5の符号5001は、薄板2の一端面2aに与えられたラム波(入射波)の時間波形を示すグラフである。図5の符号5002は、当該ラム波の周波数スペクトルを示すグラフである。図5の符号5003は、薄板2の一端面2aから距離Lだけ伝搬したラム波(伝搬波)の時間波形を示すグラフである。
【0038】
図5の符号5001に示すように、入射波は、時間幅Δtを有するパルス波である。図5の符号5002に示すように、入射波の周波数スペクトルは、ピーク周波数fpeakおよび半値幅Δfを有する。ここで、入射波は、低fd領域におけるS0モードのラム波であり、例えばfpeak×d=1[MHz・mm]とする。このとき、図4の符号4001に示すグラフに従って、入射波は、群速度の最大値cmaxと最小値cminとを有することとなる。
【0039】
ラム波は、このように周波数によって音速が異なるため、図5の符号5001に示すようなパルス波の波形は伝搬するにつれ、波形をくずして広がっていくことが知られている。例えば、図5の符号5001に示すパルス波形がt=0に入射されるとする。このとき、図5の符号5003に示すように、伝搬波の時間波形の先頭は、t=L/cmaxであり、最後尾は、t=L/cmin+Δtと見積もることができる。
【0040】
複数の超音波振動子による受信波形を用いた検査対象物OBの内部の画像化手法は、種々の方法が開発されている。以下、3つの主な画像化手法(上述のPAUT、PWI、およびFMC/TFM)を用いた場合における超音波検査装置100のROIについて説明する。
1.PAUTによる画像化の場合
【0041】
図6は、薄板2と検査対象物OBの欠陥との位置関係を示す図である。図6に示すように、薄板2の超音波振動子12から延びる方向(図1図3のZ方向)に沿った長さを薄板長さLとする。また、検査対象物OBの欠陥から最も近くの薄板(第1薄板21)の他端面2bと検査対象物OBの欠陥との距離を最短距離aとする。また、検査対象物OBの欠陥から最も遠くの薄板(第2薄板22)の他端面2bと検査対象物OBの欠陥との距離を最長距離bとする。また、検査対象物OB中を伝搬する波の音速をcとする。検査対象物OB中を伝搬する波は、通常は縦波だが、横波も考えうる。
【0042】
超音波振動子12において検出される反射波としては、検査対象物OBの欠陥からの反射波(欠陥反射波Rd)に加えて、薄板2と検査対象物OBとの界面からの反射波(界面反射波)が存在し得る。界面反射波は、薄板2内を1往復した反射波(第1界面反射波R1)と、薄板2内を2往復した反射波(第2界面反射波R2)とを含む。欠陥反射波Rdを適切に検出するためには、このような界面反射波を欠陥反射波Rdから分離させることが重要である。
【0043】
図7は、PAUTでの界面反射波と欠陥反射波Rdとの時間関係を示す図である。図7の符号7001は、第1薄板21に連結している超音波振動子12において検出される欠陥反射波Rdおよび界面反射波の時間波形を示すグラフである。図7の符号7002は、第2薄板22に連結している超音波振動子12において検出される欠陥反射波Rdおよび界面反射波の時間波形を示すグラフである。
【0044】
図7に示すように、界面反射波を欠陥反射波Rdから分離させるためには、超音波振動子12において、第1界面反射波R1、欠陥反射波Rd、第2界面反射波R2の順に検出されればよい。すなわち、第1薄板21に対応する超音波振動子12において欠陥反射波Rdを適切に検出するために、以下の式(3)および式(4)が成り立てばよい。
2L/cmin+Δt<2L/cmax+2a/c (3)
2L/cmin+2a/c+Δt<4L/cmax (4)
また、第2薄板22に対応する超音波振動子12において欠陥反射波Rdを適切に検出するために、以下の式(5)および式(6)が成り立てばよい。
2L/cmin+Δt<2L/cmax+2b/c (5)
2L/cmin+2b/c+Δt<4L/cmax (6)
上記式(3)~式(6)をまとめると、
a>c(L/cmin-L/cmax+Δt/2)(≡a) (7)
b<c(2L/cmin-L/cmax-Δt/2)(≡b) (8)
が良好な、欠陥検出が可能な条件となる。
【0045】
一般に欠陥までの最短距離a、最長距離bは分からないので、ここでは、画像化したい領域までの最短距離、最長距離と置き換えて考えることができる。すなわち、欠陥反射波Rdが第1界面反射波R1と第2界面反射波R2との間に現れないといけないという上記条件式(式(7)および式(8))から、適切な薄板長さL、fd領域(cmaxとcminとの差)、および検査可能領域ROI(最短距離a、最長距離b)が決定される。
【0046】
図8は、PAUTでの超音波検査装置100による検査可能範囲ROIを示す図である。式(7)および式(8)を満たす検査可能領域ROIは、図8の領域Dとなる。すなわち、PAUTでの検査可能領域ROIは、複数の薄板2と検査対象物OBとの接触面のあらゆる位置からaより離れた位置であり、かつ複数の薄板2と検査対象物OBとの接触面のあらゆる位置から最長距離bより近い範囲内の領域である。PAUTでの検査可能領域ROIは、おおむね当該接触面から深さa以上、b未満の領域である。
【0047】
上記式(7)および式(8)から、PAUTにおいて超音波検査装置100が検査対象物OBの所定の領域を検査するための、適切な薄板長さLの条件が決定される。すなわち、PAUTにおいて超音波検査装置100が少なくとも検査対象物OBの深さbまでの領域の欠陥を検査する場合、薄板長さLは、以下の式(9)で特定されるLより大きければよい。
b=c(2L/cmin-L/cmax-Δt/2) (9)
また、PAUTにおいて超音波検査装置100が少なくとも検査対象物OBの深さaよりも深い領域の欠陥を検査する場合、薄板長さLは、以下の式(10)で特定されるLより小さければよい。
a=c(L/cmin-L/cmax+Δt/2) (10)
2.PWIによる画像化の場合
【0048】
図9は、PWIでの検査対象物OB中を伝搬する超音波を示す図である。図9に示すように、PWIでは、薄板2から検査対象物OBに入射する入射波は、検査対象物OB内を平面波として伝搬し、欠陥からの散乱波を各超音波振動子12で個別に受信する。検査可能領域ROIとなりうるのは、平面波が伝搬する複数の薄板2の他端面2bから垂直方向のみである。以下、検査対象物OBの欠陥の深さをdとする。
【0049】
第1薄板21に連結している超音波振動子12が受信する欠陥反射波Rdは、第1薄板21を距離Lだけ伝搬した後、検査対象物OB中を音速cで往復距離2dだけ伝搬し、再度、第1薄板21を距離Lだけ伝搬する。第2薄板22に連結している超音波振動子12が受信する欠陥反射波Rdは、第2薄板22を距離Lだけ伝搬した後、検査対象物OB中の欠陥まで音速cで距離dだけ平面波として伝搬して散乱し、第2薄板22までの距離bだけ伝搬し、再度、第2薄板22を距離Lだけ伝搬して受信される。
【0050】
図10は、PWIでの界面反射波と欠陥反射波Rdとの時間関係を示す図である。図10の符号10001は、第1薄板21に連結している超音波振動子12において検出される欠陥反射波Rdおよび界面反射波の時間波形を示すグラフである。図10の符号10002は、第2薄板22に連結している超音波振動子12において検出される欠陥反射波Rdおよび界面反射波の時間波形を示すグラフである。
【0051】
PAUTと同様に、図10に示すように、界面反射波を欠陥反射波Rdから分離させるためには、超音波振動子12において、第1界面反射波R1、欠陥反射波Rd、第2界面反射波R2の順に検出されればよい。PAUTと同様の計算により、欠陥検出が可能な以下の条件式(11)および条件式(12)が導出される。
d>c(L/cmin-L/cmax+Δt/2)(≡d) (11)
d+b<c(4L/cmin-2L/cmax-Δt) (12)
【0052】
d<bであるので、式(10)のdをbに置き換えた以下の式(13)は、式(12)の十分条件として成立している。
b<c(2L/cmin-L/cmax-Δt/2)(≡b) (13)
すなわち、式(13)としてbの範囲を近似的に陽に示すことができる。
【0053】
図11は、PWIでの超音波検査装置100による検査可能範囲ROIを示す図である。式(11)および式(13)を満たす領域は、図11の領域D2となる。したがって、式(11)および式(12)を満たす検査可能領域ROIは、図11の領域D2より少しだけ広い範囲となる。すなわち、PWIでの検査可能領域ROIは、おおむね当該接触面から深さd以上、b未満の領域を含む。
【0054】
なお、上記式(7)および式(11)を比較すると、a=dであることが分かる。すなわち、PAUTとPWIとで、超音波検査装置100が調査可能な接触面から深さは略等しい。したがって、PWIにおいて超音波検査装置100が検査対象物OBの所定の領域を検査するための、適切な薄板長さLの条件は、近似的に、PAUTと同様であるといえる。
3.FMC/TFMによる画像化の場合
【0055】
FMC/TFMでは、1つの超音波振動子12から射出した超音波の波形を全ての超音波振動子12で受信する。これを超音波検査装置100に適用した場合、超音波を射出した超音波振動子12と接合している薄板のみにおいて界面反射波が発生しており、その他の薄板には界面反射波は発生しない。そのため、超音波を射出した超音波振動子12のみにおいて欠陥反射波Rdから界面反射波の分離を考えればよい。つまり、式(7)および式(8)を満たすことが必要十分条件である。したがって、FMC/TFMにおいて超音波検査装置100が検査対象物OBの所定の領域を検査するための、適切な薄板長さLの条件は、PAUTと同様である。
【0056】
以上をまとめると、超音波検査装置100がPAUT、PWI、またはFMC/TFMにより、少なくとも検査対象物OBの深さbまでの領域の欠陥を検査する場合、薄板長さLは、上記式(9)で特定されるLより大きければよい。また、PAUT、PWI、およびFMC/TFMにおいて、超音波検査装置100が少なくとも検査対象物OBの深さaよりも深い領域の欠陥を検査する場合、薄板長さLは、上記式(10)で特定されるLより小さければよい。
【0057】
ただし、FMC/TFMにおいて、超音波を射出した超音波振動子12において受信した超音波の波形を、TFMの処理に含めなくてもよい。これにより、界面反射波の影響をなくすことができる。すなわち、検査対象物の深さに応じて薄板長さLを合わせる必要なく、超音波検査の精度を向上できる。また、超音波を射出した超音波振動子12に隣接する超音波振動子12でもクロストーク(隣接した超音波振動子12間の波形の漏れ)により界面反射波を受信することがある。そのため、超音波を射出した超音波振動子12に隣接する超音波振動子12が受信する超音波の波形もTFMの処理に含めないようにすることで、界面反射波の影響を受けない画像処理が可能となる。
【0058】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0059】
図12は、実施形態2に係る超音波検査装置100Aを示す斜視図である。超音波検査装置100Aは、フェイズドアレイ探触子1Aが後述する複数の超音波振動子12Aを備える点で、超音波検査装置100と相違する。また、超音波検査装置100Aは、複数の薄板2に代えて、複数の細棒2A(複数のガイドバッファ)を備える点でも、超音波検査装置100Aと相違する。
【0060】
複数の超音波振動子12Aは、筐体11の一側面において2次元に(図12のXY方向に)配列されている。具体的には、複数の超音波振動子12Aは、同一構成を有し、筐体11の一側面において矩形状に形成されている。複数の超音波振動子12Aはそれぞれ、配線3を介して信号処理装置に電気的に接続される。なお、図12において、配線3の図示を省略している。
【0061】
複数の細棒2Aは、複数の超音波振動子12Aに対応して2次元に配列している。複数の細棒2Aは、筐体11の一側面に対して鉛直方向(図12のZ方向)に延伸する直方形状の部材である。複数の細棒2Aはそれぞれ、一端面において対応する超音波振動子12Aに接続される。複数の細棒2Aは、超音波検査の際に、他端面において検査対象物OBの表面に当接する。すなわち、複数の細棒2Aは、超音波検査の際に、フェイズドアレイ探触子1Aと検査対象物OBとの間に介在される。複数の細棒2Aは、実施形態1における複数の薄板2と同様に、超音波を案内し、フェイズドアレイ探触子1への熱の伝達を低減するガイドバッファとしての機能を有する。
【0062】
複数の細棒2Aと複数の超音波振動子12Aとの間に、複数の細棒2Aが嵌り込む孔付きの固定具が設けられてもよい。当該固定具により、複数の細棒2Aをフェイズドアレイ探触子1Aに強固に固定できる。複数の細棒2A同士を接着することにより、強固に固定してもよい。
【0063】
上記の構成によれば、複数の超音波振動子12Aを2次元に配列することにより、超音波検査の精度をさらに向上できる。
【0064】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
2 複数の薄板(複数のガイドバッファ)
2A 複数の細棒(複数のガイドバッファ)
2d 幅広部
12、12A 超音波振動子
100、100A 超音波検査装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12