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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169310
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】パターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/32 20060101AFI20241128BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G03F7/32
G03F7/004 531
G03F7/004
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024059398
(22)【出願日】2024-04-02
(31)【優先権主張番号】10-2023-0066535
(32)【優先日】2023-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2024-0037581
(32)【優先日】2024-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲ほ▼ 鍾 必
(72)【発明者】
【氏名】文 炯 朗
(72)【発明者】
【氏名】韓 承
(72)【発明者】
【氏名】金 兌 鎬
(72)【発明者】
【氏名】朴 景 鈴
(72)【発明者】
【氏名】朴 時 均
(72)【発明者】
【氏名】郭 澤 秀
(72)【発明者】
【氏名】朴 慶 熏
(72)【発明者】
【氏名】宋 明 洙
(72)【発明者】
【氏名】▲はい▼ 鎭 希
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲みん▼ 秀
【テーマコード(参考)】
2H196
2H225
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196BA01
2H196BA13
2H196GA03
2H196GA05
2H225AB03
2H225AM61P
2H225AN11P
2H225AN80P
2H225CA12
2H225CB14
2H225CC01
2H225CD05
(57)【要約】
【課題】金属含有レジスト組成物を塗布してレジストパターンを形成する現像工程を含むパターン形成方法を提供する。
【解決手段】基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する工程;乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理工程;パターン化されたマスクを利用して金属含有レジスト膜を露光する工程;ならびに現像液組成物を塗布し未露光領域を除去してレジストパターンを形成する現像工程を含み、現像工程後の前記金属含有レジスト膜の厚さは、前記現像工程前の前記金属含有レジスト膜の厚さに対して5~100%増加したものであり、前記現像工程後の前記金属含有レジスト膜の表面には、リン元素および硫黄元素の少なくとも一方が5~20at%の含有量で含まれる、パターン形成方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する工程;
乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理工程;
パターン化されたマスクを利用して金属含有レジスト膜を露光する工程;ならびに
現像液組成物を塗布して未露光領域を除去してレジストパターンを形成する現像工程、
を含み、
前記現像工程後の前記金属含有レジスト膜の厚さは、前記現像工程前の前記金属含有レジスト膜の厚さに対して5~100%増加したものであり、
前記現像段階後の前記金属含有レジスト膜の表面には、リン元素および硫黄元素の少なくとも一方が5~20at%の含有量で含まれる、パターン形成方法。
【請求項2】
前記現像液組成物は、リン酸化合物、亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、およびスルホン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む添加剤、ならびに有機溶媒を含む、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項3】
前記添加剤は、前記現像液組成物の総質量に対して0.01~1.0質量%の含有量で含まれる、請求項2に記載のパターン形成方法。
【請求項4】
前記亜リン酸系化合物は、ホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、n-オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、アミノメチルホスホン酸、メチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、1-アミノ1-ホスホノオクチルホスホン酸、エチドロン酸、2-アミノエチルホスホン酸、3-アミノプロピルホスホン酸、4-メチルフェニルホスホン酸、3-メチルフェニルホスホン酸、2-メチルフェニルホスホン酸、4-アミノフェニルホスホン酸、3-アミノフェニルホスホン酸、2-アミノフェニルホスホン酸、3-ヒドロキシフェニルホスホン酸、4-ヒドロキシフェニルホスホン酸、2-ヒドロキシフェニルホスホン酸、6-ヒドロキシヘキシルホスホン酸、デシルホスホン酸、ジホスホン酸、メチレンジホスホン酸、ニトリロトリメチレントリホスホン酸、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクタンホスホン酸、シクロヘキシルメチルホスホン酸、2-チエニルメチルホスホン酸、4-フルオロフェニルホスホン酸、およびベンジルホスホン酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項2に記載のパターン形成方法。
【請求項5】
前記次亜リン酸系化合物は、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸、ホスフィン酸、ビス(ヒドロキシメチル)ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、およびp-(3-アミノプロピル)-p-ブチルホスフィン酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項2に記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記スルホン酸系化合物は、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-ドデシルベンゼンスルホン酸、1,4-ナフタレンジスルホン酸、メタンスルホン酸、フェニルメタンスルホン酸、1-オクタンスルホン酸、4-エテニルベンゼンスルホン酸、2-メチルベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、2,5-ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4-ジメチルベンゼンスルホン酸、アリルスルホン酸、1-ブタンスルホン酸、1-プロパンスルホン酸、2-プロパンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、およびヘプタンスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項2に記載のパターン形成方法。
【請求項7】
前記金属含有レジスト組成物に含まれる金属化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物の少なくとも一方を含む、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項8】
前記金属含有レジスト組成物に含まれる金属化合物は、下記化学式1で表される化合物またはその縮合物を含む、請求項1に記載のパターン形成方法:
【化1】

前記化学式1中、
は、置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換または非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換または非置換の炭素数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、およびL-O-R(ここでLは、置換または非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは、置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基である)から選択され、
~Rは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換または非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換または非置換の炭素数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、-OR、および-OC(=O)Rの中から選択され、かつR~Rのうちの少なくとも1つは、-ORおよび-OC(=O)Rの中から選択され、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換または非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体産業では、臨界サイズの継続的な縮小が起こり、このようなサイズ縮小により、ますます小さいフィーチャ(feature)の加工およびパターニングの要求を満たすための、新たなタイプの高性能フォトレジスト材料およびパターニング方法が求められている。
【0003】
伝統的な化学増幅型(chemically amplified、CA)フォトレジストは、高い感度のために設計されたが、それらの典型的な元素構成(主に、さらに少量の酸素元素(O)、フッ素元素(F)、硫黄元素(S)を有する、炭素元素(C))が13.5nmの波長でフォトレジストの吸光度を低下させ、その結果、感度が低下させるため、部分的にはEUV露光下でさらに難しくなる可能性がある。CAフォトレジストは、また、小さいフィーチャ大きさによる粗度(roughness)の問題によって困難となり、部分的に酸触媒工程の本質に起因して、光速度(photospeed)が減少することによって、LER(line edge roughness)が増加するのが実験的に現れた。CAフォトレジストの欠点および問題に起因して、半導体産業では新たなタイプの高性能フォトレジストに対する要求がある。
【0004】
特にフォトリソグラフィ工程において、優れたエッチング耐性および解像力を保障すると同時に、感度およびCD(critical dimension)の均一度を向上させることができ、LER特性を改善できるフォトレジストの開発が必要となる実情がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、金属含有レジスト組成物を塗布してレジストパターンを形成する現像工程を含むパターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るパターン形成方法は、基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する工程;乾燥および加熱して上記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理工程;パターン化されたマスクを利用して上記金属含有レジスト膜を露光する工程;および現像液組成物を塗布して上記金属含有レジスト膜の未露光領域を除去して、レジストパターンを形成する現像工程を含み、
上記現像工程後の上記金属含有レジスト膜の厚さは、上記現像工程前の上記金属含有レジスト膜の厚さに対して、5~100%増加したものであり、
上記現像工程後の上記金属含有レジスト膜の表面には、リン元素および硫黄元素の少なくとも一方が5~20at%の含有量で含まれる。
【0007】
上記現像液組成物は、リン酸化合物、亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、およびスルホン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む添加剤、ならびに有機溶媒を含むことができる。
【0008】
上記添加剤は、現像液組成物の総質量100質量%に対して、0.01~10質量%で含まれることができる。
【0009】
上記亜リン酸系化合物は、ホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、n-オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、アミノメチルホスホン酸、メチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、1-アミノ1-ホスホノオクチルホスホン酸、エチドロン酸、2-アミノエチルホスホン酸、3-アミノプロピルホスホン酸、4-メチルフェニルホスホン酸、3-メチルフェニルホスホン酸、2-メチルフェニルホスホン酸、4-アミノフェニルホスホン酸、3-アミノフェニルホスホン酸、2-アミノフェニルホスホン酸、3-ヒドロキシフェニルホスホン酸、4-ヒドロキシフェニルホスホン酸、2-ヒドロキシフェニルホスホン酸、6-ヒドロキシヘキシルホスホン酸、デシルホスホン酸、ジホスホン酸、メチレンジホスホン酸、ニトリロトリメチレントリホスホン酸、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクタンホスホン酸、シクロヘキシルメチルホスホン酸、2-チエニルメチルホスホン酸、4-フルオロフェニルホスホン酸、およびベンジルホスホン酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0010】
上記次亜リン酸系化合物は、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸、ホスフィン酸、ビス(ヒドロキシメチル)ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、およびp-(3-アミノプロピル)-p-ブチルホスフィン酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0011】
上記スルホン酸系化合物は、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-ドデシルベンゼンスルホン酸、1,4-ナフタレンジスルホン酸、メタンスルホン酸、フェニルメタンスルホン酸、1-オクタンスルホン酸、4-エテニルベンゼンスルホン酸、2-メチルベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、2,5-ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4-ジメチルベンゼンスルホン酸、アリルスルホン酸、1-ブタンスルホン酸、1-プロパンスルホン酸、2-プロパンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、およびヘプタンスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種でありうる。
【0012】
上記金属含有レジスト組成物に含まれる金属化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物の少なくとも一方を含むことができる。
【0013】
上記金属化合物は、下記化学式1で表される化合物またはその縮合物を含むことが好ましい。
【0014】
【化1】
【0015】
上記化学式1中、
は、置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換または非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換または非置換の炭素数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、およびL-O-R(ここでLは、置換または非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは、置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基である)から選択され、
~Rは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換または非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換または非置換の炭素数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、-OR、および-OC(=O)Rの中から選択され、かつR~Rのうちの少なくとも1つは、-OR および-OC(=O)Rの中から選択され、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、金属含有レジスト組成物を塗布してレジストパターンを形成する現像工程を含むパターン形成方法が提供されうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のパターン形成方法を説明するための、工程順に合わせて示した断面概略図である。
図2】本発明のパターン形成方法を説明するための、工程順に合わせて示した断面概略図である。
図3】本発明のパターン形成方法を説明するための、工程順に合わせて示した断面概略図である。
図4】現像工程後の金属含有レジスト膜の厚さを比較した走査電子顕微鏡写真を示す図である。
図5】現像工程後の金属含有レジスト膜のXPS分析の結果を示すグラフである。
図6】現像工程後のレジストパターンを示す走査電子顕微鏡写真を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明すると以下の通りである。ただし、本発明を説明するにあたり、既に公知の機能あるいは構成についての説明は、本記載の要旨を明確にするために省略することにする。
【0019】
本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書全体を通じて同一または類似の構成要素については、同一の参照符号を付けるようにした。また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明が必ずしも図示されたものに限定されるわけではない。
【0020】
図面において、複数の層および領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示した。また、図面から説明の便宜上、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分が、他の部分「の上」にまたは「上」にある場合、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。
【0021】
本明細書において、「置換」とは、水素原子が、重水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキルアミノ基、ニトロ基、置換もしくは非置換の炭素数1~40の有機シリル基、炭素数1~30のアルキル基、炭素数1~10のハロアルキル基、炭素数1~10のアルキルシリル基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数1~20のアルコキシ基、またはシアノ基で置換されたことを意味する。「非置換」とは、水素原子が他の置換基で置換されず、水素原子のままであることを意味する。
【0022】
本明細書において、「アルキル基」とは、別途の定義がない限り、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は、いかなる二重結合や三重結合を含まない「飽和アルキル基」であってもよい。
【0023】
上記アルキル基は、炭素数1~20のアルキル基であってもよい。より具体的に、アルキル基は炭素数1~10のアルキル基または炭素数1~6のアルキル基であってもよい。例えば、炭素数1~4のアルキル基は、アルキル鎖に1~4個の炭素原子を含まれることを意味し、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、およびtert-ブチル基からなる群より選択されることを示す。
【0024】
上記アルキル基または下記シクロアルキル基は、具体例な例として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0025】
本明細書において、「シクロアルキル基」とは、別途の定義がない限り、1価の環状脂肪族炭化水素基を意味する。
【0026】
本明細書において、「アルケニル基」とは、別途の定義がない限り、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基であって、1つ以上の二重結合を含む脂肪族不飽和アルケニル基を意味する。
【0027】
本明細書において、「アルキニル基」とは、別途の定義がない限り、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基であって、1つ以上の三重結合を含む脂肪族不飽和アルキニル基を意味する。
【0028】
本明細書において、「アリール基」とは、環状の置換基の全ての元素がp-軌道を有し、これらのp-軌道が共役を形成している置換基を意味し、単環式または縮合多環式(すなわち、炭素原子の隣接する対を共有する環)官能基を含む。
【0029】
以下、本発明の一実施形態に係るパターン形成方法を、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0030】
本発明の一実施形態に係るパターン形成方法は、基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する工程、乾燥および加熱して上記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理工程、パターン化されたマスクを利用して金属含有レジスト膜を露光する工程、および現像液組成物を塗布して金属含有レジスト膜の未露光領域を除去してレジストパターンを形成する現像工程を含み、
現像工程後の金属含有レジスト膜の厚さは、現像工程前の金属含有レジスト膜の厚さに対して5~100%増加したものであり、
現像工程後の金属含有レジスト膜の表面には、リン元素および硫黄元素の少なくとも一方が5~20at%で含まれる。
【0031】
レジストのスペース間隔を減らすためにマスクパターン間の間隔を狭くする場合には、露光時の光の回折によって、レジストパターンのラインの間にブリッジが生じ、これによってLERが増加する問題が発生する。
【0032】
また、溶解性の高い現像液を使用する場合には、同じ照射エネルギーであっても、スペースの間隔が広くなり、これとは反対に、溶解性が低い現像液を使用する場合には、スペースの一部に未溶解分が残留して、ライン間にブリッジを引き起こす可能性がある。
【0033】
しかし、本発明によるパターン形成方法によって形成されたレジストパターンは、現像工程後の金属含有レジスト膜の表面に、リン元素および硫黄元素のうち少なくとも一方が5~20at%で含まれることによって、現像工程後の金属含有レジスト膜の厚さが現像工程前の金属含有レジスト膜の厚さに対して5~100%増加する。したがって、ブリッジなしにスペース間隔を減らす効果を実現することができ、LER特性を改善することができる。
【0034】
現像液の成分中に含まれるリン元素(P)、硫黄元素(S)成分がレジスト表面に吸着して、パターンの形態を維持しながらパターンの厚さを増加させ、結果的にスペース間隔を減らすようになる。
【0035】
より具体的に、金属含有レジスト組成物を使用してパターンを形成する工程は、金属含有レジスト組成物を、薄膜が形成された基板上に、スピンコーティング、スリットコーティング、インクジェット印刷などの方法で塗布する工程、および塗布された金属含有レジスト組成物を乾燥して金属含有レジスト膜を形成する工程を含むことができる。金属含有レジスト組成物は、スズベース化合物を含むことができ、例えば、スズベース化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物の少なくとも一方を含むことができる。
【0036】
例えば、金属含有レジスト組成物に含まれる金属化合物は、下記化学式1で表される化合物またはその縮合物を含むことが好ましい。
【0037】
【化2】
【0038】
上記化学式1中、
は、置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換または非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換または非置換の炭素数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、およびL-O-R(ここでLは、置換または非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは、置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基である)から選択され、
~Rは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換または非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換または非置換の炭素数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、-OR、および-OC(=O)Rの中から選択され、かつR~Rのうちの少なくとも1つは、-OR、および-OC(=O)Rの中から選択され、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0039】
上記化学式1中のRおよびRは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基でありうる。
【0040】
また、金属含有レジスト組成物に含まれる金属化合物は、上記化学式1で表される化合物の縮合物を含んでもよい。
【0041】
続いて、金属含有レジスト膜が形成されている基板を加熱する第1熱処理工程を行う。第1熱処理工程は、80℃~120℃の温度で行うことができ、この過程で溶媒は蒸発し、金属含有レジスト膜は、基板にさらに固く接着され得る。
【0042】
そして、上記金属含有レジスト膜を、パターン化されたマスクを利用して選択的に露光する。
【0043】
例えば、露光工程で用いることができる光の例としては、i-線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)等の短波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme Ultra Violet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光などが挙げられる。
【0044】
より具体的に、一実施形態に係る露光用光は、5nm~150nmの波長範囲を有する短波長光であってもよく、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光であってもよい。
【0045】
レジストパターンを形成する工程において、ネガ型パターンを形成することができる。
【0046】
金属含有レジスト膜のうち露光された領域は、有機金属化合物間の縮合などの架橋反応によってポリマーを形成することによって、金属含有レジスト膜の未露光領域と互いに異なる溶解度を有するようになる。
【0047】
続いて、基板に第2熱処理工程を行う。第2熱処理工程は、90℃~200℃の温度で行うことができる。第2熱処理工程を行うことによって、金属含有レジスト膜の露光された領域は、現像液に溶解し難い状態となる。
【0048】
続いて、現像液組成物を用いて現像する工程を行う。
【0049】
具体的に、現像液組成物を塗布して未露光領域に当該する金属含有レジスト膜を溶解した後に除去することによって、ネガティブトーンイメージに相当するレジストパターンが完成する。
【0050】
図1図3は、本発明のパターン形成方法を説明するための、工程順に合わせて示した断面概略図である。
【0051】
図1を参照すると、露光された金属含有レジスト膜を現像してレジストパターン130Pを形成する。
【0052】
例示的な実施形態において、露光された金属含有レジスト膜を現像して金属含有レジスト膜の未露光領域を除去し、金属含有レジスト膜の露光された領域からなるレジストパターン130Pを形成することができる。レジストパターン130Pは、複数の開口部(OP)を含むことができる。
【0053】
例示的な実施形態において、金属含有レジスト膜の現像はNTD(negative-tone development)工程で行うことができる。この時、現像液組成物として、本発明の一実施形態に係る、金属含有レジスト用の現像液組成物を使用することができる。
【0054】
図2を参照すると、図1の結果物であるレジストパターン130Pを利用してフィーチャ層110を加工する。
【0055】
例えば、フィーチャ層110を加工するために、レジストパターン130Pの開口部(OP)を介して、露出するフィーチャ層110をエッチングする工程、フィーチャ層110に不純物イオンを注入する工程、開口部(OP)を介してフィーチャ層110上に追加的な膜を形成する工程、開口部(OP)を介してフィーチャ層110の一部を変形させる工程、など多様な工程を行うことができる。図2には、フィーチャ層110を加工する例示的な工程として、開口部(OP)を介して露出するフィーチャ層110をエッチングして、フィーチャパターン110Pを形成することを示した。
【0056】
図3を参照すると、図2の結果物においてフィーチャパターン110P上に残っているレジストパターン130Pを除去する。レジストパターン130Pを除去するために、アッシング(ashing)およびストリップ(strip)工程を利用することができる。
【0057】
一実施形態によると、現像工程後の金属含有レジスト膜の厚さは、現像工程前の金属含有レジスト膜の厚さに対して5~100%増加したものでありうる。
【0058】
現像工程後の金属含有レジスト膜の厚さは、レジストパターンの表面にリン元素および硫黄元素の少なくとも一方が含まれることによって、増加したものでありうる。
【0059】
例えば、リン元素および硫黄元素の少なくとも一方は、5~20at%で含まれ得る。
【0060】
例えば、現像液組成物は、リン酸化合物、亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、およびスルホン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む添加剤、ならびに有機溶媒を含むことができる。
【0061】
現像工程後の金属含有レジスト膜の表面に含まれているリン元素および硫黄元素は、現像液組成物の添加剤に由来したものでありうる。
【0062】
上記添加剤は、現像液組成物の総質量100質量%に対して0.01~10質量%で含まれ得る。具体的には、当該添加剤の含有量は、現像液組成物の総質量100質量%に対して、0.01~7質量%、0.01~5質量%、0.01~3質量%、または0.01~1質量%であり得る。
【0063】
例えば、上記亜リン酸系化合物は、ホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、n-オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、アミノメチルホスホン酸、メチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、1-アミノ1-ホスホノオクチルホスホン酸、エチドロン酸、2-アミノエチルホスホン酸、3-アミノプロピルホスホン酸、4-メチルフェニルホスホン酸、3-メチルフェニルホスホン酸、2-メチルフェニルホスホン酸、4-アミノフェニルホスホン酸、3-アミノフェニルホスホン酸、2-アミノフェニルホスホン酸、3-ヒドロキシフェニルホスホン酸、4-ヒドロキシフェニルホスホン酸、2-ヒドロキシフェニルホスホン酸、6-ヒドロキシヘキシルホスホン酸、デシルホスホン酸、ジホスホン酸、メチレンジホスホン酸、ニトリロトリメチレントリホスホン酸、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクタンホスホン酸、シクロヘキシルメチルホスホン酸、2-チエニルメチルホスホン酸、4-フルオロフェニルホスホン酸、およびベンジルホスホン酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0064】
例えば、上記次亜リン酸系化合物は、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸、ホスフィン酸、ビス(ヒドロキシメチル)ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、およびp-(3-アミノプロピル)-p-ブチルホスフィン酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0065】
例えば、上記スルホン酸系化合物は、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-ドデシルベンゼンスルホン酸、1,4-ナフタレンジスルホン酸、メタンスルホン酸、フェニルメタンスルホン酸、1-オクタンスルホン酸、4-エテニルベンゼンスルホン酸、2-メチルベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、2,5-ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4-ジメチルベンゼンスルホン酸、アリルスルホン酸、1-ブタンスルホン酸、1-プロパンスルホン酸、2-プロパンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、およびヘプタンスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種でありうる。
【0066】
現像液組成物に含まれる有機溶媒の例としては、エーテル、アルコール、グリコールエーテル、芳香族炭化水素化合物、ケトン、およびエステルからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、有機溶媒は、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、4-メチル-2-ペンタノール(または、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)と記載できる)、ヘキサノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘプタノン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタン、シクロヘキサン、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ-ブチロラクトン、メチル-2-ヒドロキシイソブチレート、メトキシベンゼン、酢酸n-ブチル、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、メトキシエトキシプロピオネート、エトキシエトキシプロピオネート、またはこれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
後述するその他の添加剤を含む場合、上記有機溶媒は含まれる構成を除いた残部量で含むことができる。
【0068】
現像液組成物は、界面活性剤、分散剤、吸湿剤、およびカップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種の、その他の添加剤をさらに含むことができる。
【0069】
界面活性剤は、現像液組成物のコーティング均一性を向上させ湿潤性を向上させる役割を果たすことができる。例示的な実施形態において、界面活性剤は、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル、石鹸、アミン塩、第四級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール、アルキルフェノールエチレンオキシド付加物、多価アルコール、窒素含有ビニル高分子、またはこれらの組み合わせ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、または第四級アンモニウム塩を含むことができる。現像液組成物が、界面活性剤を含む場合、界面活性剤は、現像液組成物の総質量を基準に0.001質量%~3質量%の含有量で含まれ得る。
【0070】
分散剤は、上記現像液組成物を構成する各構成成分が、現像液組成物内で均一に分散するようにする役割を果たすことができる。例示的な実施形態において、分散剤は、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、グルコース、ドデシル硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、オレイン酸、リノール酸、またはこれらの組み合わせであり得るが、これらに限定されるものではない。現像液組成物が、分散剤を含む場合、分散剤は、現像液組成物の総質量を基準に、0.001質量%~5質量%の含有量で含まれ得る。
【0071】
吸湿剤は、現像液組成物における水分による悪影響を防止する役割を果たすことができる。例えば、吸湿剤は、現像液組成物に含まれている金属が、水分によって酸化されるのを防止する役割を果たすことができる。例示的な実施形態において、吸湿剤は、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、またはこれらの組み合わせであり得るが、これらに限定されるものではない。フォトレジスト組成物が吸湿剤を含む場合、吸湿剤は、現像液組成物の総質量を基準に、0.001質量%~10質量%の含有量で含まれる。
【0072】
上記カップリング剤は、現像液組成物を下部膜上にコーティングする際、下部膜との密着力を向上させる役割を果たすことができる。例示的な実施形態において、上記カップリング剤は、シランカップリング剤を含むことができる。上記シランカップリング剤は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、またはトリメトキシ[3-(フェニルアミノ)プロピル]シランからなるが、これらに限定されるものではない。現像液組成物が、カップリング剤を含む場合、カップリング剤は、現像剤組成物の総質量を基準に、0.001質量%~5質量%の含有量で含まれ得る。
【0073】
先に説明したように、i-線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)等の波長を有する光だけでなく、EUV(極端紫外線、Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーを有する光などによって露光されて形成されたレジストパターンは、5nm~100nm厚さの幅を有することができる。一例として、レジストパターンは、5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、5nm~50nm、5nm~40nm、5nm~30nm、5nm~20nmの幅で形成されることができる。
【0074】
一方、レジストパターンは50nm以下、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば20nm以下、例えば15nm以下の半ピッチ(half-pitch)および、10nm以下、5nm以下、3nm以下、2nm以下の線幅粗度を有するピッチを有することができる。
【実施例0075】
以下、上述した金属含有レジスト用現像液組成物の製造に関する実施例を通して本発明をより詳細に説明する。しかし、下記の実施例によって本発明の技術的特徴が限定されるのではない。
【0076】
(金属含有レジスト用現像液組成物の製造)
PP製のボトルに、有機溶媒と添加剤とをそれぞれ下記表1に示す組成で混合した後、常温(25℃)でボトルを振って完全に溶解させた。その後、1μmポアサイズを有するPTFE材質のフィルターを用いてろ過し、現像液組成物を得た。
【0077】
【表1】
【0078】
(金属含有レジスト組成物の製造)
下記化学式Cで表される構造単位を有する有機金属化合物を、4-メチル-2-ペンタノールに1質量%の濃度で溶かした後、0.1μm PTFEシリンジフィルターを用いてろ過して、金属含有レジスト組成物を製造した。
【0079】
【化3】
【0080】
(評価1:パターンの厚さ測定およびXPS分析)
8インチシリコンウェーハに、ヘキサメチルジシラザンをスピンコーティングして、疎水性表面を形成させた。その後、上記で製造した金属含有レジスト組成物を、疎水性表面が形成されたウェーハ上に1,500rpmで30秒間スピンコーティングし、160℃で60秒間熱処理して、コーティングされたウェーハを製造した。
【0081】
EUV光(Lawrence Berkeley National Laboratory Micro Exposure Tool、MET)を使用して、上記のコーティングされたウェーハに投射した。パッド露光時間を調節して、EUV増加線量が各パッドに適用されるようにした。
【0082】
その後、金属含有レジスト組成物と基材とをホットプレート上で、180℃で90秒間、露光後焼成(post-exposure bake、PEB)を行った。焼成された金属含有レジスト膜と基板とを実施例1~7および比較例1~3による現像液にそれぞれ30秒間浸漬させた後、同じ現像剤を用いて追加的に15秒間洗浄して、ネガティブトーンイメージを形成、すなわち、未露光のコーティング部分を除去した。最終的に、240℃で60秒間、ホットプレートによる焼成を行って工程を終結させた。
【0083】
コーティングされたウェーハは、J.AWoolam社製の測定装置であるM2000エリプソメーターを使用して、70°の角度に280nm~1,000nm間の波長帯で露光したパッドに残留した金属含有レジスト膜の厚さを測定した。
【0084】
厚さの測定結果を表2および図4に示す。
【0085】
現像前後のレジスト膜の厚さの増加率を下記式1により計算した。
【0086】
【数1】
【0087】
また、上記残留した金属含有レジスト膜に対する成分分析のため、X線光電子分光法(XPS)(使用機器:AXISSUPRA、KRATOS Analytical社製)により分析して、その結果を表2および図5に示した。具体的に、Beam size700μmに、Source powerは、wideスキャン時に150W、narrowスキャン時に225Wに設定し、XPS-monochromatic Modeで分析し、解像度はnarrowスキャン時にそれぞれC1s、O1s、P2p、Sn3d、S3pに対して、20eVを0.1eV間隔で設定して、リン元素の含有量を測定した。
【0088】
評価2:CD測定
現像液組成物は、パターンウェーハ製作のためのコーティング-露光-現像工程中、現像工程で注液して評価される。工程進行が完了したパターンウェーハは、Line/Space CDパターンが形成され、その後、株式会社日立ハイテク製のCG-5000(高分解能FEB測長装置、CD-SEM)に移して、マスクパターンのhalf-pitchが14nmの部位のCD(Critical Dimension)サイズを測定し、ラインとライン間の間隔のspace CDのうち、最小値を表2および図6に示す。
【0089】
【表2】
【0090】
表2を参照すると、実施例1~実施例7による金属含有レジスト現像液組成物を適用する場合、比較例1~3による金属含有レジスト現像液組成物を適用する場合と比べて、現像後に金属含有レジスト膜の厚さ増加によるspace CDは減少し、溶解したspace部位の残留物が少なく、優れた解像性ならびに減少したブリッジおよび残留物を具現化することができる。
【0091】
図4は、現像工程後の金属含有レジスト膜の厚さを比較した走査電子顕微鏡写真を示す図である。
【0092】
図4を参照すると、スルホン酸系化合物が添加された現像液組成物を用いて現像した場合(実施例5)は、現像液処理がない場合(比較例1)、有機酸が添加された現像液組成物を用いて現像した場合(比較例2)等と比べて現像工程後の金属含有レジスト膜の厚さが増加したことが分かる。
【0093】
図5は、現像工程後の金属含有レジスト膜のXPS分析結果を示すグラフである。
【0094】
図5を参照すると、現像工程後の金属含有レジスト膜のXPS分析の結果、P(リン元素)成分が含まれていることが分かる。これから現像液組成物のうち、添加剤成分が金属含有レジスト膜の表面に吸着したことが分かる。
【0095】
図6は、現像工程後のレジストパターンを示す走査電子顕微鏡写真を示す図である。
【0096】
図6を参照すると、添加剤成分のうち、リン元素または硫黄元素が含まれる場合、金属含有レジスト膜の表面に、リン元素または硫黄元素が吸着することによって、レジストパターンの厚さは増加するが、狭いspace CD(10.5nm)でも溶解残留物の発生が少なくてブリッジが減少し、解像度に優れたパターンを実現することができることが分かる。このような効果は、space部分パターンのサイズを最少化することによって、半導体線幅の微細化を可能にする。
【0097】
上記で、本発明の特定の実施例が説明および図示されたが、本発明は記載された実施例に限定されるのではなく、本発明の思想および範囲を逸脱せずに、多様に修正および変形ができることは、この技術の分野における通常の知識を有する者に自明である。したがって、修正例または変形例は、本発明の技術的な思想や観点から個別的に理解されてはならず、変形された実施例は本発明の特許請求の範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0098】
OP 開口部、
100 基板、
110 フィーチャ層、
130 金属含有レジスト膜、
110P フィーチャパターン、
130P レジストパターン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6