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特開2024-169332金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物、およびこれを利用したパターン形成方法
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  • 特開-金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物、およびこれを利用したパターン形成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169332
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物、およびこれを利用したパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20241128BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20241128BHJP
   G03F 7/16 20060101ALI20241128BHJP
   G03F 7/32 20060101ALI20241128BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01L21/304 647A
G03F7/004 531
G03F7/16
G03F7/32
H01L21/30 569E
H01L21/304 643A
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024076256
(22)【出願日】2024-05-09
(31)【優先権主張番号】10-2023-0066536
(32)【優先日】2023-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】朴 時 均
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲みん▼ 秀
(72)【発明者】
【氏名】▲はい▼ 鎭 希
(72)【発明者】
【氏名】文 炯 朗
(72)【発明者】
【氏名】郭 澤 秀
(72)【発明者】
【氏名】▲ほ▼ 鍾 必
(72)【発明者】
【氏名】柳 東 完
(72)【発明者】
【氏名】▲そう▼ ア ラ
(72)【発明者】
【氏名】宋 明 洙
(72)【発明者】
【氏名】朴 慶 熏
(72)【発明者】
【氏名】崔 晋 喜
【テーマコード(参考)】
2H196
2H225
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196BA01
2H196GA03
2H196GA05
2H225AM61P
2H225AN11P
2H225CA12
2H225CB08
2H225CC01
2H225CD05
2H225EA24P
5F146LA12
5F157AA64
5F157AA91
5F157AB02
5F157AB33
5F157AB90
5F157BB11
5F157BC03
5F157BC04
5F157BC05
5F157BF38
5F157BF58
5F157BF59
5F157BF62
5F157BF63
5F157BF73
(57)【要約】
【課題】本発明は、優れた感度およびLER特性を有する金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物、およびこれを利用したパターン形成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】実質的に水を含まず、アミノ酸系化合物、硫黄-含有酸化合物および硫黄-含有アミン系化合物から選択される少なくとも1種の添加剤、ならびに有機溶媒を含む、金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物、およびこれを利用したパターン形成方法を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に水を含まず、アミノ酸系化合物、硫黄-含有酸化合物および硫黄-含有のアミン系化合物から選択される少なくとも1種の添加剤、ならびに有機溶媒を含む、金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物。
【請求項2】
水分含有量が1,000ppm以下である、請求項1に記載の金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物。
【請求項3】
前記アミノ酸系化合物は、下記化学式1~化学式3で表される化合物のうちの少なくとも1種である、請求項1に記載の金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物:
【化1】

上記化学式1~化学式3中、
は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、または置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリーレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、O、S、または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基であり、
Rは、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリール基であり、
~Rは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、グアニジノ基、カルボキシル基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリール基、または置換もしくは非置換の炭素原子数2~30のヘテロアリール基であり、
nは0または1の整数である。
【請求項4】
前記アミノ酸系化合物は、アラニン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、リシン、アルギニン、およびN-メチルシステインのうちの少なくとも1種である、請求項1に記載の金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物。
【請求項5】
前記硫黄-含有酸化合物は、下記化学式4および化学式5で表される化合物のうちの少なくとも1種である、請求項1に記載の金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物:
【化2】

上記化学式4および化学式5中、
およびLは、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、または置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリーレン基であり、
は、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリール基、または置換もしくは非置換の炭素原子数2~30のヘテロアリール基であり、
は、硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数3~10のヘテロシクロアルキル基、硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数6~30のアリール基、または硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数2~30のヘテロアリール基である。
【請求項6】
前記硫黄-含有酸化合物は、下記グループ1に列記された化合物から選択される少なくとも一つである、請求項1に記載の金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物。
【化3】
【請求項7】
前記硫黄-含有アミン系化合物は、下記化学式6で表される化合物である、請求項1に記載の金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物:
【化4】

上記化学式6中、
は、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、または置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリーレン基であり、
10は、スルホンアミド基、スルホン酸塩、スルホン基、スルホキシド基、チオール基、チオレート基、チオエステル基、チオエーテル基、チオアミド基、硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数3~10のヘテロシクロアルキル基、または硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数2~30のヘテロアリール基である。
【請求項8】
前記硫黄-含有アミン系化合物は、下記グループ2に列記された化合物から選択される少なくとも一つである、請求項1に記載の金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物。
【化5】
【請求項9】
金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物の総質量を基準として、
前記添加剤0.01~50質量%、および
前記有機溶媒50~99.99質量%を含む、請求項1に記載の金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物。
【請求項10】
前記金属含有フォトレジストに含まれる金属化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物。
【請求項11】
前記金属含有フォトレジストに含まれる金属化合物は、下記化学式7で表される化合物、およびこれらの化合物の重合物からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物:
【化6】

上記化学式7中、
18は、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素原子数7~30のアリールアルキル基、および-L-O-Rから選択され、
この際、Lは、単結合、または置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキレン基であり、
は、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基であり、
19~R21は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素原子数7~30のアリールアルキル基、-ORおよび-OC(=O)Rの中から選択され、
19~R21のうちの少なくとも1つは、それぞれ独立して、-ORおよび-OC(=O)Rから選択され、
この際、Rは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【請求項12】
基板上に金属含有フォトレジスト組成物を塗布する段階;
前記基板のエッジに沿って請求項1~11のいずれか一項に記載の金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する段階;
乾燥および加熱して前記基板上に金属含有フォトレジスト膜を形成する熱処理段階;
前記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階;ならびに
現像段階を含む、パターン形成方法。
【請求項13】
基板上に金属含有フォトレジスト組成物を塗布する段階;
金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去段階;
乾燥および加熱して前記基板上に金属含有フォトレジスト膜を形成する熱処理段階;
前記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階;ならびに
請求項1~11のいずれか一項に記載の金属含有フォトレジストの現像液組成物を利用して現像する段階を含む、パターン形成方法。
【請求項14】
基板上に金属含有フォトレジスト組成物を塗布する段階;
前記基板のエッジに沿って請求項1~11のいずれか一項に記載の金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する段階;
乾燥および加熱して前記基板上に金属含有フォトレジスト膜を形成する熱処理段階;
前記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階;ならびに
請求項1~11のいずれか一項に記載の金属含有フォトレジストの現像液組成物を利用して現像する段階を含む、パターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物、およびこれを利用したパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体産業では、臨界サイズの縮小が継続的に進められており、これに伴い、ますます小さいフィーチャ(feature)の加工およびパターニングの要求を満たすための新たなタイプの高性能フォトレジスト材料およびパターニング方法が求められている。
【0003】
また、近年の半導体産業の飛躍的な発展に伴い、半導体デバイスにおいて、優れた動作速度および大容量の記憶能力が要求されており、このような要求に合わせ、半導体デバイスの集積度、信頼度および応答速度を向上させる工程についての技術が発展している。特に、シリコン基板の作用領域に不純物を正確に調節/注入し、これらの領域を相互に接続して、素子および超高密度な回路を直接形成することが重要であり、これはフォトリソグラフィ工程によって可能である。即ち、基板上にフォトレジストを塗布し、紫外線(極紫外線を含む)、電子線またはX線などを照射して選択的に露光させた後、現像することを含むフォトリソグラフィ工程の統合を考慮することが重要になっている。
【0004】
特に、フォトレジスト層を形成する工程では、主にシリコン基板を回転させながら、フォトレジストを基板上に塗布することになるが、この過程で基板エッジと裏面にもフォトレジストが塗布され、これは、エッチングやイオン注入工程などの、半導体製造の後続の工程で、パターン不良を引き起こす原因となる可能性がある。したがって、シンナー組成物を使用してシリコン基板のエッジと裏面に塗布されているフォトレジストをストリッピングして除去するプロセス、即ち、EBR(EDGE BEAD REMOVAL)工程を実施する。上記EBR工程では、フォトレジストに対して優れた溶解性を示し、基板に残留するビーズおよびフォトレジストを効果的に除去してフォトレジスト残留物が発生しない組成物を必要とする。
【0005】
また、フォトリソグラフィ工程で優れたエッチング耐性および解像力を保障すると同時に、感度およびCD(critical dimension)均一性を向上させることができ、LER(line edge roughness)特性を改善できるフォトレジストおよびこれを実現できる現像液組成物の開発が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016-170337号公報
【特許文献2】特許第5288144号公報
【特許文献3】韓国公開特許第2012-0078607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、優れた感度およびLER特性を有する金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物を提供することを目的とする。
【0008】
さらに、本発明は、上記組成物を利用したパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物は、実質的に水を含まず、アミノ酸系化合物、硫黄-含有酸化合物および硫黄-含有アミン系化合物から選択される少なくとも1種の添加剤、ならびに有機溶媒を含む。
【0010】
上記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物の水分含有量は、1,000ppm以下であってもよい。
【0011】
上記アミノ酸系化合物は、下記化学式1~化学式3で表される化合物のうちの少なくとも1種でありうる。
【0012】
【化1】
【0013】
上記化学式1~化学式3中、
は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、または置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリーレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、O、S、または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基であり、
Rは、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリール基であり、
~Rは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、グアニジノ基、カルボキシル基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリール基、または置換もしくは非置換の炭素原子数2~30のヘテロアリール基であり、
nは0または1の整数である。
【0014】
上記アミノ酸系化合物は、アラニン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、リシン、アルギニン、およびN-メチルシステインのうち少なくとも1種でありうる。
【0015】
上記硫黄-含有酸化合物は下記化学式4および化学式5で表される化合物のうちの少なくとも1種でありうる。
【0016】
【化2】
【0017】
上記化学式4および化学式5中、
およびLは、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、または置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリーレン基であり、
は、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリール基、または置換もしくは非置換の炭素原子数2~30のヘテロアリール基であり、
は、硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数3~10のヘテロシクロアルキル基、硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数6~30のアリール基、または硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数2~30のヘテロアリール基である。
【0018】
上記硫黄-含有酸化合物は、下記グループ1に列記された化合物から選択される少なくとも1つの化合物でありうる。
【0019】
【化3】
【0020】
上記硫黄-含有アミン系化合物は、下記化学式6で表されうる。
【0021】
【化4】
【0022】
上記化学式6中、
は、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、または置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリーレン基であり、
10は、スルホンアミド基、スルホン酸塩、スルホン基、スルホキシド基、チオール基、チオレート基、チオエステル基、チオエーテル基、チオアミド基、硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数3~10のヘテロシクロアルキル基、または硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数2~30のヘテロアリール基である。
【0023】
上記硫黄-含有アミン系化合物は、下記グループ2に列記された化合物から選択される少なくとも1つの化合物でありうる。
【0024】
【化5】
【0025】
上記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物は、上記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物の総質量を基準として、上記有機溶媒を50~99.99質量%;および上記添加剤を0.01~50質量%で含むことができる。
【0026】
上記金属含有フォトレジストに含むことができる金属化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0027】
上記金属含有フォトレジストに含まれる金属化合物は、下記化学式7で表される化合物、およびこれらの化合物の重合物からなる群より選択される少なくとも1つでありうる。
【0028】
【化6】
【0029】
上記化学式7中、
18は、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素原子数7~30のアリールアルキル基、および-L-O-Rから選択され、
この際、Lは、単結合、または置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキレン基であり、
は、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基であり、
19~R21は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素原子数7~30のアリールアルキル基、-ORおよび-OC(=O)Rの中から選択され、
19~R21のうちの少なくとも1つは、それぞれ独立して、-ORおよび-OC(=O)Rから選択され、
この際、Rは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0030】
他の実施形態に係るパターン形成方法は、基板上に金属含有フォトレジスト組成物を塗布する段階、上記基板のエッジに沿って上述した金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する段階、乾燥および加熱して上記基板上に金属含有フォトレジスト膜を形成する熱処理段階、上記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階;ならびに現像段階を含む。
【0031】
また他の実施形態に係るパターン形成方法は、基板上に金属含有フォトレジスト組成物を塗布する段階、金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去段階、乾燥および加熱して上記基板上に金属含有フォトレジスト膜を形成する熱処理段階、上記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階;ならびに上述した金属含有フォトレジストの現像液組成物を利用して現像する段階を含む。
【0032】
また他の実施形態に係るパターン形成方法は、上記基板のエッジに沿って上述した金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する段階、乾燥および加熱して上記基板上に金属含有フォトレジスト膜を形成する熱処理段階、上記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階;ならびに上述した金属含有フォトレジストの現像液組成物を利用して現像する段階を含む。
【発明の効果】
【0033】
一実施形態に係る金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物は、金属含有フォトレジストに内在された金属が基となる汚染を減少させ、基板のエッジおよび裏面に塗布されたフォトレジストを除去することによって、さらに小さなフィーチャ(feature)の加工およびパターニングの要求を満たすことができる。
【0034】
他の実施形態に係る金属含有フォトレジスト現像液組成物は、露光工程後金属含有フォトレジスト膜に存在するディフェクトを最少化して、現像しやすくすることによって、優れたコントラスト特性、優れた感度および減少したラインエッジ粗度(LER)を実現することができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】一実施形態によるフォトレジスト塗布装置を示す模式図である。
図2】パターン形成方法を説明するために、工程順序を示した断面概略図である。
図3】パターン形成方法を説明するために、工程順序を示した断面概略図である。
図4】パターン形成方法を説明するために、工程順序を示した断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明すると以下の通りである。但し、本発明を説明するにあたり、既に公知の機能あるいは構成に関する説明は、本発明の要旨を明確にするために省略することにする。
【0037】
本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書全体を通じて同一または類似の構成要素については、同一の参照符号を付けるようにする。また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明が必ずしも図示されたものに限定されない。
【0038】
図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。また、図面から説明の便宜上、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分が、他の部分「の上」にまたは「上」にある場合、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。
【0039】
本明細書において、「置換」とは、水素原子が、重水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシル基、アミノ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~30のアミノ基、ニトロ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~40のシリル基、炭素原子数1~30のアルキル基、炭素原子数1~10のハロアルキル基、炭素原子数1~10のアルキルシリル基、炭素原子数3~30のシクロアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数1~20のアルコキシ基、またはシアノ基で置換されたことを意味する。「非置換」とは、水素原子が他の置換基で置換されず、水素原子のままであることを意味する。
【0040】
本明細書において、「アルキル基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分岐鎖型脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は、いかなる二重結合や三重結合を含まない「飽和アルキル基」であってもよい。
【0041】
上記アルキル基は、炭素原子数1~20のアルキル基であってもよい。より具体的に、アルキル基は炭素原子数1~10のアルキル基または炭素原子数1~6のアルキル基であってもよい。例えば、炭素原子数1~5のアルキル基は、アルキル鎖に1~5個の炭素原子が含まれることを意味し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、およびt-ブチルからなる群より選択されうる。
【0042】
上記アルキル基は、具体的な例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられうる。
【0043】
本明細書において、「シクロアルキル基」とは、別途の定義がない限り、脂環式炭化水素基を意味し、例えば、1価の脂環式炭化水素基を含む。
【0044】
上記シクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられうる。
【0045】
本明細書において、「ヘテロシクロアルキル基」とは、別途の定義がない限り、シクロアルキル基内にN、O、S、PおよびSiからなる群より選択されるヘテロ原子を少なくとも一つ含有することを意味する。
【0046】
本明細書において、「アルケニル基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分岐鎖型の脂肪族炭化水素基であって、一つ以上の二重結合を含む脂肪族不飽和アルケニル基を意味する。
【0047】
本明細書において、「アルキニル基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分岐鎖型の脂肪族炭化水素基であって、一つ以上の三重結合を含む脂肪族不飽和アルキニル基を意味する。
【0048】
本明細書において、「アリール基」とは、環状の置換基の全ての元素がp-軌道を有し、これらのp-軌道が共役を形成している置換基を意味し、単環または縮合多環(即ち、炭素原子の隣接する対を共有する環)官能基を含む。
【0049】
本明細書において、「ヘテロアリール基」とは、アリール基内にN、O、S、PおよびSiからなる群より選択されるヘテロ原子を少なくとも一つ含有することを意味する。2以上のヘテロアリール基は、シグマ結合を通して直接連結したり、上記ヘテロアリール基が2以上の環を含むとき、2以上の環は互いに縮合できる。上記ヘテロアリール基が縮合環の場合、それぞれの環ごとに上記ヘテロ原子を1~3個含むことができる。
【0050】
より具体的には、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30のアリール基は、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、置換もしくは非置換のアントラセニル基、置換もしくは非置換のフェナントレニル基、置換もしくは非置換のナフタセニル基、置換もしくは非置換のピレニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のp-ターフェニル基、置換もしくは非置換のm-ターフェニル基、置換もしくは非置換のo-ターフェニル基、置換もしくは非置換のクリセニル基、置換もしくは非置換のベンゾフェナントレニル基、置換もしくは非置換のトリフェニレン基、置換もしくは非置換のペリレニル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、置換もしくは非置換のインデニル基、またはこれらの組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。
【0051】
より具体的には、置換または非置換の炭素原子数2~30のヘテロ環基は、置換もしくは非置換のフラニル基、置換もしくは非置換のチオフェニル基、置換もしくは非置換のピロリル基、置換もしくは非置換のピラゾリル基、置換もしくは非置換のイミダゾリル基、置換もしくは非置換のトリアゾリル基、置換もしくは非置換のオキサゾリル基、置換もしくは非置換のチアゾリル基、置換もしくは非置換のオキサジアゾリル基、置換もしくは非置換のチアジアゾリル基、置換もしくは非置換のピリジル基、置換もしくは非置換のピリミジニル基、置換もしくは非置換のピラジニル基、置換もしくは非置換のトリアジニル基、置換もしくは非置換のベンゾフラニル基、置換もしくは非置換のベンゾチオフェニル基、置換もしくは非置換のベンゾイミダゾリル基、置換もしくは非置換のインドリル基、置換もしくは非置換のキノリニル基、置換もしくは非置換のイソキノリニル基、置換もしくは非置換のキナゾリニル基、置換もしくは非置換のキノキサリニル基、置換もしくは非置換のナフチリジニル基、置換もしくは非置換のベンゾオキサジニル基、置換もしくは非置換のベンゾチアジニル基、置換もしくは非置換のアクリリジニル基、置換もしくは非置換のフェナジニル基、置換もしくは非置換のフェノチアジニル基、置換もしくは非置換のフェノキサジニル基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニル基、置換もしくは非置換のベンゾナフトフラニル基、置換もしくは非置換のベンゾナフトチオフェニル基、置換もしくは非置換のベンゾフラノフルオレニル基、置換もしくは非置換のベンゾチオフェンフルオレニル基、またはこれらの組み合わせであってもよいが、これらに制限されない。
【0052】
図1は、一実施形態によるフォトレジスト塗布装置を示す模式図である。
【0053】
図1を参照すると、基板(W)が置かれる基板支持部1が備えられ、上記基板支持部1は、スピンチャックまたはスピンコーターなどを含む。
【0054】
上記基板支持部1は、所定の回転速度で第1方向に回転し、上記基板(W)に遠心力を提供する。上記基板支持部1上には噴射ノズル2が位置し、上記噴射ノズル2は、基板(W)の上部から離れた待機領域に位置し、溶液の供給段階で基板上部に移動してフォトレジスト溶液10を噴射することができる。これにより、上記フォトレジスト溶液10は、上記遠心力によって上記基板表面に塗布される。この時、上記基板(W)の中央に供給されるフォトレジスト溶液10は、遠心力によって基板(W)の端部に広がりながら塗布され、その一部は、上記基板の側面と上記基板の端部の下面に移動するようになる。
【0055】
即ち、塗布工程で、フォトレジスト溶液10は、主にスピンコーティング方式で塗布されるが、基板(W)の中央部に粘性のある所定量のフォトレジスト溶液10を供給して遠心力によって基板の端部方向に徐々に広がっていく。
【0056】
したがって、フォトレジストの厚さは、基板支持部の回転速度によって平坦に形成される。
【0057】
ところが、溶媒が蒸発して粘性がますます増加し、表面張力の作用により基板の端部に相対的に多量のフォトレジストが蓄積されるようになり、さらに深刻なのは、基板の端部の下面までフォトレジストが蓄積されるが、これをエッジビーズ(edgebead)12という。
【0058】
以下、一実施形態に係る金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物を説明する。
【0059】
本発明の一実施形態に係る金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物は、実質的に水を含まず(water-free)、アミノ酸系化合物、硫黄-含有酸化合物および硫黄-含有アミン系化合物から選択される少なくとも1種の添加剤、ならびに有機溶媒を含む。
【0060】
上記アミノ酸系化合物は、分子中にアミノ基とカルボキシ基が同時に含まれることによって、フォトレジストとの結合力が向上し、これを含む組成物を適用することによって、金属が含まれているフォトレジストを効果的に除去することができる。
【0061】
上記硫黄-含有酸化合物および硫黄-含有アミン系化合物には「硫黄」を含有することによって、フォトレジストとの結合力が向上し、これを含む組成物を適用することによって、金属が含まれているフォトレジストを効果的に除去することができる。
【0062】
一方、上記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物において、「実質的に水を含まず」との意味は、組成物内に水を成分として選択して使わないことであり、他の不純物または外部要因などによって1,000ppm以下の水分は含むことができる。
【0063】
組成物内の水分含有量が1,000ppmを超える場合、フォトレジスト接触部で水和によって、膜の変質が発生するおそれがある。
【0064】
例えば、上記アミノ酸系化合物は、下記化学式1~化学式3で表される化合物のうちの少なくとも1種である。
【0065】
【化7】
【0066】
上記化学式1~化学式3中、
は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、または置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリーレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、O、S、または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基であり、
Rは、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリール基であり、
~Rは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、グアニジノ基、カルボキシル基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリール基、または置換もしくは非置換の炭素原子数2~30のヘテロアリール基であり、
nは0または1の整数である。
【0067】
例えば、上記Rは、水素原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、グアニジノ基、カルボキシル基、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のイソプロピル基、置換もしくは非置換のイソブチル基、置換もしくは非置換のsec-ブチル基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のインドリル基、または置換もしくは非置換のイミダゾール基であってもよい。
【0068】
例えば上記R~Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のイソプロピル基、置換もしくは非置換のイソブチル基、または置換もしくは非置換のsec-ブチル基であってもよい。
【0069】
本明細書において、アミノ酸系化合物とは、アミノ酸を含むほか、アミノ酸から誘導される化合物も含みうる。
【0070】
例えば、上記アミノ酸系化合物は、アラニン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、リシン、アルギニン、およびN-メチルシステインのうち少なくとも1種であってもよい。
【0071】
上記硫黄-含有酸化合物は、下記化学式4および化学式5で表される化合物のうちの少なくとも1種でありうる。
【0072】
【化8】
【0073】
上記化学式4および化学式5中、
およびLは、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、または置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリーレン基であり、
は、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリール基、または置換もしくは非置換の炭素原子数2~30のヘテロアリール基であり、
は、硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数3~10のヘテロシクロアルキル基、硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数6~30のアリール基、または硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数2~30のヘテロアリール基である。
【0074】
本明細書において硫黄-含有とは、硫黄含有基に置換された形態またはヘテロ環内に硫黄を含む形態を全て含むことができる。
【0075】
例えば、上記Rは、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のイソプロピル基、置換もしくは非置換のイソブチル基、または置換もしくは非置換のsec-ブチル基でありうる。
【0076】
例えば上記Rは、置換もしくは非置換の1,3-ジチオラン、置換もしくは非置換のチオフェン、チオール基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキルチオール、または置換もしくは非置換の炭素原子数6~12のアリールチオールであってもよい。
【0077】
例えば、上記硫黄-含有酸化合物は、下記グループ1に列記された化合物から選択される少なくとも1つである。
【0078】
【化9】
【0079】
上記硫黄-含有アミン系化合物は、下記化学式6で表されてもよい。
【0080】
【化10】
【0081】
上記化学式6中、
は、単結合、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキレン基、または置換もしくは非置換の炭素原子数6~20のアリーレン基であり、
10は、スルホンアミド基、スルホン酸塩、スルホン基、スルホキシド基、チオール基、チオレート基、チオエステル基、チオエーテル基、チオアミド基、硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数3~10のヘテロシクロアルキル基、または硫黄-含有の置換もしくは非置換の炭素原子数2~30のヘテロアリール基である。
【0082】
例えば、上記硫黄-含有アミン系化合物は、下記グループ2に列記された化合物から選択される少なくとも1つである。
【0083】
【化11】
【0084】
一実施形態において上記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物は、実質的に水を含まず(water-free)、上記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物の総質量を基準として、上述した添加剤を0.01~50質量%で含み、有機溶媒を50~99.99質量%で含むことができる。
【0085】
具体的な一実施形態では、上記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物は、金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物の総質量を基準として、上述した添加剤を0.05~40質量%、具体的に0.5~30質量%、さらに具体的に1~20質量%で含むことができる。
【0086】
具体的な一実施形態に係る金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物に含まれる有機溶媒の一例としては、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールブチルエーテル(PGBE)、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エタノール、2-ブトキシエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘプタノン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、酢酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、ジイソペンチルエーテル、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジアセトンアルコール、3,3-ジメチル-2-ブタノン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、メチル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオネート(HBM)、γ-ブチロラクトン(GBL)、1-ブタノール、乳酸エチル(EL)、ジイソプロピルエーテル(DIAE)、アセチルアセトン、乳酸ブチル(n-Butyl lactate)、4-メチル-2-ペンタノール(または、メチルイソブチルカルビノール(MIBC))、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、トルエン、シクロペンタノン、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、メチル-2-ヒドロキシイソブチレート、メトキシベンゼン、n-ブチルアセテート、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、メトキシエトキシプロピオネート、エトキシエトキシプロピオネート、またはこれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0087】
本発明に係る金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物は、特に金属含有フォトレジスト、より具体的には好ましくない金属残渣、例えばスズベース金属残渣の除去に効果的である。
【0088】
また、本発明による金属含有フォトレジストの現像液組成物は、露光工程後金属含有フォトレジスト膜に存在するディフェクトを最少化し、現像しやすくすることによって、優れたパターン特性を実現できるようにする。
【0089】
また、優れた感度および減少したラインエッジ粗度(LER)も具現されることができる。
【0090】
後述する他の添加剤を含む場合、上記有機溶媒は、含まれる構成を除いた残部量に含むことができる。
【0091】
金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物は、界面活性剤、分散剤、吸湿剤、およびカップリング剤から選択される少なくとも一つの他の添加剤をさらに含むことができる。
【0092】
上記界面活性剤は、上記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物のコーティング均一性を向上させ湿潤性(wetting)を向上させる役割を果たすことができる。例示的な実施形態において、上記界面活性剤は、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル、石鹸、アミン塩、第4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール、アルキルフェノールエチレンオキシド付加物、多価アルコール、窒素含有ビニル高分子、またはこれらの組み合わせからなるが、これらに限定されるものではない。例えば、上記界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、または第4級アンモニウム塩を含むことができる。上記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物が、上記界面活性剤を含む場合、上記界面活性剤は、上記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物の総質量を基準に0.001質量%~3質量%の含有量で含まれる。
【0093】
上記分散剤は、上記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物を構成する各構成成分が上記フォトレジスト組成物内で均一に分散するようにする役割を果たすことができる。例示的な実施形態において、上記分散剤は、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、グリコース、ドデシル硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、オレイン酸、リノール酸、またはこれらの組み合わせからなるが、これらに限定されない。上記フォトレジスト組成物が、上記分散剤を含む場合、上記分散剤は、上記フォトレジスト組成物の総質量を基準に、0.001質量%~5質量%の含有量で含まれる。
【0094】
上記吸湿剤は、上記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物における水分による悪影響を防止する役割を果たすことができる。例えば、上記吸湿剤は、上記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物に含まれている金属が水分によって酸化されるのを防止する役割を果たすことができる。例示的な実施形態において、上記吸湿剤は、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(polyoxyethylenenonylphenolether)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド(polyacrylamide)、またはこれらの組み合わせからなるが、これらに限定されるものではない。上記フォトレジスト組成物が、上記吸湿剤を含む場合、上記吸湿剤は、上記フォトレジスト組成物の総質量を基準に0.001質量%~10質量%の含有量で含まれる。
【0095】
上記カップリング剤は、上記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物を下部膜上にコーティングする際に、上記下部膜との密着力を向上させる役割を果たすことができる。例示的な実施形態において、上記カップリング剤は、シランカップリング剤を含むことができる。上記シランカップリング剤は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、またはトリメトキシ[3-(フェニルアミノ)プロピル]シランからなるが、これらに限定されるものではない。上記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物が、上記カップリング剤を含む場合、上記カップリング剤は、上記金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物の総質量を基準に、0.001質量%~5質量%の含有量で含まれる。
【0096】
上記金属含有フォトレジストに含まれる金属化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0097】
例えば、上記金属含有フォトレジストに含まれる金属化合物は、下記化学式7で表される化合物、およびこれらの化合物の重合物からなる群より選択される少なくとも1つである。
【0098】
【化12】
【0099】
上記化学式7中、
18は、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素原子数7~30のアリールアルキル基、および-L-O-Rから選択され、
この際、Lは、単結合、または置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキレン基であり、
は、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基であり、
19~R21は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素原子数7~30のアリールアルキル基、-ORおよび-OC(=O)Rの中から選択され、
19~R21のうちの少なくとも1つは、それぞれ独立して、-ORおよび-OC(=O)Rから選択され、
この際、Rは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0100】
上記金属含有フォトレジストに含まれる金属化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物のうち少なくとも1種でありうる。
【0101】
例えば、上記金属含有フォトレジストに含むことができる金属化合物は、アルキルオキシ基含有スズ化合物およびアルキルカルボニルオキシ基含有スズ化合物のうち少なくとも1種でありうる。
【0102】
一方、他の実施形態によると、上述した金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物を利用してエッジビーズを除去する段階を含むパターン形成方法が提供されることができる。例えば、製造されたパターンは、フォトレジストパターンであってもよい。さらに具体的にネガティブ型フォトレジストパターンでもよいしポジティブ型フォトレジストパターンでもよい。下記には、一例として、ネガティブ型フォトレジストパターンの形成について記載する。
【0103】
一実施形態に係るパターン形成方法は、基板上に金属含有フォトレジスト組成物を塗布する段階、上記基板のエッジに沿って上述した金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する段階、乾燥および加熱して上記基板上に金属含有フォトレジスト膜を形成する熱処理段階、上記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階、ならびに現像段階を含む。
【0104】
より具体的に、金属含有フォトレジスト組成物を使用してパターンを形成する段階は、金属含有フォトレジスト組成物を薄膜が形成された基板上にスピンコーティング、スリットコーティング、インクジェットプリンティングなどで塗布する工程および塗布された金属含有フォトレジスト組成物を乾燥してフォトレジスト膜を形成する工程を含むことができる。上記金属含有フォトレジスト組成物は、スズ基盤化合物を含むことができ、例えば、上記スズ基盤化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0105】
より具体的には、適正速度(例えば、500rpm以上)で基板を回転させながら基板のエッジに沿って上述した金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物を適正量に塗布する段階を含むことができる。
【0106】
続いて、上記フォトレジスト膜が形成されている基板を加熱する第1熱処理工程を行う。上記第1熱処理工程は、80℃~120℃の温度で行うことができ、この過程で溶媒は蒸発され、上記フォトレジスト膜は基板により強固に接着することができる。
【0107】
その後、上記フォトレジスト膜を選択的に露光する。
【0108】
例えば、上記露光工程で用いることができる光の例としては、i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)等の波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme Ultra Violet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーに対応する波長を有する光などが挙げられる。
【0109】
より具体的には、一実施形態に係る露光用光は、5nm~150nmの波長範囲を有する短波長光であってもよく、EUV(波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーに対応する波長を有する光であってもよい。
【0110】
上記フォトレジストパターンを形成する段階で、ネガ型パターンを形成することができる。
【0111】
フォトレジスト膜のうち露光された領域は、有機金属化合物間の縮合などの架橋反応によってポリマーを形成することによって、フォトレジスト膜の未露光領域と互いに異なる溶解度を有するようになる。
【0112】
続いて、上記基板に第2熱処理工程を行う。上記第2熱処理工程は、90℃~200℃の温度で行うことができる。上記第2熱処理工程を行うことによって、上記フォトレジスト膜の露光された領域は、現像液に溶解が難しい状態となる。
【0113】
具体的には、2-ヘプタノン等の有機溶媒を使用して、上記未露光領域に相当するフォトレジスト膜を溶解した後、除去することによって行うことができ、上記ネガティブトーンイメージに相当するフォトレジストパターンが完成される。
【0114】
一実施形態によるパターン形成方法で使用される現像液は、有機溶媒であってもよく、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノンなどのケトン類、4-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、メタノールなどのアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸n-ブチル、γ-ブチロラクトンなどのエステル類、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族化合物、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0115】
上述したように、i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)等の波長を有する光だけでなく、EUV(波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーを有する光などによって露光されて形成されたフォトレジストパターンは、5nm~100nmの厚さを有することができる。例えば、上記フォトレジストパターンは、5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、5nm~50nm、5nm~40nm、5nm~30nm、5nm~20nmの厚さで形成することができる。
【0116】
一方、上記フォトレジストパターンは、50nm以下、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば20nm以下、例えば15nm以下のハーフピッチ、および10nm以下、5nm以下、3nm以下、2nm以下の線幅粗さを有するピッチを有することができる。
【0117】
他の一実施形態によるパターン形成方法は、基板上に金属含有フォトレジスト組成物を塗布する段階、金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去段階、乾燥および加熱して上記基板上に金属含有フォトレジスト膜を形成する熱処理段階、上記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階、ならびに上述した金属含有フォトレジストの現像液組成物を利用して現像する段階を含む。
【0118】
基板上に金属含有フォトレジスト組成物を塗布する段階は、上述したのと同様である。
【0119】
金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去段階は、一般に知られたエッジビーズ除去用有機溶媒または組成物を基板のエッジに沿って適正の速度(例えば、500rpm以上)に基板を回転させながら適正量に塗布することによって行うことができる。
【0120】
乾燥および加熱して上記基板上に金属含有フォトレジスト膜を形成する熱処理段階は、上述したのと同様である。
【0121】
金属含有フォトレジスト膜を露光する段階は上述したのと同様である。
【0122】
上述した金属含有フォトレジストの現像液組成物を利用して未露光領域に当該するフォトレジスト膜を溶解した後に除去することによって、上記ネガティブトーンイメージに当該するフォトレジストパターンが完成できる。
【0123】
下記で、現像してパターンを形成する方法を、図面を例に挙げて具体的に説明する。
【0124】
図2図4は、パターン形成方法を説明するために工程順により示した断面図である。
【0125】
図2を参照すると、露光されたフォトレジスト膜を現像してフォトレジストパターン(130P)を形成する。
【0126】
例示的な実施形態で、露光されたフォトレジスト膜を現像してフォトレジスト膜の非露光領域を除去し、フォトレジスト膜の露光された領域からなるフォトレジストパターン(130P)を形成することができる。フォトレジストパターン(130P)は、複数の開口(OP)を含むことができる。
【0127】
例示的な実施形態で、フォトレジスト膜の現像は、NTD(negative-tone development)工程で行うことができる。この時、現像液組成物として一実施形態に係る金属含有フォトレジスト現像液組成物を使用することができる。
【0128】
図3を参照すると、図2の結果物でフォトレジストパターン(130P)を利用してフィーチャ層110を加工する。
【0129】
例えば、フィーチャ層110を加工するために、フォトレジストパターン130Pの開口(OP)を介して露光されるフィーチャ層110をエッチングする工程、フィーチャ層110に不純物イオンを注入する工程、開口(OP)を介してフィーチャ層110上に追加の膜を形成する工程、開口(OP)を介してフィーチャ層110の一部を変形させる工程など多様な工程を行うことができる。図3にはフィーチャ層110を加工する例示的な工程として、開口(OP)を介して露光されるフィーチャ層110をエッチングしてフィーチャパターン110Pを形成することを例示した。
【0130】
図4を参照すると、図3の結果物からフィーチャパターン110P上に残っているフォトレジストパターン130Pを除去する。フォトレジストパターン130Pを除去するためにアッシング(ashing)およびストリップ(strip)工程を利用することができる。
【0131】
また他の一実施形態に係るパターン形成方法は、基板上に金属含有フォトレジスト組成物を塗布する段階、上記基板のエッジに沿って上述した金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する段階、乾燥および加熱して上記基板上に金属含有フォトレジスト膜を形成する熱処理段階、上記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階、ならびに上述した金属含有フォトレジストの現像液組成物を利用して現像する段階を含む。
【0132】
各段階別具体的な方法は、上述したのと同様であり、エッジビーズ除去段階および現像段階で本発明による金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物または金属含有フォトレジストの現像液組成物を同時に利用することによって、エッジビーズの除去効果および未露光領域の溶解度を効果的に向上させ、より小さなフィーチャ(feature)の加工およびパターニングの要求を満たすことができ、優れたコントラスト特性、優れた感度および減少したラインエッジ粗度(LER)を実現できるようにする。
【実施例0133】
以下、上述した金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物および金属含有フォトレジストの現像液組成物の製造に関する実施例を通して本発明をより詳細に説明する。しかし、下記の実施例によって本発明の技術的特徴が限定されるものではない。
【0134】
[金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物/現像液組成物の製造]
(実施例1)
システインと、溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)および乳酸エチル(EL)を9:1の質量比にしたものとを、表1に示す組成比で混合した後、常温(25℃)において振とうし、完全に溶解させた。その後、1μmポアサイズを有するPTFE材質のフィルターを通過させて最終組成物を収得した。
【0135】
(実施例2~実施例4および比較例1~比較例3)
添加剤および組成比を、下記表1に記載された組成に変更したことを除き、上記実施例1と同様の方法で組成物を収得した。
【0136】
【表1】
【0137】
[有機金属含有フォトレジスト組成物の製造]
下記化学式Cの構造を有する有機金属化合物を4-メチル-2-ペンタノールに1質量%の濃度となるように溶解した後、0.1μmPTFEシリンジフィルターによりろ過をして、フォトレジスト組成物を製造した。
【0138】
【化13】
【0139】
[評価1:小膜の厚さの評価(Striptest)および現像Sn残留量評価]
6インチシリコンウェーハ上に上記製造例に係る有機金属化合物含有フォトレジスト組成物を1.0mL投入して、20秒間静置した後、800rpmの速度で30秒間スピンコーティングした。その後、180℃で60秒間熱処理して得られたコーティング膜に対してエリプソメトリー法で厚さを測定した。コーティング膜が形成されたウェーハ上に上記実施例1~実施例4および比較例1~比較例3から得られたエッジビーズ除去用組成物をエッジに沿ってそれぞれ10mL投入して5秒間スピンコーティングした後、1,500rpmの速度で回転させて乾燥させた。その後、150℃で60秒間熱処理して得られた膜に対してエリプソメトリー法で厚さを再測定し、エッジビーズ除去工程前後の厚さの変化を確認して下記基準に評価し、気相分解法を用いたICP-MS(誘導結合プラズマ質量)分析(VPD-ICP-MS)を行ってSn残留量を確認して、その結果を下記表2に示した:
*残留厚さ2Å未満の場合:○、2Å以上の場合:×。
【0140】
【表2】
【0141】
表2を参照すると、実施例による金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物は、比較例に係る金属含有フォトレジストのエッジビーズ除去用組成物に比べて、金属除去効果に優れて残留金属の減少をさらに促進する可能性があることを確認でき、また比較例3のように同じ化合物と有機溶媒を使用しても水を含む場合には、金属除去効果が相対的に低下することを確認できる。
【0142】
[評価2:コントラスト性能]
上記で製造された金属含有フォトレジスト(PR)組成物を8インチウェーハ上に1,500rpmで30秒間スピンコーティングした後、130℃で60秒間熱処理してコーティングされたウェーハを製造した。
【0143】
これをKrF スキャナー(ASML社PAS5500/700D)を活用して1.2cm×0.9cm大きさの長方形パターンで10~100mJ doseに露光した後、170℃で60秒間熱処理し、実施例1~4および比較例1~3による現像液組成物をそれぞれ適用して現像した後、最終180℃で60秒間熱処理してパターニングされたウェーハを完成した。パターニングされたウェーハに対して各露光部位の厚さを測定して得られたcontrast curveからコントラスト性能(γ(contrast))をおよび感度(D)を算出して、その結果を下記表3に示した。
【0144】
【数1】
【0145】
[評価3:感度およびラインエッジ粗度(LER)評価]
直径が500μmの50個の円形パッド直線アレイに対し、EUV光を、MET(Lawrence Berkeley National Laboratory Micro ExposureTool)を使用してウェーハに投射した。各パッドのEUV光の量の増加は、各パッドの露光時間を調節することにより適用されるようにした。
【0146】
その後、フォトレジストと基板とをホットプレート上で、160℃で120秒間の露光後焼成(PEB)した。焼成されたフィルムを実施例1~4および比較例1~3による現像液にそれぞれ30秒間の浸漬させた後、同じ現像液により、追加的に15秒間洗浄して、ネガティブトーンイメージを形成、すなわち、露光されていないコーティングの部分を除去した。最終的に150℃で2分間、ホットプレートにより焼成を行って工程を終結させた。
【0147】
偏光計測法を使用して、露光したパッドの残留したフォトレジストの厚さを測定した。各露光量に対して残っている厚さを測定して露光量に対する関数にグラフ化し、フォトレジストの種類別にDg(現像が完了するエネルギーレベル)を下記基準に従って2段階に評価して下記表3に示した。
【0148】
また、FE-SEMイメージから確認された形成された線のラインエッジ粗度(LER)を測定した後、下記基準によりラインエッジ粗度を下記基準に3段階に評価して下記表3に示した。
【0149】
[感度]
-A:16mJ/cm未満
-B:16mJ/cm以上
[ラインエッジ粗度(LER)]
-○:4nm以下
-△:4nm超7nm以下
-×:7nm超
【0150】
【表3】
【0151】
表3を参照すると、実施例による金属含有フォトレジスト現像液組成物を適用する場合、比較例に係る金属含有フォトレジスト現像液組成物を適用する場合と比べて、優れたコントラスト性能、優れた感度および減少したラインエッジ粗度を示すことが確認できる。
【0152】
上記において、本発明の特定の実施例が説明され、図示されたが、本発明は記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく、種々の修正及び変形が可能であることは、この技術分野において通常の知識を有する者にとって自明なことである。従って、そのような修正例または変形例は、本発明の技術的思想または観点から個別に理解されるべきではなく、変形された実施例は、本発明の特許請求の範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0153】
1 基板支持部、
2 噴射ノズル、
10 フォトレジスト溶液、
12 エッジビーズ、
100 基板、
OP 開口、
110 フィーチャ層、
110P フィーチャパターン、
130P フォトレジストパターン。
図1
図2
図3
図4