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特開2024-169349受信装置、変換装置、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169349
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】受信装置、変換装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/435 20110101AFI20241128BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20241128BHJP
   H04N 21/439 20110101ALI20241128BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20241128BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20241128BHJP
【FI】
H04N21/435
H04N21/431
H04N21/439
G06F3/16 690
G06F3/048
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024080486
(22)【出願日】2024-05-16
(31)【優先権主張番号】P 2023084708
(32)【優先日】2023-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 尚幸
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100171930
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 郁一郎
(72)【発明者】
【氏名】安岡 諒
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 大礎
【テーマコード(参考)】
5C164
5E555
【Fターム(参考)】
5C164MA06S
5C164MB11S
5C164PA46
5C164UB08P
5C164UB10P
5C164UB83P
5C164UD65S
5E555AA46
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA14
5E555BA19
5E555BA38
5E555BA45
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB14
5E555BB19
5E555BB38
5E555BC04
5E555BD01
5E555CA24
5E555CB02
5E555CB42
5E555CB72
5E555CB74
5E555CC05
5E555DA23
5E555DB03
5E555DB11
5E555DC13
5E555DD11
5E555EA05
5E555EA16
5E555EA18
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】視聴環境に依存せず、与えられるメタデータに含まれる情報、および再生位置の情報を正しく読み上げることを可能にするための受信装置を提供する。
【解決手段】受信装置は、メタデータ受信部と、変換機能部と、提示部とを備える。メタデータ受信部は、コンテンツ配信に関するメタデータを受信する。変換機能部は、前記メタデータから所定の読み上げ対象データを取り出すとともに、取り出した前記読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換する。変換機能部は、さらに、再生位置の情報を、前記マークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換する。
提示部は、前記変換機能部によって変換済みの前記マークアップ言語ファイルに基づいて画面表示を行うとともに、前記所定の属性の属性値を音声で読み上げる処理を行う。
【選択図】図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ配信に関するメタデータを受信するメタデータ受信部と、
前記メタデータから所定の読み上げ対象データを取り出すとともに、取り出した前記読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換し、さらに、動的に変化する読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に動的に変換する、または、前記所定の属性の属性値の記述に変換して前記マークアップ言語ファイル内に動的に埋め込む、変換機能部と、
前記変換機能部によって変換済みの前記マークアップ言語ファイルに基づいて画面表示を行うとともに、前記所定の属性の属性値を音声で読み上げる処理を行うよう制御する提示部と、
を備える受信装置。
【請求項2】
動的に変化する前記読み上げ対象データは、前記メタデータ内の読み上げ対象データ、および再生中のコンテンツの再生済みの時間である再生位置の情報、の少なくともいずれか1つであり、
前記変換機能部は、前記提示部から再生中のコンテンツの再生位置の情報を受け取った場合には受け取った前記再生位置の情報を変換して前記マークアップ言語ファイル内に動的に埋め込み、前記メタデータ内の前記読み上げ対象データが変化した場合には当該変化した前記読み上げ対象データを動的に変換する、
請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
コンテンツ配信に関するメタデータから所定の読み上げ対象データを取り出すとともに、取り出した前記読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換し、さらに、動的に変化する読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に動的に変換する、または、前記所定の属性の属性値の記述に変換して前記マークアップ言語ファイル内に動的に埋め込む、変換機能部、
を備える変換装置。
【請求項4】
コンテンツ配信に関するメタデータを受信するメタデータ受信部と、
前記メタデータから所定の読み上げ対象データを取り出すとともに、取り出した前記読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換し、さらに、動的に変化する読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に動的に変換する、または、前記所定の属性の属性値の記述に変換して前記マークアップ言語ファイル内に動的に埋め込む、変換機能部と、
前記変換機能部によって変換済みの前記マークアップ言語ファイルに基づいて画面表示を行うとともに、前記所定の属性の属性値を音声で読み上げる処理を行うよう制御する提示部と、
を備える受信装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラム。
【請求項5】
コンテンツ配信に関するメタデータから所定の読み上げ対象データを取り出すとともに、取り出した前記読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換し、さらに、動的に変化する読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に動的に変換する、または、前記所定の属性の属性値の記述に変換して前記マークアップ言語ファイル内に動的に埋め込む、変換機能部、
を備える変換装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置、変換装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、コンテンツの配信においてアクセシビリティ(Accessibility)が考慮されている。コンテンツ配信におけるアクセシビリティとは、ユーザーの誰もが困難を感じることなくコンテンツにアクセスできることである。コンテンツを受信するための受信装置においても、アクセシビリティを向上させるためのアクセシビリティ機能が設けられることがある。コンテンツを受信する装置におけるアクセシビリティ機能の一つは、画面に表示された等の文字を音声で読み上げる機能である。例えばパーソナルコンピューター(パソコン、PC)は、画面上の文字を読み上げる機能を有する専用のスクリーンリーダー(screen reader)のソフトウェアを備える場合がある。また例えばテレビ受像機(以下では「テレビ」と呼ぶ)の一部は、独自の文字読み上げ機能を備える。これらの読み上げ機能は、視覚障がい者等にも普くコンテンツ配信事業者(放送局等)のサービスやコンテンツを届けることに寄与している。
【0003】
例えば特許文献1の請求項1等には、画面の情報を読み取ってその内容の読み上げを実行する画面情報読み上げ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-206009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンテンツを受信するための受信装置(テレビ、PC、タブレット端末、スマートフォン、腕時計型端末等)においては、コンテンツそのものを読み上げる機能に加えて、コンテンツに関するメタ情報(一例として、番組表等)を読み上げる機能も求められる。
【0006】
しかしながら、従来のテレビやPC等には、次のような問題がある。即ち、テレビやPC等の視聴環境ごとに、読み上げ対象のテキストへのアクセス方法や、読み上げ自体の方法が異なる場合がある。このため、読み上げの内容が不十分になってしまう場合がある。
これにより、メタ情報(番組表等)を読み上げようとした場合にも、結果的に間違ったガイダンスとなってしまって、その読み上げを聞いたユーザー、特に視覚障がい者等がコンテンツ配信事業者によって提供されるサービスやコンテンツにたどり着けないおそれもある。
【0007】
つまり、テレビやPC等の受信装置の機種(視聴環境)に依存せず、統一された情報に基づいてメタ情報の読み上げが行われることが望まれる。
【0008】
本発明は、上記の課題認識に基づいて行なわれたものであり、機種(視聴環境)に依存せず、与えられるメタデータに含まれる情報を正しく読み上げることを可能にするための受信装置、変換装置、およびプログラムを提供しようとするものである。また、本発明は、動的に変化するメタデータやその時点におけるコンテンツの再生位置等、動的に変化し得る情報を正しく読み上げることを可能にするための受信装置等を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様による受信装置は、コンテンツ配信に関するメタデータを受信するメタデータ受信部と、前記メタデータから所定の読み上げ対象データを取り出すとともに、取り出した前記読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換し、さらに、動的に変化する読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に動的に変換する、または、前記所定の属性の属性値の記述に変換して前記マークアップ言語ファイル内に動的に埋め込む、変換機能部と、前記変換機能部によって変換済みの前記マークアップ言語ファイルに基づいて画面表示を行うとともに、前記所定の属性の属性値を音声で読み上げる処理を行うよう制御する提示部と、を備える。
【0010】
[2]また、本発明の一態様は、上記[1]の受信装置において、動的に変化する前記読み上げ対象データは、前記メタデータ内の読み上げ対象データ、および再生中のコンテンツの再生済みの時間である再生位置の情報、の少なくともいずれか1つであり、前記変換機能部は、前記提示部から再生中のコンテンツの再生位置の情報を受け取った場合には受け取った前記再生位置の情報を変換して前記マークアップ言語ファイル内に動的に埋め込み、前記メタデータ内の前記読み上げ対象データが変化した場合には当該変化した前記読み上げ対象データを動的に変換する、というものである。
【0011】
[3]また、本発明の一態様は、コンテンツ配信に関するメタデータから所定の読み上げ対象データを取り出すとともに、取り出した前記読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換し、さらに、動的に変化する読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に動的に変換する、または、前記所定の属性の属性値の記述に変換して前記マークアップ言語ファイル内に動的に埋め込む、変換機能部、を備える変換装置である。
【0012】
[4]また、本発明の一態様は、コンテンツ配信に関するメタデータを受信するメタデータ受信部と、前記メタデータから所定の読み上げ対象データを取り出すとともに、取り出した前記読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換し、さらに、動的に変化する読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に動的に変換する、または、前記所定の属性の属性値の記述に変換して前記マークアップ言語ファイル内に動的に埋め込む、変換機能部と、前記変換機能部によって変換済みの前記マークアップ言語ファイルに基づいて画面表示を行うとともに、前記所定の属性の属性値を音声で読み上げる処理を行うよう制御する提示部と、を備える受信装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラム、である。
【0013】
[5]また、本発明の一態様は、 コンテンツ配信に関するメタデータから所定の読み上げ対象データを取り出すとともに、取り出した前記読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換し、さらに、動的に変化する読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に動的に変換する、または、前記所定の属性の属性値の記述に変換して前記マークアップ言語ファイル内に動的に埋め込む、変換機能部、を備える変換装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラム、である。
【0014】
[参考態様1]また、一参考態様による受信装置は、コンテンツ配信に関するメタデータを受信するメタデータ受信部と、前記メタデータから所定の読み上げ対象データを取り出すとともに、取り出した前記読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換する変換機能部と、前記変換機能部によって変換済みの前記マークアップ言語ファイルに基づいて画面表示を行うとともに、前記所定の属性の属性値を音声で読み上げる処理を行うよう制御する提示部と、を備える。
【0015】
[参考態様2]また、別の参考態様は、上記[参考態様1]の受信装置において、前記メタデータ受信部は、コンテンツ配信サービスに関するサービスメタデータを受信し、前記変換機能部は、前記サービスメタデータ内のサービス名の情報を前記読み上げ対象データとして取り出し、取り出した前記サービス名の情報を、前記マークアップ言語ファイル内の属性値の記述に変換する、というものである。
【0016】
[参考態様3]また、別の参考態様は、上記[参考態様1]または[参考態様2]の受信装置において、前記メタデータ受信部は、配信されるコンテンツに関するコンテンツメタデータを受信し、前記変換機能部は、前記コンテンツメタデータ内のコンテンツ名の情報またはコンテンツ配信日時の情報の少なくともいずれか一方を前記読み上げ対象データとして取り出し、取り出したコンテンツ名の情報またはコンテンツ配信日時の情報の少なくともいずれか一方の情報を、前記マークアップ言語ファイル内の属性値の記述に変換する、というものである。
【0017】
[参考態様4]また、別の参考態様は、上記[参考態様1]から[参考態様3]までのいずれかの受信装置において、前記メタデータ受信部は、配信されるコンテンツに関するコンテンツメタデータを受信するものであり、前記コンテンツメタデータ内に含まれる解説音声の所在情報であって、前記コンテンツに関連する前記解説音声の所在情報に基づいて前記解説音声を取得し、取得した解説音声を音声として再生させる解説音声再生部、をさらに備える、というものである。
【0018】
[参考態様5]また、別の参考態様は、コンテンツ配信に関するメタデータから所定の読み上げ対象データを取り出すとともに、取り出した前記読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換する変換機能部、を備える変換装置である。
【0019】
[参考態様6]また、別の参考態様は、コンテンツ配信に関するメタデータを受信するメタデータ受信部と、前記メタデータから所定の読み上げ対象データを取り出すとともに、取り出した前記読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換する変換機能部と、前記変換機能部によって変換済みの前記マークアップ言語ファイルに基づいて画面表示を行うとともに、前記所定の属性の属性値を音声で読み上げる処理を行うよう制御する提示部と、を備える受信装置、としてコンピューターを機能させるプログラムである。
【0020】
[参考態様7]また、別の参考態様は、コンテンツ配信に関するメタデータから所定の読み上げ対象データを取り出すとともに、取り出した前記読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換する変換機能部、を備える変換装置、としてコンピューターを機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、変換機能部は、メタデータから取り出した所定の情報をマークアップ言語ファイル内の所定のタグの所定の属性の値として埋め込むことができる。また、変換機能部は、コンテンツの再生位置の情報をマークアップ言語ファイル内の所定のタグの所定の属性の値として埋め込むことができる。提示部は、前記所定の属性の属性値を音声で読み上げる処理を行うよう制御する。これにより、メタデータ内の所定の情報が音声で読み上げられる。これによりユーザーは聴覚によってメタデータの情報を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態による受信装置の概略機能構成を示すブロック図である。
図2】同実施形態による受信装置を含むように構成されるコンテンツ配信システムの全体構成を示すブロック図である。
図3】同実施形態による受信装置の動作シーケンスの例を示すフローチャート(1/3)である。
図4】同実施形態による受信装置の動作シーケンスの例を示すフローチャート(2/3)である。
図5】同実施形態による受信装置の動作シーケンスの例を示すフローチャート(3/3)である。
図6】同実施形態によるコンテンツ配信システムが使用するユーザープロファイルデータの例を示す概略図である。
図7】同実施形態による受信装置が、メタデータから取得した情報を表示用のHTML内に挿入した例(その1)を示す概略図である。
図8】同実施形態による受信装置が、メタデータから取得した情報を表示用のHTML内に挿入した例(その2)を示す概略図である。
図9】同実施形態によるコンテンツ配信システムが使用するサービスメタデータの例を示す概略図(1/2)である。
図10】同実施形態によるコンテンツ配信システムが使用するサービスメタデータの例を示す概略図(2/2)である。
図11】同実施形態によるコンテンツ配信システムが使用するコンテンツメタデータの例を示す概略図(1/7)である。
図12】同実施形態によるコンテンツ配信システムが使用するコンテンツメタデータの例を示す概略図(2/7)である。
図13】同実施形態によるコンテンツ配信システムが使用するコンテンツメタデータの例を示す概略図(3/7)である。
図14】同実施形態によるコンテンツ配信システムが使用するコンテンツメタデータの例を示す概略図(4/7)である。
図15】同実施形態によるコンテンツ配信システムが使用するコンテンツメタデータの例を示す概略図(5/7)である。
図16】同実施形態によるコンテンツ配信システムが使用するコンテンツメタデータの例を示す概略図(6/7)である。
図17】同実施形態によるコンテンツ配信システムが使用するコンテンツメタデータの例を示す概略図(7/7)である。
図18】同実施形態による受信装置における、解説音声の再生のための処理手順を記述したスクリプトの例を示す概略図である。
図19】同実施形態によるコンテンツ配信システムが使用するイベントメタデータの例を示す概略図である。
図20】同実施形態による受信装置が表示する画面の例と、それらの画面間での遷移を示す概略図である。
図21】同実施形態によるコンテンツ配信システムを構成する各装置の内部構成(コンピューター)の例を示すブロック図である。
図22】第2実施形態による受信装置の概略機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
次に、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、受信装置は、構造化されたメタデータを利用して、メタデータに基づく音声での読み上げを行う。メタデータは、受信装置の機種等に依存しない形式のデータである。受信装置は、メタデータを受信して、メタデータから取り出した情報を、機械による読み上げが可能なフォーマットに変換する。その結果として、受信装置の読み上げ機能が充実し、例えば視覚障がい者等も容易にコンテンツ配信事業者のサービスやコンテンツにたどり着くことができるようになる。
【0024】
以下の説明において、「アプリ」は、アプリケーションプログラムの略である。また、「HTML」は、ハイパーテキストマークアップ言語(Hypertext Markup Language)を意味する。また、「URL」は、統一資源位置指定子(Uniform Resource Locator)を意味する。また、「API」は、アプリケーションプログラムインターフェース(Application Program Interface)を意味する。また、「VOD」は、ビデオオンデマンド(video on demand)を意味する。
【0025】
図1は、本実施形態による受信装置の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、受信装置1は、受信部31(送受信部)と、コンテンツ受信部11と、復号部12と、提示部13と、プロファイル判定部151と、環境判定部152と、変換機能部153と、画面表示部154と、読み上げ機能部17と、音声出力部18と、解説音声再生部19とを含んで構成される。
【0026】
受信装置1が持つ上記の機能のうち、例えば、プロファイル判定部151と、環境判定部152と、変換機能部153と、画面表示部154との機能を、ウェブアプリケーション150として実現してもよい。ウェブアプリケーション150は、実行可能なコードを持つHTMLファイルとしてJavaScript(登録商標)等の言語を用いて記述されるプログラムである。受信装置1は、ブラウザー15を備えており、ウェブアプリケーション150はブラウザー15の上で稼働する。
【0027】
受信装置1は、テレビ(テレビ受像機)であってもよいし、情報端末(パーソナルコンピューター、タブレット端末、スマートフォン(スマホ)、腕時計型端末等)であってもよい。受信装置1がテレビである場合、受信装置1は、放送信号を受信する機能を持ち、放送信号として搬送されるコンテンツ(放送番組等)を受信することができる。また、受信装置1がテレビである場合、受信装置1は、インターネット等の通信回線を介してネット配信動画コンテンツを受信することもできる。また、受信装置1のテレビは、ハイブリッドキャスト(Hybridcast)対応のテレビであってもよい。ハイブリッドキャストは、放送と通信を融合して実現されるサービスである。ハイブリッドキャスト自体は、既存技術によるものである。受信装置1が情報端末である場合、受信装置1は、インターネット等の通信回線を介してネット動画コンテンツを受信することができる。
【0028】
受信装置1は、テレビであっても情報端末であっても、インターネット等の通信回線を経由して、外部のサーバー装置からメタデータを受信することができる。後述するように、本実施形態による受信装置1は、コンテンツ送信装置3等と通信回線で接続して、コンテンツ配信システム100を構成する(図2参照)。
【0029】
受信装置1が持つ上記の各機能の少なくとも一部は、例えば、コンピューターとプログラムとで実現することが可能である。また、各機能部は、必要に応じて、記憶手段を有する。記憶手段は、例えば、プログラム上の変数や、プログラムの実行によりアロケーションされるメモリーである。また、必要に応じて、磁気ハードディスク装置やソリッドステートドライブ(SSD)といった不揮発性の記憶手段を用いるようにしてもよい。また、各機能部の少なくとも一部の機能を、プログラムではなく専用の電子回路として実現してもよい。
【0030】
なお、提示部13の機能と画面表示部154の機能とを合わせて「提示部」と呼んでもよい。
【0031】
受信装置1が持つ各機能部のそれぞれについて次に説明する。
【0032】
受信部31(送受信部)は、外部の装置等との間で通信を行い、データを受信する。受信部31が外部装置等と通信する際に何らかのデータ(制御情報を含む)を送信する場合もあるため、受信部31を「送受信部」と呼んでもよい。
【0033】
受信部31は、様々なデータを受信する中で、メタデータも受信する。つまり、受信部31は、コンテンツ配信に関するメタデータを受信する「メタデータ受信部」として機能する。つまり、受信部31は、コンテンツ配信サービスに関するサービスメタデータを受信したり、コンテンツ配信サービスによって配信されるコンテンツに関するコンテンツメタデータを受信したり、配信されるイベントに関するイベントメタデータを受信したりする。
【0034】
なお、コンテンツ配信サービスとは、放送信号を用いてコンテンツの配信を行う放送サービスや、インターネットを介してコンテンツ(動画等)の配信(ブロードキャスト方式の配信であってもよいし、VOD方式の配信であってもよい)を行うネット動画配信サービスとを含む。また、コンテンツ配信サービスがその他の形態のサービスであってもよい。
【0035】
コンテンツ受信部11は、受信装置1が再生しようとするコンテンツのデータを、受信部31を介して受信する。コンテンツは、放送コンテンツであってもよいしネット配信動画コンテンツであってもよい。コンテンツが放送コンテンツである場合には、コンテンツ受信部11は放送信号を受信してその復調を行う。
【0036】
復号部12は、コンテンツ受信部11が受信したコンテンツデータを復号する。復号の結果として、復号部12は、コンテンツの映像や音声やテキストやその他のリソースを出力する。
【0037】
提示部13は、復号部12が復号したコンテンツを提示する。具体的には、提示部13は、映像やテキスト等を画面に表示する。また、提示部13は、音声を音声出力部18から出力する。
【0038】
プロファイル判定部151は、受信部31がウェブアプリサーバー装置7(図2参照)からユーザープロファイルデータを受信したときに、特定のユーザーのプロファイルについての判定を行う。例えば、プロファイル判定部151は、特定のユーザーについて、アクセシビリティモード(accessibilityMode)が真(true)に設定されているか偽(false)に設定されているかを判定する。また、プロファイル判定部151は、受信装置1の読み上げ機能(screenReaderAudio)が真(true)に設定されているか偽(false)に設定されているかを判定する。また、プロファイル判定部151は、解説音声(guideAudio)が真(true)に設定されているか偽(false)に設定されているかを判定する。受信装置1の動作は、これらの判定結果に依存する。
【0039】
環境判定部152は、自装置(受信装置1)の稼働環境を判定する。具体的には、環境判定部152は、自装置がテレビであるか情報端末(PC等)であるかを判定する。この判定結果に応じて、受信装置1は、稼働環境に応じた機能を利用して処理を行う。
【0040】
変換機能部153は、受信部31が受信したメタデータから所定の読み上げ対象データを取り出すとともに、取り出した読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル(HTMLファイル)内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換する。つまり、変換機能部153は、上記の読み上げ対象データをマークアップ言語ファイル内に埋め込む。
【0041】
対象とするメタデータがサービスメタデータである場合には、変換機能部153は、サービスメタデータ内の所定の情報(例えば、サービス名の情報)を読み上げ対象データとして取り出し、取り出した読み上げ対象データ(サービス名等)の情報を、マークアップ言語ファイル内の属性値の記述に変換する。なお、読み上げ対象とする情報がサービス名の情報以外であってもよい。また、対象とするメタデータがコンテンツメタデータである場合には、変換機能部153は、コンテンツメタデータ内の所定の情報(例えば、コンテンツ名の情報や、コンテンツ配信日時の情報など)を読み上げ対象データとして取り出し、取り出した情報の少なくともいずれか1つを、マークアップ言語ファイル内の属性値の記述に変換する。また、対象とするメタデータがイベントメタデータである場合には、変換機能部153は、イベントメタデータ内の所定の情報を読み上げ対象データとして取り出し、取り出した情報を、マークアップ言語ファイル内の属性値の記述に変換する。
【0042】
つまり、変換機能部153は、メタデータから取り出した所定の情報を、マークアップ言語ファイル内に埋め込む。読み出し対象の情報は、特定のタグの特定の属性の値としてマークアップ言語ファイル内に埋め込まれる。つまり、変換機能部153によって情報が埋め込まれた後のマークアップ言語ファイルにおいては、ファイル内に含まれる情報が読み出し対象の情報であるか否かが機械的に判別可能である。
【0043】
画面表示部154は、変換機能部153によって変換済みのマークアップ言語ファイル(HTMLファイル)に基づいて画面表示を行うとともに、前記所定の属性の属性値を音声で読み上げる処理を行うよう制御する。具体的には、画面表示部154は、前記所定の属性の属性値であるテキストを読み上げ機能部17に渡すことによって、当該テキストが音声で読み上げられるように制御する。
【0044】
なお、画面表示部154は、ポータル画面やコンテンツやメニュー画面などを提示するものであり、「提示部」とも呼ばれる。
【0045】
読み上げ機能部17は、外部(画面表示部154)から渡される文字列の読み上げを行う。受信装置1がテレビである場合には、読み上げ機能部17は、読み上げAPIを経由して文字列を渡すことにより、読み上げを実現する。受信装置1が情報端末(PCやスマートフォン等)である場合には、読み上げ機能部17は、ハードウェア、ソフトウェア、あるいはそれら両方の協同で実現されるスクリーンリーダーである。
【0046】
音声出力部18は、読み上げ機能部17が出力した音声や、解説音声再生部19が再生した音声や、その他の音声を出力する。音声出力部18は、スピーカーあるいはイヤフォン等の機能を含む。
【0047】
解説音声再生部19は、指定された解説音声を再生して音声を出力する。解説音声は、典型的には動画コンテンツに関連付けられた音声である。解説音声の所在は、コンテンツメタデータ内に記述されている。解説音声再生部19は、このコンテンツメタデータ内に含まれる解説音声の所在情報(URL等)に基づいて解説音声を取得し、取得した解説音声を音声として再生させる。ここで解説音声再生部19が参照するコンテンツメタデータは、特定のコンテンツに関する情報を持つメタデータである。このコンテンツメタデータは、当該コンテンツに関連する解説音声の所在情報を持っている。
【0048】
ブラウザー15は、ウェブの情報を画面に表示させる機能を持つ。ブラウザー15は、マークアップ言語ファイル(HTMLファイル等)を読み込んでその内容を解釈することにより、画面の表示を行う。
【0049】
ウェブアプリケーション150は、ブラウザー15の上で稼働するアプリケーションプログラムである。ウェブアプリケーション150は、HTML等のマークアップ言語で記述され、手続的処理のコードを内部に含むことができる。本実施例におけるウェブアプリケーション150は、プロファイル判定部151と、環境判定部152と、変換機能部153と、画面表示部154との機能を含む。
【0050】
なお、図1に示した変換装置301は、変換機能部153の機能を有する装置である。
変換機能部153の機能については、既に説明している。変換装置301は、独立した装置として、コンテンツ配信に関するメタデータから所定の読み上げ対象データを取り出すとともに、取り出した読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換して、マークアップ言語ファイル内に埋め込む。これにより、変換装置301は、メタデータを基に、読み上げ対象の情報を含んだマークアップ言語ファイルを生成することができる。つまり、そのマークアップ言語ファイルを表示させることにより、メタデータから取り出された情報の読み上げが可能となる。
【0051】
図2は、上記の受信装置1を含むように構成されるコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。図示するように、コンテンツ配信システム100は、受信装置1と、コンテンツ送信装置3と、メタデータ提供装置5と、ウェブアプリサーバー装置7と、コンテンツ配信事業者装置9とを含んで構成される。
【0052】
なお、コンテンツ送信装置3や、メタデータ提供装置5や、ウェブアプリサーバー装置7や、コンテンツ配信事業者装置9のそれぞれが持つ機能の少なくとも一部は、上述した受信装置1と同様に、コンピューターとプログラムとで実現することが可能である。また、各装置の少なくとも一部の機能を、プログラムではなく専用の電子回路等として実現してもよい。
【0053】
コンテンツ配信システム100において、受信装置1と、コンテンツ送信装置3と、メタデータ提供装置5と、ウェブアプリサーバー装置7と、コンテンツ配信事業者装置9との相互間では、例えばインターネット等の通信回線(不図示)を介して通信を行うことができる。また、受信装置1がテレビである場合、コンテンツ送信装置3(放送波送信装置)から受信装置1へは、放送信号(電波や、ケーブルテレビの信号)を介してコンテンツや制御情報等を送信することができる。
【0054】
コンテンツ送信装置3は、受信装置1に対してコンテンツを送信(配信)する。コンテンツ送信装置3が受信装置1に対して送信するコンテンツは、放送番組あるいはネット配信動画コンテンツのどちらであってもよい。コンテンツ送信装置3が放送局(ケーブルテレビ局を含む)の放送信号送信装置である場合、コンテンツ送信装置3は、放送信号によってコンテンツを受信装置1に対して送信する。コンテンツ送信装置3がネット配信動画コンテンツの配信サーバー装置である場合、コンテンツ送信装置3は、インターネット等の通信回線を介したIP通信(IPは、「インターネットプロトコル」の略)を用いて、コンテンツを受信装置1に対して送信する。コンテンツが放送番組の場合もネット配信動画コンテンツの場合も、コンテンツ送信装置3がコンテンツを送信する方式自体は、既存技術に属する。
【0055】
メタデータ提供装置5は、コンテンツ送信装置3が送信するコンテンツに関するメタデータを提供する。つまり、メタデータ提供装置5は、受信装置1から要求された場合に、上記のメタデータを受信装置1に対して送信する。メタデータは、コンテンツのタイトルや、サービス特定情報(放送局あるいはチャンネル等を特定する情報)や、コンテンツの配信日時に関する情報や、コンテンツの概要テキストの情報を含むものであってよい。メタデータの形式の例や、メタデータの送信の手順等に関しては、後で説明する。
【0056】
ウェブアプリサーバー装置7は、受信装置1で稼働するウェブアプリに対してサービスを提供する装置である。ウェブアプリサーバー装置7は、受信装置1からの要求に応じて、ユーザープロファイルデータを提供したり、画面(アクセシビリティポータル画面、アクセシビリティ再生画面等)を表示するためのHTMLファイルを提供したりする。
【0057】
コンテンツ配信事業者装置9は、コンテンツ配信事業者(例えば、放送事業者や、ネット動画配信事業者等)が運営する装置であり、コンテンツやメタデータを提供する機能を有する。コンテンツ配信事業者装置9は、コンテンツ送信装置3に対して、コンテンツのデータを提供する。また、コンテンツ配信事業者装置9は、メタデータ提供装置5に対して、コンテンツに関するメタデータを提供する。コンテンツ配信事業者装置9は、例えばインターネットあるいは専用通信回線を経由して、コンテンツをコンテンツ送信装置3に送信したり、メタデータをメタデータ提供装置5に送信したりする。あるいは、コンテンツ配信事業者装置9が、通信回線経由ではなく、磁気テープや、磁気ハードディスクや、光ディスク等の可搬媒体を用いてコンテンツ(放送番組等)やメタデータを提供するようにしてもよい。なお、コンテンツやメタデータは、コンテンツ制作事業者(放送事業者と同一の場合もある)やその関連のサービス提供事業者によって作成されるものである。
【0058】
次に、図3図4、および図5を参照しながら、受信装置1の動作シーケンスの例を説明する。図3図4、および図5に示すフローチャートは、1本の処理シーケンスを示すものであり、結合子によって相互に接続されている。なお、図3に示すステップS5からS9までの処理は、変換機能部153による処理である。以下、このフローチャートに沿って説明する。
【0059】
ステップS1において、受信装置1で稼働するウェブアプリケーション150は、ウェブアプリサーバー装置7に対して、ポータルの起動を要求する。ここで「ポータル」とは、アプリの一つである。「アクセシビリティポータル」は、「ポータル」の一種である。
ポータルが持つ一機能としてアクセシビリティポータルの画面を表示してもよいし、通常のポータルのアプリから、別のアプリとしてのアクセシビリティポータルに遷移する動作を行うようにしてもよい。ウェブアプリサーバー装置7は、受信装置1からのこの起動要求に応じて、ポータルを起動するとともに、プロファイルデータを要求元の受信装置1に対して返送する。
【0060】
ステップS2において、受信装置1のウェブアプリケーション150は、ウェブアプリサーバー装置7から送信されるプロファイルデータを受信する。
【0061】
ステップS3において、受信装置1のプロファイル判定部151は、ステップS1で受信したプロファイルデータに基づいて、プロファイルの判定を行う。具体的には、プロファイル判定部151は、アクセシビリティ機能(「A11Y機能」と表記する場合もある)が有効であるか無効であるかを判定する。プロファイルデータの例と、アクセシビリティ機能の有効/無効については、後で図6を参照しながら説明する。アクセシビリティ機能が有効であるユーザーに関しては、受信装置1のウェブアプリケーション150は、以下で説明するアクセシビリティ機能を有効とする。アクセシビリティ機能が無効であるユーザーに関しては、受信装置1のウェブアプリケーション150はアクセシビリティ機能が作用しないように制御してよい。
【0062】
ステップS4において、受信装置1のウェブアプリケーション150は、ウェブアプリサーバー装置7に対して、アクセシビリティポータル画面を要求する。ウェブアプリサーバー装置7は、この要求に応じてアクセシビリティポータル画面を受信装置1に返送する。受信装置1はこのアクセシビリティポータル画面を受信する。
【0063】
ステップS5において、受信装置1の変換機能部153は、メタデータ提供装置5に対して、構造化メタデータを要求する。メタデータ提供装置5は、この要求に応じて、構造化メタデータを要求元の受信装置1に対して送信する。受信装置1は、この構造化メタデータを受信する。本ステップにおいてメタデータ提供装置5から送信される構造化メタデータは、サービスメタ(サービス(放送局)に関するメタデータ)、コンテンツメタ(個々のコンテンツに関するメタデータ)、およびイベントメタ(発生するイベントに関するメタデータ)のそれぞれである。メタデータ提供装置5は、これらのサービスメタ、コンテンツメタ、およびイベントメタを順次、受信装置1に対して送信してよい。
【0064】
ステップS6において、受信装置1の変換機能部153は、ステップS5において受信したメタデータ(サービスメタ)から、サービス情報(放送局情報)を取り出す。具体的には、変換機能部153は、サービスメタから、サービス名の情報を取り出す。
【0065】
ステップS7において、受信装置1の変換機能部153は、ステップS5において受信したメタデータ(コンテンツメタ)から、コンテンツ情報(番組情報)を取り出す。
【0066】
ステップS8において、受信装置1の変換機能部153は、ステップS5において受信したメタデータ(コンテンツメタ)から、コンテンツ名(番組名)や、コンテンツ配信の開始時刻および終了時刻の情報を取り出す。
【0067】
具体的には、変換機能部153は、コンテンツメタの「itemListElement」配列内の要素を取り出す。この「itemListElement」配列内の個々の要素が、1つのコンテンツに対応する。また、変換機能部153は、それぞれのコンテンツに関して次の情報を取り出す。即ち、変換機能部153は、コンテンツメタデータ内のコンテンツ名の情報や、配信開始日時の情報や、配信終了日時の情報を取り出す。コンテンツメタからの情報の取り出しについては、後でも説明する。
【0068】
ステップS9において、受信装置1の変換機能部153は、取得したデータを適宜編集するとともに、それらのデータを受信装置1における提示用のHTMLファイルの所定のタグの箇所にそれぞれ挿入する。つまり、変換機能部153は、HTMLタグを用いた記述をHTMLファイル内に挿入する。音声での読み上げの対象となるタグと、その属性とを予め決めておいてよい。変換機能部153は、ステップS8で取り出した情報を、HTMLファイル内の所定の属性の値に変換して埋め込む。
【0069】
図4に移って、ステップS10において、受信装置1で稼働するウェブアプリケーション150の画面表示部154は、アクセシビリティポータル画面を表示する。受信装置1は、アクセシビリティポータル画面を、上のステップS4において既に受信している。受信装置1の画面表示部154は、自装置が持つ液晶ディスプレイ装置等においてアクセシビリティポータル画面を表示する。アクセシビリティポータル画面においては、後述するように、コンテンツ名等がグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)のウィジェット(例えば、ボタン)に表示されている(図20参照)。
【0070】
ステップS11において、受信装置1の環境判定部152は、自装置の稼働環境を判定する。具体的には、環境判定部152は、HC関数を呼び出すことによって、自装置の稼働環境がテレビであるか情報端末(PC等)であるかを判定する。本ステップの判定を行うことにより、以下では、受信装置1は、環境に応じた動作をすることができる。
【0071】
ステップS12において、受信装置1は、テキストの読み上げを実行する。具体的には、受信装置1は、表示されているHTML画面において、アクセシビリティポータル画面上でポインティングされたフォーカス内のウィジェットに対応する、HTMLタグに囲まれた番組名(コンテンツ名)と放送時間(配信開始時刻および終了時刻)の文字列を音声で読み上げる。つまり、受信装置1は、フォーカスがあたっているコンテンツの、番組名(コンテンツ名)と放送時間(配信開始時刻および終了時刻)の文字列を読み上げる。
【0072】
なお、受信装置1がテレビである場合には、受信装置1は、読み上げ対象の文字列(テキスト)を読み上げAPI経由で渡すことによって読み上げを実行する。なお、この読み上げAPIは、Web Speech APIを用いて実装したり、JavaScriptによるスクリプトを記述することによって実装したりできる。読み上げを行う際に、画面表示部154は、現在のフォーカスに対応する読み上げテキストを、読み上げ機能部17に渡す。読み上げ機能部17は渡されたテキストの読み上げを実行し、音声出力部18からその読み上げ音声が出力される。以下のステップにおけるテキストの読み上げも、同様の方法で行われる。
【0073】
また、受信装置1が情報端末である場合(テレビではない場合)には、受信装置1は、前述のとおり、ハードウェア、ソフトウェア、あるいはそれら両方の協同で実現されるスクリーンリーダーの機能によって読み上げを実行する。
【0074】
ステップS13において、受信装置1は、アクセシビリティポータル画面上でのフォーカス移動を行う。具体的には、受信装置1は、自装置が持つポインティング手段をユーザーが操作するのを検知して、その操作に応じて、フォーカスを移動させる。一例として、ユーザーは、キーボードあるいはキーパッドや、受信装置1のリモコン装置に配置されている上下左右キー等を任意に操作することができる。受信装置1は、それらのキー操作を検知して、操作されたキーに対応してフォーカスを移動させる。フォーカスを移動することにより、例えば、ユーザーが着目するコンテンツ(選択候補のコンテンツ)を変えることができる。HTML内のタグへのデータの埋め込みが既にステップS9において行われているため、フォーカスが移動する都度、コンテンツに対応した読み上げテキストを取り出すことが可能である。
【0075】
ステップS14において、受信装置1は、読み上げを実行する。具体的には、ステップS13においてフォーカスが移動した際に、画面表示部154は、現在のフォーカスのコンテンツに対応する読み上げテキストを、読み上げ機能部17に渡す。読み上げ機能部17は渡されたテキストの読み上げを実行し、音声出力部18からその読み上げ音声が出力される。
【0076】
ステップS15において、受信装置1は、次に再生すべきコンテンツを決定する。具体的には、受信装置1の画面表示部154が前述の通りフォーカスの移動を行い、ユーザーによる決定操作が為された際に、その時点のフォーカスに対応するコンテンツが次に再生すべきコンテンツとして決定される。上記の決定操作は、例えば、ユーザーが「決定ボタン」を押すことによって行われる。決定ボタンは、キーボードあるいはキーパッド上に配置されていてもよいし、受信装置1を操作するためのリモコン装置上に配置されていてもよい。受信装置1は、決定ボタンが押下されることを検知すると、現在のフォーカスに対応するコンテンツを「決定コンテンツ」とする。
【0077】
コンテンツ決定(ステップS15)まで、図4ではフォーカス移動(ステップS13)を1回実行するように示しているが、何回でも実行することができ、フォーカス移動が行われる都度、読み上げ(ステップS14)を実行する。つまり、コンテンツ決定(ステップS15)まで、ステップS13,S14の処理の組が、1回ないし複数回繰り返して行われる。また、フォーカス移動せずにコンテンツ決定する、即ち、アクセシビリティポータル画面が表示された(ステップS10)ときのフォーカスに対応するコンテンツに決定することもできる。また、フォーカス移動後の読み上げ(ステップS14)は、フォーカスが、1つのコンテンツ(選択対象)に対応するウィジェット上で所定時間(例えば、1.0秒間)静止または継続してあたり続けると、処理を開始するように構成することができる。また、読み上げ(ステップS12,S14)の実行中に、フォーカス移動(ステップS13)やコンテンツ決定(ステップS15)が実行されるようにユーザーが操作した場合には、その時点で処理(読み上げ)を中止するように構成することができる。
【0078】
ステップS16において、受信装置1上のウェブアプリケーション150は、ウェブアプリサーバー装置7に対して、アクセシビリティ再生画面を要求する。ウェブアプリサーバー装置7は、この要求に応じてアクセシビリティ再生画面を受信装置1に対して送信する。受信装置1は、このアクセシビリティ再生画面を受信し、表示することができる。
【0079】
ステップS17において、受信装置1は、コンテンツ(放送番組あるいはネット配信動画コンテンツ)を要求する。本ステップにおいて受信装置1が要求するコンテンツは、ステップS15において決定されたコンテンツである。受信装置1が本ステップにおいてコンテンツを要求する際には、構造化メタデータ内から当該コンテンツのURL(URI)を取り出して使用する。コンテンツのURLは、放送番組(放送サービスとして配信されるコンテンツ)の所在を表すこともできるし、ネット配信動画コンテンツの所在を表すこともできる。
【0080】
ここでの受信装置1からのコンテンツの要求先は、上記のURLによって特定されるコンテンツ送信装置3である。この要求を受けたコンテンツ送信装置3は、要求に基づいてコンテンツを受信装置1に配信することができる。ただし、コンテンツ送信装置3が放送の送信装置である場合には、コンテンツ送信装置3は、受信装置1からの要求とは無関係に放送信号を送信する。受信装置1のコンテンツ受信部11は、コンテンツ送信装置3から送信されるコンテンツを、受信部31を介して、受信する。コンテンツ受信部11は、受信したコンテンツを再生する。即ち、コンテンツ受信部11は、受信したコンテンツを復調し、復号部12に渡す。復号部12は、コンテンツに含まれるリソース(映像や音声等)を復号し、提示部13に渡す。提示部13は、復号部12から渡された復号結果(映像や音声等)を出力する。具体的には、提示部13は、コンテンツに含まれる映像や文字を画面に表示し、音声をスピーカー等(音声出力部18)から出力する。
【0081】
図5に移って、ステップS18において、受信装置1のウェブアプリケーション150は、解説音声の有無を判定する。解説音声は、上記の受信中のコンテンツ(動画コンテンツ)のアクセシビリティを向上させるために付随して配信され得るコンテンツである。解説音声の有無は、例えば、メタデータを参照することによって判定可能である。受信装置1は、この判定結果(解説音声の有無)に応じて、次のステップS19において解説音声を出力する処理を行うか否かを決定する。
【0082】
解説音声があると判定された場合に限り、ステップS19において、受信装置1は、解説音声を受信して出力する。解説音声の所在情報(URL)は、例えば、コンテンツ本体のメタデータに記述される。解説音声がある場合には、ウェブアプリケーション150は、その所在情報に基づいて、コンテンツ送信装置3に対して、解説音声を要求する。コンテンツ送信装置3は、この要求に応じて、解説音声を要求元の受信装置1に対して送信する。受信装置1のウェブアプリケーション150は、解説音声を受信して、解説音声再生部19に渡す。解説音声再生部19は、解説音声を再生するとともに、音声出力部18から解説音声を出力する。
【0083】
なお、コンテンツ送信装置3とは別に解説音声専用の配信装置(解説音声サーバー)を設けるようにしてもよい。その場合にも、受信装置1のウェブアプリケーション150は、上記の所在情報を用いて解説音声にアクセス可能である。解説音声再生部19は、一例として、音声API(一例として、Web Audio API)を介して音声データを渡すことにより、音声の出力を行う。
【0084】
ステップS20において、受信装置1のウェブアプリケーション150は、アクセシビリティ再生画面を表示する。このアクセシビリティ再生画面は、上のステップS20において受信していたものである。このようにしてコンテンツの提示と、解説音声の出力(必要な場合のみ)とが行われる。
【0085】
ステップS21において、受信装置1は、読み上げを行う。読み上げを実行する具体的な処理手順については、ステップS12やS14で既に説明した通りである。
【0086】
ステップS22において、受信装置1は、メタデータ提供装置5に対して、カルーセルメニューを要求する。メタデータ提供装置5は、この要求に応じて、カルーセルメニューを要求元の受信装置1に対して送信する。受信装置1は、カルーセルメニューを受信して、表示することができる。このカルーセルメニューを含む画面も、HTMLで記述されている。
【0087】
ステップS23において、受信装置1は、読み上げを行う。読み上げを実行する具体的な処理手順については、ステップS12やS14で既に説明した通りである。
【0088】
本実施形態における受信装置1の典型的な処理(メタデータの読み上げ)は、以上のシーケンスの通りである。受信装置1は、さらに以後も、メタデータを受信し、そのメタデータから抽出した情報をHTML内に埋め込み、適宜読み上げ処理を行うようにしてよい。
【0089】
次に、受信装置1が処理する際に使用するデータの詳細について説明する。
図6は、ユーザープロファイルの例を示す概略図である。
図7は、メタデータから取得した情報を受信装置1側での表示用のHTML内に挿入した例を示す概略図である。
図8は、メタデータから取得した情報を受信装置1側での表示用のHTML内に挿入した別の例を示す概略図である。
図9および図10は、サービスメタデータの例を示す概略図である。
図11図12図13図14図15図16、および図17は、コンテンツメタデータの例を示す概略図である。
図18は、解説音声の再生のための処理手順を記述したスクリプトの例を示す概略図である。
図19は、イベントメタデータの例を示す概略図である。
なお、図6から図19までにおいて示すデータには、便宜的に、参照のための行番号を付している。図6から図19までにおいて示すデータに含まれる行の一部は、1行の途中で折り返して表示している。
【0090】
図6に示すユーザープロファイルのデータは、2件分のユーザーのデータを示している。
【0091】
図6の第1行目から第19行目までがその第1件目のユーザープロファイルのデータであり、そのユーザーIDは「yamada」である(第2行目)。当該ユーザーのプロファイル設定として、第9行目には、「"accessibilityMode": true」(真)と記述されている。
この設定は、受信装置1がアクセシビリティモード「on」で稼働すべきことを表す設定である。また、第10行目には、「"screenReaderAudio": true」(真)と記述されている。この設定は、受信装置1において画面読み上げ音声機能「on」で稼働すべきことを表す設定である。また、第11行目には、「"guideAudio": true」(真)と記述されている。この設定は、受信装置1において解説音声再生機能「on」で稼働すべきことを表す設定である。
【0092】
図6の第20行目から第38行目までがその第2件目のユーザープロファイルのデータであり、そのユーザーIDは「tanaka」である(第21行目)。当該ユーザーのプロファイル設定として、第28行目には、「"accessibilityMode": false」(偽)と記述されている。この設定は、受信装置1がアクセシビリティモード「off」で稼働すべきことを表す設定である。また、第29行目には、「"screenReaderAudio": false」(偽)と記述されている。この設定は、受信装置1において画面読み上げ音声機能「off」で稼働すべきことを表す設定である。また、第30行目には、「"guideAudio": false」(偽)と記述されている。この設定は、受信装置1において解説音声再生機能「off」で稼働すべきことを表す設定である。
【0093】
このように図6のユーザープロファイルのデータは、そのユーザーに関して受信装置1が稼働する際にそれぞれの機能をアクティベートさせるか否かを表す。なお、図6のデータのその他の行に関しては、図示している通りであり、ここではそれ以上の説明を省略する。
【0094】
図7に示すHTMLデータの要素は、「img」要素(画像要素)である。この「img」タグはalt(オルト)属性を持つ。Alt属性は、画像の代替情報を表す。このalt属性の値として記述されている文字列は、受信装置1による読み上げの対象となり得る。本例では、alt属性の値は「NHK総合・東京」である。このimgタグは、特定の放送サービスのアイコン(ロゴマーク)の画像であり、そのalt属性の値はサービス名を表す文字列である。
【0095】
図8に示すHTMLデータの要素は、「div」要素である。この「div」タグは、aria-label属性を持つ。aria-label属性は、WAI-ARIA(ウェイ・アリア)において定められた属性である。WAIは、「Web Accessibility Initiative」の略である。同図におけるaria-label属性の値は、受信装置1によって読み上げの対象となり得る文字列である。
【0096】
以上の図7図8に例示されるように、構造化メタデータから抽出された情報(音声として読み上げることが適した情報)は、受信装置1の変換機能部153によって、HTML内の所定の属性値として埋め込まれる。なお、読み上げ対象となる属性の例としてalt属性やaria-label属性を挙げたが、HTMLにおいて用いられる他の属性あるいは他の要素の値を読み上げ対象の情報としてもよい。例えば、ボタンやリストにおけるtitle属性(例えば「<button title=”再生ボタン”>」などと記述)や、見出し要素(例えば「<h1>アクセシビリティポータル画面</h1>」などと記述)や、表(table)におけるcaption要素(例えば「<table><caption>番組一覧</caption>・・・</table>」などと記述)や、その他の属性や要素を読み上げの対象としてもよい。
【0097】
図9および図10に示す1件のメタデータ(サービスメタデータ)は、コンテンツ配信サービスに関して記述されたメタデータである。このサービスメタデータの第7行目(図9)からは、アイテムリスト要素(item list element)が列挙されている。第8行目(図9)から第63行目(図10)までのブロック(左右のカーリーブレイスで囲まれた部分)は、そのうちの1件のアイテム要素である。このアイテム要素は、1件のサービス(放送サービス、放送局)の情報を記述している。このうちの第12行目(図9)の「"name": "NHK総合・東京"」は、放送サービスの名称の記述であり、図7において説明したimg要素のalt属性値の基である。また、第35行目(図10)の「"image": "/public/logo/nhk_g.png"」は、サービスのロゴマークの画像の所在を表す情報であり、図7におけるimg要素のsrc属性の値に関連付いている。なお、図7および図8データのその他の行に関しては、図示している通りであり、ここではそれ以上の説明を省略する。
【0098】
図11図12図13図14図15図16、および図17において示す1件のメタデータ(コンテンツメタデータ)は、1つのコンテンツ(本例では、放送におけるニュース番組)に関する情報を記述したものである。このコンテンツメタデータの第29行目(図11)の「"name": "NHKニュース7 マスク緩和で感染者は▼要支援者の原発避難[二][字]"」は、コンテンツ(放送番組)の名称を表すものである。このコンテンツ名称の情報は、受信装置1による読み上げ対象となり得るものであり、受信装置1の変換機能部153によって表示用のHTMLデータ内に埋め込まれる。また、このコンテンツメタデータの第58行目(図12)から始まる「"publication":」のブロックの中には、コンテンツ配信(放送)の開始時刻と終了時刻の情報が含まれる。具体的には、第62行目(図12)の「"startDate": "2023-03-09T19:00:00+09:00"」は、配信開始日時を表す。また、第63行目(図12)の「"endDate": "2023-03-09T19:30:00+09:00"」は、配信終了日時を表す。なお、これらの日時は、年月日、時分秒、およびタイムゾーン(本例の「+09:00」は、協定世界時よりも9時間進んでいることを表す)を含んでいる形式である。この配信(放送)の開始日時および終了日時の情報は、受信装置1による読み上げ対象となり得るものであり、受信装置1の変換機能部153によって表示用のHTMLデータ内に埋め込まれる。また、受信装置1がハイブリッドキャスト対応テレビの場合、ハイブリッドキャスト独自のHTMLデータ(例えば、放送再生に用いるオブジェクトタグ)内に、読み上げ対象の情報を埋め込んでも良い。
【0099】
また、このコンテンツメタデータの第188行目(図16)から始まる「"citation":」のブロックは、解説音声の所在に関する情報を含んでいる。具体的には、第190行目(図16)の「"@type": "AudioObject"」は、ここで記述しているオブジェクトのタイプが音声オブジェクトであることを表している。また、第191行目(図16)の「"name": "主音声に加えた番組内容の解説音声"」は、当該音声オブジェクトの名称を表す文字列の情報である。即ち、当該音声オブジェクトは、前述の解説音声のオブジェクトである。
また、第192行目(図16)の「"url": "https://www.example.net/audioguide/0001.mp3"」は、その解説音声にアクセスするための所在情報(URL)を表す。このようにコンテンツメタデータ内には、解説音声に関する情報も含まれている。受信装置1は、このコンテンツメタデータを参照することによって、前述の解説音声の取得および再生の処理を行う。
【0100】
図18に示す処理手順(Web Audio APIでの実現例)の記述において、第1行目は単なるコメントである。第2行目は、AudioContextオブジェクトを新たに生成して変数guideAudioCtx(解説音声のコンテキスト)に格納する処理である。第3行目は、上記の変数guideAudioCtxが持つメソッド「createBuffer」を呼び出してバッファーを生成し、変数guideAudioSrcに格納する処理である。第4行目は、XMLHttpRequestオブジェクトを生成して、変数requestに格納する処理である。第5行目は、変数urlに文字列定数「https://www.example.net/audioguide/0001.mp3」を格納する処理である。この文字列定数は、サンプルの解説音声である「0001.mp3」(MP3(MPEG 1 Audio Layer-3)形式のファイル)にアクセスするためのURLを表す。
【0101】
続いて図18の第6行目は、第4行目で値を格納した変数request(XMLHttpRequestオブジェクト)が持つメソッドopenを呼び出す処理である。メソッドopenに渡す実引数は、第1に文字列定数の「GET」、第2に変数url(第5行目の処理で値を格納した)、第3に値true(真)である。この第6行目の処理により、HTTPリクエストがオープンされる。第7行目は、上記の変数requestが持つ変数responseTypeに、定数文字列「arraybuffer」を格納する処理である。第8行目は、上記の変数requestが持つメソッドsendを実行する処理である。これにより、リクエストが送信される。
【0102】
続いて図18の第9行目から第15行目までは、上記の変数requestが持つ変数onloadの関数を定義するものである。第9行目から第15行目までが左右のカーリーブレイス(curly braces)で囲まれた1つのブロックである。第10行目は、変数resに、変数request(オブジェクト)が持つ変数responseの値を格納する処理である。request.reqponseには、リクエスト先からの返答(レスポンス)が格納されていることが期待される。第11行目から第13行目までは、前記の変数guideAudioCtx(第1行目を参照)のオブジェクトが持つメソッド「decodeAudioData」を呼び出す処理である。第12行目は、変数guideAudioSrc(第2行目を参照)のオブジェクトが持つ変数bufferに、変数bufの値を格納する処理である。第14行目は、関数guideAudioPlay(解説音声の再生)を実行する処理である。
【0103】
続いて図18の第16行目から第19行目までは、上記の関数guideAudioPlay(解説音声の再生)の定義である。第16行目から第19行目までが左右のカーリーブレイスで囲まれた1つのブロックである。当該関数の実行部分は、第17行目および第18行目である。第17行目は、上記の変数guideAudioSrcのオブジェクトが持つメソッド「connect」を実行する処理である。このメソッド「connect」に渡す実引数は、上記の変数guideAudioCtxのオブジェクトが持つ変数destinationの値である。このメソッド「connect」が実行されることにより、解説音声の生成機能への接続が行われる。また、第18行目は、上記の変数guideAudioSrcのオブジェクトが持つメソッド「start」を実行する処理である。このメソッド「start」に渡す実変数は数値「0」である。このメソッド「start」を実行することにより、解説音声の再生が開始される。
【0104】
図19は、イベントメタデータの例を示す概略図である。本例において、第17行目の「"dateModified": "2023-03-08T13:23:17+09:00"」や、第18行目の「"dateCreated":"2023-03-08T13:23:17+09:00"」や、第19行目の「"datePosted": "2023-03-08T13:23:17+09:00"」は、イベントに関連する日時情報である。また、第21行目の「"name": "緊急地震速報"」はイベント名を表す情報である。また、第22行目の「"text": "緊急地震速報 およそ__秒後に震度__程度の地震がきます"」は、イベントに関するテキストを表す情報である。
【0105】
図20は、受信装置1が表示する画面の例と、それらの画面間での遷移を示す概略図である。同図において、SC1は、アクセシビリティポータル画面である。また、SC2は、再生画面である。SC3は、カルーセルメニューを表示しているときの再生画面である。
【0106】
本例によるポータル画面SC1においては、時間軸方向(縦方向)とチャンネル別(サービス別)(横方向)のマトリックスの形状で、コンテンツの情報が表示されている。またそのマトリックスの下には、特定のチャンネル(サービス)におけるおすすめのコンテンツ(VOD)の情報のリストが表示されている(VOD1、VOD2、VOD3)。既に説明したように、ポータル画面SC1において表示されているコンテンツ情報には、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)のウィジェット(例えば、ボタン)として、フォーカスをあてることが可能である。ユーザーのキー操作等によって、フォーカスを移動させて、ポータル画面SC1に表示されたコンテンツ情報のうちの任意のものにあてることができる。現在のフォーカスに対応するコンテンツに関しては、受信装置1は、そのメタデータ(コンテンツメタ)を音声によって読み上げることができる。
【0107】
再生画面SC2においては、受信装置1は、再生中のコンテンツ(動画等)を表示する。
【0108】
カルーセルメニュー表示中の再生画面SC3においては、タイムバー(プログレスバーとも呼ぶ)と、「00:50:00/01:00:00」という文字列とが表示されている。この文字列は、再生中のコンテンツの全体の長さ(トータル再生時間)「1:00:00」(1時間)のうちの「0:50:00」(50分)が既に経過したことを示している。つまり、このタイムバーおよび文字列は、現在再生中のコンテンツ(ネット配信動画コンテンツ等)の現在再生位置を表すものである。また、カルーセルメニュー表示中の再生画面SC3においては、カルーセルメニューの形態で、複数のコンテンツの情報が表示されている。本例においてカルーセルメニューとして表示されているコンテンツとは、特定のサービス(本例では、AchとBchの2つのサービス)における現在放送中のコンテンツと、特定のサービス(本例では、Ach)における複数のおすすめコンテンツとである。カルーセルメニューにおいて表示されているコンテンツの情報にユーザーがフォーカスをあてたときに、当該コンテンツに関する情報を、受信装置1が読み上げるようにしてよい。
【0109】
図20において破線矢印で示す画面遷移は、次の通りである。画面遷移T12として、ポータル画面SC1が表示されており、且つ提示されているコンテンツのうちのいずれかが選択されている状態(フォーカスがあたっている状態)において、ユーザーが決定操作をすると、再生画面SC2への遷移が起こる。即ち、再生画面SC2において、決定されたコンテンツの再生が開始される。なお、ユーザーの決定操作は、画面上あるいはリモコン装置等においてユーザーが「決定」キーを押下することにより行われる。
【0110】
画面遷移T23として、再生画面SC2が表示されている状態において、ユーザーがカルーセルメニューを表示させるための操作を行うと、カルーセルメニュー表示中の再生画面SC3への遷移が起こる。つまり、カルーセルメニュー表示中の再生画面SC3においては、元々再生中であったコンテンツが表示されるとともに、カルーセルメニューが表示される。なお、ユーザーがカルーセルメニューを表示させるための操作とは、例えば、画面上あるいはリモコン装置等においてユーザーが「決定」キー、「上」キー、または「下」キーを押下する操作である。
【0111】
画面遷移T31として、カルーセルメニュー表示中の再生画面SC3が表示されている状態において、ユーザーがポータル画面を表示させるための操作を行うと、ポータル画面SC1への遷移が起こる。なお、ユーザーがポータル画面を表示させるための操作とは、例えば、画面上あるいはリモコン装置等においてユーザーがポータル画面表示に割り当てられた特定のキー(一例として、「青」キー)を押下する操作である。
【0112】
カルーセルメニュー表示中の再生画面SC3から再生画面SC2への遷移は、2通りの方法で行われる。画面遷移T32Aとして、カルーセルメニュー表示中の再生画面SC3が表示されている状態において、ユーザーが画面上あるいはリモコン装置等で「戻る」キーを押下する操作を行うと、再生画面SC2への遷移が起こる。画面遷移T32Aで再生画面SC2に遷移した場合には、元々再生されていたコンテンツが引き続き再生される。
画面遷移T32Bとして、カルーセルメニュー表示中の再生画面SC3が表示されている状態において、ユーザーが選択したコンテンツ(フォーカスのあたっているコンテンツ)を「決定」する操作(「決定」キーの押下等)を行うと、再生画面SC2への遷移が起こる。画面遷移T32Aで再生画面SC2に遷移した場合には、ユーザーによって新たに選択(決定)されたコンテンツの再生が開始される。
【0113】
画面遷移T21として、再生画面SC2が表示されている状態において、ユーザーが画面上あるいはリモコン装置等で「戻る」キーを押下する操作を行うと、ポータル画面SC1への遷移が起こる。
【0114】
図21は、コンテンツ配信システム100を構成する各装置の内部構成(コンピューター)の例を示すブロック図である。各装置(受信装置1、コンテンツ送信装置3、メタデータ提供装置5、ウェブアプリサーバー装置7、コンテンツ配信事業者装置9)は、コンピューターを用いて実現され得る。図示するように、そのコンピューターは、中央処理装置901と、RAM902と、入出力ポート903と、入出力デバイス904や905等と、バス906と、を含んで構成される。コンピューター自体は、既存技術を用いて実現可能である。中央処理装置901は、RAM902等から読み込んだプログラムに含まれる命令を実行する。中央処理装置901は、各命令にしたがって、RAM902にデータを書き込んだり、RAM902からデータを読み出したり、算術演算や論理演算を行ったりする。RAM902は、データやプログラムを記憶する。RAM902に含まれる各要素は、アドレスを持ち、アドレスを用いてアクセスされ得るものである。なお、RAMは、「ランダムアクセスメモリー」の略である。入出力ポート903は、中央処理装置901が外部の入出力デバイス等とデータのやり取りを行うためのポートである。入出力デバイス904や905は、入出力ポート903を介して中央処理装置901との間でデータをやりとりする。バス906は、コンピューター内部で使用される共通の通信路である。
例えば、中央処理装置901は、バス906を介してRAM902のデータを読んだり書いたりする。また、例えば、中央処理装置901は、バス906を介して入出力ポート903にアクセスする。
【0115】
なお、上述した各装置の少なくとも一部の機能をコンピューターおよびプログラムで実現することができる。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピューターシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリー等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。つまり、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、非一過性の(non-transitory)コンピューター読み取り可能な記録媒体であってよい。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、一時的に、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0116】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、前実施形態において既に説明した事項については以下において説明を省略する場合がある。ここでは、本実施形態に特有の事項を中心に説明する。
【0117】
図22は、本実施形態による受信装置の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、受信装置2は、受信部31(送受信部)と、コンテンツ受信部11と、復号部12と、提示部13と、プロファイル判定部151と、環境判定部152と、変換機能部153Aと、画面表示部154と、読み上げ機能部17と、音声出力部18と、解説音声再生部19と、再生位置読み上げ機能部21とを含んで構成される。本実施形態の受信装置2の特徴は、第1実施形態の受信装置1が持っていなかった再生位置読み上げ機能部21を備える点である。また、受信装置2は、第1実施形態が持っていた変換機能部153に代えて、変換機能部153Aを備える。
【0118】
再生位置読み上げ機能部21は、ユーザーによって選択(決定)されたネット配信動画コンテンツの再生中に、カルーセルメニュー(再生操作メニュー)が表示されている状況において、再生中の当該コンテンツの再生位置の情報の読み上げを行う。
【0119】
カルーセルメニューは、第1実施形態において図20を参照しながら説明した通りである(カルーセルメニュー表示中の再生画面SC3)。第1実施形態においても説明したように、カルーセルメニューの画面は、現在再生中のコンテンツ(例えば、ネット配信動画コンテンツ)のトータル再生時間と現在再生位置(コンテンツの開始位置からの相対時間、時・分・秒で表わされ得る)の情報を表示している。つまり、受信装置2で稼働するプレーヤー(提示部13)は、現在再生中のコンテンツのトータル再生時間と現在再生位置の情報を保持している。なお、コンテンツの再生中には、現在再生位置の情報は変化し続ける。
【0120】
コンテンツのプレーヤー(提示部13)は、上記の通り、現在再生位置の情報を保持しながらコンテンツを再生し、提示する。プレーヤー(提示部13)は、上記のトータル再生時間および現在再生位置の情報を、所定の時間間隔(一例として0.1秒ごと)で繰り返し、変換機能部153Aに渡す。
【0121】
変換機能部153Aは、カルーセルメニュー画面を表示するためのHTMLファイル内の所定の属性値として、プレーヤー(提示部13)から受け取ったトータル再生時間および現在再生位置の情報を埋め込む。言い換えれば、変換機能部153Aは、受け取ったトータル再生時間および現在再生位置の情報を、HTML画面用のデータ(alt属性値の記述の形式、あるいはaria-label属性値の記述の形式)に変換する。プレーヤー(提示部13)における再生が停止されない限り現在再生位置は動的に変わっていくため、変換機能部153Aは、動的に繰り返し、カルーセルメニュー画面のHTMLファイルを更新する。言い換えれば、変換機能部153Aは、動的に繰り返し、トータル再生時間および現在再生位置の情報を、HTML画面用のデータに変換する。
【0122】
つまり、変換機能部153Aは、現在再生中のコンテンツの再生位置の情報を、当該コンテンツを提示するプレーヤー(提示部13)から受け取り、受け取った再生位置の情報を、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換して、そのマークアップ言語ファイル内に動的に埋め込む。
【0123】
さらに、変換機能部153Aは、メタデータ内の読み上げ対象データが動的に変化した場合に、当該変化した読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に動的に変換する。動的に変化し得るメタデータは、例えば、コンテンツメタデータと、イベントメタデータである。コンテンツメタデータに含まれるすべての情報が動的に変化し得るデータであってもよい。一例として、緊急ニュース(例えば、地震等の災害のニュース)等によって当初予定されていた放送終了時刻が変更される場合に、コンテンツメタデータ内の放送終了時刻の情報が動的に変化する。第1実施形態で説明したコンテンツメタデータの例においては、第63行目(図12)の記述「"endDate": "2023-03-09T19:30:00+09:00"」が、「"endDate": "2023-03-09T20:00:00+09:00"」などといった記述に変化し得る。放送終了時刻の情報は、放送開始前に変化する場合もあり、あるいは放送開始後(放送中)に変化する場合もある。
それらの場合において、変換機能部153Aは、変更後の情報を、読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に動的に変換する。イベントメタデータは、地震等の突発事項に対応して動的に発生する場合があり、この場合にも、変換機能部153Aは、発生したイベントの情報を、読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に動的に変換する。このように変換機能部153Aがメタデータ内の読み上げ対象データの動的な変更に対応した場合には、受信装置1が実際に音声として読み上げる情報も変更される。
【0124】
変換機能部153Aがマークアップ言語ファイルを動的に書き換えるということは、ブラウザー15が画面描画の際に参照する情報を直接書き換えることである。例えば、マークアップ言語ファイルがファイルシステム上に存在していて、ブラウザー15がそのマークアップ言語ファイルに基づく画面を描画するために自己の作業用メモリー空間内に展開している場合、且つブラウザー15がその作業用メモリーを所定頻度でリフレッシュしない場合には、変換機能部153Aは、ファイルシステム上のマークアップ言語ファイルを書き換えるだけでは足らず、その作業用メモリーに展開されているマークアップ言語ファイルを書き換える。これにより、変換機能部153Aによるデータの更新が即時に画面および読み上げ音声に反映される。
【0125】
つまり、変換機能部153Aは、メタデータから所定の読み上げ対象データを取り出すとともに、取り出した前記読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に変換し、さらに、動的に変化する読み上げ対象データを、画面表示用のマークアップ言語ファイル内の読み上げ対象データ用の所定の属性の属性値の記述に動的に変換する、または、前記所定の属性の属性値の記述に変換して前記マークアップ言語ファイル内に動的に埋め込む。
【0126】
なお、動的に変化する前記読み上げ対象データは、前記メタデータ内の読み上げ対象データ、および再生中のコンテンツの再生済みの時間である再生位置の情報、の少なくともいずれか1つである。変換機能部153Aは、提示部13から再生中のコンテンツの再生位置の情報を受け取った場合には受け取った前記再生位置の情報を変換して前記マークアップ言語ファイル内に動的に埋め込み、前記メタデータ内の前記読み上げ対象データが変化した場合には当該変化した前記読み上げ対象データを動的に変換する。
【0127】
提示部13は、変換機能部153Aによって変換済みの前記マークアップ言語ファイルに基づいて画面表示を行うとともに、前記所定の属性の属性値を音声で読み上げる処理を行うよう制御する。
【0128】
なお、変換機能部153Aを有する変換装置301を実施してもよい。変換装置301は、前記のデータ変換を行うことができる。
【0129】
再生位置読み上げ機能部21は、カルーセルメニュー画面上の所定の位置(例えば、トータル再生時間および現在再生位置の表示の位置)にフォーカスがあたったときに、上記の変換機能部153Aによって埋め込まれたHTMLの要素(テキスト情報)を取り出し、その要素の読み上げを行わせる。読み上げを行う方法自体については、既に第1実施形態で説明した通りである。
【0130】
なお、変換機能部153Aは、カルーセルメニュー画面用のHTMLだけではなく、その他のHTMLを動的に書き換えてもよい。つまり、第1実施形態において説明した変換機能部153は、取得したメタデータ(サービスメタデータ、コンテンツメタデータ、およびイベントメタデータ)から必要な情報(サービス名や、コンテンツ名(番組名)や、配信開始および終了の日時)を取り出し、HTMLファイル内の記述に変換していた。本実施形態の変換機能部153Aは、そのようなデータ変換およびHTMLファイルの更新を、動的に行う。つまり、メタデータが更新されたときに、変換機能部153Aは、その更新を、表示中のHTMLファイル内の記述に動的に反映させる。
【0131】
以上、複数の実施形態を説明したが、本発明はさらに次のような変形例でも実施することが可能である。
【0132】
[変形例]
第1実施形態および第2実施形態のそれぞれにおいて、受信装置は、解説音声再生部19を備えていた。それぞれの実施形態における変形例として、受信装置が解説音声再生部19を持たない構成としてもよい。この場合には、受信装置は、例えば再生中のコンテンツに関連する解説音声の所在をコンテンツメタデータ内で探さない。よって、受信装置は解説音声にアクセスして取得することなく、したがって受信装置は解説音声を再生しない。当該変形例においても、変換機能部(153または153A)の機能は有効であり、メタデータから取り出される情報は読み上げ対象のデータとしてHTML内に埋め込まれる。
【0133】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明は、例えば、コンテンツの配信に関するサービスや、そのための機器・装置に利用することができる。但し、本発明の利用範囲はここに例示したものには限られない。
【符号の説明】
【0135】
1,2 受信装置
3 コンテンツ送信装置
5 メタデータ提供装置
7 ウェブアプリサーバー装置
9 コンテンツ配信事業者装置
11 コンテンツ受信部
12 復号部
13 提示部
15 ブラウザー
17 読み上げ機能部
18 音声出力部
19 解説音声再生部
31 受信部(送受信部、メタデータ受信部)
100 コンテンツ配信システム
150 ウェブアプリケーション
151 プロファイル判定部
152 環境判定部
153,153A 変換機能部
154 画面表示部(提示部)
301 変換装置
901 中央処理装置
902 RAM
903 入出力ポート
904,905 入出力デバイス
906 バス
SC1 ポータル画面
SC2 再生画面
SC3 カルーセルメニュー表示中の再生画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22