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特開2024-169354反応器蓋およびそれを使用する原子層堆積装置
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  • 特開-反応器蓋およびそれを使用する原子層堆積装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169354
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】反応器蓋およびそれを使用する原子層堆積装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20241128BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20241128BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
C23C16/455
C23C16/44 B
H01L21/205
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024081729
(22)【出願日】2024-05-20
(31)【優先権主張番号】63/468,466
(32)【優先日】2023-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ソンフン・チョン
(72)【発明者】
【氏名】金 大渊
(72)【発明者】
【氏名】全 然▲ジョン▼
(72)【発明者】
【氏名】ヴィヴェク・ウパダヤ
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030EA03
4K030EA11
4K030FA01
4K030KA08
5F045AA08
5F045AA15
5F045AD01
5F045AE01
5F045AF01
5F045AF07
5F045AF10
5F045BB02
5F045DP03
5F045DQ10
5F045EE17
5F045EF01
5F045EF13
5F045EF20
5F045EH18
5F045EK07
(57)【要約】
【課題】特定の反応器蓋を備えたALD(原子層堆積)装置を提供する。
【解決手段】反応蓋、および反応蓋を使用する遠隔プラズマユニット(RPU)を有するプラズマ増強原子層堆積(PEALD)装置が開示される。反応蓋は、生成されたプラズマおよび処理ガスを、ウエハ処理空間内へ流すように構成された、ガス入口と、ガス入口の下方に配置され、かつ切頭円錐形状を有する頂部部分であって、生成されたプラズマおよび処理ガスを流すためのウエハ処理空間を画定する頂部部分と、頂部部分の下方に配置された、側壁部分と、ガス入口の下方の頂部部分の口部に配置されたバッフルであって、生成されたプラズマおよび処理ガスがウエハの中心に集中することを防止することによって、生成されたプラズマおよび処理ガスをウエハの表面全体にわたって一様に分散させるように構成されたバッフルと、を備えてもよく、ウエハ処理空間はまた、側壁部分によって画定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハを処理するための遠隔プラズマユニットを有する原子層堆積装置における反応器蓋であって、前記反応器蓋が、
生成されたプラズマおよび処理ガスを、ウエハ処理空間内へ流すように構成された、ガス入口と、
前記ガス入口の下方に配置され、かつ切頭円錐形状を有する頂部部分であって、前記生成されたプラズマおよび前記処理ガスを流すための前記ウエハ処理空間を画定する頂部部分と、
前記頂部部分の下方に配置された側壁部分と、
前記ガス入口の下方の前記頂部部分の口部に配置されたバッフルであって、前記生成されたプラズマおよび前記処理ガスが前記ウエハの中心に集中することを防止することによって、前記生成されたプラズマおよび前記処理ガスを前記ウエハの表面全体にわたって一様に分散させるように構成されたバッフルと、を備え、
前記ウエハ処理空間がまた、前記側壁部分によって画定される、反応器蓋。
【請求項2】
前記側壁部分が、前記側壁部分の底部側の周りに複数の穴をさらに備える、請求項1に記載の反応器蓋。
【請求項3】
前記頂部部分が、下向き凸状形状を有するようにさらに構成されている、請求項1に記載の反応器蓋。
【請求項4】
隣接する二つの穴間の距離が異なる、請求項2に記載の反応器蓋。
【請求項5】
前記複数の穴における穴の直径が異なる、請求項2に記載の反応器蓋。
【請求項6】
ウエハを処理するためのプラズマ増強原子層堆積(PEALD)装置であって、前記装置が、
ウエハを支持および加熱するためのヒーターを提供されたウエハ支持体と、
プラズマを生成するように構成された遠隔プラズマユニットと、
前記ウエハ支持体を取り巻くように構成された下部チャンバと、
前記下部チャンバの上方に配置された上部チャンバであって、ウエハを処理するためのウエハ処理空間を画定するように構成された上部チャンバと、
前記遠隔プラズマユニットおよび前記上部チャンバを接続するように配置されたガス入口であって、前記遠隔プラズマユニットからの前記生成されたプラズマおよび処理ガスを前記ウエハ処理空間内へ流すように構成されるガス入口と、を備え、
前記上部チャンバが、
前記ガス入口の下方に配置され、かつ切頭円錐形状を有する頂部部分であって、前記生成されたプラズマおよび前記処理ガスを前記ウエハ処理空間内へ流すように構成される頂部部分と、
前記頂部部分の下方に配置された側壁部分と、
前記ガス入口の下方の前記頂部部分の口部に配置されたバッフルであって、前記生成されたプラズマおよび前記処理ガスを前記ウエハの表面全体にわたって一様に分散させ、前記生成されたプラズマおよび前記処理ガスを前記ウエハの表面にわたって広げるように構成されたバッフルと、をさらに備え、
前記ウエハ処理空間が、前記頂部部分の下方に配置され、前記側壁部分および前記ウエハ支持体によって取り巻かれる、プラズマ増強原子層堆積(PEALD)装置。
【請求項7】
前記側壁部分が、前記側壁部分の底部側の周りに複数の穴をさらに備える、請求項6に記載のPEALD装置。
【請求項8】
前記頂部部分が、下向き凸状形状を有するようにさらに構成されている、請求項6に記載のPEALD装置。
【請求項9】
ウエハを処理する後に前記処理ガスを排出するように構成された、ポンプポートをさらに備える、請求項7に記載のPEALD装置。
【請求項10】
前記複数の穴のうちの二つの隣接する穴間の距離が、前記穴が前記ポンプポートのより近くに位置するにつれて、より短くなる、請求項9に記載のPEALD装置。
【請求項11】
前記複数の穴のうちの穴の直径が、前記穴が前記ポンプポートのより近くに位置するにつれて、より大きくなる、請求項9に記載のPEALD装置。
【請求項12】
ウエハを処理するための遠隔プラズマユニットを有する原子層堆積装置における反応器蓋であって、前記反応器蓋が、
生成されたプラズマガスおよび処理ガスを、ウエハ処理空間内へ流すように構成された、ガス入口と、
前記ガス入口の下方に配置され、かつ切頭円錐形状を有する頂部部分であって、前記ウエハを処理するために前記頂部部分の下方の空間内へ、前記生成されたプラズマを流すように構成され、かつ処理ガスを分散させる頂部部分と、
前記頂部部分の下方に配置された側壁部分と、
前記ガス入口の下方の前記頂部部分の口部に配置されたバッフルであって、前記生成されたプラズマおよび前記処理ガスが前記ウエハの中心に集中することを防止するように構成されたバッフルと、
前記頂部部分の表面上および/または前記ガス入口の周りに配置された、二つ以上のヒーターと、を備える、反応器蓋。
【請求項13】
前記側壁部分が、前記側壁部分の底部側の周りに複数の穴をさらに備える、請求項12に記載の反応器蓋。
【請求項14】
前記頂部部分が、前記ウエハ処理空間に面する側上に下向き凸状形状を有する、請求項12に記載の反応器蓋。
【請求項15】
隣接する二つの穴間の距離および/または前記複数の穴における穴の直径が異なる、請求項13に記載の反応器蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウエハ処理装置に関し、特に特定の反応器蓋を備えたALD(原子層堆積)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体歩留まりの改善に直接影響を及ぼすウエハ膜の均一性は、今日の半導体堆積設備においてますます重要になっている。
【0003】
ウエハ品質については、満たすべき多くの条件、例えば、プラズマパワー、高温、様々な供給源(ガス)などがあり、したがって、既存の設備構造ですべての条件を満たすことは困難である。
【0004】
ウエハ堆積のためのプラズマ増強原子層堆積(PEALD)設備は、一般に上部電極および下部電極を備え、ウエハは、堆積プロセスのために二つの電極の間に配置される。一般に、シャワーヘッドは上部電極として役割を果たし、ガスチャネル、入口ポート、絶縁部品、および多くの他の部品などの、他の構造も存在すべきである。
【0005】
従来の構造の複雑さに起因して、プロセス結果を分析することはしばしば困難である。
【0006】
したがって、本開示は、シャワーヘッドを置き換えることができるチャンバ構造、ならびにウエハを処理するためにチャンバ構造および遠隔プラズマユニットを使用するALD装置を提示する。
【発明の概要】
【0007】
この概要は、選択された概念を、単純化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、下記の開示の例示の実施形態の詳細な説明において、さらに詳細に記述される。この概要は、特許請求の範囲に記載される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求の範囲に記載される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0008】
一実施形態によれば、ウエハを処理するための遠隔プラズマユニットを有する原子層堆積装置における反応器蓋であって、反応器蓋が、生成されたプラズマおよび処理ガスを、ウエハ処理空間に挿入するように構成された、ガス入口と、ガス入口の下方に配置され、かつ切頭円錐形状を有する頂部部分であって、生成されたプラズマ、および処理ガスがウエハ処理空間に挿入されるように構成される頂部部分と、頂部部分の下方に配置された、側壁部分と、ガス入口の下方の頂部部分の口部に配置されたバッフルであって、生成されたプラズマおよび処理ガスがウエハの中心に集中することを防止するように構成されたバッフルと、を備え、ウエハ処理空間が、頂部部分の下方に配置され、側壁部分によって取り巻かれる、反応器蓋が提供されてもよい。
【0009】
少なくとも一つの態様では、側壁部分は、側壁部分の底部側の周りに複数の穴をさらに備える。
【0010】
少なくとも一つの態様では、頂部部分は、下向き凸状形状を有するようにさらに構成されている。
【0011】
少なくとも一つの態様では、隣接する二つの穴間の距離は異なる。
【0012】
少なくとも一つの態様では、複数の穴における穴の直径は異なる。
【0013】
別の実施形態によれば、ウエハを処理するためのプラズマ増強原子層堆積(PEALD)装置であって、装置が、ウエハを支持および加熱するためのヒーターを提供された、ウエハ支持体と、プラズマを生成するように構成された、遠隔プラズマユニットと、ウエハ支持体を囲むように構成された、下部チャンバと、下部チャンバを覆うように、およびウエハを処理するためのウエハ処理空間を提供するように構成された、上部チャンバと、遠隔プラズマユニットおよび上部チャンバを接続するように配置されたガス入口であって、遠隔プラズマユニットからの生成されたプラズマ、および処理ガスをウエハ処理空間に挿入するように構成されるガス入口と、を備え、上部チャンバが、ガス入口の下方に配置され、かつ切頭円錐形状を有する頂部部分であって、生成されたプラズマおよび処理ガスがウエハ処理空間に挿入されるように構成される頂部部分と、頂部部分の下方に配置された、側壁部分と、ガス入口の下方の頂部部分の口部に配置されたバッフルであって、生成されたプラズマおよび処理ガスがウエハの中心に集中することを防止するように構成されたバッフルと、をさらに備え、ウエハ処理空間が、頂部部分の下方に配置され、側壁部分およびウエハ支持体によって取り巻かれる、プラズマ増強原子層堆積(PEALD)装置が提供されてもよい。
【0014】
少なくとも一つの態様では、側壁部分は、側壁部分の底部側の周りに複数の穴をさらに備える。
【0015】
少なくとも一つの態様では、頂部部分は、下向き凸状形状を有するようにさらに構成されている。
【0016】
少なくとも一つの態様では、ウエハを処理する後に処理ガスを出るように構成された、ポンプポート。
【0017】
少なくとも一つの態様では、複数の穴のうちの二つの隣接する穴間の距離は、穴がポンプポートのより近くに位置するにつれて、より短くなる。
【0018】
少なくとも一つの態様では、複数の穴のうちの穴の直径は、穴がポンプポートのより近くに位置するにつれて、より大きくなる。
【0019】
別の実施形態によれば、ウエハを処理するための遠隔プラズマユニットを有する原子層堆積装置における反応器蓋であって、反応器蓋が、生成されたプラズマガスおよび処理ガスをウエハ処理空間に挿入するように構成された、ガス入口と、ガス入口の下方に配置され、かつ切頭円錐形状を有する頂部部分であって、ウエハを処理するために、生成されたプラズマのために構成されかつ頂部部分の下方の空間内へ処理ガスを分散させる頂部部分と、頂部部分の下方に配置された、側壁部分と、ガス入口の下方の頂部部分の口部に配置されたバッフルであって、生成されたプラズマおよび処理ガスがウエハの中心に集中することを防止するように構成されたバッフルと、頂部部分の表面上および/またはガス入口の周りに配置された、二つ以上のヒーターと、を備える、反応器蓋が提供されてもよい。
【0020】
少なくとも一つの態様では、側壁部分は、側壁部分の底部側の周りに複数の穴をさらに備える。
【0021】
少なくとも一つの態様では、頂部部分は、下向き凸状形状を有するようにさらに構成されている。
【0022】
少なくとも一つの態様では、隣接する二つの穴間の距離および/または複数の穴における穴の直径は異なる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図中の要素は、簡潔かつ明瞭にするために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが、理解されるであろう。例えば、図内の要素の一部の寸法は、本開示の例示される実施形態の理解の向上を助けるために、他の要素に対し相対的に誇張されている場合がある。
【0024】
図1】本開示による反応器蓋の一実施形態を示す図である。
図2】本開示による反応器蓋の、底部からの図である。
図3】本開示による反応器蓋において穴間の距離がどのように異なるかを示す図である。
図4】本開示の実施形態による、反応器蓋、ならびに反応器蓋および遠隔プラズマユニットを採用するプラズマ増強原子層堆積装置の全体図である。
図5】本開示による反応器蓋の別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
ある特定の実施形態および実施例を以下に開示するが、本発明の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等物を超えて本発明が延長することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、開示された本発明の範囲は、以下に記載の特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図されている。
【0026】
本明細書で使用される場合、用語「基材」は、修飾されてもよい、またはデバイス、回路、もしくは膜がその上に形成されてもよい、任意の下地材料(複数可)を含む、任意の下地材料(複数可)を指してもよい。「基材」は、連続的または非連続的、剛性または可撓性、中実または多孔質、およびそれらの組合せであってもよい。基材は、粉末、プレート、またはワークピースなどの、任意の形態であってもよい。プレートの形態の基材は、様々な形状、およびサイズのウエハを含んでもよい。基材は、例えば、ケイ素、シリコンゲルマニウム、酸化ケイ素、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、および炭化ケイ素を含む、半導体材料から作製されてもよい。
【0027】
例として、粉末の形態の基材は、医薬品製造のための用途を有してもよい。多孔質基材は、ポリマーを含んでもよい。ワークピースの例としては、医療機器(例えば、ステントおよびシリンジ)、宝石類、ツーリング装置、電池製造のための構成要素(例えば、負極、正極、もしくはセパレータ)、または光起電力セルの構成要素などが含まれてもよい。
【0028】
連続基材は、堆積プロセスが生じるプロセスチャンバの境界を越えて、延在してもよい。一部のプロセスにおいて、基材の端に達するまでプロセスが継続するように、連続基材はプロセスチャンバを通して移動してもよい。連続基材は、任意の適切な形態で、連続基材の製造および生産を可能にするために、連続基材供給システムから供給されてもよい。
【0029】
連続基材の非限定的な例としては、シート、不織布膜、ロール、箔、ウェブ、可撓性材料、連続フィラメントまたは繊維(例えば、セラミック繊維、もしくはポリマー繊維)の束が含まれてもよい。連続基材はまた、非連続基材がその上へと取り付けられる、キャリアまたはシートを備えてもよい。
【0030】
本明細書に提示された例示は、任意の特定の材料、構造、または装置の実際の外観であることを意味せず、本開示の実施形態を記述するために使用される、単に理想化された表現にすぎない。
【0031】
示された、かつ記載された特定の実装は、本発明およびその最良の形態の例示であり、態様および実装の範囲を、いかなる方法でも、他に限定することを意図していない。実際に、簡潔のために、従来の製造、接続、調製、およびシステムの他の機能的態様を詳細に記述していない場合がある。さらに、様々な図に示された接続線は、様々な要素間の、例示的な機能的関係、および/または物理的連結を表すことが意図される。多くの代替的または追加的な機能的関係または物理的接続が、実際のシステムにおいて存在してもよく、および/またはいくつかの実施形態では存在しなくてもよい。
【0032】
数多くの変形が可能であるため、本明細書に記載の構成、および/または手法は本質的に例示的であること、ならびにこれらの特定の実施形態または実施例は、限定的な意味で考慮されるべきではないことが、理解されるべきである。本明細書に記載の特定のルーチンまたは方法は、任意の数の処理方策のうちの一つ以上を、代表してもよい。それ故に、例示された様々な動作は、例示される順序で実施されてもよく、他の順序で実施されてもよく、または一部の事例では省略されてもよい。
【0033】
本開示の主題は、本明細書に開示される様々なプロセス、システム、および構成、ならびに他の特徴、機能、動作、および/または特性の、すべての新規かつ自明でない組合せおよび部分的組合せだけでなく、そのありとあらゆる均等物も含む。
【0034】
図1は、本開示の一態様による例示的なチャンバ構造を示す。
【0035】
本開示による反応器蓋100は、頂部部分141、側壁部分142、ガス入口150、およびバッフル160を備える。
【0036】
頂部部分141は、切頭円錐として形成されてもよく、頂部部分141の下部表面「A」は、下向き凸状形状を有してもよい。側壁部分142は、頂部部分141の下側を取り囲んでもよい。
【0037】
生成されたプラズマおよび処理ガスを、頂部部分140および側壁部分142によって画定されるウエハ処理空間「B」に挿入して、ウエハを処理するために、ガス入口150は頂部部分140の切頭領域に接続される。
【0038】
遠隔プラズマユニット(図示せず)は、遠隔プラズマユニット内で生成されたプラズマがガス入口150によってウエハ処理空間「B」に挿入されてもよいように、ガス入口150の上方に配置されてもよい。また、ガス挿入点(複数可)(図示せず)は、ガス入口150に位置してもよく、外側ガス源(図示せず)からの処理ガスは、パイプ(図示せず)を通してガス挿入点(複数可)を介してウエハ処理空間「B」に挿入されてもよい。
【0039】
ウエハ処理空間「B」は、(図1の反応器蓋100の下方に配置される)ウエハ支持体上に配置されたウエハを処理するのに十分な時間、生成されたプラズマ、および/または処理ガスを保持してもよい。
【0040】
頂部部分141(より具体的には、頂部部分141の下部表面「A」)および側壁部分142は、ウエハ支持体とともに、ウエハ処理空間「B」を画定してもよく、これの中で膜はウエハ上に堆積されてもよい。
【0041】
ビューポート143は、プロセス状態を検査するために頂部部分141上に配置されてもよく、または配置されなくてもよい。
【0042】
側壁部分142は、頂部部分141の下側を取り巻くか、または取り囲んでもよい。側壁部分142はまた、図1に示す通り、その基部に複数の穴144を備えてもよい。これらの穴は、ウエハ処理空間「B」内でウエハを処理するために使用される後に処理ガスを排出するために使用される。
【0043】
ウエハ処理空間「B」内のウエハ上の処理ガスの滞留時間は、ウエハ均一性のために重要であってもよく、処理ガスは、処理の一段階が終了してもよいときに、外へポンピングされる必要があってもよい。この目的のために、隣接する穴間の距離、および/または各穴の直径は、異なってもよい。
【0044】
例えば、隣接する穴間の距離は、穴がポンプポートにより近くなり得るにつれて、より短くなってもよく(すなわち、同じ長さ内により多くの穴がある)、および/または、穴の直径は、穴がポンプポートにより近くなり得るにつれて、増加してもよい。
【0045】
距離の短縮および/または直径の増加は、単独でまたは組み合わされて、ウエハ処理空間「B」からポンプポートへの処理ガスの出口速度に影響を与えてもよく、それ故に、より良好なウエハ均一性に寄与してもよい。
【0046】
バッフル160は、ガス入口150のすぐ下方の頂部部分141の口部に配置されてもよい。バッフル160は、ウエハ処理空間「B」内に配置されたウエハの中心領域にプラズマおよびガスが過度に集中することを防止するように、降り注ぐプラズマおよびガスの方向を分散および迂回させてもよい。最大のプラズマおよびガス渦を、下方のウエハの表面上に一様に分散させるために生成するために、バッフル160は、図1に示すようにベル形状である。
【0047】
図2では、その底部から見た反応器蓋200を示す。頂部部分241は頂部を覆い、側壁部分242は頂部部分241の下側を取り囲む。ガス入口はこの角度では視認可能でなくてもよいが、バッフル245はガス入口の口部に配置されてもよい(図示せず)。上記で明記したように、ビューポート243は、頂部部分241上に配置されてもよく、または配置されなくてもよい。
【0048】
この角度から、側壁部分242の複数の穴244は、明確に描写され視認可能である。隣接する穴の距離は、それらが一定であるように思われ得るが、異なってもよいことが留意され得る。
【0049】
図3では、複数の穴344間の距離差が示され得る。
【0050】
反応器蓋300では、頂部部分341は、側壁部分342によって下側で取り囲まれてもよい。
【0051】
ガス入口350は、頂部部分341の頂部領域に配置されてもよい。側壁部分342は、複数の穴344を備えてもよい。図示するように、側壁部分342の複数の穴344における任意の隣接する穴の距離は、異なってもよい。距離「D1」は、距離「D2」よりも短くてもよい。距離がより短くなるほど、同じ長さ内により多くの穴が存在する。この距離差は、ポンプポート(図示せず)の位置に起因してもよい。示されていないが、穴の直径はまた、それらの相対位置、すなわち、ポンプポート(図示せず)へのその近さに起因して異なってもよい。
【0052】
図4は、本開示の実施形態によるプラズマ増強原子層堆積(PEALD)装置の全体的なシステム図を示す。
【0053】
PEALD装置は、遠隔プラズマユニット410、ガス入口450、上部チャンバ440、下部チャンバ430、ウエハ支持体420、およびポンプポート480を備えてもよい。
【0054】
遠隔プラズマユニット410は、ウエハ処理に使用されるプラズマを生成してもよい。生成されたプラズマは、ガス入口450を介して反応チャンバ440に挿入されてもよい。
【0055】
処理ガスは、ガス入口450を介して反応チャンバ440に挿入されてもよい。より具体的には、処理ガスは、外部ガス源(図示せず)に由来してもよく、パイプ(図示せず)を通して外部ガス源からガス入口450へガス挿入点(複数可)460によって移送されてもよい。ガス挿入点(複数可)は、外部ガス源からのパイプと接続されてもよい、ガス入口450における一つ以上の穴であってもよい。
【0056】
遠隔プラズマユニット410からのプラズマ、または外部ガス源からの処理ガスは、ガス入口450を通して下へ注がれる。
【0057】
ガス入口450を介した、プラズマおよび/または処理ガスは、空間444内のウエハを処理するために使用されてもよい。このウエハ処理空間444は、上部チャンバ440およびウエハ支持体420によって画定される。ウエハ470は、処理のためにウエハ支持体420上に配置されてもよい。
【0058】
上部チャンバ440は、頂部部分441、側壁部分442、およびバッフル490を備えてもよい。頂部部分441は、切頭円錐形状を有してもよい。
【0059】
ガス入口450は、生成されたプラズマおよび処理ガスがウエハ処理空間444に挿入されるように、頂部部分441の切頭領域に配置されてもよい。
【0060】
頂部部分441の下側表面443は、下向き凸状に形成されてもよい。実験は、ウエハ処理空間が小さくなるほど、反応効率がより高くなることを示す。したがって、頂部部分441の下側表面443は、ウエハ処理空間444をより小さくするために、より凸状の形状になってもよい。
【0061】
側壁部分442は、頂部部分441の下側を取り囲むか、または取り巻いてもよい。図1~3に示すように、側壁部分442は、ウエハを処理する後に処理ガスを排出するために、側壁部分の底部側の周りに複数の穴445を備えてもよい。
【0062】
ウエハを処理する後に処理ガスを排出するために、ポンプポート480が配置されてもよい。
【0063】
上記で述べたように、隣接する穴間の距離は、穴がポンプポート480のより近くに位置し得るにつれて、より短くなってもよい。また、穴の直径は、穴がポンプポート480のより近くに配置され得るにつれてより大きくなることも、留意される。
【0064】
この距離差および/または直径変化は、単独でまたは一緒に組み合わされて、ウエハ均一性が改善されるように、ウエハ上での処理ガスの滞留時間を変化させてもよい。
【0065】
下部チャンバ430は、真空状態を維持するために気密であってもよく、ウエハ支持体420を取り巻いてもよい。
【0066】
バッフル490は、ガス入口450のすぐ下方の頂部部分441の口部に配置されてもよい。バッフル490は、下向きに流れるプラズマおよび処理ガスがウエハ470の中心に集中することを防止してもよい。
【0067】
プラズマおよび処理ガスの速度は、バッフル490に当たると、プラズマおよび処理をウエハ470にわたって分散させる渦および乱流を生成する場合がある。この渦および乱流は、ウエハ均一性を改善する。
【0068】
図5は、本開示による反応器蓋の別の実施形態を示す。
【0069】
図4に対する図5の主な差異は、頂部部分541およびガス入口550上に1つ(一つ)を超えるヒーターがあってもよいことであり得る。
【0070】
より良好な反応効率のために、頂部部分「C」の下側は、ウエハ処理空間「D」をより小さくするために、下向きにより凸状形状に形成される。ヒーター571は、頂部部分541の外側に配置されてもよく、別のヒーター572も、頂部部分541上に配置されてもよい。
【0071】
そして、第三のヒーター573は、ガス入口550の周りに配置されてもよい。そして、すべてのヒーター571、572、573は、反応効率を改善するために配置されてもよい。
【0072】
上述の装置の配置は、本発明の原理の適用の単なる例示であり、特許請求の範囲において定義されるように、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、数多くの他の実施形態および修正がなされてもよい。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、添付の特許請求の範囲をその均等物の全範囲とともに参照して決定されるべきである。
【符号の説明】
【0073】
100 反応器蓋
140 頂部部分
141 頂部部分
142 側壁部分
143 ビューポート
144 穴
150 ガス入口
160 バッフル
200 反応器蓋
241 頂部部分
242 側壁部分
243 ビューポート
244 穴
245 バッフル
300 反応器蓋
341 頂部部分
342 側壁部分
344 穴
350 ガス入口
410 遠隔プラズマユニット
420 ウエハ支持体
430 下部チャンバ
440 上部チャンバ
441 頂部部分
442 側壁部分
443 下側表面
444 ウエハ処理空間
445 穴
450 ガス入口
460 ガス挿入点
470 ウエハ
480 ポンプポート
490 バッフル
541 頂部部分
550 ガス入口
571 ヒーター
572 ヒーター
573 ヒーター
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】