(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169377
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20241128BHJP
H04W 56/00 20090101ALI20241128BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20241128BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20241128BHJP
【FI】
H04L27/26 114
H04W56/00 130
H04W72/0453
H04W28/06 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024083313
(22)【出願日】2024-05-22
(31)【優先権主張番号】P 2023084749
(32)【優先日】2023-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】平林 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 明彦
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 宏明
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 慎悟
(72)【発明者】
【氏名】竹内 知明
(72)【発明者】
【氏名】神原 浩平
(72)【発明者】
【氏名】岡野 正寛
(72)【発明者】
【氏名】土田 健一
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067AA33
5K067DD25
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】放送伝送システムにおいて部分受信帯域が設定される場合であっても伝送特性の劣化を抑制可能とする。
【解決手段】放送伝送システムで用いる送信装置は、所定数のシンボルにより構成されるフレーム同期信号を生成する生成手段と、前記フレーム同期信号をフレームの先頭区間で送信する送信手段と、を備える。前記送信手段は、伝送帯域の中央の所定数のセグメントに部分受信帯域が設定される場合、前記フレーム同期信号を前記フレームの先頭区間で繰り返し送信する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送伝送システムで用いる送信装置であって、
所定数のシンボルにより構成されるフレーム同期信号を生成する生成手段と、
前記フレーム同期信号をフレームの先頭区間で送信する送信手段と、を備え、
前記送信手段は、伝送帯域の中央の所定数のセグメントに部分受信帯域が設定される場合、前記フレーム同期信号を前記フレームの先頭区間で繰り返し送信する
送信装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記部分受信帯域が設定されない場合、前記フレーム同期信号を前記フレームの先頭区間で1回だけ送信する
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記生成手段は、
前記フレーム同期信号の最初のシンボルの時間領域の構成に所定シンボル構造を適用し、
前記フレーム同期信号のうち前記最初のシンボル以外の各シンボルの時間領域の構成に前記所定シンボル構造とは異なるシンボル構造を適用する
請求項1又は2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記部分受信帯域が設定される場合に前記繰り返し送信するフレーム同期信号のうち、最初に送信するフレーム同期信号の最初のシンボルの時間領域の構成にのみ前記所定シンボル構造を適用する
請求項3に記載の送信装置。
【請求項5】
前記生成手段は、前記フレーム同期信号の最後のシンボルの周波数領域における符号を、前記フレーム同期信号のうち前記最後のシンボル以外の各シンボルの周波数領域における符号に対して反転させる符号反転を行う
請求項1又は2に記載の送信装置。
【請求項6】
前記生成手段は、前記部分受信帯域が設定される場合に前記繰り返し送信するフレーム同期信号のうち、最後に送信するフレーム同期信号の最後のシンボルにのみ前記符号反転を適用する
請求項5に記載の送信装置。
【請求項7】
放送伝送システムで用いる受信装置であって、
所定数のシンボルにより構成されるフレーム同期信号をフレームの先頭区間で受信する受信手段と、
前記フレーム同期信号を用いて同期再生を行う信号処理手段と、を備え、
前記受信手段は、伝送帯域の中央の所定数のセグメントに部分受信帯域が設定される場合、前記フレーム同期信号を前記フレームの先頭区間で繰り返し受信する
受信装置。
【請求項8】
前記信号処理手段は、前記フレーム同期信号を構成するシンボルのうち時間領域の構成が所定シンボル構造であるシンボルを、前記フレーム同期信号のうち最初のシンボルとして識別する
請求項7に記載の受信装置。
【請求項9】
前記信号処理手段は、前記フレーム同期信号を構成するシンボルのうち周波数領域における符号が反転したシンボルを、前記フレーム同期信号のうち最後のシンボルとして識別する
請求項7又は8に記載の受信装置。
【請求項10】
コンピュータを請求項1に記載の送信装置又は請求項7に記載の受信装置として機能させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送伝送システムで用いる送信装置、受信装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地上デジタル放送の高品質化及び高機能化に向けて、非特許文献1で規定される現行のISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)方式の特長を継承した次世代地上放送の伝送方式(以下、「地上放送高度化方式」とも称する)の検討が進められている。
【0003】
ISDB-Tでは、階層伝送により、移動受信サービス及び固定受信サービスを1つのチャンネルで同時に提供している。地上放送高度化方式においても、階層伝送により1つのチャンネル内で複数のサービスやコンテンツを伝送することが想定される。
【0004】
ここで、ISDB-Tでは、周波数分割多重をベースとした階層伝送が可能である。具体的には、1つのチャンネルの伝送帯域を13個のセグメントに分割して、移動受信用及び固定受信用にそれぞれセグメントを割り当てることで、階層伝送を実現している。移動受信階層を中央の1セグメントに設定することで、狭帯域受信を行うことができ、受信装置にとっては省電力受信できることがメリットである。
【0005】
一方、欧米の放送規格であるDVB-T2やATSC(Advanced Television Systems Committee)3.0では、時分割多重をベースとした階層伝送が可能である。具体的には、階層をOFDMシンボル単位で区切り複数のサブフレーム、例えば、移動受信用サブフレーム及び固定受信用サブフレームを設けることができる(例えば、非特許文献3参照)。時分割多重の場合、サブフレームごとにFFT(Fast Fourier Transform)サイズを変えることができるため、サービスに応じて最適なFFTサイズの設定が可能である。
【0006】
また、放送伝送システムでは、コンテンツなどの本線系の信号の他に、伝送パラメータ等の制御情報も多重して伝送する必要がある。周波数分割多重をベースとするISDB-Tでは、特定のOFDMサブキャリアを制御情報伝送用として割り当てており、フレームを単位として、制御情報を伝送する。ISDB-Tの場合は、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration and Control)信号がこれに相当する。一方、時分割多重をベースとするDVB-T2やATSC3.0では、フレーム先頭の数シンボルにて制御情報を伝送する。ATSC3.0では、bootstrap、プリアンブル信号がこれに相当する。
【0007】
従来の放送方式は、多重方法として周波数分割多重もしくは時分割多重のどちらか一方をベースとした方式であったが、周波数分割多重及び時分割多重はそれぞれ異なるメリットがある。また、サービスの要求条件に応じて最適な多重方法は異なる。しかしながら、既存の放送伝送システムにおいては、周波数分割多重もしくは時分割多重のいずれか一方を選択する必要があり、サービスの要求条件に応じて最適な多重方法を適用することができない問題がある。
【0008】
特許文献1には、地上放送高度化方式においてサービスの要求条件に応じて最適な多重方法を適用可能な技術が記載されている。具体的には、特許文献1に記載の技術では、周波数分割多重及び時分割多重のいずれの階層伝送にも対応であって、フレームの先頭に、同期信号(プリアンブル信号)と、TMCCと呼ばれる伝送制御情報を配置して伝送している。
【0009】
また、特許文献1に記載の技術では、移動受信サービスと対応付けられた特定の階層(例えば、A階層)のセグメントを含むサブフレームにおいて、当該特定の階層のセグメントを伝送帯域のうちの部分受信帯域内に配置できることが記載されている。すなわち、伝送帯域の中央の所定数のセグメントに部分受信帯域が設定され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】ARIB STD-B31 一般社団法人 電波産業会
【非特許文献2】ATSC 3.0 Standard:Physical Layer Protocol A/322:2020 P245-249, https://www.atsc.org/wp-content/uploads/2020/01/A322-2020-Physical-Layer-Protocol.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
部分受信帯域が設定される場合、部分受信(すなわち、狭帯域受信)を行う受信装置は、部分受信帯域の帯域幅でのみ受信を行うため、フレームの先頭に配置されるフレーム同期信号のうち部分受信帯域内の一部しか受信できず、フレーム同期信号を正常に受信できない可能性がある。
【0013】
フレーム同期信号は受信装置が主に同期再生に用いる信号であり、フレーム同期信号を正常に受信できないと、同期再生を正常に行うことができず、伝送特性が劣化してしまう課題がある。
【0014】
そこで、本発明は、放送伝送システムにおいて部分受信帯域が設定される場合であっても伝送特性の劣化を抑制可能な送信装置、受信装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の態様に係る送信装置は、放送伝送システムで用いる送信装置であって、所定数のシンボルにより構成されるフレーム同期信号を生成する生成手段と、前記フレーム同期信号をフレームの先頭区間で送信する送信手段と、を備える。前記送信手段は、伝送帯域の中央の所定数のセグメントに部分受信帯域が設定される場合、前記フレーム同期信号を前記フレームの先頭区間で繰り返し送信する。
【0016】
第2の態様に係る受信装置は、放送伝送システムで用いる受信装置であって、所定数のシンボルにより構成されるフレーム同期信号をフレームの先頭区間で受信する受信手段と、前記フレーム同期信号を用いて同期再生を行う信号処理手段と、を備える。前記受信手段は、伝送帯域の中央の所定数のセグメントに部分受信帯域が設定される場合、前記フレーム同期信号を前記フレームの先頭区間で繰り返し受信する。
【0017】
第3の態様に係るプログラムは、コンピュータを第1の態様に係る送信装置又は第2の態様に係る受信装置として機能させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、放送伝送システムにおいて部分受信帯域が設定される場合であっても伝送特性の劣化を抑制可能な送信装置、受信装置、及びプログラムできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係る放送伝送システムを示す図である。
【
図2】実施形態に係る放送伝送システムで用いるフレーム構成例を示す図である。
【
図3】実施形態に係るサブフレーム区間の伝送パラメータの一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る送信装置におけるフレーム構成部を示す図である。
【
図5】実施形態に係る各サブフレーム構成部におけるOFDM変調部を示す図である。
【
図6】実施形態に係るフレーム同期信号生成部を示す図である。
【
図7】実施形態に係るPN符号発生器を示す図である。
【
図10】実施形態に係る部分受信帯域の有無に応じたフレーム同期信号の構成を示す図である。
【
図11】実施形態に係る部分受信帯域の有無に応じたフレーム構成の例を示す図である。
【
図12】実施形態に係るフレーム同期信号の2番目のシンボルで伝送されるフレーム同期信号1(Frame_sync_signal1)を示す図である。
【
図13】実施形態に係るフレーム同期信号の3番目のシンボルで伝送されるフレーム同期信号2(Frame_sync_signal2)を示す図である。
【
図14】実施形態に係るフレーム同期信号の4番目のシンボルで伝送されるフレーム同期信号3(Frame_sync_signal3)を示す図である。
【
図15】実施形態に係るフレーム同期信号の5番目のシンボルで伝送されるフレーム同期信号4(Frame_sync_signal4)を示す図である。
【
図16】実施形態に係る受信装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(1)実施形態の概要
本実施形態に係る第1の特徴は、放送伝送システムで用いる送信装置であって、所定数のシンボルにより構成されるフレーム同期信号を生成する生成手段と、前記フレーム同期信号をフレームの先頭区間で送信する送信手段と、を備え、前記送信手段は、伝送帯域の中央の所定数のセグメントに部分受信帯域が設定される場合、前記フレーム同期信号を前記フレームの先頭区間で繰り返し送信する、送信装置である。
【0021】
このような送信装置の特徴によれば、部分受信帯域が設定される場合、フレーム同期信号をフレームの先頭区間で繰り返し送信するため、受信装置がフレーム同期信号を正常に受信できる確率を高めることができ、受信装置が同期再生を円滑に行うことができる。よって、放送伝送システムにおいて部分受信帯域が設定される場合であっても伝送特性の劣化を抑制可能である。
【0022】
本実施形態に係る第2の特徴は、第1の特徴において、前記送信手段は、前記部分受信帯域が設定されない場合、前記フレーム同期信号を前記フレームの先頭区間で1回だけ送信する、送信装置である。
【0023】
このような送信装置の特徴によれば、部分受信帯域が設定されない場合には、フレーム同期信号をフレームの先頭区間で1回だけ送信するため、フレームにおいてフレーム同期信号区間が占める割合を少なくでき、フレームにおいて映像・音声等のデータを伝送する区間(「サブフレーム区間」とも称する)を多くすることができる。
【0024】
本実施形態に係る第3の特徴は、第1又は第2の特徴において、前記生成手段は、前記フレーム同期信号の最初のシンボルの時間領域の構成に所定シンボル構造を適用し、前記フレーム同期信号のうち前記最初のシンボル以外の各シンボルの時間領域の構成に前記所定シンボル構造とは異なるシンボル構造を適用する、送信装置である。
【0025】
このような送信装置の特徴によれば、フレーム同期信号の最初のシンボル(シンボル番号1のシンボル。「フレーム同期信号の先頭シンボル」とも称する)のシンボル構造と、フレーム同期信号の2番目(シンボル番号2)以降の各シンボルのシンボル構造とが異なる。そのため、受信装置は、フレーム同期信号の各シンボルのシンボル構造に基づいて先頭シンボル(シンボル番号1)を円滑に識別できる。
【0026】
本実施形態に係る第4の特徴は、第3の特徴において、前記生成手段は、前記部分受信帯域が設定される場合に前記繰り返し送信するフレーム同期信号のうち、最初に送信するフレーム同期信号の最初のシンボルの時間領域の構成にのみ前記所定シンボル構造を適用する、送信装置である。
【0027】
例えば、送信装置は、フレームの先頭区間でフレーム同期信号を2回送信する場合、1回目のフレーム同期信号の先頭シンボルのシンボル構造に所定シンボル構造を適用するが、2回目のフレーム同期信号の先頭シンボルのシンボル構造には所定シンボル構造を適用しない。すなわち、送信装置は、繰り返し送信されるフレーム同期信号の全体における先頭シンボルにのみ所定シンボル構造を適用する。これにより、受信装置は、繰り返し送信されるフレーム同期信号の全体における最初のシンボルをそのシンボル構造に基づいて円滑に識別できる。
【0028】
本実施形態に係る第5の特徴は、第1の特徴乃至第4の特徴のいずれかにおいて、前記生成手段は、前記フレーム同期信号の最後のシンボルの周波数領域における符号を、前記フレーム同期信号のうち前記最後のシンボル以外の各シンボルの周波数領域における符号に対して反転させる符号反転を行う、送信装置である。
【0029】
このような送信装置の特徴によれば、フレーム同期信号の最後のシンボルに符号反転が適用されるため、受信装置は、符号反転が適用されたシンボルをフレーム同期信号の最後のシンボルとして円滑に識別できる。
【0030】
本実施形態に係る第6の特徴は、第5の特徴において、前記生成手段は、前記部分受信帯域が設定される場合に前記繰り返し送信するフレーム同期信号のうち、最後に送信するフレーム同期信号の最後のシンボルにのみ前記符号反転を適用する、送信装置である。
【0031】
例えば、送信装置は、フレームの先頭区間でフレーム同期信号を2回送信する場合、1回目のフレーム同期信号の最後のシンボルに符号反転を適用せずに、2回目のフレーム同期信号の最後のシンボルに符号反転を適用する。すなわち、送信装置は、繰り返し送信されるフレーム同期信号の全体における最後のシンボルにのみ符号反転を適用する。これにより、受信装置は、繰り返し送信されるフレーム同期信号の全体における最後のシンボルを符号反転の有無に基づいて円滑に識別できる。
【0032】
本実施形態に係る第7の特徴は、放送伝送システムで用いる受信装置であって、所定数のシンボルにより構成されるフレーム同期信号をフレームの先頭区間で受信する受信手段と、前記フレーム同期信号を用いて同期再生を行う信号処理手段と、を備え、前記受信手段は、伝送帯域の中央の所定数のセグメントに部分受信帯域が設定される場合、前記フレーム同期信号を前記フレームの先頭区間で繰り返し受信する、受信装置である。
【0033】
このような受信装置の特徴によれば、部分受信帯域が設定される場合、フレーム同期信号をフレームの先頭区間で繰り返し受信するため、フレーム同期信号を正常に受信できる確率を高めることができる。例えば、信号処理手段は、繰り返し受信するフレーム同期信号に対して例えば最大比合成等の合成処理を行うことでフレーム同期信号の受信品質を向上させる。これにより、同期再生を円滑に行うことができる。よって、放送伝送システムにおいて部分受信帯域が設定される場合であっても伝送特性の劣化を抑制可能である。
【0034】
本実施形態に係る第8の特徴は、第7の特徴において、前記信号処理手段は、前記フレーム同期信号を構成するシンボルのうち時間領域の構成が所定シンボル構造であるシンボルを、前記フレーム同期信号のうち最初のシンボルとして識別する、受信装置である。
【0035】
このような受信装置の特徴によれば、フレーム同期信号の各シンボルのシンボル構造に基づいて先頭シンボル(シンボル番号1)を円滑に識別できる。
【0036】
本実施形態に係る第9の特徴は、第7の特徴又は第8の特徴において、前記信号処理手段は、前記フレーム同期信号を構成するシンボルのうち周波数領域における符号が反転したシンボルを、前記フレーム同期信号のうち最後のシンボルとして識別する、受信装置である。
【0037】
このような受信装置の特徴によれば、符号反転が適用されたシンボルをフレーム同期信号の最後のシンボルとして円滑に識別できる。
【0038】
本実施形態に係る第10の特徴は、コンピュータを、第1の特徴乃至第6の特徴のいずれかの送信装置、又は第7の特徴乃至第9の特徴のいずれかの受信装置として機能させる、プログラムである。
【0039】
このようなプログラムの特徴によれば、放送伝送システムにおいて部分受信帯域が設定される場合であっても伝送特性の劣化を抑制可能である。
【0040】
以下において、図面を参照して実施形態に係る放送伝送システムについて説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0041】
(2)放送伝送システム
図1は、本実施形態に係る放送伝送システム10を示す図である。
【0042】
図1に示すように、放送伝送システム10は、地上放送高度化方式に対応したシステムであって、階層伝送を行う地上デジタルテレビジョン放送システムである。放送伝送システム10は、送信装置100と、受信装置200とを有する。送信装置100は、放送伝送路500を介して放送信号を受信装置200に送信する。受信装置200は、固定受信を行う固定受信機又は移動受信を行う移動受信機であってもよい。受信装置200は、狭帯域受信(部分受信)を行う狭帯域受信機であってもよい。
【0043】
現行の地上デジタルテレビジョン放送の放送方式であるISDB-T(非特許文献1参照)では、マルチパス耐性に優れる直交周波数分割多重(OFDM)を変調方式とし、部分受信が可能なセグメント構造を取っている。1つのチャンネルで固定受信向けサービス及び移動受信向けサービスを同時に実現できることがISDB-T方式の長所であり、本実施形態に係る放送伝送システム10では、この点は引き続き継承する。
【0044】
一方、固定受信及び移動受信に求められる要求条件は大きく異なるため、それぞれに対応するための最適な伝送パラメータも異なる。本実施形態に係る放送伝送システム10では、このような異なる要求条件に対応するために、1つの伝送チャンネル内で2種類以上の有効シンボル長及びガードインターバル長を用いて階層化を実現する複数シンボル長OFDM形式を採用する。
【0045】
図2は、本実施形態に係る放送伝送システム10で用いるフレーム構成例を示す図である。
【0046】
図2に示すように、本実施形態に係る放送伝送システム10では、複数階層を周波数分割多重したサブフレームを移動受信向けのサービスに割り当てるとともに、FFTサイズの異なる固定受信向けサービスに割り当てるサブフレームを時分割多重するなど、多様な階層伝送が可能である。さらに、フレームの末尾に拡張区間(拡張サブフレーム)を設けることもできる。
【0047】
フレームは、フレームの先頭から末尾に向けて、フレーム同期信号区間、TMCC区間、サブフレーム区間、及び拡張区間の順で構成される。
【0048】
フレーム内には異なる構成の複数のサブフレームを格納することができる。サブフレームは、セグメント構造を持つ単一又は複数の階層で構成される。1つのサブフレームは、シンボル長が同じ複数のシンボルで構成される。TMCC区間で伝送する伝送制御情報は可変長の情報量を持つとともに、フレーム末尾には拡張区間を設けることができる。具体的には、伝送制御信号(「TMCC信号」とも称する)を伝送するTMCC区間の後にサブフレーム区間を配置することにより、受信装置200は、伝送制御信号を受信した後にこれを用いて続くサブフレーム区間の信号を復調できる。さらに、サブフレーム区間の後ろに拡張区間を配置し、現時点では定まっていない使途に将来利用することが可能である。
【0049】
本実施形態に係る放送伝送システム10では、特定のサブフレームだけを選択的に受信する間欠受信が可能であり、伝送信号の周波数帯域の一部だけを選択的に受信する部分受信にも対応する。
【0050】
フレーム同期信号区間は、フレームの先頭に配置され、受信装置200における同期再生のための信号を伝送する区間である。フレーム同期シンボルからなる信号を逆高速フーリエ変換(IFFT)した5つのOFDMシンボルを時間領域において巡回した後に、サイクリックプレフィックス及びサイクリックポストフィックスの付加を行った信号である。詳細については後述するが、部分受信帯域ありの場合、5つのOFDMシンボルを2回繰り返すことで計10シンボルによりフレーム同期信号区間を構成する。また、フレーム同期信号区間では、後続のTMCC区間の伝送方式等に関する制御信号を伝送する。
【0051】
フレーム同期信号区間に配置されるフレーム同期信号は、受信装置200が、送信装置100の送信信号の存在を検知するとともに同期再生を行い、TMCC区間の信号を受信するために用いられる。フレーム同期信号で数十ビットの情報を伝送する必要があることから、フレーム同期信号は、雑音やマルチパス、周波数オフセットに対して耐性を有する。これにより多様な階層伝送が可能となるとともに将来の拡張性を担保することができる。
【0052】
TMCC区間は、フレーム構成やサブフレーム区間に関する可変長の伝送制御情報(「TMCC情報」とも称する)を伝送する区間である。多様な階層伝送を実現するために、フレームの先頭でフレーム同期信号区間の後にTMCC区間がデータ伝送とは独立に配置される。将来の拡張性を考慮し、可変長の伝送制御情報の伝送にも対応している。
【0053】
サブフレーム区間は、映像・音声等のデータを伝送する区間である。1つのフレーム内には単一又は複数のサブフレームが格納され、順にサブフレーム1、サブフレーム2と呼ぶ。それぞれのサブフレームは、単一又は複数のシンボルによって構成するとともに、セグメント構造による階層化が可能である。サブフレーム数の最大値は8である。例えば、1チャンネル内で複数の事業者がサービスを行う場合、それぞれの事業者がそれぞれのサブフレームを利用することも可能である。
【0054】
各サブフレームは、単一又は複数の階層により構成され、セグメント構造を取ることとする。階層は、伝送耐性が強い方から順にA階層、B階層、C階層・・・H階層と呼ぶ。各階層には、想定する電波伝搬環境に応じて最適な伝送パラメータを設定することができる。
図2の例では、移動受信向け階層1は、超高耐性の階層であって、例えばA階層に相当する。移動受信向け階層2は、高耐性の階層であって、例えばB階層に相当する。固定受信向け階層は、例えばC階層に相当する。
【0055】
部分受信帯域ありの場合、A階層の全てのセグメントは中央の9セグメント内に格納される。この中央の9セグメントの帯域を部分受信帯域と呼び、その上下の13セグメント、合わせて26セグメントを非部分受信帯域と呼ぶ。そのときの部分受信の対象となる階層の最大セグメント数は9とする。なお、部分受信帯域なしの場合は、全帯域が非部分受信帯域である。また、階層数の最大値は8とする。
【0056】
図3は、本実施形態に係るサブフレーム区間の伝送パラメータの一例を示す図である。
【0057】
6MHzで区切られるチャンネルを複数のセグメントに分割する際の数は36であり、このうち最大35セグメントを信号伝送に用いる。これにより固定受信及び移動受信への帯域割り当てをより柔軟に行うことができる。また、パイロット信号の配置は、固定受信及び移動受信でそれぞれに最適な配置を選択できるようにする。さらに、1つのセグメントを3つのサブセグメントに分割可能とする。雑音耐性の高い1次変調パラメータを用いる高耐性階層と、これよりもさらに雑音耐性が高い1次変調パラメータを適用した超高耐性階層を構成することで、特に移動受信時のサービス可用性を高めることが可能である。
【0058】
FFTサイズは、現行地上デジタルテレビジョン放送では8k(8,192(213)ポイント)で運用されているが、本実施形態では、最大32k(32,768(215)ポイント)まで拡大する。FFTサイズを大きくするとキャリア周波数間隔が小さくなることから、有効シンボル長が長くなり、カードインターバル(GI)長を一定としたときのGI比が小さくなることから、GIによるオーバーヘッドを削減できる。また、現行地上デジタルテレビジョン放送との両立性を考慮し、GI長や時間インターリーブ長が現行地上デジタルテレビジョン放送と同等であるパラメータも用意されている。
【0059】
誤り訂正符号は、LDPC(Low Density Parity Check)符号及びBCH(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem)符号の連接符号を用いる。これにより、雑音耐性を大幅に向上させることができる。また、信号点の配置を不均一(NUC:Non-Uniform Constellation)にすることにより、多値変調における雑音耐性の向上を図っている。
【0060】
(3)送信装置
図4は、本実施形態に係る送信装置100におけるフレーム構成部を示す図である。ここでは、フレーム内のサブフレームが3つであるものとしている。
【0061】
図4に示すように、送信装置100は、各種の情報が入力される入力インターフェース(IF)1100と、フレーム同期信号生成部1200と、TMCC生成部1300と、サブフレーム構成部1400(図示の例では、サブフレーム構成部1400a乃至1400c)と、Lch分離部1500と、時分割多重フレーム構成部1600とを有する。
【0062】
フレーム同期信号生成部1200は、フレーム同期信号を生成し、フレーム同期信号を時分割多重フレーム構成部1600に出力する。本実施形態において、フレーム同期信号生成部1200は、所定数のシンボル(本実施形態では、5つのOFDMシンボル)により構成されるフレーム同期信号を生成する生成手段に相当する。
【0063】
TMCC生成部1300は、TMCC信号を生成し、TMCC信号を時分割多重フレーム構成部1600に出力する。
【0064】
サブフレーム構成部1400は、サブフレーム信号を生成し、サブフレーム信号を時分割多重フレーム構成部1600に出力する。図示の例では、サブフレーム構成部1400a乃至1400cは、サブフレーム1乃至3の信号を時分割多重フレーム構成部1600にそれぞれ出力する。
【0065】
Lch分離部1500は、高耐性、低遅延を特徴とする伝送路としても使用することのできるパイロット信号であるLch信号を、フレーム同期信号区間及びTMCC区間を除くフレーム全体に渡って振り分ける。
【0066】
時分割多重フレーム構成部1600は、フレーム同期信号生成部1200が出力するフレーム同期信号と、TMCC生成部1300が出力するTMCC信号と、各サブフレーム構成部1400が出力するサブフレーム信号とを時分割多重することにより、フレームを構成して出力する。時分割多重フレーム構成部1600の出力信号は、不図示のデジタル/アナログ変換部によりアナログ信号に変換された後、不図示の無線処理部により無線信号に変換され、不図示のアンテナから出力される。
【0067】
本実施形態において、フレーム同期信号生成部1200及び時分割多重フレーム構成部1600は、フレーム同期信号をフレームの先頭区間で送信する送信手段に相当する。時分割多重フレーム構成部1600の後段の機能部(デジタル/アナログ変換部及び無線処理部等)の少なくとも一部も、送信手段を構成してもよい。
【0068】
図5は、本実施形態に係る各サブフレーム構成部1400におけるOFDM変調部を示す図である。
【0069】
図5に示すように、各サブフレーム構成部1400は、入力IF1401と、階層ごとに設けられる1次変調部1402(1次変調部1402a乃至1402h)と、階層ごとに設けられるレベル調整部1403(レベル調整部1403a乃至1403h)と、階層合成部1404と、帯域分割部1405と、時間インターリーブ(以下「時間IL」という)部1406と、周波数インターリーブ(以下「周波数IL」という)部1407と、帯域合成部1408と、パイロット生成部1409と、差動基準付加部1410と、DBPSK変調部1411と、OFDMフレーム構成部1412と、IFFT部1413と、GI付加部1414と、を有する。
【0070】
入力IF1401には、単一又は複数系統の階層ごとにフレームを構成するデータ(階層別フレーム)及びLchフレームが入力される。
【0071】
1次変調部1402は、対応する階層別フレームに対して1次変調処理を行い、1次変調処理後の信号をレベル調整部1403に出力する。具体的には、対応する階層別フレームを、誤り訂正符号を格納するFEC(Forward Error Correction)ブロックに変換したうえで、エネルギー拡散、BCH符号化、LDPC符号化、ビットインターリーブ(以下「ビットIL」という)、及びマッピングを行い、キャリアシンボルを出力する。レベル調整部1403は、1次変調部1402が出力するキャリアシンボルのレベル調整を行い、レベル調整後のキャリアシンボルを階層合成部1404に出力する。階層合成部1404は、各階層のキャリアシンボルを階層合成して帯域分割部1405に出力する。具体的には、階層合成部1404は、各階層のキャリアシンボルを合成し、1つのOFDMシンボルで伝送するデータセグメントを構成し、0乃至34のセグメント番号を付与する。帯域分割部1405は、階層合成によりセグメント番号が振られた階層ごとのセグメントを再度、階層ごとに分割して時間IL部1406に出力する。時間IL部1406は、時間ILによりキャリアシンボルを時間方向に分散させて周波数IL部1407に出力する。周波数IL部1407は、周波数ILによりはキャリアシンボルをキャリア方向に分散させて帯域合成部1408に出力する。帯域合成部1408は、部分受信帯域ありの場合、帯域合成により、部分受信帯域を構成する9セグメントと非部分受信帯域を構成する26セグメントとを合成し、35セグメントとし、データセグメントをOFDMフレーム構成部1412に出力する。部分受信帯域なしの場合は、非部分受信帯域を構成するセグメント数が35であるため、帯域合成は行う必要がない。
【0072】
パイロット生成部1409は、パイロット配置情報に基づいてパイロット信号を生成し、パイロット信号をOFDMフレーム構成部1412に出力する。差動基準付加部1410は、Lchフレームに対して、サブフレームごとに先頭に差動基準ビットを付加してDBPSK変調部1411に出力する。DBPSK変調部1411は、差動基準付加部1410の出力信号にDBPSK変調を施してLch信号を生成し、Lch信号をOFDMフレーム構成部1412に出力する。Lchは、広帯域周波数同期及び雑音推定用のパイロット信号であり、データ伝送にも使用することができる。
【0073】
OFDMフレーム構成部1412は、データセグメントにパイロット及びLchを付加し、OFDMフレームを構成する。IFFT部1413は、OFDMフレーム構成後の信号をOFDM変調してGI付加部1414に出力する。GI付加部1414は、IFFT部1413の出力信号にGIを付加して出力する。
【0074】
図6は、本実施形態に係るフレーム同期信号生成部1200を示す図である。上述のように、フレーム同期信号は、フレームの先頭に配置され、受信装置200における同期再生のための信号である。また、フレーム同期信号は、後続のTMCC区間の伝送方式等に関する制御信号を伝送する信号でもある。
【0075】
フレーム同期信号生成部1200では、PN(Pseudo Noise)符号をBPSK変調した後にZadoff-Chu系列を乗じることで周波数領域信号を生成する。これをフレーム同期シンボルと呼ぶ。フレーム同期シンボルをサブキャリアに割り当て、IFFTにより時間領域信号に変換する。時間領域信号は制御信号の値を示すクロック数分の巡回シフトを行う。制御信号は1シンボル当たり8ビットとし、制御信号を伝送しない先頭シンボル及びこれに続いて制御信号を伝送する4シンボルの計5シンボルでフレーム同期信号を構成する。巡回シフトを行った時間領域信号にサイクリックプレフィックス及びポストフィックスを付加する。FFTサンプル周波数は後続のTMCC区間やサブフレーム区間と同じ512/81=6.320988…MHz、FFTサイズは2k(2,048ポイント)とする。キャリア間隔fcはFFTサンプル周波数をFFTサイズで除算した値(3.08642…kHz)であり、シンボル長Tsは486μsである。
【0076】
表1に、フレーム同期信号区間のOFDMパラメータを示す。
【0077】
【0078】
フレーム同期信号は、受信装置200において最初に検出し、データの受信を開始するものであることから、検出性能や雑音耐性に優れた方式としている。時間領域における相関処理により狭帯域周波数同期が、周波数領域において広帯域周波数同期が可能である。また、時間領域における巡回シフト量によって数十ビットの情報が伝送可能であり、受信装置200の起動制御信号及びTMCC区間の伝送パラメータ(以下、「制御信号」とも称する)を伝送する。フレーム同期信号のFFTサイズ及びシンボル数はTMCC区間に関する伝送制御情報の情報量及びフレームにおける時間配分により決まるオーバーヘッドを勘案して、FFTサイズを2k、計5シンボルとしている。
【0079】
図6に示すように、フレーム同期信号生成部1200は、PN符号生成部1201と、BPSK変調部1202と、ZC系列生成部1203と、乗算部1204と、サブキャリア割当部1205と、IFFT部1206と、巡回シフト部1207と、CP付加部1208とを有する。
【0080】
PN符号生成部1201は、PN符号を生成し、PN符号をBPSK変調部1202に出力する。PN符号は‘0’及び‘1’の2値からなる擬似雑音(PseudoNoise)符号であり、
図7に示すPN符号発生器で生成する。
図7において、gはフィードバックパスの結線の有無を示し、本実施形態においては、PN符号の生成多項式はg={g
l, g
l-1,…, g
2, g
1, g
0}={1,1,1,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,1,1}(次数l=16)、レジスタの初期値は0000 0001 1001 1101(16進数表記で0x019d)とする。
【0081】
BPSK変調部1202は、PN符号生成部1201が出力するビット列を、表2に示すようにBPSK変調して乗算部1204に出力する。以下、
図7のPN符号生成部1201のレジスタを初期化した後の動作クロックをm、BPSK変調後のキャリアシンボルをc(m)とする。
【0082】
【0083】
ZC系列生成部1203は、Zadoff-Chu(ZC)系列を生成し、ZC系列を乗算部1204に出力する。ZC系列は、振幅が一定である複素数からなる系列であり、次式に従って生成する。
【0084】
【0085】
ここで、本実施形態においては、ルートq=137とし、ZC系列の長さはNZC=1879としている。
【0086】
乗算部1204は、PN符号をBPSK変調したシンボルにZC系列を乗じることで周波数領域信号(フレーム同期シンボル)生成し、フレーム同期シンボルをサブキャリア割当部1205に出力する。
【0087】
サブキャリア割当部1205は、フレーム同期シンボルをサブキャリアに割り当てる。具体的には、サブキャリア割当部1205は、n番目の周波数領域信号であるフレーム同期シンボルを次式に従ってサブキャリアに割り付ける。
【0088】
【0089】
ここで、NH=(NZC-1)/2である。
【0090】
帯域の中心であるDCキャリア(k=0)はゼロとし、帯域の左右で対称とする。また、最終フレーム同期シンボルは次式のように符号を反転する。
【0091】
【0092】
ここで、NSはフレーム同期信号のシンボル数である。このように、フレーム同期信号の最終シンボルについては、受信装置200が最終シンボルであることを検出することが容易となるように符号反転を行うこととしている。
【0093】
IFFT部1206は、周波数領域信号をIFFTにより時間領域信号に変換する。NZC=1879キャリア分の周波数領域信号をNFFT=2048ポイントのIFFTにより時間領域信号に変換する。n番目のシンボルの時間領域信号は次式のように表現できる。
【0094】
【0095】
巡回シフト部1207は、フレーム同期信号で伝送する制御信号によって決まるシフト量の巡回シフトを行う。すなわち、シフト量によって制御信号を伝送する。制御信号の詳細については後述する。
【0096】
巡回シフト部1207は、フレーム同期信号の制御信号に従って、次式によりn番目のシンボルの相対シフト量
【数5】
を2進数表記したときのi番目のビット
【数6】
を求める。
【0097】
【0098】
ここで、
【数8】
はn番目のフレーム同期シンボルのk番目の制御信号であり、
【数9】
はn番目のシンボルにおける制御情報のビット数である。
【0099】
このように、それぞれのシンボルにおける相対シフト量により制御信号を伝送する。また、グレイコード化することにより、制御信号の検出誤りの影響が最小化されるようにしている。
【0100】
また、巡回シフト部1207は、相対シフト量を用い、次式により、n番目のシンボルの絶対シフト量Mnを求める。
【0101】
【0102】
受信装置200においては、前シンボルの信号で前シンボルのシフト量に相当する位相回転成分と伝送路による影響とを合わせてチャネル推定し、チャネル等化する。そのため、前シンボルの巡回シフトの影響が取り除かれることから、送信側で当該シンボルに前シンボルの巡回シフト量を入れておくこととしている。
【0103】
巡回シフト部1207は、時間領域に変換された信号を次式に従って巡回シフトする。An(t)はn番目のシンボルの時間領域信号を巡回シフトした信号である。
【0104】
【0105】
CP付加部1208は、有効シンボル区間の前後に、有効シンボル区間の信号の一部を付加する。シンボルの前方に付加する信号をサイクリックプレフィックス、後方に付加する信号をサイクリックポストフィックスとする。有効シンボルA(巡回シフトされた時間領域信号An(t))に、サイクリックプレフィックス及びポストフィックス(B及びC)を付加する。最初のフレーム同期シンボルはCAB構造、残りのフレーム同期シンボルはBCA構造とする。
【0106】
時間領域における相関処理により信号検出及び狭帯域周波数同期が可能となること、また遅延波によるシンボル間干渉を抑制するために、サイクリックプレフィックス及びポストフィックスを付加することとしている。先頭シンボルとその他のシンボルの構造を変えることで、最初のフレーム同期シンボルとその後のフレーム同期シンボルを容易に区別できるようにしている。
【0107】
図8は、本実施形態に係るCAB構造を示す図である。
図8に示すように、シンボル先頭に付加するCの領域は520クロック、シンボル末尾に付加するBの領域は504クロックとし、Bの領域はキャリア間隔に相当する正の周波数シフトを行う。
【0108】
サイクリックプレフィックス及びポストフィックスは有効シンボル区間と同一波形であることから、これによるオーバーヘッドと受信装置200における相関値の大きさやガードインターバルとしての役割のトレードオフの関係にあり、この点を考慮しB及びCの区間長をAのシンボル長の半分としている。また、受信装置200においてB及びCを識別するために数値が異なる値としている。
【0109】
図9は、本実施形態に係るBCA構造を示す図である。
図9に示すように、シンボル先頭に付加するBの領域は504クロックとし、キャリア間隔に相当する負の周波数シフトを行う。Cの領域は520クロックとする。
【0110】
本実施形態に係るフレーム同期信号生成部1200は、部分受信帯域の有無に応じてフレーム同期信号の構成を異ならせる。
図10は、本実施形態に係る部分受信帯域の有無に応じたフレーム同期信号の構成を示す図である。
【0111】
図10(a)に示す部分受信帯域なしの場合はフレーム同期信号を5シンボル(シンボル番号1乃至5)で構成し、
図10(b)に示す部分受信帯域ありの場合はフレーム同期信号を10シンボル(シンボル番号1乃至10)で構成する。受信する信号帯域幅が1/4となる狭帯域受信機においても十分なフレーム同期性能を確保するために、部分受信帯域ありの場合はフレーム同期信号を再送することとしている。
【0112】
制御信号については、フレーム同期信号区間で、緊急起動フラグ及び後続のTMCC区間における伝送パラメータを伝送する。1シンボルにつき8ビットの情報を伝送し、先頭シンボルを除く4シンボルで計32ビットの制御信号を伝送する。なお、制御信号の情報量は原理的にはlog2(NFFT)=11ビットであるが、伝送耐性を考慮し、1シンボルの情報量は8ビットとしている。
【0113】
このように、本実施形態に係るフレーム同期信号生成部1200は、5つのOFDMシンボルにより構成されるフレーム同期信号を生成し、フレーム同期信号をフレームの先頭区間(フレーム同期信号区間)で送信する。フレーム同期信号生成部1200は、
図10(b)に示すように、伝送帯域の中央の9セグメントに部分受信帯域が設定される場合、フレーム同期信号をフレーム同期信号区間で繰り返し送信(再送)する。一方、
図10(a)に示すように、フレーム同期信号生成部1200は、部分受信帯域が設定されない場合、フレーム同期信号をフレーム同期信号区間で1回だけ送信する。
【0114】
図11は、本実施形態に係る部分受信帯域の有無に応じたフレーム構成の例を示す図である。
【0115】
図11(a)に、単一サブフレーム及び単一階層構成の一例を示す。
図11(a)の例では、部分受信帯域が設定されていないため、フレーム同期信号生成部1200は、5つのOFDMシンボルにより構成されるフレーム同期信号をフレーム同期信号区間で1回だけ送信する。
図11(b)に、階層伝送に時分割多重を用いるフレーム構成(2サブフレーム)の一例を示す。
図11(b)の例では、部分受信帯域が設定されていないため、フレーム同期信号生成部1200は、5つのOFDMシンボルにより構成されるフレーム同期信号をフレーム同期信号区間で1回だけ送信する。
【0116】
一方、
図11(c)に、階層伝送に周波数分割多重を用い、部分受信帯域が設定されたフレーム構成の一例を示す。
図11(b)の例では、部分受信帯域が設定されているため、フレーム同期信号生成部1200は、5つのOFDMシンボルにより構成されるフレーム同期信号をフレーム同期信号区間で2回送信する。この場合、フレーム同期信号区間は、計10シンボルの区間になる。
【0117】
また、
図10に示すように、フレーム同期信号生成部1200は、フレーム同期信号の最初のシンボルの時間領域の構成に所定シンボル構造(CAB構造)を適用し、フレーム同期信号のうち最初のシンボル以外の各シンボルの時間領域の構成に所定シンボル構造とは異なるシンボル構造(BCA構造)を適用する。
図10(b)に示すように、フレーム同期信号生成部1200は、部分受信帯域が設定される場合に繰り返し送信するフレーム同期信号のうち、最初に送信するフレーム同期信号の最初のシンボル(シンボル番号1)の時間領域の構成にのみ所定シンボル構造(CAB構造)を適用する。
【0118】
また、
図10に示すように、フレーム同期信号生成部1200は、フレーム同期信号の最後のシンボルの周波数領域における符号を、フレーム同期信号のうち最後のシンボル以外の各シンボルの周波数領域における符号に対して反転させる符号反転を行う。
図10(b)に示すように、フレーム同期信号生成部1200は、部分受信帯域が設定される場合に繰り返し送信するフレーム同期信号のうち、最後に送信するフレーム同期信号の最後のシンボル(シンボル番号10)にのみ符号反転を適用する。
【0119】
図12は、本実施形態に係るフレーム同期信号の2番目のシンボルで伝送されるフレーム同期信号1(Frame_sync_signal1)を示す図である。部分受信帯域ありの場合、フレーム同期信号1(Frame_sync_signal1)は、7番目のシンボルでも伝送される。
【0120】
図12(a)に示すように、フレーム同期信号1(Frame_sync_signal1)は、「ea_wake_up」と、「partial_reception_flag」と、「tmcc_fft_size」と、「tmcc_gi_fraction」とを含む。なお、図中、「uimsbf」は、unsigned integer most significant bit first(符号無し整数。最上位ビットが先頭)を表し、「bslbf」は、bit serial leftmost bit first(ビット列。左ビットが先頭)を表す。
【0121】
「ea_wake_up」は、緊急起動フラグである。この2ビットのフィールドは、
図12(b)に従って緊急起動フラグを示す。起動制御あり(状態1)と(状態2)は緊急情報の内容に変化が生じた場合に状態遷移し、(状態2)のときにさらなる変化がある場合は(状態1)に遷移する。起動制御運用なしは、起動制御が運用されておらず、起動制御ありにはならないことを示す。
【0122】
「partial_reception_flag」は、部分受信フラグである。この1ビットのフィールドは、
図12(c)に従って部分受信フラグを示す。伝送帯域中央のセグメントが部分受信帯域に設定される場合には‘1’に、設定されない場合には‘0’になる。
【0123】
「tmcc_fft_size」は、TMCC FFTサイズである。この2ビットのフィールドは、
図12(d)に従ってTMCC区間のFFT サイズを示す。
【0124】
「tmcc_gi_fraction」は、TMCC GI比である。この3ビットのフィールドは、
図12(e)に従ってTMCC区間のGI比を示す。
【0125】
図13は、本実施形態に係るフレーム同期信号の3番目のシンボルで伝送されるフレーム同期信号2(Frame_sync_signal2)を示す図である。部分受信帯域ありの場合、フレーム同期信号2(Frame_sync_signal2)は、8番目のシンボルでも伝送される。
【0126】
図13(a)に示すように、フレーム同期信号2(Frame_sync_signal2)は、「tmcc_carrier_modulation」と、「tmcc_nrepeat」と、「tmcc_data_allocation」とを含む。
【0127】
「tmcc_carrier_modulation」は、TMCCキャリア変調方式である。この2ビットのフィールドは、
図13(b)に従ってTMCC区間のキャリア変調方式を示す。
【0128】
「tmcc_nrepeat」は、TMCC符号反復回数である。この4ビットのフィールドは、TMCC区間における誤り訂正符号の反復回数を示す。反復回数から1を減算した値とする。
【0129】
「tmcc_data_allocation」は、TMCCデータ割り当てフラグである。この1ビットのフィールドは、TMCC区間の残余のサブキャリアにサブフレーム区間のデータを割り当てる場合は‘1’、割り当てない場合は‘0’とする。
【0130】
図14は、本実施形態に係るフレーム同期信号の4番目のシンボルで伝送されるフレーム同期信号3(Frame_sync_signal3)を示す図である。部分受信帯域ありの場合、フレーム同期信号3(Frame_sync_signal3)は、9番目のシンボルでも伝送される。
【0131】
図14(a)に示すように、フレーム同期信号3(Frame_sync_signal3)は、「tmcc_npages」と、「tmcc_code_length」とを含む。
【0132】
「tmcc_npages」は、TMCC頁数である。この6ビットのフィールドは、TMCC情報を1回伝送するために必要なFECブロック数を示す。FECブロック数から1を減算した値とする。
【0133】
「tmcc_code_length」は、TMCC符号長である。この1ビットのフィールドは、
図14(a)に従ってTMCC区間で用いられるLDPC符号の符号長を示す。
【0134】
図15は、本実施形態に係るフレーム同期信号の5番目のシンボルで伝送されるフレーム同期信号4(Frame_sync_signal4)を示す図である。部分受信帯域ありの場合、フレーム同期信号4(Frame_sync_signal4)は、10番目のシンボルでも伝送される。
【0135】
図15(a)に示すように、フレーム同期信号4(Frame_sync_signal4)は、「tmcc_cp_pattern」と、「next_frame」とを含む。
【0136】
「tmcc_cp_pattern」は、TMCC CP配置である。この3ビットのフィールドは、
図15(b)に従ってTMCC区間で用いられるCPの配置を示す。なお、図中、「Dx」はCPのキャリア方向の間隔を示す。
【0137】
「next_frame」は、ネクストフレームである。この4ビットのフィールドは、
図15(c)に従って次のフレーム同期信号が来るまでの時間範囲を示す。本フィールドは拡張フレームを含めた時間であり、拡張フレームを除いたフレーム時間は最大350msとする(拡張区間が無い場合は0000~0110の値となる)。
【0138】
(4)受信装置
図16を参照して、本実施形態に係る受信装置200の一例について説明する。
【0139】
図16に示すように、受信装置200は、受信部31と、フレーム同期信号処理部32と、TMCC信号処理部33と、対象サブフレーム切り出し部34と、FFT部35と、伝搬路推定部36と、等化部37と、階層分離部38と、階層ごとに設けられた周波数デインターリーブ(以下「周波数DIL」という)部39と、階層ごとに設けられた時間デインターリーブ(以下「時間DIL」という)部40と、階層ごとに設けられたLLR算出部41と、階層ごとに設けられた誤り訂正復号部42と、階層ごとに設けられたエネルギー逆拡散部43とを有する。
【0140】
受信部31は、フレーム同期信号、TMCC信号、及びサブフレーム信号が時分割で多重化された信号を受信し、受信信号を出力する。なお、受信部31は、ADC(analog to digital converter)部及び直交復調部等を含んで構成される。本実施形態において、受信部31は、所定数のシンボルにより構成されるフレーム同期信号をフレームの先頭区間で受信する受信手段に相当する。
【0141】
フレーム同期信号処理部32は、フレーム同期信号に基づく同期再生を行うとともに、フレーム同期信号を復調して制御信号(具体的には、Frame_sync_signal1乃至Frame_sync_signal4)を取得する。具体的には、フレーム同期信号処理部32は、時間領域のフレーム同期信号系列に適用された時間シフトのシフト量を特定し、特定したシフト量に対応する制御信号を取得する。本実施形態において、フレーム同期信号処理部32は、フレーム同期信号を用いて同期再生を行う信号処理手段に相当する。
【0142】
本実施形態に係る受信部31は、伝送帯域の中央の所定数のセグメントに部分受信帯域が設定される場合、フレーム同期信号をフレームの先頭区間で繰り返し受信する。例えば、受信部31及びフレーム同期信号処理部32は、繰り返し受信するフレーム同期信号に対して例えば最大比合成等の合成処理を行うことでフレーム同期信号の受信品質を向上させる。これにより、同期再生を円滑に行うことができる。よって、放送伝送システムにおいて部分受信帯域が設定される場合であっても伝送特性の劣化を抑制可能である。
【0143】
本実施形態に係るフレーム同期信号処理部32は、フレーム同期信号を構成するシンボルのうち時間領域の構成が所定シンボル構造(CAB構造)であるシンボルを、フレーム同期信号のうち最初のシンボルとして識別する。これにより、フレーム同期信号の各シンボルのシンボル構造に基づいて先頭シンボル(シンボル番号1)を円滑に識別できる。
【0144】
本実施形態に係るフレーム同期信号処理部32は、フレーム同期信号を構成するシンボルのうち周波数領域における符号が反転したシンボルを、フレーム同期信号のうち最後のシンボルとして識別する。これにより、符号反転が適用されたシンボルをフレーム同期信号の最後のシンボルとして円滑に識別できる。
【0145】
TMCC信号処理部33は、フレーム同期信号処理部32が取得した制御情報に基づいてTMCC信号を処理(復調及び復号)する。TMCC信号処理部33は、フレーム内のサブフレームの数及び各サブフレーム内の階層の数に応じてビット数が可変なTMCC情報を取得する。
【0146】
対象サブフレーム切り出し部34は、TMCC信号処理部33が取得したTMCC情報に基づいて対象サブフレームのサブフレーム信号(OFDM信号)を切り出す。FFT部35は、GIが除去されたOFDM信号に対してFFT処理を行い、周波数領域の階層信号に変換する。伝搬路推定部36は、配置されているSPに基づいて伝搬路推定を行い、伝搬路推定結果を等化部37に出力する。等化部37は、伝搬路推定結果を用いて階層信号に対して等化処理を行い、元のキャリアシンボルを推定する。階層分離部38は、TMCC信号処理部33が取得したTMCC情報に基づいて、帯域合成されている階層信号を、各階層のキャリアシンボルごとに階層分離して出力する。周波数DIL部39は、対応する階層のキャリアシンボルに対してキャリア周波数方向のDILを行う。時間DIL部40は、周波数DILしたキャリアシンボルに対して、時間方向のDILを行い、送信側でインターリーブを行う前の元の配列に戻す。LLR算出部41は、対応する階層のキャリアシンボルのLLR(Log Likelihood Ratio)を算出する。誤り訂正復号部42は、LLRに基づいて誤り訂正復号処理を行う。エネルギー逆拡散部43は、誤り訂正復号処理後の階層信号に対してエネルギー逆拡散処理を施して出力する。
【0147】
(5)その他の実施形態
上述の各装置(送信装置100、受信装置200)が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROMなどの記録媒体であってもよい。また、上述の各装置(送信装置100、受信装置200)が行う各処理を実行する回路を集積化し、当該装置を半導体集積回路(チップセット、SoC)により構成してもよい。
【0148】
本開示で使用されている「に基づいて(based on)」、「に応じて(depending on/in response to)」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」、「のみに応じて」を意味しない。「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」及び「に少なくとも部分的に基づいて」の両方を意味する。同様に、「に応じて」という記載は、「のみに応じて」及び「に少なくとも部分的に応じて」の両方を意味する。「含む(include)」、「備える(comprise)」、及びそれらの変形の用語は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。また、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。さらに、本開示で使用されている「第1」、「第2」等の呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。本開示において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【0149】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更などをすることが可能である。
【符号の説明】
【0150】
10 :放送伝送システム
31 :受信部
32 :フレーム同期信号処理部
33 :TMCC信号処理部
34 :対象サブフレーム切り出し部
35 :FFT部
36 :伝搬路推定部
37 :等化部
38 :階層分離部
39 :周波数DIL部
40 :時間DIL部
41 :LLR算出部
42 :誤り訂正復号部
43 :エネルギー逆拡散部
100 :送信装置
200 :受信装置
500 :放送伝送路
1200 :フレーム同期信号生成部
1201 :PN符号生成部
1202 :BPSK変調部
1203 :ZC系列生成部
1204 :乗算部
1205 :サブキャリア割当部
1206 :IFFT部
1207 :巡回シフト部
1208 :CP付加部
1300 :TMCC生成部
1400 :サブフレーム構成部
1402 :1次変調部
1403 :レベル調整部
1404 :階層合成部
1405 :帯域分割部
1406 :時間IL部
1407 :周波数IL部
1408 :帯域合成部
1409 :パイロット生成部
1410 :差動基準付加部
1411 :DBPSK変調部
1412 :OFDMフレーム構成部
1413 :IFFT部
1414 :GI付加部
1500 :Lch分離部
1600 :時分割多重フレーム構成部