(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169380
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ワークピースのアパーチャを照明及び測定するように構成された計測システム
(51)【国際特許分類】
G01B 11/02 20060101AFI20241128BHJP
G02B 21/00 20060101ALI20241128BHJP
G02B 21/36 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G01B11/02 H
G02B21/00
G02B21/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024083490
(22)【出願日】2024-05-22
(31)【優先権主張番号】18/324,027
(32)【優先日】2023-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】110002963
【氏名又は名称】弁理士法人MTS国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポール ジェラルド グラドニック
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー リチャード ハムナー
(72)【発明者】
【氏名】パベル イヴァノビッチ ナゴルヌイ
【テーマコード(参考)】
2F065
2H052
【Fターム(参考)】
2F065AA22
2F065AA27
2F065DD03
2F065FF04
2F065GG08
2F065HH03
2F065HH13
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065LL10
2F065LL33
2F065LL49
2F065PP02
2F065QQ28
2F065QQ31
2H052AB05
2H052AC25
2H052AF02
2H052AF14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高精度ワークピース測定システムを提供する。
【解決手段】計測システム200は、前方視覚構成要素部分205Aと、後方視覚構成要素部分205Bと、2つの部分の間に位置決めされたワークピース220を有する。後方視覚構成要素部分205Bは、光源PLS1と、ディフューザLDとを含む。前方視覚構成要素部分205Aは、焦点距離可変レンズL4と、対物レンズL2と、カメラCMOSとを含む。計測システム200は、前方視覚構成要素部分205Aと後方視覚構成要素部分205Bとの間の相対位置を整列させるように構成された移動機構部分と、ワークピース220を通して画定されたアパーチャAP1とを含む。カメラCMOSは、異なる焦点位置におけるアパーチャAP1の画像を取得し、画像の解析に基づいて、アパーチャAP1のワークピース特徴部WPF1A、WPF1B、WPF1Cに関連する測定値を決定することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測システムであって、
後方視覚構成要素部分であって、
光源と、
前記光源からの光の経路に位置するディフューザと、を含む、後方視覚構成要素部分と、
前方視覚構成要素部分であって、前記計測システムが、前記前方視覚構成要素部分と前記後方視覚構成要素部分との間に位置決めされたワークピースを有するように構成されており、前記前方視覚構成要素部分が、
可変焦点距離(VFL)レンズであって、周期的変調の範囲内のそれぞれの位相タイミングにおいて生じる光パワーの範囲にわたって、前記VFLレンズの光パワーを周期的に変調するように制御される、VFLレンズと、
対物レンズであって、前記光源によって照明された前記ワークピースから生じたワークピース光を入力し、前記VFLレンズを通過する撮像光路に沿って前記ワークピース光を伝送し、前記対物レンズが、前記前方視覚構成要素部分の光軸を画定する、対物レンズと、
カメラであって、前記撮像光路に沿って前記VFLレンズによって伝送された前記ワークピース光を受信して、対応するワークピース画像露光を提供するカメラと、を含む、前方視覚構成要素部分と、
1つ以上の移動機構を含む、移動機構部分であって、前記移動機構部分が、
前記前方視覚構成要素部分の前記光軸を横断する方向における前記前方視覚構成要素部分と前記ワークピースとの間の相対位置を調整するように、及び
前記後方視覚構成要素部分の相対位置が前記前方視覚構成要素部分から前記ワークピースの反対側になるよう調整するように構成されている、移動機構部分と、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに結合され、かつプログラム命令を記憶したメモリであって、前記プログラム命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、前記1つ以上のプロセッサに、少なくとも、
(a)前記後方視覚構成要素部分の前記ディフューザを通過する前記光源からの前記光の少なくとも一部分が、アパーチャを撮像するための前記照明の少なくとも一部を提供するために前記アパーチャを通過するように、前記移動機構部分を利用して、前記ワークピースと前記前方視覚構成要素部分及び前記後方視覚構成要素部分との間の相対位置を調整して、前記前方視覚構成要素部分の前記光軸と前記ワークピースの前記アパーチャとを整列させ、更には、前記後方視覚構成要素部分の光軸と前記ワークピースの前記アパーチャとを整列させることと、
(b)前記カメラを利用して、前記ディフューザを通過した前記光源からの光によって少なくとも部分的に照明された前記アパーチャの複数の画像を含む画像スタックを取得することであって、前記画像スタックの各画像が、前記VFLレンズの前記光パワーの前記周期的変調の位相タイミングに対応する前記前方視覚構成要素部分の前記光軸に沿った異なる焦点位置に対応する、を取得することと、
(c)前記画像スタックの解析に少なくとも部分的に基づいて、前記アパーチャのワークピース特徴部に関連する測定値を決定することと、を行わせる、メモリと、を備えている、計測システム。
【請求項2】
前記画像スタックの画像ごとに、前記光源が、前記画像スタックのそのそれぞれの画像の前記それぞれの焦点位置に対応する周期的に変調された焦点位置のそれぞれの位相タイミングに対応するように調整されたストロボ照明の少なくとも1つの事例を提供するように制御される、請求項1に記載の計測システム。
【請求項3】
前記画像スタックの前記解析が、前記ワークピース特徴部に合焦する焦点位置を示す前記画像スタックの焦点曲線データを決定することを含む、請求項1に記載の計測システム。
【請求項4】
前記ワークピース特徴部が、前記アパーチャの第1のワークピース特徴部であり、前記焦点位置が、第1の焦点位置であり、前記焦点曲線データが、前記アパーチャの第2のワークピース特徴部に合焦する第2の焦点位置を更に示し、前記測定値が、前記第1のワークピース特徴部と前記第2のワークピース特徴部との間の距離を含む、請求項3に記載の計測システム。
【請求項5】
前記アパーチャが、貫通孔部分を備えており、前記第1及び第2のワークピース特徴部が、それぞれ前記貫通孔部分の出口及び入口に対応する、請求項4に記載の計測システム。
【請求項6】
前記画像スタックの前記解析が、前記ワークピース特徴部に合焦する前記画像スタックの画像を決定することを含み、前記測定値が、前記合焦した画像に少なくとも部分的に基づいて決定された前記ワークピース特徴部の寸法を含む、請求項1に記載の計測システム。
【請求項7】
前記ディフューザが、コリメート光を受信するように、及び前記アパーチャを撮像するための前記照明の少なくとも一部を提供するために前記アパーチャを通過する前記光として拡散光を出力するように構成されている、請求項1に記載の計測システム。
【請求項8】
前記後方視覚構成要素部分が、前記光源と前記ディフューザとの間の前記光の前記経路にあり、前記ディフューザに前記コリメート光を提供する、コリメータレンズを更に備えている、請求項7に記載の計測システム。
【請求項9】
前記ディフューザが、光学ディフューザ又は透過型光ディフューザのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の計測システム。
【請求項10】
前記アパーチャが、2:1よりも大きいアスペクト比を有する、請求項1に記載の計測システム。
【請求項11】
前記VFLレンズが、調整可能な音響勾配レンズである、請求項1に記載の計測システム。
【請求項12】
計測システムを動作させるための方法であって、前記方法が、
(a)前記後方視覚構成要素部分のディフューザを通過する前記後方視覚構成要素部分の光源からの照明の少なくとも一部分が、アパーチャを撮像するための前記光の少なくとも一部を提供するために前記アパーチャを通過するように、ワークピースと計測システムの前方視覚構成要素部分及び後方視覚構成要素部分との間の相対位置を調整して、前記前方視覚構成要素部分の光軸と前記ワークピースの前記アパーチャとを整列させ、更には、前記後方視覚構成要素部分の光軸と前記ワークピースの前記アパーチャとを整列させることであって、前記前方視覚構成要素部分が、可変焦点距離(VFL)レンズと、前記前方視覚構成要素部分の前記光軸を画定する対物レンズと、カメラと、を備えている、を整列させることと、
(b)前記ディフューザを通過した前記光源からの光によって少なくとも部分的に照明された前記アパーチャの複数の画像を含む画像スタックを取得することであって、前記画像スタックの各画像が、前記VFLレンズの前記光パワーの周期的変調の位相タイミングに対応する前記前方視覚構成要素部分の前記光軸に沿った異なる焦点位置に対応する、を取得することと、
(c)前記画像スタックの解析に少なくとも部分的に基づいて、前記アパーチャのワークピース特徴部に関連する測定値を決定することと、を含む、方法。
【請求項13】
前記画像スタックの画像ごとに、前記光源が、前記画像スタックのそのそれぞれの画像の前記それぞれの焦点位置に対応する周期的に変調された焦点位置のそれぞれの位相タイミングに対応するように調整されたストロボ照明の少なくとも1つの事例を提供するように制御される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記画像スタックの前記解析が、前記ワークピース特徴部に合焦する焦点位置を示す前記画像スタックの焦点曲線データを決定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ワークピース特徴部が、前記アパーチャの第1のワークピース特徴部であり、前記焦点位置が、第1の焦点位置であり、前記焦点曲線データが、前記アパーチャの第2のワークピース特徴部に合焦する第2の焦点位置を更に示し、前記測定値が、前記第1のワークピース特徴部と前記第2のワークピース特徴部との間の距離を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記アパーチャが、貫通孔部分を備えており、前記第1及び第2のワークピース特徴部が、それぞれ前記貫通孔部分の出口及び入口に対応する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ディフューザが、コリメート光として前記光源から前記光を受信して、前記アパーチャを撮像するための前記照明の少なくとも一部を提供するために前記アパーチャを通過する前記光として拡散光を出力する、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記光源からの前記光が、前記ディフューザに前記コリメート光を提供するコリメータレンズを通過する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
計測システムであって、
後方視覚構成要素部分であって、
光源と、
前記光源からの光の経路に位置するディフューザと、を含む、後方視覚構成要素部分と、
前方視覚構成要素部分であって、前記計測システムが、前記前方視覚構成要素部分と前記後方視覚構成要素部分との間に位置決めされたワークピースを有するように構成されており、前記前方視覚構成要素部分が、
可変焦点距離(VFL)レンズであって、周期的変調の範囲内のそれぞれの位相タイミングにおいて生じる光パワーの範囲にわたって、前記VFLレンズの光パワーを周期的に変調するように制御される、VFLレンズと、
対物レンズであって、前記光源によって照明された前記ワークピースから生じたワークピース光を入力し、前記VFLレンズを通過する撮像光路に沿って前記ワークピース光を伝送し、前記対物レンズが、前記前方視覚構成要素部分の光軸を画定する、対物レンズと、
カメラであって、前記撮像光路に沿って前記VFLレンズによって伝送された前記ワークピース光を受信して、対応するワークピース画像露光を提供するカメラと、を含む、前方視覚構成要素部分と、
1つ以上の移動機構を含む、移動機構部分であって、前記移動機構部分が、
前記前方視覚構成要素部分の前記光軸を横断する方向における前記前方視覚構成要素部分と前記ワークピースとの間の相対位置を調整するように、及び
前記後方視覚構成要素部分の相対位置が前記前方視覚構成要素部分から前記ワークピースの反対側になるよう調整するように構成されている、移動機構部分と、を備えており、
前記計測システムが、
(a)前記後方視覚構成要素部分の前記ディフューザを通過する前記光源からの前記光の少なくとも一部分が、アパーチャを撮像するための前記照明の少なくとも一部を提供するために前記アパーチャを通過するように、前記移動機構部分を利用して、前記ワークピースと前記前方視覚構成要素部分及び前記後方視覚構成要素部分との間の相対位置を調整して、前記前方視覚構成要素部分の前記光軸と前記ワークピースの前記アパーチャとを整列させ、更には、前記後方視覚構成要素部分の前記光軸と前記ワークピースの前記アパーチャとを整列させることと、
(b)前記カメラを利用して、前記ディフューザを通過した前記光源からの光によって少なくとも部分的に照明された前記アパーチャの複数の画像を含む画像スタックを取得することであって、前記画像スタックの各画像が、前記VFLレンズの前記光パワーの前記周期的変調の位相タイミングに対応する前記前方視覚構成要素部分の前記光軸に沿った異なる焦点位置に対応する、を取得することと、
(c)前記画像スタックの解析に少なくとも部分的に基づいて、前記アパーチャのワークピース特徴部に関連する測定値を決定することと、を行うように構成されている、計測システム。
【請求項20】
前記画像スタックの画像ごとに、前記光源が、前記画像スタックのそのそれぞれの画像の前記それぞれの焦点位置に対応する周期的に変調された焦点位置のそれぞれの位相タイミングに対応するように調整されたストロボ照明の少なくとも1つの事例を提供するように制御され、
前記画像スタックの前記解析が、前記ワークピース特徴部に合焦する焦点位置を示す前記画像スタックの焦点曲線データを決定することを含み、
前記ワークピース特徴部が、前記アパーチャの第1のワークピース特徴部であり、前記焦点位置が、第1の焦点位置であり、前記焦点曲線データが、前記アパーチャの第2のワークピース特徴部に合焦する第2の焦点位置を更に示し、前記測定値が、前記第1のワークピース特徴部と前記第2のワークピース特徴部との間の距離を含む、請求項19に記載の計測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高精度計測に関するものであり、より具体的には、高精度ワークピース測定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特定の特徴部(例えば、成型及び/又は機械加工、などによって生成される)を含む物体(例えば、ワークピース)を生産するための品質管理は、条件又はスループット、測定分解能、及び精度に関してますます要求が厳しくなっている。理想的には、かかるワークピースは、適切な寸法、機能、などを確実にするために測定/検査しなければならない。しかしながら、いくつかの用途に対する所望の特性についてワークピースを確認するために、ミクロンレベル、又は更にはサブミクロンレベルの測定公差も要求され得る。
【0003】
ワークピースの測定及び検査のために、様々な高精度計測システムが使用され得る。例えば、検査用のワークピースの画像を取得するために、機械視覚検査システム(又は略して「視覚システム」)などの特定の高精度計測システムが利用され得る。かかるシステムは、様々な種類の用途(例えば、一般的なワークピース検査、ワークピースの正確な寸法測定値を決定するための計測用途、など)に利用され得る。
【0004】
かかる計測システムは、典型的には、ワークピースの測定及び検査に関する様々な種類の問題(例えば、ワークピースの特徴部の種類のばらつき、ワークピースの特徴部を撮像及び測定するために必要とされる照明、など)に直面している。特定の種類の測定及び検査作業に関するかかる課題に対する改善点を提供することができるシステムが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第10,178,321号明細書
【特許文献2】米国特許第10,101,572号明細書
【特許文献3】米国特許第9,930,243号明細書
【特許文献4】米国特許第9,736,355号明細書
【特許文献5】米国特許第9,726,876号明細書
【特許文献6】米国特許第9,143,674号明細書
【特許文献7】米国特許第8,194,307号明細書
【特許文献8】米国特許第7,627,162号明細書
【特許文献9】米国特許第9,830,694号明細書
【特許文献10】米国特許第8,581,162号明細書
【特許文献11】米国特許第6,542,180号明細書
【特許文献12】米国特許第9,060,117号明細書
【特許文献13】米国特許第10,880,468号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“High speed varifocal imaging with a tunable acoustic gradient index of refraction lens" Optics Letters, Vol.33, No.18, September 15, 2008
【発明の概要】
【0007】
この概要は、以下の詳細な説明で更に説明される簡略化された形式で概念の選択を紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の主要な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助として使用されることも意図されていない。
【0008】
一態様によれば、後方視覚構成要素部分と、前方視覚構成要素部分と、を含む、計測システムが提供される。計測システムは、前方視覚構成要素部分と後方視覚構成要素部分との間に位置決めされたワークピースを有するように構成されている。後方視覚構成要素部分は、光源からの光の経路に位置するディフューザを含む。前方視覚構成要素部分は、可変焦点距離(variable focal length、VFL)レンズであって、周期的変調の範囲内のそれぞれの位相タイミングにおいて生じる光パワーの範囲にわたって、VFLレンズの光パワーを周期的に変調するように制御される、VFLレンズを含む。前方視覚構成要素部分は、対物レンズであって、前方視覚構成要素部分の光軸を画定し、光源によって照明されたワークピースから生じたワークピース光を入力し、VFLレンズを通過する撮像光路に沿ってワークピース光を伝送する、対物レンズを含む。前方視覚構成要素部分は、カメラであって、撮像光路に沿ってVFLレンズによって伝送されたワークピース光を受信して、対応するワークピース画像露光を提供する、カメラを含む。
【0009】
計測システムは、1つ以上の移動機構を含む移動機構部分を更に含む。移動機構部分は、前方視覚構成要素部分の光軸を横断する方向における前方視覚構成要素部分とワークピースとの間の相対位置を調整するように、及び後方視覚構成要素部分の相対位置が前方視覚構成要素部分からワークピースの反対側になるよう調整するように構成されている。
【0010】
計測システムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサに結合され、かつプログラム命令を記憶したメモリと、を更に含み、当該プログラム命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、1つ以上のプロセッサに、少なくとも、
(a)後方視覚構成要素部分のディフューザを通過する光源からの光の少なくとも一部分が、アパーチャを撮像するための照明の少なくとも一部を提供するためにアパーチャを通過するように、移動機構部分を利用して、ワークピースと前方視覚構成要素部分及び後方視覚構成要素部分との間の相対位置を調整して、前方視覚構成要素部分の光軸とワークピースのアパーチャとを整列させ、更には、後方視覚構成要素部分の光軸とワークピースのアパーチャとを整列させることと、
(b)カメラを利用して、ディフューザを通過した光源からの光によって少なくとも部分的に照明されたアパーチャの複数の画像を含む画像スタックを取得することであって、画像スタックの各画像が、VFLレンズの光パワーの周期的変調の位相タイミングに対応する前方視覚構成要素部分の光軸に沿った異なる焦点位置に対応する、を取得することと、
(c)画像スタックの解析に少なくとも部分的に基づいて、アパーチャのワークピース特徴部に関連する測定値を決定することと、を行わせる。
【0011】
例えば、画像スタックの解析は、ワークピース特徴部に合焦する焦点位置を示す、画像スタックの焦点曲線データを決定することを含み得る。アパーチャは、貫通孔部分を含み得、ワークピース特徴部は、第1の焦点位置に合焦した第1のワークピース特徴部(例えば、貫通孔部分の入口)と、第2の焦点位置に合焦した第2のワークピース特徴部(例えば、貫通孔部分の出口)と、を含み得、決定された測定値は、第1のワークピース特徴部と第2のワークピース特徴部との間の距離(例えば、貫通孔部分の長さ)であり得る。
【0012】
様々な実施形態では、後方視覚構成要素部分のディフューザは、コリメート光を受信するように、及びアパーチャを撮像するための照明の少なくとも一部を提供するためにアパーチャを通過する拡散光を出力するように構成されている。様々な実施形態では、拡散光は、アパーチャの複数の異なる焦点位置を撮像するためにそれぞれ最適である、複数の特性/状態を有する/提供するものとみなされ得る。したがって、拡散光は、アパーチャの異なる焦点位置における複数の測定に適した照明を提供する。
【0013】
別の態様によれば、計測システムを動作するための方法が提供される。当該方法は、
(a)後方視覚構成要素部分のディフューザを通過する後方視覚構成要素部分の光源からの光の少なくとも一部分が、アパーチャを撮像するための照明の少なくとも一部を提供するためにアパーチャを通過するように、ワークピースと計測システムの前方視覚構成要素部分及び後方視覚構成要素部分との間の相対位置を調整して、前方視覚構成要素部分の光軸とワークピースのアパーチャとを整列させ、更には、後方視覚構成要素部分の光軸とワークピースのアパーチャとを整列させることであって、前方視覚構成要素部分が、可変焦点距離(VFL)レンズと、前方視覚構成要素部分の光軸を画定する対物レンズと、カメラと、を備えている、を整列させることと、
(b)ディフューザを通過した光源からの光によって少なくとも部分的に照明されたアパーチャの複数の画像を含む画像スタックを取得することであって、画像スタックの各画像が、VFLレンズの光パワーの周期的変調の位相タイミングに対応する前方視覚構成要素部分の光軸に沿った異なる焦点位置に対応する、を取得することと、
(c)画像スタックの解析に少なくとも部分的に基づいて、アパーチャのワークピース特徴部に関連する測定値を決定することと、を含む。
【0014】
更なる態様によれば、計測システムであって、
(a)後方視覚構成要素部分のディフューザを通過する光源からの光の少なくとも一部分が、アパーチャを撮像するための照明の少なくとも一部を提供するためにアパーチャを通過するように、移動機構部分を利用して、ワークピースと前方視覚構成要素部分及び後方視覚構成要素部分との間の相対位置を調整して、前方視覚構成要素部分の光軸とワークピースのアパーチャとを整列させ、更には、後方視覚構成要素部分の光軸とワークピースのアパーチャとを整列させることと、
(b)カメラを利用して、ディフューザを通過した光源からの光によって少なくとも部分的に照明されたアパーチャの複数の画像を含む画像スタックを取得することであって、画像スタックの各画像が、VFLレンズの光パワーの周期的変調の位相タイミングに対応する前方視覚構成要素部分の光軸に沿った異なる焦点位置に対応する、を取得することと、
(c)画像スタックの解析に少なくとも部分的に基づいて、アパーチャのワークピース特徴部に関連する測定値を決定することと、を行うように構成された、計測システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
前述の態様及び付随する多くの本発明の利点は、添付の図面と併せて取り込まれたときに、以下の発明を実施するための形態を参照することによって、より良好に理解されるにつれて、より容易に認識されるであろう。
【
図1】前方視覚構成要素部分及び後方視覚構成要素部分を含み、本明細書に開示される原理に従って動作し得る計測システムの概略図である。
【
図2】前方視覚構成要素部分及び後方視覚構成要素部分を含み、本明細書に開示される原理に従って動作し得る計測システムの別の概略図である。
【
図3】本明細書に開示される原理による、後方視覚構成要素部分の概略図である。
【
図4】前方視覚構成要素部分の可変焦点距離(VFL)レンズの焦点距離を周期的に変調することによって制御される、
図1~
図2の前方視覚構成要素部分の周期的に変調された焦点位置を示し、更には、それぞれのZ座標に焦点を合わせた画像を露光するために、周期的に変調された焦点位置のそれぞれの位相タイミングに対応するように、どのようにストロボ照明のタイミングを調整することができるのかを定性的に示す、タイミング図のチャートである。
【
図5】
図4に示される周期的に変調された焦点位置の拡大部分を示し、画像スタックを収集するために使用可能な位相タイミングに対応する位相タイミングを示し、更には、どのように周期的に変調された焦点位置の第1及び第2の位相タイミングに対応するストロボ照明の第1及び第2の事例を利用して、異なるZ座標に位置するワークピース特徴部のための画像焦点を提供する対応する露光画像を生成することができるのかを定性的に示す、チャートである。
【
図6A】本明細書に開示される原理に従って動作する計測システムによって捕捉され得る、アパーチャの貫通孔部分の入口及び出口などの、異なるZ座標に位置するアパーチャの第1及び第2のワークピース特徴部の相対的合焦画像である。
【
図6B】本明細書に開示される原理に従って動作する計測システムによって捕捉され得る、アパーチャの貫通孔部分の入口及び出口などの、異なるZ座標に位置するアパーチャの第1及び第2のワークピース特徴部の相対的合焦画像である。
【
図7】本明細書に開示される原理による、アパーチャのワークピース特徴部に関連する測定値を決定するように、前方視覚構成要素部分及び後方視覚構成要素部分を含む計測システムを動作させるための方法の1つの例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照すると、計測システム100は、視覚構成要素部分105と、制御システム部分120と、を含む。視覚構成要素部分105は、前方視覚構成要素部分105Aと、後方視覚構成要素部分105Bと、移動機構部分110と、を含む。移動機構部分110は、(例えば、前方視覚構成要素部分105Aの光軸OAを横断する方向に前方視覚構成要素部分105Aを移動させるように構成された)前方移動機構110Aと、(例えば、後方視覚構成要素部分105Bの光軸OAを横断する方向に後方視覚構成要素部分105Bを移動させて、前方視覚構成要素部分105Aと整列されるように構成された)後方移動機構110Bと、を含む。ワークピース20は、複数のアパーチャを含む(例えば、破線によって表されるように、異なるX軸位置に示され、その場合、追加のアパーチャが、行及び/又は列にほぼ配置されるようにワークピース20に含まれ得、各アパーチャが、ワークピース内の一意のX軸位置及びY軸位置を有する)。アパーチャの例は、
図2、
図6A、及び
図6Bに関して以下でより詳細に説明される。アパーチャ(例えば、貫通孔を含む)は各々、ワークピース20を通るZ軸に沿って延在する。
図1の例では、特定の例示的なアパーチャAPが、前方視覚構成要素部分105A及び後方視覚構成要素部分105Bの光軸OAに沿って整列されているように示されている。
【0017】
移動機構部分110は、前方視覚構成要素部分105Aとワークピース20との間の相対位置を調整して、前方視覚構成要素部分105Aの光軸OAとワークピース20のアパーチャAPとを整列させるために利用される(例えば、前方移動機構110Aの動作を含む)。移動機構部分110はまた、後方視覚構成要素部分105Bからの光(例えば、
図2に関して以下でより詳細に説明されるように、後方視覚構成要素部分105Bのディフューザ(LD)を通過する光源からの光の少なくとも一部分を含む)が、アパーチャAPを撮像するための照明の少なくとも一部を提供するためにアパーチャAPを通過するように、後方視覚構成要素部分105Bの光軸OAとワークピース20のアパーチャAPとを整列させるために利用される(例えば、後方移動機構110Bの動作を含む)。
【0018】
より具体的には、様々な実装形態では、移動機構110A及び110Bは、(例えば、制御システム部分120によって)前方視覚構成要素部分105A及び後方視覚構成要素部分105Bを(例えば、X軸に沿った方向に前後に、及びY軸に沿った方向に上下に)移動させて、各アパーチャAPの画像を取得するように制御される。各アパーチャを撮像するために、(例えば、
図1に示されるアパーチャAPと同様に)前方視覚構成要素部分105Aの光軸OA及び後方視覚構成要素部分105Bの光軸OAとアパーチャとを整列させ、後方視覚構成要素部分105Bからの光の少なくとも一部は、前方視覚構成要素部分105Aで含まれるカメラ(CMOS)によって撮像するためのアパーチャを通過する。上述したように、前方視覚構成要素部分105A及び後方視覚構成要素部分105Bは、移動機構部分110によって(例えば、各アパーチャを撮像するための一意のX軸及びY軸位置まで)移動され得る。計測システム100の構成及び動作に関する更なる詳細は、以下の
図2及び
図3を参照して説明される。
【0019】
本発明によれば、ワークピースに定義された(例えば、貫通孔部分を含む)アパーチャを好都合に撮像及び測定することができる。様々な実装形態では、アパーチャは、比較的高い(例えば、2対1を超える)アスペクト比を有し得る。かかるアパーチャとしては、例えば、スルーシリコンビア(Through Silicon Via、TSV)、スキンパネル固定用の航空機用貫通孔特徴部、任意の大きい及び/又は厚いワークピースの貫通孔、などが挙げられ得る。
【0020】
制御システム部分120は、1つ以上のプロセッサ122と、1つ以上のプロセッサに結合され、かつプログラム命令を記憶したメモリ124と、を含み、当該プログラム命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、1つ以上のプロセッサに、本明細書で説明される機能を実施させる。当業者は、(例えば、コンピューティングシステムなどを含む又は実装している)制御システム部分120及び/又は本明細書に記載された、若しくは本明細書に記載された要素及び方法とともに使用可能な他の処理又は制御システムが、概して、分散された又はネットワーク化されたコンピューティング環境を含む、任意の好適なコンピューティングシステム又はデバイスを使用して実装され得ることを認識するであろう。かかるシステム又はデバイスは、(例えば、記憶されたプログラム命令を含む)ソフトウェアを実行して、本明細書に記載された機能を実施する1つ以上の汎用又は専用プロセッサ122(例えば、非カスタム又はカスタムデバイス)を含み得る。かかるソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、リードオンリーメモリ(read only memory、ROM)、フラッシュメモリなど、又はかかる構成要素の組み合わせ、などの、メモリ124に記憶され得る。ソフトウェアは、光学ベースのディスク、フラッシュメモリデバイス、又はデータを記憶するための任意の他のタイプの不揮発性記憶媒体を含む、1つ以上の記憶デバイスなどの、他のタイプのメモリ124にも記憶され得る。ソフトウェアは、特定のタスクを実施する又は特定の抽象データ型を実装するプロセス、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造、などを含む、1つ以上のプログラムモジュールを実装したプログラム命令を含み得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールの機能は、有線構成又は無線構成のいずれかで、複数のコンピューティングシステム又はデバイスにわたって組み合わせられ得、又は分散され得、かつサービスコールを介してアクセスされ得る。
【0021】
図2は、本明細書に開示された原理に従って動作し得る計測システム200の概略図である。以下でより詳細に説明されるように、撮像光路OPATH(本明細書では、ワークピース撮像光路としても参照され得る)は、ワークピース220からカメラCMOS(例えば、計測システム200の光学システムの一部としての「CMOS」カメラ)まで画像光を搬送する経路に沿って配置された様々な光学構成要素を備えている。画像光は、概して、様々な構成要素の光軸OAの方向に沿って搬送される。
図2に示される実装形態では、様々な構成要素の光軸OAが整列されている。しかしながら、この実装形態は、単に例示することを意図したものであり、限定するものではないことが認識されるであろう。より一般的には、撮像光路OPATHは、ミラー及び/又は他の光学素子を含み得、また、既知の原理に従ってカメラCMOSを使用してワークピース220を撮像するための動作である任意の形態を採り得る。例示された実装形態では、撮像光路OPATHは、VFLレンズL4を含み、また、前方視覚構成要素部分205Aの光軸OAに沿って、ワークピース画像露光中に、ワークピース220のアパーチャAP1のワークピース特徴部を撮像するために少なくとも部分的利用される。
【0022】
図2に示されるように、計測システム200は、(例えば、
図1の前方移動機構110Aなどの移動機構に結合され、当該移動機構によって移動可能である)前方視覚構成要素部分205Aと、(例えば、
図1の後方移動機構110Bなどの後方移動機構に結合され、当該後方移動機構によって移動可能である)後方視覚構成要素部分205Bと、を含む。計測システム200はまた、(例えば、
図1の制御システム部分120などの)制御システム部分も含み、当該制御システム部分は、例示された例では、レンズコントローラ280と、露光(ストロボ)時間コントローラ233esと、有効焦点位置(Z座標)較正部分273と、ワークピース焦点信号処理部分275(任意選択)とを備えているが、これらは以下で説明する。様々な実装形態では、本明細書に記載された様々な機能を実施するために、追加の構成要素も制御システム部分に含まれ得る。様々な実装形態では、(例えば、コントローラ部分、などを含む)制御システム部分の様々な構成要素、及び/若しくは前方視覚構成要素部分205A、及び/若しくは後方視覚構成要素部分205Bは、直接接続によって、若しくは1つ以上のデータ/制御バス(例えば、システム信号及び制御バス295)、及び/若しくはアプリケーションプログラミングインターフェース、などによって相互接続され得、並びに/又は本明細書に記載された機能を実施するために1つ以上のプロセッサ(例えば、プロセッサ122)によって実行される、メモリ(例えば、メモリ124)に記憶されたプログラム命令によって実装、制御、及び/若しくは利用され得る。
【0023】
図2に例示されるように、計測システム200は、前方視覚構成要素部分205Aと後方視覚構成要素部分205Bとの間に位置決めされたワークピース220を有するように構成されている。後方視覚構成要素部分205Bは、光源PLS1と、光源PLS1からの光の経路内にあるディフューザLDと、を含む。ディフューザLDは、光学ディフューザ又は透過光ディフューザのうちの少なくとも1つであり得る。様々な実施形態では、ディフューザLDは、コリメート光CLを受信するように、及びアパーチャAP1を撮像するための照明の少なくとも一部を提供するためにワークピース220のアパーチャAP1を通過する光として、拡散光DLを出力するように構成されている。後方視覚構成要素部分205Bは、合焦レンズL6と、光源PLS1とディフューザLDとの間の光の経路内のコリメータレンズL7と、を更に含むことができる。コリメータレンズL7は、ディフューザLDにコリメート光CLを提供するように提供及び構成され得る。
【0024】
様々な実装形態では、前方視覚構成要素部分205Aは、VFLレンズL4と、対物レンズL2と、カメラCMOSと、を含む。例示された例では、前方視覚構成要素部分205Aは、(例えば、例えば、チューブレンズ及び/又はリレーレンズ、などを含み得る)リレー光学系L3と、チューブレンズL5と、を更に含む。
【0025】
様々な実装形態では、前方視覚構成要素部分205Aは、(例えば、以下で説明する、ワークピース特徴部WPF1Cに関連するような、ワークピース220の特定の特徴部に関連する特定の照明及び撮像機能に利用され得る)第2の光源PLS2を更に含み得る。
図2に示される一般的な構成では、第2の光源PLS2は、(例えば、ストロボ/パルス照明又は連続照明による)光源光を、コリメータレンズL0、反射ミラーM1、収束レンズL1、直線偏光子LP1、及び非偏光ビームスプリッタNPBSを含む照明経路に沿って対物レンズL2に向かって放射して、ワークピース220を照明して撮像するように構成された、「同軸の」又は他の光源であり得る。
【0026】
図2に示される一般的な構成では、(すなわち、後方視覚構成要素部分205Bの)第1の光源PLS1は、(例えば、ストロボ/パルス照明又は連続照明による)光源光を、照明経路に沿って放射して、ワークピース220を照明して撮像するように構成され得る。様々な実装形態では、ストロボ/パルス照明は、(例えば、以下でより詳細に説明される)VFLレンズL4の動作と併せて利用され得る。ワークピース220が照明された後には、対物レンズL2が、ワークピース220から生じたワークピース光を入力して、ワークピース光を、VFLレンズL4を通過するワークピース撮像光路OPATHに沿って伝送する。示されるように、対物レンズL2は、前方視覚構成要素部分205Aの光軸OAを画定する。例示された例では、ワークピース撮像光路OPATHは、非偏光ビームスプリッタNPBS、直線偏光子LP2、リレー光学系L3、VFLレンズL4、チューブレンズL5、及びカメラCMOSとともに、対物レンズL2を含む。様々な代替的な実装形態では、非偏光ビームスプリッタNPBSの代わりに、偏光ビームスプリッタPBSが利用され得る。以下でより完全に説明されるように、カメラCMOSは、VFLレンズL4によって撮像光路OPATHに沿って伝送されたワークピース光を受信して、対応するワークピース画像露光を提供する。撮像光路OPATHの構成は、
図2に例示される特定の例に限定されず、各アプリケーションの物理仕様及び/又は光学仕様を満たすために、より多い又はより少ない構成要素、並びに異なる構成要素を含むように適合され得ることが認識されるであろう。
【0027】
VFLレンズL4は、周期的変調の範囲内のそれぞれの位相タイミングにおいて生じる光パワーの範囲にわたって、VFLレンズの光パワーを周期的に変調するように制御される。様々な実装形態では、VFLレンズL4は、流体媒体中の音波を使用してレンズ効果を生成する、調整可能な音響勾配(tunable acoustic gradient、「TAG」又は「TAGLENS」)レンズであり得る。音波は、流体媒体を取り囲む圧電チューブに共振周波数の電界を印加して、レンズの流体に時変の密度及び屈折率プロファイルを生成することによって生成され得、これは、その光パワーを変調し、それによって、その光学系の焦点距離(又は有効焦点位置)を変調する。TAGレンズは、例えば、30kHz超、又は70kHz超、又は100kHz超、又は400kHz超、最高1.0MHzの共振周波数で、焦点距離の範囲を高速に周期的に掃引するために(すなわち、その光パワーを周期的に変調するために)使用され得る。かかるレンズは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる記事「High speed varifocal imaging with a tunable acoustic gradient index of refraction lens」(2008年9月15日、Optics Letters、Vol.33、No.18)(前記非特許文献1)の教示によって、より詳細に理解され得る。TAG(別名TAGLENS)レンズ及び関連する制御可能な信号発生器は、例えば、株式会社ミツトヨ(神奈川県,日本)から入手可能である。具体的な一例として、特定のTAGレンズは、最高1.0MHzの変調周波数を有する周期的変調が可能である。TAGレンズの動作原理及び応用例の様々な態様は、米国特許第10,178,321号(前記特許文献1)、同第10,101,572号(前記特許文献2)、同第9,930,243号(前記特許文献3)、同第9,736,355号(前記特許文献4)、同第9,726,876号(前記特許文献5)、同第9,143,674号(前記特許文献6)、同第8,194,307号(前記特許文献7)、及び同第7,627,162号(前記特許文献8)により詳細に記載されており、これらの特許の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0028】
以下でより詳細に説明されるように、様々な実装形態では、VFLレンズコントローラ280は、(例えば、
図4及び
図5に関して以下でより詳細に説明するように)周期的変調の範囲内のそれぞれの位相タイミングにおいて生じる光パワーの範囲にわたって、VFLレンズの光パワーを周期的に変調するように、VFLレンズL4の駆動信号を制御することができる。カメラCMOS(例えば、「CMOS」撮像検出器などの撮像検出器を含む)は、VFLレンズL4を通して撮像光路OPATHに沿って伝送される光を受信して、対応するワークピース画像露光を提供する。画像露光中の対物レンズL2の前方の有効焦点位置EFPは、その画像露光中の(すなわち、対物レンズL2と組み合わせて動作する)VFLレンズL4の光パワーに対応する。以下でより完全に説明されるように、露光時間コントローラ233esは、カメラ画像に使用される画像露光タイミングを制御するように構成される。
【0029】
図2には、ワークピース220全体に存在する潜在的に多数のアパーチャの間の例示的なアパーチャAP1を含む、ワークピース220の一部分だけが示されている。いくつかの実装形態では、数百又は数千ものアパーチャがワークピースに存在し得、その場合、以下でより詳細に説明されるように、本明細書に開示された構成は、かかるワークピースを検査するためのプロセスの一部として、比較的高速なアパーチャの撮像を可能にし得る。
【0030】
図2の例示的なアパーチャAP1は、入口部分EN1と、貫通孔部分TH1と、出口部分EX1と、を備えている。貫通孔部分TH1は、第1のワークピース特徴部WPF1A(例えば、貫通孔部分TH1の入口)と、第2のワークピース特徴部WPF1B(例えば、貫通孔部分TH1の出口)と、を備えている。後方視覚構成要素部分205Bの第1の光源PLS1からの照明光は、出口部分EX1を介してアパーチャAP1に進入し、第2のワークピース特徴部WPF1B及び第1のワークピース特徴部WPF1Aを介して貫通孔部分TH1を通って進行し、そして、入口部分EN1を通ってアパーチャAP1を出て、前方視覚構成要素部分205Aによって受信される。以下でより詳細に説明されるように、様々な実装形態では、第2のワークピース特徴部WPF1Bは、第1のワークピース特徴部WPF1Aと比較して、所望のレベルの画像コントラストを達成するための特定の課題を提示すると考えられ得、その場合、所望のレベルの画像コントラストを達成することは、それぞれのワークピース特徴部の性質、並びにカメラCMOS及び光源PLS1からの光に対するそれらの相対位置、などに起因して、比較的複雑でないと考えられ得る。
【0031】
前方視覚構成要素部分205Aの対物レンズL2は、有効焦点位置EFP(例えば、アパーチャAP1内)に合焦した画像光(ワークピース光)を入力し、非偏光ビームスプリッタNPBS、直線偏光子LP2、及びリレー光学系L3を通ってVFLレンズL4に戻るように進行する画像光を出力する。VFLレンズL4は、画像光を受信して、それをチューブレンズL5に出力する。チューブレンズL5は、画像光を受信して、それをカメラCMOSに出力する。様々な実装形態では、対物レンズL2は、交換可能な対物レンズであり得る。様々な実装形態では、本明細書で参照されるレンズのいずれかは、別個のレンズ、複合レンズ、などから形成され得、又はそれらと併せて動作し得る。
【0032】
様々な実装形態では、カメラCMOSは、画像露光期間とも称される画像露光中に(例えば、カメラCMOSの積分期間中に)カメラ画像を捕捉して、対応する画像データを制御システム部分に提供し得る。いくつかのカメラ画像は、ワークピース画像露光中に提供される(例えば、ワークピース220のアパーチャAP1のワークピース特徴部を含む)ワークピース画像を含み得る。いくつかの実装形態では、画像露光(例えば、ワークピース画像露光)は、カメラCMOSの画像積分期間内にある第1の光源PLS1のストロボタイミングによって制限又は制御され得る。様々な実装形態では、カメラCMOSは、1メガピクセル超のピクセルアレイを有し得る(例えば、1.3メガピクセルで、1280×1024のピクセルアレイを有し、1ピクセル当たり5.3ミクロンを有する)。
図2の例では、リレー光学系L3、VFLレンズL4、及びチューブレンズL5は、ワークピース220におけるテレセントリシティを維持することを意図した構成であり得、また、スケール変化及び画像歪みを最小限に抑え得る(例えば、ワークピース220の有効焦点位置(Z座標)ごとに一定の倍率を提供することを含む)。
【0033】
様々な実装形態では、レンズコントローラ280は、駆動信号発生器部分281と、タイミングクロック281’と、撮像回路/ルーチン282と、を含み得る。駆動信号発生器部分281は、信号線280’を介してVFLレンズL4に周期的駆動信号を提供するように(例えば、タイミングクロック281’と併せて)動作し得、更には、同期信号を発生させて、それを第1の光源PLS1及び/又は第2の光源PLS2に提供し得る。様々な実装形態では、レンズコントローラ280は、概して、VFLレンズL4の所望の位相タイミングと同期した様式でワークピース220を撮像すること、並びにVFLレンズL4の駆動及び応答を制御、監視、及び調整すること、に関する様々な機能を実施し得る。様々な実装形態では、撮像回路/ルーチン282は、(例えば、VFLレンズL4の位相タイミングと同期され得る)光学システムの撮像動作を実施する。
【0034】
VFLレンズL4の一般的な動作に関して、上で説明した様々な実装形態では、レンズコントローラ280は、VFLレンズL4の光パワーを周期的に迅速に調整又は変調して、250kHz、又は70kHz、又は30kHz、などの(すなわち、VFLレンズ共振周波数での)周期的変調が可能な高速VFLレンズを達成し得る。
図2に示されるように、信号の周期的変調を使用してVFLレンズL4を駆動することによって、計測システム200の前方視覚構成要素部分205Aの有効焦点位置EFP(例えば、対物レンズL2の前方の焦点位置)は、対物レンズL2と組み合わせたVFLレンズL4の最大光パワーに対応する有効焦点位置EFPmax及び対物レンズL2と組み合わせたVFLレンズL4の負の最大光パワーに対応する有効焦点位置EFPminによって境界された範囲Refp(例えば、自動焦点探索範囲又は焦点範囲、など)の範囲内を迅速に移動され得る。様々な実装形態では、有効焦点位置EFPmax及びEFPminは、90度及び270度の位相タイミングに略対応し得る。様々な実装形態では、範囲Refpの略中間は、有効焦点位置EFPnomに指定され得、また、対物レンズL2の公称光パワーと組み合わせたVFLレンズL4のゼロ光パワーに対応し得る。本明細書によれば、有効焦点位置EFPnomは、いくつかの実装形態では、対物レンズL2の公称焦点距離に略対応し得る(例えば、対物レンズL2の作動距離に対応し得る)。
【0035】
様々な実装形態では、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第9,143,674号(前記特許文献6)及び同第9,830,694号(前記特許文献9)などに記載されているように、VFLレンズL4の変調を利用して画像が取得され得る。組み込まれた先行技術文献に記載されているように、
図2の計測システム200の周期的に変調された焦点位置は、計測システム200のVFLレンズL4(例えば、TAGレンズ)の焦点距離を周期的に変調することによって制御され得る。様々な実装形態では、(例えば、露光時間コントローラ233esによって制御される光源PLS1からの)ストロボ照明は、それぞれのZ座標において合焦された画像を露光するように、周期的に変調された焦点位置のそれぞれの位相タイミングに対応するように調整され得る。すなわち、積分期間中にカメラCMOSが画像を取得している間、位相タイミングφ0において短いストロボパルスが提供された場合、焦点位置は高さzφ0にあり、高さzφ0に位置するアパーチャAP1のワークピース特徴部の任意のワークピース表面は、結果として生じる画像に合焦する。同様の原理が、焦点範囲を通して他の例示的な位相タイミング及びZ座標に適用される。
【0036】
様々な実装形態では、かかるプロセスは、画像スタックを得るために利用され得る。例えば、VFLレンズL4及び光学システムの対応する全体の焦点位置が正弦的に変調されると、異なる位相タイミング及び異なる対応するZ座標(異なる焦点位置)に対応する、ワークピースの異なる画像が捕捉される。簡単な例として、焦点範囲Refpが100mmであり、画像が1mmのステップで捕捉された場合、画像スタックは、100枚の画像を含み得、各捕捉された画像は、100mmの焦点範囲を通して1mmのステップの異なるZ座標に対応する。米国特許第8,581,162号(前記特許文献10)は、画像スタックの取得及び利用の様々な技術を記載しており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。様々な実装形態では、画像スタック及び/又は画像スタック外の画像はまた、VFLレンズの有無にかかわらず、システムにおいて取得され得る(例えば、VFLレンズが利用されない場合、システムは、機械的移動システムを利用して、ワークピース特徴部の画像を得るために、Z軸に沿って焦点位置を変化させ得る)。
【0037】
様々な実装形態では、任意選択の焦点信号処理部分275は、カメラCMOSからのデータを入力し得、また、(例えば、ワークピース220のアパーチャAP1の)撮像された表面領域が有効焦点位置にあるときを決定するために利用されるデータ又は信号を提供し得る。例えば、様々な実装形態では、画像スタックの一部などの異なる有効焦点位置(Z座標)においてカメラCMOSによって取得された画像群は、既知の「最大コントラスト」又は「最良焦点画像」解析を使用して解析されて、ワークピース220の撮像された表面領域が対応する有効焦点位置(Z座標)にあるときを決定し得る。しかしながら、より一般的には、任意の他の好適な既知の画像焦点検出構成が使用され得る。いずれの場合でも、ワークピース焦点信号処理部分275などは、(例えば、VFLレンズL4及び/又は移動機構などを利用して)前方視覚構成要素部分205Aの有効焦点位置の周期的変調(複数の有効焦点位置の掃引)中に取得された画像を入力して、(例えば、ワークピース220のアパーチャAP1の)標的ワークピース特徴部が最良に合焦した画像及び/又は画像タイミングを決定する。
【0038】
いくつかの実装形態では、焦点信号処理部分275は、標的ワークピース特徴部の最良焦点に対応するVFLレンズL4の位相タイミングを決定して、「最良焦点」位相タイミング値を有効焦点位置較正部分273に出力し得る。有効焦点位置較正部分273は、それぞれの有効焦点位置(Z座標)を、VFLレンズL4の標準的な撮像共振周波数の周期内のそれぞれの「最良焦点」位相タイミングと関連付ける有効焦点位置(Z座標)較正データを提供し得、場合によっては、較正データは、概して、標準的な撮像駆動制御構成又は基準状態に従ってVFLレンズL4を動作させることに対応し得る。例えば、様々な実装形態では、カメラCMOSからの信号データは、(例えば、画像スタックの一部として)カメラによって取得された1つ以上の画像に対応し得、焦点からの動作(points-from-forcus operation))又は他の解析の一部としてのコントラスト又は他の指標(forcus metric)の決定は、ワークピース220のワークピース特徴部の撮像表面領域が「最良焦点」位置にあるときを決定するために実施され得る。画像スタック及び焦点曲線を決定及び解析するための、及び焦点からの動作のための例示的な技術は、米国特許第6,542,180号(前記特許文献11)、同第8,581,162号(前記特許文献8)、及び同第9,060,117号(前記特許文献12)、において教示されており、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0039】
一般的に言えば、有効焦点位置較正部分273は、(例えば、組み込まれた先行技術文献において開示されているような較正プロセスによって決定される)記録された有効焦点位置(Z座標)較正データを含む。このように、
図2における別個の要素としてのその表現は、単に概略的な表現を例示することを意図したものであり、限定するものではない。様々な実装形態では、関連する記録された有効焦点位置(Z座標)較正データは、レンズコントローラ280、ワークピース焦点信号処理部分275、又はシステム信号及び制御バス295に接続されたホストコンピューターシステム、などと一体化される場合、及び/又は区別されない場合がある。様々な実装形態では、前方視覚構成要素部分205A及び後方視覚構成要素部分205Bの露光(ストロボ)時間コントローラ233es、有効焦点位置較正部分273、ワークピース焦点信号処理部分275、レンズコントローラ280、及び/又は制御に利用される任意の他の部分、などは、計測システム200の制御システム部分(例えば、
図1の制御システム部分120)の一部として含まれ得る。様々な実装形態では、かかる制御システム部分又はその任意の部分は、前方視覚構成要素部分205A及び/又は後方視覚構成要素部分205Bの一部として含まれ得る。
【0040】
様々な実装形態では、露光(ストロボ)時間コントローラ233esは、(例えば、周期的に変調された有効焦点位置の位相タイミングに対する)前方視覚構成要素部分205A及び後方視覚構成要素部分205Bの撮像露光時間を制御する。より具体的には、いくつかの実装形態では、画像露光中に、露光(ストロボ)時間コントローラ233es(例えば、有効焦点位置較正部分273において利用可能な有効焦点位置(Z座標)較正データを使用する)は、それぞれの制御された時間にストロボ発光させるように(例えば、焦点範囲内の既知のZ座標に対応する異なる焦点位置において、画像スタックの各画像が取得されるように)、後方視覚構成要素部分205Bの第1の光源PLS1を制御し得る。例えば、露光(ストロボ)時間コントローラ233esは、VFLレンズL4の標準撮像共振周波数の周期内のそれぞれの位相タイミングでストロボ発光させて、VFLレンズL4の掃引(周期的変調)範囲内の特定の有効焦点位置を有する(例えば、対応する既知のZ座標を有する)画像を取得するように、第1の光源PLS1(例えば、ストロボ光源)を制御し得る。他の実装形態では、露光時間コントローラ233esは、それぞれの制御された時間及び/又はその関連する有効焦点位置(Z座標)において画像を取得するように、前方視覚構成要素部分205AのカメラCMOSの高速電子部品カメラシャッタを制御し得る。いくつかの実装形態では、露光(ストロボ)時間コントローラ233esは、カメラCMOSと一体化される場合、及び/又は区別されない場合がある。画像スタックの取得を管理するために、露光時間コントローラ233es並びに上で概説した他の特徴部及び要素の動作が実施され得ることが理解されるであろう。
【0041】
第2の光源PLS2が前方視覚構成要素部分205Aに含まれる特定の実装形態では、第1の直線偏光子LP1は、第2の光源PLS2からの光を(例えば、水平分極化によって)直線偏光に変換し得る。様々な実装形態では、所望のZ座標における画像の最大コントラストを達成するように、計測システム200の偏光を変化させる構成要素(例えば、前方視覚構成要素部分205Aの第1の直線偏光子LP1及び第2の直線偏光子LP2)の一部又は全部が調整され得る(例えば、配向及び/又は位置に関して調整され得る)。
【0042】
様々な実装形態では、第2の光源PLS2からのストロボ/パルス照明は、(例えば、第1の光源PLS1の動作と同様に)VFLレンズL4の動作と併せて利用され得る。様々な実装形態では、更に又は代替的に、ストロボ/パルス照明及び/又は連続照明が、特定の他の動作の一部として利用され得る(例えば、
図1の移動機構110A又は他の移動機構によってZ軸方向に沿って前方視覚構成要素部分205Aを機械的に移動させて、ワークピース220に近づける又はそこから遠ざけるように焦点位置を変更する場合、など)。
【0043】
第2の光源PLS2の潜在的な動作の具体的な例として、1つの実装形態では、(例えば、ワークピース220の外面に対応し得るように、アパーチャAP1の入口部分EN1への入口において)第3のワークピース特徴部WPF1Cが撮像される。かかる実装形態では、移動機構(例えば、
図1の移動機構110A及び/又は他の移動機構)は、第3のワークピース特徴部WPF1Cが、取得されるべき対応する画像に合焦するように、Z軸に沿って前方視覚構成要素部分205Aを移動させて、ワークピース220に対する光学システムの焦点位置を変更するように構成及び利用され得る。様々な実装形態では、移動機構(例えば、移動機構110A及び/又は110B)は、X軸方向、Y軸方向、及び/又はZ軸方向に沿った視覚構成要素部分205A及び/又は205Bの運動を達成するためのアクチュエータ及び/又は他の構成要素を駆動する、様々な制御可能なモータを含み得る。
【0044】
図2の座標系は、直交するX軸、Y軸、及びZ軸を含むものとして示されている。様々な実装形態では、前方視覚構成要素部分205A及び/又は後方視覚構成要素部分205Bの光軸OAは、Z軸を画定し得、及び/又はZ軸と整列され得るか、若しくは平行であり得る。いくつかの実装形態では、座標系は、前方視覚構成要素部分205A及び/又は後方視覚構成要素部分205Bの局所座標系であり得る(例えば、その場合、前方視覚構成要素部分205A及び/又は後方視覚構成要素部分205Bの光軸OAがZ軸を画定し得る)。他の実装形態では、座標系は、ワークピース220の局所座標系であり得る(例えば、その場合、前方視覚構成要素部分205A及び/又は後方視覚構成要素部分205Bの光軸OAをZ軸と整列させること、又は平行にすることが望ましくなり得る)。他の実装形態では、座標系は、前方視覚構成要素部分205A及び/又は後方視覚構成要素部分205Bを移動させる移動機構の局所座標系であり得る(例えば、移動機構110A及び/又は110Bであり、その場合、前方視覚構成要素部分205A及び/又は後方視覚構成要素部分205Bの光軸OAを座標系のZ軸と整列させること、及び/又は平行にすることが望ましくなり得、また、その場合、移動機構は、X軸方向及びY軸方向に沿った前方視覚構成要素部分205A及び/又は後方視覚構成要素部分205Bの動きを制御し得る)。他の実装形態では、更に又は代替的に、(例えば、画像スタックの画像などのために)他の局所座標系が確立され得る。様々な実装形態では、かかる任意の局所座標系は、概して、それらのZ軸が互いに少なくともほぼ整列していること及び又は平行であること、などが望ましくなり得る。様々な実装形態では、局所座標系の一部として、X座標、Y座標、及びZ座標に加えて又はその代わりに、(例えば、視覚構成要素部分205A及び/若しくは205Bの配向、並びに/又はアパーチャAP1の貫通孔部分TH1のワークピース特徴部の表面点などのワークピース220のアパーチャAP1の円筒部分内の表面点などの被測定表面点の座標の決定、などに関して)特定のタイプの円筒座標、デカルト座標、又は他の座標が利用され得る。
【0045】
様々な実装形態では、(例えば、Z軸に沿って配向されたアパーチャAP1の貫通孔部分TH1の両側に位置する第1のワークピース特徴部WPF1A及び第2のワークピース特徴部WPF1Bなどの)異なるZ座標に位置するワークピース特徴部の画像を含む画像スタックを取得することが望ましくなり得る。かかる実装形態では、画像スタックが取得され得、そして、第1及び第2の局所的焦点ピーク並びに/又は(例えば、第1のワークピース特徴部WPF1A及び第2のワークピース特徴部WPF1Bの各々に対応する有効焦点位置EFPを示す)他の指標を決定することを含む、動作が実施され得る。様々な実装形態では、第1のワークピース特徴部WPF1A及び第2のワークピース特徴部WPF1Bの焦点位置を決定するための画像スタックは、高い精度でワークピース特徴部の焦点位置を決定するために十分な数の画像(例えば、いくつかの実装形態では、少なくとも30枚の画像、又は少なくとも60枚の画像、など)を含み得る。
【0046】
様々な実装形態では、ワークピース220(又は
図1のワークピース20)は、ワークピースを通って延在する多数のアパーチャ(例えば、少なくとも1000個、又は10000個、又は100000個のアパーチャ、など)を有し得る。様々な実装形態では、X軸及びY軸に沿ったワークピース220の寸法は、比較的大きく(例えば、1メートル超、など)なり得、その場合、Z軸に沿った厚さは、比較的薄くなり得る(例えば、X軸及び/又はY軸に沿った寸法の5%未満、2%未満、又は1%未満)。様々な実装形態では、アパーチャの様々なワークピース特徴部の直径及びそれらの間の距離など(例えば、第1のワークピース特徴部WPF1A及び第2のワークピース特徴部WPF1Bの直径及びそれらの間の距離、など)の、アパーチャの様々な態様を測定することが望ましくなり得る。
【0047】
動作中に、ワークピース220は、前方視覚構成要素部分205Aと後方視覚構成要素部分205Bとの間に位置決めされる。移動機構110A及び110Bは、前方視覚構成要素部分205A及び後方視覚構成要素部分205Bの光軸OAを横断する方向において、前方視覚構成要素部分205Aとワークピース220との間の相対位置及び後方視覚構成要素部分205Bとワークピース220との間の相対位置を調整し、それによって、前方視覚構成要素部分205A及び後方視覚構成要素部分205B両方の光軸OAとワークピース220のアパーチャAP1とを整列させるために利用される。したがって、後方視覚構成要素部分205Bは、前方視覚構成要素部分205Aからワークピース220の反対側にある。
【0048】
この配置では、後方視覚構成要素部分205Bの第1の光源PLS1からの光の少なくとも一部分が、コリメート光CLとして合焦レンズL6及びコリメータレンズL7を通過し、次いで、拡散光DLとしてディフューザLDを通過し、次いで、アパーチャAP1を撮像するための照明の少なくとも一部を提供するためにアパーチャAP1を通過する。前方視覚構成要素部分205AのカメラCMOSは、拡散光DLによって少なくとも部分的に照明されたアパーチャAP1の複数の画像を含む画像スタックを取得するために利用され、画像スタックの各画像は、VFLレンズL4の光パワーの周期的変調の位相タイミングに対応する、前方視覚構成要素部分205Aの光軸OAに沿った異なる焦点位置に対応する。アパーチャのワークピース特徴部間の距離(例えば、第1のワークピース特徴部WPF1Aと第2のワークピース特徴部WPF1Bとの間の距離D1)及び/又はアパーチャAP1の直径、などの、アパーチャAP1のワークピース特徴部に関連する測定値は、画像スタックの解析に少なくとも部分的に基づいて決定される。
【0049】
様々な実装形態では、画像スタックを取得した後に、(例えば、Z座標に関して)第1のワークピース特徴部WPF1A及び第2のワークピース特徴部WPF1Bの関連する焦点位置を決定するために、(例えば、コントラスト及び/又は他の要因を評価することを含む)画像スタックの解析が実施され得る。次いで、ワークピース特徴部WPF1AとWPF1Bとの間の距離D1は、対応するZ座標間の差に従って決定され得る。かかる解析に更に関して、(例えば、それぞれのワークピース特徴部の合焦位置に最も近い画像スタックの画像に従って)各ワークピース特徴部WPF1A及びWPF1Bの合焦画像が決定されると、ワークピースの最良に合焦した画像を利用して、ワークピース特徴部の対応する寸法が決定され得る。例えば、各ワークピース特徴部の直径は、ワークピース特徴部のそれぞれの合焦画像に測定動作を実施することによって決定され得る。一実装形態では、画像に閾値処理を実施して、閾値領域内のピクセルの総数を決定することによって、(例えば、ワークピース特徴部の相当面積を表す)相当直径が決定され得、それにより、相当直径が決定され得る(例えば、その場合、ワークピース特徴部の相当面積は、対応する相当直径を有する円形領域とみなされ得る)。
【0050】
開示された構成は、ワークピース220が、検査/測定プロセスの一部として検査/測定することが必要である多数のアパーチャ(例えば、1000個超のアパーチャ、又は100000個超のアパーチャ、など)の一部として、多数のかかるワークピース特徴部を含む場合であっても、第2のワークピース特徴部WPF1Bなどのワークピース特徴部の正確な測定を可能にすることが認識されるであろう。かかるワークピースの場合、多数のアパーチャの間には(例えば、様々な部分の長さ、様々な部分の直径、などに関して)いくらかのばらつきが存在し得、その場合、(例えば、ばらつきが許容可能な製造公差の範囲内にあるかどうかなどを決定するために)所望のワークピース特徴部を迅速かつ正確に測定できることが有利である。これに関して、開示された構成の利用は、(例えば、第2のワークピース特徴部WPF1Bなどのワークピース特徴部の正確な測定が、システムが測定するようにだけ構成されている狭い範囲内に位置及び/又はサイズがあるワークピース特徴部に依存するシステムとは対照的に)かかるばらつきが生じた場合であっても、システムが、第2のワークピース特徴部WPF1Bなどのワークピース特徴部を正確に測定することを可能にするのを補助する。より具体的には、
図2の構成(すなわち、撮像及び測定機能のための拡散光DLを提供するためにコリメータレンズL7及びディフューザLDを有する後方視覚構成要素部分205Bを含む)は、(例えば、第2のワークピース特徴部WPF1Bなどの)ワークピース特徴部を、(例えば、Z軸に沿った)かかるワークピース特徴部の比較的広い範囲の可能な位置にわたって、許容可能なレベルのコントラストで撮像することを可能にする。
【0051】
様々な実装形態では、Z軸に沿って延在する寸法が、X軸方向及び/又はY軸方向に沿った直径又は他の断面寸法よりも大きくなるように、アパーチャAP1及び/又はその特定の部分(例えば、貫通孔部分TH1)のアスペクト比は、比較的高く(例えば、2:1よりも大きく)なり得る。様々な実装形態では、後方視覚構成要素部分205BとアパーチャAP1との整列が不完全であり得る場合であっても、後方視覚構成要素部分205BのディフューザLDは、撮像(例えば、第2のワークピース特徴部WPF1Bの撮像)に十分な光がアパーチャAP1に指向されることを確実にするのを補助する。より具体的には、いくらかの不整列が存在し得る実装形態では、ディフューザLDは、所望の撮像を実施するための十分な量の拡散光DLがアパーチャAP1に指向されることを確実にするのを補助する。
【0052】
様々な実装形態では、本明細書に記載されたように、ワークピース特徴部WPF1A及びWPF1Bを測定するために画像スタックが取得され得、一方で、ワークピース特徴部WPF1Cを測定するために自動焦点サイクル又は他の撮像プロセスが実施され得る(例えば、いくつかの実装形態では、移動機構を利用して、自動焦点サイクルの一部として、Z軸に沿って前方視覚構成要素部分205Aを移動させることを含み得る)。特定の代替的な実装形態では、ワークピース特徴部WPF1Cを測定するために、又はワークピース特徴部WPF1A、WPF1B、及びWPF1Cの3つ全てを測定するために、画像スタックが取得され得る。
【0053】
様々な実装形態では、移動機構(例えば、
図1の移動機構110A及び/又は他の移動機構)は、更に又は代替的に、異なる対物レンズを対物レンズL2の位置に回転させる又は別様に移動させるように構成され得、その場合、ワークピース特徴部WPF1Cは、広くなった範囲に入り得る(例えば、VFLレンズL4などの動作の一部として、画像スタック又は個々の画像の一部として撮像され得る)ように、異なる対物レンズは、VFLレンズL4の動作と組み合わせて、より小さい倍率を有し得、及び/又は別様により広い範囲Refpを提供し得る。様々な実装形態では、更に又は代替的に、(例えば、ワークピース特徴部WPF1Cが、広くなった範囲に入り得るように)範囲Refpを広くするために、特定の他の方法が利用され得る。例えば、レンズコントローラは、VFLレンズL4の共振周波数を高めて、VFLレンズL4の光パワーを増加させ、それに応じて範囲Refpを増加させるように構成/利用され得る。別の例として、レンズコントローラ280は、VFLレンズL4に対する駆動信号振幅を大きくして、VFLレンズL4の光パワーを増加させ、それに応じて範囲Refpを広くするように構成/利用され得る。
【0054】
図3は、本明細書に開示された原理による、後方視覚構成要素部分205B’の概略図である。後方視覚構成要素部分205B’は、
図2の後方視覚構成要素部分205Bと同様又は同一であり得、以下で別途説明されていない限り、同様又は同一の構成要素を有し、かつ同様に動作することが理解されるであろう。
図3に例示されるように、様々な実装形態では、後方視覚構成要素部分205B’(又は
図2の後方視覚構成要素部分205B)は、アパーチャAP1の出口部分EX1の開口部(例えば、近傍)における拡散光DLの断面が、寸法DDL(例えば、直径又は相当直径)を有するように構成され得る。様々な実装形態では、寸法DDLは、コリメート光CLによってディフューザLD上に生成される照明スポットのサイズを調整することによって調整され得る。
【0055】
様々な実装形態では、照明効率を最適化するために(例えば、貫通孔部分TH1を含むアパーチャAP1の様々な部分を照明する、撮像する、などのために、拡散光DLの大部分が出口部分EX1の開口部内で受信されるように)寸法DDLは、出口部分EX1の開口部の寸法DEX1(例えば、直径又は相当直径)と等しいか、又は僅かに大きくなり得る。様々な実装形態では、配置は、寸法DDLが寸法DEX1よりもいくらか大きくなるように(例えば、位置及び/又は角度的整列などの変化に対して、後方視覚構成要素部分205B’及び関連する構成要素とアパーチャAP1との整列の特定の公差などを可能にするように)構成され得る。かかる配置はまた、限られた期間内に多数のアパーチャがワークピース上で撮像されるとき、及び特定の整列公差が所望され得る場合に、後方移動機構110Bを利用して、後方視覚構成要素部分205B’を迅速に移動させて、異なるアパーチャと整列させるときにも利点を提供し得る。拡散光DLを有する開示された構成は、後方視覚構成要素部分205B’の光軸OAとアパーチャAP1の中心軸との正確な整列(例えば、特定の代替的な照明/採光構成において必要とされ得る)を必要としないことに留意されたい。様々な実装形態では、後方視覚構成要素部分205B’の光軸OAは、後方視覚構成要素部分の構成要素の光軸(例えば、コリメータレンズL7などの光軸)によって、又は後方視覚構成要素部分205B’の中心軸などに従って画定され得る。
【0056】
図1~
図3の計測システム100/200のいくつかの例示的な動作及び関連する構成要素は、
図4及び
図5に関して以下でより詳細に説明される。
【0057】
図4は、上で概説したように、前方視覚構成要素部分105A/205AのVFLレンズL4の焦点距離を変調することによって周期的に制御される、
図1及び
図2の計測システム100/200の周期的に変調された焦点位置を例示するタイミング
図400のチャートである。例示された例では、各焦点位置は、対応するZ座標を有し、その場合、前方視覚構成要素部分105A/205Aの光軸及び/又は焦点軸は、対応する座標系のZ軸(例えば、その場合、Z座標が、代替的に、Z軸座標として示され得る)を定義し得、及び/又は別様に(例えば、同軸又は平行、などに)整列される。周期的に変調された焦点位置は、正弦波曲線410によって表されている。位相タイミングに対する焦点位置(すなわち、対応するZ座標によって示される)の関係は、既知の原理による較正によって(例えば、既知のZ座標まで表面を繰り返しステップさせ、次いで、既知のZ座標において画像に最良に合焦する位相タイミングを手動又は計算で決定し、そして、ルックアップテーブルなどにその関係を記憶することによって)確立され得る。
【0058】
タイミング
図400はまた、周期的に変調された焦点位置のそれぞれの位相タイミング(例えば、φ0、φ1、φ12、φn、など)に対応するように、それぞれのZ座標(例えば、zφ0、zφ1、zφ12、zφn、など)において合焦した画像を露光させるためにどのようにストロボ照明を調整することができるのかを定性的に示す。すなわち、例示された例では、カメラCMOSが積分期間中に画像を取得している間、ストロボパルスが焦点変調期間に対して短く、かつ位相タイミングφ0において提供された場合、焦点位置は、Z座標zφ0にあり、Z座標zφ0に位置する任意のワークピース表面は、結果として生じる画像に合焦する。同様の説明が、タイミング
図400に示される他の例示的な位相タイミング及びZ座標にも適用される。
【0059】
タイミング
図400に示される位相タイミングは、例示的なものに過ぎず、限定するものではないことが理解されるであろう。より一般的には、ユーザによって選択された、又は制御システムによって自動的に選択された任意の位相タイミングは、周期的に変調された焦点位置の最小及び最大のZ座標を表す、Z座標zφ0~zφnの範囲内の関連する焦点位置を有する。また、特定の位相タイミングにおける1つのストロボパルスが、十分に露光された画像を提供するのに十分でなかった場合、ストロボパルスは、(タイミング
図400の例示的な位相タイミングφ0、φ1、φ12のいずれかの繰り返し事例によって概略的に例示される)画像積分期間内の任意の所望の期間数にわたってその特定の位相タイミングで繰り返され得ることも理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態又は実装形態では、1つ、又はいくつか、又は数千個、などのかかるパルスが、積分期間内に積分され得る。その効果は、その特定の位相タイミング及び/又は結果として生じた画像のZ座標に対応する画像露光が増加することである。1つの具体的な例示的実装形態として、72kHzの周波数において変調する可変焦点距離レンズ及び30フレーム/秒で動作するカメラの撮像アレイの場合、単一のカメラフレーム取得時間は、2,400サイクルの可変焦点距離レンズ及び結果として生じる焦点位置Z座標に対応する。例示的な位相タイミングφ1及びφ12は、焦点位置サイクルの上り勾配上に示されることが認識されるであろう。いくつかの実施形態では、パルスはまた、焦点位置サイクルの下り勾配中に同じZ座標に対応する積分期間内にも積分され得る。
【0060】
図5は、
図4に示される周期的に変調された焦点位置の正弦波曲線410の水平に広がった部分410’、及び(例えば、チャート500の垂直破線の位相タイミング位置によって表される)画像スタックを収集するために使用可能な位相タイミングに対応する位相タイミングを示すチャート500である。
図5はまた、(例えば、この特定の例では、例示的な位相タイミングφ10及びφ27において)周期的に変調された焦点位置の第1及び第2の位相タイミングに対応するストロボ照明の第1及び第2の特定の事例を利用して、異なるZ座標に位置するワークピース特徴部(例えば、第1のZ座標Zφ10に位置する第1のワークピース特徴部、及び第2のZ座標Zφ27に位置する第2のワークピース特徴部、など)の画像焦点を提供する、対応する露光画像をどのように生成することができるのかも定性的に示す。
【0061】
画像スタック(チャート500の垂直破線の位相タイミング位置によって表される)を収集するために使用可能な位相タイミングに対応する位相タイミングに関して、本明細書に開示された原理に従って、1つの実装形態では、代表的なワークピースの1つ以上の関心領域に関して1つの画像スタック(又は複数の画像スタック)が取得され得る。例えば、画像スタックは、(例えば、1つ以上の期間にわたる)位相タイミングφ0と一致する1つ以上のストロボ照射パルスを使用して第1の画像を露光することによって取得され得る。例示された例では、画像スタック内の第2の画像は、位相タイミングφ1などを使用して、位相タイミングφ35まで同様に取得され得る。画像スタックは、様々な焦点位置を使用して視野を撮像し、概して、対応する位相タイミングを使用して取得される、所望のZ座標に対応する焦点位置を有する任意の所望の数の画像を含むことができることが理解されるであろう。
【0062】
上述したように、
図5は、周期的に変調された焦点位置の第1及び第2の位相タイミング(例えば、例示的な位相タイミングφ10及びφ27)に対応するストロボ照明の第1及び第2の特定の事例を利用して、異なるZ座標に位置するワークピース特徴部(例えば、第1のZ座標zφ10に位置する第1のワークピース特徴部WPF1A、及び第2のZ座標zφ27に位置する第2のワークピース特徴部WPF1B、など)の画像焦点を提供する対応する露光画像をどのように生成することができるのかを部分的に例示している。
図2に関する具体的な例として、第1及び第2のZ座標における第1のワークピース特徴部WPF1A及び第2のワークピース特徴部WPF1Bは、アパーチャAP1の貫通孔部分TH1の入口及び出口のそれぞれであり得る。
【0063】
図5に例示されるように、代表的なワークピース上の視野内の第1のワークピース特徴部WPF1A及び第2のワークピース特徴部WPF1Bは、画像スタックのそれぞれの画像において十分な画像焦点を有するものとして示されている。第1のワークピース特徴部WPF1Aは、φ10の位相タイミングに対応するZ座標Zφ10において最良に又は十分に合焦したものとして示されており、第2のワークピース特徴部WPF1Bは、φ27の位相タイミングに対応するZ座標Zφ27において最良に又は十分に合焦したものとして示されている。様々な実装形態では、1つ以上の関心領域のコントラストが、(例えば、既知の方法に従って)画像スタックの各画像において解析され得る。かかるプロセスを利用して、第1のワークピース特徴部WPF1A及び第2のワークピース特徴部WPF1Bそれぞれの最良の又は十分なコントラスト及び焦点を提供するものとして示される、特定の画像及び/又は補完Z座標が決定され得る。
【0064】
様々な実装形態では、関心領域内のワークピース特徴部について最良の又は十分な画像焦点を有する画像の決定は、様々な技術に従って行われ得る。1つの特定の例示的実装形態では、焦点曲線の解析を含む技術が利用され得る。焦点曲線は、既知の(例えば、組み込まれた参考文献に記載された)方法に従って確立され得る焦点曲線データ点に基づいて形成され得る。手短に言えば、1つの例示的な方法では、画像スタック内の捕捉された画像ごとに、その画像内のそれぞれの関心領域に基づいて指標値が計算され、その指標値は、(例えば、画像が捕捉された対応する位相タイミング及びZ座標に関連する)焦点曲線上のデータ点になる。これは、焦点曲線データをもたらし、これは単に「焦点曲線」又は「自動焦点曲線」と称され得る。画像スタック及び焦点曲線の決定及び解析の例示的な技術は、米国特許第8,581,162号(前記特許文献10)、同第9,060,117号(前記特許文献12)、及び同第10,880,468号(前記特許文献13)において教示されており、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0065】
様々な実装形態では、画像スタックの解析は、アパーチャAP1のワークピース特徴部が合焦している(例えば、焦点曲線の局所的ピーク又は他の特性に対応し得る)焦点位置を示す、画像スタックの焦点曲線データを決定することを含む。例えば、焦点曲線データは、アパーチャAP1の第1のワークピース特徴部WPF1Aが合焦している第1の焦点位置、及びアパーチャAP1の第2のワークピース特徴部WPF1Bが合焦している第2の焦点位置を示し得る。第1のワークピース特徴部WPF1A及び第2のワークピース特徴部WPF1Bに関連する測定は、焦点曲線データの解析に基づいて行われ得る。例えば、第1のワークピース特徴部WPF1Aと第2のワークピース特徴部WPF1Bとの間の距離D1は、焦点曲線データの解析に基づいて決定され得る。
【0066】
様々な実装形態では、ワークピースのアパーチャは、ドリル加工プロセス(例えば、レーザドリル加工、機械ドリル加工、など)、又は他の機械加工プロセスを通して形成され得る。かかるプロセスの一部として、特定のワークピース特徴部(例えば、第1のワークピース特徴部WPF1A及び第2のワークピース特徴部WPF1B)は、ドリル加工孔の入口及び出口(例えば、貫通孔部分TH1などの貫通孔部分の入口及び出口)に対応し得る。かかるワークピース特徴部に関して、(例えば、ドリル加工又は他の機械加工プロセスが完了した後に、かかる入口又は出口に残り得る細片、余分な材料、又は他の欠点の可能性に起因し、その場合、かかる欠点の存在がワークピースの性能などに影響を及ぼし得る)特定の態様を検査することが重要であり得る。
図6A及び
図6Bに関して以下でより詳細に説明されるように、第1のワークピース特徴部WPF1A又は第2のワークピース特徴部WPF1B(すなわち、貫通孔部分TH1の入口又は出口)の欠点(例えば、細片、余分な材料、など)は、概して、画像内で視認可能であり得、それぞれのワークピース特徴部のZ座標において十分に合焦される。
【0067】
図6A及び
図6Bは、φ10及びφ27のZ座標においてそれぞれワークピース特徴部WPF1A及びWPF1Bを有する、例えば、
図5に例示されるφ10及びφ27の位相タイミングにおいて捕捉された第1のワークピース特徴部WPF1A及び第2のワークピース特徴部WPF1Bの相対的合焦画像である。貫通孔部分TH1は、ドリル加工プロセスによって形成され得、その場合、入口及び出口はどちらも特定の欠点/欠陥を有する。より具体的には、第1のワークピース特徴部WPF1A及び第2のワークピース特徴部WPF1BそれぞれのセクションSEC1A及びSEC1Bは各々、各それぞれのワークピース特徴部の一部として貫通孔部分TH1内へ延在する少量の材料を(すなわち、理想的には完全な円柱貫通孔部分TH1であり得る、貫通孔部分TH1の各端部における所望の完全に丸い/円形のワークピースに対する欠点/欠陥として)例示する。合焦画像を取得することによって、(例えば、欠点が許容可能な製造公差の範囲内にあるかどうか、などを決定するために)
図6A及び
図6Bの画像のセクションSEC1A及びSEC1Bの欠点の検査、測定、などを行うことができる。
【0068】
上で説明したように、(例えば、
図2の)例示的なアパーチャAP1は、入口部分EN1と、貫通孔部分TH1と、出口部分EX1と、を備えている。貫通孔部分TH1は、第1のワークピース特徴部WPF1A(例えば、貫通孔部分TH1の入口)と、第2のワークピース特徴部WPF1B(例えば、貫通孔部分TH1の出口)と、を備えている。品質管理の目的で(例えば、貫通孔部分を有するワークピースを製造する場合は)、貫通孔部分の特定の特徴部を測定することが望ましくなり得るが、場合によっては、かかる特徴部は、(例えば、貫通孔部分などの限られたアクセス及び/又は制限されたサイズ/空間に起因して)照明及び測定が困難であり得る測定することが望ましい1つのかかる特徴部は、第1のワークピース特徴部WPF1A(例えば、貫通孔部分TH1の入口)と第2のワークピース特徴部WPF1B(例えば、貫通孔部分TH1の出口)との間の距離D1である。本明細書に記載されるように、これは、例えば、(例えば、前方視覚構成要素部分205Aの)撮像システムを第1のワークピース特徴部WPF1Aに合焦させて、(すなわち、第1のZ座標に対応する)その焦点位置を決定/測定し、次いで、撮像システムを第2のワークピース特徴部WPF1Bに合焦させて、(例えば、第2のZ座標に対応する)その焦点位置を決定/測定することによって行うことができる。かかるプロセスは、画像スタックなどの取得及び解析の一部として実施され得る。焦点位置(例えば、Z座標)間の差は、距離D1である。本明細書に記載されるように、焦点位置は、各々、コントラスト測定のピークに従って見出すことができる。
【0069】
ディフューザ(例えば、ディフューザLD)が光源からの光の経路に含まれない(すなわち、コリメート光CLが、ディフューザを通過せずに、出口部分EX1へと延びている)、
図2に対する代替的な実装形態では、いくつかの実装形態では、距離D1の測定は、精度が比較的低くなり得ることが実験的に決定されている。特定の数値的な例として、場合によっては、かかる構成が、15~20%短くなり得る距離D1の決定をもたらし得る(すなわち、決定された距離D1が、実際の距離D1よりも15~20%短くなり得る)ことが実験的に決定されている。かかる差は、第2のワークピース特徴部WPF1Bの場合、(すなわち、第2のワークピース特徴部WPF1Bの焦点位置/Z座標を決定するために利用される)所望のピークコントラスト信号よりも小さくなり得る、という事実に起因して、少なくとも部分的にもたらされ得る。これは、例えば、より小さいコントラスト値をもたらす画像スタック内の第2のワークピース特徴部WPF1Bの画像をもたらすコリメート/非拡散光に起因する。いくつかの実装形態では、より小さいコントラスト値は、(例えば、ディフューザを伴わずに光を提供する照明構成から生じる)第2のワークピース特徴部WPF1Bの周りの、又は別様にその近傍の照明ハロに少なくとも部分的に起因し得る。代替的又は追加的に、より小さいコントラスト値は、欠点(例えば、細片などであり、細片などが位置する他のZ座標においてコントラストの上昇を生じさせ得る、及び第2のワークピース特徴部WPF1Bの位置のピークコントラストの決定/計算を歪め得る、など)に起因し得る。他の要因もまた、ディフューザを伴わない照明構成の利用によって少なくとも部分的にもたらされ得るので、より小さいコントラスト値に寄与し得る。
【0070】
本明細書に開示されるように、かかる課題に対処するために、(例えば、光源PLS1からの光の経路に位置するディフューザLDを含む)後方視覚構成要素部分205Bの構成が提供され、その場合、結果として生じる拡散光DLは、第2のワークピース特徴部WPF1Bの焦点位置/Z座標を決定するための所望の撮像及び所望のピークコントラスト信号をもたらし、更には、他の特徴部の所望のピークコントラスト信号及び撮像(例えば、第1のワークピース特徴部WPF1Aの場合は、貫通孔部分TH1などの様々な位置における細片などの任意の欠点)をもたらす。単一の画像スタック取得の一部としてかかる所望の撮像/ピークコントラスト信号を(例えば、VFLレンズの動作を利用して)可能にする単一の照明構成は、所望の要素/特徴部(例えば、述べられたワークピース特徴部、対応する位置/距離、細片などの欠点、など)の全てのかかるデータを、単一の連続した取得プロセスの一部として(例えば、単一の画像スタックを取得することの一部として)収集することを可能にすることが認識されるであろう。これは、複数の照明構成の利用を必要とするプロセスとは対照的であり、このプロセスは、より多くの時間を必要とし得、並びに、異なる照明構成などの使用の間に切り替えるときに生じ得る任意の変更の課題を生じさせる。
【0071】
上で説明した後方視覚構成要素部分205Bの構成によれば、様々な実装形態では、光源PLS1は、合焦レンズL6を通して光を提供し、その場合、次いで、光がコリメータレンズL7によってコリメートされ、コリメート光CLがディフューザLD(例えば、透過型光ディフューザなどの、光学ディフューザ)に指向されて照明スポットを形成し、この照明スポットが、関連するワークピース特徴部(例えば、WPF1A、WPF1B、細片などの任意の欠点、など)を含む貫通孔部分TH1を含む、アパーチャAP1を照明及び撮像する(例えば、陰影撮像を含む)ための拡散光DL(例えば、拡散コリメート光として参照され得る)を提供する。ディフューザLDによる光線の拡散は、本質的に、特定の所望の照明条件(例えば、各々が特定のワークピース特徴部を撮像するための所望され得る、収束光、分岐光、及び/又はコリメート光を提供することを含む)を通じて平均分散を提供する。これは、任意の特定のワークピース特徴部を撮像するための(例えば、収束光、分岐光、又はコリメート光のうちの1つだけを利用する)最適化の妥協点を効果的に提供し、また、所望のワークピース特徴部の全ての画像を含む画像スタックを取得することなどの、単一の画像取得プロセスを実施することを可能にする。
【0072】
様々な実装形態では、ディフューザLD上のコリメート光CLによって生成される照明スポットのサイズは、(例えば、システムの開口数(numerical aperture、NA)などの制約に依存する)照明効率を最適化するように調整/構成され得る。
図2の構成(例えば、対物レンズL2のNA、出口部分EX1の寸法、貫通孔部分TH1、及び/又は入口部分EN1、など)における光/照明の開口数(NA)を制限し得る、様々な構成要素が存在し得ることに留意されたい。特定の数値的な例として、1つの実装形態では、システムのNA制限が0.1(6度)であった場合、所望の撮像/測定には、出口部分EX1から80mmに配置されたディフューザLD上の16mmの照明スポットが十分であり得る。様々な実装形態では、偏光撮像(例えば、前方視覚構成要素部分205Aの偏光子LP2などの1つ以上の偏光子を含む)を利用して、貫通孔部分TH1の側壁からの散乱光を抑制し得る(例えば、散乱の大部分がランダムな偏光であるとすれば、散乱光は、いくつかの実装形態では、約1/2に低減され得る)。
【0073】
特定の欠点(例えば、細片など)を撮像/測定する場合、様々な実装形態では、(例えば、画像内の貫通孔部分TH1の明るい中央とは対照的に、任意の細片などが暗領域として現れ得る、貫通孔部分TH1内の細片などの特定の欠点の所望の撮像を提供し得る陰影撮像の場合)コリメート照明/光に近い少なくともいくらかの照明を有することが望ましいことに留意されたい。かかる撮像の場合、(例えば、貫通孔部分TH1の軸に対する後方視覚構成要素部分205Bの光軸の角度的整列などの、機械的整列に対する感度を低減するために)ある程度の照明の発散もまた所望され得る。
【0074】
第1のワークピース特徴部WPF1Aを撮像/測定する場合、様々な実装形態では、(例えば、第1のワークピース特徴部WPF1Aの位置及びサイズに対して高いコントラストを提供し得る、ナイフエッジタイプなどの、陰影撮像の場合)分岐照明/光に近い少なくともいくらかの照明を有することが望ましくなり得ることに更に留意されたい。照明/光の少なくともいくらかに対応する開口数(NA)を、システムのNA制限(機械的NA、対物レンズL2のNA、など)に整合させる(例えば、僅かに上回り得る)ことが望ましくなり得る。これは、最大角(例えば、ナイフエッジ構成)において第1のワークピース特徴部WPF1Aに接近する光線の少なくともいくらかが、前方視覚構成要素部分205Aの撮像システムによって捕捉されることを確実にする。したがって、特定の実装形態では、照明が「ナイフエッジ」構成で第1のワークピース特徴部WPF1Aを通過する場合(例えば、上述のように、分岐照明に近い少なくともいくらかの照明/光を有することによって達成され得る)、第1のワークピース特徴部WPF1Aにおけるコントラスト(例えば、十分に高いコントラスト)が所望され得る。
【0075】
第2のワークピース特徴部WPF1Bを撮像/測定する場合、様々な実装形態では、収束照明/光に近い少なくともいくらかの照明を有することが望ましくなり得ることに更に留意されたい(例えば、第2のワークピース特徴部WPF1Bの位置及びサイズに対して高いコントラストを提供し得る、ナイフエッジタイプなどの、陰影撮像の場合)。照明/光の少なくともいくらかに対応する開口数(NA)を、システムのNA制限(機械的NA、対物レンズL2のNA、など)に整合させる(例えば、僅かに上回り得る)ことが望ましくなり得る。これは、最大角(例えば、ナイフエッジ構成)において第2のワークピース特徴部WPF1Bに接近する光線の少なくともいくらかが、前方視覚構成要素部分205Aの撮像システムによって捕捉されることを確実にする。したがって、特定の実装形態では、照明が「ナイフエッジ」構成で第2のワークピース特徴部WPF1Bを通過する場合(例えば、上述のように、収束照明に近い少なくともいくらかの照明/光を有することによって達成され得る)、第2のワークピース特徴部WPF1Bにおけるコントラスト(例えば、十分に高いコントラスト)が所望され得る。
【0076】
いくつかの実装形態では、特に第2のワークピース特徴部WPF1Bのあまり望ましくない撮像/測定を生じさせるために(及び、例えば、ワークピース特徴部WPF1AとWPF1Bとの間の対応する決定された距離D1に関連して)、代替的な照明構成(例えば、アパーチャAP1を照明するためにコリメート光だけを利用し、ディフューザLDを利用しない)が実験的に決定されていることに留意されたい。これは、
図2の開示された構成と対比され得、その場合、コリメート光CLを拡散させて拡散光DLを生成するためのディフューザLDを含む照明構成を利用する後方視覚構成要素部分205Bは、第2のワークピース特徴部WPF1B(及び、例えば、ワークピース特徴部WPF1AとWPF1Bとの間の対応する距離D1)のより望ましい高精度な撮像/測定を生じさせる。概して、上述したように、ディフューザLDは、本質的に、特定の所望の照明条件を通じて平均分散を提供し、これは、述べられたワークピース特徴部の全ての画像を含む画像スタックを取得することなどの単一の画像取得プロセスを可能にし、また、述べられたワークピース特徴部の各々(例えば、WPF1A、WPF1B、D1、細片などの任意の欠点、などを含む)の望ましい高精度な撮像/測定値をもたらす。
【0077】
図7は、本明細書に開示される原理による、アパーチャAPのワークピース特徴部に関連する測定値を決定するように、前方視覚構成要素部分105A、205A及び後方視覚構成要素部分105B、205Bを含む計測システム100、200を動作させるための方法の1つの例を示すフロー図である。
【0078】
ステップ702は、後方視覚構成要素部分105B、205BのディフューザLDを通過する後方視覚構成要素部分105B、205Bの光源PLS1からの光の少なくとも一部分が、アパーチャを撮像するための照明の少なくとも一部を提供するためにアパーチャAP、AP1を通過するように、ワークピース20、220と計測システム100、200の前方視覚構成要素部分105A、205A及び後方視覚構成要素部分105B、205Bとの間の相対位置を調整して、前方視覚構成要素部分105A、205Aの光軸OAとワークピースのアパーチャAP、AP1とを整列させ、更には、後方視覚構成要素部分105B、205Bの光軸OAとワークピースのアパーチャAP、AP1とを整列させることを含む。前方視覚構成要素部分105A、205Aは、可変焦点距離(VFL)レンズL4と、前方視覚構成要素部分105A、205Aの光軸OAを画定する対物レンズL2と、カメラCMOSと、を備えている。
【0079】
ステップ704は、ディフューザLDを通過した光源PLS1からの光によって少なくとも部分的に照明されたアパーチャAP、AP1の複数の画像を含む画像スタックを取得することであって、画像スタックの各画像が、VFLレンズL4の光パワーの周期的変調の位相タイミングφnに対応する前方視覚構成要素部分105A、205Aの光軸OAに沿った異なる焦点位置に対応する、を取得することを含む。
【0080】
ステップ706は、画像スタックの解析に少なくとも部分的に基づいて、アパーチャAPのWPF1B、AP1のワークピース特徴部WPF1Aに関連する測定値を決定することを含む。様々な実装形態では、画像スタックの解析は、ワークピース特徴部に合焦する焦点位置を示す画像スタックの焦点曲線データを決定することを含む。様々な実装形態では、ワークピース特徴部は、アパーチャAP、AP1の第1のワークピース特徴部WPF1Aであり、焦点位置は、第1の焦点位置であり、焦点曲線データは、アパーチャAP、AP1の第2のワークピース特徴部WPF1Bが合焦している第2の焦点位置を更に示し、測定値は、第1のワークピース特徴部WPF1Aと第2のワークピース特徴部WPF1Bとの間の距離D1を含む。様々な実装形態では、アパーチャAP、AP1は、貫通孔部分TH1を含み、第1のワークピース特徴部WPF1A及び第2のワークピース特徴部WPF1Bは、それぞれ貫通孔部分TH1の出口及び入口に対応する。
【0081】
上で説明したように、画像スタックの画像ごとに、光源PLS1は、画像スタックのそのそれぞれの画像のそれぞれの焦点位置に対応する周期的に変調された焦点位置のそれぞれの位相タイミングφnに対応するように調整されたストロボ照明の少なくとも1つの事例を提供するように制御され得る。
【0082】
本開示の好ましい実装形態が図示及び説明されてきたが、特徴及び動作のシーケンスの図示及び説明された配置における多数の変形が、本開示に基づいて当業者には明らかであろう。本明細書に開示される原理を実装するために、様々な代替形式が使用されてもよい。
【0083】
本明細書で参照される全ての米国特許及び米国特許出願は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。実装形態の態様は、必要に応じて、様々な特許及び出願の概念を用いて、更なる実装形態を提供するように修正することができる。上記の詳細な説明に照らして、これら及び他の変更を実装形態に行うことができる。通常、以下の特許請求の範囲において使用する用語は、明細書及び特許請求の範囲に開示された特定の実装形態に対する特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきではないが、こうした特許請求の範囲に権利を与える均等物の全範囲とともに全ての考えられる実装形態を含むものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0084】
20、220…ワークピース
100、200…計測システム
105…視覚構成要素部分
105A、205A…前方視覚構成要素部分
105B、205B、205B’…後方視覚構成要素部分
110…移動機構部分
110A…前方移動機構
110B…後方移動機構
120…制御システム部分
122…プロセッサ
124…メモリ
233es…露光(ストロボ)時間コントローラ
273…有効焦点位置(Z座標)較正部分
275…ワークピース焦点信号処理部分
280…VFLレンズコントローラ
280’…信号線
281…駆動信号発生器部分
281’…タイミングクロック
282…撮像回路/ルーチン
295…システム信号及び制御バス
AP、AP1…アパーチャ
CL…コリメート光
CMOS…カメラ
DL…拡散光
EFP…有効焦点位置
EN1…入口部分
EX1…出口部分
L0、L7…コリメータレンズ
L1…収束レンズ
L2…対物レンズ
L3…リレー光学系
L4…VFL(焦点距離可変)レンズ
L5…チューブレンズ
L6…合焦レンズ
LD…ディフューザ
LP1、LP2…直線偏光子
M1…反射ミラー
NPBS…非偏光ビームスプリッタ
OPATH…ワークピース撮像光路
PLS1、PLS2…光源
TH1…貫通孔部分
WPF1A、WPF1B、WPF1C…ワークピース特徴部