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特開2024-169418試験測定装置及びユーザ・インタフェースを提供する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169418
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】試験測定装置及びユーザ・インタフェースを提供する方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 13/20 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
G01R13/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024084935
(22)【出願日】2024-05-24
(31)【優先権主張番号】63/468,779
(32)【優先日】2023-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/665,258
(32)【優先日】2024-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ジェイ・ピカード
(72)【発明者】
【氏名】カン・タン
(72)【発明者】
【氏名】ウェンジェン・サン
(57)【要約】
【課題】機械学習に入力するテンソル画像を効果的に構築できるようにする。
【解決手段】試験測定装置10は、試験測定装置10が被試験デバイス(DUT)30からデータを受信できるようにするポート14と、機械学習ネットワーク26と、ユーザ・インタフェース16を表示するディスプレイと、試験測定装置10がユーザからの入力を受けるための1つ以上の操作装置と、1つ以上のプロセッサ12とを有する。プロセッサは、様々なタイプのテンソルの選択肢を表示するメニューをディスプレイにレンダリングし、操作装置からテンソルの選択された形式を特定するユーザ選択を受け、DUT30からのデータから選択された形式のテンソル画像を構築し、この選択された形式のテンソル画像を機械学習ネットワーク26に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験測定装置であって、
該試験測定装置が被試験デバイス(DUT)からデータを受信できるようにするための1つ以上のポートと、
機械学習ネットワークへの接続部と、
ユーザ・インタフェースを表示するように構成されたディスプレイと、
上記試験測定装置がユーザからの入力を受信できるようにするための1つ以上の操作部と、
1つ以上のプロセッサと
を具え、
該1つ以上のプロセッサは、
テンソルの様々な形式の選択肢を表示するメニューを上記ディスプレイ上にレンダリングする処理と、
上記1つ以上の操作部から選択された形式のテンソルを特定するユーザの選択を受ける処理と、
上記DUTからの上記データから上記選択された形式のテンソルを構築する処理と、
上記選択された形式のテンソルを上記機械学習ネットワークに送信する処理と
を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するよう構成される試験測定装置。
【請求項2】
テンソルの様々な形式の選択肢を表示するメニューを上記ディスプレイ上にレンダリングする処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムは、波形ベクトル、波形画像及びSパラメータ画像を含む選択肢を表示する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせる請求項1の試験測定装置。
【請求項3】
上記1つ以上のプロセッサが、
上記テンソルの形式として波形ベクトルを選択するユーザの選択を受ける処理と、
ショート・パターン入力、棒グラフ入力、測定ノイズ又は測定値を上記ユーザが定義できる選択肢を有する第2ユーザ・インタフェースをレンダリングする処理と
を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するよう更に構成される請求項1の試験測定装置。
【請求項4】
上記DUTからの上記データから上記選択された形式のテンソルを構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムは、ユーザ定義の複数のショート・パターン波形シーケンスを連結した1次元波形ベクトルを構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせる請求項3の試験測定装置。
【請求項5】
上記1つ以上のプロセッサが、
上記テンソルの形式として波形画像を選択するユーザ選択を受信する処理と、
ショート・パターン入力、画像ビルダ、棒グラフ入力、測定ノイズ又は測定値を上記ユーザが定義するための選択肢を有する第2ユーザ・インタフェースをレンダリングする処理と
を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するよう更に構成される請求項1の試験測定装置。
【請求項6】
上記選択された形式のテンソルを構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、上記ショート・パターン波形シーケンス中のポイントの夫々において何個のカウントが生じているかのヒストグラム・データを含む2次元波形画像を上記ショート・パターン波形シーケンスから構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む請求項5の試験測定装置。
【請求項7】
上記選択された形式のテンソルを構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムは、Z軸を有する3次元画像を構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせ、上記Z軸は、上記3次元画像に含まれる各波形の振幅を表す請求項5の試験測定装置。
【請求項8】
上記DUTからの上記データから上記選択された形式のテンソルを構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、
上記テンソルの形式としてSパラメータ画像を選択するユーザの選択を受ける処理と、
特性、画像ビルダ及び棒グラフ入力に関する選択肢を有する第2ユーザ・インタフェースをレンダリングする処理と
を上記1つ以上のプロセッサに行わせる請求項1の試験測定装置。
【請求項9】
上記DUTからの上記データから上記選択された形式のテンソルを構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムは、上記XY画像中に行を有するSパラメータ画像を構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせ、上記XY画像中の上記行の夫々が、上記Sパラメータの実数部若しくは虚数部、又は、上記Sパラメータの振幅若しくは位相のいずれかを表す請求項8の試験測定装置。
【請求項10】
試験測定装置のディスプレイ上にユーザ・インタフェースをレンダリングして、該ユーザ・インタフェース上にテンソルの様々な形式の選択肢を表示する処理と、
上記試験測定装置の1つ以上の操作部からテンソルの選択された形式を特定するユーザの選択を受ける処理と、
上記DUTからの上記データから上記選択された形式のテンソルを構築する処理と、
上記選択された形式のテンソルを機械学習ネットワークに送信する処理と
を具えるユーザ・インタフェースを提供する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試験測定装置及び関連する方法に関し、より詳細には、被試験デバイスからの信号の測定に利用する機械学習ネットワークへ入力するテンソル画像を効率的に構築するための試験測定装置と、そのユーザ・インタフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
2022年5月18日出願の米国特許公開第2022/0373598号明細書(特許文献1)は、被試験デバイス(DUT)から受信した信号の測定値の予測を行うために、学習済みの機械学習システムを適用するためのシステム及び方法を記載している。信号の測定値の一例は、DUTが、例えば、光トランシーバの場合、TDECQ(Transmitter and Dispersion Eye Closure Quaternary)である。特許文献1に記述されている機械学習システムへの入力データは、トレーニング用とランタイム用の両方において、テンソル画像の形式であり、これは、DUTから取得した長い波形内の特定のショート・パターン・セグメントのグラフィカル表現を使用して構築される。
【0003】
2022年3月24日出願の米国特許第11923895号明細書(特許文献2)は、学習済みの機械学習システムを用いて、光トランシーバ(DUT)の最適なチューニング・パラメータの予測を行うことを記載している。
【0004】
2023年5月19日出願の米国特許公開第2023/0398694号明細書(特許文献3)は、学習済み機械学習システムを利用して、試験対象のチューニング可能なデバイス(例えば、キャビティ・フィルタなど)におけるチューニング要素の最適な位置の予測を行うシステム及び方法を記載している。特許文献3に記述の機械学習システムへの入力データは、トレーニング用とランタイムの両方において、テンソル画像の形式であり、これは、DUTの特性を表すSパラメータ又はその他のパラメータのグラフィカル表現を使用して構築される。
【0005】
テンソルは、トレーニング時又はランタイム時の機械学習システムに情報を効率的に提供する方法である。2023年11月15日出願の米国特許出願第18/510,234号明細書(特許文献4)は、3チャンネルの基準パラメータ(例えば、Sパラメータ又は他のタイプのデータ)を組み合わせることで、高効率の3次元RGBテンソルを作成するシステム及び方法を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許公開第2022/0373598号明細書
【特許文献2】米国特許第11923895号明細書
【特許文献3】米国特許公開第2023/0398694号明細書
【特許文献4】米国特許出願第18/510,234号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「テクトロニクス社製オシロスコープ」の紹介サイト、テクトロニクス、[online]、[2024年5月22日検索]、インターネット<https://www.tek.com/ja/products/oscilloscopes>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のようにテンソル画像は、トレーニング用とランタイム用の両方において、機械学習システムに情報を効率的に提供する方法である。よって、ユーザが意図するテンソル画像を効率よく構築するためには、テンソル画像を構築するためのデータを的確に入力できる改善されたユーザ・インタフェースが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示技術の実施形態によれば、機械学習アプリケーションにおいて、深層学習ネットワークへの入力データとして波形又はSパラメータを用いて、多数のアプリケーションを構築できる。本開示技術の実施形態は、大まかに言えば、試験測定アプリケーションにおいて、予測を行うための深層学習ネットワークへの入力用のテンソル画像を構築するための試験測定装置と、そのユーザ・インタフェース及び方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、試験測定装置の実施形態を示す。
図2図2は、ユーザがテンソルの形式及び関連するパラメータを選択できるようにするためのテンソル・ビルダ用ユーザ・インタフェースの実施形態を示す。
図3図3は、ユーザがテンソルの形式及び関連するパラメータを選択できるようにするためのテンソル・ビルダ用ユーザ・インタフェースの別の実施形態を示す。
図4図4は、ユーザがテンソルの形式及び関連するパラメータを選択できるようにするためのテンソル・ビルダ用ユーザ・インタフェースの別の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、1つ以上のユーザ・インタフェースを提供する試験測定装置の実施形態を示す。実施形態は、1つ以上のプロセッサを有する試験測定装置であっても良く、この1つ以上のプロセッサは、1つ以上のプロセッサに様々なタスクを行わせるコード(プログラム)を実行するよう構成されていても良い。機械学習システムは、1つ以上のプロセッサで動作するプログラムされたモデルの形態をとっても良い。図1は、被試験デバイス(DUT:Device under test)としての光送信機(Tx)30の事例における試験セットアップの実施形態を示す。試験セットアップは、オシロスコープなどの試験測定装置10を有していても良い試験測定システムを含む。試験測定装置10は、試験プローブ32を介してDUT30からの信号を受信する。光送信機の場合、試験プローブ32は、典型的には、1つ以上のポート14を介して試験測定装置に信号を提供する光電変換器(O/E)34に結合された試験光ファイバから構成される。2つのポートを差動シグナリングに使用しても良いし、1つのポートは、シングル・エンド・シグナリングに使用できる。信号は、試験測定装置10によってサンプリングされ、デジタル化されて波形データ(以下、単に「波形」とも呼ぶ)になる。この波形データは、メモリ20に記憶されても良い。クロック・リカバリ・ユニット(CRU)18は、試験測定装置10が、例えば、サンプリング・オシロスコープから構成される場合、データ信号からクロック信号をリカバリしても良い。リアルタイム・オシロスコープでは、ソフトウェア・クロック・リカバリを使用しても良い。
【0012】
試験測定装置10は、プロセッサ12によって表される1つ以上のプロセッサ、メモリ20及びユーザ・インタフェース16を有する。メモリ20は、実行可能な命令をコード(プログラム)の形式で格納し、プロセッサによって実行されると、プロセッサにタスクを実行させることができる。試験測定装置10のユーザ・インタフェース16は、ユーザが、設定の入力、試験の設定等を行うなど、試験測定装置10をインタラクティブに操作することを可能にする。また、試験測定装置10は、基準イコライザ及び分析モジュール24を含んでもよい。ユーザ・インタフェース16は、ユーザが、試験測定装置を設定できるようにするディスプレイ及び1つ以上の操作装置を有していても良い。操作装置は、1つ以上のスイッチ、ノブ又はその他の形式の入力装置を含んでも良く、また、ディスプレイ上のタッチ・ボタンを含んでもよい。
【0013】
本願の実施形態は、深層学習ニューラル・ネットワークなどの機械学習ネットワーク26の形態の機械学習を利用する。機械学習ネットワーク26は、試験測定装置10の一部として機械学習ネットワークでプログラムされたプロセッサ又は試験測定装置が接続を介して機械学習ネットワークにアクセスできるプロセッサのいずれかを有していても良い。試験測定装置10の機能及びプロセッサが進化すれば、プロセッサ12のような1つ以上のプロセッサに、これらの両方が含まれることもあろう。
【0014】
図2は、本開示のいくつかの実施形態によるユーザ・インタフェースの一実施形態を示す。1つ以上のプロセッサは、ユーザ・インタフェースをディスプレイにレンダリングする。ユーザ・インタフェースは、この例では、テンソル・ビルダ・メニュー・タブ38を表示しており、この中に、深層学習ネットワーク入力パネル40が表示され、これにより、ユーザは、テンソルの形式について、様々な選択肢から選択できる。ここに示すように、テンソルの形式としては、波形(WFM)ベクトル、波形画像及びSパラメータ画像がある。ユーザ・インタフェースの入力パネル40により、ユーザは、深層学習ニューラル・ネットワークのアプリケーションへの入力として使用する波形ベクトルを作成するための選択を行うことができる。図2の特定の例では、ユーザは、波形ベクトルを選択しているので、これに応じて、他の表示領域(パネル)として、ユーザがショート・パターン入力を定義できるようにするために、ショート・パターン定義入力パネル42が表示される。ここで用いる場合、「ショート・パターン」という用語は、上記で参照した特許文献1の例に記載されるような、ショート・パターン波形セグメントから構成される。
【0015】
このテンソルは、1次元の波形データ・ベクトルで構成される。ただし、複数のユーザ定義ショート・パターン波形シーケンスを連結して、1次元波形データ・ベクトルを構成している。また、ユーザ・インタフェースは、平均化スイッチ52を提供し、これをオンにすると、波形中に見出される全ての類似のショート・パターンが、それらを1つに連結するのではなくて、まとめて平均化することができる。
【0016】
棒グラフ入力パネル44によれば、ユーザは、棒グラフを波形セグメントに変換し、それらを波形データ・テンソル・ベクトルに連結することができる。棒グラフ入力パネル44には、パネル46、48及び50が含まれる。ユーザ入力パラメータ・パネル46は、温度、光ファイバ長又はその他の任意の所望のパラメータなど、特定の試験測定アプリケーションに利用されることがあるユーザ定義の入力パラメータのオプションを提供する。測定ノイズ・パネル48によれば、波形に対してノイズ測定を行うことによって作成されるノイズ棒グラフの作成を調整できる。これにより、ユーザは、定義された各ショート・パターンのグループで、ローパス・フィルタ処理を制御するオプションを利用できる。ユーザは、また、棒グラフの作成に使用される測定値パネル50に示されるような測定値の中からいずれかを選択できる。測定値オプションは、例として示されているものと異なっても良い。
【0017】
図3は、ユーザがテンソル形式として波形画像を選択して、深層学習ネットワークのアプリケーションへの入力として使用する波形画像を作成するときのユーザ・インタフェースを例示する。この状況におけるユーザ・インタフェースでは、画像ビルダ・パネル60がある。ユーザは、2次元又は3次元の波形画像から選択できる。第1実施形態では、テンソルは、2次元波形データ画像から構成され、そのZ軸は、ショート・パターン波形データにおいて、各点が何カウント発生したかのヒストグラム・データを含む。第2実施形態では、ユーザは、画像として3次元画像を選択することもでき、この場合、そのZ軸は、各波形の振幅を表し、更に多くの波形をXY平面の多数の行に収容できる。これにより、画像がより効率的になり、より多くのデータを処理できるようになる。ユーザ定義のショート・パターン波形セグメントの全てを、1画像に収めることができる。
【0018】
上述したように、更に棒グラフを作成することもでき、テンソル画像に組み込むことができる。
【0019】
テンソル画像は、R(赤)G(緑)B(青)画像であっても良く、これらカラー・チャンネルの夫々で、異なる波形を有するようにしても良い。どの波形をどのカラー・チャンネルに入れるかは、アプリケーションのバックグラウンドで制御される。しかし、メニュー表示に、どのデータをどのカラー・チャンネルに入れるかを指定できる操作項目メニューを追加しても良い。
【0020】
もう1つの特徴は、棒グラフが波形セグメントに変換され、図2にも示されている棒グラフ・ユーザ入力パネル44を使用して、波形データ・テンソル・ベクトルに連結されても良いことである。棒グラフは、図2にも示されているパネル46に示されるような温度、光ファイバ長又はその他の任意の所望のパラメータなどのユーザ定義の入力パラメータに基づいて作成されても良い。ユーザは、パネル48に示されるように、波形上のノイズ測定を指定することによって、ノイズ棒グラフを含むように選択しても良い。ユーザは、定義されているショート・パターンの各グループでローパス・フィルタ処理を制御するオプションがある。棒グラフは、パネル50に示されるように、このテンソル・ビルダ・メニューを含む特定のアプリケーションに存在するユーザが選択した測定値のリストから作成することもできる。
【0021】
このインタフェースには、波形画像ビルダ・パネル60があり、これは、画像テンソルに入れるデータの構造を構成する様々な方法を制御するために使用される。なお、図示しているものは単に例であって、メニューには、更なる操作項目が存在しても良い。このユーザ・インタフェースにより、ユーザは、試験測定装置が波形イメージ内のデータの構造をどのように構成するかを制御できる。
【0022】
図4は、ユーザが、深層学習ニューラル・ネットワークへの入力としてSパラメータ画像を作成することを選択した場合のテンソル・ビルダ・メニューの実施形態を示す。このテンソルは、3次元Sパラメータ・データ画像で構成され、これは、XY画像が、実数部若しくは虚数部、又は、振幅と位相の部分で構成される。XY画像の各行は、セット内のSパラメータの中の1つの実数、虚数、振幅又は位相を表す。棒グラフは、上述したように作成し、テンソル画像に組み込むこともできる。
【0023】
テンソル画像は、RGB画像から構成されても良く、DUTから測定された3つの異なる基準Sパラメータ結果の夫々を、RGBカラー・チャンネルの1つに入るようにしても良い。また、試験測定装置は、ユーザがRGBテンソル画像をアニメーションで見ることができるようにしても良い。これにより、ユーザは、テンソル画像が、どのような構造となっているかを、より容易に確認できる。ユーザ・インタフェースは、棒グラフ・ユーザ入力パネル44内にユーザ入力パラメータ・パネル46を表示することにより、ユーザが、測定値、温度などのユーザ定義の入力パラメータ又はその他のいずれかから変換する棒グラフを指定できるようにする。なお、図2及び図3に示す測定ノイズ・パネル48及び測定値パネル50は、図4のSパラメータ画像用のテンソル・ビルダ・メニューでは使用しない。
【0024】
Sパラメータ画像のユーザ・インタフェースには、Sパラメータ画像ビルダ・パネル70があり、これは、Sパラメータ画像テンソルに入れるデータの構造を構成するための様々な方法を制御するために使用される。このユーザ・インタフェースでは、以下に示すもの以外の追加の操作がメニューで利用されることがある。
【0025】
以下では、上記のユーザ・インタフェースの要素について詳しく説明する。上述したように、テンソル・ビルダ・メニュー・タブ38は、本願の実施形態における最上位レベルのメニューを有し、深層学習ニューラル・ネットワークのアプリケーションへの入力として使用する波形ベクトル、波形画像又はSパラメータ画像のいずれかを構築するために必要なメニュー項目を含む。これには、次のメニュー項目の中の1つ以上が含まれていても良い。
【0026】
深層学習ニューラル・ネットワーク入力パネル40は、ニューラル・ネットワークに入力されるテンソル・データの形式について、3つの選択肢を有する。ユーザ・インタフェースは、これらのテンソルを作成するためのアルゴリズムを、このアプリケーションのユーザに提示することはない。
【0027】
3つの選択肢の1つは、波形ベクトルであり、これによれば、多数のショート・パターン波形セグメントを含有する1次元波形ベクトルを作成できるが、このとき、大量の波形が破棄され、ネットワークのトレーニングにとって重要な部分のみが保持される。この波形ベクトルには、更に、入力パラメータを含有する棒グラフが含まれても良く、これは、棒グラフを表す波形セグメントに変換されている。
【0028】
3つの選択肢の2つ目は、波形画像であり、これによれば、棒グラフと複数のショート・パターン波形データ・セグメントを含む2次元又は3次元画像テンソルを試験測定装置で作成することが指定される。これら波形画像は、モノクロ又はRGBである。
【0029】
3つの選択肢の最後の選択肢は、Sパラメータ画像である。このオプションは、被試験デバイス(DUT)から取得したSパラメータを取り込み、これらからRGB又はモノクロ画像を構築(build)して、ニューラル・ネットワークへの入力として使用する。これらSパラメータ画像は、時間領域のSパラメータ、Zパラメータ(開回路又はインピーダンス・パラメータ)、Hパラメータ(ハイブリッド・パラメータ)、Xパラメータ(Sパラメータを一般化したもの)など、他のパラメータを使用することもできる。
【0030】
図2及び図3に示される波形画像用のショート・パターン定義入力パネル42により、ユーザは、画像テンソルに含まれる短パターン波形セグメント夫々の符号シーケンスを定義できる。パターン形式には、3つのグループがある。各グループで使用されることのあるショート・パターンは、最大で8個ある。これは、NRZからPAM3、PAM4、そして、PAM8の形式の信号までをサポートする。PAMのレベル数を表す数値は、ユニット・インターバル毎に信号の信号レベルを定義する。このため、NRZのレベルは、0と1になり、PAM3のレベルは、0、1、2になる、等となる。レベル・パターン・パネル64は、信号レベルがシーケンス内の各ユニット・インターバルについて同じレベルにとどまるユニット・インターバルの連続する個数を有する。しかし、ユーザは、必要に応じて、このメニュー・タブ38において、任意の種類のパターン・シーケンスを定義できる。パルス・パターン・パネル66の定義は、シーケンス中の複数のユニット・インターバルについて、1つのユニット・インターバルだけ異なるレベルに設定し、それ以外のユニット・インターバルは、全て同じレベルにすることで、パルス・パターンを作成することを意図したものである。ユーザは、最大8つの異なるパルス・パターンを定義し、夫々をテンソル画像に入れることを有効にするかどうかを定義できる。この例では、パルス・パターンの定義の夫々に関連するチェック・ボックにチェックを入れることで、その対応するパルス・パターンをテンソル画像に入れることが有効になる。他のパターン・パネル68によれば、テンソル入力データに含める最大8個の追加のショート・パターン波形を定義できる。
【0031】
これらのメニュー・パネルでは、「符号数」によって、ショート・パターンの全長に含まれる信号のユニット・インターバル(UI)の数を指定する。なお、各パターンのUIの数は、ユーザがショート・パターンを定義する編集ボックスに入力したユニット・インターバルの数値によって別途決定できるため、このメニュー項目は、省略可能(オプション)としても良い。上述したように、ユーザ・インタフェースには、図2の52のような平均化スイッチがある。平均化スイッチがオフの場合、アプリケーションは、含まれている全てのショート・パターンの個々の事例を全て検索し、選択したパターンを構築するための内部ルールのセットに応じて、それらをテンソルに配置する。ここには示されていないが、テンソル・ビルダの他のバージョンには、テンソルを構築するための追加のルールを選択するためのメニューがあっても良い。平均化スイッチをオンに設定すると、波形内で発見される全ての類似パターンは、テンソル・ビルダがテンソル・ビルダの内部ルールに従ってテンソルに配置できるようにする前に、まとめて1つに平均化される。これらのルールの一部は、このテンソル・ビルダのメニュー・システムによって決定される。これらルールの中には、特定の機械学習アプリケーションの内部にあるものもあれば、将来、テンソル・ビルダのメニュー・システムに新しいメニューを追加することで定義されるものもある。
【0032】
図3及び4の画像ビルダ・パネルのメニューは、ユーザが深層学習ニューラル・ネットワーク入力パネル40のメニューにおいて、波形画像又はSパラメータ画像を選択した場合に表示される。画像ビルダ・パネルのメニューは、ユーザが波形画像又はSパラメータ画像のどちらを選択したかによって、操作メニューの項目が異なる。
【0033】
ユーザが、波形画像を選択した場合、選択肢の1つに次元があり、画像の形式を選択できる。2次元(2D)を選択すると、試験測定装置は、2次元テンソル画像を構築するが、この場合、XY平面は、波形パターン夫々に関する時間対振幅であり、Z軸は、波形に含まれる様々なパターンの全ての事例のサンプルのカウント数である。一方、3次元(3D)テンソル画像を選択すると、画像に収められる波形とデータの数が増え、収まるパターンの記録長が長くなり、入力されるデータの垂直分解能を向上させることができる。各パターンの波形の時間と振幅は、XZ平面に収まる。各波形は、画像のXY平面の行に収まる。これらの画像もRGBで、各カラーチャンネルに入る波形データを内部で制御する。この Image Builder メニューには、どの波形をどのカラーチャンネルに入れるかを制御するための追加のメニュー項目が組み込まれている場合がある。
【0034】
図3の画像ビルダ・パネル60の分解能向上パネルは、波形画像を作成する際に、どの垂直波形分解能向上アルゴリズムを適用するかを、ユーザが決めるためのものである。アルゴリズムには、「シングル・ポイント圧縮」が含まれ、これは、波形内の個々のポイントの再マッピングを、そのポイントが存在する特定のショート・パターンの全ての事例の最小値と最大値に関して制御する。これにより、低レベル信号の利得が増加し、高レベル信号の利得が低減され、低レベル信号の垂直分解能が向上する。いくつかの実施形態では、アルゴリズムの細部を制御するために、図示しない追加のメニュー項目が表示されることになろう。「線形セグメント」のアルゴリズムは、区分的な(piecewise)線形セグメントの利得ベクトルを作成し、これは、ショート・パターン波形に乗算される。このアルゴリズムは、主にパルス波形に適用することを目的としており、パルスの低レベルの減衰部分の利得を時間の関数として増加させることを目的としている。これにより、パルスの低レベルの振幅部分がブーストされ、テンソル画像におけるパルスの分解能が向上する。この選択肢を「なし」にすると、ショート・パターンをテンソルに配置する前に、利得の圧縮又は拡張アルゴリズムは使用されない。
【0035】
「行スペース」の選択は、XY画像平面の行にまたがる様々な波形セグメントの間隔(スペース)を定める。「隣接」を選択すると、各波形パターン又は折り返しパターンのセグメントが、画像のXY平面を横断する隣接する行に配置される。「グループ毎にスペース」を選択すると、XY平面上において、空白行(スペース)が、各波形パターンの行の間又は隣接する波形のグループの間に配置される。例えば、1つのパターン形式の全ての事例は、互いに隣接して配置される。しかし、1つのショート・パターン・グループと次の別のショート・パターン・グループの間には、いくつかの空白行のスペースがある。行数は、深層学習入力層中の畳み込み演算フィルタの次元と等しくなる。
【0036】
「パターン毎にスペース」を選択すると、波形中の各パターンが畳み込み演算フィルタの寸法に等しい距離だけスペースを空けるか、又は、スペースを決定するために別の操作メニューが追加されても良い(図示せず)。
【0037】
ユーザがSパラメータ画像を選択すると、画像ビルダ70のメニューには、次の内容が表示される。まず、特性(Dimension)には、次の項目がある。S1P:1ポートのSパラメータのセット、S2P:2ポートのSパラメータのセット、S3P:3ポートのSパラメータのセット、S4P:4ポートのSパラメータのセット、RI:各Sパラメータ波形について実数及び虚数の振幅を周波数領域で使用、MP:各Sパラメータ波形について対数(log)振幅と位相を周波数領域で使用、周波数:Sパラメータを周波数領域で実数及び虚数又は振幅及び位相のいずれかで表す、時間:時間領域のSパラメータを時間対振幅の単一波形として表す。
【0038】
第2に、画像ビルダ・パネル70の「含めるSパラメータ」パネルのメニューでは、テンソル画像への入力を希望するSパラメータのみを有効にすることができる。各Sパラメータの横のチェック・ボックスにチェック・マークを付ければ、テンソル画像に含まれるようになる。このチェック・ボックスを空白のままにすると、テンソル画像から対応するSパラメータが除外される。選択できるチェック・ボックスとSパラメータの数は、「特性」メニューで選択した内容によって変化する。「行スペース」メニューでは、時間領域又は周波数領域のいずれかにおいて、Sパラメータ波形をテンソル画像のXY平面の行にスペースを空ける方法を指定する。「隣接」を選択すると、テンソル画像のXY平面の画像の行に配置される個々のSパラメータ・データ・ベクトル間にスペースが空かなくなる。「グループ毎にスペース」は、周波数領域のSパラメータ波形の各ペアの間に、テンソル画像が空の行セットを持つように指定される。スペースのルールは、内部アルゴリズムによって決定される。「分解能向上」メニューには、Sパラメータ・データの垂直方向の分解能を向上させるために、上述したのと同じルールが適用される。
【0039】
図2から図4の棒グラフ入力パネル44のメニューでは、テンソル画像に組み込む様々な形式の棒グラフを定義できる。ただし、上述のように、図2及び図3に示す測定ノイズ・パネル48及び測定値パネル50は、図4のSパラメータ画像用のテンソル・ビルダ・メニューでは使用しない。
【0040】
ユーザ入力パラメータ・パネル46によれば、ユーザは、ニューラル・ネットワークをトレーニングするためのメタデータ・ラベルに含める独自のパラメータ名を定義できる。図示したメニューの例では、そのような4つのユーザ入力パラメータを作成できるが、その個数は、4個よりも、多くても良いし、少なくても良い。
【0041】
測定ノイズ・パネル48は、ショート・パターン波形上でノイズをどのように測定し、次いで、どのように棒グラフに変換してテンソルに含めるかを指定できる。試験測定装置10は、ショート・パターンから測定されたスペクトル上のノイズを除去してから、ショート・パターンをテンソル画像に配置する。これにより、パターン内の目的の特徴を確認するためのニューラル・ネットワークの精度が向上する。
【0042】
もう1つ別の選択肢は、測定ノイズ・パネル48におけるフィルタ処理に関連している。振幅が一定の(Level:レベル)波形に「ローパス・レベル」フィルタを適用すると、可能な限り多くのノイズが除去される。フィルタ処理された波形は、レベル(振幅一定の波形)画像の作成に使用される。カットオフ周波数は、固定としても良いし、メニューやPI(Programming Interface)コマンドから制御しても良い。このフィルタの標準的なカットオフ周波数は、1GHzである。ユーザは、この周波数を任意に変更しても良い。「ローパス・パルス」フィルタをパルスのショート・パターン波形に適用すると、可能な限り多くのノイズが除去される一方で、パルス波形の主要な形状は維持される。このフィルタ処理された波形は、パルス波形画像の作成に使用される。カットオフ周波数は、固定されていても良いし、ニューラル・ネットワークのトレーニングを行う際にユーザによってメニューやPIコマンドから制御されても良い。「ローパス その他」フィルタは「その他」のパターンに適用され、そのカットオフ周波数はユーザが任意に変更できる。
【0043】
測定値パネル50によれば、ユーザは、測定値を選択できる。試験測定装置10は、選択された測定値を、選択された測定値夫々の棒グラフに変換し、次いで、テンソルに含める。測定値の例としては、これらに限定するものではないが、以下のようなものがある。即ち、TDECQ、光変調振幅(OMA: Optical Modulation Amplitude)、RLM(Level Separation Mismatch Ratio)、消光比、ビット・エラー・レート(BER)、その他の測定値である。
【0044】
要約すると、本開示技術の実施形態は、テンソル・ビルダのための新規なユーザ・インタフェース・メニューを提示する。テンソル・ビルダは、ニューラル・ネットワークを学習(トレーニング)させるため及び学習済みニューラル・ネットワークを最終的な実行時環境で使用するための入力テンソル・データを構築する方法を定義する。実施形態は、パラメータ棒グラフをテンソル画像に含めるための機能などに、いくつかの新規な機能を組み込んでいる。パラメータは、ユーザが定義したもの、測定されたノイズ又はその他の測定値である。更に、いくつかの実施形態は、波形ベクトルのセグメントによって表される棒グラフに変換されたパラメータを有していても良い。このユーザ・インタフェースでは、波形ベクトル、波形画像、Sパラメータの3種類の入力テンソルの形式を選択できる。このユーザ・インタフェースには、テンソルに入るショート・パターン波形セグメントを作成するための複数の操作項目があり、テンソル画像の組み立て方法を制御する画像ビルダ・メニューがある。
【0045】
本開示技術の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本開示技術の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本開示技術の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0046】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって運搬されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ぶことができる。本願で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、一例としては、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含んでいても良い。
【0047】
コンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Video Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は除外される。
【0048】
通信媒体とは、コンピュータ可読情報の通信に利用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、通信媒体には、電気、光、無線周波数(RF)、赤外線、音又はその他の形式の信号の通信に適した同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気又は任意の他の媒体を含んでも良い。

実施例
【0049】
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。この技術の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0050】
実施例1は、試験測定装置であって、該試験測定装置が被試験デバイス(DUT)からデータを受信できるようにするための1つ以上のポートと、機械学習ネットワークへの接続部と、ユーザ・インタフェースを表示するように構成されたディスプレイと、上記試験測定装置がユーザからの入力を受信できるようにするための1つ以上の操作部と、1つ以上のプロセッサとを具え、該1つ以上のプロセッサが、テンソルの様々な形式の選択肢を表示するメニューを上記ディスプレイ上にレンダリングする処理と、上記1つ以上の操作部から、選択された形式のテンソルを特定するユーザの選択を受ける処理と、上記DUTからの上記データから上記選択された形式のテンソルを構築する処理と、上記選択された形式のテンソルを上記機械学習ネットワークに送信する処理とを上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するよう構成される。
【0051】
実施例2は、実施例1の試験測定装置であって、上記データは、波形データ及び棒グラフ・データの中の1つ以上を含む。
【0052】
実施例3は、実施例1又は2のいずれかの試験測定装置であって、テンソルの様々な形式の選択肢を表示するメニューを上記ディスプレイ上にレンダリングする処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムは、波形ベクトル、波形画像及びSパラメータ画像を含む選択肢を表示する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせる。
【0053】
実施例4は、実施例1から3のいずれかの試験測定装置であって、上記1つ以上のプロセッサが、
波形ベクトルを選択するユーザの選択を受ける処理と、
ショート・パターン入力、棒グラフ入力、測定ノイズ又は測定値を上記ユーザが定義できる選択肢を有する第2ユーザ・インタフェースをレンダリングする処理と
を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するよう更に構成される。
【0054】
実施例5は、実施例4の試験測定装置であって、上記DUTからの上記データから上記選択された形式のテンソルを構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムは、ユーザ定義の複数のショート・パターン波形シーケンスを連結した1次元波形ベクトルを構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせる。
【0055】
実施例6は、実施例5の試験測定装置であって、上記ユーザ・インタフェースをレンダリングする処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムは、連結する前に、上記ユーザが上記ショート・パターン波形シーケンスを平均化できるようにする選択肢を有するユーザ・インタフェースをレンダリングする処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせる。
【0056】
実施例7は、実施例1から6のいずれかの試験測定装置であって、上記1つ以上のプロセッサが、波形画像を選択するユーザ選択を受信する処理と、ショート・パターン入力、画像ビルダ、棒グラフ入力、測定ノイズ又は測定値を上記ユーザが定義するための選択肢を有する第2ユーザ・インタフェースをレンダリングする処理とを上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するよう更に構成される。
【0057】
実施例8は、実施例7の試験測定装置であって、上記選択された形式のテンソルを構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムは、上記ショート・パターン波形シーケンス中のポイントの夫々において何個のカウントが生じているかのヒストグラム・データを含む2次元波形画像を上記ショート・パターン波形シーケンスから構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む。
【0058】
実施例9は、実施例7の試験測定装置であって、上記選択された形式のテンソルを構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムは、Z軸を有する3次元画像を構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせ、上記Z軸は、上記3次元画像に含まれる各波形の振幅を表す。
【0059】
実施例10は、実施例1から9のいずれかの試験測定装置であって、上記DUTからの上記データから上記選択された形式のテンソルを構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムは、
Sパラメータ画像を選択するユーザの選択を受ける処理と、
特性、画像ビルダ及び棒グラフ入力に関する選択肢を有する第2ユーザ・インタフェースをレンダリングする処理と
を上記1つ以上のプロセッサに行わせる。
【0060】
実施例11は、実施例10の試験測定装置であって、上記DUTからの上記データから上記選択された形式のテンソルを構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムは、上記XY画像中に行を有するSパラメータ画像を構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせ、上記XY画像中の上記行の夫々が、上記Sパラメータの実数部若しくは虚数部、又は、上記Sパラメータの振幅若しくは位相のいずれかを表す。
【0061】
実施例12は、実施例10の試験測定装置であって、上記DUTからの上記データから上記選択された形式のテンソルを構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムは、夫々異なるSパラメータを有する赤-緑-青チャンネルを含むSパラメータ画像を構築する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせる。
【0062】
実施例13は、ユーザ・インタフェースを提供する方法であって、
試験測定装置のディスプレイ上にユーザ・インタフェースをレンダリングして、該ユーザ・インタフェース上にテンソルの様々な形式の選択肢を表示する処理と、
上記試験測定装置の1つ以上の操作部からテンソルの選択された形式を特定するユーザの選択を受ける処理と、
上記DUTからの上記データから上記選択された形式のテンソルを構築する処理と、
上記選択された形式のテンソルを機械学習ネットワークに送信する処理と
を具える。
【0063】
実施例14は、実施例13の方法であって、上記ディスプレイ上に上記ユーザ・インタフェースをレンダリングして、該ユーザ・インタフェース上にテンソルの様々な形式の選択肢を表示する処理は、波形ベクトル、波形画像及びSパラメータ画像を含む選択肢を表示する処理を含む。
【0064】
実施例15は、実施例13又は14のいずれかの方法であって、波形ベクトルを選択するユーザの選択を受信する処理と、上記ユーザがショート・パターン入力、棒グラフ入力、測定されたノイズ及び測定値を定義できるようにするための選択肢を有する第2ユーザ・インタフェースをレンダリングする処理とを更に具える。
【0065】
実施例16は、実施例15の方法であって、上記DUTからの上記データから上記選択された形式のテンソルを構築する処理が、ユーザ定義の複数のショート・パターン波形シーケンスを連結した1次元波形ベクトルを構築する処理を含む。
【0066】
実施例17は、実施例13又は14のいずれかの方法であって、波形画像を選択するユーザの選択を受ける処理と、上記ユーザがショート・パターン入力、画像ビルダ、棒グラフ入力、測定ノイズ又は測定値を定義するための選択肢を有する第2ユーザ・インタフェースをレンダリングする処理とを更に具える。
【0067】
実施例18は、実施例17の方法であって、上記DUTからの上記データから上記選択された形式のテンソルを構築する処理が、ヒストグラム・データを含む2次元波形画像をショート・パターン波形シーケンスから構築する処理を含む。
【0068】
実施例19は、実施例13又は14のいずれかの方法であって、Sパラメータ画像を選択するユーザの選択を受ける処理と、特性、画像ビルダ及び棒グラフ入力に関する選択肢を有する第2ユーザ・インタフェースをレンダリングする処理とを更に具える。
【0069】
実施例20は、実施例19の方法であって、Sパラメータ画像を構築する処理は、XY画像中に行を有するSパラメータ画像を構築する処理を有し、上記XY画像中の上記行の夫々が、上記Sパラメータの実数部若しくは虚数部、又は、上記Sパラメータの振幅若しくは位相のいずれかを表す。
【0070】
加えて、本願の説明は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例に関連して開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例との関連においても利用できる。
【0071】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0072】
明細書、特許請求の範囲、要約書及び図面に開示される全ての機能、並びに開示される任意の方法又はプロセスにおける全てのステップは、そのような機能やステップの少なくとも一部が相互に排他的な組み合わせである場合を除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。明細書、要約書、特許請求の範囲及び図面に開示される機能の夫々は、特に明記されない限り、同じ、等価、又は類似の目的を果たす代替の機能によって置き換えることができる。
【0073】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本発明は、添付の請求項以外では、限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0074】
10 試験測定装置
12 プロセッサ
14 ポート
16 ユーザ・インタフェース
18 クロック・リカバリ・ユニット
20 メモリ
24 基準イコライザ及び分析モジュール
26 機械学習ネットワーク
30 被試験デバイス(光送信機)
32 試験光ファイバ/プローブ
34 光電変換器
38 テンソル・ビルダ・メニュー・タブ
40 深層学習ニューラル・ネットワーク入力パネル
42 ショート・パターン定義入力パネル
44 棒グラフ入力パネル
46 ユーザ入力パラメータ・パネル
48 測定ノイズ・パネル
50 測定値パネル
60 画像ビルダ・パネル
64 レベル・パターン・パネル
66 パルス・パターン・パネル
68 他のパターン・パネル
70 画像ビルダ・パネル
図1
図2
図3
図4