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特開2024-169850X線撮像装置、および、画像処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169850
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】X線撮像装置、および、画像処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20241129BHJP
【FI】
A61B6/00 350D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086661
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000888
【氏名又は名称】弁理士法人山王坂特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土田 和生
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093CA23
4C093EE16
4C093FB12
4C093FD09
4C093FF12
4C093FF16
4C093FF18
4C093FF22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】監視カメラで撮影した画像から、透視画像を撮影している天板上の被検体の画像を抽出し、表示する。
【解決手段】X線検出装置には、被検体を撮像するカメラが備えられている。画像処理部20は、カメラが撮影した画像に含まれる複数の人物像の骨格を検出し、検出した骨格に基づいて複数の人物像のうち天板に搭載されている被検体の画像を抽出し、接続されている表示装置に表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を搭載する天板と、前記被検体にX線を照射するX線照射装置と、前記X線照射装置から照射され、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記被検体を撮像するカメラから画像を受け取って、前記画像を処理する画像処理部とを有し、
前記画像処理部は、前記画像に含まれる複数の人物像の骨格を検出し、検出した骨格に基づいて前記複数の人物像のうち前記天板に搭載されている前記被検体の像を抽出し、抽出した前記被検体の像を接続されている表示装置に表示することを特徴とするX線撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載のX線撮像装置であって、前記画像処理部は、前記人物像の骨格の中心線と、画像の中心線とのなす角が最も小さい人物像を前記被検体の像と判定することを特徴とするX線撮像装置。
【請求項3】
請求項1に記載のX線撮像装置であって、前記画像処理部は、前記人物像の骨格の両肩間の距離が最も大きい人物像を前記被検体の像と判定することを特徴とするX線撮像装置。
【請求項4】
請求項1に記載のX線撮像装置であって、前記画像処理部は、前記人物像の骨格の両肩を結ぶ線の中点と、前記画像の中心との距離L、および、前記両肩を結ぶ線と画像の水平線とのなす角δのうち少なくとも一方が、最も小さい人物像を前記被検体の像と判定することを特徴とするX線撮像装置。
【請求項5】
請求項1に記載のX線撮像装置であって、前記画像処理部は、前記被検体の像の周囲の領域の画素について、前記画像と、当該画像を取得したタイミングよりも予め定めた時間だけ前のタイミングで前記カメラが取得した画像とについて、対応する画素の移動量を算出し、移動量が閾値を超える画素が所定数以上ある場合、警報を発することを特徴とするX線撮像装置。
【請求項6】
請求項1に記載のX線撮像装置であって、前記画像処理部は、前記画像の前記被検体の顔領域をさらに抽出し、拡大して表示装置に表示することを特徴とするX線撮像装置。
【請求項7】
請求項1に記載のX線撮像装置であって、前記画像処理部は、前記画像の前記被検体の像と、当該画像を取得したタイミングよりも予め定めた時間だけ前のタイミングで前記カメラが取得した画像の被検体の像とについて、肩および腰の位置の少なくとも一方についてのずれ量を算出し、ずれ量が予め定めた閾値以上である場合、警報を発することを特徴とするX線撮像装置。
【請求項8】
請求項1に記載のX線撮像装置であって、前記画像処理部は、前記画像の前記被検体の骨格に基づいて、前記X線照射装置からX線が照射されている被検体の部位を判定し、前記部位に応じて、X線照射条件を前記X線照射装置に設定することを特徴とするX線撮像装置。
【請求項9】
請求項1に記載のX線撮像装置であって、前記X線照射装置を前記天板に対して相対的に移動させる機構部をさらに備え、
前記画像処理部は、前記画像の前記被検体の骨格に基づいて、被検体が撮像を指定する撮像指定部位の前記画像中の座標を算出するとともに、前記画像中のX線照射領域の中心の座標を算出し、前記撮像指定部位と前記X線照射領域の座標の差分を算出し、前記差分に対応する移動量を前記機構部に設定し、前記X線照射装置を前記天板に対して相対的に移動させるように前記機構部に移動量を設定し、前記X線照射領域の中心を、前記撮像指定部位に移動させることを特徴とするX線撮像装置。
【請求項10】
カメラが備えられたX線撮像装置の前記カメラで撮影した画像の処理方法であって、
前記カメラが撮像した画像に含まれる複数の人物像の骨格を検出し、
検出した骨格に基づいて前記複数の人物像のうち天板に搭載されている被検体の像を抽出し、抽出した前記被検体の像を接続されている表示装置に表示する
ことを特徴とするカメラが備えられたX線撮像装置の画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体にX線を照射して画像を取得するX線撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線撮像装置から患者にX線を照射して透視画像を取得しながら、内視鏡やカテーテルを患者に挿入し、患者に対して種々の手技をするIVR(Interventional Radiology)が知られている。医師は、透視画像を表示しているモニターと、内視鏡画像を表示しているモニターを見ながら、患者に対して手技を行なう。
【0003】
透視画像を見ながら手技を行っている最中に患者の状況を確認する場合、医師は、患者の顔や足や手に視線を移動させて、目視で確認したり、室内の天井や壁の上部に取り付けられた監視カメラの画像を表示するモニターに視線を移動させ、監視カメラ画像を介して患者を確認している。
【0004】
一方、特許文献1には、透視画像を画像処理することにより、被検体の体動を検出する技術が開示されている。
【0005】
特許文献2には、作業を行っている複数の作業者をカメラで撮影し、画像を処理して骨格検出を行うことにより、複数の作業者のなかから特定の作業をしている作業者を特定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-186199号公報
【特許文献2】特開2021-196783公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
IVRにおいて、患者は医師の横に配置され、透視画像や内視鏡画像のモニターは、医師の前方に配置されるのが一般的である。このため、医師が目視で患者の状況を確認するためには、モニターから患者へと視線を移動させる必要がある。
【0008】
一方、医師が、室内の監視カメラ画像のモニターを見て、患者の状況を確認する場合、監視カメラ画像には、患者以外に、医師や技師や看護師が映り込んでいるため、瞬時に患者の状況が把握することは難しい。
【0009】
また、監視カメラ画像を表示させる範囲を限定することにより、患者以外がモニターに表示されないようにすることが考えられるが、患者が搭載された天板の位置や向きを、手技の進行に伴って変更させると、被検体が監視カメラに写らなくなり得る。
【0010】
本発明の目的は、監視カメラで撮影した画像から、透視画像を撮影している天板上の被検体の画像を抽出し、表示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明によれば、被検体を搭載する天板と、被検体にX線を照射するX線照射装置と、X線照射装置から照射され、被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、被検体を撮像するカメラから画像を受け取って、画像を処理するカメラ画像処理部とを有するX線撮像装置が提供される。画像処理部は、画像に含まれる複数の人物像の骨格を検出し、検出した骨格に基づいて複数の人物像のうち天板に搭載されている被検体の画像を抽出し、接続されている表示装置に表示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、監視カメラで撮影した画像から、透視画像を撮影している天板上の患者の画像を抽出し、モニターに表示することができるため、医師は、視線を患者に落とさずに、監視カメラ画像のモニターにより患者の状態を視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(a)本実施形態の実施形態1のX線撮像装置1の正面図、(b)、(c)監視画像表示モニターに表示された画像を示す図。
図2】実施形態1のX線撮像装置の機能ブロック図。
図3】実施形態1のX線撮像装置の監視カメラが撮影した画像と、画像から検出された骨格を示す図。
図4】実施形態1のX線撮像装置の監視カメラが撮影した画像から被検体10の骨格の周りの領域を抽出した画像図。
図5】実施形態1のX線撮像装置の動作を示すフローチャート。
図6】実施形態2のX線撮像装置の動作を示すフローチャート。
図7】実施形態2のX線撮像装置の監視カメラが撮影した画像と、画像から検出された骨格を示す図。
図8】実施形態3のX線撮像装置の動作を示すフローチャート。
図9】実施形態3のX線撮像装置の監視カメラが撮影した画像と、画像から検出された骨格を示す図。
図10】実施形態4のX線撮像装置の機能ブロック図。
図11】実施形態4のX線撮像装置の動作を示すフローチャート。
図12】実施形態4のX線撮像装置の監視カメラが撮影した画像と、画像から検出されたオプティカルフローを示す図。
図13】実施形態5のX線撮像装置の機能ブロック図。
図14】実施形態5のX線撮像装置の動作を示すフローチャート。
図15】実施形態5のX線撮像装置の監視カメラが撮影した画像と、画像から検出されたオプティカルフローを示す図。
図16】(a)実施形態5のX線撮像装置の監視カメラが撮影した画像を表示したモニター画面の図、(b)被検体の画像の顔領域を拡大して表示したモニター画面の図。
図17】実施形態6のX線撮像装置の機能ブロック図。
図18】実施形態6のX線撮像装置の動作を示すフローチャート。
図19】実施形態7のX線撮像装置の機能ブロック図。
図20】実施形態7のX線撮像装置の動作を示すフローチャート。
図21】実施形態7のX線撮像装置の監視カメラが撮影した画像と、画像から検出された骨格とX線照射部位を示す図。
図22】実施形態8のX線撮像装置の機能ブロック図。
図23】実施形態8のX線撮像装置の動作を示すフローチャート。
図24】実施形態8のX線撮像装置の監視カメラが撮影した画像と、画像から検出された骨格とX線照射部位を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態のX線照射装置について図面を用いて説明する。
【0015】
<実施形態1>
実施形態1のX線撮像装置1について図1図3を用いて説明する。図1(a)は、X線撮像装置1の正面図であり、図1(b)、(c)は、監視画像表示モニターに表示された画像である。図2は、X線撮像装置1の機能ブロック図である。図3は、監視カメラが撮影した画像と、画像から検出された骨格を示す図である。
【0016】
図1(a)に示すように、X線撮像装置1は、被検体10を搭載する天板80と、被検体10にX線を照射するX線照射装置11とを備えている。X線照射装置11は、X線支持部50によってスタンド70に対して支持されている。また、スタンド70には、X線支持部50を上下動させるX線上下動機構部60と、X線支持部50を天板80の長手方向に移動させる長手方向移動機構部(不図示)と、X線支持部50を天板80の短手方向に移動させるが短手方向移動機構部(不図示)と、X線支持部50の中心軸を、天板の短手方向を中心に傾斜させるX線傾斜機構部61と備えられている。また、X線支持部50内には、X線照射装置11を天板の長手方向を中心に回動させるX線回動機構部(不図示)が備えられている。X線支持部50には、被検体10を押圧する際に用いる押圧具62が備えられている。
【0017】
一方、天板80は、天板支持部81によりスタンド70に対して支持されている。
【0018】
天板支持部81の内部には、平面X線検出器12が配置されている。平面X線検出器12は、X線検出素子が2次元に配置された平面型の検出器である。X線検出器12は、X線照射装置11から照射され、被検体10を透過したX線を検出する。
【0019】
X線支持部50またはX線照射装置11には、被検体10を撮像する監視カメラ21が備えられている。監視カメラ21は、X線照射装置11から照射されるX線を遮らない位置に備えられている。監視カメラ21は、図1(b)のように天板80上の被検体10の全身が撮像されるように画角が設定されている。なお、監視カメラ21は、X線照射装置11のカバー(筐体)に固定されていてもよい。
【0020】
図2に示すように、平面X線検出器12には、X線画像生成部13が接続されている。X線画像生成部13は、X線検出器12の各X線検出素子がX線を検出して出力する信号を受け取ってX線画像(ここでは透視画像)を所定のフレームレートで生成する。X線画像生成部13には、透視画像表示モニター14が接続されている。透視画像は、透視画像表示モニター14に表示される。
【0021】
一方、監視カメラ21には、カメラ画像処理部20が接続されている。カメラ画像処理部20は、監視カメラ21から画像を受け取って、画像を処理する。具体的には、カメラ画像処理部20は、監視カメラ21から画像を受け取って、受け取った画像に含まれる複数の人物像の骨格を検出し、検出した骨格に基づいて複数の人物像のうち天板80に搭載されている被検体10の像を抽出する。カメラ画像処理部20は、抽出した被検体10の画像を、接続されている監視画像表示モニター15に表示する。
【0022】
カメラ画像処理部20は、画像取り込み部22、画像回転部23、被検体骨格判定部25、および、被検体領域抽出部26を含む。
【0023】
画像取り込み部22は、監視カメラ21が出力する画像21aを、予め定めた時間間隔で取り込む。予め定めた時間間隔としては、X線画像生成部13が生成する透視画像のフレームレートと同程度に設定することができる。
【0024】
画像21aは、天板80上の被検体の体軸が、画像の横軸になるように撮影された画像である。
【0025】
画像回転部23は、画像21aを予め定めておいた方向に90度回転させ、図3に示すように天板80上の被検体10の像の頭の位置が、画像21aの上部にくるようにする。天板80のどちら向きに被検体10の頭が来るように搭載するかは予め定められているので、回転させる方向は、天板80上の予め定められた頭の位置と、監視カメラ21の向きとによって予め定めることができる。
【0026】
骨格検出部24は、画像21aに写っているすべての骨格の特徴点(両耳、鼻、両目、両肩、両肘、両手首、両腰、両膝、両足首等)を図3のように抽出する。骨格検出部24はそれらの2次元座標を検出することにより、すべての骨格を検出する。骨格検出部24は、公知の姿勢検出アルゴリズムにより実現できる。例えば、Intel Corp提供のOpen VINO(登録商標)に含まれる姿勢推定アルゴリズムOpen Pose(登録商標)を用いることができる。
【0027】
被検体骨格判定部25は、骨格検出部24が検出した骨格の特徴点のなかから耳と両肩と両腰が検出されている人物をすべて、被検体候補40とする。耳と両肩と両腰が検出されている人物は、立っている人(例えば操作者30)であっても被検体候補40と認定する。
【0028】
被検体骨格判定部25は、各被検体候補について、骨格の中心線を算出する。具体的には、両肩の中点と両腰の中点と結ぶ線を算出し、この線を算出した線を骨格中心線135とする。被検体骨格判定部25は、算出した骨格中心線135と、画像回転部23が回転済みの画像21aの縦方向の中心線136との成す角度θを算出する。被検体骨格判定部25は、複数の被検体候補40の角度θを比較し、角度θが最も小さい被検体候補40と判定する。すなわち、骨格中心線135が、画像21aの中心線136に最も近いものを被検体10と判定する。
【0029】
被検体領域抽出部26は、画像21aにおいて、被検体10と判定した骨格とその周りの領域を図4のように抽出する。具体的には、被検体10の骨格の特徴点の座標に基づいて、被検体10が含まれる矩形の領域の左端、右端、上端および下端の座標を定め、矩形の領域を抽出する。例えば、回転させた画像21aを横方向をx軸、縦方向をy軸とした場合、検出した骨格の特徴点(両耳、鼻、両目、両肩、両肘、両手首、両腰、両膝、両足首)のうち、x軸方向について一番左側に位置する特徴点の座標から所定距離(例:30ピクセル)だけ左側の座標を領域の左端とし、x軸方向について一番右側に位置に特徴点の座標から所定距離(例:30ピクセル)だけ右側の座標を領域の右端とし、y軸方向について一番下側に位置する特徴点の座標から所定距離(例:30ピクセル)だけ下側の座標を領域の下端とする。また、両耳のうちy軸方向の下側に位置する耳のy座標をYe、両肩のうちy軸方向の上方に位置する肩のy座標をYsとすると、Ye-(Ys-Ye)の位置を領域の上端とする。被検体領域抽出部26は、矩形の領域を抽出し、抽出した被検体10の領域の画像を、予め定めた方向に90度回転させた後、監視画像表示モニター15に表示する。被検体領域抽出部26が被検体10の領域の画像を90度回転させる方向は、画像回転部23が画像21aを回転させる方向とは逆向きである。
【0030】
以下、カメラ画像処理部20の各部の動作を、図5のフローを用いて説明する。
【0031】
なお、カメラ画像処理部20の各部(22~26)の機能は、ソフトウエアにより実現することが可能である。その場合、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサーと、メモリとを備えたコンピュータ等によってカメラ画像処理部20を構成し、CPUが、メモリに格納されたプログラムを読み込んで実行することにより、それらの機能を実現する。また、カメラ画像処理部20の一部または全部を、ハードウエアにより構成することも可能である。例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のようなカスタムICや、FPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラマブルICを用いて、各部の機能を実現するように回路設計を行えばよい。
【0032】
(ステップ101)
画像取り込み部22は、監視カメラ21から画像21aを所定の時間間隔で取り込む(図1(b)参照)。画像取り込み部22が画像の取り込みを開始するタイミングは、操作者からの開始指示を受けたタイミングであってもよいし、内視鏡画像表示モニター16に内視鏡画像の表示が開始されたタイミングでもよい。
【0033】
(ステップ102)
画像回転部23は、画像21aを予め定めておいた方向に90度回転させる。これにより、天板80上の予め定めた被検体10の頭が搭載される端部が、画像21aの上部に配置される。
【0034】
(ステップ103)
骨格検出部24は、画像21aに写っているすべての骨格の特徴点(両耳、鼻、両目、両肩、両肘、両手首、両腰、両膝、両足首等)を抽出し、それらの2次元座標を検出する(図3参照)。
【0035】
(ステップ104、105)
被検体骨格判定部25は、骨格検出部24が検出した骨格のなかから耳と両肩と両腰が検出されている人物がいるか判定し、被検体候補40に認定する。
【0036】
(ステップ106)
被検体骨格判定部25は、ステップ105で認定した被検体候補40について、両肩の中点と両腰の中点と結ぶ骨格中心線135を算出する(図3参照)。
【0037】
(ステップ107)
被検体骨格判定部25は、算出した骨格中心線135と、ステップ102において回転済みの画像21aの縦方向の中心線136との成す角度θを算出する(図3参照)。
【0038】
(ステップ108、109)
被検体骨格判定部25は、ステップ107で算出した被検体候補40の角度θと、内蔵するメモリ25aに格納されている被検体候補の角度θを比較する。メモリ25a内の角度θよりもステップ107で算出した角度θが小さい場合、ステップ107で算出した角度θを、メモリ25a内の角度θに上書きして保存(更新)するとともに、ステップ107で角度θを算出した被検体候補40の特徴点の座標をメモリ25aの被検体候補に上書きして更新する。なお、最初の被検体候補40は、メモリ25aに角度θが格納されていない状態であるので、比較することなく、ステップ107で算出した角度θと被検体候補40をメモリ25aに格納する。
【0039】
(ステップ110、111)
被検体骨格判定部25は、ステップ103で検出された骨格の中で、ステップ104の判定を行っていない骨格があるか判定し、ステップ104の判定を行っていない骨格がある場合、ステップ104に戻り、耳と両肩と両腰が検出されているか判定を行って、ステップ105~109を繰り返す。一方、ステップ110において、ステップ104の判定を行っていない骨格がない場合、ステップ111に進み、現在メモリ25aに格納されている被検体10の骨格の周囲の領域の画像を抽出する(図4参照)。
【0040】
(ステップ112)
被検体骨格判定部25は、ステップ111において抽出した被検体10の領域の画像を、ステップ102とは逆方向に90度回転させて、監視画像表示モニター15に表示させる(図1(c)参照)。
【0041】
実施形態1のX線撮像装置は、IVR(Interventional Radiology)において、透視画像表示モニター14や内視鏡画像表示モニター16と並べて、監視画像表示モニター15を配置することにより、医師は、透視画像や内視鏡画像をモニター14,16において観察しながら、すぐ横の監視画像表示モニター15にわずかに視線を移動させるのみで、被検体10の状況を視認することができる。これにより、医師が、モニター14,16から天板80上の被検体10へと視線を落とすことなく、被検体10を視認することができる。
【0042】
監視画像表示モニター15に表示される画像は、被検体10の骨格およびその周囲領域の画像であるので、監視カメラ画像に、被検体10以外の医師や技師や看護師が映り込んでいても、被検体10のみを監視画像表示モニター15で確認できる。よって、医師は、監視画像表示モニター15によって瞬時に患者の状況が把握することができる。
【0043】
また、監視カメラ21はX線支持部50またはX線照射装置11に備えられているため、手技の進行に伴って、操作者が、X線照射装置11の位置や向きを移動させた場合であっても、監視カメラ21は、X線照射装置11に追随する。よって、監視カメラ21により常に被検体10を撮影することができる。
【0044】
<実施形態2>
実施形態2のX線撮像装置について説明する。
【0045】
実施形態1のX線撮像装置は、画像21a中の骨格中心線135と画像中心線136とのなす角が最も小さい骨格を被検体10と判定する構成であったが、実施形態2のX線撮像装置は、画像21a上の骨格(たとえば肩幅)が最も大きいものを被検体10と判定する。
【0046】
これにより、実施形態2の画像処理装置は、カメラ画像処理部20の計算量が、実施形態1よりも少なく処理が高速である。
【0047】
実施形態2のX線撮像装置の構成は、実施形態1と同様であるが、カメラ画像処理部20の被検体骨格判定部25の動作が実施形態1とは異なっている。以下、カメラ画像処理部20の動作を実施形態1とは異なる点を中心に図6のフローを用いて説明する。
【0048】
(ステップ101~103)
画像取り込み部22は、監視カメラ21から画像を取り込み、画像回転部23は、画像21aを90度回転させる。骨格検出部24は、画像21aに写っているすべての骨格の特徴点を抽出する。
【0049】
(ステップ204、205)
被検体骨格判定部25は、骨格検出部24が検出した骨格のなかから耳と両肩が検出されている人物がいるか判定し、被検体候補40に認定する。実施形態2では、実施形態1とは異なり、両腰の検出を判定の要件としていない。
【0050】
(ステップ206)
被検体骨格判定部25は、ステップ205で認定した被検体候補40について、両肩の間の距離(肩幅)Wを算出する(図7参照)。
【0051】
(ステップ207、208)
被検体骨格判定部25は、ステップ206で算出した被検体候補40の肩幅Wと、内蔵するメモリ25aに格納されている被検体候補の肩幅Wを比較する。メモリ25a内の肩幅Wよりもステップ206で算出した肩幅Wが大きい場合、ステップ206で算出した肩幅Wを、メモリ25a内の肩幅Wに上書きして保存(更新)するとともに、ステップ206で肩幅Wを算出した被検体候補40の特徴点の座標をメモリ25aの被検体候補に上書きして保存して更新する。なお、最初の被検体候補40は、メモリ25aに肩幅Wが格納されていない状態であるので、比較することなく、ステップ206で算出した肩幅Wと被検体候補40をメモリ25aに格納する。
【0052】
(ステップ110~112)
被検体骨格判定部25は、ステップ103で検出された骨格の中で、ステップ204の判定を行っていない骨格があるか判定し、判定を行っていない骨格がある場合、ステップ204に戻る。一方、ステップ110において、判定を行っていない骨格がない場合、ステップ111に進み、現在メモリ25aに格納されている被検体10の骨格の周囲の領域の画像を抽出し、所定の方向に90度回転させて、監視画像表示モニター15に表示させる。
【0053】
実施形態2のX線撮像装置は、被検体候補40の画像21a上の体の大きさによって、被検体10かどうかを判定するため、実施形態1よりも少ない計算量で被検体の判定をすることができる。
【0054】
また、実施形態2のX線撮像装置は、腰の骨格を被検体10の判定に用いないため、IVR(Interventional Radiology)の最中において被検体10の腰が布等で覆われて監視カメラ21により撮影されない場合であっても、被検体10を判定できる。
【0055】
他の構成及び効果は、実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0056】
<実施形態3>
実施形態3のX線撮像装置について説明する。
【0057】
実施形態1のX線撮像装置は、画像21a中の骨格中心線135と画像中心線136とのなす角により被検体10を判定するため、被検体10と、操作者や医師が同じ向きを向いている場合、被検体10を検出するのが難しい。
【0058】
一方、実施形態2では、画像21a中の骨格の大きさによって被検体を判定するため、小児など、体の小さい被検体10の場合に検出が難しい。
【0059】
そこで、実施形態3のX線撮像装置は、画像21aの中心からの骨格までの距離と、両肩を結ぶ線の角度で被検体を判定する。
【0060】
実施形態3のX線撮像装置の構成は、実施形態1と同様であるが、カメラ画像処理部20の被検体骨格判定部25の動作が実施形態1とは異なっている。以下、カメラ画像処理部20の動作を実施形態1とは異なる点を中心に図8のフローを用いて説明する。
【0061】
(ステップ101~103)
画像取り込み部22は、監視カメラ21から画像を取り込み、画像回転部23は、画像21aを90度回転させる。骨格検出部24は、画像21aに写っているすべての骨格の特徴点を抽出する。
【0062】
(ステップ304、305)
被検体骨格判定部25は、骨格検出部24が検出した骨格のなかから耳と両肩が検出されている人物がいるか判定し、被検体候補40に認定する。
【0063】
(ステップ306)
被検体骨格判定部25は、ステップ305で認定した被検体候補40について、両肩を結ぶ線の中点Osと、ステップ102で回転済みの画像21aの中心Oiとの距離Lを算出する(図9参照)。
【0064】
(ステップ307)
被検体骨格判定部25は、ステップ305で認定した被検体候補40について、両肩を結ぶ線45と、画像の水平方向に対する角度δを算出する(図9参照)。
【0065】
(ステップ308、309)
被検体骨格判定部25は、ステップ306で算出した距離L、および、ステップ308で算出した角度δが、内蔵するメモリ25aに格納されている被検体候補の距離Lおよび角度δよりもそれぞれ小さいか判定する。小さい場合、ステップ306、307で算出した距離Lおよび角度δを、メモリ25a内の距離Lおよび角度δに上書きして保存(更新)するとともに、ステップ306、307で距離Lおよび角度δを算出した被検体候補40の特徴点の座標をメモリ25aの被検体候補に上書きして保存して更新する。
【0066】
なお、ここでは、距離L、および、角度δの両方が、他の被検体候補よりも小さい人物像を被検体10の像と判定しているが、距離L、および、角度δのうちの一方が他の被検体候補よりも小さい人物像を被検体10の像と判定してもよい。
【0067】
(ステップ110~112)
被検体骨格判定部25は、ステップ103で検出された骨格の中で、ステップ204の判定を行っていない骨格があるか判定し、判定を行っていない骨格がある場合、ステップ204に戻る。一方、ステップ110において、判定を行っていない骨格がない場合、ステップ111に進み、現在メモリ25aに格納されている被検体10の骨格の周囲の領域の画像を抽出し、所定の方向に90度回転させて、監視画像表示モニター15に表示させる。
【0068】
これにより、操作者や医師が、被検体10と同じ向きを向いている場合や、被検体10の体が小さい場合でも、精度よく被検体10を検出して画像を抽出し、監視画像表示モニター15に表示することができる。
【0069】
<実施形態4>
実施形態4のX線撮像装置について説明する。
【0070】
実施形態4のX線撮像装置は、実施形態1~3のいずれかにより抽出した被検体10の画像をさらに処理することにより、被検体10の麻酔切れを検出する。
【0071】
実施形態4のX線撮像装置は、図10のように実施形態1~3のX線撮像装置の構成に加えて、カメラ画像処理部20内にオプティカルフロー検出部27とオプティカルフロー判定部28とを備えている。オプティカルフロー判定部28には、アラーム音発生部29が接続されている。
【0072】
実施形態4のX線撮像装置のカメラ画像処理部20は、実施形態1の図5のフロー、実施形態2の図6のフローおよび実施形態3の図8のフローの動作を実行して被検体10の骨格の周囲の領域の画像を抽出した後、図11のステップ113~116を実行する。具体的に、以下説明する。
【0073】
(ステップ101~112)
カメラ画像処理部20は、実施形態1の図5のフロー、実施形態2の図6のフローおよび実施形態3の図8のフローのうちいずれかの動作を実行する。このとき、被検体骨格判定部25は、ステップ102で被検体10の骨格の周囲の領域の画像を抽出し、表示するとともに、メモリ25aに格納する。また、画像回転部23は、ステップ102で回転させた画像21aを内蔵するメモリに格納する。
【0074】
(ステップ113)
オプティカルフロー検出部27は、ステップ102において回転させた画像21aと、その取得タイミングよりも所定時間前のタイミングで取得して回転させた画像21aとの間の対応する画素の移動量(オプティカルフロー)を画素ごとに演算により求める(図12参照)。
【0075】
(ステップ114)
オプティカルフロー判定部28は、ステップ111で抽出した被検体の骨格の周囲の領域にオプティカルフローは検出されたかどうか判定する。被検体の骨格の周囲の領域にオプティカルフローが検出された場合、ステップ115に進む。
【0076】
(ステップ115)
オプティカルフロー判定部28は、被検体と判定した骨格の周りの領域内の画素について、オプティカルフロー(移動量)が閾値を超えた画素が所定数以上ある場合、アラーム音を鳴らす。
【0077】
このように、実施形態5によれば、被検体10の画像を抽出して表示するのみならず、被検体10に動きがあるかどうかを検出し、動きがある場合には、麻酔切れの可能性があるとしてアラームを鳴らすことができる。
【0078】
なお、アラーム音の代わりに、表示や光により警報を発する構成としてもよい。
【0079】
<実施形態5>
実施形態5のX線撮像装置について説明する。
【0080】
実施形態5のX線撮像装置は、被検体10の画像の顔領域を拡大して表示する機能を備えている。拡大された被検体10の顔を医師が監視画像表示モニター15で視認することにより、医師が被検体の状態を監視しやすくなる。
【0081】
実施形態5のX線撮像装置は、図13のように実施形態1~3のX線撮像装置の構成に加えて、カメラ画像処理部20内に被検者顔領域検出部31と被検者顔領域拡大部32とを備えている。
【0082】
実施形態5のX線撮像装置のカメラ画像処理部20は、実施形態1の図5のフロー、実施形態2の図6のフローおよび実施形態3の図8のフローの動作を実行して被検体10の骨格の周囲の領域の画像を抽出した後、図14のステップ117~119を実行する。具体的に、以下説明する。
【0083】
(ステップ101~112)
カメラ画像処理部20は、実施形態1の図5のフロー、実施形態2の図6のフローおよび実施形態3の図8のフローのうちいずれかの動作を実行し、被検体の骨格の周囲の領域を抽出し、監視画像表示モニター15に表示する。
【0084】
(ステップ117)
被検者顔領域検出部31は、ステップ111において抽出した被検体10の画像の両肩と耳の位置により、被検体10の顔領域141を図15のように検出する。具体的には、被検体10の画像の左肩のX座標を、顔領域141の画像の左端とし、右肩のX座標を顔領域141の画像の右端とし、両肩のいずれかのY座標を顔領域141の画像の下端とし、Y方向において顔領域141の下端から耳までの距離の2倍の距離だけY方向に上方の位置を上端とする四角形の領域を、被検体10の顔領域141として抽出する。
【0085】
(ステップ118)
被検者顔領域拡大部32は、監視画像表示モニター15の画面の隅に拡大ボタン142を表示する(図16(a)参照)。医師が拡大ボタン142を押した(またはクリック等した)ならば、顔領域141を所定の倍率で拡大して監視画像表示モニター15に表示する(図16(b)参照)。拡大倍率は、顔領域141の大きさに応じて、顔領域141が監視画像表示モニター15の全体に表示されるように被検者顔領域拡大部32が算出した倍率であってもよいし、予め定めた倍率であってもよい。
【0086】
実施形態5によれば、透視画像表示モニター14の透視画像や内視鏡画像表示モニター16の内視鏡画像を見ながら手技を行っている医師は、監視画像表示モニター15に視線を移動させるだけで、被検体10の顔を視認することができる。よって、医師は、被検体10の顔を直接見るためには、視線を大きく落とす必要がなく、手技を継続できるとともに、被検体10の様子の変化も早期に気づくことができる。
【0087】
<実施形態6>
実施形態6のX線撮像装置について説明する。
【0088】
実施形態6のX線撮像装置は、被検体10が天板80から落下しそうになっているかどうかを判定し、落下しそうになっている場合、アラーム音を鳴らす機能を備えている。これにより、被検体10が、麻酔の影響による体動により天板80から落下する可能性があることを医師に対して警告することができ、落下を防止する。
【0089】
実施形態6のX線撮像装置は、図17のように実施形態1~3のX線撮像装置の構成に加えて、カメラ画像処理部20内に肩・腰ずれ量算出部33と落下可能性判定部34とを備えている。
【0090】
実施形態6のX線撮像装置のカメラ画像処理部20は、実施形態1の図5のフロー、実施形態2の図6のフローおよび実施形態3の図8のフローの動作を実行して被検体10の骨格の周囲の領域の画像を抽出した後、図18のステップ120~122を実行する。具体的に、以下説明する。
【0091】
(ステップ101~112)
カメラ画像処理部20は、実施形態1の図5のフロー、実施形態2の図6のフローおよび実施形態3の図8のフローのうちいずれかの動作を実行し、被検体の骨格の周囲の領域を抽出し、監視画像表示モニター15に表示する。
【0092】
(ステップ120)
肩・腰ずれ量算出部33は、被検体骨格判定部25が判定した被検体10の肩と腰の座標と、前フレームについて判定した被検体10の肩と腰の座標を、メモリ25aから読み出して、フレーム間のずれ量を算出する。なお、ずれ量を算出する対象は、前フレームに限らず、予め定めた数だけ前のフレームであってもよい。
【0093】
(ステップ120、121)
落下可能性判定部34は、ステップ120が算出したずれ量が予め定めた閾値以上であるか判定し、閾値以上である場合、アラームを鳴らす。
【0094】
なお、実施形態6では、肩と腰の両方のずれ量を算出したが、いずれか一方のみであってもよい。
【0095】
また、アラームを鳴らす代わりに、表示や光により警報を発する構成としてもよい。
【0096】
<実施形態7>
実施形態7のX線撮像装置について説明する。
【0097】
実施形態7のX線撮像装置は、実施形態1~3のいずれかにより検出された被検体の骨格に基づいて、X線の照射領域が被検体のどの部位であるかを判定し、被検体の部位に応じて適した照射条件や画像生成の際のパラメータを適した値に設定する。
【0098】
実施形態7のX線撮像装置は、図19のように実施形態1~3のX線撮像装置の構成に加えて、カメラ画像処理部20内にX線照射領域判定部35とX線照射条件・画像生成パラメータ算出部36とを備えている。
【0099】
実施形態7のX線撮像装置のカメラ画像処理部20は、実施形態1の図5のフロー、実施形態2の図6のフローおよび実施形態3の図8のフローの動作を実行して被検体10の骨格の周囲の領域の画像を抽出した後、図20のステップ123~126を実行する。具体的に、以下説明する。
【0100】
(ステップ101~112)
カメラ画像処理部20は、実施形態1の図5のフロー、実施形態2の図6のフローおよび実施形態3の図8のフローのうちいずれかの動作を実行し、被検体の骨格の周囲の領域を抽出し、監視画像表示モニター15に表示する。
【0101】
(ステップ123)
X線照射領域判定部35は、X線照射装置11から焦点検出器間距離(SID)を受け取るとともに、X線傾斜機構部61、X線上下動機構部60、および、天板移動機構部82から移動量を受け取って、天板80とX線照射装置11内のX線源の位置関係を算出し、画像21a内のX線照射領域を算出する。
【0102】
(ステップ124)
さらに、X線照射領域判定部35は、被検体骨格判定部25から被検体10の骨格の座標を受け取り、X照射領域内に被検体のどの部位が入っているか判定し、被検体10のX線照射部位211(例えば、首部、胸部、腹部、腰部、大腿部等)を求める(図21参照)。
【0103】
(ステップ125)
X線照射条件・画像生成パラメータ算出部36は、内蔵するテーブルを参照し、ステップ123で求めたX線照射部位211に適したX線照射条件(例えば、管電流・管電圧)と、画像生成パラメータとを算出する。
【0104】
(ステップ126)
X線照射条件・画像生成パラメータ算出部36は、X線照射装置11にX線照射条件を設定し、X線画像生成部13に画像生成パラメータを設定する。
【0105】
実施形態7によれば、被検体10の骨格の位置から照射野に入っている部位を検出し、適したX線量を照射することができるとともに、適したパラメータ値により透視画像を生成することができる。よって、透視画像のハレーション等を防ぎ、画質向上を図ることができる。
【0106】
<実施形態8>
実施形態8のX線撮像装置について説明する。
【0107】
実施形態8のX線撮像装置は、実施形態1~3のいずれかにより検出された被検体の骨格に基づいて、医師が指定した部位にX線照射装置11を自動で移動させる機能を備えている。
【0108】
実施形態8のX線撮像装置は、図22のように実施形態1~3のX線撮像装置の構成に加えて、カメラ画像処理部20内にX線照射領域判定部35と差分算出部37とを備えている。
【0109】
実施形態8のX線撮像装置のカメラ画像処理部20は、実施形態1の図5のフロー、実施形態2の図6のフローおよび実施形態3の図8のフローの動作を実行して被検体10の骨格の周囲の領域の画像を抽出した後、図23のステップ127~131を実行する。具体的に、以下説明する。
【0110】
(ステップ101~112)
カメラ画像処理部20は、実施形態1の図5のフロー、実施形態2の図6のフローおよび実施形態3の図8のフローのうちいずれかの動作を実行し、被検体の骨格の周囲の領域を抽出し、監視画像表示モニター15に表示する。
【0111】
(ステップ127)
X線照射領域判定部35は、X線照射装置11から焦点検出器間距離(SID)を受け取るとともに、X線傾斜機構部61、X線上下動機構部60、および、天板移動機構部82から移動量を受け取って、天板80とX線照射装置11内のX線源の位置関係を算出し、画像21a内のX線照射領域240を算出する(図24参照)。
【0112】
(ステップ128)
差分算出部37は、医師から被検体10の撮像指定部位242(例えば、首部、胸部、腹部、腰部、大腿部、膝、胃等)を受け付ける。
【0113】
(ステップ128)
さらに、差分算出部37は、被検体骨格判定部25から被検体10の骨格の座標を受け取り、画像21a内の被検体の骨格の座標から撮像指定部位242の座標を算出する(図24参照)。
【0114】
(ステップ125)
差分算出部37は、ステップ127で算出したX線照射領域240の中心241と、ステップ128で算出した撮像指定部位242の中心との座標の差分を算出する。
算出する。
【0115】
(ステップ126)
差分算出部37は、X線傾斜機構部61、X線上下動機構部60および天板移動機構部82の1以上に対して、ステップ125で算出した差分に対応する移動量を設定する。これにより、X線照射装置11は天板80に対して相対的に移動し、X線照射領域240の中心241が撮像指定部位242の中心に一致する。
【0116】
実施形態8によれば、X線を照射して透視画像を撮影しながら、医師が透視画像を見てX線照射装置11を天板80に対して相対的に移動させる必要がないため、被検体10や医師のX線被ばく量が低減する。
【0117】
また、医師が所望の部位に被検体10およびX線照射装置11をポジショニングする手間を省くことができる。
【符号の説明】
【0118】
1 X線撮像装置
10 被検体
11 X線照射装置
12 平面X線検出器
13 X線画像生成部
14 透視画像表示モニター
15 監視画像表示モニター
16 内視鏡画像表示モニター
20 カメラ画像処理部
21 監視カメラ
21a 画像
22 画像取り込み部
23 画像回転部
24 骨格検出部
25 被検体骨格判定部
25a メモリ
26 被検体領域抽出部
27 オプティカルフロー検出部
28 オプティカルフロー判定部
29 アラーム音発生部
30 操作者
31 被検者顔領域検出部
32 被検者顔領域拡大部
33 肩・腰ずれ量算出部
34 落下可能性判定部
35 X線照射領域判定部
36 画像生成パラメータ算出部
37 差分算出部
40 被検体候補
45 両肩を結ぶ線
50 X線支持部
60 X線上下動機構部
61 X線傾斜機構部
62 押圧具
70 スタンド
80 天板
81 天板支持部
82 天板移動機構部
135 骨格中心線
136 画像中心線
141 顔領域
142 拡大ボタン
211 X線照射部位
240 X線照射領域
241 中心
242 撮像指定部位
L 距離
W 肩幅
Oi 中心
Os 中点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24