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特開2024-170150画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170150
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/32 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
H04N1/32 144
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087154
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】井上 美佳
(57)【要約】
【課題】画像データを出力する画像処理装置において、誤りが検知された画像データの出力を抑制するとともに、画像データの誤りをユーザが確認できるようにする。
【解決手段】画像処理装置は、画像データにおける文字、単語、又は文章の誤りを検知する検知部と、前記誤りが検知された場合、検知された前記誤りの情報を、前記画像データが表す画像では視認できない、又は視認が困難な不可視情報として前記画像データに付加する情報付加部と、前記画像データの出力を制御する出力制御部であって、前記検知部による前記誤りの検知結果、又は前記不可視情報に基づいて、前記誤りが検知された前記画像データの出力方法を変更する出力制御部と、を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データにおける文字、単語、又は文章の誤りを検知する検知部と、
前記誤りが検知された場合、検知された前記誤りの情報を、前記画像データが表す画像では視認できない、又は視認が困難な不可視情報として前記画像データに付加する情報付加部と、
前記画像データの出力を制御する出力制御部であって、前記検知部による前記誤りの検知結果、又は前記不可視情報に基づいて、前記誤りが検知された前記画像データの出力方法を変更する出力制御部と、
を有する、画像処理装置。
【請求項2】
前記出力制御部は、前記誤りの情報、又は前記不可視情報に基づいて、前記誤りが検知された前記画像データを、所定のフォルダに仕分けする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記出力制御部は、前記誤りの情報、又は前記不可視情報に基づいて、前記誤りが検知された前記画像データの出力を中止、又は保留する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記出力制御部は、前記誤りの情報、又は前記不可視情報に基づいて、前記誤りが検知された前記画像データを出力する前に、前記画像データに前記誤りが検知されたことをユーザに通知する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記出力制御部は、前記誤りの情報、又は前記不可視情報に基づいて、前記画像データの誤りを修正し、
前記情報付加部は、前記画像データの誤りを修正したことを示す修正情報を、前記不可視情報として前記画像データに付加する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
原稿をスキャンして前記画像データを生成する読取部を有し、
前記検知部は、前記画像データにおける文字を認識してテキストデータに変換するOCR処理の処理結果を用いて、前記誤りを検知し、
前記出力制御部は、前記画像データの配信、又は前記画像データの印刷を制御する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像データを印刷する印刷部を有し、
前記検知部は、前記画像データのスペルチェック結果を用いて、前記誤りを検知し、
前記出力制御部は、前記画像データの印刷を制御する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記情報付加部は、検知された前記誤りの情報を、前記画像データのメタデータとして付加し、
前記誤りの情報は、前記誤りの有無、前記誤りの数、前記誤りの範囲、及び前記誤りの内容のうち、1つ以上の情報を含む、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像処理装置が、
画像データにおける文字、単語、又は文章の誤りを検知する検知処理と、
前記誤りが検知された場合、検知された前記誤りの情報を、前記画像データが表す画像では視認できない、又は視認が困難な不可視情報として前記画像データに付加する情報付加処理と、
前記画像データの出力を制御するとともに、前記検知処理による前記誤りの検知結果、又は前記不可視情報に基づいて、前記誤りが検知された前記画像データの出力方法を変更する出力制御処理と、
を実行する、画像処理方法。
【請求項10】
画像データにおける文字、単語、又は文章の誤りを検知する検知処理と、
前記誤りが検知された場合、検知された前記誤りの情報を、前記画像データが表す画像では視認できない、又は視認が困難な不可視情報として前記画像データに付加する情報付加処理と、
前記画像データの出力を制御するとともに、前記検知処理による前記誤りの検知結果、又は前記不可視情報に基づいて、前記誤りが検知された前記画像データの出力方法を変更する出力制御処理と、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
原稿をスキャンして画像データを生成し、生成した画像データを所定の配信先に配信するスキャン機能、及び画像データを印刷する印刷機能等を備えた画像形成装置(画像処理装置)が普及している。
【0003】
また、OCR(Optical Character Recognition/Reader)で文字認識された文字データを編集用データに加工する作業において、誤読取される可能性がある文字を正字に自動変換する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像処理装置が出力(配信、又は印刷)する画像データにおける文字、単語、又は文章等の誤りを検知し、誤りが検知された画像データの出力を抑制するとともに、画像データの誤りをユーザが確認できるようにしたいという要求がある。
【0005】
例えば、特許文献1に開示された技術を適用することにより、誤読取りされる可能性がある文字を正字に変換し、誤りが検知された画像データの出力を抑制することができるが、画像データの誤りをユーザが確認することができないという問題がある。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、画像データを出力する画像処理装置において、誤りが検知された画像データの出力を抑制するとともに、画像データの誤りをユーザが確認できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る画像処理装置は、画像データにおける文字、単語、又は文章の誤りを検知する検知部と、前記誤りが検知された場合、検知された前記誤りの情報を、前記画像データが表す画像では視認できない、又は視認が困難な不可視情報として前記画像データに付加する情報付加部と、前記画像データの出力を制御する出力制御部であって、前記検知部による前記誤りの検知結果、又は前記不可視情報に基づいて、前記誤りが検知された前記画像データの出力方法を変更する出力制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、画像データを出力する画像処理装置において、誤りが検知された画像データの出力を抑制するとともに、画像データの誤りをユーザが確認できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る画像処理システムのシステム構成の例を示す図(1)である。
図2】一実施形態に係る画像処理システムのシステム構成の例を示す図(2)である。
図3】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
図4】一実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。
図5】一実施形態に係る画像形成装置の機能構成の例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る配信処理の例を示すフローチャート(1)である。
図7】一実施形態に係る画像データに付加する情報について説明するための図である。
図8】一実施形態に係るOCR結果の例について説明するための図である。
図9】第1の実施形態に係る配信処理の例を示すフローチャート(2)である。
図10】第2の実施形態に係る印刷処理の例を示すフローチャート(1)である。
図11】第2の実施形態に係る出力処理の例を示すフローチャート(2)である。
図12】第3の実施形態に係る出力処理の例を示すフローチャートである。
図13】第3の実施形態に係る出力処理の一例について説明するための図である。
図14】一実施形態に係る画像処理システムの機能構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態(本実施形態)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
<システム構成>
図1は、一実施形態に係る画像処理システムのシステム構成の例を示す図(1)である。図1の例では、画像処理システム1は、例えば、インターネット、及びLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNに接続された、サーバ装置10、ユーザ端末20、及び画像形成装置100を含む。
【0012】
サーバ装置10は、例えば、コンピュータの構成を備えた情報処理装置、又は複数のコンピュータによって構成されるシステムである。サーバ装置10は、例えば、ユーザが利用するユーザ端末20から送信された印刷ジョブを受信し、受信した印刷ジョブを記憶部等に記憶して管理する。また、サーバ装置10は、ユーザがログインした画像形成装置100からの要求に応じて、当該ユーザが登録した印刷ジョブの一覧、又は印刷ジョブ等を画像形成装置100に提供する。また、サーバ装置10は、予め登録されたユーザ宛の画像データ(画像形成装置100でスキャンしたスキャン画像等)を格納するフォルダを有している。
【0013】
ユーザ端末20は、ユーザが利用する、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末、又はスマートフォン等の情報処理装置である。ユーザ端末20は、ユーザによる操作に従って、印刷対象となる文書データ、画像データ、又は印刷データ等の印刷対象データと、印刷情報とを含む印刷ジョブを、サーバ装置10に登録することができる。また、ユーザ端末20は、ユーザによる操作に従って、サーバ装置10のユーザ宛のフォルダに格納された画像データを取得することができる。
【0014】
画像形成装置(画像処理装置)100は、印刷機能、又はスキャン機能等の画像形成機能を有する、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)、プリンタ、又はスキャナ等の画像処理装置である。ここでは、画像形成装置100が、印刷機能、及びスキャン機能を有するMFPであるものとして以下の説明を行う。なお、画像形成装置100は、本実施形態に係る画像処理装置の一例である。
【0015】
ユーザは、例えば、画像形成装置100を用いて、当該ユーザがサーバ装置10に登録した印刷ジョブの一覧を表示し、印刷ジョブ一覧から印刷ジョブを選択することにより、印刷対象データを印刷することができる。
【0016】
また、ユーザは、例えば、画像形成装置100の操作画面で、宛先のユーザを指定し、画像形成装置100で原稿をスキャンすることにより、スキャンしたスキャン画像等を、サーバ装置10の宛先のユーザのフォルダに配信することができる。
【0017】
なお、図1に示した画像処理システム1のシステム構成は一例である。例えば、サーバ装置10は、物理マシン(コンピュータ)に限られず、クラウド上の仮想マシン等によって実現されるものであってもよい。また、画像処理システム1に示すように、サーバ装置10を有していなくてもよい。
【0018】
図2の例では、ユーザ端末20と、画像形成装置100とが、通信ネットワークNを介して通信可能に接続されている。この場合、ユーザ端末20は、ユーザによる操作に従って、印刷対象となる文書データ、画像データ、又は印刷データ等の印刷対象データと、印刷情報とを含む印刷ジョブを画像形成装置100に送信することができる。また、画像形成装置100は、ユーザ端末20から受信した印刷ジョブに基づいて、印刷対象データを印刷する印刷処理を実行する。さらに、画像形成装置100は、ユーザが、画像形成装置100でスキャンしたスキャン画像等を、ユーザ端末20の所定のフォルダに配信することができる。
【0019】
なお、図1、2に示した画像処理システム1のシステム構成は一例である。画像処理システム1が、ユーザが、画像形成装置100を利用して画像データを印刷(出力)する印刷処理、又は画像形成装置100でスキャンした画像データを配信(出力)する処理を行えるものであればよい。例えば、図2において、ユーザ端末20と画像形成装置100は、有線ケーブル等で通信可能に接続されていてもよい。また、画像処理システム1は、画像形成装置100だけで構成されるものであってもよい。
【0020】
(処理の概要)
画像形成装置100が出力(配信、又は印刷)する画像データにおける文字、単語、又は文章等の誤りを検知し、誤りが検知された画像データの出力を抑制するとともに、画像データの誤りをユーザが確認できるようにしたいという要求がある。
【0021】
例えば、特許文献1に開示された技術を適用することにより、誤読取りされる可能性がある文字を正字に変換し、誤りが検知された画像データの出力を抑制することができる。しかし、この方法では、画像データの誤りをユーザが確認することは困難である。また、この方法を、印刷処理に適用することは困難である。
【0022】
そこで、本実施形態に係る画像形成装置100は、画像データにおける文字、単語、又は文章の誤りを検知し、検知された誤りの情報を、画像データが表す画像では視認できない、又は視認が困難な不可視情報として、画像データに付加する。
【0023】
一例として、画像形成装置100は、検知された誤りの情報を、画像データのメタデータとして付加する。ここで、メタデータとは、画像データに関連する様々な情報を記述したデータである。なお、メタデータは、書誌情報、又は書誌データ等と呼ばれる場合もある。メタデータには、例えば、画像データのプロパティ情報、又はJPEGファイルのヘッダー情報(又はタグ情報)等が含まれる。
【0024】
別の一例として、画像形成装置100は、検知された誤りの情報を、公知の電子透かしの技術を用いて、画像データに付加してもよい。
【0025】
また、画像形成装置100は、画像データの誤りの検知結果、又は画像データに付加された不可視情報に基づいて、誤りが検知された画像データの出力方法を変更する。例えば、画像形成装置100は、誤りが検知された画像データを所定のフォルダに仕分けしてもよい。また、画像形成装置100は、誤りが検知された画像データの出力を中止、又は保留してもよい。さらに、画像形成装置100は、誤りが検知された画像データを出力する前に、アラートを出力してもよい。さらにまた、画像形成装置100は、画像データを出力するか、出力を中止するかを選択する選択画面をユーザに提示してもよい。
【0026】
また、画像形成装置100は、例えば、特許文献1に開示された技術のように、辞書データ等の正しい情報を使って、誤りが検知された文字、単語、文章等を、正しく修正し、修正した画像データ(スキャン画像等)を、所定の配信先に配信してもよい。
【0027】
これにより、画像データを出力する画像形成装置(画像処理装置)100において、誤りが検知された画像データの出力を抑制するとともに、画像データの誤りをユーザが確認できるようになる。例えば、ユーザは、出力を中止した画像データ、又は所定のフォルダに仕分けされた画像データのメタデータを、所定のビューア(viewer)、又は画像形成装置100のビューワ機能等で確認することにより、画像データの誤りを確認することができる。
【0028】
また、本実施形態では、検知された誤りの情報を、画像データが表す画像では視認できない、又は視認が困難な不可視情報として画像データに付加するので、ユーザの判断に応じて、誤りが検知された画像データをそのまま出力することができる。
【0029】
<ハードウェア構成>
(サーバ装置、及びユーザ端末のハードウェア構成)
サーバ装置10、及びユーザ端末20は、例えば、図3に示すようなコンピュータ300のハードウェア構成を有している。なお、サーバ装置10は、複数のコンピュータ300によって構成されるものであってもよい。
【0030】
図3は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ300は、例えば、図3に示されるように、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HD(Hard Disk)304、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ305、ディスプレイ306、外部機器接続I/F(Interface)307、ネットワークI/F308、キーボード309、ポインティングデバイス310、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ312、メディアI/F314、及びバスライン315等を備えている。
【0031】
これらのうち、CPU301は、コンピュータ300全体の動作を制御する。ROM302は、例えば、IPL(Initial Program Loader)等のコンピュータ300の起動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、例えば、CPU301のワークエリア等として使用される。HD304は、例えば、OS(Operating System)、アプリケーション、プリンタドライバ等のプログラムや、各種のデータを記憶する。HDDコントローラ305は、例えば、CPU301の制御に従ってHD304に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0032】
ディスプレイ306は、例えば、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F307は、コンピュータ300に各種の外部機器を接続するインタフェースである。ネットワークI/F308は、コンピュータ300を、通信ネットワークNに接続するインタフェースである。キーボード309は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス310は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行なう入力手段の一種である。
【0033】
DVD-RWドライブ312は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW311に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RW311は、DVD-RWに限らず、他の着脱可能な記録媒体であってもよい。メディアI/F314は、フラッシュメモリ等のメディア313に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。バスライン315は、上記の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス及び各種の制御信号等を含む。
【0034】
(画像形成装置のハードウェア構成)
図4は、一実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。画像形成装置100は、例えば、図4に示されるように、コントローラ410、近距離通信回路420、エンジン制御部430、操作パネル440、及びネットワークI/F450等を備えている。
【0035】
これらのうち、コントローラ410は、コンピュータの主要部であるCPU401、システムメモリ(MEM-P)402、ノースブリッジ(NB)403、サウスブリッジ(SB)404、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)405、ローカルメモリ(MEM-C)406、HDDコントローラ407、及び、HD408等を有し、NB403とASIC405との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス411で接続した構成となっている。
【0036】
これらのうち、CPU401は、画像形成装置100の全体制御を行なう制御部である。NB403は、CPU401と、MEM-P402、SB404、及びAGPバス411とを接続するためのブリッジであり、MEM-P402に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0037】
MEM-P402は、コントローラ410の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM402a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM402bとからなる。なお、RAM402bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0038】
SB404は、NB403とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC405は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス411、PCIバス412、HDDコントローラ407、及びMEM-C406をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC405は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC405の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C406を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジック等により画像データの回転などを行なう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部431及びプリンタ部432との間でPCIバス412を介したデータ転送を行なうPCIユニットとからなる。なお、ASIC405には、USBのインタフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインタフェースを接続するようにしてもよい。
【0039】
MEM-C406は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD408は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行なうためのストレージである。HDDコントローラ407は、CPU401の制御に従ってHD408に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス411は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P402に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0040】
近距離通信回路420は、近距離通信回路用のアンテナ420a等を用いて、各種の近距離無線通信を行なう。エンジン制御部430は、例えば、スキャナ部431及びプリンタ部432等によって構成されている。スキャナ部431は、原稿等を読み取る読取装置である。プリンタ部432は、印刷データを印刷媒体に印刷する印刷装置である。スキャナ部431又はプリンタ部432には、例えば、誤差拡散やガンマ変換等の画像処理部分が含まれている。
【0041】
操作パネル440は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部440a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作ボタン440bを備えている。コントローラ410は、画像形成装置100全体の制御を行ない、例えば、描画、通信、操作パネル440からの入力等を制御する。
【0042】
また、ネットワークI/F450は、ネットワークを利用してデータ通信をするためのインタフェースである。近距離通信回路420、及びネットワークI/F450は、例えば、PCIバス412を介して、ASIC405に電気的に接続されている。
【0043】
<機能構成>
図5は、一実施形態に係る画像形成装置の機能構成の例を示す図である。画像形成装置100は、CPU401で所定のプログラムを実行することにより、通信部501、読取部502、印刷部503、表示部504、操作受付部505、検知部506、情報付加部507、出力制御部508、及び配信部509等の機能構成を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0044】
また、画像形成装置100は、例えば、HD408、HDDコントローラ407、MEM-C406、及びMEM-P等によって、記憶部510を実現している。
【0045】
通信部501は、例えば、ネットワークI/F450等を用いて、画像形成装置100を通信ネットワークNに接続し、サーバ装置10、又はユーザ端末20等と通信する通信処理を実行する。
【0046】
読取部502は、例えば、エンジン制御部430、及びスキャナ部431等を制御して、原稿をスキャン(読取り)して画像データを生成する読取処理を実行する。印刷部503は、例えば、エンジン制御部430、及びプリンタ部432等を制御して、印刷データ(画像データ)を印刷する印刷処理を実行する。
【0047】
表示部504は、例えば、操作パネル440等に様々表示画面を表示する表示処理を実行する。操作受付部505は、例えば、操作パネル440に対するユーザの入力操作を受け付ける操作受付処理を実行する。
【0048】
検知部506は、画像データにおける文字、単語、又は文章の誤りを検知する検知処理を実行する。一例として、検知部506は、画像データに対して、OCR(Optical Character Recognition/Reader)等の公知の文字認識技術を適用して文字を抽出する。また、検知部506は、OCR等による文字の抽出結果に基づいて、画像データにおけるスキャン画像における文字、単語、又は文章の誤りを判定する。ここで、画像データには、読取部502がスキャンしたスキャン画像、又は印刷部503が印刷する印刷データ等が含まれる。
【0049】
別の一例として、検知部506は、例えば、印刷対象となる文章データを作成した文章作成アプリケーションのスペルチェック機能等を利用して、文字、単語、又は文章の誤りを検知してもよい。例えば、ユーザ端末20は、文章作成アプリケーションで実行したスペルチェック結果を含む印刷ジョブをサーバ装置10、又は画像形成装置100に送信し、検知部506は、このスペルチェック結果に基づいて、文字、単語、又は文章の誤りを検知してもよい。或いは、ユーザ端末20は、文章作成アプリケーションで作成した文章データを含む印刷ジョブを、サーバ装置10、又は画像形成装置100に送信してもよい。この場合、サーバ装置10、又は画像形成装置100は、文章アプリケーションのスペルチェック機能等を利用して、文章データのスペルチェックを行い、このスペルチェック結果に基づいて、文字、単語、又は文章の誤りを検知してもよい。
【0050】
情報付加部507は、検知部506で誤りが検知された場合、検知された誤りの情報を、画像データが表す画像では視認できない、又は視認が困難な不可視情報として画像データに付加する情報付加処理を実行する。一例として、情報付加部507は、検知部506が検知した誤りの情報を、画像データのメタデータとして付加する。別の一例として、画像形成装置100は、検知された誤りの情報を、電子透かしとして、画像データに付加してもよい。なお、検知部506が検知した誤りの情報には、例えば、誤りの有無、誤りの数、誤りの範囲、又は誤りの内容(OCRの結果、又はスペルチェック結果等)等の情報が含まれる。
【0051】
出力制御部508は、画像データの出力(配信、又は印刷)を制御する出力制御処理を実行する。また、出力制御部508は、検知部506が検知した誤りの情報、又は情報付加部507が画像データに付加した不可視情報等に基づいて、誤りが検知された画像データの出力方法を変更する。
【0052】
例えば、出力制御部508は、誤りの情報、又は不可視情報に基づいて、誤りが検知された画像データの出力を中止、又は保留する。これにより、出力制御部508は、誤りが検知された画像データの出力を抑制することができる。また、ユーザは、画像データの出力が中止されたときに、画像データに誤りがあることを把握できるので、誤りがある画像データを確認することが容易になる。
【0053】
或いは、出力制御部508は、誤りの情報、又は不可視情報に基づいて、誤りが検知された画像データを所定のフォルダに仕分けしてもよい。これにより、ユーザは、所定のフォルダを確認することにより、誤りが検知された画像データを確認することが容易になる。また、出力制御部508は、所定のフォルダに格納された画像データの出力を中止、又は保留することにより、誤りが検知された画像データの出力を抑制することができる。
【0054】
或いは、出力制御部508は、誤りの情報、又は不可視情報に基づいて、誤りが検知された画像データを出力する前に、画像データに誤りがあることをユーザに通知してもよい。また、出力制御部508は、この通知により、画像データの誤りの内容をユーザに提供し、出力を行うか、中止するかをユーザに選択させてもよい。
【0055】
或いは、出力制御部508は、誤りの情報、又は不可視情報に基づいて、誤りが検知された画像データの誤りを修正してもよい。例えば、出力制御部508は、特許文献1に開示された技術のように、辞書データ等の正しい情報を使って、誤りが検知された文字、単語、文章等を、正しく修正してもよい。なお、本実施形態では、文字、単語、文章等の言語は、任意の言語であってよい。
【0056】
好ましくは、出力制御部508が、誤りが検知された画像データの誤りを修正した場合、情報付加部は、画像データの誤りを修正したことを示す修正情報を、前述した不可視情報として画像データに付加する。
【0057】
配信部509は、出力制御部508による制御に従って、画像データを所定の配信先に配信する配信処理を実行する。記憶部510は、画像形成装置100を使用する様々なデータ、情報、及びプログラム等を記憶する。
【0058】
なお、図5に示した画像形成装置100の機能構成は一例である。後述するように、画像形成装置100が有備える各機能構成のうち、一部の機能構成は、サーバ装置10等が備えていてもよい。
【0059】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る画像処理方法の処理の流れについて説明する。
【0060】
[第1の実施形態]
(配信処理1)
図6は、第1の実施形態に係る配信処理の例を示すフローチャート(1)である。この処理は、例えば、図5で説明した各機能構成を有する画像形成装置100が、読み取ったスキャン画像(画像データ)を所定の配信先に配信する配信処理の一例を示している。
【0061】
ステップS601において、読取部502は、スキャナ部431を用いてスキャンを実行することにより、原稿をスキャンしたスキャン画像を生成する。
【0062】
ステップS602において、検知部506は、読取部502が生成したスキャン画像にOCRを実行することにより、スキャン画像から文字データを抽出する。なお、ステップS602の処理は、読取部502が実行してもよい。
【0063】
ステップS603において、検知部506は、OCRによる文字の抽出結果から、文字、単語、又は文章の誤りを検知する。
【0064】
ステップS604において、出力制御部508は、検知部506によって誤りが検知されたか否かを判断する。誤りが検知されていない場合、出力制御部508は、処理をステップS605に移行させる。一方、誤りが検知された場合、出力制御部508は、処理をステップS606に移行させる。
【0065】
ステップS605に移行すると、出力制御部508は、配信部509を用いて、画像データを所定の配信先に配信する。例えば、出力制御部508は、サーバ装置10のユーザによって指定された宛先のフォルダに画像データを配信する。なお、配信する画像データは、読取部502がスキャンしたスキャン画像であってもよいし、スキャン画像にOCRで抽出した文字データを付加したOCR画像であってもよい。
【0066】
ステップS606に移行すると、情報付加部507は、検知された誤りの情報を、不可視データとして画像データに付加する。例えば、情報付加部507は、画像データのメタデータに、検知された誤りの情報を付加する。
【0067】
図7は、一実施形態に係る画像データに付加する誤りの情報について説明するための図である。この図は、OSの機能を利用して、画像データのプロパティ画面700を表示した例を示している。このように、情報付加部507は、検知された誤りの情報を画像データのプロパティ情報として付加してもよい。
【0068】
図7の例では、画像データのプロパティ画面700には、誤りの情報701として、「誤りの有無」、「誤りの数」、「スペルチェックの結果」、「OCR結果」、「修正の数」、及び「修正内容」等の情報が追加されている。
【0069】
「誤りの有無」は、検知された誤りがあるか否かを示す情報である。「誤りの数」は、検知された誤りの数を示す情報である。なお、誤りの情報が、「誤りの数」を含む場合、情報付加部507は、「誤りの有無」に代えて、「誤りの数」が「0」であるか否かにより、誤りの有無を示してもよい。
【0070】
「スペルチェック結果」は、スペルチェックの結果を示す情報である。例えば、スペルチェックで誤りが発見された場合、「スペルチェックの結果」には、誤りが見つかった文字、単語、又は文章等の情報の一覧が格納される。
【0071】
「OCR結果」は、OCRの結果を示す情報である。例えば、OCRの文字の抽出結果から誤りが見つかった場合、「OCR」結果には、誤りが見つかった文字、単語、又は文章等と、誤りが見つかった文字、単語、又は文章等の位置を示す座標情報等が含まれる。例えば、図8に示すように、原稿データの「とまと」という単語が、OCRと誤り検知したOCR画像データにおいて、「てまて」という単語として抽出されたものとする。この場合、「OCR結果」には、誤りが見つかった「てまて」という単語の開始座標(x1,y1)と終了座標(x1,y2)等が格納される。
【0072】
なお、情報付加部507は、検知された誤りの情報を、プロパティ情報に限られず、例えば、画像データのヘッダー情報、又はタグ情報等に付加してもよい。また、情報付加部507は、検知された誤りの情報を、電子透かしで画像データに付加してもよい。さらに、情報付加部507は、検知された誤りの情報を、例えば、画像データの画像とは別のレイヤに付加してもよい。さらにまた、情報付加部507は、誤りが検知された文字、単語、又は文章等をマーカ等の可視情報として付加してもよい。
【0073】
ここで、図6に戻り、フローチャートの説明を続ける。ステップS607において、出力制御部508は、画像データをフォルダ仕分けする。例えば、出力制御部508は、誤りが検知された画像データを、所定のフォルダに仕分けする。或いは、出力制御部508は、誤りが検知されなかった画像データを第1のフォルダに格納し、誤りが検知された画像データを第1のフォルダとは異なる第2のフォルダに格納してもよい。さらに、出力制御部508は、誤りが検知された画像データを、例えば、誤り情報(誤りの数、又は誤りの内容等)に応じて異なるフォルダに仕分けしてもよい。
【0074】
図6の処理により、出力制御部508は、検知部506による誤りの検知結果に基づいて、誤りが検知された画像データの出力方法を変更することができる。
【0075】
(配信処理2)
図9は、第1の実施形態に係る配信処理の例を示すフローチャート(2)である。この処理は、例えば、図5で説明した各機能構成を有する画像形成装置100が、読み取ったスキャン画像(画像データ)を所定の配信先に配信する配信処理の別の一例を示している。なお、図9に示す処理のうち、ステップS601~S603の処理は、図6で説明した処理と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0076】
ステップS901において、情報付加部507は、検知部506による誤りの検知結果を、不可視情報として画像データに付加する。例えば、情報付加部507は、画像データのメタデータに、誤りの検知結果を付加する。このように、情報付加部507は、誤りが検知されなかった画像データにも、誤りの検知結果を不可視情報として付加してもよい。
【0077】
ステップS902において、出力制御部508は、画像データに付加された不可視情報に基づいて、画像データに、検知部506によって検知された誤りがあるか否かを判断する。検知された誤りがない場合、出力制御部508は、処理をステップS903に移行させる。一方、検知された誤りがある場合。出力制御部508は、処理をステップS904に移行させる。このように、出力制御部508は、画像データに付加された不可視情報に基づいて、画像データに検知された誤りがあるか否かを判断してもよい。
【0078】
ステップS903に移行すると、出力制御部508は、配信部509を用いて、画像データを所定の配信先に配信する。なお、この処理は、図6のステップS605の処理と同様でよい。
【0079】
ステップS904に移行すると、出力制御部508は、画像データから誤りが検知されたことをユーザに通知する。例えば、出力制御部508は、表示部504を用いて、画像データから誤りが検知されたことを示す通知画面を、操作パネル440等に表示する。なお、出力制御部508は、画像データから誤りが検知されたことを示す通知画面に、検知された誤りの情報を表示してもよい。さらに、出力制御部508は、画像データから誤りが検知されたことを示す通知画面に、画像データの配信を行うか、中止するかを選択する選択ボタンを表示し、ユーザの選択操作に応じて、画像データの配信を行うか、中止するかを決定してもよい。
【0080】
ステップS905において、出力制御部508は、誤りが検知された画像データを、所定のフォルダに仕分けする。このように、出力制御部508は、配信した画像データの仕分けを省略してもよい。
【0081】
図9の処理により、出力制御部508は、画像データに付加された不可視情報に基づいて、誤りが検知された画像データの出力方法を変更することができる。
【0082】
[第2の実施形態]
(印刷処理1)
図10は、第2の実施形態に係る印刷処理の例を示すフローチャート(1)である。この処理は、例えば、図5で説明した各機能構成を有する画像形成装置100が、印刷対象データを印刷する印刷処理の一例を示している。
【0083】
ステップS1001において、印刷部503は、例えば、サーバ装置10、又はユーザ端末20から、印刷対象データを取得する。
【0084】
ステップS1002において、検知部506は、印刷対象データのスペルチェック結果から誤りを検知する。例えば、取得した印刷対象データ(印刷データ)が、文章作成アプリケーションで実行したスペルチェック結果を含む場合、検知部506は、当該スペルチェック結果に基づいて、印刷対象データの文字、単語、又は文章の誤りを検知する。
【0085】
或いは、取得した印刷対象データ(印刷ジョブ)が、文章作成アプリケーションで作成した文章データを含む場合、検知部506は、文章アプリケーションのスペルチェック機能等を利用して、文章データのスペルチェックを行う。また、検知部506は、このスペルチェック結果に基づいて、文字、単語、又は文章の誤りを検知してもよい。
【0086】
ステップS1003において、出力制御部508は、検知部506によって誤りが検知されたか否かを判断する。誤りが検知されていない場合、出力制御部508は、処理をステップS1004に移行させる。一方、誤りが検知された場合、出力制御部508は、処理をステップS1005に移行させる。
【0087】
ステップS1004に移行すると、印刷部503は、印刷対象データを印刷する。一方、ステップS1004に移行すると、情報付加部507は、検知された誤りの情報を、不可視データとして画像データに付加する。例えば、情報付加部507は、画像データのメタデータに、検知された誤りの情報を付加する。
【0088】
ステップS1006において、出力制御部508は、検知された誤りの情報を付加した印刷対象データを、所定のフォルダに仕分けする。
【0089】
図10の処理により、出力制御部508は、印刷対象データ(画像データ)のスペルチェック結果に基づいて、誤りが検知された印刷対象データの出力方法を変更することができる。
【0090】
(印刷処理2)
図11は、第2の実施形態に係る印刷処理の例を示すフローチャート(2)である。この処理は、例えば、図5で説明した各機能構成を有する画像形成装置100が、印刷対象データを印刷する印刷処理の別の一例を示している。
【0091】
ステップS1101において、検知部506は、印刷対象となる画像データに対して、OCRを実行する。ここで、印刷対象となる画像データは、例えば、読取部502がスキャンしたスキャン画像であってもよいし、サーバ装置10、又はユーザ端末20から取得した印刷データであってもよい。
【0092】
ステップS1102において、検知部506は、OCRによる文字の抽出結果から、文字、単語、又は文章の誤りを検知する。
【0093】
ステップS1103において、出力制御部508は、検知部506によって誤りが検知されたか否かを判断する。誤りが検知されていない場合、出力制御部508は、処理をステップS1105に移行させる。一方、誤りが検知された場合、出力制御部508は、処理をステップS1104に移行させる。
【0094】
ステップS1104に移行すると、情報付加部507は、検知された誤りの情報を、不可視データとして画像データに付加する。例えば、情報付加部507は、画像データのメタデータに、検知された誤りの情報を付加する。
【0095】
ステップS1005に移行すると、出力制御部508は、画像データの誤りの有無、又は誤りの内容等に応じて、画像データをフォルダ仕分けする。
【0096】
ステップS1006において、出力制御部508は、印刷部503を用いて、所定のフォルダに仕分けされた画像データを印刷する。
【0097】
図11の処理により、出力制御部508は、印刷対象データ(画像データ)のスペルチェック結果によらずに、誤りが検知された印刷対象データの出力方法を変更することができる。
【0098】
[第3の実施形態]
図12は、第3の実施形態に係る画像データの出力処理の例を示すフローチャートである。
【0099】
ステップS1201において、画像形成装置100は、画像データの出力処理(画像データの配信処理、又は画像データの印刷処理)を開始する。
【0100】
ステップS1202において、検知部506は、画像データから文字、単語、又は文章の誤りを検知する。なお、誤りの検知方法は、OCRの文字の抽出結果によるものであってもよいし、画像データのスペルチェック結果によるものであってもよい。
【0101】
ステップS1203において、出力制御部508は、検知部506によって誤りが検知されたか否かを判断する。誤りが検知されていない場合、出力制御部508は、処理をステップS1204に移行させる。一方、誤りが検知された場合、出力制御部508は、処理をステップS1205に移行させる。
【0102】
ステップS1204に移行すると、出力制御部508は、画像データを出力(配信、又は印刷)する。
【0103】
ステップS1205に移行すると、情報付加部507は、検知された誤りの情報を、不可視データとして画像データに付加する。例えば、情報付加部507は、画像データのメタデータに、検知された誤りの情報を付加する。
【0104】
ステップS1206において、出力制御部508は、画像データから検知された誤りを修正するか否かを判断する。一例として、画像形成装置100は、画像データから誤りが検知されたときに、誤りを修正する否かを、ユーザ、又は管理者等が設定可能な設定情報であるものとする。この場合、出力制御部508は、ユーザ、又は管理者等が設定した設定情報に基づいて、画像データから検知された誤りを修正するか否かを決定する。
【0105】
別の一例として、出力制御部508は、表示部504を用いて、誤りを修正するか否かを選択する選択画面を、操作パネル440等に表示し、ユーザによる選択操作に従って、画像データから検知された誤りを修正するか否かを決定してもよい。
【0106】
ステップS1208において、出力制御部508は、画像データから検知された誤りを修正する。例えば、出力制御部508は、特許文献1に開示された技術のように、辞書データ等の正しい情報を使って、誤りが検知された文字、単語、文章等を、正しく修正してもよい。或いは、出力制御部508は、文字、単語、文章等の誤りを修正する外部のクラウドサービス等を利用して、誤りが検知された文字、単語、文章等を、正しく修正してもよい。
【0107】
ステップS1208において、情報付加部507は、画像データを修正したことを示す修正情報を、不可視データとして画像データに付加する。例えば、情報付加部507は、画像データのメタデータに、修正情報を付加する。
【0108】
ステップS1209において、出力制御部508は、修正の有無に応じて、画像データを異なるフォルダに仕分けする。このように、出力制御部508が、誤りが検知された画像データの出力方法を変更する変更方法は、様々な方法であってよい。
【0109】
図13は、第3の実施形態に係る画像データの出力処理一例について説明するための図である。例えば、検知部506は、原稿データ1301にOCRを実行し、OCR画像データ1302から文字、単語又は文章の誤りを検知する。
【0110】
また、出力制御部508は、OCR画像データ1302から誤りが検知された場合、当該誤りを修正するか否かを判断する。誤りを修正する場合、出力制御部508は、OCR画像データ1302の誤りを修正した修正画像データ1303を、例えば、出力用のフォルダに仕分けすることにより出力(配信、又は印刷)する。一方、誤りを修正しない場合、出力制御部508は、誤りを修正していない未修正のOCR画像データ1302を、例えば、出力中止用のフォルダに仕分けすることにより、画像データの出力を中止する。
【0111】
(画像処理システムの機能構成)
図14は、一実施形態に係る画像形成システムの機能構成の例を示す図である。図14に示すように、図5で説明した画像形成装置100の機能構成のうち、少なくとも一部は、サーバ装置10が有していてもよい。図14の例では、図5で説明した画像形成装置100の機能構成のうち、検知部506、情報付加部507、出力制御部508、及び配信部509をサーバ装置(画像処理装置)が有している。なお、通信部1401は、サーバ装置10が備える通信手段であり、記憶部1402は、サーバ装置10が備える記憶手段である。
【0112】
この場合、例えば、図6の処理において、ステップS601の処理を、画像形成装置100の読取部502が実行し、スキャン画像をサーバ装置10に送信する。また、ステップS602以降の処理を、サーバ装置10が実行する。
【0113】
また、図10の例では、ステップS1001~S1003、S1005、S1006の処理をサーバ装置10が実行し、ステップS1004の処理は、サーバ装置10が、印刷対象データを画像形成装置100に送信することにより、画像形成装置100の印刷部503が実行する。
【0114】
このように、本実施形態に係る画像処理装置は、サーバ装置10であってもよい。また、この場合、既存の画像形成装置100を利用して、本実施形態に係る画像処理システム1を実現することができる。
【0115】
以上、本発明の各実施形態によれば、画像データを出力する画像処理装置において、誤りが検知された画像データの出力を抑制するとともに、画像データの誤りをユーザが確認できるようになる。
【0116】
<補足>
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0117】
<付記>
本明細書には、下記の各項の画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムが開示されている。
(第1項)
画像データにおける文字、単語、又は文章の誤りを検知する検知部と、
前記誤りが検知された場合、検知された前記誤りの情報を、前記画像データが表す画像では視認できない、又は視認が困難な不可視情報として前記画像データに付加する情報付加部と、
前記画像データの出力を制御する出力制御部であって、前記検知部による前記誤りの検知結果、又は前記不可視情報に基づいて、前記誤りが検知された前記画像データの出力方法を変更する出力制御部と、
を有する、画像処理装置。
(第2項)
前記出力制御部は、前記誤りの情報、又は前記不可視情報に基づいて、前記誤りが検知された前記画像データを、所定のフォルダに仕分けする、第1項に記載の画像処理装置。
(第3項)
前記出力制御部は、前記誤りの情報、又は前記不可視情報に基づいて、前記誤りが検知された前記画像データの出力を中止、又は保留する、第1項又は第2項に記載の画像処理装置。
(第4項)
前記出力制御部は、前記誤りの情報、又は前記不可視情報に基づいて、前記誤りが検知された前記画像データを出力する前に、前記画像データに前記誤りが検知されたことをユーザに通知する、第1項又は第2項に記載の画像処理装置。
(第5項)
前記出力制御部は、前記誤りの情報、又は前記不可視情報に基づいて、前記画像データの誤りを修正し、
前記情報付加部は、前記画像データの誤りを修正したことを示す修正情報を、前記不可視情報として前記画像データに付加する、
第1項に記載の画像処理装置。
(第6項)
原稿をスキャンして前記画像データを生成する読取部を有し、
前記検知部は、前記画像データにおける文字を認識してテキストデータに変換するOCR処理の処理結果を用いて、前記誤りを検知し、
前記出力制御部は、前記画像データの配信、又は前記画像データの印刷を制御する、
第1項~第5項のいずれかに記載の画像処理装置。
(第7項)
前記画像データを印刷する印刷部を有し、
前記検知部は、前記画像データのスペルチェック結果を用いて、前記誤りを検知し、
前記出力制御部は、前記画像データの印刷を制御する、
第1項~第5項のいずれかに記載の画像処理装置。
(第8項)
前記情報付加部は、検知された前記誤りの情報を、前記画像データのメタデータとして付加し、
前記誤りの情報は、前記誤りの有無、前記誤りの数、前記誤りの範囲、及び前記誤りの内容のうち、1つ以上の情報を含む、
第1項~第7項のいずれかに記載の画像処理装置。
(第9項)
画像データにおける文字、単語、又は文章の誤りを検知する検知処理と、
前記誤りが検知された場合、検知された前記誤りの情報を、前記画像データが表す画像では視認できない、又は視認が困難な不可視情報として前記画像データに付加する情報付加処理と、
前記画像データの出力を制御するとともに、前記検知処理による前記誤りの検知結果、又は前記不可視情報に基づいて、前記誤りが検知された前記画像データの出力方法を変更する出力制御処理と、
をコンピュータが実行する、画像処理方法。
(第10項)
画像データにおける文字、単語、又は文章の誤りを検知する検知処理と、
前記誤りが検知された場合、検知された前記誤りの情報を、前記画像データが表す画像では視認できない、又は視認が困難な不可視情報として前記画像データに付加する情報付加処理と、
前記画像データの出力を制御するとともに、前記検知処理による前記誤りの検知結果、又は前記不可視情報に基づいて、前記誤りが検知された前記画像データの出力方法を変更する出力制御処理と、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【0118】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、及び応用が可能である。
【符号の説明】
【0119】
1 画像処理システム
10 サーバ装置(画像処理装置の別の一例)
20 ユーザ端末
100 画像形成装置(画像処理装置の一例)
300 コンピュータ
502 読取部
503 印刷部
506 検知部
507 情報付加部
508 出力制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0120】
【特許文献1】特開2011-150436号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14