(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170190
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】培養装置、及び培養装置積層体
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20241129BHJP
C12M 3/00 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
C12M1/00 G
C12M3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087216
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000224101
【氏名又は名称】ZACROS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】矢野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】平邑 隆弘
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029AA27
4B029BB01
4B029CC01
4B029DA10
4B029DC07
4B029DF05
4B029DF10
4B029DG01
4B029DG06
4B029DG10
4B029GA06
4B029GA08
4B029GB09
4B029GB10
(57)【要約】
【課題】密封された状態で効率良く培養することができる培養装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一態様に係る培養装置は、培養袋と、前記培養袋を収容する培養袋収容部を有する培養袋支持体と、前記培養袋収容部に収容された前記培養袋を押圧して前記培養袋収容部と共に前記培養袋の内部空間を分割する仕切り部材を有し、前記培養袋支持体に対し着脱可能な蓋部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養袋と、
前記培養袋を収容する培養袋収容部を有する培養袋支持体と、
前記培養袋収容部に収容された前記培養袋を押圧して前記培養袋収容部と共に前記培養袋の内部空間を分割する仕切り部材を有し、前記培養袋支持体に対し着脱可能な蓋部とを備えたことを特徴とする培養装置。
【請求項2】
前記蓋部には、前記仕切り部材を挿通可能なスリットが、複数設けられている請求項1に記載の培養装置。
【請求項3】
前記蓋部は、外部から前記培養袋収容部の内部の少なくとも一部を視認可能な窓部を有し、
前記複数のスリットは、前記窓部に設けられている請求項2に記載の培養装置。
【請求項4】
前記仕切り部材は、前記複数のスリットに対応して複数設けられ、
複数の前記仕切り部材のうち、一部の前記仕切り部材を作動させる請求項3に記載の培養装置。
【請求項5】
前記仕切り部材は、前記培養袋の面に平行な一方向における前記培養袋の全部又は一部を押圧する請求項4に記載の培養装置。
【請求項6】
前記仕切り部材は、前記培養袋の面に垂直な方向において、前記培養袋の内部空間を完全に又は不完全に仕切る請求項5に記載の培養装置。
【請求項7】
前記仕切り部材は、前記培養袋の面に垂直な方向に移動可能である請求項6に記載の培養装置。
【請求項8】
前記仕切り部材は、前記蓋部に対して着脱可能である請求項7に記載の培養装置。
【請求項9】
前記培養袋は、液体又は気体を導入又は排出する少なくとも1つの開口部を有する請求項8に記載の培養装置。
【請求項10】
前記培養袋は、端部に設けられた係合穴を有し、
前記培養袋支持体は、前記係合穴と係合する固定具を有する請求項9に記載の培養装置。
【請求項11】
前記蓋部の上に前記培養袋支持体を載置可能であり、前記培養袋支持体及び前記蓋部を介して複数の前記培養袋を積層可能である請求項10に記載の培養装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の培養装置が複数積層され、
上に積層される前記培養袋支持体の底部と、前記培養袋支持体の下に位置する前記蓋部の周縁とが嵌合している培養装置積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、培養装置、及び培養装置積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、細胞、微生物等を閉鎖系で培養する培養装置が知られている。細胞培養技術の発達に伴い、細胞等を効率良く培養することが求められており、様々な培養装置が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、細胞培養バッグと、培養バッグ中の培養液の流通を阻止するための阻止部材とからなる細胞培養用具が開示されている。特許文献1の細胞培養用具は、阻止部材を用いて培養領域を仕切り、阻止部材で仕切られた培養領域内で細胞を培養して増殖させた後、阻止部材を開放して培養領域を拡張することができる。このような細胞培養用具を用いることで、培養当初からその終了時まで同一の培養バッグ内で培養を続けて行うことができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の培養装置では、培養袋を水平にした状態で使用する場合を想定したものが多く、例えば、上澄み液と沈降層を分液する操作を伴う場合、培養袋を直立させ固定するための操作が必要となる。また、培養袋を直立させた状態においては、培養袋の所望の位置に仕切り部材を取り付けることが困難となる。よって、従来の培養装置では、培養の効率が低下する場合がある。
【0006】
上記の点に鑑みて、本発明の一態様は、密封された状態で効率良く培養することができる培養装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る培養装置は、培養袋と、前記培養袋を収容する培養袋収容部を有する培養袋支持体と、前記培養袋収容部に収容された前記培養袋を押圧して前記培養袋収容部と共に前記培養袋の内部空間を分割する仕切り部材を有し、前記培養袋支持体に対し着脱可能な蓋部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係る培養装置によれば、密封された状態で効率良く培養することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】一実施形態による培養装置の分解斜視図である。
【
図3】仕切り部材の作動の一例を説明する
図1のI-I断面図である。
【
図4】仕切り部材の作動の他の例を説明する
図1のI-I断面図である。
【
図5】培養袋における押圧箇所の一例を示す図である。
【
図6】培養袋における押圧箇所の第1変形例を示す図である。
【
図7】第1変形例の仕切り部材を示す
図1のII-II断面図である。
【
図8】培養袋における押圧箇所の第2変形例を示す図である。
【
図9】培養袋における押圧箇所の第3変形例を示す図である。
【
図10】第2変形例の仕切り部材を示す
図1のI-I断面を示す図である。
【
図11】一実施形態による培養装置積層体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の符号を付して、重複する説明は省略する場合がある。本明細書では、3軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の3次元直交座標系を用い、培養袋2の面S1に垂直な方向をZ軸方向とし、培養袋2の面S1に平行な面において、互いに直交する2つの方向のうち一方をX軸方向とし、他方をY軸方向とする。また、本明細書において、蓋部5側を上、培養袋支持体3側を下とする場合があるが、培養装置1の使用時の姿勢を限定するものではない。
【0011】
本発明の一実施形態による培養装置について説明する。
図1は、一実施形態による培養装置1の斜視図である。
図2は、一実施形態による培養装置1の分解斜視図である。
図1及び
図2に示すように、本発明の一実施形態による培養装置1は、培養袋2と、培養袋2を収容する培養袋収容部31を有する培養袋支持体3とを備える。また、培養装置1は、培養袋収容部31に収容された培養袋2を押圧して培養袋収容部31と共に培養袋2の内部空間を分割する仕切り部材4を有し、培養袋支持体3に対し着脱可能な蓋部5を備える。
【0012】
この構成により、培養装置1を直立させると同時に、培養袋2も直立させることができるため、例えば、上澄み液と沈降層を分液する操作を伴う場合においても、別の部材や別の操作の必要がないため、培養開始から終了まで連続して操作することができる。また、蓋部5に仕切り部材4が設けられているため、培養装置1は、培養袋2が直立した状態においても培養袋2の内部空間を分割することができる。よって、培養装置1は、密封された状態で効率良く培養することができる。
【0013】
培養袋2は、培養の対象となる細胞、微生物等の培養対象物、培養対象物を培養するための培養液等の培地、培養に必要なガス等が封入され、培養を行う袋である。培養袋2は、フィルム等の軟包装材から構成されている。培養袋2は、密封可能な袋であり、周縁部に設けられたシール部を有していてよい。培養袋2の形状は、例えば、平面視において四角形、円形等であってよい。
【0014】
培養袋2は、一部又は全部が透明である。これにより、封入された内容物を視認することができる。培養袋2を構成する軟包装材としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィンや、ポリアミド、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、又はこれらの積層体が挙げられる。
【0015】
培養袋2は、細胞、粒状物、液体又は気体を導入又は排出する少なくとも1つの開口部21を有していてよく、2つ、3つ等、複数の開口部21を有していてもよい。
図1及び
図2に示す例では、培養袋2は、培養袋2の四方の各辺のうち一辺において、2つの開口部21、21を有する。開口部21は、例えば、培養液、培養に必要なガス等を導入し、又は培養後の培養対象物、培養によって生じたガス等を排出する。
【0016】
培養袋2は、培養袋2の四方の各辺のうち一辺において、1つの開口部21を有し、他の辺において1つの開口部21を有していてもよい。培養袋2は、2つの開口部21、21を有する場合、一方の開口部21を液体又は気体を導入するための開口部とし、他方の開口部21を液体又は気体を排出するための開口部としてもよい。培養袋2は、開口部21にキャップ等を設けることにより、密封状態を維持することができる。
【0017】
開口部21には、チューブ7を接続することができる。
図1及び
図2に示す例では、チューブ7は、2つの開口部21それぞれに設けられており、2本設けられている。チューブ7を構成する材料としては、特に限定されないが、シリコーン、熱可塑性エラストマー等、耐薬品性、耐候性等に優れる材料が好ましい。チューブ7には、フィルター、フローモニター、流量計、バルブ、ポンプ等を設けてもよい。培養袋2は、チューブ7にコック等を設けることにより、密封状態を維持することができる。
【0018】
開口部21には、ポートが接続され、ポートにチューブ7が接続されていてもよい。ポートは、剛性を有する筒状の部材であってよい。ポートを構成する材料としては、特に限定されないが、樹脂、金属等が挙げられる。なお、開口部21には、ポートが接続され、チューブ7が接続されていなくてもよい。
【0019】
培養袋2、チューブ7、及びポートは、培養前に滅菌されていることが好ましい。滅菌手段は培養目的等に応じて選択でき、例えば、γ線等の放射線、エチレンオキサイド等のガス、水蒸気等による加熱等が挙げられる。
【0020】
培養袋2は、端部に設けられた係合穴22を有していてよい。係合穴22が、培養袋支持体3に設けられた固定具36と係合することにより、培養袋2は、培養袋支持体3に固定される。
図1及び
図2に示す例では、培養袋2は、培養袋2の四方の各辺のうち、開口部21、21が設けられた一辺と対向する他の辺に沿って設けられた、2つの係合穴22、22を有する。係合穴22の数は、特に限定されず、1つ、又は3つであってもよい。
【0021】
培養袋支持体3は、培養袋収容部31を有する。培養袋収容部31は、培養袋2全体を収容可能な凹部であってよい。培養袋収容部31は、周壁部32と、第1底面B1と、培養袋2の面S1に垂直な方向(Z軸方向)において第1底面B1より下方に位置する第2底面B2とを有していてよい。培養袋2は、平面視において、内部空間が培養袋収容部31の第2底面B2に重なるように配置することができる。
【0022】
培養袋支持体3は、培養袋2の係合穴22と係合する固定具36を有していてよい。固定具36としては、例えば、突起、シャフト、フック等であってよい。固定具36は、培養袋2の係合穴22と対応する位置に設けられている。
図1及び
図2に示す例では、固定具36は、培養袋支持体3の第1底面B1において、2つ設けられている。固定具36の数は、培養袋2の係合穴22の数と対応していればよく、1つ、又は3つであってもよい。
【0023】
培養袋支持体3は、蓋部5の後述する係合部54と係合する被係合部34を有していてよい。被係合部34は、例えば、凹部であってよい。
図1及び
図2に示す例では、被係合部34は、培養袋支持体3の上面T1における各角部に設けられ、計4つ設けられている。
【0024】
培養袋支持体3は、培養袋支持体3を貫通する第1挿通孔35を有していてよい。培養袋支持体3は、第1挿通孔35に図示しない支持部材を挿通させることにより、培養袋支持体3を安定して、直立させたり、吊り下げたり、後述するように複数の培養袋支持体3を積み重ねることができ、直立させた状態、吊り下げた状態、又は積み重ねた状態を維持することがきる。また、培養装置1は、安定して直立した状態で培養袋2の内部空間を分割することができる。よって、培養装置1は、密封された状態でより効率良く培養することができる。
【0025】
第1挿通孔35は、培養袋支持体3の幅方向(X軸方向)の長さを二等分する平面に対して対称に、少なくとも1対設けられていることが好ましい。
図1及び
図2に示す例では、第1挿通孔35は、培養袋支持体3の各角部に設けられている。換言すると、第1挿通孔35は、培養袋支持体3の幅方向の長さを二等分する平面に対して対称に2対(計4つ)設けられている。第1挿通孔35は、培養袋支持体3の幅方向の長さを二等分する平面上に1つ設けられていてもよい。
【0026】
支持部材としては、例えば、シャフト、フック等であってよい。支持部材は、例えば、板部材、アングル等に設けられていてよく、培養袋支持体3は、第1挿通孔35に支持部材を挿通させることにより、直立した状態で、板部材、アングル等に固定することができる。また、培養袋支持体3を平面に置いて、複数の培養袋支持体3を積み重ねて使用する場合には、当該平面に設けられた支持部材に第1挿通孔35を挿通させることにより、積み重ねた培養袋支持体3が振動や衝撃で崩れないように当該平面固定することができる。さらに、シャフトを第1挿通孔35に通し、シャフトの両端を板部材、アングル等に固定することによって、培養袋支持体3を安定に吊り下げることができる。
【0027】
培養袋支持体3は、培養袋2の開口部21に接続されたチューブ7を挿通する切欠き部37を有していてよい。これにより、チューブ7及び開口部21を介して、培養袋支持体3に収容された培養袋2に、外部から液体又は気体を導入し、又は外部へ液体又は気体を排出することができる。
【0028】
培養袋支持体3を構成する材料としては、例えば、樹脂、金属、木材等が挙げられるが、これらの中でも樹脂であることが好ましい。培養袋支持体3を構成する材料が樹脂であることにより、比較的軽量とすることができるため、培養袋支持体3を容易に直立させることができる。また、第1挿通孔35に支持部材を挿通させて吊り下げることにより、培養袋支持体3を直立させる場合においても、培養袋支持体3が自重で落下することを抑制することができる。
【0029】
蓋部5には、仕切り部材4を挿通可能なスリット51が、複数設けられていることが好ましい。スリット51の位置は、培養袋2を押圧可能な位置に相当するため、スリット51が、複数設けられていることにより、複数の押圧可能な位置から所望の位置を選択して、培養袋2を押圧することができる。よって、培養袋支持体3及び培養袋2が直立した状態においても、仕切り部材4は、培養袋2の所望の位置を押圧し、培養袋2の内部空間を分割することができる。よって、培養装置1は、密封された状態でより効率良く培養することができる。
【0030】
図1及び
図2に示す例では、3つのスリット51が、培養袋2の長さ方向(Y軸方向)において一定の間隔で設けられている。スリット51の形状は、培養袋2の幅方向(X軸方向)に延びる細長形状である。スリット51の数は、特に限定されず、仕切り部材4と同じ数、又は仕切り部材4の数より多い数とすることができる。スリット51の長軸(X軸方向)の長さは、仕切り部材4の長軸(X軸方向)の長さと同じ長さであってよい。
【0031】
蓋部5は、外部から培養袋収容部31の内部の少なくとも一部を視認可能な窓部52を有し、複数のスリット51は、窓部52に設けられていることが好ましい。これにより、蓋部5の外部から窓部52を介して、培養袋収容部31に収容された培養袋2に封入された内容物の状態を確認しながら、複数の押圧可能な位置から所望の位置を選択して、培養袋2を押圧することができる。よって、培養装置1は、密封された状態でより効率良く培養することができる。
【0032】
窓部52は、透明な板部材からなることが好ましいが、不透明な部材で網状又は格子状に構成されていてもよい。窓部52を構成する材料としては、例えば、樹脂、ガラス、金属等が挙げられる。窓部52は、蓋部5の他の部分と一体に成形されていてよく、別体であってもよい。
【0033】
窓部52の数は、
図2に示す例では1つであるが、複数設けられていてもよい。窓部52は、蓋部5の全体が透明な部材で成形されていてもよい。
【0034】
蓋部5は、培養袋支持体3の被係合部34と係合する係合部54を有していてよい。係合部54は、例えば、蓋部5の裏面から突出した凸部であってよい。
図1及び
図2に示す例では、係合部54、蓋部5の各角部に設けられ、計4つ設けられている。
【0035】
蓋部5は、蓋部5を貫通する第2挿通孔55を有していてよい。第2挿通孔55は、培養袋支持体3の第1挿通孔35と共に1つの挿通孔を構成する。換言すると、第2挿通孔55は、平面視で培養袋支持体3の第1挿通孔35と重なる位置に設けられている。蓋部5の第2挿通孔55及び培養袋支持体3の第1挿通孔35に、図示しない支持部材を挿通させることにより、培養装置1を安定して、直立させたり、吊り下げたり、後述するように複数の培養装置1を積み重ねることができ、直立させた状態、吊り下げた状態、又は積み重ねた状態を維持することがきる。また、培養装置1は、安定して直立した状態で培養袋2の内部空間を分割することができる。よって、培養装置1は、密封された状態でより効率良く培養することができる。
【0036】
蓋部5に第2挿通孔55を設けない場合は、蓋部5における培養袋支持体3の第1挿通孔35と重なる部分に切り欠き等を設けて、第1挿通孔35のみを用いて支持部材を挿通させてもよい。
【0037】
蓋部5を構成する材料としては、例えば、樹脂、金属、木材等が挙げられるが、これらの中でも樹脂であることが好ましい。蓋部5を構成する材料が樹脂であることにより、比較的軽量とすることができるため、培養装置1を容易に直立させることができる。また、第2挿通孔55及び培養袋支持体3の第1挿通孔35に支持部材を挿通させて吊り下げることにより、培養装置1を直立させる場合においても、培養装置1が自重で落下することを抑制することができる。
【0038】
仕切り部材4は、スリット51の幅(Y軸方向の長さ)よりも大きい幅(Y軸方向の長さ)を有する天面部41と、天面部41から突出し、スリット51を挿通可能な板状の押圧部42とを有していてよい。仕切り部材4の長軸方向に直交する断面の形状は、T字状であってよい。仕切り部材4の長軸方向における押圧部42の長さは、特に限定されないが、培養袋2の幅方向(X軸方向)の長さと同じ長さ、培養袋2の幅方向の長さより短い長さ、又は長い長さとすることができる。
【0039】
仕切り部材4は、複数のスリット51に対応して複数設けられ、複数の仕切り部材4のうち、一部の仕切り部材4を作動させてよい。これにより、複数の仕切り部材4から所望の位置の仕切り部材4を選択して、培養袋2を押圧することができる。よって、培養袋支持体3及び培養袋2が直立した状態においても、仕切り部材4は、培養袋2の所望の位置を押圧し、培養袋2の内部空間を分割することができる。よって、培養装置1は、密封された状態でより効率良く培養することができる。
【0040】
次に、仕切り部材4の作動について説明する。
図3は、仕切り部材4の作動の一例を説明する
図1のI-I断面図である。
図3に示すように、仕切り部材4の長軸方向(X軸方向)における押圧部42の両端面には、それぞれ、高さ方向(Z軸方向)に離隔して設けられた3つの突起43a、43b、43cが設けられていてよい。押圧部42の先端部側に位置する突起43aは、仕切り部材4が蓋部5から離脱することを防止する機能を有する。
【0041】
仕切り部材4をスリットに差し込んだ場合に、仕切り部材4の押圧部42の先端部(培養袋2に接する部分)は、ゴムやエラストマーで構成してもよい。これによって、培養袋2を傷つけにくくすることができる。
【0042】
初期状態では、仕切り部材4は、天面部41側に位置する突起43bが、蓋部5の上面T2(窓部52の上面)に引っ掛かることにより、蓋部5に固定されている(
図3に示す右側の仕切り部材4の状態)。仕切り部材4をZ軸方向に押し込むと、突起43b及び43cがスリット51の縁を乗り越え、仕切り部材4は、培養袋2を押圧することができる(
図3に示す左側の仕切り部材4の状態)。仕切り部材4は、培養袋2を押圧して培養袋収容部31(培養袋収容部31の第2底面B2)と共に培養袋2の内部空間を分割する。
【0043】
仕切り部材4が、培養袋2を押圧して培養袋収容部31(培養袋収容部31の第2底面B2)と共に培養袋2の内部空間を分割している状態において、突起43cが蓋部5の下面(窓部52の下面)に引っ掛かることにより、蓋部5に固定され、仕切り部材4が浮いて培養袋2の内部空間の分割が不完全になることを防止することができる。
【0044】
突起43a~43cは、
図3では、仕切り部材4の長軸方向(X軸方向)の端面に設けられているが、短軸方向(Y軸方向)の端面に設けてもよく、長軸方向(X軸方向)の端面と短軸方向(Y軸方向)の端面の両方に設けてもよい。
【0045】
図3に示す左側の仕切り部材4の例では、仕切り部材4は、培養袋2の面S1に垂直な方向(Z軸方向)において、培養袋2の内部空間を完全に仕切っている。完全に仕切るとは、仕切り部材4を境に、一方の内部空間と他方の内部空間との間で内容物Mが流通しない状態である。この場合、仕切り部材4の押圧部42のZ軸方向の長さは、蓋部5の上面T2と培養袋収容部31の第2底面B2との距離と同じ長さである。なお、
図3に示す例では、培養袋2に内容物Mが封入された状態で、仕切り部材4を作動させているが、培養袋2に内容物Mを封入する前に、培養袋2が空の状態で、仕切り部材4を作動させてもよい。
【0046】
図4は、仕切り部材4の作動の他の例を説明する
図1のI-I断面図である。仕切り部材4は、Z軸方向において、培養袋2の内部空間を不完全に仕切っていてもよい。不完全に仕切るとは、仕切り部材4を境に、一方の内部空間と他方の内部空間との間で内容物Mが一部流通可能な状態である。具体的には、仕切り部材4は、培養袋2の上面のみを押圧し、下面は押圧しない。これにより、培養袋2を押圧しない状態と比較して、内容物Mを一方の内部空間から他方の内部空間に向けて、ゆっくり又は少しずつ流通させることができる。
【0047】
この場合、仕切り部材4の押圧部42のZ軸方向の長さは、蓋部5の上面T2と培養袋収容部31の第2底面B2との距離よりも短い。例えば、押圧部42のZ軸方向の長さと、蓋部5の上面T2と培養袋収容部31の第2底面B2との距離の比は、99:100~95:100であってよい。なお、
図4に示す例では、培養袋2に内容物Mが封入された状態で、仕切り部材4を作動させているが、培養袋2に内容物Mを封入する前に、培養袋2が空の状態で、仕切り部材4を作動させてもよい。
【0048】
以上のように、仕切り部材4が、培養袋2の面S1に垂直な方向(Z軸方向)において、培養袋2の内部空間を完全に又は不完全に仕切ることにより、培養装置1は、操作内容に応じて、培養袋2の内部空間を分割することができる。よって、複数の操作を伴う場合においても、培養開始から終了まで連続して操作することができ、培養装置1は、密封された状態でより効率良く培養することができる。
【0049】
培養袋2の内部空間の分割を解除する場合は、仕切り部材4を蓋部5に対して、Z軸方向に引き上げると、突起43bがスリット51の縁を乗り越え、突起43bが蓋部5の上面T2(窓部52の上面)に引っ掛かることにより、押圧部42が培養袋2から離隔した状態で蓋部5に固定され、初期状態に戻る(
図3及び
図4に示す右側の仕切り部材4の状態)。
【0050】
以上のように、仕切り部材4は、培養袋2の面S1に垂直な方向(Z軸方向)に移動可能とすることができる。仕切り部材4は、手動により移動可能としてもよく、電動により移動可能としてもよい。仕切り部材4が、Z軸方向に移動可能であることにより、培養袋2の内部空間を所望の位置で瞬時に分割することができる。よって、例えば、上澄み液と沈降層を分液する操作を伴う場合においても、培養装置1を直立させた状態で、上澄み液と沈降層との境界を仕切り部材4で分割することにより、上澄み液と沈降層が混ざらない状態とし、上澄み及び沈降層をそれぞれ迅速に排出することができる。また、培養対象物を残した状態で培養液のみを交換する場合においても、培養装置1を直立させた状態で、培養液と培養対象物との境界を仕切り部材4で分割することにより、培養液と培養対象物が混ざらない状態とし、古い培養液を迅速に排出し、新しい培養液を迅速に導入することができる。
【0051】
例えば、培養袋支持体3の第1底面B1側を鉛直方向の下側となるようにして培養袋支持体3を直立させて、仕切り部材4によって上澄み液と沈降層とが混ざらない状態とし、上澄み液のみを排出し、新たな液体培地等を導入することで、素早く培地交換を行うことができる。
【0052】
また、足場材を用いた培養において、足場材と細胞との剥離を行うための剥離剤を導入し、培養袋支持体3の第1底面B1側を鉛直方向の下側となるようにして培養袋支持体3を直立させて、仕切り部材4で仕切ることによって上澄み液と足場材を含む沈降層とが混ざらない状態とし、上澄み液のみを排出した後に、沈降層を細胞と足場材とを迅速に分けることもできる。以上により、培養装置1は、密封された状態でより効率良く培養することができる。
【0053】
図5は、培養袋2における押圧箇所の一例を示す図である。仕切り部材4は、培養袋2の面S1に平行な一方向における培養袋2の全部(押圧箇所A)を押圧してよい。
図5に示す例では、仕切り部材4は、培養袋2の幅方向(X軸方向)における培養袋2の収容部の全部(押圧箇所A)を押圧している。これにより、仕切り部材4は、培養袋2の内部空間を、仕切り部材4と直交する方向において完全に仕切ることができる。押圧箇所は、押圧箇所Aに限らず、培養袋2の面S1に平行な一方向の全部であれば、特に限定されず、培養袋2の形状等に応じて、任意の箇所とすることができる。
【0054】
図6は、培養袋2における押圧箇所の第1変形例を示す図である。仕切り部材4は、培養袋2の長さ方向(Y軸方向)における培養袋2の収容部(シール部を除く、培養対象物が収容される部分)の全部を押圧してもよい。
図6に示す例では、仕切り部材4は、培養袋2の長さ方向(Y軸方向)における培養袋2の収容部の全部(押圧箇所B)を押圧している。これにより、仕切り部材4は、培養袋2の内部空間を、仕切り部材4と直交する方向において完全に仕切ることができる。なお、
図6に示す例の場合、蓋部5の複数のスリット51は、培養袋2の幅方向(X軸方向)において互いに離隔して設けられ、スリット51の形状は、培養袋2の長さ方向(Y軸方向)に延びる細長形状である。
【0055】
図7は、第1変形例の仕切り部材4を示す
図1のII-II断面図であり、
図8は、培養袋2における押圧箇所の第2変形例を示す図である。仕切り部材4は、培養袋2の面S1に平行な一方向における培養袋2の一部を押圧してよい。
図7及び
図8に示す例では、仕切り部材4は、培養袋2の幅方向(X軸方向)における培養袋2の一部を押圧している。この場合、
図7に示すように、仕切り部材4の長軸方向(X軸方向)における押圧部42の長さは、培養袋2の幅方向(X軸方向)の長さより短く、また、
図1及び2に示す仕切り部材4の長軸方向(X軸方向)における押圧部42の長さよりも短い。
図7に示す仕切り部材4の場合、
図8に示すように、培養袋2の幅方向(X軸方向)における培養袋2の中央部(押圧箇所A)を押圧することができる。
【0056】
これにより、仕切り部材4は、培養袋2の内部空間を、仕切り部材4と直交する方向において部分的に仕切ることができる。よって、仕切り部材4と直交する方向において、内容物Mを部分的に移動させることができ、例えば、押圧箇所Aを中心として、内容物Mを循環させることができる。
【0057】
仕切り部材4が、培養袋2の面S1に平行な一方向における培養袋2の一部を押圧する場合、蓋部5のスリット51の長軸方向(X軸方向)の長さは、押圧部42の長軸方向(X軸方向)の長さと同じ長さであってよい。即ち、スリット51の長軸方向(X軸方向)の長さは、
図1及び
図2に示すスリット51の長軸方向(X軸方向)の長さよりも短くてよい。
【0058】
スリット51の長軸方向(X軸方向)の長さは、押圧部42の長軸方向(X軸方向)の長さより長くてもよい。即ち、スリット51の長軸方向(X軸方向)の長さは、
図1及び
図2に示すスリット51の長軸方向(X軸方向)の長さと同じであってよい。これにより、スリット51に挿入された仕切り部材4をスリット51に沿ってX軸方向にスライドさせることが可能となる。例えば、仕切り部材4は、
図8に示すような培養袋2の幅方向(X軸方向)の中央部(押圧箇所A)を押圧したり、スリット51に沿ってX軸方向にスライドさせて、培養袋2の側方部を押圧することができる。この場合、押圧部42の突起43a、43b、43cは、仕切り部材4の短軸方向(Y軸方向)の端面に設けられている。また、培養装置1は、スリット51における、仕切り部材4が挿入されている部分以外の空隙を埋めるストッパー部材を有していてよい。ストッパー部材をスリット51に挿入することにより、仕切り部材4が再度スライドしてしまうことを防止することができる。
【0059】
仕切り部材4の長軸方向(X軸方向)において、押圧部42の根元部分の長さは、押圧部42の先端部分の長さと同程度でもよく、先端部分の長さよりも長くてもよい。仕切り部材4の長軸方向(X軸方向)において、押圧部42の根元部分の長さが、押圧部42の先端部分の長さよりも長く、且つ、
図1及び2に示す押圧部42の根元部分の長さと同じである場合は、スリット51の長軸方向(X軸方向)の長さは、
図1及び
図2に示すスリット51の長軸方向(X軸方向)の長さと同じであってよい。この場合、押圧部42の突起43a、43b、43cは、仕切り部材4の短軸方向(Y軸方向)の端面に設けられている。
【0060】
仕切り部材4は、複数に分割された複数の仕切り部材片から構成されていてもよい。仕切り部材4は、複数の仕切り部材片のうち、一部の仕切り部材片のみにより培養袋2の面S1に平行な一方向における培養袋2の一部を押圧してよい。培養袋2の幅方向(X軸方向)における培養袋2の全部を押圧している仕切り部材4が、仕切り部材4の長軸方向に複数の仕切り部材片に分割されている場合、一部の仕切り部材片のみをZ軸方向に移動させることにより、培養袋2の幅方向(X軸方向)における培養袋2の一部の押圧を開放することができる。
【0061】
図7及び
図8に示す例においても、押圧箇所は、押圧箇所Aに限らず、培養袋2の面S1に平行な一方向の一部であれば、特に限定されず、培養袋2の形状等によって、任意の箇所とすることができる。仕切り部材4は、培養袋2の長さ方向(Y軸方向)における培養袋2の一部を押圧してもよい。
【0062】
図9は、培養袋2における押圧箇所の第3変形例を示す図である。
図9に示す例では、仕切り部材4は、培養袋2の長さ方向(Y軸方向)における培養袋2の一部を押圧している。これにより、仕切り部材4は、培養袋2の内部空間を、仕切り部材4と直交する方向において部分的に仕切ることができる。なお、
図9に示す例の場合、蓋部5の複数のスリット51は、培養袋2の幅方向(X軸方向)において互いに離隔して設けられ、スリット51の形状は、培養袋2の長さ方向(Y軸方向)に延びる細長形状である。
【0063】
以上のように、仕切り部材4が、培養袋2の面S1に平行な一方向における培養袋2の全部又は一部を押圧することにより、培養装置1は、操作内容に応じて、培養袋2の内部空間を分割することができる。よって、複数の操作を伴う場合においても、培養開始から終了まで連続して操作することができ、培養装置1は、密封された状態でより効率良く培養することができる。
【0064】
図10は、第2変形例の仕切り部材4を示す
図1のI-I断面を示す図である。仕切り部材4の長軸方向に直交する断面の形状は、
図10に示すように、I字状であってもよい。
図7~
図9に示すように、培養袋2の面S1に平行な一方向における培養袋2の一部を押圧する場合、仕切り部材4の押圧部42の形状は、Z軸方向に延びる円柱状であってもよい。
【0065】
仕切り部材4は、蓋部5に対して着脱可能であってよい。これにより、例えば、
図1~
図3に示す仕切り部材4と、
図7に示す仕切り部材4とを用途に応じて付け替えることができる。よって、複数の操作を伴う場合においても、培養開始から終了まで連続して操作することができ、培養装置1は、密封された状態でより効率良く培養することができる。
【0066】
3つのスリット51のうち、2つのスリット51には、
図1~
図3に示す仕切り部材4が取り付けられ、残りの1つのスリット51には、
図7に示す仕切り部材4が取り付けられていてもよい。
【0067】
図1及び
図2に示す例では、培養袋支持体3に培養袋2が1つ収容されているが、培養袋支持体3に複数の培養袋2が収容されていてもよい。これにより、例えば、複数の培養袋2を同時に操作することができ、スケールアップすることができる。また、一の培養袋2で培養を行い、他の培養袋2には、熱媒体を封入し、他の培養袋2を一の培養袋2を加熱又は冷却するために使用することもできる。よって、培養装置1は、密封された状態でより効率良く培養することができる。
【0068】
培養装置1の最外形寸法は、例えば、
図1において、X軸方向(幅方向)の長さ100mm~800mm、Y軸方向(長さ方向)の長さ100mm~800mm、Z軸方向(高さ方向)の長さ20mm~200mmとすることができる。
【0069】
図11は、一実施形態による培養装置積層体10の斜視図である。培養装置1は、
図11に示すように、蓋部5の上に培養袋支持体3を載置可能であり、培養袋支持体3及び蓋部5を介して複数の培養袋2を積層可能であることが好ましく、培養装置積層体10を構成していてもよい。培養装置積層体10は、培養装置1が複数積層され、上に積層される培養袋支持体3の底部33と、培養袋支持体3の下に位置する蓋部5の周縁53とが嵌合していてよい。これにより、複数の培養装置1を同時に操作することができ、スケールアップすることができる。よって、培養装置1又は培養装置積層体10は、密封された状態でより効率良く培養することができる。
【0070】
培養装置積層体10においても、複数の培養装置1を積層した状態で、それぞれの第1挿通孔35及び第2挿通孔55が重なり、培養装置積層体10を貫通する挿通孔を構成するため、挿通孔に図示しない支持部材を挿通させることにより、培養装置積層体10を安定して直立させることができる。よって、培養装置積層体10は、直立させた場合に転倒することを抑制することがきる。また、培養装置積層体10は、直立した状態においても培養袋2の内部空間を分割することができる。以上により、培養装置積層体10は、密封された状態で効率良く培養することができる。また、培養装置積層体10は、省スペースで培養を行うことができる。
【0071】
(本発明の態様)
本発明は、以下の態様を含む。
<態様1>
培養袋と、
前記培養袋を収容する培養袋収容部を有する培養袋支持体と、
前記培養袋収容部に収容された前記培養袋を押圧して前記培養袋収容部と共に前記培養袋の内部空間を分割する仕切り部材を有し、前記培養袋支持体に対し着脱可能な蓋部とを備えたことを特徴とする培養装置。
<態様2>
前記蓋部には、前記仕切り部材を挿通可能なスリットが、複数設けられている態様1に記載の培養装置。
<態様3>
前記蓋部は、外部から前記培養袋収容部の内部の少なくとも一部を視認可能な窓部を有し、
前記複数のスリットは、前記窓部に設けられている態様2に記載の培養装置。
<態様4>
前記仕切り部材は、前記複数のスリットに対応して複数設けられ、
複数の前記仕切り部材のうち、一部の前記仕切り部材を作動させる態様2又は3に記載の培養装置。
<態様5>
前記仕切り部材は、前記培養袋の面に平行な一方向における前記培養袋の全部又は一部を押圧する態様1から4のいずれか一つに記載の培養装置。
<態様6>
前記仕切り部材は、前記培養袋の面に垂直な方向において、前記培養袋の内部空間を完全に又は不完全に仕切る態様1から5のいずれか一つに記載の培養装置。
<態様7>
前記仕切り部材は、前記培養袋の面に垂直な方向に移動可能である態様1から6のいずれか一つに記載の培養装置。
<態様8>
前記仕切り部材は、前記蓋部に対して着脱可能である態様1から7のいずれか一つに記載の培養装置。
<態様9>
前記培養袋は、液体又は気体を導入又は排出する少なくとも1つの開口部を有する態様1から8のいずれか一つに記載の培養装置。
<態様10>
前記培養袋は、端部に設けられた係合穴を有し、
前記培養袋支持体は、前記係合穴と係合する固定具を有する態様1から9のいずれか一つに記載の培養装置。
<態様11>
前記蓋部の上に前記培養袋支持体を載置可能であり、前記培養袋支持体及び前記蓋部を介して複数の前記培養袋を積層可能である態様1から10のいずれか一つに記載の培養装置。
<態様12>
態様1から11のいずれか一つに記載の培養装置が複数積層され、
上に積層される前記培養袋支持体の底部と、前記培養袋支持体の下に位置する前記蓋部の周縁とが嵌合している培養装置積層体。
【0072】
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更等を行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1 培養装置
2 培養袋
21 開口部
22 係合穴
3 培養袋支持体
31 培養袋収容部
32 周壁部
33 底部
34 被係合部
35 第1挿通孔
36 固定具
4 仕切り部材
41 天面部
42 押圧部
43a、43b、43c 突起
5 蓋部
51 スリット
52 窓部
53 周縁
54 係合部
55 第2挿通孔
7 チューブ
S1 培養袋の面
10 培養装置積層体