(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170390
(43)【公開日】2024-12-10
(54)【発明の名称】表面改変された半電導性発光ナノ粒子、およびその調製のためのプロセス
(51)【国際特許分類】
C09K 11/08 20060101AFI20241203BHJP
C09K 11/62 20060101ALI20241203BHJP
C07C 321/04 20060101ALI20241203BHJP
B82Y 40/00 20110101ALI20241203BHJP
B82Y 20/00 20110101ALI20241203BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
C09K11/08 G
C09K11/08 A
C09K11/62
C07C321/04
B82Y40/00
B82Y20/00
G02B5/20
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024119619
(22)【出願日】2024-07-25
(62)【分割の表示】P 2021535597の分割
【原出願日】2019-12-17
(31)【優先権主張番号】18214774.4
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リーバーマン,イタイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ナノ粒子を含む組成物、およびその調製のためのプロセスを提供する。
【解決手段】組成物の調製のためのプロセスは、第1の有機化合物を、周期表の13族元素の少なくとも1つを含むコアを含む半電導性発光ナノ粒子(ここで前記ナノ粒子は量子サイズ材料であり、任意に少なくとも1つのシェル層を含み、および2種以上のリガンドで部分的にまたは全体的に覆われている)と混合し、ここで前記第1の有機化合物は、以下の化学式(I)XR1R2-(I)(式中、Xは、Sであり、R1は、水素原子であり、R2は、1~40個の炭素原子を有する線状のアルキル基、または3~40個の炭素原子を有する分枝のアルキル基である)で表され、半電導性発光ナノ粒子を部分的にまたは全体的に覆っているリガンドとリガンド交換し、プロセスは、前記混合ステップの後に半電導性発光材料の精製、遠心分離および真空乾燥を含まない。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップ、
a)少なくとも第1の有機化合物を、コアを含む半電導性発光ナノ粒子と混合し、ここでナノ粒子は任意に少なくとも1つのシェル層を含む、好ましくは別の材料との第1の混合物を得る、
ここで該第1の有機化合物は、以下の化学式(I)
A(B)nC - (I)
(式中、Aは第1の末端基を表し、Bは二価の結合であり、Cは第2の末端基であり、nは0または1である)で表される、
を含む、組成物の調製のためのプロセス。
【請求項2】
第1の有機化合物の量が、半電導性発光ナノ粒子の無機部分の総量に基づき、0.01wt.%から100wt.%までの範囲である、好ましくはそれが10wt.%から50wt.%まで、より好ましくは20wt.%から30wt.%までの範囲である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
第1の有機化合物が、以下の化学式(I)
XR1R2(R3)n
(式中、
Xは、P、O、S、またはNから選択され、
nは、XがOまたはSの場合0であり、nは、XがPまたはNの場合1であり、
R1は、水素原子、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキル基またはアルコキシル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有する分枝のアルキル基またはアルコキシル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリール基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリール基、および4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基からなる群からの1以上の要素から選択され、各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=NRa、SO、SO2、NRa、またはCONRaによって置き換えられていてもよく、および1以上のH原子はD、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2、または1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系によって置き換えられていてもよく、
Raは、出現毎に同一にまたは異なって、H、D、または、1~20個の炭素原子を有するアルキル基、3~40個の炭素原子を有する環状アルキルまたはアルコキシ基、5~60個の炭素環原子を有する芳香環系、または5~60個の炭素原子を有するヘテロ芳香環系であり、ここでH原子は、D、F、Cl、Br、Iによって置き換えられていてもよく、ここで2以上の隣接する置換基Raは、相互に、モノ-または多環式、脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香環系を形成してもまたよく、
R2は、水素原子、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキル基またはアルコキシル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有する分枝のアルキル基またはアルコキシル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリール基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリール基、および4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基からなる群からの1以上の要素から選択され、各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=NRa、SO、SO2、NRa、またはCONRaによって置き換えられていてもよく、および1以上のH原子はD、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2、または1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系によって置き換えられていてもよく、
R3は、水素原子、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキル基またはアルコキシル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有する分枝のアルキル基またはアルコキシル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリール基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリール基、および4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基からなる群からの1以上の要素から選択され、各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=NRa、SO、SO2、NRa、またはCONRaによって置き換えられていてもよく、および1以上のH原子はD、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2、または1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系によって置き換えられていてもよく、
ここで、R1、R2、R3の少なくとも1つは、水素原子でない)で表される、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
第1の有機化合物が、チオール、セレノール、ホスホン酸、カルボン酸、アミン、およびホスフィンからなる群から選択される、好ましくはそれがチオール、カルボン酸、またはホスホン酸である、なおより好ましくはそれが、ヘキサン-1-チオール、カルボン酸、1-ドデカンチオール、またはヘキシルホスホン酸である、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
ステップa)が該別の材料で行われ、および、別の材料の量が、半電導性発光ナノ粒子の無機部分の総量に基づき、0.01wt.%から100wt.%までの範囲である、好ましくはそれが0.1wt.%から50wt.%まで、より好ましくは20wt.%から30wt.%までの範囲である、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
ステップa)が該別の材料で行われ、および、該別の材料が、光開始剤、熱開始剤、無機材料、有機化合物、および溶媒からなる群の1以上の要素から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
該別の化合物が、無機溶媒、有機溶媒、およびこれらの混合物から選択される溶媒である、好ましくはそれが、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、およびエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、およびジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、およびプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル;メチルセロソルブアセタートおよびエチルセロソルブアセタートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセタート;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセタート、およびプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセタートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセタート;メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、およびシクロヘキサノンなどのケトン;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、およびグリセリンなどのアルコール;エチル3-エトキシプロピオナート、メチル3-メトキシプロピオナートおよびエチルラクタートなどのエステル;およびガンマ-ブチロ-ラクトンなどの環状エステル;クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、およびジクロロベンゼンなどの塩素化炭化水素からなる群の1以上の要素から選択され、好ましくは該溶媒は、プロピレングリコールアルキルエーテルアセタート、アルキルアセタート、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコール、およびプロピレングリコールモノアルキルエーテルであり、好ましくは溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)などのプロピレングリコールアルキルエーテルアセタート、ブチルアセタートなどのアルキルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコール、または、メトキシプロパノールなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテルからなる群の1以上の要素から選択され、より好ましくは溶媒は、プロピレングリコールアルキルエーテルアセタートから選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
該別の化合物が、光開始剤、熱開始剤またはこれらの混合物から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセスによって得ることのできる、または得られる組成物。
【請求項10】
少なくとも、
a)コア、任意に少なくとも1つのシェル層を含む1つの半電導性発光ナノ粒子
b)第1の化学化合物、および
c)任意に別の化合物
ここで該第1の有機化合物は、以下の化学式(I)
A(B)nC - (I)
(式中、Aは第1の末端基を表し、Bは二価の結合であり、Cは第2の末端基であり、nは0または1である)で表される、
を含む組成物。
【請求項11】
第1の化学化合物の総量が、組成物の総量に基づき、0.1wt.%から90wt.%まで、好ましくは5wt.%から70wt.%まで、より好ましくは20wt.%から50wt.%までの範囲である、請求項9または10に記載の組成物。
【請求項12】
ナノ粒子の総量が、組成物の総量に基づき、0.1wt.%から100wt.%まで、好ましくは10wt.%から50wt.%まで、より好ましくは20wt.%から30wt.%までの範囲である、請求項9~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
化学式I)
A(B)nC - (I)
(式中、Aは第1の末端基を表し、Bは二価の結合であり、Cは第2の末端基であり、nは0または1である)で表される第1の化学化合物の、少なくとも1つの半電導性発光ナノ粒子を含む組成物における、または組成物を作製することのための、または光学デバイスを作製するためのプロセスのための使用。
【請求項14】
請求項9~12のいずれか一項に記載の組成物の、電子デバイス、光学デバイスにおける、または生物医学デバイスにおける使用。
【請求項15】
請求項9~12のいずれか一項に記載の組成物を少なくとも含む光学媒体。
【請求項16】
少なくとも1つの半電導性発光ナノ粒子、および化学式I)
A(B)nC - (I)
(式中、Aは第1の末端基を表し、Bは二価の結合であり、Cは第2の末端基であり、nは0または1である)で表される第1の化学化合物を含む光学媒体。
【請求項17】
アノードおよびカソード、および、請求項9~12のいずれか一項に記載の組成物を含む少なくとも1つの有機層を含む、好ましくは該1つの有機層が発光層であり、より好ましくは媒体が、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、ホールブロッキング層、電子ブロッキング層、および電子注入層からなる群から選択される1以上の層をさらに含む、請求項15または16に記載の光学媒体。
【請求項18】
有機層が、請求項9~12のいずれか一項に記載の組成物、およびホスト材料を含む、好ましくはホスト材料が有機ホスト材料である、請求項15~17のいずれか一項に記載の光学媒体。
【請求項19】
請求項15~18のいずれか一項に記載の少なくとも1つの光学媒体を含む光学デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、半電導性発光ナノ粒子を含む組成物、組成物を調製するためのプロセス、組成物の使用、化学化合物の使用、光学媒体、および光学デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
US 9,701,896 B1において、量子ドットおよび放射安定剤のTOPO、TOPO+KDP、またはTOPO+Znオレアートを包含する組成物が開示される。
US 2010/068522 A1 において、10-ウンデシレン酸で官能化されたInP量子ドットが開示される。
APL Materials 4, 040702 (2016)において、アクリルポリマー組成物に、組成物の硬化の前に、トリオクチルホスフィンオキシドを添加することが記述される。
CN 106590629 Aにおいて、量子材料の周りでカルボキシベンゼンを結晶化することにより、ペロブスカイト量子ドットの安定性が向上することが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】1.US 9,701,896 B1
【特許文献2】2.US 2010/068522 A1
【特許文献3】3.CN 106590629 A
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】4.APL Materials 4, 040702 (2016)
【0005】
本発明の概要
しかしながら、本発明者らは、以下に列挙されるとおり、改善が所望されるかなりの問題が、まだ1以上あることを新たに発見した;
【0006】
ナノ粒子の量子収率の改善、希釈された組成物および/またはラジカルが豊富な環境における量子収率の低下を防止または低減すること、より高いデバイス効率、ナノ粒子のシェル部分の表面状態を最適化すること、ナノ粒子のシェル層の格子欠陥を低減すること、シェル層のダングリングボンドの形成を低減/防止すること、より良好な熱安定性、改善された酸化安定性、ラジカル物質に対する改善された安定性、QYを著しく低下させることなく長期保管中の改善された安定性、より良好な化学的安定性、環境によりやさしい、およびより安全な製作プロセス。
【0007】
本発明者らは、上述の問題の1以上を解決することを目指した。
次いで、以下のステップ、
a)少なくとも第1の有機化合物を、コアを含む半電導性発光ナノ粒子と混合し、ここでナノ粒子は任意に少なくとも1つのシェル層を含む、好ましくは別の材料との第1の混合物を得る、
ここで該第1の有機化合物は、以下の化学式(I)
A(B)nC - (I)
(式中、Aは第1の末端基を表し、Bは二価の結合であり、Cは第2の末端基であり、nは0または1である)で表される、
を含む、本質的にからなる、からなる、組成物の調製のための新規なプロセスを発見した。
【0008】
別の側面において、本発明はまた、本発明のプロセスによって得ることのできるまたは得られる組成物にも関する。
【0009】
別の側面において、本発明はさらに、少なくとも、
a)コア、任意に少なくとも1つのシェル層を含む1つの半電導性発光ナノ粒子
b)第1の化学化合物、および
c)任意に別の化合物
ここで該第1の有機化合物は、以下の化学式(I)
A(B)nC - (I)
(式中、Aは第1の末端基を表し、Bは二価の結合であり、Cは第2の末端基であり、nは0または1である)で表される、
を含む、本質的にからなる、からなる組成物に関する。
【0010】
別の側面において、本発明はまた、化学式I)
A(B)nC - (I)
(式中、Aは第1の末端基を表し、Bは二価の結合であり、Cは第2の末端基であり、nは0または1である)で表される第1の化学化合物の、少なくとも1つの半電導性発光ナノ粒子を含む組成物における、または組成物を作製することのための、または光学デバイスを作製するためのプロセスのための使用にも関する。
別の側面において、本発明はまた、本発明の組成物の、電子デバイス、光学デバイスにおける、または生物医学デバイスにおける使用にも関する。
【0011】
別の側面において、本発明はさらに、少なくとも1つの半電導性発光ナノ粒子、および化学式I)
A(B)nC - (I)
(式中、Aは第1の末端基を表し、Bは二価の結合であり、Cは第2の末端基であり、nは0または1である)で表される第1の化学化合物を含む光学媒体に関する。
別の側面において、本発明はさらに、少なくとも1つの本発明の光学媒体を含む光学デバイスに関する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図4】
図4は、比較例2の7つの異なる試料のQY測定の結果を示す。
【0013】
本発明の詳細な記載
本発明に従って、組成物を調製するためのプロセスは、以下のステップ、
a)少なくとも第1の有機化合物を、コアを含む半電導性発光ナノ粒子と混合し、ここでナノ粒子は任意に少なくとも1つのシェル層を含む、好ましくは別の材料との第1の混合物を得る、好ましくは該第1の混合物は組成物である、
ここで該第1の有機化合物は、以下の化学式(I)
A(B)nC - (I)
(式中、Aは第1の末端基を表し、Bは二価の結合であり、Cは第2の末端基であり、nは0または1である)で表される、
を含む、本質的にからなる、またはからなる。
【0014】
-第1の有機化合物
上に記載されるとおり、第1の有機化合物は、以下の化学式(I)
A(B)nC - (I)
(式中、Aは第1の末端基を表し、Bは二価の結合であり、Cは第2の末端基であり、nは0または1である)で表される。
【0015】
1以上の公的に入手可能な、上の式(I)または下の化学式(II)によって表される化学化合物は、好ましくは例としてチオール、カルボン酸、ホスホン酸、および/またはメルカプトアセタートから選択される。
および、例えば国際特許出願公報No.WO 2012/059931Aにおいて記載される、化学式(I)または(II)によって表されるリガンド材料もまた使用され得る。
【0016】
本発明の好ましい態様において、組成物における第1の有機化合物の量は、組成物における半電導性発光ナノ粒子の無機部分の総量に基づき、0.01wt.%から100wt.%までの範囲であり、好ましくはそれは10wt.%から50wt.%まで、より好ましくは20wt.%から30wt.%までの範囲である。
【0017】
本発明の好ましい態様において、第1の有機化合物は、以下の化学式(II)
XR1R2(R3)n (II)
(式中、
Xは、P、O、S、またはNから選択され、
nは、XがOまたはSの場合0であり、nは、XがPまたはNの場合1であり、
【0018】
R1は、水素原子、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキル基またはアルコキシル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有する分枝のアルキル基またはアルコキシル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリール基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリール基、および4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基からなる群からの1以上の要素から選択され、各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=NRa、SO、SO2、NRa、またはCONRaによって置き換えられていてもよく、および1以上のH原子はD、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2、または1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系によって置き換えられていてもよく、
【0019】
Raは、出現毎に同一にまたは異なって、H、D、または、1~20個の炭素原子を有するアルキル基、3~40個の炭素原子を有する環状アルキルまたはアルコキシ基、5~60個の炭素環原子を有する芳香環系、または5~60個の炭素原子を有するヘテロ芳香環系であり、ここでH原子は、D、F、Cl、Br、Iによって置き換えられていてもよく、ここで2以上の隣接する置換基Raは、相互に、モノ-または多環式、脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香環系を形成してもまたよく、
【0020】
R2は、水素原子、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキル基またはアルコキシル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有する分枝のアルキル基またはアルコキシル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリール基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリール基、および4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基からなる群からの1以上の要素から選択され、各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=NRa、SO、SO2、NRa、またはCONRaによって置き換えられていてもよく、および1以上のH原子はD、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2、または1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系によって置き換えられていてもよく、
【0021】
R3は、水素原子、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキル基またはアルコキシル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有する分枝のアルキル基またはアルコキシル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリール基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリール基、および4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基からなる群からの1以上の要素から選択され、各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=NRa、SO、SO2、NRa、またはCONRaによって置き換えられていてもよく、および1以上のH原子はD、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2、または1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系によって置き換えられていてもよく、
ここで、R1、R2、R3の少なくとも1つは、水素原子でない)で表される。
【0022】
本発明の好ましい態様において、第1の有機化合物は、チオール、セレノール、ホスホン酸、カルボン酸、アミン、およびホスフィンからなる群から選択され、好ましくはそれは、ヘキサン-1-チオール、カルボン酸、1-ドデカンチオール、またはヘキシルホスホン酸などのチオール、カルボン酸、またはホスホン酸であり、なおより好ましくはそれは、チオールである。
【0023】
好ましくは、式II)のR2は、1~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは5~15個の炭素原子を有する置換または非置換の線状のアルキル基またはアルコキシル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは5~20個の炭素原子を有する置換または非置換の分枝のアルキル基またはアルコキシル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは5~25個の炭素原子を有する置換または非置換のシクロアルカン基、3~40個の炭素原子、好ましくは5~25個の炭素原子を有する置換または非置換のアリール基である。
【0024】
より好ましくはR2は、1~40個の炭素原子を有する置換された線状のアルキル基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは5~25個の炭素原子を有する非置換の分枝のアルキル基またはアルコキシル基である。
より好ましくはR2は、以下の表1の基から選択される。
【0025】
【0026】
ここでおよび「*」は、別のユニットへの連結点を表す。
化学化合物として、公的に入手可能なメルカプトアセタートおよび/またはメルカプトプロピオナートは、混合物中の半導体発光ナノ粒子の量子収率の低下を防止/低減するための化学化合物としてさらにまた好適であり、溶液中で、特に光開始剤の存在下で好ましい。
公的に入手可能な以下の化学化合物はとくに好適である。
【0027】
【0028】
本発明に従って、好ましくはステップa)は、該別の材料で行われ、および、別の材料の量は、半電導性発光ナノ粒子の無機部分の総量に基づき、0.01wt.%から100wt.%までの範囲、好ましくはそれは0.1wt.%から50wt.%まで、より好ましくは20wt.%から30wt.%までの範囲である。
【0029】
本発明のいくつかの態様において、ステップa)は該別の材料で行われ、および、該別の材料は、光開始剤、熱開始剤、無機材料、有機化合物、および溶媒からなる群の1以上の要素から選択される。
【0030】
本発明のいくつかの態様において、該別の化合物は、無機溶媒、有機溶媒、およびこれらの混合物から選択される溶媒であり、好ましくはそれは、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、およびエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、およびジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、およびプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル;メチルセロソルブアセタートおよびエチルセロソルブアセタートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセタート;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセタート、およびプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセタートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセタート;メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、およびシクロヘキサノンなどのケトン;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、およびグリセリンなどのアルコール;エチル3-エトキシプロピオナート、メチル3-メトキシプロピオナートおよびエチルラクタートなどのエステル;およびガンマ-ブチロ-ラクトンなどの環状エステル;クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、およびジクロロベンゼンなどの塩素化炭化水素からなる群の1以上の要素から選択され、好ましくは該溶媒は、プロピレングリコールアルキルエーテルアセタート、アルキルアセタート、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコール、およびプロピレングリコールモノアルキルエーテルであり、好ましくは溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)などのプロピレングリコールアルキルエーテルアセタート、ブチルアセタートなどのアルキルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコール、または、メトキシプロパノールなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテルからなる群の1以上の要素から選択され、より好ましくは溶媒は、プロピレングリコールアルキルエーテルアセタートから選択される。
【0031】
本発明のいくつかの態様において、該別の化合物は、光開始剤、熱開始剤、またはこれらの混合物から選択される。
【0032】
-半電導性発光ナノ粒子
本発明に従って、用語「半導体」は、室温にて伝導体(銅など)のものと絶縁体(ガラスなど)のものとの間の度合いの電気伝導率を有する材料を意味する。好ましくは半導体は、温度とともに電気伝導率が増加する材料である。
【0033】
用語「ナノ」は、0.1nmと999nmとの間、好ましくは1nm~150nm、より好ましくは3nm~50nmにおけるサイズを意味する。
よって、本発明に従って、「半電導性発光ナノ粒子」は、サイズが0.1nmと999nmとの間、好ましくは1nm~150nm、より好ましくは3nm~50nmである、室温にて伝導体(銅など)のものと絶縁体(ガラスなど)のものとの間の度合いの電気伝導率を有する、好ましくは半導体は、温度とともに電気伝導率が増加する材料であり、およびサイズが0.1nmと999nmとの間、好ましくは0.5nm~150nm、より好ましくは1nm~50nmである、発光材料を意味すると解釈される。
【0034】
本発明に従って、用語「サイズ」は、半電導性ナノサイズ発光粒子の最長軸の平均直径を意味する。
半電導性ナノサイズ発光粒子の平均直径は、Tecnai G2 Spirit Twin T-12 Transmission Electron Microscopeにより作成されるTEM画像において100個の半電導性発光ナノ粒子に基づき計算される。
【0035】
本発明の好ましい態様において、本発明の半電導性発光ナノ粒子は、量子ドットなどの量子サイズ材料である。
本発明に従って、量子ドットの形状は特に限定されない。例えば、球形の形状の、細長い形状の、星形状の、多面体形形状の、ピラミッド形状の、テトラポッド形状の、四面体形状の、小平板形状の、円錐形状の、および不規則な形状の量子ドットが使用され得る。
【0036】
本発明に従って、用語「量子サイズ」は、リガンドも別の表面修飾もない半電導性材料自体のサイズを意味し、例えばISBN:978-3-662-44822-9に記載されるなどの、量子閉じ込め効果を表し得る。
【0037】
本発明の好ましい態様において、ナノ粒子は、少なくとも
i)第1の半電導性材料、
ii)任意に、少なくとも1つのシェル層、
iii)任意に、第1の半電導性材料の最も外側の表面またはシェル層などの、ナノ粒子の最も外側の表面に付着される表面リガンドとしての化学化合物、
をこの順番で含む。
【0038】
例えば、CdSe/CdS、CdSeS/CdZnS、CdSeS/CdS/ZnS、ZnSe/CdS、CdSe/ZnS、InP/ZnS、InP/ZnSe、InP/ZnSe/ZnS、InZnP/ZnS、InZnP/ZnSe、InZnP/ZnSe/ZnS、InGaP/ZnS、InGaP/ZnSe、InGaP/ZnSe/ZnS、InZnPS/ZnS、InZnPS ZnSe、InZnPS/ZnSe/ZnS、ZnSe/CdS、ZnSe/ZnSまたはこれらの任意の組み合わせなどの公的に入手可能な量子ドットは使用され得る。好ましくは、InP/ZnS、InP/ZnSe、InP/ZnSe/ZnS、InZnP/ZnS、InZnP/ZnSe、InZnP/ZnSe/ZnS、InGaP/ZnS、InGaP/ZnSe、InGaP/ZnSe/ZnSは使用され得る。
【0039】
CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnSeS、ZnTe、ZnO、GaAs、GaP、GaSb、HgS、HgSe、HgSe、HgTe、InAs、InP、InPS、InPZnS、InPZn、InPZnSe、InCdP、InPCdS、InPCdSe、InGaP、InGaPZn、InSb、AlAs、AlP、AlSb、Cu2S、Cu2Se、CuInS2、CuInSe2、Cu2(ZnSn)S4、Cu2(InGa)S4、TiO2合金、およびこれらの任意の組み合わせは、第1の半電導性材料(コア)として使用され得る。
【0040】
本発明の好ましい態様において、第1の半電導性材料は、周期表の13族元素または12族元素の少なくとも1つ、および周期表の16族元素の1つを含み、好ましくは該13族元素はIn、Ga、Al、Tiから選択され、該12族元素はZnまたはCdであり、および該15族元素はP、As、Sbから選択され、より好ましくは該第1の半電導性材料は以下の化学式(III)
In(1-x-2/3y)GaxZnyP (III)
(式中0≦x<1、0≦y<1、0≦x+y<1によって表され、好ましくは該第1の半電導性材料は、InP、InP:Zn、InP:ZnS、InP:ZnSe、InP:ZnSSe、InP:Gaからなる群から選択される)で表される。
【0041】
本発明に従って、半電導性発光ナノ粒子の第1半電導性材料の形状のタイプ、および合成される半電導性発光ナノ粒子の形状は、具体的に限定されない。
例えば、球形の形状の、細長い形状の、星形状の、多面体形形状の、ピラミッド形状の、テトラポッド形状の、四面体形状の、小平板形状の、円錐形状の、および不規則な形状の第1半電導性材料、および-または半電導性発光ナノ粒子を合成され得る。
【0042】
本発明のいくつかの態様において、第1半電導性材料の平均直径は、1.5nmから3.5nmまでの範囲である。
【0043】
本発明のいくつかの態様において、該半電導性発光ナノ粒子は、少なくとも1つのシェル層を含み、周期表の12族の第1の元素および周期表の16族の第2の元素を含むまたはからなり、好ましくは第1の元素はZnであり、および第2の元素はS、Se、またはTeである。
【0044】
本発明の好ましい態様において、シェル層は、以下の式(IV)
ZnSxSe(1-x-z)Tez、 - (IV)
(式中0≦x≦1、0≦z≦1、およびx+z≦1で表され、好ましくは、シェル層は、ZnSe、ZnSxSe(1-x)、ZnSe(1-x)Tez、ZnS、Znであり、より好ましくはそれは、ZnSeまたはZnSである)で表される。
【0045】
本発明のいくつかの態様において、該シェル層は、合金シェル層またはグレードシェル層であり、好ましくは該グレードシェル層は、ZnSxSey、ZnSeyTez、またはZnSxTezであり、より好ましくはそれは、ZnSxSeyである。
【0046】
本発明のいくつかの態様において、半電導性発光ナノ粒子は、該シェル層上に第2のシェル層をさらに含み、好ましくは第2のシェル層は、周期表の12族の第3の元素および周期表の16族の第4の元素を含むまたはからなり、より好ましくは第3の元素はZnであり、および第4の元素はS、Se、またはTeであり、ただし第4の元素と第2の元素とは同じでない。
【0047】
本発明の好ましい態様において、第2のシェル層は、以下の式(IV´)
ZnSxSeyTez、-(IV´)
式(IV´)において、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、およびx+y+z=1、で表され、好ましくはシェル層は、ZnSe、ZnSxSey、ZnSeyTez、またはZnSxTezであり、ただしシェル層と第2のシェル層とは同じでない。
【0048】
本発明のいくつかの態様において、該第2のシェル層は、合金シェル層でもよい。
本発明のいくつかの態様において、半電導性発光ナノ粒子は、1以上の追加のシェル層を第2のシェル層上にマルチシェルとしてさらに含んでもよい。
本発明に従って、用語「マルチシェル」は、3以上のシェル層からなる積み重なりのシェル層を表す。
【0049】
例えば、CdS、CdZnS、CdS/ZnS、ZnS、ZnSe、ZnSe/ZnSまたはこれらの任意の組み合わせが使用され得る。好ましくは、ZnS、ZnSe、またはZnSe/ZnSがシェル層として使用され得る。
【0050】
-リガンド化合物
本発明のいくつかの態様において、第1の半電導性材料の最も外側の表面または半電導性発光ナノ粒子のシェル層は、1以上の公知のリガンドで部分的にまたは全体的に覆われていてもよい。
【0051】
共通して使用される表面リガンドは、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)、トリオクチルホスフィン(TOP)、およびトリブチルホスフィン(TBP)などのホスフィンおよびホスフィンオキシド、ドデシルホスホン酸(DDPA)、トリデシルホスホン酸(TDPA)、オクタデシルホスホン酸(ODPA)、およびヘキシルホスホン酸(HPA)などのホスホン酸、オレイルアミン、Deデシルアミン(DDA)、テトラデシルアミン(TDA)、ヘキサデシルアミン(HDA)、およびオクタデシルアミン(ODA)、オレイルアミン(OLA)などのアミン、1-オクタデセン(ODE)、ヘキサデカンチオールおよびヘキサンチオールなどのチオール、メルカプトプロピオン酸およびメルカプトウンデカン酸などのメルカプトカルボン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸;酢酸などのカルボン酸、およびこれらの任意の組み合わせを包含する。およびまた。ポリエチレンイミン(PEI)もまた好ましくは使用され得る。
【0052】
表面リガンドの例は、例えば国際特許出願公開公報No. WO 2012/059931Aに記載されている。
本発明のいくつかの態様において、溶媒、有機発光材料、無機発光材料、電荷輸送材料、散乱粒子、ホスト材料、ナノサイズのプラズモニック粒子、光開始剤、およびマトリックス材料からなる群の1以上の要素から選択される添加剤は、組成物を得るためにステップa)において添加されてもよい。
【0053】
好ましい態様において、該第1の混合物は、組成物である。
いくつかの態様において、該添加剤は、該半電導性発光ナノ粒子とまたは該第1の有機化合物と、ステップa)の前またはステップa)の後で、ステップa)で得られた第1の混合物へ混合され、組成物を形成してもよい。
添加剤の詳細は、下記の「組成物のための添加剤」のセクションに記載される。
【0054】
-組成物
別の側面において、本発明はまた、本発明のプロセスによって得ることのできる、または得られる組成物にも関する。
別の側面において、本発明はさらに、少なくとも、
a)コア、任意に少なくとも1つのシェル層を含む1つの半電導性発光ナノ粒子
b)第1の化学化合物、および
c)任意に別の化合物
ここで該第1の有機化合物は、以下の化学式(I)
A(B)nC - (I)
(式中、Aは第1の末端基を表し、Bは二価の結合であり、Cは第2の末端基であり、nは0または1である)で表される、
を含む、本質的にからなる、またはからなる組成物に関する。
【0055】
第1の有機化合物のさらなる詳細は、上記の「第1の有機化合物」のセクションにおいて記載される。
半電導性発光ナノ粒子のさらなる詳細は、上記の「半電導性発光ナノ粒子」のセクションにおいて開示される。
本発明の好ましい態様において、化合物は、複数の半電導性発光ナノ粒子を包含する。
【0056】
本発明のいくつかの態様において、第1の化学化合物の総量は、組成物の総量に基づき、0.1wt.%から90wt.%まで、好ましくは5wt.%から70wt.%まで、より好ましくは20wt.%から50wt.%までの範囲である。
本発明のいくつかの態様において、ナノ粒子の総量は、組成物の総量に基づき、0.1wt.%から100wt.%まで、好ましくは10wt.%から50wt.%まで、より好ましくは20wt.%から30wt.%までの範囲である。
【0057】
-組成物のための添加剤
本発明のいくつかの態様において、該組成物は、溶媒、有機発光材料、無機発光材料、電荷輸送材料、散乱粒子、ホスト材料、ナノサイズのプラズモン粒子、光開始剤、およびマトリックス材料からなる群の1以上の要素から選択される添加剤をさらに含有してもよい。
【0058】
例えば、該無機発光材料は、硫化物、チオガレート、窒化物、酸窒化物、ケイ酸塩、アルミン酸塩、アパタイト、ホウ酸塩、酸化物、リン酸塩、ハロリン酸塩、硫酸塩、タングステン酸塩、タンタル酸塩、バナジン酸塩、モリブデン酸塩、ニオブ酸塩、チタン酸塩、ゲルミネート(germinates)、ハロゲン化物ベースのリン光体、およびこれらの任意の組み合わせからなる群の1以上の要素から選択され得る。
【0059】
上述のかかる好適な無機発光材料は、phosphor handbook, 2nd edition (CRC Press, 2006), pp. 155 - pp. 338 (W.M.Yen, S.Shionoya および H.Yamamoto), WO2011/147517A, WO2012/034625A, および WO2010/095140Aに記述などの量子サイズ材料、ナノサイズのリン光体を包含する周知のリン光体でもよい。
【0060】
本発明に従って、該有機発光材料、電荷輸送材料として、任意のタイプの公知の材料は好ましくは使用され得る。例えば、周知の有機蛍光材料、有機ホスト材料、有機色素、有機電子輸送材料、有機金属コンプレックス、および有機ホール輸送材料。
【0061】
散乱粒子の例について、SiO2、SnO2、CuO、CoO、Al2O3 TiO2、Fe2O3、Y2O3、ZnO、MgOなどの無機オキシドの小粒子、ポリマー化ポリスチレン、ポリマー化PMMAなどの有機粒子、中空シリカなどの無機中空オキシド、またはこれらの任意の組み合わせは好ましくは使用され得る。
【0062】
-マトリックス材料
本発明に従って、光学デバイスのために好適な多種多様な公知の透き通ったポリマーが、マトリックス材料として好ましくは使用され得る。
本発明に従って、用語「透き通った」は、入射光の少なくともほぼ60%が、光学媒体において使用される厚さにて、および光学媒体の操作中に使用される波長または波長範囲にて透過することを意味する。好ましくは、それは70%を超え、より好ましくは75%を超え、最も好ましくは80%を超える。
【0063】
本発明の好ましい態様において、例えば、WO2016/134820Aに記載される任意のタイプの公知の透き通ったポリマーが使用され得る。
本発明に従って、用語「ポリマー」は、繰り返し単位を有し、および重量平均分子量(Mw)1000g/mol以上を有する材料を意味する。
分子量Mwは、内部標準ポリスチレンに対し、GPC(=ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いて決定される。
【0064】
本発明のいくつかの態様において、透き通ったポリマーのガラス転移温度(Tg)は、70℃以上および250℃以下である。
Tgは、http://pslc.ws/macrog/dsc.htm; Rickey J Seyler, Assignment of the Glass Transition, ASTM publication code number (PCN) 04-012490-50に記載などの示差走査熱量測定で観察された熱容量の変化に基づき測定される。
【0065】
例えば、透き通ったマトリックス材料のための透き通ったポリマーとして、ポリ(メタ)アクリラート、エポキシ、ポリウレタン、ポリシロキサンが好ましくは使用され得る。
本発明の好ましい態様において、透き通ったマトリックス材料として、ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、1,000から300,000g/molまで、より好ましくはそれは、10,000から250,000g/molまでの範囲である。
【0066】
本発明のいくつかの態様において、組成物は、複数の半電導性発光ナノ粒子、および/または、複数の半電導性材料を含む。
いくつかの態様において、以下の化学式(I)で表される化学化合物の総量は、組成物の総量に基づき、0.1wt.%から90wt.%まで、好ましくは5wt.%から70wt.%まで、より好ましくは20wt.%から50wt.%までの範囲である。
【0067】
いくつかの態様において、ナノ粒子の総量は、組成物の総量に基づき、0.1wt.%から100wt.%まで、好ましくは10wt.%から50wt.%まで、より好ましくは20wt.%から30wt.%までの範囲である。
【0068】
-使用
別の側面において、本発明は、化学式I)
A(B)nC - (I)
(式中、Aは第1の末端基を表し、Bは二価の結合であり、Cは第2の末端基であり、nは0または1である)で表される第1の化学化合物の、少なくとも1つの半電導性発光ナノ粒子を含む組成物における、または組成物を作製することのための、または光学デバイスを作製するためのプロセスのための使用に関する。
別の側面において、本発明は、本発明に従う組成物の、電子デバイス、光学デバイスにおける、または生物医学デバイスにおける使用に関する。
【0069】
-光学媒体
別の側面において、本発明はさらに、本発明の組成物を少なくとも含む光学媒体に関する。
別の側面において、本発明はまた、少なくとも1つの半電導性発光ナノ粒子、および化学式I)
A(B)nC - (I)
(式中、Aは第1の末端基を表し、Bは二価の結合であり、Cは第2の末端基であり、nは0または1である)で表される第1の化学化合物を含む光学媒体にも関する。
【0070】
本発明のいくつかの態様において、光学媒体は、光学シート、例えば、カラーフィルター、色変換フィルム、遠隔リン光テープ、または別のフィルムまたはフィルターでもよい。
【0071】
本発明に従って、用語「シート」は、構造化された媒体などのフィルムおよび/または層を包含する。
本発明のいくつかの態様において、光学媒体は、アノードおよびカソード、および、本発明の組成物を含む少なくとも1つの有機層を含み、好ましくは該1つの有機層は、光放射層であり、より好ましくは媒体は、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、ホールブロッキング層、電子ブロッキング層、および電子注入層からなる群から選択される1以上の追加の層をさらに含む。
【0072】
本発明に従って、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、光放射層、ホールブロッキング層、電子ブロッキング層、および電子注入層のために、WO 2018/024719 A1、US2016/233444 A2、US7754841 B、WO 2004/037887およびWO 2010/097155に記載されるなどの、任意の種類の公的に入手可能な無機および/または有機材料が好ましくは使用され得る。
【0073】
本発明の好ましい態様において、光学媒体は、複数の半電導性発光ナノ粒子を包含する化合物を含む。
好ましくは、光学媒体のアノードおよびカソードは、有機層を挟む。
より好ましくは、前記追加の層もまた、アノードおよびカソードによって挟まれる。
【0074】
本発明のいくつかの態様において、有機層は、本発明の少なくとも1つの半電導性発光ナノ粒子、およびホスト材料を含み、好ましくはホスト材料は、有機ホスト材料である。
本発明の好ましい態様において、光学媒体は、複数の半電導性発光ナノ粒子を含有する組成物を含む。
【0075】
-光学デバイス
別の側面において、本発明はさらに、少なくとも1つの本発明の光学媒体を含む光学デバイスに関する。
本発明のいくつかの態様において、光学デバイスは、液晶ディスプレーデバイス(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、光学ディスプレーのためのバックライトユニット、発光ダイオードデバイス(LED)、微小電気機械システム(以後「MEMS」)、エレクトロウェッティングディスプレー、または電気泳動ディスプレー、照明デバイス、および/または太陽電池であり得る。
【0076】
技術的効果
本発明は、以下の技術効果の1つ以上を提供する;
ナノ粒子の量子収率の改善、希釈された組成物および/またはラジカルが豊富な環境における量子収率の低下を防止または低減すること、より高いデバイス効率、ナノ粒子のシェル部分の表面状態を最適化すること、ナノ粒子のシェル層の格子欠陥を低減すること、シェル層のダングリングボンドの形成を低減/防止すること、より良好な熱安定性、改善された酸化安定性、ラジカル物質に対する改善された安定性、QYを著しく低下させることなく長期保管中の改善された安定性、より良好な化学的安定性、環境によりやさしい、およびより安全な製作プロセス。
以下の実施例1~5は、本発明の説明、ならびにそれらの製造の詳細な説明を提供する。
【0077】
実施例
比較例1:トルエン中においてドデカンチオール、ステアリン酸、ミリスチン酸、およびパルミチン酸のリガンドをもつ量子ドットの組成物
トルエン中においてドデカンチオール、ステアリン酸、ミリスチン酸、およびパルミチン酸のリガンドをもつRed InP ベースの量子ドット(QD)を、US7,588,828 Bに記載されるとおり調製する。
次いでQDを乾燥トルエン中において0.08mg/mLの濃度にて溶解させ、および初期量子収率(以後、初期QY)についてHamamatsu Quantaurusにおいて測定する。
【0078】
その後、100mgのQDを2mLの乾燥トルエン中において溶解させ、および3mgの光開始剤Irgacure@TPOと混合し、およびアルゴン下、365nmをもつ光源に60min間曝露させながら室温にて撹拌させる。11の試料を採取する。次いで試料を0.08mg/mLに希釈する。および次いで、11の試料の量子収率をHamamatsu Quantaurusにより測定する。
【0079】
各試料の初期QYを、以下の式を使用することによって100%に設定する。
正規化された初期QY(100%)=各試料の初期QY
*α
正規化されたQYは、以下の式に基づき計算される。
正規化されたQY=(QY
*α/初期QY)
*100
測定の結果を
図1に示す。
図1において記載されるとおり、添加剤なしのトルエンにおけるQDに実施されたラジカルテストの前後の正規化されたQYの平均低下は40%±7.5%である。
【0080】
実施例1:組成物の添加剤として追加の化学化合物ヘキサンチオールをもつ、トルエン中の量子ドットの組成物
トルエン中においてドデカンチオール、ステアリン酸、ミリスチン酸、およびパルミチン酸のリガンドをもつRed InP ベースの量子ドット(QD)を、US7,588,828 Bに記載されるとおり調製する。
【0081】
-リガンド交換
QDを、さまざまな濃度(0.004M、0.02M、0.1M)の添加剤(ヘキサンチオール)を含有する乾燥トルエンに溶解させ、3つの異なるサンプルを作成する。3つのサンプルすべてのQD濃度を0.08mg/mLに設定し、サンプルは初期QYについてHamamatsu Quantaurusで測定する。
次いでそれを、初期量子収率(以下、初期QY)についてHamamatsu Quantaurusにおいて測定する。
【0082】
その後、100mgのQDを2mLの乾燥トルエン中において溶解させ、および3mgの光開始剤Irgacure
@TPOと混合し、およびアルゴン下、365nmをもつ光源に60min間曝露させながら室温にて撹拌させる。試料を採取する。次いで試料を0.08mg/mLに希釈する。および次いで、試料の量子収率をHamamatsu Quantaurusにより測定する。
測定の結果を
図2に示す。
【0083】
実施例2:組成物の添加剤として追加の化学化合物1-ドデカンチオールをもつ、トルエン中の量子ドット
トルエン中の量子ドットと化学化合物1-ドデカンチオールとの組成物を、ヘキサンチオールの代わりに0.02 Mの1-ドデカンチオールを使用することを除いて、実施例1に記載されるとおりと同じ方法で調製する。
図3は、QY測定の結果を示す。
【0084】
比較例2:より低濃度のドデカンチオール、ステアリン酸、ミリスチン酸、およびパルミチン酸のリガンドをもつ、トルエン中の量子ドットの組成物
組成物中の量子物質の濃度が0.05mg/mLであることを除いて、比較例1に記載されるとおりと同じ方法で組成物を調製する。比較例2に記載されるとおりと同じ方法で、8つの異なるサンプルを調製する。
図4は、上記の7つの異なるサンプルのQY測定の結果を示す。
【0085】
実施例3:組成物の添加剤として追加の化学化合物ヘキサンチオールをもつ、トルエン中の量子ドットの希釈組成物
トルエン中の量子ドットと化学化合物1-ヘキサンチオールの組成物を、ヘキサンチオールを異なる量で使用して、異なる濃度のヘキサンチオール(0.004M、0.02M、0.1M、および0.2M)で4つの異なるサンプルを作成することを除いて、実施例1で記載されるとおりと同じ方法で調製する。
図5は測定結果を示す。
【0086】
実施例4:組成物の添加剤として追加の化学化合物ヘキサン酸をもつ、トルエン中の量子ドットの希釈組成物
トルエン中の量子ドットと化学化合物ヘキサン酸との組成物を、ヘキサン酸を異なる量で使用して、異なる濃度のヘキサン酸(0.004M、0.02M、0.1M、および0.2M)で4つの異なるサンプルを作成することを除いて、実施例1で記載されるとおりと同じ方法で調製する。
図6は測定結果を示す。
【0087】
実施例5:組成物の添加剤として追加の化学化合物ヘキシルホスホン酸(HPA)をもつ、トルエン中の量子ドットの希釈組成物
化学化合物ヘキシルホスホン酸(HPA)を含むトルエン中の量子ドットの組成物は、HPAを異なる量で使用して、異なる濃度のHPA(0.004Mおよび0.02M)で4つの異なるサンプルを作成することを除いて、実施例1で記載されるとおりと同じ方法で調製する。
図7は測定結果を示す。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物の調製のためのプロセスであって、以下のステップ、
a)少なくとも第1の有機化合物を、周期表の13族元素の少なくとも1つを含むコアを含む半電導性発光ナノ粒子(ここで該半電導性発光ナノ粒子は量子サイズ材料であり、任意に少なくとも1つのシェル層を含み、および2種以上のリガンドで部分的にまたは全体的に覆われている)と混合し、任意に、前記第1の有機化合物と前記半電導性発光ナノ粒子とは異なる別の材料との組成物を得ることを含み、
ここで前記第1の有機化合物は、以下の化学式(I)
XR1
R
2
- (I)
(式中、
Xは、Sであり、
R
1
は、水素原子であり、
R2は、1~40個の炭素原子を有する線状のアルキル基、または3~40個の炭素原子を有する分枝のアルキル基である、
で表され、半電導性発光ナノ粒子を部分的にまたは全体的に覆っているリガンドとリガンド交換し、
プロセスは、混合ステップa)の後に半電導性発光材料の精製、遠心分離および真空乾燥を含まない、前記プロセス。
【請求項2】
第1の有機化合物の量が、半電導性発光ナノ粒子の無機部分の総量に基づき、0.01wt.%から100wt.%までの範囲である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
ステップa)が該別の材料と一緒に行われ、および、該別の材料の量が、半電導性発光ナノ粒子の無機部分の総量に基づき、0.01wt.%から100wt.%までの範囲である、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
ステップa)が該別の材料と一緒に行われ、および、該別の材料が、光開始剤、熱開始剤、無機材料、有機化合物、および溶媒からなる群の1以上の要素から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
該別の材料が、無機溶媒、有機溶媒、およびこれらの混合物から選択される溶媒である、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
該別の材料が、光開始剤、熱開始剤またはこれらの混合物から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
少なくとも、
a)周期表の13族元素の少なくとも1つを含むコア、任意に少なくとも1つのシェル層を含む少なくとも1つの半電導性発光ナノ粒子、ここで半電導性発光ナノ粒子は量子サイズ材料であり、半電導性発光ナノ粒子の最も外側の表面は、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホン酸、アミン、チオール、メルカプトカルボン酸、カルボン酸、ポリエチレンイミン(PEI)からなる群から選択される2種以上のリガンドで部分的にまたは全体的に覆われている、
b)第1の有機化合物、および
c)任意に前記第1の有機化合物と前記半電導性発光ナノ粒子とは異なる別の材料を含み、
ここで該第1の有機化合物は、以下の化学式(I)
XR1
R
2
- (I)
(式中、
Xは、Sであり、
R1は、水素原子であり、
R2は、1~40個の炭素原子を有する線状のアルキル基、または3~40個の炭素原子を有する分枝のアルキル基である、
で表され、半電導性発光ナノ粒子を部分的にまたは全体的に覆っているリガンドとリガンド交換する、を含む、
組成物。
【請求項8】
第1の有機化合物の総量が、組成物の総量に基づき、0.1wt.%から90wt.%までの範囲である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
ナノ粒子の総量が、組成物の総量に基づき、0.1wt.%から100wt.%までの範囲である、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
電子デバイス、光学デバイスにおける、または生物医学デバイスにおける使用のための7~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
化学式(I)
XR1
R
2
- (I)
(式中、
Xは、Sであり、
R1は、水素原子であり、
R2は、1~40個の炭素原子を有する線状のアルキル基、または3~40個の炭素原子を有する分枝のアルキル基である、
で表される第1の有機化合物の、請求項7~10のいずれか一項に記載の組成物における使用。
【請求項12】
周期表の13族元素の少なくとも1つを含むコア、任意に少なくとも1つのシェル層を含む、少なくとも1つの半電導性発光ナノ粒子、ここで、半電導性発光ナノ粒子は、量子サイズ材料であり、半電導性発光ナノ粒子の最も外側の表面は、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホン酸、アミン、チオール、メルカプトカルボン酸、カルボン酸およびポリエチレンイミン(PEI)からなる群から選択される2種以上のリガンドで部分的にまたは全体的に覆われている、および
第1の有機化合物、
を含む光学媒体であって、
第1の有機化合物が、化学式(I)
XR1
R
2
- (I)
(式中、
Xは、Sであり、
R1は、水素原子であり、
R2は、1~40個の炭素原子を有する線状のアルキル基、または3~40個の炭素原子を有する分枝のアルキル基である、
で表され、半電導性発光ナノ粒子を部分的にまたは全体的に覆っているリガンドとリガンド交換する、前記光学媒体。
【請求項13】
アノードおよびカソード、および、請求項7~10のいずれか一項に記載の組成物を含む少なくとも1つの有機層を含む、請求項12に記載の光学媒体。
【請求項14】
有機層が、請求項7~10のいずれか一項に記載の組成物、およびホスト材料を含む、請求項12または13に記載の光学媒体。
【請求項15】
請求項12~14のいずれか一項に記載の少なくとも1つの光学媒体を含む光学デバイス。
【外国語明細書】