(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170750
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】被加工物の研削方法
(51)【国際特許分類】
B24B 7/04 20060101AFI20241204BHJP
B24B 49/16 20060101ALI20241204BHJP
B24B 49/10 20060101ALI20241204BHJP
B24B 49/04 20060101ALI20241204BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
B24B7/04 A
B24B49/16
B24B49/10
B24B49/04 Z
H01L21/304 631
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087442
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 貴之
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(72)【発明者】
【氏名】首藤 大地
【テーマコード(参考)】
3C034
3C043
5F057
【Fターム(参考)】
3C034AA08
3C034BB73
3C034BB92
3C034BB93
3C034CA02
3C034CA13
3C034CA17
3C034CA22
3C034CA26
3C034CB03
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3C034DD20
3C043BA03
3C043BA09
3C043BA12
3C043BA15
3C043BA16
3C043CC04
3C043DD03
3C043DD05
3C043DD06
5F057AA12
5F057BB06
5F057BB09
5F057BB12
5F057CA14
5F057EB15
5F057FA13
5F057GA12
5F057GA16
5F057GB13
(57)【要約】
【課題】加工不良の発生を抑制することが可能な被加工物の研削方法を提供する。
【解決手段】第1面及び第2面を含む被加工物を研削する被加工物の研削方法であって、被加工物の第1面側をチャックテーブルの保持面で保持する保持ステップと、被加工物の第2面側の一部を研削することにより、被加工物の第1領域を薄化しつつ被加工物に未研削の第2領域を残存させる第1研削ステップと、被加工物の第2領域を研削し、第1領域と第2領域とが同じ厚さになったことを検知した後に被加工物の研削を停止する第2研削ステップと、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び第2面を含む被加工物を研削する被加工物の研削方法であって、
該被加工物の該第1面側をチャックテーブルの保持面で保持する保持ステップと、
該保持ステップの後に、該被加工物の該第2面側の一部を研削することにより、該被加工物の第1領域を薄化しつつ該被加工物に未研削の第2領域を残存させる第1研削ステップと、
該第1研削ステップの後に、該被加工物の該第2領域を研削し、該第1領域と該第2領域とが同じ厚さになったことを検知した後に該被加工物の研削を停止する第2研削ステップと、を含むことを特徴とする被加工物の研削方法。
【請求項2】
該第2研削ステップでは、該被加工物を研削する際にかかる研削負荷に対応する値を測定しながら該被加工物を研削し、該研削負荷に対応する値の変化に基づいて該第1領域と該第2領域とが同じ厚さになったことを検知することを特徴とする請求項1に記載の被加工物の研削方法。
【請求項3】
該第2研削ステップでは、該被加工物の該第1領域及び該第2領域における厚さを厚さ測定器で測定しながら該被加工物を研削し、該厚さ測定器によって測定された値に基づいて該第1領域と該第2領域とが同じ厚さになったことを検知することを特徴とする請求項1に記載の被加工物の研削方法。
【請求項4】
該第2研削ステップでは、該第1領域と該第2領域とが同じ厚さになったことを検知してから該第1領域及び該第2領域を所定量研削した後に、該被加工物の研削を停止することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の被加工物の研削方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハ、パッケージ基板等の被加工物を研削する被加工物の研削方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のデバイスが形成されたウェーハを分割して個片化することにより、デバイスを備えるデバイスチップが製造される。また、複数のデバイスチップを所定の基板上に実装し、実装されたデバイスチップを樹脂層(モールド樹脂)で被覆して封止することにより、パッケージ基板が形成される。このパッケージ基板を分割して個片化することにより、パッケージ化された複数のデバイスチップを備えるパッケージデバイスが製造される。デバイスチップやパッケージデバイスは、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の様々な電子機器に組み込まれる。
【0003】
近年では、電子機器の小型化に伴い、デバイスチップやパッケージデバイスの薄型化が求められている。そこで、研削装置を用いて分割前のウェーハやパッケージ基板を研削して薄化する処理が実施されることがある。研削装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、被加工物に研削加工を施す研削ユニットとを備える。研削ユニットにはスピンドルが内蔵されており、スピンドルの先端部に複数の研削砥石を備える環状の研削ホイールが装着される。被加工物をチャックテーブルで保持し、チャックテーブル及び研削ホイールを回転させつつ研削砥石を被加工物の被研削面に接触させることにより、被加工物が研削、薄化される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
研削装置を用いて被加工物を研削する際、研削ホイールの研削砥石を被加工物の被研削面の全体に接触させると、被加工物と研削砥石との接触面積が大きくなり、研削中に被加工物及び研削ホイールに付与される圧力(研削負荷)が増大する。そして、研削負荷が増大すると、被加工物と研削砥石との接触領域の温度が過度に上昇して被加工物の被研削面が焼けてしまう面焼けと称される現象が発生したり、被加工物の被研削面側にチッピング等の損傷が生じたりするおそれがある。特に、SiCウェーハ、GaNウェーハ、サファイアウェーハ等の硬質の被加工物を研削する場合には、研削負荷の増大による加工不良が発生しやすい。
【0006】
そこで、被加工物を複数回に分けて研削することによって研削負荷を抑制する手法が用いられることがある。例えば、まず、被加工物の中心部が研削されず元の厚さのまま残存するように、被加工物の外周部のみが研削、薄化される。その後、残存した被加工物の中心部が、外周部と同じ厚さになるまで研削される。このように、被加工物を複数の領域に分けて個別に研削することにより、研削負荷が低減され、加工不良の発生が抑制される。
【0007】
上記のように被加工物を複数の領域ごとに研削する場合には、各領域における研削量(研削前後の厚さの差)が等しくなるように研削条件が設定される。しかしながら、研削砥石の摩耗量のばらつき、研削砥石のコンディションの変化等が原因で、各領域における研削量にもばらつきが生じることがある。その結果、各領域の厚さが揃う前に研削が停止されたり、各領域の厚さが揃った後も意図せず研削が長時間続行されたりするなどの異常が発生し、このような異常が新たな加工不良の原因となり得る。
【0008】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、加工不良の発生を抑制することが可能な被加工物の研削方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、第1面及び第2面を含む被加工物を研削する被加工物の研削方法であって、該被加工物の該第1面側をチャックテーブルの保持面で保持する保持ステップと、該保持ステップの後に、該被加工物の該第2面側の一部を研削することにより、該被加工物の第1領域を薄化しつつ該被加工物に未研削の第2領域を残存させる第1研削ステップと、該第1研削ステップの後に、該被加工物の該第2領域を研削し、該第1領域と該第2領域とが同じ厚さになったことを検知した後に該被加工物の研削を停止する第2研削ステップと、を含む被加工物の研削方法が提供される。
【0010】
なお、好ましくは、該第2研削ステップでは、該被加工物を研削する際にかかる研削負荷に対応する値を測定しながら該被加工物を研削し、該研削負荷に対応する値の変化に基づいて該第1領域と該第2領域とが同じ厚さになったことを検知する。また、好ましくは、該第2研削ステップでは、該被加工物の該第1領域及び該第2領域における厚さを厚さ測定器で測定しながら該被加工物を研削し、該厚さ測定器によって測定された値に基づいて該第1領域と該第2領域とが同じ厚さになったことを検知する。
【0011】
また、好ましくは、該第2研削ステップでは、該第1領域と該第2領域とが同じ厚さになったことを検知してから該第1領域及び該第2領域を所定量研削した後に、該被加工物の研削を停止する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様に係る被加工物の研削方法では、被加工物の一部を研削して第1領域を薄化しつつ未研削の第2領域を残存させた後、被加工物の第2領域を研削し、第1領域と第2領域とが同じ厚さになったことを検知した後に被加工物の研削を停止する。これにより、第1領域と第2領域とが同じ厚さになる前に研削が停止されたり、第1領域と第2領域とが同じ厚さになった後も意図せず研削が長時間続行されたりするなどの異常を回避でき、加工不良の発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】被加工物の研削方法を示すフローチャートである。
【
図4】保持ステップにおける研削装置を示す斜視図である。
【
図5】
図5(A)は第1研削ステップにおける研削装置を示す斜視図であり、
図5(B)は第1研削ステップにおける研削装置を示す断面図である。
【
図6】第2研削ステップにおける研削装置を示す斜視図である。
【
図7】
図7(A)は第2研削ステップの序盤における研削装置を示す断面図であり、
図7(B)は第2研削ステップの終盤における研削装置を示す断面図である。
【
図8】第2研削ステップにおける研削時間と負荷対応値との関係を示すグラフである。
【
図9】被加工物の厚さを測定する研削装置を示す断面図である。
【
図10】変形例に係る保持ステップにおける研削装置を示す斜視図である。
【
図11】
図11(A)は変形例に係る第1研削ステップにおける研削装置を示す斜視図であり、
図11(B)は変形例に係る第1研削ステップにおける被加工物及び研削ホイールを示す平面図である。
【
図12】
図12(A)は変形例に係る第2研削ステップにおける研削装置を示す斜視図であり、
図12(B)は変形例に係る第2研削ステップにおける被加工物及び研削ホイールを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態1)
以下、添付図面を参照して本発明の一態様に係る実施形態を説明する。まず、本実施形態に係る被加工物の研削方法の実施に用いることが可能な研削装置の構成例について説明する。
図1は、研削装置2を示す一部断面側面図である。なお、
図1において、X軸方向(第1水平方向、前後方向)とY軸方向(第2水平方向、左右方向)とは、互いに垂直な方向である。また、Z軸方向(高さ方向、上下方向、鉛直方向)は、X軸方向及びY軸方向と垂直な方向である。
【0015】
研削装置2は、研削装置2を構成する各構成要素を支持又は収容する基台4を備える。基台4の上面側には、直方体状の開口4aが設けられている。開口4aの内側には、研削装置2による研削加工の対象物である被加工物を保持するチャックテーブル(保持テーブル)6が設けられている。チャックテーブル6の上面は、被加工物を保持する保持面6aを構成している。
【0016】
図2は、チャックテーブル6を示す断面図である。チャックテーブル6は、SUS(ステンレス鋼)等の金属、ガラス、セラミックス、樹脂等でなる円柱状の枠体(本体部)8を備える。枠体8の上面8a側の中央部には、円柱状の凹部8bが上面8aと同心円状に設けられている。また、凹部8bには、ポーラスセラミックス等の多孔質材でなる円盤状の保持部材10が嵌め込まれている。保持部材10は、保持部材10の上面から下面まで連通する多数の気孔を含んでいる。保持部材10の上面は、チャックテーブル6で被加工物を保持する際に被加工物を吸引する円形の吸引面10aを構成している。
【0017】
枠体8の上面8aと保持部材10の吸引面10aとによって、チャックテーブル6の保持面6aが構成される。保持面6aは、保持部材10に含まれる気孔、枠体8の内部に設けられた流路8c、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。
【0018】
チャックテーブル6の保持面6aは、保持面6aの中心を頂点とする円錐状に形成されており、保持面6aの径方向に対して僅かに傾斜している。そして、チャックテーブル6は、保持面6aの一部に相当し保持面6aの中心から外周縁に至る保持領域6bが水平面(XY平面)と概ね平行になるように、僅かに傾いた状態で配置される。被加工物のうち保持領域6b又はその近傍によって保持された領域が、後述の研削ユニット44によって研削される。
【0019】
なお、
図2では説明の便宜上、保持面6aの傾斜を誇張して図示しているが、実際の保持面6aの傾斜は小さい。例えば、保持面6aの直径が290mm以上310mm以下程度である場合には、保持面6aの中心と外周縁との高さの差(円錐の高さに相当)は、20μm以上40μm以下程度に設定される。
【0020】
チャックテーブル6には、チャックテーブル6を回転軸12の周りで回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。回転軸12は、保持面6aの径方向と垂直な方向に沿って設定され、Z軸方向に対して僅かに傾斜している。また、回転軸12は、保持面6aの中心を通過するように保持面6aと交差している。
【0021】
図1に示すように、チャックテーブル6には、チャックテーブル6の傾きを調節する傾き調節機構14が連結されている。例えば傾き調節機構14は、ベアリング(不図示)を介してチャックテーブル6を支持する円盤状のテーブルベース16と、テーブルベース16を支持する1個の固定支持部材18A及び2個の可動支持部材18Bとを備える。なお、
図1には、一方の可動支持部材18Bのみを図示し、他方の可動支持部材18Bの図示を省略している。
【0022】
1個の固定支持部材18A及び2個の可動支持部材18Bは、テーブルベース16の周方向に沿って概ね等間隔(120°間隔)で配置される。そして、固定支持部材18Aの上端及び可動支持部材18Bの上端がそれぞれ、テーブルベース16の外周部の下面側に固定される。
【0023】
固定支持部材18Aは、上端が所定の高さ位置で固定されるように構成されている。一方、可動支持部材18Bは、上端をZ軸方向に沿って移動(昇降)可能に構成されている。後述のコントローラ62から可動支持部材18Bに制御信号を入力することにより、2個の可動支持部材18Bの上端のZ軸方向における位置(高さ位置)をそれぞれ変更できる。これにより、チャックテーブル6及び回転軸12の傾きが調節される。
【0024】
基台4の内側には、移動機構(移動ユニット)20が設けられている。移動機構20は、チャックテーブル6に連結されており、チャックテーブル6をX軸方向に沿って移動させる。具体的には、移動機構20は、X軸方向に沿って配置されたボールねじ22を備える。ボールねじ22の端部には、ボールねじ22を回転させるパルスモータ24が連結されている。チャックテーブル6及び傾き調節機構14は、支持台26によって支持されている。支持台26にはナット部28が連結されており、ボールねじ22はナット部28に螺合されている。パルスモータ24でボールねじ22を回転させると、チャックテーブル6がX軸方向に沿って移動する。
【0025】
チャックテーブル6及び移動機構20の後方(
図1における右側)には、直方体状の支持構造(コラム)30が設けられている。支持構造30の表面側(前面側)には、移動機構(移動ユニット)32が設けられている。移動機構32は、支持構造30の表面側に固定された一対のガイドレール34を備える。一対のガイドレール34は、Z軸方向に沿って配置されており、Y軸方向において互いに離隔している。
【0026】
一対のガイドレール34には、中空の円柱状に形成された保持部材36が、ガイドレール34に沿ってスライド可能に装着されている。保持部材36の背面側にはナット部38が連結されており、ナット部38には一対のガイドレール34の間にZ軸方向に沿って配置されたボールねじ40が螺合されている。また、ボールねじ40の端部には、ボールねじ40を回転させるパルスモータ42が連結されている。パルスモータ42でボールねじ40を回転させると、保持部材36がガイドレール34に沿ってZ軸方向に移動(昇降)する。
【0027】
保持部材36は、被加工物に研削加工を施す研削ユニット44を保持している。研削ユニット44は、保持部材36に収容された円柱状のハウジング46を備える。ハウジング46の下面側は、ゴム等の弾性体でなる緩衝部材48を介して、保持部材36の底面によって支持されている。
【0028】
ハウジング46には、Z軸方向に沿って配置された円柱状のスピンドル50が収容されている。スピンドル50の先端部(下端部)は、ハウジング46から露出しており、保持部材36の底部に設けられた開口を介して保持部材36の下面から下方に突出している。また、スピンドル50の基端部(上端部)には、スピンドル50を回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
【0029】
スピンドル50の先端部には、金属等でなる円盤状のホイールマウント52が固定されている。ホイールマウント52の下面側には、被加工物を研削する環状の研削ホイール54が着脱可能に装着される。例えば研削ホイール54は、ボルト等の固定具によってホイールマウント52に固定される。
【0030】
研削ホイール54は、環状のホイール基台56を備える。ホイール基台56は、アルミニウム、ステンレス等の金属でなり、ホイールマウント52と概ね同径に形成されている。ホイール基台56の上面側が、ホイールマウント52の下面側に固定される。
【0031】
ホイール基台56の下面側には、複数の研削砥石58が固定されている。例えば研削砥石58は、直方体状に形成され、ホイール基台56の周方向に沿って概ね等間隔で環状に配列される。研削砥石58は、ダイヤモンド、cBN(cubic Boron Nitride)等でなる砥粒と、砥粒を固定するメタルボンド、レジンボンド、ビトリファイドボンド等の結合材(ボンド材)とを含む。ただし、研削砥石58の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。また、研削砥石58の数も任意に設定できる。
【0032】
研削ホイール54は、回転駆動源(不図示)からスピンドル50及びホイールマウント52を介して伝達される動力により、Z軸方向に沿って設定された回転軸60の周りを回転する。すなわち、回転軸60は、スピンドル50、ホイールマウント52及び研削ホイール54の回転軸に相当する。研削ホイール54を回転させると、複数の研削砥石58がそれぞれ、回転軸60を中心として水平面(XY平面)と概ね平行な環状の経路(回転軌道、旋回軌道)に沿って旋回する。
【0033】
研削ユニット44の内部又は近傍には、純水等の液体(研削液)を供給するための研削液供給路(不図示)が設けられている。例えば研削液供給路は、ホイールマウント52及び研削ホイール54の内部に形成された流路や、研削ユニット44の近傍に設けられたノズルによって構成される。研削ホイール54で被加工物を研削する際には、研削液が被加工物及び研削砥石58に供給される。これにより、被加工物及び研削砥石58が冷却されるとともに、研削加工によって発生した屑(研削屑)が洗い流される。
【0034】
また、研削装置2は、研削装置2を制御するコントローラ(制御ユニット、制御部、制御装置)62を備える。コントローラ62は、研削装置2の構成要素(チャックテーブル6、傾き調節機構14、移動機構20、移動機構32、研削ユニット44等)に接続されており、各構成要素の動作を制御する制御信号を生成する。
【0035】
例えばコントローラ62は、コンピュータによって構成される。具体的には、コントローラ62は、研削装置2の稼働に必要な演算を行う演算部と、研削装置2の稼働に用いられる各種の情報(データ、プログラム等)を記憶する記憶部とを含む。演算部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成される。記憶部は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを含んで構成される。
【0036】
次に、本実施形態に係る被加工物の研削方法の具体例について説明する。
図3は、被加工物の研削方法を示すフローチャートである。本実施形態では、研削装置2を用いて円形の被加工物を研削する場合について説明する。
【0037】
研削装置2で被加工物を研削する際には、まず、チャックテーブル6の保持面6aで被加工物を保持する(保持ステップS1)。
図4は、保持ステップS1における研削装置2を示す斜視図である。保持ステップS1では、研削装置2による研削加工の対象物である円形の被加工物11をチャックテーブル6で保持する。
【0038】
被加工物11は、半導体(Si、GaAs、InP、GaN、SiC等)、サファイア、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等でなる円盤状の基板(ウェーハ)であり、互いに概ね平行な第1面(表面)11a及び第2面(裏面)11bを含む。例えば被加工物11は、互いに交差するように格子状に配列された複数のストリート(分割予定ライン)によって、複数の矩形状の領域に区画されている。ストリートによって区画された複数の領域の第1面11a側にはそれぞれ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)、LED(Light Emitting Diode)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス等のデバイス(不図示)が形成されている。
【0039】
被加工物11をストリートに沿って分割することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のチップ(デバイスチップ)が製造される。被加工物11の分割には、環状の切削ブレードで被加工物11を切削する切削装置や、被加工物11にレーザー加工を施すレーザー加工装置等が用いられる。また、被加工物11の分割前に、研削装置2で被加工物11の第2面11b側を研削して被加工物11を薄化しておくことにより、薄型化されたデバイスチップが得られる。
【0040】
ただし、被加工物11の種類、材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。また、デバイスの種類、数、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はなく、被加工物11にはデバイスが形成されていなくてもよい。
【0041】
例えば被加工物11は、第1面11a側が保持面6aに対面して第2面11b側(被研削面側)が上方に露出するように、チャックテーブル6上に配置される。このとき被加工物11は、吸引面10aの全体が被加工物11によって覆われ、且つ、チャックテーブル6の回転軸12が被加工物11の中心を通過するように位置付けられる。この状態で、吸引面10aに吸引源の吸引力(負圧)を作用させると、被加工物11の第1面11a側が保持面6aで吸引保持される。
【0042】
なお、被加工物11の第1面11a側には、被加工物11を保護するシート(保護シート)が貼付されてもよい。例えば保護シートとして、フィルム状の基材と、基材上に設けられた粘着層(糊剤)とを含むテープが用いられる。また、保護シートは、粘着層を含まず被加工物11に熱圧着可能な熱圧着シートであってもよい。被加工物11の第1面11a側に保護シートが貼付される場合には、被加工物11は保護シートを介してチャックテーブル6によって保持される。
【0043】
前述の通り、チャックテーブル6の保持面6aは、厳密には円錐状に形成されている(
図2参照)。そして、吸引面10aで被加工物11を吸引すると、被加工物11が保持面6aに沿って僅かに撓んで変形した状態で保持される。その結果、被加工物11のうち保持領域6b(
図2参照)又はその近傍で保持された領域が、水平面(XY平面)と概ね平行に配置される。
【0044】
次に、被加工物11の第2面11b側の一部を研削することにより、被加工物11の第1領域を薄化しつつ被加工物11に未研削の第2領域を残存させる(第1研削ステップS2)。
図5(A)は第1研削ステップS2における研削装置2を示す斜視図であり、
図5(B)は第1研削ステップS2における研削装置2を示す断面図である。
【0045】
第1研削ステップS2では、まず、チャックテーブル6と研削ホイール54との位置関係が調節される。具体的には、研削ユニット44をチャックテーブル6の上方に配置した状態で、チャックテーブル6を移動機構20(
図1参照)でX軸方向に沿って移動させ、研削砥石58の回転軌道が被加工物11の一部とZ軸方向において重なるようにチャックテーブル6を位置付ける。
【0046】
例えば被加工物11は、被加工物11の外周縁を含む環状の第1領域(外周領域)13と、被加工物11の中心を含む円形の第2領域(中心領域)15とを含む。第1領域13は、被加工物11の外周縁から所定の範囲内の領域に相当する。また、第2領域15は、被加工物11の中心から所定の範囲内の領域に相当する。第2領域15は第1領域13によって囲まれており、第1領域13の幅と第2領域15の半径との和が被加工物11の半径に相当する。そして、研削砥石58が被加工物11の第1領域13とは重なり第2領域15とは重ならないように、チャックテーブル6と研削ホイール54との位置関係が調節される。
【0047】
次に、チャックテーブル6を回転軸12の周りで回転させるとともに、研削ホイール54を回転軸60の周りで回転させる。例えば、チャックテーブル6の回転数は100rpm以上900rpm以下に設定され、研削ホイール54の回転数(スピンドル50の回転数)は1000rpm以上7000rpm以下に設定される。
【0048】
そして、研削ユニット44を移動機構32(
図1参照)でZ軸方向に沿って下降させる。これにより、チャックテーブル6と研削ホイール54とが回転軸60と平行な方向(Z軸方向)に沿って相対的に移動し、研削砥石58が旋回しつつ被加工物11に接近、接触する。このときのチャックテーブル6と研削ホイール54とのZ軸方向における相対的な移動速度が、加工送り速度に相当する。加工送り速度は、例えば1μm/s以上6μm/s以下に設定される。
【0049】
研削砥石58は、被加工物11の第1領域13のみと接触し、被加工物11の第2領域15には接触しない。その結果、被加工物11の第1領域13の第2面11b側が研削され、第1領域13が薄化される。一方、被加工物11の第2領域15は研削、薄化されず、元の厚さのまま円形の未研削領域として残存する。その結果、第1領域13と第2領域15との境界に、第2領域15の側面に相当する環状の段差部11cが形成される。
【0050】
上記の通り、第1研削ステップS2では、研削砥石58の回転軌道が被加工物11の中心と重ならない状態で、研削砥石58を被加工物11に接触させる。これにより、被加工物11の一部(第1領域13)を研削、薄化しつつ、被加工物11の他の領域(第2領域15)を研削が施されていない未研削領域として残存させることができる。このように、被加工物11の第1領域13のみを研削することにより、被加工物11の全体を研削する場合と比較して研削負荷が低減される。なお、研削負荷は、研削中に被加工物11及び研削ホイール54に付与される圧力に相当する。
【0051】
被加工物11の第1領域13が所定の厚さになるまで研削されると、研削ユニット44が上昇して研削砥石58が被加工物11から離隔する。これにより、研削砥石58による被加工物11の研削が中断される。なお、研削砥石58が被加工物11から離れている間もチャックテーブル6及び研削ホイール54の回転を維持しておくことにより、次の第2研削ステップS3において被加工物11の研削をスムーズに再開することができる。
【0052】
次に、被加工物11の第2領域15を研削し、第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになったことを検知した後に被加工物11の研削を停止する(第2研削ステップS3)。
図6は、第2研削ステップS3における研削装置2を示す斜視図である。
【0053】
第2研削ステップS3では、まず、チャックテーブル6と研削ホイール54との位置関係が調節される。具体的には、チャックテーブル6を移動機構20(
図1参照)でX軸方向に沿って移動させ、研削砥石58の回転軌道が被加工物11の中心とZ軸方向において重なるようにチャックテーブル6を位置付ける。これにより、研削砥石58が被加工物11の第2領域15(未研削領域)と重なるように配置される。なお、研削砥石58の回転軌道の直径は、少なくとも第2領域15の半径より大きい。そのため、研削砥石58は、第2領域15の中心から段差部11cに至る円弧状の領域と重なるように配置される。
【0054】
次に、チャックテーブル6を回転軸12の周りで回転させるとともに、研削ホイール54を回転軸60の周りで回転させる。例えば、チャックテーブル6の回転数は100rpm以上900rpm以下に設定され、研削ホイール54の回転数(スピンドル50の回転数)は1000rpm以上7000rpm以下に設定される。
【0055】
そして、研削ユニット44を移動機構32(
図1参照)でZ軸方向に沿って下降させる。これにより、チャックテーブル6と研削ホイール54とが回転軸60と平行な方向(Z軸方向)に沿って相対的に移動し、研削砥石58が旋回しつつ被加工物11に接近、接触する。なお、加工送り速度は、例えば1μm/s以上6μm/s以下に設定される。
【0056】
研削砥石58は、回転軸12を通過するように旋回しつつ、被加工物11の第2領域15の第2面11b側に接触する。これにより、被加工物11の第2領域15が研削、薄化される。そして、第2領域15が第1領域13と同じ厚さになるまで研削されると、段差部11cが消失し、被加工物11の全体の厚さが揃う。このように、被加工物11の第2領域15のみを研削することにより、被加工物11の全体を研削する場合と比較して研削負荷が低減される。
【0057】
なお、第2研削ステップS3では、第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになったことを検知した後に、被加工物11の研削を停止する。例えば、第2研削ステップS3では、被加工物11を研削する際にかかる研削負荷に対応する値(負荷対応値)を測定しながら被加工物11を研削し、負荷対応値の変化に基づいて第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになったことを検知する。
【0058】
具体的には、研削装置2は、負荷対応値を測定する測定器として機能するモータ64を備える。モータ64は、スピンドル50に接続された回転駆動源である。コントローラ62(
図1参照)からモータ64に制御信号が入力されると、モータ64が駆動し、スピンドル50、ホイールマウント52及び研削ホイール54を回転軸60の周りで回転させる。また、モータ64の電流値がコントローラ62に逐次的に入力され、コントローラ62によって監視される。
【0059】
研削砥石58が被加工物11に接触すると、研削砥石58に負荷がかかる。その結果、研削ホイール54の回転を維持するために必要なスピンドル50のトルクが増大し、モータ64の電流値も増大する。また、被加工物11と研削砥石58との接触面積が大きくなるほど、研削負荷が増大し、モータ64の電流値も増加する。そのため、モータ64の電流値は負荷対応値に相当する。
【0060】
また、研削装置2は、負荷対応値を測定する測定器として機能する荷重測定器66,68を備える。荷重測定器66,68は、例えばロードセルによって構成される。荷重測定器66は、チャックテーブル6に接続されており、チャックテーブル6にかかる荷重を測定する。また、荷重測定器68は、スピンドル50に接続されており、スピンドル50、ホイールマウント52及び研削ホイール54にかかる荷重を測定する。荷重測定器66,68によって測定された荷重は、コントローラ62(
図1参照)に逐次的に入力され、コントローラ62によって監視される。
【0061】
研削砥石58が被加工物11に接触すると、チャックテーブル6及びスピンドル50に負荷がかかり、荷重測定器66,68によって測定される荷重が増大する。また、被加工物11と研削砥石58との接触面積が大きくなるほど、研削負荷が増大し、荷重測定器66,68によって測定される荷重も増加する。そのため、荷重測定器66,68によって測定される荷重は負荷対応値に相当する。
【0062】
図7(A)は、第2研削ステップS3の序盤における研削装置2を示す断面図である。第2研削ステップS3が開始すると、研削砥石58はまず、被加工物11の第2領域15(未研削領域)のみと接触する。このとき、モータ64の電流値と荷重測定器66,68によって測定される荷重とが増加する。その後、研削砥石58が第2領域15のみを研削している間は、モータ64の電流値と荷重測定器66,68によって測定される荷重とが概ね一定に維持される。
【0063】
図7(B)は、第2研削ステップS3の終盤における研削装置2を示す断面図である。第2領域15が第1領域13と同じ厚さになるまで研削されると、研削砥石58が第2領域15に加えて第1領域13にも接触し、被加工物11と研削砥石58との接触面積が増大する。その結果、研削負荷が急増し、モータ64の電流値及び荷重測定器66,68によって測定される荷重も増加する。
【0064】
図8は、第2研削ステップS3における研削時間と負荷対応値との関係を示すグラフである。第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになると、それまで概ね一定に維持されていた負荷対応値(モータ64の電流値、荷重測定器66,68によって測定される荷重)が増加する。そのため、負荷対応値の変化に基づいて、第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになったことを検知することができる。
【0065】
例えば、コントローラ62(
図1参照)のメモリには、負荷対応値の基準値(閾値)V
refが予め記憶されている。基準値V
refは、研削砥石58が被加工物11の第2領域15(未研削領域)のみと接触しているときの負荷対応値よりも所定量高い値に設定される。そして、コントローラ62は、測定器(モータ64、荷重測定器66,68)によって測定された負荷対応値と基準値V
refとを比較する。
【0066】
負荷対応値が基準値Vref未満である場合、コントローラ62は、研削砥石58が第1領域13と接触しておらず、第2領域15が未だ第1領域13と同じ厚さになっていないと判定する。一方、負荷対応値が基準値Vref以上である場合には、コントローラ62は、研削砥石58が第1領域13及び第2領域15と接触しており、第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになっていると判定する。
【0067】
上記のように、負荷対応値の変化に基づいて第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになったことが検知される。ただし、第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになったことを検知する方法に制限はない。例えば、第1領域13の厚さと第2領域15の厚さとを測定器で測定して両者を比較することにより、第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになっているか否かを判定してもよい。
【0068】
図9は、被加工物11の厚さを測定する研削装置2を示す断面図である。研削装置2は、チャックテーブル6によって保持された被加工物11の厚さを測定する測定ユニット70を備えていてもよい。この場合、研削装置2は、測定ユニット70で被加工物11の厚さを測定しながら被加工物11を研削できる。
【0069】
例えば測定ユニット70は、Z軸方向に沿って配置された円柱状の回転支持部72と、回転支持部72に連結された柱状の支持アーム74とを備える。回転支持部72の下端部には、回転支持部72をZ軸方向と概ね平行な回転軸の周りで回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。また、支持アーム74は、回転支持部72の上端部に固定され、水平面(XY平面)と概ね平行に配置されている。
【0070】
支持アーム74の先端部には、被加工物11の厚さを測定する厚さ測定器76が装着されている。厚さ測定器76の種類に制限はなく、例えば光干渉式の厚さ計や超音波式の厚さ計等を用いることができる。なお、厚さ測定器76は、回転する被加工物11の厚さ測定に用いられるため、被加工物11に直接接触しない非接触式の厚さ測定器であることが好ましい。
【0071】
回転駆動源(不図示)を駆動させて回転支持部72を回転させると、支持アーム74及び厚さ測定器76が回転支持部72の回転軸を中心として旋回する。例えば、厚さ測定器76が保持面6aの中心と重なる位置を通過しつつ旋回するように、支持アーム74の長さ及び厚さ測定器76の取り付け位置が調節される。これにより、厚さ測定器76を、被加工物11の中心と重なる位置と被加工物11の外周縁と重なる位置との間で往復移動させることができる。
【0072】
そして、第2研削ステップS3では、研削ホイール54と測定ユニット70とが接触しない範囲で、厚さ測定器76を第1領域13の直上と第2領域15の直上との間で往復移動させつつ被加工物11の厚さを測定する。これにより、第1領域13及び第2領域15の厚さが測定ユニット70によって交互に測定される。そして、測定ユニット70によって測定された第1領域13及び第2領域15の厚さが、コントローラ62(
図1参照)に逐次的に入力される。
【0073】
コントローラ62は、測定ユニット70によって測定された第1領域13の厚さと第2領域15の厚さとを比較する。そして、第1領域13の厚さと第2領域15の厚さとが同一、又は両者の差が所定の値以下になると、コントローラ62は第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになったと判定する。このように、厚さ測定器76によって測定された値に基づいて第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになったことを検知してもよい。
【0074】
なお、測定ユニット70の構成は、被加工物11の第1領域13及び第2領域15における厚さを測定可能であれば制限はない。例えば測定ユニット70は、第1領域13の厚さを測定する厚さ測定器(第1の厚さ測定器)と、第2領域の厚さを測定する厚さ測定器(第2の厚さ測定器)とを個別に備えていてもよい。この場合には、第1の厚さ測定器によって測定された第1領域13の厚さと、第2の厚さ測定器によって測定された第2領域15の厚さとが、それぞれコントローラ62(
図1参照)に入力される。
【0075】
第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになったことが検知された後、コントローラ62(
図1参照)から移動機構32(
図1参照)に制御信号が出力され、研削ユニット44が上昇する。これにより、研削砥石58が被加工物11から離隔し、研削砥石58による被加工物11の研削が停止される。
【0076】
以上の通り、本実施形態では、第1研削ステップS2で被加工物11の第1領域13のみを研削した後、第2研削ステップS3で残りの第2領域15を研削する。このように、被加工物11を複数の領域に分けて個別に研削することにより、被加工物11と研削砥石58との接触面積を縮小し、研削負荷を低減することができる。これにより、被加工物11の全体を一度に研削する場合に生じやすい加工不良(面焼け、チッピング等)の発生が抑制される。特に、被加工物11が硬質材(SiCウェーハ、GaNウェーハ、サファイアウェーハ等)である場合には、研削負荷の増大による加工不良が発生しやすいため、本実施形態に係る研削方法を用いることが好ましい。
【0077】
また、第2研削ステップS3では、被加工物11の第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになったことが検知されるため、被加工物11の研削を適切なタイミングで停止させることが可能になる。これにより、第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになる前に研削が停止されたり、第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになった後も意図せず研削が長時間続行されたりするなどの異常を回避でき、加工不良の発生が抑制される。
【0078】
なお、第2研削ステップS3では、第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになったことを検知してから被加工物11の全体(第1領域13及び第2領域15)を所定量研削した後に、被加工物11の研削を停止してもよい。具体的には、第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになったことが検知された後も、チャックテーブル6及び研削ホイール54の回転を維持しつつ加工送りを続行する。これにより、第1研削ステップS2において被加工物11の第1領域13に形成された研削痕(ソーマーク)が除去され、被加工物11の第2面11b側にランダムな研削痕が残存することを回避できる。
【0079】
上記のように被加工物11の全体を研削する際には、研削砥石58が第1領域13及び第2領域15に接触するため、研削負荷が増加する。しかしながら、被加工物11の研削量は、第1研削ステップS2において形成された研削痕が除去される範囲内で小さく抑えられる。そのため、被加工物11の品質に悪影響を与えるような加工不良が発生することはない。例えば、第1領域13と第2領域15とが同じ厚さになったことが検知された後の被加工物11の全体の研削量は、10μm以下、好ましくは5μm以下に設定される。
【0080】
また、本実施形態では被加工物11を2つの領域(第1領域13及び第2領域15)に分けて研削する例について説明したが、被加工物11を3以上の領域に分けて研削を実施してもよい。この場合には、第1研削ステップS2の実施後に、被加工物11の異なる2以上の領域に対してそれぞれ第2研削ステップS3が実施される。そして、第2研削ステップS3では、直前に研削された領域と現在研削されている領域とが同じ厚さになったことが検知され、その後に研削が停止される。
【0081】
その他、本実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
【0082】
(実施形態2)
実施形態1では、円形の被加工物11を研削装置2で研削する場合について説明した。ただし、本発明に係る被加工物の研削方法は、他の形状の被加工物にも適用できる。本実施形態では、研削装置2で非円形の被加工物を研削する場合について説明する。
【0083】
具体的には、非円形の被加工物に対して保持ステップS1´、第1研削ステップS2´、第2研削ステップS3´を順に実施することにより、非円形の被加工物が研削、薄化される。保持ステップS1´、第1研削ステップS2´、第2研削ステップS3´はそれぞれ、実施形態1における保持ステップS1、第1研削ステップS2、第2研削ステップS3(
図3参照)の変形例に相当する。なお、以下で説明をする事項を除き、保持ステップS1´、第1研削ステップS2´、第2研削ステップS3´の内容及び手順はそれぞれ、保持ステップS1、第1研削ステップS2、第2研削ステップS3と同様である。
【0084】
図10は、保持ステップS1´における研削装置2を示す斜視図である。保持ステップS1´では、被加工物21をチャックテーブル6の保持面6aで保持する。被加工物21は、中心から外周縁までの距離が一定でない非円形の部材である。以下では一例として、矩形状の被加工物21を研削する場合について説明する。
図10には、正方形状の第1面(表面)21a及び第2面(裏面)21bを備える被加工物21を図示している。
【0085】
例えば被加工物21は、CSP(Chip Size Package)基板、QFN(Quad Flat Non-leaded package)基板等のパッケージ基板である。パッケージ基板は、所定の基板上に実装された複数のデバイスチップを樹脂層(モールド樹脂)で被覆して封止することによって形成される。例えばパッケージ基板は、一辺の長さが50mm以上550mm以下の矩形状に形成される。パッケージ基板を分割して個片化することにより、パッケージ化された複数のデバイスチップを備えるパッケージデバイスが製造される。また、パッケージ基板の分割前に研削装置2で樹脂層を研削して薄化しておくことにより、薄型のパッケージデバイスを製造できる。
【0086】
ただし、被加工物21の形状が非円形であれば、被加工物21の材質、構造、大きさ等に制限はない。例えば被加工物21は、3又は5以上の角及び側面を有する多角形状の部材であってもよいし、楕円形又は長円形の部材であってもよい。
【0087】
非円形の被加工物21をチャックテーブル6で保持する際には、被加工物21が支持部材27によって支持される。例えば支持部材27は、円盤状に形成された高剛性の基板である。支持部材27の材質の具体例は、被加工物11(
図4参照)と同様である。なお、支持部材27の直径は、チャックテーブル6の吸引面10aの直径以上に設定される。
【0088】
支持部材27は、被加工物21の被研削面とは反対側の面を覆うように、接着剤等を介して被加工物21に固定される。例えば、被加工物21の第2面21bが被研削面である場合には、被加工物21の第1面21a側に支持部材27が固定される。
【0089】
ただし、支持部材27で被加工物21を支持可能であれば、支持部材27の材質、構造、寸法等に制限はない。例えば支持部材27として、円形の支持シートを用いることもできる。支持シートは、フィルム状の基材と基材上に設けられた粘着層(糊剤)とを含むテープであってもよいし、粘着層を含まず被加工物21に熱圧着可能な熱圧着シートであってもよい。
【0090】
支持部材27側によって支持された被加工物21は、第1面21a側(支持部材27側)が保持面6aに対面して第2面21b側(被研削面側)が上方に露出するように、チャックテーブル6上に配置される。このとき被加工物21は、チャックテーブル6の回転軸12が被加工物21の中央を通過するように位置付けられる。また、支持部材27が吸引面10aの全体を覆うように配置される。この状態で、吸引面10aに吸引源の吸引力(負圧)を作用させると、被加工物21の第1面21a側が支持部材27を介して保持面6aで吸引保持される。
【0091】
なお、前述の通り、チャックテーブル6の保持面6aは、厳密には円錐状に形成されている(
図2参照)。そして、吸引面10aで支持部材27を吸引すると、被加工物21及び支持部材27は、保持面6aに沿って僅かに撓んで変形した状態で保持される。その結果、被加工物21のうち保持領域6b(
図2参照)又はその近傍で保持された領域が、水平面(XY平面)と概ね平行に配置される。
【0092】
上記のように、支持部材27を介して被加工物21をチャックテーブル6上に載置することにより、吸引面10aが円形の被加工物の吸引を想定して円形に形成されている場合にも、非円形の被加工物21をチャックテーブル6で保持することができる。ただし、被加工物21の形状に応じて吸引面10aの形状を適宜変更してもよい。例えば、矩形状の被加工物21に対応して、吸引面10aが矩形状に形成されてもよい。この場合には、支持部材27を省略して被加工物21を吸引面10aで直接吸引することができる。
【0093】
次に、被加工物21の第2面21b側の一部を研削することにより、被加工物21の第1領域を薄化しつつ被加工物21に未研削の第2領域を残存させる(第1研削ステップS2´)。
図11(A)は第1研削ステップS2´における研削装置2を示す斜視図であり、
図11(B)は第1研削ステップS2´における被加工物21及び研削ホイール54を示す平面図である。
【0094】
第1研削ステップS2´では、まず、チャックテーブル6と研削ホイール54との位置関係が調節される。具体的には、研削砥石58が被加工物21の側面から離隔し、且つ、研削砥石58の下面が被加工物21の上面よりも下方に位置付けられるように、チャックテーブル6及び研削ホイール54が配置される。
【0095】
より詳細には、チャックテーブル6が回転し、被加工物21の一辺がY軸方向に沿うように被加工物21の向き(角度)が調節される。また、被加工物21が研削ホイール54と重ならず研削ホイール54の前方(
図11(A)における左下側、
図11(B)における左側)に配置されるように、チャックテーブル6のX軸方向における位置が移動機構20(
図1参照)によって調節される。このとき、被加工物21の一辺と研削砥石58とはX軸方向において互いに離隔している。
【0096】
さらに、研削砥石58の下面が被加工物21の上面(第2面21b、被研削面)よりも下方に位置付けられるように、研削ユニット44のZ軸方向における位置が移動機構32(
図1参照)によって調節される。このときの被加工物21の上面と研削砥石58の下面との高さ位置の差が、第1研削ステップS2´における被加工物21の研削量の目標値に相当する。
【0097】
次に、チャックテーブル6と研削ホイール54とを接近させ、研削砥石58を被加工物21の側面に接触させる。具体的には、研削ホイール54をモータ64によって回転軸60の周りで回転させつつ、チャックテーブル6を移動機構20(
図1参照)によってX軸方向に沿って移動させ、研削ホイール54に接近させる。これにより、研削砥石58が被加工物21の側面に接触する(
図11(A)及び
図11(B)参照)。
【0098】
そして、研削装置2は、研削砥石58が被加工物21の側面に接触したことを検出する。例えば、研削装置2に備えられたモータ64及び荷重測定器66,68が、研削砥石58が被加工物21の側面に接触したことを検出する検出器として機能する。
【0099】
具体的には、研削砥石58が被加工物21の側面に接触すると、研削砥石58に負荷がかかる。その結果、研削ホイール54の回転を維持するために必要なスピンドル50のトルクが増大し、モータ64の電流値も増大する。そのため、コントローラ62(
図1参照)は、モータ64の電流値と予め設定された基準値(閾値)とを比較することにより、研削砥石58が被加工物21の側面に接触したことを検出できる。
【0100】
また、研削砥石58が被加工物21の側面に接触すると、チャックテーブル6及びスピンドル50に負荷がかかり、荷重測定器66,68によって測定される荷重が増大する。そのため、コントローラ62(
図1参照)は、荷重測定器66又は荷重測定器68によって測定された荷重値と予め設定された基準値(閾値)とを比較することにより、研削砥石58が被加工物21の側面に接触したことを検出できる。
【0101】
ただし、被加工物21と研削砥石58との接触を検出する方法に制限はない。例えば、光センサ等を用いて研削砥石58が被加工物21の側面に接触したことを検出してもよい。また、オペレータが被加工物21及び研削ホイール54を直接視認して、研削砥石58が被加工物21に接触しているか否かを確認してもよい。
【0102】
研削砥石58が被加工物21に接触したことが検出されると、チャックテーブル6の移動が停止する。これにより、研削砥石58が被加工物21の側面に接触するようにチャックテーブル6と研削ホイール54との位置関係が設定される。
【0103】
次に、研削ホイール54の回転を維持したままチャックテーブル6を回転させ、被加工物11の一部を研削砥石58で研削する。具体的には、チャックテーブル6を回転させると、被加工物21の四隅近傍の領域に相当する第1領域(外周領域)23に研削砥石58が接触する。これにより、被加工物21の第1領域23の第2面21b側が研削され、第1領域23が薄化される。一方、被加工物21の中央を含む円形の第2領域(中央領域)25には研削砥石58が接触しない。そのため、第2領域25は研削、薄化されず、元の厚さのまま円形の未研削領域として残存する。その結果、第1領域23と第2領域25との境界に、第2領域25の側面に相当する段差部21cが形成される。
【0104】
例えば、チャックテーブル6の回転数は10rpm以上300rpm以下に設定され、研削ホイール54の回転数は1000rpm以上7000rpm以下に設定される。なお、第1研削ステップS2´におけるチャックテーブル6の回転数n1は、後述の第2研削ステップS3´におけるチャックテーブル6の回転数n2よりも小さいことが好ましい。例えば回転数n1は、回転数n2の90%以下、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下に設定される。これにより、被加工物21の第1領域23が研削砥石58によって均一に研削されやすくなり、被加工物21の第1領域23における厚さばらつきが生じにくくなる。
【0105】
次に、被加工物21の第2領域25を研削し、第1領域23と第2領域25とが同じ厚さになったことを検知した後に被加工物21の研削を停止する(第2研削ステップS3´)。
図12(A)は第2研削ステップS3´における研削装置2を示す斜視図であり、
図12(B)は第2研削ステップS3´における被加工物21及び研削ホイール54を示す平面図である。
【0106】
第2研削ステップS3´では、まず、チャックテーブル6と研削ホイール54との位置関係が調節される。具体的には、研削ユニット44をチャックテーブル6の上方に配置した状態で、チャックテーブル6を移動機構20(
図1参照)でX軸方向に沿って移動させ、研削砥石58の回転軌跡が被加工物21の中央とZ軸方向において重なるようにチャックテーブル6を位置付ける。これにより、研削砥石58が被加工物11の第2領域25(未研削領域)と重なるように配置される。なお、研削砥石58の回転軌跡の直径は、少なくとも第2領域25の半径より大きい。そのため、研削砥石58は、第2領域25の中心から段差部21cに至る円弧状の領域と重なるように配置される。
【0107】
次に、チャックテーブル6を回転軸12の周りで回転させるとともに、研削ホイール54を回転軸60の周りで回転させる。例えば、チャックテーブル6の回転数は100rpm以上900rpm以下に設定され、研削ホイール54の回転数(スピンドル50の回転数)は1000rpm以上7000rpm以下に設定される。
【0108】
そして、研削ユニット44を移動機構32(
図1参照)でZ軸方向に沿って下降させる。これにより、チャックテーブル6と研削ホイール54とが回転軸60と平行な方向(Z軸方向)に沿って相対的に移動し、研削砥石58が旋回しつつ被加工物21に接近、接触する。なお、加工送り速度は、例えば1μm/s以上6μm/s以下に設定される。
【0109】
研削砥石58は、回転軸12を通過するように旋回しつつ、被加工物21の第2領域25の第2面21b側に接触する。これにより、被加工物21の第2領域25が研削、薄化される。そして、第2領域25が第1領域23と同じ厚さになるまで研削されると、段差部21cが消失し、被加工物21の全体の厚さが揃う。
【0110】
上記のように、第2研削ステップS3´では、第1研削ステップS2´の実施によって被加工物21の第2領域25に残存した円盤状の未研削領域を研削する。これにより、被加工物21の第2領域25を円盤状の被加工物と同様に研削、薄化することができる。
【0111】
ここで、仮に第1研削ステップS2´を実施せずに矩形状の被加工物21の全体を一度に研削すると、被加工物21に厚さばらつきが生じやすい。具体的には、被加工物21のうち第2面21bの対角線と重なる領域(対角線領域)では、被加工物21の他の領域と比較して、被加工物21の中心から外周縁までの距離が長い。そして、被加工物21の対角線領域が研削される際は、被加工物21の他の領域が研削される際よりも、被加工物21と研削砥石58との接触面積が広くなる。これにより、研削砥石58にかかる負荷が増大し、被加工物21の対角線領域に近い領域ほど研削が進行しにくくなる。その結果、被加工物21の研削量にばらつきが生じ、研削後の被加工物21は第2面21b側が湾曲した形状になりやすい。
【0112】
一方、本実施形態では、第1研削ステップS2´において被加工物21の第1領域23を研削した後、第2研削ステップS3´において被加工物21の第2領域25に残存する円盤状の未研削領域を研削する。第1研削ステップS2´においては、被加工物21の第1領域23のみを研削するため、研削面積が小さく、第1領域23に厚さばらつきが生じにくい。また、第2研削ステップS3´においては、中心から外周縁までの長さが一定である第2領域25を研削するため、第2領域25にも厚さばらつきが生じにくい。その結果、被加工物21の全体が概ね均一に研削される。
【0113】
第2研削ステップS3´では、実施形態1の第2研削ステップS3(
図7(A)及び
図7(B)参照)と同様、第1領域23と第2領域25とが同じ厚さになったことを検知した後に、被加工物21の研削を停止する。例えば前述のように、負荷対応値(モータ64の電流値、荷重測定器66,68によって測定される荷重)や厚さ測定器76(
図9参照)によって測定された値に基づいて、第1領域23と第2領域25とが同じ厚さになったことが検知される。
【0114】
第1領域23と第2領域25とが同じ厚さになったことが検知された後、コントローラ62(
図1参照)から移動機構32(
図1参照)に制御信号が出力され、研削ユニット44が上昇する。これにより、研削砥石58が被加工物21から離隔し、研削砥石58による被加工物21の研削が停止される。
【0115】
なお、実施形態1の第2研削ステップS3と同様、第2研削ステップS3´においても、第1領域23と第2領域25とが同じ厚さになったことを検知してから被加工物21の全体(第1領域23及び第2領域25)を所定量研削した後に、被加工物21の研削を停止してもよい。例えば、第1領域23と第2領域25とが同じ厚さになったことが検知された後の被加工物11の全体の研削量は、10μm以下、好ましくは5μm以下に設定される。
【0116】
また、本実施形態では、研削ホイール54の研削砥石58を被加工物21の側面に接触させた状態でチャックテーブル6を回転させることにより、被加工物21の第1領域23を研削する第1研削ステップS2´について説明した(
図11(A)及び
図11(B)参照)。ただし、被加工物21の第1領域23の研削方法に制限はない。例えば、第1研削ステップS2´では、第2研削ステップS3´(
図12(A)及び
図12(B)参照)と同様、被加工物21の上方に位置付けられた研削ホイール54を下降させて研削砥石58を被加工物21の第2面21b側に接触させることにより、第1領域23を研削してもよい。
【0117】
その他、本実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。また、実施形態1に係る被加工物の研削方法と実施形態2に係る被加工物の研削方法とは、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0118】
11 被加工物
11a 第1面(表面)
11b 第2面(裏面)
11c 段差部
13 第1領域(外周領域)
15 第2領域(中心領域)
21 被加工物
21a 第1面(表面)
21b 第2面(裏面)
11c 段差部
23 第1領域(外周領域)
25 第2領域(中央領域)
27 支持部材
2 研削装置
4 基台
4a 開口
6 チャックテーブル(保持テーブル)
6a 保持面
6b 保持領域
8 枠体(本体部)
8a 上面
8b 凹部
8c 流路
10 保持部材
10a 吸引面
12 回転軸
14 傾き調節機構
16 テーブルベース
18A 固定支持部材
18B 可動支持部材
20 移動機構(移動ユニット)
22 ボールねじ
24 パルスモータ
26 支持台
28 ナット部
30 支持構造(コラム)
32 移動機構(移動ユニット)
34 ガイドレール
36 保持部材
38 ナット部
40 ボールねじ
42 パルスモータ
44 研削ユニット
46 ハウジング
48 緩衝部材
50 スピンドル
52 ホイールマウント
54 研削ホイール
56 ホイール基台
58 研削砥石
60 回転軸
62 コントローラ(制御ユニット、制御部、制御装置)
64 モータ
66,68 荷重測定器
70 測定ユニット
72 回転支持部
74 支持アーム
76 厚さ測定器