(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017110
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】転写装置、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/16 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
G03G15/16 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119536
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100207181
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 朋
(72)【発明者】
【氏名】高木 広彰
【テーマコード(参考)】
2H200
【Fターム(参考)】
2H200FA02
2H200FA09
2H200FA12
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA34
2H200JA02
2H200JA08
2H200JA25
2H200JA26
2H200JA27
2H200JB10
2H200JB13
2H200JC04
2H200JC07
2H200JC09
2H200JC10
2H200JC13
2H200JC15
2H200JC16
2H200JC17
2H200JC19
2H200LA17
2H200LA18
2H200MA04
2H200MA06
2H200MA08
2H200MA12
2H200MA14
2H200MB01
2H200MB03
2H200MB04
2H200MB05
2H200MC03
2H200PA12
2H200PA14
(57)【要約】
【課題】転写部材を保持する保持部材の破損を抑制することを課題とする。
【解決手段】転写ベルトと、移動可能に設けられ、転写ベルトに当接する転写部材と、転写部材を保持する保持部材と、転写部材を転写ベルト側へ付勢する付勢部材と、保持部材に当接し、転写部材を付勢部材による付勢方向と反対の方向へ移動させる移動機構と、を備えた転写装置であって、保持部材は、移動機構に当接する当接部と、付勢部材が取り付けられる取付部と、第1部分とを有し、当接部および取付部が、第1部分よりも剛性の高い材料により形成されることを特徴とする。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト部材と、
移動可能に設けられ、前記ベルト部材に当接する転写部材と、
前記転写部材を保持する保持部材と、
前記転写部材を前記ベルト部材側へ付勢する付勢部材と、
前記保持部材に当接し、前記転写部材を前記付勢部材による付勢方向と反対の方向へ移動させる移動機構と、を備えた転写装置であって、
前記保持部材は、前記移動機構に当接する当接部と、第1部分とを有し、
前記当接部が前記第1部分よりも剛性の高い材料により形成されることを特徴とする転写装置。
【請求項2】
ベルト部材と、
移動可能に設けられ、前記ベルト部材に当接する転写部材と、
前記転写部材を保持する保持部材と、
前記転写部材を前記ベルト部材側へ付勢する付勢部材と、を備えた転写装置であって、
前記保持部材は、前記付勢部材が取り付けられる取付部と、第1部分とを有し、
前記取付部が前記第1部分よりも剛性の高い材料により形成されることを特徴とする転写装置。
【請求項3】
前記保持部材は、前記付勢部材が取り付けられる取付部をさらに有し、
前記取付部が前記第1部分よりも剛性の高い材料により形成される請求項1記載の転写装置。
【請求項4】
前記保持部材は、前記当接部および前記取付部を一体に有する第2部分を備える請求項3記載の転写装置。
【請求項5】
前記保持部材は、回転軸を有し、当該回転軸を中心に回転可能に設けられ、
前記第1部分および前記第2部分が締結部材によって締結され、
前記締結部材の前記第1部分および前記第2部分に対する締結方向が、前記回転軸の軸方向に直交する方向である請求項4記載の転写装置。
【請求項6】
前記保持部材は、回転軸を有し、当該回転軸を中心に回転可能に設けられ、
前記第1部分および前記第2部分が締結部材によって締結され、
前記締結部材の前記第1部分および前記第2部分に対する締結方向が、前記付勢部材の前記保持部材に対する付勢方向と平行な方向である請求項4記載の転写装置。
【請求項7】
前記保持部材は、回転軸を有し、当該回転軸を中心に回転可能に設けられ、
前記取付部が前記回転軸に対して非接触である請求項3記載の転写装置。
【請求項8】
前記保持部材は、回転軸を有し、当該回転軸を中心に回転可能に設けられ、
前記第1部分および前記第2部分が、前記回転軸と同軸上で位置決めされる請求項4記載の転写装置
【請求項9】
前記当接部および前記取付部は金属製である請求項3記載の転写装置。
【請求項10】
前記転写部材はその軸方向一方側と他方側とで前記保持部材により保持され、
前記転写部材の軸方向一方側と他方側とを保持する前記保持部材が同じ部品である請求項1記載の転写装置。
【請求項11】
前記第1部分は、非導電性の材料により形成され、前記転写部材を保持する保持部を有する請求項1記載の転写装置。
【請求項12】
請求項1から11いずれか1項に記載の転写装置を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一次転写ローラ(転写部材)が中間転写ベルト(ベルト部材)を介して感光体(潜像担持体)に当接し、一次転写ニップを形成する構成の転写装置において、一次転写ローラを感光体に対して接離させる構成が知られている。
【0003】
このような転写装置では、一次転写ローラを保持する保持部材を設け、この保持部材をスプリングなどの付勢部材により付勢することで、一次転写ローラを中間転写ベルトに押し当てる構成のものが存在する。
【0004】
例えば特許文献1(特開2011-209673号公報)の転写装置では、回動部材の一方の端部に一次転写ローラを保持させ、回動部材の別の端部にコイルスプリングを取り付ける。コイルスプリングの付勢力により回動部材を一方向へ回転させる力を付与することで、一次転写ローラを中間転写ベルトに対して押し当てる。また回動部材をコイルスプリングによる付勢方向とは逆方向へ回転させることにより、一次転写ローラを感光体から離間させる。
【0005】
ところで、保持部材は付勢部材による付勢力や感光体から離間させる方向へ移動させるための力がかかるたけ、付勢力によるクリープが生じたり、繰り返しの接離動作により疲労破壊するという問題があった。このため、保持部材には一定の強度が必要である。しかし一方で、一次転写ローラには一次転写バイアスが印加される。この一次転写バイアスが保持部材を介して金属製の転写フレームに伝達されないように、保持部材を非導電性の材料により形成する必要があり、その材料選択に制約があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
転写部材を保持する保持部材の破損を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、ベルト部材と、移動可能に設けられ、前記ベルト部材に当接する転写部材と、前記転写部材を保持する保持部材と、前記転写部材を前記ベルト部材側へ付勢する付勢部材と、前記保持部材に当接し、前記転写部材を前記付勢部材による付勢方向と反対の方向へ移動させる移動機構と、を備えた転写装置であって、前記保持部材は、前記移動機構に当接する当接部と、前記付勢部材が取り付けられる取付部と、第1部分とを有し、前記当接部および前記取付部が、前記第1部分よりも剛性の高い材料により形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、転写部材を保持する保持部材の破損を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】本発明の一実施形態に係る転写装置の概略構成図で、(a)図が各一次転写部が当接状態の図、(b)図がすべての一次転写部が離間状態の図である。
【
図3】最下流一次転写部の中間転写ベルトに対する接離構成を画像形成装置の背面側から見た図で、「当接」の状態を示す図である。
【
図5】カム部材およびその周辺の構成を背面側から見た斜視図である。
【
図6】最下流一次転写部の中間転写ベルトに対する接離構成を画像形成装置の背面側から見た図で、「離間」の状態を示す図である。
【
図7】中央一次転写ユニットおよび最上流一次転写部の中間転写ベルトに対する接離構成を示す平面図である。
【
図8】画像形成装置の背面側の回転部材を示す斜視図である。
【
図9】画像形成装置の背面側の回転部材の分解斜視図である。
【
図10】画像形成装置の正面側の回転部材を示す斜視図である。
【
図11】画像形成装置の正面側の回転部材の分解斜視図である。
【
図12】異なる実施形態の画像形成装置の背面側の回転部材を示す斜視図である。
【
図13】異なる実施形態の画像形成装置の正面側の回転部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の構成を示す図である。
図1に示す画像形成装置1は、潜像担持体としての感光体を複数並置したタンデム方式の構成のカラープリンタである。各感光体は、現像装置から供給された現像剤としてのトナーにより、色分解に対応した色のトナー画像を形成できる。各感光体上で形成されたトナー像を中間転写体に重畳転写した後、その重畳画像を記録用紙などのシートに対して一括転写することで、シートに多色画像を形成できる。本発明では、画像形成装置として、カラープリンタに限らず、カラー複写機、ファクシミリ装置および印刷機なども含まれること勿論である。
【0012】
図1において、画像形成装置1には、画像形成部1Aが上下方向の中央付近に配置され、その下方に給紙部1Bが、さらに画像形成部1Aの上方に原稿載置台1C1を備えた原稿走査部1Cがそれぞれ配置されている。画像形成部1Aには、ベルト部材としての中間転写ベルト2が配置されている。中間転写ベルト2は水平方向に展張面を有する。中間転写ベルト2の上方には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。
【0013】
本発明のベルト部材の一態様として、画像を転写するための転写ベルトがある。本実施形態の中間転写ベルト2はこの転写ベルトの一例である。ただし本発明のベルト部材の例は、中間転写体としての中間転写ベルト2に限らない。例えば本発明のベルト部材は、記録媒体を搬送し、感光体との間で転写ニップを形成する搬送ベルトであってもよい。
【0014】
画像形成部1Aには、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による画像および透明トナーによる光沢画像を形成可能な作像部10K、10C、10M、10Y、10Tが配置されている。各作像部10K、10C、10M、10Y、10Tには画像を担持可能な感光体3K、3C、3M、3Y、3T(透明トナー)が中間転写ベルト2の展張面に沿って並置されている。なお、以下の説明において、全ての感光体に共通する内容の場合には感光体を符号3により示す。
【0015】
各感光体3K、3C、3M、3Y、3Tは、それぞれ同じ方向(
図1では、反時計方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周辺には、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置,書き込み装置5,現像装置6,一次転写部材としての一次転写ローラ7,およびクリーニング装置が配置されている(便宜上、感光体3Tを対象として、各装置の符号にTを付して示してある)。
【0016】
転写装置20は、中間転写ベルト2と、転写部材としての複数の一次転写ローラ7(便宜上、一次転写ローラ7Tのみに符号を付して示してある)、複数のローラ2A~2Cを備える。
【0017】
中間転写ベルト2は、各感光体3を備えた作像部からのトナー像を順次転写される。中間転写ベルト2は複数のローラ2A~2C、および、
図1に符号をつけていない複数のローラに掛け回されて
図1の矢印方向へ周回走行できる。ローラ2A、2Bは、中間転写ベルト2の各感光体3に対向する対向位置の中間転写ベルト2の走行方向外側の両側で中間転写ベルト2を張架する。二次転写対向ローラ2Cは、中間転写ベルト2を挟んで二次転写装置9に対峙している。
【0018】
二次転写装置9は二次転写ローラ9Aを有する。二次転写ローラ9Aは中間転写ベルト2を挟んで二次転写対向ローラ2Cとの間に二次転写ニップを形成する。二次転写対向ローラ2Cにはトナーと同極性の二次転写バイアスが印加されているのに対し、二次転写ローラ9Aは接地されている。これにより、二次転写ニップには中間転写ベルト2上の多色トナー像をベルト側から二次転写ローラ9A側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。この二次転写ニップにより、二次転写ニップに搬送されてきたシートに多色トナー画像が転写される。
【0019】
二次転写位置には給紙部1Bから記録シートが給送される。給紙部1Bは、複数の給紙カセット1B1と、複数の搬送ローラ1B2とを備えている。複数の搬送ローラ1B2は、給紙カセット1B1から繰り出される記録シートの搬送路に配置される。
【0020】
書き込み装置5は書き込み光を感光体3K、3C、3M、3Y、3Tに照射し、感光体3K、3C、3M、3Y、3Tに対して画像情報に応じた静電潜像を形成する。この画像情報は原稿走査部1Cに有する原稿載置台1C1上の原稿を走査することにより、あるいは、コンピュータから出力される画像情報により得られる。
【0021】
原稿走査部1Cには、スキャナ1C2および自動原稿給送装置1C3が備えられている。スキャナ1C2は原稿載置台1C1上の原稿を露光走査する。自動原稿給送装置1C3は原稿載置台1C1の上面に配置される。自動原稿給送装置1C3は、原稿載置台1C1上に繰り出される原稿を反転可能な構成を備え、原稿の表裏各面での走査が行えるようになっている。
【0022】
書き込み装置5により形成された感光体3上の静電潜像は、現像装置6(
図1では、便宜上、符号6Tで示してある)によって可視像処理され、中間転写ベルト2に一次転写される。中間転写ベルト2に対して各色のトナー像が重畳転写されると、二次転写装置9により記録シートに対して一括して二次転写される。
【0023】
二次転写された記録シートは、表面に担持している未定着画像が定着装置11によって定着される。定着装置11は、加熱ローラにより加熱される定着ベルトと定着ベルトに対向当接する加圧ローラとを備えたベルト定着構造を備える。定着ベルトと加圧ローラとの当接領域、つまりニップ領域を設けることにより熱ローラ定着方式の構造に比べて記録シートへの加熱領域を広げることができる。
【0024】
定着装置11を通過した記録シートは、定着装置11の後方に配置されている搬送路切り換え爪によって搬送方向が切り換えられるようになっている。具体的には、搬送路切り換え爪により、排紙部13に向けた搬送路と、反転搬送路RPとに搬送方向が選択される。
【0025】
以上のような構成を備えた画像形成装置1では、原稿載置台1C1上に載置された原稿を露光走査することにより、あるいはコンピュータからの画像情報により、一様帯電された感光体3に対して静電潜像が形成され、静電潜像が現像装置6によって可視像処理された後、トナー像が中間転写ベルト2に一次転写される。
【0026】
中間転写ベルト2に転写されたトナー像は、単一色画像の場合にはそのまま給紙部1Bから繰り出された記録シートに対して転写され、多色画像の場合には一次転写が繰り返されることで重畳された上で記録シートに対して一括して二次転写される。二次転写後の記録シートは定着装置11により未定着画像を定着された後、排紙部13あるいは、反転されて再度二次転写位置に向けて給送される。
【0027】
図1において、中間転写ベルト2は、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン-四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)等を単層または複数層に構成し、カーボンブラック等の導電性材料を分散させて構成される。中間転写ベルト2の体積抵抗率を10
8~10
12Ωcm、かつ表面抵抗率を10
9~10
13Ωcmの範囲となるよう調整されている。なお、必要に応じ中間転写ベルト2の表面に離型層をコートしても良い。コートに用いる材料としては、ETFE(エチレン-四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パ-フルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)等のフッ素樹脂が使用できるが、これに限定されるものではない。中間転写ベルト2の製造方法は注型法、遠心成形法等があり、必要に応じてその表面を研磨しても良い。中間転写ベルト2の体積抵抗率が上述した範囲を超えると、転写に必要なバイアスが高くなるため、電源コストの増大を招くため好ましくない。また、転写工程、転写紙剥離工程などで中間転写ベルト2の帯電電位が高くなり、かつ自己放電が困難になるため除電手段を設ける必要が生じる。また、体積抵抗率および表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナー飛び散りが発生してしまう。したがって、本実施形態における中間転写ベルト2の体積抵抗率および表面抵抗率は上記範囲内が好ましい。なお、体積抵抗率および表面抵抗率の測定は高抵抗抵抗率計(三菱化学社製:ハイレスタIP)にHRSプローブ(内側電極直径5.9mm,リング電極内径11mm)を接続し、中間転写ベルト2の表裏に100V(表面抵抗率は500V)の電圧を印加して10秒後の測定値を用いた。
【0028】
中間転写ベルト2は、少なくとも一対のローラであるローラ2A、2B、二次転写位置に設けられている二次転写対向ローラ2Cにそれぞれ掛け回されて駆動ローラ2Aが時計方向に回転設定されることで
図1において中間転写ベルト2の内部に示す矢印方向に移動することができるようになっている。ローラ2Aおよび2B間で移動するベルトの転写面が各作像ユニットの感光体3K、3Y、3C、3M、3Tに対向している。中間転写ベルト2を挟んで各感光体と対向する位置には、感光体上の可視像を静電転写するための転写部材に相当する一次転写ローラ7(
図1では、特殊トナーを対象として符号7Tで示してある)がそれぞれ配置されている。
【0029】
本実施形態に用いられる一次転写ローラ7は、発泡樹脂剤を金属製(鉄、SUS、AI等)の芯金に塗布したものである。発泡樹脂剤の肉厚は2mm~10mmである。なお、転写部材としては、公知であるブレード状やブラシ状のものも用いることができる。
【0030】
本実施例では、フルカラー画像形成に用いられるトナーに加えて、画像に白色の下地を形成する目的で白トナーが用いられる。この他、画像の光沢性、転写性を向上させる目的で透明トナーを用いてもよいし、色域を増やすためにライトシアントナー、ライトマゼンタトナーなどが選択される場合もある。赤銅色、青銅色などの色のついた金属色を作成する目的で、金トナー、銀トナーなどの金属色のトナーを下地に用いる場合もある。
【0031】
図2(a)に示すように、一次転写ローラ7Tが、中間転写ベルト2を介して感光体3Tとの間に特別色転写ニップNTを形成する。一次転写ローラ7Cが、中間転写ベルト2を介して感光体3Cとの間にシアン転写ニップNCを形成する。一次転写ローラ7Mが、中間転写ベルト2を介して感光体3Mとの間にマゼンタ転写ニップNMを形成する。一次転写ローラ7Yが、中間転写ベルト2を介して感光体3Yとの間にイエロー転写ニップNYを形成する。一次転写ローラ7Kが、中間転写ベルト2を介して感光体3Kとの間にブラック転写ニップNKを形成する。
【0032】
転写装置20は、中間転写ベルト2の走行方向の最も上流側に配置された最上流一次転写部201と、最も下流側に配置された最下流一次転写部203と、最上流一次転写部201と最下流一次転写部203との間に配置された複数の一次転写部からなる中央一次転写ユニット202とを有する。本実施形態では、最上流一次転写部201はブラック転写ニップNKによりブラックトナー像を、中央一次転写ユニット202は、シアン転写ニップNC、マゼンタ転写ニップNM、イエロー転写ニップNYにより、シアントナー像、マゼンタトナー像、イエロートナー像を、最下流一次転写部203は特別色転写ニップNTにより特別色トナー像を、それぞれ中間転写ベルト2に転写する。また以下の説明では、中間転写ベルト2の走行方向の上流側あるいは下流側を単に上流側あるいは下流側とも称する。
【0033】
図2(a)において、最上流一次転写部201に設けられた一次転写ローラ7Kが最上流一次転写部材、中央一次転写ユニット202に設けられた一次転写ローラ7Y,7M,7Cが中央側一次転写部材、最下流一次転写部203に設けられた一次転写ローラ7Tが最下流一次転写部材である。中間転写ベルト2の走行方向は
図2(a)に矢印Aで示す方向である。
【0034】
本実施形態では、最上流一次転写部201で特別色を転写することも、最下流一次転写部203で特別色を転写することもできる。これにより、必要な順番で特別色のトナーを転写することが可能になる。
【0035】
中間転写ベルト2の走行方向において、一次転写ローラ7Cと一次転写ローラ7Tとの間には、第2張架ローラとしての従動ローラ21Aおよび検知機構としての検知センサ22が設けられる。従動ローラ21Aは中間転写ベルト2を張架する。検知センサ22は中間転写ベルト2上のスケールを検知し、中間転写ベルト2の走行速度を検知する。この検知結果に基づいて中間転写ベルト2の速度を制御することにより、中間転写ベルト2に転写する各色のトナー像の位置ズレを抑制できる。
【0036】
本実施形態の転写装置20では、画像形成時のモードに合わせて、各一次転写ローラ7が感光体3に対して中間転写ベルト2を介して当接あるいは離間する。例えば
図2(b)に示すように、すべての一次転写ローラ7を感光体3から離間させることができる。
図2(b)は一例であり、最上流一次転写部201、中央一次転写ユニット202、最下流一次転写部203の各一次転写ローラ7の当接および離間状態をそれぞれ切り替えることができる。
【0037】
最下流の一次転写ローラ7Tの感光体3Tに対する接離動作に連動して、中間転写ベルト2を張架する張架部材としての従動ローラ21Aおよび従動ローラ33A、検知センサ22も
図2(b)の上下方向である感光体3に接離する方向へ移動する。以下、一次転写ローラ7T、従動ローラ21Aおよび従動ローラ33Aを接離させる第1接離機構について説明する。なお、以下の説明では最下流一次転写部203で特殊色トナー像が転写される場合を示しているが、ブラックトナー像が転写されてもよい。
【0038】
図3は画像形成装置を
図1等と反対側である背面側から見た断面図であり、一次転写ローラ7Tが中間転写ベルト2を介して感光体に当接する「当接」状態の図である。
【0039】
図3に示すように、一次転写ローラ7Tが、回転アーム34の一端に設けられる。回転アーム34は、回転軸34aを中心に回転可能に設けられる。回転アーム34は、一次転写ローラ7Tが設けられる側とは反対側の端部に孔部34bを有する。孔部34bには前スライダ32に設けられたピン32bが挿入されている。付勢部材としてのスプリング35は画像形成装置の筐体に固定され、回転アーム34を、回転軸34aを中心に
図3の時計回りに回転する方向へ付勢している。このスプリング35の付勢力により、一次転写ローラ7Tが中間転写ベルト2に当接している。また中間転写ベルト2を張架する張架部材の一つである従動ローラ33Aが、回転部材33の一端に設けられる。回転部材33は、回転支点33aを中心に回転可能に設けられる。回転部材33は、従動ローラ33Aが設けられる側とは反対側の端部に孔部33bを有する。孔部33bには前スライダ32に設けられる挿入部32aが挿入されている。挿入部32aは前スライダ32に固定された軸部に玉軸受が圧入されて構成される。さらに、従動ローラ21Aは、回転部材21の一端に設けられる。回転部材21は、回転支点21aを中心に回転可能に設けられる。回転部材21は、スプリング39により回転支点21aを中心に時計回りに回転する方向の力を受けている。
【0040】
第1接離機構91には、モータの駆動力を伝達されるカム部材31が設けられる。
図4に示すように、カム部材31は第1カム31Aと第2カム31Bとを有し、回転軸31aを中心に回転可能に設けられる。
【0041】
第1カム31Aは、それぞれの径の異なる小径部、中径部、大径部を120度ずつ有する。
図5に示すように、第1カム31Aは、玉軸受からなるカムフォロワ36に当接する。第1カム31Aの回転によって第1カム31Aがカムフォロワ36に当接する面を変えることで、前スライダ32を
図3の左右方向へ移動させることができる。
【0042】
図6は、一次転写ローラ7Tが感光体から離間した「離間」状態の図である。
第1カム31Aの回転により、前スライダ32を
図3よりも右方向へ移動させることで「離間」状態になる。つまり、
図3→
図6のように前スライダ32が右方向へ移動することにより、前スライダ32に設けられた挿入部32a、ピン32b、ピン32cがそれぞれ回転部材33,34,21を押圧し、回転部材33,34,21がそれぞれ反時計回りに回転する。これにより、従動ローラ33A、一次転写ローラ7T、従動ローラ21Aが、感光体から離れる方向である
図6の下方向へ移動する。従動ローラ33A、21Aの移動により、これらのローラに張架される中間転写ベルト2の張架位置が
図6の下方向へ移動する。またカム部材31が
図6→
図3の方向へ回転すると、回転部材33,34,21は各スプリングの付勢力により、
図6の時計回りの方向へ回転し、
図3の位置に復帰する。
【0043】
次に、中央一次転写ユニット202に設けられる各一次転写ローラ7C,7M,7Yを中間転写ベルト2に対して接離させる、第2移動機構としての第2接離機構92、および、最上流一次転写部201に設けられる一次転写ローラ7Kを接離させる、第3移動機構としての第3接離機構93について、
図7を用いて説明する。
【0044】
図7に示すように、第2接離機構92は、回転部材46~48、カム51およびカムフォロワ52を有する。第3接離機構93は、回転部材49,カム53およびカムフォロワ54を有する。第2接離機構92はカム51を回転させる駆動源としてのモータを、第3接離機構93はカム53を回転させる駆動源としてのモータをそれぞれ備える。
【0045】
回転部材46,47,48,49が、回転支点46a、47a、48a、49aを中心に回転可能に設けられる。回転部材46の一端には一次転写ローラ7Cが設けられる。回転部材47の一端には一次転写ローラ7Mが設けられる。回転部材48の一端には一次転写ローラ7Yが設けられる。回転部材49の一端には一次転写ローラ7Kが設けられる。各回転部材46~49はスプリングにより
図7の時計回りに回転する方向へ付勢され、各一次転写ローラ7を中間転写ベルト2を介して感光体に当接させている。
【0046】
カム51の回転によりカムフォロワ52が回転し、最上流一次転写部201の前スライダ50が
図7の右方向へ移動する。これにより、回転部材46~48の各一次転写ローラ7を設ける側と反対側の端部が押圧され、各回転部材46~48はスプリングの付勢力に抗して
図7の反時計回りに回転する。これにより、各一次転写ローラ7C,7M,7Yが各感光体から離間する。またカム53の回転により、カムフォロワ54が回転し、回転部材49の一次転写ローラ7Kを設ける側と反対側の端部が押圧される。これにより、回転部材49はスプリングの付勢力に抗して
図7の反時計回りに回転し、一次転写ローラ7Kが感光体から離間する。以上のようにして、最上流一次転写部201の一次転写ローラ7Kと中央一次転写ユニット202の各一次転写ローラ7C,7M,7Yとが独立して各感光体に対する接離動作を行う。
【0047】
次に、一次転写ローラ7Tを保持し、感光体に対して接離させる回転アーム(保持部材)34について、その詳細な構成を
図8~
図11を用いて説明する。一次転写ローラ7Tは軸方向の両側でそれぞれ回転アーム34によって保持されている。
図8および
図9に示す軸方向一方側で、画像形成装置の背面側に設けられる回転アーム34を回転アーム34Aとする。
図10および
図11に示す軸方向他方側で画像形成装置の正面側に設けられる回転アーム34を回転アーム34Bとする。なお、以下の説明では最下流一次転写部に設けられた一次転写ローラを保持する回転アームの場合を説明するが、これに限るものではない。
【0048】
図8に示すように、回転アーム34Aは、第1部分341と第2部分342とを有する。第1部分341は一次転写ローラ7Tの軸部が挿入される挿入孔34d、および、バックアップローラ71の軸部が挿入される挿入孔34eを有する。挿入孔34dおよび挿入孔34dを構成する壁面部は、転写部材を保持する保持部を構成する。第1部分341は、一次転写ローラ7Tの軸受部を 構成する。第2部分342はスプリング35が取り付けられる取付部34cを有する。また第2部分342は孔部34bを有する。孔部34bを形成する壁面部は、ピン32b(
図6参照)が当接する当接部である。前スライダ32が有するピン32bは、回転アーム34Aをスプリング35による付勢方向とは逆方向へ回転させて、一次転写ローラ7Tを移動させる移動機構を構成する。
【0049】
バックアップローラ71は、感光体3Tと一次転写ローラ7Tが当接して一次転写ニップを形成して転写を行う際に、両者の間に生じる段差により生じる振動を低減するために設けられる。
【0050】
第1部分341は非導電性の材料により形成される。また第2部分342は第1部分341よりも剛性の高い材料により形成される。本実施形態では、第1部分341が樹脂材により形成され、第2部分342が金属材により形成される。
【0051】
上記の「剛性が高い材料」とは、ある材料と別の材料とに同じ力を加えた時に、変形量が小さい方の材料を指す。金属ではヤング率の大小により比較する。また樹脂では曲げ弾性率の大小により比較する。一般的に、画像形成装置の機械部品で使用される材料では、金属は樹脂材料よりもその剛性が高くなっている。
【0052】
図9に示すように、第1部分341と第2部分342とは、第1部分341が有する軸孔34gを形成する筒状部に対して、第2部分342に設けられた軸孔34fが挿入されることで、第2部分342が第1部分341に対して位置決めされる。この軸孔34gおよび軸孔34fには画像形成装置側に固定された回転軸34aが挿入される。このように、回転アーム34の回転軸34aの同軸上で第1部分341と第2部分342とが位置決めされることにより、第1部分341と第2部分342とを精度良く組み付けることができ、寸法誤差が積み上がりにくい構成とすることができる。従って、回転アーム34のピン32b(
図6参照)に対する位置精度を向上させることができる。また回転軸34aは第1部分341のみに接触し、第2部分342とは非接触である。回転軸34aが剛性の高い第2部分342と摺動しない構成とすることで、回転アーム34の回転動作時の摺動負荷を低減できる。
【0053】
位置決めされた第1部分341および第2部分342に対して、締結部材としてのネジ72を締結することで、第1部分341と第2部分342とが組み付けられる。本実施形態では特に、剛性の高い第2部分342にネジ72を締結させる雌ネジ部が設けられる。これにより、ネジ72の外れを防止できる。
【0054】
図8に示すネジ72の締結方向B1は、回転アーム34の回転軸34aの軸線方向B3に直交する方向に設けられる。これにより、回転アーム34が回転軸34aを中心に回転した際に、ネジ72が外れる方向に力が加わらないようにすることができる。従って、ネジ72の外れを防止できる。また、ネジ72の締結方向B1はスプリング35が回転アーム34に対して力を加える方向B2と平行でその逆方向に設けられる。これにより、スプリング35が回転アーム34に加える付勢力が、ネジ72が外れる方向に作用しないようにすることができる。従って、ネジ72の外れを防止できる。ただし、締結方向B1が軸線方向B3に直交する方向、あるいは、方向B2に平行な方向に対して多少の誤差があっても、同様の効果が得られることはもちろんである。
【0055】
第2部分342には
図9に示す導電性の経路部材74および
図8に示すバイアス印加機構73が取り付けられる。一次転写ローラ7Tは、
図9に示す軸受75を介して第2部分342に取り付けられる。経路部材74は、その一端がバイアス印加機構73に接触し、他端が軸受75に取り付けられる。
【0056】
バイアス印加機構73は、経路部材74および軸受75を介して一次転写ローラ7Tに一次転写バイアスを印加することができる。また、第1部分341が非導電性の材料により形成されることで、バイアス印加機構73の印加したバイアスが、第1部分341を介して金属製の転写フレーム側へ伝達されることを防止できる。ただし、第1部分341のすべてを非導電性の材料により形成する必要はなく、バイアス印加機構73から一次転写ローラ7Tまでバイアス印加経路と転写フレームとの間の導電経路を遮断できればよい。
【0057】
このような構成の回転アーム34では、
図3の「当接」状態および
図6の「離間」状態のいずれの状態においても、スプリング35が回転アーム34を
図6の時計回りに回転する方向へ引っ張っている。つまり、第2部分342の取付部34cには、スプリング35による引張力が常にかかっている。また
図6の「離間」状態では、第2部分342の孔部34bを形成する壁面部に、ピン32bによる押圧力がかかっている。このスプリング35による引張力により回転アーム34にクリープが生じたり、繰り返しの姿勢変更により、回転アーム34が疲労破壊するという問題があった。
【0058】
これに対して本実施形態では、ピン32b(
図6参照)が当接する当接部、および、スプリング35が取り付けられる取付部34cを有する第2部分342を第1部分341よりも剛性の高い材料により形成する。これにより、スプリング35による引っ張りによるクリープや、ピン32bの繰り返しの押圧による疲労破壊を抑制できる。また回転アーム34は、一次転写バイアスを転写フレーム側に伝達しないように、バイアス印加機構73側と転写フレーム側との間に非導電性の部材を配置する必要がある。この点、本実施形態のように第2部分342を非導電性の材料により形成することで、一次転写バイアスが転写フレーム側に伝達されることを防止できる。このように本実施形態では、回転アーム34を第1部分341と第2部分342とにより構成し、それぞれをその役割に応じた材料により形成することで、回転アーム34の破損を抑制するとともに一次転写バイアスが転写フレーム側に伝達されることを防止できる。また、付勢力がより大きいスプリング35を用いることができる。
【0059】
以上の説明では、スプリング35を取り付ける取付部34cおよびピン32bが当接する当接部である孔部34bを形成する壁面部を一つの部材である第2部分342が有する場合を説明したが、これらをそれぞれ別の部材により構成するとともに、それぞれ第1部分341よりも剛性の高い材料により形成してもよい。また、第1部分341が複数の部材に分割されていてもよいし、回転アーム34が取付部や当接部よりも剛性の高い部分を有していてもよい。
【0060】
次に、画像形成装置の正面側に設けられる回転アーム34Bについて説明する。
【0061】
図10および
図11に示すように、回転アーム34Bも同様に、第1部分341と、第1部分341よりも剛性の高い第2部分342とにより構成される。第2部分342はピン32b(
図6参照)が当接する当接部と、取付部34cとを有する。これにより、前述の回転アーム34Aと同様、回転アーム34の破損を抑制することができる。また一次転写バイアスが転写フレーム側に伝達されることを防止できる。
【0062】
ネジ72の締結方向B1は、スプリング35が回転アーム34に対して力を加える方向B2と平行な逆方向であり、回転アーム34の回転軸34aの軸線方向B3に直交する方向である。
【0063】
板バネ76が第1部分341にネジを介して固定されている。板バネ76は、その一端76a(
図11参照)がバックアップローラ71の軸方向一端部に接触しており、他端76bは軸孔34gおよび軸孔34fに挿入される回転軸34a(
図6参照)の軸方向一端部に接触している。板バネ76は、バックアップローラ71からアースへの経路を確保する部材である。
【0064】
回転アーム34Bを構成する第1部分341および第2部分342は、回転アーム34Aを構成する第1部分341および第2部分342と共通の部品により構成され、その形状などは同じである。これにより、それぞれ複数の成形型を用いる必要がなく、回転アーム34Aおよび回転アーム34Bのコストダウンを図ることができる。
【0065】
また一次転写ローラ7Tに対してバックアップローラ71が設けられていない構成であってもよい。この場合、
図12および
図13に示すように、回転アーム34Aおよび回転アーム34Bの第2部分342は、バックアップローラ71の軸部を保持するための挿入孔34eを有していない構成とすることができる。
【0066】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0067】
記録媒体としては、用紙P(普通紙)の他、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔等が含まれる。
【0068】
以上の説明では、
図10に示す回転アーム34のように、スプリング35が取り付けられた取付部34cと、ピン32b(
図6参照)が当接する当接部である孔部34bを形成する壁面部とが一体的に設けられた第2部分342を形成する場合を示したが、これらは別部材であってもよい。また本発明は、これらの取付部と当接部の両方が第1部分よりも剛性が高い材料により形成される場合に限らず、いずれか一方だけの剛性が高くてもよい。この場合でも、回転アーム(保持部材)の破損を抑制できる。
【0069】
本発明の態様は、例えば以下のとおりである。
<1>
ベルト部材と、
移動可能に設けられ、前記ベルト部材に当接する転写部材と、
前記転写部材を保持する保持部材と、
前記転写部材を前記ベルト部材側へ付勢する付勢部材と、
前記保持部材に当接し、前記転写部材を前記付勢部材による付勢方向と反対の方向へ移動させる移動機構と、を備えた転写装置であって、
前記保持部材は、前記移動機構に当接する当接部と、第1部分とを有し、
前記当接部が前記第1部分よりも剛性の高い材料により形成されることを特徴とする転写装置である。
<2>
ベルト部材と、
移動可能に設けられ、前記ベルト部材に当接する転写部材と、
前記転写部材を保持する保持部材と、
前記転写部材を前記ベルト部材側へ付勢する付勢部材と、を備えた転写装置であって、
前記保持部材は、前記付勢部材が取り付けられる取付部と、第1部分とを有し、
前記取付部が前記第1部分よりも剛性の高い材料により形成されることを特徴とする転写装置である。
<3>
前記保持部材は、前記付勢部材が取り付けられる取付部をさらに有し、
前記取付部が前記第1部分よりも剛性の高い材料により形成される<1>記載の転写装置である。
<4>
前記保持部材は、前記当接部および前記取付部を一体に有する第2部分を備える<3>記載の転写装置である。
<5>
前記保持部材は、回転軸を有し、当該回転軸を中心に回転可能に設けられ、
前記第1部分および前記第2部分が締結部材によって締結され、
前記締結部材の前記第1部分および前記第2部分に対する締結方向が、前記回転軸の軸方向に直交する方向である<4>記載の転写装置である。
<6>
前記保持部材は、回転軸を有し、当該回転軸を中心に回転可能に設けられ、
前記第1部分および前記第2部分が締結部材によって締結され、
前記締結部材の前記第1部分および前記第2部分に対する締結方向が、前記付勢部材の前記保持部材に対する付勢方向と平行な方向である<4>または<5>記載の転写装置である。
<7>
前記保持部材は、回転軸を有し、当該回転軸を中心に回転可能に設けられ、
前記取付部が前記回転軸に対して非接触である<2>から<6>いずれか記載の転写装置である。
<8>
前記保持部材は、回転軸を有し、当該回転軸を中心に回転可能に設けられ、
前記第1部分および前記第2部分が、前記回転軸と同軸上で位置決めされる<4>から<6>、または、<4>から<6>のいずれかに係る<7>のうちのいずれか記載の転写装置である。
<9>
前記当接部および前記取付部は金属製である<3>から<6>、または、<8>、または、<3>から<6>に係る<7>のうちのいずれか記載の転写装置である。
<10>
前記転写部材はその軸方向一方側と他方側とで前記保持部材により保持され、
前記転写部材の軸方向一方側と他方側とを保持する前記保持部材が同じ部品である<1>から<9>いずれか記載の転写装置である。
<11>
前記第1部分は、非導電性の材料により形成され、前記転写部材を保持する保持部を有する<1>から<10>いずれか記載の転写装置である。
<12>
<1>から<11>いずれか記載の転写装置を備えた画像形成装置である。
【符号の説明】
【0070】
1 画像形成装置
2 中間転写ベルト(転写ベルト)
3 感光体(潜像担持体)
7 一次転写ローラ(転写部材)
20 転写装置
34 回転アーム(保持部材)
34a 回転軸
34c 取付部
34d 挿入孔(保持部)
35 スプリング(付勢部材)
72 ネジ(締結部材)
341 第1部分
342 第2部分
A 中間転写ベルトの走行方向
B1 ネジの締結方向
B2 スプリングの付勢方向
B3 回転アームの回転軸の軸線方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】