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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171156
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 7/025 20160101AFI20241204BHJP
   H02P 31/00 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
H02P7/025
H02P31/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088076
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】株式会社プロテリアル
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】赤松 薫
(72)【発明者】
【氏名】久松 稜平
【テーマコード(参考)】
5H501
5H540
【Fターム(参考)】
5H501AA22
5H501BB05
5H501DD10
5H501GG01
5H501JJ03
5H501JJ04
5H501JJ25
5H501LL36
5H540AA01
5H540BA03
5H540BB06
5H540EE05
5H540EE20
5H540FA12
(57)【要約】
【課題】発生するコギングに対して十分な補償を行うことができ、コギングの影響を大幅に低減して所望の動作特性を実現できるモータの制御装置及び制御方法を提供する。
【解決手段】リニアモータ1を制御する制御装置100であって、リニアモータ1の実動時に測定された測定値に基づく非線形補償モデル51を用いてリニアモータ1の作動時におけるコギングを補正する非線形補償器50を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを制御する制御装置であって、
前記モータの実動時に測定された測定値に基づく非線形補償モデルを用いて前記モータの作動時におけるコギングを補正する非線形補償器を備える
制御装置。
【請求項2】
前記測定値は前記モータがステージに組み込まれた状態で測定されている請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記モータは可動子及び固定子を含むリニアモータである請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
目標とする前記可動子の目標位置と検出された前記可動子の検出位置との差分に基づいて前記可動子の制御量を算出して、前記モータに電力を供給する電力制御部へ出力する位置制御部を備えており、
前記測定値は前記位置制御部からの出力値である請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記非線形補償モデルは、
前記可動子の移動路の往路に係る出力値に基づく往路モデルと、復路に係る出力値に基づく復路モデルとを含む請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記位置制御部及び前記電力制御部の間に減算器が介在しており、
前記非線形補償器は、前記非線形補償モデルを用いて前記検出位置に対して補正を行い、補正結果を前記減算器に出力する請求項4に記載の制御装置。
【請求項7】
前記目標位置を前記位置制御部に出力する位置指令部と、
前記位置制御部及び前記電力制御部の間に介在する減算器とを備え、
前記非線形補償器は、前記非線形補償モデルを用いて前記目標位置に対して補正を行い、補正結果を前記減算器に出力する請求項4に記載の制御装置。
【請求項8】
前記モータの作動時の外乱を補正する外乱オブザーバを備える請求項1から7の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
モータを制御する制御方法であって、
前記モータの実動時に測定された測定値に基づく非線形補償モデルを用いて前記モータの作動時におけるコギングを補正して前記モータを制御する
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータを制御する制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モータは、固定子と可動子とを備えており、固定子と可動子との間で磁気的に推力を発生させることによって、固定子に対して可動子を移動させる構成である。モータの代表的な例として、磁性が交互に変わるように複数の永久磁石を配列させた可動子と、複数の磁極歯それぞれにコイルを巻回させた固定子とを、所定の距離だけ離隔して対応配置させた構成をなし、固定子のコイルに交流電流を流すことにより、永久磁石との吸引反発力によって推力を発生させて、固定子に対して可動子を直線移動させるリニアモータがある。
【0003】
このようなリニアモータを含めたモータにあっては、一般的にコギングが生じることが知られている。コギングとは、固定子に対する可動子の位置に依存した磁気的吸引力の周期的な変動に伴う推力の周期的な変動である。コギングの発生はモータの動作に悪影響を及ぼして、所望の動作特性が得られないことがあり、例えばリニアモータにあっては、安定した等速度制御を行えなくなる。このようなコギングはモータにとって不可避な事象であるため、所望の動作特性が得られるように、発生するコギングを補正するための種々の方法が提案されている(特許文献1、2など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-120861号公報
【特許文献2】特開2019-221032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したコギングを補正する方法は、コギングが周期的に発生するとの前提のうえで、行われている。しかし、コギングは、可動子の位置が固定子の端にある場合、モータ製作時の部材寸法のばらつきが発生する場合、モータ組み立て誤差が存在する場合等にも発生する。してみれば、コギングは、必ずしも周期的ではなく、振幅が一定でもない。よって、従来技術では、発生するコギングの十分な補償が実現されていない。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、発生するコギングに対して十分な補償を行うことができ、コギングの影響を大幅に低減して所望の動作特性を実現できるモータの制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る制御装置は、モータを制御する制御装置であって、前記モータの実動時に測定された測定値に基づく非線形補償モデルを用いて前記モータの作動時におけるコギングを補正する非線形補償器を備える。
【0008】
本発明にあっては、前記非線形補償器が前記モータの作動時におけるコギングを補正する際、斯かるモータの実動時に測定された測定値に基づいて生成された非線形補償モデルを用いるので、より有効かつ適切な補正が可能である。
【0009】
本発明に係る制御装置は、前記測定値は前記モータがステージに組み込まれた状態で測定されている。
【0010】
本発明にあっては、前記非線形補償器が前記モータの作動時におけるコギングを補正する際に用いられる非線形補償モデルが、前記モータがステージに組み込まれた状態で測定された測定値に基づいて生成されるので、斯かる測定値に実際の動作環境が反映されており、より有効かつ適切な補正が可能である。
【0011】
本発明に係る制御装置は、前記モータは可動子及び固定子を含むリニアモータである。
【0012】
本発明にあっては、前記非線形補償器がリニアモータの実動時に測定された測定値に基づいて生成された非線形補償モデルを用いてリニアモータの作動時におけるコギングを補正するので、より有効かつ適切な補正が可能である。
【0013】
本発明に係る制御装置は、目標とする前記可動子の目標位置と検出された前記可動子の検出位置との差分に基づいて前記可動子の制御量を算出して、前記モータに電力を供給する電力制御部へ出力する位置制御部を備えており、前記測定値は前記位置制御部からの出力値である。
【0014】
本発明にあっては、前記位置制御部は、前記可動子の目標位置と前記可動子の検出位置との差分に基づいて、前記可動子の制御量を算出して前記電力制御部へ出力し、前記非線形補償モデルは前記位置制御部から前記電力制御部に出力される出力値に基づいて生成される。
【0015】
本発明に係る制御装置は、前記非線形補償モデルは、前記可動子の移動路の往路に係る出力値に基づく往路モデルと、復路に係る出力値に基づく復路モデルとを含む。
【0016】
本発明にあっては、前記非線形補償器が、前記往路モデルを用いて前記可動子の往路におけるコギングを補正し、前記復路モデルを用いて前記可動子の復路におけるコギングを補正する。よって、より有効かつ適切な補正が可能である。
【0017】
本発明に係る制御装置は、前記位置制御部及び前記電力制御部の間に減算器が介在しており、前記非線形補償器は、前記非線形補償モデルを用いて前記検出位置に対して補正を行い、補正結果を前記減算器に出力する。
【0018】
本発明にあっては、前記非線形補償器が前記非線形補償モデルを用いて前記検出位置に対して補正を行った結果を前記減算器に出力し、前記減算器にて前記位置制御部からの出力値に印加される。
【0019】
本発明に係る制御装置は、前記目標位置を前記位置制御部に出力する位置指令部と、前記位置制御部及び前記電力制御部の間に介在する減算器とを備え、前記非線形補償器は、前記非線形補償モデルを用いて前記目標位置に対して補正を行い、補正結果を前記減算器に出力する。
【0020】
本発明にあっては、前記非線形補償器が前記非線形補償モデルを用いて前記目標位置に対して補正を行った結果を前記減算器に出力し、前記減算器にて前記位置制御部からの出力値に印加される。
【0021】
本発明に係る制御装置は、前記モータの作動時の外乱を補正する外乱オブザーバを備える。
【0022】
本発明にあっては、前記非線形補償器がコギングに対して行う補正と、前記外乱オブザーバが外乱に対して行う補正とを組み合わせるので、モータにおいて所望の動作特性を実現できる。
【0023】
本発明に係る制御方法は、モータを制御する制御方法であって、前記モータの実動時に測定された測定値に基づく非線形補償モデルを用いて前記モータの作動時におけるコギングを補正して前記モータを制御する。
【0024】
本発明にあっては、前記モータの作動時におけるコギングを補正する際、斯かるモータの実動時に測定された測定値に基づいて生成された非線形補償モデルが用いられるので、より有効かつ適切な補正が可能である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、発生するコギングに対して十分な補償を行うことができ、コギングの影響を大幅に低減して所望の動作特性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施の形態1に係るリニアモータの構成を示す斜視図である。
図2】実施の形態1に係るリニアモータの構成を示す側面図である。
図3】実施の形態1に係るリニアモータの制御装置の一実施形態の構成を示すブロック線図である。
図4】リニアモータの駆動において目標として設定された可動子の位置(指令位置)及び速度(指令速度)を計時的に表したグラフである。
図5図4の指令位置及び指令速度にてリニアモータを駆動させる場合に測定された非線形補償モデルのグラフである。
図6図5の非線形補償モデルの値を、フィルタを用いて平均化したグラフである。
図7】リニアモータの制御に非線形補償器を使用しない場合と使用する場合とにおける可動子の位置偏差を示すグラフである。
図8】リニアモータの制御に非線形補償器を使用しない場合と使用する場合とにおける可動子の速度変動率を示すグラフである。
図9】リニアモータの制御に非線形補償モデルを用いる非線形補償器を使用する場合と、周期非線形補償モデルを用いる非線形補償器を使用する場合とにおけるオープンループでのステップ応答時(電流0.7A)の速度変動を示すグラフである。
図10】実施の形態2に係るリニアモータの制御装置の一実施形態の構成を示すブロック線図である。
図11】リニアモータの制御に非線形補償器及び外乱オブザーバを用いる場合における可動子の位置偏差を示すグラフである。
図12】リニアモータの制御に非線形補償器及び外乱オブザーバを用いる場合における可動子の速度変動率を示すグラフである。
図13】リニアモータの制御に、非線形補償器及び外乱オブザーバを使用する場合と、非線形補償器及び外乱オブザーバの何れかを使用しない場合とにおける可動子の位置偏差を対比表示するグラフである。
図14】リニアモータの制御に、非線形補償器及び外乱オブザーバを使用する場合と、非線形補償器及び外乱オブザーバの何れかを使用しない場合とにおける可動子の速度変動率を対比表示するグラフである。
図15】実施の形態3に係るリニアモータの制御装置の一実施形態の構成を示すブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。なお、以下では、モータの一例としてのリニアモータに本発明を適用する場合について説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るリニアモータ1の構成を示す斜視図であり、図2は、実施の形態1に係るリニアモータ1の構成を示す側面図である。リニアモータ1は、所定距離だけ隔てて対向させた可動子2と固定子3とを有している。
【0029】
可動子2は、例えば14個の矩形状の永久磁石21を、等ピッチで薄板状のバックヨーク22に支持固定して可動方向(図2の左右方向)に並置させて構成される。各永久磁石21は厚さ方向(図2の上下方向)に磁化されており、隣り合う永久磁石21,21同士でその磁化方向は逆向きである。即ち、可動子2側から固定子3側に向かう方向(図2の上から下に向かう方向)に磁化された永久磁石21と、固定子3側から可動子2側に向か
う方向(図2の下から上に向かう方向)に磁化された永久磁石21とが交互に配置されている。
【0030】
一方、固定子3は、薄板状のコア31に可動方向に等ピッチにて例えば30個の矩形状の磁極歯32を一体的に設け、各磁極歯32にコイル33を巻いて構成される。図2におけるU、V、Wは夫々3相交流電源のU相、V相、W相を示し、3相平行通電を行うために、正逆2スロット3対を1セットとしている。そして、リニアモータ1は、7個の永久磁石21と6個の磁極歯32及びコイル33とを有する7極6スロット構成を基本ユニットとしている。
【0031】
固定子3のコイル33に3相交流を通電して磁極歯32に磁界を発生させると、この磁界に可動子2の永久磁石21が順次磁気吸引反発することによって可動子2に推力が発生して、可動子2は固定子3に対して直線運動を行う。
【0032】
以下、このような構成をなすリニアモータ1に不可避的に発生するコギングの影響を低減するための方法及び装置について詳述する。
【0033】
図3は、実施の形態1に係るリニアモータ1の制御装置100の一実施形態の構成を示すブロック線図である。制御装置100は、リニアモータ1に接続されており、位置指令部10と、減算器122と、制御コントローラ20(位置制御部)と、減算器71と、電流アンプ30(電力制御部)と、非線形補償器50とを備えている。そして、リニアモータ1は、ステージ40に組み込まれている。
【0034】
リニアモータ1は、可動子2の位置を検出するエンコーダ(図示せず)を備えており、前記エンコーダによって検出された可動子2の位置(以下、検出位置)xが出力される。位置指令部10は、可動子2の目標位置rを設定して出力する。制御コントローラ20は、可動子2の目標位置rp と検出位置xとの差分に基づいて、可動子2の位置の制御量である入力指令u′を算出して、出力する。電流アンプ30は、減算器71から出力される後述する電流指令uに基づいてリニアモータ1を駆動するための電力をリニアモータ1に供給する。非線形補償器50は、可動子2の検出位置を補正した補正出力^icog(コギングの推定値)を減算器71に出力する。
【0035】
位置指令部10の出力端は減算器122の加算入力端子に接続されており、減算器122の減算入力端子にはリニアモータ1の出力端が接続されている。また、制御コントローラ20の入力端は減算器122の出力端子と接続されており、制御コントローラ20の出力端は減算器71の加算入力端子に接続されている。制御コントローラ20は減算器71を介して後述の如く電流アンプ30に接続されている。
【0036】
減算器122には、可動子2の目標位置rp が位置指令部10から入力されるとともに、リニアモータ1からの検出位置xが入力され、減算器122は、両者の差分である位置指令ep を制御コントローラ20へ出力する。制御コントローラ20は、減算器122から入力された位置指令ep に基づいて入力指令u′を出力する。入力指令u′は、制御コントローラ20での演算結果(電流値に相当)であり、減算器71に入力される。
【0037】
制御対象となるリニアモータ1の入力端は、電流アンプ30の出力端に接続されており、電流アンプ30の入力端は減算器71の出力端子に接続されている。また、リニアモータ1の出力端は非線形補償器50の入力端に接続されており、非線形補償器50の出力端は、減算器71の減算入力端子に接続されている。
【0038】
減算器71の加算入力端子には、上述の如く、制御コントローラ20から入力指令u′が入力され、また、減算器71の減算入力端子には非線形補償器50から補正出力^icogが入力される。なお、「^」の記号は推定値を表している。
【0039】
減算器71の出力端子から、電流アンプ30へ、電流指令uが出力される。電流アンプ30は電流指令uに応じてリニアモータ1に電力を供給する。電流指令uは、時間に対する電流の関数である。リニアモータ1から出力された検出位置xは、非線形補償器50、減算器122及び外部へ出力される。
【0040】
非線形補償器50は、非線形補償モデル51を有しており、コギング要素Cに対して非線形補償モデル51を用いて補正を行う。非線形補償器50は、非線形補償モデル51に基づいてコギングの状態(コギング要素C)に逆補正(C-1)を加えて補償して、コギング補正の推定値^icog を減算器71へ出力し、入力指令u′に印加される。
【0041】
非線形補償モデル51は、リニアモータ1の実動時に測定された測定値に基づいて生成されている。斯かる測定値は、リニアモータ1がステージ40に組み込まれている状態で測定された結果である。
より詳しくは、前記測定値は、図3に示す制御装置100の構成から、非線形補償器50を除いた状態でリニアモータ1を作動させた時に、制御コントローラ20から出力される出力値(入力指令u′)を予め測定した測定値である。換言すれば、非線形補償モデル51は、検出位置Xと、可動子2の位置偏差に対する制御量との関数である。
【0042】
また、非線形補償モデル51は、可動子2の移動路(固定子3)の往路に係る制御コントローラ20の出力値に基づく往路非線形補償モデルと、復路に係る制御コントローラ20の出力値とに基づく復路非線形補償モデルとを夫々含む。即ち、非線形補償器50は、可動子2が移動路の往路を移動する場合は、非線形補償モデル51の前記往路非線形補償モデルを用いてコギングに対する補正を行い、可動子2が移動路の復路を移動する場合は、非線形補償モデル51の前記復路非線形補償モデルを用いてコギングに対する補正を行う。
【0043】
以下、具体例を挙げて説明する。
図4は、リニアモータ1の駆動において目標として設定された可動子2の位置(指令位置)及び速度(指令速度)を計時的に表したグラフである。図4において、左縦軸は位置(mm)であり、右縦軸は速度(mm/s)であり、横軸は時間(s)である。また、図4において、実線は指令位置を示し、破線は指令速度を示す。そして、図4Aは往路における指令位置及び指令速度を示し、図4Bは復路における指令位置及び指令速度を示す。
【0044】
図4から分かるように、指令速度はゼロから5mm/s(-5mm/s)になって一定時間等速を維持した後再びゼロになる。この際、指令位置は直線的に増加(又は減少)する。
【0045】
また、図5は、図4の指令位置及び指令速度にてリニアモータ1を駆動させる場合に測定された非線形補償モデル51のグラフである。図5において、縦軸は可動子2の位置に対する制御量であり、横軸は検出位置(mm)である。即ち、非線形補償モデル51は、検出位置と制御量との関数であり、縦軸の各制御量は非線形補償モデル値に相当する。そして、図5Aは非線形補償モデル51の往路非線形補償モデルを示し、図5Bは非線形補償モデル51の復路非線形補償モデルを示す。
【0046】
図5A及び図5Bから分かるように、非線形補償モデル51の波形は、検出位置の変動と共に振動しており、振幅の幅は一定でなく、振動周期は非周期的である。更に、図5Aの往路非線形補償モデルと、図5Bの復路非線形補償モデルとが異なる。
【0047】
そして、図6は、図5の非線形補償モデル51の値を、フィルタを用いて平均化したグラフである。図6中、破線は往路非線形補償モデルを示し、一点鎖線は復路非線形補償モデルを示す。また、図6には、比較のため、コギングが周期的に発生すると仮定したうえで生成された非線形補償モデル(以下、周期非線形補償モデル)を実線にて示している。
【0048】
図6から分かるように、往路非線形補償モデル及び復路非線形補償モデルが、互いに、振幅、位相及び周期において異なることが明らかであり、周期非線形補償モデルとも、振幅、位相及び周期において異なることが明確である。
【0049】
非線形補償器50が、上述の如く、リニアモータ1の実動時に測定された測定値に基づく非線形補償モデル51を用いてコギングに対する補正を行う場合の効果について説明する。
【0050】
図7は、リニアモータ1の制御に非線形補償器50を使用しない場合と使用する場合とにおける可動子2の位置偏差を示すグラフであり、図8は、リニアモータ1の制御に非線形補償器50を使用しない場合と使用する場合とにおける可動子2の速度変動率を示すグラフである。
図7において、縦軸は位置偏差(μm)、即ち位置偏差であり、横軸は検出位置(mm)である。また、図8において、縦軸は速度変動率(%)であり、横軸は検出位置(mm)である。
【0051】
図7A及び図8Aは、非線形補償器50を使用しない場合を示しており、図7B及び図8Bは非線形補償器50を使用する場合を示す。また、図7B及び図8Bは、便宜上、往路非線形補償モデルを用いる場合のみを示す。
【0052】
図7及び図8から分かるように、リニアモータ1の制御に、非線形補償器50を使用する場合(図7B及び図8B)は、非線形補償器50を使用しない場合(図7A及び図8A)に比べて、位置偏差及び速度変動率に係るグラフの振幅が大きく縮小されている。即ち、非線形補償器50を使用する場合(図7B及び図8B)は、非線形補償器50を使用しない場合(図7A及び図8A)に比べて、可動子2の位置偏差が少なく、速度の等速性が向上していることが明らかである。
【0053】
図9は、リニアモータ1の制御に非線形補償モデル51を用いる非線形補償器50を使用する場合と、前記周期非線形補償モデルを用いる非線形補償器を使用する場合とにおけるオープンループでのステップ応答時(電流0.7A)の速度変動を示すグラフである。図9において、縦軸は速度(mm/s)であり、横軸は時間(s)である。また、図9において、破線は前記周期非線形補償モデルを用いる非線形補償器を使用する場合であり、実線は、実施の形態1の制御装置100のように、非線形補償モデル51を用いる非線形補償器50を使用する場合である。
【0054】
図9から分かるように、リニアモータ1の制御に、非線形補償器50を使用する場合は、前記周期非線形補償モデルを用いる非線形補償器を使用する場合に比べて、時間経過に対して可動子2の速度が直線的に増加している。即ち、リニアモータ1の制御に非線形補償モデル51を用いる非線形補償器50を使用する場合、可動子2の加速度が一定である。
【0055】
以上の如く、実施の形態1の制御装置100では、非線形補償器50が、リニアモータ1の実動時に測定された測定値に基づく非線形補償モデル51を用いてリニアモータ1の可動子2の検出位置に対してコギング状態に対する逆補正を加えて補正することによって、発生するコギングに対して十分な補償を行うことができ、コギングの影響を大幅に低減し得る。
【0056】
(実施の形態2)
図10は、実施の形態2に係るリニアモータ1の制御装置100の一実施形態の構成を示すブロック線図である。
【0057】
実施の形態2に係るリニアモータ1の制御装置100では、コギング状態に対して逆補正を加える制御と、外乱に対する外乱オブサーバ制御とを組み合わせる。即ち、コギング状態に対する逆補正を加えてコギングの影響を大まかに除去するとともに、この逆補正では低減しきれない外乱による影響を外乱オブサーバ制御にて低減する。よって、発生する不可避なコギングに対して十分な補償を行うことができ、コギングの影響を大幅に低減し得る。
【0058】
外乱オブサーバ制御は、フィードバックシステムに外乱が加わるような作動機構に対して、比較的簡単に外乱を除去して動作の安定化を図れる制御である。リニアモータ1を例にした場合、外乱としては、通電ケーブルの張力の影響(張力によってリニアモータ1の前進方向と後退方向とで推力に差が生じる現象)、リニアガイドの影響(リニアガイドを組み付けたことによってリニアモータ1に位置偏差に脈動が生じる現象)などが存在する。本発明では、このようなリニアモータ1における外乱の影響を、外乱オブサーバ制御にて補償する。
【0059】
実施の形態1と同様、実施の形態2に係るリニアモータ1の制御装置100は、リニアモータ1に接続されており、位置指令部10と、減算器122と、制御コントローラ20と、減算器71と、電流アンプ30と、非線形補償器50とを備えており、更に外乱オブザーバ60、減算器72及び微分器61を備えている。
【0060】
位置指令部10の出力端は減算器122の加算入力端子に接続されており、減算器122の減算入力端子にはリニアモータ1の出力端が接続されている。また、制御コントローラ20と減算器71の間には減算器72が介在しており、制御コントローラ20の入力端は減算器122の出力端子と接続され、制御コントローラ20の出力端は減算器72の加算入力端子及び外乱オブザーバ60に接続されている。そして、減算器72の出力端子は減算器71の加算入力端子に接続されており、制御コントローラ20は減算器72及び減算器71を介して電流アンプ30に接続されている。
【0061】
制御対象となるリニアモータ1の入力端は、電流アンプ30の出力端に接続されており、電流アンプ30の入力端は減算器71の出力端子に接続されている。また、リニアモータ1の出力端は非線形補償器50の入力端及び微分器61の入力端に接続されている。非線形補償器50の出力端は、減算器71の減算入力端子に接続されており、微分器61の出力端と外乱オブザーバ60の入力端とが接続されている。また、外乱オブザーバ60の出力端は減算器72の減算入力端子に接続されている。
【0062】
減算器72の加算入力端子及び外乱オブザーバ60には、制御コントローラ20から入力指令u′が入力され、減算器71には、減算器72から入力指令u′′が入力される。また、減算器71の減算入力端子には非線形補償器50から補正出力^icogが入力され、減算器72の減算入力端子には外乱オブザーバ60から制御出力^d(外乱の推定値)が入力される。
【0063】
減算器71の出力端子から、電流アンプ30へ、電流指令uが出力される。電流アンプ30は電流指令uに応じてリニアモータ1に電力を供給する。リニアモータ1から出力された検出位置xは、非線形補償器50、減算器122、微分器61及び外部へ出力される。
【0064】
外乱オブザーバ60は、外乱に対する外乱オブザーバ制御を行って、外乱の推定値^dを減算器72へ出力する。
外乱オブザーバ制御では、制御対象のモデリングと入力とから目標となる動作(推定モデル)を作成し、この推定モデルと実機の応答とを比較する。そして、比較した際に生じる差分を外乱として、誤差を入力に印加する。
【0065】
具体的には、微分器61にてリニアモータ1からの検出位置xを時間微分して速度値が得られ、微分器61から外乱オブザーバ60へ入力される。外乱オブザーバ60では、制御対象のモデリングと外部から入力される入力指令u′とから目標となる推定モデルが作成され、斯かる推定モデルから速度の推定値が計算される。該推定モデルは外乱の影響を受けない場合の制御モデルである。微分器61からの速度値と前記速度の推定値との差分に基づいて補正値が決定され、決定された補正値に応じて外乱の推定値^dが生成される。生成された外乱の推定値^dは、減算器72に出力されて、入力指令u′に印加される。
【0066】
非線形補償器50は、非線形補償モデル51を有しており、コギング要素Cに対して非線形補償モデル51を用いて補正を行う。非線形補償器50は、非線形補償モデル51に基づいてコギングの状態(コギング要素C)に逆補正(C-1)を加えて、コギング補正の推定値^icog を減算器71へ出力し、入力指令u′′に印加される。
【0067】
実施の形態1の如く、非線形補償モデル51は、リニアモータ1の実動時に測定された測定値に基づいて生成されている。非線形補償モデル51は、検出位置Xと、可動子2の位置偏差に対する制御量との関数である。また、非線形補償モデル51は、往路非線形補償モデルと、復路非線形補償モデルとを夫々含む(図5及び図6参照)。
【0068】
図11は、リニアモータ1の制御に非線形補償器50及び外乱オブザーバ60を用いる場合における可動子2の位置偏差を示すグラフであり、図12は、リニアモータ1の制御に非線形補償器50及び外乱オブザーバ60を用いる場合における可動子2の速度変動率を示すグラフである。
図11において、縦軸は位置偏差(μm)、即ち位置偏差であり、横軸は検出位置(mm)である。また、図12において、縦軸は速度変動率(%)であり、横軸は検出位置(mm)である。なお、図11及び図12は、便宜上、往路非線形補償モデルを用いる場合のみを示す。
【0069】
図11及び図12から分かるように、リニアモータ1の制御に、非線形補償器50及び外乱オブザーバ60を使用する場合は、非線形補償器50及び外乱オブザーバ60を使用しない場合(図7A及び図8A)よりも位置偏差及び速度変動率に係るグラフの振幅が大きく縮小されており、外乱オブザーバ60を使用せず非線形補償器50のみを使用する場合(図7B及び図8B)に比べても、位置偏差及び速度変動率に係るグラフの振幅が大きく縮小されている。即ち、非線形補償器50及び外乱オブザーバ60を使用する場合は、非線形補償器50のみを使用する場合(図7B及び図8B)、及び、非線形補償器50及び外乱オブザーバ60を使用しない場合(図7A及び図8A)に比べて、可動子2の位置偏差が少なく、速度の等速性が向上していることが明らかである。
【0070】
図13は、リニアモータ1の制御に、非線形補償器50及び外乱オブザーバ60を使用する場合と、非線形補償器50及び外乱オブザーバ60の何れかを使用しない場合とにおける可動子2の位置偏差を対比表示するグラフであり、図14は、リニアモータ1の制御に、非線形補償器50及び外乱オブザーバ60を使用する場合と、非線形補償器50及び外乱オブザーバ60の何れかを使用しない場合とにおける可動子2の速度変動率を対比表示するグラフである。
図13において、縦軸は位置偏差(μm)、即ち位置偏差であり、横軸は検出位置(mm)である。また、図14において、縦軸は速度変動率(%)であり、横軸は検出位置(mm)である。なお、図13及び図14は、便宜上、往路非線形補償モデルを用いる場合のみを示す。
【0071】
図13及び図14にて、点線bは、前記周期非線形補償モデルを用いる非線形補償器のみを使用する場合を示し、破線cは非線形補償モデル51を用いる非線形補償器50のみを使用する場合を示し、細い実線dは前記周期非線形補償モデルを用いる非線形補償器及び外乱オブザーバ60を使用する場合を示し、太い実線aは非線形補償モデル51を用いる非線形補償器50及び外乱オブザーバ60を使用する場合を示す。即ち、図13及び図14において、実線のグラフが実施の形態2の制御装置100による測定結果である。
【0072】
図13及び図14から分かるように、非線形補償器50及び外乱オブザーバ60を使用する場合(太い実線a)は、非線形補償器50及び外乱オブザーバ60の何れかを使用しない場合(点線b、破線c及び細い実線dのグラフ参照)よりも位置偏差及び速度変動率に係るグラフの振幅が大きく縮小されている。特に、非線形補償器50及び外乱オブザーバ60を使用する場合は、従来の周期非線形補償モデルを用いる非線形補償器を使用する場合(点線b及び細い実線dのグラフ参照)に比べて、位置偏差及び速度変動率に係るグラフの振幅が大きく縮小されている。即ち、非線形補償器50及び外乱オブザーバ60を使用する場合は、非線形補償器50及び外乱オブザーバ60の何れかを使用しない場合、及び、従来の周期非線形補償モデルを用いる非線形補償器を使用する場合に比べて、可動子2の位置偏差が少なく、速度の等速性が向上していることが明らかである。
【0073】
以上の如く、実施の形態2の制御装置100では、コギングの状態に対して逆補正を加える非線形補償器50による逆補正制御と、外乱に対する外乱オブザーバ60によるオブサーバ制御とを組み合わせる。即ち、非線形補償器50が、リニアモータ1の実動時に測定された測定値に基づく非線形補償モデル51を用いてリニアモータ1の可動子2の検出位置に対してコギング状態に対する逆補正を加えて補正し、コギングの影響を大まかに除去するとともに、この逆補正では低減できない外乱に起因する影響を、外乱オブザーバ60を用いて低減する。これによって、リニアモータ1の作動時に発生するコギングに対してより適切な補償を行うことができ、コギングの影響を大幅に低減し得る。
【0074】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0075】
(実施の形態3)
以上では、非線形補償器50が検出位置xに対して補正を行い、減算器71に出力する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
【0076】
図15は、実施の形態3に係るリニアモータ1の制御装置100の一実施形態の構成を示すブロック線図である。実施の形態2と同様、制御装置100は、リニアモータ1に接続されており、位置指令部10と、減算器122と、制御コントローラ20と、減算器71,72と、電流アンプ30と、非線形補償器50と、外乱オブザーバ60と、微分器61とを備えている。
【0077】
位置指令部10の出力端は減算器122の加算入力端子及び非線形補償器50の入力端に接続されており、減算器122の減算入力端子にはリニアモータ1の出力端が接続されている。また、制御コントローラ20と減算器71との間には減算器72が介在しており、制御コントローラ20の入力端は減算器122の出力端子と接続され、制御コントローラ20の出力端は減算器72の加算入力端子及び外乱オブザーバ60に接続されている。更に、非線形補償器50の出力端は、減算器71の減算入力端子に接続されている。そして、減算器72の出力端子は減算器71の加算入力端子に接続されており、制御コントローラ20は減算器72及び減算器71を介して電流アンプ30に接続されている。
【0078】
制御対象となるリニアモータ1の入力端は、電流アンプ30の出力端に接続されており、電流アンプ30の入力端は減算器71の出力端子に接続されている。また、リニアモータ1の出力端は微分器61の入力端及び減算器122に接続されており、微分器61の出力端と外乱オブザーバ60の入力端とが接続されている。また、外乱オブザーバ60の出力端は減算器72の減算入力端子に接続されている。
【0079】
減算器72の加算入力端子及び外乱オブザーバ60には、制御コントローラ20から入力指令u′が入力され、減算器71には、減算器72から入力指令u′′が入力される。また、減算器71の減算入力端子には非線形補償器50から補正出力^icogが入力され、減算器72の減算入力端子には外乱オブザーバ60から制御出力^d(外乱の推定値)が入力される。
【0080】
減算器71の出力端子から、電流アンプ30へ、電流指令uが出力される。電流アンプ30は電流指令uに応じてリニアモータ1に電力を供給する。リニアモータ1から出力された検出位置xは、減算器122、微分器61及び外部へ出力される。
【0081】
非線形補償器50は、非線形補償モデル51を有しており、位置指令部10から出力される目標位置rp に対して補正を行う。即ち、非線形補償器50は、非線形補償モデル51を用いてコギング要素Cに対する補正を行う。非線形補償器50は、非線形補償モデル51に基づいてコギングの状態(コギング要素C)に逆補正(C-1)を加えて、コギング補正の推定値^icog を減算器71へ出力し、入力指令u′′に印加される。
【0082】
このような構成を有する、実施の形態3の制御装置100においても、実施の形態2と同様、コギングの状態に対して逆補正を加える非線形補償器50による逆補正制御と、外乱に対する外乱オブザーバ60によるオブサーバ制御とを組み合わせる。即ち、非線形補償器50が、リニアモータ1の実動時に測定された測定値に基づく非線形補償モデル51を用いてリニアモータ1の可動子2の検出位置に対してコギング状態に対する逆補正を加えて補正し、コギングの影響を大まかに除去するとともに、この逆補正では低減できない外乱に起因する影響を、外乱オブザーバ60を用いて低減する。これによって、リニアモータ1の作動時に発生するコギングに対してより適切な補償を行うことができ、コギングの影響を大幅に低減し得る。
【0083】
実施の形態1、2と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0084】
実施の形態2、3においては、制御装置100が外乱オブザーバ60及び微分器61を備え、外乱オブザーバ制御を行う場合を例に挙げて説明したが、本発明において、外乱オブザーバ60及び微分器61は必須ではなく、省略可能である。
【0085】
以上においては、リニアモータ1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。他のモータにも適用可能であることは言うまでもない。
【0086】
開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0087】
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0088】
1 リニアモータ
2 可動子
3 固定子
10 位置指令部
20 制御コントローラ(位置制御部)
30 電流アンプ(電力制御部)
40 ステージ
50 非線形補償器
51 非線形補償モデル
60 外乱オブザーバ
61 微分器
71,72,122 減算器
100 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15