(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171206
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】投受光装置、および測距システム
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20241204BHJP
G01S 17/89 20200101ALI20241204BHJP
G01C 3/06 20060101ALI20241204BHJP
G01S 7/4865 20200101ALI20241204BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01S17/89
G01C3/06 120Q
G01C3/06 140
G01S7/4865
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088163
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】関口 洋義
(72)【発明者】
【氏名】篠田 尚輝
【テーマコード(参考)】
2F112
5J084
【Fターム(参考)】
2F112AD01
2F112BA03
2F112CA05
2F112CA12
2F112DA04
2F112DA09
2F112DA11
2F112DA15
2F112DA25
2F112DA28
2F112DA40
2F112EA05
2F112FA03
2F112FA07
2F112FA21
2F112FA45
2F112GA01
5J084AD01
5J084BA04
5J084BA36
5J084BA39
5J084BA40
5J084BA48
5J084BB02
5J084BB04
5J084CA03
5J084CA65
(57)【要約】
【課題】計測可能な範囲を広くできるとともに、外光に強い投受光装置を提供する。
【解決手段】本開示の一態様に係る投受光装置は、互いに量子もつれ状態にある第1光と第2光を射出する第1発光部と、古典光である第3光を射出する第2発光部と、受光部と、を備え、前記第1光および前記第2光の少なくとも一方は、物体で反射され第1反射光となり、前記第3光は、前記物体で反射されて第2反射光となり、前記受光部は、前記第1反射光と前記第2反射光を受光する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに量子もつれ状態にある第1光と第2光を射出する第1発光部と、
古典光である第3光を射出する第2発光部と、
受光部と、を備え、
前記第1光および前記第2光の少なくとも一方は、物体で反射され第1反射光となり、
前記第3光は、前記物体で反射されて第2反射光となり、
前記受光部は、前記第1反射光と前記第2反射光を受光する、投受光装置。
【請求項2】
前記受光部は、
前記第1反射光を含む光を受光する第1受光部と、
前記第2反射光を含む光を受光する第2受光部と、を備える、請求項1に記載の投受光装置。
【請求項3】
前記第1受光部は、単一光子を検出する単一光子検出器を含み、
前記第2受光部は、所定期間または所定回数の積算により受光量を検出する光量検出器を含む、請求項2に記載の投受光装置。
【請求項4】
前記第1光は、外部へ射出され、
前記第2光は、前記受光部へ導光される光路へ射出され、
前記第1光および前記第2光のうち前記第1光のみが前記物体で反射されて前記第1反射光となる、請求項1に記載の投受光装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の投受光装置と、
前記受光部が備える第1受光部から第1受光画像を受け取るとともに、前記受光部が備える第2受光部から第2受光画像を受け取る解析部と、を備え、
前記解析部は、前記第1受光画像に基づく第1距離情報、および前記第2受光画像に基づく第2距離情報の少なくとも一方を出力する、測距システム。
【請求項6】
前記解析部は、前記第2受光画像における受光量に基づいて選択された前記第1距離情報および前記第2距離情報の少なくとも一方を出力する、請求項5に記載の測距システム。
【請求項7】
前記解析部は、前記受光量が第1の値である場合に前記第1距離情報を出力し、前記受光量が前記第1の値よりも大きい第2の値である場合に前記第2距離情報を出力する、請求項6に記載の測距システム。
【請求項8】
互いに量子もつれ状態にある第1光と第2光の少なくとも一方が物体で反射されて生じる第1反射光による飛行時間情報を含む第1情報と、
古典光である第3光が前記物体で反射されて生じる第2反射光による飛行時間情報を含む第2情報と、が入力される解析部を備え、
前記解析部は、前記第1情報に基づく第1距離情報、および前記第2情報に基づく第2距離情報の少なくとも一方を出力する、測距システム。
【請求項9】
前記解析部は、前記第2情報に基づいて選択される前記第1距離情報および前記第2距離情報の少なくとも一方を出力する、請求項8に記載の測距システム。
【請求項10】
前記第2情報は、受光部による前記第2反射光の受光量に関する情報を含み、
前記解析部は、前記受光量が第1の値である場合に前記第1距離情報を出力し、前記受光量が前記第1の値よりも大きい第2の値である場合に前記第2距離情報を出力する、請求項9に記載の測距システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、投受光装置、および測距システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザ光源から出射されたパルス光を投光し、投光された光の物体による反射光を受光して、パルス光の投光から反射光の受光までの時間差に基づき、物体までの距離を測定するLiDAR(Light Detection and Ranging)等の測距システムが知られている。
【0003】
また、周波数量子もつれ光子の対に関して、第1光子を第1光路に沿って、第2光子を第2光路に沿って、それぞれ伝送し、第1光路に沿って伝送される光子を第1検出器により検出し、第2光路に沿って伝送される光子を第2検出器により検出する投受光技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の投受光技術を測距システム等の計測システムに適用すると、計測可能な範囲が狭くなる場合がある。
【0005】
本開示は、計測可能な範囲を広くできるとともに、外光に強い投受光装置、および測距システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る投受光装置は、互いに量子もつれ状態にある第1光と第2光を射出する第1発光部と、古典光である第3光を射出する第2発光部と、受光部と、を備え、前記第1光および前記第2光の少なくとも一方は、物体で反射され第1反射光となり、前記第3光は、前記物体で反射されて第2反射光となり、前記受光部は、前記第1反射光と前記第2反射光を受光する。
【0007】
本開示の一態様に係る測距システムは、互いに量子もつれ状態にある第1光と第2光の少なくとも一方が物体で反射されて生じる第1反射光による飛行時間情報を含む第1情報と、古典光である第3光が前記物体で反射されて生じる第2反射光による飛行時間情報を含む第2情報と、が入力される解析部を備え、前記解析部は、前記第1情報に基づく第1距離情報、および前記第2情報に基づく第2距離情報の少なくとも一方を出力する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、計測可能な範囲を広くできるとともに、外光に強い投受光装置、および測距システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る投受光装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態の変形例に係る投受光装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】第2実施形態に係る測距システムの構成を示すブロック図である。
【
図5】第2実施形態に係る解析部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】第2実施形態に係る解析部の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】第2実施形態に係る解析部による処理を示すフロー図である。
【
図8】第2実施形態の変形例に係る測距システムの構成を示すブロック図である。
【
図9】第3実施形態に係る測距システムの構成を示すブロック図である。
【
図10】第3実施形態の変形例に係る測距システムの構成を示すブロック図である。
【
図11】第4実施形態に係る測距システムの構成を示すブロック図である。
【
図12】第4実施形態に係る解析部の機能構成を示すブロック図である。
【
図13】第4実施形態に係る解析部による処理を示すフロー図である。
【
図14】第5実施形態に係る測距システムの構成を示すブロック図である。
【
図15】第5実施形態に係る解析部の機能構成を示すブロック図である。
【
図16】第5実施形態に係る制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図17】第5実施形態に係る測距システムの動作を示すフロー図である。
【
図18】第5実施形態の変形例に係る測距システムの動作を示すフロー図である。
【
図19】第6実施形態に係る測距システムの構成を示すブロック図である。
【
図20】第6実施形態に係る解析部の機能構成を示すブロック図である。
【
図21】第6実施形態に係る測距システムの動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を備える構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を適宜省略する。
【0011】
実施形態に係る投受光装置は、測距システム等の計測システムに搭載され、計測において用いられる光を投光し、計測の対象となる物体により反射された光を受光するものである。また、実施形態に係る測距システムは、実施形態に係る投受光装置を備え、該投受光装置からパルス光を投光し、物体によるパルス光の反射光を受光して、パルス光の投光と反射光の受光との時間差に基づき物体までの距離を計測するものである。
【0012】
[第1実施形態]
<第1実施形態に係る投受光装置の構成>
図1~2を参照して、第1実施形態に係る投受光装置の構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係る投受光装置100の構成の一例を示すブロック図である。
図2は、投受光装置100が備える制御部300の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、投受光装置100は、発光部200と、制御部300と、受光部400と、を備える。
【0014】
発光部200は、互いに量子もつれ状態にある第1光L1および第2光L2を射出する第1発光部201を含む。発光部200は、例えば第1光L1および第2光L2を含む量子もつれ光光子対を発生させる。量子もつれ光光子対は、シグナル光と、アイドラー光とからなり、シグナル光およびアイドラー光は互いに量子もつれ状態にある。ここでは、第1光L1はシグナル光、第2光L2はアイドラー光にそれぞれ対応する。
【0015】
発光部200には、例えば、自発的パラメトリック下方変換(spontaneous parametric down-conversion:SPDC)を採用できる。発光部200は、レーザ光源21と、非線形光学結晶22と、を備える。レーザ光源21は、一例として半導体レーザであり、励起光L0を非線形光学結晶22に向けて出射する。非線形光学結晶22は、タイプIの非線形光学結晶であり、励起光と同軸の第1光L1および第2光L2を出射する。第1光L1および第2光L2の波長は等しい。励起光L0、第1光L1および第2光L2は、それぞれパルス光である。レーザ光源21は半導体レーザである必要はなく、固体レーザであってもよい。
【0016】
非線形光学結晶22は、励起光L0とは非同軸の第1光L1及び第2光L2を出射するタイプIIの非線形光学結晶であってもよい。また、第1光L1と第2光L2の波長は異なってもよい。この場合、第1光L1および第2光L2は、非縮退状態にあり、縮退している状態と異なる波長を有する。例えば、第1光L1が可視光、第2光L2が赤外光であってもよい。
【0017】
上記発光部200は、いずれの例においても、ディラック定数を用いた下記の(式1)及び(式2)で表されるエネルギー保存則及び位相整合条件が満たされる。
【0018】
【0019】
ここで、ωp、ωs、ωiは、それぞれ励起光、シグナル光、アイドラー光の角周波数であり、kp、ks、kiのベクトルは、それぞれ励起光、シグナル光、アイドラー光の波数ベクトルである。例えば、波長が355nmの励起光を用いれば、710nmの波長を有する縮退したシグナル光及びアイドラー光の量子もつれ光光子対を生成させることができる。また、エネルギー保存則及び位相整合条件が満たされながら、波長が相違するシグナル光及びアイドラー光を生成することも可能である。一例として、400nmの波長の励起光から1000nmのシグナル光と667nmのアイドラー光とを生成することができる。
【0020】
なお、発光部200は非線形光学結晶22を含んでいる必要はなく、量子もつれ光光子対を生成できる半導体素子を発光部200が備えていてもよい。量子もつれ光光子対を生成できる半導体素子としては、例えば、量子ドットを備える半導体素子や、導波路構造を備える半導体素子が挙げられる。
【0021】
制御部300は、発光部200および受光部400のオン・オフ等の制御等、投受光装置100の制御を行う。制御部300への制御指示は、投受光装置100への操作入力に基づき行われてもよいし、外部機器への操作入力に基づき外部機器から制御部300へ信号を送信することで行われてもよい。ここでの外部機器は、投受光装置100に有線または無線で接続されたパーソナルコンピュータ等である。制御部300は、電気回路またはプロセッサ等により構成される。
【0022】
図2に示すように、制御部300は、発光制御部31と入出力部32とを備える。発光制御部31および入出力部32の各機能は、電気回路またはプロセッサ等により実現される。
【0023】
発光制御部31は、レーザ光源21に対して非線形光学結晶22へ励起光L0を射出するタイミングを与えることで、発光部200に投光のタイミングを与える。また発光制御部31は、投光のタイミングとともに投光の繰り返し回数等の情報を発光部200に与える。発光部200は、発光制御部31が示す情報に基づいて第1光L1および第2光L2を物体Sに投光する。
【0024】
入出力部32は、発光部200等の制御対象との間での通信を制御することにより、制御対象との間で様々な情報を送受することができる。
【0025】
図1において、受光部400は、第1受光部401を備える。第1受光部401は、例えば、量子もつれ受光部としてのSPAD(Single Photon Avalanche Diode)を含む高感度のイメージセンサであってよい。受光部400は、画素が二次元配列されたエリアセンサを含んでもよいし、画素が一次元配列されたラインセンサを含んでもよい。
【0026】
発光部200から出射された第1光L1および第2光L2の少なくとも一方は、物体Sで反射され第1反射光R1となる。物体Sによる反射には、物体Sによる正反射、物体Sによる拡散反射および物体Sによる散乱等が含まれる。第1受光部401は、第1反射光R1を単一光子レベルで受光することで得られる複数のフレームを時系列で取得し、複数のフレームにより撮像される第1受光画像Im1を出力する。受光部400から第1受光画像Im1を受け取った解析部等は、第1受光画像Im1に基づき、距離情報等の計測情報を演算により取得できる。
【0027】
受光部400には、量子もつれ光子対のみならず、量子もつれ状態にない光である古典光や、測距には用いられない環境光等も入射し得る。これらの光子の中から量子もつれ光子対を検出するために、同時(コインシデンス)計測が利用できる。同時計測とは、第1の検出部で光子を検出したイベントと第2の検出部で光子を検出したイベントとが一致するときのみ、量子もつれ光子対の検出としてカウントする方法である。例えば、第1光L1と第2光L2がほぼ同じ光路をたどる場合、第1光L1と第2光L2は第1受光部401にほぼ同時に入射すると考えられる。解析部等では、第1受光部401から出力された第1受光画像Im1を処理することで、量子相関情報を得ることができる。量子相関情報とは、量子もつれ状態の存在によって生じ得る相関関係に関する情報をいう。解析部等は、例えば、量子相関情報を含む画像を量子相関情報として取得できる。
【0028】
投受光装置100は、レンズ、回折光学素子、拡散板等の光学素子や、走査ミラー等を含む照射部をさらに含んでもよい。照射部は、レンズ等により生成される発散光を投受光装置100から物体S側へ照射する。照射部が第1光L1および第2光L2を発散させるレンズを備える場合、一括照明方式により周囲の空間を一度に照らすことができる。また照射部は、走査ミラー等により光走査機構を構成することもできる。発光部200から発せられた第1光L1および第2光L2のそれぞれは、照射部に含まれる、回転軸を中心に回転可能な走査ミラーにより走査され、物体S側へ照射される。照射部が光走査機構を備える場合、挟角の投光光を走査するスキャン照明方式により部分的な照射箇所を機械的に移動させることができる。
【0029】
投受光装置100は、レンズや回折光学素子等の光学素子や、走査ミラー等を含み、第1反射光R1を第1受光部401に導光する受光導光部をさらに含んでもよい。
【0030】
<投受光装置100の主な作用効果>
以上説明したように、本実施形態では、投受光装置100は、互いに量子もつれ状態にある第1光L1および第2光L2を含む光子対を投光し、投光された光子対の物体Sによる第1反射光R1を受光することで得られる第1受光画像Im1を出力する。第1受光画像Im1に基づき距離情報等の計測情報を解析部等に取得させることにより、外乱光に対するロバスト性が高い計測を実現させることができる。
【0031】
<第1実施形態の変形例>
次に、第1実施形態の変形例について説明する。なお、既に説明した実施形態と同一の名称、符号については、同一もしくは同質の部材又は構成部を示しており、詳細説明を適宜省略する。この点は、以降に示す変形例および実施形態においても同じとする。
【0032】
本変形例では、第1光L1は、外部へ射出され、第2光L2は、受光部400へ導光される光路へ射出され、第1光L1および第2光L2のうち第1光L1のみが物体Sで反射されて第1反射光R1となる点が、第1実施形態と主に異なる。
【0033】
図3は、第1実施形態の変形例に係る投受光装置100aの構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、投受光装置100aでは、第1発光部201から射出される第1光L1および第2光L2のうち、第1光L1のみが外部へ投光され、第2光L2は外部を経由せずに第1受光部401に導光され、第1受光部401により受光される。なお、第1受光部401は、第1光L1を受光する第1検出器と第2光L2を受光する第2検出器を備えてもよい。
【0034】
本変形例では、第1光L1と第2光L2とで光路が異なる分、第1受光部401による第1光L1と第2光L2の受光タイミングが異なる。本変形例では、この場合においても第1光L1と第2光L2に基づき量子相関情報を得ることができる。本変形例では、物体Sを経由しない第2光L2を用いることで外光に対するロバスト性を高くすることができる。なお、第2光L2が外部に投光され、第1光L1が外部を経由せずに第1受光部401に導光される構成にしてもよい。上記以外の作用効果は、第1実施形態とほぼ同じである。
【0035】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る測距システムについて説明する。本実施形態に係る測距システムは、実施形態に係る投受光装置に加え、該投受光装置から出力される第1受光画像に基づき、物体までの距離情報を演算により取得する解析部を備える点が第1実施形態と主に異なる。また、第2実施形態に係る測距システムが備える投受光装置は、古典光である第3光を射出する第2発光部を備え、第3光は、物体Sで反射されて第2反射光となり、受光部は、第1反射光と第2反射光を受光する点が、第1実施形態に係る投受光装置と主に異なる。
【0036】
<第2実施形態に係る測距システムの構成例>
図4は、第2実施形態に係る測距システムの構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、第2実施形態に係る測距システム1000は、投受光装置100bと、解析部500と、を備える。また、投受光装置100bは、発光部200bと、制御部300と、受光部400bと、を備える。発光部200bは、第1発光部201に加えて、第2発光部202をさらに備える。
【0037】
第2発光部202は、古典光である第3光L3を射出する。第2発光部202は、レーザ光源21と、ビームスプリッタ23と、反射ミラー24と、を備える。レーザ光源21は、第1発光部201および第2発光部202によって共用される。ビームスプリッタ23は、レーザ光源21から射出された光の一部を反射し、他を透過する。ビームスプリッタ23を透過した光は、励起光L0として非線形光学結晶22に入射する。一方、ビームスプリッタ23により反射された光は、反射ミラー24で反射された後、第3光L3として外部に投光される。外部に投光された第3光L3は、物体Sにより反射されて第2反射光R2となる。
【0038】
受光部400bは、第1受光部401に加え、第2反射光R2を含む光を受光する第2受光部402をさらに備える。第1受光部401は、単一光子を検出する単一光子検出器を含み、第2受光部402は、所定期間または所定回数の積算により受光量を検出する光量検出器を含んでよい。光量検出器には、PD(Photo Diode)、APD(Avalanche Photo Diode)、SPAD、EM(Electron Multiplying)-CCD(Charge Coupled Device)等を使用できる。EM-CCDは、電子増倍機能を有するCCDである。なお、SPAD等の単一光子レベルの検出器を光量検出器として用いる場合、光強度画像は、受光画像を積算することで生成される。
【0039】
第1受光部Im1は、第1受光画像Im1を解析部500に出力する。第2受光部Im2は、第2受光画像Im2を解析部500に出力する。受光部400bは、第1受光部401と第2受光部402とを備えることにより、互いに量子もつれ状態にある光に由来する第1受光画像Im1と、古典光に由来する第2受光画像Im2と、を並行して取得することができる。
【0040】
解析部500は、第1受光部401から第1受光画像Im1を受け取るとともに、第2受光部402から第2受光画像Im2を受け取る。解析部500は、第1受光画像Im1に基づく第1距離情報、および第2受光画像Im2に基づく第2距離情報の少なくとも一方を含む距離情報D2を出力する。
【0041】
<解析部500のハードウェア構成例>
図5は、解析部500のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、解析部500は、CPU(Central Processing Unit)501と、ROM(Read Only Memory)502と、RAM(Random Access Memory)503と、を備える。また解析部500は、HDD/SSD(Hard Disk Drive/Solid State Drive)504と、通信I/F(Interface)505と、を備える。これらは、システムバスAを介して相互に通信可能に接続される。
【0042】
CPU501は、各種の演算処理を含む制御処理を実行する。ROM502は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HDD/SSD504は、プログラムやデータ等の各種情報を記憶する。
【0043】
通信I/F505は、解析部500が各種の外部機器と有線または無線で通信するためのインターフェースである。ここでの外部機器は、発光部200b、受光部400b等である。解析部500は、通信I/F505を介して、発光部200b、受光部400b等へ信号を送信し、発光部200b、受光部400b等から信号やデータを受信できる。通信I/F505は、通信ネットワーク等を介して外部装置との間で通信を行うこともできる。例えば、解析部500は、通信I/F505を介してインターネットに接続し、インターネットを介して外部装置との間で通信することもできる。
【0044】
<解析部500の機能構成例>
図6は、解析部500の機能構成の一例を示すブロック図である。解析部500は、入力部51と、第1距離算出部52と、第2距離算出部53と、選択部54と、出力部55と、を備える。入力部51および出力部55の各機能は、通信I/F505等により実現される。第1距離算出部52、第2距離算出部53および選択部54の各機能は、CPU501等のプロセッサがROM502等の不揮発性メモリに格納されたプログラムに規定された処理を実行すること等により実現される。
【0045】
解析部500が備える各機能は、一又は複数の処理回路によって実現されてもよい。ここでの処理回路とは、CPU501等のプロセッサの他、上記各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。解析部500が備える各機能の一部は、解析部500と外部装置との分散処理により実現されてもよい。
【0046】
入力部51は、第1受光部401との通信を制御することにより、第1受光部401から第1受光画像Im1を受け取るとともに、第2受光部402との通信を制御することにより、第2受光部402から第2受光画像Im2を受け取る。入力部51は、第1距離算出部52に第1受光画像Im1を、第2距離算出部53に第2受光画像Im2を、選択部54に第2受光画像Im2を、それぞれ出力する。
【0047】
第1距離算出部52は、入力部51を介して受け取った第1受光画像Im1に基づき、物体Sまでの第1距離情報Ds1を算出し、算出した第1距離情報Ds1を選択部54に出力する。例えば、第1距離算出部52は、第1受光画像Im1を撮像する複数のフレームの中から物体フレームを特定し、特定した物体フレームから得られる光の飛行時間に基づいて物体Sまでの第1距離情報Ds1を算出できる。物体フレームとは、物体Sからの反射光を受光しているフレーム、言い換えると物体Sが検出されたフレームをいう。
【0048】
第1距離算出部52は、物体フレームを特定するために、例えば結合確率分布に基づくJPD(Joint Probability Distribution)アルゴリズムを使用できる。JPDアルゴリズムは、時系列で得られる複数のフレームに基づき、同一フレーム内での多画素間の相関関係と、時間方向において隣接するフレーム間での多画素間の相関関係と、を利用し、量子相関情報を出現させる算出方法である。JPDアルゴリズムの詳細については、例えば、「Hugo Defienne他、"PHYSICAL REVIEW A 103, 042608 (2021)",17,March,2021、インターネット<URL:https://arxiv.org/pdf/2106.10689.pdfhttps://www.physics.gla.ac.uk/xtremelight/publications/PRA-SPADs-Hugo%282021%29.pdf>」、または「Han Liu他、"Enhancing LIDAR performance metrics using continuous-wave photon-pair sources",14,Apr.2020、インターネット<https://arxiv.org/pdf/2004.06754.pdf>」等を参照できる。但し、第1受光画像Im1に基づく第1距離情報Ds1の算出方法は、JPDアルゴリズムを用いるものに限定されず、他の算出方法を用いてもよい。
【0049】
第2距離算出部53は、入力部51を介して受け取った第2受光画像Im2に基づき、物体Sまでの第2距離情報Ds2を算出し、算出した第2距離情報Ds2を選択部54に出力する。第2距離算出部53は、第3光L3の投光から第1反射光R2の受光までの時間差に基づき、TOF(Time Of Flight)方式により、第2距離情報Ds2を算出できる。
【0050】
選択部54は、第2受光画像Im2における受光量に基づいて、第1距離情報Ds1および第2距離情報Ds2の少なくとも一方を選択し、選択結果を距離情報Dsとして出力部55に出力する。例えば、選択部54は、受光量が第1の値である場合に第1距離情報Ds1を選択し、受光量が第1の値よりも大きい第2の値である場合に第2距離情報Ds2を選択する。受光量の情報には、第2受光画像Im2における少なくとも一部の画素の輝度の平均値、少なくとも一部の画素における画素の最大値または最小値等の情報を使用できる。
【0051】
受光量の閾値となる第1の値は、予め実験またはシミュレーション等により定めることができる。例えば、互いに量子もつれ状態にある光を用いた第1受光画像Im1を用いて所望の測距精度以上の測距精度を確保可能な距離を定め、この距離における第2受光画像Im2の受光量を、第1の値として定めることができる。
【0052】
出力部55は、外部装置との通信を制御することにより、選択部54から受け取った距離情報Dsを外部装置に出力する。ここでの外部装置には、測距システム1000による測距結果を利用する自動車のECU(Electronic Control Unit)等が挙げられる。
【0053】
<解析部500による処理例>
図7は、解析部500による処理の一例を示すフロー図である。
図7は、解析部500が受光部400bから入力部51を介して第1受光画像Im1および第2受光画像Im2を受け取り、距離情報Dsを出力するまでの解析部500の処理を示している。
【0054】
まず、ステップS11において、解析部500は、第1距離算出部52により、第1受光画像Im1に基づき、第1距離情報Ds1を演算により取得する。
【0055】
続いて、ステップS12において、解析部500は、第2距離算出部53により、第2受光画像Im2に基づき、第2距離情報Ds2を演算により取得する。
【0056】
なお、ステップS11~S12は、適宜順序を変更でき、またステップS11とステップS12が並行に実行されてもよい。
【0057】
続いて、ステップS13において、解析部500は、選択部54により、第2受光画像Im2に基づき、第2反射光R2の受光量の情報を取得する。
【0058】
続いて、ステップS14において、解析部500は、選択部54により、第2反射光R2の受光量が第1の値以下であるか否かを判定する。
【0059】
ステップS14において、第2反射光R2の受光量が第1の値以下であると判定された場合には(ステップS14、YES)、ステップS15において、解析部500は、選択部54により、距離情報Dsとして第1距離情報Ds1を選択する。
【0060】
一方、ステップS14において、第2反射光R2の受光量が第1の値以下ではない、すなわち、第2反射光R2の受光量が第1の値よりも大きい第2の値であると判定された場合には(ステップS14、NO)、ステップS16において、解析部500は、選択部54により、距離情報Dsとして第2距離情報Ds2を選択する。
【0061】
続いて、ステップS17において、解析部500は、出力部55により、距離情報Dsを外部装置に出力する。
【0062】
以上のようにして、解析部500は、投受光装置100bから第1受光画像Im1および第2受光画像Im2を受け取り、距離画像Dsを出力することができる。
【0063】
<投受光装置100bおよび測距システム1000の主な作用効果>
以上説明したように、本実施形態に係る投受光装置100bは、互いに量子もつれ状態にある第1光L1と第2光L2を射出する第1発光部201と、古典光である第3光L3を射出する第2発光部202と、受光部400bと、を備える。第1光L1および第2光L2の少なくとも一方は、物体Sで反射され第1反射光R1となり、第3光L3は、物体Sで反射されて第2反射光R2となる。受光部400bは、第1反射光R1と第2反射光R2を受光する。
【0064】
本実施形態に係る投受光装置100bは、第1受光画像Im1に基づき距離情報等の計測情報を取得させることにより、外乱光に対するロバスト性が高い計測を実現させることができる。一方、第1光L1と第2光L2のそれぞれは、単一光子レベルの微弱光であるため、投受光装置100bから物体Sまでの距離が長いと空間を伝播する間に減衰することにより、測距可能な距離等の計測範囲が狭くなる場合がある。これに対し、投受光装置100bでは、第1光L1および第2光L2により得られる第1距離情報Ds1に加え、第3光L3により第2距離情報Ds2を取得する。第3光L3は、第1光L1および第2光L2と比較して光量が多いため、測距可能な距離等の計測範囲を広くすることができる。以上より、本実施形態では、計測可能な範囲を広くできるとともに、外光に強い投受光装置100bを提供することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る測距システム1000は、投受光装置100bと、第1受光部401から第1受光画像Im1を受け取るとともに、第2受光部402から第2受光画像Im2を受け取る解析部500と、を備える。解析部500は、第1受光画像Im1に基づく第1距離情報Ds1、および第2受光画像Im2に基づく第2距離情報Ds2の少なくとも一方を出力する。第1受光画像Im1に基づく第1距離情報Ds1は、第1光L1および第2光L2を用いるため、外乱光に対するロバスト性が高い。一方、第2受光画像Im2に基づく第2距離情報Ds2は、第3光L3を用いるため、測距可能な範囲を広くできる。従って、本実施形態では、測距可能な範囲を広くするとともに、外光に強い測距システム1000を提供することができる。
【0066】
また、解析部500は、第2受光画像Im2における受光量に基づいて選択された第1距離情報Ds1および第2距離情報Ds2の少なくとも一方を出力してよい。例えば解析部500は、受光量が第1の値である場合に第1距離情報Ds1を出力し、受光量が第1の値よりも大きい第2の値である場合に第2距離情報Ds2を出力してよい。これらにより、測距対象の距離が長い場合等において第1距離情報Ds1を距離情報Dsとすると所望の測距精度が得られない場合にも、第2距離情報Ds2を距離情報Dsとすることで所望の測距精度を確保することができる。
【0067】
また、別の観点では、第1受光画像Im1は、互いに量子もつれ状態にある第1光L1と第2光L2の少なくとも一方が物体Sで反射されて生じる第1反射光R1による飛行時間情報を含む第1情報に対応する。また、第2受光画像Im2は、古典光である第3光L3が物体Sで反射されて生じる第2反射光R2による飛行時間情報を含む第2情報に対応する。解析部500は、第1情報に基づく第1距離情報Ds1、および第2情報に基づく第2距離情報Ds2の少なくとも一方を出力してよい。また解析部500は、第2情報に基づいて選択される第1距離情報Ds1および第2距離情報Ds2の少なくとも一方を出力してよい。第2情報は、受光部400bによる第2反射光R2の受光量に関する情報を含み、解析部500は、受光量が第1の値である場合に第1距離情報Ds1を出力し、受光量が第1の値よりも大きい第2の値である場合に第2距離情報Ds2を出力してよい。
【0068】
<第2実施形態の変形例>
次に、第2実施形態の変形例に係る測距システムについて説明する。本変形例では、発光部における非線形光学結晶22から第1光L1、第2光L2および第3光L3のそれぞれが取り出される点が上述した第2実施形態と主に異なる。
【0069】
図8は、第2実施形態の変形例に係る測距システム1000cの構成の一例を示すブロック図である。測距システム1000cは投受光装置100cを備える。投受光装置100cは発光部200cを備える。
【0070】
発光部200cは、レーザ光源21からの励起光L0を非線形光学結晶22に入射させ、非線形光学結晶22から第1光L1および第2光L2とともに、古典光である第3光L3を取り出す。例えば、発光部200cは、励起光L0が非線形光学結晶22を透過した光を第3光L3として取り出すことができる。
【0071】
本変形例では、第2実施形態におけるビームスプリッタ23および反射ミラー24(
図4参照)を配置せずに第3光L3を取り出すため、発光部200cのサイズを小さくするとともに、発光部200cのアライメント調整を簡略化することができる。
【0072】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る測距システムについて説明する。本実施形態では、第1光L1は、外部へ射出され、第2光L2は、受光部400bへ導光される光路へ射出され、第1光L1および第2光L2のうち第1光L1のみが物体Sで反射されて第1反射光R1となる点が、第2実施形態と主に異なる。
【0073】
<第3実施形態に係る測距システムの構成例>
図9は、第3実施形態に係る測距システム1000dの構成の一例を示すブロック図である。
図9に示すように、第1発光部201から射出される第1光L1および第2光L2のうち、第1光L1のみが外部へ投光され、第2光L2は外部を経由せずに第1受光部401に導光され、第1受光部401により受光される。
【0074】
本変形例では、第1光L1と第2光L2とで光路が異なる分、第1受光部401による第1光L1と第2光L2の受光タイミングが異なる。本変形例では、この場合においても第1光L1と第2光L2に基づき量子相関情報を得ることができる。本変形例では、物体Sを経由しない第2光L2を用いることで外光に対するロバスト性を高くすることができる。なお、第2光L2が外部に投光され、第1光L1が外部を経由せずに第1受光部401に導光される構成にしてもよい。上記以外の作用効果は、第2実施形態とほぼ同じである。
【0075】
<第3実施形態の変形例>
次に、第3実施形態の変形例に係る測距システムについて説明する。本変形例では、発光部における非線形光学結晶22から第1光L1、第2光L2および第3光L3のそれぞれが取り出される点が、上述した第3実施形態と主に異なる。
【0076】
図10は、第3実施形態の変形例に係る測距システム1000eの構成の一例を示すブロック図である。測距システム1000eは投受光装置100eを備える。投受光装置100eは発光部200cを備える。
【0077】
発光部200cは、レーザ光源21からの励起光L0を非線形光学結晶22に入射させ、非線形光学結晶22から第1光L1および第2光L2とともに、古典光である第3光L3を取り出す。例えば、発光部200cは、励起光L0が非線形光学結晶22を透過した光を第3光L3として取り出すことができる。
【0078】
本変形例では、第3実施形態におけるビームスプリッタ23および反射ミラー24を配置せず(
図9参照)に第3光L3を取り出すため、発光部200cのサイズを小さくするとともに、発光部200cのアライメント調整を簡略化することができる。
【0079】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る測距システムについて説明する。本実施形態では、第4実施形態に係る測距システムが備える解析部が、互いに量子もつれ状態にある第1光および第2光により取得された量子相関情報を入力し、量子相関情報に基づいて推論し、推論結果を出力する推論部を含む点が、上述した実施形態および変形例と主に異なる。
【0080】
<第4実施形態に係る測距システムの構成例>
図11は、第4実施形態に係る測距システム1000fの構成の一例を示すブロック図である。
図11に示すように、測距システム1000fは、解析部500fを備える。
【0081】
図12は、解析部500fの機能構成の一例を示すブロック図である。解析部500fは、入力部51fと、演算部56と、推論部57と、を備える。入力部51fの機能は、
図5の通信I/F505等により実現される。演算部56および推論部57の各機能は、
図5のCPU501等のプロセッサがROM502等の不揮発性メモリに格納されたプログラムに規定された処理を実行すること等により実現される。
【0082】
入力部51は、第1受光部401との通信を制御することにより、第1受光部401から受光画像としての第1受光画像Im1を受け取り、受け取った第1受光画像Im1を推論部57に出力する。第1受光画像Im1は、第1光L1および第2光L2の少なくとも一方が物体Sで反射されて生じる第1反射光R1を含む光を第1受光部401が受光することにより得られる。
【0083】
演算部56は、入力された第1受光画像Im1に基づき、JPDアルゴリズム等を使用して量子相関情報Qc(コインシデンス画像)を算出する。量子相関情報Qcは、異なる時間において第1光L1および第2光L2により取得された複数の空間相関画像であってよい。量子相関情報Qcは、推論部57へ出力される。
【0084】
推論部57は、演算部56から量子相関情報を入力し、この量子相関情報に基づいて推論し、推論結果を出力する。推論部57は、推論結果として物体Sが検出されたフレームである物体フレームに関する情報を出力してよい。
【0085】
推論部57は、人工知能(AI:Artificial Intelligence)により推論を行うことができる。推論部57は、学習装置により予め機械学習が行われた学習済みモデルを備えている。学習装置は、例えば量子相関情報Qcを用いて学習済みモデルを生成できる。推論部57は、量子相関情報Qcと学習済みモデルとに基づいて物体フレームを推論してよい。なお、学習装置は、量子相関情報Qcに加え、第1受光画像Im1(イルミネーション画像)にさらに基づいて学習し、推論部57は、量子相関情報Qcと第1受光画像Im1と学習済みモデルとに基づいて推論してもよい。これにより、推論精度を高くすることができる。
【0086】
推論部57は、推論した物体フレームに基づき光の飛行時間を算出し、この飛行時間に応じて物体Sまでの距離情報Dsを算出できる。学習装置における機械学習の方法は、強化学習、半教師あり学習または教師なし学習等の様々なものが存在する。画像を取り扱った学習を実行できれば機械学習の方法に制限はない。複雑な推論を可能とする観点では、深層学習(ディープラーニング)に立脚した方法であることが好ましい。
【0087】
<解析部500fによる処理例>
図13は、解析部500fによる処理の一例を示すフロー図である。
図13は、解析部500fが受光部400bから入力部51を介して第1受光画像Im1を受け取り、距離情報Dsを出力するまでの解析部500の処理を示している。
【0088】
まず、ステップS21において、解析部500fは、演算部56により、第1受光画像Im1に基づき、量子相関情報Qcを算出する。
【0089】
続いて、ステップS22において、解析部500fは、推論部57により、演算部56から受け取った量子相関情報Qcと、学習モデルと、に基づき、物体フレームを推論する。
【0090】
続いて、ステップS23において、解析部500fは、推論部57により、推論した物体フレームに基づいて光の飛行時間を算出する。
【0091】
続いて、ステップS24において、解析部500fは、推論部57により、算出した飛行時間から物体Sまでの距離情報Dsを演算により取得する。
【0092】
続いて、ステップS25において、解析部500fは、出力部55により、推論部57により算出された距離情報Dsを外部装置に出力する。
【0093】
以上のようにして、解析部500fは、投受光装置100bから第1受光画像Im1を受け取り、距離画像Dsを出力することができる。
【0094】
<測距システム1000fの主な作用効果>
以上説明したように、本実施形態では、解析部500fは、互いに量子もつれ状態にある第1光L1および第2光L2により取得された量子相関情報Qcを入力し、量子相関情報Qcに基づいて推論し、推論結果を出力する推論部57を含む。量子相関情報Qcは、異なる時間において第1光L1および第2光L2により取得された複数の空間相関画像であってよい。また、解析部500fは、第1受光画像Im1(受光画像)が入力される演算部56を含んでよい。第1受光画像Im1は、第1光L1および第2光L2の少なくとも一方が物体Sで反射されて生じる第1反射光R1を含む光を受光することにより得られ、量子相関情報Qcは、演算部56により算出され、推論部57へ出力されてよい。以上のように、本実施形態では、量子もつれ状態にある光に基づく推論を実行可能な測距システム1000fを提供することができる。
【0095】
推論部57は、推論結果として物体Sが検出されたフレームである物体フレームに関する情報を出力してよい。解析部500fは、推論部57により、外光に対してロバストに物体フレームを特定することができる。本実施形態では、推論部57により特定された物体フレームに関する情報を用いることで、外光に強い測距システム1000fを提供することができる。
【0096】
また、別の観点では、測距システム1000fは、互いに量子もつれ状態にある第1光L1および第2光L2の少なくとも一方が物体Sで反射されて生じる第1反射光R1による飛行時間情報を含む第1情報(第1受光画像Im1)を入力し、解析結果を出力する解析部500fを備えてよい。解析結果は、物体Sが検出されたフレームである物体フレームに関する情報、物体Sまでの飛行時間情報および物体Sまでの距離情報の少なくとも1つを含むことができる。解析部500fは、第1情報から算出された量子相関情報に基づいて推論する推論部57を含んでよい。
【0097】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る測距システムについて説明する。本実施形態では、第1発光部と受光部とを制御する制御部を備え、解析部は、第1発光部および受光部の駆動条件を、解析部による解析結果に基づいて算出し、制御部に駆動信号を出力する点が、第4実施形態と主に異なる。
【0098】
図14は、第5実施形態に係る測距システム1000gの構成の一例を示すブロック図である。測距システム1000gは、投受光装置100gと解析部500gとを備える。投受光装置100gは、制御部300gを備える。
【0099】
解析部500gは、第1発光部201および受光部400の駆動条件を、解析部による解析結果に基づいて算出し、制御部300gに駆動信号Drを出力する。例えば、解析部500gは、駆動条件として、第1反射光R1を含む光を受光することにより得られる第1受光画像Im1を撮像するフレーム数を算出する。制御部300gは、解析部500gからの駆動信号Drに応じて、第1発光部201と受光部400とを制御できる。
【0100】
図15は、解析部500gの機能構成の一例を示すブロック図である。解析部500gは、フレーム数算出部58を備える。フレーム数算出部58の機能は、CPU501等のプロセッサがROM502等の不揮発性メモリに格納されたプログラムに規定された処理を実行すること等により実現される。
【0101】
フレーム数算出部58は、演算部56により算出された量子相関情報Qcに基づき、第1受光画像Im1を撮像するフレーム数Nを算出する。フレーム数算出部58により算出されるフレーム数Nは、例えば、上述したJPDアルゴリズムの結合確率分布の算出において使用されるフレーム数Nに対応する。また、フレーム数Nは、第1発光部201および受光部400の駆動条件に対応する。
【0102】
フレーム数算出部58により算出されたフレーム数Nに応じた駆動信号Dr(
図14参照)は、出力部55を介して制御部300gに出力される。
【0103】
図16は、制御部300gの機能構成の一例を示すブロック図である。制御部300gは、発光制御部31gと受光制御部33とを備える。発光制御部31gおよび受光制御部33の各機能は、電気回路またはプロセッサ等により実現される。
【0104】
発光制御部31gは、解析部500gからの駆動信号Drに応じて、レーザ光源21に発光のタイミングを与える。例えばフレーム数Nが多くなるほど、レーザ光源21が駆動信号Drに応じてパルス光を発光する時間間隔が長くなる。
【0105】
受光制御部33は、解析部500gからの駆動信号Drに応じて、第1受光画像Im1を撮像するフレーム数Nを第1受光部401に対して設定する。第1受光部401は、設定されたフレーム数Nにより、第1受光画像Im1を撮像することができる。
【0106】
解析部500gが備える機能の一部を制御部300gが備えてもよいし、制御部300gが備える機能の一部を解析部500gが備えてもよい。また、解析部500gが備える機能の一部または制御部300gが備える機能の一部は、解析部500gおよび制御部300gの分散処理により実現されてもよい。
【0107】
<測距システム1000gの動作例>
図17は、測距システム1000gの動作の一例を示すフロー図である。
図17は、第1光L1および第2光L2を投光することで得られる第1受光画像Im1に基づいて適正なフレーム数を算出し、該フレーム数に応じて再度第1光L1および第2光L2を投光することで得られる物体Sまでの距離情報Sを出力するまでの測距システム1000gの動作を示している。測距システム1000gは、第1光L1および第2光L2の投光をトリガーとして
図17の動作を開始する。
【0108】
まず、ステップS31において、測距システム1000gは、第1受光部401により、第1受光画像Im1を取得する。
【0109】
続いて、ステップS32において、測距システム1000gは、解析部500gにより、量子相関情報Qcを算出する。
【0110】
続いて、ステップS33において、測距システム1000gは、解析部500gにより、量子相関情報Qcに基づいて適正化されたフレーム数Nを算出する。なお、測距システム1000gは、フレーム数が適正であるか否かを判定するための判定基準を予め設定しておき、この判定基準を満たすまで、第1光L1および第2光L2の投光からステップS33までの動作を繰り返し行ってもよい。測距システム1000gは、解析部500gにより、算出されたフレーム数Nに応じた駆動信号Drを制御部300gに出力する。
【0111】
続いて、ステップS34において、測距システム1000gは、制御部300gにより、駆動信号Drに応じて、第1受光画像Im1を撮像するフレーム数を第1受光部401に対して設定する。
【0112】
続いて、ステップS35において、測距システム1000gは、制御部300gにより、駆動信号Drに応じた発光のタイミングをレーザ光源21に与える。
【0113】
続いて、ステップS36において、測距システム1000gは、制御部300gから与えられた発光のタイミングに応じて第1光L1および第2光L2を投光する。
【0114】
続いて、ステップS37において、測距システム1000gは、第1受光部401により、第1受光画像Im1を取得する。
【0115】
続いて、ステップS38において、測距システム1000gは、解析部500gにより、第1受光画像Im1に基づき、量子相関情報Qcを算出する。
【0116】
続いて、ステップS39において、測距システム1000gは、解析部500gにより、量子相関情報Qcと学習モデルとに基づいて物体フレームを推論する。
【0117】
続いて、ステップS40において、測距システム1000gは、解析部500gにより、推論した物体フレームに基づき光の飛行時間を算出する。
【0118】
続いて、ステップS41において、測距システム1000gは、解析部500gにより、算出した飛行時間から物体Sまでの距離情報Dsを演算により取得する。
【0119】
続いて、ステップS42において、測距システム1000gは、解析部500gにより、距離情報Dsを外部装置に出力する。
【0120】
以上のようにして、測距システム1000gは、第1受光画像Im1を撮像するフレーム数Nを適正化するとともに、適正化されたフレーム数Nに応じて得られる距離情報Dsを出力することができる。
【0121】
<測距システム1000gの主な作用効果>
以上説明したように、本実施形態では、解析部500gは、第1発光部201および受光部400の駆動条件を解析部500gによる解析結果に基づいて算出し、制御部300gに駆動信号Drを出力する。例えば、解析部500gは、駆動条件として、第1反射光R1を含む光を受光することにより得られる第1受光画像Im1を撮像するフレーム数Nを算出してよい。測距システム1000gは、フレーム数算出部58により適正なフレーム数Nを算出することにより、フレーム数Nが少ない場合における測距精度の低下を低減するとともに、フレーム数Nが多い場合における測距時間の増大を低減することができる。これ以外の作用効果は、第4実施形態とほぼ同じである。
【0122】
<第5実施形態の変形例>
次に、第5実施形態の変形例について説明する。本変形例では、推論部により、物体フレームの推論に加えて、適正なフレーム数の推論を行う点が、第5実施形態と主に異なる。
【0123】
第5実施形態の変形例に係る測距システムの構成は、
図15における推論部57が適正なフレーム数Nの推論を行える点が異なる。この場合、解析部500gは、
図15におけるフレーム数算出部58を必ずしも備えなくてよい。
【0124】
図18は、第5実施形態の変形例に係る測距システムの動作を示すフロー図である。
図18のステップS53において、第5実施形態の変形例に係る測距システムは、解析部500gの推論部57により、量子相関情報Qcに基づいて適正化されたフレーム数Nを推論する点が
図17に示した測距システム1000gの動作と異なる。他の各ステップの動作は
図17に示した各ステップの動作とほぼ同じであるため、ここでは重複する説明を省略する。
【0125】
本変形例では、適正なフレーム数を推論部57により推論するため、様々な条件下においても適正なフレーム数を得ることができる。
【0126】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態に係る測距システムについて説明する。本実施形態では、投受光装置は、古典光である第3光L3を射出する第2発光部を備える。受光部は第1反射光R1および第2反射光R2を受光する。解析部に、第2反射光R2による第2受光画像Im2が入力され、解析部は、第1受光画像Im1及び第2受光画像Im2に基づいて解析結果を出力する。以上の点が、第5実施形態と異なる。
【0127】
<第6実施形態に係る測距システム1000hの構成例>
図19は、第6実施形態に係る測距システム1000hの構成の一例を示すブロック図である。測距システム1000hは、投受光装置100hと解析部500hとを備える点が、第5実施形態に係る測距システム1000gと異なる。投受光装置100hは、発光部200bを備える。
【0128】
図20は、解析部500hの機能構成の一例を示すブロック図である。解析部500hは、第2距離算出部53を備える点が第5実施形態に係る解析部500gと異なる。解析部500hは、第2距離算出部53により、第2情報としての第2受光画像Im2に基づいて第2距離情報Ds2を取得できる。解析部500hは、出力部55により、第1距離情報Ds1および第2距離情報Ds2の少なくとも一方を外部装置に出力できる。
【0129】
<測距システム1000hの動作例>
図21は、測距システム1000hの動作の一例を示すフロー図である。
図21におけるステップS71~S80の動作は、
図17に示したステップS31~S40の動作とほぼ同じであるため、ここでは重複した説明を省略する。
【0130】
ステップS81において、測距システム1000hは、解析部500hにより、算出した飛行時間から物体Sまでの第1距離情報Ds1を演算により取得する。
【0131】
続いて、ステップS82において、測距システム1000hは、解析部500hにより、第1距離情報Ds1を外部装置に出力する。
【0132】
続いて、ステップ83において、測距システム1000hは、第2受光部402により、第2受光画像Im2を取得する。
【0133】
続いて、ステップS84において、測距システム1000hは、解析部500hにより、第2距離情報Ds2を演算により取得する。
【0134】
続いて、ステップS85において、測距システム1000hは、解析部500hにより、第2距離情報Ds2を外部装置に出力する。
【0135】
以上のようにして、測距システム1000hは、第1光L1および第2光L2により得られる第1距離情報Ds1に加え、古典光である第3光L3により得られる第2距離情報Ds2を出力することができる。
【0136】
<測距システム1000hの主な作用効果>
以上説明したように、測距システム1000hは、第1光L1および第2光L2により得られる第1距離情報Ds1に加え、第3光L3により第2距離情報Ds2を取得する。第3光L3は、第1光L1および第2光L2と比較して光量が多いため、測距可能な距離等の計測範囲が広くなる。以上より、本実施形態では、計測可能な範囲を広くするとともに、外光に強い測距システム1000hを提供することができる。これ以外の作用効果は、第5実施形態とほぼ同じである。
【0137】
また、別の観点では、本実施形態では、解析部500hに、古典光である第3光L3が物体Sで反射されて生じた第2反射光R2による飛行時間情報を含む第2受光画像Im2(第2情報)がさらに入力されてよい。解析部500hは、第1受光画像Im1(第1情報)および前第2受光画像Im2に基づいて解析結果を出力してよい。
【0138】
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形および置換を加えることができる。
【0139】
実施形態の説明で用いた序数、数量等の数字は、全て本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明の機能を実現する接続関係をこれに限定するものではない。
【0140】
機能ブロック図におけるブロックの分割は一例であり、複数のブロックを一つのブロックとして実現する、一つのブロックを複数に分割する、または一部の機能を他のブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数のブロックの機能を単一のハードウェアまたはソフトウェアが並列または時分割に処理してもよい。また複数のコンピュータに一部または全部の機能を分散させてもよい。
【0141】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 互いに量子もつれ状態にある第1光と第2光を射出する第1発光部と、古典光である第3光を射出する第2発光部と、受光部と、を備え、前記第1光および前記第2光の少なくとも一方は、物体で反射され第1反射光となり、前記第3光は、前記物体で反射されて第2反射光となり、前記受光部は、前記第1反射光と前記第2反射光を受光する、投受光装置である。
<2> 前記受光部は、前記第1反射光を含む光を受光する第1受光部と、前記第2反射光を含む光を受光する第2受光部と、を備える、<1>に記載の投受光装置である。
<3> 前記第1受光部は、単一光子を検出する単一光子検出器を含み、前記第2受光部は、所定期間または所定回数の積算により受光量を検出する光量検出器を含む、前記<2>に記載の投受光装置である。
<4> 前記第1光は、外部へ射出され、前記第2光は、前記受光部へ導光される光路へ射出され、前記第1光および前記第2光のうち前記第1光のみが前記物体で反射されて前記第1反射光となる、前記<1>から前記<3>のいずれか1つに記載の投受光装置である。
<5> 前記<1>から前記<4>のいずれか1項に記載の投受光装置と、前記受光部が備える第1受光部から第1受光画像を受け取るとともに、前記受光部が備える第2受光部から第2受光画像を受け取る解析部と、を備え、前記解析部は、前記第1受光画像に基づく第1距離情報、および前記第2受光画像に基づく第2距離情報の少なくとも一方を出力する、測距システムである。
<6> 前記解析部は、前記第2受光画像における受光量に基づいて選択された前記第1距離情報および前記第2距離情報の少なくとも一方を出力する、前記<5>に記載の測距システムである。
<7> 前記解析部は、前記受光量が第1の値である場合に前記第1距離情報を出力し、前記受光量が前記第1の値よりも大きい第2の値である場合に前記第2距離情報を出力する、前記<6>に記載の測距システムである。
<8> 互いに量子もつれ状態にある第1光と第2光の少なくとも一方が物体で反射されて生じる第1反射光による飛行時間情報を含む第1情報と、古典光である第3光が前記物体で反射されて生じる第2反射光による飛行時間情報を含む第2情報と、が入力される解析部を備え、前記解析部は、前記第1情報に基づく第1距離情報、および前記第2情報に基づく第2距離情報の少なくとも一方を出力する、測距システムである。
<9> 前記解析部は、前記第2情報に基づいて選択される前記第1距離情報および前記第2距離情報の少なくとも一方を出力する、前記<8>に記載の測距システムである。
<10> 前記第2情報は、受光部による前記第2反射光の受光量に関する情報を含み、前記解析部は、前記受光量が第1の値である場合に前記第1距離情報を出力し、前記受光量が前記第1の値よりも大きい第2の値である場合に前記第2距離情報を出力する、前記<9>に記載の測距システムである。
【符号の説明】
【0142】
100、100b、100c、100d、100e、100g、100h 投受光装置
200、200b、200c 発光部
201 第1発光部
202 第2発光部
21 レーザ光源
22 非線形光学結晶
23 ビームスプリッタ
24 反射ミラー
300、300g 制御部
31、31g 発光制御部
32 入出力部
33 受光制御部
400、400b 受光部
401 第1受光部
402 第2受光部
500、500f、500g、500h 解析部
501 CPU
502 ROM
503 RAM
504 HDD/SSD
505 通信I/F
51、51f 入力部
52 第1距離算出部
53 第2距離算出部
54 選択部
55 出力部
56 演算部
57 推論部
58 フレーム数算出部
1000、1000c、1000d、1000e、1000f、1000g、1000h 測距システム
A システムバス
Dr 駆動信号
Ds 距離情報
Ds1 第1距離情報
Ds2 第2距離情報
Im1 第1受光画像
Im2 第2受光画像
L0 励起光
L1 第1光
L2 第2光
L3 第3光
N フレーム数
Qc 量子相関情報
R1 第1反射光
R2 第2反射光
S 物体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0143】