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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171214
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/02 20060101AFI20241204BHJP
   F28D 1/047 20060101ALI20241204BHJP
   F28F 1/02 20060101ALI20241204BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
F28F9/02 301J
F28D1/047 C
F28F1/02 A
F28F3/08 311
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088173
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(71)【出願人】
【識別番号】502112854
【氏名又は名称】有限会社和氣製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鹿園 直毅
(72)【発明者】
【氏名】和氣 庸人
(72)【発明者】
【氏名】井上 勝文
(72)【発明者】
【氏名】坂本 亮平
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA37
(57)【要約】
【課題】熱交換器の熱交換効率の更なる向上を図る。
【解決手段】熱交換器は、熱交換媒体の2つの流出入口と該2つの流出入口を連通する連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを隣接する熱交換用チューブの2つの流出入口が整合して2つの流出入流路を形成するように複数積層した積層体として構成されており、熱交換用チューブ内に流れる熱交換媒体と隣接する熱交換用チューブの間に流れる被熱交換媒体とで熱交換する。熱交換用チューブの2つの流出入口を被熱交換媒体の流れの方向に隣接して直列に並ぶように形成すると共に、2つの流出入口はを被熱交換媒体の流れ方向の長さがこの流れ方向に直交する方向の長さよりも長くなるように形成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換媒体の2つの流出入口と該2つの流出入口を連通する連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを隣接する熱交換用チューブの前記2つの流出入口が整合して2つの流出入流路を形成するように複数積層した積層体として構成され、前記熱交換用チューブ内に流れる前記熱交換媒体と隣接する熱交換用チューブの間に流れる被熱交換媒体とで熱交換する熱交換器であって、
前記熱交換用チューブは、前記2つの流出入口が前記被熱交換媒体の流れの方向に隣接して直列に並ぶように形成されており、
前記2つの流出入口は、前記被熱交換媒体の流れ方向の長さが該流れ方向に直交する方向の長さよりも長くなるように形成されている、
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
請求項1記載の熱交換器であって、
前記2つの流出入口は、遠方側の開口部の幅が近方側の開口部の幅より狭くなるように形成されている、
熱交換器。
【請求項3】
請求項2記載の熱交換器であって、
前記2つの流出入口の遠方側の開口部は、外側に凸の滑らかな曲線および/または直線による楔形状に形成されている、
熱交換器。
【請求項4】
請求項3記載の熱交換器であって、
前記熱交換用チューブは、前記連通流路が前記2つの流出入口の一方から他方にU字形状またはU字形状を複数連ねた形状で鏡像対称な2つの流路として形成されている、
熱交換器。
【請求項5】
請求項4記載の熱交換器であって、
前記積層体の前記2つの流出入流路のうち少なくとも一方に配置され、前記熱交換媒体の上流側ほど前記流入流路の開口面積を小さくする偏流防止部材、
を備える熱交換器。
【請求項6】
請求項4記載の熱交換器であって、
前記積層体の一方の積層端に配置され、前記2つの流出入流路に連通する2つの流出入管を有する第1エンドプレートと、
前記積層体の他方の積層端に配置され、前記2つの流出入流路を閉塞する第2エンドプレートと、
前記積層体の前記2つの流出入流路の各々に配置され、前記第1エンドプレートに近いほど前記2つの流出入流路の開口面積を小さくする偏流防止部材と、
を備える熱交換器。
【請求項7】
請求項3ないし5のうちのいずれかに記載の熱交換器であって、
前記積層体の隣接する熱交換チューブの間に配置され、前記被熱交換媒体の流れの方向に開口する複数のフィンを備え、
前記複数のフィンのうち前記2つの流出入流路の近傍のフィンは、前記2つの流出入流路に沿うように形成されている、
熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器に関し、詳しくは、2つの流出入口を連通する連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを複数積層してなる熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の熱交換器としては、熱交換媒体の2つの流出入口とこの2つの流出入口を連通するU字形状で鏡像対称の連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを複数積層してなるものが提案されている(例えば特許文献1参照)。この熱交換器の2つの流出入口は、隣接する熱交換用チューブの間に流れる被熱交換媒体の流れの方向に隣接して直列に並ぶように形成されている。このように形成することにより、2つの流出入口が被熱交換媒体の流れの方向に直列に並ばないものに比して被熱交換媒体の流路断面積を大きくすることができ、熱交換器の熱交換効率を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】2017-072331
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような熱交換器では、熱交換器の熱交換効率を向上させることは重要な課題として考えられている。特に、連通流路の幅や熱交換用チューブの間隔が2mm以下、特に1mm以下となるマイクロ熱交換器では、顕著なものとなる。
【0005】
本発明の熱交換器は、熱交換器の熱交換効率の更なる向上を図ることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の熱交換器は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の熱交換器は、
熱交換媒体の2つの流出入口と該2つの流出入口を連通する連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを隣接する熱交換用チューブの前記2つの流出入口が整合して2つの流出入流路を形成するように複数積層した積層体として構成され、前記熱交換用チューブ内に流れる前記熱交換媒体と隣接する熱交換用チューブの間に流れる被熱交換媒体とで熱交換する熱交換器であって、
前記熱交換用チューブは、前記2つの流出入口が前記被熱交換媒体の流れの方向に隣接して直列に並ぶように形成されており、
前記2つの流出入口は、前記被熱交換媒体の流れ方向の長さが該流れ方向に直交する方向の長さよりも長くなるように形成されている、
ことを特徴とする。
【0008】
この本発明の熱交換器は、熱交換媒体の2つの流出入口とこの2つの流出入口を連通する連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを隣接する熱交換用チューブの2つの流出入口が整合して2つの流出入流路を形成するように複数積層した積層体として構成されており、熱交換用チューブ内に流れる熱交換媒体と隣接する熱交換用チューブの間に流れる被熱交換媒体とで熱交換する。そして、熱交換用チューブは2つの流出入口が被熱交換媒体の流れの方向に隣接して直列に並ぶように形成されており、2つの流出入口は、被熱交換媒体の流れ方向の長さが該流れ方向に直交する方向の長さよりも長くなるように形成されている。このため、被熱交換媒体の流れの阻害を小さくすることができ、この結果、熱交換器の熱交換効率の向上を図ることができる。
【0009】
本発明の熱交換器において、前記2つの流出入口は、遠方側の開口部の幅が近方側の開口部の幅より狭くなるように形成されているものとしてもよい。こうすれば、被熱交換媒体の流れをよりスムーズにすることができる。
【0010】
本発明の熱交換器において、前記2つの流出入口の遠方側の開口部は、外側に凸の滑らかな曲線や直線による楔形状に形成されているものとしてもよい。こうすれば、被熱交換媒体の流れの阻害をより小さくすることができ、熱交換効率の更なる向上を図ることができる。
【0011】
本発明の熱交換器において、前記熱交換用チューブは、前記連通流路が前記2つの流出入口の一方から他方にU字形状またはU字形状を複数連ねた形状で鏡像対称な2つの流路として形成されているものとしてもよい。
【0012】
本発明の熱交換器において、前記積層体の前記2つの流出入流路のうちの少なくとも一方に配置され、前記熱交換媒体の上流側ほど前記流入流路の開口面積を小さくする偏流防止部材を備えるものとしてもよい。流入流路や流出流路の少なくとも一方に偏流防止部材を備えることにより、各熱交換用チューブに流入する熱交換媒体の流量をより均一なものとすることができ、熱交換器の熱交換効率の更なる向上を図ることができる。
【0013】
本発明の熱交換器において、前記積層体の一方の積層端に配置され、前記2つの流出入流路に連通する2つの流出入管を有する第1エンドプレートと、前記積層体の他方の積層端に配置され、前記2つの流出入流路を閉塞する第2エンドプレートと、前記積層体の前記2つの流出入流路の各々に配置され、前記第1エンドプレートに近いほど前記2つの流出入流路の開口面積を小さくする偏流防止部材と、を備えるものとしてもよい。こうすれば、各熱交換用チューブに流入する熱交換媒体の流量をより均一なものとすることができ、熱交換器の熱交換効率の更なる向上を図ることができる。
【0014】
本発明の熱交換器において、前記積層体の隣接する熱交換チューブの間に配置され、前記被熱交換媒体の流れの方向に開口する複数のフィンを備え、前記複数のフィンのうち前記2つの流出入流路の近傍のフィンは、前記2つの流出入流路に沿うように形成されているものとしてもよい。こうすれば、フィンの伝熱に基づく熱交換によって熱交換効率の更なる向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態の熱交換器20の構成の概略を示す構成図である。
図2図1の熱交換器20を右側から見た側面を説明する説明図である。
図3】熱交換用チューブ30の構成の概略を示す構成図である。
図4】隣接する2つの熱交換用チューブ30の図3におけるA-A面の断面図である。
図5】隣接する2つの熱交換用チューブ30の図3におけるB-B面の断面図である。
図6】第1プレート23を図1中上から見た説明図である。
図7】変形例の熱交換器120の構成の概略を示す構成図である。
図8】変形例の熱交換器120の熱交換用チューブ30に対するフィン位置の一例を示す説明図である。
図9】変形例の熱交換器220の構成の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための形態について説明する。図1は、実施形態の熱交換器20の構成の概略を示す説明図である。図2は、図1の熱交換器20を右側から見た側面を説明する説明図である。実施例の熱交換器20は、空調装置や冷凍装置などの冷凍サイクルや発熱を伴って作動する機器の冷却装置などに用いられ、図1に示すように、2つのチューブ部材32により構成される熱交換用チューブ30を複数積層して構成される積層体22と、積層体22の配列方向(図中上下方向)の両側に配置される第1プレート23および第2プレート29と、を備える。この熱交換器20は、積層体22に形成される流入流路27から各熱交換用チューブ30に形成された後述する連通流路35,36に供給されるハイドロフルオロカーボンや水などの熱交換媒体と隣接する熱交換用チューブ30の間の隙間に流れる空気などの被熱交換媒体との熱交換により、熱交換媒体を加熱または冷却する又は被熱交換媒体を冷却または加熱する。図2中、供給管25および排出管26の上に記載された白抜き矢印は、熱交換媒体の供給や排出の方向を示しており、熱交換器20の左右に記載された白抜き矢印は、被熱交換媒体の流れる方向を示している。
【0017】
図3は、熱交換用チューブ30の構成の概略を示す構成図である。図4は、隣接する2つの熱交換用チューブ30の図3におけるA-A面の断面図であり、図5は、隣接する2つの熱交換用チューブ30の図3におけるB-B面の断面図である。
【0018】
熱交換用チューブ30は、アルミニウムの板材の両面にアルミシリコン合金などのロウ材を配置して一体に圧延することによって板材とロウ材とを接合した厚さが例えば0.1mm~0.2mmのいわゆるクラッド板材に対して、プレス加工や穴開け加工などを施したチューブ部材32を向かい合わせに接合することによって構成されている。熱交換用チューブ30には、図3に示すように、長手方向(図中左右方向)の中央に短手方向に直列に並ぶように2つの流出入口33,34が形成されており、この2つの流出入口33,34を連通するようにU字形状の厚みが例えば1mm以下(例えば、0.75mmなど)の2つの連通流路35,36が形成されている。2つの流出入口33,34は、外側に凸の滑らかな曲線による楔型の貫通孔となるようにバーリング加工などにより形成されている。言い換えると、2つの流出入口33,34は、被熱交換媒体の流れ方向(図3中上下方向)の長さがその流れ方向に直交する方向(図3中左右方向)の長さよりも長くなるように形成されており、より具体的には、両口における遠方側の開口部(図3中、流出入口33の上端部および流出入口34の下端部)の幅が近方側の開口部(図3中、流出入口33の下端部および流出入口34の上端部)の幅より小さくなるように形成されている。この2つの流出入口33,34は、隣接する熱交換用チューブ30の2つの流出入口33,34に整合するように接合され、積層体22を構成したときには、図1に示すように流出入流路27,28を形成する。なお、隣接する2つの熱交換用チューブ30の間の空間の幅(厚み)は、例えば1mm以下(例えば、0.75mmなど)になるように構成されている。
【0019】
積層体22の流出入流路27,28内には、図2図3図5に示すように、流出入流路27,28を図2中上下に貫くように、断面がコの字型で第1プレート23側から第2プレート29側に向けて流出入口33,34の連通流路35,36への開口部が大きくなるように形成された偏流防止部材37,38が取り付けられている。
【0020】
図6は、第1プレート23を図1中上から見た説明図である。図中破線は熱交換用チューブ30の流出入口33,34を示す。第1プレート23には、内径が熱交換用チューブ30の流出入口33,34の長手方向より僅かに大きい円管として構成された供給排出管25,26が、流出入口33,34に整合する位置で第1プレート23を貫通するように取り付けられている。第1プレート23は、供給排出管25,26が積層体22の最上端の熱交換用チューブ30の流出入口33,34を覆うようにその下端が熱交換用チューブ30の連通流路35,36の上端に当接する状態で積層体22に接合されている。第2プレート29は、図示しないが、平板のプレートの上部に、供給排出管25,26のプレート23より下に延出した部分を取り付けて構成されており、第1プレート23と同様に、積層体22の下端の熱交換用チューブ30に取り付けられている。
【0021】
いま、図2の白抜き矢印の方向に熱交換媒体を流すものとすれば、供給排出管25,26では供給管25および排出管26となり、流出入流路27,28では流入流路27および流出流路28となり、流出入口33,34では流入口33および流出口34となる。即ち、熱交換器20では、ハイドロフルオロカーボンや水などの熱交換媒体は、供給管25から流入し、流入流路27を流れて各熱交換用チューブ30の流入口33から連通流路35,36に流入し、連通流路35,36から流出口34を介して流出流路28に流れて排出管26から排出される。一方、空気などの被熱交換媒体は、図2の右側から左側(図3の上側から下側)に各熱交換用チューブ30の間を流れる。図3に示すように流出入口33,34は、外側に凸の楔型に形成されているから、円形の貫通孔として形成される場合に比して、被熱交換媒体の流通抵抗を小さくすることができる。この結果、熱交換器20の熱交換効率を向上させることができる。
【0022】
以上説明した実施形態の熱交換器20では、 熱交換用チューブ30に長手方向の中央に短手方向に直列に並ぶように且つ外側に凸の滑らかな曲線による楔型の貫通孔となるように2つの流出入口33,34を形成すると共にこの2つの流出入口33,34を連通するようにU字形状の2つの連通流路35,36を形成する。そして、隣接する熱交換用チューブ30の2つの流出入口33,34が整合するように積層して接合する。このように2つの流出入口33,34を形成することにより、2つの流出入口を円形の貫通孔として形成する場合に比して、被熱交換媒体の流通抵抗を小さくすることができる。この結果、熱交換器20の熱交換効率の向上を図ることができる。特に、実施形態の熱交換器20では、厚さが例えば0.1mm~0.2mmのいわゆるクラッド板材を用いて厚みが1mm以下の2つの連通流路35,36が形成された熱交換用チューブ30を隣接する熱交換用チューブ30との隙間が1mm以下になるように積層し、マイクロ熱交換器として構成する。このように、隣接する熱交換用チューブ30との隙間が狭いマイクロ熱交換器では、被熱交換媒体の流通抵抗を小さくすることによって熱交換器の熱交換効率がより大きく向上する。
【0023】
実施形態の熱交換器20では、積層体22の流出入流路27,28内に流出入流路27,28を貫くように、断面がコの字型で第1プレート23側から第2プレート29側に向けて流出入口33,34の連通流路35,36への開口部が大きくなるように形成された偏流防止部材37,38を取り付ける。これにより、偏流防止部材37,38を取り付けないものに比して、各熱交換用チューブ30に流入する熱交換媒体の偏流を抑制することができ、熱交換器20の熱交換効率をより向上させることができる。
【0024】
実施形態の熱交換器20では、2つの流出入口33,34を連通するようにU字形状の2つの連通流路35,36を形成するものとしたが、2つの流出入口を連通するようにU字を複数連ねた形状の2つの連通流路を形成するものとしてもよい。
【0025】
実施形態の熱交換器20では、熱交換用チューブ30を積層した積層体22により熱交換器の要部を構成するものとしたが、隣接する熱交換用チューブ30の間にフィンを取り付けるものとしてもよい。図7は、隣接する熱交換用チューブ30の間にコルゲートフィン40を備える変形例の熱交換器120の構成の概略を示す構成図である。変形例の熱交換器120は、図7に示すように、各熱交換用チューブ30の間に図7中表面側および裏面側に開口するコルゲートフィン40を備える。図8は、変形例の熱交換器120の熱交換用チューブ30に対するコルゲートフィン40のフィン位置の一例を示す説明図である。図中、破線はコルゲートフィン40のフィン位置を示している。変形例の熱交換器120では、図8に示すように、流出入口33,34の近傍のフィンは、流出入口33,34の形状に沿うように湾曲して取り付けられている。これにより、流出入口33,34近傍に流れる被熱交換媒体の流れをスムーズなものとしている。変形例の熱交換器120では、各熱交換用チューブ30の間にコルゲートフィン40を備えることにより、コルゲートフィン40の伝熱に基づく熱交換によって熱交換効率の更なる向上を図ることができる。
【0026】
変形例の熱交換器120では、各熱交換用チューブ30の間にコルゲートフィン40を備えるものとしたが、各熱交換用チューブ30の間にコルゲートフィンとは異なる構造のフィンを備えるものとしてもよい。
【0027】
実施形態の熱交換器20では、積層体22の流出入流路27,28の両方に偏流防止部材37,38を取り付けるものとしたが、積層体22の流出入流路27,28の一方の流入流路27だけに偏流防止部材37を取り付け、流出流路28には偏流防止部材38を取り付けないものとしてもよい。また、流出入流路27,28の双方に偏流防止部材を取り付けないものとしても構わない。
【0028】
実施形態の熱交換器20では、第1プレート23に供給排出管25,26を取り付けるものとしたが、図9に例示する変形例の熱交換器220に示すように、第1プレート223に供給管223aを取り付け、第2プレート229に排出管229aを取り付けるものとしてもよい。この場合、流入流路27にのみ偏流防止部材37を取り付けるものとしてもよい。
【0029】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、熱交換器の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0031】
20,120,220 熱交換器、22 積層体、23,223 第1プレート、25,26 供給排出管、27,28 流出入流路、29,229 第2プレート、30 熱交換用チューブ、32 チューブ部材、33,34 流出入口、35,36 連通流路、37,38 偏流防止部材、40 コルゲートフィン、223a 供給管、229a 排出管。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9