(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171303
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】推定装置、推定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 17/28 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
G01C17/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024005749
(22)【出願日】2024-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2023088107
(32)【優先日】2023-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蓬田 拓夢
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 淑正
(57)【要約】 (修正有)
【課題】第1部分に対する第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を推定する推定装置を提供する。
【解決手段】第1部分に対する第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を推定する推定装置は、磁気センサにより測定された第1部分に対する第2部分の位置または姿勢に応じた第1測定値に基づく第1値と、ジャイロセンサにより測定された第1部分に対する第2部分の位置または姿勢に応じた第2測定値に基づく第2値との差分を導出する導出部と、第1値及び第2値の少なくとも一方と、差分とに基づいて、第1部分に対する第2部分の位置及び姿勢を推定する推定部とを備える。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部分と、第2部分と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる可動機構と、前記第1部分及び前記第2部分の一方に設けられる磁気センサと、前記第1部分及び前記第2部分の他方に設けられ、前記磁気センサにより測定される磁場を提供する磁石部と、ジャイロセンサとを備える装置における前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を推定する推定装置であって、
前記磁気センサにより測定された前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた第1測定値に基づく第1値と、前記ジャイロセンサにより測定された前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた第2測定値に基づく第2値との差分を導出する導出部と、
前記第1値及び前記第2値の少なくとも一方と、前記差分とに基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定する推定部と
を備える推定装置。
【請求項2】
前記推定部は、前記差分に基づいて前記第1値及び前記第2値の少なくとも一方を選択し、選択された前記第1値及び前記第2値の前記少なくとも一方に基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定する、請求項1に記載の推定装置。
【請求項3】
前記推定部は、
前記差分が閾値より小さい場合、前記第1値に基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定し、
前記差分が前記閾値以上の場合、前記第2値に基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定する、請求項1に記載の推定装置。
【請求項4】
前記推定部は、
前記差分が前記閾値以上の場合、前回の推定結果と、前記第2値とに基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定する、請求項3に記載の推定装置。
【請求項5】
前記推定部は、
前記差分に基づく第1の重み付けの前記第1値と、前記差分に基づく第2の重み付けの前記第2値とに基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定する、請求項1に記載の推定装置。
【請求項6】
前記差分が大きくなることに対応して、前記第1の重み付けが小さくなり、かつ前記第2の重み付けが大きくなる、請求項5に記載の推定装置。
【請求項7】
前記推定部は、前記差分が閾値より小さい場合、前記第1値と、前記磁気センサにより測定される第1測定値に基づく第1値と前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢との関係を示す関係情報とに基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定する、請求項1に記載の推定装置。
【請求項8】
前記推定部は、前記差分が前記閾値より小さい状態から前記閾値以上の状態になって前記第2値に基づく前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の推定を開始した時点から予め定められた期間経過するまでの間、前記差分が前記閾値以上の場合には、前記第2値に基づく前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の推定を継続し、前記時点から前記予め定められた期間経過した後、前記差分が依然として前記閾値以上の状態の場合には、前記第1値に基づく前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の推定に切り替える、請求項3に記載の推定装置。
【請求項9】
前記導出部は、前記第1値と前記第2値との単位を合わせた後、前記第1値と前記第2値との差分を導出する、請求項1に記載の推定装置。
【請求項10】
前記単位は、角度、磁束密度、角度の変化量、磁束密度の変化量、または角速度である、請求項9に記載の推定装置。
【請求項11】
前記第1値は、前記第1測定値を角度に変換した値または角速度に変換した値に基づく、請求項1に記載の推定装置。
【請求項12】
前記第2値は、前記第2測定値を角度に変換した値、磁場に変換した値、または角度に変換した値を磁場に変換した値、あるいは前記第2測定値を積分した値に基づく、請求項1に記載の推定装置。
【請求項13】
前記第1値または前記第2値は、前記推定部による推定結果に基づく値に基づく、請求項1に記載の推定装置。
【請求項14】
第1部分と、第2部分と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる可動機構と、前記第1部分及び前記第2部分の一方に設けられる磁気センサと、前記第1部分及び前記第2部分の他方に設けられ、前記磁気センサにより測定される磁場を提供する磁石部と、ジャイロセンサとを備える装置における前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を推定する推定方法であって、
前記磁気センサにより測定された前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた第1測定値に基づく第1値と、前記ジャイロセンサにより測定された前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた第2測定値に基づく第2値との差分を導出する段階と、
前記第1値及び前記第2値の少なくとも一方と、前記差分とに基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定する段階と
を備える推定方法。
【請求項15】
第1部分と、第2部分と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる可動機構と、前記第1部分及び前記第2部分の一方に設けられる磁気センサと、前記第1部分及び前記第2部分の他方に設けられ、前記磁気センサにより測定される磁場を提供する磁石部と、ジャイロセンサとを備える装置における前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を推定する推定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記磁気センサにより測定された前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた第1測定値に基づく第1値と、前記ジャイロセンサにより測定された前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた第2測定値に基づく第2値との差分を導出する段階と、
前記第1値及び前記第2値の少なくとも一方と、前記差分とに基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定する段階と
を前記コンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推定装置、推定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モーションセンサに基づく第1角度と第1角度の状態に関連した第1指標と、磁気センサに基づく第2角度と第2角度の状態に関連した第2指標とに基づいて、第1角度または第2角度のうちの少なくとも1つに基づいて、折り曲げ角度を判断することが記載されている。特許文献2には、モーションセンサ及び磁気センサを用いて角度を決定する方法において、角度が予め定められた不感帯にある場合には、モーションセンサを用いて角度を決定することが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 米国特許第11300995号明細書
[特許文献2] 国際公開第2021/101171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
第1部分に対する第2部分の位置または姿勢の推定の精度をより向上させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る推定装置は、第1部分と、第2部分と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる可動機構と、前記第1部分及び前記第2部分の一方に設けられる磁気センサと、前記第1部分及び前記第2部分の他方に設けられ、前記磁気センサにより測定される磁場を提供する磁石部と、ジャイロセンサとを備える装置における前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を推定する推定装置でよい。前記推定装置は、前記磁気センサにより測定された前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた第1測定値に基づく第1値と、前記ジャイロセンサにより測定された前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた第2測定値に基づく第2値との差分を導出する導出部を備えてよい。前記推定装置は、前記第1値及び前記第2値の少なくとも一方と、前記差分とに基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定する推定部を備えてよい。
【0005】
前記推定装置において、前記推定部は、前記差分に基づいて前記第1値及び前記第2値の少なくとも一方を選択し、選択された前記第1値及び前記第2値の前記少なくとも一方に基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定してよい。
【0006】
いずれかの前記推定装置において、前記推定部は、前記差分が閾値より小さい場合、前記第1値に基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定してよい。前記推定部は、前記差分が前記閾値以上の場合、前記第2値に基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定してよい。
【0007】
いずれかの前記推定装置において、前記推定部は、前記差分が前記閾値以上の場合、前回の推定結果と、前記第2値とに基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定してよい。
【0008】
いずれかの前記推定装置において、前記推定部は、前記差分に基づく第1の重み付けの前記第1値と、前記差分に基づく第2の重み付けの前記第2値とに基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定してよい。
【0009】
いずれかの前記推定装置において、前記差分が大きくなることに対応して、前記第1の重み付けが小さくなり、かつ前記第2の重み付けが大きくなってよい。
【0010】
いずれかの前記推定装置において、前記推定部は、前記差分が閾値より小さい場合、前記第1値と、前記磁気センサにより測定される第1測定値に基づく第1値と前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢との関係を示す関係情報とに基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定してよい。
【0011】
いずれかの前記推定装置において、前記第1値は、前記第1測定値を角度に変換した値または角速度に変換した値に基づいてよい。
【0012】
いずれかの前記推定装置において、前記第2値は、前記第2測定値を角度に変換した値、磁場に変換した値、または角度に変換した磁場に変換した値、あるいは前記第2測定値を積分した値に基づいてよい。
【0013】
いずれかの前記推定装置において、前記第1値または前記第2値は、前記推定部による推定結果に基づく値に基づいてよい。
【0014】
いずれかの前記推定装置において、前記推定部は、前記差分が前記閾値より小さい状態から前記閾値以上の状態になって前記第2値に基づく前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の推定を開始した時点から予め定められた期間経過するまでの間、前記差分が前記閾値以上の場合には、前記第2値に基づく前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の推定を継続し、前記時点から前記予め定められた期間経過した後、前記差分が依然として前記閾値以上の状態の場合には、前記第1値に基づく前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の推定に切り替えてよい。
【0015】
いずれかの前記推定装置において、前記導出部は、前記第1値と前記第2値との単位を合わせた後、前記第1値と前記第2値との差分を導出してよい。
【0016】
いずれかの前記推定装置において、前記単位は、角度、磁束密度、角度の変化量、磁束密度の変化量、または角速度でよい。
【0017】
本発明の一態様に係る推定方法は、第1部分と、第2部分と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる可動機構と、前記第1部分及び前記第2部分の一方に設けられる磁気センサと、前記第1部分及び前記第2部分の他方に設けられ、前記磁気センサにより測定される磁場を提供する磁石部と、ジャイロセンサとを備える装置における前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を推定する推定方法でよい。前記推定方法は、前記磁気センサにより測定された前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた第1測定値に基づく第1値と、前記ジャイロセンサにより測定された前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた第2測定値に基づく第2値との差分を導出する段階を備えてよい。前記推定方法は、前記第1値及び前記第2値の少なくとも一方と、前記差分とに基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定する段階を備えてよい。
【0018】
本発明の一態様に係るプログラムは、第1部分と、第2部分と、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更させる可動機構と、前記第1部分及び前記第2部分の一方に設けられる磁気センサと、前記第1部分及び前記第2部分の他方に設けられ、前記磁気センサにより測定される磁場を提供する磁石部と、ジャイロセンサとを備える装置における前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢の少なくとも一方を推定する推定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムでよい。前記プログラムは、前記磁気センサにより測定された前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた第1測定値に基づく第1値と、前記ジャイロセンサにより測定された前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢に応じた第2測定値に基づく第2値との差分を導出する段階を前記コンピュータに実行させてよい。前記プログラムは、前記第1値及び前記第2値の少なくとも一方と、前記差分とに基づいて、前記第1部分に対する前記第2部分の位置及び姿勢を推定する段階を前記コンピュータに実行させてよい。
【0019】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】折り畳み端末の外観斜視図の一例を示す図である。
【
図2】第1部分と第2部分とが折り畳まれた状態の折り畳み端末の外観斜視図の一例を示す図である。
【
図3】第1部分と第2部分とが折り畳まれていない状態の折り畳み端末の外観斜視図の一例を示す図である。
【
図4】折り畳み端末の回路構成を模式的に示す図である。
【
図5】推定装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図6】磁場の強さと、第1部分と第2部分との成す角度との関係を示す参照テーブルの一例を示す図である。
【
図7】ジャイロセンサに測定値に基づく角度の積分誤差について説明するための図である。
【
図8】加速度センサを用いた角度の推定について説明するための図である。
【
図9】加速度センサを用いた角度の推定について説明するための図である。
【
図10】推定部が推定に用いるセンサの時間的な変化の様子を示す図である。
【
図11A】磁気センサのみで角度の推定を行った場合の角度の期待値と、推定結果の角度との時間的な変化の一例を示す図である。
【
図11B】
図11Aにおける期待値と推定結果の角度との角度誤差の時間的な変化の一例を示す図である。
【
図12A】角度の期待値と、本実施形態における推定部で推定される角度との時間的な変化の一例を示す図である。
【
図12B】
図12Aにおける期待値と推定結果の角度との角度誤差の時間的な変化の一例を示す図である。
【
図13】推定部が角度の推定を行う手順の一例を示すフローチャートである。
【
図14】導出部が差分を導出する手順の他の例を示すフローチャートである。
【
図15】導出部が差分を導出する手順の他の例を示すフローチャートである。
【
図16】推定部が角度の推定を行う手順の他の一例を示すフローチャートである。
【
図17】推定部が角度の推定を行う手順の他の一例を示すフローチャートである。
【
図18A】推定部が第1部分に対する第2部分の位置を推定する装置の縮んだ状態を示す図である。
【
図18B】推定部が第1部分に対する第2部分の位置を推定する装置の伸びた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、折り畳み端末10の外観斜視図の一例を示す。折り畳み端末10は、スマートフォン、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、および小型パソコン等の携帯端末でよい。折り畳み端末10は、折り曲げ可能なディスプレイ14を備える。ディスプレイ14は、有機ELディスプレイでよい。
【0023】
折り畳み端末10は、第1部分11、第2部分12、及びヒンジ機構16を備える。ヒンジ機構16は、第2部分12に対して第1部分11を折り畳み可能に結合する。ヒンジ機構16は、X軸に沿った回転軸18を中心に第1部分11を第2部分12に対して回転可能に結合する。第1部分11、及び第2部分12は、折り畳み端末10の筐体の一部である。第1部分11と第2部分12とは一体的に構成されてよい。第1部分11が第2部分12に対して折り畳まれた状態から折り畳まれていない状態まで変化することで、第1部分11と第2部分12との成す角度θが0度から180度まで変化する。
【0024】
図2は、第1部分11と第2部分12とが折り畳まれた状態の折り畳み端末10の外観斜視図の一例を示す。すなわち、第1部分11と第2部分12との成す角度が0度の状態で、第1部分11が第2部分12に対して閉状態を示す。
【0025】
図3は、第1部分11と第2部分12とが折り畳まれていない状態の折り畳み端末10の外観斜視図の一例を示す。すなわち、第1部分11と第2部分12との成す角度が180度の状態で、第1部分11が第2部分12に対して開状態を示す。
【0026】
図4は、折り畳み端末10の回路構成を模式的に示す。折り畳み端末10は、磁石部20、磁気センサ30、ジャイロセンサ40、及び推定装置100を備える。磁気センサ30、推定装置100、及びジャイロセンサ40は、第1部分11に設けられる。磁石部20は、ヒンジ機構16に設けられる。ヒンジ機構16は、第1部分11及び第2部分12の少なくとも一方の一部を構成してよい。磁石部20は、第2部分12に設けられてもよい。磁気センサ30、ジャイロセンサ40、及び推定装置100の少なくとも1つは、第2部分12に設けられてもよい。磁気センサ30が、ヒンジ機構16に設けられ、磁石部20が、第1部分11または第2部分12に設けられてもよい。磁気センサ30が第1部分11及び第2部分12の一方に設けられ、ジャイロセンサセンサ40が第1部分11及び第2部分12の他方に設けられてもよい。なお、磁石部20、磁気センサ30、ジャイロセンサ40、及び推定装置100の配置は上記には限定されない。磁石部20、磁気センサ30、ジャイロセンサ40、及び推定装置100は、推定装置100が第1部分11と第2部分12との成す角度を推定できるのであれば、任意の位置に配置されてよい。
【0027】
磁気センサ30は、3軸(X軸、Y軸、及びZ軸)方向の磁場の強さ(磁束密度)を検出する。磁気センサ30は、磁場の強さに応じた電圧または電流を出力する。磁気センサ30は、ホール素子でよい。第1部分11が、第2部分12に対して折り畳まれる過程で、磁気センサ30と磁石部20との位置関係が変化し、磁気センサ30で検出される磁石部20の磁場の強さが変化する。すなわち、第1部分11と第2部分12との成す角度によって、磁気センサ30で検出される磁場の強さが変化する。ジャイロセンサ40は、X軸、Y軸、及びZ軸に沿った軸を中心とする折り畳み端末10の角速度を検出する。折り畳み端末10は、ジャイロセンサ40として機能する慣性計測装置(IMU)を備えてもよい。IMUは、X軸、Y軸、及びZ軸に沿った軸を中心とする折り畳み端末10の角速度、並びに折り畳み端末10のX軸、Y軸、及びZ軸方向の折り畳み端末10の加速度を検出する。
【0028】
推定装置100は、磁気センサ30で検出される磁場の強さ(磁束密度)、及びジャイロセンサ40で検出される角速度の少なくとも一方に基づいて、第1部分11と第2部分12との位置関係を推定する。推定装置100は、磁気センサ30で検出される磁場の強さ(磁束密度)、及びジャイロセンサ40で検出される角速度の少なくとも一方に基づいて、第1部分11と第2部分12との成す角度を推定する。
【0029】
折り畳み端末10は、推定装置100により推定された角度に基づいて、予め定められた動作を実行してよい。折り畳み端末10は、推定装置100により推定された角度に基づいて、第1部分11の表示部分と、第2部分12の表示部分とに異なる画像を表示させてよい。例えば、折り畳み端末10は、推定装置100により推定された角度が90度から120度などの予め定められた角度範囲に含まれる場合、第2部分12の表示部分にキーボードなどの操作機能を表示させ、第1部分11の表示部分に操作機能により操作された内容に応じた画像、例えば、文書、映像などを表示させる表示機能を表示させてよい。
【0030】
図5は、推定装置100の機能ブロックの一例を示す。推定装置100は、制御部110、記憶部120、及び通信I/F130を備える。制御部110は、CPUまたはMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどにより構成されてよい。制御部110は、SoC(システムオンチップ)で構成されてよい。記憶部120は、コンピュータ可読可能な記録媒体でよく、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM(登録商標)、及びUSBメモリなどのフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。通信I/F130は、磁気センサ30、及びジャイロセンサ40と通信するインタフェースである。
【0031】
制御部110は、導出部112、及び推定部114を有する。ここで、推定部114は、第1部分11に対する第2部分12の成す角度θと磁場の強さとの関係を示す関係情報と、磁気センサ30の出力結果とに基づいて、第1部分11と第2部分12との成す角度を推定することが考えられる。
【0032】
関係情報は、例えば、
図6に示すように、磁場の強さと、第1部分11と第2部分12との成す角度θとの関係を示す参照テーブル(離散)F1、または予め定められた多項式で表される参照テーブル(連続)F2でよい。関係情報は、例えば、磁場の強さに応じた角度θを示す関数を示す情報でよい。関係情報は、磁場の強さ及び角度θを変数とするn次多項式(nは正の整数)を示す情報でよい。関係情報は、磁場の強さ及び角度θを変数とする3次多項式を示す情報でよい。3次多項式は、Y=aX
3+bX
2+cX+dで表されてよい。Xは、角度θ、Yは、磁場の強さを示す。a,b,c,dは、定数である。関係情報は、予め記憶部120に記憶させておいてよい。関係情報は、折り畳み端末10の出荷前に実験結果に従って生成されてよい。
【0033】
しかし、実際に磁気センサ30で測定される測定値は、実線L1で示すように、第1部分11と第2部分12とが折り畳まれた状態から、第1部分11と第2部分12とが折り畳まれていない状態まで変化する場合と、第1部分11と第2部分12とが折り畳まれていない状態から第1部分11と第2部分12とが折り畳まれた状態まで変化する場合とで、磁場の強さと、第1部分11と第2部分12との成す角度θとの関係は、同一とはならない場合がある。すなわち、磁場の強さと、第1部分11と第2部分12との成す角度θとの関係は、ヒステリシスを有する場合がある。ヒステリシスは、磁気ヒステリシスの影響により生じ得る。また、折り畳み端末10の開閉動作の際に、ヒンジの力のかかり具合により、磁石部20と、磁気センサ30との位置関係が微妙に変化することがある。この影響も、磁気センサ30が測定する磁場の強さに、ヒステリシスとして現れることがある。したがって、推定部114が、
図6に示すような参照テーブル(離散)F1、または参照テーブル(連続)F2のみに基づいて、第1部分11と第2部分12との成す角度θを精度よく推定できない場合がある。
【0034】
また、推定部114は、ジャイロセンサ40で測定される測定値に基づいて、第1部分11に対する第2部分12の成す角度θを推定することが考えられる。ジャイロセンサ40で測定される測定値は、角速度である。ジャイロセンサ40で測定される測定値を用いる場合は、推定部114は、角速度を積分することにより、相対的な角度変化量を導出し、その角度変化量を前回の推定角度に加算することで、第1部分11と第2部分12との成す角度を推定することが考えられる。しかし、角速度を積分することで誤差が蓄積される。したがって、
図7に示すように、推定部114が推定を開始してからの時間に比例して、誤差θ
offsetは、大きくなる。すなわち、ジャイロセンサ40で測定される測定値を用いた角度の推定は、推定部114が推定を開始してからの時間によって精度が低下する場合がある。なお、
図7に示す例では、推定部114が推定を開始してからの時間に比例して、誤差θ
offsetがマイナス方向に大きくなっている。しかし、誤差θ
offsetはプラス方向に大きくなる場合もある。
【0035】
さらに、折り畳み端末10が2つの加速度センサ50a、50bを有する場合、推定部114は、2つの加速度センサのそれぞれにより測定される加速度ベクトルの成す角度に基づいて絶対角度を導出することで、第1部分11と第2部分12との成す角度を推定することが考えられる。この手法では、
図8に示すように、2つの加速度センサで測定される加速度ベクトルのそれぞれが異なる重力方向の成分を有する場合には、推定部114は、第1部分11と第2部分12との成す角度を推定できる。しかし、
図9に示すように、第1部分11及び第2部分12の姿勢によっては、2つの加速度センサ50a、50bで測定される加速度ベクトルのそれぞれが異なる重力方向の成分を有さない場合がある。この場合には、推定部114は、第1部分11と第2部分12との成す角度を推定できない。
【0036】
以上のように、磁気センサ30、ジャイロセンサ40、及び加速度センサ50a、50bのそれぞれで、第1部分11と第2部分12との成す角度を精度よく推定できない場合がある。
【0037】
そこで、本実施形態では、推定部114が、磁気センサ30により測定される測定値m(μT)と、ジャイロセンサ40により測定される測定値ωg(rad/s)との少なくとも一方に基づいて、より精度よく第1部分11に対する第2部分12の姿勢、すなわち、第1部分11と第2部分12との成す角度を推定する。
【0038】
ここで、磁気センサ30の測定値mと、第1部分11に対する第2部分12の成す角度θとの関係は、上記の通り、ヒステリシスを有する場合がある。しかし、ヒステリシスを有する角度は、一部の角度範囲である場合が多い。ヒステリシスを有さない角度範囲では、推定部114は、磁気センサ30の測定値mに基づいて、精度よく第1部分11と第2部分12との成す角度θを推定できる可能性が高い。
【0039】
また、ジャイロセンサ40の測定値ωgを用いる場合、推定部114は、前回の推定結果である前回の角度θt-1に、今回の測定値ωgに基づく角度の変化量Δθgを加算することで、第1部分11に対する第2部分12の成す角度θを推定することになる。すなわち、推定部114が、比較的正確に角度を推定した後、長時間経過せずに、ジャイロセンサ40により測定された測定値ωgを用いて、角度を推定する場合、積分の誤差は少ない。よって、長時間経過しない場合には、推定部114は、精度よく第1部分11と第2部分12との成す角度θを推定できる可能性が高い。
【0040】
そこで、推定部114は、ヒステリシスを有さない角度範囲では、磁気センサ30の測定値mを優先的に用いて、第1部分11と第2部分12との成す角度θを推定する。一方、推定部114は、ヒステリシスを有する角度範囲では、ジャイロセンサ40の測定値ωgを優先的に用いて、第1部分11に対する第2部分12の成す角度θを推定する。
【0041】
導出部112は、折り畳み端末10の開閉状態がヒステリシスを有する角度範囲にあるかどうかを判断するために、磁気センサ30により測定された第1部分11に対する第2部分12の姿勢に応じた測定値mと、ジャイロセンサ40により測定された第1部分11に対する第2部分12の姿勢に応じた測定値ωgとの差分diffを導出する。
【0042】
導出部112は、測定値mと測定値ωgとの単位を合わせた後、測定値mと測定値ωgとの差分diffを導出する。測定値mと測定値ωgとの単位を合わせた後の値は、測定値mに基づく第1値及び測定値ωgに基づく第2値の一例である。単位は、角度(度)、磁束密度(磁場の強さ)(μT)、角度の変化量(度)、磁束密度の変化量(μT/s)、角速度(rag/s)または角速度(度/s)である。ここで、角度(度)とは、第1部分11と第2部分12との成す角度、つまり絶対角度である。角度の変化量(度)は、第1部分11と第2部分12との成す前回の角度と、第1部分11と第2部分12との成す今回の角度との差を示す角度、つまり相対角度である。
【0043】
推定部114は、測定値m及び測定値ωgの少なくとも一方と、差分diffとに基づいて、第1部分11に対する第2部分12の姿勢、すなわち、第1部分11に対する第2部分12の成す角度θを推定する。推定部114は、差分diffに基づいて測定値m及び測定値ωgの少なくとも一方を選択し、選択された測定値m及び測定値ωgの少なくとも一方に基づいて、第1部分11に対する第2部分12の姿勢を推定する。
【0044】
推定部114が推定に用いる測定値ω
gが、長時間経過せずにジャイロセンサ40により測定された測定値ω
gであれば、推定部114は、その測定値ω
gに基づいて、精度よく第1部分11に対する第2部分12の姿勢を推定できる。ヒステリシスを有さない角度範囲では、推定部114は、磁気センサ30の測定値mに基づいて、精度よく第1部分11に対する第2部分12の姿勢を推定できる。したがって、差分diffの大きさは小さくなる。一方で、ヒステリシスを有する角度範囲では、推定部114は、磁気センサ30の測定値mに基づいて精度よく姿勢を推定できない。したがって、差分diffの大きさは大きくなる。以上より、差分diffが磁場ヒステリシスの大きさに相当する。そのため、差分diffが大きいほど、折り畳み端末10の開閉状態がヒステリシスを有する角度範囲にある可能性が高い。そこで、推定部114は、差分diffが閾値thより小さい場合、磁気センサ30の測定値mに基づいて、第1部分11に対する第2部分の姿勢を推定してよい。推定部114は、差分diffが閾値thより小さい場合、推定時点の測定値mと、
図6に示すような磁気センサ30により測定される測定値mと第1部分11に対する第2部分12の姿勢(角度)との関係を示す関係情報(参照テーブル)とに基づいて、第1部分11に対する第2部分12の姿勢を推定してよい。
【0045】
推定部114は、差分diffが閾値th以上の場合、ジャイロセンサ40の測定値ωgに基づいて、第1部分11に対する第2部分12の姿勢を推定してよい。推定部114は、差分diffが閾値th以上の場合、前回の推定結果と、測定値ωgとに基づいて、第1部分11に対する第2部分12の姿勢を推定してよい。
【0046】
推定部114は、差分diffに基づく第1の重み付けの測定値mと、差分diffに基づく第2の重み付けの測定値ωgとに基づいて、第1部分11に対する第2部分12の姿勢を推定してよい。差分diffが大きくなることに対応して、第1の重み付けが小さくなり、かつ第2の重み付けが大きくなる。推定部114は、差分diffをパラメータとする予め定められた関数f(diff)に従って重み付けを導出してよい。推定部114は、カルマンフィルタにより実現されてよい。この場合、カルマンゲインが、重み付けに相当する。
【0047】
図10は、折り畳み端末10を閉じた状態から開いた状態まで第2部分12を第1部分11に対して回転させた場合に、推定部114が推定に用いるセンサの時間的な変化の様子を示す。破線L11は、磁気センサ30の測定値mに基づいて推定される角度の時間的な変化を示す。破線L12は、ジャイロセンサ40の測定値ω
gの積分値に基づいて推定される角度の時間的な変化を示す。破線L10は、実際の第1部分11に対する第2部分12の角度の時間的な変化を示す。実線L13は、推定部114が、差分diffに応じて推定に用いるセンサを切り替えた場合の推定結果に対応する角度の時間的な変化を示す。
【0048】
閉じた状態の折り畳み端末10が開き始め、時間t1に達するまでは、差分diffは閾値thより小さい。すなわち、ヒステリシスの影響は小さい。そのため、推定部114は、参照テーブルを参照して、磁気センサ30の測定値mに対応する角度θmを特定することで、第1部分11に対する第2部分12の角度を推定する。時間t1を経過すると、差分diffが閾値th以上になる。そのため、推定部114は、前回の推定結果である前回の角度θt-1に、ジャイロセンサ40により測定された今回の角度変化量Δθtを加算して今回の角度θgを導出することで、第1部分11に対する第2部分12の角度を推定する。その後、時間t2に達すると再び、差分diffは閾値thより小さくなる。そのため、推定部114は、再び、参照テーブルを参照して、磁気センサ30の測定値mに対応する角度θmを特定することで、第1部分11に対する第2部分12の角度を推定する。このように、推定部114が、差分diffに応じて推定に用いるセンサを切り替えた場合、磁気センサ30だけを用いた場合、またはジャイロセンサ40だけを用いた場合に比べて、より精度よく第1部分11に対する第2部分12の角度を推定できる。
【0049】
図11A及び
図11Bは、磁気センサ30のみを用いて推定部114が第1部分11に対する第2部分12の角度を推定した場合のシミュレーション結果の一例を示す。
図11Aは、推定部114で推定されるべき角度の期待値と、推定部114で推定された角度との時間的な変化を示す。
図11Bは、期待値と推定された角度との角度誤差の時間的な変化を示す。
【0050】
図12A及び
図12Bは、推定部114が差分diffに応じて推定に用いるセンサを切り替えて第1部分11に対する第2部分12の角度を推定した場合のシミュレーション結果の一例を示す。
図12Aは、推定部114で推定されるべき角度の期待値と、推定部114で推定された角度との時間的な変化を示す。
図12Bは、期待値と推定された角度との角度誤差の時間的な変化を示す。
【0051】
図11Bと
図12Bとを比較するとわかる通り、推定部114が差分diffに応じて推定に用いるセンサを切り替えることで、角度誤差を抑制できる。
【0052】
ここで、推定部114が、ヒステリシスを有する角度範囲で長時間、ジャイロセンサ40の測定値ωgのみに基づいて第1部分11に対する第2部分12の角度を推定する場合、積分値の誤差が蓄積され、角度誤差が大きくなり、推定部114の推定の精度が再び悪化する可能性がある。
【0053】
そこで、推定部114は、差分diffが閾値thより小さい状態から閾値th以上の状態になってジャイロセンサ40の測定値ωgに基づく第1部分11に対する第2部分12の姿勢の推定を開始した推定開始時点から予め定められた期間経過するまでの間、差分diffが閾値th以上の場合には、測定値ωgに基づく第1部分11に対する第2部分12の姿勢の推定を継続する。推定部114は、推定開始時点から予め定められた期間経過した後、差分diffが依然として閾値th以上の状態の場合には、磁気センサ30の測定値mに基づく第1部分11に対する第2部分12の姿勢の推定に切り替える。これにより、ヒステリシスを有する角度範囲で長時間、ジャイロセンサ40の測定値ωgのみに基づいて第1部分11に対する第2部分12の角度を推定した場合に生じる角度誤差の増大を防ぐことができる。
【0054】
図13は、推定部114が角度の推定を行う手順の一例を示すフローチャートである。導出部112が、磁気センサ30の測定値m(μT)を磁場の強さから参照テーブルに従って角度θ
m(度)に変換する(S100)。角度θ
mは、測定値mに基づく第1値の一例である。また、角度θ
mは、測定値mを角度に変換した値に基づく第1値の一例である。また、導出部112は、ジャイロセンサ40により測定された測定値ω
g(rad/s)を積分することで角度の変化量Δθ
g(度)を導出する(S101)。導出部112は、推定部114により推定された前回の角度θ
t-1(度)に、ジャイロセンサ40により測定された測定値ω
g(rad/s)を積分することで得られる角度の変化量Δθ
g(度)を加算することで、ジャイロセンサ40の測定値ω
g(rad/s)に基づく角度θ
g(度)を導出する(S102)。角度θ
gは、測定値ω
gに基づく第2値の一例である。また、角度θ
gは、測定値ω
gを積分した値に基づく第2値の一例である。また、角度θ
gは、推定部114の推定結果に基づく値に基づく第2値の一例である。
【0055】
次いで、導出部112は、角度θmと角度θgとの差分diffを導出する(S104)。推定部114は、差分diffが閾値th以上か否かを判定する(S106)。
【0056】
推定部114は、θt=ID×θm+(1-ID)×θgに従って、第1部分11に対する第2部分12の角度θtを推定する。IDは、実数である。ID×θmは、差分difに基づく第1の重み付けの測定値mの一例である。(1-ID)×θgは、差分diffに基づく第2の重み付けの測定値ωgの一例である。差分diffが閾値th以上である場合、推定部114は、第1部分11に対する第2部分12の角度がヒステリシス領域内であると判断し、ID=0とする(S108)。よって、推定部114は、ジャイロセンサ40の測定値ωgに基づく角度θgを第1部分11に対する第2部分12の今回の角度θt(度)として推定する(S110)。
【0057】
差分diffが閾値thより小さい場合、推定部114は、第1部分11に対する第2部分12の角度がヒステリシス領域外であると判断し、ID=1とする(S112)。よって、推定部114は、磁気センサ30の測定値mに基づく角度θmを第1部分11に対する第2部分12の今回の角度θtとして推定する(S114)。
【0058】
以上のとおり、上記の手順によれば、推定部114は、角度がヒステリシス領域内であれば、ジャイロセンサ40の測定値ωgに基づく角度θgで、第1部分11に対する第2部分12の角度θtを推定する。一方、推定部114は、角度がヒステリシス領域外であれば、磁気センサ30の測定値mに基づく角度θmで、第1部分11に対する第2部分12の角度θtを推定する。これにより、推定部114は、磁場のヒステリシスによる影響をジャイロセンサにより低減し、ジャイロの積分誤差の影響を磁気センサにより低減することで、ヒステリシス及び積分誤差の影響を避けて、精度よく第1部分11に対する第2部分12の角度θtを推定できる。
【0059】
図14は、導出部112が差分diffを導出する手順の他の例を示すフローチャートである。差分diffの単位が、磁場の強さ(μT)である点で、差分diffの単位が(度)である
図13の手順と異なる。
【0060】
導出部112は、ジャイロセンサ40により測定された測定値ω
g(rad/s)を積分することで角度の変化量Δθ
g(度)を導出する(S101a)。導出部112は、ジャイロセンサ40の測定値ω
g(rad/s)を積分することで得られる角度の変化量Δθ
g(度)に、推定部114により推定された前回の角度θ
t-1(度)を加算することで、ジャイロセンサ40の測定値ω
g(rad/s)に基づく角度θ
g(度)を導出する(S102a)。さらに、導出部112は、参照テーブルを参照して、角度θ
g(度)を磁場の強さm
g(μT)に変換する(S103a)。磁場の強さm
gは、測定値ω
gに基づく第2値の一例である。また、磁場の強さm
gは、測定値ω
gを積分した値に基づく第2値の一例である。また、磁場の強さm
gは、推定部114の推定結果に基づく値に基づく第2値の一例である。また、磁場の強さm
gは、測定値ω
gを磁場に変換した値に基づく第2値の一例である。次いで、導出部112は、磁気センサ30により測定された測定値m(μT)に相当する磁場の強さm(μT)と、ジャイロセンサ40の測定値ω
g(rad/s)に基づく磁場の強さm
g(μT)との差分を差分diffとして導出する(S104a)。磁場の強さmは、測定値mに基づく第1値の一例である。以下の手順は、
図13に示すステップS106以降と同じでよい。
【0061】
図15は、導出部112が差分diffを導出する手順の他の例を示すフローチャートである。差分diffの単位が、角速度(rad/s)である点で、差分diffの単位が(度)である
図13、磁場の強さ(μT)である
図14の手順と異なる。なお、角速度の単位は、rad/sではなく、角度/sでもよい。
【0062】
導出部112は、磁気センサ30の測定値m(μT)を参照テーブルに従って角度θ
m(度)に変換する(S100b)。さらに、導出部112は、角度θ
m(度)から推定部114により推定された前回の角度θ
t-1(度)を減算することでΔθ
m(度)を導出する(S101b)。導出部112は、(Δθ
m/Δt)×(π/180)を導出することで、磁気センサ30の測定値mに基づく角速度ω
m(rad/s)を導出する(S102b)。角速度ω
mは、測定値mに基づく第1値の一例である。角速度ω
mは、測定値mに基づく第1値の一例である。また、角速度ω
mは、推定部114の推定結果に基づく値に基づく第1値の一例である。また、角速度ω
mは、測定値mを角速度に変換した値に基づく第1値の一例である。また、角速度ω
mは、測定値mを角度に変換した値に基づく第1値の一例である。続いて、導出部112は、磁気センサ30の測定値mに基づく角速度ω
m(rad/s)と、磁気センサ30の測定値(角速度)ω
g(rad/s)との差分を差分diffとして導出する(S104b)。角速度ω
mは、測定値ω
gに基づく第2値の一例である。以下の手順は、
図13に示すステップS106以降と同じでよい。
【0063】
図16は、推定部114が角度の推定を行う手順の他の一例を示すフローチャートである。
【0064】
導出部112は、ジャイロセンサ40により測定された測定値ωg(rad/s)を積分することで角度の変化量Δθg(度)を導出する(S200)。導出部112は、ジャイロセンサ40の測定値ωg(rad/s)を積分することで得られる角度の変化量Δθg(度)に、推定部114により推定された前回の角度θt-1(度)を加算することで、ジャイロセンサ40の測定値ωgに基づく予測角度θpred(度)を導出する(S201)。さらに、導出部112は、予測角度θpred(度)を参照テーブルに従って予測の磁場の強さmpred(μT)に変換する(S202)。磁場の強さmpredは、測定値ωgに基づく第2値の一例である。また、磁場の強さmpredは、測定値ωgを積分した値に基づく第2値の一例である。また、磁場の強さmpredは、推定部114による推定結果に基づく値に基づく第2値の一例である。また、磁場の強さmpredは、測定値ωgを磁場に変換した値に基づく第2値の一例である。次いで、導出部112は、磁気センサ30の測定値m(μT)と、ジャイロセンサ40の測定値ωg(rad/s)に基づく予測の磁場の強さmpred(μT)との差分を差分diffとして導出する(S204)。測定値mは、測定値mに基づく第1値の一例である。
【0065】
導出部112は、差分diff(μT)に基づき、予測角度θpredを補正するための補正量を導出するための重み付けID(度/μT)を予め定められた関数f(diff)=IDに従って、導出する(S206)。IDは、実数である。導出部112は、差分diff(μT)にID(度/μT)を乗算することで、補正量θcorr(度)を導出する(S208)。推定部114は、予測角度θpred(度)に補正量θcorr(度)を加算することで補正して、第1部分11に対する第2部分12の今回の角度θt(度)として推定する(S210)。予め定められた関数f(diff)は、差分diffが大きくなることに対応して、ID(μT)が小さくなるような関数である。
【0066】
以上の手順により、推定部114は、磁気センサ30の測定値ωgに基づく予測角度θpredを、差分diffの大きさに基づく補正量θcorrで補正して、角度θtを推定する。これにより、磁場のヒステリシスによる影響をジャイロセンサ40により低減し、ジャイロ40の積分誤差の影響を磁気センサ30により低減することで、推定部114は、ヒステリシスの影響または積分誤差の影響を抑えて、精度よく第1部分11に対する第2部分12の角度θtを推定できる。
【0067】
図17は、推定部114が角度の推定を行う手順の他の一例を示すフローチャートである。
【0068】
導出部112は、磁気センサ30の測定値m(μT)を参照テーブルに従って角度θm(度)に変換する(S300)。また、導出部112は、ジャイロセンサ40により測定された測定値ωg(rad/s)を積分することで角度の変化量Δθg(度)を導出する(S301)。角度の変化量Δθgは、測定値ωgに基づく第2値の一例である。また、角度の変化量Δθgは、測定値ωgを積分した値に基づく第2値の一例である。導出部112は、角度θm(度)から推定部114により推定された前回の角度θt-1(度)を減算して、磁気センサ30の測定値m(度)に基づく角度の変化量Δθm(度)を導出する(S302)。変化量Δθmは、測定値mに基づく第1値の一例である。また、変化量Δθmは、推定部114による推定結果に基づく値に基づく第1値の一例である。また、変化量Δθmは、測定値mを角速度に変換した値に基づく第1値の一例である。また、変化量Δθmは、測定値mを角度に変換した値に基づく第1値の一例である。導出部112は、磁気センサ30の測定値m(μT)に基づく角度の変化量Δθm(度)と、ジャイロセンサ40の測定値ωg(rad/s)を積分することで得られる角度の変化量Δθg(度)との差分を差分diffとして算出する。
【0069】
導出部112は、予め定められた関数f(diff)=IDに従って角度の変化量Δθ(度)を導出するための重み付けを導出する(S306)。推定部114は、Δθ=ID×Δθm+(1-ID)×Δθgに従って、角度の変化量Δθ(度)を導出する(S308)。予め定められた関数f(diff)は、差分diffが大きくなることに対応して、IDが小さくなるような関数である。IDは、実数である。
【0070】
推定部114は、角度θm(度)から推定部114により推定された前回の角度θt-1(度)に角度の変化量Δθ(度)を加算することで、第1部分11に対する第2部分12の今回の角度θt(度)を推定する(S310)。
【0071】
以上の手順により、推定部114は、差分diffに基づく重み付けで、磁気センサ30の測定値mに基づく角度の変化量Δθmと、ジャイロセンサ40の測定値ωgに基づく角度の変化量Δθgとをそれぞれ重み付けてして、角度θtを推定する。これにより、推定部114は、磁場のヒステリシスによる影響をジャイロセンサ40により低減し、ジャイロ40の積分誤差の影響を磁気センサ30により低減することで、ヒステリシスの影響または積分誤差の影響を抑えて、精度よく第1部分11に対する第2部分12の角度θtを推定できる。
【0072】
なお、本実施形態では、推定部114は、第1部分11に対する第2部分12の姿勢(角度)を推定する例について説明する。しかし、推定部114は、第1部分11に対する第2部分12の位置を推定してもよい。
【0073】
図18A及び
図18Bは、推定部114が第1部分11に対する第2部分12の位置を推定する装置10Aの一例を示す。装置10Aは、ディスプレイの表示画面が伸び縮みするローラブルスマートフォンである。第2部分12は、第1部分11に対してX軸の方向に沿って移動する。第1部分及び第2部分12は、表示部を構成してよい。第2部分12は、第1部分11に対して
図18Aに示す第1状態(縮んだ状態)から、
図18Bに示す第2状態(伸びた状態)まで、X軸の方向に沿って移動してよい。これにより、表示画面50のX方向の幅が伸び縮みする。表示画面50は、例えば、Y軸に沿った回転軸を中心に巻き取り可能な有機ELディスプレイなど薄型のディスプレイでよい。
【0074】
このような装置10Aの場合、ジャイロセンサ40は、回転軸に設けて、第2部分12が第1部分11に対してX軸方向に移動することに応じて、回転軸とともにY軸方向に沿った軸を中心に回転してよい。
【0075】
図19は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化してよいコンピュータ1200の一例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーションまたは当該装置の1または複数の「部」として機能させることができる。または、当該プログラムは、コンピュータ1200に当該オペレーションまたは当該1または複数の「部」を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつかまたは全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0076】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、及びRAM1214を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、入力/出力ユニットを含み、それらは入力/出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。コンピュータ1200はまた、ROM1230を含む。CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0077】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブが、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納してよい。ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/またはコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。プログラムが、CD-ROM、USBメモリまたはICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体またはネットワークを介して提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体の例でもあるRAM1214、またはROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーションまたは処理を実現することによって構成されてよい。
【0078】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、またはUSBメモリのような記憶媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信した受信データを記憶媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0079】
また、CPU1212は、USBメモリ等のような外部記憶媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記憶媒体にライトバックしてよい。
【0080】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記憶媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記憶媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記憶媒体内に格納される場合、CPU1212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0081】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上またはコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記憶媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0082】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよい。その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0083】
コンピュータ可読命令は、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードの何れかを含んでよい。ソースコードまたはオブジェクトコードは、従来の手続型プログラミング言語を含む。従来の手続型プログラミング言語は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語でよい。コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供されてよい。プロセッサまたはプログラマブル回路は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0084】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0085】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0086】
10 端末
10A 装置
11 第1部分
12 第2部分
14 ディスプレイ
16 ヒンジ機構
18 回転軸
20 磁石部
30 磁気センサ
40 ジャイロセンサ
50 表示画面
50a 加速度センサ
100 推定装置
110 制御部
112 導出部
114 推定部
120 記憶部
130 通信I/F
1200 コンピュータ
1210 ホストコントローラ
1212 CPU
1214 RAM
1220 入力/出力コントローラ
1222 通信インタフェース
1230 ROM