IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社SUMCOの特許一覧

特開2024-171492シリコンウェーハの洗浄方法、シリコンウェーハの製造方法、及びシリコンウェーハ
<>
  • 特開-シリコンウェーハの洗浄方法、シリコンウェーハの製造方法、及びシリコンウェーハ 図1
  • 特開-シリコンウェーハの洗浄方法、シリコンウェーハの製造方法、及びシリコンウェーハ 図2
  • 特開-シリコンウェーハの洗浄方法、シリコンウェーハの製造方法、及びシリコンウェーハ 図3
  • 特開-シリコンウェーハの洗浄方法、シリコンウェーハの製造方法、及びシリコンウェーハ 図4
  • 特開-シリコンウェーハの洗浄方法、シリコンウェーハの製造方法、及びシリコンウェーハ 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171492
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】シリコンウェーハの洗浄方法、シリコンウェーハの製造方法、及びシリコンウェーハ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20241205BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 643A
H01L21/304 647Z
H01L21/306 R
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088527
(22)【出願日】2023-05-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】302006854
【氏名又は名称】株式会社SUMCO
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100165696
【弁理士】
【氏名又は名称】川原 敬祐
(74)【代理人】
【識別番号】100164448
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】中尾 文彰
(72)【発明者】
【氏名】芦馬 渓
(72)【発明者】
【氏名】小田 悠
【テーマコード(参考)】
5F043
5F157
【Fターム(参考)】
5F043AA02
5F043BB02
5F043DD13
5F043EE07
5F043EE08
5F157AB02
5F157AB33
5F157AB90
5F157AC01
5F157AC13
5F157BB23
5F157BB24
5F157BD33
5F157BE12
5F157BE46
5F157CB32
5F157CE07
5F157CE25
5F157DB02
5F157DB03
5F157DB16
5F157DB37
(57)【要約】
【課題】本発明は、表面粗さのウェーハ面内での均一性の悪化を抑制することのできる、シリコンウェーハの洗浄方法及びシリコンウェーハの製造方法、並びに、表面粗さのウェーハ面内での均一性の悪化が抑制された、シリコンウェーハを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のシリコンウェーハの洗浄方法は、平面視において、表層改質工程における酸化剤溶液の供給位置及びエッチング工程におけるエッチング液の供給位置は、それぞれ、回転中心から径方向に離間して位置し、平面視において、前記酸化剤溶液の供給位置と前記エッチング液の供給位置とは、前記回転中心を挟んで対向して位置する。本発明のシリコンウェーハの製造方法は、上記の洗浄方法を行うことを含む。本発明のシリコンウェーハは、直径が300mmであり、ウェーハ面内のHaze値の最大値と最小値の差が0.02ppm以下である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピン洗浄機を用いた枚葉式のシリコンウェーハの洗浄方法であって、
前記シリコンウェーハを、回転中心を中心として回転させながら酸化剤溶液を供給して、前記シリコンウェーハの表層を改質する、表層改質工程と、
前記シリコンウェーハを、前記回転中心を中心として回転させながらエッチング液を供給して、前記表層改質工程後の前記シリコンウェーハの表層をエッチングする、エッチング工程と、を含み、
平面視において、前記表層改質工程における前記酸化剤溶液の供給位置及び前記エッチング工程における前記エッチング液の供給位置は、それぞれ、前記回転中心から径方向に離間して位置し、
平面視において、前記酸化剤溶液の供給位置と前記エッチング液の供給位置とは、前記回転中心を挟んで対向して位置することを特徴とする、シリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項2】
前記酸化剤溶液の供給位置及び前記エッチング液の供給位置は、それぞれ、前記回転中心から6mm以上13mm以下の範囲内で径方向に離間している、請求項1に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項3】
前記酸化剤溶液の供給位置の前記回転中心からの離間距離と、前記エッチング液の供給位置の前記回転中心からの離間距離との差は、2mm以下である、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項4】
前記酸化剤溶液の供給位置の前記回転中心からの離間距離と、前記エッチング液の供給位置の前記回転中心からの離間距離とは、等しい、請求項3に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項5】
平面視において、前記回転中心を中心とするとき、前記回転中心、前記酸化剤溶液の供給位置、及び前記エッチング液の供給位置のなす中心角は、90°超である、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項6】
平面視において、前記回転中心を中心とするとき、前記回転中心、前記酸化剤溶液の供給位置、及び前記エッチング液の供給位置のなす中心角は、150°以上である、請求項5に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項7】
平面視において、前記回転中心、前記酸化剤溶液の供給位置、及び前記エッチング液の供給位置は、一直線上に位置する、請求項6に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項8】
平面視において、前記酸化剤溶液の供給位置と前記エッチング液の供給位置とは、前記回転中心を中心として互いに点対称である、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項9】
前記表層改質工程及び前記エッチング工程は、前記シリコンウェーハの中心を前記回転中心から偏心させながら行う、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項10】
前記表層改質工程及び前記エッチング工程は、前記シリコンウェーハの中心を前記回転中心から1mm超10mm以下の範囲で偏心させながら行う、請求項9に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項11】
前記酸化剤溶液の供給位置の前記回転中心からの離間距離、及び、前記エッチング液の供給位置の前記回転中心からの離間距離は、それぞれ、前記シリコンウェーハの中心の前記回転中心からの偏心の距離よりも大きい、請求項9に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項12】
前記酸化剤溶液は、オゾン水である、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項13】
前記エッチング液は、フッ化水素の水溶液である、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項14】
前記酸化剤溶液と前記エッチング液とが混ざり合うプロセスを含む、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項15】
ウェーハ面内のHaze値の最大値と最小値の差が0.02ppm以下となるように洗浄する、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項16】
側面視において、前記酸化剤溶液を供給する供給管は、前記シリコンウェーハの中心側に向かうように、前記シリコンウェーハの主面の法線方向に対して、10°以上90°以下の範囲の傾斜角度で傾斜している、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項17】
側面視において、前記エッチング液を供給する供給管は、前記シリコンウェーハの中心側に向かうように、前記シリコンウェーハの主面の法線方向に対して、10°以上90°以下の範囲の傾斜角度で傾斜している、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項18】
前記表層改質工程及び前記エッチング工程におけるスピン回転速度は、100rpm以上500rpm以下の範囲である、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項19】
請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法を行うことを含むことを特徴とする、シリコンウェーハの製造方法。
【請求項20】
直径が300mmであり、ウェーハ面内のHaze値の最大値と最小値の差が0.02ppm以下であることを特徴とする、シリコンウェーハ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンウェーハの洗浄方法、シリコンウェーハの製造方法、及びシリコンウェーハに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、枚葉式スピン洗浄機を用いた半導体ウェーハ(シリコンウェーハ)において、表面に酸化膜が形成された状態のシリコンウェーハからフッ酸等の洗浄液によって酸化膜を除去する洗浄工程が行われるのが一般的である。
【0003】
上記のような洗浄を行った場合、シリコンウェーハの表面粗さ(Haze)のウェーハ面内での均一性が悪化する場合があった。これに対し、例えば、特許文献1では、洗浄液を吐出して酸化膜を除去する際に、回転数を変化させながら洗浄することにより、シリコンウェーハの表面粗さのウェーハ面内での均一性の悪化を抑制することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許6399173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような手法によっても、シリコンウェーハの表面粗さのウェーハ面内での均一性の改善は十分ではなく、さらなる改善が希求されていた。
【0006】
そこで、本発明は、表面粗さのウェーハ面内での均一性の悪化を抑制することのできる、シリコンウェーハの洗浄方法及びシリコンウェーハの製造方法、並びに、表面粗さのウェーハ面内での均一性の悪化が抑制された、シリコンウェーハを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)スピン洗浄機を用いた枚葉式のシリコンウェーハの洗浄方法であって、
前記シリコンウェーハを、回転中心を中心として回転させながら酸化剤溶液を供給して、前記シリコンウェーハの表層を改質する、表層改質工程と、
前記シリコンウェーハを、前記回転中心を中心として回転させながらエッチング液を供給して、前記表層改質工程後の前記シリコンウェーハの表層をエッチングする、エッチング工程と、を含み、
平面視において、前記表層改質工程における前記酸化剤溶液の供給位置及び前記エッチング工程における前記エッチング液の供給位置は、それぞれ、前記回転中心から径方向に離間して位置し、
平面視において、前記酸化剤溶液の供給位置と前記エッチング液の供給位置とは、前記回転中心を挟んで対向して位置することを特徴とする、シリコンウェーハの洗浄方法。
ここで、酸化剤溶液及びエッチング液の「供給位置」は、酸化剤溶液やエッチング液の供給管の延在方向の延長線とシリコンウェーハの表面との交点の位置をいう。「平面視において」とは、図3に示すような、ウェーハ表面の平面における位置関係を意味する。
【0008】
(2)前記酸化剤溶液の供給位置及び前記エッチング液の供給位置は、それぞれ、前記回転中心から6mm以上13mm以下の範囲内で径方向に離間している、前記(1)に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【0009】
(3)前記酸化剤溶液の供給位置の前記回転中心からの離間距離と、前記エッチング液の供給位置の前記回転中心からの離間距離との差は、2mm以下である、前記(1)又は(2)に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【0010】
(4)前記酸化剤溶液の供給位置の前記回転中心からの離間距離と、前記エッチング液の供給位置の前記回転中心からの離間距離とは、等しい、前記(3)に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【0011】
(5)平面視において、前記回転中心を中心とするとき、前記回転中心、前記酸化剤溶液の供給位置、及び前記エッチング液の供給位置のなす中心角は、90°超である、前記(1)~(4)のいずれか1つに記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【0012】
(6)平面視において、前記回転中心を中心とするとき、前記回転中心、前記酸化剤溶液の供給位置、及び前記エッチング液の供給位置のなす中心角は、150°以上である、前記(5)に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【0013】
(7)平面視において、前記回転中心、前記酸化剤溶液の供給位置、及び前記エッチング液の供給位置は、一直線上に位置する、前記(6)に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【0014】
(8)平面視において、前記酸化剤溶液の供給位置と前記エッチング液の供給位置とは、前記回転中心を中心として互いに点対称である、前記(1)~(7)のいずれか1つに記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【0015】
(9)前記表層改質工程及び前記エッチング工程は、前記シリコンウェーハの中心を前記回転中心から偏心させながら行う、前記(1)~(8)のいずれか1つに記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【0016】
(10)前記表層改質工程及び前記エッチング工程は、前記シリコンウェーハの中心を前記回転中心から1mm超10mm以下の範囲で偏心させながら行う、前記(9)に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【0017】
(11)前記酸化剤溶液の供給位置の前記回転中心からの離間距離、及び、前記エッチング液の供給位置の前記回転中心からの離間距離は、それぞれ、前記シリコンウェーハの中心の前記回転中心からの偏心の距離よりも大きい、前記(9)又は(10)に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【0018】
(12)前記酸化剤溶液は、オゾン水である、前記(1)~(11)のいずれか1つに記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【0019】
(13)前記エッチング液は、フッ化水素の水溶液である、前記(1)~(12)のいずれか1つに記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【0020】
(14)前記酸化剤溶液と前記エッチング液とが混ざり合うプロセスを含む、前記(1)~(13)のいずれか1つに記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【0021】
(15)ウェーハ面内のHaze値の最大値と最小値の差が0.02ppm以下となるように洗浄する、前記(1)~(14)のいずれか1つに記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
ここで、「Haze値」は、KLA-Tencor社製SP2を使用し、DWO ModeのHaze値をいうものとする。ウェーハ面内のHaze値の最大値と最小値の差は、DWO Modeで測定したHaze値を、径方向に1mm間隔で周方向平均を算出し、その周方向の平均値の径方向全域での最大値と最小値の差を算出することで求めるものとする。
【0022】
(16)側面視において、前記酸化剤溶液を供給する供給管は、前記シリコンウェーハの中心側に向かうように、前記シリコンウェーハの主面の法線方向に対して、10°以上90°以下の範囲の傾斜角度で傾斜している、前記(1)~(15)のいずれか1つに記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【0023】
(17)側面視において、前記エッチング液を供給する供給管は、前記シリコンウェーハの中心側に向かうように、前記シリコンウェーハの主面の法線方向に対して、10°以上90°以下の範囲の傾斜角度で傾斜している、前記(1)~(16)のいずれか1つに記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【0024】
(18)前記表層改質工程及び前記エッチング工程におけるスピン回転速度は、100rpm以上500rpm以下の範囲である、前記(1)~(17)のいずれか1つに記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【0025】
(19)前記(1)~(18)のいずれか1つに記載のシリコンウェーハの洗浄方法を行うことを含むことを特徴とする、シリコンウェーハの製造方法。
【0026】
(20)直径が300mmであり、ウェーハ面内のHaze値の最大値と最小値の差が0.02ppm以下であることを特徴とする、シリコンウェーハ。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、表面粗さのウェーハ面内での均一性の悪化を抑制することのできる、シリコンウェーハの洗浄方法及びシリコンウェーハの製造方法、並びに、表面粗さのウェーハ面内での均一性の悪化が抑制された、シリコンウェーハを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態にかかるシリコンウェーハの洗浄方法のフローチャートである。
図2】シリコンウェーハ、並びに、酸化剤溶液及びエッチング液の供給管の位置関係を模式的に示す図である。
図3】シリコンウェーハ、並びに、酸化剤溶液及びエッチング液の供給管の位置関係を模式的に示す平面図である。
図4】実施例の結果を示す図である。
図5】発明例2と比較例1との比較結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。
【0030】
<シリコンウェーハの洗浄方法>
図1は、本発明の一実施形態にかかるシリコンウェーハの洗浄方法のフローチャートである。図2は、シリコンウェーハ、並びに、酸化剤溶液及びエッチング液の供給管の位置関係を模式的に示す図である。図3は、シリコンウェーハ、並びに、酸化剤溶液及びエッチング液の供給管の位置関係を模式的に示す平面図である。
【0031】
本実施形態のシリコンウェーハ(以下、単にウェーハとも称する)の洗浄方法は、枚葉式スピン洗浄機を用いた、枚葉式のシリコンウェーハの洗浄方法である。ここでいう、枚葉式シリコンウェーハの洗浄方法とは、回転中心Оを中心軸として水平方向にウェーハを回転させた状態で、所望とする薬液を供給管からウェーハ表面に向けて供給することによりウェーハ表面を清浄する方法を意味する。図1に示すように、本実施形態の方法では、まず、シリコンウェーハWを、回転中心Оを中心として回転させながら酸化剤溶液を供給して、シリコンウェーハWの表層を改質する(表層改質工程:ステップS101)。この工程では、シリコンウェーハWを回転させながら、供給管1を介してシリコンウェーハWの表面に酸化剤溶液(本例では、オゾン水)を供給し、シリコンウェーハWの表面に接触させ、シリコンウェーハWの表面上に自然酸化膜を形成する。なお、ステップS101に先立って、適宜、パーティクルやメタル除去を目的とした洗浄を行うこともできる。
【0032】
酸化剤溶液は、オゾン水とすることが好ましい。オゾン水の濃度は、15~30ppmの範囲内であることが好ましい。オゾン水の濃度を15ppm以上とすることにより、十分な厚さの自然酸化膜を形成することができ、一方で、オゾンの水への溶解限界に鑑みると、濃度の上限は、30ppm程度となる。ここでのppmとは、重量比を表したものである。オゾン水の流量は、0.5~2.0L/minとすることが好ましい。オゾン水による処理時間は、15~60秒とすることが好ましい。
【0033】
図2図3の例では、ウェーハの中心ОWfは、回転中心Оに対して偏心している。すなわち、本例では、表層改質工程(ステップS101)及びエッチング工程(ステップS102)は、シリコンウェーハWの中心ОWfを回転中心Оから偏心させながら行う。特には限定されないものの、表層改質工程(ステップS101)及びエッチング工程(ステップS102)は、シリコンウェーハWの中心ОWfを回転中心Оから1mm超10mm以下の範囲で偏心させながら行うことが好ましい。
【0034】
ここで、図3に示すように、本実施形態では、平面視において、表層改質工程(ステップS101)における酸化剤溶液(本例ではオゾン水)の供給位置Aは、回転中心Оから径方向(径方向外側)に離間して位置している。特には限定されないが、酸化剤溶液の供給位置Aは、回転中心Оから6mm以上13mm以下の範囲内で径方向(径方向外側)に離間していることが好ましい。また、酸化剤溶液の供給位置Aの回転中心Оからの(径方向の)離間距離は、シリコンウェーハWの中心ОWfの回転中心Оからの偏心の(径方向の)距離よりも大きいことが好ましい。ただし、酸化剤溶液の供給位置Aの回転中心Оからの(径方向の)離間距離は、シリコンウェーハWの中心ОWfの回転中心Оからの偏心の(径方向の)距離以下とすることもできる。
【0035】
また、図2に示すように、側面視において、酸化剤溶液を供給する供給管1は、シリコンウェーハの(外周側ではなく)中心О側に向かうように、シリコンウェーハの主面の法線方向に対して、10°以上90°以下の範囲の傾斜角度で傾斜していることが好ましい。同様に、エッチング液を供給する供給管2は、シリコンウェーハの(外周側ではなく)中心О側に向かうように、シリコンウェーハの主面の法線方向に対して、10°以上90°以下の範囲の傾斜角度で傾斜していることが好ましい。供給管1、2を上記のようにシリコンウェーハの中心部に向けて傾斜させて液供給することにより、シリコンウェーハの中心部への液供給不足を抑制することができる。供給管1、2の傾斜角度は、シリコンウェーハの中心位置から供給位置までの距離に応じて調整することができる。なお、ウェーハ回転中心О、酸化剤溶液の供給位置A、及びエッチング液の供給位置Bを一直線上に位置させた場合は、それぞれの供給先が同じ箇所に向かって相対向するように供給管1、2が傾斜することとなるため、酸化剤溶液とエッチング液とが同時に供給される際に液ハネが発生し、跳ねた薬液が供給ノズル等のパーツに付着し、その液滴がウェーハ上で垂れることで、LPD等の品質が低下する懸念がある。従って、О、A、Bが一直線上に位置する場合、供給管1及び供給管2による液の供給が同じ箇所に対向して供給されないように、いずれか一方の供給管の傾斜方向を周方向にずらすようにすることが望ましい。
【0036】
次いで、シリコンウェーハWを、回転中心Оを中心として回転させながらエッチング液を供給して、表層改質工程(ステップS101)後のシリコンウェーハWの表層をエッチングする(エッチング工程:ステップS102)。この工程では、シリコンウェーハWを回転させながら、供給管2を介してシリコンウェーハWの表面にエッチング液(本例では、フッ化水素の水溶液、例えばフッ酸)を供給し、シリコンウェーハWの表面に接触させる。これにより、表面改質工程(ステップS101)で形成された自然酸化膜がエッチングされる。なお、この工程(ステップS102が複数回行われる場合は、少なくとも最後のエッチング工程)では、自然酸化膜が残存する程度のエッチング量とする。
【0037】
エッチング液は、フッ化水素の水溶液とすることが好ましい。フッ化水素の水溶液の濃度は、0.5~3.0wt%の範囲内であることが好ましい。フッ化水素の水溶液の濃度を0.5wt%以上とすることにより、十分なエッチング作用を得ることができ、一方で、フッ化水素の水溶液の濃度を3.0wt%以下とすることにより、過剰なエッチングを抑制することができるからである。フッ化水素の水溶液の流量は、0.5~2.0L/minとすることが好ましい。フッ化水素の水溶液による処理時間は、1~10秒とすることが好ましい。
【0038】
図3に示すように、本実施形態では、平面視において、エッチング液の供給位置Bは、それぞれ、回転中心Оから径方向(径方向外側)に離間して位置している。特には限定されないが、エッチング液の供給位置Bは、回転中心Оから6mm以上13mm以下の範囲内で径方向(径方向外側)に離間している。また、エッチング液の供給位置Bの回転中心Оからの(径方向の)離間距離は、シリコンウェーハWの中心ОWfの回転中心Оからの偏心の(径方向の)距離よりも大きいことが好ましい。ただし、エッチング液の供給位置Bの回転中心Оからの(径方向の)離間距離は、シリコンウェーハWの中心ОWfの回転中心Оからの偏心の(径方向の)距離以下とすることもできる。
ここで、図3に示すように、平面視において、酸化剤溶液の供給位置Aとエッチング液の供給位置Bとは、回転中心Оを挟んで対向して位置している。
酸化剤溶液の供給位置Aの回転中心Оからの離間距離と、エッチング液の供給位置Bの回転中心Оからの離間距離との差は、2mm以下であることが好ましく、酸化剤溶液の供給位置Aの回転中心Оからの離間距離と、エッチング液の供給位置Bの回転中心Оからの離間距離とは、等しいことがさらに好ましい。
【0039】
平面視において、回転中心Оを中心とするとき、回転中心О、酸化剤溶液の供給位置A、及びエッチング液の供給位置Bのなす中心角AОBは、90°超であることが好ましく、150°以上であることがさらに好ましく、図3に示すように、平面視において、回転中心О、酸化剤溶液の供給位置A、及びエッチング液の供給位置Bは、一直線上に位置することが特に好ましい。図3に示すように、平面視において、酸化剤溶液の供給位置Aとエッチング液の供給位置Bとは、回転中心Оを中心として互いに点対称であるであることが特に好ましい。
【0040】
本実施形態においては、図1に示すように、表層改質工程(ステップS101)及びエッチング工程(ステップS102)を所定の回数(例えば2~4回)繰り返した後、後述のリンス工程(ステップS103)へと進む。なお、表層改質工程(ステップS101)及びエッチング工程(ステップS102)は、必ずしも繰り返して行う必要はない。また、リンス工程(ステップS103)も含めて、表層改質工程(ステップS101)、エッチング工程(ステップS102)、及びリンス工程(ステップS103)を(例えば2~4回)繰り返し行うこともできる。表層改質工程(ステップS101)及びエッチング工程(ステップS102)を行うことで、酸化剤溶液とエッチング液とが混ざり合うプロセスを含むこととなる。
【0041】
次いで、リンス液を用いたリンス処理(リンス工程:ステップS103)を行う。この工程では、シリコンウェーハWを回転させながら、リンス液(例えばオゾン水)をシリコンウェーハ表面に供給し、シリコンウェーハWの表面の異物を洗い流す。供給位置は回転中心Oからずらさなくても良いが、ステップS101において酸化剤溶液を供給した際の位置から供給管1の移動を行わずに供給することで洗浄時間の短縮ができるため、回転中心Oからずらしたままでも良い。リンスには純水を使用することもできるが、純水が有機物等で汚染されていた場合、オゾン処理により有機物が分解できるため、オゾン処理をしたオゾン水を用いることが好ましい。
【0042】
ステップS101~ステップS103において、洗浄時のスピン回転速度(シリコンウェーハWの回転数)は、100~500rpmの範囲内であることが好ましい。
【0043】
以下、本実施形態にかかるシリコンウェーハの洗浄方法の作用効果について説明する。
本実施形態のシリコンウェーハの洗浄方法は、上述の通り、平面視において、表層改質工程(ステップS101)における酸化剤溶液の供給位置A及びエッチング工程(S102)におけるエッチング液の供給位置Bは、それぞれ、回転中心Оから径方向に離間して位置している。また、平面視において、酸化剤溶液の供給位置Aとエッチング液の供給位置Bとは、回転中心Оを挟んで対向して位置している。
ここで、酸化剤溶液の供給位置A及びエッチング液の供給位置Bのいずれか一方の薬液が、回転中心Оにおいて供給され、他方の薬液が回転中心Оから離間した位置で供給される場合、当該一方の薬液は、遠心力が小さい回転中心Оで供給されるのに対し、当該他方の薬液は、遠心力で径方向外側への力を受けることとなるため回転中心О付近に流入しづらく、薬液同士が共存して化学反応することによる表面粗さの上昇が生じにくく、従って、回転中心О付近でのHaze値が、ウェーハ面内の他の位置よりも低くなって、ウェーハ面内の表面粗さのウェーハ面内での均一性が悪化してしまう。
一方で、酸化剤溶液の供給位置A及びエッチング液の供給位置Bを共に回転中心Оで供給しても、回転中心Оは遠心力が小さく、薬液が回転中心О付近で滞留して薬液同士の化学反応時間が長くなる結果、回転中心О付近での表面粗さの上昇が生じにくくなり、従って、回転中心О付近でのHaze値が、ウェーハ面内の他の位置よりも低くなって、ウェーハ面内での表面粗さのウェーハ面内での均一性が悪化してしまう。
これに対し、本実施形態では、平面視において、表層改質工程(ステップS101)における酸化剤溶液の供給位置A及びエッチング工程(S102)におけるエッチング液の供給位置Bは、それぞれ、回転中心Оから径方向に離間して位置し、且つ、平面視において、酸化剤溶液の供給位置Aとエッチング液の供給位置Bとは、回転中心Оを挟んで対向して位置している。これにより、両薬液が回転中心О付近で適度な時間共存して化学反応するようにし、回転中心О付近での表面粗さをウェーハ面内の他の位置と同程度に上昇させて、ウェーハ面内の表面粗さのウェーハ面内での均一性の悪化を抑制することができる。
なお、平面視において、表層改質工程(ステップS101)における酸化剤溶液の供給位置A及びエッチング工程(S102)におけるエッチング液の供給位置Bが、それぞれ、回転中心Оから径方向に離間して位置している場合であっても、平面視において、酸化剤溶液の供給位置Aとエッチング液の供給位置Bとが、回転中心Оを挟んで対向していない場合には、やはり、回転中心О付近で両薬液が共存しにくく、回転中心О付近でのHaze値が、ウェーハ面内の他の位置よりも低くなって、ウェーハ面内での表面粗さのウェーハ面内での均一性が悪化してしまう。
以上のように本実施形態のシリコンウェーハの洗浄方法によれば、ウェーハ面内の表面粗さのウェーハ面内での均一性の悪化を抑制することができる。特には限定されないものの、後述の実施例でも示されている通り、洗浄後の、ウェーハ面内のHaze値の最大値と最小値の差が0.02ppm以下となり得る。
【0044】
上述したように、酸化剤溶液の供給位置A及びエッチング液の供給位置Bは、それぞれ、回転中心Оから6mm以上13mm以下の範囲内で径方向に離間していることが好ましい。離間距離を6mm以上とすることにより、両薬液の反応時間をより適度なものにすることができ、一方で、離間距離を13mm以下とすることで、回転中心О付近に両薬液が十分に供給されるようにすることができるからである。
また、上述したように、酸化剤溶液の供給位置Aの回転中心Оからの離間距離と、エッチング液の供給位置Bの回転中心Оからの離間距離との差は、2mm以下であることが好ましく、酸化剤溶液の供給位置Aの回転中心Оからの離間距離と、エッチング液の供給位置Bの回転中心Оからの離間距離とは、等しいことがより好ましい。洗浄後のシリコンウェーハの表面粗さのウェーハ面内での均一性をより一層改善することができるからである。
【0045】
平面視において、回転中心Оを中心とするとき、回転中心О、酸化剤溶液の供給位置A、及びエッチング液の供給位置Bのなす中心角AOBは、90°超であることが好ましく、150°以上であることがより好ましく、平面視において、回転中心О、酸化剤溶液の供給位置A、及びエッチング液の供給位置Bは、一直線上に位置することがさらに好ましく、平面視において、酸化剤溶液の供給位置Aとエッチング液の供給位置Bとは、回転中心Оを中心として互いに点対称であることが特に好ましい。回転中心О付近に両薬液が十分に供給され、適度な時間で化学反応するようにして、洗浄後のシリコンウェーハの表面粗さのウェーハ面内での均一性をより一層改善することができるからである。
【0046】
上述したように、表層改質工程(ステップS101)及びエッチング工程(ステップS102)は、シリコンウェーハWの中心ОWfを回転中心Оから偏心させながら行うことができ、この場合、シリコンウェーハWの中心ОWfを回転中心Оから1mm超10mm以下の範囲で偏心させながら行うことが好ましい。これらの場合において、酸化剤溶液の供給位置Aの回転中心Оからの離間距離、及び、エッチング液の供給位置Bの回転中心Оからの離間距離は、それぞれ、シリコンウェーハWの中心ОWfの回転中心Оからの偏心の距離よりも大きいことが好ましい。回転中心О付近に両薬液が十分に供給されるようにして、洗浄後のシリコンウェーハの表面粗さのウェーハ面内での均一性をより一層改善することができるからである。
【0047】
<シリコンウェーハの製造方法>
本発明の一実施形態にかかるシリコンウェーハの製造方法は、上記の実施形態にかかるシリコンウェーハの洗浄方法を行うことを含むものである。その他の工程は、既知の通り、インゴット引き上げ工程、スライス工程、研磨工程等を含むことができる。本実施形態のシリコンウェーハの製造方法によれば、ウェーハ面内の表面粗さのウェーハ面内での均一性の悪化を抑制することができる。特には限定されないものの、後述の実施例でも示されている通り、洗浄後の、ウェーハ面内のHaze値の最大値と最小値の差が0.02ppm以下となり得る。
【0048】
<シリコンウェーハ>
本発明の一実施形態にかかるシリコンウェーハは、後述の実施例でも示されるように、洗浄後において、ウェーハ面内のHaze値の最大値と最小値の差が0.02ppm以下である。また、本発明の一実施形態にかかるシリコンウェーハは、一例として、直径が300mmである。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、ウェーハWの中心ОWfが回転中心Оに対して偏心している場合について例示説明したが、ウェーハWの中心ОWfが回転中心Оに対して偏心しない場合であっても、本開示の内容を適用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない、
【実施例0050】
本発明の効果を確かめるため、直径300mmのp型エピタキシャルシリコンウェーハを用いて、ウェーハの洗浄を行い、洗浄後のウェーハ面内のHaze値を評価した。洗浄機は、ウェーハの中心が回転中心から径方向に5mm偏心する枚葉式スピン洗浄機を用いた。酸化剤溶液としては、オゾン水を用いた。オゾン水の流量は1.25L/minとし、オゾン水の濃度は25ppmとした。また、オゾン水の供給管の、シリコンウェーハの主面の法線方向に対する傾斜角度θ1は、70°とした。エッチング液としては、フッ酸を用いた。フッ酸の流量は0.8L/minとし、フッ酸の濃度は1.0wt%とした。フッ酸の供給管の、シリコンウェーハの主面の法線方向に対する傾斜角度θ2は、0°とした。スピン回転速度は300rpmにて、オゾン水による酸化膜付け処理とフッ酸による酸化膜除去処理を交互に複数回繰り返し、最後にオゾン水にてリンスし、高速回転(1500rpm)で乾燥させた。オゾン水及びフッ酸を供給する供給管は、シリコンウェーハの中心側に向かうように傾斜させた。
【0051】
比較例1では、平面視におけるオゾン水の供給位置及びフッ酸の供給位置を回転中心位置とした。また、比較例2~5では、平面視におけるオゾン水の供給位置及びフッ酸の供給位置を、回転中心から径方向に離間した同位置とした。発明例1~4では、平面視におけるオゾン水の供給位置及びフッ酸の供給位置を、回転中心から径方向に離間し、回転中心に対して互いに点対称な位置とした。ウェーハの表面粗さ(Haze値)の測定は、KLA-Tencor社製SP2を使用し、DWO ModeのHaze値を測定した。そして、測定したHaze値を、径方向に1mm間隔で周方向平均を算出し、その周方向の平均値の径方向全域での最大値と最小値の差を算出することで求めた。
発明例1~4及び比較例1~5のその他の諸元及び評価結果は、以下の表1、表2、図4図5に示している。図4における縦軸は、Haze値(ppm)、図5における縦軸は、Haze値を規格化したものを示している。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
表1、表2、図4、及び図5に示すように、発明例1~4では、比較例1~5と比べて、Haze値の面内バラつきを低減することができたことがわかる。特に、発明例2と比較例1との対比により、発明例2では、ウェーハ面内の表面粗さのウェーハ面内での均一性が改善したことがわかる。
【符号の説明】
【0055】
1:供給管、
2:供給管
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピン洗浄機を用いた枚葉式のシリコンウェーハの洗浄方法であって、
前記シリコンウェーハを、回転中心を中心として回転させながら酸化剤溶液を供給して、前記シリコンウェーハの表層を改質する、表層改質工程と、
前記シリコンウェーハを、前記回転中心を中心として回転させながらエッチング液を供給して、前記表層改質工程後の前記シリコンウェーハの表層をエッチングする、エッチング工程と、を含み、
平面視において、前記表層改質工程における前記酸化剤溶液の供給位置及び前記エッチング工程における前記エッチング液の供給位置は、それぞれ、前記回転中心から径方向に離間して位置し、
平面視において、前記酸化剤溶液の供給位置と前記エッチング液の供給位置とは、前記回転中心を挟んで対向して位置することを特徴とする、シリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項2】
前記酸化剤溶液の供給位置及び前記エッチング液の供給位置は、それぞれ、前記回転中心から6mm以上13mm以下の範囲内で径方向に離間している、請求項1に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項3】
前記酸化剤溶液の供給位置の前記回転中心からの離間距離と、前記エッチング液の供給位置の前記回転中心からの離間距離との差は、2mm以下である、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項4】
前記酸化剤溶液の供給位置の前記回転中心からの離間距離と、前記エッチング液の供給位置の前記回転中心からの離間距離とは、等しい、請求項3に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項5】
平面視において、前記回転中心を中心とするとき、前記回転中心、前記酸化剤溶液の供給位置、及び前記エッチング液の供給位置のなす中心角は、90°超である、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項6】
平面視において、前記回転中心を中心とするとき、前記回転中心、前記酸化剤溶液の供給位置、及び前記エッチング液の供給位置のなす中心角は、150°以上である、請求項5に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項7】
平面視において、前記回転中心、前記酸化剤溶液の供給位置、及び前記エッチング液の供給位置は、一直線上に位置する、請求項6に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項8】
平面視において、前記酸化剤溶液の供給位置と前記エッチング液の供給位置とは、前記回転中心を中心として互いに点対称である、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項9】
前記表層改質工程及び前記エッチング工程は、前記シリコンウェーハの中心を前記回転中心から偏心させながら行う、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項10】
前記表層改質工程及び前記エッチング工程は、前記シリコンウェーハの中心を前記回転中心から1mm超10mm以下の範囲で偏心させながら行う、請求項9に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項11】
前記酸化剤溶液の供給位置の前記回転中心からの離間距離、及び、前記エッチング液の供給位置の前記回転中心からの離間距離は、それぞれ、前記シリコンウェーハの中心の前記回転中心からの偏心の距離よりも大きい、請求項9に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項12】
前記酸化剤溶液は、オゾン水である、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項13】
前記エッチング液は、フッ化水素の水溶液である、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項14】
前記酸化剤溶液と前記エッチング液とが混ざり合うプロセスを含む、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項15】
ウェーハ面内のHaze値の最大値と最小値の差が0.02ppm以下となるように洗浄する、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項16】
側面視において、前記酸化剤溶液を供給する供給管は、前記シリコンウェーハの中心側に向かうように、前記シリコンウェーハの主面の法線方向に対して、10°以上90°以下の範囲の傾斜角度で傾斜している、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項17】
側面視において、前記エッチング液を供給する供給管は、前記シリコンウェーハの中心側に向かうように、前記シリコンウェーハの主面の法線方向に対して、10°以上90°以下の範囲の傾斜角度で傾斜している、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項18】
前記表層改質工程及び前記エッチング工程におけるスピン回転速度は、100rpm以上500rpm以下の範囲である、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法。
【請求項19】
請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの洗浄方法を行うことを含むことを特徴とする、シリコンウェーハの製造方法。