(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171662
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】発光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20241205BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20241205BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088798
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100138863
【弁理士】
【氏名又は名称】言上 惠一
(72)【発明者】
【氏名】岸野 晃丈
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA81
5F142BA32
5F142CA11
5F142CA13
5F142CB11
5F142CD02
5F142CD13
5F142CD17
5F142CD18
5F142CD44
5F142CD47
5F142CG03
5F142CG04
5F142CG05
5F142CG24
5F142DA14
5F142DB02
5F142DB12
5F142DB13
5F142DB24
5F142FA41
5F142FA46
5F142FA48
5F142GA02
(57)【要約】
【課題】歩留まりを低下させることなく製造効率を高くできる発光装置の製造方法を提供する。
【解決手段】光源が配置された少なくとも1つの基板部と、基板部と連続する枠部とを含み、基板部の外周ラインの一部に沿って貫通部が配置された集合基板を準備する集合基板準備工程と、基板部を集合基板から分離する分離工程と、を含み、分離工程は、集合基板を、貫通部に跨って配置される押さえ治具によって基板部の上面と枠部の上面とを押さえることにより集合基板を支持する工程と、押さえ治具から露出する外周ラインに沿ってレーザ光を走査して照射する工程と、を含む。
【選択図】
図4C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源が配置された少なくとも1つの基板部と、前記基板部と連続する枠部とを含み、前記基板部の外周ラインの一部に沿って貫通部が配置された集合基板を準備する集合基板準備工程と、
前記基板部を前記集合基板から分離する分離工程と、を含み、
前記分離工程は、
前記集合基板を、前記貫通部に跨って配置される押さえ治具によって前記基板部の上面と前記枠部の上面とを押さえることにより前記集合基板を支持する集合基板支持工程と、
前記押さえ治具から露出する前記外周ラインに沿ってレーザ光を走査して照射する照射工程と、を含む発光装置の製造方法。
【請求項2】
前記分離工程において、前記集合基板は、該集合基板の下方に配置される集合基板支持部材により支持されている、請求項1記載の発光装置の製造方法。
【請求項3】
前記集合基板支持部材は、前記貫通部に跨って前記基板部の一部と前記枠部の一部とを支持する、請求項2に記載の発光装置の製造方法。
【請求項4】
前記照射工程は、前記レーザ光を前記押さえ治具から露出する前記外周ライン全体に1回走査して照射する1サイクル照射を複数回含む、請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項5】
前記分離工程の後、前記基板部における前記発光素子の上方にレンズ部材を配置するレンズ部材配置工程をさらに含む、請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項6】
前記集合基板準備工程において、
1つの前記基板部及び該基板部に連続する前記枠部を含む矩形の単位領域を複数含み、
複数の前記単位領域は、n行m列(n≧2,m≧2)のマトリクス状に配列された集合基板を準備する、請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項7】
前記集合基板準備工程において、前記貫通部がそれぞれ前記矩形の単位領域の一つの対角線上に配置された集合基板を準備する請求項6に記載の発光装置の製造方法。
【請求項8】
前記集合基板支持工程において、前記押さえ治具は、前記一つの対角線の延伸方向である第1方向に隣接する単位領域に配置された複数の基板部に跨って配置される請求項7に記載の発光装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1方向に隣接する単位領域に配置された押さえ治具は、隣接する単位領域それぞれの枠部を押さえる請求項8に記載の発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記集合基板支持部材は、前記基板部の下面に接する基板部支持部と、前記枠部の下面に接する枠部支持部と、前記基板部支持部及び前記枠部支持部を支持する支持板と、を含み、
前記基板部支持部及び前記枠部支持部は前記支持板の上面に配置されている請求項2に記載の発光装置の製造方法。
【請求項11】
前記支持板は、上面から下面に貫通する集塵孔を有する請求項10に記載の発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子が配置された基板にレンズが接着された発光装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような発光装置においては、製造効率を高くすることが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施形態に係る発光装置の製造方法は、製造効率を高くできる発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態に係る発光装置の製造方法は、
光源が配置された少なくとも1つの基板部と、前記基板部と連続する枠部とを含み、前記基板部の外周ラインの一部に沿って貫通部が配置された集合基板を準備する集合基板準備工程と、
前記基板部を前記集合基板から分離する分離工程と、を含み、
前記分離工程は、
前記集合基板を、前記貫通部に跨って配置される押さえ治具によって前記基板部の上面と前記枠部の上面とを押さえることにより前記集合基板を支持する集合基板支持工程と、
前記押さえ治具から露出する前記外周ラインに沿ってレーザ光を走査して照射する照射工程と、
を含む。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一実施形態に係る発光装置の製造方法は、製造効率を高くできる発光装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の実施形態に係る発光装置の概略上面図である。
【
図2】
図1の発光装置のII-II線断面を示す図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る発光装置の製造方法を示すブロック図である。
【
図4A】
図3Aの基板部集合体準備工程により準備する集合基板の概略上面図である。
【
図4B】
図3Aの基板部集合体準備工程により準備する基板部集合体の概略上面図である。
【
図4C】
図3Aの基板部集合体支持工程において基板部集合体を支持したときの概略上面図である。
【
図4D】
図4CのIVD-IVD線断面の一部を示す断面図である。
【
図4E】
図4CのIVE-IVE線断面の一部を示す断面図である。
【
図4F】
図3Aの基板部集合体支持工程における集合基板支持部材を示す概略上面図である。
【
図4G】
図3Aの基板部集合体支持工程における押さえ治具を示す概略上面図である。
【
図4H】
図3Aのレンズ部材配置工程を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る実施形態を説明する。なお、以下に説明する、本開示に係る発光装置及び発光装置の製造方法は、本開示の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本開示に係る発明を以下のものに限定しない。
各図面中、同一の機能を有する部材には、同一符号を付している場合がある。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示す場合があるが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。断面図として、切断面のみを示す端面図を用いる場合がある。
【0009】
(発光装置)
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る発光装置の製造方法によって製造される発光装置1は、例えば、基板2と、基板2の上面に配置された光源13と、光源13を覆うように基板2上に配置されるレンズ部材5と、を含む。
【0010】
(基板)
基板2は、光源13が配置される部材である。基板2は、基体3と、配線4と、を含む。
基板2は、上面3aと、下面3bと、上面3a及び下面3bを接続する側面3cと、を有する。基板2は、例えば、平板状の部材である。基板2は、上面視において、レンズ部材5に内包されている。
配線4は、
図2に示すように、基板2の上面3a及び下面3bに配置されている。配線4は、基板2の上面3aに配置される第1配線4aと、基板2の下面3bに配置される第2配線4bとを含む。第1配線4aと第2配線4bとは、ビア等の内層配線を介して電気的に接続されている。第1配線4aには、発光素子13aが電気的に接続される。第2配線4bは、発光装置1の外部電極として機能する。
基体3としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム等のセラミック基板、アルミニウム、銅等の金属基板、ガラスエポキシ等の樹脂基板等を挙げることができる。また、配線4は、発光素子13aに電力を供給する配線であり、基体3の上面に所定形状にパターニングされている。配線4は、金属材料を用いることができ、例えば、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、ロジウム(Rh)、銅(Cu)、チタン(Ti)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、タングステン(W)等の単体金属またはこれらの金属を含む合金を好適に用いることができる。
【0011】
(光源)
発光装置1において、発光素子13aを含む光源13が基板2上に配置されている。光源13は、少なくとも1つの発光素子13aを含む。ここでは、光源13は、発光素子13aと、発光素子13aの側面を被覆する被覆部材15と、発光素子13aの上面に配置される透光性部材14とを備える。透光性部材14の上面は光源13の発光面として、被覆部材15から露出している。光源13は一例として略直方体形状であり、上面に発光面を備え、下面に正負の電極13bを備える。光源13は、はんだ、バンプ等の当該分野で公知の接合部材12を介して基板2上に配置されている。ここでは、2つの光源13が、側面同士を対向させて基板2上に配置されている。
【0012】
(発光素子)
発光素子13aは、例えばサファイア等の透光性の支持基板と半導体構造体とを備える。半導体構造体は、例えば、支持基板側から順に、n側半導体層と活性層とp側半導体層とを備えている。紫外光や、青色光から緑色光の可視光を発光可能な発光素子13aとしては、例えば、窒化物半導体であるInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)からなる化学式において組成比X及びYをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含む。半導体構造体は、n側半導体層と、活性層と、p側半導体層とを含む発光部を複数含んでいてもよい。半導体構造体が複数の発光部を含む場合、それぞれの発光部において、発光ピーク波長が異なる井戸層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ井戸層を含んでいてもよい。なお、発光素子13aの平面視形状は、例えば矩形形状であるが、円形、楕円形、三角形、六角形等の多角形であってもよい。発光素子13aは、同一面側に正負の電極を有するものが好ましく、これにより、基板2にフリップチップ実装することができる。
【0013】
(透光性部材)
透光性部材14は、平面視形状が略矩形形状の板状の部材であり、発光素子13aの上面を覆うように発光素子13a上に配置されている。透光性部材14は、透光性の樹脂や、セラミックス、ガラス等の無機物を用いることができる。樹脂としては、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。また、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。なかでも、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂又はその変性樹脂を好適に用いることができる。なお、ここでの透光性とは、発光素子13aからの光の60%以上を透過し得る性質を指す。さらに、透光性部材14は、光拡散部材や、発光素子13aからの光の少なくとも一部を波長変換する蛍光体を含有してもよい。蛍光体を含有する透光性部材14としては、上述した樹脂材料、セラミックス、ガラス等に蛍光体を含有させたものや、蛍光体の焼結体等が挙げられる。
【0014】
蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6Cl2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl3N4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)、SCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)若しくはBSESN系蛍光体((Ba,Sr)2Si5N8)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2Si0.99Al0.01F5.99:Mn)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I)3)、又は、量子ドット蛍光体(例えば、CdSe、InP、AgInS2、AgInSe2、AgInGaS2又はCuAgInS2)等を用いることができる。
【0015】
例えば、発光素子13aとして青色発光素子を用い、透光性部材14が黄色蛍光体を含むことにより白色光を発光する光源13とすることができる。
透光性部材14に含まれる光拡散部材としては、例えば、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素などを用いることができる。
透光性部材14は、蛍光体を含む透光層及び/又は光拡散部材を含む透光層を含む積層構造であってもよい。
【0016】
(被覆部材)
被覆部材15は、発光素子13aの側面を保護する部材であり、発光素子13aの側面を直接的に又は間接的に被覆する。被覆部材15はさらに透光性部材14の側面を被覆していてもよい。透光性部材14の上面は、被覆部材15から露出し、光源13の発光面(つまり主たる光取り出し面)を構成する。光取り出し効率の観点から、被覆部材15は、高い光反射性を有することが好ましい。被覆部材15は、例えば光反射性物質を含有する樹脂を用いることができる。光反射性物質としては、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、ムライト等が挙げられる。樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂を母材とすることが好ましい。なお、被覆部材15は、必要に応じて、可視光に対して透光性を有する部材で構成することもできる。また、被覆部材15は、必要に応じて、光反射性物質のほかに、カーボン等の光吸収性物質や、顔料、上述した蛍光体を含有することができる。
【0017】
(電子部品)
図1に示すように、発光装置1は、発光素子13aのほかに、電子部品11を含んでいてもよい。電子部品11は、例えば、受光素子、保護素子、コンデンサ、サーミスタ等である。電子部品11はそれぞれ、複数設けられていてもよい。電子部品11は、発光素子13aと同様に、基板2の配線4上に配置することができる。
【0018】
(レンズ部材)
レンズ部材5は、光源13から出射された光を所定の方向に出射させるための部材である。レンズ部材5は、主に光源13から出射された光が透過する光学機能部6と、光学機能部6を取り囲み、光学機能部6を支持するレンズ支持部7と、を含む。レンズ支持部7は、樹脂等の接着部材を介して基板2に固定される。接着部材としては、透光性の樹脂を用いることが好ましく、例えばシリコーン樹脂を好適に用いることができる。
【0019】
光学機能部6は、例えば、上面視形状が円形のレンズである。光学機能部6は、
図1に示すように、上面視において、少なくとも光源13と重なる位置に配置される。光学機能部6は、ここでは、一例としてフレネルレンズを使用している。フレネルレンズは、凹凸が配置された下面を光源13側に向けて、光源13から出射される光を入射させて、平坦な上面から出射させるように配置されている。光学機能部6としてフレネルレンズを用いることで、光学機能部6の厚みを薄くすることができる。これにより、発光装置1を小型化することができる。また、光学機能部6を薄くすることで、光学機能部6と光源13との間に空気層を配置し易くなる。空気層を配置することで、光源13からの光の広がりを調節することができる。なお、光学機能部6は、光源13の数に応じて各光源に対応する光軸を有するレンズ部を複数有していてもよい。一例として、発光装置1が2つの光源13を備える場合には、光学機能部6は、フレネルレンズで構成される2つのレンズを備える複眼レンズで構成される。
【0020】
図2に示すように、レンズ支持部7は、光学機能部6と連続している。レンズ部材5は、光学機能部6とレンズ支持部7とがそれぞれ別体でもよいが、光学機能部6とレンズ支持部7とが一体であることが好ましい。これにより、光学機能部6と光源13との位置決めを精度よく行うことができる。
レンズ支持部7は、基板2に接合される。レンズ支持部7は、少なくとも基板2の上面3aの外周及び側面3cと接着部材を介して接合される。
レンズ支持部7は、光学機能部6の外縁から側方に延在して、上面視で光学機能部6を囲むように配置されている。ここでは、光学機能部6の上面は平面であり、レンズ支持部7の上面は、光学機能部6と同じ高さになるように配置されている。
レンズ支持部7は、下面7a側に、下面7aに連なる段差部8を有する。段差部8は、基板2の上面の外周及び側面3cに嵌合するような形状の凹部である。段差部8には、基板2の上面3aの外周及び側面3cが配置され、段差部8と基板2の上面の外周及び側面3cとが接着部材を介して接合される。これにより、レンズ部材5と基板2とが固定される。
【0021】
2.製造方法
本実施形態に係る発光装置の製造方法は、
図3に示すように、
(1)光源13が配置された少なくとも1つの基板部21と、基板部21と連続する枠部22とを含み、前記基板部の外周ラインの一部に沿って貫通部が配置された集合基板を準備する集合基板準備工程S1と、
(2)基板部21を集合基板20から分離する分離工程S2と、
を含む。
ここで、集合基板準備工程S1は、基板準備工程S1-1と、光源配置工程S1-2とを含む。
また、分離工程S2は、集合基板20を、貫通部に跨って配置される押さえ治具によって基板部21の上面と枠部22の上面とを押さえることにより集合基板20を支持する集合基板支持工程S2-1と、
押さえ治具から露出する外周ラインに沿ってレーザ光LZを走査して照射するレーザ光照射工程S2-2と、
を含む。
【0022】
さらに、本実施形態に係る発光装置の製造方法は、
(3)分離工程S2の後、基板部21における光源13の上方にレンズ部材5を配置するレンズ部材配置工程S3を含んでいてもよい。
【0023】
以下、
図4Aから
図4Hを参照して各工程について詳細に説明する。
【0024】
(1)基板準備工程S1-1
図4Aは、基板準備工程S1-1において準備する基板20aの概略上面図である。ここで、本明細書において、基板部21を複数含む基板を符号20aを付して示し、
図1及び
図2に示す個々の発光装置1における基板2と区別する。
図4Aに示すように、基板20aは、複数の基板部21aと、枠部22とを含む。基板部21にはそれぞれ光源13が配置される。複数の基板部21aは、枠部22を介して互いに離隔して配置される。
【0025】
図4Aに示す一点鎖線は、基板部21の外周ラインC1であり、分離工程において分離されるラインである。後述のレーザ光照射工程S2-2において、レーザ光LZが外周ラインC1に沿って照射される。
図4Aと同様に、
図4B、
図4Cにおいても、基板20aにおける外周ラインC1を一点鎖線で示す。
基板20aにおいて、外周ラインC1の一部に沿って貫通部10が設けられている。ここで、貫通部10は、外周ラインC1に沿ってレーザ照射する際の粉塵による悪影響を低減するために設けられるものである。例えば、集合基板20の表面にレーザ照射する際には、集合基板20は、後述するように下方に配置される支持部材と上方に配置される押さえ治具によって支持される。この状態で、上方から集合基板20の表面にレーザ照射を行うと、押さえ治具近傍の基板表面に粉塵(ヒューム)が付着することがある。付着した粉塵にレーザ光が照射されると、レーザ光の反射や散乱により、基板部21が焼損する虞がある。そこで、本実施形態では、第1に、押さえ治具近傍の集合基板表面にはレーザ照射することなく基板が分離できるように、基板20aにおける、押さえ治具で支持される領域の近傍に貫通部10を設けている。つまり、本実施形態では、基板20aにおける外周ラインC1に沿った一部にあらかじめ貫通部10を配置し、貫通部10上に押さえ治具が配置されている。例えば、
図4Aに示すように、外周ラインC1が円形である場合には、外周ラインC1に貫通部10の側面が一致するように貫通部10を設けている。なお、
図4Aは上面図(平面図)で示しているが、貫通部10の側面は、分離された後の基板部21の外側面、すなわち各発光装置における基板2の外側面となる。貫通部10は、例えば、ルーター等により形成され、例えば、貫通部10の側面は基板20aの上面に略垂直になるように形成される。
なお、貫通部10の幅(つまり外周ラインC1から離れる方向の長さ)及び長さ(つまり外周ラインC1に沿った方向の長さ)は、後述の支持部及び押さえ治具等との関係で適宜設定される。
ここで、本明細書において、光源が配置されていない状態の基板には、20aの符号を付して示し、光源が配置された後の基板は、集合基板20として示す。また、基板部についても、光源が配置されていない状態の基板部には、21aの符号を付して示し、光源が配置された後の基板部は、21の符号を付して示す。
【0026】
次に、基板20aが複数の基板部21aを含む場合における、基板部21a及び枠部22の形状及び配置、貫通部10の配置等について説明する。基板部21aは、発光装置1の基板2に相当する部分であり、一例では、
図4Aに示すように、上面視における基板部21の外周ラインC1の形状は、円形形状である。しかしながら、基板部21aの外周ラインC1の形状は、製造する発光装置の形状に応じて適宜変更することができる。また、基板部21aには、上述した発光装置1を構成する光源13及び電子部品11等が配置される。
【0027】
枠部22は、基板20aにおける、隣接する基板部21a間の領域である。基板20aにおいて、複数の基板部21aは枠部22により一体化されており、例えば、枠部22は、基板部21aと同様の部材で構成される。
基板20aにおいて、基板部21aは、例えば、n行m列(n≧2,m≧2)のマトリクス状に配列された矩形の単位領域23にそれぞれ配置される。
図4Aにおいて、単位領域23は2点鎖線で示している。各単位領域23において、該単位領域23の外周と基板部21の間に位置する部分が枠部22である。隣接する単位領域23間において、枠部22はつながっている。なお、矩形の単位領域は、正方形の単位領域及び長方形の単位領域を含む。また、単位領域は矩形に限定されるものではなく、例えば、ひし形又は六角形であってもよいが、単位領域により基板20aを隙間なく分割できる形状が好ましい。
以下では、n行m列(n≧2,m≧2)のマトリクス状に配列された矩形の単位領域23を例に基板部21a及び枠部22の形状及び配置、貫通部10の配置等について説明する。また、以下の説明において、矩形の単位領域の一方の対角線を第1対角線といい、他方の対角線を第2対角線という。すべての単位領域23に渡って第1対角線は平行であり、第1対角線の延びる方向を第1方向という。同様に、すべての単位領域23に渡って第2対角線は平行であり、第2対角線の延びる方向を第2方向という。なお、本明細書における平行とは、±5°程度の傾きが許容されることを意味する。
【0028】
各単位領域23において、基板部21aは、
図4Aに示すように、例えば、単位領域23の中心と基板部21aの中心が一致するように配置される。行方向及び列方向に隣接する単位領域23に配置される基板部21aの対向する外周ラインC1間の距離(つまり外周ラインC1の最近接距離)は、分離後の個数を多くする観点から小さいことが好ましくい。また、後述のレーザ照射の際のレーザ光のスポット径及び加工精度等を考慮して、隣接する単位領域23に配置される基板部21aの対向する外周ラインC1間の距離は、分離後の形状バラツキ及び分離面の表面状態の低下を招かない範囲で小さく設定することが好ましい。
また、貫通部10は、上述したように、レーザ照射する際の粉塵による悪影響を低減、例えば、押さえ治具近傍の基板表面への粉塵(ヒューム)の付着を低減するために設けられるものであり、押さえ治具で集合基板20を押さえる位置等を考慮して配置される。例えば、基板部21aは、光源や電子部品が配置される領域であるため、基板部21aに押さえ治具が接触する面積は少なくし、枠部22に接触する面積を増やすようにして押さえ治具を配置することが好ましい。例えば、
図4Aに示すようにn行m列に配置された複数の単位領域のうち、2行2列に配置される任意の4つの単位領域23(k行s列に配置された単位領域23、k行s+1列に配置された単位領域23、k+1行s列に配置された単位領域23、k+1行s+1列に配置された単位領域23(kはnより小さい整数、sはmより小さい整数)の枠部22が一体化された領域(以下、押さえ領域という)は、比較的広い面積であり、その押さえ領域における比較的広い面積の領域の上面を押さえ治具を接触させて押さえ、その押さえ領域の下面を下から支えることが好ましい。以上のことを考慮して、本実施形態では、各単位領域23において、例えば、第1方向に延びる第1対角線上に貫通部10を設けている。
【0029】
基板準備工程S1-1は、貫通部10を形成する工程を含んでいてもよく、貫通部10があらかじめ形成された基板20aを、購入を含む譲受等により準備してもよい。
基板20aの厚さtは、例えば、0.15mm以上0.30mm以下である。
【0030】
(2)光源配置工程S1-2
光源配置工程S1-2では、準備した基板20aの基板部21aにそれぞれ光源13を配置する。これにより、基板部21aにそれぞれ光源13が設けられた集合基板20を準備することができる。なお、基板準備工程S1は、光源配置工程S1-2を含まずに、光源13が配置された集合基板20を、購入を含む譲受等により準備してもよい。光源配置工程S1-2では、各基板部21aに光源13に加えて電子部品11を配置するようにしてもよい。なお、
図4Bでは、光源13が配置されている集合基板20を例示している。
【0031】
(3)集合基板支持工程S2-1
集合基板支持工程S2-1では、
図4Cに示すように、集合基板20を集合基板支持部材30によって下から支持した状態で、集合基板20を上から押さえ治具40によって押さえることにより集合基板20を支持する。
以下では、まず、集合基板支持部材30と押さえ治具40の構成を説明して、集合基板20を集合基板支持部材30及び押さえ治具40によって支持した状態について説明する。
【0032】
(集合基板支持部材)
図4Fは、集合基板支持部材30の概略上面図である。
図4Fに示すように、集合基板支持部材30は基板部支持部31と枠部支持部32とを含む。基板部支持部31と枠部支持部32とは、
図4Fに示すように、例えば、円柱形状であり、支持板33の上面に互いに離隔して設けられている。集合基板支持部材30は、基板部支持部31と枠部支持部32とを含むことにより、貫通部10に跨って基板部21の一部と枠部22の一部とを支持する。ここで、集合基板支持部材30は、貫通部10に跨って基板部21の一部と枠部22の一部とを支持することができればよく、基板部支持部31と枠部支持部32とは支持板33の上面において離隔して配置されていなくてもよく、基板部支持部と枠部支持部とが一体で構成されていてもよい。基板部支持部31及び枠部支持部32における支持板33の上面からの高さは、例えば、支持板33がレーザ光LZの影響を受けないように、照射するレーザ光LZの強度等を考慮して設定される。言い換えると、支持板33における、レーザ光LZの照射に起因するデブリや変質の発生を低減することができる高さに、基板部支持部31及び枠部支持部32の高さは設定される。基板部支持部31及び枠部支持部32の高さは、例えば、5mm~50mmの範囲に設定される。また、支持板33は、上面から下面に貫通する集塵孔を有していることが好ましい。
【0033】
(基板部支持部)
基板部支持部31はそれぞれ基板部21を下方から支持する支持部であり、
図4Fに示すように、例えばn行m列に配列される。基板部支持部31は、上述したように、円柱形状の部材であるが、円柱形状に限定されるものではなく、四角柱や六角柱等の他の柱状の部材であってもよく、上面から下面または下面から上面に向かって徐々に太くなっていてもよい。このように、基板部支持部31は種々の形状で構成することができるが、少なくとも上面は、集合基板20を支持する際に外周ラインC1の内側でそれぞれ基板部21に接触するように、基板部21の面積より小さく設定する。基板部支持部31はそれぞれ、
図4Cに示すように、上面視において、各基板部21の外縁に内包される位置に配置される。
【0034】
(枠部支持部)
枠部支持部32はそれぞれ、例えば、円柱形状の支持部であり、枠部22を下方から支持する。複数の枠部支持部32は、
図4Fに示すように、例えば、複数の枠部支持部32を、各単位領域23の4つの角に配置する。すなわち、複数の枠部支持部32は、
基板部支持部31の配列より少なくとも1行及び1列多い、(n+1)行(m+1)列に配列されることが好ましい。
【0035】
(押さえ治具)
図4Gは、押さえ治具40の概略上面図である。
図4Gに示すように、押さえ治具40は外周枠42と外周枠42に支持された柱部41とを含む。外周枠42は、集合基板20の上面の外周に対向するように例えば矩形に設けられ、柱部41は、外周枠42の対角方向に平行に複数設けられる。柱部41はそれぞれ、
図4Dに示すように、押さえ部41bと隣接する押さえ部41b間に位置する支持部41aとを含む。押さえ部41bはそれぞれ、枠部支持部32に対向する位置に設けられ、集合基板20を支持する際に、集合基板20の枠部22と基板部21の一部に接触させて、枠部22を枠部支持部32との間に挟んで支持する。ここで、本明細書において、対向という場合は、特に断らない限り一部が対向している場合を含む。押さえ部41bは、
図4Dに示すように、貫通部10に跨って枠部22の一部と基板部21の一部とに接して支持するものである。支持する際、貫通部10の角部に接触させると貫通部10の角部が破損する虞がある。このため、
図4Dに示すように、押さえ部41bは、溝部41b1を含んであることが好ましく、これにより、押さえ治具40が貫通部10の角部に接触することなく、押さえ治具40により、枠部22の一部と基板部21の一部を押圧することができる。これにより、貫通部10の角部の欠けや破損を低減することができる。また、押さえ部41bはそれぞれ分離後の枠部を吸引することが可能な吸引部を備えていることが好ましい。これにより、基板部21を分離した後、押さえ部41bを上昇させることにより、集合基板支持部材30の基板部支持部31上にそれぞれ基板部21を残したまま分離した枠部22を取り除くことができる。支持部41aは、柱部41において、押さえ部41bを支持する。支持部41aは、基板部支持部31に対向する位置に設けられ、集合基板20を支持する際に、基板部21に設けられた光源13の上方であって、光源から離隔する位置に設けられる。
以上のように構成された柱部41は、各単位領域23において、貫通部10の間の外周ラインC1に沿ったレーザ光LZが照射される領域を露出させるように、配置される。
集合基板支持部材30及び押さえ治具40の材料としては、樹脂材料や金属材料が挙げられるが、強度や耐食性に優れたステンレス鋼等の金属材料を好適に用いることができる
【0036】
以上のように構成された集合基板支持部材30と押さえ治具40によって、集合基板20は、例えば、以下のように支持される。
まず、集合基板支持部材30の上の所定の位置に集合基板20を配置する。具体的には、集合基板支持部材30の基板部支持部31上にそれぞれ基板部21が位置し、枠部支持部32上にそれぞれ枠部22(具体的には、2行2列に隣接する4つの単位領域23の間で一体化された枠部22)が位置するように、集合基板20を集合基板支持部材30の上に配置する。
例えば、基板部21の上面視形状が円形であり、基板部支持部31及び枠部支持部32がそれぞれ円柱形状である場合には、
図4Cに示すように、基板部21の中心が基板部支持部31の中心軸に一致し、枠部22の中心が枠部支持部32の中心軸に一致するように、集合基板20を集合基板支持部材30の上に配置する。
次に、集合基板支持部材30の上に配置された集合基板20の枠部22上にそれぞれ押さえ部41bが配置されるように位置合わせをして押さえ治具40を下降させ、枠部22の上面に押さえ部41bを接触させて、集合基板支持部材30と押さえ治具40によって集合基板20を挟み込んで支持する。例えば、基板部21が円形である場合には、それぞれ枠部22(具体的には、2行2列に隣接する4つの単位領域23の間で一体化された枠部22)の中心が押さえ部41bの中心軸に一致するように位置合わせをして押さえ治具40を下降させる。なお、押さえ部41bは、貫通部10に跨って枠部22とともに基板部21の一部にも接触して基板部21の一部も押さえる。
【0037】
(4)レーザ光照射工程S2-2
レーザ光照射工程S2-2では、
図4Eに示すように、集合基板20を集合基板支持部材30と押さえ治具40によって支持した状態で、単位領域23においてそれぞれ、貫通部10の間の基板部21の外周ラインに沿ってレーザ光を照射して基板部21を分離する。ここで、レーザ光LZは、基板部21の外周ラインに沿って、基板部21の上面に垂直に照射されることが好ましい。レーザ光LZは、例えば、パルスレーザ光である。パルスレーザ光のパルス幅Pは、例えば、15ピコ秒以上90ナノ秒以下が挙げられ、5ナノ秒以上75ナノ秒以下が好ましい。パルスレーザ光の周波数Fは、例えば、300kHz以上500kHz以下が挙げられる。パルスレーザ光の強度は、例えば、4W以上10W以下が挙げられる。レーザ光照射工程S2-2は、レーザ光LZを基板部21の外周ラインC1に沿って1周走査して照射する1サイクル照射を複数回含んでいてもよい。この場合、単位領域23全体に1サイクル照射をした後に単位領域23全体に2回目の1サイクル照射し、以下、単位領域23全体に1サイクル照射を繰り返すことが好ましい。このように単位領域23全体にわたって1サイクル照射を繰り返し行うことにより、単位領域23におけるレーザ照射による温度上昇を抑えることができ、温度上昇による基板部21の変形及び/又は破損を低減することができる。なお、単位領域23毎に1サイクル照射を複数回照射した後に隣の単位領域23に移動して該単位領域23において1サイクル照射を複数回照射し、順次単位領域を移動するようにしてもよい。
1サイクル照射を実施する回数は、例えば、集合基板20から基板部21を分離することができる回数である所定の回数V2に設定される。所定の回数V2は、集合基板の材料や、上述した各照射条件にもより適宜設定されるが、例えば10回以上40回以下である。
レーザ光照射により、基板部21と枠部22とが分離される幅は、例えば、0.02mm以上0.03mm以下である。なお、集合基板20における外周ラインC1の位置は、レーザ光照射により分離される分離幅を考慮して外周ラインC1の位置が設定されている。
また、レーザ光照射工程S2-2におけるレーザ光の照射は、例えば、支持板33に設けられた集塵孔を介してレーザ光の照射により発生する粉塵を吸引しながら実施することが好ましい。
【0038】
(5)レンズ部材配置工程S3
レンズ部材配置工程S3では、
図4Hに示すように、基板部21における光源13の上方にレンズ部材を配置する。例えば、基板部21の外周側面21cとレンズ部材5とは、接着部材を介して接着することができる。レンズ部材5の位置あわせは、基板2の上面3aの外周及び側面3cとレンズ支持部7の段差部8とを嵌合させることで行うことができる。つまり、表面粗さに起因する寸法ばらつきが低減されるため、レンズ部材との位置合わせをより正確に行うことができる。
以上のようにして、
図1及び
図2に示した発光装置1を製造することができる。
【0039】
以上の製造方法では、基板部21の外周ラインの一部に沿って貫通部10が配置された集合基板20を準備し、集合基板20を、貫通部10に跨って配置される押さえ治具によって基板部21の上面と枠部22の上面とを押さえることにより集合基板20を支持して、押さえ治具から露出する外周ラインに沿ってレーザ光LZを走査して照射することにより、基板部を分離している。
これにより、押さえ治具近傍にレーザ光LZを照射することなく基板部を分割することができるので、押さえ治具近傍にレーザ光LZ照射により発生する粉塵の付着を低減することができる。
【0040】
また、例えば、4つの単位領域23の枠部22が一体化された比較的広い面積の領域に押さえ治具を接触させて押さえることができるので、例えば、基板のそり等を抑えて集合基板を安定して支持することができ、精度よく所定の位置にレーザ光を照射することができ、精度よく基板部を分離することができる。
さらに、4つの単位領域23の枠部22が一体化された領域に押さえ治具を接触させて押さえることができるので、個々の単位領域23における枠部22の面積を小さくでき、集合基板全体における枠部の総面積を小さくできる。したがって、集合基板における基板部の取り個数を多くできる。
【0041】
また、押さえ治具を各単位領域23において枠部と基板部の一部に接触させて集合基板20を押さえることができるので、例えば、
図4Fに示す集合基板支持部材を用いることにより、各単位領域23においてそれぞれ枠部と基板部を支持することができる。
これにより、基板部と枠部が分離された後も基板部と枠部を支持することができ、分離後の基板部と枠部の回収を容易にできる。
【0042】
以上の実施形態の製造方法では、レーザ光照射工程S2-2の後、すなわち、基板部21を分離した後にさらに、分離した基板部21の外側面にレーザ光を照射して外側面を加工する第2照射工程を含んでいてもよい。
第2照射工程は、例えば、押さえ治具と集合基板支持部材とによって、分離後の基板部をそれぞれ支持した状態で実施することができ、このようにすると、レーザ光照射工程S2-2後に連続して第2照射工程を実施するこができる。
【0043】
以上、好ましい実施形態等について説明したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0044】
本開示の実施形態に係る発光装置は、例えば、以下の態様を含む。
[項1]
光源が配置された少なくとも1つの基板部と、前記基板部と連続する枠部とを含み、前記基板部の外周ラインの一部に沿って貫通部が配置された集合基板を準備する集合基板準備工程と、
前記基板部を前記集合基板から分離する分離工程と、を含み、
前記分離工程は、
前記集合基板を、前記貫通部に跨って配置される押さえ治具によって前記基板部の上面と前記枠部の上面とを押さえることにより前記集合基板を支持する集合基板支持工程と、
前記押さえ治具から露出する前記外周ラインに沿ってレーザ光を走査して照射する照射工程と、を含む発光装置の製造方法。
[項2]
前記分離工程において、前記集合基板は、該集合基板の下方に配置される集合基板支持部材により支持されている、項1記載の発光装置の製造方法。
[項3]
前記集合基板支持部材は、前記貫通部に跨って前記基板部の一部と前記枠部の一部とを支持する、項2に記載の発光装置の製造方法。
[項4]
前記照射工程は、前記レーザ光を前記押さえ治具から露出する前記外周ライン全体に1回走査して照射する1サイクル照射を複数回含む、項1~3のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
[項5]
前記分離工程の後、前記基板部における前記発光素子の上方にレンズ部材を配置するレンズ部材配置工程をさらに含む、項1~4のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
[項6]
前記集合基板準備工程において、
1つの前記基板部及び該基板部に連続する前記枠部を含む矩形の単位領域を複数含み、
複数の前記単位領域は、n行m列(n≧2,m≧2)のマトリクス状に配列された集合基板を準備する、項1~5のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
[項7]
前記集合基板準備工程において、前記貫通部がそれぞれ前記矩形の単位領域の一つの対角線上に配置された集合基板を準備する項6に記載の発光装置の製造方法。
[項8]
前記集合基板支持工程において、前記押さえ治具は、前記一つの対角線の延伸方向である第1方向に隣接する単位領域に配置された複数の基板部に跨って配置される項7に記載の発光装置の製造方法。
[項9]
前記第1方向に隣接する単位領域に配置された押さえ治具は、隣接する単位領域それぞれの枠部を押さえる項8に記載の発光装置の製造方法。
[項10]
前記集合基板支持部材は、前記基板部の下面に接する基板部支持部と、前記枠部の下面に接する枠部支持部と、前記基板部支持部及び前記枠部支持部を支持する支持板と、を含み、
前記基板部支持部及び前記枠部支持部は前記支持板の上面に配置されている項2に記載の発光装置の製造方法。
[項11]
前記支持板は、上面から下面に貫通する集塵孔を有する項10に記載の発光装置の製造方法。
【符号の説明】
【0045】
1 発光装置
2 基板
3 基体
3a 上面
3b 下面
4 配線
4a 第1配線
4b 第2配線
5 レンズ部材
6 光学機能部
7 レンズ支持部
7a 下面
8 段差部
10 貫通部
11 電子部品
12 接合部材
13 光源
13a 発光素子
13b 電極
14 透光性部材
15 被覆部材
20 集合基板
20a 基板
21、21a 基板部
21c 外周側面
22 枠部
23 単位領域
30 集合基板支持部材
31 基板部支持部
32 枠部支持部
33 支持板
40 押さえ治具
41 柱部
41a 支持部
41b 押さえ部
41b1 溝部
42 外周枠
C1 外周ライン
X 行方向
Y 列方向
LZ レーザ光