(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171688
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】液体吐出ヘッドおよび液体を吐出する装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/14 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B41J2/14 305
B41J2/14 613
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088837
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】藤村 優輝
(72)【発明者】
【氏名】三輪 圭史
【テーマコード(参考)】
2C057
【Fターム(参考)】
2C057AF66
2C057AG44
2C057AG47
2C057AG51
2C057AP02
2C057AP14
2C057AP31
2C057BA04
2C057BA14
(57)【要約】
【課題】下部電極の剥がれの発生を防止し、歩留まりよく製造することができ、かつ信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】液体が吐出されるノズル孔11に連通する液室21が複数形成された液室基板20と、液室基板20上のノズル孔11と対向する面に設けられた振動板30と、振動板30上に、第一の電極41、圧電体42及び第二の電極43がこの順に積層された圧電素子40と、を備え、圧電体42を振動させて振動板30を変形変位させることで、液体をノズル孔11から吐出する液体吐出ヘッドにおいて、第一の電極41は、液室基板20の液室21が形成されていない領域と対向する領域に開口部44を有し、開口部44は、少なくとも液室21の配列方向Dにおいて隣接する液室21間の領域に設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が吐出されるノズル孔に連通する液室が複数形成された液室基板と、
前記液室基板上の前記ノズル孔と対向する面に設けられた振動板と、
前記振動板上に、第一の電極、圧電体及び第二の電極がこの順に積層された圧電素子と、を備え、
前記圧電体を振動させて前記振動板を変形変位させることで、前記液体を前記ノズル孔から吐出する液体吐出ヘッドにおいて、
前記第一の電極は、前記液室基板の前記液室が形成されていない領域と対向する領域に開口部を有し、
前記開口部は、少なくとも前記液室の配列方向において隣接する液室間の領域に設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記液室の平面視形状が、配列方向に短辺を有する略長方形であり、
前記開口部は、少なくとも前記液室の長辺と平行なスリット状開口を有することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記液室の長辺と平行な前記スリット状開口の長さは、前記液室の長辺の長さよりも長いことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記液室の平面視形状が、配列方向に短辺を有する略長方形であり、
前記開口部は、前記液室の長辺と平行な一対のスリット状開口と、前記液室の短辺の一方と平行なスリット状開口とが連結した略コの字形状を有することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記液室の平面視形状が、配列方向に短辺を有する略長方形であり、
前記開口部は、前記液室の長辺と平行な複数のスリット状開口と、前記液室の短辺の一方側に設けられた開口とが連結した櫛歯形状を有することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記第一の電極と前記第二の電極とを絶縁分離する層間絶縁膜を備え、
前記第一の電極の前記開口部の端部の少なくとも一部が前記層間絶縁膜により被覆されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記第一の電極の端部の少なくとも一部が前記層間絶縁膜により被覆されていることを特徴とする請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記振動板と前記第一の電極との間に密着膜を備え、前記密着膜が酸化チタン膜であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項9】
前記第一の電極の前記開口部は、角部がR形状であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項10】
請求項1から5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする液体を吐出する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出ヘッドおよび液体を吐出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を吐出する装置として、例えば、インク等の液体を吐出する液体吐出ヘッドを備えたインクジェット記録装置が知られている。
【0003】
液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルと、ノズルに連通し液体を収容した液室(加圧室などともいう)と、圧電素子等のエネルギー発生手段とを備えた構成が知られている。この液体吐出ヘッドでは、電圧が印加された圧電素子が液室の壁の一部を形成する振動板を変形させるように振動する。そして、振動板の変形変位により液室内の液体を加圧することにより、ノズルから液体を吐出させる。
【0004】
液体吐出ヘッドには、振動板上に、圧電素子を構成する下部電極、圧電体及び上部電極を積層形成した、圧電アクチュエータが実用化されている。このような液体吐出ヘッドの製造方法として、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)を応用した半導体デバイス製造技術を用いることが知られている。MEMSを用いた製造では、フォトリソグラフィー等によるレジストパターン形成、エッチング、薬液によるレジスト剥離といったプロセスによりパターニングして、振動板上に下部電極、圧電体及び上部電極の各層が所望のパターンで積層形成されたアクチュエータ基板を形成する。
【0005】
このような技術により製造される液体吐出ヘッドにおいて、圧電素子の下部電極の絶縁破壊を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
圧電アクチュエータ基板は、積層される各層間の密着性が十分に高いことが必要とされる。しかしながら、シリコン酸化膜等からなる振動板上に、金属または金属酸化膜からなる下部電極を積層する場合において、振動板と下部電極との良好な密着性が得られないという問題がある。
【0007】
振動板との密着性が十分ではない場合、下部電極のパターニング工程において、パターンの端部(角部、隅部)に膜剥がれや膜浮き等(以下、単に「剥がれ」という)が発生し、歩留りの低下を招くという課題がある。
【0008】
また、振動板と下部電極との密着性が不足していると、電圧を印加して圧電体を変形させた際、パターンが大きく内部応力が大きい下部電極の剥がれが発生するおそれがある。さらに、剥がれを生じた下部電極が圧電アクチュエータの意図しない部分に付着してショート等の不具合を生じるおそれがあり、液体吐出ヘッドの製品としての信頼性低下につながるという課題がある。
【0009】
そこで本発明は、下部電極の剥がれの発生を防止し、歩留まりよく製造することができ、かつ信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の液体吐出ヘッドは、液体が吐出されるノズル孔に連通する液室が複数形成された液室基板と、前記液室基板上の前記ノズル孔と対向する面に設けられた振動板と、前記振動板上に、第一の電極、圧電体及び第二の電極がこの順に積層された圧電素子と、を備え、前記圧電体を振動させて前記振動板を変形変位させることで、前記液体を前記ノズル孔から吐出する液体吐出ヘッドにおいて、前記第一の電極は、前記液室基板の前記液室が形成されていない領域と対向する領域に開口部を有し、前記開口部は、少なくとも前記液室の配列方向において隣接する液室間の領域に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、下部電極の剥がれの発生を防止し、歩留まりよく製造することができ、かつ信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】液体吐出ヘッドの要部構成の一例を示す液室長手方向の断面模式図である。
【
図2】液体吐出ヘッドを構成するアクチュエータ基板の平面模式図である。
【
図3】本実施形態に係る液体吐出ヘッドのアクチュエータ基板の平面模式図である。
【
図4】本実施形態係る液体吐出ヘッドのアクチュエータ基板の平面模式図である。
【
図5】本実施形態に係る液体吐出ヘッドのアクチュエータ基板の平面模式図である。
【
図6】本実施形態に係る液体吐出ヘッドのアクチュエータ基板の平面模式図である。
【
図7】本実施形態に係る液体吐出ヘッドのアクチュエータ基板の平面模式図である。
【
図8】比較例に係る液体吐出ヘッドのアクチュエータ基板の平面模式図である。
【
図9】液体吐出ヘッドを備えるヘッドモジュールの一例の分解斜視図である。
【
図10】液体吐出ヘッドを備えるヘッドモジュールの一例の断面図である。
【
図11】液体を吐出する装置の一例を示す要部平面説明図である。
【
図12】液体を吐出する装置の一例を示す要部側面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る液体吐出ヘッド及び液体を吐出する装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0014】
図1は本発明を適用可能な液体吐出ヘッドの一例を示す液室長手方向の断面模式図である。また、
図2は従来のアクチュエータ基板の一例を示す平面模式図である。
図1は、
図2中のA-A’線に沿った断面に相当する。
【0015】
液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズル孔11が形成されたノズル板10と、圧電アクチュエータとしてのアクチュエータ基板50とを備えている。
アクチュエータ基板50は、ノズル孔11に連通する液室21が複数形成された液室基板20と、振動板30と、液室21内の液体を加圧する圧力発生手段としての圧電素子40とを備えている。複数の液室21は隔壁22で仕切られている。
図2では、液室21の位置を破線で示している。
【0016】
圧電素子40は、振動板30上に第一の電極(以下、「下部電極」ともいう)41と、圧電体42と、第二の電極(以下、「上部電極」ともいう)43とがこの順に積層されている。
圧電体42と上部電極43は、複数の液室に対応して複数形成されている。
各電極は、下部電極41を共通電極とし、上部電極43を個別電極とすることもでき、下部電極41を個別電極とし、上部電極43を共通電極とすることもできる。
【0017】
また、
図1に示すように、圧電素子40を覆う第一の絶縁保護膜(以下、単に「保護膜」ともいう)61、第二の絶縁保護膜(以下、「層間絶縁膜」ともいう)62、及び第三の絶縁保護膜(以下、「パッシベーション膜」ともいう)63が設けられている。
層間絶縁膜62にはコンタクトホール64が形成されている。上部電極43は、コンタクトホール64により配線65に接続され、この配線65を介して外部接続用の端子電極に接続されている。上部電極43は、液室21の短辺側で配線65と接続している。
下部電極41は保護膜61に形成された図示しないコンタクトホールにより配線に接続され、当該配線を介して外部接続用の端子電極に接続されている。
【0018】
配線65等を介して駆動電圧が印加された圧電素子40が、液室基板20と圧電素子40との間にある振動板30を変形させるように振動し、振動板30の変形により液室21内の液体が加圧され、ノズル孔11から液体を吐出させることができる。
【0019】
下部電極41は圧電体42に電圧を与える機能を有し、一般的にPt等の金属材料により形成される。しかしながら、シリコン酸化膜等からなる振動板30との密着性が良好ではなく下部電極41の剥がれが生じてしまう問題が知られている。
【0020】
図2に示すような下部電極41の四角パターンの隅部において、パターニングで薬液を用いてレジスト剥離を行う際、薬液が下部電極41の外周部にアタックし、密着層との界面で、下部電極41の剥がれが発生することがある。
【0021】
一方、下部電極41を、応力を抑制可能な形状や薬液耐性の高い形状にパターニングすることにより剥がれを防止することが考えられる。
【0022】
下部電極41のパターンとしては、例えば、特許文献1に記載された形状が挙げられる。しかしながら、下部電極41を形成しない領域が液室21と対向する領域に存在する場合、下部電極41のエッチング時の影響で振動板30が薄くなり、液室21を構成する振動板30の膜厚にばらつき生じるという問題がある。
また、圧電体42の材料としてPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用いる場合、下部電極41が形成されていない領域ではPbの拡散が生じ、振動板30に剛性のばらつきが生じるという問題がある。
【0023】
これに対し、本発明に係る液体吐出ヘッドは、液室21が形成されていない領域と対向する領域にのみ下部電極41の開口部44を設けることにより、振動板30の膜厚や剛性のばらつきを生じることなく、下部電極41の剥がれの発生を防止している。
開口部44は、下部電極41のエッチング時のマスクパターンを所望の開口形状が得られるように適宜変更し、開口部44となる領域を除去することにより形成することができる。
【0024】
また、液室基板20の液室21が形成されていない領域と対向する領域は、液室21と対応して設けられた圧電体42の周辺部に相当する。電圧の印加により変形する圧電体42の周辺部に、開口部44が形成されるようにパターニングすることで、下部電極41への応力を抑制(緩和)することができ、剥がれの発生を抑制することができる。
【0025】
さらに、下部電極41と振動板30との間に密着膜を設けて密着力を向上させる構成とすることができる。密着膜としては、下部電極41と振動板30との密着性を向上させるものであれば特に限定されないが、例えば、酸化チタン膜やチタン膜等が挙げられる。密着膜の膜厚としては、振動板30の振動を阻害しない厚さであればよく、例えば、30nm程度であることが好ましい。
【0026】
図3~
図5に、本実施形態に係る液体吐出ヘッドのアクチュエータ基板50の平面模式図を示す。
本実施形態に係る液体吐出ヘッドは、液体が吐出されるノズル孔11に連通する液室21が複数形成された液室基板20と、液室基板20上のノズル孔11と対向する面に設けられた振動板30と、振動板30上に、第一の電極(下部電極)41、圧電体42及び第二の電極(上部電極)43がこの順に積層された圧電素子40と、を備え、圧電体42を振動させて振動板30を変形変位させることで、液体をノズル孔11から吐出する液体吐出ヘッドにおいて、第一の電極(下部電極)41は、液室基板20の液室21が形成されていない領域と対向する領域に開口部44を有し、開口部44は、少なくとも液室21の配列方向Dにおいて隣接する液室21間の領域に設けられている。
【0027】
すなわち、n個の液室21(nは2以上の自然数)と、n個の液室21に対応したn個の圧電体42及びn個の第二の電極(上部電極)43を備える態様において、第一の電極(下部電極)41の開口部44は、n個の液室21の配列方向Dにおいて、n番目の液室21と、(n-1)番目の液室21および/または(n+1)番目の液室21との間の領域に設けられる。
なお、液室21の配列方向Dにおいて、任意のn番目の液室21の両側に開口部44が形成されていてもよく、一方側にのみ開口部44が形成されていてもよい。
【0028】
各電極は、第一の電極(下部電極)41を共通電極とし、第二の電極(上部電極)43を個別電極とすることもできるが、これに限定されず、第一の電極(下部電極)41を個別電極とし、第二の電極(上部電極)43を共通電極としてもよい。
【0029】
<第1の実施形態>
図5は、第1の実施形態の液体吐出ヘッドが備えるアクチュエータ基板50の平面模式図である。液室21の位置を破線で示している。
本実施形態の液体吐出ヘッドが備えるアクチュエータ基板50は、液室21の平面視形状が、配列方向Dに短辺21bを有する略長方形であり、下部電極41の開口部44は、少なくとも液室21の長辺21aと平行なスリット状開口44aを有している。
【0030】
液室21の長辺21aと平行なスリット状開口44aの長さは、液室21の長辺21aの長さよりも長く形成されている。
これにより、振動する圧電体42の周囲の少なくとも長手方向において下部電極41への応力が抑制され、剥がれの発生を防止することができる。
【0031】
<第2の実施形態>
図3は、第2の実施形態の液体吐出ヘッドが備えるアクチュエータ基板50の平面模式図である。液室21の位置を破線で示している。
本実施形態の液体吐出ヘッドが備えるアクチュエータ基板50は、液室21の平面視形状が、配列方向Dに短辺21bを有する略長方形であり、開口部44は、液室21の長辺21aと平行な一対のスリット状開口44aと、液室の短辺21bの一方と平行なスリット状開44bとが連結した略コの字形状を有している。
【0032】
下部電極41の開口部44が形成されていない部位41aは、平面視において配線が形成された領域と重なる領域である。
当該部位41a以外の領域の液室基板20の液室21が形成されていない領域であって、かつ圧電体42の周辺部の領域に開口部44が形成されるようにパターニングすることで、下部電極41への応力を抑制(緩和)することができ、剥がれの発生を抑制することができる。
【0033】
また、開口部44を
図3に示すような略コの字形状とすることにより、開口部44を設けたことによる電圧降下を低減することができる。
【0034】
本実施形態の液体吐出ヘッドにおいて、液室21及び圧電体42の形状は平面視で角部がR形状であり、その周囲に形成される開口部44も角部がR形状となっている。
【0035】
<第3の実施形態>
図4は、第3の実施形態の液体吐出ヘッドが備えるアクチュエータ基板50の平面模式図である。液室21の位置を破線で示している。また、除去前の下部電極41の端縁も破線で示している。
本実施形態の液体吐出ヘッドが備えるアクチュエータ基板50は、液室21の平面視形状が、配列方向Dに短辺21bを有する略長方形であり、開口部44は、液室21の長辺21aと平行な複数のスリット状開口44aと、液室21の短辺21bの一方側に設けられた開口44cとが連結した櫛歯形状を有している。
【0036】
下部電極41の開口部44が形成されていない部位41aは、平面視において配線が形成された領域と重なる領域である。
当該部位41aを残して、液室基板20の液室21が形成されていない領域に開口部44が形成されるようにパターニングすることで、下部電極41への応力を抑制(緩和)することができ、剥がれの発生を抑制することができる。
【0037】
以上、第1から第3の実施形態について説明したが、開口部44の形状はこれらに限定されず、液室基板20の液室21が形成されていない領域と対向する領域であって、少なくとも液室21の配列方向Dにおいて隣接する液室21間の領域に設けられるものであればよい。
【0038】
図6及び
図7は、層間絶縁膜62による被覆の例を示す説明図であり、上記第2の実施形態におけるアクチュエータ基板50の一部(1つの液室21に対応する部分)を示している。
本実施形態の液体吐出ヘッドは、第一の電極(下部電極)41と第二の電極(上部電極)43とを絶縁分離する層間絶縁膜62を備え、第一の電極(下部電極)41の開口部44の端部の少なくとも一部が層間絶縁膜62により被覆されている。
【0039】
図6は、層間絶縁膜62が下部電極41の開口部44が形成された領域及び開口部44が形成されていない領域を広く被覆している例を示している。
図6(A)は層間絶縁膜62に被覆された状態の透視図であり、
図6(B)は層間絶縁膜62の端部62aのみを示した図である。
このように下部電極41の略全体を被覆するように層間絶縁膜62を設けることにより、下部電極41をエッチングする際のエッジ部のプロセスダメージを小さくすることができ、剥がれの発生をより確実に抑制することができる。
【0040】
図7は、層間絶縁膜62が下部電極41の開口部44が形成された領域及び開口部が形成されていない領域を局所的に被覆している例を示している。
図7(A)は層間絶縁膜62に被覆された状態の透視図であり、
図7(B)は層間絶縁膜62の端部62aのみを示した図である。
層間絶縁膜62が圧縮応力膜である場合は、
図7の例のような局所的な被覆によっても圧縮応力を小さくすることができ、剥がれの発生をより確実に抑制することができる。
【0041】
また、層間絶縁膜62は、下部電極41の端部(隅部)の少なくとも一部を被覆していることが好ましい。
下部電極41の隅部を被覆することにより、界面における下部電極41の剥がれの発生を防止することができる。
下部電極41の端部の全体を被覆する態様であってもよいが、層間絶縁膜62と下部電極41との応力差が大きい場合は、下部電極41の端部の一部のみを被覆する態様とすることで、膜間の応力差に起因する剥がれの発生を防止することができる。
【0042】
本実施形態の液体吐出ヘッドのアクチュエータ基板50に高PULL波形(36V、120kHz)の電圧を印加して1兆回駆動を行い、評価を行った結果、駆動後の破壊はみられず、十分な耐久性が確認された。また、駆動後の観察において下部電極41の剥がれの発生は確認されず、吐出電位及び振動板の変位分布から、振動板30の膜厚のばらつき及び剛性のばらつきもみられなかった。
【0043】
<比較例1>
比較例1として、
図2に示すアクチュエータ基板を備える液体吐出ヘッドを用いて評価を行った。
図2のアクチュエータ基板は、下部電極41に開口部44が形成されていない従来のアクチュエータ基板である。
比較例1の液体吐出ヘッドのアクチュエータ基板50に高PULL波形(36V、120kHz)の電圧を印加して1兆回駆動を行い、評価を行った結果、下部電極41の剥がれが確認された。
【0044】
<比較例2>
比較例2として、
図8に示すアクチュエータ基板を備える液体吐出ヘッドを用いて駆動評価を行った。
図8のアクチュエータは、上記第3の実施形態の液体吐出ヘッドが備えるアクチュエータ基板50と同様、液室21の長辺21aと平行な複数のスリット状開口44aと、液室21の短辺21bの一方側に設けられた開口44cとが連結した櫛歯形状の開口部44を有しているが、開口部44が、液室21が形成されている領域と対向する領域(開口44d)にも形成されている。
【0045】
比較例2のアクチュエータ基板は、下部電極41の開口部44が液室21上にも形成されているため、下部電極41のエッチング時の影響により、開口44dに対応する振動板30の部位の膜厚が薄くなり、膜厚のばらつきがみられた。また、振動板30の剛性のばらつきもみられた。
【0046】
以上のように、液室基板20の液室21が形成されていない領域と対向する領域であって、少なくとも隣接する液室21間の領域に下部電極41の開口部44を設けることにより、下部電極41の剥がれの発生を防止することができ、さらに液室21を構成する振動板30の膜厚のばらつきと剛性のばらつきも抑制することができることが示された。
本発明によれば、下部電極の剥がれの発生を防止し、歩留まりよく製造することができ、かつ信頼性が高い液体吐出ヘッドが得られる。
【0047】
以下、本実施形態における液体吐出ヘッドのアクチュエータ基板の製造方法の一例を説明する。
【0048】
まず、液室基板20上に、振動板30を形成する。
液室基板20としては、例えば625μm厚のシリコンウェハが用いられる。
振動板30は、熱酸化膜や、例えばCVD法によって形成されるシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリシリコン膜などの所望の構成にて形成される。
【0049】
次に、振動板30上に圧電素子40を形成する。
圧電素子40は、下部電極41の成膜、圧電体42であるPZT膜の成膜、上部電極43の成膜の順に行われる。
【0050】
なお、下部電極41と振動板30との間には密着膜を設けることが好ましい。密着膜としては例えば、酸化チタン膜が挙げられる。酸化チタン膜は、例えば、チタン膜(膜厚30nm)をスパッタ装置にて成膜した後にRTAを用いて750℃にて熱酸化して形成することができる。
【0051】
下部電極41は金属膜として白金膜(膜厚100nm)を成膜し、白金膜上に酸化チタン膜を形成する。白金膜上にチタン膜をスパッタ成膜で形成し、続いてRTAを用いてチタン膜を熱酸化させて、酸化チタン膜を形成する。酸化チタン膜の膜厚は、30~70Åとするのが好ましい。
【0052】
圧電体42は、ゾルゲル法によってPZT膜を所望の厚みに成膜することにより形成する。
【0053】
上部電極43は、酸化物膜としてSrRuO3膜(膜厚20nm)、金属膜としてPt膜(膜厚100nm)を、それぞれスパッタ成膜することにより形成する。
【0054】
次に、フォトレジストをスピンコート法で成膜し、フォトリソグラフィーでレジストパターンを形成する。その後、エッチング装置を用いて圧電体42及び上部電極43をエッチングにより個別化し、パターンを作製する。
【0055】
次いで、フォトリソグラフィーでレジストパターンを形成し、エッチングにより下部電極41のパターンを作製する。所望の形状の開口部44が形成されるようにパターニングを行う。
【0056】
次に、第1の絶縁保護膜(保護膜)61として、ALD法によりAl2O3膜を成膜する。保護膜61は、水素等のプロセスダメージから圧電素子40を保護するバリア層として機能する。
保護膜61は、バリア層として十分なバリア性を有しつつ、圧電素子40のアクチュエータとしての機能を維持することができる膜厚であることが好ましく、例えば、500Å以上であることが好ましい。
【0057】
次に、第2の絶縁保護膜(層間絶縁膜)62としてSiN膜を成膜する。層間絶縁膜62であるSiN膜を利用することで、新たな工程を加えることなく、保護膜61のうち圧電素子40の側壁面を覆っている部分に更に第2の保護膜を形成することができる。また、後工程のフォトリソグラフィー・エッチング工程で、圧電素子40の側壁面をレジストでマスクした状態でエッチング処理することにより、保護膜61のうち圧電素子40の側壁面を覆っている部分にSiN膜を残留させ、保護膜61のオーバーエッチングを防ぐことができる。
【0058】
層間絶縁膜62の膜厚は、下地の表面性やピンホール等を考慮し200nm以上の厚みが必要であり、500nm以上であることが好ましい。
【0059】
その後、エッチングによりコンタクトホール64を形成する。そして、配線65を形成するためにAlをスパッタにより成膜し、成膜したAlをエッチングしてパターニング形成する。
【0060】
次に、第3の絶縁保護膜(パッシベーション膜)63としてSiNを成膜する。パッシベーション膜63は、例えば、プラズマCVD法で1000nmの厚みに形成する。
【0061】
次に、振動板30に、液体供給口となる貫通孔をエッチングにより形成する。
【0062】
液室21は、液室基板20を所望の厚さとなるように研磨またはエッチングした後、隔壁部をレジストで被覆し、アルカリ溶液で異方性ウェットエッチングを行うことにより形成する。なお、アルカリ溶液による異方エッチング以外にも、ICPエッチャーを用いたドライエッチングで形成してもよい。
【0063】
以上の工程により、アクチュエータ基板50が形成される。
アクチュエータ基板50に対し、液室21に対応した位置にノズル孔11を開口したノズル板10を接合することにより液体吐出ヘッドが得られる。
【0064】
<ヘッドモジュール>
本発明の液体吐出ヘッドを備えるヘッドモジュールについて、
図9及び
図10に基づき説明する。ヘッドモジュールは、少なくとも1つの液体吐出ヘッド(以降適宜「ヘッド」とも称する)が、カバー部材及びベース部材に取り付けられたものをいう。
図9はヘッドモジュールの分解斜視説明図であり、
図10はヘッドモジュールの1つのヘッド分のヘッド短手方向に沿う断面説明図である。
【0065】
ヘッドモジュール100は、液体を吐出する複数のヘッド101と、ベース部材102と、カバー部材103と、放熱部材104と、マニホールド105と、プリント基板(PCB)106と、モジュールケース107とを備えている。
【0066】
ヘッド101は、ノズル孔11を形成したノズル板10と、ノズル孔11に通じる液室(圧力室)21などの個別流路を形成する液室基板(流路基板)20と、液室21の液体を加圧する駆動手段となる圧電素子40を含む振動板30を備えている。また、ヘッド101は、振動板30に積層した保持基板53と、保持基板53に積層した共通流路部材70などを備えている。共通流路部材70は1つのヘッド101のフレーム部材となっている。
【0067】
液室基板20は、液室21とともに、液室21に通じる個別供給流路23、液室21に通じる個別回収流路24を形成している。
【0068】
保持基板53は、個別供給流路23に振動板30の振動板開口31を介して通じる中間供給流路51と、個別回収流路24に振動板30の振動板開口32を介して通じる中間回収流路52とを形成している。
【0069】
共通流路部材70は、中間供給流路51に通じる共通供給流路71と、中間回収流路52に通じる共通回収流路72を形成している。共通供給流路71はマニホールド105の流路151を介して供給ポート81に通じている。共通回収流路72はマニホールド105の流路152を介して回収ポート82に通じている。
【0070】
プリント基板106とヘッド101の圧電素子40とはフレキシブル配線部材90を介して接続され、フレキシブル配線部材90にはドライバIC(駆動回路)91が実装されている。
【0071】
複数のヘッド101は、ベース部材102のベース開口部121に挿入され、ベース部材102に接合固定したカバー部材103をヘッド101の液室基板20に接着剤で接合することにより固定されている。
【0072】
カバー部材103にはノズル板10のノズル孔11の領域に対応する開口部が設けられ、カバー部材103はヘッド101のノズル板10の周縁部を覆っている。
【0073】
ベース部材102は液室基板20の側壁面に空間150を置いて配置されている部材であり、空間150内にフレキシブル配線部材90の一部が配置されている。
【0074】
また、ヘッド101の長手方向では、共通流路部材70の外部に設けたフランジ部をベース部材102に接合して固定している。
【0075】
<液体を吐出する装置>
本実施形態に係る液体吐出ヘッドを備えた液体を吐出する装置の一例について、
図11及び
図12を参照して説明する。
図11は液体を吐出する装置の要部平面の説明図であり、
図12は要部側面の説明図である。
図11及び
図12は、液体を吐出する装置の一例としてのシリアル型のインクジェット記録装置である。
【0076】
液体吐出ヘッド101を搭載したキャリッジ403は、主走査移動機構493によって、主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
【0077】
キャリッジ403には、液体吐出ヘッド101及びヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を搭載している。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド101は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド101は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
【0078】
この装置は、記録媒体(例えば、用紙等)を搬送するための搬送機構を備えている。搬送機構は、搬送手段である搬送ベルト412と、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータを含む。搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。
【0079】
主走査移動機構493、及び搬送機構は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
【0080】
キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド101を駆動することにより、記録媒体に液体を吐出して画像を形成する。
【0081】
なお、吐出される液体は、液体吐出ヘッド101から吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0082】
「液体を吐出する装置」には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0083】
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排出にかかわる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
【0084】
「液体を吐出する装置」として、例えば、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0085】
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0086】
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0087】
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0088】
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0089】
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
【0090】
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
【0091】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 液体が吐出されるノズル孔に連通する液室が複数形成された液室基板と、
前記液室基板上の前記ノズル孔と対向する面に設けられた振動板と、
前記振動板上に、第一の電極、圧電体及び第二の電極がこの順に積層された圧電素子と、を備え、
前記圧電体を振動させて前記振動板を変形変位させることで、前記液体を前記ノズル孔から吐出する液体吐出ヘッドにおいて、
前記第一の電極は、前記液室基板の前記液室が形成されていない領域と対向する領域に開口部を有し、
前記開口部は、少なくとも前記液室の配列方向において隣接する液室間の領域に設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッドである。
<2> 前記液室の平面視形状が、配列方向に短辺を有する略長方形であり、
前記開口部は、少なくとも前記液室の長辺と平行なスリット状開口を有することを特徴とする前記<1>に記載の液体吐出ヘッドである。
<3> 前記液室の長辺と平行な前記スリット状開口の長さは、前記液室の長辺の長さよりも長いことを特徴とする前記<2>に記載の液体吐出ヘッドである。
<4> 前記液室の平面視形状が、配列方向に短辺を有する略長方形であり、
前記開口部は、前記液室の長辺と平行な一対のスリット状開口と、前記液室の短辺の一方と平行なスリット状開口とが連結した略コの字形状を有することを特徴とする前記<1>に記載の液体吐出ヘッドである。
<5> 前記液室の平面視形状が、配列方向に短辺を有する略長方形であり、
前記開口部は、前記液室の長辺と平行な複数のスリット状開口と、前記液室の短辺の一方側に設けられた開口とが連結した櫛歯形状を有することを特徴とする前記<1>に記載の液体吐出ヘッドである。
<6> 前記第一の電極と前記第二の電極とを絶縁分離する層間絶縁膜を備え、
前記第一の電極の前記開口部の端部の少なくとも一部が前記層間絶縁膜により被覆されていることを特徴とする前記<1>から<5>のいずれかに記載の液体吐出ヘッドである。
<7> 前記第一の電極の端部の少なくとも一部が前記層間絶縁膜により被覆されていることを特徴とする前記<6>に記載の液体吐出ヘッドである。
<8> 前記振動板と前記第一の電極との間に密着膜を備え、前記密着が酸化チタン膜であることを特徴とする前記<1>から<7>のいずれかに記載の液体吐出ヘッドである。
<9> 前記第一の電極の前記開口部は、角部がR形状であることを特徴とする前記<1>から<8>のいずれかに記載の液体吐出ヘッドである。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする液体を吐出する装置である。
【符号の説明】
【0092】
10 ノズル板
11 ノズル孔
20 液室基板
21 液室
21a 液室長辺
21b 液室短辺
22 隔壁
30 振動板
40 圧電素子
41 第一の電極(下部電極)
42 圧電体
43 第二の電極(上部電極)
44 開口部
50 アクチュエータ基板
61 保護膜
62 層間絶縁膜
63 パッシベーション膜
64 コンタクトホール
65 配線
100 ヘッドモジュール
101 液体吐出ヘッド
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】