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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171712
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】基板処理方法、および基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20241205BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H01L21/31 C
C23C16/455
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088868
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 寿
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA06
4K030AA13
4K030AA14
4K030AA16
4K030AA17
4K030AA18
4K030BA44
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA04
4K030EA05
4K030EA06
4K030FA01
4K030FA10
4K030GA06
4K030HA01
4K030KA41
4K030LA02
4K030LA15
5F045AA08
5F045AA15
5F045AB32
5F045AB33
5F045AC00
5F045AC01
5F045AC11
5F045AC12
5F045AC15
5F045AC16
5F045AD05
5F045AD06
5F045AD07
5F045AD08
5F045AD09
5F045AD10
5F045AD11
5F045AD12
5F045AE21
5F045AE23
5F045AF12
5F045BB02
5F045DP03
5F045DP28
5F045DQ10
5F045EE17
5F045EE20
5F045EF02
5F045EF08
5F045EF10
5F045EF15
5F045EH04
5F045EH11
5F045EH18
5F045EK07
(57)【要約】
【課題】基板の表面に対して精度よく基板処理を行うことができる技術を提供する。
【解決手段】基板処理方法は、(A)処理容器の内部において基板保持部により基板を保持して、当該基板を回転させる工程と、(B)(A)の工程により回転している基板に向けてノズル機構部の吐出口からガスを吐出する工程と、(C)基板保持部に保持された基板の表面と平行な方向、かつ吐出口が基板の中心を通過するように、ノズル機構部と基板とを相対移動させる工程と、を有する。(B)の工程では、(C)の工程で相対移動するノズル機構部の吐出口が対向する箇所の基板の表面積に基づいて、吐出口から吐出するガスの流量を変化させる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する基板処理方法であって、
(A)処理容器の内部において基板保持部により前記基板を保持して、当該基板を回転させる工程と、
(B)前記(A)の工程により回転している前記基板に向けてノズル機構部の吐出口からガスを吐出する工程と、
(C)前記基板保持部に保持された前記基板の表面と平行な方向、かつ前記吐出口が前記基板の中心を通過するように、前記ノズル機構部と前記基板とを相対移動させる工程と、を有し、
前記(B)の工程では、前記(C)の工程で相対移動する前記ノズル機構部の前記吐出口が対向する箇所の前記基板の表面積に基づいて、前記吐出口から吐出する前記ガスの流量を変化させる、
基板処理方法。
【請求項2】
前記(C)の工程では、前記吐出口が対向する箇所の前記基板の表面積に基づいて、前記相対移動の速度を変化させる、
請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記(C)の工程では、前記基板の中心側における前記相対移動の速度よりも前記基板の外縁側における前記相対移動を遅くする、
請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記(B)の工程では、前記吐出口が対向する箇所の前記基板の表面積が大きい程、前記ガスの流量を多くする、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記(B)の工程では、前記基板の中心側における前記ガスの流量よりも前記基板の外縁側における前記ガスの流量を多くする、
請求項4に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記(B)の工程では、前記基板の表面に形成されたパターンを含む当該基板の表面積に基づき、前記ガスの流量を設定する、
請求項4に記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記(B)の工程では、前記基板の表面を複数の区間に分割し、前記複数の区間毎に前記ガスの流量を設定する、
請求項4に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記(B)の工程では、前記基板の表面に形成する膜の目標形状に基づき、前記ガスの流量を設定する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記(B)の工程において、前記ノズル機構部は、前記ガスとして処理ガスを前記吐出口から吐出し、かつ前記処理ガスの周囲においてパージガスを吐出すると共に、前記パージガスの周囲において前記ガスを吸引する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記ノズル機構部は、前記処理ガスである吸着ガスを前記吐出口から吐出する第1ノズル機構、および前記処理ガスである反応ガスを前記吐出口から吐出する第2ノズル機構を含み、
前記(A)の工程により前記基板を回転させた状態で、前記(C)の工程により前記第1ノズル機構および前記第2ノズル機構の各々を相互に独立してスイングさせて、前記(B)の工程を行う、
請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
基板を処理する基板処理装置であって、
前記基板を内部に収容可能な処理容器と、
処理容器の内部において前記基板を保持して、当該基板を回転させる基板保持部と、
前記基板保持部により回転している前記基板に向けてガスを吐出する吐出口を有すると共に、前記基板保持部に保持された前記基板の表面と平行な方向かつ前記吐出口が前記基板の中心を通過するように相対移動可能なノズル機構部と、
前記ノズル機構部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記ノズル機構部を相対移動させ、当該ノズル機構部の前記吐出口が対向する箇所の前記基板の表面積に基づいて、前記吐出口から吐出する前記ガスの流量を変化させる、
基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理方法、および基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サセプタに保持した複数枚のウエハ(基板)を公転させつつ、その上方から複数種類の処理ガスを供給して、基板の表面に所望の膜を成膜する基板処理装置が知られている。近年、半導体デバイスの微細化や高性能化に伴って、薄膜で膜厚の面内均一性に優れた膜を成膜する基板処理方法が要望されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、処理容器内で水平方向に2枚並べた基板の上方の各々にガス供給部を配置して、2枚の基板間の軸部を中心に各ガス供給部を回転させながら、個々の基板にガスを吐出して膜を成膜する基板処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-62703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、基板の表面に対して精度よく基板処理を行うことができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、基板を処理する基板処理方法であって、(A)処理容器の内部において基板保持部により前記基板を保持して、当該基板を回転させる工程と、(B)前記(A)の工程により回転している前記基板に向けてノズル機構部の吐出口からガスを吐出する工程と、(C)前記基板保持部に保持された前記基板の表面と平行な方向、かつ前記吐出口が前記基板の中心を通過するように、前記ノズル機構部と前記基板とを相対移動させる工程と、を有し、前記(B)の工程では、前記(C)の工程で相対移動する前記ノズル機構部の前記吐出口が対向する箇所の前記基板の表面積に基づいて、前記吐出口から吐出する前記ガスの流量を変化させる、基板処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
一態様によれば、基板の表面に対して精度よく基板処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る基板処理装置を示す概略平面図である。
図2図1の基板処理装置において処理容器の対角線に沿って切断した概略断面図である。
図3図3(A)は、第1ノズル機構の先端側を示す概略断面図である。図3(B)は、第1ヘッドの吐出部分を示す概略平面図である。
図4図4(A)は、第2ノズル機構の先端側を示す概略断面図である。図4(B)は、第2ヘッドの吐出部分を示す概略平面図である。
図5】基板処理方法の一例を示すフローチャートである。
図6図6(A)は、基板処理時の第1ノズル機構および第2ノズル機構の動作を示す第1説明図である。図6(B)は、基板処理時の第1ノズル機構および第2ノズル機構の動作を示す第2説明図である。
図7図7(A)は、基板処理時の第1ノズル機構および第2ノズル機構の動作を示す第3説明図である。図7(B)は、基板処理時の第1ノズル機構および第2ノズル機構の動作を示す第4説明図である。
図8図8(A)は、基板処理時の第1ノズル機構および第2ノズル機構の動作を示す第5説明図である。図8(B)は、基板処理時の第1ノズル機構および第2ノズル機構の動作を示す第6説明図である。
図9図9(A)は、基板のパターンが少ない場合における第1流量の吸着ガスの供給を示す図である。図9(B)は、基板のパターンが多い場合における第1流量の吸着ガスの供給を示す図である。図9(C)は、基板のパターンが多い場合における第2流量の吸着ガスの供給を示す図である。
図10】第1ノズル機構のスイング速度および吸着ガスの流量を説明するための概略平面図である。
図11】基板の第1領域および第3領域の吸着ガスの動作を示す図である。
図12図12(A)~図12(I)は、基板に成膜される膜の目標形状を示す図である。
図13】スイング速度および処理ガスの流量の制御において制御部に構築される機能部を示すブロック図である。
図14】変形例に係る基板処理装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
実施形態に係る基板処理装置1は、図1に示すように、基板Wを1枚毎に処理する枚葉式の基板処理装置1に構成されている。この基板処理装置1は、基板処理として原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法または分子層堆積(MLD:Molecular Layer Deposition)法による成膜処理を行う。
【0011】
成膜処理が施される基板Wとしては、シリコン半導体、化合物半導体または酸化物半導体等の半導体ウエハがあげられる。基板Wは、トレンチ、ビア等のパターンを有するものでもよい。なお、本開示の基板処理装置1は、基板処理として成膜処理を行う構成に限定されず、基板W上の膜をエッチングするエッチング処理、基板W上のデポを除去するクリーニング処理等を行う装置に適用してもよい。
【0012】
基板処理装置1は、処理容器10と、基板保持部20と、ガス供給部30と、ガス排出部40と、ノズル機構部50と、を備える。また、基板処理装置1は、当該基板処理装置1の各構成の動作を制御する制御部90を有する。
【0013】
処理容器10は、基板Wを収容可能な内部空間ISを有する直方形状の箱型の容器である。処理容器10の大きさは、処理予定の基板Wの大きさに応じて設定されることが好ましく、例えば、基板Wの直径が300mmである場合に、処理容器10の各辺の長さは、400mm~500mm程度の大きさに形成される。
【0014】
処理容器10の側辺には、内部空間ISを開放および閉塞可能なゲートバルブ13が設けられる。基板処理装置1は、成膜処理前にゲートバルブ13を開放して、図示しない基板処理システム内に設けられた搬送装置2により、処理容器10の外部から内部空間ISに基板Wを搬入する。搬入後に、基板処理装置1は、ゲートバルブ13を閉塞して成膜処理を行う。成膜処理後に、基板処理装置1は、ゲートバルブ13を開放して内部空間ISに搬送装置2を再び進入させ、処理容器10の外部に基板Wを搬出する。なお、図1中では、複数(3つ)のゲートバルブ13を備え、どのゲートバルブ13からでも基板Wを搬入出可能な基板処理装置1を図示しているが、ゲートバルブ13は、処理容器10に少なくとも1つ備えていればよい。
【0015】
図2に示すように、処理容器10は、上側が開放された下側凹容器11と、下側が開放されて下側凹容器11上に被せられる上側凹容器12と、を有する。下側凹容器11および上側凹容器12は、相互の開口を塞ぐように固定されることで、処理容器10の内部空間ISを形成する。なお、図1では、説明の便宜のため、上側凹容器12を取り外した基板処理装置1を示している。
【0016】
下側凹容器11は、平面視で略正方形状に形成された底壁111と、底壁111の4方の外縁から鉛直方向上側に短く突出した外縁突部112と、を有する。この下側凹容器11は、基板保持部20を内側に備える。底壁111の中心には、後記の基板保持部20の軸部22が挿通する貫通孔111aが形成されている。底壁111の中心を含む中心領域は、隣接する環状領域に対して下方に窪んだ窪み部111bとなっている。また、底壁111の環状領域よりも外側かつ外縁突部112との間には、環状領域よりも上方に突出した周辺台部111cが形成されている。
【0017】
窪み部111bには、基板保持部20に保持された基板Wを温調する温調部14が設置されている。温調部14は、特に限定されず、電熱線等のヒータを適用した構成でもよく、熱交換器等により温調した温調媒体を適宜の流路に沿って循環させる構成でもよい。温調部14は、図示しない温調ドライバ等を介して制御部90に接続され、制御部90の制御下に温度が調整される。
【0018】
一方、上側凹容器12は、平面視で略正方形状(底壁111と同形状)に形成された天井壁121と、天井壁121の4方の外縁から鉛直方向下側に短く突出した側壁122と、を有する。処理容器10は、側壁122の下端と外縁突部112の上端とが相互に対向した状態で固定される。側壁122の下端と外縁突部112の上端との間に図示しないシール部材が設けられることで、内部空間ISは気密に閉塞される。上記のゲートバルブ13は、例えば、側壁122に形成された側口122aを開放および閉塞する(図1参照)。
【0019】
また、処理容器10に設けられる基板保持部20は、基板Wを回転可能に保持する。この基板保持部20は、基板Wを直接保持するサセプタ21と、サセプタ21を支持する軸部22と、処理容器10の外側で軸部22に接続される基板回転動作部23と、を含む。
【0020】
サセプタ21は、平面視で基板Wよりも一回り大きなサイズの正円形状に形成され、処理容器10内で水平に延在する載置面21aを有する。載置面21aの周囲は、載置された基板Wの厚みと一致または基板Wの厚みよりも長く突出する縁部が形成されている。また、基板保持部20は、搬送装置2との間で基板Wの受け取りおよび受け渡しを行う複数のリフトピン昇降機構(不図示)を備える。なお、サセプタ21は、載置面21aに対する基板Wの載置時に、適宜の保持手段(機械的なロック、吸着、静電チャック等)により基板Wを固定する構成でもよい。
【0021】
軸部22は、サセプタ21の下面かつ中心に連結され、処理容器10の軸方向(鉛直方向)に沿って延在している。軸部22は、基板回転動作部23により軸回りに回転することで、サセプタ21を回転させる。軸部22の外周面と処理容器10の底壁111の貫通孔111aとの間には、軸部22を回転自在にシールする磁性流体シール部24が設けられている。
【0022】
基板回転動作部23は、モータ、および当該モータと軸部22の間を接続する駆動伝達部を有する(共に不図示)。基板回転動作部23のモータは、ドライバ(不図示)を介して制御部90に接続されている。基板回転動作部23は、制御部90の指令に基づきドライバにて調整された電力がモータに給電されることで、適宜の回転速度で軸部22を回転させる。
【0023】
図1および図2に示すように、ガス供給部30は、処理容器10の外部において処理ガス(吸着ガス、反応ガス)、パージガス等のガスを流通させる複数の供給経路31を有し、各供給経路31を介して処理容器10内にガスを供給する。
【0024】
処理容器10に供給される処理ガスは、基板Wに成膜する膜の種類に応じて、適宜のガスが選択される。例えば、酸化シリコン膜(SiO膜)を成膜する場合、吸着ガスとしては、シラン系ガス等のシリコン含有ガスを適用することができる。また、反応ガスとしては、酸素(O)ガス、オゾン(O)ガス等の酸素含有ガスを適用することができる。さらに、パージガスとしては、窒素(N)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスを適用することができる。
【0025】
複数の供給経路31としては、吸着ガスを流通させる吸着ガス用供給経路31A、反応ガスを流通させる反応ガス用供給経路31B、およびパージガスを流通させるパージガス用供給経路31Cがあげられる。また、パージガス用供給経路31Cは、ノズル機構部50および処理容器10内の各々にパージガスを供給するために、複数の経路で設けられている。
【0026】
各供給経路31は、ガスを貯留する複数のタンク32と、各供給経路31をそれぞれ開閉する複数の開閉バルブ33と、各供給経路31の流路を流れるガスの流量を調整する複数の流量調整器34と、を備える。複数のタンク32としては、吸着ガスを貯留する吸着ガス用タンク32A、反応ガスを貯留する反応ガス用タンク32B、パージガスを貯留するパージガス用タンク32Cがあげられる。また各開閉バルブ33および各流量調整器34は、適宜のドライバを介して制御部90に接続されている。制御部90は、基板処理の適宜のタイミングで、所定のガスの各供給経路31の開閉バルブ33を開放して、流量調整器34によりガスの流量を調整することで、所定のガスを処理容器10に供給する。
【0027】
一方、ガス排出部40は、処理容器10の外部においてガス(反応済みのガス、未反応のガス、パージガス等)を流通させる複数の排出経路41を有し、各排出経路41を介して処理容器10内に供給されたガスを排出する。複数の排出経路41は、後記のノズル機構部50の2つの機構(第1ノズル機構60、第2ノズル機構70)に応じて、2系統に分けている。
【0028】
第1排出経路42は、第1ノズル機構60およびその近傍位置に接続され、第1ノズル機構60から吐出されるガスを主に排出する。第1排出経路42は、複数(2つ)に分岐した分岐排出経路421と、各分岐排出経路421が合流してガスをまとめて排気する合流排出経路422と、を有する。一方の分岐排出経路421Aは、第1ノズル機構60に直接連結され、この第1ノズル機構60のガスを排出する。分岐排出経路421Aには、第1ノズル機構60において吸引するガス圧を調整するための圧力調整バルブ423Aが設けられている。
【0029】
他方の分岐排出経路421Bは、処理容器10の底壁111の環状領域に接続され、サセプタ21の周辺において内部空間ISのガスを排気する。底壁111には、温調部14の側方において環状に周回する排出溝15が設けられている(図1も参照)。分岐排出経路421Bは、この排出溝15の底部に連通している。なお、排出溝15の上側の開口には、ガスの排出時のコンダクタンスを周方向に均一にするために、排気網16が設けられることが好ましい。
【0030】
合流排出経路422の一端には、第1排出経路42全体のガスを吸引するために、吸引機構424(例えば、ターボ分子ポンプ、真空ポンプ)が接続されている。さらに、合流排出経路422には、第1系統全体において吸引するガス圧を調整するための圧力調整バルブ423Bが設けられている。
【0031】
第2排出経路43は、第2ノズル機構70およびその近傍位置に接続され、第2ノズル機構70のガスを主に排出する。第2排出経路43も、第1排出経路42と同様に、複数(2つ)に分岐した分岐排出経路431と、各分岐排出経路431が合流してガスをまとめて排気する合流排出経路432と、を有する。一方の分岐排出経路431Aは、第2ノズル機構70に接続され、この第2ノズル機構70のガスを排出する。分岐排出経路431Aの途中位置には、第2ノズル機構70において吸引するガス圧を調整するための圧力調整バルブ433Aが設けられている。他方の分岐排出経路431Bは、処理容器10の底壁111の環状領域(排出溝15の底部)に接続され、サセプタ21の周辺において内部空間ISのガスを排気する。
【0032】
合流排出経路432の一端には、第2排出経路43全体のガスを吸引するために、吸引機構434(例えば、ターボ分子ポンプ、真空ポンプ)が接続されている。さらに、合流排出経路432の途中位置には、第2系統全体において吸引するガス圧を調整するための圧力調整バルブ433Bが設けられている。
【0033】
そして、ノズル機構部50は、処理容器10内でサセプタ21に保持された基板Wの上面(表面)に処理ガスおよびパージガスを吐出すると共に、基板Wの上方のガスを吸引する機能を有する。このノズル機構部50は、基板Wに供給する処理ガスの種類(吸着ガス、反応ガス)に応じて、第1ノズル機構60および第2ノズル機構70を備える。そして、基板処理装置1は、処理容器10内で第1ノズル機構60および第2ノズル機構70の各々を、基板保持部20と相対的にスイングさせる。これにより、第1ノズル機構60においてガスの吐出および吸引がなされる第1処理点領域PR1(図3(A)参照)と、第2ノズル機構70においてガスの吐出および吸引がなされる第2処理点領域(図4(A)参照)とが相互に独立して移動するようになる。
【0034】
第1ノズル機構60は、処理容器10(下側凹容器11)の4つの角部のうち1つの角部(図1中では左下の角部)に設置される。第1ノズル機構60は、吸着ガスおよびパージガスを吐出しつつ、吐出されたガスを吸引する。具体的には、第1ノズル機構60は、第1ノズル61と、第1ノズル61の基端に設けられる第1ノズル動作部62と、第1ノズル61の突出端(先端)に設けられる第1ヘッド63と、を備える。
【0035】
第1ノズル61は、底壁111の周辺台部111cに設置されており、サセプタ21に載置された基板Wよりも高い位置でサセプタ21の載置面21aと平行(水平方向)に延在している。第1ノズル61は、処理容器10内の第1ノズル動作部62から処理容器10の中心まで延在可能な長さに形成されている。処理容器10の中心はサセプタ21(基板W)の中心に一致しており、第1ノズル61は、このサセプタ21の中心まで延在していることになる。すなわち、第1ノズル61の延在長さは、処理容器10の対角線の半分よりも若干短い一方で、サセプタ21の半径よりも長く設定されている。
【0036】
第1ノズル61は、例えば、断面視で長方形状の角筒に形成され、ガスを流通可能な流路611を内部に有する。また、処理容器10内で第1ノズル61の外周面の適宜の位置(例えば、上面)には、複数の配管612、614が設けられている。複数の配管612、614は、第1ノズル61の基端から第1ノズル61の第1ヘッド63までの間を、第1ノズル61の延在方向と平行に延在している。
【0037】
配管612は、軸方向に沿って延在する流路612aを内部に有し、その基端が処理容器10に設けられた接続管613に接続されている。接続管613は、第1ノズル61の回動に追従して配管612が移動できるように、適度な可撓性を有している。接続管613は、処理容器10に設けられたコネクタを介して、処理容器10の外部の吸着ガス用供給経路31Aに接続されている。これにより、配管612は、流路612aに沿って基端から第1ヘッド63まで吸着ガスを流通できる。
【0038】
配管614は、軸方向に沿って延在する流路614aを内部に有し、その基端が処理容器10に設けられた接続管615に接続されている。接続管615も、第1ノズル61の回動に追従して配管614が移動できるように、適度な可撓性を有している。接続管615は、処理容器10に設けられたコネクタを介して、処理容器10の外部のパージガス用供給経路31Cに接続されている。これにより、配管614は、流路614aに沿って基端から第1ヘッド63まで吸着ガスを流通できる。
【0039】
第1ノズル61の流路611は、配管612の流路612aおよび配管614の流路614aよりも大きな流路断面積を有している。この流路611は、第1ヘッド63の外周部にて吸引したガスを流通させ、支持軸621を介して分岐排出経路421Aにガスを排出させる。第1ノズル61の基端は、第1ノズル動作部62の支持軸621に連結されている。第1ノズル61は、支持軸621の動作に伴い当該支持軸621を基点として、第1ノズル61および第1ヘッド63を円弧形状にスイング(往復移動)させる。
【0040】
第1ノズル動作部62は、第1ノズル61の流路611におけるガスの流通を確保しつつ、支持軸621を回動させる。このため、第1ノズル動作部62は、支持軸621の他に、カバー622、磁性流体シール部623、駆動本体624を備える。
【0041】
支持軸621は、鉛直方向に延在し、流路621aを内部に有する硬質な円管に形成されている。支持軸621の上端は、適宜の固定部材を用いて、水平方向に延在する第1ノズル61を強固に固定している。また、支持軸621の下端は、処理容器10に設けられたコネクタ(不図示)を介して、処理容器10の外部の分岐排出経路421Aに接続されている。これにより、第1ノズル61は、分岐排出経路421A、流路621a、流路611の順に、第1ノズル61の先端に設けられた第1ヘッド63に吸引力(陰圧)を付与して、ガスを吸引することができる。
【0042】
磁性流体シール部623は、底壁111と支持軸621との間を気密にシールすることで、処理容器10内から第1ノズル動作部62を介したガスの漏出を規制する。また、駆動本体624は、図示しない回転モータおよび駆動伝達機構を備え、回転モータの回転駆動に基づき、設定した角度範囲にわたって支持軸621を回動させる。この支持軸621の回動に連れて、第1ノズル61は、支持軸621と連結する基端を基点にスイングする。駆動本体624は、駆動ドライバ(不図示)を介して制御部90に接続されており、制御部90の制御下に、回転モータの回転速度、回転方向等が制御される。
【0043】
第1ノズル動作部62は、略90°の範囲にわたって図1の時計回りの回動および図1の反時計回りの回動を繰り返すように制御される。この第1ノズル動作部62の動作により、第1ノズル61は、処理容器10の一辺付近に設定された第1ノズル移動一端N11と、処理容器10の一辺に直交して連なる他辺付近に設定された第1ノズル移動他端N12との間をスイングする。第1ノズル移動一端N11および第1ノズル移動他端N12は、サセプタ21から水平方向に向かって適宜の間隔を開けた位置(鉛直方向にサセプタ21と重ならない位置)である。
【0044】
図3(A)および図3(B)に示すように、第1ノズル61の先端に設けられる第1ヘッド63は、平面視で、第1ノズル61の延在方向と直交する方向に長い長方形状に形成されている。第1ヘッド63は、基板処理時に、吸着ガスを基板Wに吐出すると共に、吸着ガスの周囲でパージガスを基板Wに吐出し、さらに吸着ガスおよびパージガスの吐出部分の外側においてガスを吸引する第1処理点領域PR1を形成する。第1ヘッド63は、第1ノズル61の第1ノズル移動一端N11と第1ノズル移動他端N12のスイングに応じて第1円弧経路を往復移動し、この移動時に基板Wに対向する(図1も参照)。
【0045】
詳細には、第1ヘッド63は、第1円弧経路の接線方向に長い長方形状のヘッド本体631と、ヘッド本体631の上面から突出する突出部632と、を有する。ヘッド本体631には、第1ノズル61が直接連結されており、突出部632には、上記した配管612および配管614が接続されている。そして、第1ヘッド63は、ヘッド本体631の中央および突出部632の中央に、吸着ガスを吐出する処理ガス吐出部633を有する。
【0046】
処理ガス吐出部633は、ヘッド本体631および突出部632にわたって延在する内壁と、ヘッド本体631の基板Wに対向する底壁(吐出プレート637)とで囲われた部位である。処理ガス吐出部633は、吐出路633aを内部に有すると共に、底壁において吐出路633aに連通する複数の吐出口633bを有する。この吐出路633aと流路612aとが連通するように、配管612が突出部632に接続されている。なお、処理ガス吐出部633は、流路612aから供給された吸着ガスを加熱するヒータ636を、吐出路633a内に備えてもよい。
【0047】
処理ガス吐出部633の各吐出口633bは、マトリックス状に配置され、全体として第1円弧経路の接線方向に長い長方形状を呈している。これにより、処理ガス吐出部633は、第1処理点領域PR1の中心に長方形状の吸着ガスの吐出領域PR11を形成する。つまり、処理ガス吐出部633は、基板処理時に、基板W全体の面積に対して充分に狭い範囲に、吸着ガスを吹きつけることができる。
【0048】
さらに、第1ヘッド63は、処理ガス吐出部633の周囲に、パージガスを吐出するパージガス吐出部634を有する。パージガス吐出部634は、突出部632の内壁および外壁の間と、ヘッド本体631の内壁および隔壁の間と、底壁とで囲われた部位である。パージガス吐出部634は、吐出路634aを内部に有すると共に、底壁において吐出路634aに連通する複数の吐出口634bを有する。この吐出路634aと流路613aとが連通するように、配管614が突出部632に接続されている。
【0049】
パージガス吐出部634の各吐出口634bは、各吐出口633bと同様に、マトリックス状に配置され、処理ガス吐出部633の各吐出口633bを周回する方形環状を呈している。これにより、パージガス吐出部634は、吸着ガスの吐出領域の外側に方形環状のパージガスの吐出領域PR12を形成する。パージガス吐出部634は、基板処理時にパージガスの吐出によって、処理ガス吐出部633が吐出した吸着ガスが外側に広がることを抑える。
【0050】
また、第1ヘッド63は、パージガス吐出部634の周囲に、ガスを吸引するガス吸引部635を有する。ガス吸引部635は、ヘッド本体631の隔壁および外壁で囲われた部位である。ガス吸引部635は、吸引路635aを内部に有すると共に、吸引路635aに連通する一連の開口635bとを有する。この吸引路635aと流路611とが連通するように、第1ノズル61とヘッド本体631とが連結されている。
【0051】
開口635bは、ヘッド本体631の底壁の外周部を周回する方形環状に形成されている。これにより、ガス吸引部635は、パージガスの吐出領域の外側に方形環状の吸引領域PR13を形成する。ガス吸引部635は、基板処理時に吐出領域PR12の周囲において、基板W上に吐出された吸着ガスやパージガスをスムーズに吸引できる。
【0052】
図1および図2に戻り、第2ノズル機構70は、処理容器10の4つの角部のうち第1ノズル機構60の対角に位置する他の角部(図1中では右上の角部)に設置される。第2ノズル機構70は、反応ガスおよびパージガスを吐出しつつ、吐出されたガスを吸引する。具体的には、第2ノズル機構70は、第2ノズル71と、第2ノズル71の基端に設けられる第2ノズル動作部72と、第2ノズル71の突出端(先端)に設けられる第2ヘッド73と、を備える。
【0053】
第2ノズル71は、第1ノズル61と基本的に同形状に形成される。すなわち、第2ノズル71の内部には、流路711が設けられている。また第2ノズル71の外周面の適宜の位置(例えば、上面)には、複数の配管712、714が設けられている。配管712は、流路712aを内部に有し、その基端が処理容器10に設けられた接続管713に接続されている。接続管713は、処理容器10の外部に設けられた反応ガス用供給経路31Bに接続されている。配管714は、流路714aを内部に有し、その基端が処理容器10に設けられた接続管715に接続されている。接続管715は、処理容器10の外部に設けられたパージガス用供給経路31Cに接続されている。
【0054】
第2ノズル動作部72も、第1ノズル動作部62と同様に形成される。すなわち、第2ノズル動作部72は、支持軸721、カバー722、磁性流体シール部723、駆動本体724を備える。支持軸721は、流路721aを内部に有する硬質な円管に形成されている。支持軸721は、上端において第2ノズル71を支持し、下端において、処理容器10の外部に設けられた分岐排出経路431Aに接続されている。また、駆動本体724は、図示しない回転モータおよび駆動伝達機構を備え、回転モータの回転駆動に基づき、設定した角度範囲にわたって支持軸721を回動させる。駆動本体724は、図示しない駆動ドライバを介して制御部90に接続されており、制御部90の制御下に、回転モータの回転速度、回転方向等が制御される。
【0055】
第2ノズル動作部72も、略90°の範囲にわたって支持軸721の時計回りおよび反時計回りの回動を繰り返すように制御される。このため、第2ノズル71は、第2ノズル動作部72の動作により、処理容器10の一辺付近に設定された第2ノズル移動一端N21と、処理容器10の一辺に直交して連なる他辺付近に設定された第2ノズル移動他端N22との間をスイングする。第2ノズル移動一端N21および第2ノズル移動他端N22は、サセプタ21から水平方向に向かって適宜の間隔を開けた位置(鉛直方向にサセプタ21と重ならない位置)である。
【0056】
図4(A)および図4(B)に示すように、第2ヘッド73も、基本的には第1ヘッド63と同様に形成される。この第2ヘッド73は、基板処理時に、反応ガスを基板Wに吐出すると共に反応ガスの周囲でパージガスを基板Wに吐出し、さらに反応ガスおよびパージガスの吐出部分の外側においてガスを吸引する第2処理点領域PR2を形成する。第2ヘッド73は、第2ノズル71の第2ノズル移動一端N21と第2ノズル移動他端N22のスイングに応じて第2円弧経路を往復移動し、この移動時に基板Wに対向する。
【0057】
詳細には、第2ヘッド73は、第2円弧経路の接線方向に長い長方形状のヘッド本体731と、ヘッド本体731の上面から突出する突出部732を有し、この突出部732には、配管712および配管714が接続されている。そして、第2ヘッド73は、ヘッド本体731の中央および突出部732の中央に、反応ガスを吐出する処理ガス吐出部733を有する。
【0058】
処理ガス吐出部733は、ヘッド本体731および突出部732にわたって延在する内壁と、ヘッド本体731の基板Wに対向する底壁(吐出プレート738)とで囲われた部位である。処理ガス吐出部733は、吐出路733aを内部に有すると共に、吐出路733aに連通する吐出口733bを有する。この吐出路733aと流路712aとが連通するように、配管712が突出部732に接続されている。なお、実施形態において、吐出口733bは長手方向に連通する方形状であるが、これに限定されず、第2ヘッド73は第1ヘッド63と同様に複数の吐出口を備える構成でもよい。また、処理ガス吐出部733は、流路712aから供給された反応ガスを加熱するヒータ736を、吐出路733a内に備えてもよい。
【0059】
さらに処理ガス吐出部733は、基板処理の要求に応じて、反応ガスをそのまま(または加熱して)吐出してもよく、反応ガスをプラズマ化して吐出する構成でもよい。以下では、処理ガス吐出部733が反応ガスをプラズマ化して吐出する構成について具体的に説明していく。処理ガス吐出部733は、突出部732の内壁の外周面を周回するプラズマ用のアンテナ737を有する。アンテナ737は、図示しない配線を介して処理容器10の外部に設けられた高周波電力供給部(不図示)に接続されている。配線は、例えば、第2ノズル71の外周面に沿って延在している。このため、基板処理時には、高周波電力供給部から配線を介してアンテナ737に高周波電力が供給され、吐出路733a内を流通する反応ガスにプラズマを生成させる。
【0060】
反応ガスをプラズマ化する場合、反応ガスは、例えば、O2、H2、NH3、Ar、N2等を適宜混合した混合ガスを使用すればよい。また、高品質な酸化膜を成膜するために、プラズマの生成におけるパージガスは、O3を含むパージガスを供給するとよい。これにより、処理ガス吐出部733は、反応ガスの吐出時に、第2処理点領域PR2の中心にプラズマ化した反応ガスの吐出領域PR21を形成することができる。
【0061】
さらに、第2ヘッド73は、処理ガス吐出部733の周囲に、パージガスを吐出するパージガス吐出部734を有する。パージガス吐出部734は、第1ヘッド63のパージガス吐出部634と同様の構成をとることができ、吐出路734aおよび複数の吐出口734bを有し、パージガスの吐出領域PR22を形成する。また、第2ヘッド73は、パージガス吐出部734の周囲に、ガスを吸引するガス吸引部735を有する。ガス吸引部735も、第1ヘッド63のガス吸引部735と同様の構成をとることができ、吸引路735aおよび開口735bを有し、ガスの吸引領域PR23を形成する。
【0062】
図2に戻り、基板処理装置1は、さらに処理容器10の上部(ノズル機構部50よりも上方)から下側の内部空間ISにパージガスを供給する機構を有している。例えば、上側凹容器12の天井壁121は、パージガスを導入するガス導入ポート17を備える。このガス導入ポート17は、開閉バルブ33および流量調整器34を有するパージガス用供給経路31Cを介してパージガスを貯留したパージガス用タンク32Cに接続されている。
【0063】
また、上側凹容器12内には、ガス導入ポート17から導入されたパージガスを水平方向に拡散するために、シャワーヘッド18が設けられてもよい。シャワーヘッド18は、複数のガス孔18aを有する平板状に形成され、シャワーヘッド18と天井壁121との間の空間に供給されたパージガスを、シャワーヘッド18よりも下側の空間(基板Wおよびノズル機構部50がある空間)に均一に吐出する。
【0064】
上記の基板処理装置1を制御する制御部90は、図1に示すように、プロセッサ91、メモリ92、図示しない入出力インタフェース等を有するコンピュータを適用することができる。プロセッサ91は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、複数のディスクリート半導体からなる回路等のうち1つまたは複数を組み合わせたものである。メモリ92は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ(例えば、コンパクトディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、ハードディスク、フラッシュメモリ等)を適宜組み合わせたものである。
【0065】
メモリ92は、基板処理装置1を動作させるプログラムおよび基板処理のプロセス条件等のレシピを記憶している。プロセッサ91は、メモリ92のプログラムを読み出して実行することで、基板処理装置1の各構成を制御する。なお、制御部90は、ネットワークを介して情報通信するホストコンピュータまたは複数のクライアントコンピュータにより構成されてもよい。
【0066】
第1実施形態に係る基板処理装置1は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、この基板処理装置1による基板処理方法について説明する。
【0067】
制御部90は、基板処理装置1の各構成を制御して、基板保持部20に保持された基板Wに基板処理である成膜処理を行う。この際、制御部90は、基板保持部20により基板Wを回転させた状態で、第1ノズル61と第2ノズル71とを相互に独立して動作(スイング)させる。
【0068】
具体的には、制御部90は、基板保持部20のサセプタ21に基板Wを載置した後に、ゲートバルブ13を閉塞して基板処理を開始する。図5に示すように、制御部90は、まずガス供給部30およびガス排出部40を動作させ、処理容器10内の上部からパージガスを供給しつつ内部のガスを排出することで、設定された目標圧力となるように処理容器10の内圧を調整する(ステップS1)。この処理容器10の内圧は、基板処理の種類等に応じて適宜設定することが可能であり、例えば、1Torr~10Torrの範囲に設定できる。処理容器10は、上方全体からパージガスが継続的に供給されることで、後の処理ガスの吐出時において処理ガスがノズル機構部50よりも上方の空間に移動することを抑制できる。
【0069】
また、制御部90は、処理容器10内の温調部14を動作させて、サセプタ21に載置された基板Wの温度を調整する(ステップS2)。この基板Wの温度も、基板処理の種類等に応じて適宜設定することが可能であり、例えば、100℃前後~800℃の範囲に設定できる。
【0070】
さらに、制御部90は、基板保持部20の基板回転動作部23を動作させて、サセプタ21を適宜の速度で回転させる(ステップS3:(A)の工程)。例えば、制御部90は、10rpm~1000rpmの範囲の回転速度でサセプタ21を回転させる。これにより、サセプタ21に保持された基板Wも、その中心を基点に回転(自転)する。
【0071】
そして、制御部90は、基板Wの回転速度、基板Wの温度等が安定になった状態で、第1ノズル機構60および第2ノズル機構70の動作を開始する(ステップS4:(C)の工程)。すなわち、制御部90は、第1ノズル動作部62の動作を制御して、基板Wの表面と平行な方向に第1ノズル61をスイングさせると共に、第2ノズル動作部72の動作を制御して、基板Wの表面と平行な方向に第2ノズル71をスイングさせる。
【0072】
上記したように、第1ヘッド63は、第1ノズル61のスイングに基づいて、第1円弧軌道を往復移動する。第2ヘッド73は、第2ノズルのスイングに基づいて、第2円弧軌道を往復移動する。第1円弧軌道と第2円弧軌道は、サセプタ21(基板W)の中心で交わっている。例えば、制御部90は、第1ノズル61のスイング速度と、第2ノズル71のスイング速度とを同じにする一方で、第1ノズル61のスイングの開始タイミングと、第2ノズル71のスイングの開始タイミングとをずらして制御する。これにより、第1ヘッド63と第2ヘッド73との干渉を回避することができる。
【0073】
一例として、図6(A)に示すように、制御部90は、第1ノズル移動一端N11からの第1ノズル61の往動を開始し、この開始タイミングから開始遅延期間を経過したタイミングで、第2ノズル移動一端N21からの第2ノズル71の往動を開始する。これにより図6(B)に示すように、第1ヘッド63の吐出口633bは、基板Wの中心の上方に先に到達して、当該基板Wの中心を通過する。その後に、第2ヘッド73の吐出口733bは、基板Wの中心の上方に到達して、当該基板Wの中心を通過する。
【0074】
そして、図7(A)に示すように、第1ノズル61は、先に第1ノズル移動他端N12に到達し、この第1ノズル移動他端N12から第1ノズル移動一端N11への復動を開始する。一方、図7(B)に示すように、第2ノズル71は、第1ヘッド63の到達よりも後に第2ノズル移動他端N22に到達し、この第2ノズル移動他端N22から第2ノズル移動一端N21への復動を第1ノズル61よりも遅いタイミングで開始する。第1ノズル61の復動時には、第2ノズル71が既に基板Wの中心付近を通過しているので、第1ノズル61と第2ノズル71の接触をなくすことができる。
【0075】
復動時でも、図8(A)に示すように、第1ヘッド63は、基板Wの中心の上方に先に到達して、当該基板Wの中心を通過し、第1ノズル移動一端N11に至る。図8(B)に示すように、第2ヘッド73は、第1ヘッド63よりも後に基板Wの中心の上方に到達して、当該基板Wの中心を通過し、第2ノズル移動一端N21に至る。
【0076】
基板処理装置1は、以上の動作によって、基板Wの中心を吐出口633bが通過する第1ヘッド63の往復移動と、基板Wの中心を吐出口733bが通過する第2ヘッド73の往復移動とを安定的に繰り返すことができる。なお、第1ノズル61と第2ノズル71の動作は、上記に限定されるものではない。例えば、基板処理装置1は、第1ノズル61と第2ノズル71とを交互に動作させる構成でもよい。一例として、制御部90は、第2ノズル71を待機した状態で第1ノズル61を往動させ、この後に第1ノズル61を待機した状態として第2ノズル71を往動させる構成をとり得る。この場合、第2ノズル71の往動後に、さらに制御部90は、第2ノズル71を待機した状態として第1ノズル61を復動させ、この後に第1ノズル61を待機した状態として第2ノズル71を復動させる。
【0077】
図5に戻り、制御部90は、ノズル機構部50の動作と共に、ガス供給部30およびガス排出部40を動作させて、ノズル機構部50を用いた処理ガス(吸着ガス、反応ガス)の供給、およびガスの吸引を開始する(ステップS5:(B)の工程)。なお、ガス供給部30およびガス排出部40の動作タイミングは、特に限定されず、第1ノズル61や第2ノズル71の往復移動の前でもよく、往復移動の後でもよい。
【0078】
第1ヘッド63の吐出口633bは、第1円弧軌道を移動しながら、図3(A)に示すように鉛直方向下側に吸着ガスの吐出領域PR11を形成し、回転している基板Wに吸着ガスを吸着させる。さらに、第1ヘッド63は、吸着ガスの吐出領域PR11の周囲においてパージガスの吐出領域PR12を形成することで、吸着ガスの広がりを抑えて吸着ガスの吐出領域PR11を容易に制御できる。そして、第1ヘッド63は、吐出領域PR12の外側の吸引領域PR13でガスを吸引することにより、基板Wの上面付近に吸着ガスが残存することを低減でき、基板Wの第1処理点領域PR1以外の箇所に吸着ガスが付着することを抑制できる。
【0079】
一方、第2ヘッド73の吐出口733bは、第2円弧軌道を移動しながら、図4(A)に示すように鉛直方向下側に反応ガスの吐出領域PR21を形成し、回転している基板Wにプラズマ化した反応ガスを吐出する。さらに、第2ヘッド73は、反応ガスの吐出領域PR21の周囲においてパージガスの吐出領域PR22を形成することで、反応ガスの広がりを抑えて反応ガスの吐出領域PR21を容易に制御できる。そして、第2ヘッド73は、吐出領域PR22の外側の吸引領域PR23でガスを吸引することにより、基板Wの上面付近に反応ガスが残存することを低減でき、基板Wの第2処理点領域PR2以外の箇所で反応ガスが反応することを抑制できる。
【0080】
図5に戻り、制御部90は、基板処理方法のステップS6において基板処理の終了を判定する。例えば、制御部90は、レシピ等において設定された目標時間(または目標膜厚等に応じて設定された処理時間)と、ノズル機構部50の実動作時間とを監視する。制御部90は、実動作時間が目標時間に達した場合に、基板処理の終了を判定する。なお、基板処理装置1は、膜厚を測定する膜厚測定装置(不図示)を処理容器10内に備え、測定した膜厚が目標膜厚に達したことに基づき基板処理の終了を判定してもよい。
【0081】
そして、基板処理装置1は、上記のステップS4およびステップS5の実行中に、基板Wの表面積に基づいて、ノズル機構部50の処理ガス(第1ノズル機構60の吸着ガス、第2ノズル機構70の反応ガス)の流量を変化させる。処理ガスの流量の調整において、制御部90は、吸着ガス用供給経路31Aの流量調整器34により吸着ガスの流量を調整し、反応ガス用供給経路31Bの流量調整器34により反応ガスの流量を調整する。
【0082】
次に、基板処理において処理ガスの流量を調整する意義について、図9(A)~図9(C)を参照しながら詳述していく。なお、以下では第1ノズル機構60の制御について代表的に説明し、同様の制御を行う第2ノズル機構70については説明を省略する。また、図9(A)~図9(C)では、吸着ガスの流量の違いを矢印の太さで表しており、矢印が太い程、流量が大きいことを示している。
【0083】
図9(A)に示すように、基板Wの表面には、半導体デバイスを構成するために、複数のパターンPT(トレンチ、ビア等の凹凸)が形成されている。基板Wの表面において各パターンPTの数が少ない場合には、基板Wの表面積は小さくなる。あるいは、各パターンPTの深さが浅い場合も、基板Wの表面積は小さくなる。なお、基板Wの表面は、パターンPTがないフラットな面であってもよく、この場合の基板Wの表面積は最も小さくなる。
【0084】
ここで、第1ノズル機構60が第1流量の吸着ガスを吐出口633bから吐出する場合について説明する。吐出口633bから吐出された吸着ガスは、基板Wの表面の各パターンPTに入り込み、パターンPTの側壁や底壁に吸着して膜を形成する。各パターンPTの数が少ない場合または各パターンPTが浅い場合には、吸着ガスが各パターンPT内に充分に入り込む。言い換えれば、第1ノズル機構60は、基板Wの表面の単位面積当たりに供給する吸着ガスの濃度を濃くでき、膜を安定して形成することが可能となる。
【0085】
ただし、基板Wの各パターンPTは、製造予定の半導体デバイス等に応じて形状がそれぞれ異なる。特に、近年は微細化や高性能化(緻密化)に伴って、基板Wの各パターンPTの数が多くなる傾向にある。図9(B)に示すように、基板Wの表面において各パターンPTの数が多い場合には、基板Wの表面積は大きくなる。あるいは、各パターンPTの深さが深い場合も、基板Wの表面積は大きくなる。
【0086】
第1ノズル機構60が、図9(A)と同様に第1流量の吸着ガスを吐出口633bから吐出した場合、第1流量の吸着ガスは、基板Wの表面の各パターンPTに入り込むが、基板Wの多数のパターンPTに応じて分散されることになる。したがって、吸着ガスの流量を第1流量に維持したままだと、基板Wの表面の単位面積当たりに供給する吸着ガスの濃度が薄くなり、膜の形成が不充分になる。
【0087】
そのため、基板Wの各パターンPTの数が多いまたは各パターンPTの深さが深い等の場合、第1ノズル機構60は、図9(C)に示すように吸着ガスの流量について、図9(A)や図9(B)の第1流量よりも多い第2流量に変化させる。第1ノズル機構60から吐出する吸着ガスの流量が多くなることで、各パターンPTに吸着ガスが分散したとしても、各パターンPT内に入り込む吸着ガスの量がそれぞれ増加することになる。言い換えれば、第1ノズル機構60は、基板Wの表面の単位面積当たりに供給する吸着ガスの濃度を濃くでき、膜を安定して形成することが可能となる。
【0088】
また、第1ノズル機構60は、吸着ガスを多量に吐出することで、吸着ガスの吐出圧を高めることができる。これにより、第1ノズル機構60は、各パターンPTの奥部(底壁)まで吸着ガスを安定して導くことが可能となり、各パターンPTの奥部を良好に成膜することが可能となる。
【0089】
以上のように、基板処理装置1は、第1ノズル機構60が対向する基板Wの表面積に基づいて、吸着ガス(処理ガス)の流量を変化させることで、基板処理を適切に行うことができる。例えば、各パターンPTの数または深さに応じて表面積が小さい場合には処理ガスの流量を少なくすることで、無駄になる処理ガスを低減でき、コストを抑えることができる。逆に、各パターンPTの数または深さに応じて表面積が大きくなる程、処理ガスの流量を多くすることで、適宜の膜厚の膜を各パターンPTに形成できる。
【0090】
ただし既述したように、第1ノズル機構60は、基板処理において、回転している基板Wの上方で、この基板Wの中心を通るように第1ヘッド63を往復しながら、基板Wの周方向にわたって第1ヘッド63から吸着ガスを供給する。この基板処理では、基板の周方向の表面積の影響も受けることになる。具体的には、基板Wの表面積は、基板Wの中心側が小さく、外縁側が大きくなる。
【0091】
したがって、実施形態に係る基板処理装置1は、第1ノズル機構60の相対移動の速度(スイング速度)を変更する制御と、各吐出口633bから吐出する吸着ガスの流量を増加させる制御と、を連動して行う。例えば、基板処理装置1は、サセプタ21に保持される基板Wの表面について、図10に示すように、中心から径方向外側に向かって半径の間隔を複数の区間に等分し、各区間に応じてスイング速度および吸着ガスの流量を変化させる。図10では、基板Wの表面を3つの区間に分割している(以下では、分割した区間について基板Wの中心から外縁に向かって順に、第1区間R1~第3区間R3ともいう)。第1区間R1~第3区間R3の幅は、基板Wの直径に基づき設定することが好ましく、例えば、基板Wの直径が300mmの場合に、第1区間R1~第3区間R3の幅は60mmにするとよい。また、各区間の幅は、第1ヘッド63や第2ヘッド73の長手方向長さに略一致している。なお、分割する区間の数は、3つに限定されず、2つでもよく、4つ以上でもよい。
【0092】
第1区間R1は、基板Wの中心において正円形状を呈している。第2区間R2は、第1区間R1の外側に隣接し、その周囲を周回する円環形状を呈している。また、第3区間R3も、第2区間R2の外側に隣接し、その周囲を周回する円環形状を呈している。この場合、各区間の表面積の関係は、第1区間R1<第2区間R2<第3区間R3となる。
【0093】
成膜処理では、通常、基板Wに成膜される膜の膜厚を一定にする(面内均一性を高める)ことが求められる。このため、制御部90は、第1ノズル機構60のスイング速度について、第1区間R1(中心側)から第3区間R3(外縁側)に向かって順に遅い設定とする。第1ノズル機構60のスイング速度が速い場合には、回転している基板Wの表面の周方向に対して、第1ヘッド63の吐出口633bが短い時間にわたって対向することになる。よって、第1ヘッド63は基板Wの表面の単位面積当たりに供給する処理ガスを少なくできる。逆に、第1ノズル機構60のスイング速度が遅い場合には、回転している基板Wの表面の周方向に対して、第1ヘッド63の吐出口633bが長い時間にわたって対向することになる。よって、第1ヘッド63は、基板Wの表面の単位面積当たりに供給する処理ガスを多くできる。
【0094】
このことから、制御部90は、第1ノズル機構60のスイング速度について、第1区間R1の速度vr1>第2区間R2の速度vr2>第3区間R3の速度vr3とする。言い換えれば、吐出口633bが対向する箇所の基板Wの表面積が大きい程、スイング速度(相対移動の速度)を遅くする。例えば、制御部90は、第1ノズル動作部62の図示しないエンコーダの信号に基づき第1ノズル61の回転角度を監視し、第1ヘッド63の回転方向の前端が各区間の境界に重なった場合に、スイング速度を切り替えるとよい。図10の例では、各区間の境界は、第1ノズル61の回転基点を基準として略16°単位で切り替わる。このため、制御部90は、第1ノズルの回転角度の16°毎にスイング速度を切り替えるとよい。
【0095】
また、制御部90は、基板Wの各パターンPTが多い場合に、第1ノズル機構60の吸着ガスの流量について、第1区間R1の流量Q1<第2区間R2の流量Q2<第3区間R3の流量Q3とする。言い換えれば、吐出口633bが対向する箇所の基板Wの表面積が大きい程、吸着ガスの流量を多くする。例えば、制御部90は、第1ノズル動作部62の図示しないエンコーダの信号に基づき第1ノズル61の回転角度を監視し、第1ヘッド63の回転方向の前端が各区間の境界に重なった場合に、流量を切り替えるとよい。
【0096】
これにより、図11に示すように、第3区間R3では、第1ノズル機構60が対向する箇所の基板Wの各パターンPTに、他の区間よりも多い流量Q3の吸着ガスが供給される。第3区間R3では、基板Wの表面の単位面積当たりに供給される吸着ガスの濃度が濃くなり、各パターンPTに対して多くの吸着ガスが吸着する。しかも、制御部90は、第1ノズル機構60のスイング速度について他の区間よりも遅い速度vr3に設定している。このため、基板処理装置1は、第3区間R3の周方向全周にわたって大きな流量Q3の処理ガスを供給して、目標の膜厚を良好に形成できる。
【0097】
一方、第1区間R1では、第1ノズル機構60が対向する箇所の基板Wの各パターンPTに、他の区間よりも少ない流量Q1の吸着ガスが供給される。第1区間R1では、基板Wの表面の単位面積当たりに供給される吸着ガスの濃度が薄くなり、各パターンPTに対して少ない吸着ガスが吸着する。ただし、第1区間R1の周方向の表面積が小さいことで、回転している基板W自体が第1ノズル機構60に対して長い期間にわたって対向することになる。このため、基板処理装置1は、他の区間と同様に、第1区間R1でも目標の膜厚を良好に形成することが可能となる。
【0098】
また、第2区間R2について図示は省略しているが、基板処理装置1は、第1区間R1の流量Q1と第3区間R3の流量Q3の間の流量Q2で吸着ガスを吐出する。また、基板処理装置1は、第1区間R1の速度vr1と第3区間R3の速度vr3の間の速度vr2で第1ノズル機構60をスイングさせる。このため、基板処理装置1は、第2区間R2でも他の区間と同様に、目標の膜厚を形成できる。つまり、基板処理装置1は、基板Wの表面の全面に略同じ膜厚を有する膜を精度よく形成することが可能となる。
【0099】
なお、第1ノズル機構60は、吸着ガスの流量を多くする場合に、パージガス吐出部634から吐出するパージガスの流量を多くしてもよく、またはパージガスの流量については一定のままとしてもよい。パージガスの流量が増えることで、流量が増えた吸着ガスの吐出範囲を適切に制御することができる。その一方で、パージガスの流量を一定とすることで、流量が増えた吸着ガスの吐出範囲を広げることが可能となる。さらに、第1ノズル機構60は、吸着ガスの流量を多くする場合に、ガス吸引部635によるガスの吸引力(負圧)を大きくするとよい。ガス吸引部635は、多く吐出されたガス(吸着ガス、パージガス)を吸引することができ、第1処理点領域PR1の外側にガスが広がることを抑制できる。
【0100】
また、実施形態に係る基板処理装置1は、第1ノズル機構60と同様に第2ノズル機構70についても、基板Wの表面積に基づきスイング速度を変化させると共に、吸着ガスの流量を変化させる。第2ノズル機構70も、基板Wの表面積が大きい程、スイング速度を遅くし、また処理ガスの流量を多くする。これにより、表面積が大きい箇所に多くの反応ガスを供給できるので、基板Wに吸着した吸着ガスとの反応を促進できる。なお、基板処理装置1は、第2ノズル機構70から各区間に吐出する反応ガスの流量の変化率について、第1ノズル機構60から各区間に吐出する吸着ガスの流量の変化率と同じでもよく、異なってもよい。反応ガスの流量の変化率を吸着ガスの流量の変化率と異ならせることで、例えば、膜の酸化を抑える箇所において反応ガスの流量を少なく一方で、膜の酸化を促す箇所において反応ガスの流量を多くする等、膜に応じて適切な制御を行うことが可能となる。また、各区間に供給する反応ガスの流量は、吸着ガスとの反応のし易さ等を勘案して適宜設定するとよい。
【0101】
なお、第2ノズル機構70も、反応ガスの流量を多くする場合に、パージガス吐出部734から吐出するパージガスの流量を多くしてもよく、またはパージガスの流量については一定のままとしてもよい。さらに、第2ノズル機構70は、吸着ガスの流量を多くする場合に、ガス吸引部735によるガスの吸引力(負圧)を大きくするとよい。ガス吸引部735は、多く吐出されたガス(反応ガス、パージガス)を吸引することができ、第2処理点領域PR2の外側にガスが広がることを抑制できる。
【0102】
ここで、基板Wは、微細化により表面全体の表面積が大きい場合、第1区間R1の表面積と第3区間R3の表面積との面積比が数倍(例えば、第1区間R1の表面積に対し第3区間R3の表面積が5倍)になることがある。この表面積の面積比は、微細化が進む程、さらに増えることになる。このため、基板処理装置1は、ノズル機構部50のスイング速度のみを変化させて、回転している基板Wの膜の面内均一性を図ろうとすると、基板Wの外縁側にノズル機構部50を長く滞在させることになり、基板処理全体として処理効率が低下することになる。
【0103】
これに対して、実施形態に係る基板処理装置1は、基板Wの表面積に基づきのノズル機構部50のスイング速度を変化させると共に、基板Wの表面積に基づき吸着ガスの流量を変化させる。このため、パターンPTの数が多い場合でも、吸着ガスの流量を適切に増やして、区間同士の面積比の変化を補償することが可能となる。その結果、基板処理装置1は、基板Wの表面積が増加する程、基板処理の速度が低下する現象(ローディング効果:面積依存性)を低減またはなくすことが可能となり、基板処理の精度および効率を両方とも高めることができる。
【0104】
また、上記の基板処理方法では、図12(A)に示すように、基板Wの面方向に沿って成膜する膜Bの膜厚が同じになるように、スイング速度および処理ガスの流量を制御する例を説明した。しかしながら、基板処理方法は、膜厚を一定にする基板処理を行うことに限定されない。図12(B)や図12(C)に示すように、基板処理方法は、レシピに応じて基板Wの面方向に沿って異なる膜厚の膜B1、B2を成膜するように、スイング速度および処理ガスの流量を制御してもよい。なお、図12(B)および図12(C)の平面図では、黒色度が大きくなる程、膜の膜厚が厚いこと示している。また図12(D)~図12(F)に示すように、基板処理方法は、レシピに応じて基板Wの表面における一部の径方向位置にのみ膜を形成するように処理ガスを供給する構成としてもよい。さらに図12(G)~図12(I)に示すように、基板処理方法は、処理ガスの流量を調整することで、基板WのパターンPTに対する膜の断面形状を変化させる構成としてもよい。
【0105】
具体的には、図12(B)に示すように、基板処理方法では、基板Wの中心側の膜厚が厚い一方で、基板Wの外縁側の膜厚が薄い山形状の膜B1を成膜することができる。一例として、制御部90は、ノズル機構部50のスイング速度について、中心側を低速にする一方で、外縁側を高速にする。また、制御部90は、処理ガスの流量について、中心側を多くする一方で、外縁側を少なくする。これにより、基板処理方法は、目標の形状の膜B1を精度よく形成することが可能となる。
【0106】
図12(C)に示すように、基板処理方法では、基板Wの中心側の膜厚が薄い一方で、基板Wの外縁側の膜厚が厚い凹形状(椀形状)の膜B2を成膜することができる。一例として、制御部90は、ノズル機構部50のスイング速度について、中心側を高速にする一方で、外縁側を低速にする。また、制御部90は、処理ガスの流量について、中心側を少なくする一方で、外縁側を多くする。これにより、基板処理方法は、目標の形状の膜B2を精度よく形成することが可能となる。
【0107】
図12(D)に示すように、基板処理方法では、例えば、基板Wの中心側の膜が薄い場合に、ノズル機構部50を基板Wの中心側に配置して処理ガスを供給することで、基板Wの中心側に円形状の膜B3を成膜できる。一例として、制御部90は、第1ノズル機構60の第1ヘッド63を基板Wの中心側に配置して、基板Wを回転させながら吸着ガスを吐出し、さらに第2ノズル機構70の第2ヘッド73に代えて、基板Wを回転させながら反応ガスを吐出する動作を繰り返す。またこの際、制御部90は、基板Wの各パターンPTを加味した表面積に基づき、処理ガスの流量を調整する。これにより、膜の品質を高めることができると共に、処理の効率化を図ることができる。
【0108】
同様に、図12(E)に示すように、基板処理方法では、例えば、基板Wの半径の中間位置の膜が薄い場合に、ノズル機構部50をその箇所に配置して、基板Wを回転させながら、表面積に応じた処理ガスを吐出する。これにより、基板Wの半径の中間位置を環状に周回する膜B4を成膜できる。あるいは、図12(F)に示すように、基板処理方法では、例えば、基板Wの外縁側の膜が薄い場合に、ノズル機構部50を基板Wの外縁側に配置して、基板Wを回転させながら、表面積に応じた処理ガスを吐出する。これにより、基板Wの外縁を環状に周回する膜B5を成膜できる。
【0109】
また、基板処理方法では、基本的には図12(H)に示すように、膜厚が一定のコンフォーマルな膜B7を、各パターンPTの内壁や底壁に成膜する。ただし、基板処理方法は、コンフォーマルな膜B7を形成することに限定されない。例えば図12(G)に示すように、基板処理方法は、各パターンPTの開口側の膜厚が厚くなるオーバハングの膜B6を成膜してもよい。一例として、制御部90は、ノズル機構部50が吐出する処理ガス(吸着ガス、反応ガス)の流量を少なくする。これにより、処理ガスの圧力が低くなり各パターンPTの開口付近に膜B6を形成することができる。また例えば図12(I)に示すように、基板処理方法は、各パターンPTの底壁付近(奥部)の膜厚が厚くなるボトムアップの膜B8を成膜してもよい。一例として、制御部90は、ノズル機構部50が吐出する処理ガス(吸着ガス、反応ガス)の流量をより多くする。これにより、供給される処理ガスの圧力が高くなり、各パターンPTの底壁付近に膜B8を形成することができる。
【0110】
以上のノズル機構部50のスイング速度、および処理ガスの流量を制御するため、制御部90の内部には、例えば図13に示すように、表面積推定部95、膜形状設定部96、ノズル動作設定部97および動作制御部98が構築される。
【0111】
表面積推定部95は、基板Wについて複数に分割した区間の表面積をそれぞれ推定する。各区間の表面積は、上記したように、基板Wに形成されるパターンの数や深さ等を加味した各区間の周方向全周の表面積である。表面積推定部95は、設定されたレシピや区間の分割数に基づき、各区間の表面積を精度よく推定できる。そして、表面積推定部95は、推定した表面積をノズル動作設定部97に出力する。
【0112】
膜形状設定部96は、図12(A)~図12(I)に示すような成膜する膜の目標形状を設定する機能部である。例えば、膜形状設定部96は、基板処理装置1のユーザによる選択操作や入力操作によって、成膜する膜の目標形状を設定可能とし、ユーザにより膜の目標形状が設定されると、その情報をノズル動作設定部97に出力する。
【0113】
ノズル動作設定部97は、受信した基板Wの各区間の表面積および膜の目標形状に基づき、ノズル機構部50のスイング速度、処理ガスの流量を区間毎に算出する。なお、ノズル動作設定部97は、基板Wの表面積に基づき、各区間におけるスイング速度を一定とし、処理ガスの流量のみを変化させる構成としてもよい。例えば、図12(C)の膜B3を成膜する場合には、スイング速度を一定とし、処理ガスの流量を変更することでも、目標形状とすることができる。逆に、ノズル動作設定部97は、基板Wの表面積に基づき、処理ガスの流量を一定とし、各区間のスイング速度のみを変化させる構成としてもよい。例えば、図12(B)の膜B2を成膜する場合には、処理ガスの流量を一定とし、スイング速度を変化させることでも、目標形状とすることができる。すなわち、ノズル動作設定部97は、基板Wの表面積および膜の目標形状に基づき、スイング速度の変化と処理ガスの流量の変化とを適切な配分に設定することにより、目標形状の膜を精度よく成膜できる。
【0114】
動作制御部98は、算出された第1ノズル機構60のスイング速度および吸着ガスの流量に基づき第1ノズル機構60の動作を制御すると共に、算出された第2ノズル機構70のスイング速度および反応ガスの流量に基づき第2ノズル機構70の動作を制御する。
【0115】
以上のように、実施形態に係る基板処理方法、および基板処理装置1は、基板Wの表面積に基づいて処理ガスの流量を調整する。これにより例えば、基板処理方法は、基板Wの膜の膜厚を一定とする(面内均一性を向上させる)ことが可能となり、膜の高品質化を図ることができる。また、基板処理にかかる時間を短縮して、処理の効率化を図ることができる。
【0116】
なお、基板処理装置1および基板処理方法は、上記の実施形態に限定されず、種々の変形例をとり得る。一例として、基板処理装置1のノズル機構部50は、第1ノズル機構60および第2ノズル機構70のみを有する構成に限定されず、3つ以上のノズル機構を備えてもよい。3つ以上のノズル機構を有する場合でも、各ノズル機構の処理ガスの流量について、基板Wの複数の区間毎の表面積に応じて設定できる。
【0117】
また、制御部90は、基板Wの複数の区間毎に処理ガスの流量を段階的に変化する構成に限定されず、基板Wの径方向に沿って処理ガスの流量を滑らかに変化させてもよい。例えば、制御部90は、設定した流量変化情報に基づき、基板Wの外縁から中心に向かって徐々に処理ガスの流量を少なくしていき、基板Wの中心に達した後は基板Wの外縁に向かって徐々に処理ガスの流量を多くしていく制御を行う。
【0118】
さらに、第1ノズル機構60または第2ノズル機構70の往復の範囲(角度)は、特に限定されず、第1ヘッド63や第2ヘッド73が基板Wの中心と外縁の間を少なくとも移動できればよい。基板Wの中心と外縁の間を往復する場合には、外縁側の処理ガスの流量を一層多くするように制御すればよい。
【0119】
またさらに、図14に示す変形例のように、基板処理装置1Aは、方形状の処理容器10に代えて円筒形状の処理容器10Aを有してもよい。なお、基板処理装置1Aの基板保持部20、ガス供給部30、ガス排出部40およびノズル機構部50の構成は、基板処理装置1と略同じである。円筒形状の処理容器10Aを適用することで、基板処理装置1Aは、処理容器10A内におけるガスの滞留等を抑制して、ガスの流れをより均一にすることが可能となり、基板処理の均一性を一層高めることができる。
【0120】
また、基板処理装置1、1Aのノズル機構部50は、パージガス吐出部634、734を備えない構成としてもよく、あるいはガス吸引部635、735を備えない構成としてもよい。
【0121】
以上の実施形態で説明した本開示の技術的思想および効果について以下に記載する。
【0122】
本開示の第1の態様は、基板を処理する基板処理方法であって、(A)処理容器10の内部において基板保持部20により基板Wを保持して、当該基板Wを回転させる工程と、(B)(A)の工程により回転している基板Wに向けてノズル機構部50の吐出口633b、733bからガスを吐出する工程と、(C)基板保持部20に保持された基板Wの表面と平行な方向、かつ吐出口633b、733bが基板Wの中心を通過するように、ノズル機構部50と基板Wとを相対移動させる工程と、を有し、(B)の工程では、(C)の工程で相対移動するノズル機構部50の吐出口633b、733bが対向する箇所の基板Wの表面積に基づいて、吐出口633b、733bから吐出するガスの流量を変化させる。
【0123】
上記によれば、基板処理方法は、基板Wの表面積に基づいてノズル機構部50から吐出するガスの流量を変化させることで、基板Wの表面に対して精度よく基板処理を行うことができる。すなわち、基板処理方法では、ノズル機構部50のガスの流量が変化することで、基板Wの表面積に応じた処理ガスを、回転している基板Wの表面に供給することができる。例えば、基板Wの複数のパターンPTによって表面積が大きい場合でも、基板処理方法は、ガスを適切に配分することが可能となり、基板処理の品質を高めることができる。
【0124】
また、(C)の工程では、吐出口633b、733bが対向する箇所の基板Wの表面積に基づいて、相対移動の速度を変化させる。このように、基板Wの表面積に基づいて相対移動の速度が変化することで、基板処理方法は、回転している基板Wの表面に対して吐出口633b、733bを適切な期間にわたって対向させて、目標の量のガスを精度よく供給することが可能となる。
【0125】
また、(C)の工程では、基板Wの中心側における相対移動の速度よりも基板Wの外縁側における相対移動を遅くする。これにより、基板処理方法は、表面積が大きい箇所にもガスを安定的に供給することが可能となる。
【0126】
また、(B)の工程では、吐出口633b、733bが対向する箇所の基板Wの表面積が大きい程、ガスの流量を多くする。これにより、基板処理方法は、表面積が大きい箇所でも単位面積当たりのガスの濃度を高めて、基板処理を行うことができる。
【0127】
また、(B)の工程では、基板Wの中心側におけるガスの流量よりも基板Wの外縁側におけるガスの流量を多くする。これにより、基板処理方法は、膜が薄くなり易い(基板処理が弱まり易い)基板Wの外縁側でも基板処理を安定して行うことができる。
【0128】
また、(B)の工程では、基板Wの表面に形成されたパターンPTを含む当該基板Wの表面積に基づき、ガスの流量を設定する。基板処理方法は、基板Wの表面積に関してパターンPTを加味することで、基板WのパターンPTに対する基板処理にも安定的にガスを供給することが可能となる。
【0129】
また、(B)の工程では、基板Wの表面を複数の区間に分割し、複数の区間毎に処理ガスの流量を設定する。これにより、基板処理方法は、各区間に応じてノズル機構部50のガスの流量を容易に調整できる。
【0130】
また、(B)の工程では、基板Wの表面に形成する膜の目標形状に基づき、ガスの流量を設定する。これにより、基板処理方法は、目標形状の膜を基板Wの表面に容易に形成することができる。
【0131】
また、(B)の工程において、ノズル機構部50は、ガスとして処理ガスを吐出口633b、733bから吐出し、かつ処理ガスの周囲においてパージガスを吐出すると共に、パージガスの周囲においてガスを吸引する。これにより、基板処理方法は、処理ガスの吐出領域を適切に調整しながら、吐出したガスを直ちに回収することができる。
【0132】
また、ノズル機構部50は、処理ガスである吸着ガスを吐出口633bから吐出する第1ノズル機構60、および処理ガスである反応ガスを吐出口733bから吐出する第2ノズル機構70を含み、(A)の工程により基板Wを回転させた状態で、(C)の工程により第1ノズル機構60および第2ノズル機構70の各々を相互に独立してスイングさせて、(B)の工程を行う。これにより、基板処理方法は、基板Wの表面に対して吸着ガスと反応ガスを交互に供給することができ、基板処理の精度を一層高めることが可能となる。
【0133】
また、本開示の第2の態様は、基板Wを処理する基板処理装置1、1Aであって、基板Wを内部に収容可能な処理容器10と、処理容器10の内部において基板Wを保持して、当該基板Wを回転させる基板保持部20と、基板保持部20により回転している基板Wに向けてガスを吐出する吐出口633b、733bを有すると共に、基板保持部20に保持された基板Wの表面と平行な方向かつ吐出口633b、733bが基板Wの中心を通過するように相対移動可能なノズル機構部50と、ノズル機構部50を制御する制御部90と、を備え、制御部90は、ノズル機構部50を相対移動させ、当該ノズル機構部50の吐出口633b、733bが対向する箇所の基板Wの表面積に基づいて、吐出口633b、733bから吐出するガスの流量を変化させる。この場合でも、基板処理装置1、1Aは、基板Wの表面に対して精度よく基板処理を行うことができる。
【0134】
今回開示された実施形態に係る基板処理方法、および基板処理装置1、1Aは、すべての点において例示であって制限的なものではない。実施形態は、添付の請求の範囲およびその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形および改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0135】
1、1A 基板処理装置
10 処理容器
20 基板保持部
50 ノズル機構部
633b、733b 吐出口
90 制御部
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14