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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171821
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20241205BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H01L21/60 301N
H01L25/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089064
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 聡
(72)【発明者】
【氏名】新開 次郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044AA02
5F044EE01
5F044EE04
5F044EE06
5F044EE11
(57)【要約】
【課題】主電極の内部破壊を抑制できる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板の上に設けられた主電極とを備えた半導体チップと、第1厚さを有する緩衝板と、前記主電極と前記緩衝板との間に設けられ、第2厚さを有する緩衝接合材と、を有し、前記主電極は第1主面を有し、前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記緩衝板の外縁は、前記主電極の外縁から前記第1厚さと前記第2厚さとの和だけ内側の仮想の環状の第1曲線と重なるか、前記第1曲線の外側にある。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、前記半導体基板の上に設けられた主電極とを備えた半導体チップと、
第1厚さを有する緩衝板と、
前記主電極と前記緩衝板との間に設けられ、第2厚さを有する緩衝接合材と、
を有し、
前記主電極は第1主面を有し、
前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記緩衝板の外縁は、前記主電極の外縁から前記第1厚さと前記第2厚さとの和だけ内側の仮想の環状の第1曲線と重なるか、前記第1曲線の外側にある、半導体装置。
【請求項2】
前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記緩衝板の外縁は、前記主電極の外縁から前記第1厚さと前記第2厚さとの和の1/2だけ内側の仮想の環状の第2曲線と重なるか、前記第2曲線の外側にある、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体基板は、
半導体素子が設けられた素子領域と、
前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記素子領域を囲むガードリング領域と、
を有し、
前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記緩衝板の外縁は、前記ガードリング領域の内側にある、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記緩衝板の外縁は、
直線領域と、
前記直線領域に連接する曲率領域と、
を有し、
前記半導体基板は、
単結晶基板と、
前記単結晶基板の上に設けられ、第3厚さを有するエピタキシャル層と、
を有し、
前記曲率領域の曲率半径を前記第3厚さで除した値が5以上10以下である、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記緩衝接合材の外縁は、前記第1曲線と重なるか、前記第1曲線の外側にある、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記主電極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金層を含み、
前記半導体基板の第1線膨張率および前記緩衝板の第2線膨張率は、前記主電極の第3線膨張率よりも小さく、
前記第2線膨張率は、前記第1線膨張率よりも小さい、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記緩衝接合材は、銅焼結体または銀焼結体を含む、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項8】
半導体基板と、前記半導体基板の上に設けられた主電極とを備えた半導体チップと、
第1厚さを有する緩衝板と、
前記主電極と前記緩衝板との間に設けられ、第2厚さを有する緩衝接合材と、
を有し、
前記主電極は第1主面を有し、
前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記緩衝板の外縁は、前記主電極の外縁から前記第1厚さと前記第2厚さとの和だけ内側の仮想の環状の第1曲線と重なるか、前記第1曲線の外側にあり、
前記緩衝板の外縁は、
直線領域と、
前記直線領域に連接する曲率領域と、
を有し、
前記半導体基板は、
単結晶基板と、
前記単結晶基板の上に設けられ、第3厚さを有するエピタキシャル層と、
を有し、
前記曲率領域の曲率半径を前記第3厚さで除した値が5以上10以下であり、
前記主電極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金層を含み、
前記半導体基板の第1線膨張率および前記緩衝板の第2線膨張率は、前記主電極の第3線膨張率よりも小さく、
前記第2線膨張率は、前記第1線膨張率よりも小さく、
前記緩衝接合材は、銅焼結体または銀焼結体を含む、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーモジュールに好適な半導体装置の例として、半導体チップの主電極に緩衝板が接合され、緩衝板にボンディングワイヤが接合された半導体装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-186220号公報
【特許文献2】特開2017-005037号公報
【特許文献3】特開2019-057663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の半導体装置では、主電極の内部破壊に伴う剥離等の故障が生じることがある。
【0005】
本開示は、主電極の内部破壊を抑制できる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板の上に設けられた主電極とを備えた半導体チップと、第1厚さを有する緩衝板と、前記主電極と前記緩衝板との間に設けられ、第2厚さを有する緩衝接合材と、を有し、前記主電極は第1主面を有し、前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記緩衝板の外縁は、前記主電極の外縁から前記第1厚さと前記第2厚さとの和だけ内側の仮想の環状の第1曲線と重なるか、前記第1曲線の外側にある。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、主電極の内部破壊を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図3図3は、第1実施形態における炭化珪素基板および緩衝板を拡大して示す上面図である。
図4図4は、第1実施形態における炭化珪素基板、アノード電極、緩衝接合材および緩衝板を拡大して示す断面図である。
図5図5は、第1実施形態の変形例における炭化珪素基板、アノード電極および緩衝板を拡大して示す上面図である。
図6図6は、第1実施形態の変形例における炭化珪素基板、アノード電極、緩衝接合材および緩衝板を拡大して示す断面図である。
図7図7は、緩衝板の平面形状の第1例を示す上面図である。
図8図8は、緩衝板の平面形状の第2例を示す上面図である。
図9図9は、緩衝板の平面形状の第3例を示す上面図である。
図10図10は、第2実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。
図11図11は、第2実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図12図12は、トランジスタの一例のガードリング領域を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施するための形態について、以下に説明する。
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。以下の説明では、同一または対応する要素には同一の符号を付し、それらについて同じ説明は繰り返さない。
【0011】
〔1〕 本開示の一態様に係る半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板の上に設けられた主電極とを備えた半導体チップと、第1厚さを有する緩衝板と、前記主電極と前記緩衝板との間に設けられ、第2厚さを有する緩衝接合材と、を有し、前記主電極は第1主面を有し、前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記緩衝板の外縁は、前記主電極の外縁から前記第1厚さと前記第2厚さとの和だけ内側の仮想の環状の第1曲線と重なるか、前記第1曲線の外側にある。
【0012】
緩衝接合材により主電極に緩衝板が接合されているため、主電極の熱変形が緩衝板により拘束できる。このとき、以下に説明するように、平面視で、緩衝板の外縁が主電極の外縁から第1厚さと第2厚さとの和だけ内側の仮想の環状の第1曲線と重なるか、第1曲線の外側にあるため、より効果的に主電極の熱変形を緩衝接合材によって抑制できる。従って、熱変形に伴って主電極に生じる熱応力を抑制し、主電極の内部破壊を抑制できる。
【0013】
主電極の内部破壊は、主電極を構成する結晶の粒界で生じる粒界すべりやクラックの発生が、繰り返しの熱変形に伴って重畳することで生じる。主電極の内部破壊は、例えば、主電極の密度の低下として確認されたり、主電極の厚さの増加として確認されたりする。また、主電極に内部破壊が生じると、主電極を間に挟む部材との間の有効な接合面積が減少する。このため、電気的または熱的な直列抵抗の増加としても、内部破壊を確認できる。
【0014】
主電極の内部破壊は、パワーサイクル試験においても生じ得る。すなわち、パワーサイクル試験では、温度の上昇および降下が繰り返されるため、粒界すべりが重畳し、内部破壊が生じ得る。例えば、パワーサイクル試験の後期では、主電極の内部破壊は、主電極の破断または剥離として確認されたり、電気的抵抗の急増または断線として確認されたり、熱抵抗の急増または熱暴走の発生として確認されたりする。特に、寿命到達直前には、これらの現象が顕著となる。
【0015】
〔2〕 〔1〕において、前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記緩衝板の外縁は、前記主電極の外縁から前記第1厚さと前記第2厚さとの和の1/2だけ内側の仮想の環状の第2曲線と重なるか、前記第2曲線の外側にあってもよい。この場合、主電極の熱変形を緩衝接合材によって更に抑制しやすい。
【0016】
〔3〕 〔1〕または〔2〕において、前記半導体基板は、半導体素子が設けられた素子領域と、前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記素子領域を囲むガードリング領域と、を有し、前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記緩衝板の外縁は、前記ガードリング領域の内側にあってもよい。この場合、緩衝板とガードリングとの間での放電を抑制し、良好な耐圧が得られる。
【0017】
〔4〕 〔1〕から〔3〕のいずれかにおいて、前記緩衝板の外縁は、直線領域と、前記直線領域に連接する曲率領域と、を有し、前記半導体基板は、単結晶基板と、前記単結晶基板の上に設けられ、第3厚さを有するエピタキシャル層と、を有し、前記曲率領域の曲率半径を前記第3厚さで除した値が5以上10以下であってもよい。この場合、良好な耐圧および寿命が得られる。
【0018】
〔5〕 〔1〕から〔4〕のいずれかにおいて、前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記緩衝接合材の外縁は、前記第1曲線と重なるか、前記第1曲線の外側にあってもよい。この場合、主電極と緩衝板とを強固に接合しやすい。
【0019】
〔6〕 〔1〕から〔5〕のいずれかにおいて、前記主電極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金層を含み、前記半導体基板の第1線膨張率および前記緩衝板の第2線膨張率は、前記主電極の第3線膨張率よりも小さく、前記第2線膨張率は、前記第1線膨張率よりも小さくてもよい。この場合、主電極に良好な導電性を得やすい。その一方で、第3線膨張率が第1線膨張率よりも大きいため、主電極が半導体基板よりも大きく熱変形しようとする。ただし、第2線膨張率が第1線膨張率よりも小さいため、効果的に主電極の熱変形を緩衝接合材によって抑制できる。従って、熱変形に伴って主電極に生じる熱応力を抑制し、主電極に含まれるアルミニウムまたはアルミニウム合金層の内部破壊を抑制できる。
【0020】
一般に、アルミニウムまたはアルミニウム合金層は、強度および耐熱性の点で、半導体装置を構成する他の金属製の部位よりも脆弱である。主電極の内部破壊を引き起こす粒界すべりはクリープ現象とよばれ、クリープ現象の発生開始温度として、融点(Tm)の0.4倍の温度を指標とすることができる。この指標により、アルミニウムまたはアルミニウム合金層中では他の部位に比べ、低温域からクリープ現象が開始することがわかる。例えば、アルミニウム、銅、ニッケルの「Tm×0.4」の値は、それぞれ100℃、270℃、418℃である。
【0021】
特に、主電極に含まれるアルミニウムまたはアルミニウム合金層がスパッタ法により形成された場合、アルミニウムまたはアルミニウム合金層を構成する結晶の粒径は数μmと小さい。このため、アルミニウムまたはアルミニウム合金層中に結晶粒界が高密度で存在し、パワーサイクル試験時の昇降温サイクル等により主電極を間に挟む層の間で熱歪が生じると、粒界すべりが重畳しやすい。
【0022】
これに対し、第2線膨張率が第1線膨張率よりも小さい場合には、効果的に主電極の熱変形を緩衝接合材によって抑制し、主電極に含まれるアルミニウムまたはアルミニウム合金層の内部破壊を抑制できる。
【0023】
〔7〕 〔1〕から〔6〕のいずれかにおいて、前記緩衝接合材は、銅焼結体または銀焼結体を含んでもよい。この場合、主電極と緩衝板とを強固に接合しやすい。
【0024】
〔8〕 本開示の他の一態様に係る半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板の上に設けられた主電極とを備えた半導体チップと、第1厚さを有する緩衝板と、前記主電極と前記緩衝板との間に設けられ、第2厚さを有する緩衝接合材と、を有し、前記主電極は第1主面を有し、前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記緩衝板の外縁は、前記主電極の外縁から前記第1厚さと前記第2厚さとの和だけ内側の仮想の環状の第1曲線と重なるか、前記第1曲線の外側にあり、前記緩衝板の外縁は、直線領域と、前記直線領域に連接する曲率領域と、を有し、前記半導体基板は、単結晶基板と、前記単結晶基板の上に設けられ、第3厚さを有するエピタキシャル層と、を有し、前記曲率領域の曲率半径を前記第3厚さで除した値が5以上10以下であり、前記主電極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金層を含み、前記半導体基板の第1線膨張率および前記緩衝板の第2線膨張率は、前記主電極の第3線膨張率よりも小さく、前記第2線膨張率は、前記第1線膨張率よりも小さく、前記緩衝接合材は、銅焼結体または銀焼結体を含む。この場合、熱変形に伴って主電極に生じる熱応力を特に抑制しやすく、主電極の内部破壊を特に抑制しやすい。
【0025】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態について詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。本明細書および図面において、X1-X2方向、Y1-Y2方向、Z1-Z2方向を相互に直交する方向とする。X1-X2方向およびY1-Y2方向を含む面をXY平面とし、Y1-Y2方向およびZ1-Z2方向を含む面をYZ平面とし、Z1-Z2方向およびX1-X2方向を含む面をZX平面とする。便宜上、Z1方向を上方向、Z2方向を下方向とする。また、本開示において平面視とは、Z1側から対象物を見ることをいう。
【0026】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。第1実施形態は、半導体装置に関する。図1は、第1実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。図2は、第1実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。図2は、図1中のII-II線に沿った断面図に相当する。
【0027】
図1および図2に示すように、第1実施形態に係る半導体装置1は、主として、放熱板120と、基板110と、端子102と、端子103と、ケース190と、ダイオード300と、緩衝板500とを有する。
【0028】
放熱板120は、例えば平面視で矩形状の厚さが一様の板状体である。放熱板120の材料は、熱伝導率の高い素材である金属、例えば銅(Cu)、銅合金、アルミニウム(Al)、アルミニウム-シリコン-炭素合金(Al-Si-C合金)等である。放熱板120は、熱界面材料(thermal interface material:TIM)等を用いて冷却器等に固定される。
【0029】
ケース190は、例えば平面視において枠状に形成されており、ケース190の外形は放熱板120の外形と同等である。ケース190の材料は樹脂等の絶縁体である。ケース190は、互いに対向する一対の側壁部191および192と、側壁部191および192の両端をつなぐ一対の端壁部193および194とを有する。側壁部191および192はZX平面に平行に配置され、端壁部193および194はYZ平面に平行に配置されている。側壁部191は側壁部192のY1側に配置され、端壁部193は端壁部194のX2側に配置されている。
【0030】
端壁部193の上面(Z1側の表面)に端子102が配置され、端壁部194の上面(Z1側の表面)に端子103が配置されている。端子102および端子103は、それぞれ金属板から構成されている。
【0031】
ケース190の内側において、放熱板120のZ1側に基板110が配置されている。基板110は、絶縁基板119と、第2導電パターン112と、第3導電パターン113と、導電層115とを有する。第1導電パターン111、第2導電パターン112、第3導電パターン113、第4導電パターン114および導電層115は、Cuから構成されている。
【0032】
第2導電パターン112および第3導電パターン113は、絶縁基板119のZ1側の面に設けられている。導電層115は、絶縁基板119のZ2側の面に設けられている。導電層115は接合材131により放熱板120に接合されている。接合材131は、はんだ材であってもよく、焼結接合材であってもよい。接合材131が焼結接合材である場合、はんだの融点の近傍、ないし、それ以上のより高温での動作が可能となる。
【0033】
図2に示すように、ダイオード300は、主として、炭化珪素基板310と、アノード電極332と、カソード電極333とを有する。
【0034】
炭化珪素基板310は、主面310Aと、主面310Aとは反対の主面310Bとを有する。主面310Aは主面310BのZ1側にある。炭化珪素基板310の形状は、例えば直方体状である。主面310Aおよび310BはXY平面に平行な面である。炭化珪素基板310は、炭化珪素単結晶基板311と、炭化珪素単結晶基板311の上に設けられた炭化珪素エピタキシャル層312とを有する。主面310Aが炭化珪素エピタキシャル層312にあり、主面310Bが炭化珪素単結晶基板311にある。
【0035】
アノード電極332は主面310Aに設けられ、カソード電極333は主面310Bに設けられている。アノード電極332は、主面310Aに対向する主面332Bと、主面332Bとは反対の主面332Aとを有する。主面332Aは主面332BのZ1側にある。ダイオード300は第3導電パターン113の上に設けられている。アノード電極332は、例えばアルミニウム層を含む。アノード電極332がアルミニウム層に代えて、アルミニウム-シリコン合金(Al-Si合金)、Al-Si-Cu合金等のアルミニウム合金層を含んでいてもよい。カソード電極333は、オーミック層と、オーミック層の上に設けられた接合層とを有する。オーミック層は、例えばニッケルまたはニッケル合金を含む。ニッケルまたはニッケル合金は炭化珪素との間に良好な接触抵抗を有する。接合層はニッケル層を含む。接合層が、ニッケル層の上に設けられた金層または銀層を更に有していてもよい。カソード電極333が接合層を有することで、カソード電極333と第3導電パターン113との間に良好な接合性が得られる。カソード電極333が銀焼結体または銅焼結体等の接合材133を用いて第3導電パターン113に接合されている。ダイオード300は半導体チップの一例である。炭化珪素基板310は半導体基板の一例である。アノード電極332は主電極の一例である。主面332Aは第1主面の一例である。
【0036】
緩衝板500は、例えば、第1銅層510と、鉄-ニッケル合金層520と、第2銅層530とを有する積層材である。第1銅層510のZ1側に鉄-ニッケル合金層520が設けられ、鉄-ニッケル合金層520のZ1側に第2銅層530が設けられている。すなわち、鉄-ニッケル合金層520が第1銅層510の上に設けられ、第2銅層530が鉄-ニッケル合金層520の上に設けられている。鉄-ニッケル合金層520は、例えば、ニッケルを36質量%含有する鉄-ニッケル合金の層である。鉄-ニッケル合金層520に、0.7質量%程度のマンガンが含まれていてもよい。鉄-ニッケル合金層520に、17質量%程度のコバルトが含まれてもよい。鉄-ニッケル合金層520の材料は、インバー(登録商標)であってもよい。緩衝板500は厚さT1を有する。厚さT1は、例えば0.05mm以上0.25mm以下である。例えば、緩衝板500の厚さT1はダイオード300の厚さよりも小さい。緩衝板500はアノード電極332の上に設けられている。第1銅層510が銀焼結体または銅焼結体等の緩衝接合材135を用いてアノード電極332に接合されている。緩衝接合材135は厚さT2を有する。厚さT2は、例えば0.02mm以上0.10mm以下である。厚さT1は第1厚さの一例である。厚さT2は第2厚さの一例である。
【0037】
炭化珪素基板310は第1線膨張率ρ1を有し、緩衝板500は第2線膨張率ρ2を有し、アノード電極332は第3線膨張率ρ3を有する。本開示での線膨張率とは、特に断らないかぎり、25℃での主面310Aに平行な方向の線膨張率である。また、本開示での線膨張率とは、特に断らないかぎり、互いに接合された状態が解かれ、炭化珪素基板310、緩衝板500およびアノード電極332を単体としたときの線膨張率である。第1線膨張率ρ1および第2線膨張率ρ2は第3線膨張率ρ3よりも小さい。第2線膨張率ρ2が第1線膨張率ρ1より大きくても、小さくてもよいが、第1線膨張率ρ1と第2線膨張率ρ2との差が小さい場合、アノード電極332にかかる熱応力を抑制しやすい。第2線膨張率ρ2が第1線膨張率ρ1より小さい場合、第2線膨張率ρ2が第1線膨張率ρ1より大きい場合よりも寿命を長くしやすい。例えば、第1線膨張率ρ1が4.0×10-6/℃であるのに対し、第2線膨張率ρ2は1.2×10-6/℃以上3.9×10-6/℃以下である。この場合、「ρ2-ρ1」の値は-2.8×10-6/℃以上-0.1×10-6/℃以下であり、「ρ2-ρ1」の値が正の場合よりも、長い寿命を得やすい。なお、鉄-ニッケル合金の線膨張率は1.2×10-6/℃程度であり、銅の線膨張率は16.5×10-6/℃程度であり、アルミニウムの線膨張率は23.1×10-6/℃程度である。
【0038】
半導体装置1は、更に、ワイヤ162、165および166を有する。ワイヤ162、165および166の各々の数は限定されず、1本でもよく、2本以上であってもよい。
【0039】
ワイヤ162は、緩衝板500の第2銅層530と第2導電パターン112とを互いに接続する。ワイヤ165は、第2導電パターン112と端子102とを互いに接続する。ワイヤ166は、第3導電パターン113と端子103とを互いに接続する。ワイヤ162、165および166は、例えば銅ワイヤである。ワイヤ162、165および166の各々の直径は、例えば100μm以上400μm以下である。ワイヤ162、165および166の接合は、例えば超音波接合により行われる。
【0040】
ここで、炭化珪素基板310、アノード電極332、緩衝接合材135および緩衝板500の間の位置関係について説明する。図3は、第1実施形態における炭化珪素基板310および緩衝板500を拡大して示す上面図である。図4は、第1実施形態における炭化珪素基板310、アノード電極332、緩衝接合材135および緩衝板500を拡大して示す断面図である。図4は、図3中のIV-IV線に沿った断面図に相当する。
【0041】
平面視で、炭化珪素基板310は、素子領域21と、素子領域21を囲む終端領域(無効領域)22とを有する。例えば、炭化珪素単結晶基板311の導電型はn型であり、炭化珪素エピタキシャル層312は、n型層313と、n型層313の表層部に形成された複数の環状のp型層314とを有する。複数のp型層314は多重に配置され、隣り合うp型層314の間にn型層313の一部がある。
【0042】
素子領域21はn型層313のうちで複数のp型層314に囲まれた部分を含み、素子領域21内でn型層313の上にアノード電極332が設けられている。素子領域21は、半導体素子としてショットキーバリアダイオード30を含む。
【0043】
終端領域22はガードリング領域31を含み、ガードリング領域31は複数のp型層314を含む。複数のp型層314の各々は、ガードリングとして作用する導電領域である。
【0044】
ガードリングは、耐圧終端構造ともよばれ、パワーデバイスでの重要な動作特性の一つである逆方向にバイアスした際の電圧である「耐圧性能」を得るために用いられる。ガードリングを炭化珪素基板310の上面の活性領域の外周部に設けることにより、高い耐圧性能を安定して保持することが可能になる。
【0045】
ガードリング領域31は、直線領域32と、当該直線領域32に連接する曲率領域33とを有する。具体的には4つの直線領域32と4つの曲率領域33とが交互に配置され、環状のガードリング領域31が構成されている。曲率領域33は中心C1の円の円弧に沿って形成されている。曲率領域33は曲率半径R1を有する。曲率半径R1は、例えば50μm以上1260μm以下である。
【0046】
ガードリング領域31が複数のp型層314を含む場合、複数のp型層314の各々は隙間を隔てて配置される。具体的には、複数のp型層314の各々は、直線領域32と曲率領域33とを有する。複数のp型層314の直線領域32の各々は、平面視において平行に配置されている。また、複数のp型層314の曲率領域33の各々は、中心C1を有し半径の異なる同心円の円弧状に沿って配置されている。複数のp型層314の各々に含まれるp型不純物の濃度は同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、複数のp型層314のうち、外周側のp型層314の不純物濃度が内周側のp型層314の不純物濃度よりも低くてもよい。
【0047】
アノード電極332は、平面視で、最も内側のp型層314の内側に設けられている。平面視で、アノード電極332は、すべてのp型層314から離れている。例えば、アノード電極332の外縁332Eの形状は、最も内側のp型層314の内縁314Fの形状と相似である。アノード電極332の外縁332Eと、最も内側のp型層314の内縁314Fとの間の距離は、例えば15μm以上50μm以下である。隣り合うp型層314の間の距離は、例えば5μm以上10μm以下である。
【0048】
平面視で、緩衝接合材135の外縁135Eはアノード電極332の外縁332Eと一致している。緩衝接合材135の下面の全体とアノード電極332の上面の全体とが互いに接している。また、平面視で、緩衝板500の外縁500Eはアノード電極332の外縁332Eおよび緩衝接合材135の外縁135Eと一致している。緩衝板500の下面の全体と緩衝接合材135の上面の全体とが互いに接している。
【0049】
炭化珪素基板310およびアノード電極332の熱変形に着目すると、第1線膨張率ρ1が第3線膨張率ρ3よりも小さいため、アノード電極332が炭化珪素基板310よりも大きく熱変形し得る。炭化珪素基板310とアノード電極332とは互いに強固に接合されているため、第1線膨張率ρ1と第3線膨張率ρ3との間の相違が大きいほど、アノード電極332に大きな熱応力が作用し、アノード電極332に内部破壊が生じやすい。
【0050】
その一方で、緩衝接合材135によりアノード電極332に緩衝板500が接合されており、アノード電極332の熱変形が緩衝板500により拘束される。そして、本実施形態では、平面視で、緩衝板500の外縁500Eがアノード電極332の外縁332Eと一致している。このため、アノード電極332の熱変形を緩衝板500および炭化珪素基板310によって大きく抑制できる。従って、本実施形態によれば、熱変形に伴ってアノード電極332に生じる熱応力を抑制し、アノード電極332の内部破壊を抑制できる。
【0051】
アノード電極332がアルミニウム層またはアルミニウム合金層を含むため、アノード電極332に良好な導電性を得やすい。その一方で、炭化珪素基板310の第1線膨張率ρ1および緩衝板500の第2線膨張率ρ2がアノード電極332の第3線膨張率ρ3よりも小さく、第2線膨張率ρ2が第1線膨張率ρ1よりも小さい。この場合、アノード電極332が炭化珪素基板310よりも大きく熱変形しようとする。ただし、第2線膨張率ρ2が第1線膨張率ρ1よりも小さいため、効果的にアノード電極332の熱変形を緩衝接合材135によって抑制できる。従って、熱変形に伴ってアノード電極332に生じる熱応力を抑制し、アノード電極332の内部破壊を抑制できる。
【0052】
緩衝接合材135が銅焼結体または銀焼結体を含むことで、アノード電極332と緩衝板500とを強固に接合しやすい。
【0053】
本実施形態では、ワイヤ162を緩衝板500に接合することで、緩衝板500を介してワイヤ162をアノード電極332に電気的に接続できる。このため、ワイヤ162の接合に超音波接合を採用しても、ダイオード300へのダメージを抑制できる。ワイヤ162が銅ワイヤであると、ワイヤ162を緩衝板500の第2銅層530に接合しやすく、また、ワイヤ162に低電気抵抗を得やすい。
【0054】
緩衝板500は、第1銅層510及び第2銅層530を含まなくてもよい。つまり、緩衝板500は、インバー等の鉄-ニッケル合金層520から構成されてもよい。
【0055】
なお、第3導電パターン113の上に複数のダイオード300が設けられてもよい。この場合、複数のダイオード300は互いに電気的に並列に接続される。
【0056】
(第1実施形態の変形例)
第1実施形態の変形例について説明する。変形例は、主として、緩衝接合材135および緩衝板500の配置の点で第1実施形態と相違する。図5は、第1実施形態の変形例における炭化珪素基板310、アノード電極332および緩衝板500を拡大して示す上面図である。図6は、第1実施形態の変形例における炭化珪素基板310、アノード電極332、緩衝接合材135および緩衝板500を拡大して示す断面図である。図6は、図5中のVI-VI線に沿った断面図に相当する。
【0057】
第1実施形態の変形例では、平面視で、緩衝板500の外縁500Eがアノード電極332の外縁332Eから、厚さT1と厚さT2との和だけ内側の仮想の環状の第1曲線41と重なる。変形例の構成は第1実施形態と同じである。
【0058】
変形例によっても、第1実施形態と同じく、熱変形に伴ってアノード電極332に生じる熱応力を抑制し、アノード電極332の内部破壊を抑制できる。
【0059】
平面視で、外縁500Eが第1曲線41の外側にあっても、熱変形に伴ってアノード電極332に生じる熱応力を抑制し、アノード電極332の内部破壊を抑制できる。平面視で、外縁500Eが外縁332Eから、厚さT1と厚さT2との和の1/2だけ内側の仮想の環状の第2曲線42と重なってもよく、第2曲線42の外側にあってもよい。平面視で、外縁500Eが外縁332Eから、厚さT1と厚さT2との和の1/5だけ内側の仮想の環状の第3曲線43と重なってもよく、第3曲線43の外側にあってもよい。
【0060】
一方、外縁500Eが第1曲線41よりも内側にある場合には、アノード電極332の緩衝板500により熱変形が拘束されない部分が大きい。このため、局所的にアノード電極332に大きな熱応力が作用し、アノード電極332に内部破壊が生じやすい。なお、緩衝板500の厚さおよび緩衝接合材135の厚さは互いに独立に決定できるが、緩衝接合材135の厚さが緩衝板500の厚さよりも小さい場合、アノード電極332の内部破壊を抑制しやすい。
【0061】
平面視で、外縁500Eが外縁332Eの外側にあっても、熱変形に伴ってアノード電極332に生じる熱応力を抑制し、アノード電極332の内部破壊を抑制できる。ただし、平面視で、外縁500Eがp型層314と重なると、緩衝板500とp型層314との間に大きな電圧、例えば数百Vから数千Vの電圧が生じ、放電が発生するおそれがある。放電の発生は耐圧の低下につながる。平面視で、外縁500Eが最も内側のp型層314の内縁314Fの内側にあれば、このような耐圧の低下を抑制できる。
【0062】
第1実施形態およびその変形例において、アノード電極332の熱変形が抑制され、アノード電極332の内部破壊が抑制できることは、本願発明者が行った有限要素法による半導体装置1の内部の応力解析により確認できている。また、実際に作製した試料を用いたパワーサイクル試験において、平面視で、緩衝板500の外縁500Eが第1曲線41の内側にある場合には、アノード電極332に内部破壊が生じていた。
【0063】
なお、平面視で、緩衝接合材135の外縁135Eが第1曲線41と重なるか、第1曲線41の外側にあることで、アノード電極332と緩衝板500とを強固に接合しやすい。
【0064】
次に、緩衝板500の平面形状について説明する。図7は、緩衝板500の平面形状の第1例を示す上面図である。図8は、緩衝板500の平面形状の第2例を示す上面図である。図9は、緩衝板500の平面形状の第3例を示す上面図である。
【0065】
アノード電極332の外縁332Eは、直線領域52と、当該直線領域52に連接する曲率領域53とを有する。具体的には4つの直線領域52と4つの曲率領域53とが交互に配置されている。曲率領域53は中心C2の円の円弧に沿って形成されている。曲率領域53は曲率半径R2を有する。
【0066】
緩衝板500の外縁500Eは、直線領域62と、当該直線領域62に連接する曲率領域63とを有する。具体的には4つの直線領域62と4つの曲率領域63とが交互に配置されている。曲率領域63は中心C3の円の円弧に沿って形成されている。曲率領域63は曲率半径R3を有する。
【0067】
図7に示す第1例では、平面視で直線領域52と直線領域62とが重なり合い、曲率半径R3が曲率半径R2よりも大きい。この場合、曲率半径R3と曲率半径R2との差によっては、外縁500Eが第1曲線41の内側に位置し得る。
【0068】
図8に示す第2例では、平面視で直線領域52と直線領域62とが重なり合い、曲率半径R3が曲率半径R2よりも小さい。この場合、曲率半径R3と曲率半径R2との差によっては、平面視で、外縁500Eがp型層314と重なり得る。
【0069】
図9に示す第3例では、平面視で、曲率領域53の直線領域52から最も離れた点と曲率領域63の直線領域62から最も離れた点とが重なり合い、曲率半径R3が曲率半径R2よりも小さい。この場合、曲率半径R3と曲率半径R2との差によっては、外縁500Eが第1曲線41の内側に位置し得る。
【0070】
第1例、第2例および第3例のいずれにおいても、4つの直線領域52および4つの曲率領域63の全てで、第1実施形態またはその変形例の条件が満たされている場合、アノード電極332の内部破壊を特に抑制しやすい。ただし、半導体装置1の動作時のダイオード300の面内の温度分布等から熱的な設計余裕が緩い部分では、上記の条件が満たされていなくてもよい。上記の条件が部分的にでも満たされていれば、その部分においてアノード電極332の内部破壊を抑制できる。
【0071】
上記のように、例えば、アノード電極332の外縁332Eの形状は、最も内側のp型層314の内縁314Fの形状と相似である。従って、曲率半径R2は、曲率領域33の曲率半径R1に依存する。曲率半径R1が大きいほど、電界集中が緩和されるため、高い耐圧が得られる。その一方で、曲率半径R1が大きいほど、素子領域21の面積が小さくなるため、オン電流が低下する。このため、曲率半径R1は、要求される耐圧およびオン電流に応じて決定される。また、要求される耐圧に応じて炭化珪素エピタキシャル層312の厚さも決定される。
【0072】
本願発明者は、これらの事項を考慮して、種々の炭化珪素エピタキシャル層312の厚さT3について、緩衝板500における曲率半径R3を変化させた場合の放電の発生状況および寿命を調査した。この結果、1200Vの耐圧を得るために炭化珪素エピタキシャル層312の厚さT3が10μmとされた試料では、曲率半径R3が50μm以上175μm以下であれば、放電の発生を抑制し、優れた寿命が得られた。また、1700Vの耐圧を得るために炭化珪素エピタキシャル層312の厚さT3が15μmとされた試料では、曲率半径R3が75μm以上150μm以下であれば、放電の発生を抑制し、優れた寿命が得られた。3300Vの耐圧を得るために炭化珪素エピタキシャル層312の厚さT3が30μmとされた試料では、曲率半径R3が150μm以上325μm以下であれば、放電の発生を抑制し、優れた寿命が得られた。
【0073】
これらの結果から、本願発明者は、緩衝板500における曲率半径R3と、炭化珪素エピタキシャル層312の厚さT3との比に着目し、曲率半径R3を厚さT3で除した値(R3/T3)が5以上10以下であれば、放電の発生を抑制し、良好な寿命が得られることを見出した。つまり、値(R3/T3)が5以上10以下であれば、良好な耐圧および寿命が得られる。値(R3/T3)が6以上9以下であってもよい。
【0074】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、主として、トランジスタを含む点で第1実施形態と相違する。図10は、第2実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。図11は、第2実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。図11は、図10中のXI-XI線に沿った断面図に相当する。
【0075】
図10および図11に示すように、第2実施形態に係る半導体装置2は、主として、放熱板120と、基板110と、端子101と、端子102と、端子103と、ケース190と、トランジスタ200と、ダイオード300と、緩衝板400と、緩衝板500とを有する。
【0076】
端壁部193の上面(Z1側の表面)に端子101および端子102が配置され、端壁部194の上面(Z1側の表面)に端子103が配置されている。例えば、端子102が端子101のY2側に配置されている。端子101、端子102および端子103は、それぞれ金属板から構成されている。
【0077】
基板110は、絶縁基板119と、第1導電パターン111と、第2導電パターン112と、第3導電パターン113と、第4導電パターン114と、導電層115とを有する。第1導電パターン111、第2導電パターン112、第3導電パターン113、第4導電パターン114および導電層115は、Cuから構成されている。
【0078】
第1導電パターン111、第2導電パターン112、第3導電パターン113および第4導電パターン114は、絶縁基板119のZ1側の面に設けられている。導電層115は、絶縁基板119のZ2側の面に設けられている。
【0079】
図11に示すように、トランジスタ200は、主として、炭化珪素基板210と、ゲート電極231と、ソース電極232と、ドレイン電極233とを有する。
【0080】
炭化珪素基板210は、主面210Aと、主面210Aとは反対の主面210Bとを有する。主面210Aは主面210BのZ1側にある。炭化珪素基板210の形状は、例えば直方体状である。主面210Aおよび210BはXY平面に平行な面である。炭化珪素基板210は、炭化珪素単結晶基板211と、炭化珪素単結晶基板211の上に設けられた炭化珪素エピタキシャル層212とを有する。主面210Aが炭化珪素エピタキシャル層212にあり、主面210Bが炭化珪素単結晶基板211にある。
【0081】
ゲート電極231およびソース電極232は主面210Aに設けられ、ドレイン電極233は主面210Bに設けられている。ソース電極232は、主面210Aに対向する主面232Bと、主面232Bとは反対の主面232Aとを有する。主面232Aは主面232BのZ1側にある。トランジスタ200は第4導電パターン114の上に設けられている。ゲート電極231およびソース電極232は、例えばアルミニウム層を含む。ゲート電極231およびソース電極232がアルミニウム層に代えて、Al-Si合金、Al-Si-Cu合金等のアルミニウム合金層を含んでいてもよい。ドレイン電極233は、オーミック層と、オーミック層の上に設けられた接合層とを有する。オーミック層は、例えばニッケルまたはニッケル合金を含む。ニッケルまたはニッケル合金は炭化珪素との間に良好な接触抵抗を有する。接合層はニッケル層を含む。接合層が、ニッケル層の上に設けられた金層または銀層を更に有していてもよい。ドレイン電極233が接合層を有することで、ドレイン電極233と第4導電パターン114との間に良好な接合性が得られる。ドレイン電極233が銀焼結体または銅焼結体等の接合材132を用いて第4導電パターン114に接合されている。トランジスタ200は半導体チップの一例である。炭化珪素基板210は半導体基板の一例である。ソース電極232は主電極の一例である。主面232Aは第1主面の一例である。
【0082】
緩衝板400は、例えば、第1銅層410と、鉄-ニッケル合金層420と、第2銅層430とを有する積層材である。第1銅層410のZ1側に鉄-ニッケル合金層420が設けられ、鉄-ニッケル合金層420のZ1側に第2銅層430が設けられている。すなわち、鉄-ニッケル合金層420が第1銅層410の上に設けられ、第2銅層430が鉄-ニッケル合金層420の上に設けられている。鉄-ニッケル合金層420は、例えば、ニッケルを36質量%含有する鉄-ニッケル合金の層である。鉄-ニッケル合金層420に、0.7質量%程度のマンガンが含まれていてもよい。鉄-ニッケル合金層420に、17質量%程度のコバルトが含まれてもよい。鉄-ニッケル合金層420の材料は、インバーであってもよい。緩衝板400は厚さT4を有する。厚さT4は、例えば0.05mm以上0.25mm以下である。例えば、緩衝板400の厚さT4はトランジスタ200の厚さよりも小さい。緩衝板400はソース電極232の上に設けられている。第1銅層410が銀焼結体または銅焼結体等の緩衝接合材134を用いてソース電極232に接合されている。緩衝接合材134は厚さT5を有する。厚さT5は、例えば0.02mm以上0.10mm以下である。厚さT4は第1厚さの一例である。厚さT5は第2厚さの一例である。
【0083】
炭化珪素基板210は第1線膨張率ρ1´を有し、緩衝板400は第2線膨張率ρ2´を有し、ソース電極232は第3線膨張率ρ3´を有する。本開示での線膨張率とは、特に断らないかぎり、25℃での主面210Aに平行な方向の線膨張率である。また、本開示での線膨張率とは、特に断らないかぎり、互いに接合された状態が解かれ、炭化珪素基板210、緩衝板400およびソース電極232を単体としたときの線膨張率である。第1線膨張率ρ1´および第2線膨張率ρ2´は第3線膨張率ρ3´よりも小さい。第2線膨張率ρ2´が第1線膨張率ρ1´より大きくても、小さくてもよいが、第1線膨張率ρ1´と第2線膨張率ρ2´との差が小さい場合、ソース電極232にかかる熱応力を抑制しやすい。第2線膨張率ρ2´が第1線膨張率ρ1´より小さい場合、第2線膨張率ρ2´が第1線膨張率ρ1´より大きい場合よりも寿命を長くしやすい。例えば、第1線膨張率ρ1´が4.0×10-6/℃であるのに対し、第2線膨張率ρ2´は1.2×10-6/℃以上3.9×10-6/℃以下である。この場合、「ρ2´-ρ1´」の値は-2.8×10-6/℃以上-0.1×10-6/℃以下であり、「ρ2´-ρ1´」の値が正の場合よりも、長い寿命を得やすい。
【0084】
半導体装置2は、更に、ワイヤ161、162、163、164、165および166を有する。ワイヤ161、162、163、164、165および166の各々の数は限定されず、1本でもよく、2本以上であってもよい。
【0085】
ワイヤ161は、トランジスタ200のゲート電極231と第1導電パターン111とを互いに接続する。ワイヤ162は、緩衝板400の第2銅層430と第2導電パターン112とを互いに接続する。ワイヤ163は、第3導電パターン113と第4導電パターン114とを互いに接続する。ワイヤ164は、第1導電パターン111と端子101とを互いに接続する。ワイヤ165は、第2導電パターン112と端子102とを互いに接続する。ワイヤ166は、ダイオード300のアノード電極332と端子103とを互いに接続する。ワイヤ161、162、163、164、165および166は、例えば銅ワイヤである。ワイヤ161、162、163、164、165および166の各々の直径は、例えば100μm以上400μm以下である。ワイヤ161、162、163、164、165および166の接合は、例えば超音波接合により行われる。
【0086】
平面視で、緩衝接合材134の外縁はソース電極232の外縁と一致している。緩衝接合材134の下面の全体とソース電極232の上面の全体とが互いに接している。また、平面視で、緩衝板400の外縁はソース電極232の外縁および緩衝接合材134の外縁と一致している。緩衝板400の下面の全体と緩衝接合材134の上面の全体とが互いに接している。
【0087】
第2実施形態の他の構成、例えばダイオード300および緩衝板500の構成は第1実施形態と同じである。
【0088】
炭化珪素基板210およびソース電極232の熱変形に着目すると、第1線膨張率ρ1´が第3線膨張率ρ3´よりも小さいため、ソース電極232が炭化珪素基板210よりも大きく熱変形し得る。炭化珪素基板210とソース電極232とは互いに強固に接合されているため、第1線膨張率ρ1´と第3線膨張率ρ3´との間の相違が大きいほど、ソース電極232に大きな熱応力が作用し、ソース電極232に内部破壊が生じやすい。
【0089】
その一方で、緩衝接合材134によりソース電極232に緩衝板400が接合されており、ソース電極232の熱変形が緩衝板400により拘束される。そして、本実施形態では、平面視で、緩衝板400の外縁がソース電極232の外縁と一致している。このため、ソース電極232の熱変形を緩衝接合材134によって大きく抑制できる。従って、本実施形態によれば、熱変形に伴ってソース電極232に生じる熱応力を抑制し、ソース電極232の内部破壊を抑制できる。
【0090】
第1実施形態の変形例と同じく、平面視で、緩衝板400の外縁がソース電極232の外縁から、厚さT4と厚さT5との和だけ内側の仮想の環状の第1曲線と重なるか、第1曲線の外側にあっても、熱変形に伴ってソース電極232に生じる熱応力を抑制し、ソース電極の内部破壊を抑制できる。平面視で、緩衝板400の外縁がソース電極232の外縁から、厚さT4と厚さT5との和の1/2だけ内側の仮想の環状の第2曲線と重なってもよく、第2曲線の外側にあってもよい。平面視で、緩衝板400の外縁がソース電極232の外縁から、厚さT4と厚さT5との和の1/5だけ内側の仮想の環状の第3曲線と重なってもよく、第3曲線の外側にあってもよい。
【0091】
平面視で、緩衝板400の外縁がソース電極232の外縁の外側にあっても、熱変形に伴ってソース電極232に生じる熱応力を抑制し、ソース電極232の内部破壊を抑制できる。ただし、平面視で、緩衝板400の外縁が炭化珪素エピタキシャル層212に設けられたガードリングを構成するp型層と重なると、緩衝板400とp型層との間に大きな電圧、例えば数百Vから数千Vの電圧が生じ、放電が発生するおそれがある。放電の発生は耐圧の低下につながる。平面視で、緩衝板400の外縁が最も内側のp型層の内縁の内側にあれば、このような耐圧の低下を抑制できる。
【0092】
なお、ダイオード300と同じく、平面視で、緩衝接合材134の外縁が第1曲線と重なるか、第1曲線の外側にあることで、ソース電極232と緩衝板400とを強固に接合しやすい。
【0093】
ダイオード300と同じく、緩衝板400における曲率領域の曲率半径をR4とすると、曲率半径R4を炭化珪素エピタキシャル層212の厚さT6で除した値(R4/T6)が5以上10以下であれば、放電の発生を抑制し、優れた寿命が得られる。値(R4/T6)が6以上9以下であってもよい。
【0094】
なお、ゲート電極231が平面視でソース電極232の外側にあり、かつ、緩衝板400の外縁がソース電極232の外縁にあってもよいが、この場合、緩衝板400はゲート電極231に電気的にも、機械的にも接しない。また、この場合には、平面視で、緩衝板400の外縁は、平面視で、ガードリングを構成するp型層のうちで最も内側のp型層の内縁の内側にあってもよい。
【0095】
ソース電極232がアルミニウム層またはアルミニウム合金層を含むため、ソース電極232に良好な導電性を得やすい。その一方で、炭化珪素基板210の第1線膨張率ρ1´および緩衝板400の第2線膨張率ρ2´がソース電極232の第3線膨張率ρ3´よりも小さく、第2線膨張率ρ2´が第1線膨張率ρ1´よりも小さい。この場合、ソース電極232が炭化珪素基板210よりも大きく熱変形しようとする。ただし、第2線膨張率ρ2´が第1線膨張率ρ1´よりも小さいため、効果的にソース電極232の熱変形を緩衝接合材134によって抑制できる。従って、熱変形に伴ってソース電極232に生じる熱応力を抑制し、ソース電極232の内部破壊を抑制できる。
【0096】
緩衝接合材134が銅焼結体または銀焼結体を含むことで、ソース電極232と緩衝板400とを強固に接合しやすい。
【0097】
本実施形態では、ワイヤ162を緩衝板400に接合することで、緩衝板400を介してワイヤ162をソース電極232に電気的に接続できる。このため、ワイヤ162の接合に超音波接合を採用しても、トランジスタ200へのダメージを抑制できる。ワイヤ162が銅ワイヤであると、ワイヤ162を緩衝板400の第2銅層430に接合しやすく、また、ワイヤ162に低電気抵抗を得やすい。
【0098】
緩衝板400は、第1銅層410及び第2銅層430を含まなくてもよい。つまり、緩衝板400は、インバー等の鉄-ニッケル合金層420から構成されてもよい。
【0099】
なお、第4導電パターン114の上に複数のトランジスタ200が設けられてもよい。この場合、複数のトランジスタ200は互いに電気的に並列に接続される。
【0100】
本開示において、アルミニウム層に代えてアルミニウム合金層が用いられてもよい。また、緩衝接合材に用いられる材料は限定されない。例えば、緩衝接合材が、銅、銀、ニッケル、または銅と錫とを含む金属間化合物の焼結体から構成されていてもよい。銅と錫とを含む金属間化合物の焼結体は、例えば遷移的液相焼結法により得られる。
【0101】
ダイオード300のガードリング領域31には、アノード電極332との間に電気的にn型層313を間に挟んで配置されたp型層314が含まれる。例えば、平面視でアノード電極332の外側にp型層がある場合でも、当該p型層が電気的にアノード電極332に接続されていれば、当該p型層はガードリング領域31に含まれない。
【0102】
トランジスタ200のガードリング領域には、ソース電極232との間に電気的にn型層を間に挟んで配置されたp型層が含まれる。例えば、平面視でソース電極232の外側にp型層がある場合でも、当該p型層が電気的にソース電極232に接続されていれば、当該p型層はガードリング領域に含まれない。
【0103】
図12は、トランジスタの一例のガードリング領域を示す断面図である。図12に示すトランジスタ600は、主として、導電性を備えた炭化珪素単結晶基板611と、炭化珪素エピタキシャル層612と、ゲート電極622と、ソース用のコンタクト電極623と、ドレイン電極624と、絶縁膜621とを有する。
【0104】
炭化珪素エピタキシャル層612は、n型層613と、複数のpウェル616と、複数のn型層617と、複数のp型層618と、複数のp型層614と、p型層615とを有する。n型層613の表面にpウェル616が形成され、pウェルの表面にn型層617およびp型層618が形成されている。n型層617は、平面視でp型層618を囲むように形成されている。p型層618はpウェル616に接する。
【0105】
p型層615は、平面視で全てのpウェル616を囲むようにn型層613の表面に環状に形成されている。p型層615は、一部のpウェル616に接する。例えば、p型層615は、複数のpウェル616のうちで、平面視で最も外側に配置されたpウェル616に接する。複数のp型層614は、p型層615を囲むようにn型層613の表面に環状に形成されている。複数のp型層614は多重に配置されている。隣り合うp型層614の間にn型層613の一部がある。最も内側に位置するp型層614とp型層615との間にも、n型層613の一部がある。
【0106】
絶縁膜621は、n型層613、pウェル616、n型層617、p型層614およびp型層615の表面を覆うように形成されている。ゲート電極622は、隣り合うpウェル616と重なるようにして絶縁膜621の上に形成されている。コンタクト電極623は、絶縁膜621に形成された開口部を通じてn型層617およびp型層618に接するように形成されている。ドレイン電極624は、炭化珪素単結晶基板611の下に設けられており、炭化珪素単結晶基板611に接する。
【0107】
図示を省略するが、ゲート電極622を覆う層間絶縁膜が形成され、層間絶縁膜の上にソース電極が設けられる。ソース電極は各コンタクト電極623に接続される。従って、コンタクト電極623、n型層617、p型層618、pウェル616およびp型層615が電気的にソース電極に接続される。トランジスタ600においては、ガードリング領域にp型層614が含まれるが、p型層615はガードリング領域に含まれない。
【0108】
ゲート電極622の一部が平面視でコンタクト電極623の外側にあってもよい。例えば、図12に示すトランジスタにおいて、コンタクト電極623の外側で、pウェル616とp型層615との境界の上方にゲート電極622の一部625があってもよい。この場合、複数のp型層614は、平面視でゲート電極622(一部625を含む)の外側にある。p型層615は、素子領域からガードリング領域に向けて広がっていてもよく、広がっていなくてもよい。
【0109】
また、本開示において、半導体チップは炭化珪素チップであってもよい。炭化珪素チップは優れた高温耐性を有しており、高温で使用しても故障しにくい。また、炭化珪素チップは高い機械的特性を有している。また、主電極の内部破壊が抑制されるため、半導体装置全体として高温下でも優れた寿命を得やすい。
【0110】
以上、実施形態について詳述したが、本開示は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0111】
1、2 半導体装置
21 素子領域
22 終端領域
30 ショットキーバリアダイオード
31 ガードリング領域
32、52、62 直線領域
33、53、63 曲率領域
41 第1曲線
42 第2曲線
43 第3曲線
101、102、103 端子
110 基板
111 第1導電パターン
112 第2導電パターン
113 第3導電パターン
114 第4導電パターン
115 導電層
119 絶縁基板
120 放熱板
131、132、133 接合材
134、135 緩衝接合材
135E 外縁
161、162、163、164、165、166:ワイヤ
190 ケース
191、192 側壁部
193、194 端壁部
200、600 トランジスタ(半導体チップ)
210 炭化珪素基板(半導体基板)
210A、210B 主面
211、611 炭化珪素単結晶基板(単結晶基板)
212、612 炭化珪素エピタキシャル層(エピタキシャル層)
231、622 ゲート電極
232 ソース電極(主電極)
232A 主面(第1主面)
232B 主面
233、624 ドレイン電極
300 ダイオード(半導体チップ)
310 炭化珪素基板(半導体基板)
310A、310B 主面
311 炭化珪素単結晶基板(単結晶基板)
312 炭化珪素エピタキシャル層(エピタキシャル層)
313、613、617 n型層
314、614、615、618 p型層
314F 内縁
332 アノード電極(主電極)
332A 主面(第1主面)
332B 主面
332E 外縁
333 カソード電極
400、500 緩衝板
410、510 第1銅層
420、520 鉄-ニッケル合金層
430、530 第2銅層
500E 外縁
616 pウェル
621 絶縁膜
623 コンタクト電極
625 ゲート電極の一部
C1、C2、C3 中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12