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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171838
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/50 20230101AFI20241205BHJP
【FI】
H04N23/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089089
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠本 修也
(72)【発明者】
【氏名】宮田 真彦
(72)【発明者】
【氏名】小川 真吾
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122EA62
5C122GC22
5C122GE01
5C122GE07
5C122GE11
5C122GE19
(57)【要約】
【課題】シンプルかつ無駄のない構成で、無線通信性能を向上させることが可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置の金属筐体内には、無線アンテナが搭載された無線モジュールとフラットケーブルとが設けられている。金属筐体にはフラットケーブルの通し穴が形成されている。無線アンテナはフラットケーブルと重ならない位置に配置され、かつ、通し穴と重なる位置に配置されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線アンテナが搭載された無線モジュールとフラットケーブルとが金属筐体内に設けられた撮像装置であって、
第1方向を方向視した場合に、前記無線アンテナは前記フラットケーブルと重ならない位置に配置され、かつ、
前記金属筐体に形成された前記フラットケーブルの通し穴と重なる位置に配置されている、
撮像装置。
【請求項2】
前記第1方向を方向視した場合に、前記無線モジュールは前記通し穴と重なる位置に配置されている請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
撮像レンズが配置される装置本体の面を第1面とした場合、前記第1方向は前記第1面から見た方向である請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
撮像レンズが配置される装置本体の面を第1面とし、前記第1面と向かい合う前記装置本体の面を第2面とした場合、前記第1方向は前記第2面から見た方向である請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
撮像レンズが配置される装置本体の面を第1面とし、前記第1面と向かい合う前記装置本体の面を第2面とし、前記第1面および前記第2面を接続する面であって、操作部材が配置されない前記装置本体の面を第3面とした場合、前記第1方向は前記第3面から見た方向である請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記操作部材は前記第3面以外の面に配置されている請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記フラットケーブルは前記無線モジュールに接続される請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記無線モジュールは、前記無線アンテナが実装された基板を有し、
前記フラットケーブルは前記基板を介して前記無線モジュールに接続される請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第1方向を方向視した場合に、前記フラットケーブルは、前記無線アンテナを覆わない形状である請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記フラットケーブルには、前記無線アンテナを避けるための切り欠きが形成されている請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第1方向を方向視した場合に、前記無線アンテナに面する位置において、前記フラットケーブル内の配線の方向が変わっている請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記第1方向を方向視した場合に、前記無線アンテナに面する位置において、前記フラットケーブル内の配線が折り曲げられている請求項10に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記無線モジュールは矩形状であり、前記フラットケーブルの配線方向に対して傾けて配置されている請求項1に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には無線通信機能を有するカメラが記載されている。特許文献1に記載のカメラは、金属カバー内に、無線通信回路および接地型のアンテナが実装された無線通信基板を配置し、金属カバーを介してアンテナの接地を図っている。特許文献1においては、金属カバーの所定面にアンテナ突出用の開口を形成し、無線通信基板の一端側に設けたアンテナが開口から外方に突出するように、無線通信基板を所定面に対して傾斜して配置している。
【0003】
特許文献2には、ケース本体内に通信機能を備えた撮像装置が記載されている。特許文献2では、ケース本体を金属で構成するとともに、このケース本体の一部を金属以外の物質で構成し、この金属以外の物質の内側に通信機能のアンテナを設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-060237号公報
【特許文献2】特開2001-333307号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の技術に係る1つの実施形態は、シンプルかつ無駄のない構成で、無線通信性能を向上させることが可能な撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の撮像装置は、無線アンテナが搭載された無線モジュールとフラットケーブルとが金属筐体内に設けられた撮像装置であって、第1方向を方向視した場合に、無線アンテナはフラットケーブルと重ならない位置に配置され、かつ、金属筐体に形成されたフラットケーブルの通し穴と重なる位置に配置されている。
【0007】
第1方向を方向視した場合に、無線モジュールは通し穴と重なる位置に配置されていることが好ましい。
【0008】
撮像レンズが配置される装置本体の面を第1面とした場合、第1方向は第1面から見た方向であることが好ましい。
【0009】
撮像レンズが配置される装置本体の面を第1面とし、第1面と向かい合う装置本体の面を第2面とした場合、第1方向は第2面から見た方向であることが好ましい。
【0010】
撮像レンズが配置される装置本体の面を第1面とし、第1面と向かい合う装置本体の面を第2面とし、第1面および第2面を接続する面であって、操作部材が配置されない装置本体の面を第3面とした場合、第1方向は第3面から見た方向であることが好ましい。
【0011】
操作部材は第3面以外の面に配置されていることが好ましい。
【0012】
フラットケーブルは無線モジュールに接続されることが好ましい。
【0013】
無線モジュールは、無線アンテナが実装された基板を有し、フラットケーブルは基板を介して無線モジュールに接続されることが好ましい。
【0014】
第1方向を方向視した場合に、フラットケーブルは、無線アンテナを覆わない形状であることが好ましい。
【0015】
フラットケーブルには、無線アンテナを避けるための切り欠きが形成されていることが好ましい。
【0016】
第1方向を方向視した場合に、無線アンテナに面する位置において、フラットケーブル内の配線の方向が変わっていることが好ましい。
【0017】
第1方向を方向視した場合に、無線アンテナに面する位置において、フラットケーブル内の配線が折り曲げられていることが好ましい。
【0018】
無線モジュールは矩形状であり、フラットケーブルの配線方向に対して傾けて配置されていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】撮像装置の正面図である。
図2】撮像装置の背面図である。
図3】無線モジュール、取り付け板、および無線モジュールの取り付け箇所の構成を示す分解斜視図である。
図4】無線モジュールおよび無線モジュールの取り付け箇所を正面側から見た平面図である。
図5】無線モジュールおよび無線モジュールの取り付け箇所を背面側から見た平面図である。
図6】無線モジュールをフラットケーブルの配線方向に対して傾けて配置しなかった場合のフラットケーブルの切り欠きを示す図である。
図7】装置本体の底面と向かい合う部分に無線モジュールを配置した例を示す図である。
図8】無線モジュールおよび無線モジュールの取り付け箇所を底面側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
一例として図1および図2に示すように、撮像装置10は例えばコンパクトデジタルカメラであり、装置本体11を備える。装置本体11は、例えばマグネシウム製の金属筐体12を樹脂カバー等で覆った構成である。装置本体11の正面13には、撮像レンズ14等が配置されている。また、正面13と向かい合う装置本体11の背面15には、液晶モニタ16等が配置されている。さらに、正面13および背面15を接続する装置本体11の天面17には、電源スイッチ一体型レリーズボタン18といった各種操作部材が配置されている。正面13および背面15を接続するもう1つの面である装置本体11の底面19には、三脚用ネジ穴(図示せず)等が配置されている。ただし、底面19には、天面17のような各種操作部材は配置されていない。正面13は、本開示の技術に係る「第1面」の一例である。背面15は、本開示の技術に係る「第2面」の一例である。天面17は、本開示の技術に係る「第3面以外の面」の一例である。また、底面19は、本開示の技術に係る「第3面」の一例である。なお、撮像装置10は、撮像レンズ14が交換可能なレンズ交換式カメラであってもよい。
【0021】
撮像レンズ14の奥には撮像素子20が配置されている。撮像素子20は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、またはCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサである。撮像素子20は、被写体を撮像する矩形状の撮像面20Aを有する。直交する撮像面20Aの2辺は、それぞれY軸方向とZ軸方向に平行である。また、撮像面20Aの中心は、撮像レンズ14を通じて入射する被写体光の光軸OAと一致する。撮像面20Aは被写体光を受光する。撮像面20Aには、周知のように、受光した被写体光を光電変換して電気信号として出力する画素が、Y軸方向およびZ軸方向に沿って2次元状に配列されている。
【0022】
ここで、装置本体11の底面19が水平面に載置された場合において、Y軸方向は水平方向であり、Z軸方向は鉛直方向である。Y軸方向は装置本体11の幅方向であり、Z軸方向は装置本体11の高さ方向である。なお、「直交」といった角度に関わる文言には、完全な直交の意味の他に、設計上および製造上において許容される誤差、例えば設計値の±10%程度の誤差を含むほぼ直交の意味も含まれる。また、「平行」という文言にも、完全な平行の意味の他に、設計上および製造上において許容される誤差、例えば設計値の±10%程度の誤差を含むほぼ平行の意味も含まれる。さらに、「一致」という文言にも、完全な一致の意味の他に、設計上および製造上において許容される誤差、例えば設計値の±10%程度の誤差を含むほぼ一致の意味も含まれる。
【0023】
正面13の左側部には、撮影の際等にユーザの右手が添えられるグリップ部21が設けられている。グリップ部21内、すなわち金属筐体12内の中央上部寄りの位置には、無線モジュール22が配置されている。無線モジュール22は、撮影した画像等の各種データを外部に無線送信したり、ソフトウェアの更新プログラム等の各種データを外部から無線受信したりするために設けられている。無線モジュール22は、矩形状の基板23と、基板23の下部に実装された無線アンテナ24と、基板23の背面に設けられたコネクタ25とを有する。基板23は、その正面および背面がYZ平面と平行となるように配置されている。このため基板23の正面および背面の法線は、Y軸方向およびZ軸方向と直交するX軸方向に向いている。装置本体11の底面19が水平面に載置された場合において、X軸方向は、Y軸方向と同じく水平方向である。また、X軸方向は、装置本体11の奥行方向である。
【0024】
一例として図3に示すように、無線モジュール22は、取り付け板30の背面中央に接着剤等により固着され、取り付け板30を介して、金属筐体12の取り付け箇所に設置される。取り付け板30は例えば樹脂製の薄板であり、無線モジュール22よりも一回り大きい面積を有する。取り付け板30の上部中央と下部左角には、ネジ31の通し穴32が形成されている。
【0025】
一方、金属筐体12の無線モジュール22の取り付け箇所には、取り付け板30の通し穴32と対応する位置に2本のスペーサー33が設けられている。2本のスペーサー33はX軸方向に沿って立設されており、同じ長さを有する。スペーサー33にはネジ穴34が形成されている。無線モジュール22が背面に固着された取り付け板30の通し穴32にネジ31を通し、ネジ31をネジ穴34に締結固定することで、無線モジュール22が金属筐体12からX軸方向に浮いた状態で保持される。
【0026】
2本のスペーサー33の間には通し穴35が形成されている。通し穴35は、無線モジュール22よりは大きいが、取り付け板30よりも小さい面積を有する。通し穴35にはフラットケーブル36が通される。フラットケーブル36は、各種データの送受信を担う複数本の配線36A(図4参照)を一方向に連ねたケーブル束であり、可撓性を有する。つまりフラットケーブル36はFFC(Flexible Flat Cable)である。フラットケーブル36は、通し穴35に通される前、および通し穴35に通された後に、それぞれ略直角に折り曲げられる。フラットケーブル36の一端部はコネクタ25に接続される(図4参照)。前述のようにコネクタ25は基板23に設けられているので、フラットケーブル36は基板23を介して無線モジュール22に接続される。フラットケーブル36は金属筐体12内を配線され、その他端部は金属筐体12内に設けられた無線モジュール22の制御回路(図示省略)に接続される。
【0027】
図4および図5は、無線モジュール22および無線モジュール22の取り付け箇所を、装置本体11の正面13側、および背面15側から見た平面図である。図4および図5ともに、説明の便宜上、取り付け板30の図示を省略している。また、図5では、煩雑を避けるために、配線36Aの一部の図示を省略している。
【0028】
図4および図5に示すように、装置本体11の正面13および背面15から見た場合、すなわちX軸方向を方向視した場合に、無線モジュール22、通し穴35、およびフラットケーブル36は、少なくとも一部同士が重なっている。具体的には、X軸方向から見た場合、無線モジュール22は、ほんの一部を除いてほぼ通し穴35内に収まっている。つまり、無線モジュール22は通し穴35と重なる位置に配置されている。また、X軸方向から見た場合、無線モジュール22の大部分にはフラットケーブル36が覆い被さっている(図5参照)。そして、通し穴35にはフラットケーブル36の一端部が通されるので、X軸方向から見た場合、通し穴35にはフラットケーブル36が重なっている。X軸方向は、本開示の技術に係る「第1方向」の一例である。なお、「X軸方向を方向視した場合」と「X軸方向から見た場合」とは、同じ意味である。
【0029】
特に図5に示すように、X軸方向を方向視した場合に、無線アンテナ24はフラットケーブル36と重ならない位置に配置されている。また、X軸方向を方向視した場合に、無線アンテナ24は通し穴35と重なる位置に配置されている。X軸方向を方向視した場合に通し穴35と重なる位置とは、言い換えれば、X軸方向を方向視した場合に金属筐体12と重ならない位置である。
【0030】
基板23は、フラットケーブル36の配線方向WDに対して傾けて配置されている。言い換えれば、基板23は、その辺が配線方向WDと平行または直交とはならず、配線方向WDに対して0°より大きく90°よりも小さい角度でX軸回りに回転した斜めの状態で配置されている。ここでフラットケーブル36の配線方向WDとは、無線モジュール22の取り付け箇所において、フラットケーブル36を構成する複数本の配線36Aの延びる方向である。本例においては、配線方向WDはY軸方向に平行な方向である。
【0031】
図5に示すように、X軸方向を方向視した場合に、フラットケーブル36は、無線アンテナ24を覆わない形状である。より詳しくは、フラットケーブル36には、無線アンテナ24を避けるための切り欠き40が形成されている。切り欠き40は、X軸方向を方向視した場合に、無線アンテナ24に面する位置において、フラットケーブル36内の配線36Aの方向を変えることで形成される。また、切り欠き40は、X軸方向を方向視した場合に、無線アンテナ24に面する位置において、フラットケーブル36内の配線36Aを折り曲げることで形成される。さらに言えば、切り欠き40は、無線アンテナ24に面する位置において、配線方向WDに沿って無線アンテナ24に向かって延びるフラットケーブル36の配線36Aを、配線方向WDと直交するZ軸方向に所定量ずらす(オフセットさせる)ことで形成される。
【0032】
無線モジュール22は、無線アンテナ24を通じて各種データを無線送受信する。無線アンテナ24は、各種データの電波を外部に送信したり、各種データの電波を外部から受信したりする。
【0033】
図4および図5で示したように、X軸方向を方向視した場合に、無線アンテナ24はフラットケーブル36と重ならない位置に配置され、かつ、通し穴35と重なる位置に配置されている。このため、電波を送受信する際には、無線アンテナ24はフラットケーブル36から発せられる輻射ノイズの影響を受けにくく、かつ、金属筐体12による電波の吸収・反射の影響も受けにくい。そして、通し穴35は、金属筐体12による電波の吸収・反射の影響を受けにくくするだけでなく、フラットケーブル36を通す穴としても機能する。したがって、シンプルかつ無駄のない構成で、無線通信性能を向上させることが可能となる。
【0034】
また、図4および図5で示したように、X軸方向を方向視した場合に、無線モジュール22は通し穴35と重なる位置に配置されている。このため、金属筐体12による電波の吸収・反射の影響をさらに受けにくくすることができ、無線通信性能をさらに向上させることが可能となる。
【0035】
フラットケーブル36は無線モジュール22に接続される。より詳しくは、無線モジュール22は、無線アンテナ24が実装された基板23を有し、フラットケーブル36は基板23を介して無線モジュール22に接続される。無線モジュール22は比較的高速で制御回路と通信しているので、フラットケーブル36から発せられる輻射ノイズが無線アンテナ24で送受信する電波に与える影響は大きい。このため、無線アンテナ24がフラットケーブル36から発せられる輻射ノイズの影響を受けにくい、という効果をより発揮することができる。
【0036】
図5で示したように、フラットケーブル36は、無線アンテナ24を覆わない形状である。このため、フラットケーブル36から発せられる輻射ノイズの影響を、無線アンテナ24がより受けにくくすることができる。
【0037】
フラットケーブル36には、無線アンテナ24を避けるための切り欠き40が形成されている。切り欠き40は、X軸方向を方向視した場合に、無線アンテナ24に面する位置において、フラットケーブル36内の配線36Aの方向を変えることで形成される。また、切り欠き40は、X軸方向から見た場合に、無線アンテナ24に面する位置において、フラットケーブル36内の配線36Aを折り曲げることで形成される。このため、よりシンプルかつ無駄のない構成で、フラットケーブル36から発せられる輻射ノイズの影響を、無線アンテナ24がより受けにくくすることができる。
【0038】
無線モジュール22の基板23は矩形状である。そして、図4で示したように、基板23は、フラットケーブル36の配線方向WDに対して傾けて配置されている。このため、基板23を傾けて配置することで生じたスペースを活かして、無線モジュール22を避けて他の部品をグリップ部21内に配置することができる。また、一例として図6に示す基板23を傾けて配置しない場合と比べて、切り欠き40の切り欠き量を少なくすることができる。
【0039】
通し穴35の面積は、電波への影響を考えると大きければ大きい程よいが、金属筐体12の強度を考えると小さいほうがよい。このため、通し穴35は、電波への影響低減と金属筐体12の強度保持のバランスを考慮した面積とすることが好ましい。
【0040】
フラットケーブル36は例示のFFCに限らない。フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuit)でもよい。
【0041】
無線モジュール22の配置位置は、例示のグリップ部21内に限らない。例えばグリップ部21とは反対の金属筐体12の右側部に配置してもよい。要するに、無線モジュール22の配置位置は、電波に影響を及ぼすノイズの発生源から遠ざかった位置であればよい。
【0042】
また、一例として図7に示すように、底面19と向かい合う金属筐体12内の部分に、無線モジュール22を配置してもよい。この場合、一例として図8に示すように、底面19と向かい合う金属筐体12の面45に通し穴35が形成される。また、底面19から見た場合、すなわちZ軸方向を方向視した場合に、無線アンテナ24はフラットケーブル36と重ならない位置に配置されている。さらに、Z軸方向を方向視した場合に、無線アンテナ24は通し穴35と重なる位置に配置されている。すなわち、この場合はZ軸方向が本開示の技術に係る「第1方向」の一例となる。
【0043】
このように、底面19と向かい合う金属筐体12内の部分に無線モジュール22を配置すれば、底面19には電波に影響を及ぼすノイズの発生源たる操作部材が配置されていないので、ノイズの影響を無線アンテナ24がより受けにくくすることができる。
【0044】
本開示の技術に係る撮像装置は、一眼レフデジタルカメラ、スマートフォン、あるいはタブレット端末でもよい。
【0045】
以上の記載から、下記の付記項に記載の技術を把握することができる。
【0046】
[付記項1]
無線アンテナが搭載された無線モジュールとフラットケーブルとが金属筐体内に設けられた撮像装置であって、
第1方向を方向視した場合に、前記無線アンテナは前記フラットケーブルと重ならない位置に配置され、かつ、
前記金属筐体に形成された前記フラットケーブルの通し穴と重なる位置に配置されている、
撮像装置。
[付記項2]
前記第1方向を方向視した場合に、前記無線モジュールは前記通し穴と重なる位置に配置されている付記項1に記載の撮像装置。
[付記項3]
撮像レンズが配置される装置本体の面を第1面とした場合、前記第1方向は前記第1面から見た方向である付記項1または付記項2に記載の撮像装置。
[付記項4]
撮像レンズが配置される装置本体の面を第1面とし、前記第1面と向かい合う前記装置本体の面を第2面とした場合、前記第1方向は前記第2面から見た方向である付記項1から付記項3のいずれか1項に記載の撮像装置。
[付記項5]
撮像レンズが配置される装置本体の面を第1面とし、前記第1面と向かい合う前記装置本体の面を第2面とし、前記第1面および前記第2面を接続する面であって、操作部材が配置されない前記装置本体の面を第3面とした場合、前記第1方向は前記第3面から見た方向である付記項1または付記項2に記載の撮像装置。
[付記項6]
前記操作部材は前記第3面以外の面に配置されている付記項5に記載の撮像装置。
[付記項7]
前記フラットケーブルは前記無線モジュールに接続される付記項1から付記項6のいずれか1項に記載の撮像装置。
[付記項8]
前記無線モジュールは、前記無線アンテナが実装された基板を有し、
前記フラットケーブルは前記基板を介して前記無線モジュールに接続される付記項7に記載の撮像装置。
[付記項9]
前記第1方向を方向視した場合に、前記フラットケーブルは、前記無線アンテナを覆わない形状である付記項1から付記項8のいずれか1項に記載の撮像装置。
[付記項10]
前記フラットケーブルには、前記無線アンテナを避けるための切り欠きが形成されている付記項9に記載の撮像装置。
[付記項11]
前記第1方向を方向視した場合に、前記無線アンテナに面する位置において、前記フラットケーブル内の配線の方向が変わっている付記項10に記載の撮像装置。
[付記項12]
前記第1方向を方向視した場合に、前記無線アンテナに面する位置において、前記フラットケーブル内の配線が折り曲げられている付記項10または付記項11に記載の撮像装置。
[付記項13]
前記無線モジュールは矩形状であり、前記フラットケーブルの配線方向に対して傾けて配置されている付記項1から付記項12のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0047】
本開示の技術は、上述の種々の実施形態および/または種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、上記各実施形態に限らず、要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用し得ることはもちろんである。
【0048】
以上に示した記載内容および図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、および効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、および効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容および図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことはいうまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容および図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0049】
本明細書において、「Aおよび/またはB」は、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「Aおよび/またはB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、AおよびBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「および/または」で結び付けて表現する場合も、「Aおよび/またはB」と同様の考え方が適用される。
【0050】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【符号の説明】
【0051】
10 撮像装置
11 装置本体
12 金属筐体
13 正面
14 撮像レンズ
15 背面
16 液晶モニタ
17 天面
18 電源スイッチ一体型レリーズボタン
19 底面
20 撮像素子
20A 撮像面
21 グリップ部
22 無線モジュール
23 基板
24 無線アンテナ
25 コネクタ
30 取り付け板
31 ネジ
32、35 通し穴
33 スペーサー
34 ネジ穴
36 フラットケーブル
36A 配線
40 切り欠き
45 底面と向かい合う金属筐体の面
OA 光軸
WD 配線方向
X、Y、Z 軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8