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特開2024-171883発光モジュールの温度推定方法、発光モジュール及び車両ユニット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171883
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】発光モジュールの温度推定方法、発光モジュール及び車両ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20241205BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20241205BHJP
【FI】
H01L33/00 K
H01L33/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089156
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】▲蔭▼山 良幸
(72)【発明者】
【氏名】山路 芳紀
(72)【発明者】
【氏名】黒田 浩章
(72)【発明者】
【氏名】三賀 大輔
(72)【発明者】
【氏名】篠原 久広
(72)【発明者】
【氏名】北本 優也
【テーマコード(参考)】
5F142
5F241
【Fターム(参考)】
5F142AA81
5F142BA02
5F142BA32
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD16
5F142CD32
5F142CD44
5F142DB24
5F142FA03
5F142GA29
5F241AA46
(57)【要約】
【課題】複数の発光素子の温度を推定可能な発光モジュールの温度推定方法、発光モジュール及び車両ユニットを提供する。
【解決手段】発光モジュールの温度推定方法は、複数の発光素子を含む発光モジュールの温度推定方法であって、前記複数の発光素子の点灯パターンと前記発光モジュールに供給する電力とに基づいて、前記複数の発光素子の温度を推定する工程を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子を含む発光モジュールの温度推定方法であって、
前記複数の発光素子の点灯パターンと前記発光モジュールに供給する電力とに基づいて、前記複数の発光素子の温度を推定する工程を備える発光モジュールの温度推定方法。
【請求項2】
前記複数の発光素子の温度を推定する工程は、
前記複数の発光素子の点灯パターンに基づいて、それぞれの前記発光素子が有する熱量を表す変数を算出する工程と、
前記複数の発光素子のうち2つ以上の発光素子の前記変数の代表値及びばらつきを表す値を算出する工程と、
予め取得された前記発光モジュールに供給する第1電力と前記複数の発光素子のうち2つ以上の発光素子の温度の代表値及びばらつきを表す値との関係と、前記点灯パターンを実現するために前記発光モジュールに供給する第2電力に基づいて、全ての前記発光素子の温度を推定する工程と、
を備える請求項1に記載の発光モジュールの温度推定方法。
【請求項3】
前記関係は、2つ以上の発光素子にそれぞれ温度センサーが設けられた試験用発光モジュールを複数の点灯パターンで点灯させて、前記複数の点灯パターンのそれぞれについて、前記試験用発光モジュールに供給した前記第1電力と、複数の前記温度センサーの測定値の代表値及びばらつきを表す値とを取得することによって得られたものである請求項2に記載の発光モジュールの温度推定方法。
【請求項4】
前記試験用発光モジュールに供給した前記第1電力をP1とし、前記複数の温度センサーの測定値の代表値をSen_aとし、前記複数の温度センサーの測定値のばらつきを表す値をSen_rとし、係数をa、b、c、dとするとき、前記関係は以下のように表現できる請求項3に記載の発光モジュールの温度推定方法。
Sen_a=a×P1+b
Sen_r=c×Sen_a+d
【請求項5】
前記全ての前記発光素子の温度を推定する工程において、前記点灯パターンを実現するために前記発光モジュールに供給する前記第2電力の値として、実測値を用いる請求項2に記載の発光モジュールの温度推定方法。
【請求項6】
前記全ての前記発光素子の温度を推定する工程において、前記点灯パターンを実現するために前記発光モジュールに供給する前記第2電力の値として、前記複数の発光素子の階調値の総和に基づいた推測値を用いる請求項2に記載の発光モジュールの温度推定方法。
【請求項7】
前記変数の代表値及びばらつきを表す値を算出する2つ以上の発光素子と、前記温度の代表値及びばらつきを表す値が取得された2つ以上の発光素子は、同一である請求項2に記載の発光モジュールの温度推定方法。
【請求項8】
前記代表値は平均値である請求項2に記載の発光モジュールの温度推定方法。
【請求項9】
前記はらつきを表す値は最大値と最小値の差である請求項2に記載の発光モジュールの温度推定方法。
【請求項10】
前記変数を算出する工程は、
前記点灯パターンに基づいて、一の前記発光素子が前記一の発光素子又は他の前記発光素子から受ける熱量に相当するデータと、前記一の発光素子と前記一の発光素子又は前記他の発光素子との距離に相当するデータとの関係を表す関数を畳み込み積分することにより、前記複数の発光素子のそれぞれについて、受ける熱量の総和を算出して前記変数とする工程を有し、
前記発光素子の温度を推定する工程は、
前記変数の代表値及びばらつきを表す値を、前記温度の代表値及びばらつきを表す値に変換する変換係数を求める工程と、
前記変換係数を用いて、全ての前記発光素子について前記変数を温度に変換する工程と、
を有する請求項2~9のいずれか1つに記載の発光モジュールの温度推定方法。
【請求項11】
前記一の発光素子が前記一の発光素子又は前記他の発光素子から受ける熱量をhとし、前記一の発光素子から前記一の発光素子自体が受ける熱量又は前記他の発光素子から前記他の発光素子自体が受ける熱量をhとし、減衰率をrとし、前記一の発光素子の中心と前記一の発光素子の中心又は前記他の発光素子の中心との距離をdとするとき、前記関数は以下のように表現できる請求項10に記載の発光モジュールの温度推定方法。
h=h×r
【請求項12】
前記代表値は平均値であり、前記はらつきを表す値は最大値と最小値の差であり、
前記変換係数をK1及びK2とし、前記2つ以上の発光素子の温度の平均値をSen_aとし、前記2つ以上の発光素子の温度の最大値と最小値の差をSen_rとし、2つ以上の発光素子の前記変数の平均値をSim_aとし、2つ以上の発光素子の前記変数の最大値と最小値の差をSim_rとするとき、前記変換係数K1及びK2は以下のように定義される請求項10に記載の発光モジュールの温度推定方法。
K1=Sen_r/Sim_r
K2=Sen_a-Sim_a×K1
【請求項13】
前記一の発光素子の前記変数をΣhとし、前記一の発光素子の温度の推定値をTとするとき、前記温度の推定値Tを下記数式によって算出する請求項12に記載の発光モジュールの温度推定方法。
T=K1×Σh+K2
【請求項14】
配線基板と、
前記配線基板に配置された複数の発光素子と、
を備える発光モジュールであって、
前記配線基板は、
前記複数の発光素子の点灯パターンと前記発光モジュールに供給される電力とに基づいて、前記複数の発光素子の温度を推定する制御部を有する、
発光モジュール。
【請求項15】
前記制御部は、
前記複数の発光素子の点灯パターンに基づいて、それぞれの前記発光素子が有する熱量を表す変数を算出し、
前記複数の発光素子のうち2つ以上の発光素子の前記変数の代表値及びばらつきを表す値を算出し、
予め取得された前記発光モジュールに供給する第1電力と前記複数の発光素子のうち2つ以上の発光素子の温度の代表値及びばらつきを表す値との関係と、前記点灯パターンを実現するために前記発光モジュールに供給する第2電力に基づいて、全ての前記発光素子の温度を推定する請求項14に記載の発光モジュール。
【請求項16】
前記制御部は、
前記点灯パターンに基づいて、一の前記発光素子が前記一の発光素子又は他の前記発光素子から受ける熱量に相当するデータと、前記一の発光素子と前記一の発光素子又は前記他の発光素子との距離に相当するデータとの関係を表す関数を畳み込み積分することにより、前記複数の発光素子のそれぞれについて、受ける熱量の総和を算出して前記変数とし、
前記変数の代表値及びばらつきを表す値を、前記温度の代表値及びばらつきを表す値に変換する変換係数を求め、
前記変換係数を用いて、全ての前記発光素子について前記変数を温度に変換する請求項15に記載の発光モジュール。
【請求項17】
配線基板と、前記配線基板に配置された複数の発光素子と、を有する発光モジュールと、
前記発光モジュールを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数の発光素子の点灯パターンと前記発光モジュールに供給される電力とに基づいて、前記複数の発光素子の温度を推定する、
車両ユニット。
【請求項18】
前記制御部は、
前記複数の発光素子の点灯パターンに基づいて、それぞれの前記発光素子が有する熱量を表す変数を算出し、
前記複数の発光素子のうち2つ以上の発光素子の前記変数の代表値及びばらつきを表す値を算出し、
予め取得された前記発光モジュールに供給する第1電力と前記複数の発光素子のうち2つ以上の発光素子の温度の代表値及びばらつきを表す値との関係と、前記点灯パターンを実現するために前記発光モジュールに供給する第2電力に基づいて、全ての前記発光素子の温度を推定する請求項17に記載の車両ユニット。
【請求項19】
前記制御部は、
前記点灯パターンに基づいて、一の前記発光素子が前記一の発光素子又は他の前記発光素子から受ける熱量に相当するデータと、前記一の発光素子と前記一の発光素子又は前記他の発光素子との距離に相当するデータとの関係を表す関数を畳み込み積分することにより、前記複数の発光素子のそれぞれについて、受ける熱量の総和を算出して前記変数とし、
前記変数の代表値及びばらつきを表す値を、前記温度の代表値及びばらつきを表す値に変換する変換係数を求め、
前記変換係数を用いて、全ての前記発光素子について前記変数を温度に変換する請求項18に記載の車両ユニット。
【請求項20】
前記発光モジュールは車両の前照灯の光源であり、
前記制御部は前記車両のECUに含まれる請求項17~19のいずれか1つに記載の車両ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、発光モジュールの温度推定方法、発光モジュール及び車両ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、配線基板に多数の発光素子を搭載し、発光素子を個別に制御する発光モジュールが提案されている。このような発光モジュールにおいては、点灯中に各発光素子の温度を推定して、各発光素子の温度が限界温度を超えないかどうかを管理することが好ましい。しかしながら、各発光素子の温度上昇の程度は点灯パターンに依存して異なるため、全ての発光素子の温度を個別に推定することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-186288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施形態は、上述の問題点に鑑みてなされたものであって、複数の発光素子の温度を推定可能な発光モジュールの温度推定方法、発光モジュール及び車両ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態に係る発光モジュールの温度推定方法は、複数の発光素子を含む発光モジュールの温度推定方法であって、前記複数の発光素子の点灯パターンと前記発光モジュールに供給する電力とに基づいて、前記複数の発光素子の温度を推定する工程を備える。
【0006】
本開示の実施形態に係る発光モジュールは、配線基板と、前記配線基板に配置された複数の発光素子と、を備える発光モジュールである。前記配線基板は、前記複数の発光素子の点灯パターンと前記発光モジュールに供給される電力とに基づいて、前記複数の発光素子の温度を推定する制御部を有する。
【0007】
本開示の実施形態に係る車両ユニットは、発光モジュールと、前記発光モジュールを制御する制御部と、を備える。前記発光モジュールは、配線基板と、前記配線基板に配置された複数の発光素子と、を有する。前記制御部は、前記複数の発光素子の点灯パターンと前記発光モジュールに供給される電力とに基づいて、前記複数の発光素子の温度を推定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の実施形態によれば、複数の発光素子の温度を推定可能な発光モジュールの温度推定方法、発光モジュール及び車両ユニットを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係る発光モジュールを示す平面図である。
図2図2は、図1に示す領域IIを示す一部拡大平面図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る発光モジュールを示す斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る試験用発光モジュールを示す平面図である。
図5図5は、試験用発光モジュールを用いて第1電力と発光素子の温度分布との関係を取得する予備実験システムを示すブロック図である。
図6図6は、横軸に第1電力をとり縦軸に温度測定値の平均値をとって、第1電力と温度測定値の平均値との関係を示すグラフである。
図7図7は、横軸に温度測定値の平均値をとり、縦軸に温度測定値の最大値と最小値の差をとって、温度測定値の平均値と差との関係を示すグラフである。
図8図8は、第1の実施形態に係る温度推定システムを示すブロック図である。
図9図9は、第1の実施形態に係る温度推定方法を示すフローチャートである。
図10A図10Aは、点灯パターンを表す信号の例を示す図である。
図10B図10Bは、点灯パターンを表す信号の例を示す図である。
図11図11は、横軸に発光素子の位置をとり、縦軸に熱量hをとって、関数f(d)の例を表すグラフである。
図12A図12Aは、点灯パターンの例を表す図である。
図12B図12Bは、一の発光素子がそれ自体及び周囲に及ぼす熱量に相当するデータの例を示す図である。
図12C図12Cは、他の発光素子がそれ自体及び周囲に及ぼす熱量に相当するデータの例を示す図である。
図12D図12Dは、一の発光素子と他の発光素子がそれ自体及び周囲に及ぼす熱量に相当するデータの和を示す図である。
図13図13は、関数f(d)の畳み込み積分に用いるカーネルの例を示す図である。
図14図14は、複数の発光素子に対応する複数の変数を示す図である。
図15図15は、発光素子の温度の推定値の例を示す図である。
図16図16は、横軸に点灯パターンをとり縦軸に温度の推定値と実測値の差をとって、推定値の精度を示すグラフである。
図17図17は、第2の実施形態に係る車両ユニットを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
本実施形態は、複数の発光素子を含む発光モジュールの温度推定方法である。発光モジュールは、例えば、車両の前照灯で用いられる光源である。本実施形態は、発光モジュールに点灯させる新たな点灯パターンを考案したときに、その点灯パターンにおいて限界温度を超える発光素子があるかどうかを検証するための予備実験として、各発光素子の温度を推定する例である。
【0011】
(発光モジュール)
先ず、本実施形態において評価の対象となる発光モジュールについて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る発光モジュールを示す平面図である。
図2は、図1に示す領域IIを示す一部拡大平面図である。
図3は、第1の実施形態に係る発光モジュールを示す斜視図である。
【0012】
図1図3に示すように、発光モジュール1においては、モジュール基板30が設けられている。モジュール基板30の上面に配線基板10が配置されている。配線基板10は、例えば、絶縁性の基材の内部及び表面に配線が設けられた基板であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)基板である。配線基板10には、複数の発光素子20が配置されている。配線基板10は、複数の発光素子20を個別に制御して所定の点灯パターンを実現する制御部11を備えている。なお、制御部11は、発光モジュール1とは別部材であってもよく、その場合は発光モジュールの外部に配置される。
【0013】
配線基板10の上面上の一部には、発光領域19が設定されている。平面視で、発光領域19の形状は例えば長方形である。複数の発光素子20は、発光領域19内に例えば行列状に配列されている。複数の発光素子20は、例えば、100個以上2,000,000個以下であり、好ましくは1,000個以上500,000個以下であり、より好ましくは3,000個以上200,000個以下である。一例では、発光素子20は、発光領域19の長手方向に沿って256個、短手方向に沿って64個の行列状に配列されている。この場合、発光モジュール1には、16,384個の発光素子20が配置されている。
【0014】
モジュール基板30上及び配線基板10上には、発光領域19を囲むように、枠状の樹脂部40が設けられている。枠状の樹脂部40内には、モジュール基板30の端子と配線基板10の端子とを電気的に接続するワイヤ41が配置されていてもよい。なお、図3においては、樹脂部40の一部を省略して樹脂部40内に配置されたワイヤ41を図示している。また、発光領域19においては、複数の発光素子20上に波長変換部材が配置されていてもよい。波長変換部材の形状は例えば板状やシート状であり、例えば波長変換物質を含む。なお、発光素子20上に波長変換部材等が配置されている場合は、図2は波長変換部材等を透過した図である。
【0015】
図2に示すように、平面視で、各発光素子20の形状は矩形である。発光素子20は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)である。平面視で、発光領域19の長手方向(以下、「X方向」という)における発光素子20の配列距離をPx、発光領域19の短手方向(以下、「Y方向」という)における発光素子20の配列距離をPyとするとき、X方向において隣り合う発光素子20の中心間の距離dはPxであり、Y方向において隣り合う発光素子20の中心間の距離dはPyであり、対角方向において隣り合う発光素子20の中心間の距離dは、d=√(Px+Py)である。
【0016】
より一般的には、一の発光素子20の中心と、この一の発光素子20からX方向においてa個先、Y方向においてb個先にある他の発光素子20の中心との距離dabは、dab=√{(a×Px)+(b×Py)}である。なお、平面視で発光素子20の形状が矩形である場合、発光素子20の中心は発光素子20の外縁の対角線の交点である。例えば、配列距離Px及びPyは、10μm以上120μm以下であり、好ましくは15μm以上70μm以下である。
【0017】
発光モジュール1においては、外部からの信号に基づいて、制御部11が複数の発光素子20の発光を制御する。例えば、制御部11は発光素子20を時分割で256階調に制御する。制御部11は発光素子20を個別にまたはグループごとに制御することができる。このように、制御部11が複数の発光素子20のそれぞれについて発光の階調を制御することにより、複数の発光素子20全体で様々な点灯パターンを実現できる。なお、制御部11は各発光素子20に供給する電流の大きさを制御することにより、各発光素子20の発光を制御してもよい。
【0018】
(第1電力と発光素子の温度分布との関係を得る工程)
上述の発光モジュール1にある点灯パターンを実現させた場合における各発光素子20の温度分布を推定する。なお、本明細書において「点灯パターン」とは、各発光素子20の発光を制御することにより、発光モジュール1の全ての発光素子20によって実現される明暗のパターンをいう。以下の説明では、各発光素子20の発光の階調を制御して点灯パターンを得る場合を例にとって説明する。
【0019】
先ず、試験用発光モジュールを準備する。
図4は、第1の実施形態に係る試験用発光モジュールを示す平面図である。
図4に示すように、試験用発光モジュール101においては、上述の発光モジュール1の構成に加えて、複数の温度センサー112が設けられている。複数の温度センサー112は配線基板10内に配置されている。温度センサー112の数は発光素子20の数よりも少なく、例えば、2個以上であり、10個~数十個程度であることが好ましい。各温度センサー112は、それぞれ1つの発光素子20に対応する位置に配置されている。すなわち、各温度センサー112は、対応する特定の発光素子20の温度を測定する。
【0020】
次に、試験用発光モジュール101を複数の点灯パターンで点灯させて、複数の点灯パターンのそれぞれについて、試験用発光モジュール101に供給した第1電力P1と、複数の温度センサー112の測定値の代表値及びばらつきを表す値とを取得する。
【0021】
図5は、試験用発光モジュールを用いて第1電力と発光素子の温度分布との関係を取得する予備実験システムを示すブロック図である。
【0022】
以下、「発光素子の温度分布」を表す指標として、温度センサー112による温度測定値の代表値とばらつきを表す値を使用する。「温度測定値の代表値」とは、複数の温度測定結果を代表する1つの数値であり、第1の実施形態においては、温度測定結果の平均値を使用する。但し、これには限定されず、温度測定値の代表値として、最頻値又は中央値等を使用してもよい。「温度測定値のばらつきを表す値」とは、温度測定結果の分布の広さを表す1つの数値であり、第1の実施形態においては、温度測定値の最大値と最小値の差、すなわち、(最大値-最小値)の値を使用する。但し、これには限定されず、温度測定値のばらつきを表す値として、標準偏差等を使用してもよい。
【0023】
図5に示すように予備実験システム150においては、試験用発光モジュール101と、複数の点灯パターンが記憶された記憶手段151と、試験用発光モジュール101に電力を供給する電源手段152と、試験用発光モジュール101の温度センサー112の出力と電源手段152の出力に基づいて演算する演算手段153と、演算手段153の演算結果を記憶する記憶手段154が設けられている。記憶手段151及び154は、例えば、SSD(Solid State Drive)又はHDD(hard disk drive:ハードディスクドライブ)等によって構成することができる。演算手段153は、例えば、汎用のコンピュータによって構成することができる。
【0024】
予備実験システム150においては、記憶手段151が、記憶手段151に記憶された点灯パターンのうち一の点灯パターンを試験用発光モジュール101に入力すると共に、電源手段152が必要な第1電力P1を試験用発光モジュール101に供給する。これにより、試験用発光モジュール101が入力された点灯パターンを実現する。
【0025】
このとき、試験用発光モジュール101の温度センサー112が温度を測定し、その結果を演算手段153に対して出力する。温度センサー112は2つ以上あるため、温度の測定結果も2つ以上ある。また、電源手段152は試験用発光モジュール101に対して供給した第1電力P1を示すデータを、演算手段153に対して出力する。
【0026】
演算手段153は、温度センサー112の測定値の代表値として、測定値の平均値Sen_aを算出する。また、温度センサー112の測定値のばらつきを表す値として、測定値の最大値と最小値の差Sen_rを算出する。また、演算手段153は、第1電力P1と測定値の平均値Sen_aとの関係、及び、測定値の平均値Sen_aと差Sen_rとの関係を求める。
【0027】
図6は、横軸に第1電力をとり縦軸に温度測定値の平均値をとって、第1電力と温度測定値の平均値との関係を示すグラフである。
図7は、横軸に温度測定値の平均値をとり、縦軸に温度測定値の最大値と最小値の差をとって、温度測定値の平均値と差との関係を示すグラフである。
図6および図7において、各プロットは、各製品に対応する試験用発光モジュール101で、複数の点灯パターンそれぞれを点灯させたときの結果を示す。
【0028】
図6に示すように、第1電力P1と温度測定値の平均値Sen_aには一次関数として表される関係性が認められる。なお、第1電力P1が0の場合は、平均値Sen_aは室温付近の温度をとる。
また、図7に示すように、温度測定値の平均値Sen_aと差Sen_rにも一次関数として表される関係性が認められる。なお、平均値Sen_aが室温付近の場合は、差Sen_rは0となる。
【0029】
係数をa、b、c、dとするとき、第1電力P1、温度測定値の平均値Sen_a、及び、温度測定値の最大値と最小値の差Sen_rは、下記数式(1)及び(2)のように表現できる。演算手段153は、下記数式(1)及び(2)を記憶手段154に記憶させる。
【0030】
Sen_a=a×P1+b (1)
【0031】
Sen_r=c×Sen_a+d (2)
【0032】
なお、図7において、Sen_aが72℃付近、Sen_rが49℃付近にあるプロットPは、差Sen_rの値が破線で示す一次関数から縦軸方向に+17℃程度ずれている。このように一次関数から大きく外れたプロットPについては、プロットPを含めて近似式を求めてもよく、プロットPは除外して近似式を求めてもよい。
【0033】
また、本実施形態においては、図6および図7に示すように、複数の点灯パターン(3以上の点灯パターン)からSen_aおよびSen_rの一次関数を近似して求めている。なお、本開示においては、このような一次関数を求める場合、例えば2つの点灯パターンから一次関数を求めてもよい。具体的には、発光モジュール1を車両の前照灯に用いる場合は、例えば、ハイビームに対応する第1点灯パターンと、ロービームに対応する第2点灯パターンを用いて、Sen_aおよびSen_rそれぞれの一次関数を求めてよい。これにより、試験用発光モジュールを用いた第1電力と発光素子の温度分布との関係を取得する工程を簡略化することができる。なお、評価結果の精度を上げるために、3以上の点灯パターン、好ましくは5以上の点灯パターン、より好ましくは10以上の点灯パターンから近似式を求めてもよい。
【0034】
(点灯パターンと電力に基づいて複数の発光素子の温度を推定する工程)
次に、上述の予備実験の結果を用いて、具体的な点灯パターンについて、各発光素子の温度を推定する方法について説明する。
図8は、第1の実施形態に係る温度推定システムを示すブロック図である。
図9は、第1の実施形態に係る温度推定方法を示すフローチャートである。
【0035】
図8に示すように、本実施形態に係る温度推定システム160においては、演算手段161と記憶手段154が設けられている。演算手段161は、例えば、汎用のコンピュータによって構成することができる。記憶手段154は上述の予備実験システム150を構成する記憶手段154と同じであるか、予備実験システム150の記憶手段154に記憶された情報の複製を記憶する記憶手段である。
【0036】
先ず、図8のブロック図及び図9のステップS1に示すように、演算手段161に点灯パターンが入力される。この点灯パターンは、例えば、新たに考案された点灯パターンである。
図10A及び図10Bは、点灯パターンを表す信号の例を示す図である。
なお、図10A及び図10Bにおいては、図の簡略化のために、点灯パターンを(7×7)のマトリクスで表しているが、実際には、1つの発光素子20について1つの数値を対応させることが好ましい。このため、実際の点灯パターンは、例えば(64×256)のマトリクスで表される。
【0037】
図10A及び図10Bに示す例では、点灯パターンを表す信号は、発光素子20毎の点灯率(%)の数値を配列したものである。発光素子20を時分割制御する場合は、「点灯率」は、例えば、一点灯期間に対するその発光素子20が点灯している時間の割合である。発光素子20を電流制御する場合は、「点灯率」は、例えば、最大電流値に対するその発光素子20に供給する電流値の割合である。図10A及び図10Bにおいて、「100(%)」は最も明るい階調での点灯を表し、「0(%)」は消灯を表す。例えば、発光素子20を時分割で0~255の256階調に制御する場合は、255を「100(%)」と表し、0を「0(%)」と表す。
【0038】
図10Aに示す点灯パターンは、発光領域19の中心付近を強く発光させるパターンであり、図10Bに示す点灯パターンは、発光領域19の上部を強く発光させるパターンである。但し、点灯パターンはこれらの例には限定されない。
【0039】
次に、図8のブロック図及び図9のステップS2に示すように、演算手段161が複数の発光素子20の点灯パターンに基づいて、それぞれの発光素子20が有する熱量を表す変数Σhを算出する。以下に、ステップS2の内容を詳細に説明する。
【0040】
以下の説明では、変数Σhを算出する対象の一の発光素子20を「発光素子20a」とし、発光素子20aに熱を伝導する他の発光素子20を「発光素子20b」とする。ある発光素子20bが点灯すると、その発光素子20bは熱を生成する。その熱は、その発光素子20b自体を加熱すると共に、その発光素子20bの周囲にも伝導されて、周囲の発光素子20も加熱する。このため、ある発光素子20aの温度は、その発光素子20a自体の点灯状態に加えて、周囲の発光素子20bの点灯状態の影響も受ける。したがって、ある発光素子20aの温度を予測するためには、その発光素子20aがそれ自体から受ける熱量と、周囲の発光素子20bから受ける熱量の総和を算出することが好ましい。発光素子20a及び20bの点灯状態は、点灯パターンに依存する。
【0041】
具体的には、ある発光素子20aがその発光素子20a自体及び他の発光素子20bから受ける熱量を表す関数f(d)を設定する。概略的に表現すれば、この関数f(d)は、熱源からの距離と、この熱源から受ける熱量との関数である。詳細に表現すれば、この関数f(d)は、一の発光素子20aが一の発光素子20a又は他の発光素子20bから受ける熱量に相当するデータと、一の発光素子20aとこの一の発光素子20a又は他の発光素子20bとの距離に相当するデータとの関係を表す関数である。
【0042】
例えば、一の発光素子20aが一の発光素子20a又は他の発光素子20bから受ける熱量をhとし、一の発光素子20aから一の発光素子20a自体が受ける熱量又は他の発光素子20bからこの他の発光素子20b自体が受ける熱量をhとし、減衰率をrとし、一の発光素子20aの中心と一の発光素子20aの中心又は他の発光素子20bの中心との距離をdとするとき、上述の関数f(d)は例えば下記数式(3)のように表現できる。減衰率rは0より大きく1より小さい値である。ここでの熱量は、熱量に相当するデータを意味する。
【0043】
h=f(d)=h×r (3)
【0044】
一の発光素子20a自体が発光するときに、この一の発光素子20aが受ける熱量hは、距離dが0であるため、h=h×r=h×1=hとなる。すなわち、一の発光素子20aがこの一の発光素子20a自体から受ける熱量はhである。
【0045】
図11は、横軸に発光素子の位置をとり、縦軸に熱量hをとって、関数f(d)の例を表すグラフである。
図11の横軸が表す位置は、発光している他の発光素子20bの位置を基準としたX方向又はY方向の位置である。図11に示すプロットについては、図11の横軸が表す位置の絶対値が、上述の距離dに相当する。図11においては、熱量hを100とし、減衰率rを0.8とし、発光素子20の配列距離Px及びPyを共に1としている。この場合、X方向及びY方向において隣り合う発光素子20の中心間の距離は1である。減衰率rは、発光モジュール1において複数個の発光素子20の温度を実測することにより算出され得る。この場合、上記数式(3)は、h=100×0.8となる。図11に示すように、距離dが大きくなるほど、熱量hは減少する。
【0046】
次に、点灯パターンに基づいて、関数f(d)を畳み込み積分する。これにより、複数の発光素子20のそれぞれについて、受ける熱量hの総和に相当する変数Σhを算出する。
【0047】
以下、関数f(d)の畳み込み積分について説明する。以下の説明では、説明の簡略化のために、2つの発光素子20a及び20bのみが点灯し、他の発光素子20が消灯している場合について説明する。また、減衰率rを0.8とし、配列距離Px及びPyを共に1とする。
【0048】
図12Aは点灯パターンの例を表す図である。図12Bは一の発光素子20aがそれ自体及び周囲に及ぼす熱量に相当するデータの例を示す図である。図12Cは他の発光素子20bがそれ自体及び周囲に及ぼす熱量に相当するデータの例を示す図である。図12Dは一の発光素子20aと他の発光素子20bがそれ自体及び周囲に及ぼす熱量に相当するデータの和を示す図である。なお、記載の簡略化のために、以下の説明においては、「熱量に相当するデータ」を単に「熱量」という場合もある。
【0049】
図12Aに示すように、一の発光素子20aの点灯率が100%であり、他の発光素子20bの点灯率が50%であり、それ以外の発光素子20の点灯率が0%である場合を想定する。なお、図12Aにおいて、「0%」の表記は省略している。
【0050】
図12Bにおいては、一の発光素子20aがそれ自体及び周囲に及ぼす熱量のみを示し、他の発光素子20bが及ぼす熱量は示していない。この場合、上記数式(3)より、一の発光素子20aの熱量は100となり、一の発光素子20aから遠い発光素子20ほど、熱量は小さくなる。X方向又はY方向において一の発光素子20aの隣にある発光素子20が受ける熱量は、上記数式(3)より、100×0.8=80となる。他の発光素子20bは一の発光素子20aに対してX方向において2つ分離れた位置にあるため、他の発光素子20bが受ける熱量は、上記数式(3)より、100×0.8=64となる。また、対角方向において一の発光素子20aと隣り合う発光素子20については、一の発光素子20aからの距離dは、d=√(1+1)=√2であるから、この発光素子20が受ける熱量hは、h=100×0.8√2≒73となる。
【0051】
図12Cにおいては、他の発光素子20bがそれ自体及び周囲に及ぼす熱量のみを示し、一の発光素子20aが及ぼす熱量は示していない。この場合、上記数式(3)より、他の発光素子20bの熱量は50となり、他の発光素子20bから遠い発光素子20ほど、熱量は小さくなる。一の発光素子20aが受ける熱量は、上記数式(3)より、50×0.8=32となる。
【0052】
図12Bに示す数値と図12Cに示す数値を足し合わせることにより、図12Dに示すマトリクスを得る。このようにして、複数の発光素子20のそれぞれについて、受ける熱量hの総和に相当する変数Σhを算出する。例えば、一の発光素子20aが受ける熱量の総和に相当する変数Σhは100+32=132であり、他の発光素子20bが受ける熱量の総和に相当する変数Σhは50+64=114である。
【0053】
なお、関数f(d)の畳み込み積分は、発光モジュール1の全ての発光素子20について行ってもよく、変数Σhを求める発光素子20の近傍の発光素子20についてのみ行ってもよい。近傍の発光素子20についてのみ畳み込み積分を行うことにより、計算量を低減できる。例えば、対象となる発光素子20から、X方向両側に10個以内、Y方向両側に10個以内に位置する発光素子20のみについて計算してもよい。この場合は、対象となる発光素子20を中心として、(21×21)の範囲について、畳み込み積分を行う。
【0054】
また、関数f(d)の畳み込み積分は、上記数式(3)をその都度計算してもよいが、カーネルを用いたフィルタ処理によって実行してもよい。この場合、予め、上記数式(3)を用いてカーネル係数を計算し、カーネルを作成しておく。そして、図12Aに示すような点灯パターンを表すマトリクスのうち、変数Σhを求める発光素子20に相当するセルにカーネルの中心セルを合わせ、カーネルが重なったセルについて、それぞれ熱量とカーネル係数の積を求め、全ての積の総和をその発光素子20の変数Σhとする。
【0055】
図13は、関数f(d)の畳み込み積分に用いるカーネルの例を示す図である。
図13の各セルに記載された数値はカーネル係数である。図13に示す例では、熱量hを1とし、減衰率rを0.8とし、発光素子20の配列距離Px及びPyを共に1としている。また、カーネルのサイズは(5×5)としている。なお、カーネルのサイズは上述の如く(21×21)としてもよく、それ以外のサイズとしてもよい。カーネルのサイズが大きいほど精度は向上するが計算量が増大する。
【0056】
このようにして、全ての発光素子20について変数Σhを得ることにより、図9のステップS2が終了する。
【0057】
次に、図8のブロック図及び図9のステップS3に示すように、発光モジュール1の複数の発光素子20のうち、一部の発光素子20であって2つ以上の発光素子20の変数Σhの代表値及びばらつきを表す値を算出する。本実施形態においては、変数Σhの代表値及びばらつきを表す値を算出する発光素子20は、試験用発光モジュール101を用いて温度の代表値及びばらつきを表す値が取得された2つ以上の発光素子20と同一とする。
【0058】
すなわち、上述の如く、発光モジュール1には、複数の発光素子20が設けられているが、温度センサーは設けられていない。一方、試験用発光モジュール101には、複数の発光素子20と共に複数の温度センサー112が設けられているが、温度センサー112の数は発光素子20の数よりも少ない。このため、一部の発光素子20は温度センサー112に対応しているが、残りの発光素子20は温度センサー112に対応していない。そして、試験用発光モジュール101において温度センサー112が設けられた発光素子20に対応する発光モジュール1の発光素子20について、変数Σhの代表値及びばらつきを表す値を算出する。また、本実施形態においては、変数Σhの代表値として変数Σhの平均値Sim_aを用い、変数Σhのばらつきを表す値として変数Σhの最大値と最小値の差Sim_rを用いる。
【0059】
図14は、複数の発光素子に対応する複数の変数を示す図である。
図14においては、発光モジュール1の発光素子20の変数Σhのうち、試験用発光モジュール101において温度センサー112に対応した発光素子20と同じ位置にある発光素子20の変数Σhにハッチングを付している。すなわち、ハッチングを付した変数Σhの値のみを使用して、変数Σhの平均値Sim_aと、変数Σhの最大値と最小値の差Sim_rを求める。
【0060】
一方、図9のステップS4に示すように、演算手段161は、この点灯パターンを実現するために必要な第2電力P2を算出する。第2電力P2は、この点灯パターンを実際に発光モジュール1に実現させると仮定した場合に、発光モジュール1に供給する必要がある電力である。第2電力P2の値として、例えば、発光モジュール1の実測値を用いてもよく、また発光モジュール1の全ての発光素子20の階調値の総和に基づいた推測値を用いてもよい。
【0061】
次に、図8のブロック図及び図9のステップS5に示すように、演算手段161が、記憶手段154に記憶された上記数式(1)及び(2)を参照して、第2電力P2に対応する温度の平均値Sen_a及び最大値と最小値の差Sen_rを取得する。
【0062】
次に、図8のブロック図及び図9のステップS6に示すように、演算手段161が変換係数K1及びK2を算出する。変換係数K1及びK2は、変数Σhの平均値Sim_a及び最大値と最小値の差Sim_rを、温度の平均値Sen_a及び最大値と最小値の差Sen_rに変換する係数である。変換係数K1及びK2は、下記数式(4)及び(5)によって定義される。
【0063】
K1=Sen_r/Sim_r (4)
【0064】
K2=Sen_a-Sim_a×K1 (5)
【0065】
変換係数K1は、変数Σhの最大値と最小値の差Sim_rに対する上記数式(1)及び(2)を参照して取得された温度の最大値と最小値の差Sen_rの比の値である。変換係数K1により、変数Σhの最大値と最小値の差Sim_rを、温度の最大値と最小値の差Sen_rに一致させることができる。
【0066】
変換係数K2は、温度の平均値Sen_aと、変換係数K1によって変換された変数Σhの平均値(Sim_a×K1)との差である。変換係数K2により、変換係数K1によって変換された変数Σhの平均値(Sim_a×K1)を、温度の平均値Sen_aに一致させることができる。
【0067】
次に、図8のブロック図及び図9のステップS7に示すように、変換係数K1及びK2を用いて、発光モジュール1の全ての発光素子20について、変数Σhを温度に変換する。具体的には、発光素子20の温度の推定値をTとするとき、温度の推定値Tを下記数式(6)によって算出する。
【0068】
T=K1×Σh+K2 (6)
【0069】
図15は、発光素子の温度の推定値の例を示す図である。
図15に示すように、発光モジュール1に含まれる全ての発光素子20の温度を推定する。このようにして、図9に示す方法により、予め取得された発光モジュール1に供給する第1電力P1と複数の発光素子20のうち2つ以上の発光素子20の温度の代表値及びばらつきを表す値との関係と、点灯パターンを実現するために発光モジュール1に供給する第2電力P2に基づいて、全ての発光素子の温度を推定する。
【0070】
図16は、横軸に点灯パターンをとり縦軸に温度の推定値と実測値の差をとって、推定値の精度を示すグラフである。
評価方法としては、先ず、7種類の点灯パターンについて発光モジュール1の各発光素子20の温度を推定した結果を得る。次に、図4に示す試験用発光モジュール101に同じ7種類の点灯パターンを実現させて、温度センサー112によって発光素子20の温度を実測した。そして、推定値Tと実測値Tjとの差ΔTを下記数式(7)によって算出した。
【0071】
ΔT=T-Tj (7)
【0072】
図16に示すように、ΔTは-11.8℃から+8.4℃の範囲に収まった。図7に示すSen_aが72℃付近、Sen_rが49℃付近の位置にあるプロットPは、図7に破線で示された一次関数から縦軸方向に+17℃程度ずれていたが、図16に示すように、最終的な誤差ΔTは最大でも10℃程度に収まった。これにより、第1の実施形態に係る温度推定方法は信頼性が高いことが示された。
【0073】
(効果)
次に、第1の実施形態の効果について説明する。
第1の実施形態によれば、予め取得した第1電力P1と発光素子20の温度との関係、すなわち、上記数式(1)及び(2)で表される関係を用いることにより、発光モジュール1に供給する第2電力P2に基づいて、発光素子20の温度を予測することができる。これにより、新たな点灯パターンを考案したときに、その点灯パターンによって各発光素子の温度が限界温度を超えるかどうかを事前に確認できる。すなわち、新たな考案された点灯パターンを実装する前に、発光素子の温度の観点から、この点灯パターンを評価することができる。この結果、新たな点灯パターンを考案する度に、発光モジュール1に実装して評価する必要がなく、点灯パターンを効率的に作成できる。また、実際に発光モジュール1を発光させる必要がないため、点灯パターンが不適切であったとしても、発光モジュール1が破壊等されることがない。
【0074】
また、第1の実施形態によれば、第1電力P1と発光素子の温度の平均値Sen_aと最大値と最小値の差Sen_rの関係を、試験用発光モジュール101を用いて取得している。これにより、上記数式(1)及び(2)で表される関係を精度良く求めることができる。
【0075】
更に、第1の実施形態によれば、試験用発光モジュール101における温度センサー112の数を、発光モジュール20の数よりも少なくしている。これにより、上記数式(1)及び(2)で表される関係を取得する際の計算負荷を低減できる。同様に、図9のステップS3に示す工程において、変数Σhの平均値Sim_a及び最大値と最小値の差Sim_rを求める発光素子20の数を、発光モジュール1に含まれる全ての発光素子20の数よりも少なくしている。これによっても、変数Σhの平均値Sim_a及び差Sim_rを求めるための計算負荷を低減できる。そして、変数Σhの平均値Sim_a及び差Sim_rを求める発光素子20を、試験用発光モジュール101において温度センサー112が設けられた発光素子20と同一にしている。これにより、変数Σhの平均値Sim_a及び差Sim_rと、温度の平均値Sen_a及び差Sen_rがそれぞれ対応し、推定値Tの精度が向上する。
【0076】
更に、第1の実施形態によれば、発光モジュール1自体に温度センサーを設ける必要がない。これにより、発光モジュール1の構成が簡略になり、信頼性を向上させると共にコストを低減できる。
【0077】
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、車両ユニットの走行中に逐次生成される点灯パターンを、この車両ユニットに搭載された発光モジュールに実現させる場合に、発光モジュールの発光素子の温度を推定する例である。
【0078】
図17は、第2の実施形態に係る車両ユニットを示すブロック図である。
図17に示すように、第2の実施形態に係る車両ユニット200は、電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)210と、発光モジュール1と、電源手段220と、演算手段230と、記憶手段240を備える。
【0079】
ECU210は車両ユニット200全体を制御する。ECU210は発光モジュール1に対して点灯パターンを表す信号を出力することにより、発光モジュール1も制御する。発光モジュール1は車両ユニット200の前照灯の光源である。発光モジュール1の構成は、第1の実施形態において説明したとおりである。電源手段220はECU210によって制御され、発光モジュール1に対して第2電力P2を供給し、演算手段230に対して第2電力P2の実測値を表すデータを出力する。
【0080】
ECU210は演算手段230に対しても点灯パターンを表す信号を出力する。演算手段230は点灯パターン及び第2電力P2に基づいて、発光モジュール1の各発光素子20の温度を推定する。演算手段230は、例えば、CPU(central processing unit:中央演算処理装置)を含んでいてもよい。記憶手段240は例えばSSDによって構成されている。記憶手段240は、上記数式(1)及び(2)によって表される関係を記憶している。なお、演算手段230及び記憶手段240は、ECU210に含まれていてもよい。
【0081】
車両ユニット200においては、車両ユニット200の走行中に、周囲の環境及び車両ユニット200の走行状態等に基づいて、ECU210が点灯パターンを表す信号を生成し、発光モジュール1及び演算手段230に対して出力する。また、ECU210は電源手段220を制御して、発光モジュール1に対して点灯パターンを実現するための第2電力P2を供給させる。これにより、発光モジュール1は点灯パターンを実現する。このとき、電源手段220は第2電力P2の実測値を表すデータを演算手段230に対して出力する。
【0082】
演算手段230の動作は、第1の実施形態における演算手段161の動作と同様である。すなわち、演算手段230は点灯パターンに基づいて変数Σhの平均値Sim_a及び差Sim_rを算出し、記憶手段240に記憶された上記数式(1)及び(2)を参照することにより、第2電力P2に基づいて温度の平均値Sen_a及び差Sen_rを取得する。そして、変数Σhの平均値Sim_a及び差Sim_rと、温度の平均値Sen_a及び差Sen_rに基づいて変換係数K1及びK2を求め、変換係数K1及びK2を用いて各発光素子20の変数Σhから温度の推定値Tを算出する。
【0083】
演算手段230は、温度の推定値Tの演算結果をECU210に対して出力する。ECU210は温度の推定値Tに基づいて点灯パターンを評価する。例えば、温度の推定値Tが許容範囲の上限値を超える発光素子20が存在する場合には、点灯パターンを変更する。または、限界温度を超える発光素子20に印加される電流値を下げてもよい。
【0084】
第2の実施形態によれば、車両ユニット200の走行状態及び外部環境に基づいて新たな点灯パターンを生成した場合に、この点灯パターンによって限界温度を超える発光素子20があるかどうかを評価し、必要に応じて点灯パターンを変更することができる。この結果、発光モジュール1の発光素子20が熱破壊されること等を予防できる。第2の実施形態における上記以外の構成、方法及び効果は、第1の実施形態と同様である。
【0085】
前述の各実施形態は、本発明を具現化した例であり、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、前述の各実施形態において、いくつかの構成要素又は工程を追加、削除又は変更したものも本発明に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【0086】
例えば、発光モジュールの構成は前述の例には限定されず、少なくとも複数の発光素子を備えていればよい。前述の各実施形態においては、発光素子20が行列状に配列された例を示したが、本発明はこれには限定されない。発光素子20は、例えば、千鳥状に配列されていてもよく、同心円状に配列されていてもよい。
【0087】
また、前述の各実施形態においては、熱量hを表す関数f(d)として、指数関数を用いる例を示したが、本発明はこれには限定されない。例えば、1次関数を用いてもよい。この場合は、例えば、上記関数はh=h-r×dのように表現できる。
【0088】
さらに、第1の実施形態においては、演算手段161が発光素子20の温度を推定し、第2の実施形態においては、演算手段230が発光素子20の温度を推定する例を示したが、発光モジュール1の配線基板10に設けられた制御部11が発光素子20の温度を推定してもよい。この場合、発光モジュール1は、配線基板10と、配線基板10に配置された複数の発光素子20と、を備え、配線基板10は、複数の発光素子20の点灯パターンと発光モジュール1に供給される電力とに基づいて、複数の発光素子20の温度を推定する制御部11を有する。
【0089】
また、以上の説明では、車両の前照灯の光源として発光モジュールを用いる場合を例にとって説明をしたが、これに限定されない。発光モジュールは、例えば、画像表示装置や照明用途等で用いられてよい。
【0090】
本発明は、以下の態様を含む。
【0091】
(付記1)
複数の発光素子を含む発光モジュールの温度推定方法であって、
前記複数の発光素子の点灯パターンと前記発光モジュールに供給する電力とに基づいて、前記複数の発光素子の温度を推定する工程を備える発光モジュールの温度推定方法。
【0092】
(付記2)
前記複数の発光素子の温度を推定する工程は、
前記複数の発光素子の点灯パターンに基づいて、それぞれの前記発光素子が有する熱量を表す変数を算出する工程と、
前記複数の発光素子のうち2つ以上の発光素子の前記変数の代表値及びばらつきを表す値を算出する工程と、
予め取得された前記発光モジュールに供給する第1電力と前記複数の発光素子のうち2つ以上の発光素子の温度の代表値及びばらつきを表す値との関係と、前記点灯パターンを実現するために前記発光モジュールに供給する第2電力に基づいて、全ての前記発光素子の温度を推定する工程と、
を備える付記1に記載の発光モジュールの温度推定方法。
【0093】
(付記3)
前記関係は、2つ以上の発光素子にそれぞれ温度センサーが設けられた試験用発光モジュールを複数の点灯パターンで点灯させて、前記複数の点灯パターンのそれぞれについて、前記試験用発光モジュールに供給した前記第1電力と、複数の前記温度センサーの測定値の代表値及びばらつきを表す値とを取得することによって得られたものである付記2に記載の発光モジュールの温度推定方法。
【0094】
(付記4)
前記試験用発光モジュールに供給した前記第1電力をP1とし、前記複数の温度センサーの測定値の代表値をSen_aとし、前記複数の温度センサーの測定値のばらつきを表す値をSen_rとし、係数をa、b、c、dとするとき、前記関係は以下のように表現できる付記3に記載の発光モジュールの温度推定方法。
Sen_a=a×P1+b
Sen_r=c×Sen_a+d
【0095】
(付記5)
前記全ての前記発光素子の温度を推定する工程において、前記点灯パターンを実現するために前記発光モジュールに供給する前記第2電力の値として、実測値を用いる付記2~4のいずれか1つに記載の発光モジュールの温度推定方法。
【0096】
(付記6)
前記全ての前記発光素子の温度を推定する工程において、前記点灯パターンを実現するために前記発光モジュールに供給する前記第2電力の値として、前記複数の発光素子の階調値の総和に基づいた推測値を用いる付記2~4のいずれか1つに記載の発光モジュールの温度推定方法。
【0097】
(付記7)
前記変数の代表値及びばらつきを表す値を算出する2つ以上の発光素子と、前記温度の代表値及びばらつきを表す値が取得された2つ以上の発光素子は、同一である付記2~6のいずれか1つに記載の発光モジュールの温度推定方法。
【0098】
(付記8)
前記代表値は平均値である付記2~7のいずれか1つに記載の発光モジュールの温度推定方法。
【0099】
(付記9)
前記はらつきを表す値は最大値と最小値の差である付記2~8のいずれか1つに記載の発光モジュールの温度推定方法。
【0100】
(付記10)
前記変数を算出する工程は、
前記点灯パターンに基づいて、一の前記発光素子が前記一の発光素子又は他の前記発光素子から受ける熱量に相当するデータと、前記一の発光素子と前記一の発光素子又は前記他の発光素子との距離に相当するデータとの関係を表す関数を畳み込み積分することにより、前記複数の発光素子のそれぞれについて、受ける熱量の総和を算出して前記変数とする工程を有し、
前記発光素子の温度を推定する工程は、
前記変数の代表値及びばらつきを表す値を、前記温度の代表値及びばらつきを表す値に変換する変換係数を求める工程と、
前記変換係数を用いて、全ての前記発光素子について前記変数を温度に変換する工程と、
を有する付記2~9のいずれか1つに記載の発光モジュールの温度推定方法。
【0101】
(付記11)
前記一の発光素子が前記一の発光素子又は前記他の発光素子から受ける熱量をhとし、前記一の発光素子から前記一の発光素子自体が受ける熱量又は前記他の発光素子から前記他の発光素子自体が受ける熱量をhとし、減衰率をrとし、前記一の発光素子の中心と前記一の発光素子の中心又は前記他の発光素子の中心との距離をdとするとき、前記関数は以下のように表現できる付記10に記載の発光モジュールの温度推定方法。
h=h×r
【0102】
(付記12)
前記代表値は平均値であり、前記はらつきを表す値は最大値と最小値の差であり、
前記変換係数をK1及びK2とし、前記2つ以上の発光素子の温度の平均値をSen_aとし、前記2つ以上の発光素子の温度の最大値と最小値の差をSen_rとし、2つ以上の発光素子の前記変数の平均値をSim_aとし、2つ以上の発光素子の前記変数の最大値と最小値の差をSim_rとするとき、前記変換係数K1及びK2は以下のように定義される付記10または11に記載の発光モジュールの温度推定方法。
K1=Sen_r/Sim_r
K2=Sen_a-Sim_a×K1
【0103】
(付記13)
前記一の発光素子の前記変数をΣhとし、前記一の発光素子の温度の推定値をTとするとき、前記温度の推定値Tを下記数式によって算出する付記12に記載の発光モジュールの温度推定方法。
T=K1×Σh+K2
【0104】
(付記14)
配線基板と、
前記配線基板に配置された複数の発光素子と、
を備える発光モジュールであって、
前記配線基板は、
前記複数の発光素子の点灯パターンと前記発光モジュールに供給される電力とに基づいて、前記複数の発光素子の温度を推定する制御部を有する、
発光モジュール。
【0105】
(付記15)
前記制御部は、
前記複数の発光素子の点灯パターンに基づいて、それぞれの前記発光素子が有する熱量を表す変数を算出し、
前記複数の発光素子のうち2つ以上の発光素子の前記変数の代表値及びばらつきを表す値を算出し、
予め取得された前記発光モジュールに供給する第1電力と前記複数の発光素子のうち2つ以上の発光素子の温度の代表値及びばらつきを表す値との関係と、前記点灯パターンを実現するために前記発光モジュールに供給する第2電力に基づいて、全ての前記発光素子の温度を推定する付記14に記載の発光モジュール。
【0106】
(付記16)
前記制御部は、
前記点灯パターンに基づいて、一の前記発光素子が前記一の発光素子又は他の前記発光素子から受ける熱量に相当するデータと、前記一の発光素子と前記一の発光素子又は前記他の発光素子との距離に相当するデータとの関係を表す関数を畳み込み積分することにより、前記複数の発光素子のそれぞれについて、受ける熱量の総和を算出して前記変数とし、
前記変数の代表値及びばらつきを表す値を、前記温度の代表値及びばらつきを表す値に変換する変換係数を求め、
前記変換係数を用いて、全ての前記発光素子について前記変数を温度に変換する付記15に記載の発光モジュール。
【0107】
(付記17)
配線基板と、前記配線基板に配置された複数の発光素子と、を有する発光モジュールと、
前記発光モジュールを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数の発光素子の点灯パターンと前記発光モジュールに供給される電力とに基づいて、前記複数の発光素子の温度を推定する、
車両ユニット。
【0108】
(付記18)
前記制御部は、
前記複数の発光素子の点灯パターンに基づいて、それぞれの前記発光素子が有する熱量を表す変数を算出し、
前記複数の発光素子のうち2つ以上の発光素子の前記変数の代表値及びばらつきを表す値を算出し、
予め取得された前記発光モジュールに供給する第1電力と前記複数の発光素子のうち2つ以上の発光素子の温度の代表値及びばらつきを表す値との関係と、前記点灯パターンを実現するために前記発光モジュールに供給する第2電力に基づいて、全ての前記発光素子の温度を推定する付記17に記載の車両ユニット。
【0109】
(付記19)
前記制御部は、
前記点灯パターンに基づいて、一の前記発光素子が前記一の発光素子又は他の前記発光素子から受ける熱量に相当するデータと、前記一の発光素子と前記一の発光素子又は前記他の発光素子との距離に相当するデータとの関係を表す関数を畳み込み積分することにより、前記複数の発光素子のそれぞれについて、受ける熱量の総和を算出して前記変数とし、
前記変数の代表値及びばらつきを表す値を、前記温度の代表値及びばらつきを表す値に変換する変換係数を求め、
前記変換係数を用いて、全ての前記発光素子について前記変数を温度に変換する付記18に記載の車両ユニット。
【0110】
(付記20)
前記発光モジュールは車両の前照灯の光源であり、
前記制御部は前記車両のECUに含まれる付記17~19のいずれか1つに記載の車両ユニット。
【符号の説明】
【0111】
1:発光モジュール
10:配線基板
11:制御部
19:発光領域
20、20a、20b:発光素子
30:モジュール基板
40:樹脂
41:ワイヤ
101:試験用発光モジュール
112:温度センサー
150:予備実験システム
151:記憶手段
152:電源手段
153:演算手段
154:記憶手段
160:温度推定システム
161:演算手段
200:車両ユニット
210:ECU
220:電源手段
230:演算手段
240:記憶手段
P:プロット
Px、Py:配列距離
、d、d:距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14
図15
図16
図17