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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172026
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】車両用灯具、および車両
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/20 20180101AFI20241205BHJP
   F21S 41/153 20180101ALI20241205BHJP
   F21S 41/43 20180101ALI20241205BHJP
   F21S 41/663 20180101ALI20241205BHJP
   B60Q 1/12 20060101ALI20241205BHJP
   B60Q 1/14 20060101ALI20241205BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20241205BHJP
   F21W 102/13 20180101ALN20241205BHJP
   F21W 102/19 20180101ALN20241205BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241205BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20241205BHJP
【FI】
F21S41/20
F21S41/153
F21S41/43
F21S41/663
B60Q1/12 100
B60Q1/14 H
F21V5/04 200
F21V5/04 400
F21W102:13
F21W102:19
F21Y115:10
F21W103:55
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089441
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 勝
(72)【発明者】
【氏名】前川 達郎
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339BA01
3K339BA02
3K339BA05
3K339BA08
3K339BA12
3K339BA21
3K339BA22
3K339BA26
3K339CA01
3K339DA01
3K339FA04
3K339FA05
3K339FA11
3K339GB01
3K339HA05
3K339KA07
3K339LA03
3K339LA06
3K339LA17
3K339LA26
3K339LA33
3K339LA34
3K339LA35
3K339MA01
3K339MB05
3K339MC43
3K339MC48
(57)【要約】
【課題】各光源の光軸の調整を容易にしつつ、車両用灯具による照射光から所望の配光を得ること。
【解決手段】発光装置は、第1光源と、第2光源、前記第1光源から照射される光および前記第2光源から照射される光のいずれか一方を補助する補助光源、および投射レンズを有する複合光源と、を備え、前記第2光源は、第1レンズアレイと、前記第1レンズアレイに含まれる複数の第1レンズに対応して、前記複数の第1レンズの光軸上に配置される複数の第1発光装置と、を有し、前記補助光源は、第2レンズアレイと、前記第2レンズアレイに含まれる複数の第2レンズに対応して、前記複数の第2レンズの光軸上に配置される複数の第2発光装置と、を有し、前記投射レンズは、前記第2光源および前記補助光源のそれぞれからの光を透過させ、前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイは、別体である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光源と、
第2光源、前記第1光源から照射される光および前記第2光源から照射される光のいずれか一方を補助する補助光源、および投射レンズを有する複合光源と、を備え、
前記第2光源は、第1レンズアレイと、前記第1レンズアレイに含まれる複数の第1レンズに対応して、前記複数の第1レンズの光軸上に配置される複数の第1発光装置と、を有し、
前記補助光源は、第2レンズアレイと、前記第2レンズアレイに含まれる複数の第2レンズに対応して、前記複数の第2レンズの光軸上に配置される複数の第2発光装置と、を有し、
前記投射レンズは、前記第2光源および前記補助光源のそれぞれからの光を透過させ、
前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイは、別体である、車両用灯具。
【請求項2】
前記第1光源は第1ロービーム光源であり、
前記第2光源はハイビーム光源であり、
前記補助光源は前記第1光源を補助する第2ロービーム光源である、請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記第2発光装置が備える発光面の面積は、前記第1発光装置が備える発光面の面積よりも小さい、請求項1または請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
平面視において、前記複数の第2レンズそれぞれの面積は、前記複数の第1レンズそれぞれの面積よりも小さい、請求項1または請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記複数の第2レンズそれぞれの焦点距離は、前記複数の第1レンズそれぞれの焦点距離よりも短い、請求項1または請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項6】
配光角が水平方向に±10度以下および垂直方向に-2度以上0度以下の範囲において、前記補助光源からの光の照度は、前記第1光源からの光の中心部分の照度に対して相対強度が30%以上である、請求項1または請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記第1光源は、
第3発光装置と第4発光装置とを含み、個別に駆動可能な複数の発光装置と、
第1光学系と第2光学系とを含む複数の光学系と、を有し、
前記第1光学系は、前記第3発光装置から入射される光に基づき第1配光の光を出射し、
前記第2光学系は、前記第4発光装置から入射される光に基づき第2配光の光を出射し、
前記第3発光装置の発光面積は、前記第4発光装置の発光面積と異なり、
前記第1配光の配光角度は、前記第2配光の配光角度と異なる、請求項1または請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記第1光学系は、第3レンズと第4レンズとを含み、
前記第2光学系は、第5レンズと第6レンズとを含み、
前記第3レンズは、前記第3発光装置から入射される光に基づき、前記第3レンズと前記第4レンズとの間に第1仮想光源像を形成し、
前記第4レンズは、前記第1仮想光源像から入射される光を出射し、
前記第5レンズは、前記第4発光装置から入射される光に基づき、前記第5レンズと前記第6レンズとの間に第2仮想光源像を形成し、
前記第6レンズは、前記第2仮想光源像から入射される光を出射する、請求項7に記載の車両用灯具。
【請求項9】
前記投射レンズの焦点距離は、前記第4レンズの焦点距離および前記第6レンズの焦点距離よりも長い、請求項8に記載の車両用灯具。
【請求項10】
前記第3レンズと前記第4レンズとの間に配置されるとともに、前記第5レンズと前記第6レンズとの間に配置される遮光部材を有し、
前記第3レンズは、前記第1仮想光源像の少なくとも一部が前記遮光部材と重なるように前記第1仮想光源像を形成し、
前記第4レンズは、前記第2仮想光源像の少なくとも一部が前記遮光部材と重なるように前記第2仮想光源像を形成する、請求項8に記載の車両用灯具。
【請求項11】
前記遮光部材は、前記第4レンズの焦点に配置され、
前記第2レンズアレイは前記投射レンズの焦点面に配置される、
請求項10に記載の車両用灯具。
【請求項12】
前記複合光源は、前記第2レンズアレイと前記投射レンズとの間に前記遮光部材を有さない、請求項11に記載の車両用灯具。
【請求項13】
前記複数の第1発光装置と、前記複数の第2発光装置と、前記第1レンズアレイと、前記第2レンズアレイと、が1つの配線基板に実装されている、請求項1また請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項14】
接続される光源を制御する第1半導体集積回路と第2半導体集積回路とが前記配線基板に実装されており、
前記複数の第1発光装置は、第1方向に沿った第1の列および第2の列を形成し、
前記複数の第2発光装置は、前記第1方向に沿った第3の列を形成し、
前記第2の列は前記第1の列と前記第3の列との間に配置され、
前記第1半導体集積回路は、
前記第2の列を基準として、前記第3の列へ向かう方向に位置し、
前記第3の列を形成する前記第2発光装置と、前記第2の列を形成する前記複数の第1発光装置の一部とを、第1配線を介して電気的に接続し、
前記第2半導体集積回路は、
前記第2の列を基準として、前記第1の列へ向かう方向に位置し、
前記第1の列を形成する前記第1発光装置と、前記第2の列を形成する前記複数の第1発光装置の他の一部とを、第2配線を介して電気的に接続する、
請求項13に記載の車両用灯具。
【請求項15】
前記第2の列において、
第1配線と接続される前記第1発光装置のアノード電極と、第2配線と接続される前記第1発光装置のアノード電極とが互いに隣り合う、または、
第1配線と接続される前記第1発光装置のカソード電極と、第2配線と接続される前記第1発光装置のカソード電極とが互いに隣り合う、
請求項14に記載の車両用灯具。
【請求項16】
請求項1または請求項2に記載の車両用灯具と、
センサと、
前記センサからの出力信号に基づき、前記補助光源を制御する、車両。
【請求項17】
前記センサからの前記出力信号に基づき、前記第2光源の配光を制御する、請求項16に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用灯具、および車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LED(Light Emitting Diode)等の発光装置を有する車両用灯具が幅広く使用されている。例えば、特許文献1には、1以上の主光源と、1以上の副光源と、主光源から発せられた光を導光して出射する第1導光部材と、副光源から発せられた光を導光して出射する第2導光部材と、第1導光部材および第2導光部材から出射された光を、移動体の進行方向側へ出射する光学部材と、を有するユニットを2つ備える移動体照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-175826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の移動体照明装置等の車両用灯具では、主光源用の第1導光部材と副光源用の複数の第2導光部材が別体であり、これらのそれぞれに対して光軸を調整する必要があり、煩雑である。
【0005】
本開示に係る実施形態は、各光源の光軸の調整を容易にしつつ、車両用灯具による照射光から所望の配光を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る発光装置は、第1光源と、第2光源、前記第1光源から照射される光および前記第2光源から照射される光のいずれか一方を補助する補助光源、および投射レンズを有する複合光源と、を備え、前記第2光源は、第1レンズアレイと、前記第1レンズアレイに含まれる複数の第1レンズに対応して、前記複数の第1レンズの光軸上に配置される複数の第1発光装置と、を有し、前記補助光源は、第2レンズアレイと、前記第2レンズアレイに含まれる複数の第2レンズに対応して、前記複数の第2レンズの光軸上に配置される複数の第2発光装置と、を有し、前記投射レンズは、前記第2光源および前記補助光源のそれぞれからの光を透過させ、前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイは、別体である。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る実施形態によれば、各光源の光軸の調整を容易にしつつ、車両用灯具による照射光から所望の配光を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る車両用灯具を示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係る第1光源の模式的端面図である。
図3】第1実施形態に係る第3発光装置の模式的平面図である。
図4図3におけるIV-IV線に沿った断面図である。
図5】第1実施形態に係る複合光源の内部を示す断面図である。
図6A】第1実施形態に係る第1および第2レンズアレイの模式的平面図である。
図6B】第1実施形態に係る第1および第2レンズアレイの第1変形例の模式的平面図である。
図6C】第1実施形態に係る第1および第2レンズアレイの第2変形例の模式的平面図である。
図6D図6CのVID―VID断面視図である。
図7】第1実施形態に係る配線基板の構成を示す模式図である。
図8】第1実施形態に係る複合光源による投影方式を示す模式図である。
図9】第1実施形態に係る複合光源によるハイビーム配光のシミュレーションの結果を示す図である。
図10】第1実施形態に係る複合光源による照射光の相対強度のシミュレーションの結果を示す図である。
図11】第1実施形態に係る第1光源によるロービーム配光を示す図である。
図12】第1実施形態に係る複合光源によるロービーム配光を示す図である。
図13図11および図12のロービーム配光の合成配光を示す図である。
図14図11のロービーム配光における路面照度を示す図である。
図15図13のロービーム配光における路面照度を示す図である。
図16】第2実施形態に係る車両を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態に係る車両用灯具、および車両について図面を参照しながら詳細に説明する。但し、以下に示す形態は、本開示の技術思想を具現化するための車両用灯具、および車両を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施形態に記載されている構成部の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本開示の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており詳細説明を適宜省略する。断面図として、切断面のみを示す端面図を用いる場合がある。
【0010】
各図面において、方向表現として、X軸、Y軸およびZ軸を有する直交座標を用いる。X軸、Y軸およびZ軸は、互いに直交する。Z軸に沿うZ方向は、実施形態に係る車両用灯具が備える投射レンズの光軸に沿う方向を示すものとする。X軸に沿うX方向は、実施形態に係る車両用灯具が備える第2レンズアレイにおいて、複数の第2レンズが並ぶ方向を示すものとする。なお、X軸、Y軸およびZ軸に沿うとは、対象がこれら軸に対して±10°の範囲内の傾きを有することを含む。また、実施形態において直交は、90°に対して±10°以内の誤差を含んでもよい。
【0011】
X方向で矢印が向いている方向を+X方向または+X側、+X方向の反対方向を-X方向または-X側と表記する。Y方向で矢印が向いている方向を+Y方向または+Y側、+Y方向の反対方向を-Y方向または-Y側と表記する。Z方向で矢印が向いている方向を上方、+Z方向または+Z側、+Z方向の反対方向を-Z方向または-Z側と表記する。実施形態の用語における平面視とは、対象を+Z方向から見ることをいう。但し、方向または向きに関する以上の点は、実施形態に係る車両用灯具の使用時における向きを制限するものではなく、実施形態に係る車両用灯具の向きは任意である。
【0012】
本明細書または特許請求の範囲において、ある構成要素が複数あり、それぞれを区別して表現する場合に、その構成要素の頭に"第1"、"第2"等と付記して区別することがある。また、本明細書と特許請求の範囲とで区別する対象が異なる場合があり得る。そのため、特許請求の範囲において本明細書と同一の付記がされた構成要素が記載されていても、この構成要素によって特定される対象が、本明細書と特許請求の範囲との間で一致しないことがあり得る。
【0013】
[第1実施形態]
<車両用灯具100の構成例>
(全体構成)
図1は、第1実施形態に係る車両用灯具100の全体構成の一例を示す斜視図である。図1に示すように、車両用灯具100は、第1光源1と複合光源2とを備える。また車両用灯具100は、筐体50を備えてよい。
【0014】
車両用灯具100は、車両に搭載され、該車両の周辺を照明する灯具である。車両には、自動車、電車、汽車、貨物列車、自動搬送車等が含まれる。図1に示す車両用灯具100は、例えば自動車のヘッドライトである。車両用灯具100は、自動車に搭載され、第1光源1からすれ違い用前照灯であるロービーム配光を出射するとともに、複合光源2から走行用前照灯であるハイビーム配光を出射することができる。第1光源1および複合光源2は、筐体50内に配置されている。筐体50は、樹脂材料等を含んで構成される。但し、車両用灯具100は、筐体50を備えず、車両用灯具100が搭載される車両等に、第1光源1および複合光源2が直接配置されてよい。
【0015】
(第1光源1)
図2は、第1光源1の一例を示す模式的端面図である。図2は、第1光源1が備える光学系12の光軸120を含み、XZ平面と平行な仮想平面で第1光源1を切断した端面を示している。
【0016】
本実施形態では、第1光源1は、第1ロービーム光源であってよい。ここで、ロービーム光源とは、車両用灯具100において、ロービーム配光を生成するために用いられる光源をいう。
【0017】
図2に示すように、本実施形態では、第1光源1は、第3発光装置111と第4発光装置112とを含み、個別に駆動可能な複数の発光装置11と、第1光学系121と第2光学系122とを含む複数の光学系12と、を有する。なお、光軸120は、複数の光学系12それぞれの光軸を意味する。複数の発光装置11は、基板10上に配置されている。第1光学系121は、第3発光装置111から入射される光に基づき第1配光を出射し、第2光学系122は、第4発光装置112から入射される光に基づき第2配光を出射する。第3発光装置111の発光面積は、第4発光装置112の発光面積と異なる。第1配光の配光角度は、第2配光の配光角度と異なる。例えば、第1配光は、第2配光と比較して広配光であってよい。これら構成により、第1光源1は、異なる配光角度を有するロービーム配光を出射することができる。本明細書に示す例では、第1光源1は、8つの発光装置11と、8つの光学系12と、を備える。但し、複数の発光装置11の数は8つに限らず適宜変更できる。複数の光学系12の数は8つに限らず、複数の発光装置11の数に応じて適宜変更できる。
【0018】
第1光学系121は、第3レンズ1211と第4レンズ1212とを含む。第2光学系122は、第5レンズ1221と第6レンズ1222とを含む。第3レンズ1211は、第3発光装置111から入射される光に基づき、第3レンズ1211と第4レンズ1212との間に第1仮想光源像を形成する。第1仮想光源像は、第4レンズ1212の焦点の位置の像を指す。第4レンズ1212は、第1仮想光源像から入射される光を出射する。第5レンズ1221は、第4発光装置112から入射される光に基づき、第5レンズ1221と第6レンズ1222との間に第2仮想光源像を形成する。第2仮想光源像は、第6レンズ1222の焦点の位置の像を指す。第6レンズ1222は、第2仮想光源像から入射される光を出射する。これらの構成により、第1光源1は、第1光学系121および第2光学系122におけるケラレや漏れ光を低減できるため、車両用灯具100におけるロービーム配光の光取り出し効率を高くすることができる。
【0019】
第3レンズ1211および第5レンズ1221は、それぞれTIR(Total Internal Reflection)レンズを含んで構成されている。TIRレンズは、反射部を有するレンズである。第3レンズ1211および第5レンズ1221は、TIRレンズを含むことで、光学系12の光利用効率を高くすることができる。但し、光学系12は、TIRレンズに限らず、屈折型レンズ、フレネルレンズ、回折型レンズ等であってもよい。
【0020】
第4レンズ1212および第6レンズ1222は、それぞれ平凸レンズであり、それぞれの凸面同士が向き合うように配置されている。第4レンズ1212は、8つの平凸レンズがX方向に並んで配置された平凸レンズアレイのうちの1つの平凸レンズである。第6レンズ1222は、8つの平凸レンズがX方向に並んで配置された平凸レンズアレイのうちの1つの平凸レンズである。第4レンズ1212および第6レンズ1222は、平凹レンズ、両凸レンズ、メニスカスレンズ、回折型レンズまたはフレネルレンズ等であってもよい。
【0021】
本実施形態では、第1光源1は、遮光部材13を有してよい。遮光部材13は、第3レンズ1211と第4レンズ1212との間に配置されるとともに、第5レンズ1221と第6レンズ1222との間に配置される。第3レンズ1211は、第1仮想光源像の少なくとも一部が遮光部材13と重なるように第1仮想光源像を形成し、第4レンズ1212は、第2仮想光源像の少なくとも一部が遮光部材13と重なるように第2仮想光源像を形成する。これらの構成により、第1光源1は、遮光部材13による遮光状態を制御因子に含めることができるため、ロービーム配光の多様性を高くすることができる。
【0022】
図3~4は、第3発光装置111の構成の一例を示す図である。図3は、第3発光装置111の模式的平面図である。図4は、図3におけるIV-IV線に沿った模式的断面図である。なお、第4発光装置112を含む8つの発光装置11のそれぞれは、第3発光装置111とほぼ同じ構成をとることができる。なお、8つの発光装置11のうち、少なくとも1つ以上の発光装置11の発光面積は、他の発光装置11の発光装置の発光面積と異なる。
【0023】
図3~4に示すように、第3発光装置111は、発光素子61と波長変換部材62と被覆部材63とカソード電極64とアノード電極65とを有する。発光素子61は、例えばLEDである。発光素子61から出射される光の色は、青色である。波長変換部材62は、発光素子61から出射された光を波長変換する。波長変換部材62は、蛍光体等の波長変換粒子を含む。波長変換部材62から出射される光の色は、黄色である。第3発光装置111から出射される光の色は、例えば、発光素子61から出射される光の青色と、波長変換部材62から出射される光の黄色と、の混色により、白色である。なお、発光素子61は、緑色または赤色等の光を出射してもよく、波長変換部材62は緑色または赤色等の光を出射してもよい。なお、第3発光装置111から出射される光の色は、例えば、赤色、緑色、または青色など、白色以外であってもよい。第3発光装置111を構成する発光素子61の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。同様に、第3発光装置111における波長変換部材62の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。波長変換部材62が2個以上のとき、波長変換部材62は2層になっているか、もしくは、同一平面状の2領域にそれぞれ異なる波長変換部材62が配置されている状態をとりうる。
【0024】
被覆部材63は、発光素子61および波長変換部材62の側面を被覆する部材である。被覆部材63は、発光素子61および波長変換部材62の側面を直接的にまたは間接的に被覆する。波長変換部材62の上面は被覆部材63から露出しており、第3発光装置111の発光面60を構成している。アノード電極65およびカソード電極64の下面は被覆部材63から露出しており、配線基板との接続を可能とする。被覆部材63は、光取出し効率を向上させるために、光反射率の高い部材で構成されることが好ましい。被覆部材63は、例えば、白色顔料等の光反射性物質を含有する樹脂材料を用いることができる。なお、被覆部材63は、必要に応じて可視光に対して透光性を有する部材で構成することとしてもよい。
【0025】
図3において、幅dxは、X方向における発光面60の幅である。幅dyは、Y方向における発光面60の幅である。本実施形態では、第3発光装置111における発光面の面積dx×dyは、第4発光装置112における発光面60の面積dx×dyよりも大きくてよい。この構成により、第1光源1は、第1配光では光度が第2配光よりも低い配光を、第2配光では光度が第1配光よりも高い配光を、それぞれ効率的に得ることができる。第3発光装置111における発光面の面積dx×dyは、第4発光装置112における発光面60の面積dx×dyの1.2倍以上1.8倍以下であってよい。
【0026】
また、第1光源1は、第5発光装置と第3光学系とをさらに有してもよい。第5発光装置の発光面積は、第3発光装置111の発光面積と第4発光装置112の発光面積のいずれとも異なる。例えば、第5発光装置の発光面積は、第3発光装置111の発光面積と第4発光装置112の発光面積のいずれよりも小さい。第3発光装置の発光面積は第5発光装置の発光面積の1.8倍以上2.7倍以下であってよい。第4発光装置の発光面積は第5発光装置の発光面積の1.2倍以上1.8倍以下であってよい。第3光学系は第5発光装置から入射される光に基づき第3配光を出射する。第3配光の配光角度は、第1配光の配光角度および第2配光の配光角度と異なる。例えば、第3配光は、第1配光および第2配光と比較して狭配光であってよい。第3光学系は、第7レンズと第8レンズとを含む。第7レンズは、第5発光装置から入射される光に基づき、第7レンズと第8レンズとの間に第3仮想光源像を形成する。第3仮想光源像は、第8レンズの焦点の位置の像を指す。第8レンズは、第3仮想光源像から入射される光を出射する。第7レンズはTIRレンズであってよく、第8レンズは凸面同士が向き合うように配置された平凸レンズであってよい。第7レンズと第8レンズとの間に遮光部材13を有してよい。
【0027】
(複合光源2の構成)
図5~6Aを参照して、複合光源2の構成について説明する。図5は、複合光源2の内部を示す断面図である。図5は、複合光源2の内部の構成を説明するために、図1に示した筐体50内から取り出された複合光源2をYZ平面に沿った仮想平面で切断した状態を示している。図6Aは、複合光源2が備える第1レンズアレイ211および第2レンズアレイ221の一例を示す平面図である。
【0028】
図5に示すように、複合光源2は、第2光源21と、補助光源22と、投射レンズ23と、を備える。また複合光源2は、配線基板24と、ヒートシンク25と、ファン26と、支持部材27と、を備えてよい。
【0029】
第2光源21は、ハイビーム光源であってよい。ハイビーム光源とは、ハイビーム配光を生成するために用いられる光源をいう。補助光源22は、第1光源1が備える発光装置から照射される光および第2光源21から照射される光のいずれか一方を補助する光源である。なお、ここでの補助は、発光装置から照射される光および第2光源21から照射される光のいずれか一方に対して重なるように光を照射することで、発光装置から照射される光および第2光源21から照射される光のいずれか一方における光量を補うことを意味する。本実施形態では、補助光源22は、第1光源1を補助する第2ロービーム光源であってよい。
【0030】
図6Aに示すように、第2光源21は、第1レンズアレイ211と、複数の第1発光装置212と、を有する。複数の第1発光装置212は、第1レンズアレイ211に含まれる複数の第1レンズ210に対応して、複数の第1レンズ210の光軸上に配置される。第1レンズアレイ211は、複数の第1発光装置212の投射レンズ23側(+Z側)に配置される。複数の第1発光装置212のそれぞれは、図3~4に示した第3発光装置111とほぼ同じ構成をとることができる。
【0031】
第1レンズアレイ211は、並んで配置された複数の第1レンズ210を有する平板状の光学部材である。本明細書に示す例では、第1レンズアレイ211は、32個の第1レンズ210を有する。X方向に並んで配置された16個の第1レンズ210により形成される列が、Y方向に2列並んでいる。32個の第1レンズ210のそれぞれは、投射レンズ23が位置する側に突出する凸面を投射レンズ23が位置する側の面に有し、投射レンズ23が位置する側とは反対側の面が平面である平凸レンズである。但し、第1レンズ210は、投射レンズ23が位置する側の面および投射レンズ23が位置する側とは反対側の面に凸面を有する両凸レンズであってもよい。また第1レンズ210は、回折型レンズやフレネルレンズ等を含んでもよい。第1レンズアレイ211において、第1レンズ210全体の個数、X方向に並ぶ列に含まれる第1レンズ210の個数、Y方向に並ぶ列の数等は、第1発光装置212の個数等に応じて適宜変更できる。
【0032】
図6Aに示すように、補助光源22は、第2レンズアレイ221と、複数の第2発光装置222と、を有する。複数の第2発光装置222は、第2レンズアレイ221に含まれる複数の第2レンズ220に対応して、複数の第2レンズ220の光軸上に配置される。第2レンズアレイ221は、複数の第2発光装置222の投射レンズ23側(+Z側)に配置される。複数の第2発光装置222のそれぞれは、図3~4に示した第3発光装置111とほぼ同じ構成をとることができる。但し、複数の第2発光装置222の発光面積は、第3発光装置111の発光面積と同じであってよく、第4発光装置の発光面積と同じであってよく、他の発光装置11の発光面積と同じであってよい。
【0033】
第2レンズアレイ221は、並んで配置された複数の第2レンズ220を有する平板状の光学部材である。本明細書に示す例では、第2レンズアレイ221は、X方向に並んで配置された16個の第2レンズ220から形成される列を1列有する。16個の第2レンズ220のそれぞれは、投射レンズ23が位置する側に突出する凸面を投射レンズ23が位置する側の面に有し、投射レンズ23が位置する側とは反対側が平面である平凸レンズである。但し、第2レンズ220は、投射レンズ23が位置する側の面および投射レンズ23が位置する側とは反対側の面に凸面を有する両凸レンズであってもよい。また第2レンズ220は、回折型レンズやフレネルレンズ等であってもよい。第2レンズアレイ221において、第2レンズ220全体の個数、X方向に並ぶ列に含まれる複数の第2レンズ220の個数、Y方向に並ぶ列の数等は、複数の第2発光装置222の個数等に応じて適宜変更できる。
【0034】
本実施形態では、第2光源21における第1レンズアレイ211と補助光源22における第2レンズアレイ221は、別体である。換言すると、第1レンズアレイ211と第2レンズアレイ221は、一体の部材ではなく、分離された別体の部材である。なお、別体の部材とは、2つの部材があると想定したときに、2つの部材それぞれが接して接合していないもの、または2つの部材それぞれが接着部材等を介して接合していないものをいう。図6Aに示す例では、第1レンズアレイ211と第2レンズアレイ221は、隙間200を介して分離している。但し、第1レンズアレイ211と第2レンズアレイ221は、隙間200を介在することなく接触していてもよい。
【0035】
第1レンズアレイ211と第2レンズアレイ221とが別体であることで、第1レンズアレイ211および第2レンズアレイ221それぞれの位置を個別に調整できる。つまり、第1レンズアレイ211を第1発光装置212に対して調整できるとともに、第2レンズアレイ221を第2発光装置222に対して調整できる。このように、第1レンズアレイ211の位置を調整することで、複数の第1レンズ210を同時に調整することができる。同様に、第2レンズアレイ221の位置を調整することで、複数の第2レンズ220を同時に調整することができる。例えば、隙間200を可変して、第1レンズアレイ211の位置を第1発光装置212の位置に対して調整するとともに、第2レンズアレイ221の位置を第2発光装置222の位置に対して調整できる。これらの構成により、第2光源21の光軸の調整を容易にしつつ、車両用灯具100による照射光から所望の配光を得ることができる。例えば、第1レンズ210の光軸と第1発光装置212の発光面60の中心を位置合わせする調整、および/または第2レンズ220の光軸と第2発光装置222の発光面60の中心を位置合わせする調整が容易になる。また、第2光源21からの光と補助光源22からの光を共通の投射レンズ23を用いて投射できるため、第2光源21用の投射レンズと補助光源22用の投射レンズを別々に設ける場合と比較して、車両用灯具100を小型化することができる。
【0036】
また、第1光源1が第1ロービーム光源であり、第2光源21がハイビーム光源であり、補助光源22が第1光源1を補助する第2ロービーム光源であってよい。補助光源22を備えることで、ロービームを照射する第1光源1を補助し、所望の配光を得ることができる。このとき、補助光源22の複数の第2発光装置222の発光面積は、第1光源1の発光装置11のなかで最も発光面積が小さい発光装置の発光面積と同じとするか、さらに小さな発光面積にすることが好ましい。これにより、補助光源22からの光を発光装置11からの光と比較して小さく絞ることができる。
【0037】
また、第2発光装置222が備える発光面60の面積dx×dyは、第1発光装置212が備える発光面60の面積dx×dyよりも小さくてよい。これにより、発光面60の面積に応じて、第2発光装置222を有する補助光源22からの光を、第1発光装置212を有する第2光源21からの光と比較して小さく絞ることができる。この結果、第1光源1からの第1光または第2光源21からの光を補助する補助光として補助光源22からの光を機能させることができる。第1発光装置212が備える発光面60の面積dx×dyは、第2発光装置222が備える発光面60の面積dx×dyの、たとえば2倍以上7倍以下、好ましくは2.5倍以上5倍以下であってよい。これにより、補助光源22からの光を、第2光源21からの光と比較して小さく絞ることができる。
【0038】
また、平面視において、複数の第2レンズ220それぞれの面積は、複数の第1レンズ210それぞれの面積よりも小さくてよい。これにより、レンズの面積に応じて、第2発光装置222を有する補助光源22からの光を、第1発光装置212を有する第2光源21からの光と比較して小さく絞ることができるため、第1光源1からの第1光または第2光源21からの光を補助する補助光として補助光源22からの光を機能させることができる。複数の第1レンズ210それぞれの面積は、複数の第2レンズ220それぞれの面積の、たとえば2倍以上7倍以下、好ましくは2.5倍以上5倍以下であってよい。これにより、補助光源22からの光を、第2光源21からの光と比較して小さく絞ることができる。
【0039】
また、複数の第2レンズ220それぞれの焦点距離は、複数の第1レンズ210それぞれの焦点距離よりも短くてよい。これにより、焦点距離に応じて、補助光源22からの光を第2光源21からの光と比較して小さく絞ることができる。この結果、第1光源1の発光装置11からの光、または第2光源21からの光を補助する補助光として、補助光源22からの光を機能させることができる。
【0040】
また、複合光源2は、第2レンズアレイ221と投射レンズ23との間に遮光部材13を有さなくてよい。この構成により、補助光源22からの光の利用効率を高くすることができるため、第1光源1からの光の明るさを補助する機能を好適に実現できる。
【0041】
図5に示すように、投射レンズ23は、第2光源21および補助光源22のそれぞれからの光を透過させるレンズである。投射レンズ23は、例えば、第1レンズアレイ211および第2レンズアレイ221から入射される光を透過することで、略平行光に変換する。投射レンズ23は、ガラス、アクリルまたはポリカーボネート等の透光性材料を含んで構成される。投射レンズ23は、1枚のレンズにより構成されてもよいし、複数のレンズにより構成されてもよい。投射レンズ23に含まれるレンズの種類には、平凸レンズ、平凹レンズ、メニスカスレンズ、非球面レンズ、回折型レンズ等の様々なものを適用できる。
【0042】
投射レンズ23の焦点距離は、第4レンズ1212の焦点距離および第6レンズ1222の焦点距離よりも長くてよい。ここで、ビームを絞る能力の指標(エタンデュ)は、発光面積とビームの放射立体角に比例し、エタンデュが小さいほど、ビームを絞ることができる。投射レンズ23の焦点距離を、第4レンズ1212の焦点距離および第6レンズ1222の焦点距離よりも長くすることで、投射レンズ23の放射立体角を小さくすることができる。これにより、補助光源22からの光によって、第1光源1からのロービーム配光の中央付近の明るさを増加させて補助することができる。投射レンズ23によって、補助光源22からの光は放射立体角が小さくなる。一方で、第1光源1からの光は放射立体角が補助光源22からの光と比べて大きい。したがって、たとえば、車両用灯具から25m先の遠方では、放射立体角が補助光源22からの光と比べて大きな第1光源1からの光と、放射立体角が第1光源1からの光と比べて小さな補助光源22からの光と、が重なるロービーム配光が得られる。第1光源1によるロービーム配光の中央付近の明るさは、補助光源22からの光が重なることで、明るさを向上させることができる。投射レンズ23の焦点距離は、第4レンズ1212の焦点距離および第6レンズ1222の焦点距離の4倍以上8倍以下、好ましくは5倍以上7倍以下であってよい。これにより、補助光源22からの光によって、第1光源1からのロービーム配光の中央付近の明るさを増加させて補助することができる。
【0043】
第1光源1に含まれる発光装置と、これに対応するレンズを増やすことで、任意のロービーム配光を得ることができる。しかしながら、第1光源1でロービーム配光を生成する場合には遮光部材によって、光の一部を遮光する必要があり、光の利用効率を低下させる場合がある。これに対し、本実施形態では、複合光源2に補助光源22を配置することにより、光の利用効率を高めることができる。遮光部材13は複合光源の内部に配置されず、かつ投射レンズ23の焦点距離が第4レンズ1212の焦点距離および第6レンズ1222の焦点距離よりも長い。これにより、補助光源22からの光の放射立体角を第1光源1の発光装置11からの光の放射立体角と比べて小さくすることができるので、照度を補う配光が補助光源22により得られる。
【0044】
配線基板24は、第2光源21および補助光源22が配置される基板である。第2光源21が備える第1発光装置および補助光源22が備える第2発光装置は、配線基板24上に実装される。配線基板24は、例えば、焼結体からなる母材の中に、第1発光装置および第2発光装置に接続される配線が設けられている。配線基板24は、例えば、窒化アルミニウムの焼結体、炭化シリコンの焼結体に配線が設けられたものである。また、配線基板24は、金属の表面に絶縁層が形成され、さらに配線パターンが設けられた配線基板であってよい。金属は、例えば、銅、アルミニウム等である。
【0045】
ヒートシンク25は、第2光源21および補助光源22の発熱を放熱し、第2光源21および補助光源22それぞれを冷却する部材である。ヒートシンク25は、熱伝導率が高い金属材料等により構成される。金属材料は、例えば、銅、アルミニウム等である。
【0046】
ファン26は、ヒートシンク25に送風することにより、ヒートシンク25を冷却し、ヒートシンク25による第2光源21および補助光源22それぞれの冷却効率を高くすることができる。
【0047】
支持部材27は、第2光源21と、補助光源22と、投射レンズ23と、配線基板24と、ヒートシンク25と、ファン26と、を内側に支持する箱状の部材である。支持部材27は、図1の筐体50の内側に配置され、筐体50により支持される。支持部材27は、樹脂材料等を含んで構成できる。但し、複合光源2は、支持部材27を備えず、第2光源21、補助光源22、投射レンズ23、配線基板24、ヒートシンク25およびファン26は、それぞれ筐体50によって支持されてもよい。
【0048】
<第1変形例>
図6Bは、第1レンズアレイ211および第2レンズアレイ221の第1変形例を示す図である。第1変形例では、平面視において、複数の第1レンズ210を除く第1レンズアレイ211および複数の第2レンズ220を除く第2レンズアレイ221の少なくとも一部と重なるように第1遮光部材231が配置されている点が、図6Aに示した実施形態と異なる。第1遮光部材231により第1レンズ210および第2レンズ220を通過しない漏れ光を吸収させ、第1レンズ210および第2レンズ220を除く部分から迷光が取り出されることを低減させることができる。迷光をさらに低減する観点では、第1遮光部材231は、複数の第1レンズ210を除く第1レンズアレイ211および複数の第2レンズ220を除く第2レンズアレイ221の全体を遮光することが好ましい。第1遮光部材231の材料は、たとえば、アルマイト加工されたアルミニウムまたは黒く塗装されたSUSであってよい。
【0049】
<第2変形例>
図6Cは、第1レンズアレイ211および第2レンズアレイ221の第2変形例を示す図である。図6Dは、図6CのVID―VID線に沿った断面図である。第2変形例では、第1レンズアレイ211と第2レンズアレイ221との間に生じる隙間に第2遮光部材232をさらに配置している点が、第1変形例と異なる。第2遮光部材232をさらに配置することで、迷光および疑似点灯を低減することができる。なお、ここでいう迷光とは、(1)第1発光装置212を出射した光が第2レンズアレイ221から取り出されることと、(2)第2発光装置222を出射した光が第1レンズアレイ211から取り出されることと、を意味する。また、疑似点灯とは、(1)第1発光装置212を出射した光が第2発光装置222の波長変換部材を励起し、その励起光が第2レンズアレイ221または第1レンズアレイ211から取り出されることと、(2)第2発光装置222を出射した光が第1発光装置212の波長変換部材を励起し、その励起光が第1レンズアレイ211または第2レンズアレイ221から取り出されることと、を意味する。また、図6Dに示すように、第2遮光部材232は、第1レンズアレイ211と第2レンズアレイ221との間に生じる隙間だけでなく、第1発光装置212と第2発光装置222との間にも配置されている方が好ましい。これにより、遮光の効果を高め、迷光および疑似点灯をさらに低減することができる。第2遮光部材232の取り付けは、第1レンズアレイ211または第2レンズアレイ221のどちらか一方の光軸を調整した後に行う。第2遮光部材232を取り付けた後、第1レンズアレイ211または第2レンズアレイ221の他方の光軸を調整する。このように、第1レンズアレイ211と第2レンズアレイ221とを別体とすることで、迷光や疑似点灯の低減も容易となる。第2遮光部材232の材料は、たとえば、アルマイト加工されたアルミニウムまたは黒く塗装されたSUSであってよい。
【0050】
<配線基板24の構成例>
図7は、配線基板24の構成の一例を示す模式図である。図7に示すように、配線基板24には、第1半導体集積回路IC1と、第2半導体集積回路IC2と、複数の第1発光装置212と、複数の第2発光装置222と、が実装されている。また配線基板24には、第3半導体集積回路IC3と、第4半導体集積回路IC4と、が実装されていてよい。
【0051】
第1半導体集積回路IC1、第2半導体集積回路IC2、第3半導体集積回路IC3および第4半導体集積回路IC4のそれぞれは、接続される光源を制御する集積回路(IC:Integrated Circuit)である。
【0052】
複数の第1発光装置212は、第1方向としてのX方向に沿った第1の列R1および第2の列R2を形成している。複数の第2発光装置222は、X方向に沿った第3の列R3を形成している。第2の列R2は、第1の列R1と第3の列R3との間に配置されている。複数の第1発光装置212および複数の第2発光装置222は、アノードAとカソードKとを備えている。
【0053】
本実施形態では、複数の第1発光装置212と、複数の第2発光装置222と、第1レンズアレイ211と、第2レンズアレイ221と、が1つの配線基板24に実装されていることで、部品点数を減らすことができる。但し、本実施形態では、上述したように、第1レンズアレイ211と第2レンズアレイ221は別体である。
【0054】
第1半導体集積回路IC1、第2半導体集積回路IC2、第3半導体集積回路IC3および第4半導体集積回路IC4は、いずれも時計回りに電流が流れる。但し、第1半導体集積回路IC1および第3半導体集積回路IC3と、第2半導体集積回路IC2および第4半導体集積回路IC4で第2の列R2の第1発光装置212の配線を取り合った場合には、アノードAとアノードAが向かい合う場合、またカソードKとカソードKが向かい合う場合がある。
【0055】
本実施形態では、第1半導体集積回路IC1および第3半導体集積回路IC3は、第2の列R2を基準として、第3の列R3へ向かう方向に位置している。第1半導体集積回路IC1および第3半導体集積回路IC3は、第3の列R3を形成する第2発光装置222の一部と、第2の列R2を形成する複数の第1発光装置212の一部とを、第1配線241を介して電気的に接続している。また、第2半導体集積回路IC2および第4半導体集積回路IC4は、第2の列R2を基準として、第1の列R1へ向かう方向に位置している。第2半導体集積回路IC2および第4半導体集積回路IC4は、第1の列R1を形成する第1発光装置212の一部と、第2の列R2を形成する複数の第1発光装置212の他の一部とを、第2配線242を介して電気的に接続している。これらの構成により、本実施形態では、配線が互いに交差することなく、第2の列R2の第1発光装置212を短い経路で配線することができる。
【0056】
また、第2の列R2において、第1配線241と接続される第1発光装置212のアノード電極Aと、第2配線242と接続される第1発光装置212のアノード電極Aとが互いに隣り合うか、または、第1配線241と接続される第1発光装置212のカソード電極Kと、第2配線242と接続される第1発光装置212のカソード電極Kとが互いに隣り合ってもよい。これらの構成により、第1半導体集積回路IC1、第2半導体集積回路IC2、第3半導体集積回路IC3および第4半導体集積回路IC4を、配線が互いに交差することなく短い経路で配線することができる。
【0057】
また、第1発光装置212同士の間、および第2発光装置222同士の間には、それぞれを個別に駆動するためのスイッチに繋がる配線243が延びてよい。これらの構成により、第1の列R1と第2の列R2や、第3の列R3と第2の列R2で配線が共有されていても、任意の発光装置を駆動させることができる。なお、図を簡略化するために図7では、配線243の一部のみを図示しているが、図7に示した"・・・"は配線243が第1発光装置212同士の間、および第2発光装置222同士の間に延びていることを意味している。
【0058】
<複合光源2による投影方式>
次に、図8~10を参照して、複合光源2による投影方式について説明する。図8は、複合光源2による投影方式を示す模式図である。図9は、複合光源2の第2光源21による照射光の一例のシミュレーション結果を示す図である。図10は、複合光源2の第2光源21による照射光の相対強度の一例のシミュレーション結果を示す図である。
【0059】
図8では、第1発光装置212から発せられた光が、第1レンズアレイ211の第1レンズ210と、投射レンズ23と、を介して照射面300に照射される様子を示している。本実施形態では、第1レンズアレイ211は、投射レンズ23の焦点面FPに配置されてよい。一方、上述したように、第1光源1が備える遮光部材13は、第4レンズ1212の焦点に配置されてよい。これらの配置により、投射レンズ23によって第1レンズ210の像が照射面300に照射されるため、投射レンズ23によって第1発光装置212の像を照射面300に照射する場合と比較して、照射面300上での照度ムラを低減することができる。照射面300上での照度ムラを低減することで、照射面300上での光が照射される領域と光が照射されない領域との間での相対強度の差を大きくし、各領域間でのコントラストを高くすることができる。
【0060】
図9は、第2光源21によるハイビーム配光301~304の4通りの配光を示すシミュレーションの結果である。ハイビーム配光301~304は、第2光源21においてY方向に並ぶ2つの第1発光装置212を1組とし、16組の第1発光装置212のうち、点灯させる第1発光装置212の組を相互に異ならせたものである。
【0061】
ハイビーム配光301は、第2光源21における16組の第1発光装置212の全てを点灯させたときのものである。ハイビーム配光302は、16組の第1発光装置212のうち、X方向における中央の1組を消灯させ、他を点灯させたときのものである。ハイビーム配光303は、16組の第1発光装置212のうち、X方向における中央の2組を消灯させ、他を点灯させたときのものである。ハイビーム配光304は、16組の第1発光装置212のうち、X方向における中央の3組を消灯させ、他を点灯させたときのものである。このようなハイビーム配光の一部を消す機能は、ADB(Adaptive Driving Beam)配光と呼ばれる。ADB配光では、ハイビーム配光の一部を消すことで、対向車または先行車の運転者や歩行者等にハイビーム配光の眩しさを感じさせないようにすることができる。
【0062】
図10は、ハイビーム配光301~304それぞれの、X軸に沿う断面の相対強度分布を示すシミュレーションの結果である。実線のグラフはハイビーム配光301を表し、破線のグラフはハイビーム配光302を表し、一点鎖線のグラフはハイビーム配光303を表し、二点鎖線のグラフはハイビーム配光304を表している。また、図10に示した境界線310は、最高相対強度と最低相対強度の比で表されるコントラストが300:1になる境界線を示している。例えば、ハイビームはUN Regulation No.149では、コントラストが64:1(=40000:625)として定められている。図10からコントラストが64:1より大きく、比較的コントラストが高いということができる。図10では、最低相対強度が境界線310よりも低く位置すると、コントラストが300:1よりも高くなる。
【0063】
図10に示すように、ハイビーム配光302~304は、いずれも最低相対強度が境界線310よりも低く位置するため、高いコントラストを実現できている。例えば、ハイビーム配光の一部を消した場合に、ハイビーム配光のコントラストが低いことにより最低相対強度が十分低くならないと、対向車または先行車の運転者や歩行者等に眩しさを感じさせてしまう場合がある。本実施形態では、高コントラストのハイビーム配光を照射可能にすることで、ハイビーム配光の一部を消した領域において、対向車または先行車の運転者や歩行者等に眩しさを感じさせないようにできる。
【0064】
<車両用灯具100による配光例>
図11~15を参照して、車両用灯具100による配光について説明する。図11は、第1光源1によるクラスCのロービーム配光を示す図である。図12は、複合光源2の補助光源22を用いて生成した、第1光源1によるロービーム配光を補助するためのロービーム配光を示す図である。図13は、図11および図12のロービーム配光が合成された合成配光の一例を示す図である。この合成配光は、クラスWの悪天候に適合させるためのロービームである。なお、クラスCおよびクラスWは、それぞれ協定規則であるECE(Economic Commission for Europe)UN Regulation No.149で定められた配光特性の分類を意味する。図14は、図11のロービーム配光における路面照度を示す図である。図15は、図13のロービーム配光、すなわち合成配光における路面照度を示す図である。
【0065】
図13に示すように、本実施形態では、配光角が水平方向に±10度以下および垂直方向に-2度以上0度以下の範囲において、補助光源22からの光の照度は、第1光源1からの光の中心部分の照度に対して相対強度が30%以上であってよい。図13において破線で囲った範囲130は、相対強度が30%以上である範囲に該当する。破線で囲った範囲130の照度を高くすることができるのは、補助光源22からの光の照度が加算されるためである。これは、補助光源22からの光を第2レンズアレイ221で成形し、さらに投射レンズ23で略平行光とすることで、十分遠方では、補助光源22からの光に基づく配光は、第1光源1からの光に基づく配光と比べて絞られているからである。図14に示す第1光源1によるクラスCのロービーム配光と比較して、図15に示す合成配光では、前方(+Z側)の遠くまで配光が届いている。本実施形態では、図15に示す合成配光により、クラスWの基準を満足することができる。なお、対向車の運転者に眩しさを与えない観点では、相対強度が30%以上である水平方向の範囲は、±5度以下であることがより好ましい。
【0066】
本実施形態では、図13に示した範囲130を含む配光により、鉛直方向における浅い角度範囲では明るい配光を照射し、鉛直方向における下方に深い角度範囲では明るさを抑えた配光を照射できる。これらにより、本実施形態では、悪天候の環境下において、路面に存在する水溜まり等によるグレアを低減するとともに、鉛直方向に浅い角度では前方遠方までの視界を確保することができる。
【0067】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る車両について説明する。なお、既に説明した実施形態および変形例と同一の名称、符号については、同一もしくは同質の部材又は構成部を示しており、詳細説明を適宜省略する。この点は、以降に示す他の実施形態においても同様とする。
【0068】
第2実施形態に係る車両は、第1実施形態に係る車両用灯具100と、センサと、該センサからの出力信号に基づき、補助光源22を制御する点が、第1実施形態と主に異なる。
【0069】
<車両500の構成例>
図16は、本実施形態に係る車両500の一例を示す模式図である。図16は、鉛直上方からみた車両500を示している。図16に示すように、車両500は、車両用灯具100と、センサ600と、制御部700と、を有する。
【0070】
車両500には、車両500の右前部と車両500の左前部とに1つずつ合計2つの車両用灯具100が設けられている。車両500の右前部に設けられた車両用灯具100は、配光DRの光を出射する。車両500の左前部に設けられた車両用灯具100は、配光DLの光を出射する。2つの車両用灯具100は、同じものが同じ向きで車両500に設けられてもよいし、同じものがX方向において相互に反転した向きで車両500に設けられてもよい。同じ向きで設けられる場合には、配光DRと配光DLは同じものになる。X方向において反転した向きで設けられる場合には、配光DRと配光DLは、X方向において相互に反転したものになる。車両500の左前部と右前部に設けられる車両用灯具100は、同じものに限らず、異なるものであってもよい。また車両500は、車両500の右前部または左前部のどちらか一方に、本実施形態に係る車両用灯具100を1つ有してもよい。
【0071】
センサ600は、外部環境に関する情報を出力信号Sとして出力する。センサ600は、例えば、センサ600は、車両500周辺の撮影画像に対応する出力信号Sを出力するカメラである。またはセンサ600は、GNSS(Global Navigation Satellite System)からGPS(Global Positioning System)等の位置情報を出力信号Sとして出力するGPSセンサであってもよい。またはセンサ600は、車両500の走行速度を計測し、走行速度に関する情報を出力信号Sとして出力する速度計であってもよい。なお、車両500の走行速度には、車両500以外の車両との相対速度が含まれる。車両500の走行速度は、車両500の外部に存在する道路や車両500以外の車両に対する相対速度であるという観点で、出力情報Sに該当する。またセンサ600は、出力信号Sとして上記以外の情報に関するものを出力してもよい。出力信号Sは、制御部700に入力される。
【0072】
本実施形態では、制御部700は、センサ600からの出力信号に基づき、補助光源22および/または第2光源21の配光を制御する。例えば、制御部700は、補助光源22を制御することで、図13に示したクラスW用の配光を生成し、照射することができる。また制御部700は、第2光源21の配光を制御することで、ADB配光機能を実現することができる。
【0073】
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形および置換を加えることができる。
【0074】
上述した実施形態における補助光源22は、クラスWに適合させるために利用されるだけでなく、ベンディングライト(Adaptive Front-lighting System;AFS)としても利用できる。例えば車両用灯具100は、自動車におけるステアリング操舵の方向に合わせて、投射レンズ23の光軸を移動させることで、自動車の進行方向前方を照射するベンディングライトとして機能することができる。または、車両用灯具100は、補助光源22のうち、点灯させる第2発光装置222を選択してベンディングライトとして機能することができる。具体的には、車両用灯具100は、補助光源22におけるX方向に並ぶ複数の第2発光装置222のうち、カーブにおける自動車の進行方向に合わせて、点灯する第2発光装置222を異ならせる。例えば、車両用灯具100は、自動車が前方に直進するときには、中央の第2発光装置222を点灯させ、カーブでは自動車の進行方向に合った第2発光装置222を点灯させることができる。
【0075】
また、補助光源22は、ハイビーム配光を補助するために使用されてもよい。
【0076】
実施形態の説明で用いた序数、数量等の数字は、全て本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の機能を実現する接続関係をこれに限定するものではない。
【0077】
本開示の車両用灯具は、各光源の光軸の調整を容易にしつつ、車両用灯具による照射光から所望の配光を得ることができるので、特に自動車用の灯具として好適に利用できる。但し、本開示の車両用灯具は、自動車搭載用途に限定されるものではない。また、本開示の車両用灯具は、車両用灯具に限らず、例えば、ヘリコプターやドローンのような飛行体用灯具として利用してもよい。また、車両用灯具では、自動車のヘッドライトに限らず、コミュニケーションランプやデイタイム・ランニング・ランプ等、種々の用途に利用することができる。
【0078】
本開示の態様は、例えば、以下のとおりである。
<項1> 第1光源と、第2光源、前記第1光源から照射される光および前記第2光源から照射される光のいずれか一方を補助する補助光源、および投射レンズを有する複合光源と、を備え、前記第2光源は、第1レンズアレイと、前記第1レンズアレイに含まれる複数の第1レンズに対応して、前記複数の第1レンズの光軸上に配置される複数の第1発光装置と、を有し、前記補助光源は、第2レンズアレイと、前記第2レンズアレイに含まれる複数の第2レンズに対応して、前記複数の第2レンズの光軸上に配置される複数の第2発光装置と、を有し、前記投射レンズは、前記第2光源および前記補助光源のそれぞれからの光を透過させ、前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイは、別体である、車両用灯具である。
<項2> 前記第1光源は第1ロービーム光源であり、前記第2光源はハイビーム光源であり、前記補助光源は前記第1光源を補助する第2ロービーム光源である、前記<項1>に記載の車両用灯具である。
<項3> 前記第2発光装置が備える発光面の面積は、前記第1発光装置が備える発光面の面積よりも小さい、前記<項1>または前記<項2>に記載の車両用灯具である。
<項4> 平面視において、前記複数の第2レンズそれぞれの面積は、前記複数の第1レンズそれぞれの面積よりも小さい、前記<項1>から前記<項3>のいずれか1つに記載の車両用灯具である。
<項5> 前記複数の第2レンズそれぞれの焦点距離は、前記複数の第1レンズそれぞれの焦点距離よりも短い、前記<項1>から前記<項4>のいずれか1つに記載の車両用灯具である。
<項6> 配光角が水平方向に±10度以下および垂直方向に-2度以上0度以下の範囲において、前記補助光源からの光の照度は、前記第1光源からの光の中心部分の照度に対して相対強度が30%以上である、前記<項1>から前記<項5>のいずれか1つに記載の車両用灯具である。
<項7> 前記第1光源は、第3発光装置と第4発光装置とを含み、個別に駆動可能な複数の発光装置と、第1光学系と第2光学系とを含む複数の光学系と、を有し、前記第1光学系は、前記第3発光装置から入射される光に基づき第1配光の光を出射し、前記第2光学系は、前記第4発光装置から入射される光に基づき第2配光の光を出射し、前記第3発光装置の発光面積は、前記第4発光装置の発光面積と異なり、前記第1配光の配光角度は、前記第2配光の配光角度と異なる、前記<項1>または前記<項2>に記載の車両用灯具である。
<項8> 前記第1光学系は、第3レンズと第4レンズとを含み、前記第2光学系は、第5レンズと第6レンズとを含み、前記第3レンズは、前記第3発光装置から入射される光に基づき、前記第3レンズと前記第4レンズとの間に第1仮想光源像を形成し、前記第4レンズは、前記第1仮想光源像から入射される光を出射し、前記第5レンズは、前記第4発光装置から入射される光に基づき、前記第5レンズと前記第6レンズとの間に第2仮想光源像を形成し、前記第6レンズは、前記第2仮想光源像から入射される光を出射する、前記<項7>に記載の車両用灯具である。
<項9> 前記投射レンズの焦点距離は、前記第4レンズの焦点距離および前記第6レンズの焦点距離よりも長い、前記<項8>に記載の車両用灯具である。
<項10> 前記第3レンズと前記第4レンズとの間に配置されるとともに、前記第5レンズと前記第6レンズとの間に配置される遮光部材を有し、前記第3レンズは、前記第1仮想光源像の少なくとも一部が前記遮光部材と重なるように前記第1仮想光源像を形成し、前記第4レンズは、前記第2仮想光源像の少なくとも一部が前記遮光部材と重なるように前記第2仮想光源像を形成する、前記<項8>に記載の車両用灯具である。
<項11> 前記遮光部材は、前記第4レンズの焦点に配置され、前記第2レンズアレイは前記投射レンズの焦点面に配置される、前記<項10>に記載の車両用灯具である。
<項12> 前記複合光源は、前記遮光部材を有さない、前記<項11>に記載の車両用灯具である。
<項13> 前記複数の第1発光装置と、前記複数の第2発光装置と、前記第1レンズアレイと、前記第2レンズアレイと、が1つの配線基板に実装されている、前記<項1>から前記<項12>のいずれか1つに記載の車両用灯具である。
<項14> 接続される光源を制御する第1半導体集積回路と第2半導体集積回路とが前記配線基板に実装されており、前記複数の第1発光装置は、第1方向に沿った第1の列および第2の列を形成し、前記複数の第2発光装置は、前記第1方向に沿った第3の列を形成し、前記第2の列は前記第1の列と前記第3の列との間に配置され、前記第1半導体集積回路は、前記第2の列を基準として、前記第3の列へ向かう方向に位置し、前記第3の列を形成する前記第2発光装置と、前記第2の列を形成する前記複数の第1発光装置の一部とを、第1配線を介して電気的に接続し、前記第2半導体集積回路は、前記第2の列を基準として、前記第1の列へ向かう方向に位置し、前記第1の列を形成する前記第1発光装置と、前記第2の列を形成する前記複数の第1発光装置の他の一部とを、第2配線を介して電気的に接続する、前記<項13>に記載の車両用灯具である。
<項15> 前記第2の列において、第1配線と接続される第1発光装置のアノード電極と、第2配線と接続される第1発光装置のアノード電極とが互いに隣り合う、または、第1配線と接続される第1発光装置のカソード電極と、第2配線と接続される第1発光装置のカソード電極とが互いに隣り合う、前記<項14>に記載の車両用灯具である。
<項16> 前記<項1>から前記<項15>のいずれか1つに記載の車両用灯具と、センサと、前記センサからの出力信号に基づき、前記補助光源を制御する、車両である。
<項17> 前記センサからの前記出力信号に基づき、前記第2光源の配光を制御する、前記<項16>に記載の車両である。
【符号の説明】
【0079】
1 第1光源
10 基板
11 発光装置
111 第3発光装置
112 第4発光装置
12 光学系
120 光軸
121 第1光学系
1211 第3レンズ
1212 第4レンズ
122 第2光学系
1221 第5レンズ
1222 第6レンズ
122 第2光学系
13 遮光部材
130 範囲
2 複合光源
21 第2光源
210 第1レンズ
211 第1レンズアレイ
212 第1発光装置
22 補助光源
221 第2レンズアレイ
222 第2発光装置
23 投射レンズ
231 第1遮光部材
232 第2遮光部材
24 配線基板
241 第1配線
242 第2配線
25 ヒートシンク
26 ファン
27 支持部材
50 筐体
60 発光面
61 発光素子
62 波長変換部材
63 被覆部材
200 隙間
300 照射面
301、302、303、304 ハイビーム配光
500 車両
600 センサ
700 制御部
A アノード
dx、dy 幅
DL、DR 配光
FP 焦点面
IC1 第1半導体集積回路
IC2 第2半導体集積回路
IC3 第3半導体集積回路
IC4 第4半導体集積回路
K カソード
R1 第1の列
R2 第2の列
R3 第3の列
S 出力信号
W1x、W1y、W2x、W2y 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16