(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172027
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20241205BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20241205BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20241205BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20241205BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241205BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20241205BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G09F9/33
H01L33/58
H01L33/50
H01L33/00 L
G09F9/30 349C
G09F9/30 349B
G09G3/34 J
G09G3/20 621E
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089442
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】▲蔭▼山 良幸
(72)【発明者】
【氏名】森田 崇仁
(72)【発明者】
【氏名】梅本 貴代子
【テーマコード(参考)】
5C080
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
5C080AA07
5C080BB06
5C080DD03
5C080DD07
5C080EE22
5C080EE25
5C080EE28
5C080EE31
5C080FF13
5C080JJ02
5C080JJ06
5C080KK01
5C080KK42
5C094AA05
5C094BA23
5C094BA32
5C094CA19
5C094CA24
5C094DA12
5C094ED03
5C094ED15
5C094FA01
5C094JA08
5F142AA12
5F142BA32
5F142CB18
5F142CB23
5F142CD02
5F142DA02
5F142DA13
5F142DA14
5F142DA73
5F142DB17
5F142DB24
5F142GA02
5F142GA21
5F142GA28
5F142GA29
(57)【要約】
【課題】高精細に配光を制御可能な発光装置を提供すること。
【解決手段】発光装置は、発光面を有する光源と、前記光源の上方に配置され、開口が設けられた遮光部材と、を備え、前記遮光部材は、上面視において、前記開口が前記光源の前記発光面と重なる第1位置と、前記開口が前記光源の前記発光面と重なり、かつ前記第1位置とは異なる第2位置と、の間を移動可能であり、前記光源は、前記遮光部材が前記第1位置にあるときに第1条件で点灯制御可能であり、前記遮光部材が前記第2位置にあるときに第2条件で点灯制御可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光面を有する光源と、
前記光源の上方に配置され、開口が設けられた遮光部材と、を備え、
前記遮光部材は、上面視において、前記開口が前記光源の前記発光面と重なる第1位置と、前記開口が前記光源の前記発光面と重なり、かつ前記第1位置とは異なる第2位置と、の間を移動可能であり、
前記光源は、前記遮光部材が前記第1位置にあるときに第1条件で点灯制御可能であり、前記遮光部材が前記第2位置にあるときに第2条件で点灯制御可能である、発光装置。
【請求項2】
前記開口の開口面積は、前記光源の前記発光面の面積よりも小さい、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
上面視において、前記遮光部材が前記第1位置にあるときの前記開口の位置と、前記遮光部材が前記第2位置にあるときの前記開口の位置は、重ならない、請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1条件および前記第2条件のそれぞれは、前記光源が点灯および消灯の少なくとも一方を規定する条件である、請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記光源は、発光素子と、上面視において前記発光素子の全部を覆うように前記発光素子の上方に配置された波長変換部材と、を備え、
前記光源の前記発光面は、前記波長変換部材から構成される、請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項6】
前記光源は、発光素子と、上面視において前記発光素子の一部が露出するように前記発光素子の上方に配置された波長変換部材と、を備え、
前記光源の前記発光面は、前記発光素子と前記波長変換部材とから構成される、請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項7】
前記波長変換部材は、異なる発光ピーク波長を有する複数の波長変換部材を含み、
前記複数の波長変換部材は、上面視においてそれぞれ重ならない位置に配置される、請求項5に記載の発光装置。
【請求項8】
前記波長変換部材は、異なる発光ピーク波長を有する複数の波長変換部材を含み、
前記複数の波長変換部材は、上面視において重ならない位置に配置される、請求項6に記載の発光装置。
【請求項9】
前記遮光部材は、透光性部材と、前記透光性部材に配置された遮光膜と、を含み、
前記開口は、前記透光性部材において前記遮光膜が配置されていない領域から構成される、請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項10】
前記光源は、発光素子を備え、
前記遮光部材の前記開口に波長変換部材が配置されている、請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項11】
前記光源は、それぞれが前記発光面を有する複数の発光部を有し、
前記遮光部材に、前記複数の発光部に対応する複数の前記開口が設けられている、請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項12】
少なくとも一部が前記光源と前記遮光部材との間に配置されるとともに、上面視において複数の前記開口それぞれの周囲に配置される壁を有する、請求項11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記複数の発光部は、複数の発光素子を有し、
上面視において、前記複数の発光素子それぞれの周囲に配置される隔壁を有する、請求項11に記載の発光装置。
【請求項14】
前記遮光部材は、前記開口が前記光源の前記発光面と重なり、かつ複数の位置を移動可能であり、
前記光源は、前記複数の位置それぞれに前記開口が配置されることに同期して点灯制御可能である、請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項15】
前記複数の位置は、前記第1位置と前記第2位置とを含み、
前記遮光部材は、前記複数の位置を周回移動可能であり、
前記遮光部材の前記第1位置から前記第2位置への移動時間は、前記遮光部材の周回移動の周期よりも短い、請求項14に記載の発光装置。
【請求項16】
前記遮光部材の周回移動の周期は、前記遮光部材の前記第1位置から前記第2位置への移動時間の自然数倍である、請求項15に記載の発光装置。
【請求項17】
前記遮光部材を駆動させる駆動部を備える、請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項18】
前記駆動部は、圧電素子を含む、請求項17に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を有する発光装置が知られている。例えば、特許文献1には、基板上に複数のLEDを二次元的に高密度に実装しつつ、個別に点灯と消灯を制御することが可能な光源ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る実施形態は、高精細化が可能な発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態に係る発光装置は、発光面を有する光源と、前記光源の上方に配置され、開口が設けられた遮光部材と、を備え、前記遮光部材は、上面視において、前記開口が前記光源の前記発光面と重なる第1位置と、前記開口が前記光源の前記発光面と重なり、かつ前記第1位置とは異なる第2位置と、の間を移動可能であり、前記光源は、前記遮光部材が前記第1位置にあるときに第1条件で点灯制御可能であり、前記遮光部材が前記第2位置にあるときに第2条件で点灯制御可能である。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る実施形態によれば、高精細化が可能な発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る発光装置の構成を示す模式的上面図である。
【
図2A】第1実施形態に係る発光装置の光源を示す模式的上面図である。
【
図2B】第1実施形態に係る発光装置の遮光部材を示す模式的上面図である。
【
図3】第1実施形態に係る発光装置の模式的断面図である。
【
図4】第1実施形態に係る複数の発光面のうちの一部を示す模式的上面図である。
【
図5】第1実施形態に係る発光装置の動作を示す模式図である。
【
図6】遮光部材の移動と光源の点灯との関係の第1例を示す模式図である。
【
図7】遮光部材の移動と光源の点灯との関係の第2例を示す模式図である。
【
図8】
図5の動作により得られる疑似的な発光面を示す模式図である。
【
図9】第2実施形態に係る複数の発光面のうちの一部を示す模式的上面図である。
【
図10】第2実施形態に係る発光装置の動作の第1例を示す模式図である。
【
図11】
図10の動作により得られる疑似的な発光面を示す模式図である。
【
図12】第2実施形態に係る発光装置の動作の第2例を示す模式図である。
【
図13】
図12の動作により得られる疑似的な発光面を示す模式図である。
【
図14】第2実施形態に係る発光装置の動作の第3例を示す模式図である。
【
図15】
図14の動作により得られる疑似的な発光面を示す模式図である。
【
図16】第1変形例に係る発光装置の模式的断面図である。
【
図17】第2変形例に係る発光装置の模式的断面図である。
【
図18】第3変形例に係る発光装置の模式的断面図である。
【
図19】第4変形例に係る発光装置の模式的断面図である。
【
図20】第5変形例に係る発光装置の模式的断面図である。
【
図21】第6変形例に係る発光装置の模式的断面図である。
【
図22】第7変形例に係る発光装置の模式的断面図である。
【
図23】第8変形例に係る発光装置の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施形態に係る発光装置について図面を参照しながら詳細に説明する。但し、以下に示す形態は、本開示の技術思想を具現化するための発光装置を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施形態に記載されている構成部の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本開示の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており詳細説明を適宜省略する。断面図として、切断面のみを示す端面図を用いる場合がある。
【0009】
各図面において、方向表現として、X軸、Y軸およびZ軸を有する直交座標を用いる。X軸、Y軸およびZ軸は、互いに直交する。Z軸に沿うZ方向は、実施形態に係る発光装置が備える光源の発光面の法線に沿う方向を示すものとする。なお、X軸、Y軸およびZ軸に沿うとは、対象がこれら軸に対して±10°の範囲内の傾きを有することを含む。また、実施形態において直交は、90°に対して±10°以内の誤差を含んでもよい。
【0010】
X方向で矢印が向いている方向を+X側、+X側の反対方向を-X側と表記する。Y方向で矢印が向いている方向を+Y側、+Y側の反対方向を-Y側と表記する。Z方向で矢印が向いている方向を上方、+Z側、+Z側の反対方向を-Z側と表記する。
【0011】
実施形態の用語における上面視とは、対象を+Z側から見ることをいう。また実施形態では、+Z側から見たときの対象物の面を「上面」とし、-Z側から見たときの対象物の面を「下面」とする。但し、方向または向きに関する以上の点は、実施形態に係る発光装置の使用時における向きを制限するものではなく、実施形態に係る発光装置の向きは任意である。
【0012】
本明細書または特許請求の範囲において、ある構成要素が複数あり、それぞれを区別して表現する場合に、その構成要素の頭に"第1"、"第2"等と付記して区別することがある。また、本明細書と特許請求の範囲とで区別する対象が異なる場合があり得る。
【0013】
[第1実施形態]
<第1実施形態に係る発光装置の全体構成例>
図1~2を参照して、第1実施形態に係る発光装置の全体構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係る発光装置100の構成の一例を示す模式的上面図である。
図2A及び
図2Bは、発光装置100における光源1と遮光部材2を示す模式的上面図である。
【0014】
図1~2に示すように、本実施形態では、発光装置100は、光源1と、遮光部材2と、を備える。また、発光装置100は、駆動部3と、第1弾性部材41と、第2弾性部材42と、支持部材5と、被覆部材6と、基板7と、を備えてよい。
【0015】
光源1は、発光面11を有する。本明細書に示す例では、光源1は、X方向およびY方向のそれぞれに整列し、それぞれが発光面11を有する複数の発光部10を有する。複数の発光部10が有する発光面11のそれぞれは、上面視において略矩形形状を有する。光源1は、複数の発光面11のそれぞれから遮光部材2が位置する側に光を発する。発光部10には、例えばLED(Light Emitting Diode)を使用できる。また、光源1には、例えば、一次元または二次元に整列する微細なLEDを有するマイクロLEDアレイを使用できる。
【0016】
遮光部材2は、光源1の上方に配置され、開口21が設けられている。光源1から発せられた光のうちの一部は、開口21を通って発光装置100から出射され、光源1から発せられた光のうちの他の一部は、遮光部材2により遮光される。
【0017】
本明細書に示す例では、遮光部材2には、複数の発光部10に対応する複数の開口21が設けられている。複数の開口21のそれぞれは、上面視において略矩形形状を有する。複数の発光部10のそれぞれから発せられた光は、遮光部材2における対応する開口21を通って発光装置100から出射される。
【0018】
遮光部材2は、金属材料等の遮光性の材料により構成された平板状の部材である。複数の開口21のそれぞれは、複数の発光部10に対応して整列するように遮光部材2に形成された貫通穴であってよい。この貫通穴は、遮光部材2の上面に対して傾斜する側面を有していてもよいし、上面に対して略垂直な側面を有していてもよい。例えば、貫通穴は上面と、下面と、上面及び下面に対して垂直な側面で規定される円柱形状の領域である。また、開口21は、貫通穴に限らず、光が透過可能な透光性を有する領域であってもよい。なお、ここでの透光性は、光源1から発せられる光の60%以上を透過することを意味する。
【0019】
発光装置100において、X方向における開口21の幅Wx2は、X方向における発光面11の幅Wx1よりも小さいことが好ましい。Y方向における開口21の幅Wy2は、Y方向における発光面11の幅Wy1よりも小さいことが好ましい。従って、開口21の開口面積Wx2×Wy2は、光源1の発光面11の面積Wx1×Wy1よりも小さいことが好ましい。開口面積Wx2×Wy2が面積Wx1×Wy1よりも小さいことで、本実施形態では、遮光部材2により、開口21に対応する発光面11から発せられた光の一部を通過させ、他を遮光することができ、見かけ上で発光面11の面積を小さくすることができる。本明細書に示す例では、幅Wx2は幅Wx1の略1/2であり、幅Wy2は幅Wy1の略1/2であり、開口面積Wx2×Wy2は、面積Wx1×Wy1の略1/4である。なお、本実施形態では、開口21がテーパを有する場合には、X方向における開口21の最小幅が幅Wx2に対応し、Y方向における開口21の最小幅が幅Wy2に対応し、開口21における一番狭い面積が開口面積Wx2×Wy2に対応する。
【0020】
駆動部3は、遮光部材2を駆動させる。本明細書に示す例では、駆動部3は、第1駆動部31と第2駆動部32とを含む。第1駆動部31は、遮光部材2をX方向に移動させる。第2駆動部32は、遮光部材2をY方向に移動させる。
【0021】
本実施形態では、駆動部3は、圧電素子を含んでよい。圧電素子は、チタン酸バリウムまたはジルコン酸バリウム等を含んで構成される。駆動部3は、印加電圧に応じて圧電素子を伸縮させることにより、圧電素子の一端に接触可能に配置された遮光部材2を動かすことができる。なお、圧電素子の一端は、接着部材等により遮光部材2に接着されていてもよい。本実施形態では、駆動部3が圧電素子を含むことで、駆動部3を小型化し、また駆動部3の構成を簡略化できる。但し、駆動部3は、圧電素子に限らず、電気モータ、超音波モータ、ボイスコイルモータ等を含んでもよい。
【0022】
第1弾性部材41および第2弾性部材42のそれぞれは、一端が遮光部材2に、他端が支持部材5に、それぞれ接続されている。第1弾性部材41および第2弾性部材42のそれぞれは、金属材料等を含んで構成され、弾性を有するバネ部材等である。第1弾性部材41および第2弾性部材42は、元の位置に戻るための復元力を遮光部材2に付与する。
【0023】
例えば、第1駆動部31の圧電素子がX方向に伸長して遮光部材2が-X側に移動した場合には、第1弾性部材41はX方向に収縮する。そして、この状態から、第1駆動部31の圧電素子がX方向に収縮した場合には、第1弾性部材41はX方向に伸長し、X方向における元の位置に戻るための復元力を遮光部材2に付与する。これにより、第1弾性部材41は、遮光部材2を+X側に移動させることができる。
【0024】
また、第2駆動部32の圧電素子がY方向に伸長して遮光部材2が+Y側に移動した場合には、第2弾性部材42はY方向に収縮する。そして、この状態から、第2駆動部32の圧電素子がY方向に収縮した場合には、第2弾性部材42はY方向に伸長し、Y方向における元の位置に戻るための復元力を遮光部材2に付与する。これにより、第2弾性部材42は、遮光部材2を-Y側に移動させることができる。
【0025】
但し、発光装置100は、第1弾性部材41および第2弾性部材42を必ずしも備えなくてもよい。例えば、駆動部3における圧電素子の一端に、接着部材等によって遮光部材2を接着することで、圧電素子の伸縮に応じて遮光部材2を移動可能にしてもよい。
【0026】
支持部材5は、被覆部材6の上面上に配置され、遮光部材2を支持する枠状の部材である。支持部材5は、遮光部材2を枠の内側に配置し、第1弾性部材41および第2弾性部材42のそれぞれを介して遮光部材2を支持する。支持部材5は、金属材料または樹脂材料等により構成される。なお、
図1に示す例では、支持部材5、第1弾性部材41、第2弾性部材42および遮光部材2は、一体化した構成として図示しているが、これらの少なくとも1つが別体の部材であってもよい。なお、別体の部材とは、2つの部材があると想定したときに、2つの部材それぞれが接して接合していないもの、または2つの部材それぞれが接着部材等を介して接合しているものをいう。
【0027】
被覆部材6は、基板7の上面を覆うように配置された部材である。被覆部材6には、例えば、遮光性を有するフィラーを含有する樹脂材料を用いることができる。樹脂材料としては、エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂材料を母材とすることが好ましい。遮光性を有するフィラーとしては、顔料、カーボンブラック、チタンブラック、グラファイト等の光吸収性物質、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素等の光反射性物質が挙げられ、これらのうちの1種を単独で、またはこれらのうちの2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。具体的には、被覆部材6としては、光反射性に優れた白色樹脂、光吸収性に優れた黒色樹脂、光反射性及び光吸収性を有する灰色樹脂等が挙げられる。
【0028】
基板7は、光源1の複数の発光部10がその上面に配置される平板状の部材である。基板7には、例えば、光源1の点灯制御および駆動部3による遮光部材2の駆動制御を行うための回路が集積されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)を使用できる。複数の発光部10のそれぞれは、基板7上に配置された給電用の端子と電気的に接続され、端子を通して供給される電力により点灯可能である。
【0029】
基板7がASICであることにより、光源1および駆動部3とそれぞれの制御回路とを一体に構成できるため、発光装置100を小型化し、また発光装置100の構成を簡略化することができる。さらに、光源1および駆動部3とそれぞれの制御回路との配線を容易にすることができる。但し、基板7は必ずしもASICでなくてよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の他の集積回路であってもよい。また、光源1はASIC等の制御回路以外の基板に実装されてもよい。光源1の制御回路と駆動部3の制御回路が別々に設けられてもよい。
【0030】
<第1実施形態に係る光源周辺の詳細構成例>
図3を参照して、第1実施形態に係る光源1周辺の構成について詳細に説明する。
図3は、光源1の発光部10と遮光部材2の開口21とを含む発光装置100の模式的断面図である。
図3は、光源1に含まれる複数の発光部10のうち、X方向に隣接する4つの発光部10と、4つの発光部10に1対1で対応する4つの開口21と、を示している。
【0031】
図3に示すように、本実施形態では、4つの発光部10のそれぞれは、発光素子12と、発光素子12の上方に配置された波長変換部材13と、を備える。波長変換部材13は、上面視において発光素子12の全部を覆うように発光素子12上に配置される。光源1の発光面11は、波長変換部材13から構成されてよい。この構成により、発光装置100は、発光素子12からの光の色と波長変換部材13により変換された光の色が混色された光を照射することができる。また、発光装置100は、発光素子12からの光の色を含まずに、波長変換部材13により変換された光の色を照射する構成であってもよい。なお、波長変換部材13が、遮光部材2が位置する側(+Z側)に保護層等の透光層を有する場合には、光源1の発光面11は、波長変換部材13に含まれる透光層から構成されてよい。
【0032】
発光素子12は、少なくとも正負の素子電極を含む。発光素子12は、基板7上に載置され、基板7の電極と発光素子12の電極とが電気的に接続される。発光素子12は、III-V族化合物半導体、II-VI族化合物半導体等の種々の半導体を含むことが好ましい。半導体としては、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物系半導体を使用することが好ましく、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等も使用できる。上述したように、発光素子12はLEDであってよい。但し、発光素子12としてLD(Laser Diode)を用いることもできる。発光素子12の発光ピーク波長は、発光効率、並びに後述の蛍光体の励起等の観点から、400nm以上530nm以下が好ましい。
【0033】
波長変換部材13は、発光素子12上に配置される。波長変換部材13は、上面視において、例えば略矩形形状を有する。波長変換部材13は、発光素子12の上面を覆うように設けられている。波長変換部材13は、樹脂等の透光性の有機材料や、セラミックス、ガラス等の透光性の無機材料を用いて形成することができる。樹脂材料としては、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、波長変換部材13は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。特に、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂またはその変性樹脂が好適である。なお、ここでの透光性とは、発光素子12からの光の60%以上を透過することが好ましい。波長変換部材13は、上記の樹脂に発光素子12からの光の少なくとも一部を波長変換する蛍光体を含む。例えば波長変換部材13は、上述した透光性の母材に蛍光体を含有させたもの、蛍光体の焼結体等であってもよい。また、波長変換部材13は、樹脂、セラミックス、ガラス等の成形体に蛍光体の含有層を配置した多層構造のものでもよい。
【0034】
波長変換部材13に含まれる蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6Cl2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)3Si6N11:Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)2Si5N8:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl3N4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2(Si1-xAlx)F6-x:Mn ここで、xは、0<x<1を満たす。)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I)3 ここで、FAとMAは、それぞれホルムアミジニウムとメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、又はカルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se)2)等を用いることができる。上記の蛍光体は、粒子である。また、これらの蛍光体のうちの1種を単体で、またはこれらの蛍光体のうち2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】
発光部10は、発光素子12として青色発光素子を用い、波長変換部材13が発光素子12から出射された光を黄色に波長変換する蛍光体を含むことにより白色光を発する。波長変換部材13は光散乱物質を含んでもよく、光散乱物質としては、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等を用いることができる。
【0036】
上述したように、発光装置100は、発光部10の上方には遮光部材2が配置され、遮光部材2には、複数の発光部10に対応する複数の開口21が設けられている。発光装置100により高精細に配光を制御する観点では、発光面11と遮光部材2の間隔は、発光面11の径よりも短いことが好ましく、発光面11と遮光部材2とが接触しない範囲でできるだけ短くすることが好ましい。これにより、隣接する発光部10に対応する開口21への意図しない光伝搬を低減することができるとともに発光装置をより小型化することができる。具体的には、発光面11と遮光部材2の間隔は、50nm以上100μm以下が好ましく、0.5μm以上50μm以下がより好ましい。
【0037】
<第1実施形態に係る発光装置の動作例>
図4~8を参照して、第1実施形態に係る発光装置の動作について説明する。
図4は、複数の発光面11のうちの一部(ここでは2×2個の行列状に整列する4つの発光面)を示す模式的上面図である。
図5は、発光装置100の動作の一例を示す模式図である。
【0038】
図5は、
図4における4つの発光面11の上方に配置された遮光部材2がX方向およびY方向のそれぞれに移動し、4つの発光面11に対する4つの開口21の相対位置が変化する様子の一例を模式的に示している。
【0039】
図5において、矢印201は遮光部材2の1回目の移動を示し、矢印202は遮光部材2の2回目の移動を示し、矢印203は遮光部材2の3回目の移動を示し、矢印204は遮光部材2の4回目の移動を示している。状態100-1は移動前における発光装置の状態を示し、状態100-2は1回目の移動後における発光装置の状態を示し、状態100-3は2回目の移動後における発光装置の状態を示し、状態100-4は3回目の移動後における発光装置の状態を示している。
【0040】
図5に示す例では、例えば1回目の移動において、遮光部材2は、X方向における開口21の幅Wx2の長さとほぼ等しい長さの距離を+X側に移動する。続いて、2回目の移動において、遮光部材2は、Y方向における開口21の幅Wy2の長さとほぼ等しい長さの距離を-Y側に移動する。続いて、3回目の移動において、遮光部材2は、X方向における開口21の幅Wx2の長さとほぼ等しい長さの距離を-X側に移動する。続いて、4回目の移動において、遮光部材2は、Y方向における開口21の幅Wy2の長さとほぼ等しい長さの距離を+Y側に移動する。遮光部材2が4回目の移動を行った後には、発光装置100は元の状態に戻る。つまり、遮光部材2は、4回の移動により4つの位置を周回移動することができる。発光装置100では、遮光部材2は、このような周回移動を繰り返し行うことができる。なお、本実施形態の用語における「周回移動」は、複数の位置を経由しながら周回することを意味し、複数の位置の周りを移動することを意味するものではない。
【0041】
図6及び
図7は、遮光部材2の移動と光源1の点灯との関係を示す模式図である。
図6は第1例、
図7は第2例である。第1例は、開口21の全てが光源1の発光面11と重なるように遮光部材2が光源1上を移動する例である。第2例は、開口21の一部が光源1の発光面11と重なるように遮光部材2が光源1上を移動する例である。
図6において、状態100-5は、遮光部材2が移動する前の停止している状態を示し、状態100-6は、遮光部材2が移動中の状態を示し、状態100-7は、遮光部材2が移動後の停止している状態を示している。また、
図7において、状態100-8は、遮光部材2が移動する前の停止している状態を示し、状態100-9は、遮光部材2が移動中の状態を示し、状態100-10は、遮光部材2が移動後の停止している状態を示している。本明細書に示す例では、遮光部材2が停止している状態100-5,100-7,100-8,100-9において、光源1は点灯する。一方、遮光部材2が移動している状態100-6,100-9において、光源1は消灯する。
【0042】
図8は、
図5に示した発光装置100の動作により得られる疑似的な発光面である疑似発光面111~114の一例を示す模式図である。疑似発光面111~114のそれぞれは、
図5における遮光部材2の周回移動において、1つの発光面11が疑似的に4つの領域に分割されることで、それぞれの面積が1つの発光面11の面積に対して1/4になっている。
【0043】
<第1実施形態に係る発光装置の作用効果>
図4~8を引き続き参照して、第1実施形態に係る発光装置100の作用効果について説明する。
【0044】
本実施形態では、遮光部材2は、上面視において、開口21が光源1の発光面11と重なる第1位置と、開口21が光源1の発光面11と重なり、かつ第1位置とは異なる第2位置と、の間を移動可能である。かつ、光源1は、遮光部材2が第1位置にあるときに第1条件で点灯制御可能であり、遮光部材2が第2位置にあるときに第2条件で点灯制御可能である。例えば、第1条件および第2条件のそれぞれは、光源1が点灯および消灯の少なくとも一方を規定する条件であってよい。
【0045】
例えば、
図5に示した状態100-1~100-4において、移動前における遮光部材2の位置は、本実施形態における「開口21が光源1の発光面11と重なる第1位置」に対応する。また、移動後における遮光部材2の位置は、本実施形態における「開口21が光源1の発光面11と重なり、かつ第1位置とは異なる第2位置」に対応する。より具体的には、状態100-1における遮光部材2の位置は、開口21が光源1の発光面11と重なる第1位置の一例に対応する。また、状態100-2における遮光部材2の位置は、開口21が光源1の発光面11と重なり、かつ第1位置とは異なる第2位置の一例に対応する。
【0046】
また、例えば
図6において、状態100-5は第1位置に対応し、状態100-7は第2位置に対応する。光源1は、状態100-5および状態100-7において点灯するため、この場合の第1条件および第2条件のそれぞれは、光源1が点灯する条件である。
【0047】
また、
図7において、状態100-8は第1位置に対応し、状態100-10は第2位置に対応する。光源1は、状態100-8および状態100-10において点灯するため、この場合の第1条件および第2条件のそれぞれは、光源1が点灯する条件である。
【0048】
本実施形態では、上面視において発光面11と開口21とが重なり、かつ相互に異なる第1位置と第2位置の間を遮光部材2が移動するとともに、第1位置および第2位置ごとで予め定められた条件により光源を点灯制御することで、光源1の発光面11を疑似的に複数の領域に分割できる。例えば、
図8に示すように、発光面11を疑似発光面111~114の4つの領域に分割できる。発光装置100は、疑似発光面111~114を含む複数の疑似発光面それぞれの点灯または消灯、あるいはそれぞれから発せられる光量を個別に制御することで、発光装置100から出射される光によって所望の照射パターンを表示することができる。なお、本実施形態に係る発光装置100から出射される光により形成される照射パターンは、単色(例えば白色)のパターンである。本実施形態に係る発光装置100から出射される光により形成される表示画像は、単色(例えば白色)の画像である。
【0049】
本実施形態では、発光面11を疑似的に分割することにより、発光装置100から出射される光により形成される照射パターンまたは画像をより高精細に制御することができる。これにより、本実施形態では、高精細化が可能な発光装置100を提供することができる。なお、
図4~
図8では、発光面11を4分割する例を示したが、発光面11の分割数は、用途に応じて適宜変更可能である。発光面11の分割数を増やすほど、照射範囲をより多い分割数で制御できるようになる。このような発光装置100は、高解像度の照明システムの光源として用いることができる。また、表示装置において、より高精細な画像を表現することができる。
【0050】
また、例えば、発光面を現実に分割することで発光面の面積を小さくすると、分割された発光面間に所定の間隔を確保する必要があるため、該間隔を確保する分、発光面の面積が小さくなり、発光面から発せられる光の光量が減少する場合がある。これに対し、本実施形態では、遮光部材2の移動によって(つまり、開口21の位置を制御することにより)、発光面11の面積を疑似的に小さくするため、疑似発光面111~114同士の間に所定の間隔を空けなくてよい。この結果、本実施形態では、現実に発光面を分割して得られる複数の発光面の面積と比較して、疑似発光面111~114それぞれの面積を大きくすることができ、疑似発光面111~114それぞれから発せられる光の光量を多くすることができる。そして、高い光利用効率で高精細に配光を制御可能な発光装置100を提供することができる。
【0051】
また、本実施形態では、発光装置100が駆動部3を備えることで、遮光部材2を移動させることができる。本実施形態では、遮光部材2が光源1上を移動することで、光源1から出射される光を高精細に制御可能な発光装置100を提供可能になる。
【0052】
また、本実施形態では、
図6及び
図7で説明したように、遮光部材2の移動中に光源1を消灯することで、発光装置100から出射される光が遮光部材2の移動に伴って動くことを低減し、発光装置100から出射される光を安定させることができる。但し、発光装置100は、遮光部材2の移動中に光源1を必ずしも消灯させなくてもよい。
【0053】
また、本実施形態では、開口21の開口面積は、光源1の発光面11の面積よりも小さい。開口21の開口面積を発光面11の面積よりも小さくすることで、上面視において発光面11の内側に開口21が位置する状態で遮光部材2を移動させることができるため、発光面11を複数の領域に疑似的に分割可能になる。
【0054】
また、本実施形態では、上面視において、遮光部材2が第1位置にあるときの開口21の位置と、遮光部材2が第2位置にあるときの開口21の位置は、重ならないことが好ましい。これにより、遮光部材2が第1位置にあるときに開口21を通過する光と、遮光部材2が第2位置にあるときに開口21を通過する光が、発光装置100から出射された後に重なることを低減できる。この結果、発光装置100から出射された光により形成される照射パターンまたは画像のコントラストを高くすることができる。なお、遮光部材2が第1位置にあるときの開口21の位置と、遮光部材2が第2位置にあるときの開口21の位置は部分的に重なっていてもよい。
【0055】
また、本実施形態では、上述したように、光源1は、それぞれが発光面11を有する複数の発光部10を有し、遮光部材2に、複数の発光部10に対応する複数の開口21が設けられてよい。光源1は、複数の発光部10の数を多くするほど、発光装置100による配光を高精細に制御することができる。但し、光源1は必ずしも複数の発光部10を有さなくてよい。本実施形態では、1つの発光部10を有する場合にも、1つの発光部10に対応する開口21を有する遮光部材2を備えることで、発光装置100による配光を、より高精細に制御することができる。
【0056】
また、本実施形態では、遮光部材2は、開口21が光源1の発光面11と重なり、かつ発光面11上の複数の位置を移動可能であってよく、光源1は、複数の位置それぞれに開口21が配置されることに同期して点灯制御可能である。これにより、第1位置にあるときに開口21を通過する光と、第2位置にあるときに開口21を通過する光が、発光装置100から出射された後に重なることを低減できる。この結果、発光装置100から出射された光により形成される照射パターンまたは画像のコントラストを高くすることができる。
【0057】
また、本実施形態では、複数の位置は、第1位置と第2位置とを含み、遮光部材2は、第1位置と第2位置とを含む複数の位置を周回移動可能であってよい。遮光部材2の第1位置から第2位置への移動時間は、遮光部材2の周回移動の周期よりも短い。ここで、
図5に示した状態100-1~10-4における遮光部材2の位置は、本実施形態における「複数の位置」に対応する。遮光部材2の第1位置から第2位置への移動時間を、遮光部材2の周回移動の周期よりも短くすることで、遮光部材2が周回移動する周期ごとに、疑似発光面からの光によって形成される照射パターンまたは画像を動的に可変することができる。これにより、本実施形態では、発光装置100から出射される光によって、動的な照射パターンまたは動画を高精細に形成することができる。
【0058】
また、本実施形態では、遮光部材2の周回移動の周期は、遮光部材2の第1位置から第2位置への移動時間の自然数倍であってよい。これにより、遮光部材2の周回移動と、遮光部材2の第1位置から第2位置への移動を同期させることができるため、本実施形態では、発光装置100から出射される光によって、動的な照射パターンまたは動画を高精細に形成することができる。
【0059】
また、本実施形態では、上面視において、発光面11と開口21とが重なる面積を調整することで、発光装置100から出射させる光の光量を調整してもよい。これにより、光量調整の自由度を高くすることができる。
【0060】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る発光装置について説明する。なお、既に説明した実施形態と同一の名称、符号については、同一もしくは同質の部材又は構成部を示しており、詳細説明を適宜省略する。この点は、以降に示す変形例においても同じとする。
【0061】
本実施形態に係る発光装置は、多色、すなわちマルチカラーの光を出射可能である点が第1実施形態と異なる。
【0062】
<第2実施形態に係る光源1の構成例>
図9は、本実施形態に係る光源1が備える複数の発光面11aのうちの一部の一例を示す模式的上面図である。光源1は、発光素子12と、上面視において発光素子12の一部が露出するように発光素子12の上方に配置された波長変換部材131~133と、を備え、光源1の発光面11aは、発光素子12と波長変換部材131~133とから構成される。波長変換部材131~133は、異なる発光ピーク波長を有する複数の波長変換部材に対応する。波長変換部材131~133は、上面視において重ならない位置に配置される。
【0063】
本実施形態において、発光素子12は、青色の光を出射する。波長変換部材131は、発光素子12から入射される光のほぼ全てを赤色の光に変換して赤色の光を出射する。波長変換部材132は、発光素子12から入射される光のほぼ全てを緑色の光に変換して緑色の光を出射する。波長変換部材133は、発光素子12から入射される光の一部を黄色の光に変換して青色の光と黄色の光が混色した白色の光を出射する。
【0064】
図9において、発光素子12が表示されている部分は、発光素子12の上方に波長変換部材131~133が配置されておらず、発光素子12の一部が露出している部分である。発光素子12の一部が露出している部分からは、発光素子12から出射された青色の光が、波長変換部材131~133を通ることなくそのまま出射される。
【0065】
<第2実施形態に係る発光装置の動作例>
図10~11を参照して、第2実施形態に係る発光装置の動作について説明する。
図10は、第2実施形態に係る発光装置の動作の第1例を示す模式図である。
【0066】
図10は、
図9における4つの発光面11aの上方に配置された遮光部材2がX方向およびY方向のそれぞれに移動し、4つの発光面11aに対する4つの開口21の相対位置が変化する様子の一例を示している。
【0067】
状態100-1では、上面視において、開口21の位置は、波長変換部材131の位置に重なるため、波長変換部材131からの赤色の光が開口21を通過する。状態100-2では、上面視において、開口21の位置は、波長変換部材132の位置に重なるため、波長変換部材132からの緑色の光が開口21を通過する。状態100-3では、上面視において、開口21の位置は、波長変換部材131~133から露出した発光素子12の一部の位置に重なるため、発光素子12からの青色の光が開口21を通過する。状態100-4では、上面視において、開口21の位置は、波長変換部材133の位置に重なるため、波長変換部材133からの黄色の光が開口21を通過する。
【0068】
図11は、第2実施形態に係る発光装置の
図10に示した動作により得られる疑似発光面11a-1の一例を示す模式図である。疑似発光面11a-1は、
図10における遮光部材2の周回移動の1周期の期間において、開口21を通過した赤色、緑色、青色および白色の光を出射することができる。この際、疑似発光面11a-1からは赤色、緑色、青色および白色の光がそれぞれ異なるタイミングで出射されるが、遮光部材2が高速で周回移動することにより、同時に発光しているように(つまり混色光として)視認することができる。
【0069】
第2実施形態に係る発光装置は、状態100-1~100-4のそれぞれの状態での光源1の点灯または消灯、あるいは光源から発せられる光量を制御することで、疑似発光面11a-1から発せられる光の色が所望の色になるように制御できる。また、第2実施形態に係る発光装置は、複数の疑似発光面11a-1それぞれから発せられる光の色を個別に制御することで、発光装置から出射される光によって、多色の照射パターンまたは画像を形成することができる。さらに、第2実施形態に係る発光装置は、1つの発光面11aを疑似的に4分割して疑似発光面11a-1を生成するため、多色の照射パターンまたは画像を、1つの発光面を分割しない場合と比較してより高精細に形成することができる。
【0070】
図12は、第2実施形態に係る発光装置の動作の第2例を示す模式図である。第2例では、状態100-2および状態100-4のそれぞれの状態において、光源1を消灯させる点が、第1例と異なる。
【0071】
図13は、第2実施形態に係る発光装置の
図12に示した動作により得られる疑似発光面11a-2の一例を示す模式図である。疑似発光面11a-2は、
図12における遮光部材2の周回移動の1周期の期間において、開口21を通過した赤色の光および青色の光が混色することで、紫色の光を発する。このように、第2実施形態に係る発光装置は、波長変換部材131~133および発光素子12のそれぞれからの光を混色することで、様々な色の光を発する疑似的な発光面を生成することができる。
【0072】
図14は、第2実施形態に係る発光装置の動作の第3例を示す模式図である。第3例では、状態100-1~100-3のそれぞれの状態では、光源1における複数の発光面11aのうちの一部のみを点灯させ、状態100-4の状態では、複数の発光面11aの全てを消灯させる点が、第1例および第2例と異なる。
【0073】
具体的には、状態100-1では、4つの発光面11aのうちの1つのみが点灯することで、赤色の光が開口21を通過する。状態100-2では、4つの発光面11aのうちの1つのみが点灯することで、緑色の光が開口21を通過する。状態100-3では、4つの発光面11aのうちの1つのみが点灯することで、青色の光が開口21を通過する。状態100-4では、4つの発光面11aのそれぞれが消灯する。
【0074】
図15は、第2実施形態に係る発光装置の
図14に示した動作により得られる疑似発光面11a-3~11a-6の一例を示す模式図である。疑似発光面11a-3は、
図14における遮光部材2の周回移動の1周期の期間において得られる赤色の光を発する。疑似発光面11a-4は、遮光部材2の周回移動の1周期の期間において得られる緑色の光を発する。疑似発光面11a-5は、遮光部材2の周回移動の1周期の期間において得られる青色の光を発する。疑似発光面11a-6は、遮光部材2の周回移動の1周期の期間において発光しないため、疑似発光面11a―6から光は出射されない。疑似発光面11a-3~11a-5それぞれから発せられる光量は、例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御等により制御できる。このように、第2実施形態に係る発光装置は、状態100-1~100-4ごとに複数の発光面11aそれぞれの発光を個別に点灯制御することで、異なる発光ピーク波長を有する疑似的な発光面を生成することができる。
【0075】
以上のように、本実施形態では、疑似発光面により、様々な色の光を発することができ、発光装置から出射される光によって、多色の照射パターンまたは画像を形成することができる。
【0076】
なお、第2実施形態に係る発光装置は、光源1が、上面視において発光素子12の一部が露出するように発光素子12の上方に配置された波長変換部材131~133を備える構成に限定されない。例えば、第2実施形態に係る発光装置は、光源1が上面視において発光素子12の全部を覆うように発光素子12の上方に配置された波長変換部材を備え、波長変換部材は、異なる発光ピーク波長を有する複数の波長変換部材を含み、複数の波長変換部材は、上面視においてそれぞれ重ならない位置に配置されてもよい。このような構成であっても、
図9~15を用いて説明した発光装置とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
【0077】
<変形例>
以下、実施形態に係る発光装置の様々な変形例について説明する。なお、以下に示す複数の変形例に係る発光装置のうち、異なる発光ピーク波長を有する複数の波長変換部材を有する発光装置以外の発光装置は、いずれも上述した第1実施形態に適用可能である。また、以下に示す複数の変形例に係る発光装置のうち、異なる発光ピーク波長を有する複数の波長変換部材を有する発光装置は、いずれも上述した第2実施形態に適用可能である。
【0078】
(第1変形例)
図16は、第1変形例に係る発光装置100bの模式的断面図である。
図16は、光源1の発光部10と遮光部材2の開口21とを含む発光装置100bの断面を模式的に示している。
【0079】
図16に示すように、本変形例では、複数の発光部10のそれぞれが備える波長変換部材13が繋がっている点が、第1実施形態と異なる。
【0080】
本変形例では、複数の発光部10のそれぞれが備える波長変換部材13が繋がっていることで、波長変換部材13を発光素子12上に配置する工程が行いやすくなり、発光装置100bの製作を容易にすることができる。なお、これ以外の作用効果は、第1実施形態の作用効果とほぼ同じである。
【0081】
(第2変形例)
図17は、第2変形例に係る発光装置100cの模式的断面図である。
図17は、光源1の発光部10と遮光部材2cの開口21とを含む発光装置100cの断面を模式的に示している。
【0082】
図17に示すように、本変形例では、発光装置100cが備える遮光部材2cは、透光性部材22と、透光性部材22に配置された遮光膜23と、を含み、開口21は、透光性部材22において遮光膜23が配置されていない領域から構成される点が、第1変形例と異なる。
【0083】
透光性部材22は、樹脂材料またはガラス材料等から構成される。また透光性部材22は、発光部10から発せられる光の透過率が60%以上であることが好ましい。
【0084】
遮光膜23は、金属材料または樹脂材料等から構成される。遮光膜23の遮光率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがよりいっそう好ましい。
図17に示す例では、遮光膜23は、透光性部材22の下面(-Z側の面)に配置されている。但し、遮光膜23は透光性部材22の上面および下面の少なくとも一方に配置されてよい。
【0085】
本変形例では、半導体プロセス等の成膜プロセスにより開口21を形成できるため、位置および形状の精度が高い開口21を遮光部材2cに形成することができる。なお、これ以外の作用効果は、第1変形例の作用効果とほぼ同じである。
【0086】
(第3変形例)
図18は、第3変形例に係る発光装置100dの模式的断面図である。
図18は、光源1の発光部10と遮光部材2の開口21とを含む発光装置100dの断面を模式的に示している。
【0087】
図18に示すように、本変形例では、遮光部材2の開口21に波長変換部材13が配置されている点が、第1実施形態と異なる。
【0088】
本変形例では、波長変換部材13は、開口21の内部に配置されることで、開口21に配置される。なお、開口21に配置される波長変換部材13は、開口21と必ずしも同じ厚みでなくてよい。
【0089】
本変形例では、開口21に波長変換部材13を配置することで、発光素子12と遮光部材2との間に波長変換部材13を配置するスペースを削減できるため、スペースを有効活用し、小型化した発光装置100dを提供することができる。なお、これ以外の作用効果は、第1実施形態の作用効果とほぼ同じである。
【0090】
(第4変形例)
図19は、第4変形例に係る発光装置100eの模式的断面図である。
図19は、光源1の発光部10と遮光部材2eの開口21とを含む発光装置100eの断面を模式的に示している。
【0091】
本変形例では、発光装置100eが備える遮光部材2eは、透光性部材22と、透光性部材22に配置された遮光膜23と、を含み、開口21は、透光性部材22において遮光膜23が配置されていない領域から構成される。かつ、異なる発光ピーク波長を有する複数の波長変換部材13が、遮光部材2eが有する透光性部材22の上面および下面の少なくとも一方に配置される点が、第2実施形態と異なる。
【0092】
図19に示す例では、遮光部材2eが有する透光性部材22の上面および下面それぞれに遮光膜23が形成され、波長変換部材13が、透光性部材22の上面および下面のそれぞれに配置されている。透光性部材22の上面に配置された波長変換部材13は、透光性部材22の下面に配置された波長変換部材13とは異なる発光ピーク波長を有する。
【0093】
本変形例では、遮光部材2eが備える透光性部材22に波長変換部材13を配置することで、発光素子12と遮光部材2eとの間に波長変換部材13を配置するスペースを削減できるため、スペースを有効活用し、小型化した発光装置100eを提供することができる。なお、これ以外の作用効果は、第2実施形態の作用効果とほぼ同じである。
【0094】
(第5変形例)
図20は、第5変形例に係る発光装置100fの模式的断面図である。
図20は、光源1の発光部10と遮光部材2の開口21とを含む発光装置100fの断面を模式的に示している。
【0095】
本変形例では、発光装置100fが、開口21が形成された遮光部材2に加え、上面および下面の少なくとも一方に遮光膜23が配置された透光性部材22をさらに備える点が、第2実施形態と異なる。
【0096】
図20に示す例では、透光性部材22は、遮光部材2と発光素子12の間に配置されている。透光性部材22の上面および下面のそれぞれには、遮光膜23が配置されている。また、透光性部材22の上面および下面のそれぞれの領域には、開口21が形成された間隔とほぼ同じ間隔で遮光膜23が配置されていない領域が設けられている。さらに、透光性部材22の上面および下面には、波長変換部材13が配置されている。透光性部材22の上面に配置された波長変換部材13は、透光性部材22の下面に配置された波長変換部材13とは異なる発光ピーク波長を有する。なお、透光性部材22は、遮光部材2を挟んで発光素子12が位置する側とは反対側に配置されてもよい。
【0097】
本変形例においても、第2実施形態の作用効果とほぼ同じ作用効果が得られる。
【0098】
(第6変形例)
図21は、第6変形例に係る発光装置100gの模式的断面図である。
図21は、光源1の発光部10と遮光部材2の開口21とを含む発光装置100gの断面を模式的に示している。
【0099】
本変形例では、少なくとも一部が光源1と遮光部材2との間に配置されるとともに、上面視において複数の開口21それぞれの周囲に配置される壁24を有する点が、第3変形例と異なる。
【0100】
壁24は、例えば、上面視における形状が略矩形である筒状部材である。壁24は、開口21の内部に配置されることにより配置される。但し、壁24は、遮光部材2において、発光素子12が位置する側に突出するように形成された開口21の外縁部分によって構成されてもよい。
【0101】
壁24は、金属材料または樹脂材料等から構成される。壁24は遮光性を有し、壁24の遮光率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがよりいっそう好ましい。
【0102】
本変形例では、発光装置100gが壁24を備えることで、複数の発光部10それぞれから発せられる光同士のクロストークを低減できるため、発光装置100gから出射される光により形成される照射パターンまたは画像のコントラストを高くすることができる。なお、これ以外の作用効果は第3変形例の作用効果とほぼ同じである。また、本変形例は、第3変形例の他、第5変形例とも組み合わせることができる。
【0103】
(第7変形例)
図22は、第7変形例に係る発光装置100hの模式的断面図である。
図22は、光源1の発光部10と遮光部材2の開口21とを含む発光装置100hの断面を模式的に示している。
【0104】
本変形例では、上面視において、複数の発光素子12それぞれの周囲に配置される隔壁14を有する点が、第3変形例と異なる。
【0105】
隔壁14は、例えば、上面視において、複数の発光素子12それぞれの周囲に形成され、略矩形形状を有する筒状の部分である。隔壁14の一部は、遮光部材2と発光素子12との間に配置されるように、発光素子12の上面に対して遮光部材2が位置する側に突出していてもよい。
【0106】
隔壁14は、金属材料または樹脂材料等から構成される。隔壁14は遮光性を有し、隔壁14の遮光率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがよりいっそう好ましい。
【0107】
本変形例では、発光装置100hが隔壁14を備えることで、複数の発光部10それぞれから発せられる光同士のクロストークを低減できるため、発光装置100hから出射される光により形成される照射パターンまたは画像のコントラストを高くすることができる。これ以外の作用効果は第3変形例の作用効果とほぼ同じである。また、本変形例は、第3変形例の他、第4~5変形例のそれぞれとも組み合わせることができる。
【0108】
(第8変形例)
図23は、第8変形例に係る発光装置100iの模式的断面図である。
図23は、光源1の発光部10と遮光部材2iの開口21とを含む発光装置100hの断面を模式的に示している。
【0109】
本変形例では、発光装置100iが備える遮光部材2iにおいて、複数の開口21同士の間隔が異なり、かつ開口21の幅が異なる点が、第3変形例と異なる。
【0110】
図23に示す例では、遮光部材2iにおける複数の開口21同士の間隔には、間隔P1と間隔P2とが含まれる。また開口21のX方向における幅には、幅Wx21とWx22とが含まれる。
【0111】
本変形例においても、第3変形例の作用効果とほぼ同じ作用効果が得られる。また、別の観点では、以下のことが言える。すなわち、実施形態に係る発光装置が複数の開口21と複数の発光面11とを備える場合に、開口21の開口面積が光源1の発光面11の面積よりも小さければ、X方向またはY方向における複数の開口21の幅は、必ずしも同じでなくてよい。また、実施形態に係る発光装置が複数の開口21と複数の発光面11とを備える場合に、開口21の開口面積が光源1の発光面11の面積よりも小さければ、複数の開口21同士の間隔は、必ずしも同じでなくてよい。
【0112】
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形および置換を加えることができる。
【0113】
実施形態の説明で用いた序数、数量等の数字は、全て本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の機能を実現する接続関係をこれに限定するものではない。
【0114】
本開示の発光装置は、高精細に配光を制御可能であるので、プロジェクタやディスプレイ等の表示装置、自動車や電車、自転車等の車両用灯具、ヘリコプターやドローン等の飛行体用灯具、屋内または屋外における各種の照明装置、懐中電灯等の人が装着または把持する灯具等として好適に利用できる。車両用灯具の場合には、自動車のヘッドライトに限らず、コミュニケーションランプやデイタイム・ランニング・ランプ等、種々の用途に利用することができる。
【0115】
本開示の態様は、例えば、以下のとおりである。
<項1> 発光面を有する光源と、前記光源の上方に配置され、開口が設けられた遮光部材と、を備え、前記遮光部材は、上面視において、前記開口が前記光源の前記発光面と重なる第1位置と、前記開口が前記光源の前記発光面と重なり、かつ前記第1位置とは異なる第2位置と、の間を移動可能であり、前記光源は、前記遮光部材が前記第1位置にあるときに第1条件で点灯制御可能であり、前記遮光部材が前記第2位置にあるときに第2条件で点灯制御可能である、発光装置である。
<項2> 前記開口の開口面積は、前記光源の前記発光面の面積よりも小さい、前記<項1>に記載の発光装置である。
<項3> 上面視において、前記遮光部材が前記第1位置にあるときの前記開口の位置と、前記遮光部材が前記第2位置にあるときの前記開口の位置は、重ならない、前記<項1>または前記<項2>に記載の発光装置である。
<項4> 前記第1条件および前記第2条件のそれぞれは、前記光源が点灯および消灯の少なくとも一方を規定する条件である、前記<項1>から前記<項3>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項5> 前記光源は、発光素子と、上面視において前記発光素子の全部を覆うように前記発光素子の上方に配置された波長変換部材と、を備え、前記光源の前記発光面は、前記波長変換部材から構成される、前記<項1>から前記<項4>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項6> 前記光源は、発光素子と、上面視において前記発光素子の一部が露出するように前記発光素子の上方に配置された波長変換部材と、を備え、前記光源の前記発光面は、前記発光素子と前記波長変換部材とから構成される、前記<項1>から前記<項5>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項7> 前記波長変換部材は、異なる発光ピーク波長を有する複数の波長変換部材を含み、前記複数の波長変換部材は、上面視においてそれぞれ重ならない位置に配置される、前記<項5>に記載の発光装置である。
<項8> 前記波長変換部材は、異なる発光ピーク波長を有する複数の波長変換部材を含み、前記複数の波長変換部材は、上面視において重ならない位置に配置される、前記<項6>に記載の発光装置である。
<項9> 前記遮光部材は、透光性部材と、前記透光性部材に配置された遮光膜と、を含み、前記開口は、前記透光性部材において前記遮光膜が配置されていない領域から構成される、前記<項1>から前記<項8>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項10> 前記光源は、発光素子を備え、前記遮光部材の前記開口に波長変換部材が配置されている、前記<項1>から前記<項9>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項11> 前記光源は、それぞれが前記発光面を有する複数の発光部を有し、前記遮光部材に、前記複数の発光部に対応する複数の前記開口が設けられている、前記<項1>から前記<項10>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項12> 少なくとも一部が前記光源と前記遮光部材との間に配置されるとともに、上面視において複数の前記開口それぞれの周囲に配置される壁を有する、前記<項11>に記載の発光装置である。
<項13> 前記複数の発光部は、複数の発光素子を有し、上面視において、前記複数の発光素子それぞれの周囲に配置される隔壁を有する、前記<項11>に記載の発光装置である。
<項14> 前記遮光部材は、前記開口が前記光源の前記発光面と重なり、かつ複数の位置を移動可能であり、前記光源は、前記複数の位置それぞれに前記開口が配置されることに同期して点灯制御可能である、前記<項1>から前記<項13>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項15> 前記複数の位置は、前記第1位置と前記第2位置とを含み、前記遮光部材は、前記複数の位置を周回移動可能であり、前記遮光部材の前記第1位置から前記第2位置への移動時間は、前記遮光部材の周回移動の周期よりも短い、前記<項14>に記載の発光装置である。
<項16> 前記遮光部材の周回移動の周期は、前記遮光部材の前記第1位置から前記第2位置への移動時間の自然数倍である、前記<項15>に記載の発光装置である。
<項17> 前記遮光部材を駆動させる駆動部を備える、前記<項1>から前記<項16>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項18> 前記駆動部は、圧電素子を含む、前記<項17>に記載の発光装置である。
【符号の説明】
【0116】
1 光源
10 発光部
11、11a 発光面
12 発光素子
13 波長変換部材
14 隔壁
2、2c、2e、2i 遮光部材
21 開口
22 透光性部材
23 遮光膜
24 壁
3 駆動部
31 第1駆動部
32 第2駆動部
41 第1弾性部材
42 第2弾性部材
5 支持部材
6 被覆部材
7 基板
100、100b~100i 発光装置
100-1~100-10 状態
111~114、11a-1~11a-6 疑似発光面
131~133 波長変換部材
201~204 矢印
Wx1、Wy1、Wx2、Wy2、Wx21、Wx22 幅
P1、P2 間隔