(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172294
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】二酸化炭素を回収する方法、及びガス処理装置
(51)【国際特許分類】
B01D 53/14 20060101AFI20241205BHJP
B01D 53/18 20060101ALI20241205BHJP
B01D 53/56 20060101ALI20241205BHJP
B01D 53/62 20060101ALI20241205BHJP
B01D 53/78 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B01D53/14 210
B01D53/18 150
B01D53/56 200
B01D53/62 ZAB
B01D53/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089907
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】521297587
【氏名又は名称】UBE三菱セメント株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140578
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】松島 正明
(72)【発明者】
【氏名】田中 祐太朗
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 智彦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 佳典
(72)【発明者】
【氏名】中村 建翔
(72)【発明者】
【氏名】樋口 敬太
【テーマコード(参考)】
4D002
4D020
【Fターム(参考)】
4D002AA09
4D002AA12
4D002AC05
4D002AC10
4D002BA02
4D002CA01
4D002DA01
4D002DA02
4D002DA03
4D002DA05
4D002DA07
4D002DA12
4D002DA16
4D002DA38
4D002DA52
4D002EA01
4D002EA02
4D002EA07
4D002FA01
4D002GA01
4D002GB01
4D002GB02
4D002GB08
4D002GB09
4D002GB11
4D002HA01
4D020AA03
4D020AA05
4D020BA01
4D020BA02
4D020BA03
4D020BA08
4D020BA09
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4D020CB25
4D020CC21
4D020DA03
4D020DB01
4D020DB03
4D020DB06
4D020DB07
4D020DB08
(57)【要約】
【課題】本開示は、二酸化炭素及び窒素酸化物を含む混合ガスから二酸化炭素を回収する場合において、二酸化炭素の高い濃度を維持しながら、混合ガスから予め窒素酸化物を除去することに関する。
【解決手段】炭酸水素イオン及び酸化剤を含むアルカリ水溶液を準備することと、アルカリ水溶液を、二酸化炭素及び窒素酸化物を含む混合ガスと接触させ、それにより混合ガスにおける窒素酸化物の濃度を低下させることと、アルカリ水溶液と接触した後の前記混合ガスから二酸化炭素を回収することとを含む、二酸化炭素を回収する方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸水素イオン及び酸化剤を含むアルカリ水溶液を準備することと、
前記アルカリ水溶液を、二酸化炭素及び窒素酸化物を含む混合ガスと接触させ、それにより前記混合ガスにおける窒素酸化物の濃度を低下させることと、
前記アルカリ水溶液と接触した後の前記混合ガスから二酸化炭素を回収することと、
を含む、
二酸化炭素を回収する方法。
【請求項2】
前記アルカリ水溶液と接触した後、二酸化炭素が回収される前の前記混合ガスにおける二酸化炭素の濃度が、前記混合ガスの体積を基準として8.0体積%以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記混合ガスと接触する前の前記アルカリ水溶液における前記炭酸水素イオンの濃度が、前記アルカリ水溶液の体積を基準として0.30mol/L以上1.5mol/L以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記酸化剤が過マンガン酸カリウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
炭酸水素イオン及び酸化剤を含み、請求項1に記載の方法において前記混合ガスと接触させるために用いられる、二酸化炭素回収用アルカリ水溶液。
【請求項6】
前記炭酸水素イオンの濃度が、前記アルカリ水溶液の体積を基準として0.30mol/L以上1.5mol/L以下である、請求項5に記載の二酸化炭素回収用アルカリ水溶液。
【請求項7】
前記酸化剤が過マンガンカリウムを含む、請求項5に記載の二酸化炭素回収用アルカリ水溶液。
【請求項8】
炭酸水素イオン及び酸化剤を含むアルカリ水溶液を二酸化炭素及び窒素酸化物を含む混合ガスと接触させる気液接触部と、
前記アルカリ水溶液と接触した後の前記混合ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収部と、
を備える、ガス処理装置。
【請求項9】
前記気液接触部が、前記アルカリ水溶液を含む湿式スクラバーである、請求項8に記載のガス処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、二酸化炭素を回収する方法、及びガス処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
排ガス中の二酸化炭素を回収する処理において、酸性ガスを予め除去するために、脱硫装置及び脱硝装置によって排ガスが前処理されることがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排ガス中から効率よく二酸化炭素を回収するためには、高い濃度で二酸化炭素を含む排ガスから二酸化炭素回収装置で二酸化炭素を回収することが望ましい。そこで本開示は、二酸化炭素及び窒素酸化物を含む混合ガスから二酸化炭素を回収する場合において、二酸化炭素の高い濃度を維持しながら、混合ガスから予め窒素酸化物を除去することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は以下を含む。
[1]
炭酸水素イオン及び酸化剤を含むアルカリ水溶液を準備することと、
前記アルカリ水溶液を、二酸化炭素及び窒素酸化物を含む混合ガスと接触させ、それにより前記混合ガスにおける窒素酸化物の濃度を低下させることと、
前記アルカリ水溶液と接触した後の前記混合ガスから二酸化炭素を回収することと、
を含む、
二酸化炭素を回収する方法。
[2]
前記アルカリ水溶液と接触した後、二酸化炭素が回収される前の前記混合ガスにおける二酸化炭素の濃度が、前記混合ガスの体積を基準として8.0体積%以上である、[1]に記載の方法。
[3]
前記混合ガスと接触する前の前記アルカリ水溶液における前記炭酸水素イオンの濃度が、前記アルカリ水溶液の体積を基準として0.30mol/L以上1.5mol/L以下である、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]
前記酸化剤が過マンガン酸カリウムを含む、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
炭酸水素イオン及び酸化剤を含み、[1]~[4]のいずれかに記載の方法において前記混合ガスと接触させるために用いられる、二酸化炭素回収用アルカリ水溶液。
[6]
前記炭酸水素イオンの濃度が、前記アルカリ水溶液の体積を基準として0.30mol/L以上1.5mol/L以下である、[5]に記載の二酸化炭素回収用アルカリ水溶液。
[7]
前記酸化剤が過マンガンカリウムを含む、[5]又は[6]に記載の二酸化炭素回収用アルカリ水溶液。
[8]
炭酸水素イオン及び酸化剤を含むアルカリ水溶液を二酸化炭素及び窒素酸化物を含む混合ガスと接触させる気液接触部と、
前記アルカリ水溶液と接触した後の前記混合ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収部と、
を備える、ガス処理装置。
[9]
前記気液接触部が、前記アルカリ水溶液を含む湿式スクラバーである、[8]に記載のガス処理装置。
【発明の効果】
【0006】
二酸化炭素及び窒素酸化物を含む混合ガスから二酸化炭素を回収する場合において、二酸化炭素の高い濃度を維持しながら、混合ガスから予め窒素酸化物を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】混合ガスから窒素酸化物を除去する試験のための装置を示す模式図である。
【
図3】CO
2除去率及びNO
X除去率を示すグラフである。
【
図4】NaHCO
3濃度が異なるアルカリ水溶液によるCO
2除去率及びNO
X除去率を示すグラフである。
【
図5】KMnO
4を含みNaHCO
3濃度が異なるアルカリ水溶液によるCO
2除去率及びNO
X除去率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は以下の例に限定されない。
【0009】
図1は、二酸化炭素及び窒素酸化物を含む混合ガスから二酸化炭素を回収するためのガス処理装置の例を示す模式図である。
図1に示されるガス処理装置5は、主として、気液接触部1及び二酸化炭素回収部2と、これらを接続する配管とを有する。気液接触部1はアルカリ水溶液を含む。気液接触部1において、アルカリ水溶液を、二酸化炭素及び窒素酸化物を含む混合ガスG
0と接触させる。アルカリ水溶液との接触により、混合ガスG
0中の窒素酸化物の一部がアルカリ水溶液に溶解し、その結果、混合ガスG
0における窒素酸化物の濃度が低下する。アルカリ水溶液と接触した後の混合ガスG
1が気液接触部1から排出され、配管を経て二酸化炭素回収部2まで送られる。二酸化炭素回収部2は、混合ガスG
1から二酸化炭素を回収する。二酸化炭素が回収された後の混合ガスG
2が二酸化炭素回収部2から排出される。
【0010】
気液接触部1に導入される混合ガスG0は、二酸化炭素(CO2)及び窒素酸化物(NOX)を含む排ガスであってもよい。例えば、混合ガスG0がセメント工場から排出された排ガスであってもよい。混合ガスG0における二酸化炭素の濃度が、混合ガスG0の体積を基準として、例えば8体積%以上30体積%以下、又は12体積%以上20体積%以下であってもよい。混合ガスG0における窒素酸化物の濃度が、混合ガスG0の体積を基準として、例えば30体積ppm以上1500体積ppm以下、又は50体積ppm以上400体積ppm以下であってもよい。混合ガスG0は、硫黄酸化物等のその他の酸性ガスを更に含んでもよく、窒素等のその他のガスを更に含んでもよい。混合ガスG0が、予め除湿されていてもよい。
【0011】
気液接触部1は、気体と液体を接触させることのできる任意の処理装置であることができる。例えば、気液接触部1が、ガス入口及びガス出口が設けられた処理塔と、処理塔内に配置されたアルカリ水溶液とから構成される湿式スクラバーであってもよい。
【0012】
気液接触部1に配置され、混合ガスG0と接触する前のアルカリ水溶液は、水と、炭酸水素イオン(HCO3
-)と、酸化剤とを含有する。二酸化炭素は、炭酸水素イオンを含有するアルカリ水溶液に対して比較的溶解し難い。また、酸化剤は、窒素酸化物のアルカリ水溶液への溶解を促進する。そのため、混合ガスG0における二酸化炭素濃度を大きく低下させることなく、窒素酸化物を混合ガスG0から効率的に除去することができる。混合ガスG0が硫黄酸化物を含む場合、気液接触部1において硫黄酸化物もアルカリ水溶液に吸収され得る。アルカリ水溶液が、炭酸イオン(CO3
2-)を更に含んでもよい。
【0013】
混合ガスG0における窒素酸化物の濃度は、アルカリ水溶液との接触により低下する。ただし、混合ガスG0中の窒素酸化物の全量が除去されなくてもよい。処理前の混合ガスG0における窒素酸化物のうち、気液接触部1において除去される窒素酸化物の割合である窒素酸化物除去率が、例えば5.0体積%以上又は10体積%以上であってもよく、100体積%以下、90体積%以下、80体積%以下、又は70体積%以下であってもよい。
【0014】
アルカリ水溶液において、炭酸水素イオンの濃度が大きいと、混合ガスG0における二酸化炭素の濃度がより高く維持され易い傾向がある。そのため、炭酸水素イオンの濃度が、アルカリ水溶液の体積を基準として0.10mol/L以上、0.15mol/L以上、0.20mol/L以上、0.25mol/L以上、0.30mol/L以上、0.35mol/L以上、0.40mol/L以上、又は0.45mol/L以上であってもよい。炭酸水素イオンの濃度が、1.5mol/L以下、又は1.0mol/L以下であってもよい。アルカリ水溶液が炭酸水素イオン及び炭酸イオンを含む場合、炭酸水素イオン及び炭酸イオンの合計濃度が、上記数値範囲内であってもよい。アルカリ水溶液が、これらの範囲のアニオンの濃度に相当する量の1種以上のアルカリ化合物を水に溶解させることを含む方法により準備された水溶液であってもよい。アルカリ水溶液を調製するために用いられるアルカリ化合物の例としては、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、炭酸水素カリウム(KHCO3)、炭酸水素カルシウム(Ca(HCO3)2)、及び炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3)が挙げられる。
【0015】
アルカリ水溶液に含まれる酸化剤は水溶性であってもよく、その例としては、過マンガン酸カリウム(KMnO4)、及び過酸化水素(H2O2)が挙げられる。アルカリ水溶液における酸化剤の濃度は、窒素酸化物の除去率等に基づいて調整することができる。例えば、アルカリ水溶液における酸化剤の濃度が、アルカリ水溶液の体積を基準として0.005mol/L以上0.3mol/L以下、又は0.01mol/L以上0.1mol/L以下であってもよい。
【0016】
混合ガスG0における高い二酸化炭素濃度の維持、及び窒素酸化物の効率的な除去の観点から、アルカリ水溶液のpHが、6.5以上10以下、又は7.5以上9.0以下であってもよい。
【0017】
アルカリ水溶液は、主として水を溶媒として含むが、その他の溶媒を更に含んでもよい。アルカリ水溶液中の溶媒のうち水の割合が、90質量%以上、又は95質量%以上であってもよく、実質的に100質量%であってもよい。
【0018】
気液接触部1において混合ガスG0と接触するアルカリ水溶液の温度は、例えば10℃以上60℃以下であってもよい。気液接触部1に導入される混合ガスG0の温度は、例えば20℃以上50℃以下であってもよい。
【0019】
混合ガスGOを気液接触部1に連続的に導入してもよい。その場合、アルカリ水溶液の体積(mL)に対する、気液接触部1に導入される混合ガスG0の流速(mL/h)の比(空間速度)が、50h-1以上250h-1以下であってもよい。
【0020】
本開示に係る方法によれば、アルカリ水溶液と接触した後、二酸化炭素回収部2に導入される中間の混合ガスG1において、比較的高い二酸化炭素濃度を維持することができる。例えば、混合ガスG1における二酸化炭素の濃度が、混合ガスG1の体積を基準として、8.0体積%以上、9.0体積%以上、10体積%以上、11体積%以上、12体積%以上、13体積%以上、14体積%以上、又は15体積%以上であることができる。混合ガスG1における二酸化炭素の濃度の上限は特に制限されないが、例えば20体積%程度である。
【0021】
二酸化炭素回収部2は、特に制限されず、混合ガスから二酸化炭素を回収することのできる通常の装置であることができる。例えば、二酸化炭素回収部2が、二酸化炭素を吸収する吸収液が設けられた装置であってもよい。二酸化炭素回収部2において、比較的高い濃度で二酸化炭素を含む混合ガスから二酸化炭素を回収することにより、効率よく二酸化炭素を得ることができる。予め窒素酸化物が除去されていることは、二酸化炭素回収部2の劣化を抑制し、安定した二酸化炭素回収に寄与することができる。
【0022】
(検証試験)
排ガスから窒素酸化物を除去する以下の試験により、本開示に係る方法による効果を検証した。ただし、本発明は以下の例に限定されない。
【0023】
図2に示される試験装置を用いて、約25℃の環境下で、二酸化炭素及び窒素酸化物を含む混合ガスG
0から窒素酸化物を除去する試験を行った。
図2に示される試験装置は、アルカリ水溶液10を含む気液接触部1と、気液接触部1の上流側及び下流側にそれぞれ設けられたトラップ21A及び21Bとを有する。トラップ21Aは主に逆流を防止するために設けられている。トラップ21Bは、主に、アルカリ水溶液10と接触した後の混合ガスG
1を除湿するために設けられている。トラップ21Bの下流側に、ポンプ22、及び流量計23が設けられている。
【0024】
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び水酸化ナトリウムから選ばれるアルカリ化合物を表1に示される濃度で含む#1~#11のアルカリ水溶液10を準備した。#5~#7、#10及び#11のアルカリ水溶液は、酸化剤として過マンガン酸カリウムを更に含んでいた。各アルカリ水溶液のpHは7.9~13.5の範囲内であった。比較のため、過マンガン酸カリウムのみを含む水溶液(#4)、又はアルカリ化合物を含まない中性の水(#12)をアルカリ水溶液に代えて用いた試験も行った。
【0025】
気液接触部1において、200mLのアルカリ水溶液10を容器15に収容した。混合ガスG0として、除湿した工場排ガスを準備した。混合ガスG0を流速0.5L/min、空間速度150h-1の条件で20分間、アルカリ水溶液10内に導入した。導入された混合ガスG0の総量は10Lであった。アルカリ水溶液10と接触した後の混合ガスG1を、ガスパック24Aに採取した。また、混合ガスG0を、アルカリ水溶液10と接触させることなく、流量計23を介してそのままガスパック24Bに採取した。
【0026】
ガスパック24A又は24Bに採取された混合ガスにおける二酸化炭素(CO2)及び窒素酸化物(NOX)の濃度を測定した。ガスパック24Aに採取された処理後の混合ガスにおけるCO2及びNOXの濃度と、ガスパック24Bに採取された未処理の混合ガスにおけるCO2及びNOXの濃度から、未処理の混合ガスから除去された各ガスの割合を算出し、それらをCO2除去率及びNOX除去率とした。結果が表1に示される。
【0027】
【0028】
図3は、#1~#7の各アルカリ水溶液によるCO
2除去率及びNO
X除去率を示すグラフである。炭酸水素イオンを含む#3及び#7のアルカリ水溶液は、極めて小さなCO
2除去率を示した。更に、炭酸水素イオン及び酸化剤を含む#7のアルカリ水溶液は、極めて小さなCO
2除去率を維持しながら相乗的に高いNO
X除去率を示すことが確認された。
【0029】
図4は、NaHCO
3濃度が異なる#3、#8及び#9のアルカリ水溶液によるCO
2除去率及びNO
X除去率を示すグラフである。
図5は、KMnO
4を含みNaHCO
3濃度が異なる#7、#10及び#11のアルカリ水溶液によるCO
2除去率及びNO
X除去率を示すグラフである。CO
2除去率が負の値であることは、CO
2がアルカリ水溶液から放出されたことを意味する。
図4及び
図5から、NaHCO
3濃度が0.5~1.0mol/Lの間において、実質的にアルカリ水溶液にCO
2が吸収されない濃度が存在することが示唆される。
【符号の説明】
【0030】
1…気液接触部、2…二酸化炭素回収部、5…ガス処理装置、10…アルカリ水溶液、15…容器、21A,21B…トラップ、22…ポンプ、23…流量計、24A,24B…ガスパック、G0…混合ガス(未処理)、G1…混合ガス(アルカリ水溶液と接触後)、G2…混合ガス(二酸化炭素回収後)。