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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172336
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】研磨ヘッドおよび研磨システム
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/30 20120101AFI20241205BHJP
   B24B 37/005 20120101ALI20241205BHJP
   B24B 37/10 20120101ALI20241205BHJP
【FI】
B24B37/30 E
B24B37/005 A
B24B37/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089989
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100174089
【弁理士】
【氏名又は名称】郷戸 学
(74)【代理人】
【識別番号】100186749
【弁理士】
【氏名又は名称】金沢 充博
(72)【発明者】
【氏名】加藤 裕一
(72)【発明者】
【氏名】小畠 厳貴
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 暢行
(72)【発明者】
【氏名】富樫 真吾
(72)【発明者】
【氏名】西田 弘明
【テーマコード(参考)】
3C158
【Fターム(参考)】
3C158AA07
3C158AA12
3C158AA14
3C158AB04
3C158AC04
3C158BA05
3C158BB02
3C158BC01
3C158BC02
3C158CB01
3C158DA12
3C158DA17
3C158EA11
3C158EA13
3C158EA23
3C158EB01
(57)【要約】
【課題】ウェーハの膜厚プロファイルを精度よく制御することができる研磨ヘッドが提供される。
【解決手段】研磨ヘッドPHは、複数の押圧アクチュエーター50Aと、アクチュエーター動作制御部55と、アクチュエーター支持部52と、弾性ホルダー58と、を備える。アクチュエーター動作制御部55は、ヘッド本体49に搭載されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の特定部位を独立して押圧する複数の押圧アクチュエーターと、
前記複数の押圧アクチュエーターのそれぞれの動作を制御するアクチュエーター動作制御部と、
前記複数の押圧アクチュエーターを支持するアクチュエーター支持部を備えるヘッド本体と、
前記アクチュエーター支持部を保持する弾性ホルダーと、を備え、
前記アクチュエーター動作制御部は、前記ヘッド本体に搭載されている、研磨ヘッド。
【請求項2】
前記複数の押圧アクチュエーターは、前記アクチュエーター支持部の半径方向および円周方向に沿って敷き詰められている、請求項1に記載の研磨ヘッド。
【請求項3】
前記弾性ホルダーは、袋状のエアバッグを備えている、請求項1に記載の研磨ヘッド。
【請求項4】
前記エアバッグは、同心円状に配置された複数の加圧室を有している、請求項3に記載の研磨ヘッド。
【請求項5】
前記弾性ホルダーは、前記ヘッド本体に固定された弾性シートを備えている、請求項1に記載の研磨ヘッド。
【請求項6】
前記研磨ヘッドは、前記アクチュエーター支持部の移動方向を前記押圧アクチュエーターの押圧方向に沿った方向に規制するリニアガイド部材を備えている、請求項1に記載の研磨ヘッド。
【請求項7】
前記アクチュエーター動作制御部は、前記アクチュエーター支持部に搭載されている、請求項1に記載の研磨ヘッド。
【請求項8】
前記アクチュエーター動作制御部は、前記ヘッド本体のフランジ部に搭載されている、請求項1に記載の研磨ヘッド。
【請求項9】
前記ヘッド本体は、前記弾性ホルダーと前記ヘッド本体のフランジ部との間に形成された空間を有しており、
前記アクチュエーター動作制御部は、前記空間に配置されている、請求項1に記載の研磨ヘッド。
【請求項10】
基板の特定部位を独立して押圧する複数の押圧アクチュエーターと、
前記複数の押圧アクチュエーターを支持するアクチュエーター支持部を備えるヘッド本体と、
前記アクチュエーター支持部を保持する弾性ホルダーと、
前記複数の押圧アクチュエーターを覆う弾性カバーと、を備える、研磨ヘッド。
【請求項11】
前記弾性カバーは、その内部に真空を形成することにより、前記複数の押圧アクチュエーターのうち、互いに隣接する押圧アクチュエーターの間に前記弾性カバーの吸着空間を形成して前記基板を吸着する、請求項10に記載の研磨ヘッド。
【請求項12】
前記複数の押圧アクチュエーターは、前記アクチュエーター支持部の半径方向および円周方向に沿って敷き詰められている、請求項10に記載の研磨ヘッド。
【請求項13】
前記弾性ホルダーは、袋状のエアバッグを備えている、請求項10に記載の研磨ヘッド。
【請求項14】
前記エアバッグは、同心円状に配置された複数の加圧室を有している、請求項13に記載の研磨ヘッド。
【請求項15】
前記弾性ホルダーは、前記ヘッド本体に固定された弾性シートを備えている、請求項10に記載の研磨ヘッド。
【請求項16】
前記研磨ヘッドは、前記アクチュエーター支持部の移動方向を前記押圧アクチュエーターの押圧方向に沿った方向に規制するリニアガイド部材を備えている、請求項10に記載の研磨ヘッド。
【請求項17】
前記研磨ヘッドは、前記複数の押圧アクチュエーターのそれぞれの動作を制御するアクチュエーター動作制御部を備えており、
前記アクチュエーター動作制御部は、前記ヘッド本体に搭載されている、請求項10に記載の研磨ヘッド。
【請求項18】
基板の特定部位を独立して押圧する複数の押圧アクチュエーターを覆う弾性カバーの内部に真空を形成することにより、前記複数の押圧アクチュエーターのうち、互いに隣接する押圧アクチュエーターの間に前記弾性カバーの吸着空間を形成して前記基板を吸着し、
前記基板を吸着した状態で、前記基板を研磨パッドの研磨面の上方に搬送し、
前記複数の押圧アクチュエーターを支持するアクチュエーター支持部を保持する弾性ホルダーに加圧流体を供給して、前記複数の押圧アクチュエーターを前記アクチュエーター支持部とともに前記研磨面に近接させ、
前記アクチュエーター支持部に搭載されたアクチュエーター動作制御部を通じて、前記複数の押圧アクチュエーターの少なくとも1つを動作させて、前記基板を前記研磨面に押し付ける、研磨システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨ヘッドおよび研磨システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の半導体デバイスの製造における各工程への要求精度は、既に数nmのオーダに達しており、化学機械研磨(CMP)もその例外ではない。また、半導体集積回路の高集積化に伴い、微細化、多層化がますます加速している。
【0003】
したがって、これらの微細化や多層化を実現するには、CMP研磨においても、ウェーハの全面において、CMP研磨後の膜厚のばらつきを数nmオーダのばらつきに収めることが課題として求められている。
【0004】
上述した要求を達成するためには、例えば、チップサイズレベルの分解能を有する膜厚プロファイルの制御が可能な研磨方式が必要となる。ここで、ウェーハに膜を形成する工程は、めっき、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)などの種々の成膜技術を用いて行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-112797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの成膜技術では、ウェーハの全面に亘って膜が均一に形成されないことがある。例えば、ウェーハの周方向に沿って膜厚のばらつきがあることもある。また、従来の研磨ヘッドは、ウェーハの半径方向に沿った押圧力を独立に変化させることができるので、ウェーハの半径方向の膜厚プロファイルを制御することは可能である。
【0007】
しかしながら、圧力室は同心状に配置されているので、ウェーハの周方向に沿った押圧力を制御することができず、周方向における膜厚プロファイルを制御することができない。これに対しては、圧力室を周方向に分割する方法も考えられるが、圧力室の寸法および各圧力室への圧縮気体の供給ライン数には実質的に制限がある。したがって、チップサイズレベルの分解能を有する膜厚プロファイルの制御は困難である。
【0008】
近年、上記の課題を解決する手段として、チップサイズの圧電素子などのアクチュエーターによって部分的な圧力制御を行う研磨ヘッドが開発されている。しかしながら、小さな伸縮率を有するアクチュエーターで加圧する方式の場合、アクチュエーターを取り付ける部分の面精度や傾き、取付誤差によってストローク誤差が生じる可能性がある。
【0009】
この場合、アクチュエーターを伸縮させて、ストローク誤差を補正した後に、さらに、必要な圧力分だけアクチュエーターを伸縮させる。したがって、アクチュエーターの伸縮量が不足するおそれがある。この場合、ウェーハに対して十分な押圧力を付与することができず、ウェーハの膜厚プロファイルを精度よく制御することができないおそれがある。
【0010】
そこで、本発明は、ウェーハの膜厚プロファイルを精度よく制御することができる研磨ヘッドおよび研磨システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一態様では、基板の特定部位を独立して押圧する複数の押圧アクチュエーターと、前記複数の押圧アクチュエーターのそれぞれの動作を制御するアクチュエーター動作制御部と、前記複数の押圧アクチュエーターを支持するアクチュエーター支持部を備えるヘッド本体と、前記アクチュエーター支持部を保持する弾性ホルダーと、を備える研磨ヘッドが提供される。前記アクチュエーター動作制御部は、前記ヘッド本体に搭載されている。
【0012】
一態様では、前記複数の押圧アクチュエーターは、前記アクチュエーター支持部の半径方向および円周方向に沿って敷き詰められている。
一態様では、前記弾性ホルダーは、袋状のエアバッグを備えている。
一態様では、前記エアバッグは、同心円状に配置された複数の加圧室を有している。
【0013】
一態様では、前記弾性ホルダーは、前記ヘッド本体に固定された弾性シートを備えている。
一態様では、前記研磨ヘッドは、前記アクチュエーター支持部の移動方向を前記押圧アクチュエーターの押圧方向に沿った方向に規制するリニアガイド部材を備えている。
一態様では、前記アクチュエーター動作制御部は、前記アクチュエーター支持部に搭載されている。
【0014】
一態様では、前記アクチュエーター動作制御部は、前記ヘッド本体のフランジ部に搭載されている。
一態様では、前記ヘッド本体は、前記弾性ホルダーと前記ヘッド本体のフランジ部との間に形成された空間を有しており、前記アクチュエーター動作制御部は、前記空間に配置されている。
【0015】
一態様では、基板の特定部位を独立して押圧する複数の押圧アクチュエーターと、前記複数の押圧アクチュエーターを支持するアクチュエーター支持部を備えるヘッド本体と、前記アクチュエーター支持部を保持する弾性ホルダーと、前記複数の押圧アクチュエーターを覆う弾性カバーと、を備える、研磨ヘッドが提供される。
【0016】
一態様では、前記弾性カバーは、その内部に真空を形成することにより、前記複数の押圧アクチュエーターのうち、互いに隣接する押圧アクチュエーターの間に前記弾性カバーの吸着空間を形成して前記基板を吸着する。
一態様では、前記複数の押圧アクチュエーターは、前記アクチュエーター支持部の半径方向および円周方向に沿って敷き詰められている。
一態様では、前記弾性ホルダーは、袋状のエアバッグを備えている。
【0017】
一態様では、前記エアバッグは、同心円状に配置された複数の加圧室を有している。
一態様では、前記弾性ホルダーは、前記ヘッド本体に固定された弾性シートを備えている。
一態様では、前記研磨ヘッドは、前記アクチュエーター支持部の移動方向を前記押圧アクチュエーターの押圧方向に沿った方向に規制するリニアガイド部材を備えている。
一態様では、前記研磨ヘッドは、前記複数の押圧アクチュエーターのそれぞれの動作を制御するアクチュエーター動作制御部を備えており、前記アクチュエーター動作制御部は、前記ヘッド本体に搭載されている。
【0018】
一態様では、基板の特定部位を独立して押圧する複数の押圧アクチュエーターを覆う弾性カバーの内部に真空を形成することにより、前記複数の押圧アクチュエーターのうち、互いに隣接する押圧アクチュエーターの間に前記弾性カバーの吸着空間を形成して前記基板を吸着し、前記基板を吸着した状態で、前記基板を研磨パッドの研磨面の上方に搬送し、前記複数の押圧アクチュエーターを支持するアクチュエーター支持部を保持する弾性ホルダーに加圧流体を供給して、前記複数の押圧アクチュエーターを前記アクチュエーター支持部とともに前記研磨面に近接させ、前記アクチュエーター支持部に搭載されたアクチュエーター動作制御部を通じて、前記複数の押圧アクチュエーターの少なくとも1つを動作させて、前記基板を前記研磨面に押し付ける、研磨システムが提供される。
【発明の効果】
【0019】
流体を弾性ホルダーに供給することにより、弾性ホルダーは、複数の押圧アクチュエーターをアクチュエーター支持部とともに研磨パッドの研磨面に近接させる。したがって、押圧アクチュエーターは、自身を伸張させることなく、研磨面に近接することができるため、押圧アクチュエーターの伸縮量の不足を解消することができる。結果として、研磨ヘッドは、ウェーハの膜厚プロファイルを精度よく制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】研磨装置の一実施形態を示す模式図である。
図2】研磨ヘッドの断面図である。
図3図3(a)乃至図3(d)は、複数の押圧アクチュエーターの配列の一例を示す模式図である。
図4図4(a)は弾性カバーの内部に真空を形成した状態の研磨ヘッドを示す図であり、図4(b)は互いに隣接する押圧アクチュエーターの間に形成された弾性カバーの窪みを示す図である。
図5】研磨装置の研磨フローを示す図である。
図6】研磨ヘッドの他の実施形態を示す図である。
図7】研磨ヘッドの他の実施形態を示す図である。
図8】研磨ヘッドの他の実施形態を示す図である。
図9図8のA-A線断面図である。
図10】研磨ヘッドの他の実施形態を示す図である。
図11】研磨ヘッドの他の実施形態を示す図である。
図12】研磨ヘッドの他の実施形態を示す図である。
図13】研磨ヘッドの他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する図面において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下で説明する複数の実施形態において、特に説明しない一実施形態の構成は、他の実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
【0022】
図1は、研磨装置の一実施形態を示す模式図である。図1に示すように、研磨装置PAは、基板の一例であるウェーハWを保持して回転させる研磨ヘッドPHと、研磨パッド1を支持する研磨テーブル2と、研磨パッド1の研磨面1a上に研磨液(スラリー)を供給する研磨液供給ノズル3と、研磨パッド1の研磨面1aをドレッシングするドレッサ41と、を備えている。
【0023】
研磨ヘッドPHおよび研磨テーブル2は、同じ方向に回転し、この状態で、研磨ヘッドPHは、ウェーハWを研磨パッド1の研磨面1aに押し付ける。研磨液供給ノズル3は研磨液を研磨面1a上に供給し、ウェーハWは研磨液の存在下で研磨パッド1との摺接により研磨される。
【0024】
研磨装置PAは、研磨ヘッドPHに接続されたヘッドシャフト16と、ヘッドシャフト16を通じて研磨ヘッドPHを上下動させる上下動機構5と、ヘッドシャフト16を通じて研磨ヘッドPHを回転させる回転機構6と、上下動機構5および回転機構6を搭載する揺動アーム14と、を備えている。
【0025】
上下動機構5および回転機構6は、揺動アーム14の支持台14aに支持されている。上下動機構5は、上下動モータ30と、上下動モータ30およびヘッドシャフト16を連結する連結部材31と、を備えている。上下動モータ30は、例えば、サーボモータなどの精密モータである。上下動モータ30は、その駆動により、連結部材31を介してヘッドシャフト16を上下動させる。研磨ヘッドPHは、ヘッドシャフト16とともに上下動する。
【0026】
回転機構6は、回転モータ22と、キー(図示しない)を介してヘッドシャフト16に装着された回転筒23と、回転モータ22と回転筒23との間に掛け渡されたタイミングベルト24と、を備えている。回転モータ22は、例えば、サーボモータなどの精密モータである。
【0027】
回転筒23は、支持台14aに装着された軸受25A,25Bに回転自在に支持されている。回転モータ22は、その回転により、タイミングベルト24を介して回転筒23を回転させる。回転筒23は、その回転力をヘッドシャフト16に伝達し、ヘッドシャフト16を回転させる。研磨ヘッドPHは、ヘッドシャフト16とともに回転する。
【0028】
ヘッドシャフト16は、回転筒23に対して上下動可能に挿入されている。したがって、回転筒23に作用する回転力はヘッドシャフト16に伝達される一方で、ヘッドシャフト16に作用する上下動力は回転筒23には伝達されない。ヘッドシャフト16の上端には、ロータリージョイント32が取り付けられている。
【0029】
研磨装置PAは、揺動アーム14を揺動させる揺動機構7を備えている。揺動機構7は、揺動アーム14を支持するアームシャフト12と、アームシャフト12を介して揺動アーム14を揺動させる揺動モータ20と、を備えている。揺動モータ20は、例えば、サーボモータなどの精密モータである。揺動モータ20は、その駆動により、アームシャフト12を介して揺動アーム14を揺動させる。このようにして、揺動アーム14は、アームシャフト12を中心として旋回可能に構成されている。
【0030】
図2は、研磨ヘッドの断面図である。図2に示すように、研磨ヘッドPHは、ヘッド本体49を備えている。ヘッド本体49は、ヘッドシャフト16に接続された円形のフランジ部53と、ウェーハWを取り囲むように配置されたリテーナリング機構57と、フランジ部53とリテーナリング機構57との間に配置されたリテーナリング押圧構造56と、アクチュエーター支持部52と、を備えている。
【0031】
フランジ部53、リテーナリング機構57、およびリテーナリング押圧構造56は、ヘッドシャフト16の回転により一体的に回転するように構成されている。リテーナリング機構57は、リテーナリング押圧構造56の動作により、フランジ部53とは独立して上下動可能に構成されている。
【0032】
リテーナリング機構57は、リテーナリング押圧構造56の下方に配置されたドライブリング57aと、ドライブリング57aに保持されたリテーナリング57bと、を備えている。リテーナリング57bは、研磨パッド1の研磨面1aに接触可能である。リテーナリング57bは、ウェーハWの周縁部を取り囲むように配置されており、ウェーハWの研磨中において、ウェーハWの、研磨ヘッドPHからの飛び出しを防止する。
【0033】
リテーナリング押圧構造56は、環状のローリングダイヤフラム56aと、ローリングダイヤフラム56aを収容する収容リング56bと、を備えている。ローリングダイヤフラム56aは、その内部に形成されたリテーナリング圧力室SP2を有している。
【0034】
リテーナリング圧力室SP2は、流体ライン60Bに連通している。流体(例えば、空気)は、流体ライン60Bを通じて、リテーナリング圧力室SP2に供給される。加圧流体がリテーナリング圧力室SP2に供給されると、ローリングダイヤフラム56aは、リテーナリング機構57を押し下げて、リテーナリング57bを研磨パッド1の研磨面1aに押し付ける。
【0035】
リテーナリング圧力室SP2に負圧を形成することにより、ローリングダイヤフラム56aは、リテーナリング機構57の全体を上昇させる。リテーナリング圧力室SP2は、大気開放機構(図示しない)にも接続されている。したがって、リテーナリング圧力室SP2を大気開放することも可能である。
【0036】
図2に示すように、研磨ヘッドPHは、ウェーハWの特定部位を独立して押圧する複数の押圧アクチュエーター50Aと、各押圧アクチュエーター50Aの動作を制御するアクチュエーター動作制御部55と、アクチュエーター支持部52を保持する弾性ホルダー58と、を備えている。
【0037】
アクチュエーター支持部52は、複数の押圧アクチュエーター50Aを支持するように構成されている。アクチュエーター支持部52は、フランジ部53と平行に延びる板形状を有しており、フランジ部53と、リテーナリング押圧構造56と、リテーナリング機構57と、によって囲まれた空間に配置されている。
【0038】
複数の押圧アクチュエーター50Aは、アクチュエーター支持部52の下面に支持されており、アクチュエーター支持部52の半径方向および円周方向に沿って敷き詰められている。複数の押圧アクチュエーター50Aを備える研磨ヘッドPHは、ウェーハWの半径方向および円周方向にばらつく膜厚を解消することができる。
【0039】
複数の押圧アクチュエーター50Aは、同一の構造を有している。複数の押圧アクチュエーター50Aは、ウェーハWの複数の領域を異なる押圧力で、研磨面1aに押し付けることができるように構成されている。本実施形態では、各押圧アクチュエーター50Aは、ウェーハWに押圧力を付与する圧電素子を備えている。
【0040】
押圧アクチュエーター50Aは、ウェーハWの裏側に配置された押圧面50aを有している。研磨ヘッドPHを研磨パッド1の研磨面1a上に配置したとき、押圧面50aは、研磨面1aに対向する。
【0041】
研磨ヘッドPHは、複数の押圧アクチュエーター50Aを保持するアクチュエーターホルダー59を備えている。アクチュエーターホルダー59は、アクチュエーター支持部52の下面に固定されており、複数の押圧アクチュエーター50Aを保持している。アクチュエーターホルダー59に保持された複数の押圧アクチュエーター50Aの間の相対距離は、固定されている。
【0042】
アクチュエーターホルダー59は、押圧アクチュエーター50Aが受ける衝撃を吸収して、押圧アクチュエーター50Aの故障を防止するように構成されている。アクチュエーターホルダー59は、例えば、樹脂(PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)など)から構成されている。
【0043】
図3(a)乃至図3(d)は、複数の押圧アクチュエーターの配列の一例を示す模式図である。図3(a)に示す例では、複数の押圧アクチュエーター50Aはハニカム状または千鳥状に配列されており、各押圧アクチュエーター50Aの押圧面50aは正六角形状を有している。図3(b)に示す例では、複数の押圧アクチュエーター50Aは格子状に配列されており、各押圧アクチュエーター50Aの押圧面50aは円形状を有している。
【0044】
図3(c)に示す例では、複数の押圧アクチュエーター50Aは同心円状に配列されており、各押圧アクチュエーター50Aの押圧面50aは扇形状を有している。図3(d)に示す例では、複数の押圧アクチュエーター50Aは同心円状に配列されており、各押圧アクチュエーター50Aの押圧面50aは円形状および扇形状を有している。
【0045】
図2に示すように、弾性ホルダー58は、袋状のエアバッグを備えている。弾性ホルダー58は、薄膜の弾性部材(例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴムなどの強度および耐久性に優れた柔軟なゴム材)から構成されている。弾性ホルダー58は、例えば、0.5mmから2.0mmの厚みを有している。
【0046】
エアバッグとしての弾性ホルダー58は、その内部に形成されたアクチュエーター圧力室SP1を有している。アクチュエーター圧力室SP1は、流体ライン60Aに連通している。流体(例えば、空気)は、流体ライン60Aを通じて、アクチュエーター圧力室SP1に供給される。アクチュエーター圧力室SP1に加圧流体が供給されると、弾性ホルダー58は、膨張(変形)する。
【0047】
弾性ホルダー58の上方には、ヘッドシャフト16に固定されたフランジ部53が配置されている。したがって、加圧流体をアクチュエーター圧力室SP1に供給することにより、弾性ホルダー58は、下方(すなわち、アクチュエーター支持部52)に向かって膨張し、アクチュエーター支持部52を押し下げる。このようにして、アクチュエーター支持部52は、複数の押圧アクチュエーター50Aを研磨パッド1の研磨面1aに近接させる。
【0048】
弾性ホルダー58は、そのアクチュエーター圧力室SP1に印加された圧力(ベース圧力)により、アクチュエーター支持部52に対して均一な押し下げ力を付与することができる。弾性ホルダー58がアクチュエーター支持部52を押し下げると、アクチュエーター支持部52は、複数の押圧アクチュエーター50Aを均一に押し下げることができる。
【0049】
本実施形態によれば、弾性ホルダー58のアクチュエーター圧力室SP1にベース圧力を印加することにより、弾性ホルダー58は、複数の押圧アクチュエーター50Aをアクチュエーター支持部52とともに押し下げることができる。したがって、押圧アクチュエーター50Aは、自身を伸張させることなく、研磨面1aに近接することができる。
【0050】
押圧アクチュエーター50Aは、研磨面1aに近接した状態で、伸縮することができるため、押圧アクチュエーター50Aの伸縮量の不足を解消することができる。結果として、研磨ヘッドPHは、各押圧アクチュエーター50Aを動作させて、ウェーハWの膜厚プロファイルを精度よく制御することができる。
【0051】
アクチュエーター圧力室SP1のベース圧力を調整することにより、押圧アクチュエーター50Aは、その伸縮量の大半をウェーハWの、研磨面1aに対する押圧力に利用することができる。したがって、押圧アクチュエーター50Aは、その伸縮量を減少させることができる。結果として、押圧アクチュエーター50Aとして、小さな最大ストローク量を有する小型の押圧アクチュエーターを採用することができる。
【0052】
小型の押圧アクチュエーターを採用することにより、研磨ヘッドPHの小型化を実現することができる。例えば、押圧アクチュエーター50Aとして、小型の圧電素子を採用することにより、ストロークの伸縮量をナノメートル単位で、かつ高速で調整することができる。
【0053】
図2に示すように、研磨装置PAは、アクチュエーター動作制御部55に接続された電力ライン33Aおよび制御ライン33Bと、電力ライン33Aに接続された電力供給源35と、アクチュエーター圧力室SP1の圧力およびリテーナリング圧力室SP2の圧力を調整する圧力調整装置36と、を備えている。
【0054】
電力供給源35は、電力ライン33Aを通じて、アクチュエーター動作制御部55に電力を供給するように構成されている。アクチュエーター動作制御部55は、各押圧アクチュエーター50Aに供給される電力を制御するように構成されている。
【0055】
アクチュエーター動作制御部55は、制御ライン33Bを通じて、圧力調整装置36に指令を出すように構成されている。圧力調整装置36は、アクチュエーター動作制御部55からの指令に基づいて、アクチュエーター圧力室SP1およびリテーナリング圧力室SP2のそれぞれに供給される流体の圧力を調整するように構成されている。
【0056】
図1に示すように、ロータリージョイント32は、電力ライン33Aおよび制御ライン33Bに連結されたスリップリング構造38を有している。したがって、ヘッドシャフト16が連続的に回転しても、電力ライン33Aおよび制御ライン33Bは、捻れることなく、電力供給源35および圧力調整装置36と、アクチュエーター動作制御部55と、を電気的に接続することができる。
【0057】
図1に示すように、電力ライン33Aおよび制御ライン33Bは、ヘッドシャフト16の内部を延びている。同様に、流体ライン60A,60Bは、ヘッドシャフト16の内部を延びている。流体ライン60A,60Bのそれぞれは、ロータリージョイント32まで延びており、ロータリージョイント32の内部で、圧力調整装置36に連結された流体ポート(図示しない)に接続されている。圧力調整装置36によって圧力調整された流体は、流体ポートおよび流体ライン60A,60Bを通じて、圧力室SP1,SP2のそれぞれに供給される。
【0058】
研磨装置PAは、研磨装置PAの構成要素(例えば、研磨テーブル2、研磨ヘッドPH、ドレッサ41、研磨液供給ノズル3など)の動作を制御する制御装置10を備えている(図1参照)。制御装置10は、プログラムが格納された記憶部10aと、プログラムに含まれる命令に従って演算を実行する演算部10bと、を備えている。
【0059】
記憶部10aは、RAMなどの主記憶装置と、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などの補助記憶装置を備えている。演算部10bの例としては、CPU(中央処理装置)、GPU(グラフィックプロセッシングユニット)が挙げられる。
【0060】
制御装置10は、少なくとも1台のコンピュータから構成されている。コンピュータは、1台のサーバまたは複数台のサーバであってもよい。制御装置10は、エッジサーバであってもよいし、インターネットまたはローカルエリアネットワークなどの通信ネットワークに接続されたクラウドサーバであってもよいし、あるいはネットワーク内に設置されたフォグコンピューティングデバイス(ゲートウェイ、フォグサーバ、ルーターなど)であってもよい。制御装置10は、インターネットまたはローカルエリアネットワークなどの通信ネットワークにより接続された複数のサーバであってもよい。例えば、制御装置10は、エッジサーバとクラウドサーバとの組み合わせであってもよい。
【0061】
制御装置10は、アクチュエーター動作制御部55に電気的に接続されており、アクチュエーター動作制御部55に指令を出すように構成されてもよい。この場合、アクチュエーター動作制御部55は、制御装置10からの指令に基づいて、電力供給源35の動作および圧力調整装置36の動作を制御する。
【0062】
各押圧アクチュエーター50Aの動作を制御するためには、各押圧アクチュエーター50Aに対して配線を接続する必要がある。特に、より精度よく膜厚プロファイルを制御するためには、多数の押圧アクチュエーター50Aを配置する必要があるが、配線の数は押圧アクチュエーター50Aの数に応じて、多くなる。
【0063】
この場合、これら多数の配線を直接、制御装置10に接続すると、配線の機構が複雑になり、研磨ヘッドPHを適切に動作させることが困難になるおそれがある。そこで、本実施形態では、押圧アクチュエーター50Aから延びる多数の配線は、アクチュエーター動作制御部55に接続されている。
【0064】
本実施形態では、アクチュエーター動作制御部55は、押圧アクチュエーター50Aに隣接して配置されたアクチュエーター支持部52に搭載されている。より具体的には、アクチュエーター動作制御部55は、アクチュエーター支持部52の内部に収容されている。一実施形態では、アクチュエーター動作制御部55は、アクチュエーター支持部52上に載置されてもよい。
【0065】
このような配置により、押圧アクチュエーター50Aから延びる多数の配線をアクチュエーター動作制御部55に集約することができ、多数の配線を短くすることができる。アクチュエーター動作制御部55は、電力ライン33Aおよび制御ライン33Bを通じて制御装置10に電気的に接続されている。したがって、研磨ヘッドPHの全体の構造を簡略化することができる。
【0066】
図2に示すように、研磨ヘッドPHは、各押圧アクチュエーター50Aの押圧力に相当する信号(押圧信号)を検出する押圧力検出器54を備えている。押圧力検出器54は、押圧アクチュエーター50Aの数に対応する数を有している。したがって、各押圧力検出器54は、各押圧アクチュエーター50Aの押圧信号を個別に検出することができる。
【0067】
押圧力検出器54は、押圧アクチュエーター50Aの上方、より具体的には、アクチュエーター支持部52と押圧アクチュエーター50Aとの間に配置されている。押圧力検出器54は、例えば、押圧アクチュエーター50Aに連結されたロードセルである。
【0068】
押圧アクチュエーター50AがウェーハWに押圧力を付与したとき、押圧力検出器54は、押圧アクチュエーター50Aを通じて、押圧アクチュエーター50Aに加えられる研磨パッド1からの反力を検出する。研磨パッド1からの反力は、押圧アクチュエーター50Aの押圧力に相当する。
【0069】
アクチュエーター動作制御部55は、複数の押圧力検出器54に電気的に接続されている。したがって、各押圧力検出器54が押圧信号を検出すると、各押圧力検出器54は、押圧信号をアクチュエーター動作制御部55に送る。
【0070】
アクチュエーター動作制御部55は、各押圧力検出器54から取得した押圧信号に基づいて、押圧アクチュエーター50Aの押圧力を測定する。一実施形態では、アクチュエーター動作制御部55に電気的に接続された制御装置10が押圧アクチュエーター50Aの押圧力を測定してもよい。
【0071】
図2に示すように、研磨ヘッドPHは、すべての押圧アクチュエーター50A(およびアクチュエーターホルダー59)を覆う、アクチュエーター支持部52に取り付けられた弾性カバー51を備えている。
【0072】
弾性カバー51は、液密的に押圧アクチュエーター50Aを覆っており、研磨液の、押圧アクチュエーター50Aとの接触を防止する。弾性カバー51は、薄膜の弾性部材(例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴムなどの強度および耐久性に優れた柔軟なゴム材)から構成されている。弾性カバー51は、例えば、0.5mmから2.0mmの厚みを有している。
【0073】
図4(a)は弾性カバーの内部に真空を形成した状態の研磨ヘッドを示す図であり、図4(b)は互いに隣接する押圧アクチュエーターの間に形成された弾性カバーの窪みを示す図である。
【0074】
図4(a)および図4(b)に示すように、研磨ヘッドPHは、弾性カバー51の内部に真空を形成することにより、ウェーハWを保持するように構成されている。弾性カバー51の内部空間V1は、真空ライン(図示しない)に接続されている。制御装置10は、真空ラインの動作を制御するように構成されている。制御装置10が弾性カバー51の内部空間V1に真空を形成すると、弾性カバー51は、複数の押圧アクチュエーター50Aの押圧面50aに密着する。
【0075】
アクチュエーターホルダー59の下面59aは、押圧アクチュエーター50Aの押圧面50aの上方に配置されている。したがって、内部空間V1に真空を形成することにより、互いに隣接する押圧アクチュエーター50Aの間には、吸着空間V2が形成される(図4(b)参照)。吸着空間V2は、言い換えれば、弾性カバー51の吸盤である。したがって、研磨ヘッドPHは、弾性カバー51の吸着空間V2を形成することにより、ウェーハWを保持することができる。
【0076】
図5は、研磨装置の研磨フローを示す図である。制御装置10が揺動モータ20を動作させて揺動アーム14を旋回させると、研磨ヘッドPHは、研磨パッド1の上方の研磨位置と、研磨パッド1の外側のロード・アンロード位置(図示しない)と、の間を移動する。
【0077】
研磨対象のウェーハWは、ロード・アンロード位置でロボットハンド(図示しない)により、研磨ヘッドPHに取り付けられる。このとき、研磨ヘッドPHは、弾性カバー51の吸着空間V2を形成して、ウェーハWを保持する(ステップS101参照)。その後、研磨ヘッドPHは、ウェーハWを保持した状態で研磨位置に移動する。
【0078】
制御装置10は、上下動機構5および回転機構6に電気的に接続されており、上下動機構5の動作と、回転機構6の動作と、を制御するように構成されている。制御装置10は、上下動機構5を動作させて、ウェーハWを保持した研磨ヘッドPHを研磨パッド1の研磨面1aに押し付け、この状態で、回転機構6および研磨テーブル2を回転させて、ウェーハWの研磨を開始する(ステップS102参照)。
【0079】
より具体的には、アクチュエーター動作制御部55は、弾性ホルダー58のアクチュエーター圧力室SP1にベース圧力を印加して、すべての押圧アクチュエーター50Aをアクチュエーター支持部52とともに押し下げる。その後、アクチュエーター動作制御部55は、各押圧アクチュエーター50Aを伸縮させて、ストローク誤差を補正した後に、必要な圧力分だけ押圧アクチュエーター50Aを伸縮させる。
【0080】
ウェーハWの全体に対して均一に押圧力を付与する場合には、アクチュエーター動作制御部55は、圧力調整装置36を動作させて、弾性ホルダー58のアクチュエーター圧力室SP1に加圧流体を供給する。
【0081】
アクチュエーター圧力室SP1にベース圧力を印加して、すべての押圧アクチュエーター50Aをアクチュエーター支持部52とともに押し下げた後、アクチュエーター動作制御部55は、すべての押圧アクチュエーター50Aを動作させる。その後、アクチュエーター動作制御部55は、複数の押圧力検出器54を監視しつつ、押圧アクチュエーター50Aを動作させて、ウェーハWに押圧力を付与する。
【0082】
ウェーハWの特定部位に押圧力を付与する場合には、アクチュエーター動作制御部55は、アクチュエーター圧力室SP1にベース圧力を印加して、すべての押圧アクチュエーター50Aをアクチュエーター支持部52とともに押し下げる。その後、アクチュエーター動作制御部55は、ウェーハWの特定部位に対応する押圧アクチュエーター50Aを動作させて、ウェーハWに押圧力を付与する。
【0083】
図1に示すように、研磨装置PAは、研磨テーブル2の下方に配置された膜厚センサ40を備えている。膜厚センサ40は、例えば、光学式センサまたは渦電流センサであり、制御装置10に電気的に接続されている。制御装置10は、膜厚センサ40によって検出された信号(膜厚信号)に基づいて、ウェーハWの膜厚を測定する。例えば、制御装置10は、ウェーハWの膜厚に基づいて、ウェーハWの研磨終了(エンドポイント)を決定する。
【0084】
ウェーハWの研磨を開始した後、ウェーハWの研磨中において、制御装置10は、膜厚センサ40によってウェーハWの膜厚を測定する(ステップS103参照)。制御装置10は、ウェーハWの膜厚が所定の目標膜厚に達したか否か(すなわち、研磨終点に到達したか否か)を判断する(ステップS104参照)。例えば、制御装置10は、ウェーハWの膜厚における最も厚い部位と、最も薄い部位との差分が所定の範囲内に到達した時点で、研磨終点を決定する。
【0085】
ウェーハWの膜厚が所定の目標膜厚に達していない場合(ステップS104の「NO」参照)、制御装置10は、ウェーハWの研磨を継続する。その一方で、ウェーハWの膜厚が所定の目標膜厚に達した場合(ステップS104の「YES」参照)、制御装置10は、研磨ヘッドPHおよび研磨テーブル2に指令を出して、ウェーハWの研磨を終了する(ステップS105参照)。
【0086】
このように、ステップS101乃至ステップS105を実行する制御装置10と、制御装置10によって動作される構成要素(例えば、研磨ヘッドPH、揺動アーム14)と、は、研磨システムを構築している。
【0087】
特に、研磨システムにおいて、制御装置10は、互いに隣接する押圧アクチュエーター50Aの間に弾性カバー51の吸着空間V2を形成してウェーハWを吸着し、ウェーハWを吸着した状態で、ウェーハWを研磨面1aの上方に搬送する。さらに、制御装置10は、弾性ホルダー58に加圧流体を供給して、複数の押圧アクチュエーター50Aをアクチュエーター支持部52とともに研磨面1aに近接させ、アクチュエーター動作制御部55を通じて複数の押圧アクチュエーター50Aの少なくとも1つを動作させて、ウェーハWを研磨面1aに押し付ける。
【0088】
図6は、研磨ヘッドの他の実施形態を示す図である。図6に示す実施形態において、特に説明しない構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
【0089】
図6に示す実施形態では、袋状のエアバッグを備える弾性ホルダー58は、同心円状に配置された複数の加圧室を備えている。より具体的には、弾性ホルダー58は、同心円状に配置された、複数の環状の周壁58a,58b,58c,58d,58eを有している。
【0090】
周壁58a~58eは、弾性ホルダー58の内部に複数の圧力室を形成する。より具体的には、弾性ホルダー58は、その中央部分に配置された中央圧力室SP1aと、中央圧力室SP1aを取り囲む環状圧力室SP1bと、環状圧力室SP1bを取り囲む環状圧力室SP1cと、環状圧力室SP1cを取り囲む環状圧力室SP1dと、環状圧力室SP1dを取り囲む環状圧力室SP1eと、を有している。
【0091】
本実施形態では、弾性ホルダー58は、複数の圧力室SP1a~SP1eを有する、一体的に構成されたエアバッグを備えているが、一実施形態では、弾性ホルダー58は、複数の圧力室SP1a~SP1eのそれぞれを個別に有する複数のエアバッグを備えてもよい。
【0092】
中央圧力室SP1aは第1流体ライン60Aaに連通しており、環状圧力室SP1bは第2流体ライン60Abに連通しており、環状圧力室SP1cは第3流体ライン60Acに連通しており、環状圧力室SP1dは第4流体ライン60Adに連通しており、環状圧力室SP1eは第5流体ライン60Aeに連通している。
【0093】
これら第1流体ライン60Aa~第5流体ライン60Aeは、圧力調整装置36に接続されている。したがって、アクチュエーター動作制御部55は、圧力調整装置36を動作させることにより、第1流体ライン60Aa~第5流体ライン60Aeのそれぞれを通じて、圧力室SP1a~SP1eの圧力のそれぞれを独立して制御することができる。
【0094】
図6に示すように、アクチュエーター支持部52は、複数の分割体52a,52b,52c,52d,52eを備えている。アクチュエーター支持部52の分割体の数は、弾性ホルダー58の圧力室の数に対応している。
【0095】
複数の分割体52a~52eのそれぞれは、圧力室SP1a~SP1eのそれぞれの下方に配置されている。アクチュエーター動作制御部55は、圧力室SP1a~SP1eのそれぞれの圧力を調整することにより、分割体52a~52eのそれぞれを個別に押し下げることができる。
【0096】
図6に示す実施形態においても、アクチュエーター動作制御部55は、アクチュエーター支持部52に搭載されている。より具体的には、アクチュエーター動作制御部55は、分割体52a~52eのそれぞれに搭載された制御基板55Aを有している。これら制御基板55Aは、互いに電気的に接続されている。本実施形態では、制御基板55Aは、すべての分割体52a~52eに搭載されているが、少なくとも1つの分割体に搭載されてもよい。
【0097】
本実施形態によれば、アクチュエーター動作制御部55は、アクチュエーター支持部52の半径方向(言い換えれば、ウェーハWの半径方向)に応じて、アクチュエーター支持部52の押し下げ力を変更可能である。
【0098】
このような構成により、ウェーハWの研磨前の膜厚プロファイルがウェーハWの半径方向において均一でない場合(例えば、ウェーハWの半径方向において、押圧アクチュエーター50Aの押圧力を変更しなければならない場合)であっても、各押圧アクチュエーター50Aは、分割体とともに、研磨面1aに近接することができる。したがって、アクチュエーター動作制御部55は、ウェーハWの半径方向において、押圧アクチュエーター50Aの押圧力を十分にウェーハWに付与することができる。
【0099】
例えば、研磨前におけるウェーハWの膜厚プロファイルとして、ウェーハWの中心部の膜厚が薄く、ウェーハWの周縁部の膜厚が厚い場合、アクチュエーター動作制御部55は、ウェーハWの周縁部に対応する弾性ホルダー58の圧力室SP1eの圧力を大きくする。結果として、弾性ホルダー58は、分割体52eの下方に配置された押圧アクチュエーター50Aを分割体52eとともに押し下げる。
【0100】
図7は、研磨ヘッドの他の実施形態を示す図である。図7に示す実施形態において、特に説明しない構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
【0101】
図7に示すように、弾性ホルダー58は、ヘッド本体49(本実施形態では、フランジ部53)に固定された、シート状の弾性部材から構成された弾性シートを備えている。図7に示す実施形態では、ヘッド本体49は、弾性シートとしての弾性ホルダー58とフランジ部53との間に形成されたアクチュエーター圧力室SP3を有している。一実施形態では、弾性シートとしての弾性ホルダー58は、収容リング56bおよび/またはドライブリング57aに固定されてもよい。
【0102】
図7に示す実施形態においても、アクチュエーター動作制御部55は、ヘッド本体49に搭載されている。より具体的には、アクチュエーター動作制御部55は、アクチュエーター支持部52に搭載されておらず、ヘッド本体49のアクチュエーター圧力室SP3に配置されている。
【0103】
本実施形態によれば、弾性シートとしての弾性ホルダー58は、優れた伸縮性を有しており、外部からの力に対して高い復元力を有している。したがって、弾性ホルダー58は、弾性ホルダー58に保持されたアクチュエーター支持部52の復元力を向上させることができる。
【0104】
特に、弾性ホルダー58は、その捻れに対して高い復元力を有している。したがって、研磨ヘッドPHがウェーハWを研磨面1aに押し付けたときに、ウェーハWと研磨面1aとの間に摩擦力が生じても、弾性ホルダー58は、摩擦力に起因して複数の押圧アクチュエーター50Aが研磨パッド1の回転方向の下流側に移動することを防止することができる。
【0105】
このように、本実施形態では、押圧アクチュエーター50AでウェーハWを押圧するとき、研磨ヘッドPHは、摩擦力に起因する押圧アクチュエーター50Aの位置ずれを低減することができる。
【0106】
さらに、本実施形態によれば、ヘッド本体49は、1枚のシート状の弾性ホルダー58により、アクチュエーター圧力室SP3を形成することができる。このような、簡略的な構造によって形成されたアクチュエーター圧力室SP3を有する研磨ヘッドPHは、そのコストを低減することができる。
【0107】
図8は、研磨ヘッドの他の実施形態を示す図である。図9は、図8のA-A線断面図である。図8および図9に示す実施形態において、特に説明しない構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。図9では、アクチュエーター動作制御部55の図示は省略されている。
【0108】
本実施形態では、研磨ヘッドPHは、アクチュエーター支持部52の移動方向を押圧アクチュエーター50Aの押圧方向(すなわち、研磨ヘッドPHの上下動方向、鉛直方向)に沿った方向に規制するリニアガイド部材81を備えている。
【0109】
リニアガイド部材81は、研磨ヘッドPHの内周側(すなわち、ヘッド本体49からアクチュエーター支持部52に向かって)に突出し、かつ押圧アクチュエーター50Aの押圧方向に延びる棒状の突起である。
【0110】
リニアガイド部材81は、ヘッド本体49に取り付けられている。アクチュエーター支持部52は、リニアガイド部材81が装着される凹部80を有している(図9参照)。凹部80は、アクチュエーター支持部52の外周面に形成されており、リニアガイド部材81と同様に、押圧アクチュエーター50Aの押圧方向に延びている。
【0111】
図9に示す実施形態では、複数のリニアガイド部材81が研磨ヘッドPHの円周方向に沿って等間隔に配置されている。凹部80の数は、リニアガイド部材81の数に対応している。一実施形態では、リニアガイド部材81の数は、アクチュエーター支持部52の移動方向を規制することができれば、本実施形態には限定されない。少なくとも2つのリニアガイド部材81が配置されてもよい。
【0112】
本実施形態によれば、リニアガイド部材81は、アクチュエーター支持部52が押し下げられるときに、アクチュエーター支持部52の傾きを防止するように構成されている。例えば、ウェーハWの特定部位を局所的に押圧するとき、ウェーハWの特定部位に付与される押圧力に起因して、アクチュエーター支持部52が全体的に傾くおそれがある。この場合、アクチュエーター支持部52の傾きに起因して、押圧アクチュエーター50Aは、必要な押圧力でウェーハWを押圧することができないおそれがある。
【0113】
図8および図9に示す実施形態では、リニアガイド部材81は、アクチュエーター支持部52の傾きを防止することができる。したがって、ウェーハWの特定部位を局所的に押圧するときであっても、押圧アクチュエーター50Aは、ウェーハWの特定部位を必要な押圧力で確実に押圧することができる。
【0114】
さらに、リニアガイド部材81は、ウェーハWの研磨時におけるアクチュエーター支持部52の回転を防止するように構成されている。より具体的には、リニアガイド部材81は、研磨ヘッドPHがウェーハWを研磨面1aに押し付けたときに生じる摩擦力に起因して、複数の押圧アクチュエーター50Aが研磨パッド1の回転方向の下流側に移動することを防止することができる。したがって、押圧アクチュエーター50AでウェーハWを押圧するとき、研磨ヘッドPHは、摩擦力に起因する押圧アクチュエーター50Aの位置ずれを低減することができる。
【0115】
上述した実施形態では、研磨ヘッドPHの複数の実施形態について説明したが、これら複数の実施形態は、適宜、組み合わせてもよい。図1乃至図5を参照して説明した実施形態では、単一の弾性ホルダー58でアクチュエーター支持部52の全体を保持している。したがって、加圧流体を弾性ホルダー58に供給することにより、アクチュエーター支持部52を介して一様なベース圧力をすべての押圧アクチュエーター50Aに対して、均一に付与することができる。
【0116】
図6を参照して説明した実施形態では、弾性ホルダー58およびアクチュエーター支持部52のそれぞれが同心円状に分割されている。したがって、ウェーハWの膜厚プロファイルのばらつきが大きい場合、特に、ウェーハWの半径方向における膜厚プロファイルのばらつきが大きい場合であっても、弾性ホルダー58は、特定の押圧アクチュエーター50Aに対してベース圧力を付与することができる。
【0117】
図7を参照して説明した実施形態では、研磨ヘッドPHは、簡略的な構造を有している。したがって、研磨ヘッドPHのコストを低減することができる。さらに、弾性シートとしての弾性ホルダー58は、その高い復元力により、複数の押圧アクチュエーター50Aの、アクチュエーター支持部52を中心とした回転を防止することができる。
【0118】
図8および図9を参照して説明した実施形態では、研磨ヘッドPHは、アクチュエーター支持部52の移動方向を規制(制限)することができる。したがって、押圧アクチュエーター50Aは、ウェーハWの特定部位を局所的に押圧するときであっても、ウェーハWの特定部位を必要な押圧力で確実に押圧することができる。
【0119】
上述した実施形態では、研磨ヘッドPHは、複数の押圧アクチュエーター50Aを覆う弾性カバー51を備えているが、すべての押圧アクチュエーター50Aが耐液性を有する構造を有していれば、必ずしも、研磨ヘッドPHは、弾性カバー51を備えていなくてもよい。
【0120】
上述した実施形態では、研磨ヘッドPHは、アクチュエーター動作制御部55を搭載するアクチュエーター支持部52を備えているが、アクチュエーター動作制御部55は、必ずしもアクチュエーター支持部52に搭載される必要はない。一実施形態では、研磨ヘッドPHの構成要素の動作は、制御装置10によって制御されてもよい。
【0121】
図10乃至図13は、研磨ヘッドの他の実施形態を示す図である。図10に示す実施形態では、研磨ヘッドPHは、基本的に、図2を参照して説明した研磨ヘッドPHと同様の構造を有しているが、アクチュエーター動作制御部55は、アクチュエーター支持部52には搭載されておらず、ヘッド本体49のフランジ部53に搭載されている。
【0122】
アクチュエーター動作制御部55は、多数の配線90を通じて複数の押圧アクチュエーター50Aに電気的に接続されている。配線90は、弾性ホルダー58の外側の空間(すなわち、フランジ部53とアクチュエーター支持部52との間の空間)を貫通している。
【0123】
図11に示す実施形態では、研磨ヘッドPHは、基本的に、図6を参照して説明した研磨ヘッドPHと同様の構造を有しているが、アクチュエーター動作制御部55は、フランジ部53に搭載された複数の制御基板55Aを備えている。各制御基板55Aは、多数の配線90を通じて複数の押圧アクチュエーター50Aに電気的に接続されている。
【0124】
図12に示す実施形態では、研磨ヘッドPHは、基本的に、図7を参照して説明した研磨ヘッドPHと同様の構造を有しているが、アクチュエーター動作制御部55は、アクチュエーター圧力室SP3に配置されておらず、フランジ部53に搭載されている。アクチュエーター動作制御部55は、多数の配線90を通じて複数の押圧アクチュエーター50Aに電気的に接続されている。配線90は、アクチュエーター圧力室SP3を貫通している。
【0125】
図13に示す実施形態では、研磨ヘッドPHは、基本的に、図8を参照して説明した研磨ヘッドPHと同様の構造を有しているが、アクチュエーター動作制御部55は、アクチュエーター支持部52には搭載されておらず、フランジ部53に搭載されている。アクチュエーター動作制御部55は、多数の配線90を通じて複数の押圧アクチュエーター50Aに電気的に接続されている。配線90は、弾性ホルダー58の外側の空間を貫通している。
【0126】
上述した実施形態を参照して説明したように、アクチュエーター動作制御部55は、アクチュエーター支持部52に搭載されてもよく(図1乃至図6図8、および図9参照)、弾性ホルダー58とフランジ部53との間の空間(すなわち、アクチュエーター圧力室SP3)に搭載されてもよく(図7参照)、フランジ部53に搭載されてもよい(図10乃至図13参照)。
【0127】
アクチュエーター動作制御部55をアクチュエーター支持部52に搭載することにより、アクチュエーター動作制御部55は、押圧アクチュエーター50Aに隣接して配置される。このような配置により、多数の配線90を短くすることができ、メンテナンス効率を向上させることができる。
【0128】
アクチュエーター支持部52以外のヘッド本体49(例えば、フランジ部53)にアクチュエーター動作制御部55を搭載することにより、アクチュエーター動作制御部55は、押圧アクチュエーター50Aの押圧面50aから離間して配置される。このような配置により、アクチュエーター動作制御部55は、ウェーハWを研磨面1aに押し付けることにより発生する熱や振動の影響を受けにくい。
【0129】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0130】
1 研磨パッド
1a 研磨面
2 研磨テーブル
3 研磨液供給ノズル
5 上下動機構
6 回転機構
7 揺動機構
10 制御装置
10a 記憶部
10b 演算部
12 アームシャフト
14 揺動アーム
14a 支持台
16 ヘッドシャフト
20 揺動モータ
22 回転モータ
23 回転筒
24 タイミングベルト
25A,25B 軸受
30 上下動モータ
31 連結部材
32 ロータリージョイント
33A 電力ライン
33B 制御ライン
35 電力供給源
36 圧力調整装置
38 スリップリング構造
40 膜厚センサ
41 ドレッサ
49 ヘッド本体
50A 押圧アクチュエーター
50a 押圧面
51 弾性カバー
52 アクチュエーター支持部
52a,52b,52c,52d,52e 分割体
53 フランジ部
54 押圧力検出器
55 アクチュエーター動作制御部
56 リテーナリング押圧構造
56a ローリングダイヤフラム
56b 収容リング
57 リテーナリング機構
57a ドライブリング
57b リテーナリング
58 弾性ホルダー
58a,58b,58c,58d,58e 周壁
59 アクチュエーターホルダー
59a 下面
60A 流体ライン
60Aa 第1流体ライン
60Ab 第2流体ライン
60Ac 第3流体ライン
60Ad 第4流体ライン
60Ae 第5流体ライン
80 凹部
81 リニアガイド部材
90 配線
SP1 アクチュエーター圧力室
SP1a 中央圧力室
SP1b 環状圧力室
SP1c 環状圧力室
SP1d 環状圧力室
SP1e 環状圧力室
SP2 リテーナリング圧力室
SP3 アクチュエーター圧力室
V1 内部空間
V2 吸着空間
PA 研磨装置
PH 研磨ヘッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13