(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172386
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】乾燥装置、乾燥方法及び液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20241205BHJP
B41M 5/00 20060101ALI20241205BHJP
C09D 11/101 20140101ALI20241205BHJP
C09D 11/30 20140101ALI20241205BHJP
【FI】
B41J2/01 127
B41J2/01 103
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B41M5/00 120
C09D11/101
C09D11/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090077
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100182453
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 英明
(72)【発明者】
【氏名】飛彈 竜作
(72)【発明者】
【氏名】浅田 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】野沢 健二
(72)【発明者】
【氏名】川道 源一郎
(72)【発明者】
【氏名】関 貴之
(72)【発明者】
【氏名】神原 一暁
(72)【発明者】
【氏名】石原 広規
(72)【発明者】
【氏名】中村 雄大
【テーマコード(参考)】
2C056
2H186
4J039
【Fターム(参考)】
2C056EB13
2C056EB45
2C056EC14
2C056EC28
2C056EE18
2C056FA13
2C056FA14
2C056HA44
2H186AB11
2H186FB16
2H186FB17
2H186FB25
2H186FB35
2H186FB44
2H186FB46
4J039AD21
4J039BE01
4J039EA06
4J039EA09
4J039EA10
4J039EA42
4J039EA46
4J039GA24
(57)【要約】
【課題】シートの両面の乾燥処理を適切に行えるようにする。
【解決手段】シートSを搬送する搬送手段18と、搬送されるシートSに紫外線を照射する紫外線照射手段17とを備え、紫外線照射手段17からシートSの第一面に紫外線を照射した後、同じ紫外線照射手段17から第一面とは反対側の第二面に紫外線を照射してシートS上の液体を乾燥させる乾燥装置10であって、第一面に照射される紫外線の出力と、第二面に照射される紫外線の出力とを異ならせる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送する搬送手段と、
搬送される前記シートに紫外線を照射する紫外線照射手段とを備え、
前記紫外線照射手段から前記シートの第一面に紫外線を照射した後、同じ前記紫外線照射手段から前記第一面とは反対側の第二面に紫外線を照射して前記シート上の液体を乾燥させる乾燥装置であって、
前記第一面に照射される紫外線の出力と、前記第二面に照射される紫外線の出力とを異ならせることを特徴とする乾燥装置。
【請求項2】
前記第一面に照射される紫外線の出力が、前記第二面に照射される紫外線の出力よりも低く設定される請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記第二面に照射される紫外線の出力が、前記第一面に照射される紫外線の出力よりも低く設定される請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項4】
複数の前記紫外線照射手段が、シート搬送方向に並んで配置され、
複数の前記紫外線照射手段のうち、少なくとも1つの紫外線照射手段の紫外線の出力を、他の紫外線照射手段の紫外線の出力とは異ならせる請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項5】
シート搬送方向の下流側に配置される前記紫外線照射手段の紫外線の出力が、シート搬送方向の上流側に配置される前記紫外線照射手段の紫外線の出力よりも低く設定される請求項4に記載の乾燥装置。
【請求項6】
前記紫外線照射手段よりもシート搬送方向の上流側に、前記シートを検知するシート検知手段を備える請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項7】
前記シート上の液体は、水又は有機溶剤を含む液体組成物であり、
前記液体組成物は、紫外線重合開始剤及び紫外線重合性化合物を含んでいても含んでいなくてもよく、前記紫外線重合開始剤が前記液体組成物中に0.1質量%未満、又は、前記紫外線重合性化合物が前記液体組成物中に5質量%未満含まれる請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項8】
紫外線照射手段からシートの第一面に紫外線を照射した後、同じ前記紫外線照射手段から前記第一面とは反対側の第二面に紫外線を照射して前記シート上の液体を乾燥させる乾燥方法であって
前記第一面に照射される紫外線の出力と、前記第二面に照射される紫外線の出力とを異ならせることを特徴とする乾燥方法。
【請求項9】
シートに液体を吐出する液体吐出部と、前記シートに吐出された液体を乾燥させる請求項1に記載の乾燥装置とを備えることを特徴とする液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥装置、乾燥方法及び液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体吐出装置の一例として、シートにインクを吐出して画像を形成するインクジェット式の画像形成装置が知られている。
【0003】
斯かる画像形成装置においては、シートに吐出されたインクを乾燥させる乾燥装置が設けられているものがある。
【0004】
例えば、特許文献1(特開2021-24181号公報)においては、シートに吐出されたインクに紫外線を照射してインクを乾燥させる技術が提案されている。この場合、シート上のインクに紫外線が照射されると、インクに含まれる色材が紫外線を吸収して発熱することにより、インクに含まれる水又は有機溶媒が蒸発して、インクが乾燥する。
【0005】
ところで、両面印刷において、シートの表て面に画像を形成してから、表て面の乾燥処理を行い、続いて、シートの裏面に画像を形成して、裏面の乾燥処理を行うと、裏面のインクの乾燥が進み過ぎることがある。すなわち、裏面の乾燥処理を行う際、裏面は先に行われた表て面の乾燥処理の熱の影響を受けるため、表て面に比べて温度が高くなる傾向がある。このため、裏面においては、インクの乾燥が進むことがある。また、インクの乾燥に必要な熱量及び乾燥時間は、各面に付着するインク量のほか、各面の表面処理の状態などによっても異なる。このため、シートの両面に対して同じ出力で紫外線照射しても、各面の乾燥度合いに差が生じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明においては、シートの両面の乾燥処理を適切に行えるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、シートを搬送する搬送手段と、搬送される前記シートに紫外線を照射する紫外線照射手段とを備え、前記紫外線照射手段から前記シートの第一面に紫外線を照射した後、同じ前記紫外線照射手段から前記第一面とは反対側の第二面に紫外線を照射して前記シート上の液体を乾燥させる乾燥装置であって、前記第一面に照射される紫外線の出力と、前記第二面に照射される紫外線の出力とを異ならせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シートの両面の乾燥処理を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る液体吐出装置の構成を示す図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に係る紫外線照射手段の斜視図である。
【
図3】本発明の第一実施形態に係る制御部の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第一実施形態に係る乾燥方法を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の第二実施形態の構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材及び構成部品などの構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付し、一度説明した後ではその説明を省略する。なお、以下の説明における、「画像形成」、「記録」、「印刷」は、いずれも同義語とする。
【0011】
<液体吐出装置の構成>
まず、
図1に基づき、本発明の第一実施形態に係る液体吐出装置の構成について説明する。
【0012】
図1においては、本発明の第一実施形態に係る液体吐出装置100として、インクジェット式の画像形成装置を例に挙げる。
図1に示される液体吐出装置100は、シート供給部1と、画像形成部2と、乾燥部3と、シート排出部4と、反転搬送部5とを備えている。
【0013】
シート供給部1は、画像が形成される記録媒体としてのシートSを供給する部分である。シート供給部1は、複数のシートSを収容可能な供給トレイ11と、供給トレイ11からシートSを1枚ずつ分離して送り出す給送装置12とを備えている。給送装置12によって送り出されたシートSは、画像形成部2へ供給される。
【0014】
画像形成部2は、シートSに対して画像を形成する部分である。画像形成部2は、液体吐出部13と、第一担持回転体14と、第二担持回転体15と、第三担持回転体16とを備えている。第一担持回転体14、第二担持回転体15及び第三担持回転体16は、シートSを外周面に担持して回転することにより、シートSを搬送する回転体である。シート供給部1から搬送されたシートSは、第一担持回転体14上に担持され、第二担持回転体15へ渡される。そして、第二担持回転体15へ渡されたシートSは、第二担持回転体15から第三担持回転体16へ渡される。液体吐出部13は、第二担持回転体15上に担持されるシートSに対して液体のインクを吐出する複数の液体吐出ユニット13C,13M,13Y,13K,13Wを有している。本実施形態においては、第二担持回転体15の回転方向(シートSの搬送方向)の上流側から順に、シアンインク用の液体吐出ユニット13C、マゼンタインク用の液体吐出ユニット13M、イエローインク用の液体吐出ユニット13Y、ブラックインク用の液体吐出ユニット13K、ホワイトインク用の液体吐出ユニット13Wが配置されている。なお、各液体吐出ユニット13C,13M,13Y,13K,13Wの配置は、
図1に示される順に限定されるものではなく、任意の順番でもよい。また、各液体吐出ユニットに使用されるインクの色も、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイトに限定されるものではない。必要に応じて、ホワイトのほか、白色、金色、銀色などの他の特色のインクを吐出する液体吐出ユニットを追加してもよい。
【0015】
シートSが各液体吐出ユニット13C,13M,13Y,13K,13Wとの対向位置に搬送されると、各液体吐出ユニット13C,13M,13Y,13K,13WからシートSへインクが吐出され、画像が形成される。画像形成は、各液体吐出ユニット13C,13M,13Y,13K,13Wを全て用いてフルカラー画像を形成する場合に限らず、各液体吐出ユニット13C,13M,13Y,13K,13Wのうち、いずれか一つを使用して単色画像を形成したり、いずれか2つ又は3つの作像ユニットを用いて2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
【0016】
乾燥部3は、シートSに吐出されたインクを乾燥させる部分である。乾燥部3は、紫外線照射手段17と、搬送手段18と、シート検知手段19とを含む、乾燥装置10を備えている。紫外線照射手段17は、紫外線を照射する光源を有し、搬送されるシートSに向けて紫外線を照射する手段である。本実施形態においては、複数の紫外線照射手段17が、搬送手段18の上方にシートSの搬送方向(以下、「シート搬送方向」という。)へ並ぶように配置されている。なお、紫外線照射手段17の数は1つであってもよい。搬送手段18は、紫外線照射手段17の下方においてシートSを搬送する手段である。本実施形態においては、搬送手段18として、シートSを上面に吸着して搬送する無端状の搬送ベルトを用いている。また、搬送手段18として、移動可能な把持部によってシートSの先端を把持しながらガイドプレートに沿って搬送する搬送手段などを用いることも可能である。シート検知手段19は、紫外線照射手段17よりもシート搬送方向の上流側においてシートSを検知する手段である。本実施形態においては、シート検知手段19が、液体吐出部13よりもシート搬送方向の下流側であって、第三担持回転体16よりもシート搬送方向の上流側に配置されている。シート検知手段19としては、反射型又は透過型の非接触式センサを用いることが好ましい。
【0017】
シートSが搬送手段18によって紫外線照射手段17と対向する位置に搬送されると、紫外線照射手段17からシートSへ紫外線が照射される。シートSへ紫外線が照射されるタイミングは、シート検知手段19がシートSを検知したタイミングとシートSの搬送速度に基づいて決定される。シートS上のインクに対して紫外線が照射されると、インクに含まれる顔料又は染料などの色材が紫外線を吸収して熱エネルギーに変換することにより発熱する。これにより、インクが温度上昇し、インク中の水又は有機溶剤が蒸発して、インクが乾燥する。なお、色材として顔料を用いる場合は、染料を用いる場合に比べて、紫外線を照射しても退色しにくいため、鮮やかな印刷画像が得られる。
【0018】
シート排出部4は、シートSが排出される部分である。シート排出部4は、排出トレイ20を備えている。シートSが乾燥部3からシート排出部4へ搬送されると、シートSが排出トレイ20へ排出される。
【0019】
反転搬送部5は、両面印刷を行う場合にシートSを表裏反転させて再度画像形成部2へ搬送する部分である。反転搬送部5は、スイッチバック搬送部21と、戻し搬送部22により構成される。両面印刷を行う場合は、画像形成部2においてシートSの第一面(表て面)に画像が形成され、乾燥部3において第一面の画像の乾燥処理が行われた後、シートSはシート排出部4へ搬送されることなく反転搬送部5へ搬送される。そして、シートSは、まず反転搬送部5のスイッチバック搬送部21において前後逆向きに搬送され、続けて、戻し搬送部22を通って第一担持回転体14の上流側へ搬送される。これにより、シートSが表裏反転された状態で画像形成部2へ供給される。そして、画像形成部2においてシートSの第一面とは反対の第二面(裏面)に画像が形成された後、乾燥部3において第二面の画像の乾燥処理が行われ、シートSがシート排出部4へ搬送される。
【0020】
<紫外線照射手段の構成>
図2は、本発明の第一実施形態に係る紫外線照射手段17の斜視図である。
【0021】
紫外線照射手段17の光源としては、LEDが好ましく、中でも紫外線を発光する発光ダイオード(UV-LED)が好ましい。
図2に示されるように、本実施形態に係る紫外線照射手段17は、粒状のUV-LED発光素子170が複数配置される照射面17aを有する。各UV-LED発光素子170が同一の照度で発光することにより、照射面17aが全体として均一に発光する状態となる。光源としてLEDが用いられる場合は、メタルハライドランプなどと異なり、波長カットフィルタを用いなくても、光源として波長が単一ピークでシャープになりやすい。このため、インクの色差による乾燥の進み方の差を減らすことができる。
【0022】
紫外線照射手段17から照射される紫外線光(UV光)としては、ピーク波長が300nm以上400nm以下の紫外線光であることが好ましい。また、紫外線光の波長分布としては、特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、半値全幅を約15nmとすることができる。
【0023】
<インク>
本発明の第一実施形態において用いられるインクは、水又は有機溶媒、あるいはこれらの両方を主成分とする液体組成物を含む。このような液体組成物を含むインクは、水性インクとも称することができる。液体組成物に、紫外線重合開始剤及び紫外線重合性化合物が含まれていてもよいが、これらを含む場合は、紫外線重合開始剤及び紫外線重合性化合物の含有量が所定量未満に抑えられている。このため、本発明の第一実施形態においては、紫外線照射手段17からインクへ紫外線が照射されても、重合反応による硬化は生じない、又はほとんど生じない。
【0024】
一方、紫外線重合開始剤及び紫外線重合性化合物を所定量以上含むUVインクなどのUV硬化性の材料の場合、紫外線が照射されると、ラジカル又はカチオンの活性状態になった開始剤が紫外線重合性化合物と反応することにより、紫外線重合性化合物が重合反応を起こして樹脂として硬化する。これにより、インクがシートに定着される。しかしながら、UV硬化性の材料を用いる場合、硬化後の印刷画像に僅かながらラジカル又はカチオンの活性状態の物質が残ることがあり、安全性を有する印刷物が得られにくい問題がある。また、開始剤や重合性化合物は高コストであり、ランニングコストが高くなる問題もある。
【0025】
そのため、本発明の第一実施形態においては、紫外線重合開始剤及び紫外線重合性化合物の含有量が低いインクを用いている。これにより、ランニングコストを抑え、良好な安全性を有する印刷物が得られるようになる。
【0026】
<両面印刷における課題>
ここで、両面印刷における課題について説明する。
【0027】
例えば、
図1に示される液体吐出装置100において、両面印刷を行う場合、シートの第一面に画像を形成してから、第一面上の画像の乾燥処理を行い、再度シートを画像形成部2に搬送して、反対側の第二面に画像を形成した後、第二面上の画像の乾燥処理を行う。このため、両面印刷を連続して行うと、第一面の乾燥処理と第二面の乾燥処理とを同じ紫外線照射手段17を用いて交互に行うことになる。このとき、シートの第一面と第二面に対して同じ出力で紫外線を照射すると、後で乾燥処理される第二面が、第一面の乾燥処理により生じた熱の影響を受け、第一面に比べて温度が高くなる傾向がある。その結果、第二面においてインクの乾燥が進み過ぎると、シートにシワが発生する虞がある。また、インクの乾燥に必要な熱量及び乾燥時間は、第一面及び第二面に付着するインク量のほか、第一面及び第二面の表面処理の状態などによっても異なるため、シートの第一面と第二面に対して同じ出力で紫外線照射すると、各面の乾燥度合いに差が生じる虞がある。
【0028】
そこで、本発明の第一実施形態においては、シートの両面の乾燥処理を適切に行えるようにするため、次のような対策を講じている。以下、本発明の第一実施形態に係る特徴部分の構成について説明する。
【0029】
<特徴部分の構成>
本発明の第一実施形態においては、両面印刷を行う場合、シートの両面の乾燥処理を適切に行えるようにするため、紫外線照射手段17からシートSの各面に照射される紫外線の出力を変更可能に構成している。すなわち、シートSの第一面及び第二面の乾燥しやすさに応じて、第一面に照射される紫外線の出力と、第二面に照射される紫外線の出力とを異ならせるようにしている。第一面及び第二面に照射される紫外線の出力は、液体吐出装置100の制御部によって制御される。
【0030】
<制御部の構成>
図3は、本発明の第一実施形態に係る制御部の構成を示すブロック図である。
【0031】
図3に示されるように、液体吐出装置100は、シート搬送動作、画像形成動作、乾燥動作などの各種動作を制御する制御部200を備えている。具体的に、制御部200は、主制御部201と、画像入力部202と、滴付着量算出部203と、速度設定部204と、シート情報入力部205と、液体吐出制御部207と、搬送制御部208と、乾燥制御部209とを備えている。
【0032】
主制御部201は、液体吐出装置100全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラム及びその他の固定データを格納するROM(Read Only Memory)と、画像情報を一時格納するRAM(Random Access Memory)と、液体吐出装置100の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能なNVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)などにより構成される。
【0033】
主制御部201は、速度設定部204によってシートの速度が設定されると、設定された速度の情報に基づき搬送制御部208へ制御信号を送信する。搬送制御部208は、主制御部201からの制御信号を受けて、搬送部400の搬送動作を制御する。これにより、シートが設定された速度で搬送される。搬送部400には、シート供給部1の給送装置12、画像形成部2の各担持回転体14,15,16、乾燥部3の搬送手段18、反転搬送部5のスイッチバック搬送部21及び戻し搬送部22などが含まれる。
【0034】
また、主制御部201は、画像入力部202に印刷画像の情報が入力されると、入力された画像情報に基づき液体吐出制御部207へ制御信号を送信する。液体吐出制御部207は、主制御部201からの制御信号を受けて、液体吐出部13の吐出動作を制御する。これにより、液体吐出部13から液体が吐出され、画像情報に応じた画像がシートに形成される。
【0035】
また、画像入力部202に入力された画像情報は、主制御部201のほか、滴付着量算出部203にも送られる。滴付着量算出部203は、画像入力部202からの画像情報に基づき、画像形成に必要な液体の滴付着量を算出する。主制御部201は、滴付着量算出部203から得られた滴付着量と、シート情報入力部205から得られたシートの情報に基づき、乾燥制御部209へ制御信号を送信する。乾燥制御部209は、主制御部201からの制御信号を受けて、紫外線照射手段17の紫外線照射出力を制御する。
【0036】
<乾燥方法>
続いて、
図4のフローチャートを参照しつつ、本発明の第一実施形態に係る乾燥方法について説明する。
【0037】
両面印刷開始の指示があると、まず、主制御部201が、滴付着量算出部203から滴付着量の情報を取得すると共に、シート情報入力部205からシートの情報を取得する(
図4のStep1)。そして、主制御部201が、滴付着量算出部203から得られた滴付着量と、シート情報入力部205から得られたシートの情報に基づき、シートの第一面と第二面のうち、いずれの面が乾燥しやすいかを判断する(
図4のStep2)。第一面及び第二面の乾燥しやすさは、シート情報から得られる第一面及び第二面の表面素材の乾燥性、第一面及び第二面に吐出されるインク量のほか、第一面及び第二面の乾燥処理の順番などを総合的に考慮して判断される。なお、第一面及び第二面の乾燥しやすさは、第一面及び第二面に対して同じ出力で紫外線が照射された場合の乾燥しやすさを判断する。
【0038】
その結果、第一面が第二面よりも乾燥しやすいと判断された場合は、第一面に照射される紫外線の出力が、第二面に照射される紫外線の出力よりも低く設定される(
図4のStep3)。反対に、第二面が第一面よりも乾燥しやすいと判断された場合は、第二面に照射される紫外線の出力が、第一面に照射される紫外線の出力よりも低く設定される(
図4のStep4)。各場合における紫外線の出力の設定は、主制御部201の判断結果を受けた乾燥制御部209により行われる。
【0039】
その後、印刷動作が開始されて、シートの第一面に画像が形成されると、シートが乾燥部3へ搬送されて、設定された出力により紫外線照射手段17からシートの第一面に紫外線が照射され、第一面の乾燥処理が行われる(
図4のStep5)。続いて、シートの第二面に画像が形成された後、シートが再び乾燥部3へ搬送され、乾燥部3において設定された出力により紫外線照射手段17からシートの第二面に紫外線が照射され、第二面の乾燥処理が行われる(
図4のStep6)。第二面の乾燥処理が行われると、シートはシート排出部4へ排出される。
【0040】
また、次に印刷されるシートがある場合は(
図4のStep7)、1枚目のシートと同じようにして、第一面及び第二面の乾燥しやすさが判断され、第一面と第二面に照射される紫外線の出力が設定される。そして、改めて設定された出力により第一面及び第二面に対する乾燥処理が行われる。以降、両面印刷が終了するまで、同様の制御が繰り返し行われる。
【0041】
このように、本発明の第一実施形態においては、第一面と第二面の乾燥のしやすさに応じて、第一面に照射される紫外線の出力と、第二面に照射される紫外線の出力とを異ならせることにより、第一面及び第二面の乾燥処理を適切に行うことができる。例えば、後で乾燥処理される第二面の方が、先に乾燥処理される第一面に比べて乾燥しやすいと判断された場合、すなわち、同じ出力で紫外線を出力すると第二面の乾燥が進み過ぎると判断された場合は、第二面に対する紫外線の出力を低く設定することにより、第二面が乾燥し過ぎないようにすることができる。また、各面に吐出されるインクの量の違い又は各面の表面素材の違いなどに応じて、第一面の方が乾燥しやすいと判断された場合は、第一面に対して照射される紫外線の出力を低く設定することにより、第一面が乾燥し過ぎないようにすることができる。
【0042】
以上のように、本発明の第一実施形態によれば、第一面及び第二面が乾燥し過ぎないように適切な乾燥処理を行うことができるため、第一面又は第二面が乾燥し過ぎることによるシワの発生を抑制でき、良好な品質の印刷画像が得られるようになる。また、不必要な乾燥エネルギー消費も低減できるようになるため、省エネルギー化も図れるようになる。
【0043】
また、本発明の第一実施形態においては、出力変更の指示があってから出力が狙いの設定値に変更されるまでの応答時間が赤外線照射手段に比べて短い紫外線照射手段を用いているため、応答性良く紫外線の出力を変更できる。従って、短い時間間隔でシートが搬送される機種においても、シートの搬送タイミングに合わせて応答性良く紫外線の出力を変更することができ、第一面及び第二面の乾燥処理を適切に行うことができる。
【0044】
<その他の実施形態の構成>
続いて、本発明の第二実施形態について説明する。なお、以下の説明においては、本発明の第一実施形態とは異なる部分について主に説明し、同じ部分については適宜説明を省略する。
【0045】
本発明の第二実施形態に係る乾燥装置においては、
図5に示される複数の紫外線照射手段17のうち、少なくとも1つの紫外線照射手段17が、他の紫外線照射手段17とは独立して出力制御可能に構成されている。
【0046】
図5に示されるように、複数の紫外線照射手段17がシート搬送方向Aに並んで配置される構成においては、搬送手段18によってシートSが搬送されると、シートSに対してシート搬送方向Aの上流側の紫外線照射手段17から順に紫外線が照射される。このとき、シートSが下流側へ搬送されるにつれてインクの乾燥が促進されるため、下流側の紫外線照射手段17において上流側の紫外線照射手段17と同じ出力強度で紫外線が照射されると、インクの乾燥が進み過ぎる虞がある。そのため、シート搬送方向Aの下流側においては、上流側に比べてシートSに照射される紫外線の出力を低くすることが好ましい。従って、例えば、シート搬送方向Aの下流側に配置される紫外線照射手段17ほど、上流側の紫外線照射手段17に比べて紫外線の出力が低く設定されることが好ましい。これにより、下流側における過度な乾燥を抑制できるようになる。
【0047】
また、下流側の紫外線照射手段17ほど紫外線の出力が低くなるように設定する場合に限らず、シート搬送方向Aの最も下流側に配置される紫外線照射手段17Cの紫外線の出力を、その他の上流側の各紫外線照射手段17A,17Bの紫外線の出力よりも低くしてもよい。すなわち、少なくとも1つの紫外線照射手段17の紫外線の出力をその他の紫外線照射手段17の紫外線の出力とは異なる出力に調整してもよい。このように、少なくとも1つの紫外線照射手段17の紫外線の出力をその他の紫外線照射手段17の紫外線の出力とは異ならせることにより、乾燥品質の向上を図れるようになる。
【0048】
<液体組成物>
以下、本発明に用いられる液体組成物について説明する。
【0049】
本発明に用いられる液体組成物は、水又は有機溶剤を含み、必要に応じて、色材、樹脂などのその他の成分を含む。また、本発明に用いられる液体組成物は、紫外線重合開始剤及び紫外線重合性化合物を含んでいてもよい。
【0050】
液体組成物は、例えば、着色インク、前処理液(アンダーコート液)、後処理液(プロテクターコート液)などとして用いることができる。
【0051】
-紫外線重合開始剤及び紫外線重合性化合物-
液体組成物は、紫外線重合開始剤及び紫外線重合性化合物を含んでいてもよいが、これらを含む場合は、紫外線重合開始剤や紫外線重合性化合物の含有量が所定量未満に抑えられている。これにより、液体組成物に対して紫外線照射手段から紫外線が照射されても、重合反応による硬化は生じない又はほぼ生じない。
【0052】
液体組成物中に紫外線重合開始剤及び紫外線重合性化合物が含まれる場合、含有量としては、紫外線重合開始剤が液体組成物中に0.1質量%未満、又は、紫外線重合性化合物が液体組成物中に5質量%未満である。液体組成物中に紫外線重合開始剤が0.1質量%以上含まれ、かつ、紫外線重合性化合物が5質量%以上含まれる場合、コストが増大すると共に、良好な安全性を有する印刷物が得られにくくなる。
【0053】
紫外線重合開始剤としては、UV(紫外線)によって、ラジカル又はカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマー、オリゴマー)の重合を開始させることが可能なものが挙げられる。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤又はカチオン重合開始剤、塩基発生剤などを、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0054】
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物などが挙げられる。
【0055】
紫外線重合性化合物としては、特に制限されるものではなく、適宜変更することができ、例えば公知の重合性化合物を用いることができる。重合性化合物としては、モノマーでもよいし、オリゴマーなどであってもよい。例えば、メタアクリル酸などが挙げられる。
【0056】
-水-
液体組成物における水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
【0057】
-有機溶剤-
有機溶剤としては、特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
【0058】
多価アルコール類の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオールなどが挙げられる。
【0059】
多価アルコールアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
【0060】
多価アルコールアリールエーテル類としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
【0061】
含窒素複素環化合物としては、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトンなどが挙げられる。
【0062】
アミド類としては、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。
【0063】
アミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
【0064】
含硫黄化合物類としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。
【0065】
その他の有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。
【0066】
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
【0067】
有機溶剤として、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールなどが挙げられる。
【0068】
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどの多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
【0069】
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、シートとして紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
【0070】
有機溶剤の液体組成物中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
【0071】
-水と有機溶剤の含有量-
液体組成物における水と有機溶剤を合計量としては、合計で80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。この場合、吐出性を向上させることができる。
【0072】
-色材-
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
【0073】
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。また、顔料として、混晶を使用してもよい。
【0074】
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
【0075】
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
【0076】
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
【0077】
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタンなどの金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)などの有機顔料があげられる。
【0078】
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、などがある。
【0079】
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0080】
染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
【0081】
液体組成物中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
【0082】
顔料を分散して液体組成物を得る方法としては、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
【0083】
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基又はカルボキシル基などの官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
【0084】
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、液体組成物に配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料又は部分的に被覆された顔料が液体組成物中に分散していてもよい。
【0085】
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
【0086】
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤などを使用することが可能である。分散剤として、竹本油脂社製RT-100(ノニオン系界面活性剤)のほか、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、好適に使用できる。分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0087】
顔料に、水又は有機溶剤などの材料を混合してインクなどの液体組成物を得ることが可能である。また、顔料と、その他水及び分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水又は有機溶剤などの材料を混合して液体組成物を製造することも可能である。
【0088】
顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いるとよい。
【0089】
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下であることが好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
【0090】
顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。顔料分散体に対し、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
【0091】
-樹脂-
液体組成物中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
【0092】
これらの樹脂から成る樹脂粒子を用いてもよい。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材及び有機溶剤などの材料と混合して液体組成物を得ることが可能である。樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
【0093】
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
【0094】
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、液体組成物の保存安定性の点から、液体組成物全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
【0095】
-その他の成分-
液体組成物には、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などを加えてもよい。
【0096】
-前処理液(アンダーコート液)-
液体組成物を前処理液として用いる場合、前処理液は、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて凝集剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤などを含有してもよい。有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、液体組成物に用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。凝集剤の種類は特に限定されず、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩などが挙げられる。
【0097】
-後処理液(プロテクターコート液)-
液体組成物を後処理液として用いる場合、後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水の他、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤など、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、シートに形成された画像領域の全域に塗布してもよいし、選択された領域のみに塗布してもよい。
【0098】
<硬化型組成物>
本発明においては、液体組成物のほか、紫外線により硬化する硬化型組成物をシートに付与するようにしてもよい。このような硬化型組成物を用いる場合、紫外線照射手段により、液体組成物の乾燥と同時に硬化型組成物を硬化させることができるため、別途硬化手段を設ける必要がないという利点が得られる。
【0099】
硬化型組成物は、着色インク、ホワイトインク、クリアインク、前処理液(アンダーコート液)、後処理液(プロテクターコート液)などとして用いることができる。中でも、ホワイトインク、クリアインクとして用いることが好ましい。UV硬化型のインクとする場合は、UVインクなどとも称することができる。
【0100】
硬化型組成物を用いる場合、安全性及びコストの面で硬化型組成物を用いない場合に比べて劣るものの、ホワイト、クリアなどの特色を付加することで、付加価値のある印刷物を得ることができる。また、本発明においては、硬化型組成物を用いた場合においても液体組成物を合わせて用いることができるため、例えばブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ホワイトインクをすべてUV硬化型インクとした従来例と比べて、ランニングコストを抑え、良好な安全性を有する印刷物が得られる。
【0101】
硬化型組成物を用いる場合、シートに付与する順番としては、シートに紫外線が照射される前であればよく、適宜変更することができる。液体組成物をシートに付与する前であってもよいし、液体組成物をシートに付与した後であってもよいし、同時でもよい。また、硬化型組成物を付与する領域は、適宜変更することができ、液体組成物と同じ箇所であってもよい。
【0102】
硬化型組成物は、例えば重合開始剤、重合性化合物を含有し、必要に応じて色材や有機溶媒(有機溶剤)などのその他の成分を含んでいてもよい。
【0103】
-重合開始剤及び重合性化合物-
重合開始剤及び重合性化合物としては、紫外線重合開始剤及び紫外線重合性化合物などを用いることができる。
【0104】
重合開始剤としては、紫外線照射手段により照射される紫外線により、ラジカル又はカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤又はカチオン重合開始剤、塩基発生剤などを、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でもラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。また、重合開始剤は、十分な硬化速度を得るために、硬化型組成物の総質量(100質量%)に対し、5~20質量%含まれることが好ましい。
【0105】
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物などが挙げられる。
【0106】
また、重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p-ジエチルアミノアセトフェノン、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸-2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルベンジルアミン及び4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン化合物が好ましく、その含有量は、使用する重合開始剤又はその量に応じて適宜設定すればよい。
【0107】
-色材-
色材としては、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金、銀などを付与する種々の顔料又は染料を用いることができ、液体組成物に用いられる色材などを用いることができる。
【0108】
色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性などを考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、硬化型組成物の総質量(100質量%)に対して、0.1~20質量%であることが好ましい。なお、硬化型組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば、画像を保護するためのオーバーコート層(プロテクターコート層)として好適である。
【0109】
-有機溶媒(有機溶剤)-
有機溶媒としては、液体組成物に用いられる有機溶剤などを用いることができる。硬化型組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
【0110】
その他成分としては、特に制限されないが、例えば、従来公知の、界面活性剤、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
【0111】
-調製-
硬化型組成物は、上述の各種成分を用いて作製することができ、その調製手段及び条件は特に限定されないが、例えば、重合性モノマー、顔料、分散剤などをボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液にさらに重合性モノマー、開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
【0112】
-粘度-
硬化型組成物の粘度は、用途又は適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3~40mPa・sが好ましく、5~15mPa・sがより好ましく、6~12mPa・sが特に好ましい。また、当該粘度範囲を、有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE-22Lにより、コーンロータ(1°34'×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃~65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM-150IIIを用いることができる。
【0113】
以上、各実施形態を例に本発明について説明した。
【0114】
ここで、本発明に係る「液体吐出装置」には、液体吐出装置の一例であるインクジェット式の画像形成装置のほか、液体吐出部を備え、液体吐出部を駆動させて、シートに液体を吐出する装置であれば、種々の液体吐出装置が含まれる。従って、本発明に係る「液体吐出装置」は、吐出された液体によって文字、図形などの有意な画像を可視化するものに限らない。例えばそれ自体意味を持たないパターンなどを形成するもの、三次元像を造形するもの、さらにはシートの表面を改質するなどの目的でシートの表面に処理液を吐出する処理液吐出装置なども、「液体吐出装置」として含まれる。
【0115】
また、本発明に係る「液体吐出装置」は、シートの給送、搬送、排出に係わる手段、前処理装置のほか、後処理装置などが含むものであってもよい。さらに、「液体吐出装置」は、シートに対して液体吐出部が相対的に移動するものであってもよいし、液体吐出部が相対的に移動しないものであってもよい。具体例としては、液体吐出ヘッド(液体吐出部)を移動させるシリアル型の液体吐出装置、液体吐出ヘッド(液体吐出部)を移動させないライン型の液体吐出装置などが挙げられる。
【0116】
液体が吐出される「シート」には、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどが含まれる。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板が挙げられる。「シート」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0117】
また、「液体吐出装置」によって吐出される「液体」は、液体吐出部から吐出可能な粘度又は表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、又は加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒などの溶媒、染料、顔料などの着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤などの機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウムなどの生体適合材料、天然色素などの可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどである。これらは、例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子、発光素子の構成要素、電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液などの用途で用いることができる。
【0118】
以上説明した本発明の態様をまとめると、本発明には、少なくとも下記の態様が含まれる。
【0119】
[第1の態様]
第1の態様は、シートを搬送する搬送手段と、搬送される前記シートに紫外線を照射する紫外線照射手段とを備え、前記紫外線照射手段から前記シートの第一面に紫外線を照射した後、同じ前記紫外線照射手段から前記第一面とは反対側の第二面に紫外線を照射して前記シート上の液体を乾燥させる乾燥装置であって、前記第一面に照射される紫外線の出力と、前記第二面に照射される紫外線の出力とを異ならせる乾燥装置である。
【0120】
[第2の態様]
第2の態様は、第1の態様において、前記第一面に照射される紫外線の出力が、前記第二面に照射される紫外線の出力よりも低く設定される乾燥装置である。
【0121】
[第3の態様]
第3の態様は、第1の態様において、前記第二面に照射される紫外線の出力が、前記第一面に照射される紫外線の出力よりも低く設定される乾燥装置である。
【0122】
[第4の態様]
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様において、複数の前記紫外線照射手段が、シート搬送方向に並んで配置され、複数の前記紫外線照射手段のうち、少なくとも1つの紫外線照射手段の紫外線の出力を、他の紫外線照射手段の紫外線の出力とは異ならせる乾燥装置である。
【0123】
[第5の態様]
第5の態様は、第4の態様において、シート搬送方向の下流側に配置される前記紫外線照射手段の紫外線の出力が、シート搬送方向の上流側に配置される前記紫外線照射手段の紫外線の出力よりも低く設定される乾燥装置である。
【0124】
[第6の態様]
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様において、前記紫外線照射手段よりもシート搬送方向の上流側に、前記シートを検知するシート検知手段を備える乾燥装置である。
【0125】
[第7の態様]
第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様において、前記シート上の液体は、水又は有機溶剤を含む液体組成物であり、前記液体組成物は、紫外線重合開始剤及び紫外線重合性化合物を含んでいても含んでいなくてもよく、前記紫外線重合開始剤が前記液体組成物中に0.1質量%未満、又は、前記紫外線重合性化合物が前記液体組成物中に5質量%未満含まれる乾燥装置である。
【0126】
[第8の態様]
第8の態様は、紫外線照射手段からシートの第一面に紫外線を照射した後、同じ前記紫外線照射手段から前記第一面とは反対側の第二面に紫外線を照射して前記シート上の液体を乾燥させる乾燥方法であって前記第一面に照射される紫外線の出力と、前記第二面に照射される紫外線の出力とを異ならせる乾燥方法である。
【0127】
[第9の態様]
第9の態様は、シートに液体を吐出する液体吐出部と、前記シートに吐出された液体を乾燥させる第1から第7のいずれか1つの態様の乾燥装置とを備える液体吐出装置である。
【符号の説明】
【0128】
10 乾燥装置
13 液体吐出部
17 紫外線照射手段
18 搬送手段
19 シート検知手段
100 液体吐出装置
A シート搬送方向
S シート
【先行技術文献】
【特許文献】
【0129】