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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172533
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】多芯ケーブル
(51)【国際特許分類】
   H01B 11/20 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
H01B11/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090315
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】株式会社プロテリアル
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 得天
(72)【発明者】
【氏名】渡部 考信
(72)【発明者】
【氏名】矢口 敦郎
(72)【発明者】
【氏名】工藤 紀美香
【テーマコード(参考)】
5G319
【Fターム(参考)】
5G319GA03
5G319GA05
(57)【要約】
【課題】細径化が可能でかつ高い屈曲性を有する多芯ケーブルを提供する。
【解決手段】多芯ケーブル1は、複数本の同軸ケーブル2を有する。同軸ケーブル2は、内部導体21と、内部導体21の周囲を覆う絶縁体22と、絶縁体22の周囲に配置された外部導体23とを有し、外部導体23が絶縁体に覆われていない。複数本の同軸ケーブル2のうち一部の同軸ケーブル2の外部導体23は、電気的に接地される接地用導体3に覆われている。複数本の同軸ケーブル2のそれぞれの外部導体23は、接地用導体3又は他の同軸ケーブル2の外部導体23に接することにより電気的に接地される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の同軸ケーブルを有する多芯ケーブルであって、
前記同軸ケーブルは、内部導体と、前記内部導体の周囲を覆う絶縁体と、前記絶縁体の周囲に配置された外部導体とを有し、前記外部導体が絶縁体に覆われておらず、
複数本の前記同軸ケーブルのうち一部の前記同軸ケーブルの前記外部導体が電気的に接地される接地用導体に覆われており、
複数本の前記同軸ケーブルのそれぞれの前記外部導体が、前記接地用導体又は他の前記同軸ケーブルの前記外部導体に接することにより電気的に接地される、
多芯ケーブル。
【請求項2】
前記接地用導体は、複数の接地導体素線を螺旋状に横巻してなる、
請求項1に記載の多芯ケーブル。
【請求項3】
前記一部の前記同軸ケーブルの前記外部導体は、複数の外部導体素線を前記絶縁体の外周に螺旋状に横巻してなり、
前記複数の接地導体素線の横巻の方向と前記複数の外部導体素線の横巻の方向とが逆向きである、
請求項2に記載の多芯ケーブル。
【請求項4】
前記接地用導体に覆われた少なくとも1本の前記同軸ケーブルを囲むように、少なくとも5本の他の前記同軸ケーブルが螺旋状に配置されている、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の多芯ケーブル。
【請求項5】
複数本の前記同軸ケーブルがシースに収容されており、
複数本の前記同軸ケーブルのうち前記シースの近傍に位置する少なくとも1本の前記同軸ケーブルが前記接地用導体に覆われている、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の多芯ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数本の同軸ケーブルを有する多芯ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数本の同軸ケーブルを有する多芯ケーブルが例えば通信用に用いられている。特許文献1に記載の多芯通信ケーブルは、複数の繊維からなる繊維糸又はその繊維糸を束ねた繊維束である芯材と、芯材の外周に配置された複数の同軸電線と、複数の同軸電線を覆い束ねる押さえ巻きテープと、押さえ巻きテープを覆うシールド層と、シールド層を覆う管状のシースとを有している。同軸電線は、中心導体と、絶縁体と、複数の金属細線を螺旋状に横巻した外部導体と、融着層付きの樹脂テープの融着層を外部導体側にして横巻きした外被体とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-21713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば多関節ロボットの体内ケーブルや、内視鏡又は医療用カテーテルのケーブルとして用いられる多芯ケーブルには、屈曲性が高いこと及び細径であることが求められる。本発明は、このような要請に応えるべくなされたものであり、その目的は、細径化が可能でかつ高い屈曲性を有する多芯ケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、複数本の同軸ケーブルを有する多芯ケーブルであって、前記同軸ケーブルは、内部導体と、前記内部導体の周囲を覆う絶縁体と、前記絶縁体の周囲に配置された外部導体とを有し、前記外部導体が絶縁体に覆われておらず、複数本の前記同軸ケーブルのうち一部の前記同軸ケーブルの前記外部導体が電気的に接地される接地用導体に覆われており、複数本の前記同軸ケーブルのそれぞれの前記外部導体が、前記接地用導体又は他の前記同軸ケーブルの前記外部導体に接することにより電気的に接地される、多芯ケーブルを提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、細径化が可能でかつ高い屈曲性を有する多芯ケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る多芯ケーブルの断面図である。
図2】(a)は、同軸ケーブルの構成を説明する構成図である。(b)は、(a)のA-A線断面図である。
図3】(a)は、第1の同軸ケーブル及び接地用導体の構成を説明するために示す構成図である。(b)は、(a)のB-B線断面図である。
図4】テープ部材、シールド層、及びシースの図示を省略し、第1乃至第8の同軸ケーブルを多芯ケーブルの長手方向に対して垂直な方向から見た説明図である。
図5】(a)は、多芯ケーブルを複数本用いて構成された複合多芯ケーブルにより、一端側装置と他端側装置とが電気的に接続された装置システムの構成例を示す概略図である。(b)は、(a)のC-C線における複合多芯ケーブルの断面図である。
図6】1本の多芯ケーブルの同軸ケーブルの内部導体及び接地用導体が、他端側装置の基板に設けられた複数の電極にそれぞれ接続された状態の一例を示す構成図である。
図7】本発明の第2の実施の形態に係る多芯ケーブルの断面図である。
図8】本発明の第3の実施の形態に係る多芯ケーブルの断面図である。
図9】本発明の第4の実施の形態に係る多芯ケーブルの断面図である。
図10】本発明の第5の実施の形態に係る複合多芯ケーブルを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る多芯ケーブル1の断面図である。図1では、多芯ケーブル1の長手方向に対して垂直な断面を示している。多芯ケーブル1は、例えば内視鏡又は医療用カテーテルのケーブルや、多関節ロボットの体内ケーブルとして用いられる。
【0009】
多芯ケーブル1は、複数本の同軸ケーブル2と、電気的に接地される接地用導体3と、複数本の同軸ケーブル2及び接地用導体3の周囲に螺旋状に巻き付けられたテープ部材4と、テープ部材4の周囲に螺旋状に横巻きされた複数のシールド素線50からなるシールド層5と、シールド層5の外周を被覆する管状のシース6を有している。本実施の形態では、8本の同軸ケーブル2が接地用導体3と共にシース6に一括して収容されている。
【0010】
テープ部材4としては、例えば、織布、紙、あるいは樹脂等からなるものを用いることができる。シールド素線50は、例えば銀めっきや錫めっきされた軟銅線、あるいは銅合金線からなり、テープ部材4とシース6との間に配置されている。シース6は、例えば押出成形されたフッ素樹脂、あるいはポリ塩化ビニル樹脂を含む樹脂組成物からなり、その内容物を保護している。シース6の外径、すなわち多芯ケーブル1の外径D(ケーブル外径)は、1.0mm以下である。
【0011】
図2(a)は、同軸ケーブル2の構成を説明するために示す構成図である。図2(b)は、図2(a)のA-A線断面図である。同軸ケーブル2は、内部導体21と、内部導体21の周囲を覆う絶縁体22と、絶縁体22の周囲に配置された外部導体23とを有している。同軸ケーブル2は、外部導体23の外周が絶縁体に覆われておらず、同軸ケーブル2の最外層が外部導体23である。つまり、同軸ケーブル2は、外部導体23が露出した非被覆タイプの同軸線である。同軸ケーブル2の外径Dは、0.2mm以下である。
【0012】
内部導体21は、複数の内部導体素線210を撚り合わせてなる撚線である。本実施の形態では、7本の内部導体素線210を撚り合わせて内部導体21を構成している。内部導体素線210は、例えば銅合金線あるいは錫めっき銅合金線である。内部導体21の外径D21は、0.1mm以下である。内部導体素線210の外径D210は、0.033mm以下である。
【0013】
絶縁体22は、例えばフッ素樹脂、ポリエチレン、あるいはポリプロピレン等からなる。絶縁体22に用いるフッ素樹脂としてより具体的には、例えばPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)を好適に用いることができる。内部導体21は、絶縁体22の中心部に埋め込まれている。
【0014】
外部導体23は、絶縁体22の外周に螺旋状に横巻された複数の外部導体素線230からなる。複数の外部導体素線230は、絶縁体22の外周面22aに接するように螺旋状に横巻されている。本実施の形態では、一例として30本の外部導体素線230によって外部導体23が構成されている。外部導体素線230は、例えば銅合金線あるいは錫めっき銅合金線である。外部導体素線230の外径D230は、内部導体素線210の外径D210と同様、0.033mm以下である。
【0015】
多芯ケーブル1、同軸ケーブル2、内部導体21、内部導体素線210、外部導体素線230、及び接地導体素線30の外径は、例えばノギス、マイクロメータ、又はマイクロスコープを用いて、JIS C 3005に準拠する方法によって測定することができる。後述する接地用導体3及び接地導体素線30の外径についても同様である。なお、本実施の形態では、多芯ケーブル1における複数本の同軸ケーブル2の太さや材質等の諸元が共通であるが、これに限らず、一部の同軸ケーブル2の諸元が他の同軸ケーブル2の諸元と異なっていてもよい。
【0016】
同軸ケーブル2の長手方向から見た複数の外部導体素線230の横巻の方向は、内部導体21の複数の内部導体素線210の撚り合わせの方向と同じである。図2(b)では、内部導体素線210の撚り合わせの方向を矢印A21で示し、外部導体素線230の横巻の方向を矢印A23で示している。内部導体素線210の撚り合わせの方向、及び外部導体素線230の横巻の方向は、各同軸ケーブル2において共通である。
【0017】
以下、8本の同軸ケーブル2のそれぞれを特定する場合には、各同軸ケーブル2を第1乃至第8の同軸ケーブル2A~2Hとして説明する。同軸ケーブル2は、第1乃至第8の同軸ケーブル2A~2Hの総称である。
【0018】
第1の同軸ケーブル2Aは、シース6の中心部に配置され、第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2Hは、シース6の近傍に配置されている。また、第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2Hは、第1の同軸ケーブル2Aを囲むように配置されている。テープ部材4は、第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2Hに接して螺旋状に巻き付けられている。
【0019】
接地用導体3は、複数本の同軸ケーブル2のうち一部の同軸ケーブル2の外周を覆っている。複数本の同軸ケーブル2のそれぞれの外部導体23は、接地用導体3又は他の同軸ケーブル2の外部導体23に接することにより電気的に接地される。本実施の形態では、第1の同軸ケーブル2Aの外周が接地用導体3に覆われており、第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2Hは、接地用導体3に覆われていない。第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2Hは、隣り合う同軸ケーブル2同士のそれぞれの外部導体23が多芯ケーブル1の長手方向の少なくとも一部において互いに接している。また、第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2Hのそれぞれの外部導体23は、多芯ケーブル1の長手方向の少なくとも一部において接地用導体3に接している。
【0020】
図3(a)は、第1の同軸ケーブル2A及び接地用導体3の構成を説明するために示す構成図である。図3(b)は、図3(a)のB-B線断面図である。接地用導体3は、螺旋状に横巻された複数の接地導体素線30からなる。複数の接地導体素線30は、例えば銅合金線あるいは錫めっき銅合金線からなり、第1の同軸ケーブル2Aの外部導体23の外周に螺旋状に横巻されている。接地導体素線30の外径D30は、外部導体素線230の外径D230の1.0倍以上1.5倍以下である。これにより、外部導体23の接地抵抗を低減しつつもケーブル外径の増大を抑制することができる。より好ましくは、接地導体素線30の外径D30が外部導体素線230の外径D230の1.0倍より大きく1.5倍以下である。これにより、外部導体23の接地抵抗をより低減することができるとともに、多芯ケーブル1の端末処理の際に外部導体素線230と接地導体素線30とを分離しやすくなる。接地用導体3の外径(すなわち、第1の同軸ケーブル2Aの外径)Dは、同軸ケーブル2の外径Dの1.2倍以上1.4倍以下である。
【0021】
図3(b)に示す例では、外部導体素線230の数と接地導体素線30の数が同じであり、接地導体素線30の外径D30が外部導体素線230の外径D230の1.25倍であるが、外部導体素線230の数と接地導体素線30の数が異なっていてもよい。
【0022】
第1の同軸ケーブル2Aの長手方向から見た複数の接地導体素線30の横巻の方向は、外部導体23における複数の外部導体素線230の横巻の方向と逆向きである。図3(b)では、接地導体素線30の撚り合わせの方向を矢印Aで示している。接地導体素線30の横巻の方向が外部導体素線230の横巻の方向と逆向きであることにより、多芯ケーブル1の端末処理の際に外部導体素線230と接地導体素線30とを分離しやすくなり、作業性が向上する。また、複数の接地導体素線30の横巻のピッチ(螺旋状に横巻されたときの第1の同軸ケーブル2Aの長手方向のピッチ)は、外部導体23を構成する複数の外部導体素線230の横巻のピッチと異なる。例えば、接地導体素線30の横巻のピッチは、外部導体素線230の横巻のピッチより大きいとよい。これにより、多芯ケーブル1の端末処理の際に外部導体素線230と接地導体素線30とを分離しやすくなる。
【0023】
図4は、テープ部材4、シールド層5、及びシース6の図示を省略し、第1乃至第8の同軸ケーブル2A~2Hを多芯ケーブル1の長手方向に対して垂直な方向から見た説明図である。図4では、第1の同軸ケーブル2Aを覆う接地用導体3を実線で示し、第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2Hを仮想線(二点鎖線)で模式的に示している。
【0024】
第1の同軸ケーブル2Aは、シース6の中心軸Cに沿ってシース6の中心部に配置されている。第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2Hは、第1の同軸ケーブル2A及び接地用導体3を囲むように螺旋状に配置されている。多芯ケーブル1の長手方向から見た第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2Hの螺旋巻きの方向は、複数の接地導体素線30の横巻の方向と逆向き(すなわち、複数の外部導体素線230の横巻の方向と同じ)である。図4では、第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2Hの螺旋巻きの方向を矢印Aで示している。第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2Hの螺旋巻きの方向を、複数の接地導体素線30の横巻の方向と逆向きにすることにより、第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2Hにおいて、複数の外部導体素線230の横巻がばらけにくくなり、電磁シールドの機能の低下を抑制することができる。ただし、第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2Hの螺旋巻きの方向を複数の接地導体素線30の横巻の方向と同じ向きにしてもよい。
【0025】
第1の同軸ケーブル2Aの外部導体23は、接地用導体3と接することにより、電気的に接地される。他の同軸ケーブル2(第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2H)は、このうち少なくとも何れかの同軸ケーブル2の外部導体23が接地用導体3に接していればよく、必ずしも全ての同軸ケーブル2の外部導体23が接地用導体3に接していなくてもよい。つまり、第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2Hのそれぞれの外部導体23は、接地用導体3と接することにより、又は第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2Hの螺旋巻きの方向に隣り合う他の同軸ケーブル2の外部導体23に接することにより、電気的に接地される。
【0026】
図5(a)は、本実施の形態に係る多芯ケーブル1を複数本用いて構成された複合多芯ケーブル10により、複合多芯ケーブル10の一端部に接続された一端側装置71と複合多芯ケーブル10の他端部に接続された他端側装置72とが電気的に接続された装置システム7の構成例を示す概略図である。図5(b)は、図5(a)のC-C線における複合多芯ケーブル10の断面図である。複合多芯ケーブル10は、長手方向の複数箇所で繰り返し屈曲される。他端側装置72は、例えば人体内に挿入される内視鏡システムのカメラヘッド又はカテーテルシステムのカテーテルヘッドである。また、他端側装置72は、多関節ロボットや工作機械のアクチュエータやセンサ等であってもよい。
【0027】
一端側装置71及び他端側装置72は、ケース部材711,721と、ケース部材711,721に収容された基板712,722とをそれぞれ有している。複数の多芯ケーブル1のそれぞれの複数本の同軸ケーブル2の内部導体21及び接地用導体3は、基板712,722に設けられた電極に接続されている。基板712,722は、例えば可撓性を有するフィルム状のフレキシブル基板であってもよく、フレキシブル基板よりも剛性が高いソリッド基板であってもよい。ただし、他端側装置72の基板722としては、他端側装置72の小型軽量化が可能なフレキシブル基板を用いることが望ましい。
【0028】
なお、図示は省略しているが、複数の多芯ケーブル1のそれぞれのシールド素線50の両端部は、一端側装置71及び他端側装置72のケース部材711,721に電気的に接続されている。ケース部材711,721は金属製であり、基板712,722等を電磁的にシールドしている。
【0029】
図5(b)に示すように、複合多芯ケーブル10は、複数の多芯ケーブル1と、複数の電源線11と、複数の多芯ケーブル1及び複数の電源線11の周囲に螺旋状に巻き付けられたテープ部材12と、テープ部材12の周囲に螺旋状に横巻された複数のシールド素線130からなるシールド層13と、シールド層13の外周を被覆する管状の外部シース14とを有している。複数の多芯ケーブル1及び複数の電源線11は、螺旋状に撚り合わされている。電源線11は、複数の素線110を撚り合わせてなる導体線111と、導体線111を覆う絶縁体112とを有する単純線である。導体線111は、一例として、基板712,722における複数本の同軸ケーブル2の内部導体21及び接地用導体3が接続される複数の電極が設けられた面とは反対側の裏面に設けられた電源電極に接続されている。
【0030】
複数の多芯ケーブル1のそれぞれの同軸ケーブル2における内部導体21は、一端側装置71と他端側装置72との間で電気信号を伝送する。外部導体23は、電磁シールドとして機能する。電源線11は、他端側装置72の電気的な動作のための電力を他端側装置72に供給する。図5(b)に示す例では、複合多芯ケーブル10が7本の多芯ケーブル1及び6本の電源線11を有している。ただし、複合多芯ケーブル10における多芯ケーブル1及び電源線11の本数は、装置システム7の用途や機能等に応じて、適宜選択が可能である。
【0031】
図6は、1本の多芯ケーブル1の同軸ケーブル2の内部導体21及び接地用導体3が、他端側装置72の基板722に設けられた複数の電極722aにそれぞれ接続された状態の一例を示す構成図である。なお、一端側装置71の基板712と多芯ケーブル1との接続についても、図6に示す構成と同様にして行われる。
【0032】
図6に示すように、同軸ケーブル2の絶縁体22は、電極722aの近傍で除去され、内部導体21が露出している。接地用導体3は、シース6から露出した部分で複数の接地導体素線30が束ねられ、電極722aに接続される。同軸ケーブル2の内部導体21及び接地用導体3は、複数の電極722aのそれぞれに例えば半田によって接続される。図6では、この半田の図示を省略している。接地用導体3が接続される電極722aは、接地電極である。
【0033】
なお、内部導体21と電極722aとの接続は、半田付けに限らず、導電性接着剤を用いて行ってもよく、溶接により行ってもよい。また、接地用導体3は、複数の接地導体素線30の全てが電極722aに接続されていなくてもよく、例えば30本の接地導体素線30のうち半数の接地導体素線30が電極722aに接続され、他の接地導体素線30がシース6の端面6a付近で切断されていてもよい。つまり、接地用導体3は、複数の接地導体素線30のうち少なくとも一部の接地導体素線30が電極722aに接続されていればよい。また、複数(例えば30本)の接地導体素線30を複数の束に分割し、それぞれの接地導体素線30の束を複数の電極722aにそれぞれ接続してもよい。これにより、基板722の様々な構造に応じた接地が可能となる。
【0034】
テープ部材4は、シース6の端面6a付近で切断されている。複数本の同軸ケーブル2のそれぞれの外部導体23の複数の外部導体素線230は、テープ部材4の端面4a付近で切断されている。つまり、複数本の同軸ケーブル2のそれぞれの複数の外部導体素線230は、互いに等しい長さで、テープ部材4及びシース6の端部付近において両端部が切り放しされている。
【0035】
多芯ケーブル1の複数のシールド素線50は、テープ部材4とシース6との間から導出されて束ねられ、半田8によってケース部材721に電気的に接続されている。なお、複数のシールド素線50を接続端子に加締めによって圧着し、この接続端子をケース部材721に例えばボルト締結や加締めによって接続してもよい。あるいは、ケース部材721に形成した加締め部に複数のシールド素線50を加締めてもよい。
【0036】
(第1の実施の形態の効果)
以上説明した第1の実施の形態によれば、各同軸ケーブル2の外部導体23の外周が覆われていないので、同軸ケーブル2の外径を小さくすることができ、ひいては多芯ケーブル1の外径、及び複合多芯ケーブル10の外径を小さくすることができる。また、同軸ケーブル2の外部導体23が覆われていないことにより、多芯ケーブル1の屈曲性も向上する。
【0037】
また、第1の実施の形態では、複数本の同軸ケーブル2のそれぞれの外部導体23が接地用導体3又は他の同軸ケーブル2の外部導体23に接することにより電気的に接地されるので、例えば各同軸ケーブル2のそれぞれの外部導体23を一端側装置71及び他端側装置72の基板712,722の電極に接続して接地する場合に比較して装置構成を簡潔にすることができ、作業工数も削減することが可能となる。
【0038】
また、第1の実施の形態では、複数本の同軸ケーブル2のそれぞれの外部導体23の複数の外部導体素線230がテープ部材4及びシース6の端部付近で等しい長さで切断されているので、各同軸ケーブル2のインピーダンス不整合を防止でき、信号品質の劣化を抑制できる。つまり、仮に第1の同軸ケーブル2Aの外部導体素線230をテープ部材4及びシース6の端部付近で切断することなく、テープ部材4から長く引き出して電極722aに接続した場合には、引き出された部分の外部導体素線230の電気的な影響によりインピーダンス不整合が発生するおそれがあるが、第1の実施の形態のように、多芯ケーブル1における全ての同軸ケーブル2の外部導体素線230をテープ部材4及びシース6の端部付近で切断することにより、このような問題の発生を抑止することができる。
【0039】
なお、接地用導体3としては、図3(a)及び(b)に示すように複数の接地導体素線30を外部導体23の外周に螺旋状に横巻してなるものに限らず、例えば複数の接地導体素線を格子状に編み組みした筒状の編組線であってもよい。後述する他の実施の形態における接地用導体についても同様である。
【0040】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図7を参照して説明する。図7は、本発明の第2の実施の形態に係る多芯ケーブル1Aの断面図である。第1の実施の形態では、第1乃至第8の同軸ケーブル2A~2Hのうちシース6の中心部に配置された第1の同軸ケーブル2Aが接地用導体3に覆われた場合について説明したが、第2の実施の形態では、第1の同軸ケーブル2Aに加え、第1の同軸ケーブル2Aよりもシース6に近い位置に配置された第2の同軸ケーブル2Bが接地用導体3に覆われている。第1の同軸ケーブル2Aを覆う接地用導体3と、第2の同軸ケーブル2Bを覆う接地用導体3とは、互いに接している。多芯ケーブル1Aのその他の構成は、第1の実施の形態に係る多芯ケーブル1と同様である。
【0041】
第1の同軸ケーブル2A及び第2の同軸ケーブル2Bの外部導体23は、それぞれ接地用導体3に接することにより電気的に接地される。第3乃至第8の同軸ケーブル2C~2Hの外部導体23は、第1の同軸ケーブル2A又は第2の同軸ケーブル2Bの外周を覆う接地用導体3、もしくは他の同軸ケーブル2の外部導体23に接することにより、電気的に接地される。第1乃至第8の同軸ケーブル2A~2Hのそれぞれの内部導体21、第1の同軸ケーブル2Aを覆う接地用導体3、及び第2の同軸ケーブル2Bを覆う接地用導体3は、多芯ケーブル1Aの端部において、第1の実施の形態と同様に基板の電極に接続される。
【0042】
この第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、多芯ケーブル1Aの端部において第2の同軸ケーブル2Bを基板に近接させて配置することにより、第2の同軸ケーブル2Bを覆う接地用導体3を基板の電極に接続しやすくなる。なお、第2の同軸ケーブル2Bを覆う接地用導体3を基板の電極に接続して電気的に接地すれば、第1の同軸ケーブル2Aを覆う接地用導体3は、必ずしも基板の電極に接続しなくてもよい。この場合でも、第1の同軸ケーブル2Aを覆う接地用導体3と第2の同軸ケーブル2Bを覆う接地用導体3との接触により、第1の同軸ケーブル2Aを覆う接地用導体3が電気的に接地される。
【0043】
また、シース6の近傍に配置された第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2Hのうち、第2の同軸ケーブル2Bに加え、さらに他の同軸ケーブル2の外周に接地用導体3を配置してもよい。つまり、複数本の同軸ケーブル2のうち、シース6の近傍に位置する少なくとも1本の同軸ケーブル2が接地用導体3に覆われていればよい。
【0044】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について、図8を参照して説明する。図8は、本発明の第3の実施の形態に係る多芯ケーブル1Bの断面図である。第1及び第2の実施の形態では、多芯ケーブル1が8本の同軸ケーブル2を有し、中心部に配置された1本の同軸ケーブル2(第1の同軸ケーブル2A)の周囲に7本の同軸ケーブル2(第2乃至第8の同軸ケーブル2B~2H)が配置された場合について説明したが、第3の実施の形態では、接地用導体3に覆われた1本の同軸ケーブル2(第1の同軸ケーブル2A)の周囲に5本の同軸ケーブル2(第2乃至第6の同軸ケーブル2B~2F)が配置されている。
【0045】
これら5本の同軸ケーブル2の間には、同軸ケーブル2同士の間隔を保持して同軸ケーブル2が偏在してしまうことを抑制する介在9が配置されている。介在9としては、糸状あるいは繊維状のものを用いることができる。なお、介在9が導電性であってもよい。介在9が配置されていることにより、シース6の外形形状を円形に近づけることができ、多芯ケーブル1Bの配策性や屈曲耐久性が高められる。各同軸ケーブル2Aのそれぞれの外部導体23は、接地用導体3との接触により電気的に接地される。
【0046】
この第3の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。なお、中心部に配置された1本の同軸ケーブル2(第1の同軸ケーブル2A)の周囲には、少なくとも5本の同軸ケーブル2を配置することが望ましい。中心部における1本の同軸ケーブル2の周囲に配置された同軸ケーブル2の本数が4本以下であると、ケーブル外径に対する同軸ケーブル2の本数が少なすぎて配線効率が低下してしまうと共に、1本の同軸ケーブル2の周囲に配置された同軸ケーブル2の間隔が接地用導体3の外径Dよりも大きくなりやすく、位置ずれが発生しやすいためである。
【0047】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について、図9を参照して説明する。図9は、本発明の第4の実施の形態に係る多芯ケーブル1Cの断面図である。第4の実施の形態に係る多芯ケーブル1Cは、第3の実施の形態に係る多芯ケーブル1Bと同様に、中心部に配置された1本の同軸ケーブル2(第1の同軸ケーブル2A)の周囲に5本の同軸ケーブル2(第2乃至第6の同軸ケーブル2B~2F)が配置されているが、中心部に配置された1本の同軸ケーブル2(第1の同軸ケーブル2A)ではなく、シース6の近傍に位置する第2の同軸ケーブル2Bの外部導体23が接地用導体3に覆われた構成が、第3の実施の形態に係る多芯ケーブル1Bと異なっている。
【0048】
本実施の形態では、第1の同軸ケーブル2Aの外部導体23、第2の同軸ケーブル2Bの外部導体23、第3の同軸ケーブル2Cの外部導体23、及び第6の同軸ケーブル2Fの外部導体23が、接地用導体3に接することにより電気的に接地される。第4の同軸ケーブル2Dの外部導体23は、第1の同軸ケーブル2A又は第3の同軸ケーブル2Cの外部導体23に接することにより電気的に接地される。第5の同軸ケーブル2Eの外部導体23は、第1の同軸ケーブル2A又は第6の同軸ケーブル2Fの外部導体23に接することにより電気的に接地される。
【0049】
この多芯ケーブル1Cによれば、第2の同軸ケーブル2Bを基板に近接させて配置することにより、第2の同軸ケーブル2Bを覆う接地用導体3を基板の電極に接続しやすくなる。なお、第2の同軸ケーブル2Bの外部導体23に加え、第1の同軸ケーブル2Aの外部導体23を覆うように接地用導体3を配置してもよい。
【0050】
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について、図10を参照して説明する。図10は、第5の実施の形態に係る複合多芯ケーブル10Aを示す断面図である。この複合多芯ケーブル10Aは、第1の実施の形態に係る複合多芯ケーブル10の変形例であり、中心部に位置する第1の多芯ケーブル1Dと、第1の多芯ケーブル1Dの周囲に配置された第2乃至第7の多芯ケーブル1E~1Jと、複数の電源線11と、テープ部材12と、複数のシールド素線130からなるシールド層13と、外部シース14とを有している。電源線11、テープ部材12、シールド層13、及び外部シース14の構成は、第1の実施の形態に係る複合多芯ケーブル10と同様である。
【0051】
第1の多芯ケーブル1Dは、第1の実施の形態に係る多芯ケーブル1のテープ部材4、シールド層5、及びシース6を省略したものである。第1の多芯ケーブル1Dの複数の同軸ケーブル2のうち中心部に位置する同軸ケーブル2は、接地用導体3に覆われている。この同軸ケーブル2及び接地用導体3の周囲に配置された複数の同軸ケーブル2の外部導体23は、接地用導体3に接することにより、又は隣り合う他の同軸ケーブル2の外部導体23に接することにより、電気的に接地される。
【0052】
第2乃至第7の多芯ケーブル1E~1Jは、複数の同軸ケーブル2を撚り合わせたものである。第2乃至第7の多芯ケーブル1E~1Jの複数の同軸ケーブル2は、何れも接地用導体3に覆われていない。第2乃至第7の多芯ケーブル1E~1Jのそれぞれの複数の同軸ケーブル2の外部導体23は、互いに接することによって電気的に導通している。
【0053】
第2乃至第7の多芯ケーブル1E~1Jのそれぞれは、複数の同軸ケーブル2のうち少なくとも何れか1本の同軸ケーブル2の外部導体23が、第1の多芯ケーブル1Dの複数の同軸ケーブル2のうち少なくとも何れか1本の同軸ケーブル2の外部導体23に接しており、この接触によって複数の同軸ケーブル2のそれぞれの外部導体23が電気的に接地される。
【0054】
この複合多芯ケーブル10Aによれば、第1の多芯ケーブル1Dの接地用導体3を電気的に接地することにより、第1乃至第7の多芯ケーブル1D~1Jの全ての同軸ケーブル2の外部導体23が電気的に接地される。このため、全ての同軸ケーブル2の外部導体23を接地電極に接続させる作業が不要になり、端末処理の作業を容易に行うことが可能となる。なお、第5の実施の形態に係る複合多芯ケーブル10Aでは、中心部に位置する第1の多芯ケーブル1Dのみが接地用導体3を有する構造としたが、例えば、第1乃至第7の多芯ケーブル1D~1Jの少なくとも1つに接地用導体3を有する構造としてもよい。
【0055】
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0056】
[1]複数本の同軸ケーブル(2)を有する多芯ケーブル(1,1A~1D)であって、前記同軸ケーブル(2)は、内部導体(21)と、前記内部導体の周囲を覆う絶縁体(22)と、前記絶縁体(22)の周囲に配置された外部導体(23)とを有し、前記外部導体(22)が絶縁体に覆われておらず、複数本の前記同軸ケーブル(2)のうち一部の前記同軸ケーブル(2)の前記外部導体(23)が電気的に接地される接地用導体(3)に覆われており、複数本の前記同軸ケーブル(2)のそれぞれの前記外部導体(23)が、前記接地用導体(3)又は他の前記同軸ケーブル(2)の前記外部導体(23)に接することにより電気的に接地される、多芯ケーブル(1,1A~1D)。
【0057】
[2]前記接地用導体(3)は、複数の接地導体素線(30)を螺旋状に横巻してなる、上記[1]に記載の多芯ケーブル(1,1A~1D)。
【0058】
[3]前記一部の前記同軸ケーブル(2)の前記外部導体(23)は、複数の外部導体素線(230)を前記絶縁体(23)の外周に螺旋状に横巻してなり、前記複数の接地導体素線(30)の横巻の方向と前記複数の外部導体素線(230)の横巻の方向とが逆向きである、上記[2]に記載の多芯ケーブル(1,1A~1D)。
【0059】
[4]前記接地用導体(3)に覆われた少なくとも1本の前記同軸ケーブル(2,2A)を囲むように、少なくとも5本の他の前記同軸ケーブル(2,2B~2F)が螺旋状に配置されている、上記[1]乃至[3]の何れかに記載の多芯ケーブル(1,1A~1D)。
【0060】
[5]複数本の前記同軸ケーブル(2)がシース(6)に収容されており、複数本の前記同軸ケーブル(2)のうち前記シース(6)の近傍に位置する少なくとも1本の前記同軸ケーブル(2,2B)が前記接地用導体(3)に覆われている、上記[1]乃至[3]の何れかに記載の多芯ケーブル(1,1A~1D)。
【0061】
(付記)
以上、本発明の第1乃至第5の実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【0062】
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することができる。例えば、第1乃至第4の実施の形態では、多芯ケーブル1,1A~1Cがテープ部材4及びシールド層5を有する場合について説明したが、使用される環境や使用条件によっては、テープ部材4やシールド層5を省略してもよい。
【符号の説明】
【0063】
1,1A~1J…多芯ケーブル
10,10A…複合多芯ケーブル
2,2A~2H…同軸ケーブル
21…内部導体
23…外部導体
230…外部導体素線
3…接地用導体
30…接地導体素線
6…シース
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