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特開2024-172649媒体処理装置、画像形成装置、及び画像形成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172649
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】媒体処理装置、画像形成装置、及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/26 20060101AFI20241205BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20241205BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B65H31/26
B65H37/04 D
B65H37/04 Z
G03G15/00 431
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090500
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕史
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 勇介
(72)【発明者】
【氏名】廣野 雄祐
(72)【発明者】
【氏名】篠田 淳
(72)【発明者】
【氏名】東海枝 秀斗
(72)【発明者】
【氏名】平田 聡
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 真悟
(72)【発明者】
【氏名】藤田 涼香
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直文
(72)【発明者】
【氏名】高山 亮太
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 賢裕
(72)【発明者】
【氏名】山田 淳
(72)【発明者】
【氏名】森永 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】野崎 航
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 日奈子
【テーマコード(参考)】
2H072
3F054
3F108
【Fターム(参考)】
2H072CA01
2H072GA07
2H072GA08
2H072HB07
3F054AA01
3F054AC01
3F054BA01
3F054BB01
3F054BB14
3F054BG03
3F054BH03
3F054BH05
3F054BH08
3F054DA01
3F054DA16
3F108GA01
3F108GB01
3F108HA02
3F108HA11
3F108HA36
3F108HA54
(57)【要約】
【課題】複数の用紙を搬送方向に揃えて処理可能な媒体処理装置を提供する。
【解決手段】媒体処理装置は、内部トレイに積載された媒体を挟んで対向配置された一対の挟持部が離間して、媒体を受け入れ可能な離間状態と、一対の挟持部で媒体を挟持する挟持状態と、一対の挟持部で複数の媒体を押圧して綴じる綴じ状態とに切替可能に構成されている。媒体処理装置は、N(Nは自然数)枚の媒体が内部トレイに積載されている状態において、(N+1)枚目の媒体がN枚目の媒体に対し接触しながら第一搬送方向に搬送されるとき、綴じ手段を挟持状態とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の複数の媒体を積載可能な内部トレイ及び排出トレイと、
前記内部トレイを経由して前記排出トレイに至る第一搬送方向に、前記媒体を搬送する第一搬送手段と、
前記内部トレイに積載された前記媒体に接離して、前記第一搬送方向と異なる方向である第二搬送方向に搬送する第二搬送手段と、
前記第二搬送方向における前記内部トレイの下流側の端部に配置されて、前記内部トレイに積載された複数の前記媒体を綴じる綴じ手段と、
前記第一搬送手段、前記第二搬送手段、及び前記綴じ手段の動作を制御するコントローラとを備え、
前記綴じ手段は、
前記内部トレイに積載された前記媒体を挟んで対向配置された一対の挟持部が離間して、前記媒体を受け入れ可能な離間状態と、
一対の前記挟持部で前記媒体を挟持する挟持状態と、
一対の前記挟持部で複数の前記媒体を押圧して綴じる綴じ状態とに切替可能に構成され、
前記コントローラは、N(Nは自然数)枚の前記媒体が前記内部トレイに積載されている状態において、(N+1)枚目の前記媒体が前記N枚目の前記媒体に対し接触しながら前記第一搬送方向に搬送されるとき、前記綴じ手段を前記挟持状態とすることを特徴とする媒体処理装置。
【請求項2】
前記綴じ手段は、前記第二搬送方向に直交する主走査方向に移動可能であり、
前記コントローラは、前記内部トレイに積載された前記媒体の前記主走査方向の中央を含む位置において、前記綴じ手段を前記挟持状態に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項3】
前記コントローラは、1枚目の前記媒体が前記内部トレイに到達する前に、前記内部トレイに積載された前記媒体の前記主走査方向の中央を含む位置に、前記綴じ手段を移動させることを特徴とする請求項2に記載の媒体処理装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
所定枚数の前記媒体が前記内部トレイに積載されたことに応じて、前記内部トレイに積載された前記媒体の綴じ位置に対面する位置まで、前記綴じ手段を前記主走査方向に移動させ、
前記綴じ位置に対面する位置で、前記綴じ手段を前記綴じ状態に切り替えることを特徴とする請求項2に記載の媒体処理装置。
【請求項5】
前記綴じ手段は、
複数の前記媒体に綴じ針を貫通させて綴じる針綴じ手段と、
複数の前記媒体を加圧変形させて綴じる圧着綴じ手段とを備え、
前記コントローラは、
(N+1)枚目の前記媒体が前記N枚目の前記媒体に対し接触しながら前記第一搬送方向に搬送されるとき、前記針綴じ手段及び前記圧着綴じ手段の一方を前記挟持状態とし、
所定枚数の前記媒体が前記内部トレイに積載されたことに応じて、前記針綴じ手段及び前記圧着綴じ手段の他方で、所定枚数の前記媒体を綴じることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項6】
前記綴じ手段は、
複数の前記媒体を加圧変形させて綴じる圧着綴じ手段と、
複数の前記媒体に綴じ針を貫通させて綴じる針綴じ手段とを備え、
前記コントローラは、(N+1)枚目の前記媒体が前記N枚目の前記媒体に対し接触しながら前記第一搬送方向に搬送されるとき、前記第二搬送方向に直交する主走査方向に離間した位置に配置した前記針綴じ手段及び前記圧着綴じ手段の両方を前記挟持状態とすることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項7】
一対の前記挟持部は、
前記内部トレイに積載された前記媒体を加圧変形させて綴じる凹凸状の一対の綴じ歯と、
前記内部トレイに積載された前記媒体に対して、一対の前記綴じ歯と共に接離する一対の補助部材とを含み、
前記挟持状態は、前記内部トレイに積載された前記媒体を、
一対の前記綴じ歯及び一対の前記補助部材の両方で挟持する第一挟持状態と、
一対の前記綴じ歯及び一対の前記補助部材のうちの一対の前記補助部材のみで挟持する第二挟持状態とを含み、
前記コントローラは、
複数の前記媒体を綴じる綴じ位置に前記綴じ手段を配置した場合において、(N+1)枚目の前記媒体が前記N枚目の前記媒体に対し接触しながら前記第一搬送方向に搬送されるとき、前記綴じ手段を前記第一挟持状態とし、
前記綴じ位置と異なる位置に前記綴じ手段を配置した場合において、(N+1)枚目の前記媒体が前記N枚目の前記媒体に対し接触しながら前記第一搬送方向に搬送されるとき、前記綴じ手段を前記第二挟持状態とすることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項8】
前記第二搬送方向に直交する主走査方向における前記内部トレイに積載された前記媒体の両側に配置されて、前記内部トレイに積載された複数の前記媒体の前記主走査方向の位置を揃える一対の主走査方向揃え部を備え、
前記コントローラは、一対の前記主走査方向揃え部を前記主走査方向の一方に移動させることによって、前記内部トレイに積載された複数の前記媒体を前記主走査方向にずらすことを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項9】
筐体と、
前記筐体に収容されて媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記筐体に着脱可能に支持されて、前記画像形成手段によって画像が形成された前記媒体を処理する請求項1に記載の媒体処理装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置に接続された請求項1に記載の媒体処理装置とを備える画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体処理装置、画像形成装置、及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像形成装置によって画像が形成されたシート状の媒体を束にして綴じる処理を行う媒体処理装置が知られている。なお、シート状の媒体の例として用紙が広く知られているので、本明細書では、シート状の媒体の束に関しては複数の用紙を積層した「用紙束」を例に用いることとする。
【0003】
このような媒体処理装置の一例として、用紙を内部トレイに向けて第一搬送方向に搬送する第一搬送手段と、内部トレイに積載された用紙を第一搬送方向と異なる方向である第二搬送方向に搬送する第二搬送手段と、内部トレイに積載された複数の用紙の第二搬送方向の下流側の端部を閉じる綴じ手段とを備える用紙処理装置がある(例えば、特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の媒体処理装置において、内部トレイに用紙が既に積載された状態で、第一搬送手段によって新たな用紙が内部トレイに搬送されると、用紙の摩擦によって内部トレイ上の用紙が第一搬送方向にずれる可能性がある。その結果、搬送方向にずれて積層された複数の用紙が綴じ手段によって綴じられるという課題が生じる。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、複数の用紙を搬送方向に揃えて処理可能な媒体処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するため、本発明の一態様は、シート状の複数の媒体を積載可能な内部トレイ及び排出トレイと、前記内部トレイを経由して前記排出トレイに至る第一搬送方向に、前記媒体を搬送する第一搬送手段と、前記内部トレイに積載された前記媒体に接離して、前記第一搬送方向と異なる方向である第二搬送方向に搬送する第二搬送手段と、前記第二搬送方向における前記内部トレイの下流側の端部に配置されて、前記内部トレイに積載された複数の前記媒体を綴じる綴じ手段と、前記第一搬送手段、前記第二搬送手段、及び前記綴じ手段の動作を制御するコントローラとを備え、前記綴じ手段は、前記内部トレイに積載された前記媒体を挟んで対向配置された一対の挟持部が離間して、前記媒体を受け入れ可能な離間状態と、一対の前記挟持部で前記媒体を挟持する挟持状態と、一対の前記挟持部で複数の前記媒体を押圧して綴じる綴じ状態とに切替可能に構成され、前記コントローラは、N(Nは自然数)枚の前記媒体が前記内部トレイに積載されている状態において、(N+1)枚目の前記媒体が前記N枚目の前記媒体に対し接触しながら前記第一搬送方向に搬送されるとき、前記綴じ手段を前記挟持状態とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の用紙を搬送方向に揃えて処理可能な媒体処理装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成装置の外観図。
図2】パンチ孔穿設ユニット及び綴じユニットの内部構成を示す図。
図3】綴じユニットを厚み方向(A)及び主走査方向(B)から見た図。
図4】針綴じ手段の状態を示す図である。
図5】画像形成装置のハードウェア構成図。
図6】本実施形態に係る綴じ処理のフローチャート。
図7】S601における綴じユニットの平面図。
図8】1枚目のシートの先端が内部トレイに到達するまでの綴じユニットの側面図。
図9】1枚目のシートに対するS606-S608の処理を示す側面図。
図10】S610における綴じユニットの側面図。
図11】3枚目のシートの先端が内部トレイに到達するまでの綴じユニットの側面図。
図12】3枚目のシートに対するS606-S608の処理を示す側面図。
図13】シート束に対するS613の処理を示す平面図。
図14】シート束に対するS614の処理を示す側面図。
図15】変形例1に係る綴じユニットの平面図。
図16】圧着綴じ手段の状態を示す図。
図17】変形例1に係る綴じ処理のフローチャート。
図18】変形例2に係る綴じ処理のフローチャート。
図19】変形例2に係る綴じユニットの平面図。
図20】変形例3に係る綴じ処理のフローチャート。
図21図20のステップS2001における綴じユニットの平面図。
図22】画像形成システムの外観図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る画像形成装置10について、図面を参照しながら説明する。図1は、画像形成装置10の外観図である。画像形成装置10は、シート状の媒体の一例であるシートS(典型的には、用紙)に画像を形成する装置である。図1に示すように、画像形成装置10は、筐体11と、画像形成手段12とを備える。
【0010】
筐体11は、画像形成装置10の構成部品を収容する内部空間が形成された箱状である。また、筐体11には、画像形成装置10の外部からアクセス可能な胴内空間13が形成されている。胴内空間13は、例えば、筐体11の上下方向の中央よりやや上方に位置している。また、胴内空間13は、筐体11の外側壁が切り欠かれて、外部に露出されている。さらに、胴内空間13には、パンチ孔穿設ユニット20、及び綴じユニット30(媒体処理装置)が取り付け可能になっている。
【0011】
画像形成手段12は、トレイに収容されたシートSに画像を形成し、画像を形成したシートSを、パンチ孔穿設ユニット20、綴じユニット30、または液体付与ユニットに排出する。画像形成手段12は、インクを用いて画像を形成するインクジェット方式でもよいし、トナーを用いて画像を形成する電子写真方式でもよい。画像形成手段12の構成は既に周知なので、詳細な説明は省略する。
【0012】
パンチ孔穿設ユニット20は、画像形成手段12から綴じユニット30に至るシートSの搬送経路(図1に破線の矢印で示す経路)のうち、画像形成手段12よりも下流側で且つ綴じユニット30よりも上流側において、画像形成装置10の胴内空間13に取り付けられる。すなわち、画像形成手段12によって画像が形成されたシートSは、まずパンチ孔穿設ユニット20に引き渡されて後述するパンチ孔穿設処理が施され、その後に綴じユニット30に引き渡されて後述する綴じ処理が施される。
【0013】
また、パンチ孔穿設ユニット20は、画像形成装置10に着脱可能に構成されている。パンチ孔穿設ユニット20が取り外されると、画像形成手段12によって画像が形成されたシートSは、直接綴じユニット30に引き渡されて綴じ処理が施される。さらに、胴内空間13のパンチ孔穿設ユニット20が取り外された位置には、液体付与ユニット等の他の処理ユニットが着脱可能に構成されている。すなわち、画像形成装置10は、パンチ孔穿設ユニット20及び液体付与ユニットを、用途に応じて交換可能に構成されている。
【0014】
液体付与ユニットが取り付けられると、画像形成手段12によって画像が形成されたシートSは、まず液体付与ユニットに引き渡されて液体付与処理が施され、その後に綴じユニット30に引き渡されて綴じ処理が施される。液体付与処理とは、シートSの表面のうち、綴じユニット30で綴じられる予定の綴じ位置に液体を付与する処理である。なお、胴内空間13のパンチ孔穿設ユニット20が取り外された位置には、液体付与ユニットに限定されず、シートSに任意の処理を施すユニットを取り付け可能である。
【0015】
図2は、パンチ孔穿設ユニット20及び綴じユニット30の内部構成を示す図である。パンチ孔穿設ユニット20及び綴じユニット30は、各々がユニット化されており、シートSの入出力インタフェースが接続可能になっている。すなわち、パンチ孔穿設ユニット20の入力インタフェースINは、画像形成手段12の出力インタフェースに接続可能に構成されている。また、綴じユニット30の入力インタフェースは、画像形成手段12の出力インタフェース及びパンチ孔穿設ユニット20の出力インタフェースOUTに接続可能に構成されている。
【0016】
図2に示すように、パンチ孔穿設ユニット20は、筐体21と、シートセンサ22と、穿孔ピン23a、23bと、パンチ屑ホッパ24とを備える。筐体21は、パンチ孔穿設ユニット20の構成部品を収容する内部空間を備える。また、筐体21の内部空間には、画像形成手段12によって画像が形成されたシートが通過する搬送路Ph0が形成されている。シートセンサ22は、画像形成手段12から供給されたシートSが所定の位置に到達したことを検知する。穿孔ピン23a、23bは、シートセンサ22によって検知されたシートSにパンチ孔を穿つ。シートSから脱落したパンチ屑は、パンチ屑ホッパ24内に落下する。これにより、シートSにパンチ孔を穿設する穿設処理が実現される。
【0017】
図3は、綴じユニット30を厚み方向(A)及び主走査方向(B)から見た図である。綴じユニット30は、画像形成手段12によって画像が形成されたシート束Sbを束ねて綴じる綴じ処理(後処理)を施す。図2及び図3に示すように、綴じユニット30は、綴じケース31と、排出トレイ32と、複数の搬送ローラ対33、34、35、36(第一搬送手段)と、内部トレイ37と、叩きコロ38(第二搬送手段)と、戻しコロ39と、エンドフェンス40L、40Rと、サイドフェンス41L、41R(主走査方向揃え部)と、針綴じ手段42(綴じ手段)とを備える。
【0018】
綴じケース31は、綴じユニット30の構成部品を収容する内部空間が形成された箱状である。また、綴じケース31の内部空間には、シートSが通過する空間である搬送路Ph1、Ph2が形成されている。排出トレイ32は、綴じケース31の外側面に支持されている。排出トレイ32は、搬送ローラ対33~36によって搬送されたシートSまたはシート束Sbを積載する。
【0019】
搬送ローラ対33~36は、搬送路Ph1上に所定の間隔を隔てて配置されている。搬送ローラ対33~36は、搬送路Ph1に沿ってシートSを第一搬送方向に搬送する。搬送路Ph1は、綴じユニット30の入力インタフェースから内部トレイ37を経由して排出トレイ32に至る経路である。また、第一搬送方向は、綴じユニット30の入力インタフェースから内部トレイ37を経由して排出トレイ32に至る方向である。
【0020】
搬送ローラ対33は、搬送路Ph1を挟んで対向配置された駆動ローラ33a及び従動ローラ33bで構成されている。駆動ローラ33a及び従動ローラ33bは、綴じケース31に回転可能に支持されている。駆動ローラ33aは、搬送モータの回転駆動力が伝達されて、シートSを搬送する第一搬送方向(図2の時計回り)に順回転する。従動ローラ33bは、搬送路Ph1を挟んで駆動ローラ33aに対向配置され、駆動ローラ33aの回転に伴って従動する。そして、駆動ローラ33a及び従動ローラ33bがシートSを挟持した状態で、搬送モータが駆動されることによって、シートSが搬送路Ph1に沿って第一搬送方向に搬送される。
【0021】
搬送ローラ対34~36の基本的な構成は、搬送ローラ対33と共通する。但し、搬送ローラ対36は、駆動ローラ36aと、駆動ローラ36aに接離可能な従動ローラ36bとで構成される。また、搬送ローラ対35は、シートSを幅方向にずらして排出トレイ32に排出するソート処理を実現するために、幅方向にスライド可能に構成されていてもよい。また、搬送ローラ対36は、内部トレイ37の針綴じ手段42と反対側の端部(内部トレイ37の第二搬送方向の上流側の端部)に設けられている。
【0022】
内部トレイ37は、搬送ローラ対36によって搬送される複数のシートSを一時的に積載する。叩きコロ38は、内部トレイ37の上方において、回動アームの先端に支持されている。叩きコロ38は、回動アームが回動することによって、離間した駆動ローラ36a及び従動ローラ36bの間に進入したシートS(換言すれば、内部トレイ37に到達したシートS)の上面に当接する。この状態で叩きコロ38が回転することによって、シートSが搬送路Ph2に沿って第二搬送方向に搬送される。戻しコロ39は、内部トレイ37に積載されたシートSの上面に当接して回転することによって、シートSを搬送ローラ対36に向けて案内する。
【0023】
搬送路Ph2は、搬送ローラ対36の位置で搬送路Ph1から分岐して、内部トレイ37の積載面(上面)に沿ってエンドフェンス40L、40R及び針綴じ手段42に至る経路である。第二搬送方向は、搬送ローラ対36から内部トレイ37の積載面に沿ってエンドフェンス40L、40R及び針綴じ手段42に至る方向である。すなわち、第二搬送方向は、第一搬送方向と異なる方向(典型的には、逆方向)である。また、第二搬送方向及び内部トレイ37に積載されたシートSの厚み方向に直交する方向を「主走査方向」と表記する。
【0024】
搬送ローラ対36は、搬送ローラ対35より第一搬送方向の下流側に配置されている。また、内部トレイ37は、搬送ローラ対35の下方に配置されている。そのため、搬送ローラ対35によって搬送されたシートSは、搬送ローラ対36の駆動ローラ36a及び従動ローラ36bの間に進入する。また、後端が搬送ローラ対35を通過したシートSは、内部トレイ37に向けて落下して、内部トレイ37に積載される。また、叩きコロ38は、内部トレイ37に積載されたシートSに接離可能に構成されている。
【0025】
エンドフェンス40L、40Rは、内部トレイ37の第二搬送方向の下流側の端部に配置されている。エンドフェンス40L、40Rは、内部トレイ37に積載されたシートSの第二搬送方向の下流側の端部に当接して、シートSの第二搬送方向の位置を揃える。サイドフェンス41L、41Rは、内部トレイ37に積載されたシートSの主走査方向の両端部に配置されている。サイドフェンス41L、41Rは、内部トレイ37に積載されたシートSの主走査方向の両端部に当接して、主走査方向の位置を揃える。また、サイドフェンス41L、41Rは、主走査方向に移動可能に構成されている。
【0026】
一例として、サイドフェンス41L、41Rは、主走査方向の逆向き(換言すれば、内部トレイ37の主走査方向の中心から等距離の位置)に移動することによって、内部トレイ37に積載された複数のシートSを主走査方向に揃えることができる。他の例として、サイドフェンス41L、41Rは、主走査方向の同じ向き(換言すれば、内部トレイ37の主走査方向の中心から外れた位置)に移動することによって、内部トレイ37に積載された複数のシートSを主走査方向にずらすことができる。
【0027】
針綴じ手段42は、内部トレイ37の第二搬送方向の下流側の端部に配置されている。また、針綴じ手段42は、主走査移動モータ43(図5参照)の駆動力が伝達されることによって、内部トレイ37に積載されたシート束Sbに沿って、主走査方向に移動可能に構成されている。針綴じ手段42は、図3(A)に示すホーム位置と、図13に示す綴じ位置に対面する位置とに移動する。ホーム位置は、内部トレイ37に積載されたシートSまたはシート束Sbから主走査方向の一方側に外れた位置である。綴じ位置は、内部トレイ37に積載されたシート束Sb上の位置である。但し、綴じ位置は図13の位置に限定されず、内部トレイ37に積載されたシート束Sb上の任意の位置(例えば、図10の位置)でよい。
【0028】
図4は、針綴じ手段42の状態を示す図である。針綴じ手段42は、内部トレイ37に積載されたシート束Sbに綴じ針を貫通させて、シート束Sbを綴じる、所謂、「針綴じ」を実行する。図4に示すように、針綴じ手段42は、一対の挟持部44a、44bと、綴じモータ45(図5参照)とを主に備える。一対の挟持部44a、44bは、内部トレイ37に積載されたシートSを挟んで対向配置されている。また、挟持部44aには、カートリッジ(図示省略)に装填された綴じ針がセットされる。さらに、挟持部44aは、綴じモータ45の駆動力が伝達されることによって、挟持部44bに対して接離(昇降)する。
【0029】
その結果、針綴じ手段42は、図4(A)に示す離間状態と、図4(B)に示す挟持状態と、図4(C)に示す綴じ状態とに切り替えられる。より詳細には、針綴じ手段42は、綴じモータ45が第一方向に回転することによって、離間状態から挟持状態を経て綴じ状態に切り替えられる。また、針綴じ手段42は、綴じモータ45が第一方向と反対方向の第二方向に回転することによって、綴じ状態から挟持状態を経て離間状態に切り替えらえる。
【0030】
図4(A)に示す離間状態とは、一対の挟持部44a、44bが離間して、シートSを受け入れ可能な状態である。すなわち、針綴じ手段42が離間状態のとき、叩きコロ38によって第二搬送方向に搬送されるシートSは、一対の挟持部44a、44bの間に進入可能である。また、針綴じ手段42が離間状態のとき、搬送ローラ対36及び戻しコロ39によって第一搬送方向に搬送(排出トレイ32に排出)されるシートSは、一対の挟持部44a、44bの間から退出可能である。
【0031】
図4(B)に示す挟持状態とは、内部トレイ37に積載されたシートSまたはシート束Sbを一対の挟持部44a、44bで挟持する状態である。すなわち、針綴じ手段42が挟持状態のとき、一対の挟持部44a、44bは、内部トレイ37に積載されたシートSまたはシート束Sbの表面及び裏面に当接する。そして、針綴じ手段42が挟持状態のとき、叩きコロ38によって第二搬送方向に搬送されるシートSは、一対の挟持部44a、44bの間に進入できない。また、内部トレイ37に積載されたシートSは、一対の挟持部44a、44bの間から退出できない(すなわち、第一搬送方向に移動できない)。一方、針綴じ手段42が挟持状態のとき、挟持部44aにセットされた綴じ針はシート束Sbを貫通しない(すなわち、針綴じされない)。
【0032】
図4(C)に示す綴じ状態とは、内部トレイ37に積載されたシートSまたはシート束Sbを一対の挟持部44a、44bで押圧して綴じる状態である。すなわち、針綴じ手段42が綴じ状態のとき、一対の挟持部44a、44bは、内部トレイ37に積載されたシートSまたはシート束Sbを、挟持状態のときより強く押圧する。これにより、針綴じ手段42が綴じ状態のとき、挟持部44aにセットされた綴じ針がシート束Sbを貫通して針綴じされる。また、針綴じ手段42が綴じ状態のとき、シートSまたはシート束Sbは、一対の挟持部44a、44bの間に対して進入及び退出できない。
【0033】
さらに、図3に示すように、綴じケース31には、主走査方向において針綴じ手段42に対面する位置に、マニュアル綴じ用の綴じスリット31aが設けられていてる。綴じスリット31aを通じて綴じケース31の内部に挿入されたシート束Sbの角部は、針綴じ手段42によるマニュアル綴じが可能になる。また、綴じケース31は、綴じスリット31aを囲むように、ガイド壁31b、31cをさらに備える。ガイド壁31b、31cは、マニュアル綴じされる(すなわち、角部が綴じスリット31aに挿入される)シート束Sbを位置決めする。
【0034】
図5は、画像形成装置10のハードウェア構成図である。図5に示すように、画像形成装置10は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、及びI/F105が共通バス109を介して接続されている構成を備える。
【0035】
CPU101は演算手段であり、画像形成装置10全体の動作を制御する。RAM102は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU101が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM103は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD104は、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーションプログラムなどが格納される。
【0036】
画像形成装置10は、ROM103に格納された制御プログラム、HDD104などの記憶媒体からRAM102にロードされた情報処理プログラム(アプリケーションプログラム)などをCPU101が備える演算機能によって処理する。その処理によって、画像形成装置10の種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、画像形成装置10に搭載されるハードウェア資源との組み合わせによって、画像形成装置10の機能を実現する機能ブロックが構成される。すなわち、CPU101、RAM102、ROM103、及びHDD104は、画像形成装置10の動作を制御するコントローラ100を構成する。
【0037】
I/F105は、画像形成手段12、穿孔ピン23a、23b、搬送ローラ対33~36、叩きコロ38、戻しコロ39、サイドフェンス41L、41R、主走査移動モータ43、綴じモータ45、シートセンサ22、及び操作パネル110を、共通バス109に接続するインタフェースである。コントローラ100は、I/F105を通じて、シートセンサ22及び操作パネル110から各種情報を取得し、画像形成手段12、穿孔ピン23a、23b、搬送ローラ対33~36、叩きコロ38、戻しコロ39、サイドフェンス41L、41R、主走査移動モータ43、綴じモータ45を動作させる。
【0038】
なお、図5に示すコントローラ100は、画像形成手段12、パンチ孔穿設ユニット20、及び綴じユニット30を纏めて制御する。他の例として、画像形成手段12の動作を制御するコントローラ、パンチ孔穿設ユニット20の動作を制御するコントローラ、及び綴じユニット30の動作を制御するコントローラとが相互に通信することによって、画像形成手段12、パンチ孔穿設ユニット20、及び綴じユニット30を連動して動作させてもよい。
【0039】
操作パネル110は、ユーザからの操作を受け付ける操作部と、ユーザに情報を報知するディスプレイ(報知部)とを備える。操作部は、例えば、ハードキー、ディスプレイに重畳されたタッチパネル等を含む。そして、操作パネル110は、操作部を通じてオペレータから情報を取得し、ディスプレイを通じてオペレータに情報を提供する。なお、報知部の具体例はディスプレイに限定されず、LEDランプやスピーカ等でもよい。
【0040】
図6は、本実施形態に係る綴じ処理のフローチャートである。図7は、S601における綴じユニット30の平面図である。図8は、1枚目のシートS1の先端が内部トレイ37に到達するまでの綴じユニット30の側面図である。図9は、1枚目のシートS1に対するS606-S608の処理を示す側面図である。図10は、S610における綴じユニット30の側面図である。図11は、3枚目のシートS3の先端が内部トレイ37に到達するまでの綴じユニット30の側面図である。図12は、3枚目のシートS3に対するS606-S608の処理を示す側面図である。図13は、シート束Sbに対するS613の処理を示す平面図である。図14は、シート束Sbに対するS614の処理を示す側面図である。
【0041】
コントローラ100は、操作パネル110を通じて画像形成指示が入力されたことに応じて、シートSに対して画像形成手段12に画像を形成させ、画像を形成したシートSをパンチ孔穿設ユニット20を通じて綴じユニット30に出力する。より詳細には、コントローラ100は、パンチ孔穿設ユニット20を通じて綴じユニット30の搬送ローラ対33(入口ローラ)に到達するまで、シートSを排出する。画像形成指示には、画像を形成するシートSの枚数(以下、「所定枚数」と表記する。)と、シート束Sbの綴じ位置とが含まれる。そこで、コントローラ100は、所定枚数のシートSに順番に画像を形成する。
【0042】
また、コントローラ100は、画像形成指示が入力されたことに応じて、画像形成手段12及びパンチ孔穿設ユニット20の処理と並行して、図6に示す綴じ処理を実行する。なお、綴じ処理の開始時点において、駆動ローラ36a及び従動ローラ36bは離間し、針綴じ手段42はホーム位置に配置され且つ離間状態であるものとする。
【0043】
まず、コントローラ100は、図7に示すように、主走査移動モータ43を駆動することによって、内部トレイ37に積載されたシートSまたはシート束Sbの主走査方向に中央を含む位置に対面し得るように、針綴じ手段42を主走査方向に移動させる(S601)。ステップS601の処理は、画像形成手段12から供給される1枚目のシートS1が搬送ローラ対33に到達する前に実行される。そして、コントローラ100は、シートS1の先端が搬送ローラ対33に到達するまで(S602:No)、ステップS603以降の処理の実行を待機する。
【0044】
なお、コントローラ100は、針綴じ手段42の位置を検知する位置センサ、主走査移動モータ43のロータリエンコーダ、或いはこれらを組み合わせて、針綴じ手段42の主走査方向の位置を特定することができる。
【0045】
次に、コントローラ100は、図8(A)に示すように、1枚目のシートS1が搬送ローラ対33に到達したことに応じて(S602:Yes&S603:Yes)、針綴じ手段42の離間状態を維持して、搬送ローラ対33~36を回転させる(S605)。これにより、図8(B)に示すように、シートS1が搬送路Ph1に沿って第一搬送方向に搬送される。
【0046】
次に、コントローラ100は、シートS1の先端が内部トレイ37に到達(換言すれば、シートS1の後端が搬送ローラ対35を通過)したことに応じて、搬送ローラ対33~36を停止すると共に、シートS1に叩きコロ38を当接させて回転させる(S606)。これにより、図9(A)に示すように、シートS1が搬送路Ph2に沿って第二搬送方向に搬送される。そして、コントローラ100は、図9(B)に示すように、シートS1の後端がエンドフェンス40L、40Rに到達するまで(S608:No)、ステップS609以降の処理の実行を待機する。
【0047】
なお、コントローラ100は、綴じユニット30内でシートSを検知するシートセンサ、搬送ローラ対33~36及び叩きコロ38を回転させるモータのロータリエンコーダ、或いはこれらを組み合わせて、搬送路Ph1、Ph2上のシートSの位置を特定することができる。
【0048】
次に、コントローラ100は、シートS1の後端がエンドフェンス40L、40Rに到達したことに応じて(S608:Yes)、シートS1から叩きコロ38を離間させる(S609)。また、コントローラ100は、図10に示すように、サイドフェンス41L、41Rを主走査方向に移動させることによって、内部トレイ37に収容されたシートS1の主走査方向の位置を位置決めする(S610)。次に、コントローラ100は、所定枚数のシートSが内部トレイ37に収容されたか否かを判定する(S611)。そして、コントローラ100は、所定枚数のシートSが内部トレイ37に収容されていないと判定した場合に(S611:No)、次のシートSに対するステップS602以降の処理を実行する。以下の処理を3枚目のシートS3を例に挙げて説明するが、2枚目以降の全てのシートSに同様に当てはまる。
【0049】
コントローラ100は、図11(A)に示すように、シートS3が搬送ローラ対33に到達したことに応じて(S602:Yes&S603:No)、綴じモータ45を第一方向に回転させることによって、針綴じ手段42を離間状態から挟持状態に切り替えると共に(S604)、搬送ローラ対33~36を回転させる(S605)。これにより、図11(B)に示すように、シートS3が搬送路Ph1に沿って第一搬送方向に搬送される。そして、シートS3の後端が搬送ローラ対35を通過すると、当該シートS3は、既に内部トレイ37に積載されているシートS1またはシート束Sb上に積層される。
【0050】
このとき、シートS3は、搬送ローラ対35の搬送による慣性力によって、第一搬送方向に移動しながら内部トレイ37上に落下する。そのため、シートS3は、シートS1またはシート束Sb上に積層される際に、当該シートS1またはシート束Sbを第一搬送方向に移動させようとする。しかしながら、挟持状態の針綴じ手段42がシートS1またはシート束Sbを挟持しているので、シートS1またはシート束Sbの第一搬送方向への移動が阻止される。すなわち、コントローラ100は、N枚のシートSが内部トレイ37に積載されている状態において、(N+1)枚目のシートSがN枚目のシートSに対し接触しながら第一搬送方向に搬送されるとき、針綴じ手段42を挟持状態とする。
【0051】
次に、コントローラ100は、シートS3の先端が内部トレイ37に到達(換言すれば、シートS3の後端が搬送ローラ対35を通過)したことに応じて、図12(A)に示すように、搬送ローラ対33~36を停止すると共に、シートS3に叩きコロ38を当接させて回転させる(S606)。また、コントローラ100は、シートS3が内部トレイ37に到達した後で且つエンドフェンス40L、40Rに到達する前に、綴じモータ45を第二方向に回転させることによって、針綴じ手段42を挟持位置から離間位置に切り替える(S607)。
【0052】
次に、コントローラ100は、図12(B)に示すように、シートS3の後端がエンドフェンス40L、40Rに到達したことに応じて(S608:Yes)、シートS1から叩きコロ38を離間させる(S609)。また、コントローラ100は、サイドフェンス41L、41Rを主走査方向に移動させることによって、内部トレイ37に積載されたシート束Sbの主走査方向の位置を揃える(S610)。これにより、シート束Sbを構成する複数のシートS1~S3の第二搬送方向及び主走査方向の位置が揃えられる。
【0053】
次に、コントローラ100は、所定枚数のシートSが内部トレイ37に収容されたと判定した場合に(S611:Yes)、図13に示すように、主走査移動モータ43を駆動することによって、内部トレイ37に積載されたシート束Sbの綴じ位置に対面する位置に、針綴じ手段42を移動させる(S612)。次に、コントローラ100は、綴じモータ45を第一方向に回転させることによって、針綴じ手段42を離間状態から綴じ状態に切り替える(S613)。これにより、シート束Sbが綴じ位置で針綴じされる。さらに、コントローラ100は、綴じモータ45を第二方向に回転させることによって、針綴じ手段42を綴じ状態から離間状態に切り替える。
【0054】
次に、コントローラ100は、図14(A)に示すように、針綴じされたシート束Sbに戻しコロ39を当接させて回転させることによって、駆動ローラ36a及び従動ローラ36bの間にシート束Sbを進入させる。また、コントローラ100は、駆動ローラ36a及び従動ローラ36bにシート束Sbを挟持させる。さらに、コントローラ100は、図14(B)に示すように、搬送ローラ対36を回転させることによって、シート束Sbを排出トレイ32に排出する(S614)。
【0055】
上記の実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0056】
上記の実施形態によれば、後続のシートSが内部トレイ37に積載される際に、針綴じ手段42を挟持状態に切り替えることによって、既に内部トレイ37に積載されたシートSが第一搬送方向にずれるのを防止することができる。その結果、シート束Sbを構成する複数のシートSを搬送方向に揃えて綴じることができる。ここで、既に内部トレイ37に積載されたシートSはN枚目のシートの一例であり、後続のシートSは(N+1)枚目のシートの一例である。Nは自然数である。
【0057】
また、上記の実施形態によれば、内部トレイ37に積載されたシートSまたはシート束Sbの搬送方向の中央を針綴じ手段42で挟持することによって、後続のシートSが積層された際にシートSまたはシート束Sbがスキューするのを防止することができる。
【0058】
また、上記の実施形態によれば、1枚目のシートS1が内部トレイ37に到達する前に、針綴じ手段42を中央に移動させることによって(S601)、1枚目のシートS1が内部トレイ37に到達した後に針綴じ手段42を移動するのと比較して、綴じ処理の生産性が向上する。
【0059】
[変形例1]
次に、図15図17を参照して、変形例1に係る綴じユニット30Aを説明する。図15は、変形例1に係る綴じユニット30Aの平面図である。図16は、圧着綴じ手段46の状態を示す図である。図17は、変形例1に係る綴じ処理のフローチャートである。なお、上記の実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。図15に示すように、変形例1に係る綴じユニット30Aは、圧着綴じ手段46をさらに備える点で、上記の実施形態に係る綴じユニット30と相違する。
【0060】
圧着綴じ手段46は、内部トレイ37の第二搬送方向の下流側の端部に配置されている。また、圧着綴じ手段46は、主走査移動モータ(図示省略)の駆動力が伝達されることによって、内部トレイ37に積載されたシート束Sbに沿って、主走査方向に移動可能に構成されている。針綴じ手段42及び圧着綴じ手段46は、互いに独立して主走査方向に移動することができる。さらに、圧着綴じ手段46は、ホーム位置と、シート束Sbの綴じ位置に対面する位置とに移動する。圧着綴じ手段46のホーム位置は、内部トレイ37に積載されたシートSまたはシート束Sbから主走査方向の他方側に外れた位置である。
【0061】
圧着綴じ手段46は、内部トレイ37に積載されたシート束Sbを加圧変形させて綴じる、所謂「圧着綴じ」を実行する。図16に示すように、圧着綴じ手段46は、一対の挟持部としての一対の綴じ歯47a、47b及び一対の補助部材48a、48bと、綴じモータ(図示省略)とを主に備える。
【0062】
一対の綴じ歯47a、47bは、内部トレイ37に積載されたシートSを挟んで対向配置されている。また、一対の綴じ歯47a、47bは、互いに噛合う凹凸状となっている。さらに、綴じ歯47aは、綴じモータの駆動力が伝達されることによって、綴じ歯47bに対して接離(昇降)する。そして、圧着綴じは、シート束Sbを厚み方向の両側から一対の綴じ歯47a、47bで挟持することによって、複数のシートS同士の繊維を絡ませて綴じる処理である。
【0063】
そして、圧着綴じ手段46は、一対の綴じ歯47a、47bが離間した離間状態(図16(A))と、一対の綴じ歯47a、47bでシート束Sbを挟持する挟持状態(図16(C))と、一対の綴じ歯47a、47bでシート束Sbを綴じる綴じ状態(図16(D))とに切替可能に構成されている。離間状態、挟持状態、及び綴じ状態の定義は、針綴じ及び圧着綴じが相違するだけで、上記の実施形態と共通する。
【0064】
一対の補助部材48a、48bは、内部トレイ37に積載されたシートSを挟んで対向配置されている。また、一対の補助部材48a、48bは、平板状の弾性部材(例えば、板バネ)で構成されている。さらに、補助部材48aは、綴じ歯47aと共に昇降することによって、補助部材48bに対して接離する。
【0065】
より詳細には、一対の補助部材48a、48bは、一対の綴じ歯47a、47bが噛み合う前に、シート束Sbを挟持する。また、一対の補助部材48a、48bは、弾性変形することによって、一対の綴じ歯47a、47bが噛み合うまで、シート束Sbを挟持した状態を維持する。さらに、一対の補助部材48a、48bは、一対の綴じ歯47a、47bがシート束Sbから離間した後に、シート束Sbから離間する。これにより、一対の補助部材48a、48bは、圧着綴じした後の一対の綴じ歯47a、47bがシート束Sbから離間するのを補助する。
【0066】
そして、補助部材48a、48bを備える圧着綴じ手段46は、挟持状態として、図16(C)に示す第一挟持状態と、図16(B)に示す第二挟持状態とに切替可能に構成されている。第一挟持状態は、内部トレイ37に積載されたシートSまたはシート束Sbを、一対の綴じ歯47a、47b及び一対の補助部材48a、48bの両方で挟持する状態である。第二挟持状態は、内部トレイ37に積載されたシートSまたはシート束Sbを、一対の綴じ歯47a、47b及び一対の補助部材48a、48bのうちの一対の補助部材48a、48bのみで挟持する状態である。
【0067】
圧着綴じ手段46は、綴じモータが第一方向に回転することによって、離間状態から第二挟持状態及び第一挟持状態を経て綴じ状態に切り替えられる。また、圧着綴じ手段46は、綴じモータが第一方向と反対方向の第二方向に回転することによって、綴じ状態から第一挟持状態及び第二挟持状態を経て離間状態に切り替えらえる。
【0068】
図17に示すように、変形例1に係るコントローラ100は、図6のステップS601に代えて、ステップS1701、S1702の処理を実行する。また、変形例1に係るコントローラ100は、図6のステップS604、S607に代えて、ステップS1703、S1704の処理を実行する。さらに、変形例1に係る綴じ処理では、図6のステップS612の処理が省略される。一方、ステップS602、S603、S605、S606、S608、S609、S610、S611、S613、S614の処理は、図6及び図17で共通する。
【0069】
まず、コントローラ100は、図15に示すように、内部トレイ37に積載されたシートSまたはシート束Sbの主走査方向に中央に対面し得るように、圧着綴じ手段46を主走査方向に移動させる(S1701)。また、コントローラ100は、内部トレイ37に積載されたシートSまたはシート束Sbの綴じ位置に対面し得るように、針綴じ手段42を主走査方向に移動させる(S1702)。なお、ステップS1701、S1702の処理は、画像形成手段12から供給される1枚目のシートS1が搬送ローラ対33に到達する前に実行される。
【0070】
次に、コントローラ100は、1枚目のシートSが搬送ローラ対33に到達したことに応じて(S602:Yes&S603:Yes)、圧着綴じ手段46の離間状態を維持する。また、コントローラ100は、2枚目以降のシートSが搬送ローラ対33に到達したことに応じて(S602:Yes&S603:No)、圧着綴じ手段46を離間状態から挟持状態に切り替える(S1703)。さらに、コントローラ100は、また、コントローラ100は、2枚目以降のシートSが内部トレイ37に到達した後で且つエンドフェンス40L、40Rに到達する前に、圧着綴じ手段46を挟持位置から離間位置に切り替える(S1704)。
【0071】
変形例1によれば、上記の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、変形例1によれば、図6のステップS612の処理を省略することができるので、上記の実施形態と比較して、さらに生産性を向上させることができる。
【0072】
なお、図17では、シートSまたはシート束Sbを圧着綴じ手段46で挟持し、シート束Sbを針綴じ手段42に針綴じする例を説明したが、針綴じ手段42及び圧着綴じ手段46の役割が逆転していてもよい。すなわち、コントローラ100は、(N+1)枚目のシートSがN枚目のシートSに対し接触しながら第一搬送方向に搬送されるとき、針綴じ手段42及び圧着綴じ手段46の一方を挟持状態とすればよい。また、コントローラ100は、シート束Sbが内部トレイ37に積載されたことに応じて、針綴じ手段42及び圧着綴じ手段46の他方で、シート束Sbを綴じればよい。
【0073】
また、第一挟持状態の圧着綴じ手段46は、第二挟持状態の圧着綴じ手段46と比較して、シートSまたはシート束Sbを強固に挟持することができる。一方、第一挟持状態の圧着綴じ手段46は、シートSまたはシート束Sbを凹凸状の綴じ歯47a、47bで挟持するので、シートSまたはシート束Sbに痕が残る可能性がある。これに対して、第二挟持状態の圧着綴じ手段46は、シートSまたはシート束Sbを平板状の補助部材48a、48bで挟持するので、シートSまたはシート束Sbに痕が残らない。
【0074】
そこで、コントローラ100は、シート束Sbの綴じ位置に圧着綴じ手段46を配置した場合において、ステップS1703で圧着綴じ手段46を第一挟持状態に切り替えればよい。このように、痕が残ってもよい綴じ位置でシートSまたはシート束Sbを挟持する場合、圧着綴じ手段46を第一挟持状態にすることによって、シートSまたはシート束Sbを強固に挟持することができる。
【0075】
一方、コントローラ100は、シート束Sbの綴じ位置と異なる位置に圧着綴じ手段46を配置した場合において、ステップS1703で圧着綴じ手段46を第二挟持状態に切り替えればよい。このように、綴じ位置と異なる位置でシートSまたはシート束Sbを挟持する場合、圧着綴じ手段46を第二挟持状態にすることによって、シートSまたはシート束Sbの表面に痕が残るのを防止できる。
【0076】
[変形例2]
次に、図18及び図19を参照して、変形例2に係る綴じユニット30Aを説明する。図18は、変形例2に係る綴じ処理のフローチャートである。図19は、変形例2に係る綴じユニット30Bの平面図である。なお、上記の実施形態及び変形例1との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。変形例2に係る綴じユニット30Aの構成は、変形例1と共通する。
【0077】
図18に示すように、変形例2に係るコントローラ100は、図17のステップS1701、S1702に代えて、ステップS1801、S1802の処理を実行する。また、変形例2に係るコントローラ100は、図17のステップS1703、S1704に代えて、ステップS1803、S1804の処理を実行する。さらに、変形例2に係る綴じ処理では、ステップS612の処理が実行される。一方、ステップS602、S603、S605、S606、S608~S614の処理は、図6及び図17で共通する。
【0078】
コントローラ100は、図19に示すように、内部トレイ37に積載されたシートSまたはシート束Sbの主走査方向の一端に対面する位置に、針綴じ手段42を移動させる(S1801)。また、コントローラ100は、内部トレイ37に積載されたシートSまたはシート束Sbの主走査方向の他端に対面する位置に、針綴じ手段42を移動させる(S1802)。すなわち、コントローラ100は、シートSまたはシート束Sbの主走査方向に離間した位置に、針綴じ手段42及び圧着綴じ手段46を対面させる。
【0079】
次に、コントローラ100は、1枚目のシートSが搬送ローラ対33に到達したことに応じて(S602:Yes&S603:Yes)、針綴じ手段42及び圧着綴じ手段46の離間状態を維持する。また、コントローラ100は、2枚目以降のシートSが搬送ローラ対33に到達したことに応じて(S602:Yes&S603:No)、針綴じ手段42及び圧着綴じ手段46の両方を離間状態から挟持状態に切り替える(S1803)。さらに、コントローラ100は、また、コントローラ100は、2枚目以降のシートSが内部トレイ37に到達した後で且つエンドフェンス40L、40Rに到達する前に、針綴じ手段42及び圧着綴じ手段46の両方を挟持位置から離間位置に切り替える(S1804)。
【0080】
さらに、コントローラ100は、所定枚数のシートSが内部トレイ37に収容されたと判定した場合に(S611:Yes)、針綴じ手段42を綴じ位置に対面させて(S612)、針綴じを実行させる(S613)。他の例として、コントローラ100は、所定枚数のシートSが内部トレイ37に収容されたと判定した場合に(S611:Yes)、圧着綴じ手段46を綴じ位置に対面させて(S612)、圧着綴じを実行させてもよい(S613)。
【0081】
変形例2によれば、内部トレイ37に積載されたシートSまたはシート束Sbの主走査方向に離間した位置を、針綴じ手段42及び圧着綴じ手段46で挟持することによって、後続のシートSが積層された際にシートSまたはシート束Sbがスキューするのを防止することができる。
【0082】
[変形例3]
次に、図20及び図21を参照して、変形例3に係る綴じユニット30を説明する。図20は、変形例3に係る綴じ処理のフローチャートである。図21は、図20のステップS2001における綴じユニット30の平面図である。なお、上記の実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。変形例3に係る綴じユニット30の構成は、上記の実施形態と共通する。
【0083】
図20に示すように、変形例3に係るコントローラ100は、図6のステップS612~S613に代えて、ステップS2001の処理を実行する。一方、ステップS601~S611、S614の処理は、図6及び図20で共通する。
【0084】
コントローラ100は、所定枚数のシートSが内部トレイ37に収容されたと判定した場合に(S611:Yes)、図21に示すように、サイドフェンス41L、41Rを主走査方向の一方側(すなわち、同じ向き)に移動させる(S2001)。これにより、内部トレイ37に積載されたシート束Sbの位置を主走査方向にずらすことができる。例えば、複数のシート束Sb1、Sb2を連続して排出トレイ32に排出する場合において、シート束Sb1、Sb2の主走査方向の位置をずらすことによって、排出トレイ32上において、シート束Sb1、Sb2の区別が容易になる。すなわち、シート束Sb1に対する後処理は、綴じ処理に限定されない。
【0085】
[変形例4]
図22は、画像形成システム1の外観図である。図22に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置10と、パンチ孔穿設ユニット20’と、綴じ装置30’とで構成される。画像形成装置10、パンチ孔穿設ユニット20’、及び綴じ装置30’は、各々が独立して動作可能な装置であると共に、相互に接続可能に構成されている。また、パンチ孔穿設ユニット20’の構成は前述したパンチ孔穿設ユニット20と共通し、綴じ装置30’の構成は前述した綴じユニット30と共通する。
【0086】
なお、上記の実施形態及び変形例1~4は、本発明の要旨を変更しない範囲で、任意の組み合わせで組み合わせることが可能である。
【0087】
また、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【0088】
本発明の内容は、例えば、以下のとおりである。
<1> シート状の複数の媒体を積載可能な内部トレイ及び排出トレイと、
前記内部トレイを経由して前記排出トレイに至る第一搬送方向に、前記媒体を搬送する第一搬送手段と、
前記内部トレイに積載された前記媒体に接離して、前記第一搬送方向と異なる方向である第二搬送方向に搬送する第二搬送手段と、
前記第二搬送方向における前記内部トレイの下流側の端部に配置されて、前記内部トレイに積載された複数の前記媒体を綴じる綴じ手段と、
前記第一搬送手段、前記第二搬送手段、及び前記綴じ手段の動作を制御するコントローラとを備え、
前記綴じ手段は、
前記内部トレイに積載された前記媒体を挟んで対向配置された一対の挟持部が離間して、前記媒体を受け入れ可能な離間状態と、
一対の前記挟持部で前記媒体を挟持する挟持状態と、
一対の前記挟持部で複数の前記媒体を押圧して綴じる綴じ状態とに切替可能に構成され、
前記コントローラは、N(Nは自然数)枚の前記媒体が前記内部トレイに積載されている状態において、(N+1)枚目の前記媒体が前記N枚目の前記媒体に対し接触しながら前記第一搬送方向に搬送されるとき、前記綴じ手段を前記挟持状態とすることを特徴とする媒体処理装置である。
<2> 前記綴じ手段は、前記第二搬送方向に直交する主走査方向に移動可能であり、
前記コントローラは、前記内部トレイに積載された前記媒体の前記主走査方向の中央を含む位置において、前記綴じ手段を前記挟持状態に切り替えることを特徴とする前記<1>に記載の媒体処理装置である。
<3> 前記コントローラは、1枚目の前記媒体が前記内部トレイに到達する前に、前記内部トレイに積載された前記媒体の前記主走査方向の中央を含む位置に、前記綴じ手段を移動させることを特徴とする前記<2>に記載の媒体処理装置である。
<4> 前記コントローラは、
所定枚数の前記媒体が前記内部トレイに積載されたことに応じて、前記内部トレイに積載された前記媒体の綴じ位置に対面する位置まで、前記綴じ手段を前記主走査方向に移動させ、
前記綴じ位置に対面する位置で、前記綴じ手段を前記綴じ状態に切り替えることを特徴とする前記<2>または前記<3>に記載の媒体処理装置である。
<5> 前記綴じ手段は、
複数の前記媒体に綴じ針を貫通させて綴じる針綴じ手段と、
複数の前記媒体を加圧変形させて綴じる圧着綴じ手段とを備え、
前記コントローラは、
(N+1)枚目の前記媒体が前記N枚目の前記媒体に対し接触しながら前記第一搬送方向に搬送されるとき、前記針綴じ手段及び前記圧着綴じ手段の一方を前記挟持状態とし、
所定枚数の前記媒体が前記内部トレイに積載されたことに応じて、前記針綴じ手段及び前記圧着綴じ手段の他方で、所定枚数の前記媒体を綴じることを特徴とする前記<1>乃至前記<4>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<6> 前記綴じ手段は、
複数の前記媒体を加圧変形させて綴じる圧着綴じ手段と、
複数の前記媒体に綴じ針を貫通させて綴じる針綴じ手段とを備え、
前記コントローラは、(N+1)枚目の前記媒体が前記N枚目の前記媒体に対し接触しながら前記第一搬送方向に搬送されるとき、前記第二搬送方向に直交する主走査方向に離間した位置に配置した前記針綴じ手段及び前記圧着綴じ手段の両方を前記挟持状態とすることを特徴とする前記<1>乃至前記<4>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<7> 一対の前記挟持部は、
前記内部トレイに積載された前記媒体を加圧変形させて綴じる凹凸状の一対の綴じ歯と、
前記内部トレイに積載された前記媒体に対して、一対の前記綴じ歯と共に接離する一対の補助部材とを含み、
前記挟持状態は、前記内部トレイに積載された前記媒体を、
一対の前記綴じ歯及び一対の前記補助部材の両方で挟持する第一挟持状態と、
一対の前記綴じ歯及び一対の前記補助部材のうちの一対の前記補助部材のみで挟持する第二挟持状態とを含み、
前記コントローラは、
複数の前記媒体を綴じる綴じ位置に前記綴じ手段を配置した場合において、(N+1)枚目の前記媒体が前記N枚目の前記媒体に対し接触しながら前記第一搬送方向に搬送されるとき、前記綴じ手段を前記第一挟持状態とし、
前記綴じ位置と異なる位置に前記綴じ手段を配置した場合において、(N+1)枚目の前記媒体が前記N枚目の前記媒体に対し接触しながら前記第一搬送方向に搬送されるとき、前記綴じ手段を前記第二挟持状態とすることを特徴とする前記<1>乃至前記<3>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<8> 前記第二搬送方向に直交する主走査方向における前記内部トレイに積載された前記媒体の両側に配置されて、前記内部トレイに積載された複数の前記媒体の前記主走査方向の位置を揃える一対の主走査方向揃え部を備え、
前記コントローラは、一対の前記主走査方向揃え部を前記主走査方向の一方に移動させることによって、前記内部トレイに積載された複数の前記媒体を前記主走査方向にずらすことを特徴とする前記<1>乃至前記<7>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<9> 筐体と、
前記筐体に収容されて媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記筐体に着脱可能に支持されて、前記画像形成手段によって画像が形成された前記媒体を処理する前記<1>乃至前記<8>のいずれか1つに記載の媒体処理装置とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
<10> 媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置に接続された前記<1>乃至前記<8>のいずれか1つに記載の媒体処理装置とを備える画像形成システムである。
【符号の説明】
【0089】
1 :画像形成システム
10 :画像形成装置
11 :筐体
12 :画像形成手段
13 :胴内空間
20 :パンチ孔穿設ユニット
20’ :液体付与装置
21 :筐体
22 :シートセンサ
23a,23b :穿孔ピン
24 :パンチ屑ホッパ
30 :綴じユニット
30’ :綴じ装置
31 :ケース
31a :スリット
31b,31c :ガイド壁
32 :排出トレイ
33-36 :搬送ローラ対
33a,36a :駆動ローラ
33b,36b :従動ローラ
37 :内部トレイ
38 :叩きコロ
39 :戻しコロ
40L,40R :エンドフェンス
41L,41R :サイドフェンス
42 :針綴じ手段
43 :主走査移動モータ
44a,44b :挟持部
45 :綴じモータ
46 :圧着綴じ手段
47a,47b :綴じ歯
48a,48b :補助部材
100 :コントローラ
101 :CPU
102 :RAM
103 :ROM
104 :HDD
105 :I/F
109 :共通バス
110 :操作パネル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0090】
【特許文献1】特開2012-176848号
図1
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