(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172889
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】外観検査装置および外観検査方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/952 20060101AFI20241205BHJP
G01B 11/30 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G01N21/952
G01B11/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090927
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】302006854
【氏名又は名称】株式会社SUMCO
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】林田 寿男
(72)【発明者】
【氏名】表 秀一
(72)【発明者】
【氏名】岩本 孝
【テーマコード(参考)】
2F065
2G051
【Fターム(参考)】
2F065AA24
2F065AA49
2F065AA51
2F065BB06
2F065BB08
2F065FF04
2F065GG04
2F065GG22
2F065MM04
2F065MM06
2F065PP22
2F065QQ08
2F065QQ24
2F065QQ25
2F065QQ31
2G051AA90
2G051AB01
2G051AB02
2G051AC19
2G051BA10
2G051CA01
2G051DA08
(57)【要約】
【課題】円筒状または円柱状の被検査体の外観を適切に検査することができる外観検査装置を提供すること。
【解決手段】外観検査装置は、円筒状または円柱状の被検査体の外観を検査する外観検査装置であって、前記被検査体を当該被検査体の円周方向に回転させる回転機構と、前記円周方向に回転中の前記被検査体の表面にレーザ光を照射して、前記被検査体の表面で反射した前記レーザ光の反射光を受光するセンサと、前記反射光の受光状態に基づいて、前記表面の高さ画像を生成する画像処理部と、前記高さ画像に基づいて、前記表面の性状を判定する判定部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状または円柱状の被検査体の外観を検査する外観検査装置であって、
前記被検査体を当該被検査体の円周方向に回転させる回転機構と、
前記円周方向に回転中の前記被検査体の表面にレーザ光を照射して、前記被検査体の表面で反射した前記レーザ光の反射光を受光するセンサと、
前記反射光の受光状態に基づいて、前記表面の高さ画像を生成する画像処理部と、
前記高さ画像に基づいて、前記表面の性状を判定する判定部と、を備える、外観検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の外観検査装置において、
前記センサを前記表面に沿って移動させるセンサ移動機構をさらに備え、
前記回転機構は、前記被検査体を前記円周方向に1回転ずつ回転させ、
前記センサは、前記被検査体が1回転している間、前記表面に前記レーザ光を照射して、前記被検査体の表面で反射した前記反射光を受光し、
前記センサ移動機構は、前記被検査体が1回転する毎に、前記センサを前記表面に沿って所定距離だけ移動させる、外観検査装置。
【請求項3】
請求項2に記載の外観検査装置において、
前記回転機構は、前記被検査体を所定回数だけ同じ方向に1回転させる毎に回転方向を反対方向に変更する、外観検査装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の外観検査装置において、
前記センサ移動機構は、単一の前記センサを前記表面としての外周面に沿って前記被検査体の中心軸と平行な方向へ移動させ、かつ前記表面としての端面に沿って前記被検査体の径方向へ移動させる、外観検査装置。
【請求項5】
請求項2または請求項3に記載の外観検査装置において、
前記センサ移動機構は、
第1の前記センサを前記表面としての外周面に沿って前記被検査体の中心軸と平行な方向へ移動させる第1の移動機構と、
第2の前記センサを前記表面としての端面に沿って前記被検査体の径方向へ移動させる第2の移動機構と、を備える、外観検査装置。
【請求項6】
請求項1に記載の外観検査装置において、
前記レーザ光は、青色レーザ光である、外観検査装置。
【請求項7】
請求項1に記載の外観検査装置において、
前記画像処理部は、前記反射光の受光状態に基づいて、前記表面の二次元画像を生成し、
前記判定部は、前記二次元画像に基づいて前記表面における異常箇所を特定し、特定された前記異常箇所の前記高さ画像に基づいて、前記表面の欠陥の有無を判定する、外観検査装置。
【請求項8】
円筒状または円柱状の被検査体の外観を検査する外観検査方法であって、
前記被検査体を当該被検査体の円周方向に1回転させ、前記円周方向に回転中の前記被検査体の表面にセンサからレーザ光を照射して、前記被検査体の表面で反射した前記レーザ光の反射光を前記センサで受光する表面検査工程と、
前記反射光の受光状態に基づいて、前記表面の高さ画像を生成する画像処理工程と、
前記高さ画像に基づいて、前記表面の性状を判定する判定工程と、を備える、外観検査方法。
【請求項9】
請求項8に記載の外観検査方法において、
前記表面検査工程は、
前記被検査体を前記円周方向に1回転させた後に停止させ、前記被検査体が1回転している間、前記表面に前記センサから前記レーザ光を照射して、前記表面で反射した前記反射光を前記センサで受光し、前記被検査体が停止したら前記センサを前記表面に沿って所定距離だけ移動させる処理を繰り返す、外観検査方法。
【請求項10】
請求項8に記載の外観検査方法において、
前記表面検査工程は、
外周面検査工程と、
前記外周面検査工程を行う前、または、前記外周面検査工程を行った後に行う端面検査工程と、を備え、
前記外周面検査工程は、
前記被検査体を前記円周方向に1回転させた後に停止させ、前記被検査体が1回転している間、前記表面としての外周面に単一の前記センサから前記レーザ光を照射して、前記外周面で反射した前記反射光を前記単一のセンサで受光し、前記被検査体が停止したら前記単一のセンサを前記外周面に沿って前記被検査体の中心軸と平行な方向へ所定距離だけ移動させる処理を繰り返し、
前記端面検査工程は、
前記被検査体を前記円周方向に1回転させた後に停止させ、前記被検査体が1回転している間、前記表面としての端面に前記単一のセンサから前記レーザ光を照射して前記反射光を前記単一のセンサで受光し、前記被検査体が停止したら前記単一のセンサを前記端面に沿って前記被検査体の径方向へ所定距離だけ移動させる処理を繰り返す、外観検査方法。
【請求項11】
請求項8に記載の外観検査方法において、
前記表面検査工程は、
前記被検査体を前記円周方向に1回転させた後に停止させ、前記被検査体が1回転している間、前記表面としての外周面に第1の前記センサから前記レーザ光を照射して、前記外周面で反射した前記反射光を前記第1のセンサで受光するとともに、前記表面としての端面に第2の前記センサから前記レーザ光を照射して、前記端面で反射した前記反射光を前記第2のセンサで受光し、前記被検査体が停止したら前記第1のセンサを前記外周面に沿って前記被検査体の中心軸と平行な方向へ第1の距離だけ移動させるとともに、前記第2のセンサを前記端面に沿って前記被検査体の径方向へ第2の距離だけ移動させる処理を繰り返す、外観検査方法。
【請求項12】
請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の外観検査方法において、
前記表面検査工程は、前記被検査体を前記円周方向に1回転させる際、前記被検査体を所定回数だけ同じ方向に1回転させる毎に回転方向を反対方向に変更する、外観検査方法。
【請求項13】
請求項12に記載の外観検査方法において、
前記被検査体は、シリコン単結晶を切断して得られた前記円柱状のシリコン単結晶ブロックである、外観検査方法。
【請求項14】
請求項13に記載の外観検査方法において、
前記表面検査工程は、前記被検査体を前記円周方向に1回転させる際、前記シリコン単結晶ブロックのノッチを検出し、前記ノッチを基準にして、前記シリコン単結晶ブロックを1回転させる、外観検査方法。
【請求項15】
請求項13に記載の外観検査方法において、
前記レーザ光は、青色レーザ光である、外観検査方法。
【請求項16】
請求項8記載の外観検査方法において、
前記画像処理工程は、前記反射光の受光状態に基づいて、前記表面の二次元画像を生成し、
前記判定工程は、前記二次元画像に基づいて前記表面における異常箇所を特定し、特定された前記異常箇所の前記高さ画像に基づいて前記表面の欠陥の有無を判定する、外観検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外観検査装置および外観検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶の検査方法が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1には、光学的測定手段を用いてシリコン単結晶のインゴットの長手方向に形成されたVノッチの形状を走査し、走査により得られたVノッチの形状データの座標変換を行うことにより評価用データを生成し、生成された評価用データに基づいてVノッチの形状の良否を判定する方法が開示されている。
特許文献2には、窒素雰囲気でp型のシリコン単結晶の熱処理を行った後に、シリコン単結晶中の空孔に起因した結晶欠陥の分布を測定することで、シリコン単結晶中の空孔が過剰な領域を特定する方法が開示されている。
【0003】
また、シリコン単結晶から切り出されたシリコン単結晶ブロックの洗浄装置に関する特許文献3には、洗浄装置により洗浄されたシリコン単結晶ブロックの外観を自動で検査することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-043205号公報
【特許文献2】特開2018-186195号公報
【特許文献3】特開2011-143321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2には、シリコン単結晶の外観を検査する方法が開示されていない。また、特許文献3には、シリコン単結晶ブロックの外観を自動で検査することが開示されているものの、具体的な方法が開示されていない。
【0006】
本発明は、円筒状または円柱状の被検査体の外観を適切に検査することができる外観検査装置および外観検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の外観検査装置は、円筒状または円柱状の被検査体の外観を検査する外観検査装置であって、前記被検査体を当該被検査体の円周方向に回転させる回転機構と、前記円周方向に回転中の前記被検査体の表面にレーザ光を照射して、前記被検査体の表面で反射した前記レーザ光の反射光を受光するセンサと、前記反射光の受光状態に基づいて、前記表面の高さ画像を生成する画像処理部と、前記高さ画像に基づいて、前記表面の性状を判定する判定部と、を備える。
【0008】
本発明の外観検査装置において、前記センサを前記表面に沿って移動させるセンサ移動機構をさらに備え、前記回転機構は、前記被検査体を前記円周方向に1回転ずつ回転させ、前記センサは、前記被検査体が1回転している間、前記表面に前記レーザ光を照射して、前記被検査体の表面で反射した前記反射光を受光し、前記センサ移動機構は、前記被検査体が1回転する毎に、前記センサを前記表面に沿って所定距離だけ移動させる、ことが好ましい。
【0009】
本発明の外観検査装置において、前記回転機構は、前記被検査体を所定回数だけ同じ方向に1回転させる毎に回転方向を反対方向に変更する、ことが好ましい。
【0010】
本発明の外観検査装置において、前記センサ移動機構は、単一の前記センサを前記表面としての外周面に沿って前記被検査体の中心軸と平行な方向へ移動させ、かつ前記表面としての端面に沿って前記被検査体の径方向へ移動させる、ことが好ましい。
【0011】
本発明の外観検査装置において、前記センサ移動機構は、第1の前記センサを前記表面としての外周面に沿って前記被検査体の中心軸と平行な方向へ移動させる第1の移動機構と、第2の前記センサを前記表面としての端面に沿って前記被検査体の径方向へ移動させる第2の移動機構と、を備える、ことが好ましい。
【0012】
本発明の外観検査装置において、前記レーザ光は、青色レーザ光である、ことが好ましい。
【0013】
本発明の外観検査装置において、前記画像処理部は、前記反射光の受光状態に基づいて、前記表面の二次元画像を生成し、前記判定部は、前記二次元画像に基づいて前記表面における異常箇所を特定し、特定された前記異常箇所の前記高さ画像に基づいて、前記表面の欠陥の有無を判定する、ことが好ましい。
【0014】
本発明の外観検査方法は、円筒状または円柱状の被検査体の外観を検査する外観検査方法であって、前記被検査体を当該被検査体の円周方向に1回転させ、前記円周方向に回転中の前記被検査体の表面にセンサからレーザ光を照射して、前記被検査体の表面で反射した前記レーザ光の反射光を前記センサで受光する表面検査工程と、前記反射光の受光状態に基づいて、前記表面の高さ画像を生成する画像処理工程と、前記高さ画像に基づいて、前記表面の性状を判定する判定工程と、を備える。
【0015】
本発明の外観検査方法において、前記表面検査工程は、前記被検査体を前記円周方向に1回転させた後に停止させる、ことが好ましい。ここで、前記被検査体が1回転している間、前記表面に前記センサから前記レーザ光を照射して、前記表面で反射した前記反射光を前記センサで受光し、前記被検査体が停止したら前記センサを前記表面に沿って所定距離だけ移動させる処理を繰り返す、ことが好ましい。
【0016】
本発明の外観検査方法において、前記表面検査工程は、外周面検査工程と、前記外周面検査工程を行う前、または、前記外周面検査工程を行った後に行う端面検査工程と、を備え、前記外周面検査工程は、前記被検査体を前記円周方向に1回転させた後に停止させる、ことが好ましい。ここで、前記被検査体が1回転している間、前記表面としての外周面に単一の前記センサから前記レーザ光を照射して、前記外周面で反射した前記反射光を前記単一のセンサで受光し、前記被検査体が停止したら前記単一のセンサを前記外周面に沿って前記被検査体の中心軸と平行な方向へ所定距離だけ移動させる処理を繰り返す、ことが好ましい。前記端面検査工程は、前記被検査体を前記円周方向に1回転させた後に停止させる、ことが好ましい。ここで、前記被検査体が1回転している間、前記表面としての端面に前記単一のセンサから前記レーザ光を照射して前記反射光を前記単一のセンサで受光し、前記被検査体が停止したら前記単一のセンサを前記端面に沿って前記被検査体の径方向へ所定距離だけ移動させる処理を繰り返す、ことが好ましい。
【0017】
本発明の外観検査方法において、前記表面検査工程は、前記被検査体を前記円周方向に1回転させた後に停止させる、ことが好ましい。ここで、前記被検査体が1回転している間、前記表面としての外周面に第1の前記センサから前記レーザ光を照射して、前記外周面で反射した前記反射光を前記第1のセンサで受光するとともに、前記表面としての端面に第2の前記センサから前記レーザ光を照射して、前記端面で反射した前記反射光を前記第2のセンサで受光し、前記被検査体が停止したら前記第1のセンサを前記外周面に沿って前記被検査体の中心軸と平行な方向へ第1の距離だけ移動させるとともに、前記第2のセンサを前記端面に沿って前記被検査体の径方向へ第2の距離だけ移動させる処理を繰り返す、ことが好ましい。
【0018】
本発明の外観検査方法において、前記表面検査工程は、前記被検査体を前記円周方向に1回転させる際、前記被検査体を所定回数だけ同じ方向に1回転させる毎に回転方向を反対方向に変更する、ことが好ましい。
【0019】
本発明の外観検査方法において、前記被検査体は、シリコン単結晶を切断して得られた前記円柱状のシリコン単結晶ブロックである、ことが好ましい。
【0020】
本発明の外観検査方法において、前記表面検査工程は、前記被検査体を前記円周方向に1回転させる際、前記シリコン単結晶ブロックのノッチを検出し、前記ノッチを基準にして、前記シリコン単結晶ブロックを1回転させる、ことが好ましい。
【0021】
本発明の外観検査方法において、前記レーザ光は、青色レーザ光である、ことが好ましい。
【0022】
本発明の外観検査方法において、前記画像処理工程は、前記反射光の受光状態に基づいて、前記表面の二次元画像を生成し、前記判定工程は、前記二次元画像に基づいて前記表面における異常箇所を特定し、特定された前記異常箇所の前記高さ画像に基づいて前記表面の欠陥の有無を判定する、ことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施形態に係る外観検査装置の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る外観検査装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る検査時のセンサの移動状態を示す模式図である。
【
図4】第1実施形態に係る検査に用いられる青色レーザ光の照射範囲を示す模式図であり、(A)は外周面の照射範囲を示し、(B)は端面の照射範囲を示す。
【
図5】第1実施形態に係る検査に用いられる画像の模式図であり、(A)は二次元画像を示し、(B)は高さ画像を示し、(C)は断面形状画像を示す。
【
図6】第1実施形態に係る外観検査処理のフローチャートである。
【
図7】第1,第2実施形態に係る外観検査処理のフローチャートである。
【
図8】第1実施形態に係る外周面の検査処理のフローチャートである。
【
図9】第1実施形態に係る端面の検査処理のフローチャートである。
【
図10】第2実施形態に係る外観検査装置の概略構成を示す斜視図である。
【
図11】第2実施形態に係る外観検査装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
【
図12】第2実施形態に係る検査時のセンサの移動状態を示す模式図であり、(A)は外周面の検査時の移動状態を示し、(B)は端面の検査時の移動状態を示す。
【
図13】第2実施形態に係る外観検査処理のフローチャートである。
【
図14】第2実施形態に係る外周面および端面の検査処理のフローチャートである。
【
図15】第2実施形態に係る外周面および端面の検査処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
〔外観検査装置の構成〕
まず、本発明の第1実施形態に係る外観検査装置の構成について説明する。
図1は、第1実施形態の外観検査装置の概略構成を示す斜視図である。
図2は、外観検査装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
図3は、検査時のセンサの移動状態を示す模式図である。
図4は、検査に用いられる青色レーザ光の照射範囲を示す模式図であり、(A)は外周面の照射範囲を示し、(B)は端面の照射範囲を示す。
図5は、検査に用いられる画像の模式図であり、(A)は二次元画像を示し、(B)は高さ画像を示し、(C)は断面形状画像を示す。
以下の説明において、
図1に示すXYZ座標系に基づいて各構成を説明する場合があり、X軸方向は前後方向、Y軸方向は左右方向、Z軸方向は上下方向を表す。
【0025】
図1に示す外観検査装置1は、円柱状の被検査体としてのシリコン単結晶ブロックBの外観を検査する。
シリコン単結晶ブロックBは、チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶から円柱状に切り出された後、外周面に対する周知の円筒研削工程と、結晶軸(シリコン単結晶ブロックBの長手方向)方向の両端の角部に対する面取り工程とが少なくとも行われることにより得られる。
シリコン単結晶ブロックBの表面としての外周面BAには、シリコン単結晶ブロックBの長手方向に沿ってノッチBVが形成されている。
シリコン単結晶ブロックBのサイズとしては、直径Rが100mm以上450mm以下、長さLが50mm以上500mm以下を例示できる。
【0026】
図1および
図2に示すように、外観検査装置1は、回転機構2と、検査部3と、制御装置4と、を備える。
【0027】
回転機構2は、シリコン単結晶ブロックBを当該シリコン単結晶ブロックBの円周方向に回転させる。回転機構2は、一対の回転ローラ21と、当該一対の回転ローラ21を駆動するローラ駆動部22と、を備える。
一対の回転ローラ21は、互いに水平になるように所定間隔だけ離れ、かつ、前後方向に延びる回転軸を中心にして回転可能に配置されている。一対の回転ローラ21は、シリコン単結晶ブロックBの外周面BAを下方から支持する。
ローラ駆動部22は、制御装置4の制御に基づいて、一対の回転ローラ21を同じ方向に回転させることにより、シリコン単結晶ブロックBを当該シリコン単結晶ブロックBの円周方向に回転させる。
【0028】
検査部3は、単一のセンサ31と、センサ移動機構32と、を備える。
【0029】
センサ31は、レーザ変位センサにより構成され、センサ本体311と、照射部312と、受光部313と、を備える。
センサ本体311は、光入出射面部311Aを備える。
照射部312は、センサ本体311内に配置されている。照射部312は、制御装置4の制御に基づいて、青色レーザ光を連続的に照射する。照射部312は、青色レーザ光を断続的に所定間隔毎に照射しても良い。光入出射面部311Aから照射された青色レーザ光は、
図3に示すように、光入出射面部311Aから外周面BAまでの距離が検査距離Kの場合、ライン状の照射範囲Hの長さが外周面BAの前後方向の長さよりも短くなるように照射される。青色レーザ光は、光入出射面部311Aから端面BBまでの距離が検査距離Kの場合、照射範囲Hの長さが端面BBの半径よりも短くなるように照射される。
受光部313は、センサ本体311内に配置されている。受光部313は、光入出射面部311Aから照射され、外周面BAまたは端面BBで反射した青色レーザ光の反射光を受光して、受光状態に対応する信号を制御装置4へ出力する。以下、「青色レーザ光の反射光」を、単に「反射光」と言う場合がある。
【0030】
センサ移動機構32は、六軸ロボット321を備える。六軸ロボット321は、センサ31を保持し、シリコン単結晶ブロックBに対する光入出射面部311Aの位置および向きを自由に変更できるように構成されている。六軸ロボット321は、制御装置4の制御に基づいて、シリコン単結晶ブロックBの上側においてセンサ31を前後方向へ移動させる。つまり、六軸ロボット321は、センサ31を外周面BAに沿って、シリコン単結晶ブロックBの中心軸BCと平行な方向へ移動させる。六軸ロボット321は、制御装置4の制御に基づいて、シリコン単結晶ブロックBにおける後側(-X方向側)の端面BBに対向する位置において、センサ31を上下方向へ移動させる。
【0031】
図2に示すように、制御装置4は、入力部41と、表示部42と、記憶部43と、制御部44と、を備える。制御部44には、ローラ駆動部22、照射部312、受光部313、六軸ロボット321、入力部41、表示部42および記憶部43が電気的に接続されている。
【0032】
入力部41は、例えばタッチパネルまたは物理ボタンにより構成されている。入力部41は、各種情報の入力に用いられ、入力に対応する信号を制御部44へ出力する。
【0033】
表示部42は、制御部44の制御に基づいて、各種情報を表示する。
【0034】
記憶部43は、例えばHDD(Hard Disk Drive)などの周知の記憶装置により構成されている。記憶部43は、シリコン単結晶ブロックBの検査に必要な各種情報を記憶する。
【0035】
制御部44は、CPU(Central Processing Unit)を備える。制御部44は、記憶部43に記憶された検査制御プログラムをCPUが実行することにより、ブロック情報取得部441、検査制御部442、画像処理部443、判定部444、ブロック形状算出部445および表示制御部446として機能する。
【0036】
ブロック情報取得部441は、検査対象のシリコン単結晶ブロックBを特定するためのブロック情報を取得する。ブロック情報取得部441は、作業者による入力部41の操作により入力されたブロック情報を取得しても良いし、シリコン単結晶ブロックBの例えば端面BBに表示された二次元コードからコードリーダにより読み取られたブロック情報を取得しても良い。
【0037】
検査制御部442は、シリコン単結晶ブロックBの外周面BAおよび端面BBを検査するように、ローラ駆動部22および六軸ロボット321を制御する。
検査制御部442は、外周面BAを検査する場合、六軸ロボット321を制御して、シリコン単結晶ブロックBの上側において光入出射面部311Aが外周面BAに対向する状態で、センサ31を第1の外周面の検査位置に位置させる。第1の外周面の検査位置は、
図3および
図4(A)に実線で示すように、照射範囲Hの後側の端部が後側の端面BBよりも後側に位置し、前側の端部が外周面BA上に位置し、光入出射面部311Aから外周面BAまでの距離が検査距離Kになるような位置である。なお、
図4(A)では、第1実施形態を理解しやすいように、照射範囲Hを左右方向が短辺方向に平行な長方形で図示しているが、実際の照射範囲Hは、前後方向に延びるライン状である。検査制御部442は、ローラ駆動部22を制御して、中心軸BCを中心にしてシリコン単結晶ブロックBを1回転させるとともに、照射部312から外周面BAに青色レーザ光を照射させる。
検査制御部442は、外周面BAで反射した反射光を受光した受光部313から、受光状態に対応する信号を取得すると、各回転角度における受光状態の情報と、第1の外周面の検査位置の位置情報と、検査対象のシリコン単結晶ブロックBのブロック情報とを関連付けて、第1の外周面の検査情報として記憶部43に記憶させる。
【0038】
その後、検査制御部442は、六軸ロボット321を制御して、光入出射面部311Aが外周面BAに対向する状態を維持し、かつ、光入出射面部311Aから外周面BAまでの距離を検査距離Kに維持したまま、センサ31を中心軸BCに沿って第N(Nは2以上の整数)の外周面の検査位置まで順次移動させる。センサ31が第Nの外周面の検査位置に存在する場合、照射範囲Hは二点鎖線で示す位置に位置する。第Nの外周面の検査位置は、第(N-1)の外周面の検査位置よりも前方に位置し、当該第Nの外周面の検査位置から照射された青色レーザ光の照射範囲Hと、第(N-1)の外周面の検査位置から照射された青色レーザ光の照射範囲Hとの重なり幅が幅D1になるような位置である。幅D1は、0mmを超える値である。検査制御部442は、センサ31が第Nの外周面の検査位置に位置する毎に、シリコン単結晶ブロックBを1回転させるとともに、照射部312から外周面BAに青色レーザ光を照射させる。
検査制御部442は、第Nの外周面の検査位置において青色レーザ光を出射させる毎に、各回転角度における受光状態の情報と、第Nの外周面の検査位置の位置情報と、ブロック情報とを関連付けて、第Nの外周面の検査情報として記憶部43に記憶させる。
【0039】
検査制御部442は、
図4(A)に示すように、照射範囲Hの前側の端部が前側の端面BBよりも前側に位置し、後側の端部が外周面BA上に位置する状態での検査が終了するまで、上述の処理を繰り返す。
図4(A)に示す例では、センサ31が第13の外周面の検査位置に位置した状態での検査が終了するまで、上述の処理を繰り返す。
【0040】
検査制御部442は、端面BBを検査する場合、六軸ロボット321を制御して、光入出射面部311Aが端面BBに対向する状態で、センサ31を第1の端面の検査位置に位置させる。第1の端面の検査位置は、
図3および
図4(B)に一点鎖線で示すように、照射範囲Hの上側の端部が外周面BAよりも上側に位置し、下側の端部が端面BB上に位置し、光入出射面部311Aから端面BBまでの距離が検査距離Kになるような位置である。なお、
図4(B)では、第1実施形態を理解しやすいように、照射範囲Hを左右方向が短辺方向に平行な長方形で図示しているが、実際の照射範囲Hは、上下方向に延びるライン状である。検査制御部442は、シリコン単結晶ブロックBを1回転させるとともに、照射部312から端面BBに青色レーザ光を照射させる。
検査制御部442は、端面BBから反射した反射光を受光した受光部313から、受光状態に対応する信号を取得すると、各回転角度における受光状態の情報と、第1の端面の検査位置の位置情報と、ブロック情報とを関連付けて、第1の端面の検査情報として記憶部43に記憶させる。
【0041】
その後、検査制御部442は、六軸ロボット321を制御して、光入出射面部311Aが端面BBに対向する状態を維持し、かつ、光入出射面部311Aから端面BBまでの距離を検査距離Kに維持したまま、センサ31を鉛直方向に沿って第M(Mは2以上の整数)の端面の検査位置まで順次移動させる。センサ31が第Mの端面の検査位置に存在する場合、照射範囲Hは二点鎖線で示す位置に位置する。第Mの端面の検査位置は、第(M-1)の端面の検査位置よりも下方に位置し、当該第Mの端面の検査位置から照射された青色レーザ光の照射範囲Hと、第(M-1)の端面の検査位置から照射された青色レーザ光の照射範囲Hとの重なり幅が幅D2になるような位置である。幅D2は、0mmを超える値であり、幅D1と同じであっても良いし、異なっていても良い。検査制御部442は、センサ31が第Mの端面の検査位置に位置する毎に、シリコン単結晶ブロックBを1回転させるとともに、照射部312から端面BBに青色レーザ光を照射させる。
検査制御部442は、第Mの端面の検査位置において青色レーザ光を出射させる毎に、各回転角度における受光状態の情報と、第Nの端面の検査位置の位置情報と、ブロック情報とを関連付けて、第Mの端面の検査情報として記憶部43に記憶させる。
検査制御部442は、
図4(B)に示すように、照射範囲Hの下側の端部が中心軸BCよりも下側に位置し、上側の端部が中心軸BCよりも上側に位置する状態での検査が終了するまで、上述の処理を繰り返す。
図4(B)に示す例では、センサ31が第5の端面の検査位置に位置した状態での検査が終了するまで、上述の処理を繰り返す。
【0042】
画像処理部443は、各外周面の検査情報または各端面の検査情報により表される回転角度毎の受光部313における反射光の受光状態に基づいて、
図5(A)に示す二次元画像PAと、
図5(B)に示す高さ画像PBとを生成する。
図5(A)の二次元画像PAおよび
図5(B)の高さ画像PBにおける上下方向はシリコン単結晶ブロックBの円周方向であり、左右方向は中心軸BC方向である。
画像処理部443は、高さ画像PBに基づいて、
図5(C)に示す断面形状画像PCを生成する。
【0043】
二次元画像PAは、青色レーザ光が照射された外周面BAまたは端面BBの性状を白黒の濃淡で表す。二次元画像PAは、例えば外周面BAまたは端面BBを基準面として、当該基準面からセンサ31までの距離に対応する白黒の濃淡で、外周面BAまたは端面BBの性状を表す。
例えば、第1の外周面の検査情報に基づき生成された
図5(A)に示す二次元画像PAにおいて、外周面BAは、白色領域により表される。シリコン単結晶ブロックBの面取り部BDは、白色領域の中心軸BC方向一端部において円周方向に直線状に延びる第1の灰色領域により表される。シリコン単結晶ブロックBが存在しない検査対象非存在領域Cは、第1の灰色領域に対して白色領域の中心軸BC方向他端側に位置する黒色領域により表される。
【0044】
外周面BA、面取り部BD、または、外周面BAと面取り部BDとの境界には、異常箇所BEが存在する場合がある。異常箇所BEとは、汚れなどの異物が付着している突出した箇所、あるいは、傷、クラック、欠けまたは皮残りなどの欠陥が存在している凹んだ箇所である。皮残りとは、円筒研削において研削されなかった箇所である。
二次元画像PAにおいて、異常箇所BEは、第2の灰色領域により表される。第2の灰色領域の濃さは、異常箇所BEの高さまたは深さに応じた濃さであり、第1の灰色領域と異なる濃さになる場合があるし、第1の灰色領域と同じ濃さになる場合もある。
二次元画像PAでは、異常箇所BEがその高さまたは深さに応じた灰色の濃淡で表されるため、異常箇所BEが異物および欠陥のいずれかであるかを判定する判定処理に二次元画像PAを用いると、判定が困難になるおそれがある。
【0045】
高さ画像PBは、外周面BAまたは端面BBの性状をカラーで表す。高さ画像PBは、例えば外周面BAまたは端面BBを基準面として、当該基準面からセンサ31までの距離に対応する色相、明度および彩度で、外周面BAまたは端面BBの性状を表す。
例えば、第1の外周面の検査情報に基づき生成された
図5(B)に示す高さ画像PBにおいて、異常箇所BEは、当該異常箇所BEが欠陥の発生領域の場合は外周面BAに対する深さに応じて、当該異常箇所BEが異物の付着領域の場合は外周面BAに対する高さに応じて、色相、明度および彩度のうち少なくとも1つが異なるカラーで表される。
図5(B)に示される異常箇所BEが欠陥の発生領域である場合、例えば、浅部BE1、当該浅部BE1よりも深い中間部BE2、および、当該中間部BE2よりも深い深部BE3は、色相、明度および彩度のうち少なくとも1つが異なるカラーで表される。
また、高さ画像PBにおいて、外周面BA、面取り部BD、検査対象非存在領域C、および、異物が付着している異常箇所BEは、外周面BAに対する高さまたは深さに応じた色相、明度および彩度を有するカラーで表される。
高さ画像PBでは、異常箇所BEがその高さまたは深さに応じた色相、明度および彩度のうち少なくとも1つが異なるカラーで表されるため、異常箇所BEの判定処理に高さ画像PBを用いると、二次元画像PAを用いる場合よりも判定が容易になる。
【0046】
断面形状画像PCは、異常箇所BEに発生した欠陥の断面形状を表す。
図5(C)の断面形状画像PCは、
図5(B)における円周方向に対して平行なVC-VC線に沿う異常箇所BEの断面形状を表す。断面形状画像PCにおいて、異常箇所BEの欠陥は、浅部BE1、中間部BE2および深い深部BE3の形状に対応する線で表される。
図5(C)の断面形状画像PCにおける上下方向はシリコン単結晶ブロックBの径方向であり、左右方向は円周方向である。
なお、断面形状画像PCは、円周方向に対して傾斜する線または直交する線に沿う異常箇所BEの断面形状を表しても良い。
【0047】
また、画像処理部443は、図示はしないが、各端面の検査情報に基づいて、端面BB、面取り部BD、検査対象非存在領域Cおよび異常箇所BEの状態を表す二次元画像PA、高さ画像PBおよび断面形状画像PCを生成する。
【0048】
なお、外周面の検査情報における外周面の検査位置に対応する照射範囲Hに、端面BBよりも外側の領域が含まれる場合、二次元画像PAおよび高さ画像PBに面取り部BDおよび検査対象非存在領域Cは存在するが、端面BBよりも外側の領域が含まれない場合、二次元画像PAおよび高さ画像PBに面取り部BDおよび検査対象非存在領域Cは存在しない。端面の検査情報における端面の検査位置に対応する照射範囲Hに、外周面BAよりも外側の領域が含まれる場合、二次元画像PAおよび高さ画像PBに面取り部BDおよび検査対象非存在領域Cは存在するが、外周面BAよりも外側の領域が含まれない場合、二次元画像PAおよび高さ画像PBに面取り部BDおよび検査対象非存在領域Cは存在しない。
【0049】
判定部444は、二次元画像PAに基づいて、外周面BAまたは端面BBにおける異常箇所BEを特定する。判定部444は、二次元画像PAにおける外周面BAまたは端面BBを表す白色領域内に、異常箇所BEを表す第2の灰色領域が存在することを検出した場合、外周面BAまたは端面BBに異常箇所BEが存在すると判定する。
判定部444は、二次元画像PAに基づき異常箇所BEが存在すると判定すると、当該異常箇所BEを含む高さ画像PBに基づいて、外周面BAまたは端面BBの性状として、異常箇所BEに異物または欠陥が存在するか否かを判定する。判定部444は、高さ画像PBにおける異常箇所BEを表す領域のカラーが、外周面BAまたは端面BBよりも高いことを表す場合、異常箇所BEに異物が存在すると判定し、外周面BAまたは端面BBよりも低いことを表す場合、異常箇所BEに欠陥が存在すると判定する。
【0050】
判定部444は、異常箇所BEに欠陥が存在すると判定すると、当該欠陥が傷、クラック、欠けまたは皮残りのいずれかであること、つまり欠陥の種類を判定する。判定部444は、欠陥の種類を判定する際、欠陥の長さ、面積、深さおよび傾斜角度のうち少なくとも1つのパラメータに基づいて判定する。判定部444は、高さ画像PBに基づいて、欠陥の長さ、面積および深さのうち少なくとも1つを算出する。判定部444は、断面形状画像PCに基づいて、欠陥の深さおよび傾斜角度のうち少なくとも傾斜角度を算出する。
判定部444は、前記少なくとも1つのパラメータが判定部444に予め設定した閾値以上の場合、当該欠陥が許容できない不良欠陥であると判定し、閾値未満の場合、当該欠陥が許容できる許容欠陥であると判定しても良い。
【0051】
ブロック形状算出部445は、二次元画像PA、高さ画像PB、または、検査時におけるセンサ31の移動距離に基づいて、シリコン単結晶ブロックBの中心軸BC方向の長さと直径を算出する。
【0052】
表示制御部446は、表示部42を制御して、検査結果として、外周面BAおよび端面BBにおける異物または欠陥の有無および欠陥の種類と、シリコン単結晶ブロックBの長さおよび直径とを表示部42に表示させる。
【0053】
〔外観検査装置の動作〕
次に、外観検査装置1の動作として、シリコン単結晶ブロックBの外観検査処理について説明する。
図6および
図7は、外観検査処理のフローチャートである。
図8は、外周面の検査処理のフローチャートである。
図9は、端面の検査処理のフローチャートである。
図6に示すステップS2~S7の処理、
図8に示すステップS21~S25の処理、および、
図9に示すステップS31~S35の処理は、表面検査工程を構成する。上述の表面検査工程を構成する処理のうち、ステップS5,S21~S25の処理は、外周面検査工程を構成し、ステップS7,S31~S35の処理は、端面検査工程を構成する。
図7に示すステップS8~S12の処理は、判定工程を構成する。
【0054】
作業者または図示しない搬送装置は、
図1に示すように、検査対象のシリコン単結晶ブロックBを一対の回転ローラ21上にセットする。
シリコン単結晶ブロックBの一対の回転ローラ21上へのセットの前、または、セットの後、外観検査装置1を構成する制御部44のブロック情報取得部441は、
図6に示すように、ブロック情報を取得する(ステップS1)。
【0055】
制御部44の検査制御部442は、作業者による入力部41の操作に基づいて、検査開始の指示を取得すると、六軸ロボット321を制御して、シリコン単結晶ブロックBの外周面BA上の第1の外周面の検査位置へセンサ31を移動させる(ステップS2)。
【0056】
検査制御部442は、ノッチBVが基準位置に位置するように、シリコン単結晶ブロックBを回転させる(ステップS3)。
例えば、検査制御部442は、ローラ駆動部22を制御してシリコン単結晶ブロックBを第1の方向(前方から見たときの時計回り方向)に1回転させるとともに、照射部312を制御して外周面BAに青色レーザ光を照射する。画像処理部443は、例えばシリコン単結晶ブロックBの回転中に、受光部313における反射光の受光状態に基づいて、外周面BAとノッチBVが異なる濃淡で表された二次元画像PA、または、外周面BAとノッチBVが異なるカラーで表された高さ画像PBを生成する。検査制御部442は、二次元画像PAまたは高さ画像PBに基づいて、ノッチBVが基準位置に位置するように、ローラ駆動部22を制御して、シリコン単結晶ブロックBの回転を停止させる。
基準位置としては、前方から端面BBを見たときの中心軸BCから鉛直上方に延びる第1の仮想線と、中心軸BCとノッチBVの中心とを接続する第2の仮想線とのなす角度が0°の位置を例示できるが、0°以外の位置であっても良い。
【0057】
検査制御部442は、上から見たときの後側の端面BBの位置、つまりシリコン単結晶ブロックBのエッジを検出する(ステップS4)。
例えば、検査制御部442は、ノッチBVを基準位置に位置させる際に利用した二次元画像PAまたは高さ画像PBに基づいて、シリコン単結晶ブロックBのエッジを検出する。
【0058】
検査制御部442は、外周面BAの検査処理を行う(ステップS5)
ステップS5における外周面BAの検査処理において、検査制御部442は、
図8に示すように、シリコン単結晶ブロックBの設定回転方向を第1の方向に設定する(ステップS21)。
【0059】
検査制御部442は、シリコン単結晶ブロックBを設定回転方向に1回転させながら外周面BAを検査する(ステップS22)。
ステップS22において、検査制御部442は、ローラ駆動部22を制御してシリコン単結晶ブロックBを設定回転方向に1回転させるとともに、照射部312を制御して外周面BAに青色レーザ光を照射する。検査制御部442は、受光部313から受光状態に対応する信号を取得すると、センサ31の外周面の検査位置に対応する外周面の検査情報を生成して記憶部43に記憶させる。検査制御部442は、受光部313からの信号に基づいて、ノッチBVが基準位置に戻ったと判定した場合、シリコン単結晶ブロックBの回転を停止させる。
【0060】
検査制御部442は、外周面BA全体の検査が終了したか否かを判定する(ステップS23)。例えば、画像処理部443がステップS22で生成された外周面の検査情報に基づき二次元画像PAまたは高さ画像PBを生成し、検査制御部442は、二次元画像PAまたは高さ画像PBに端面BBよりも前側の検査対象非存在領域Cが含まれる場合、外周面BA全体の検査が終了したと判定し(ステップS23:YES)、外周面BAの検査処理を終了する。
一方、検査制御部442は、二次元画像PAまたは高さ画像PBに端面BBよりも前側の検査対象非存在領域Cが含まれない場合、外周面BA全体の検査が終了していないと判定し(ステップS23:NO)、シリコン単結晶ブロックBの設定回転方向を前回検査時と反対方向に設定する(ステップS24)。つまり、検査制御部442は、ステップS24において、前回検査時の設定回転方向が第1の方向の場合、設定回転方向を第2の方向に設定し、前回検査時の設定回転方向が第2の方向の場合、設定回転方向を第1の方向に設定する。
なお、ステップS23において、作業者による入力部41の操作に基づき入力された設定回数の検査が終了した場合、外周面BA全体の検査が終了したと判定し、当該設定回数の検査が終了していない場合、外周面BA全体の検査が終了していないと判定しても良い。
【0061】
検査制御部442は、六軸ロボット321を制御して、センサ31を次の外周面の検査位置へ移動させる(ステップS25)。
ステップS25において、検査制御部442は、直前の検査における外周面の検査位置が第E(Eは1以上の整数)の外周面の検査位置の場合、センサ31を第(E+1)の外周面の検査位置へ移動させる。
【0062】
検査制御部442は、ステップS25の処理後、シリコン単結晶ブロックBを設定回転方向に1回転させながら外周面BAを検査する(ステップS22)。
検査制御部442は、ステップS23において、外周面BA全体の検査が終了したと判定するまで、上述の処理を繰り返す。
【0063】
検査制御部442は、ステップS5の外周面BAの検査処理が終了すると、
図6に示すように、六軸ロボット321を制御して、シリコン単結晶ブロックBの後側の端面BBに対向する第1の端面の検査位置へセンサ31を移動させる(ステップS6)。
【0064】
検査制御部442は、端面BBの検査処理を行う(ステップS7)。
ステップS7における端面BBの検査処理において、検査制御部442は、
図9に示すように、ステップS21の処理と同じように、シリコン単結晶ブロックBの設定回転方向を第1の方向に設定する(ステップS31)。
【0065】
検査制御部442は、シリコン単結晶ブロックBを設定回転方向に1回転させながら端面BBを検査する(ステップS32)。
ステップS32において、検査制御部442は、シリコン単結晶ブロックBを設定回転方向に1回転させるとともに、照射部312から端面BBに青色レーザ光を照射する。検査制御部442は、受光部313から受光状態に対応する信号に基づいて、センサ31の端面の検査位置に対応する端面の検査情報を生成して記憶部43に記憶させる。
【0066】
検査制御部442は、端面BB全体の検査が終了したか否かを判定する(ステップS33)。例えば、検査制御部442は、シリコン単結晶ブロックBの半径と照射範囲Hの幅とに基づいて、照射範囲Hの下側の端部が中心軸BCよりも下側に位置し、上側の端部が中心軸BCよりも上側に位置する状態での検査が終了するまでの設定回数を算出する。そして、検査制御部442は、設定回数の検査が終了した場合、端面BB全体の検査が終了したと判定し、当該設定回数の検査が終了していない場合、端面BB全体の検査が終了していないと判定する。なお、設定回数は、作業者による入力部41の操作に基づき入力された回数であっても良い。
検査制御部442は、端面BB全体の検査が終了したと判定した場合(ステップS33:YES)、端面BBの検査処理を終了する。
一方、検査制御部442は、端面BB全体の検査が終了していないと判定した場合(ステップS33:NO)、ステップS24の処理と同じように、シリコン単結晶ブロックBの設定回転方向を前回検査時と反対方向に設定する(ステップS34)。
【0067】
検査制御部442は、六軸ロボット321を制御して、センサ31を次の端面の検査位置へ移動させる(ステップS35)。
ステップS35において、検査制御部442は、直前の検査における端面の検査位置が第E(Fは1以上の整数)の端面の検査位置の場合、センサ31を第(F+1)の端面の検査位置へ移動させる。
【0068】
検査制御部442は、ステップS35の処理後、シリコン単結晶ブロックBを設定回転方向に1回転させながら端面BBを検査する(ステップS32)。
検査制御部442は、ステップS33において、端面BB全体の検査が終了したと判定するまで、上述の処理を繰り返す。
【0069】
ステップS7の端面BBの検査処理が終了すると、判定部444は、
図8に示すように、外周面BAおよび端面BBの異常箇所BEを特定する(ステップS8)。
ステップS8の処理の前に、画像処理部443は、各外周面の検査情報に基づいて、各外周面の検査位置に対応する二次元画像PAを生成する。画像処理部443は、各端面の検査情報に基づいて、各端面の検査位置に対応する二次元画像PAを生成する。画像処理部443が外周面の検査位置および端面の検査位置に対応する二次元画像PAを生成する処理は、画像処理工程を構成する。
ステップS8において、判定部444は、各外周面の検査位置に対応する二次元画像PAに基づいて、外周面BAにおける各外周面の検査位置からの青色レーザ光により照射された領域の異常箇所BEを特定する。判定部444は、各外周面の検査位置に対応する二次元画像PAに基づいて、端面BBの各端面の検査位置からの青色レーザ光により照射された領域の異常箇所BEを特定する。
【0070】
判定部444は、ステップS8における特定結果に基づいて、外周面BAまたは端面BBに異常箇所BEが存在するか否かを判定する(ステップS9)。
判定部444は、外周面BAまたは端面BBに異常箇所BEが存在すると判定した場合(ステップS9:YES)、異常の種類を判定する(ステップS10)。
ステップS10の処理の前に、画像処理部443は、外周面BAに異常箇所BEが存在している場合、当該異常箇所BEを含む二次元画像PAの生成に用いられた外周面の検査情報に基づいて、異常箇所BEの存在位置に対応する高さ画像PBを生成する。画像処理部443は、端面BBに異常箇所BEが存在している場合、当該異常箇所BEを含む二次元画像PAの生成に用いられた端面の検査情報に基づいて、異常箇所BEの存在位置に対応する高さ画像PBを生成する。画像処理部443が外周面BAおよび端面BBの異常箇所BEの存在位置に対応する高さ画像PBを生成する処理は、画像処理工程を構成する。
ステップS10において、判定部444は、画像処理部443により生成された高さ画像PBに基づいて、異常箇所BEの異常の種類が欠陥または異物であると判定する。
【0071】
なお、ステップS10の処理は、以下のように行われても良い。
画像処理部443は、ステップS8の処理の前に、各外周面の検査位置および各端面の検査位置に対応する二次元画像PAおよび高さ画像PBを生成する。判定部444は、ステップS1の処理において、画像処理部443により生成された高さ画像PBの中から異常箇所BEの存在位置に対応する高さ画像PBを選択し、選択された高さ画像PBに基づいて、異常の種類を判定しても良い。
【0072】
判定部444は、ステップS10における判定結果に基づいて、異常の種類が欠陥か否かを判定する(ステップS11)。
判定部444は、異常の種類が欠陥であると判定した場合(ステップS11:YES)、欠陥の種類を判定する(ステップS12)。
ステップS12において判定部444が断面形状画像PCを用いる場合、ステップS12の処理の前に、画像処理部443は、欠陥を含む高さ画像PBに基づいて、欠陥の断面形状を表す断面形状画像PCを生成する。
判定部444は、欠陥の存在位置に対応する高さ画像PBおよび断面形状画像PCのうち少なくとも一方に基づき得られるパラメータと、当該パラメータの閾値と、に基づいて、欠陥の種類を判定する。
【0073】
ブロック形状算出部445は、ステップS12の処理後、判定部444が外周面BAまたは端面BBに異常箇所BEが存在しないと判定した場合(ステップS9:NO)、または、判定部444が異常の種類が欠陥ではなく異物であると判定した場合(ステップS11:NO)、シリコン単結晶ブロックBの長さおよび直径を算出する(ステップS13)。
【0074】
表示制御部446は、検査結果を表示部42に表示させる(ステップS14)。
ステップS13において、表示制御部446は、以下のようにして、検査結果としての異物または欠陥の有無および欠陥の種類を、表示部42に表示させても良い。
表示制御部446は、外周面BAを平面に展開した図形と、両端面BBの図形とを表示部42に表示させる。表示制御部446は、これらの図形における異常箇所BEの存在位置または異常箇所BEを含む所定範囲を、異物に対応する第1の色または欠陥に対応する第2の色で表示させるとともに、それ以外の領域を第3の色で表示させても良い。
また、表示制御部446は、異物または欠陥の位置を表す文字を表示部42に表示させても良い。
ステップS14において、表示制御部446は、検査結果としてのシリコン単結晶ブロックBの長さおよび直径を文字で表示部42に表示させる。
【0075】
〔第1実施形態の効果〕
外観検査装置1の回転機構2は、制御装置4の制御に基づいて、円柱状のシリコン単結晶ブロックBを当該シリコン単結晶ブロックBの円周方向に1回転させる。センサ31は、円周方向に回転中のシリコン単結晶ブロックBの表面にレーザ光を照射して、シリコン単結晶ブロックBからのレーザ光の反射光を受光する。制御装置4を構成する制御部44の画像処理部443は、センサ31における反射光の受光状態に基づいて、表面の高さ画像PBを生成する。制御部44の判定部444は、高さ画像PBに基づいて、表面の性状を判定する。
このような外観検査装置1によれば、センサ31をシリコン単結晶ブロックBの円周方向に移動させることなく、シリコン単結晶ブロックBをその円周方向に回転させるだけで、シリコン単結晶ブロックBの円周方向の高さ画像PBを生成できる。外観検査装置1は、レーザ光を用いて生成された高さ画像PBに基づいて、シリコン単結晶ブロックBの表面の性状を適切に判定できる。したがって、シリコン単結晶ブロックBの外観を適切に検査できる外観検査装置1を提供できる。
【0076】
外観検査装置1は、センサ31をシリコン単結晶ブロックBの表面に沿って所定距離だけ移動させるセンサ移動機構32を備える。外観検査装置1は、シリコン単結晶ブロックBを1回転させた後に停止させる。シリコン単結晶ブロックBが1回転している間、シリコン単結晶ブロックBの表面にセンサ31から青色レーザ光を照射して、シリコン単結晶ブロックBの表面で反射した反射光をセンサ31で受光し、シリコン単結晶ブロックBが停止したらセンサ移動機構32によりセンサ31をシリコン単結晶ブロックBの表面に沿って所定距離移動させる処理を繰り返す。
このため、検査対象の表面が外周面BAの場合、センサ31における青色レーザ光の照射範囲Hが外周面BAの中心軸BC方向の長さより短くても、青色レーザ光が照射されたシリコン単結晶ブロックBが1回転する毎に、センサ移動機構32によりセンサ31を外周面BAに沿って中心軸BCと平行な方向に移動させることにより、外周面BA全体を検査できる。検査対象の表面が外周面BAの場合、センサ31における青色レーザ光の照射範囲Hが外周面BAの中心軸BC方向の長さより短くても、青色レーザ光が照射されたシリコン単結晶ブロックBが1回転する毎に、センサ移動機構32によりセンサ31を外周面BAに沿って中心軸BCと平行な方向に移動させることにより、外周面BA全体を検査できる。
したがって、外観検査装置1は、青色レーザ光の照射範囲Hが広いセンサ31を用いることなく、シリコン単結晶ブロックBの外観を適切に検査できる。
【0077】
センサ移動機構32は、単一のセンサ31をシリコン単結晶ブロックBの外周面BAに沿って中心軸BC方向へ移動させ、端面BBに沿ってシリコン単結晶ブロックBの径方向へ移動させる六軸ロボット321を備える。外観検査装置1は、センサ31をシリコン単結晶ブロックBの外周面BAに沿って中心軸BC方向へ移動させて行う検査により外周面BA全体の検査を行った後、センサ31を端面BBに沿ってシリコン単結晶ブロックBの径方向へ移動させる検査を行うことにより端面BB全体の検査を行う。
このため、単一のセンサ31を用いるだけで、シリコン単結晶ブロックB全体の外観を適切に検査できる。
【0078】
回転機構2は、外周面BAまたは端面BBの検査時に、シリコン単結晶ブロックBを互いに異なる方向に交互に1回転させる。
ここで、シリコン単結晶ブロックBの外周面BAまたは回転ローラ21の外周面の形状、あるいは、一対の回転ローラ21の平行度などの影響により、シリコン単結晶ブロックBを1回転させるとシリコン単結晶ブロックBが中心軸BC方向にずれる場合がある。この場合、外周面BAまたは端面BBの検査時にシリコン単結晶ブロックBを同じ方向に1回転させ続けると、シリコン単結晶ブロックBが検査開始位置から大きくずれてしまう。このような位置ずれが生じると、外周面BAの検査時にシリコン単結晶ブロックBを同じ方向に1回転させる毎に、センサ31の外周面の検査位置と、当該外周面の検査位置に対してあらかじめ設定された外周面BAにおける中心軸BC方向の位置とのずれが大きくなり、外周面BAを適切に検査できないおそれがある。端面BBの検査時にシリコン単結晶ブロックBを同じ方向に1回転させる毎に、センサ31から端面BBまでの距離の検査距離Kからのずれが大きくなり、端面BBを適切に検査できないおそれがある。
第1実施形態のように、外周面BAの検査時にシリコン単結晶ブロックBを互いに異なる方向に交互に1回転させることにより、仮に、シリコン単結晶ブロックBを1回転させたときにシリコン単結晶ブロックBが中心軸BC方向にずれた場合でも、次の逆方向への回転時にシリコン単結晶ブロックBが逆方向にずれて元の位置に戻るため、センサ31の外周面の検査位置と、当該外周面の検査位置に対してあらかじめ設定された外周面BAにおける中心軸BC方向の位置とのずれを最小限に抑えることができる。端面BBの検査時にシリコン単結晶ブロックBを互いに異なる方向に交互に1回転させることにより、外周面BAの検査時と同様の理由により、センサ31から端面BBまでの距離の検査距離Kからのずれを最小限に抑えることができる。
したがって、外観検査装置1は、シリコン単結晶ブロックBの外周面BAおよび端面BBの外観を適切に検査できる。
【0079】
センサ31は、反射率が高いシリコン単結晶ブロックBに対して青色レーザ光を照射する。
このように、赤色レーザ光よりも波長が短い青色レーザ光を用いることにより、照射範囲Hの幅を小さくすることができ、外観検査装置1は、散乱の影響が少ない鮮明な二次元画像PAおよび高さ画像PBを生成できる。
したがって、外観検査装置1は、鮮明な二次元画像PAおよび高さ画像PBに基づいて、シリコン単結晶ブロックBの外周面BAおよび端面BBの外観をより適切に検査できる。
【0080】
外観検査装置1は、ノッチBVを基準にしてシリコン単結晶ブロックBを1回転させる。
このように、外観検査装置1は、シリコン単結晶ブロックBに従来あるノッチBVを基準にするだけの簡単な方法で、シリコン単結晶ブロックBの回転を制御できる。
【0081】
外観検査装置1は、青色レーザ光の反射光の受光状態に基づいて、シリコン単結晶ブロックBの表面の二次元画像PAを生成し、二次元画像PAに基づいて表面における異常箇所BEを特定し、特定された異常箇所BEの高さ画像PBに基づいて、表面の欠陥の有無を判定する。
このため、外観検査装置1は、異常箇所BEが存在しない場合、高さ画像PBを生成する必要がなく、検査を効率的に行うことができる。
【0082】
[第2実施形態]
〔外観検査装置の構成〕
次に、本発明の第2実施形態に係る外観検査装置の構成について説明する。
図10は、第2実施形態の外観検査装置の概略構成を示す斜視図である。
図11は、外観検査装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
図12は、検査時のセンサの移動状態を示す模式図であり、(A)は外周面の検査時の移動状態を示し、(B)は端面の検査時の移動状態を示す。
なお、第1実施形態と同じ構成については、同一名称および同一符号を付し、説明を簡略にするか、省略する。
【0083】
図10に示す外観検査装置5は、第1実施形態の外観検査装置1と同様に、シリコン単結晶ブロックBの外観を検査する。
図10および
図11に示すように、外観検査装置5は、回転機構2と、検査部6と、制御装置7と、を備える。
【0084】
検査部6は、第1のセンサ61と、第2のセンサ62と、センサ移動機構63と、を備える。
【0085】
第1,第2のセンサ61,62は、第1実施形態のセンサ31とそれぞれ同じ構成を備える。第1,第2のセンサ61,62は、第1,第2の光入出射面部611A,621Aを有する第1,第2のセンサ本体611,621と、青色レーザ光を照射する第1,第2の照射部612,622と、第1,第2の受光部613,623と、をそれぞれ備える。
第1のセンサ61の第1の照射部612は、外周面BAに対して青色レーザ光を照射する。第1の光入出射面部611Aから照射された青色レーザ光は、
図12(A)に示すように、第1の光入出射面部611Aから外周面BAまでの距離が検査距離Kの場合、照射範囲Hの長さが外周面BAの前後方向の長さよりも短くなるように照射される。
第2のセンサ62の第2の照射部622は、端面BBに対して青色レーザ光を照射する。第2の光入出射面部621Aから照射された青色レーザ光は、
図12(B)に示すように、第1の光入出射面部611Aから端面BBまでの距離が検査距離Kの場合、照射範囲Hの長さが端面BBの半径よりも短くなるように照射される。
第1の受光部613は、外周面BAで反射した反射光を受光して、受光状態に対応する信号を制御装置7へ出力する。第2の受光部623は、端面BBからの反射光を受光して、受光状態に対応する信号を制御装置7へ出力する。
【0086】
センサ移動機構63は、第1の移動機構としての単軸アクチュエータ631と、第2の移動機構としての六軸ロボット321と、を備える。
単軸アクチュエータ631は、第1のセンサ61を保持し、制御装置7の制御に基づいて、シリコン単結晶ブロックBの外周面BAにおける右側において第1のセンサ61を前後方向へ移動させる。
六軸ロボット321は、第2のセンサ62を保持し、制御装置7の制御に基づいて、シリコン単結晶ブロックBにおける後側の端面BBに対向する位置において、第2のセンサ62を上下方向へ移動させる。
【0087】
図11に示すように、制御装置7は、入力部41と、表示部42と、記憶部43と、制御部74と、を備える。制御部74には、ローラ駆動部22、第1の照射部612、第1の受光部613、第2の照射部622、第2の受光部623、単軸アクチュエータ631、六軸ロボット321、入力部41、表示部42および記憶部43が電気的に接続されている。
制御部74は、検査制御部742が第1実施形態の検査制御部442と異なること以外は、第1実施形態の制御部44と同じ構成を有する。
【0088】
検査制御部742は、シリコン単結晶ブロックBの外周面BAを検査するように、ローラ駆動部22および単軸アクチュエータ631を制御する。検査制御部742は、シリコン単結晶ブロックBの端面BBを検査するように、ローラ駆動部22および六軸ロボット321を制御する。
【0089】
検査制御部742は、外周面BAを検査する場合、単軸アクチュエータ631を制御して、
図12(A)に実線で示すように、シリコン単結晶ブロックBの外周面BAにおける右側において第1の光入出射面部611Aが外周面BAに対向する状態で、第1のセンサ61を第1の外周面の検査位置に位置させる。第2実施形態の第1の外周面の検査位置は、外周面BAの右側に位置する点で外周面BAの上側に位置する第1実施形態の第1の外周面の検査位置と異なるが、前後方向の位置は第1実施形態の第1の外周面の検査位置と同じである。検査制御部742は、ローラ駆動部22を制御して、シリコン単結晶ブロックBを1回転させるとともに、第1の照射部612から外周面BAに青色レーザ光を照射させる。
検査制御部742は、外周面BAで反射した反射光を受光した第1の受光部613から受光状態に対応する信号を取得すると、第1の外周面の検査情報を生成して記憶部43に記憶させる。
【0090】
その後、検査制御部742は、単軸アクチュエータ631を制御して、
図12(A)に二点鎖線で示すように、第1のセンサ61を中心軸BCに沿って第Nの外周面の検査位置まで順次移動させる(
図12(A)では、第2の外周面の検査位置の第1のセンサ61のみを図示)。第2実施形態の第Nの外周面の検査位置は、外周面BAの右側に位置する点で外周面BAの上側に位置する第1実施形態の第Nの外周面の検査位置と異なるが、前後方向の位置は第1実施形態の第Nの外周面の検査位置と同じである。つまり、第Nの外周面の検査位置は、当該第Nの外周面の検査位置から照射された青色レーザ光の照射範囲Hと、第(N-1)の外周面の検査位置から照射された青色レーザ光の照射範囲Hとの重なり幅が幅D1になるような位置である。幅D1は、0mmを超える値である。検査制御部742は、第1のセンサ61が第Nの外周面の検査位置に位置する毎に、シリコン単結晶ブロックBを1回転させるとともに、第1の照射部612から外周面BAに青色レーザ光を照射させ、第Nの外周面の検査情報を生成して記憶部43に記憶させる。
検査制御部742は、第1実施形態の検査制御部442と同様に、照射範囲Hの前側の端部が前側の端面BBよりも前側に位置し、後側の端部が外周面BA上に位置する状態での検査が終了するまで、上述の処理を繰り返す。
【0091】
検査制御部742は、端面BBを検査する場合、六軸ロボット321を制御して、
図12(B)に実線で示すように、第2の光入出射面部621Aが端面BBに対向する状態で、第2のセンサ62を第1の端面の検査位置に位置させる。第2実施形態の第1の端面の検査位置は、第1実施形態の第1の端面の検査位置と同じである。検査制御部742は、シリコン単結晶ブロックBを1回転させるとともに、第2の照射部622から端面BBに青色レーザ光を照射させる。
検査制御部742は、端面BBからの反射光を受光した第2の受光部623から受光状態に対応する信号を取得すると、第1の端面の検査情報を生成して記憶部43に記憶させる。
【0092】
その後、検査制御部742は、六軸ロボット321を制御して、
図12(B)に二点鎖線で示すように、第2のセンサ62を鉛直方向に沿って第Mの端面の検査位置まで順次移動させる(
図12(B)では、第2の端面の検査位置の第2のセンサ62のみを図示)。第Mの端面の検査位置は、当該第Mの端面の検査位置から照射された青色レーザ光の照射範囲Hと、第(M-1)の端面の検査位置から照射された青色レーザ光の照射範囲Hとの重なり幅が幅D2になるような位置である。幅D2は、0mmを超える値であり、幅D1と同じであっても良いし、異なっていても良い。つまり、第1のセンサ61が移動する第1の距離と第2のセンサ62が移動する第2の距離は、同じであっても良いし、異なっていても良い。検査制御部742は、第2のセンサ62が第Mの端面の検査位置に位置する毎に、シリコン単結晶ブロックBを1回転させるとともに、第2の照射部622から端面BBに青色レーザ光を照射させ、第Mの端面の検査情報を生成して記憶部43に記憶させる。
検査制御部742は、第1実施形態の検査制御部442と同様に、照射範囲Hの下側の端部が中心軸BCよりも下側に位置し、上側の端部が中心軸BCよりも上側に位置する状態での検査が終了するまで、上述の処理を繰り返す。
【0093】
〔外観検査装置の動作〕
次に、外観検査装置5の動作として、シリコン単結晶ブロックBの外観検査処理について説明する。
図13は、外観検査処理のフローチャートである。
図14および
図15は、外周面および端面の検査処理のフローチャートである。
なお、第1実施形態と同じ処理については、同一符号を付し、説明を簡略にするか、省略する。
図13に示すステップS41~S43,S3,S4の処理、
図14に示すステップS21,S24,S51~S54,S57,S58の処理、および、
図15に示すステップS55,S56,S59,S60の処理は、表面検査工程を構成する。
【0094】
シリコン単結晶ブロックBの一対の回転ローラ21上へのセットの前、または、セットの後、外観検査装置5を構成する制御部74のブロック情報取得部441は、
図13に示すように、ブロック情報を取得する(ステップS1)。
【0095】
制御部74の検査制御部742は、検査開始の指示を取得すると、単軸アクチュエータ631を制御して、シリコン単結晶ブロックBの外周面BA右側の第1の外周面の検査位置へ第1のセンサ61を移動させる(ステップS41)。
検査制御部742は、六軸ロボット321を制御して、シリコン単結晶ブロックBの後側の端面BBに対向する第1の端面の検査位置へ第2のセンサ62を移動させる(ステップS42)。
なお、検査制御部742は、ステップS42の処理を、ステップS41の処理前に行っても良いし、ステップS41の処理と同時に行っても良い。
【0096】
検査制御部742は、ノッチBVが基準位置に位置するように、シリコン単結晶ブロックBを回転させる(ステップS3)。
検査制御部742は、シリコン単結晶ブロックBのエッジを検出する(ステップS4)。
【0097】
検査制御部742は、外周面BAおよび端面BBの検査処理を行う(ステップS43)
ステップS43における外周面BAおよび端面BBの検査処理において、検査制御部742は、
図14に示すように、シリコン単結晶ブロックBの設定回転方向を第1の方向に設定する(ステップS21)。
【0098】
検査制御部742は、検査対象面を外周面BAおよび端面BBに設定する(ステップS51)。
【0099】
検査制御部742は、シリコン単結晶ブロックBを設定回転方向に1回転させながら検査対象面を検査する(ステップS52)。
ステップS52において、検査制御部742は、ローラ駆動部22を制御してシリコン単結晶ブロックBを設定回転方向に1回転させる。
検査制御部742は、検査対象面に外周面BAが含まれる場合、シリコン単結晶ブロックBの回転中、第1の照射部612を制御して外周面BAに青色レーザ光を照射し、第1の受光部613から受光状態に対応する信号を取得すると、第1のセンサ61の外周面の検査位置に対応する外周面の検査情報を生成して記憶部43に記憶させる。
検査制御部742は、検査対象面に端面BBが含まれる場合、シリコン単結晶ブロックBの回転中、第2の照射部622を制御して端面BBに青色レーザ光を照射し、第2の受光部623から受光状態に対応する信号を取得すると、第2のセンサ62の端面の検査位置に対応する端面の検査情報を生成して記憶部43に記憶させる。
【0100】
検査制御部742は、外周面BA全体および端面BB全体の両方の検査が終了したか否かを判定する(ステップS53)。ステップS53における判断基準としては、第1実施形態のステップS23,S33と同じ判定基準を例示できる。
検査制御部742は、外周面BA全体および端面BB全体の両方の検査が終了したと判定した場合(ステップS53:YES)、外周面BAおよび端面BBの検査処理を終了する。
一方、検査制御部742は、外周面BA全体および端面BB全体のうち少なくとも一方の検査が終了していないと判定した場合(ステップS53:NO)、シリコン単結晶ブロックBの設定回転方向を前回検査時と反対方向に設定する(ステップS24)。
【0101】
検査制御部742は、端面BB全体のみの検査が終了したか否かを判定する(ステップS54)。
検査制御部742は、端面BB全体のみの検査が終了していないと判定した場合(ステップS54:NO)、
図15に示すように、外周面BA全体のみの検査が終了したか否かを判定する(ステップS55)。
検査制御部742は、外周面BA全体のみの検査が終了していないと判定した場合(ステップS55:NO)、つまり外周面BA全体および端面BB全体の両方の検査が終了していないと判定した場合、単軸アクチュエータ631を制御して、第1のセンサ61を次の外周面の検査位置へ移動させるとともに、六軸ロボット321を制御して、第2のセンサ62を次の端面の検査位置へ移動させる(ステップS56)。
検査制御部742は、
図14に示すように、検査対象面を外周面BAおよび端面BBに設定し(ステップS51)、シリコン単結晶ブロックBを設定回転方向に1回転させながら検査対象面を検査する(ステップS52)。
【0102】
検査制御部742は、端面BB全体のみの検査が終了したと判定した場合(ステップS54:YES)、単軸アクチュエータ631を制御して、第1のセンサ61を次の外周面の検査位置へ移動させる(ステップS57)。
検査制御部742は、検査対象面を外周面BAに設定して(ステップS58)、シリコン単結晶ブロックBを設定回転方向に1回転させながら検査対象面を検査する(ステップS52)。
【0103】
図15に示すように、検査制御部742は、外周面BA全体のみの検査が終了したと判定した場合(ステップS55:YES)、六軸ロボット321を制御して、第2のセンサ62を次の端面の検査位置へ移動させる(ステップS59)。
検査制御部742は、検査対象面を端面BBに設定して(ステップS60)、
図14に示すように、シリコン単結晶ブロックBを設定回転方向に1回転させながら検査対象面を検査する(ステップS52)。
検査制御部742は、ステップS53において、外周面BA全体および端面BB全体の両方の検査が終了したと判定するまで、上述の処理を繰り返す。
【0104】
ステップS43の外周面BAおよび端面BBの検査処理が終了すると、制御部74は、
図7に示すステップS8~S14の処理を行う。
【0105】
〔第2実施形態の効果〕
外観検査装置5は、第1実施形態の外観検査装置1と同様の効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
外観検査装置5は、第1のセンサ61を外周面BAに沿ってシリコン単結晶ブロックBの中心軸BC方向へ移動させる単軸アクチュエータ631と、第2のセンサ62を端面BBに沿ってシリコン単結晶ブロックBの径方向へ移動させる六軸ロボット321と、を有するセンサ移動機構63を備える。外観検査装置5は、シリコン単結晶ブロックBを1回転させて停止させ、シリコン単結晶ブロックBが1回転している間、外周面BAに第1のセンサ61から青色レーザ光を照射して反射光を第1のセンサ61で受光するとともに、端面BBに第2のセンサ62から青色レーザ光を照射して反射光を第2のセンサ62で受光する。外観検査装置1は、シリコン単結晶ブロックBが停止したら第1のセンサ61を外周面BAに沿ってシリコン単結晶ブロックBの中心軸BC方向へ第1の距離だけ移動させるとともに、第2のセンサ62を端面BBに沿ってシリコン単結晶ブロックBの径方向へ第2の距離だけ移動させる処理を繰り返す。
このように、シリコン単結晶ブロックBの回転中に外周面BAと端面BBの検査を同時に行うことにより、検査効率を向上させることができる。
【0106】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の種々の改良並びに設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
【0107】
例えば、第1実施形態において、外観検査装置1をシリコン単結晶ブロックBの外周面BAまたは端面BBのみを検査するように構成しても良い。外周面BAのみを検査するように外観検査装置1を構成した場合、センサ31からの青色レーザ光の照射範囲Hの幅を外周面BAの中心軸BC方向の長さよりも長くして、外観検査装置1にセンサ移動機構32を設けなくても良い。端面BBのみを検査するように外観検査装置1を構成した場合、センサ31からの青色レーザ光の照射範囲Hの幅を端面BBの径方向の長さよりも長くして、外観検査装置1にセンサ移動機構32を設けなくても良い。
第2実施形態において、第1のセンサ61からの青色レーザ光の照射範囲Hの幅を外周面BAの中心軸BC方向の長さよりも長くして、外観検査装置5に単軸アクチュエータ631を設けなくても良いし、第1のセンサ61からの青色レーザ光の照射範囲Hの幅を端面BBの径方向の長さよりも長くして、外観検査装置5に六軸ロボット321を設けなくても良い。
第1実施形態において、六軸ロボット321の代わりにセンサ31を前後方向または上下方向に移動させるとともに1つの軸を中心にして回転させる三軸ロボットを適用しても良い。
第2実施形態において、第1のセンサ61を移動させる構成として六軸ロボット321を適用しても良いし、第2のセンサ62を移動させる構成として単軸アクチュエータ631を適用しても良いし、第1,第2のセンサ61,62を移動させる構成として、単軸アクチュエータ631以外の直線移動機構または三軸ロボットを適用しても良い。
【0108】
第1,第2実施形態において、シリコン単結晶ブロックBを1回転させる毎にシリコン単結晶ブロックBの回転方向を変更したが、シリコン単結晶ブロックBを1回転させたときのシリコン単結晶ブロックBのずれ量が極めて小さい場合、複数回だけ同じ方向に1回転させる毎にシリコン単結晶ブロックBの回転方向を変更しても良いし、シリコン単結晶ブロックBを同じ方向に回転させ続けても良い。シリコン単結晶ブロックBを1回転させたときのシリコン単結晶ブロックBのずれがない場合、シリコン単結晶ブロックBを同じ方向に回転させ続けても良い。
第1,第2実施形態において、シリコン単結晶ブロックBにノッチBVの代わりにオリエンテーションフラットを形成し、オリエンテーションフラットを基準にして、シリコン単結晶ブロックBを1回転させても良い。
【0109】
第1,第2実施形態において、青色レーザ光の代わりに赤色レーザ光を用いても良い。
第2実施形態において、第1のセンサ61の照射範囲Hの幅と第2のセンサ62の照射範囲Hの幅とが異なっていても良い。
【0110】
第1,第2実施形態において、二次元画像PAおよび断面形状画像PCのうち少なくとも一方を生成しなくても良い。
第1,第2実施形態において、被検査体は、シリコン単結晶ブロックBに限られず、円柱状または円筒状であれば、その材質は限定されない。
【符号の説明】
【0111】
1,5…外観検査装置、2…回転機構、31…センサ、32,63…センサ移動機構、61…第1のセンサ、62…第2のセンサ、321…六軸ロボット(第2の移動機構)、443…画像処理部、444…判定部、631…単軸アクチュエータ(第1の移動機構)、B…シリコン単結晶ブロック、BA…外周面、BB…端面、BC…中心軸、BD…面取り部、BE…異常箇所、BV…ノッチ、PA…二次元画像、PB…高さ画像、PC…断面形状画像。