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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173345
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】自動培養装置、自動培養システム
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/04 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
C12M1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091700
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 洸
(72)【発明者】
【氏名】木山 政晴
(72)【発明者】
【氏名】小林 豊茂
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA01
4B029AA08
4B029AA11
4B029AA12
(57)【要約】
【課題】
装置筐体を小型化でき、省スペースで複数装置を同時に稼働とすることが可能な自動培養装置、自動培養システムを提供する。
【解決手段】
培養容器を収容可能な自動培養装置であって、前記培養容器を所定温度に保持する温度保持機構と、加湿CO2ガスを供給するガス供給部と、前記培養容器に装着され、前記培養容器に対して前記ガス供給部からの加湿CO2ガスを供給する換気アダプタと、を備えた自動培養装置、複数の自動培養装置を制御する集中管理コンピュータを備えた自動培養システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養容器を収容可能な自動培養装置であって、
前記培養容器を所定温度に保持する温度保持機構と、
加湿CO2ガスを供給するガス供給部と、
前記培養容器に装着され、前記培養容器に対して前記ガス供給部からの加湿CO2ガスを供給する換気アダプタと、を備えたこと特徴とする自動培養装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動培養装置において、
前記培養容器は、培養対象を収容する容器の少なくとも一部がガス透過性を有する材料で構成されたガス透過部を有し、
前記換気アダプタは、前記培養容器の前記ガス透過部に対して前記ガス供給部からの加湿CO2ガスを供給することを特徴とする自動培養装置。
【請求項3】
請求項1記載の自動培養装置において、
前記換気アダプタは前記培養容器と別体で構成され、該培養容器から脱着可能であることを特徴とする自動培養装置。
【請求項4】
請求項3記載の自動培養装置において、
前記換気アダプタは、該換気アダプタの上方に前記培養容器を載置し、前記培養容器を押し下げることにより該換気アダプタに装着される構造であることを特徴とする自動培養装置。
【請求項5】
請求項3記載の自動培養装置において、
前記換気アダプタは、前記培養容器の上方から該培養容器に向かって押し下げることで装着される構造であることを特徴とする自動培養装置。
【請求項6】
請求項1に記載の自動培養装置において、
前記換気アダプタの側壁面に、前記ガス供給部からのガスを前記換気アダプタ内に供給する流路と、前記換気アダプタ内のガスを排出する流路とが接続されていることを特徴とする自動培養装置。
【請求項7】
請求項1に記載の自動培養装置において、
前記換気アダプタの底面に、前記ガス供給部からのガスを前記換気アダプタ内に供給する流路と、前記換気アダプタ内のガスを排出する流路とが接続されていることを特徴とする自動培養装置。
【請求項8】
請求項1記載の自動培養装置において、
前記温度保持機構は少なくとも前記換気アダプタ、及び前記培養容器を収容する筐体を備え、該筐体内の温度が前記所定温度に保持されるようにする温調機構を備えたことを特徴とする自動培養装置。
【請求項9】
請求項8記載の自動培養装置において、
前記換気アダプタには、前記換気アダプタ内のガスを排出する流路が接続され、前記ガスは前記筐体の外部に排出されることを特徴とする自動培養装置。
【請求項10】
請求項9記載の自動培養装置において、
前記ガスを排出する流路に、前記換気アダプタより排出されるガスの量を計測するガスセンサを備えたことを特徴とする自動培養装置。
【請求項11】
請求項8記載の自動培養装置において、
前記培養容器を揺動する揺動機構を前記筐体の内部に備えたことを特徴とする自動培養装置。
【請求項12】
請求項8記載の自動培養装置において、
前記筐体の内部には、前記ガス供給部の一部として、送気されたガスを加湿するための加湿部を備えたことを特徴とする自動培養装置。
【請求項13】
請求項8記載の自動培養装置において、
前記温度保持機構の前記筐体の外に、供給培地等を収容可能な第一容器と、排液等を収容可能な第二容器と、流体操作を可能にするポンプとを有する流体制御部を備えたことを特徴とする自動培養装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載の自動培養装置を複数備え、
前記複数の自動培養装置を制御する集中管理コンピュータを備えたことを特徴とする自動培養システム。
【請求項15】
請求項14記載の自動培養システムであって、
前記複数の自動培養装置を縦または横に並列配置したことを特徴とする自動培養システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞又は組織を培養する自動培養装置に係り、特に小型化可能な自動培養装置、それを複数用いた自動培養システムに関する。
【背景技術】
【0002】
再生したヒトの細胞ならびに遺伝子導入により機能を改変した細胞等を用いた医療は、これまで根治が困難であった疾患を克服できるため、その普及への期待が高まっている。
【0003】
治療対象は癌が最も多く、続いて各種臓器が続く。患者自身の細胞を用いる自家移植は拒絶反応の可能性が低く、患者QOL(quality of life) 向上の観点からニーズが高いことが理由であると考えられる。
【0004】
細胞種は免疫細胞が最も多く、全体の4割以上を占める。癌が主たる対象疾患であり、具体的な細胞種としてはT 細胞、NK 細胞、NKT 細胞等が挙げられる。特に、患者から免疫細胞であるT細胞を取り出し、遺伝子導入により癌細胞を攻撃可能な形に加工して注射により患者へ戻す、CAR-T(chimeric antigen receptor-T)細胞療法の実用化が先行している。
【0005】
移植向け細胞の製造工程では患者自身又は他者から採取した生体試料を分離・精製し、増幅・遺伝子導入等の加工を行う。
【0006】
この工程は細胞処理施設(CPC:Cell Processing Center)において、医薬品等の製造管理及び品質管理の基準である適正製造基準(GMP:Good Manufacturing Practice)を満たした標準手順書(SOP:Standard Operating Procedure)に従い実施する。よってCPCの運用には多大なコストと専門の培養技術を有した人材を必要とする。
【0007】
加えて製造工程は手作業を中心とするため、製造量の増加には限界がある。低生産性と製造コスト高が再生医療の普及の妨げとなっており、製造工程の中で特に労力とコストを要する培養作業の自動化が求められている。培養作業の自動化により省力化、コストダウン、大量生産が可能となる。
【0008】
自動培養装置の例として、特許文献1に示すように、閉鎖空間を有した閉鎖系流路を自動で取り扱う装置がある。閉鎖系流路において、閉鎖系培養容器が流路チューブ等により常時接続された状態であり、閉鎖系培養容器の内部で細胞を培養する。
【0009】
閉鎖系流路は、その外部に設置された弁、ポンプ等の稼動により、その内部に保持された液体、気体の移動を可能とする。これにより自動培養装置は、培養空間の閉鎖性を維持した状態のまま細胞播種、培地交換、顕微鏡観察等を自動で実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007-312668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に記載の技術においては、閉鎖系培養容器内において培養が可能であるが、培養を行うために、内部を一定のCOガス濃度に維持したCOインキュベータ内に培養容器を保持する構成となっている。そして、培養容器内の培地上部に存在する空間内のガスが培地に溶け込む、もしくは培地中のガスが空間内に放出されることによりガス交換が行われる。
【0012】
しかし、COインキュベータは内部空間をガスで満たしておくための密閉性を確保する観点等から大型であり、そのため当該構成を用いた自動培養装置の小型化は難しい。
【0013】
また、COインキュベータは内部を加湿しているため、金属部品が錆易い環境であることから、培養操作に用いる培養容器の揺動機構や細胞のカメラ観察機構等の機械要素を実装することが難しい。
【0014】
加えて、COインキュベータは加湿による微生物発生リスクがあり、高い清浄度を要求される移植向け細胞の製造施設での使用には運用上のハードルがある。
【0015】
本発明の目的は、装置を小型化でき、省スペースで複数装置を同時に稼働とすることが可能な自動培養装置、及びそれを複数用いた自動培養システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するための本発明の構成は以下の通りである。
培養容器を収容可能な自動培養装置であって、前記培養容器を所定温度に保持する温度保持機構と、加湿CO2ガスを供給するガス供給部と、前記培養容器に装着され、前記培養容器に対して前記ガス供給部からの加湿CO2ガスを供給する換気アダプタと、を備えたこと特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、装置を小型化でき、省スペースで複数装置を同時に稼働とすることが可能な自動培養装置、及びそれを複数用いた自動培養システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例1に係る、自動培養装置の一構成を示す図である。
図2】実施例1に係る、自動培養装置の一構成を側面で示す図である。
図3A】実施例1に係る、換気アダプタの一例を示す図である。
図3B】実施例1に係る、換気アダプタの一例を示す図である。
図3C】実施例1に係る、換気アダプタの一例を示す図である。
図4】実施例1における換気アダプタの上面図である。
図5】実施例1に換気アダプタによる培養容器内の気体交換結果を示す図である。
図6A】実施例1に係る、閉鎖系培養容器を含む流路回路の一例を示す図である。
図6B】実施例1に係る、細胞播種の手順例を示す図である。
図6C】実施例1に係る、気体交換の手順例を示す図である。
図6D】実施例1に係る、培地追加の手順例を示す図である。
図6E】実施例1に係る、培地交換の手順例を示す図である。
図6F】実施例1に係る、上清サンプリングの手順例を示す図である。
図6G】実施例1に係る、細胞回収の手順例を示す図である。
図7】実施例1に係る、細胞回収時における培養容器の傾斜の様子を示す図である。
図8】実施例1に係る、自動培養装置の稼働時のフローを示す図である。
図9】実施例2に係る、フラスコ培養容器に対する換気アダプタの一例を示す図である。
図10】実施例1に係る自動培養装置を複数台並列に接続し、中央管理PCにより制御する自動培養システムの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。
【0020】
また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【実施例0021】
図1を用い、閉鎖系培養容器を用いて培養を行う本実施例の自動培養装置の構成要素を説明する。
【0022】
自動培養装置100は、培養容器1と、換気アダプタ7と、気体供給部9と、液体或いは気体の送液或いは送気を行うポンプと、これらを接続する各流路と、流路を開閉する弁と、気体供給部、ポンプ、及び弁などを制御する制御部38と、培養容器1を揺動する揺動機構30と、培養容器、換気アダプタ、揺動機構などを収容し温度制御を行う温度保持機構としてのインキュベータ35を備えている。培養容器1は、気体透過性の膜を底面に配置した換気面4を有する換気面付き培養容器であり、細胞2が培地3とともに保持されて培養される。培養容器1には、圧力調整管5、ベントフィルタ6が接続されており、培養容器内部の気体が出入りできてかつ外部からの菌体やウィルスの進入を防止する。
【0023】
また、培養容器1は換気アダプタ7に装着されており、培養容器1に対して培養に必要なガス供給・交換が行えるようになっている。気体供給部9は、所定のガス濃度を保持したガスボンベ10とガス流量制御部(マスフローコントローラ:MF)11、圧力センサ12、加湿部である加湿ボトル13からなり、換気アダプタ7の上流に接続されている。換気アダプタ7の下流には、COセンサ14とCO2ガスベントフィルタ15が接続され、ガスは装置外の大気に放出される構成である。COセンサ14により、換気アダプタでのガス交換が適切に行われているかモニタすることができ、また、培養状態を予測することに用いることができる。
【0024】
このような液体或いは気体の送液或いは送気はポンプ16、17で行われ、好適なポンプはゴムチューブを回転するローラでしごいて圧力を発生させるチューブポンプである。ポンプ16は培地を培養容器1に送液するように構成され、培養容器1の送液管18にチューブ接続され、もう一方は電磁弁19を介して培地ボトル20の供給管に接続される。
【0025】
流路を構成するゴムチューブの開閉する弁には電磁弁が好適であり、ばね力で作用させた弁に挟みこんだゴムチューブの閉止状態を通電したときは電磁弁が作動してゴムチューブを開放に制御することができる。
【0026】
ポンプ17は培養容器1に細胞懸濁液を送液して細胞播種を行ったり、培養容器1より培地3を排出したり、増殖した細胞を回収するように構成されている。
【0027】
ポンプ17は培養容器1の吸引管21にチューブ接続され、もう一方は電磁弁19を介して細胞播種ボトル22及び別の電磁弁19を介して上清回収バッグ23および上清分析バッグ24に接続される。
【0028】
また、ポンプ17は培養容器1の細胞の回収管25にチューブ接続され、もう一方は電磁弁19を介して細胞回収ボトル26に接続される。
【0029】
培地ボトル20は重量センサ27で重量計測されており、また細胞播種ボトル22および細胞回収ボトル26は重量センサ28で重量計測される。
【0030】
図1及び図2で図示するように、培地ボトル、細胞播種ボトル、細胞回収ボトル、上清回収バッグ、上清分析バッグ、各構成をつなぐ流路、ポンプ、電磁弁、重量センサはインキュベータ35外の装置本体部である流体制御部29に設けられている。
【0031】
揺動機構30は、換気アダプタ7を保持する揺動ステージ31と、揺動ステージを3方向から支持するリンク機構32と、リンク機構32とそれぞれ接続された揺動軸33と、インキュベータの庫内に固定された揺動ステージ固定機構34からなる。
【0032】
培養容器の揺動操作は、紙面の左右方向であれば、右の揺動軸を下方に下げ、同時に左の揺動軸を上に上げ、中央の揺動軸の移動なく制御すれば、揺動ステージは傾きを持って移動し、培養容器を傾けることができ、次に左右の軸の動きを逆にすると、培養容器を逆の方向に傾けることができる。
【0033】
これらを連続的に動作すること、及び紙面の奥行方向にも揺動軸を移動すれば、培養容器を前後に傾けることができるので、培養容器1の内部の細胞2および培地3を攪拌することができる。
【0034】
インキュベータ35は、温度保持機構の一例であり、恒温部36と開閉扉37からなる、いわゆるドライインキュベータである。インキュベータ35には培養容器1と揺動機構30と加湿ボトル13を収納することができ、インキュベータ庫内を細胞培養に適した温度で維持することができる。大型のCO2インキュベータに替えて小型のドライインキュベータを採用するとともに、培養に必要なガス供給を行うことができる構成を有することで、装置を小型化でき、省スペースで複数装置を同時に稼働とすることが可能となる。制御部38は、前記気体供給部9、ポンプ16、17、及び電磁弁19の動作と、揺動機構30の動作を制御できる。これらの機械化要素を所定のタイミングで自動的に制御することで、細胞播種時は、細胞播種ボトル22より細胞懸濁液を培養容器1に送液し、気体交換時は、加湿ボトル13で加湿された気体を換気アダプタ7に供給し、培地追加時は培地ボトル20より培地を培養容器1に送液し、培地交換時は培養容器1内の培地3を上清回収バッグ23に排出後に培地を培養容器1に供給し、上清サンプリング時は培養容器内の一部培地を上清分析バッグ24に送液できる。
【0035】
細胞回収時は培養容器1内の培地を上清回収バッグ23に排出後に、揺動機構30を作用させて細胞懸濁液を攪拌したのち細胞回収ボトル26に送液できる。
【0036】
図2は、実施例1記載装置の右側面図である。装置の側面には左右にそれぞれサイドカバー40が設けられ、装置の正面には水平方向と垂直方向で開閉動作可能なボトルユニット扉41が設けられている。
【0037】
サイドカバー40は培地ボトル20細胞播種ボトル22および細胞回収ボトル26を重量センサ27、28の上に設置して計量する空間全体の気体の動きを遮蔽して、安定な計量を行うための風防の効果がある。
【0038】
またボトルユニット扉41は、水平位置にあるときは開放状態であって、ボトルやチューブをからなる流路を設置するときに、ボトルなどを仮置きする設置台の効果を有している。流路のチューブがポンプや弁に接続された後は、垂直方向に閉止されて風防として利用できる。なお、ボトルユニット扉41と前述のインキュベータ35の開閉扉37の開閉方向が異なることによって、双方の扉が干渉することなく開閉でき、作業時の装置へのアクセスがしやすい構成になっている。
【0039】
図3A、図3B、図3Cを用い、実施例1に係る、換気アダプタ7の構成要素を説明する。図3Aにおいて換気アダプタ7は揺動ステージ31上に設置され、前記した加湿ボトル13と接続される送気管42とCOセンサに接続される排気管43と接続される。培養容器1は図示しない水平台の上で、主に培養容器1の自重とゴムパッキン44の伸縮性によりゴムパッキン44に押し付けられることで換気アダプタ7に密接に装着される。この時、培養容器1の下方と換気アダプタ7の内部に所定のガス空間部8が形成される。
【0040】
図3AはCO2ガスを換気アダプタ7の円周外側から供給し、円周外側から排気する換気アダプタの例を示す。この形の換気アダプタは高さ方向を小さくできるという特徴がある。
【0041】
換気アダプタ7とゴムパッキン44の接触状態について説明する。換気アダプタ7のガス空間部8には加湿CO2ガスが保持されるが、この加湿CO2ガスが換気アダプタ7とゴムパッキン44の隙間から漏れ出すことを低減するために気密性が高い構造が望ましい。
【0042】
加湿CO2ガスが換気アダプタ7の内部空間に連続的に供給されることで、換気アダプタ7の内部空間は、大気圧に比べ多少高い圧力に保持される。すなわち、換気アダプタ7の内部空間は大気圧に比して陽圧となる。これにより、大気中の雑菌が換気アダプタ7の内部空間に入り込むリスクが低減される。
【0043】
また、換気アダプタ7の内部空間の容積であるが、培養容器のガス透過膜に対し均一に加湿CO2ガスが供給できる程度の容積であれば、できるだけ小さい方が好ましい。内部空間の容積が大きいと内部空間を加湿CO2ガスで満たすための時間が長くなってしまうからである。
【0044】
一方で、内部空間が小さすぎると、加湿CO2ガスが均一に供給できなくなる懸念が大きくなる。従って、内部空間はできるだけ上下に薄い空間で横方向は培養容器のガス透過膜の面積と同じかそれより多少大きい面積を備えた形状の空間であることが好ましい。空間形状は容器が円筒形状であれば円形で、容器が四角であれば方形である。
【0045】
図3Bは、CO2ガスを底面から供給し底面から排気する形の換気アダプタであり、図3Bは培養容器1とゴムパッキン44と換気アダプタ7の設置前の状態であり、図3Cは使用時の状態である。この形式の換気アダプタは換気アダプタ7の内部空間を図3Aの形式のものに比して小さくできるという特徴がある。また図3Bは、ゴムパッキン44と培養容器の気密性を高めるためにゴムパッキン44の断面形状は、培養容器の外周に沿った形状となっている。その形状の内周円は培養容器の外周縁より小さい形状であっても、ゴムパッキンの伸縮性を利用することでゴムパッキン44は換気アダプタ7に密接に装着される。換気アダプタの形態は、培養装置の要求仕様(培養容器の大きさ、培養速度等)に応じて適宜選択できる。図3A、3Bで示した形態以外にも、CO2ガスの供給管を円周外側から供給し、底面に排気管を設けることも可能である。
【0046】
図4は、図3Aの形の換気アダプタ7を上方向から見た上面図である。前述したように、換気アダプタ7の内部空間は、上方から見ると培養容器に設けられた円形状のガス透過膜より多少大きい円形状となっている。この図では加湿CO2ガスの送気管42は1本であるが加湿CO2ガスができるだけ均一に内部空間に供給できるよう送気管は複数本に分かれていてもよいし、開口部が1つの大きな口となっていても良い。また送気管42は換気アダプタ7の側方面の接続に限定したものではなく、下面方向から接続してもよい。
【0047】
図5は実施例1における培養容器内の気相のCOガス濃度の時間変化について、換気アダプタ7による換気方法と、5%のCOインキュベータによる換気方法の二つの計測方法で比較した結果である。
【0048】
換気アダプタ7による換気方法の計測には、閉鎖系の培養容器1の内部に図示しないCOセンサ(VISSLA GM70 ハンディタイプCO2計)設置して、一時的にベントフィルタ6は閉止して、気体の通過は換気面(ガス透過膜)4だけの容器を作成した。ガス空間部8の容積は300ccとし、送気管42より5%CO-空気の混合ガスを50cc/分の流量で連続的に送気した。
【0049】
COインキュベータによる換気方法の計測には、常時5%CO-空気で維持しているインキュベータの庫内にCOセンサを設置して、同時に別途COセンサを閉鎖系の培養容器1の庫内に設置して、気体の通過は換気面(ガス透過膜)4だけの容器を作成し、それぞれ37℃に保持したときの、15時間の計測結果である。
【0050】
その結果、COインキュベータによる換気方法と、換気アダプタに依る換気方法では、800分でいずれも5%CO濃度に達した。
【0051】
換気アダプタによる換気は、ガス空間部8のガス濃度の高まりに時間を要することを考慮して、ガス送気量を調整することで、COインキュベータによる換気と同等の換気を行うことが可能となる。
【0052】
図6Aは実施例1に係る閉鎖系培養容器を含む流路回路45の一例を示す図である。図1に示した実施例と同じ要素には同じ番号を付記し、電磁弁19については固有の電磁弁-1から-9について、46から54の番号をそれぞれ付与した。
【0053】
また上清回収バッグ23に接続されるゴムチューブには、手動でチューブを開閉できる手動弁55と、上清分析バッグ24に接続されるゴムチューブには、手動弁56を設置している。59は接合部品であり、オス型とメス型の接合によって管路の接合や切断可能にする部品である。60は分岐部を示し丁字の接続部品を使用して接合されたチューブの分岐点である。
【0054】
ここで示した流路回路45は、機械要素であるポンプ16、17における電磁弁19、重量センサ(電子天秤)28、ガス流量制御部11、圧力センサ12を除き、実施例1に示す装置本体より一体となって着脱可能であり、流路回路だけを滅菌処理することで細胞培養に適用することができる。
【0055】
図8図6Aに示した細胞培養装置100における細胞培養の全体的な操作のフローチャートを示す図である。「START」に次いで、細胞培養装置100に流路を設置したのち(S01)、別途準備した細胞懸濁液を保持する細胞播種ボトル22と、培地を保持した培地ボトル20、および細胞回収ボトル26を流路に接続する(S02)。
【0056】
図6Bは実施例1により細胞播種の工程を示している。初期状態ではポンプは停止してローラはゴムチューブを挟み込んで停止しているから、ポンプ16、17は弁として閉止の状態である。電磁弁はゴムチューブを挟み込んで閉止の状態である。細胞播種ボトル22には所定量の細胞懸濁液を保持して重量センサ28に設置し、培養容器1は内部が空の状態で、換気アダプタ7の上に水平設置する。細胞播種の開始時には電磁弁47と電磁弁48と電磁弁54電磁弁51を開放し培養容器1の吸引管21とCO2ガスベントフィルタ15までの管路が開放される。
【0057】
次いでポンプ17を稼働し、細胞播種ボトル22の管路の一方からガスを送気して内部の細胞懸濁液に加圧を行うと、細胞懸濁液は管路を通過して、吸引管21より培養容器1に送液される(S03)。この時の液体の流れ状態を実線、気体の流れ状態を破線で示す(以下同様)。
【0058】
次いで、細胞懸濁液の所定の液量が移動した時、電磁弁47の閉止と電磁弁49を開放し、同時にポンプ17を停止する。このとき、細胞懸濁液は電磁弁47の閉止で管路に一時停止され、また細胞播種ボトル22を加圧していたガスは、分岐部61より外部に開放されたベントフィルタに排出されて、液体の移動は停止する。
【0059】
次いで電磁弁48、49を閉止して、電磁弁46を開放し、ポンプ17を稼働すれば、分岐部62より培養容器に近い管路内の細胞懸濁液は培養容器1に送液される。その後にポンプ17を停止して電磁弁47と電磁弁48電磁弁49を開放すると、管路内の細胞懸濁液は落差によって細胞播種ボトル22に戻り、管路内に液体は無くなることができ、すべての電磁弁は閉じて細胞播種工程は終了する(S03)。
【0060】
図6Cは実施例1における培養容器1への気体交換の工程を示している。初期状態では電磁弁はゴムチューブを閉じて閉止の状態である。加湿ボトル13には水が保持されており、1本の長い管の開口が容器の底部に設けている。この一端にガス流量制御部11とガスボンベ10が接続されている。
【0061】
また加湿ボトル13における短い管の開口が容器内の上部に設けており、この一端に換気アダプタは接続されている。ガス流量制御部11を稼働すれば所定の送気量で制御されたガスが、加湿ボトルの内部に送気され加湿されて加湿ボトルより送気される。次いで換気アダプタ7のガス空間部8のガス濃度は高まり、所定のガス濃度に維持されるので、培養容器1へのガス交換が継続して行われる(S04)。
【0062】
図6Dは実施例1における培養容器1への培地追加の工程を示している。初期状態ではポンプは停止し電磁弁はゴムチューブを閉じて閉止の状態である。培地ボトル20には培地が保持されており、重量センサ27に設置されている。最初に電磁弁53を開放し、培養容器1の送液管18と培地ボトル20までの管路が開放される。次いでポンプ16を稼働すると、培地は管路を通過して、送液管18より培養容器1に送液される。
【0063】
次いで、培地の所定の液量が移動した時、電磁弁51を開放し、同時にポンプ16を停止する。このとき、培地の流れはポンプ16の停止で管路に一時停止され、また培地ボトル20に近い管路内の培地は、分岐部63より外部に開放されたベントフィルタより外気が侵入して落差により培地ボトル20の内部に戻る。
【0064】
次いで電磁弁53を閉止して、ポンプ16を稼働すれば、分岐部63より培養容器に近い管路内の培地は培養容器1に送液される。その後にポンプ16を停止すれば管路内に液体は無くなることができ、すべての電磁弁は閉じて培地追加工程は終了する(S05)。
【0065】
図6Eは実施例1における培養容器1への培地交換における培地排出の工程を示している。初期状態ではポンプは停止し電磁弁はゴムチューブを閉じて閉止の状態である。培養容器1には培地が保持されており、上清回収バッグ23は空で設置されている。最初に電磁弁46と電磁弁52と手動弁55を開放し、培養容器1の吸引管21と上清回収バッグ23までの管路が開放される。次いでポンプ17を稼働すると、培養容器1より培地は吸引管21より送液され、上清回収バッグ23に到達する。
【0066】
次いで、培地の所定の液量が移動した時、電磁弁51を開放し、同時にポンプ16を停止する。このとき、培地の流れはポンプ16の停止で管路に一時停止され、また培地ボトル20に近い管路内の培地は、分岐部62より外部に開放されたベントフィルタより外気が侵入して落差により培地ボトル20の内部に戻る。
【0067】
次いで電磁弁49を開放すれば、分岐部64より培養容器1に近い管路内の培地は落差によって培養容器1に送液される。その後に電磁弁46を閉止してポンプ17を稼働すればベントフィルタより外気が導入され管路の培地は上清回収バッグ23に到達する。すべての電磁弁は閉じて培地排出工程は終了する(S06)。次いで図6Dを用いて説明した培養容器1への培地追加の工程を同様に行うことにより培地交換は実施できる(S07)。培地交換後に揺動機構30により培養容器1を揺動して、新しい培地と細胞を混合すれば細胞培養はより促進される。
【0068】
図6Fは実施例1における培養容器1からの上清サンプリングの工程を示している。初期状態ではポンプは停止し電磁弁はゴムチューブを閉じて閉止の状態である。培養容器1には培地が保持されており、上清分析バッグ24は空で設置されている。最初に電磁弁46と電磁弁52と手動弁56を開放し、培養容器1の吸引管21と上清回収バッグ23までの管路が開放される。次いでポンプ17を稼働すると、培養容器1より培地は吸引管21より送液され、上清回収バッグ23に到達する。
【0069】
次いで、培地の所定の液量が移動した時、電磁弁51を開放し、同時にポンプ16を停止する。このとき、培地の流れはポンプ16の停止で管路に一時停止され、また培地ボトル20に近い管路内の培地は、分岐部62より外部に開放されたベントフィルタより外気が侵入して落差により培地ボトル20の内部に戻る。
【0070】
次いで電磁弁49を開放すれば、分岐部64より培養容器1に近い管路内の培地は落差によって培養容器1に送液される。その後に電磁弁46を閉止してポンプ17を稼働すればベントフィルタより外気が導入され管路の培地は上清分析バッグ24に到達する。すべての電磁弁は閉じて上清サンプリング工程は終了する(S08)。
【0071】
図6Eと図6Gにより実施例1における培養容器1からの細胞回収工程を説明する。細胞が十分に増殖したのち、細胞は培養容器の底面に沈降して浮遊している。図6Eによる上清回収工程と同様に培養容器1より同じ流路回路により上清を回収し、さらに培地3が吸引管21の開口の高さより下方になるまで継続して上清回収を行う。これにより培養容器内1の培地3と細胞の存在比率が高くすることができる。次いで前記した揺動機構30により培養容器を揺動して、培地と細胞に攪拌動作を与えて細胞懸濁液とする。
【0072】
次いで図6Gと図6Aにより培養容器1からの細胞回収工程を説明する。初期状態ではポンプは停止し電磁弁はゴムチューブを閉じて閉止の状態である。培養容器1には細胞懸濁液65が保持されており、細胞回収ボトル26は空で設置されている。
【0073】
図7を用いて細胞回収時における培養容器の傾斜の様子を説明する。最初に揺動機構30の揺動部70を回収管25が存在する方向側に傾斜させることにより、回収管25が存在する培養容器1の壁面側に細胞懸濁液が集まる。揺動部70の傾斜角度は細胞懸濁液を培養容器1の壁面側に集めることが出来れば良く、0度より大きく90度より小さければよい。なお、揺動部70は一定の方向に傾斜できる必要があり、複数の方向に傾斜できても良い。培養容器1を揺動機構の上に設置する際は、回収管25の開口が存在する方向側に傾斜可能な向きに培養容器1を設置する。その際、揺動部70に固定された換気アダプタ7に培養容器1の設置方向を指定する目印を記載しても良い。
【0074】
次いで電磁弁50と電磁弁51を開放し、培養容器1の回収管25と細胞回収ボトル26までの管路と、外気に開放されたCO2ガスベントフィルタ15まで管路が開放される。次いでポンプ17を稼働すると、培養容器1より細胞懸濁液65は回収管25より送液され、細胞回収ボトル26に到達する。
【0075】
次いで、細胞懸濁液65の液量が細胞回収ボトル26に全量移動した時、電磁弁49を開放し、同時にポンプ17を停止する。このとき、外部に開放されたベントフィルタより外気が侵入して分岐66より細胞回収ボトル26の内部は常圧となって、送液は停止する。すべての電磁弁は閉じて細胞回収工程は終了する(S09)。
【0076】
細胞を回収した後は廃液バッグを流路から取り出し(S10)、自動培養装置から流路を取り出し(S11)、自動培養のすべての工程は終了する。
【0077】
上述の説明により、本実施例にかかる自動培養装置は、装置を小型化しつつ培養を実施可能である。また、培養操作に用いる培養容器の揺動機構や細胞のカメラ観察機構等の機械要素に対する錆の発生リスクを抑制し、これらを実装することが可能である。加えて、換気アダプタによる培養容器に対する部分的な加湿ガスの供給によって、インキュベータ庫内全体の微生物発生リスクも抑制できる。
【実施例0078】
図9は実施例2に係る、フラスコ培養容器に対する換気アダプタの一例を示す図である。
【0079】
図9を用い、実施例2に係る、換気アダプタ7の構成要素を説明する。培養容器1はフラスコ型培養容器であって、主に容器底面に細胞が接着して細胞培養を行う用途に使用する。通常は本体側に2つのねじ口101が天井面に設けられ、それぞれが気体透過性膜102を開口に設けた換気キャップ103で閉止されている。
【0080】
本実施例では一方のねじ口の換気キャップはそのままで、換気アダプタ7による気体交換を行う方法を示し、もう一方のねじ口は送液管を設けたポート付きキャップ104設置して自動培養装置による自動送液を行った。より詳細には、培養容器1は揺動ステージ31上に設置され、前記した加湿ボトル13と接続される送気管42とCOセンサに接続される排気管43に接続される。培養容器1における一つの換気キャップ103は換気アダプタ7が密接に設置される。この時、換気キャップ103と換気アダプタ7の内部に所定のガス空間部8が作成される。
【0081】
ポート付きキャップ104は送液管18と吸引管21と細胞回収管25が設けられ、これらの3つのポートは前記実施例1記載の自動培養装置(図1)および流路回路(図6A)と同じ接続方法であり、前記した細胞播種工程、気体交換工程、培地追加工程、培地交換工程、上清サンプリング工程、細胞回収工程を実施することができる。
【実施例0082】
図10は実施例1に係る自動培養装置を複数台で設置し、ネットワークに接続して、中央管理PCにより制御する自動培養システムの一例を示した図である。
【0083】
インキュベータ35と流体制御部29を一組とする自動培養装置は、架台105に4組設置されている。この実施例では、上下段に2組ずつ、4組の装置を設置する架台を示したが、本実施例の架台は段数当たりの設置数は任意であり、限られたCPC設備空間における装置の集積数を上げることが容易になっている。正確な工程管理、無菌的な操作の観点からロボットによる流路の設置と取出し工程すべてを全自動化することも可能であり、集積数は人の手の届く作業範囲を超えて製作することが可能である。
【0084】
それぞれの制御部38は、インキュベータ35の扉37の前面に取り付けられており、それぞれはネットワーク設備により中央制御PC106に接続されている。中央制御PC106は、自動培養装置の各々の状態の監視機能、動作プログラムの更新や修正の管理機能、装置の動作異常発生時や動作終了における情報発信機能を有している。
【0085】
本実施例に記載の構成をとることによって、省スペースで複数装置を同時に稼働とすることが可能な自動培養装置、及びそれを複数用いた自動培養システムを提供することが可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 培養容器、2 細胞、3 培地、4 換気面、5 圧力調整管、6 ベントフィルタ、7 換気アダプタ、8 ガス空間部、9 気体供給部、10 ガスボンベ、11 流量制御部、12 圧力センサ、13 加湿ボトル13、14 COセンサ、15 CO2ガスベントフィルタ、 16、17 ポンプ、18 送液管、19 電磁弁、20 培地ボトル、21 吸引管、22 細胞播種ボトル、23 上清回収バッグ、24 上清分析バッグ、25 細胞回収管、26 細胞回収ボトル、28 重量センサ、29 流体制御部、30 揺動機構
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7
図8
図9
図10