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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173454
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】包装容器及び移動体
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/02 20060101AFI20241205BHJP
   B65D 1/42 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B65D81/02 100
B65D1/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091889
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500272347
【氏名又は名称】DICプラスチック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177426
【弁理士】
【氏名又は名称】粟野 晴夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141601
【弁理士】
【氏名又は名称】貴志 浩充
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】池上 佳隆
(72)【発明者】
【氏名】上垣 徹志
(72)【発明者】
【氏名】水谷 将馬
(72)【発明者】
【氏名】豊村 恭一
【テーマコード(参考)】
3E033
3E066
【Fターム(参考)】
3E033AA09
3E033BA15
3E033BA16
3E033BA18
3E033BA21
3E033BA22
3E033BA26
3E033BB02
3E033CA03
3E066CA01
3E066CA11
3E066DA01
3E066GA11
3E066JA04
3E066LA16
3E066MA03
3E066MA09
3E066NA60
(57)【要約】
【課題】包装容器の品質を向上させることが可能な包装容器を提供する。
【解決手段】本開示に係る包装容器1は、発泡性樹脂を含有し、対象物を収容する箱体10と、樹脂を含有し、箱体10の外面の少なくとも一部を覆うように箱体10に取り付けられている補強部材20と、を備え、補強部材20に含有される樹脂の曲げ弾性率は、発泡性樹脂の曲げ弾性率よりも高い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡性樹脂を含有し、対象物を収容する箱体と、
樹脂を含有し、前記箱体の外面の少なくとも一部を覆うように前記箱体に取り付けられている補強部材と、
を備え、
前記補強部材に含有される樹脂の曲げ弾性率は、前記発泡性樹脂の曲げ弾性率よりも高い、
包装容器。
【請求項2】
請求項1に記載の包装容器であって、
前記補強部材は、前記箱体の角を覆う少なくとも1つの角部を有する、
包装容器。
【請求項3】
請求項2に記載の包装容器であって、
前記補強部材は、互いに対向する一対の前記角部と、一対の前記角部を前記箱体の縁に沿って接続する第1辺部と、を有する、
包装容器。
【請求項4】
請求項3に記載の包装容器であって、
前記第1辺部は、前記箱体において互いに直交する一対の外面の縁に沿ってL字状に形成されている、
包装容器。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の包装容器であって、
前記補強部材は、互いに対向する一対の前記角部と、一対の前記角部を前記箱体の外面の対角線に沿って接続する第2辺部と、を有する、
包装容器。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の包装容器であって、
前記補強部材は、前記箱体の外面に対し外側に向けて段差を有するように前記箱体に取り付けられている、
包装容器。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の包装容器であって、
前記補強部材は、前記補強部材の外面と前記箱体の外面とが互いに面一になるように前記箱体に取り付けられている、
包装容器。
【請求項8】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の包装容器であって、
前記補強部材は、前記箱体を噛み込むように形成されているリブを有する、
包装容器。
【請求項9】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の包装容器であって、
前記補強部材は、飛行体が前記包装容器を運搬するときに前記飛行体に取り付けられる取付部を有する、
包装容器。
【請求項10】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の包装容器であって、
前記補強部材は、一体化成形により前記箱体に一体的に取り付けられている、
包装容器。
【請求項11】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の包装容器であって、
前記樹脂は、熱可塑性樹脂を含む、
包装容器。
【請求項12】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の包装容器であって、
前記樹脂は、熱硬化性樹脂の硬化物を含む、
包装容器。
【請求項13】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の包装容器を運搬する移動体。
【請求項14】
請求項13に記載の移動体であって、
前記移動体は、飛行用のドローンを含む、
移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包装容器及び移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象物を収容して保護する包装容器が知られている。例えば、このような包装容器に配送物を収容し、飛行体などの移動体が当該包装容器を運搬することで配送物を配送する物流に関連する技術が知られている。例えば、特許文献1には、飛行する輸送体によってより重い物を輸送可能とする包装箱が開示されている。
【0003】
一般的に、包装容器に対して、衝撃吸収性、強度、断熱性、及び軽量性などの特性の向上が望まれる。例えば、移動体により配送物を配送するときに配送物の収容に用いられる包装容器は、移動体の移動に伴って生じる振動などに対して中の配送物を保護できるような衝撃吸収性及び強度が要求される。包装容器は、医薬品及び生鮮食品などを対象物として保護する場合、運搬などにおいて断熱効果を維持できるような断熱性も要求される。包装容器は、ドローンなどの飛行体でも容易に運搬できるような軽量性も要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-079986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、包装容器として通常使用されるプラスチック段ボールでは、衝撃吸収性及び断熱性が低い。包装容器として同様に使用される発泡スチロールでは、表面摩耗に弱く、強度が低い。したがって、上述した包装容器の特性のうちより多くの特性を併せて向上させ、包装容器の品質を向上させることが望まれる。
【0006】
本開示は、包装容器の品質を向上させることが可能な包装容器及び移動体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための第1の観点による包装容器は、
発泡性樹脂を含有し、対象物を収容する箱体と、
樹脂を含有し、前記箱体の外面の少なくとも一部を覆うように前記箱体に取り付けられている補強部材と、
を備え、
前記樹脂の曲げ弾性率は、前記発泡性樹脂の曲げ弾性率よりも高い。
【0008】
第2の観点による移動体は、上記の包装容器を運搬する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、包装容器の品質を向上させることが可能な包装容器及び移動体を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る包装容器を閉じた状態で示した外観斜視図である。
図2図1の包装容器を開いた状態で示した外観斜視図である。
図3図1の本体部と第1補強部材とを分解して示した外観斜視図である。
図4図1の蓋部と第2補強部材とを分解して示した外観斜視図である。
図5】本開示の他の例に係る包装容器を閉じた状態で示した図1に対応する外観斜視図である。
図6】本開示の一実施形態に係る包装容器の用途の第1例を示した模式図である。
図7】本開示の一実施形態に係る包装容器の用途の第2例を示した模式図である。
図8】本開示の一実施形態に係る包装容器の用途の第3例を示した模式図である。
図9】本開示の一実施形態に係る包装容器の用途の第4例を示した模式図である。
図10】本開示の一実施形態に係る包装容器の用途の第5例を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について主に説明する。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態に係る包装容器1を閉じた状態で示した外観斜視図である。図2は、図1の包装容器1を開いた状態で示した外観斜視図である。図1及び図2を参照しながら、一実施形態に係る包装容器1の構成及び機能について主に説明する。
【0013】
包装容器1は、対象物をその内部に収容して保護する容器などを含む。本開示において、「対象物」は、移動体を用いた包装容器1の運搬により配送される配送物、並びに包装容器1を運搬しながら保護される、配送物とは異なる任意の他の物品、及び包装容器1の運搬を伴わない状態で保護される任意の物品などを含む。包装容器1は、箱体10と、補強部材20とを有する。
【0014】
箱体10は、発泡性樹脂を含有し、対象物を収容する。箱体10は、例えば、全体として発泡スチロールにより形成されている。箱体10は、本体部11と、蓋部12とを有する。箱体10は、本体部11と蓋部12とが互いに嵌合することで包装容器1の閉じた状態を実現する。箱体10は、本体部11に対して蓋部12を傾けたり蓋部12の位置をずらしたりすることで包装容器1の開いた状態を実現する。箱体10は、本体部11と蓋部12とが互いに別部品となり、包装容器1が開いた状態で互いに分離するように構成されてもよい。箱体10は、本体部11と蓋部12とが補強部材20に取り付けられた蝶番などの接続部品により互いに間接的に接続され、包装容器1が開いた状態であっても互いの間接的な接続を維持するように構成されてもよい。
【0015】
補強部材20は、樹脂を含有し、箱体10の外面の少なくとも一部を覆うように箱体10に取り付けられている。補強部材20は、例えば、全体として樹脂により形成されている。本開示において、「樹脂」は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の硬化物などの硬質性樹脂を含む。より詳しくは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂;ポリアミド(PA)樹脂;アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、ASA樹脂、アクリロニトリル/エチレン・プロピレン・ジエン/スチレン(AES)樹脂等のゴム系樹脂;ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などの芳香族ポリエステル樹脂;ポリ乳酸(PLA);ポリアセタール(POM)樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS)などのポリアリーレンスルフィド(PAS)樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂などのポリアリーレンエーテル樹脂及びポリスチレン(PS)樹脂からなる群から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂を含む材料、又は、FRP(ガラス、炭素繊維又はアラミド繊維などの繊維に、前記熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂やビニルエステル樹脂を含む熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂として含浸させて固化ないし硬化させることで強化された、プリプレグ、SMC又はスタンパブルシート等の繊維強化樹脂材料ないしその成形体)が好ましい。
【0016】
補強部材20は、一体化成形により箱体10に一体的に取り付けられている。本開示において、「一体化成形」は、インサート成形などを含む。補強部材20は、箱体10の本体部11に一体的に取り付けられている第1補強部材21と、箱体10の蓋部12に一体的に取り付けられている第2補強部材22とを有する。補強部材20は、本体部11と蓋部12とが互いに嵌合して包装容器1の閉じた状態が実現されると、第1補強部材21及び第2補強部材22が箱体10の縁を外側から全て覆って箱体10を補強する。このとき、補強部材20は、箱体10の外面に対し外側に向けて段差を有するように箱体10に取り付けられている。
【0017】
本開示において、「外側」は、包装容器1の中心と反対側に向かう方向に対応する。例えば、蓋部12と本体部11の底壁とを結ぶ方向における外側は、包装容器1の当該方向における中心と反対側に向かう方向に対応する。これに限定されず、外側は、完全に当該方向の中心と反対側に向かう方向でなくてもよく、多少斜めに沿って中心と反対側に向かう方向に対応してもよい。他の方向についても同様である。「内側」は、外側の逆である。
【0018】
補強部材20は、包装容器1が荷台などに載置されたときに、蓋部12と反対側に位置する本体部11の底壁を当該荷台の床面から浮かした状態で箱体10を保持する。包装容器1は、荷台などに載置されると、箱体10の本体部11の底壁を当該荷台の床面から離間させた状態でその載置状態を維持する。包装容器1は、荷台などに載置されると、箱体10の本体部11の底壁を当該荷台の床面に接触させずに、補強部材20のみを接触させてその載置状態を維持する。
【0019】
補強部材20は、箱体10の本体部11と蓋部12とが互いに別部品となるとき、包装容器1が開いた状態で第1補強部材21と第2補強部材22とが互いに分離するように構成されてもよい。補強部材20は、第1補強部材21と第2補強部材22とが蝶番などの接続部品により互いに直接的に接続され、包装容器1が開いた状態であっても互いの直接的な接続を維持するように構成されてもよい。
【0020】
補強部材20が含有する樹脂の曲げ弾性率は、箱体10が含有する発泡性樹脂の曲げ弾性率よりも高い。補強部材20が含有する樹脂の曲げ弾性率は、例えば、800MPa以上が好ましく、1500MPa以上がより好ましい。一方、上限値は限定されないが、例えば、400GPa以下であってよい。なお、曲げ弾性率はISO178に準拠する。
【0021】
図3は、図1の本体部11と第1補強部材21とを分解して示した外観斜視図である。図4は、図1の蓋部12と第2補強部材22とを分解して示した外観斜視図である。
【0022】
実際には、箱体10と補強部材20とは一体化成形により互いに一体的に成形されているが、図3及び図4では理解を容易にするために、箱体10と補強部材20とを仮想的に分離してそれぞれ単体で示している。これに伴い、例えば後述する箱体10の第1縁116などについて便宜上このように名称及び符号を付しているが、これらの構成部では実際には一体化成形によって箱体10と補強部材20とが互いに一体的に成形されており、箱体10が本来の構成として有しているものではない点に注意されたい。
【0023】
実際には、箱体10を形成する発泡性樹脂の間に後述する第1リブ213及び第2リブ223が挟まれ、箱体10にはこれらのリブが配置される空隙が形成されるが、図3及び図4では理解を容易にするために、このような空隙の図示を省略している。
【0024】
図3に示されるように、箱体10の本体部11は、直方体及び立方体などの六面体の形状を有する箱として形成されている。本体部11は、包装容器1が閉じた状態で蓋部12により覆われる第1開口111を有する。本体部11は、第1開口111から本体部11の内部に向けて連続して形成され、対象物の収容を可能にする収容部112を有する。収容部112は、第1開口111から本体部11の内部に連続して広がる内部空間として構成される。
【0025】
本体部11は、収容部112の周囲を360°囲む第1外周壁113を有する。第1外周壁113は、所定の厚さを有する。第1外周壁113は、第1開口111側から視たときに長方形及び正方形などの四角形の断面形状を有する。本体部11は、第1外周壁113の外側の周面として構成される4つの外面113aを有する。隣接する一対の外面113aは、互いに直交する。本体部11は、第1開口111と対向するように第1開口111の反対側に位置する底壁114を有する。底壁114は、包装容器1が閉じた状態にあるときに蓋部12と反対側に位置する。本体部11は、底壁114の外側の底面として構成される外面114aを有する。
【0026】
本体部11は、第1外周壁113において外側に向けて直角に形成されている8つの第1角115を有する。本体部11は、外面113aにおいて第1開口111側の辺を含む4つの第1縁116を有する。第1縁116は、互いに隣接する一対の第1角115を第1開口111に沿って接続する。本体部11は、外面113aにおいて第1縁116と直交する辺を含む4つの第2縁117を有する。第2縁117は、互いに隣接する一対の第1角115を、第1開口111及び底壁114と直交する方向に沿って接続する。本体部11は、外面113aにおいて底壁114側の辺を含む4つの第3縁118を有する。第3縁118は、互いに隣接する一対の第1角115を底壁114に沿って接続する。
【0027】
第1補強部材21は、直方体及び立方体などの六面体の形状を有する枠として形成されている。第1補強部材21は、補強部材20が箱体10に取り付けられている状態で、箱体10の本体部11の8つの第1角115をそれぞれ覆う8つの第1角部211を有する。第1補強部材21は、互いに対向する一対の第1角部211を箱体10の本体部11の縁に沿って接続する第1辺部212を有する。第1辺部212は、補強部材20が箱体10に取り付けられている状態で、箱体10の本体部11の縁を覆う。
【0028】
第1辺部212は、互いに対向する一対の第1角部211を本体部11の第1縁116に沿って接続し、補強部材20が箱体10に取り付けられている状態で第1縁116を覆う。第1辺部212は、互いに対向する一対の第1角部211を本体部11の第2縁117に沿って接続し、補強部材20が箱体10に取り付けられている状態で第2縁117を覆う。第1辺部212は、互いに対向する一対の第1角部211を本体部11の第3縁118に沿って接続し、補強部材20が箱体10に取り付けられている状態で第3縁118を覆う。
【0029】
第1辺部212は、箱体10の本体部11において互いに直交する一対の外面の縁に沿ってL字状に形成されている。第1辺部212は、箱体10の本体部11において互いに直交する一対の外面113aの第2縁117に沿ってL字状に形成されている。第1辺部212は、箱体10の本体部11において互いに直交する外面113a及び外面114aの第3縁118に沿ってL字状に形成されている。
【0030】
第1補強部材21は、箱体10の本体部11を噛み込むように形成されている第1リブ213を有する。第1リブ213は、第1辺部212の内面から第1補強部材21の内側に向けて突出する。第1リブ213は、本体部11の4つの第2縁117の各々に噛み込むように、第2縁117を覆う第1辺部212の内面に形成されている。第1リブ213は、本体部11の4つの第3縁118の各々に噛み込むように、第3縁118を覆う第1辺部212の内面に形成されている。
【0031】
図4に示されるように、箱体10の蓋部12は、直方体などの六面体の形状を有する蓋として形成されている。蓋部12は、包装容器1が閉じた状態で蓋部12が本体部11を覆うときに、本体部11の第1開口111と対向する第2開口121を有する。蓋部12は、第2開口121から蓋部12の内部に向けて連続して形成されている内部空間122を有する。
【0032】
蓋部12は、内部空間122の周囲を360°囲む第2外周壁123を有する。第2外周壁123は、所定の厚さを有する。第2外周壁123は、第2開口121側から視たときに長方形及び正方形などの四角形の断面形状を有する。蓋部12は、第2外周壁123の外側の周面として構成される4つの外面123aを有する。隣接する一対の外面123aは、互いに直交する。蓋部12は、第2開口121と対向するように第2開口121の反対側に位置する天井壁124を有する。天井壁124は、包装容器1が閉じた状態にあるときに本体部11の底壁114と反対側に位置する。蓋部12は、天井壁124の外側の天井面として構成される外面124aを有する。
【0033】
蓋部12は、第2外周壁123において外側に向けて直角に形成されている8つの第2角125を有する。蓋部12は、外面123aにおいて第2開口121側の辺を含む4つの第1縁126を有する。第1縁126は、互いに隣接する一対の第2角125を第2開口121に沿って接続する。蓋部12は、外面123aにおいて第1縁126と直交する辺を含む4つの第2縁127を有する。第2縁127は、互いに隣接する一対の第2角125を、第2開口121及び天井壁124と直交する方向に沿って接続する。蓋部12は、外面123aにおいて天井壁124側の辺を含む4つの第3縁128を有する。第3縁128は、互いに隣接する一対の第2角125を天井壁124に沿って接続する。
【0034】
第2補強部材22は、直方体などの六面体の形状を有する枠として形成されている。第2補強部材22は、補強部材20が箱体10に取り付けられている状態で、箱体10の蓋部12の8つの第2角125をそれぞれ覆う8つの第2角部221を有する。第2補強部材22は、互いに対向する一対の第2角部221を箱体10の蓋部12の縁に沿って接続する第1辺部222を有する。第1辺部222は、補強部材20が箱体10に取り付けられている状態で、箱体10の蓋部12の縁を覆う。
【0035】
第1辺部222は、互いに対向する一対の第2角部221を蓋部12の第1縁126に沿って接続し、補強部材20が箱体10に取り付けられている状態で第1縁126を覆う。第1辺部222は、互いに対向する一対の第2角部221を蓋部12の第2縁127に沿って接続し、補強部材20が箱体10に取り付けられている状態で第2縁127を覆う。第1辺部222は、互いに対向する一対の第2角部221を蓋部12の第3縁128に沿って接続し、補強部材20が箱体10に取り付けられている状態で第3縁128を覆う。
【0036】
第1辺部222は、箱体10の蓋部12において互いに直交する一対の外面の縁に沿ってL字状に形成されている。第1辺部222は、箱体10の蓋部12において互いに直交する一対の外面123aの第2縁127に沿ってL字状に形成されている。第1辺部222は、箱体10の蓋部12において互いに直交する外面123a及び外面124aの第3縁128に沿ってL字状に形成されている。
【0037】
第2補強部材22は、箱体10の蓋部12を噛み込むように形成されている第2リブ223を有する。第2リブ223は、第1辺部222の内面から第2補強部材22の内側に向けて突出する。第2リブ223は、蓋部12の4つの第2縁127の各々に噛み込むように、第2縁127を覆う第1辺部222の内面に形成されている。第2リブ223は、蓋部12の4つの第3縁128の各々に噛み込むように、第3縁128を覆う第1辺部222の内面に形成されている。
【0038】
第2補強部材22は、箱体10の蓋部12の4つの外面123aと対向するように第1辺部222の間に形成されている面部224を有する。面部224は、第2補強部材22の外側の周面として構成されるように第1辺部222の間を埋める。
【0039】
図5は、本開示の他の例に係る包装容器1を閉じた状態で示した図1に対応する外観斜視図である。
【0040】
第1補強部材21は、互いに対向する一対の第1角部211を箱体10の本体部11の外面の対角線に沿って接続する第2辺部214をさらに有してもよい。第2辺部214は、補強部材20が箱体10に取り付けられている状態で、箱体10の本体部11の外面と対向する。
【0041】
第2辺部214は、互いに対向する一対の第1角部211を本体部11の外面113aの対角線に沿って接続し、補強部材20が箱体10に取り付けられている状態で外面113aと対向する。第2辺部214は、1つの外面113aに対しその一対の対角線に沿って交差するように一対形成されている。このような一対の第2辺部214は、第1交点P1で交差する。
【0042】
第2辺部214は、互いに対向する一対の第1角部211を本体部11の外面114aの対角線に沿って接続し、補強部材20が箱体10に取り付けられている状態で外面114aと対向する。第2辺部214は、外面114aに対しその一対の対角線に沿って交差するように一対形成されている。このような一対の第2辺部214は、第2交点で交差する。
【0043】
第2補強部材22は、互いに対向する一対の第2角部221を箱体10の蓋部12の外面の対角線に沿って接続する第2辺部225をさらに有してもよい。第2辺部225は、補強部材20が箱体10に取り付けられている状態で、箱体10の蓋部12の外面と対向する。
【0044】
第2辺部225は、互いに対向する一対の第2角部221を蓋部12の外面124aの対角線に沿って接続し、補強部材20が箱体10に取り付けられている状態で外面124aと対向する。第2辺部225は、外面124aに対しその一対の対角線に沿って交差するように一対形成されている。このような一対の第2辺部225は、第3交点P3で交差する。
【0045】
以上のような包装容器1は、例えば、配送物を箱体10の内部に収容した状態で移動体により運搬される。以下では、移動体によって包装容器1を運搬するときに必要となる包装容器1の付加的な構成及び機能の一例について主に説明する。
【0046】
図6は、本開示の一実施形態に係る包装容器1の用途の第1例を示した模式図である。図6に示されるように移動体100は、上述した包装容器1を運搬する。本開示の一実施形態に係る移動体100は、飛行体などを含む。飛行体は、飛行用のドローン、マルチコプタ、有翼機、及びVTOL(Vertical Take Off and Landing)などを含む。移動体100は、屋外及び屋内の少なくとも一方を移動する。
【0047】
補強部材20は、移動体100としての飛行体が包装容器1を運搬するときに飛行体に取り付けられる取付部23を有する。図6に示す第1例では、取付部23は、本体部11に取り付けられている第1補強部材21の第1辺部212に形成されている。例えば、取付部23は、図3にも示されるように、本体部11の第1縁116を覆う第1辺部212の中央部に形成されている。例えば、取付部23は、互いに対向する一対の第1辺部212の各々に形成されている。取付部23は、当該第1辺部212の中央部において第1辺部212の外面から外側に向けて矩形の枠状に突出する引っ掛かり構造で第1補強部材21の一部として形成されている。
【0048】
図6に示されるように、移動体100は、移動体100のアームの先端に形成されている爪部110を包装容器1の第1補強部材21に形成されている取付部23に引っ掛けて包装容器1を運搬する。移動体100の爪部110と包装容器1の第1補強部材21に形成されている取付部23とが互いに係合することで、取付部23を介して包装容器1が移動体100に取り付けられる。
【0049】
図7は、本開示の一実施形態に係る包装容器1の用途の第2例を示した模式図である。
【0050】
図7に示す第2例では、取付部23は、蓋部12に取り付けられている第2補強部材22の第2辺部225に形成されている。例えば、取付部23は、図5にも示されるように、蓋部12の外面124aの一対の対角線に沿って外面124aと対向する一対の第2辺部225の第3交点P3に形成されている。取付部23は、第3交点P3において第2辺部225の外面から外側に向けてリング状に突出する引っ掛かり構造で第2補強部材22の一部として形成されている。
【0051】
図7に示されるように、移動体100は、移動体100の本体から下方に向けて延出するフック部120を包装容器1の第2補強部材22に形成されている取付部23に引っ掛けて包装容器1を運搬する。移動体100のフック部120と包装容器1の第2補強部材22に形成されている取付部23とが互いに係合することで、取付部23を介して包装容器1が移動体100に取り付けられる。
【0052】
図8は、本開示の一実施形態に係る包装容器1の用途の第3例を示した模式図である。
【0053】
図8に示す第3例では、取付部23は、本体部11に取り付けられている第1補強部材21の第1辺部212から蓋部12に取り付けられている第2補強部材22の面部224にわたり形成されている。例えば、取付部23は、本体部11の第1縁116を覆う第1辺部212から蓋部12に取り付けられている第2補強部材22の面部224にわたり上下方向の全体に形成されている。例えば、取付部23は、補強部材20において互いに対向する位置に一対形成されている。取付部23は、第1辺部212及び面部224の外面から外側に向けて突出する被把持構造で補強部材20の一部として形成されている。
【0054】
移動体100は、移動体100の本体から下方に向けて延出する把持部130を包装容器1の補強部材20に形成されている取付部23に係合させて把持部130により取付部23を把持することで包装容器1を運搬する。移動体100の把持部130と包装容器1の補強部材20に形成されている取付部23とが互いに係合することで、取付部23を介して包装容器1が移動体100に取り付けられる。
【0055】
図9は、本開示の一実施形態に係る包装容器1の用途の第4例を示した模式図である。
【0056】
図9に示す第4例では、取付部23は、本体部11に取り付けられている第1補強部材21の第2辺部214に形成されている。例えば、取付部23は、本体部11の外面113aの一対の対角線に沿って外面113aと対向する一対の第2辺部214の第1交点P1に形成されている。例えば、取付部23は、互いに対向する一対の第1交点P1の各々に形成されている。取付部23は、第1交点P1において第2辺部214の外面から外側に向けて突出する、ジンバル機構用の取付構造で第1補強部材21の一部として形成されている。
【0057】
移動体100は、移動体100のアームの先端に形成されている、ジンバル機構用の取付部140を包装容器1の第1補強部材21に形成されている取付部23に取り付けて包装容器1を運搬する。移動体100の取付部140が包装容器1の第1補強部材21に形成されている取付部23に取り付けられることで、取付部23を介して包装容器1が移動体100に取り付けられる。このとき、移動体100の取付部140及び包装容器1の取付部23に基づいてジンバル機構が実現される。例えば、包装容器1は、移動体100の傾きなどの姿勢に依らずに、当該ジンバル機構により水平状態を維持する。
【0058】
図10は、本開示の一実施形態に係る包装容器1の用途の第5例を示した模式図である。
【0059】
図10に示す第5例では、取付部23は、本体部11に取り付けられている第1補強部材21の第1角部211に形成されている。例えば、取付部23は、本体部11の底壁114側に位置する4つの第1角部211のうちの少なくとも1つに形成されている。例えば、取付部23は、本体部11の底壁114側に位置する4つの第1角部211の各々に形成されている。取付部23は、第1角部211において第1角部211の外面から外側に向けて突出する、突き当て用の突起構造で第1補強部材21の一部として形成されている。
【0060】
移動体100は、移動体100のアームの先端に取り付けられている台座150に包装容器1を載置した状態で包装容器1を運搬する。このとき、移動体100の台座150の載置面から突出する突起151に包装容器1の第1補強部材21に形成されている取付部23を突き当てることで台座150上での包装容器1の位置決めが行われる。包装容器1は、突起151への取付部23の突き当てによって、台座150上での位置が固定される。移動体100の台座150の突起151に、包装容器1の第1補強部材21に形成されている取付部23が突き当てられることで、取付部23を介して包装容器1が移動体100に取り付けられる。
【0061】
移動体100は、移動体100の台座150の突起151に、包装容器1の第1補強部材21に形成されている取付部23を突き当てた状態で包装容器1を台座150に載置し、包装容器1を運搬する。
【0062】
以上のような一実施形態に係る包装容器1によれば、包装容器1の品質を向上させることが可能である。包装容器1は、箱体10が発泡性樹脂を含有することで、箱体10の内部に収容する対象物に対して断熱性を向上させることが可能である。同様に、包装容器1は、箱体10の軽量化も可能である。加えて、包装容器1は、箱体10に取り付けられている補強部材20が発泡性樹脂の曲げ弾性率よりも高い曲げ弾性率を有する樹脂を含有することで、包装容器1の強度を向上させることも可能である。以上のとおり、包装容器1は、断熱性及び軽量性の向上並びに強度の向上を両立させることが可能である。包装容器1は、包装容器1の特性のうちより多くの特性を併せて向上させ、品質を向上させることが可能である。
【0063】
包装容器1は、補強部材20が箱体10の角を覆う少なくとも1つの角部を有することで、箱体10の角を補強部材20により保護して包装容器1の強度を向上させることが可能である。例えば、包装容器1は、箱体10の本体部11の第1角115を覆う少なくとも1つの第1角部211を有することで、本体部11の第1角115を第1補強部材21により保護して包装容器1の強度を向上させることが可能である。例えば、包装容器1は、箱体10の第2角125を覆う少なくとも1つの第2角部221を有することで、箱体10の第2角125を第2補強部材22により保護して包装容器1の強度を向上させることが可能である。
【0064】
仮に、補強部材20が箱体10の角を覆う少なくとも1つの角部のみで構成されて第1辺部212、222などを有さない場合、包装容器1は、包装容器1の角部のみを補強しながら包装容器1の強度を向上させつつ、軽量化も併せて実現可能である。
【0065】
包装容器1は、補強部材20が一対の角部を箱体10の縁に沿って接続する第1辺部を有することで、箱体10の縁を補強部材20により保護して包装容器1の強度を向上させることが可能である。例えば、包装容器1は、一対の第1角部211を箱体10の本体部11の縁に沿って接続する第1辺部212を有することで、本体部11の縁を第1補強部材21により保護して包装容器1の強度を向上させることが可能である。例えば、包装容器1は、一対の第2角部221を箱体10の蓋部12の縁に沿って接続する第1辺部222を有することで、蓋部12の縁を第2補強部材22により保護して包装容器1の強度を向上させることが可能である。
【0066】
包装容器1は、補強部材20が角部及び第1辺部のみで構成されて第1辺部の間を埋める面などを有さないことで、包装容器1の角部及び辺部のみを補強しながら包装容器1の強度を向上させつつ、軽量化も併せて実現可能である。
【0067】
包装容器1は、第1辺部が箱体10において互いに直交する一対の外面の縁に沿ってL字状に形成されていることで、第1辺部において互いに直交する2つの内面の各々で当該内面に直交する方向の耐荷重特性を向上させることが可能である。
【0068】
例えば、包装容器1は、本体部11の第2縁117に沿った第1辺部212において、天井壁124と底壁114とを結ぶ方向に直交する第1方向及び第2方向の2つの方向で、当該第1辺部212の内面により荷重を受けることが可能である。例えば、包装容器1は、本体部11の第3縁118に沿った第1辺部212において、天井壁124と底壁114とを結ぶ方向及び当該方向に直交する第1方向の2つの方向で、当該第1辺部212の内面により荷重を受けることが可能である。例えば、包装容器1は、当該第1辺部212により、天井壁124と底壁114とを結ぶ方向となる上下方向の耐荷重特性を向上させることが可能である。
【0069】
包装容器1は、補強部材20が一対の角部を箱体10の外面の対角線に沿って接続する第2辺部を有することで、箱体10の当該外面を補強部材20により保護して包装容器1の強度を向上させることが可能である。
【0070】
例えば、包装容器1は、一対の第1角部211を本体部11の外面113aの対角線に沿って接続する第2辺部214を有することで、本体部11の外面113aを第1補強部材21により保護して包装容器1の強度を向上させることが可能である。例えば、包装容器1は、一対の第1角部211を本体部11の外面114aの対角線に沿って接続する第2辺部214を有することで、本体部11の外面114aを第1補強部材21により保護して包装容器1の強度を向上させることが可能である。例えば、包装容器1は、一対の第2角部221を蓋部12の外面124aの対角線に沿って接続する第2辺部225を有することで、蓋部12の外面124aを第2補強部材22により保護して包装容器1の強度を向上させることが可能である。
【0071】
包装容器1は、補強部材20が箱体10の外面に対し外側に向けて段差を有するように箱体10に取り付けられていることで、補強部材20の内側に配置されている箱体10を保護可能である。加えて、包装容器1は、荷台などに載置されたときに、本体部11の底壁114を当該荷台の床面から浮かせることも可能である。包装容器1は、荷台などに載置されると、本体部11の底壁114を当該荷台の床面から離間させ、第1補強部材21のみを接触させてその載置状態を維持することも可能である。これにより、包装容器1は、当該荷台から持ち運びされるときに、包装容器1と床面との間の摩擦を軽減させて滑り出しを容易にする。したがって、包装容器1の持ち運びが容易になる。
【0072】
包装容器1は、補強部材20が箱体10を噛み込むように形成されているリブを有することで、箱体10に対する補強部材20の取付強度を向上させることが可能である。包装容器1は、箱体10に対して補強部材20をより強固に取り付けることが可能である。例えば、包装容器1は、第1リブ213を有することで、箱体10の本体部11に対する第1補強部材21の取付強度を向上させることが可能である。例えば、包装容器1は、第2リブ223を有することで、箱体10の蓋部12に対する第2補強部材22の取付強度を向上させることが可能である。
【0073】
包装容器1は、飛行体が包装容器1を運搬するときに飛行体に取り付けられる取付部23を補強部材20が有することで、図6乃至図10に示されるように、取付部23を様々な態様で構成して飛行体に取り付けることが可能となる。包装容器1は、補強部材20における様々な部分で創意工夫しながら取付構造を容易に形成可能である。包装容器1では、飛行体に対する包装容器1の取付構造がより大きな自由度で形成可能である。包装容器1は、飛行体への取り付けに関する拡張性を向上させることが可能である。包装容器1は、飛行体に対する取付性を向上させることが可能である。従来技術では、本開示のように容器側の補強部材に取付構造を形成するような技術思想にさほど着目されておらず、容器側ではなく飛行体側に取付構造の創意工夫を施すことが一般的である。したがって、本開示の一実施形態に係る包装容器1は、このような従来技術と比較して上述したような顕著な効果を奏する。
【0074】
加えて、包装容器1は、箱体10よりも強度が高い補強部材20を有することで、上記のような取付部23の形成を可能とする。包装容器1は、強度が高い補強部材20において取付部23を形成することで、包装容器1において強度が高い部分で飛行体に取り付け可能となる。したがって、飛行体への包装容器1の取り付けが安定する。
【0075】
包装容器1は、補強部材20が一体化成形により箱体10に一体的に取り付けられていることで、箱体10に対する補強部材20の取付強度を向上させることが可能である。包装容器1は、箱体10に対して補強部材20をより強固に取り付けることが可能である。例えば、包装容器1は、第1補強部材21が一体化成形により箱体10の本体部11に一体的に取り付けられていることで、本体部11に対する第1補強部材21の取付強度を向上させることが可能である。例えば、包装容器1は、第2補強部材22が一体化成形により箱体10の蓋部12に一体的に取り付けられていることで、蓋部12に対する第2補強部材22の取付強度を向上させることが可能である。
【0076】
包装容器1は、補強部材20が含有する樹脂が熱可塑性樹脂、例えばABSを含むことで、発泡性樹脂を含有する箱体10と比較して補強部材20の強度を向上させることが可能である。
【0077】
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。したがって、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含されるとする。
【0078】
例えば、上述した各構成部の形状、パターン、大きさ、配置、向き、種類、及び個数などは、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の形状、パターン、大きさ、配置、向き、種類、及び個数などは、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。図示した包装容器1及び移動体100の各構成要素は機能概念的なものであり、各構成要素の具体的形態は図示のものに限定されない。
【0079】
上記実施形態では、補強部材20は、一例として、角部及び第1辺部の両方を有すると説明したが、これに限定されない。補強部材20は、角部及び第1辺部のいずれか一方のみを有してもよい。補強部材20は、角部及び第1辺部のみならず、第1辺部の間の隙間全体を埋める面部をさらに有してもよい。逆に、補強部材20は、第2補強部材22における面部224を有さなくてもよく、第2補強部材22を第1補強部材21と同様に第2角部221及び第1辺部222のみに基づく枠として構成してもよい。
【0080】
補強部材20における角部の数も、上述した実施形態における開示内容に限定されない。補強部材20は、箱体10の角を覆う角部を少なくとも1つ有していてもよい。
【0081】
補強部材20における第1辺部の数も、上述した実施形態における開示内容に限定されない。補強部材20は、一対の角部を箱体10の縁に沿って接続する第1辺部を少なくとも1つ有していてもよい。
【0082】
上記実施形態では、第1辺部は、箱体10において互いに直交する一対の外面の縁に沿ってL字状に形成されていると説明したが、これに限定されない。第1辺部は、包装容器1の天井壁124の外面124a側から視たときにL字状の断面を有する構成に限定されない。第1辺部は、外面124a側から視たときに、T字状の断面、Y字状の断面、及びH字状の断面などを有してもよい。
【0083】
上記実施形態では、補強部材20は、箱体10の外面に対し外側に向けて段差を有するように箱体10に取り付けられていると説明したが、これに限定されない。補強部材20は、補強部材20の外面と箱体10の外面とが互いに面一になるように箱体10に取り付けられていてもよい。例えば、第1補強部材21は、補強部材20の外面と外面113a及び114aの少なくとも一方とが互いに面一になるように本体部11に取り付けられていてもよい。例えば、第2補強部材22は、補強部材20の外面と外面124aとが互いに面一になるように蓋部12に取り付けられていてもよい。
【0084】
包装容器1は、補強部材20が箱体10の外面と面一になるように箱体10に取り付けられていることで、例えば、移動体100によって運搬されるときに箱体10及び補強部材20の段差によって生じていた空気抵抗を抑制して、全体の空気抵抗を軽減可能である。これにより、包装容器1を運搬する移動体100は、運搬に伴う空気抵抗により消費されるエネルギーを軽減可能である。移動体100は、包装容器1の運搬にあたり省エネルギー化を実現可能である。加えて、包装容器1は、移動体100によって運搬されるときの静音性を向上させることも可能である。
【0085】
上記実施形態では、補強部材20は、箱体10を噛み込むように形成されているリブを有すると説明したが、これに限定されない。補強部材20は、このようなリブを有さなくてもよい。逆に、補強部材20は、図3及び図4に示したリブの構成及び配置に代えて、又は加えて他の構成及び配置に基づいてリブを有してもよい。例えば、第1リブ213は、本体部11の4つの第1縁116の各々に噛み込むように、第1縁116を覆う第1辺部212の内面にも形成されていてもよい。例えば、第2リブ223は、蓋部12の4つの第1縁126の各々に噛み込むように、第1縁126を覆う第1辺部222の内面にも形成されていてもよい。
【0086】
上記実施形態では、補強部材20は、飛行体が包装容器1を運搬するときに飛行体に取り付けられる取付部23を有すると説明したが、これに限定されない。補強部材20は、このような取付部23を有さなくてもよい。包装容器1は、飛行体を含む移動体100により運搬されるようなものでなくてもよい。又は、包装容器1は、取付部23を有していない状態であっても、飛行体を含む移動体100により運搬されてもよい。例えば、包装容器1は、飛行体としての移動体100の本体内部に収容されることで、取付部23を介さずに移動体100によって運搬されてもよい。
【0087】
上記実施形態では、取付部23は、図6乃至図10に示されるような構成として例示されているが、これらの構成に限定されない。取付部23の形状、パターン、大きさ、配置、向き、種類、及び個数などは、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。取付部23の形状、パターン、大きさ、配置、向き、種類、及び個数などは、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0088】
例えば、上記実施形態では、取付部23は、図3にも示されるように、第1辺部212の中央部において第1辺部212の外面から外側に向けて矩形の枠状に突出する引っ掛かり構造で第1補強部材21の一部として形成されていると説明したが、これに限定されない。取付部23は、当該第1辺部212の中央部において第1縁116と第1辺部212との間に空隙が形成されるように第1辺部212が外側に屈曲した部分として第1補強部材21に形成されていてもよい。
【0089】
上記実施形態では、補強部材20は、一体化成形により箱体10に一体的に取り付けられていると説明したが、これに限定されない。補強部材20は、一体化成形による一体化とは異なる任意の態様で箱体10に取り付けられていてもよい。例えば、補強部材20は、接着剤及び両面テープなどを用いた接着の態様で、箱体10に取り付けられていてもよい。
【0090】
上記実施形態では、補強部材20は、第1補強部材21と第2補強部材22とが互いに重ならず包装容器1を閉じた状態で面一になるように構成されているが、これに限定されない。補強部材20は、第1補強部材21及び第2補強部材22の一方の外面の任意の位置で他方が外側から重なるように構成されてもよい。補強部材20は、第1補強部材21及び第2補強部材22の少なくとも一方の外面の任意の位置でさらに異なる補強部材が外側から重なるように構成されてもよい。例えば、補強部材20は、第1補強部材21の第1角部211及び第2補強部材22の第2角部221の少なくとも一方の外面でさらに異なる補強部材が外側から重なるように構成されてもよい。
【0091】
上記実施形態では、補強部材20の厚みは全体的に均一であるが、これに限定されない。補強部材20の厚みは、補強箇所によって変化してもよい。例えば、第1補強部材21の第1角部211の厚みは、第1辺部212の厚みよりも大きくてもよい。例えば、第2補強部材22の第2角部221の厚みは、第1辺部222の厚みよりも大きくてもよい。
【0092】
上記実施形態では、移動体100は、飛行用のドローンなどの飛行体を含むと説明したが、これに限定されない。移動体100は、任意の車両、乗り物、及び潜水艇などを含んでもよい。移動体100は、例えば、水中移動用のドローンなどの潜水艇を含んでもよい。移動体100は、例えば、水上及び陸上の少なくとも一方で移動可能なホバークラフトなどの乗り物を含んでもよい。
【0093】
上記実施形態における包装容器1の構成に限定されず、例えば、樹脂を含有する補強部材20が金属部材とさらに一体的に成形されていてもよい。例えば、補強部材20は、本体部11と蓋部12とを接続する蝶番などの金属部材とさらに一体的に成形されていてもよい。例えば、補強部材20は、飛行体が包装容器1を運搬するときに飛行体に取り付けられる取付部23を補強部材20の一部としてではなく、樹脂と異なる金属により形成された金属部材として構成し、当該取付部23とさらに一体的に成形されていてもよい。
【0094】
以下に本開示の実施形態の一部について例示する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
発泡性樹脂を含有し、対象物を収容する箱体と、
樹脂を含有し、前記箱体の外面の少なくとも一部を覆うように前記箱体に取り付けられている補強部材と、
を備え、
前記補強部材に含有される樹脂の曲げ弾性率は、前記発泡性樹脂の曲げ弾性率よりも高い、
包装容器。
[付記2]
付記1に記載の包装容器であって、
前記補強部材は、前記箱体の角を覆う少なくとも1つの角部を有する、
包装容器。
[付記3]
付記2に記載の包装容器であって、
前記補強部材は、互いに対向する一対の前記角部と、一対の前記角部を前記箱体の縁に沿って接続する第1辺部と、を有する、
包装容器。
[付記4]
付記3に記載の包装容器であって、
前記第1辺部は、前記箱体において互いに直交する一対の外面の縁に沿ってL字状に形成されている、
包装容器。
[付記5]
付記2乃至4のいずれか1つに記載の包装容器であって、
前記補強部材は、互いに対向する一対の前記角部と、一対の前記角部を前記箱体の外面の対角線に沿って接続する第2辺部と、を有する、
包装容器。
[付記6]
付記1乃至5のいずれか1つに記載の包装容器であって、
前記補強部材は、前記箱体の外面に対し外側に向けて段差を有するように前記箱体に取り付けられている、
包装容器。
[付記7]
付記1乃至5のいずれか1つに記載の包装容器であって、
前記補強部材は、前記補強部材の外面と前記箱体の外面とが互いに面一になるように前記箱体に取り付けられている、
包装容器。
[付記8]
付記1乃至7のいずれか1つに記載の包装容器であって、
前記補強部材は、前記箱体を噛み込むように形成されているリブを有する、
包装容器。
[付記9]
付記1乃至8のいずれか1つに記載の包装容器であって、
前記補強部材は、飛行体が前記包装容器を運搬するときに前記飛行体に取り付けられる取付部を有する、
包装容器。
[付記10]
付記1乃至9のいずれか1つに記載の包装容器であって、
前記補強部材は、一体化成形により前記箱体に一体的に取り付けられている、
包装容器。
[付記11]
付記1乃至10のいずれか1つに記載の包装容器であって、
前記樹脂は、熱可塑性樹脂を含む、
包装容器。
[付記12]
付記1乃至10のいずれか1つに記載の包装容器であって、
前記樹脂は、熱硬化性樹脂の硬化物を含む、
包装容器。
[付記13]
付記1乃至12のいずれか1つに記載の包装容器を運搬する移動体。
[付記14]
付記13に記載の移動体であって、
前記移動体は、飛行用のドローンを含む、
移動体。
【符号の説明】
【0095】
1 包装容器
10 箱体
11 本体部
111 第1開口
112 収容部
113 第1外周壁
113a 外面
114 底壁
114a 外面
115 第1角(角)
116 第1縁(縁)
117 第2縁(縁)
118 第3縁(縁)
12 蓋部
121 第2開口
122 内部空間
123 第2外周壁
123a 外面
124 天井壁
124a 外面
125 第2角(角)
126 第1縁(縁)
127 第2縁(縁)
128 第3縁(縁)
20 補強部材
21 第1補強部材
211 第1角部(角部)
212 第1辺部
213 第1リブ(リブ)
214 第2辺部
P1 第1交点
22 第2補強部材
221 第2角部(角部)
222 第1辺部
223 第2リブ(リブ)
224 面部
225 第2辺部
P3 第3交点
23 取付部
100 移動体
110 爪部
120 フック部
130 把持部
140 取付部
150 台座
151 突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10