(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173764
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】パルスパージプロセスを含む周期的堆積方法によって基材の表面上に膜を堆積させる方法
(51)【国際特許分類】
C23C 16/455 20060101AFI20241205BHJP
H01L 21/316 20060101ALI20241205BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
C23C16/455
H01L21/316 X
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024085542
(22)【出願日】2024-05-27
(31)【優先権主張番号】63/469,707
(32)【優先日】2023-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ド・ハン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジェレルド・リー・ウィンクラー
(72)【発明者】
【氏名】アミット・ミシャラ
(72)【発明者】
【氏名】ポール・マ
(72)【発明者】
【氏名】トッド・ロバート・ダン
(72)【発明者】
【氏名】モアタズ・ベラー・モウサ
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
4K030AA11
4K030AA13
4K030AA14
4K030BA02
4K030BA38
4K030BA43
4K030EA03
5F045AA06
5F045AA15
5F045AB31
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5F058BA09
5F058BC03
5F058BF04
5F058BF27
5F058BF29
5F058BF38
(57)【要約】
【課題】パルスパージプロセスを含む周期的堆積方法によって基材の表面上に膜を堆積させる方法を提供する。
【解決手段】パルスパージプロセスを含む周期的堆積方法によって基材の表面上に膜を堆積させる方法が開示される。パルスパージプロセスは、パージガスを第1の流量で反応チャンバの中へと導入することと、パージガスを第2の流量で反応チャンバの中へと導入することとを含み、第1の流量は第2の流量とは異なる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に膜を堆積させる方法であって、
基材を反応チャンバ内に据え付けることと、
前記基材に、少なくとも第1の反応物質および第2の反応物質の複数のパルス状の反応物質の流れを逐次的かつ交互に接触させることと、
選択されたパルス状の反応物質の流れの間にパルスパージプロセスの1つ以上のサイクルを実施して、パージガスを前記反応チャンバの中へと導入することであって、前記パルスパージプロセスの単位サイクルが、
前記パージガスを第1の流量で前記反応チャンバの中へと導入することと、
前記パージガスを第2の流量で前記反応チャンバの中へと導入することと、を含み、前記第1の流量が前記第2の流量とは異なる、導入することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の流量が、前記第2の流量より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の流量がゼロである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パルスパージプロセスが、前記反応チャンバ内の圧力を逐次的かつ交互に増加および減少することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パルスパージプロセスの1つ以上のサイクルを実施することが、前記第1のパージ流量で前記パージガスを第1のガス流路を通して前記反応チャンバの中へと流すことと、前記第2の流量で前記パージガスを第2のガス流路を通して前記反応チャンバの中へと流すことと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記反応チャンバの中への前記パージガス流が、前記第1のガス流路と前記第2のガス流路との間で逐次的かつ交互に切り換えられる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
パージガス源を前記反応チャンバへと流体的に接続する流体回路が、低流量チャネルおよび高流量チャネルを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のガス流路が、前記低流量チャネルと前記高流量チャネルとの両方を備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のガス流路が、前記低流量チャネルを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記パージガスを前記第1の流量で流すことが、前記パージガスを前記低流量チャネルおよび前記高流量チャネルの両方を通して流すことをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記パージガスを前記第2の流量で流すことが、前記パージガスを前記低流量チャネルを通して流すことをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記パージガスの流れを前記第1の流量と前記第2の流量との間で切り換えることが、前記高流量チャネルに沿って配置される弁を閉鎖することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
さらに前記パージガスの流れを前記第2の流量と前記第1の流量との間で切り換えることが、前記高流量チャネルに沿って配置される弁を開放することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の流量と前記第2の流量との間の切り換えることが、0.1秒未満で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の流量で前記パージガスを前記反応チャンバの中へと導入するための前記パルス期間が30秒未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の流量で前記パージガスを前記反応チャンバの中へと導入するための前記パルス期間が1秒未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記パルスパージプロセスのデューティサイクルが1パーセント(%)より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の反応物質が、水蒸気(H2O)、過酸化水素蒸気(H2O2)、アンモニア(NH3)、水素(H2)、オゾン(O3)、酸素(O2)、およびアルコール蒸気からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の反応物質が、前記第2の反応物質より小さい付着係数を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記堆積した膜が、95パーセント(%)より大きい段差被覆を有するコンフォーマル酸化アルミニウム膜を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記コンフォーマル酸化アルミニウム膜が、前記基材上の複数の非平面状特徴を、前記非平面状特徴内に継ぎ目を形成することなく充填する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の非平面状特徴が、複数の三次元的な部分的に製作されたデバイス構造を備え、かつ前記コンフォーマル酸化アルミニウム膜が、前記複数の三次元的な部分的に製作されたデバイス構造を、98パーセント(%)より大きい段差被覆で覆う、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
基材上に膜を堆積させる方法であって、
非平面状基材を反応チャンバ内に据え付けることと、
周期的堆積プロセスの1つ以上の堆積サイクルを実施することによって、前記非平面状基材の表面上にコンフォーマル膜を堆積させることであって、前記周期的堆積プロセスの単位堆積サイクルが、
前記基材を第1の気相反応物質と接触させることと、
前記基材を第2の気相反応物質と接触させることと、
選択された接触工程どうしの間に、パージガスの流路を高流量ガス経路と低流量ガス経路との間で逐次的かつ交互に切り換え、それによって前記反応の中への前記パージガスの流量を第1の流量と第2の流量との間で循環することであって、前記第1の流量が前記第2の流量より大きい、循環することとを含む、堆積させることと、を含む方法。
【請求項24】
基材上に膜を堆積させる方法であって、
非平面状基材を反応チャンバ内に据え付けることと、
前記基材を、前記反応チャンバの中へと離隔した時間間隔で反応物質の複数のパルス状の流れと接触させて、前記基材上に膜を堆積させることと、
前記複数のパルス状の流れのうちの選択されたパルス状の流れの間で前記反応チャンバから過剰な反応物質を除去するために周期的パージプロセスを実施することであって、前記周期的パージプロセスが、
パージガスを前記反応チャンバの中へと、高流量ガス経路を通して第1の流量で導入することによって、前記反応チャンバ内の圧力を増加することと、
前記パージガスを低流量ガス経路を通して第2の流量で前記反応チャンバの中へと導入することによって前記反応チャンバ内の前記圧力を減少することであって、前記第1の流量が前記第2の流量より大きい、減少させることと、を含む、実施することと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、半導体処理方法およびシステムの分野、ならびにデバイスおよび集積回路製造の分野に関する。具体的には、本開示は、概してパルスパージプロセスを含む周期的堆積方法によって基材の表面上に膜を堆積させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス構造のサイズが各技術ノードとともに減少するにつれて、ある特定のデバイスおよび回路は、使用可能なチップ面積をより良好に利用するために、高アスペクト比(HAR)特徴を有する構造を採用している。例えば、ある特定のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)キャパシタは、非常に狭くかつ深くすることができ、25:1以上のアスペクト比を有する深いトレンチを採用する。加えて、ゲートオールアラウンドデバイス構造などの三次元トランジスタ構造は、HARの垂直および水平の両方の特徴を含むことができる。
【0003】
HAR特徴を含む基材の表面上に膜を堆積させる場合、特徴の下にあるトポグラフィーに対して膜がコンフォーマルに堆積されることが一般に望ましい。しかしながら、所望の膜特性を依然として維持しながら、こうしたHAR特徴部の上を覆って膜を直接的に均一に堆積させることは困難である可能性がある。加えて、堆積されたギャップを充填する膜は、多くの場合望ましくない空隙および/または継ぎ目がないことが必要とされるため、堆積された膜でHAR特徴を充填することは、「ギャップ充填」と一般に称されるプロセスでは困難である可能性がある。
【0004】
例えば、HAR特徴を含む基材の表面上にコンフォーマル膜および/またはギャップ充填膜を堆積させるために原子層堆積プロセスを利用する場合、過剰な反応物質および反応物質副産物をHAR特徴からパージすることは、特に深いトレンチ特徴の底部から、および/または深い水平特徴において、困難である可能性がある。その結果、HAR特徴を含む基材上のコンフォーマルで均一な堆積を可能にするための方法だけでなく、望ましくない空隙および/または継ぎ目を形成することなく、ギャップ充填膜でHAR特徴を充填することを可能にする方法も望ましい。
【0005】
このセクションに記載される問題および解決策の考察を含む任意の考察は、本開示の状況を提供する目的のためにのみこの開示に含まれる。こうした考察は、本発明がなされた時点で、または別の方法で先行技術を構成する時点で、情報のいずれかまたはすべてが既知であったことを認めるものと解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0006】
この発明の概要は、選択された概念を単純化した形態で導入する場合があり、これは以下でさらに詳細に記述される場合がある。この発明の概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを必ずしも意図してはおらず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0007】
本開示の様々な実施形態は、例えば、原子層堆積などの周期的堆積方法によって、基材の表面上に膜を堆積させるための方法に関する。具体的には、本開示の実施形態は、パルスパージプロセスを含む周期的堆積方法に関する。加えて、本開示の実施形態は、本明細書に開示される周期的堆積方法を実施するための装置に関する。
【0008】
本開示の例示的な実施形態によると、基板の表面上に膜を堆積するための方法が開示される。本開示の方法は、基材を反応チャンバ内に据え付けることと、基材を少なくとも第1の反応物質および第2の反応物質の複数のパルス状の反応物質の流れと逐次的かつ交互に接触させることと、選択されたパルス状の反応物質の流れの間にパルスパージプロセスの1つ以上のサイクルを実施してパージガスを反応チャンバの中へと導入することと、を含む。パルスパージプロセスの単位サイクルは、パージガスを第1の流量で反応チャンバの中へと導入することと、パージガスを第2の流量で反応チャンバの中へと導入することとを含み、第1の流量は第2の流量とは異なる。
【0009】
一部の実施形態では、第1の流量は第2の流量より大きい。
【0010】
一部の実施形態では、第2の流量はゼロである。
【0011】
一部の実施形態では、パルスパージプロセスは、反応チャンバ内の圧力を逐次的かつ交互に増加および減少することをさらに含む。
【0012】
一部の実施形態では、パルスパージプロセスの1つ以上のサイクルを実施することは、第1のパージ流量でパージガスを第1のガス流路を通して反応チャンバの中へと流すことと、第2の流量でパージガスを第2のガス流路を通して反応チャンバの中へと流すことと、をさらに含む。
【0013】
一部の実施形態では、反応チャンバの中へのパージガス流は、第1のガス流路と第2のガス流路との間で逐次的かつ交互に切り換えられる。
【0014】
一部の実施形態では、パージガス源を反応チャンバへと流体的に接続する流体回路は、低流量チャネルおよび高流量チャネルを備える。
【0015】
一部の実施形態では、第1のガス流路は、低流量チャネルと高流量チャネルとの両方を備える。
【0016】
一部の実施形態では、第2のガス流路は、低流量チャネルを備える。
【0017】
一部の実施形態では、パージガスを第1の流量で流すことは、パージガスを低流量チャネルと高流量チャネルとの両方を通して流すことをさらに含む。
【0018】
一部の実施形態では、パージガスを第2の流量で流すことは、パージガスを低流量チャネルを通して流すことをさらに含む。
【0019】
一部の実施形態では、パージガスの流れを第1の流量と第2の流量との間で切り換えることは、高流量チャネルに沿って配置される弁を閉鎖することを含む。
【0020】
一部の実施形態では、パージガスの流れを第2の流量と第1の流量との間で切り換えることは、高流量チャネルに沿って配置される弁を開放することを含む。
【0021】
一部の実施形態では、第1の流量と第2の流量との間の切り換えることは、0.1秒未満で実施される。
【0022】
一部の実施形態では、第1の流量でパージガスを反応チャンバの中へと導入するためのパルス期間は、30秒未満である。
【0023】
一部の実施形態では、第2の流量でパージガスを反応チャンバの中へと導入するためのパルス期間は、1秒未満である。
【0024】
一部の実施形態では、パルスパージプロセスのデューティサイクルは、1パーセント(%)より大きい。
【0025】
一部の実施形態では、第2の反応物質は、水蒸気(H2O)、過酸化水素蒸気(H2O2)、アンモニア(NH3)、水素(H2)、オゾン(O3)、酸素(O2)、およびアルコール蒸気からなる群から選択される。
【0026】
一部の実施形態では、第1の反応物質は、第2の反応物質より小さい付着係数を有する。
【0027】
一部の実施形態では、堆積した膜は、95パーセント(%)より大きい段差被覆を有するコンフォーマル酸化アルミニウム膜を含む。
【0028】
一部の実施形態では、酸化アルミニウム膜は、基材上の複数の非平面状特徴を、非平面状特徴内に継ぎ目を形成することなく充填する。
【0029】
一部の実施形態では、複数の非平面状特徴は、複数の三次元的な部分的に製作されたデバイス構造を備え、かつ酸化アルミニウム膜は、複数の三次元的な部分的に製作されたデバイス構造を、98パーセント(%)より大きい段差被覆で覆う。
【0030】
本開示のさらなる例示的な実施形態によると、基材の表面上に膜を堆積させる方法はまた、反応チャンバ内に非平面状基材を据え付けることと、周期的堆積プロセスの1つ以上の堆積サイクルを実施することによって、非平面状基材の表面上にコンフォーマル膜を堆積することと、も含むことができる。一部の実施形態では、周期的堆積プロセスの単位堆積サイクルは、基材を第1の気相反応物質と接触させることと、基材を第2の気相反応物質と接触させることと、選択された接触工程どうしの間に、パージガスの流路を高流量ガス経路と低流量ガス経路との間で逐次的かつ交互に切り換え、それによって反応の中へのパージガスの流量を第1の流量と第2の流量との間で循環することと、を含み、第1の流量は第2の流量より大きい。
【0031】
本開示の追加の例示的な実施形態によると、基材の表面上に膜を堆積させる方法はまた、非平面状基材を反応チャンバ内に据え付けることと、基材を、離隔した時間間隔での反応チャンバの中への反応物質の複数のパルス状の流れと接触させて、基材上に膜を堆積させることと、周期的パージプロセスを実施して、複数のパルス状の流れのうちの選択されたパルス状の流れの間に過剰な反応物質を反応チャンバから除去することと、も含むことができる。一部の実施形態では、周期的パージプロセスは、高流量ガス経路を通して第1の流量で反応チャンバの中へとパージガスを導入することによって反応チャンバ内の圧力を増加することと、低流量ガス経路を通して第2の流量で反応チャンバの中へとパージガスを導入することによって反応チャンバ内の圧力を減少することと、を含み、第1の流量は第2の流量より大きい。
【0032】
本開示のありとあらゆる方法を実施するために構築および配設された装置も紹介および記述される。
【0033】
先行技術を超えて達成される本発明および利点を要約する目的で、本発明のある特定の目的および利点が、本明細書で上記に記述されてきた。当然のことながら、必ずしもこうした目的または利点のすべてが本発明の任意の特定の実施形態に従って達成されなくてもよいことが理解されるべきである。それ故に、例えば、本明細書で教示または示唆される場合があるような他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示または示唆されるような1つの利点または利点の群を達成または最適化する様態で、本発明が具体化または実行されてもよいことを当業者は認識するであろう。
【0034】
これらの実施形態のすべてが、本明細書に開示した本発明の範囲内であることが意図される。これらの実施形態および他の実施形態は、以下の添付の図面を参照するある特定の実施形態の以下の「発明を実施するための形態」から当業者に容易に明らかとなることになり、本発明は開示されるいかなる特定の実施形態にも限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本開示の実施形態のより完全な理解は、以下の例示的な図面に関連して考慮される場合、発明を実施するための形態および特許請求の範囲を参照することによって得られる場合がある。
【
図1】
図1は、本開示の実施形態による例示的な周期的堆積方法を図示する。
【
図2】
図2は、本開示の例示的な実施形態による例示的なパルスパージプロセスを図示する。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態による、パージガスを反応チャンバの中へと導入するための例示的な流体回路を図示する。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態による流体回路を通る例示的なパージガス流路を図示する。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態による流体回路を通るさらなる例示的なパージガス流路を図示する。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態によるパルスパージプロセスを採用する周期的堆積プロセスの例示的な堆積サイクルを図示する。
【
図7】
図7は、本開示の実施形態による、本明細書に記述される方法を実施するように構成された例示的な装置を図示する。
【0036】
当然のことながら、図内の要素は単純および明瞭のために図示されており、また必ずしも実寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素のうちの一部の寸法は、本開示の例示された実施形態の理解の向上を助けるために他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0037】
下記に提供される方法、構造、デバイス、および装置の例示的な実施形態の記述は、単に例示的なものであり、また図示の目的のために提供することのみが意図され、以下の記述は本開示の範囲または特許請求の範囲を限定することを意図しない。さらに、述べられた特徴を有する複数の実施形態の列挙は、追加的な特徴を有する他の実施形態、または述べられた特徴の異なる組み合わせを組み込む他の実施形態を除外することを意図していない。例えば、様々な実施形態が例示的な実施形態として記載され、また従属請求項において列挙されてもよい。別段の記載のない限り、例示的な実施形態またはその構成要素は、組み合わされてもよく、または互いに分離して適用されてもよい。
【0038】
本明細書で使用される場合、「ガス」という用語は、常温常圧(NTP)において気体である材料、気化した固体、および/または気化した液体を含むことができ、また状況に応じては単一ガスまたはガスの混合物によって構成することができる。プロセスガス以外のガス、すなわち、ガス分配アセンブリ、マルチポートインジェクションシステム、他のガス分配デバイス、またはこれに類するものを通過することなく導入されるガスは、例えば、反応空間をシールするために使用することができ、また希ガスなどのシールガスを含むことができる。本明細書で使用される場合、「希ガス(rare gas)」および「貴ガス(noble gas)」という用語は、同じ意味で使用される場合がある。一部の事例では、「前駆体」という用語は、別の化合物を生成する化学反応に関与する化合物、および具体的には膜マトリクスまたは膜の主骨格を構成する化合物を指すことができ、「反応物質」という用語は、前駆体という用語と同じ意味で使用してもよい。
【0039】
本明細書で使用される場合、「基材」という用語は、本開示の一実施形態による方法によって、デバイス、回路、もしくは膜を形成するために使用することができる、またはデバイス、回路、もしくは膜をその上に形成することができる、単一または複数の任意の下地材料を指すことができる。基材は、シリコン(例えば、単結晶シリコン)などのバルク材料、ゲルマニウムなどの他の第IV族材料、または第II-VI族、もしくは第III-V族半導体材料などの他の半導体材料を含むことができ、かつバルク材料の上にある、または下にある1つ以上の層を含むことができる。さらに、基材は、基材の層の少なくとも一部分の中またはその上に形成される陥凹部、突出部、およびこれに類するものなどの、様々な特徴を含むことができる。例として、基材は、バルク半導体材料と、バルク半導体材料の少なくとも一部分の上にある絶縁または誘電材料層とを含むことができる。さらに、「基材」という用語は、使用されてもよい、またはその上にデバイス、回路、もしくは膜が形成されてもよい、単一または複数の任意の下地材料を指す場合がある。「基材」は、連続的または非連続的、剛直または可撓性、固体または多孔質であってもよい。「基材」は、粉末、プレート、またはワークピースなどの任意の形態であってもよい。プレートの形態の基材は、様々な形状およびサイズのウエハを含んでもよい。基材は、例えば、ケイ素、シリコンゲルマニウム、酸化ケイ素、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、および炭化ケイ素などの材料から作製されてもよい。連続基材は、堆積プロセスが生じるプロセスチャンバの境界を超えて延在してもよく、またプロセスチャンバを通して移動してもよく、これによりプロセスは基材の端部に達するまで継続される。連続基材は、任意の適切な形態での連続基材の製造および出力を可能にする、連続基材供給システムから供給されてもよい。連続基材の非限定的な例としては、シート、不織布膜、ロール、箔、ウェブ、可撓性材料、連続フィラメントまたは繊維(すなわち、セラミック繊維またはポリマー繊維)の束が挙げられる場合がある。連続基材はまた、非連続基材がその上へと載置される担体またはシートも含んでもよい。
【0040】
本明細書で使用される場合、「膜」および/または「層」という用語は、本明細書に開示される方法によって堆積される材料などの、任意の連続的または非連続的な構造および材料を指すことができる。例えば、膜および/または層としては、二次元材料、三次元材料、ナノ粒子、または均一な部分的もしくは完全な分子層、または部分的もしくは完全な原子層、または原子および/もしくは分子のクラスタを挙げることができる。膜または層は、少なくとも部分的に連続していてもよいピンホールを有する材料または層を含んでもよい。
【0041】
本開示の一部の実施形態では、基材は、例えば、HAR垂直特徴(例えば、トレンチ構造、垂直ギャップ特徴、および/またはフィン構造)および/またはHAR水平特徴(例えば、水平チャネル、および水平ギャップ特徴)などの複数の高アスペクト比(HAR)特徴を含む非平面状基材を含んでもよい。
【0042】
一部の実施形態では、HAR垂直特徴は、2:1より大きくてもよい、または5:1より大きくてもよい、または10:1より大きくてもよい、または25:1より大きくてもよい、または50:1より大きくてもよい、または100:1より大きくてもよいアスペクト比(高さ:幅)を有してもよく、この実施例で使用される場合、「より大きい」は、HAR特徴の高さ(または、深さ)においてより大きい距離を指す。一部の実施形態では、HAR水平特徴は、1:2より大きくてもよい、または1:5より大きくてもよい、または1:10より大きくてもよい、または1:25より大きくてもよい、または1:50より大きくてもよい、またはさらに1:100より大きくてもよいアスペクト比(高さ:幅)を有してもよく、この実施例で使用される場合、「より大きい」は、HAR特徴の幅においてより大きい距離を指す。
【0043】
一部の実施形態では、本開示の方法は、複数のHAR特徴を堆積膜で完全に充填することを含む。一部の実施形態では、本開示の方法は、複数の非平面状のHAR特徴を、空隙または継ぎ目の形成を有しないで堆積膜で充填することを含む。言い換えれば、一部の実施形態では、本開示による例示的な堆積方法は、HAR特徴が膜で完全に充填され、かつ充填されたHAR特徴内にいかなる空隙または継ぎ目も実質的に形成されないまで継続する。空隙または継ぎ目の存在は、例えば、走査型トンネル電子顕微鏡(STEM)などの高倍率顕微鏡方法によって形成されたギャップ充填膜を研究することによって観察することができる。
【0044】
本明細書で使用される場合、「循環型堆積プロセス(cyclic deposition process)」または「周期的堆積プロセス(cyclical deposition process)」という用語は、基材の上を覆って層を堆積させるための反応物質の反応チャンバの中への逐次的導入を指すことができ、また原子層堆積(ALD)、周期的化学蒸着(周期的CVD)、およびALD構成要素とCVD構成要素との両方を含むハイブリッド周期的堆積プロセスなどの処理技法を含む。加えて、「循環型堆積プロセス」という用語は、例えば、プラズマ強化原子層堆積(PEALD)プロセスなどのプラズマ強化周期的堆積プロセスを指すことができる。「周期的堆積プロセス」はまた、例えば、空間原子層堆積などの空間周期的プロセスも含むことができる。
【0045】
「原子層堆積」という用語は、堆積サイクル、典型的に複数の連続的な堆積サイクルがプロセスチャンバ内で行われる蒸着プロセスを指すことができる。本明細書で使用される場合、原子層堆積という用語はまた、前駆体/反応性ガス、およびパージ(例えば、不活性キャリア)ガスの交互パルスを用いて実施される場合、化学蒸着原子層堆積、原子層エピタキシー(ALE)、分子線エピタキシー(MBE)、ガス源MBE、有機金属MBE、および化学ビームエピタキシーなどの関連する用語によって指定されるプロセスを含むことも意味する。
【0046】
概して、ALDプロセスについては、各堆積サイクル中に、前駆体は、反応チャンバへと導入され、そして堆積表面(例えば、以前のALDサイクルから以前に堆積された材料または他の材料を含むことができる、基材表面)へと化学吸着され、また追加的な前駆体と容易に反応しない(すなわち、自己限定的な反応)材料の単分子層または準単分子層を周りに形成する。その後、一部の事例では、化学吸着した前駆体を堆積表面上で所望の材料へと変換するのに使用するために、反応物質(例えば、別の前駆体または反応ガス)がその後プロセスチャンバの中へと導入されてもよい。反応物質は、前駆体とのさらなる反応の能力を有することができる。あらゆる過剰な前駆体をプロセスチャンバから除去するため、ならびに/またはあらゆる過剰な反応物質および/もしくは反応副産物を反応チャンバから除去するために、1つ以上の堆積サイクル中に(例えば、各サイクルの各工程中に)、パージする工程を利用することができる。
【0047】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」という用語は、ある特定の特徴が含まれるが、特許請求の範囲を実行不可能にしない限り、他の特徴の存在を除外しないことを示す。一部の実施形態では、「含む(comprising)」という用語は、「からなる」を含む。
【0048】
本明細書で使用される場合、「からなる」という用語は、当該文言に従うものを除いて、装置/方法/製品には、いかなるさらなる特徴も存在しないことを示す。化学的な化合物、物質、または組成物を参照して、「からなる」という用語が使用される時、化学的な化合物、物質、または組成物が、列挙された構成成分のみを含有することを示す。同様に、「本質的になる(consisting essentially)」という用語が、化学的な化合物、物質、または組成物を指して使用される場合、化学的な化合物、物質、または組成物は、列挙された構成成分を含有するが、当該化学的な化合物、基材、または組成物の特性に実質的に影響を与えない微量元素および/または不純物も含有する可能性があることを示す。それにもかかわらず、化学的な化合物、物質、または組成物は、一部の実施形態では、列挙された構成成分とは別に、微量元素または不純物として他の構成成分を含んでもよい。
【0049】
さらにこの開示では、変数の任意の2つの数字は、その変数の実行可能な範囲を構成することができ、また示される任意の範囲は、端点を含んでもよく、または除外してもよい。加えて、示された変数の任意の値は(それらが「約」とともに示されているか否かにかかわらず)、正確な値またはおおよその値を指してもよく、かつ均等物を含んでもよく、また平均値、中央値、代表値、大多数、またはこれに類するものを指してもよい。さらに、この開示では、「含む」「によって構成される」、および「有する」という用語は、一部の実施形態では、「典型的にまたは広く含む」、「含む」、「から本質的に成る」、または「から成る」を独立して指す。この開示では、任意の定義された意味は、一部の実施形態では、通常の意味および慣習的な意味を必ずしも除外するものではない。
【0050】
本明細書では、「上に(on)」または「上を覆って(over)」という用語は、相対的な場所の関係を記述するために使用される場合があることが理解されるであろう。別の要素、膜、もしくは層は、述べられた層の直接的に上にあってもよく、または別の層(中間層)もしくは要素がそれらの間に介在してもよく、または層が述べられた層の上に配置されるが述べられた層の表面を完全には覆わなくてもよい。したがって、「直接的に」という用語が別個に使用されない限り、「上に(on)」または「上を覆って(over)」という用語は相対的な概念であると解釈されることになる。これと同様に、「下に(under)」、「下にある(underlying)」、または「下方に(below)」という用語は、相対的な概念であると解釈されることになるということが理解されるであろう。
【0051】
本開示の実施形態は、基材の表面上に膜を堆積させるための方法、および特にパルスパージプロセスを含む周期的堆積方法によって、高アスペクト比(HAR)特徴を含む非平面状基材上に膜を堆積させるための方法を含む。こうしたパルスパージプロセスは、反応チャンバからの過剰な反応物質およびあらゆる反応物質副産物の除去を強化するために、特に基材上のHAR特徴から過剰な反応物質およびあらゆる反応物質副産物を除去するために利用される。パージプロセスの強化は、堆積膜のコンフォーマル性を改善するだけでなく、ギャップ充填膜によるHAR特徴の充填を、すなわち、望ましくない空隙および/または継ぎ目の形成を有しないでHAR特徴を充填することによって、改善することができる。
【0052】
より詳細には、高度な技術ノード半導体構造は、所望の特性を有する堆積膜を得るために、厳密な堆積性能仕様を必要とする可能性がある。例えば、堆積膜に対する堆積仕様としては、100%に近い段差被覆、継ぎ目のない/空隙のないギャップ充填、および堆積膜の厚さの非常に低い割合の不均一性を挙げることができるが、これらに限定されない。こうした厳しい堆積要件を達成するために、例えば、原子層堆積(ALD)プロセスなどの周期的堆積プロセスは、極めて厳しいプロセス制御を必要とする可能性がある。
【0053】
非限定的な例として、基材上のHAR特徴をギャップ充填膜で充填することは、堆積プロセスが反応物質のHAR特徴の中への拡散だけでなく、過剰な反応物質(およびあらゆる副産物)のHAR特徴の外への効率的なパージおよび除去の両方にわたる制御を必要とするので、非常に困難である可能性がある。加えて、基材上の縁部の厚さの均一性は、堆積プロセスの全体的な不均一性を決定する可能性があり、また基材の縁部からの反応物質のパージ効率は、所望の堆積均一性を達成する上で主要な要因である可能性がある。
【0054】
一般に、原子層堆積(ALD)などの周期的堆積プロセスは、例えば、過剰な反応物質およびあらゆる反応副産物を反応チャンバからパージするため、特にHAR特徴を含む基材からこうした望ましくない種を除去するために、静的で連続的なパージガス流を採用する。しばしば、パージプロセスの効率は、例えば、パージ時間、反応チャンバ圧力、基材温度、および反応チャンバの中へのパージガスのガス流量などのパージパラメータの最適化によって制御される。しかしながら、こうしたパージパラメータの完全な最適化は、次世代技術ノードのために好適な膜を得る上では依然として不十分である場合があり、またパージ最適化が可能である場合でさえも、こうした最適化されたプロセスは堆積プロセスの他の態様に悪い結果を有する場合がある。
【0055】
したがって、本開示の実施形態は、パルスパージプロセスを含む周期的堆積方法に関する。こうした実施形態では、従来の静的で連続的なパージガス流は、高流量レジームから低流量レジームへの(またはその逆の)パージガス流量の反応チャンバの中への循環を含む、パルスパージプロセスで置き換えることができる。パルスパージプロセスは、基材上のHAR特徴のより効率的なパージを達成することができ、したがって、複雑な三次元デバイス構造のコンフォーマル堆積および/またはギャップ充填を可能にするだけでなく、堆積膜の不均一性の割合を改善することができる。加えて、こうしたパルスパージプロセスは、反応チャンバ内のデッドボリュームからの反応物質および副産物の除去を改善することによって、堆積装置の寿命を延長することができる。
【0056】
したがって、本開示は、基材の表面上に膜を堆積させるための方法を含み、またこうした方法は、基材を反応チャンバ内に取り付け、そして基材を少なくとも第1の反応物質および第2の反応物質の複数のパルス状の反応物質の流れと逐次的かつ交互に接触させることを含むことができる。高アスペクト比特徴のコンフォーマル性および/またはギャップ充填を強化するために、本開示の周期的堆積方法はまた、選択されたパルス状の反応物質の流れの間にパルスパージプロセスの1つ以上のサイクルを実施して、パージガスを反応チャンバの中へと導入することを含むことができる。例えば、パルスパージプロセスの単位サイクルは、パージガスを第1の流量で反応チャンバの中へと導入することと、パージガスを第2の流量で反応チャンバの中へと導入することとを含むことができ、第1の流量は第2の流量とは異なる。
【0057】
図1は、本開示の例示的な実施形態による例示的な方法100を図示する。簡潔に述べると、例示的な方法100は、基材を反応チャンバ内に据え付けるプロセス工程(プロセス工程102)と、基材の表面上に膜を堆積させるための周期的堆積プロセス(周期的プロセス105)を採用するプロセス工程とを含むことができ、周期的堆積プロセス105は、所望の膜が基材上に堆積されるまで何回も繰り返される。周期的プロセス105は、パージプロセス(例えば、プロセス工程106および110)を含み、またこれらのパージプロセスのうちの1つ以上は、パルスパージプロセスを含むことができる。
【0058】
より詳細には、例示的な方法100は、反応チャンバ内に基材を据え付けるプロセス工程を含んでもよい(プロセス工程102)。本開示の堆積プロセスのために採用される反応チャンバは、例えば、原子層堆積などの周期的堆積プロセスのために構成されたものを含むことができる。反応チャンバは、スタンドアローンの反応チャンバまたはクラスタツールの一部とすることができる。反応チャンバは、バッチ処理ツールであってもよい。一部の実施形態では、流れタイプの反応チャンバを利用することができる。一部の実施形態では、シャワーヘッドタイプの反応チャンバが利用されてもよい。一部の実施形態では、分割された空間および反応チャンバが利用されてもよい。一部の実施形態では、大量生産可能な枚葉式反応チャンバが利用されてもよい。他の実施形態では、多数の基材を備えるバッチ式反応チャンバが利用されてもよい。バッチ式反応チャンバが使用される実施形態については、基材の数は、10~200、または50~150、またはさらには100~130の範囲であってもよい。反応チャンバは、プラズマ励起装置を有しない、熱的反応器として構成することができる。別の方法として、反応チャンバは、プラズマ強化原子層堆積(PEALD)で利用されるものなどの直流プラズマ装置および/または遠隔プラズマ装置を含むことができる。反応チャンバはまた、例えば、空間原子層堆積などの空間周期的堆積プロセスのために構成することができる。
【0059】
好適な反応チャンバの上記の実施例は、本開示の堆積方法、および特にパルスパージプロセスをALDおよび/またはPEALDプロセスのものへと限定するものとして解釈されるべきではない。例えば、反応物質の導入およびパージの繰り返されるサイクルを含む代替的な堆積プロセスは、本開示の周期的堆積方法を利用してもよい。
【0060】
反応チャンバ内に配置された基材は、後続の膜堆積のために所望の基材温度へと加熱されてもよい。例えば、基材は、1000℃未満、または800℃未満、または600℃未満、または400℃未満、またはさらに200℃未満の基材温度へと加熱されてもよい。本開示の一部の実施形態では、基材温度は、室温より高くても、200℃~1000℃、または200℃~600℃、または200℃~400℃であってもよい。
【0061】
基材の温度を制御することに加えて、反応チャンバ内の圧力もまた、所望の膜の堆積を可能にするように調整されてもよい。
【0062】
所望の基材温度および反応チャンバ圧力が達成されると、例示的な方法100は、基材を第1の反応物質と接触させるプロセス工程(プロセス工程104)と、反応チャンバおよび基材の過剰な第1の反応物質および任意の反応副産物をパージするプロセス工程(プロセス工程106)と、基材を第2の反応物質と接触させるプロセス工程(プロセス工程108)と、反応チャンバおよび基材の過剰な第2の反応物質および任意の反応副産物をパージするプロセス工程(110)と、を含むことができる周期的プロセス105(
図1)を継続してもよい。次いで、例示的な方法100は、例えば、膜厚さおよび/または所定の数の繰り返された堆積サイクルの完了を含むことができる、選択された終了基準に基づいて、決定ゲート112に続く。決定ゲート112の終了基準に順調に到達すると、例示的な方法100は、プロセス工程114を介して終了することができる。
【0063】
一部の実施形態では、反応チャンバおよびその中に配置される基材をパージするためのプロセス工程(すなわち、プロセス工程106および110)の一方または両方は、
図2~
図6を参照しながら下記により詳細に記述するように、パルスパージプロセスを採用することができる。
【0064】
より詳細には、
図2は、本開示の周期的堆積方法中に反応チャンバおよびその中の基材をパージするために採用することができる例示的なパルスパージプロセスを構成する構成サブプロセスを図示する。したがって、一部の実施形態では、本開示の周期的堆積方法は、選択されたパルス反応物質流れの間にパルスパージプロセス(
図2の周期的プロセス205)の1つ以上のサイクルを実施することを含み、パルスパージプロセス(周期的プロセス205)の単位サイクルは、パージガスを反応の中へと第1の流量で導入すること(サブプロセス工程202)と、パージガスを反応の中へと第2の流量で導入すること(サブプロセス工程204)と、を含み、第1の流量は第2の流量とは異なる。例えば、一部の実施形態では、第1の流量は第2の流量より大きい。代替的な実施形態では、第2の流量は第1の流量より大きい。一部の実施形態では、第1の流量または第2の流量はゼロであってもよく、すなわちパージガスのいかなる流れもない。
【0065】
一部の実施形態では、パルスパージプロセスは、
図2に例示されたものとは逆の順番で実施されてもよい。例えば、一部の実施形態では、パルスパージプロセスの単位サイクル(周期的プロセス205)は、パージガスを第2の流量で反応の中へと導入することと、パージガスを第1の流量で反応の中へと導入することとを含み、第2の流量は第1の流量とは異なる。例えば、一部の実施形態では、第2の流量は第1の流量未満である。代替的な実施形態では、第2の流量は第1のパージガスの流れより大きい。
【0066】
一部の実施形態では、第1の流量は、0SLM超、または0.1SLM超、または1.0SLM超とすることができる。一部の実施形態では、第1の流量は、0SLM~0.1SLM、または0.1SLM~1.0SLM、または1.0SLM~2.0SLMとすることができる。同様に、一部の実施形態では、第2の流量は、0SLM超、または1.0SLM超、または10SLM超とすることができる。一部の実施形態では、第2の流量は、0SLM~1SLM、または1SLM~5SLM、または5SLM~10SLMとすることができる。
【0067】
パルスパージプロセス(
図2の周期的プロセス205)は、何回も回繰り返すことができる。例えば、パルスパージプロセスは、パルスパージの追加的なサイクルが実施されるかどうかを決定する決定ゲート(サブプロセス工程206)を含むことができる。さらなるパルスパージサイクルを繰り返すという決定がなされた時、例示的なパルスパージプロセス(
図2)はサブプロセス工程202へと戻り、そしてパージのさらなるパルスは、ガスが第1の流量で反応チャンバの中へと導入され(サブプロセス工程202)、その後に第2の流量におけるパージガスのさらなるパルスの反応の中への導入(サブプロセス工程204)が続く(またはその逆である)。反応チャンバをパージするための、特に反応チャンバ内に配置された基材をパージするための、反応チャンバの中へのパージガスの流量の循環は、所望の膜堆積仕様を達成するために望ましいだけ何回でも繰り返すことができる。例えば、一部の実施形態では、パルスパージプロセス(周期的プロセス205)は、1回、または2回、または3回、または4回、または5回、または10回、または20回、または30回、または50回、またはさらにより多い回数、実施することができる。パルスパージプロセスの所望のサイクル数が実施されると、パルスパージプロセスは、パルスパージプロセスの終了をもたらすサブプロセス工程208によって示されるように終了してもよい。
【0068】
図2の例示的なパルスパージプロセスは、パージガスを第1の流量(例えば、高流量)で導入すること(サブプロセス工程202)によって開始した後に、後続のパージを第2の流量(例えば、低流量)で導入すること204が続く、繰り返しパージサイクル(周期的プロセス205)を有するものとして図示されるが、しかし当然のことながら、サブプロセス工程の順序は、パージサイクル(周期的プロセス205)を、パージガスを第2の流量(例えば、低流量)で導入することによって開始することの後に、後続のパージガスを第1の流量(例えば、高流量)で導入することが続くことで、逆にすることができる。加えて、本開示のパルスパージサイクルは、第1の流量および第2の流量(
図2に図示するように)を含むサイクルに限定されないが、異なるパージガス流量を有する2つ以上のサブプロセスを含むことができる。さらに、本開示のパルスパージサイクルは、異なる流量を有する2つ以上のサブプロセスの間のパージガスの流量を傾斜させる(例えば、直線状な様態で、または非直線状な様態で)。
【0069】
パルスパージプロセス(
図2)は、反応チャンバの中への1つ以上の反応物質の導入後に実施することができる。例えば、パルスパージプロセスは、第1の反応物質および/または第2の反応物質の反応の中への導入後(すなわち、
図1の例示的な方法100の104および/または108のプロセス工程後)に実施することができる。パルスパージプロセスのサイクルの数は、例えば、膜のコンフォーマル性、および/または複数の高アスペクト特徴の継ぎ目のない/空隙のないギャップ充填などのギャップ充填などの特定の膜仕様を達成するために十分なパージが実施されたかどうかを決定するために、例えば、堆積後の堆積膜の検査によって決定することができる。
【0070】
一部の実施形態では、パルスパージプロセスを実施することは、反応チャンバ内の圧力を逐次的かつ交互に増加および減少することをさらに含むことができる。別の方法として、一部の実施形態では、パルスパージプロセスを実施することは、反応チャンバ内の圧力を逐次的かつ交互に減少および増加することをさらに含むことができる。
【0071】
一部の実施形態では、本開示のパルスパージプロセス(
図2に図示するような)は、パージガスを第1の流量で反応チャンバの中へと導入し、それによって反応チャンバ内の圧力の増加をもたらすこと(サブプロセス工程202)と、その後、パージガスを第2の流量で反応の中へと導入し、それによって反応チャンバ内の圧力の減少をもたらすこと(サブプロセス工程204)と、を含むことができる。こうした実施形態では、より高い反応チャンバ圧力とより低い反応チャンバ圧力との間の逐次的かつ交互の循環は、パージガスを第2の流量(サブプロセス204)より大きい第1の流量(サブプロセス202)で導入することによって達成することができる。加えて、こうした実施形態では、パルスパージプロセスが繰り返され、かつパージガスの流量が増加(サブプロセス工程202)および減少(サブプロセス工程204)するにつれて、反応チャンバ内の結果として生じる圧力は、高圧レジームと低圧レジームとの間で逐次的かつ交互に循環する。非限定的な実施例として、より高い反応チャンバ圧力とより低い反応チャンバ圧力との間の逐次的かつ交互の循環は、2Torr超の反応チャンバと0.5Torr未満の反応チャンバとの間で繰り返し切り換えることを含むことができる。
【0072】
代替的な実施形態では、パルスパージプロセスは、上述のものに対して逆の順序で、すなわち、後続の第1の流量より小さい第2の流量でパージを最初に導入することによって、より低い反応チャンバ圧力とより高い反応チャンバ圧力との間で逐次的かつ交互に循環することによって実施されてもよい。こうした実施形態では、周期的パルスパージプロセスが繰り返され、かつパージガスの流量が減少および増加するにつれて、結果としてもたらされる反応チャンバ内の圧力は、低圧レジームと高圧レジームとの間で逐次的かつ交互に循環する。非限定的な実施例として、より低い反応チャンバ圧力とより高い反応チャンバ圧力との間の逐次的かつ交互の循環は、0.5Torr未満の反応チャンバと2Torr超の反応チャンバとの間で繰り返し切り換えることを含むことができる。
【0073】
いかなる特定の理論またはプロセスにも束縛されるものではないが、本明細書に記述されるパルスパージプロセスによるパージガス流量(および/または反応チャンバ内の圧力)の逐次的な循環は、パージプロセスの効率を高めることができ、そしてそれによって反応チャンバから、および特に反応チャンバ内に配置された複数のHAR特徴を含む基材から過剰な反応物質およびあらゆる反応副産物をより効果的に除去することができると考えられる。こうしたパージ効率の増加は、結果として、堆積膜のコンフォーマル性の改善をもたらすだけでなく、望ましくない継ぎ目/空隙の形成を有しないで、複数のHAR特徴部内のギャップ充填膜の堆積も可能にする。加えて、本開示のパルスパージプロセスの効率の改善(一般的な静的で連続的なパージプロセスと比較した時)は、より短い時間期間を用いたパージサイクルをもたらす場合があり、これは周期的堆積プロセスの全体的なサイクル時間を改善し、そして結果として堆積プロセスおよび堆積装置を通る基材のスループットを増加することができる。
【0074】
本開示の逐次的かつ交互のパルスパージプロセスは、様々な手段によって達成される場合がある。非限定的な例として、また
図2を参照すると、パージガスを第1の流量で導入すること(サブプロセス202)と、パージガスを第2の流量で導入すること(サブプロセス204)と(第1の流量は第2の流量とは異なる)を繰り返すサイクルは、反応チャンバの中へのパージガスの流れを第1の流量と第2の流量との間で、絞り弁で調整することによって達成することができる。例えば、パージガスの流量の絞り弁での調整は、パージガスの供給源と反応チャンバとの間の流路に沿って配置される可変流量制御デバイスによって達成されてもよい。非限定的な例として、マスフローコントローラ(MFC)をパージガス源と反応チャンバとの間の流路に沿って採用することができ、また反応チャンバの中へのパージガスの流量を繰り返し増加および減少(またはその逆)させるためにMFCを採用することができる。別の方法として、反応チャンバ内の圧力(および結果としてもたらされるパージガスの流れ)を、高圧レジームと低圧レジームとの間で(またはその逆で)循環させるために、可変圧力制御デバイスが利用されてもよい。
【0075】
一部の実施形態では、本開示のパルスパージプロセスは、パージガスの流れを第1のガス流路と第2のガス流路との間で逐次的かつ交互に切り換えることによって達成することができる。したがって、本開示の一部の実施形態では、パルスパージプロセスを実施することは、パージガスを第1の流量で第1のガス流路を通して反応の中へと流すことと、パージガスを第2の流量で第2のガス流路を通して反応チャンバの中へと流すことと、をさらに含む。こうした実施形態では、反応チャンバの中へのパージガス流は、第1のガス流路と第2のガス流路との間で逐次的かつ交互に切り換えられる。
【0076】
本開示の実施形態の非限定的な例として、
図3は、パージガスの供給源を反応チャンバへと流体的に接続する例示的な流体回路を図示する。
【0077】
より詳細には、
図3の例示的な流体回路300は、流体回路300の残りの部分へのパージガスの貯蔵および送達のために構成された容器などの、パージガス源302を備える。一部の実施形態では、パージガス源302は、例えば、窒素(N
2)、アルゴン(Ar)、またはヘリウム(He)の供給源を備えることができる。パージガス源302は、低流量チャネル306および高流量チャネル308を介して反応チャンバ304へと流体的に接続される。第1の弁310は、任意選択的に低流量チャネル306に沿って配置することができ、また第2の弁312は、高流量チャネル308に沿って配置される。
【0078】
図3に図示するような例示的な流体回路300は、本開示の実施形態を実証するために簡略化された形態であり、したがって、本開示の方法を達成するために採用される流体回路は、追加的な構成要素および装置を含んでもよいことが留意されるべきである。具体的には、破線によって図示されるパージガス源302と反応チャンバ304との間の流路の部分は、簡潔にするために本明細書に図示されていない追加的な流路、制御デバイス、および装置等を含むことができることを示すことができる。
【0079】
低流量チャネル306は、その経路に沿って配置される第1の弁310を含むことができ、また高流量チャネル308は、その経路に沿って配置される第2の弁312を含む。したがって、一部の実施形態では、パージガス源302から反応チャンバ304へのパージガスの流れは、第1の弁310および第2の弁312のうちの一方または両方の開閉によって制御することができ、それによってパージガスの流れを第1の流路と第2の流路との間で切り換えることができる。例えば、低流量チャネル306は、低いガスコンダクタンスおよび/または高い流れ抵抗を有する導管を備えることができ、また高流量チャネル308は、高いガスコンダクタンスおよび/または低い流れ抵抗を有する導管を備えることができる。
【0080】
本開示の実施形態をさらに例示するために、
図4および
図5は、反応チャンバの中へのパージガスに対する例示的な流路を図示し、パージガスの動作している流路は幅広い線によって図示され、また第1の弁310および第2の弁312の開放/閉鎖状態は、塗られていない白色の弁シンボル(開放)または塗りつぶされた黒色の弁シンボル(閉鎖)のいずれかによって図示される。例えば、
図4は、第1のガス流路(例えば、高流量経路)を図示し、また
図5は、第2のガス流路(例えば、低流量経路)を図示する。
【0081】
したがって、一部の実施形態では、本開示のパルスパージプロセスを実施することは、パージガスの第1の流量を第1のガス流路を通して反応チャンバの中へと流すことと、パージを第2の流量で第2のガス流路を通して反応チャンバの中へと流すこととを含む。
【0082】
その結果、
図4は、パージガスを第1の流量で反応の中へと導入するための第1の流路の非限定的な例を図示する。
図4に図示するように、第1の流路は、低流量チャネル306と高流量チャネル308との両方を備える。したがって、こうした実施形態では、パージガスを第1の流量で流すことは、パージガスを低流量チャネル306と高流量チャネル308との両方を通して流すことをさらに含む。さらに
図4に図示するように、第1の流量での反応チャンバの中へのパージガスの流れは、第1の弁310が開放状態にあり、かつ第2の弁312が開放状態にある、任意選択的な設定を含む。
【0083】
関連して、
図5は、パージガスを第2の流量で反応の中へと導入するための第2の流路の非限定的な例を図示する。
図5に図示するように、第2の流路は、低流量チャネル306を備え、そして高流量チャネル308を備えない。したがって、一部の実施形態では、第2の流路は、低流量チャネル306を備え、そして高流量チャネル308を備えない。こうした実施形態では、パージガスを第2の流量で流すことは、パージガスを低流量チャネル306を通して流すことをさらに含む。一部の実施形態では、パージガスを第2の流量で流すことは、パージを低流量チャネルを通して流し、かつ高流量チャネルを通して流さないことを含む。一部の実施形態では、パージガスを第2の流量で流すことは、パージガスを低流量チャネル306を通してのみ流すことを含む。さらに
図5に図示するように、第2の流量での反応チャンバの中へのパージガスの流れは、任意選択的な第1の弁310を開放状態に設定し、かつ第2の弁312を閉鎖状態に設定することをさらに含む。
【0084】
本開示の実施形態の非限定的な例として、第1の流量と第2の流量との間のパルスパージプロセスの循環は、パージガスによって反応チャンバへと取る流路を循環する(すなわち、繰り返し可能に切り換える)ことによって達成することができる。例えば、パージガスの流量の循環は、第1のガス流路(
図4に図示するような)と第2のガス流路(
図5に図示するような)との間で、またはその逆で、切り換えることによって達成することができる。
【0085】
したがって、一部の実施形態では、パージガス流量を第1の流量と第2の流量との間で切り換えることは、高流量チャネルに沿って配置される弁を閉鎖することを含む。例えば、パージガス流量を第1の流量(例えば、高流量)と第2のパージガスの流れ(例えば、低流量)との間で切り換えることは、高流量チャネルに沿って配置される第2の弁312を開放状態から閉鎖状態へと切り換えることを含むことができる。言い換えれば、パージガス流量を第1の流量(例えば、高流量)と第2の流れ(例えば、低流量)との間で切り換えることは、高流量チャネル308に沿って配置される第2の弁312を閉鎖することを含むことができる。加えて、第2の弁312を開放状態から閉鎖状態へと切り換えることは、パージガスの流路を第1の流路(
図4)から第2の流路(
図5)へと切り換えることをさらに含む。
【0086】
逆に、一部の実施形態では、パージガス流量を第2の流量と第1の流量との間で切り換えることは、高流量チャネルに沿って配置される第2の弁312を閉鎖状態から開放状態へと切り換えることを含む。例えば、パージガス流量を第2の流量(例えば、低流量)と第1のパージガスの流れ(例えば、高流量)との間で切り換えることは、高流量チャネル308に沿って配置された第2の弁312を開放状態へと設定することを含むことができる。言い換えれば、パージガス流量を第2の流量(例えば、低流量)と第1の流量(例えば、高流量)との間で切り換えることは、高流量チャネル308に沿って配置された第2の弁312を開放することを含むことができる。加えて、第2の弁312を閉鎖状態から開放状態へと切り換えることは、パージガスの流路を第2の流路(
図5)から第1の流路(
図4)へと切り換えることをさらに含む。
【0087】
上述したように、かつ
図4および
図5に図示するように、パージガスの第1の流量から第2の流れへの(または第1の流路から第2の流路への)繰り返される循環は、第2の弁312の閉鎖状態と開放状態との間の繰り返される循環によって達成されることに留意するべきである。したがって、低流量チャネル306に沿って配置された第1の弁310は、上述の例示的な方法に影響を与えることなく、任意選択的に省略することができる。
【0088】
しかしながら、本開示の代替的な実施形態では、第1の流量および第2の流量のいずれかのうちの一つは、反応チャンバ内へのパージガスのゼロ流量を含むことができる。したがって、こうした実施形態では、パルスパージプロセスの繰り返される循環は、ゼロパージガス流と高パージガス流との間で繰り返し切り換えることを含むことができる。こうした実施形態では、第1の弁310および第2の弁312の両方を閉鎖状態で定置し、それによって反応チャンバへのパージガスの流れを防止することによって、ゼロパージガス流を達成することができる。ゼロパージガス流の後、パルスパージサイクルは、高流量チャネル308に沿って配置された第2の弁312を開放することによって、高パージガス流へと切り換えることができる。したがって、こうした実施形態では、第1の流路は、ゼロ流路を含むことができる。
【0089】
例示的な流体回路300(
図3)および本明細書に記述される方法を採用することによって、パージガス流の流量の第1の流量と第2の流量との間での繰り返される循環を可能にする結果として、本開示のパルスパージプロセスは、急速に実施される場合があり、すなわち、パージガス流の第1の流量(例えば、高流量)から第2の流量(例えば、低流量)への切り換えを、非常に短い時間期間内に実施することができる。
【0090】
したがって、本開示の一部の実施形態では、第1の流量と第2の流量との間で切り換えること(およびその逆)は、0.1秒未満、または1秒未満、または5秒未満、または10秒未満の時間期間内に実施することができる。本開示の一部の実施形態では、第1の流量と第2の流量との間で切り換えること(およびその逆)は、0.1秒~1秒、または1秒~5秒、または5秒~10秒、または10秒~30秒の時間期間内に実施することができる。
【0091】
一部の実施形態では、パルスパージプロセス(
図2)の1つ以上パラメータは、所望の膜の堆積のために必要とされるパージ効率を得るために制御および/または最適化することができる。非限定的な例として、パージガスが第1の流量で流れるパルス期間、すなわち、第1のパルス期間(サブプロセス202のパルス期間)および/またはパージガスが第2の流量で流れるパルス期間、すなわち、第2のパルス期間(サブプロセス204のパルス期間)は、堆積される堆積プロセスおよび/または膜に応じて変更および/または最適化することができる。
【0092】
その結果、一部の実施形態では、第1のパルス期間は、0.05秒未満、または1秒未満、または10秒未満である。一部の実施形態では、第1のパルス期間は、0.05秒超、または1秒超、または10秒超、または30秒超である。一部の実施形態では、第1のパルス期間は、0.05秒~1秒、または1秒~5秒、または5秒~10秒、または10秒~30秒である。
【0093】
同様に、一部の実施形態では、第2のパルス期間は、0.05秒未満、または1秒未満、または10秒未満である。一部の実施形態では、第2のパルス期間は、0.05秒超、または1秒超、または10秒超、または30秒超である。一部の実施形態では、第2のパルス期間は、0.05秒~5秒、または5秒~10秒、または10秒~30秒である。
【0094】
パルスパージプロセスの単位サイクルを実施するための結果としてもたらされる時間期間、すなわち、第1のパルス期間および第2のパルス期間を含むパルスパージプロセス(
図2)の1回のサイクルを実施するのにかかる時間期間は、1秒未満、または5秒未満、または10秒未満、または20秒未満、または30秒未満である。一部の実施形態では、パルスパージプロセス(周期的プロセス205、
図2を参照のこと)の単位サイクルを実施するのにかかる時間期間は、1秒超、または5秒超、または10秒超、または20秒超、または30秒超、または60秒超である。一部の実施形態では、パルスパージプロセス(周期的プロセス205、
図2を参照のこと)(
図2)の単位サイクルを実施するのにかかる時間期間は、1秒~5秒、または5秒~10秒、または10秒~20秒、または20秒~30秒、または30秒~60秒である。パルスパージプロセスの単位サイクルを実施するためにかかる時間は、第1のパルス期間と第2のパルス期間との両方と同様に、2つの流量の間を行き来するように切り換えるのに必要とされる時間を含むことができることに留意するべきである。
【0095】
一部の実施形態では、パルスパージプロセス(
図2)の単位サイクルは、1回以上繰り返される。例えば、パルスパージの単位サイクルは、1回、または2回、または3回、または4回、または5回、または10回、または20回、または30回、または40回、または50回実施することができる。こうした実施形態では、パルスパージプロセスが実施される総時間期間(すなわち、パルスパージプロセスの所定の繰り返されるサイクル回数の完了のための総時間期間)は、1秒未満、または5秒未満、または10秒未満、または100秒未満、または300秒未満、または500秒未満、または1000秒未満である。一部の実施形態では、パルスパージプロセスが実施される総時間期間は、1秒超、または5秒超、または10秒超、または100秒超、または300秒超、または500秒超、または1000秒超である。一部の実施形態では、パルスパージプロセスが実施される総時間期間は、1秒~1000秒、または10秒~500秒、または30秒~300秒、または50秒~100秒である。
【0096】
パージパルスの持続時間に加えて、本開示のパルスパージプロセスは、パルスパージプロセスのデューティサイクルの選択によって制御および/または最適化されてもよく、本明細書で言及される場合、デューティサイクル(D)は、第1の流量におけるパージガス流の第1のパルス期間(第1の流量期間)を、単位パルスパージサイクル(単位サイクル期間)を実施する時間で割ったものであり、百分率として与えられる、すなわち式(I)として与えられる。
【数1】
【0097】
したがって、一部の実施形態では、パルスパージプロセスのデューティサイクルは、1%超、または10%超、または30%超、または50%超、または70%超、または90%超である。一部の実施形態では、パルスパージプロセスのデューティサイクルは、1%未満、または10%未満、または25%未満、または70%未満、または90%未満である。一部の実施形態では、パルスパージプロセスのデューティサイクルは、1%~90%、または20%~80%、または30%~70%、または40%~60%である。
【0098】
本開示のパルスパージプロセスを含む周期的堆積プロセスは、基材の表面上の膜の堆積のために採用されてもよく、また特に、望ましくない継ぎ目および/または空隙の形成を有しないで、HAR特徴を含む基材の表面上の膜のコンフォーマル堆積、および/またはギャップ充填膜を用いたHAR特徴(垂直HAR特徴と水平HAR特徴との両方)の充填のために利用することができる。特に、本開示の実施形態は、反応チャンバから、そして特に基材上のHAR特徴からこのような反応物質を効率的かつ効果的にパージする能力に関して要求の厳しい可能性がある特定の反応物質を使用する周期的堆積プロセスに採用することができる。
【0099】
より詳細には、例えば、ALDまたはPEALD等の、周期的堆積プロセスに採用されるある特定の反応物質は、他の問題となることが少ない反応物質と比較した時、「付着性」であると特徴付けることができる。こうした「付着性」の反応物質は、用語が暗示するように、反応チャンバおよびその中に配置された基材からパージすることが困難である可能性がある。例えば、反応物質の「付着性」は、表面科学で使用されるパラメータである「付着係数」に関して記述することができ、同じ時間の期間中にその表面の上に衝突する原子(または分子)の総数に対する、表面に吸収する、または「付着する」吸着質の原子(または分子)の数の比を記述する。付着係数は、100%(すべての衝突する原子/分子が付着する)~0%(いかなる原子/分子も付着しない)の値を有し、またこれは、表面温度、表面被覆、および衝突粒子の運動エネルギーが挙げられるが、これらに限定されないいくつかの特性の関数である。
【0100】
非限定的な例として、本開示の例示的な周期的堆積プロセスは、酸素反応物質として水蒸気(H2O)または過酸化水素蒸気(H2O2)を採用する酸化物膜の堆積のために利用することができる。さらなる非限定的な例では、本開示の例示的な周期的堆積プロセスは、窒素反応物質としてアンモニア(NH3)を採用する窒化物膜の堆積に利用することができる。
【0101】
より詳細には、本開示の例示的な方法100(
図1)は、水蒸気(H
2O)、過酸化水素蒸気(H2O2)、およびアンモニア(NH
3)からなる群から選択される1つ以上の反応物質を採用する膜の周期的堆積に利用することができる。本開示の方法で利用することができる反応物質のさらなる非限定的な例としては、水素(H
2)、オゾン(O
3)、酸素(O
2)、およびアルコール蒸気が挙げられるが、これらに限定されない。上記に所与の例示の反応物質は、本明細書に概説されるプロセスから最も著しく利益を得ることが可能である反応物質の事例であり、すなわち、本明細書に記述されるパルスパージプロセスによって、こうした反応物質をより効率的にパージすることができることに留意するべきである。しかしながら、本明細書の実施例として与えられていない他の反応物質も、本開示のパルスパージプロセスから利益を得ることになる。
【0102】
非限定的な例として、例示的な方法100(
図1)は、酸化アルミニウム膜の堆積に利用されてもよく、基材を第1の反応物質と接触させること(プロセス工程104)は、基材を気相アルミニウム反応物質と接触させること、および基材を第2の反応物質と接触させること(プロセス工程108)は、基材を気相酸素反応物質と接触させることを含む。こうした実施形態では、気相アルミニウム反応物質は、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、水素化ジメチルアルミニウム(DMAH)、ジメチルエチルアミンアラン(DMEAA)、トリメチルアミンアラン(TEAA)、トリtertブチルアルミニウム(TTBA)、およびN-メチルピロリジンアランス(MPA)からなる群から選択される。加えて、こうした実施形態では、気相酸素反応物質は、水蒸気(H
2O)および過酸化水素蒸気(H
2O
2)からなる群から選択される。一部の実施形態では、第2の反応物質は、第1の反応物質より高い付着係数を有する。別の方法として、一部の実施形態では、第1の反応物質は、第2の反応物質より高い付着係数を有する。
【0103】
一部の実施形態では、本明細書に記述されるように(および
図2に図示するように)何回ものパルスパージサイクルを実施して、第2の反応物質の導入後、すなわち、
図1のパージプロセス工程110中に反応チャンバおよびその中の基材をパージしてもよい。一部の実施形態では、第1の反応物質の導入後、すなわち、パージプロセス工程106中に、反応およびその中の基材をパージするために実施されるパージプロセスは、静的で連続的なパージプロセスを含んでもよく、すなわち、本明細書に記述されるようなパルスパージプロセスを実施することを有しない場合がある。一部の実施形態では、静的で連続的なパージプロセスは、気相アルミニウム反応物質の導入後に実施されてもよい。一部の実施形態では、パルスパージプロセスは、水蒸気(H
2O)および過酸化水素蒸気(H
2O
2)からなる群から選択される気相酸素反応物質の導入後に実施されてもよい。代替的な実施形態では、第1の反応物質の導入後に反応チャンバをパージするために、パルスパージプロセスを実施してもよく、また第2の反応物質の導入後に反応チャンバをパージするために、静的で連続的なパージプロセスを実施してもよい。
【0104】
周期的堆積方法、そして特に本開示のパルスパージプロセスのさらなる概要は、何回ものパルスパージサイクルを含む周期的堆積方法100(
図1)の例示的な単位堆積サイクルを図示する
図6を参照しながら例示される。
図6に図示するように、横軸は時間パラメータを表すが、必ずしも個々のプロセスの実際の時間の長さを表すものではなく、また縦軸は反応物質の流れおよびパージガス流のオン状態またはオフ状態を表し、各パラメータの縦軸上の高いレベルは、オン状態を表す。しかしながら、各線の縦軸は、必ずしも関連付けられたパラメータの実際の量を表すものではなく、一方で縦軸上の各線の底部のレベルは、オフ状態、すなわち、反応物質の流れ/パージガス流がゼロの状態を表す。垂直軸はまた、特定のチャンバ圧力を必ずしも表すことなく、単位堆積サイクルの時間期間にわたる反応チャンバ圧力の変動を表すことができる。
【0105】
簡潔に述べると、単位堆積サイクルの第1の期間610(すなわち、第1の反応物質期間)内に、第1の反応物質が反応チャンバの中へと導入される。この第1の期間610内に、第1の反応物質を反応チャンバの中へと導入し、基材と接触させ、そして基材の表面上に化学吸着させて最大で単層を形成することができる。一部の実施形態では、第1の反応物質は、気相アルミニウム反応物質を含むことができる。
【0106】
第2の期間620(すなわち、パルスパージ期間)内に、第1の反応物質の流れは停止され、またパージガスの流れは、第1の流量(例えば、高流量レジーム)と第2の流量(例えば、低流量レジーム)との間で繰り返し循環され、これにより反応チャンバおよびその中に配置される基材は、過剰な第1の反応物質およびあらゆる反応副産物をパージされる。パルスパージプロセスは、最初の高流量で開始し、その後により低い流量が続くものとして
図6に図示されるが、しかしこの順序は、最初の低流量で開始し、その後に高流量が続くパルスパージプロセスを用いて逆転することができることが理解されるべきである。加えて、第1の流量(例えば、高流量)と第2の流量(例えば、低流量)との間の遷移は、線形ステップ関数として
図6に図示されるが、しかし当然のことながら、パージガス流は、第1の流量と第2の流量との間で線形または非線形の両方の様態で傾斜させることができ、その逆もまた可能である。別の方法として、パルスパージプロセスの第2の流量(または第1の流量)は、第2の期間620内に破線の流れラインによって示されるように、パージガスのゼロ流量を含むことができる。また、第2の期間620内に、反応チャンバ内の圧力は、より高い反応チャンバ圧力とより低い反応チャンバ圧力との間(またはその逆)で逐次的かつ交互に循環する。
【0107】
第3の期間630(すなわち、第2の反応物質期間)内に、第2の反応物質は、反応チャンバの中へと導入される。この第3の期間630内に、第2の反応物質を反応チャンバの中へと導入し、そして基材の表面上で第1の反応物質と化学吸着を用いて反応させ、それによって基材の表面上に所望の膜の一部分を堆積させることができる。一部の実施形態では、第2の反応物質は、例えば、水蒸気(H2O)または過酸化水素蒸気(H2O2)などの気相酸素反応物質を含むことができる。
【0108】
第4の期間640(すなわち、パルスパージ期間)内に、第2の反応物質の流れは停止され、またパージガスの流れは、第1の流量(例えば、高流量)から第2の流量(例えば、低流量)まで繰り返し循環され、これにより反応チャンバおよびその中に配置される基材は、過剰な第2の反応物質およびあらゆる反応副産物をパージされる。別の方法として、パルスパージプロセスの第2の流量(または第1の流量)は、第4の期間640内に破線の流れラインによって示されるように、パージガスのゼロ流量を含むことができる。また、第4の期間640内に、反応チャンバ内の圧力は、より高い反応チャンバ圧力とより低い反応チャンバ圧力との間(またはその逆)で逐次的かつ交互に循環する。
【0109】
次いで、
図6に図示するような例示的な単位堆積サイクルを、所望の厚さおよび膜特性を有する膜(例えば、酸化アルミニウム膜)を堆積させるために、所望に応じて複数回繰り返すことができる。
【0110】
したがって、本開示の実施形態は、高品質の膜の堆積のために採用されてもよい。一部の実施形態では、本開示の周期的堆積プロセスは、酸化アルミニウム膜の堆積で採用することができる。一部の実施形態では、酸化アルミニウム膜は、複数の高アスペクト比(HAR)特徴を含む非平面状基材上に堆積される。一部の実施形態では、複数のHAR特徴は、2:1より大きい、または5:1より大きい、または10:1より大きい、または25:1より大きい、または50:1より大きい、または100:1より大きいアスペクト比を有することができ、この実施例で使用される場合、「より大きい」は、HAR特徴の高さ(または、深さ)においてより大きい距離を指す。一部の実施形態では、複数の高アスペクト比特徴は、1:2より大きい、または1:5より大きい、または1:10より大きい、または1:25より大きい、または1:50より大きい、または1:100より大きいアスペクト比を有することができ、この実施例で使用される場合、「より大きい」は、HAR特徴の幅においてより大きい距離を指す。
【0111】
一部の実施形態では、高アスペクト比特徴は、垂直特徴および水平特徴のうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、高アスペクト比特徴は、25:1(長さ:幅)より大きいアスペクト比を有する垂直HAR特徴を含む。一部の実施形態では、HAR特徴は、1:25(長さ:幅)より大きいアスペクト比を有する水平HAR特徴を含む。
【0112】
上述したように、周期的堆積方法または本開示は、酸化アルミニウム膜の堆積のために利用することができる。こうした実施形態では、堆積した酸化アルミニウム膜は、複数の非平面状HAR特徴を、非平面状HAR特徴内に継ぎ目および/または空隙を形成することなく充填することができる。一部の実施形態では、堆積した酸化アルミニウム膜は、50%を超える、または60%を超える、または70%を超える、または80%を超える、または90%を超える、または95%を超える、または99%を超える段差被覆で複数の非平面状HAR特徴を覆う。一部の実施形態では、堆積した酸化アルミニウム膜は、100%の段差被覆で複数の非平面状HAR特徴を覆う。
【0113】
加えて、一部の実施形態では、複数の非平面状HAR特徴は、複数の三次元的な部分的に製作されたデバイス構造を備えることができ、また堆積された酸化アルミニウム膜は、50%より大きい、または60%より大きい、または70%より大きい、または80%より大きい、または90%より大きい、または95%より大きい、または98%より大きい、または99%より大きい段差被覆で、複数の三次元的な部分的に製作されたデバイス構造を覆う。一部の実施形態では、堆積した酸化アルミニウム膜は、100%の段差被覆で複数の三次元的な部分的に製作されたデバイス構造を覆う。こうした実施形態では、三次元的な部分的に製作されたデバイス構造は、部分的に製作されたDRAMデバイス構造、部分的に製作されたゲートオールアラウンド(GAA)トランジスタデバイス構造、部分的に製作されたナノシートデバイス構造、部分的に製作されたフォークシートデバイス構造、部分的に製作された相補的FET(CFET)デバイス構造、または部分的に製作されたメモリデバイス構造を含むことができる。
【0114】
本開示の実施形態はまた、例えば、本明細書に記述されるようなパルスパージサイクルを含む周期的堆積方法などの、本開示の例示的な方法を実施するために構築および配設される装置も含んでもよい。
【0115】
より詳細には、
図7は、所定の圧力、温度、および周囲条件下で基材(図示せず)を保持し、そして基材を様々なガスへと選択的に曝露する機構をさらに含む反応チャンバ702を含む反応システム700を概略的に図示する。第1の反応物質源704は、導管706または他の適切な手段によって反応チャンバ702へと連結されてもよく、またさらに、マニホールド、弁制御システム、質量流量制御システム、または機構へと連結して、第1の反応物質源704からのガス状の反応物質を制御してもよい。第1の反応物質源704によって供給される第1の反応物質(図示せず)は、室温および標準大気圧条件下では液体または固体であってもよい。こうした第1の反応物質は、反応物質源の真空容器内で気化されてもよく、これは前駆体源チャンバ内で気化温度以上に維持されてもよい。こうした実施形態では、気化した第1の反応物質は、キャリアガス(例えば、不活性ガス(inactive gas)または不活性ガス(inert gas))とともに搬送され、そしてその後導管706を通して反応チャンバ702の中へと供給されてもよい。他の実施形態では、第1の反応物質は、標準的な条件下で蒸気であってもよい。こうした実施形態では、第1の反応物質は気化する必要がなく、またキャリアガスを必要としない場合がある。例えば、一実施形態では、第1の反応物質をガスボンベ内に貯蔵してもよい。例えば、第1の反応物質源704は、反応チャンバ702へと気相アルミニウム反応物質を供給するように構築および構成されてもよい。
【0116】
反応システム700はまた、上述したように導管710によって反応チャンバに連結されてもよい、第2の反応物質源708などの追加的な反応物質源も含むことができる。例えば、第2の反応物質源708は、酸素反応物質または窒素反応物質を反応チャンバ702へと供給するために構築および構成されてもよい。
【0117】
パージガス源302はまた、
図3、
図4、および
図5を参照しながら前述したように、流体回路300を介して反応チャンバ702へも連結されてもよい。流体回路300は、本開示のパルスパージプロセスを使用して反応チャンバ702へとパージガスを供給するために採用することができる。
【0118】
図7の反応システム700はまた、反応システム700内に含まれる弁、マニホールド、ポンプ、および他の機器を選択的に動作するための電子回路および機械的構成要素を提供するシステム動作および制御機構716も備えてもよい。こうした回路および構成要素は、反応物質、パージガスを、それぞれの源704,708、およびパージガス源302から導入するように動作する。システム動作および制御機構716はまた、ガスパルスシーケンスのタイミング、基材および反応チャンバ702の温度、そして反応チャンバ702の圧力、ならびに反応システム700の適切な動作を提供するために必要な様々な他の動作を制御する。
【0119】
システム動作および制御機構716はまた、例えば、パージパルス期間、パージガス流の第1の流量から第2の流量への循環、パルスパージのデューティサイクル等を制御することによってなどの、反応チャンバをパージするために採用されるパルスパージプロセスのパラメータも制御することができる。制御機構716は、ある特定のタスクを実行するソフトウェアまたはハードウェア構成要素、例えばFPGAまたはASICなどのモジュールを含むことができる。モジュールは、有利なことに、制御システムのアドレス指定可能な記憶媒体上に常駐するように構成することができ、かつ1つ以上のプロセスを実行するように構成することができる。
【0120】
関連技術分野の当業者は、異なる数および種類の前駆体反応物質源およびパージガス源を含む、本反応システムの他の構成が可能であることを理解する。さらに、こうした当業者は、ガスを反応チャンバ702の中へと選択的にフィードするという目標を達成するために使用される場合がある弁、導管、反応物質源、パージガス源の数多くの配設があることも理解するであろう。さらに、反応システムの概略表現として、例示の単純のために数多くの構成要素が省略されており、またこうした構成要素としては、例えば、様々な弁、マニホールド、精製器、ヒーター、容器、通気、および/またはバイパスが挙げられる場合がある。
【0121】
上述の本開示の例示の実施形態は、添付の特許請求の範囲およびその法的均等物によって定義される、本発明の実施形態の単なる実施例であるので、本発明の範囲を限定しない。任意の均等な実施形態は、本発明の範囲内にあることが意図される。実際、記述された要素の代替的な有用な組み合わせなどの、本明細書に示されかつ記述されたものに加えて、本開示の様々な修正は、記述から当業者に明らかになる場合がある。こうした修正および実施形態もまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0122】
100 周期的堆積方法
102 プロセス工程
104 プロセス工程
105 周期的堆積プロセス
105 周期的プロセス
106 パージプロセス工程
108 プロセス工程
110 パージプロセス工程
112 決定ゲート
114 プロセス工程
202 サブプロセス工程
204 サブプロセス工程
205 周期的プロセス
206 サブプロセス工程
208 サブプロセス工程
300 流体回路
302 パージガス源
304 反応チャンバ
306 低流量チャネル
308 高流量チャネル
310 第1の弁
312 第2の弁
610 第1の期間
620 第2の期間
630 第3の期間
640 第4の期間
700 反応システム
702 反応チャンバ
704 第1の反応物質源
706 導管
708 第2の反応物質源
710 導管
716 制御機構
【外国語明細書】