(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173765
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】プラズマチャンバのための改善された電界均一性
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
H05H1/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024085543
(22)【出願日】2024-05-27
(31)【優先権主張番号】63/504,927
(32)【優先日】2023-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン・ティモット
【テーマコード(参考)】
2G084
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA05
2G084BB14
2G084CC14
2G084CC33
2G084DD04
2G084DD19
2G084DD32
2G084DD46
2G084DD47
2G084DD61
2G084HH05
2G084HH07
2G084HH27
(57)【要約】
【課題】プラズマチャンバのための改善された電界均一性を提供する。
【解決手段】1つの実施形態では、本開示は、多重信号入力を受信するプラズマチャンバへと改善された電界均一性を提供するためのシステムを対象とする。システムは、受信したエネルギーを1つ以上のアンテナへと分配する1つ以上の誘電体を含む。1つ以上の誘電体は、N個の受信エリアを有する。N個の円形導波路は、N個の受信エリアの上を覆って位置付けられる。導波路の各々は、受信した第一の横モード信号を、円形導波路によって対応する受信エリアへと出力される第二の横モード信号へと変換するモード変換器を有する。少なくとも1つの位相調整器回路は、第一の横モード信号のうちの少なくとも1つの位相を調整し、これにより隣接した円形導波路は、位相がおおよそ360/Nだけ異なる受信した第一の横モード信号を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電力信号入力を有するプラズマチャンバにエネルギーを提供するためのシステムであって、
受信したエネルギーをプラズマチャンバの1つ以上のアンテナへと分配するように構成された1つ以上の誘電体であって、前記1つ以上の誘電体が、互いから実質的に等しい距離で、かつ中心点から実質的に等しい距離において位置付けられたN個の受信エリアを備え、Nが、1より大きい自然数である、1つ以上の誘電体と、
前記1つ以上の誘電体の前記N個の受信エリアの上を覆って位置付けられ、これにより各受信エリアが、前記N個の円形導波路の対応する円形導波路を有するN個の円形導波路であって、前記N個の導波路の各々が、
入力端と、
出力端と、
前記入力端と出力端との間に位置付けられ、かつ受信した第一の横モード信号を、前記円形導波路によって前記1つ以上の誘電体の前記対応する受信エリアへと出力される第二の横モード信号へと変換するように構成されたモード変換器と、を備える、N個の導波路と、
前記N個の円形導波路によって受信された前記第一の横モード信号のうちの少なくとも1つの位相を調整するように構成された、少なくとも1つの位相調整器回路であって、隣接するものが、おおよそ360/Nだけ位相が異なる受信した第一の横モード信号を有する、位相調整器回路を含む、システム。
【請求項2】
前記第一の横モード信号が、横電磁気(TEM)モード信号であり、かつ前記第二の横モード信号が、横電気(TE11)モード信号である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第一の横モード信号の前記位相の前記調整が、円偏波の生成を可能にする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のアンテナの下方に位置付けられた下部誘電体をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記N個の受信エリアが、前記中心点の周りで方位角方向に均等に離隔する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上の誘電体が、単一の誘電体プレートを備え、かつ前記1つ以上のアンテナが、単一のアンテナを備え、
前記単一の誘電体プレートが、前記N個の受信エリアを備え、かつ
前記中心点が、前記単一の誘電体プレートの中心にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記単一の誘電体プレートが円形状面を備え、かつ前記中心点が前記単一の誘電体プレートの中心である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ以上の誘電体が、N個の上部誘電体を備え、かつ前記1つ以上のアンテナが、N個のアンテナを備え、前記N個の上部誘電体の各上部誘電体が、前記N個のアンテナの対応するアンテナを有し、
前記上部誘電体の各々が、前記N個の受信エリアのうちの対応する1つを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記N個のアンテナの各々が、対応する底部誘電体の上を覆って位置付けられる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記N個の円形導波路のうちの各々1つに対する前記第一の横モード信号の前記位相(θ)が、
【数1】
である、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの位相調整器回路が、N個の位相調整器回路を備え、これにより前記N個の円形導波路の各々が、対応する位相調整器回路を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第一の横モード信号の前記少なくとも1つの前記位相の前記調整が、前記N個の円形導波路によって受信した前記第一の横モード信号に対して完全な360度の位相回転を引き起こす、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記N個の円形導波路の各々が、前記モード変換器を囲む円筒壁をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
各円筒壁が、前記1つ以上の誘電体上に置かれる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記N個の円形導波路によって出力される前記第二の横モード信号の各々が、直線偏波される、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記N個の円形導波路の各々の前記入力端が、前記第一の横モード信号を提供する同軸ケーブルに連結するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
半導体処理システムであって、
N個の出力を介して、N個の第一の横モード信号を送信する電源であって、Nが、1より大きい自然数である、電源と、
少なくとも1つの位相調整器回路と、
プラズマチャンバであって、
N個の第一の横モード信号を受信するように構成されたN個の円形導波路であって、N個の円形導波路の各々が、
入力端と、
出力端と、
前記入力端と前記出力端との間に位置付けられ、かつ前記受信した第一の横モード信号を、前記円形導波路によって出力される第二の横モード信号へと変換するように構成されたモード変換器と、を備えるN個の円形導波路を備えるプラズマチャンバと、
前記N個の円形導波路から前記第二の横モード信号を受信し、かつ前記第二の横モード信号から前記プラズマチャンバの1つ以上のアンテナへとエネルギーを分配するように構成された1つ以上の誘電体であって、前記1つ以上の誘電体が、互いから実質的に等しい距離で、かつ中心点から実質的に等しい距離に位置付けられたN個の受信エリアを備える、1つ以上の誘電体と、を備え、
前記N個の円形導波路が、1つ以上の誘電体の前記N個の受信エリアに隣接して位置付けられ、これにより前記N個の受信エリアの各受信エリアが、前記N個の円形導波路の対応する円形導波路を有し、
前記少なくとも1つの位相調整器回路が、前記N個の円形導波路によって受信された前記第一の横モード信号のうちの少なくとも1つの位相を調整するように構成され、これにより前記N個の円形導波路のうちの隣接するものについて、前記受信した第一の横モード信号が、おおよそ360/Nだけ位相が異なる、半導体処理システム。
【請求項18】
前記第一の横モード信号が、横電磁気(TEM)モード信号であり、かつ前記第二の横モード信号が、横電気(TE11)モード信号である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ以上の誘電体が、N個の上部誘電体を備え、かつ前記1つ以上のアンテナが、N個のアンテナを備え、前記N個の上部誘電体の各上部誘電体が、前記N個のアンテナの対応するアンテナを有し、
前記上部誘電体の各々が、前記N個の受信エリアのうちの対応する1つを備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
複数の電力信号入力を有するプラズマチャンバにエネルギーを提供するためのシステムであって、
中心点から実質的に等しい距離において均等に位置付けられたN個の誘電体であって、Nが1より大きい自然数である、N個の誘電体と、
N個のアンテナであって、前記N個の誘電体の各誘電体が、前記N個のアンテナのうちの対応するアンテナの上を覆って位置付けられ、かつ前記N個の誘電体の各誘電体が、前記N個のアンテナのうちのその対応するアンテナへと受信したエネルギーを提供するように構成される、N個のアンテナと、
N個の円形導波路であって、前記N個の円形導波路の各々が、前記N個の誘電体のうちの対応する1つの上を覆って位置付けられ、前記N個の円形導波路の各々が、
入力端と、
出力端と、
前記入力端と出力端との間に位置付けられ、かつ受信した第一の横モード信号を、前記円形導波路によって前記1つ以上の誘電体の前記対応する誘電体へと出力される第二の横モード信号へと変換するように構成されたモード変換器と、を備える、N個の導波路と、
前記N個の円形導波路によって受信された前記横モード信号のうちの少なくとも1つの前記位相を調整するように構成され、これにより前記N個の円形導波路のうちの隣接するものについて、前記受信した横モード信号が、おおよそ360/Nだけ位相が異なる、少なくとも1つの位相調整器回路と、を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2023年5月30日に出願された米国仮出願第63/504,927号の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体製造システムでは、膜堆積またはエッチングの時間を低減するための1つのアプローチは、より高密度のプラズマ(HDP)を使用することである。HDPを作り出すための1つの方法は、RF源の周波数を増加させることである。しかしながら、RF源の周波数が増加するにつれて、その波長は減少し、そしてプラズマチャンバ内での大きさと同等になる可能性がある。2.45GHzで動作するものなどのマイクロ波HDP源は、真空中でおおよそ120mm、プラズマ中ではそれよりも小さい波長(20~70mm)を有する可能性がある。この波長を超えると、電界は非常に不均一になる可能性がある。300mmウエハでは、アンテナの外側の電界の変動、および結果としてプラズマにおける変動も、非常に不均一になる可能性がある。この電界をより均一にし、そしてそれ故にウエハの表面にわたって堆積膜またはエッチングのより良好な均一性を提供することに対するニーズがある。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、一態様では、複数の電力信号入力を有するプラズマチャンバへとエネルギーを提供するためのシステムを対象とする場合があり、システムは、受信したエネルギーをプラズマチャンバの1つ以上のアンテナへと分配するように構成された1つ以上の誘電体であって、1つ以上の誘電体が、互いから実質的に等しい距離で、かつ中心点から実質的に等しい距離において位置付けられたN個の受信エリアを備え、Nが、1より大きい自然数である、1つ以上の誘電体と、1つ以上の誘電体のN個の受信エリアの上を覆って位置付けられたN個の円形導波路であって、これによりN個の受信エリアの各受信エリアが、N個の円形導波路の対応する円形導波路を有する、N個の円形導波路であって、N個の円形導波路の各々が、入力端と、出力端部と、入力端と出力端部との間に位置付けられ、かつ受信した第一の横モード信号を、円形導波路によって1つ以上の誘電体の対応する受信エリアへと出力される第二の横モード信号へと変換するように構成されたモード変換器と、を備える、N個の導波路と、N個の円形導波路によって受信された第一の横モード信号のうちの少なくとも1つの位相を調整するように構成された、少なくとも1つの位相調整器回路であって、これによりN個の円形導波路のうちの隣接するものが、おおよそ360/Nだけ位相が異なる受信した第一の横モード信号を有する、少なくとも1つの位相調整器回路と、を備える。
【0004】
別の態様では、半導体処理システムは、N個の出力を介してN個の第一の横モード信号を送信する電源であって、Nが1より大きい自然数である、電源と、少なくとも1つの位相調整器回路と、プラズマチャンバであって、N個の第一の横モード信号を受信するように構成されるN個の円形導波路であって、N個の円形導波路の各々が、入力端と、出力端部と、入力端と出力端部との間に位置付けられ、かつ受信した第一の横モード信号を、円形導波路によって出力される第二の横モード信号へと変換するように構成されたモード変換器と、を備える、N個の円形導波路と、N個の円形導波路から第二の横モード信号を受信し、かつ第二の横モード信号からのエネルギーをプラズマチャンバの1つ以上のアンテナへと分配するように構成された1つ以上の誘電体であって、1つ以上の誘電体が、互いから実質的に等しい距離で、かつ中心点から実質的に等しい距離において位置付けられたN個の受信エリアを備える、1つ以上の誘電体と、を備えるプラズマチャンバと、を備え、N個の円形導波路は、1つ以上の誘電体のN個の受信エリアと隣接して位置付けられ、これによりN個の受信エリアの各受信エリアが、N個の円形導波路の対応する円形導波路を有し、かつ少なくとも1つの位相調整器回路は、N個の円形導波路によって受信された第一の横モード信号のうちの少なくとも1つの位相を調整するように構成され、これによりN個の円形導波路のうちの隣接するものについて、受信した第一の横モード信号がおおよそ360/Nだけ位相が異なる。
【0005】
別の態様では、複数の電力信号入力を有するプラズマチャンバへとエネルギーを提供するためのシステムが開示され、システムは、中心点から実質的に等しい距離において均等に位置付けられたN個の誘電体であって、Nが1より大きい自然数である、N個の誘電体と、N個のアンテナであって、N個の誘電体の各誘電体がN個のアンテナのうちの対応するアンテナの上を覆って位置付けられる、N個のアンテナと、N個の円形導波路であって、N個の円形導波路の各々が、N個の誘電体のうちの対応する1つの上を覆って位置付けられる、N個の円形導波路であって、N個の円形導波路の各々が、入力端と、出力端と、入力端と出力端との間に位置付けられ、かつ受信した第一の横モード信号を、円形導波路によって1つ以上の誘電体の対応する誘電体へと出力される第二の横モード信号へと変換するように構成されたモード変換器と、を備える、N個の円形導波路と、N個の円形導波路によって受信した横モード信号のうちの少なくとも1つの位相を調整するように構成され、これにより、N個の円形導波路のうちの隣接するものについて、受信した横モード信号が、おおよそ360/Nだけ位相が異なる、少なくとも1つの位相調整器回路と、を備える。
【0006】
開示された発明は半導体製造システムに対して適用可能であるが、本発明はそのように限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示は、発明を実施するための形態および添付図面から、より完全に理解されることになる。
【0008】
【
図1】
図1は、1つの実施形態による半導体を製造するためのシステムの概略図である。
【
図2】
図2は、1つの実施形態によるプラズマチャンバへと多重信号を提供するための電源の概略図である。
【
図3】
図3は、第一の実施形態によるプラズマチャンバへと多重信号を提供するためのシステムの等角図である。
【
図4】
図4は、第一の実施形態によるシステムの信号受信部分の上面図である。
【
図5】
図5は、第一の実施形態による誘電体およびアンテナ配設の断面図である。
【
図6】
図6は、第一の実施形態によるアンテナの上面図である。
【
図7】
図7は、第二の実施形態による信号受信部分の等角図である。
【
図8】
図8は、第二の実施形態によるシステムの信号受信部分の上面図である。
【
図9】
図9は、第二の実施形態による誘電体およびアンテナ配設の断面図である。
【
図10】
図10は、第二の実施形態によるアンテナの上面図である。
【0009】
図面は、本発明の1つ以上の実施形態を表し、また発明の範囲を限定しない。
【発明を実施するための形態】
【0010】
好ましい実施形態の以下の記述は、本質的に単に例示的なものであり、また本発明をいかなるやり方でも限定することを意図しない。例示的実施形態の記述は、添付図面に関連して読まれることが意図され、これは書面による記述全体の一部と見なされる。本明細書の考察は、単独で、または他の特徴との組み合わせで存在する場合がある特徴のいくつかの可能な非限定的な組み合わせを記述および例示する。さらに、本明細書で使用される場合、「または」という用語は、そのオペランドのうちの1つ以上が真である場合に、真をもたらす論理演算子として解釈される。さらに、本明細書で使用される場合、「に基づく」という語句は、「に少なくとも部分的に基づく」を意味するとして解釈され、したがって「に完全に基づく」という解釈に限定されない。さらに、「各々の」という用語は、複数のアイテムの各々に関して使用される時、システムまたは装置全体の各々のこうしたアイテムを指す必要はなく、その代わりに、システム内の列挙された1つ以上のこうしたアイテムの各々を単に指してもよい。
【0011】
全体を通して使用される場合、範囲は、範囲内のありとあらゆる値を記述するための簡潔な表現として使用される。範囲内の任意の値を、範囲の終端として選択することができる。加えて、本明細書に引用されたすべての参照文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示における定義と引用された参照文献の定義との間に矛盾がある場合には、本開示が優先される。
【0012】
ブロック図または回路が示されかつ記述される以下の記述では、当業者であれば、明瞭のために、すべての周辺構成要素または回路が図に示されているわけではない、または明細書に記述されているわけではないことを認識するであろう。例えば、メモリデバイスおよび電源などの一般的な構成要素は、それらの役割が当業者によって簡単に理解されることになるため、本明細書では考察されない場合がある。さらに、「連結」および「動作可能に連結」という用語は、回路の2つの構成要素の直接的な連結または間接的な連結を指すことができる。
【0013】
類似の構成要素または特徴を記述するうえでの明瞭のためおよび便宜上、異なる実施形態または図にわたって同じまたは類似の参照番号が本明細書で使用される場合があることが留意される。これは、特定の参照番号によって識別される構成要素または特徴が、各実施形態または図にわたって同一であることを暗示するものではなく、構成要素または特徴が、一般的な機能または同一性において類似していることを示唆するに過ぎない。
【0014】
本発明の特徴は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせで実装されてもよい。本明細書に記述されるコンピュータプログラムは、任意の特定の実施形態に限定されず、またオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、フォアグラウンドプロセスまたはバックグラウンドプロセス、ドライバ、またはそれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。コンピュータプログラムは、単一のコンピュータもしくはサーバープロセッサ、または複数のコンピュータもしくはサーバープロセッサ上で実行されてもよい。
【0015】
本明細書に記述されるプロセッサは、コンピュータプログラム命令(例えば、コード)を実行するように構成された任意の中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、コンピュータもしくはプログラマブル、デバイスもしくは回路であってもよい。様々なプロセッサは、任意の好適なタイプ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、ノートブック、タブレット、携帯電話等)のコンピュータおよび/またはサーバーハードウェアで具体化されてもよく、またバス、ソフトウェア、ならびに揮発性メモリおよび不揮発性メモリなどのデータストレージ、入力/出力デバイス、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)、リムーバブルデータストレージ、ならびにWi-Fi、Bluetooth、LAN等を含む有線および/または無線通信インターフェースデバイスなどが挙げられるがこれらに限定されない、機能的なデータ処理デバイスを形成するために必要なすべての通常の補助的な構成要素を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「プロセッサ」という用語は、1つ以上のプロセッサを指してもよい。
【0016】
本明細書に記述されるコンピュータ実行可能な命令またはプログラム(例えば、ソフトウェアまたはコード)およびデータは、本明細書に記述されるようにそれぞれのプロセッサにアクセス可能であり、かつそれによって読み出し可能な非一時的コンピュータ可読媒体の中へとプログラムされてもよく、かつ目に見える形で具体化されてもよく、これは媒体内にコード化された命令を実行することによって、所望の機能およびプロセスをプロセッサが実施するように構成および指示する。こうした非一時的コンピュータ実行可能な命令またはプログラムへと構成されたプログラマブルプロセッサを具体化するデバイスは、「プログラマブルデバイス」、または「デバイス」と呼ばれてもよく、また相互通信の状態にある複数のプログラマブルデバイスは、「プログラマブルシステム」と呼ばれてもよい。本明細書に記述されるような非一時的「コンピュータ可読媒体」としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびその様々なタイプを含む、任意の好適な揮発性または不揮発性メモリ、読み出し専用メモリ(ROM)およびその様々なタイプ、USBフラッシュメモリ、および媒体に動作可能に接続されたプロセッサへと書き込まれる場合がある、かつ/または媒体に動作可能に接続されたプロセッサによって読み取られる場合がある、磁気もしくは光学データストレージデバイス(例えば、内蔵/外付けハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、CD-ROM、DVD-ROM、光ディスク、ZIP(商標)ドライブ、Blu-ray(登録商標)ディスク、およびその他のもの)が挙げられてもよいが、それらに限定されないことが留意されるべきである。
【0017】
ある特定の実施形態では、本発明は、プロセッサベースのデータ処理および通信システム、またはそれらのプロセスを実施するためのコンピュータシステムなどのコンピュータ実装プロセスおよび装置の形態で具体化されてもよい。本発明はまた、非一時的コンピュータ可読記憶媒体内で具体化されるソフトウェアまたはコンピュータプログラムコードの形態で具体化されてもよく、これは、データ処理および通信システムまたはコンピュータシステムへとロードされ、かつそれらによって実行される時、コンピュータプログラムコードセグメントは、プロセスを実装するために構成された特定の論理回路を作り出すようにプロセッサを構成する。
【0018】
半導体処理システム
ここで、図を参照すると、
図1は、1つの実施形態による半導体を製造するためのシステム53の概略図である。システム53は、電源47およびプラズマチャンバ19を含む。電源47は、プラズマチャンバ19の導波路191に電力信号S1’~S6’を提供する。下記により詳細に考察される電源47は、電源47の出力17に位相調整信号S1’~S6’を提供するための1つ以上の位相調整器回路44を含む。調整された信号S1’~S6’は、同軸ケーブルなどの導体17Aによってプラズマチャンバへと提供される。他の実施形態では、位相調整器は、電源47から分離されてもよく、または単一の回路であってもよい。
【0019】
例示的なプラズマチャンバ19は、基材を保持するための1つ以上のアンテナ23およびチャック25を含む。当技術分野で知られているプロセスでは、第一のアンテナ23およびチャック25を含み、適切な制御システム(図示せず)およびプラズマチャンバ19内のプラズマと併せて、基材27の上への材料の堆積および/または基材27からの材料のエッチングを可能にして、半導体デバイスを製造する。製造された半導体デバイスは、マイクロプロセッサ、メモリチップ、または他のタイプの集積回路またはデバイスとすることができる。
【0020】
この実施形態では、アンテナ23は、電源47からエネルギーを受信し、一方でチャック25は、セラミックであり、そして基材27を保持し、かつ/または静電(ESC)機能性を提供する。1つ以上のアンテナ23は、例えば、1つ以上のスロットアンテナであってもよい(
図6を参照のこと)。アンテナは、アルミニウムなどの様々な導電性材料で作製されてもよい。
【0021】
プラズマ処理は、RFエネルギーをガス混合物へと導入することによって、エネルギーをガス分子に付与することによってガス混合物を活性化することを伴う。このガス混合物は、真空チャンバ(プラズマチャンバ19)内に収容され、そしてRFエネルギーは、アンテナ23を介してプラズマチャンバ19の中へと導入される。それ故にプラズマは、堆積またはエッチングを実施するために、電源47からの電力をプラズマチャンバ19へと連結することによって活性化される場合がある。典型的なプラズマプロセスでは、電源47は、無線周波数で電力を生成し、またこの電源47からのこの電力は、ケーブル17Aを通してプラズマチャンバ19へと伝送される。好ましい実施形態では、2.45GHz、または2~3GHz、または少なくとも300MHz、または少なくとも800MHzなどのマイクロ波周波数が使用されるが、本発明はそのように限定されない。
【0022】
下記にさらに詳細に考察するように、半導体を製造するためのシステム53は、プラズマチャンバ19の1つ以上のアンテナ23へと多重信号S1’~S6’を提供するためのシステム54をさらに含む。例示的なシステム54では、位相調整器回路44は、1つ以上の位相調整信号S1’~S6’を導波路191へと提供する。導波路191(下記に考察するモード変換を提供した後)は、プラズマチャンバ19の1つ以上のアンテナ23にエネルギーを提供する1つ以上の誘電体192へと信号を提供する。
【0023】
円偏波および電界均一性
位相調整器回路44によって提供される位相調整および導波路191によって提供されるモード変換は、円偏波の生成を可能にし、それによってプラズマチャンバ19に対する電界均一性の改善を可能にする。線17Aなどの同軸線では、波伝播の最も低いモードは、中心端子から外へと半径方向に放射する直交するe力線を有する、横電磁気(TEM)モードである。しかしながら、円形導波路(導波路191など)では、波伝播の最も低いモードはTE11であり、ここでe力線は外側シェルの一方の端から反対側の端へと放射する。円形導波路は方位角について対称的であるので、導波路が回転するにつれて無限数の縮退TE11モードがある。したがって、モード変換器が、円形TE11に対して同軸TEMである波動を取るように設計される場合、伝播の方向は、TE11モードの正確な方向を提供し、かつ無限縮退モードをブロックするために、内部幾何学的形状によって正確に画定されなければならない。各TE11モードは、伝播が縮退モードのうちの1つのみに沿っている場合に直線偏波され、そのためTE11伝播の正確な方向を特定するモード変換器は直線偏波されると言われる。TE11円形導波路は、直交モード間に90度の位相差がある場合、2つの直交直線モードが伝播される時に、円偏波されるようになる。所与の半径における何らかの不均一性は、電界の全回転にわたって平均化されるので、円偏波は、方位角の対称性を保証するため、チャンバ内の電界の均一性のために望ましい。
【0024】
円偏波に対する1つの課題は、典型的に、刺激される2つの直交モード間の位相関係を維持するために、導波路が伝播する負荷の安定性が必要とされることである(加えて、入力側上の2つの直交モードを励起することは、それ自体が困難である)。これは、プラズマチャンバ19などのプラズマチャンバ内の変化するプラズマ負荷と相いれない。これを克服するために、本明細書に記述される本発明は、複数の直線偏波されたTE11円形入力の集合体において円偏波を再現する場合がある。
図4に関して下記により詳細に考察することになるように、これを達成する役に立つように、位相遅延は、各直線入力フィード17A上に定置され、これによりすべての入力17Aにわたる総遅延は、360度の回転を作り出す。言い換えれば、N個のフィードがある場合、隣接するフィードの位相遅延は360/N度である。
【0025】
位相遅延を提供する電源
図2は、1つの実施形態による、こうした位相遅延を有する、多重信号を提供するための電源47の概略図である。周波数源42は、異なる周波数を有してもよい、初期信号S1~S6を提供する。好ましい実施形態では、2.45GHz、または2~3GHz、または少なくとも300MHz、または少なくとも800MHzなどのマイクロ波周波数が使用される。例示的な実施形態では、周波数源は、アナログデバイスによって提供されるような6出力クロック発生器AD9518であるが、本発明はそのように限定されない。示されるように、周波数源からの信号S1~S6は、位相調整器回路44へと提供される前に、フィルター471(例えば、帯域通過フィルター)によってフィルタリングされた増幅器14(例えば、差動RF低ノイズ増幅器)によって増幅されてもよい。電源はまた、位相調整器回路44の前または後に位置付けられた1つ以上の整合回路11A、11Bも含んでもよい。1つ以上のインピーダンス整合回路11A、11Bのための動作構成および潜在的な構成は、共同所有された米国特許出願公開第2021/0183623号明細書および米国特許出願公開第2021/0327684号明細書により詳細に記述され、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図2に示す構成要素は例示に過ぎず、また本発明を限定することを意図しないことに注意すべきである。
【0026】
位相調整器回路44は、本明細書で考察されるように、受信信号の位相を調整するように構成された任意の回路であってもよい。例示的な実施形態では、位相調整器回路は、0~360度の位相制御でアナログ40dBゲインを受信するアナログデバイスからのHMC631ベクトル変調器(図示せず)である。電源47はまた、ドライバ472(例えば、1Wドライバ電力増幅器)を介して位相調整信号S1’~S6’も増幅する場合がある。さらに、バイアスティー473は、DC電圧源474からDC電圧を注入する場合がある。1つ以上の位相調整信号S1’~S6’は、出力17に提供される。各信号が位相調整される必要はないことに注意すべきである。例えば、信号S1は、いかなる位相調整も受信しなくてもよく(θ1=0度)、一方で信号S2は、60度の位相を有し(θ2=60度)、信号S3は、120度の位相を有し(θ3=120度)、信号S4は、180度の位相を有し(θ4=180度)、信号S5は、240度の位相を有し(θ5=240度)、信号S6は300度の位相を有する(θ6=300度)。
【0027】
その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、共同所有された米国特許第9,345,122号は、本明細書で考察される電源へと適用されてもよいRF発生器の実施例を提供する。
【0028】
信号受信部分
図3は、第一の実施形態によるプラズマチャンバのアンテナ23へと多重信号を提供するためのシステム54の等角図である。システム54は、信号受信部分54Aを含む。
図4は、信号受信部分54Aの上面図である。
図3~
図4は、ひとまとめに記述される。
【0029】
図3は、システム54が位相調整器回路44および信号受信部分54Aの両方をどのように含むかを示す。
図2の位相調整器回路は電源47の一部を形成するが、他の実施形態では分離していてもよいことに注意すべきである。信号受信部分54Aは、受信したエネルギーをプラズマチャンバのアンテナ23へと分配するように構成された誘電体プレート192を含む。好ましい実施形態では、誘電体プレート192は、熱的および機械的利点を提供する石英から作製される。しかし、本発明は特定の誘電材料に限定されない。この実施形態では、誘電体プレート192は、互いから実質的に等しい距離で、かつ中心点、ここでは誘電体プレート192の中心Cから実質的に等しい距離Dに位置付けられた円形状面193および6つの受信エリア194を有する。「実質的に等しい」は、等しいもののプラスまたはマイナス10%を包含すると理解される。さらに、受信エリアは、誘電体プレートの中心の周りに方位角方向で均等に離隔する。しかしながら、本発明は、これらの特性に限定されない。例えば、他の誘電体プレートは、N個の受信エリアを有してもよく、ここでNは、1より大きい自然数である。さらに、誘電体プレート192がその上に置かれるアンテナ23は、互いに隣接し、かつ誘電材料によって分離された複数のアンテナを備えて、セグメント化されてもよく、複数の電極セグメントの各々は、信号S1’~S6’のうちの別個の1つを受信する。こうした実施形態は、
図7~
図10に関して以下で考察されることになる。
【0030】
システム54の信号受信部分54Aは、誘電体プレート192の受信エリア194の上を覆って(例えば、その上に、または上方に)位置付けられた6つの円形導波路191をさらに含み、これにより6つの受信エリア194の各受信エリア194は、対応する円形導波路191を有する。円形導波路の各々は、入力端191A、出力端191B、およびモード変換器196を有する。モード変換器196は、入力端191Aと出力端191Bとの間に位置付けられ、そして導体17A(同軸ケーブルなどの)から受信した横電磁気(TEM)モード信号S6’を、円形導波路191によって出力される横電気(TE11)モード信号S6’-11へと変換するように構成される。本発明は、他の横電気モード、横磁気モード、および/または横電磁気モードを含む、他の第一の横モードおよび第二の横モードが使用されてもよいため、TEMモードおよびTE11モードに限定されないことが留意される。こうした他のモードは、例えば、誘電体192またはアンテナ23が円形形状ではない場合に有用である場合がある。
【0031】
モード変換器は、受信信号をTEMモードからTE11モードへと変換するための任意のタイプのモード変換器であってもよい。例示的なモード変換器196は、モード変換を引き起こすのに役立つ中心フィード196Aおよび側方部分196Bを含む。さらに、側方部分196Bは、モード変換器196を囲み、かつ誘電体プレート192上に置かれる円筒形外壁197(例えば、アルミニウムから作製された)に接続される。しかしながら、本発明は、モード変換を実行するための任意の特定の構造に限定されない。
【0032】
システム54は、
図2に関して上記で考察した位相調整器回路44をさらに含む。位相の調整は、モード変換とともに、円偏波の生成を可能にする。位相調整器回路は、ケーブル17Aが円形導波路191へと提供する直線偏波信号TEMモード信号S1’~S6’のうちの1つ以上の位相を遅延させるように構成され、これによりN個の円形導波路191のうち、隣接するものは、おおよそ360/Nだけ位相が異なるそれらの受信したTEMモード信号S1’~S6’を有し、ここで、「おおよそ360/N」は、360/Nのプラスまたはマイナス10%を包含すると理解される。他の実施形態では、おおよそとは、例えば、プラスまたはマイナス2%を意味することができる。この実施例では、Nは6に等しい。それ故に、受信したTEMモード信号S1’~S6’の各々は、位相が60度だけ異なる。それ故に、
図4に示すように、6つのTEMモード信号それぞれに対する位相は、以下の通りである。第一の導波路191-1におけるS1’は、0度の位相θ
1を有し、第二の導波路191-2におけるS2’は、60度の位相θ
2を有し、第三の導波路191-3におけるS3’は、120度の位相θ
3を有し、第四の導波路191-4におけるS4’は、180度の位相θ
4を有し、第五の導波路191-5におけるS5’は、240度の位相θ
5を有し、第六の導波路191-6におけるS6’は、300度の位相θ
6を有する。それ故に、TEMモード信号S1’~S6’の位相の調整は、円形導波路191によって受信されたTEMモード信号に対して完全な360度の位相回転を引き起こす。この位相関係では、各直線偏波の方向は、誘電体プレート192の中心C、そしてそれ故にプラズマチャンバ19の中心に向かって指すように、TEMからTE11へのモード変換器196によって設定される。この構造を用いて、所望の円偏波された電界が再構成される。
【0033】
別の実施形態では、4つの導波路および4つの受信エリアがある場合、相は90度だけ異なることになり、そしてそれ故に、それぞれの信号は、例えば、0度、90度、180度、および240度の位相を有する可能性がある。これらは、例に過ぎず、またこれらは本発明を限定することを意図しない。さらに、N個の円形導波路のうちの各1つに対するTEMモード信号の位相(θ)は、代替的に、次式のように表されてもよい。
【数1】
【0034】
システム54は、本明細書で考察されたものなどのプロセッサを含む場合がある制御回路をさらに含んでもよいことが留意される。制御回路は、位相調整器回路44および/またはシステム54の他の部分を制御してもよい。
【0035】
図5は、誘電体192、アンテナ23、およびプラズマチャンバ19の断面図である。上側誘電体192の例示的な受信エリア194は、導波路からTE11信号を受信するように構成される(
図4の導波路191を参照のこと)。上側誘電体192は、導波路から受信したエネルギーをアンテナ23へと分配する。示されるように、導電性中心ブロッカー198は、誘電体192とアンテナ23との間に位置付けられてもよい。この中心ブロッカーは、導波路191からのエネルギーが誘電体プレート192をアンテナ23へと直接的に通ることを防止し、その代わりにエネルギーが誘電体192の周りを取り囲むようにする場合がある。それ故に、中心ブロッカー198は、中心電界を限定する場合がある。中心ブロッカー198は、アルミニウムまたは別の導電性材料で作製されてもよい。示されるように、下側誘電体199はまた、アンテナ23の下方、およびアンテナ23とプラズマチャンバ19との間にも含まれてもよい。
【0036】
図6は、第一の実施形態によるアンテナ23の上面図である。示されるように、アンテナ23は、アンテナの円形状面の周りに位置付けられた複数のスロット195を有する半径方向スロットアンテナであってもよい。他の実施形態では、アンテナ23は、異なる形状、および/または異なるサイズもしくは形状のスロットを有してもよい。アンテナは、アルミニウムなどの様々な導電性材料で作製されてもよい。
【0037】
信号受信部分の第二の実施形態
図7~
図10は、第二の実施形態による信号受信部分254を集合的に図示する。
図3~
図6の信号受信部分54は、単一のアンテナ23およびすべての導波路191に対する共有された導波路として作用するアンテナ23の上を覆う単一の上部誘電体プレート192を利用して、単一のアンテナ23にわたって分配されたシステムを作り出すが、
図7~
図10の第二の実施形態は、アンテナを別個のアンテナ223へと分割する。同様に、上部誘電体は、別個の上部誘電体292Aからなる。例示的な実施形態では、各アンテナ223は、上部誘電体292Aと底部誘電体292Bとの間に位置付けられ、またこのユニットは、下側誘電体プレート299の上に位置付けられるが、本発明はそのように限定されない。この実施形態は、下記により詳細に考察される。
【0038】
図7は、第二の実施形態による信号受信部分254の等角図である。これは、方位角方向に離隔し、かつモード変換器296を備える導波路291を含むという点で、
図3と同様である。しかし対照的に、各導波路291は、上部誘電体292Aと底部誘電体292Bとの間に位置付けられた対応するアンテナ223を有する。
図8は、信号受信部分254の上面図である。これは、互いから実質的に等しい距離に、かつ中心点Cから実質的に等しい距離Dに位置付けられた導波路291を示す。さらに、導波路291は、中心点Cの周りで、かつ下側誘電体プレート299の上を覆って、方位角方向に離隔する。
図9は、第二の実施形態による誘電体292A、292B、299およびアンテナ223配設の断面図である。これは、上部誘電体292Aと底部誘電体292Bとの間に、かつプラズマチャンバ19の上方に位置付けられた下部誘電体プレート299の上を覆って位置付けられたアンテナ223を示す。
図10は、スロット295を備えるスロットアンテナ223のうちの1つの上面図である。
【0039】
この第二の実施形態によれば、本発明は、
図1に示すような複数の電力信号入力を有するプラズマチャンバへとエネルギーを提供するためのシステム53として理解されるが、システム53は、中心点Cから実質的に等しい距離Dにおいて均等に位置付けられたN個の上部誘電体292Aを含み、Nは、1より大きい自然数である。この実施形態では(先行のものと同様に)、Nは6に等しいが、本発明はそのように限定されない。システム53は、N個のアンテナ223をさらに含み、N個の上部誘電体292Aの各上部誘電体292Aは、N個のアンテナのうちの対応するアンテナ223の上を覆って位置付けられ、またN個の誘電体292Aの各上部誘電体292Aは、N個のアンテナ223のうちの対応するアンテナ223へと受信したエネルギーを提供するように構成される。システム53は、N個の円形導波路291をさらに含み、N個の円形導波路291の各々は、N個の上部誘電体292Aのうちの対応する1つの上を覆って位置付けられる。N個の円形導波路291の各々は、入力端291Aと、出力端291Bと、入力端291Aと出力端291Bとの間に位置付けられ、かつ受信した第一の横モード信号を、円形導波路291によって1つ以上の誘電体292Aのうちの対応する上部誘電体292Aへと出力される第二の横モード信号へと変換するように構成されたモード変換器296と、を備える。システム53は、N個の円形導波路291によって受信された横モード信号のうちの少なくとも1つの位相を調整するように構成された位相調整器回路44をさらに含み、これにより受信した横モード信号は、N個の円形導波路291のうちの隣接するものに対しておおよそ360/Nだけ位相が異なる。言い換えれば、導波路の各隣接する対は、位相が360/Nだけ異なる。それ故に、6個の導波路を有する例示的な実施形態では、各対は、60度だけ位相が異なることになる(例えば、0度、60度、120度、180度、240度、および300度)。
【0040】
それ故に、この実施形態によると、上記参照の1つ以上の誘電体は、N個の上部誘電体292Aを備え、1つ以上のアンテナは、N個のアンテナ223を備え、またN個の上部誘電体の各上部誘電体292Aは、N個のアンテナの対応するアンテナ223を有する。さらに、上部誘電体292Aの各々は、N個の受信エリア294のうちの対応する1つを備える。それ故に、この実施形態では、各上部誘電体292Aは、受信エリアと考えられる場合がある。さらに、N個のアンテナ223の各々は、対応する底部誘電体292Bの上を覆って位置付けられる。
【0041】
電界均一性を改善する方法
最終的に、別の態様では、本発明は、プラズマチャンバのアンテナ上の電界の均一性を改善するために、複数の入力を受信するプラズマチャンバへと送達されるマイクロ波電力を制御する方法として理解される場合がある。方法は、電源のN個の出力を介して、N個の第一の横モード信号(例えば、TEMモード信号)を送信することを含み、Nは、1より大きい自然数である。別の動作では、N個の円形導波路は、N個の第一の横モード信号を受信し、N個の円形導波路の各々は、入力端、出力端、および入力端と出力端との間に位置付けられたモード変換器を備える。別の動作では、円形導波路の各々について、モード変換器は、受信した第一の横モード信号を、円形導波路によって出力される第二の横モード信号(例えば、TE11モード信号)へと変換する。別の動作では、円形導波路は、第二の横モード信号をプラズマチャンバの電極の上を覆って位置付けられた1つ以上の誘電体へと送信し、1つ以上の誘電体は、互いから実質的に等しい距離で、かつ中心点から実質的に等しい距離に位置付けられたN個の受信エリアを含む。別の動作では、N個の円形導波路によって受信された第一の横モード信号のうちの少なくとも1つの位相は調整され、これによりN個の円形導波路のうちの隣接したものは、受信した第一の横モード信号の位相がおおよそ360/Nだけ異なる。
【0042】
本発明は、本発明の現在の好ましい実行のモードを含む特定の実施例に関して記述してきたが、当業者であれば、上述のシステムおよび技法の数多くの変形および並べ替えがあることを理解するであろう。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、また構造的および機能的修正がなされてもよいことが、理解されるべきである。それ故に、本発明の趣旨および範囲は、添付の特許請求の範囲に記載のように広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0043】
11 整合回路
14 増幅器
17 入力
19 プラズマチャンバ
23 アンテナ
23 第一のアンテナ
25 チャック
27 基材
40 アナログ
42 周波数源
44 位相調整器回路
47 電源
53 システム
54 システム
191 導波路
191-1 第一の導波路
191-2 第二の導波路
191-3 第三の導波路
191-4 第四の導波路
191-5 第五の導波路
191-6 第六の導波路
192 誘電体
193 円形状面
194 受信エリア
195 スロット
196 モード変換器
197 円筒形外壁
198 中心ブロッカー
199 下側誘電体
223 アンテナ
254 信号受信部分
291 入力端
292 誘電体
294 受信エリア
295 スロット
296 モード変換器
299 下側誘電体プレート
471 フィルター
472 ドライバ
473 バイアスティー
474 DC電圧源
631 HMC
【外国語明細書】